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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160420
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】ロボット
(51)【国際特許分類】
   A63H 11/00 20060101AFI20231026BHJP
   B25J 13/00 20060101ALI20231026BHJP
   A63H 5/00 20060101ALI20231026BHJP
   A63H 3/00 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
A63H11/00 Z
B25J13/00 Z
A63H5/00 C
A63H3/00 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022070792
(22)【出願日】2022-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】橋口 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 薪雄
【テーマコード(参考)】
2C150
3C707
【Fターム(参考)】
2C150CA01
2C150DF03
2C150DF33
2C150DG01
2C150DG13
2C150DG23
2C150ED42
2C150ED47
2C150ED56
2C150EE07
2C150EF13
2C150EF16
2C150EF30
2C150EF33
2C150FA03
2C150FB43
3C707KS11
3C707KT01
3C707KT04
3C707MT13
3C707WL05
3C707WL07
3C707WM06
(57)【要約】
【課題】ユーザとコミュニケーションをとるプロジェクション型のロボットにおいて、使われていないときの消費電力が無駄にならないようにするとともに、コミュニケーションの際の表現をユーザに伝わりやすくする。
【解決手段】ロボット(100)は、体表部材(1)と、プロジェクタ(2)と、センサ(3)と、制御部(4)と、を備え、制御部(4)は、センサ(3)が取得した外界の情報に基づいて、所定領域内にユーザが存在するか否かを判断する存在判断処理と、所定領域内にユーザが存在しないと判断した場合、プロジェクタ(2)のバックライト(21)への電力供給を調節する電力調節処理と、を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体表をなす体表部材と、
前記体表部材の少なくとも一部に画像を投影するプロジェクタと、
前記体表部材の少なくとも一部に設けられ、外界の情報を取得するセンサと、
少なくとも前記プロジェクタを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記センサが取得した前記外界の情報に基づいて、所定領域内にユーザが存在するか否かを判断する存在判断処理と、
前記存在判断処理において前記所定領域内に前記ユーザが存在しないと判断した場合、前記プロジェクタのバックライトへの電力供給を調節する電力調節処理と、を実行する、
ことを特徴とするロボット。
【請求項2】
前記制御部は、
前記存在判断処理において前記所定領域内に前記ユーザが存在すると判断した場合、前記ユーザが前記ロボットとコミュニケーションをとる可能性を判断する可能性判断処理を更に実行し、
前記可能性判断処理において前記ユーザがコミュニケーションをとる可能性が低いと判断した場合、前記電力調節処理を実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載のロボット。
【請求項3】
前記制御部は、前記電力調節処理において、前記バックライトへの電力供給を停止または低減するための制御を実行する、ことを特徴とする請求項1または2に記載のロボット。
【請求項4】
前記制御部は、前記バックライトへの電力供給が停止または低減されている間に、前記ユーザが前記ロボットとコミュニケーションをとる可能性が高いと判断した場合、前記電力調節処理において、前記バックライトへの電力供給を再開または増加するための制御を実行する、ことを特徴とする請求項1または2に記載のロボット。
【請求項5】
前記センサは、イメージセンサを含み、
前記イメージセンサは、前記体表部材の前面に取り付けられ、前記所定領域を撮影し、画像データを生成することが可能なカメラの一部として構成されており、
前記制御部は、
前記カメラが生成した前記画像データに基づいて前記ユーザの表情を認識する画像認識処理を実行し、
前記可能性判断処理において、前記ユーザがコミュニケーションをとる可能性が高いと判断した場合、前記電力調節処理において、前記バックライトへの電力供給および前記プロジェクタの液晶パネルの発色の少なくとも一方を、前記画像認識処理において認識した表情に応じて調節する、
ことを特徴とする請求項2に記載のロボット。
【請求項6】
前記センサは、前記ユーザの声から音声データを生成するマイクを更に含み、
前記制御部は、
前記マイクが生成した前記音声データに基づいて前記ユーザの発話内容を認識する音声認識処理を実行し、
前記可能性判断処理において、前記ユーザがコミュニケーションをとる可能性が高いと判断した場合、前記電力調節処理において、前記バックライトへの電力供給および前記プロジェクタの液晶パネルの発色の少なくとも一方を、前記音声認識処理において認識した発話内容に応じて調節する、
ことを特徴とする請求項2に記載のロボット。
【請求項7】
前記センサは、周囲の明るさを取得するよう構成され、
前記制御部は、
前記電力調節処理において、前記バックライトへの電力供給を、前記センサが取得した周囲の明るさに応じた電力供給とするための制御を実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載のロボット。
【請求項8】
時刻を取得する時計を備え、
前記制御部は、
前記電力調節処理において、前記バックライトへの電力供給を、前記時計が取得した時刻に応じた電力供給とするための制御を実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載のロボット。
【請求項9】
前記制御部は、
前記存在判断処理において前記ユーザが存在すると判断した場合、前記ユーザが覚醒状態であるか否かを判断する覚醒判断処理と、
前記覚醒判断処理において前記ユーザが覚醒状態ではないと判断した場合に、前記ユーザが睡眠状態であるか半覚醒状態であるかを判断する睡眠判断処理と、
前記睡眠判断処理において前記ユーザが睡眠状態であると判断した場合、前記ユーザの眠りの深さを判断する眠り深さ判断処理と、
前記電力調節処理において、前記バックライトへの供給電力を、前記眠り深さ判断処理において判断した眠りの深さに応じた電力供給とするための制御を実行する、
ことを特徴とする請求項5~8のいずれか一項に記載のロボット。
【請求項10】
前記制御部は、
前記睡眠判断処理において前記ユーザが半覚醒状態であると判断した場合、前記外界の情報に基づいて、前記ユーザに対して第三者による本の読み聞かせが行われているか否かを判断する読み聞かせ判断処理と、
前記読み聞かせ判断処理において読み聞かせが行われていると判断した場合、前記電力調節処理において、前記バックライトへの供給電力を、通常の供給電力よりも少ない第一電力とするための処理を実行する、
ことを特徴とする請求項9に記載のロボット。
【請求項11】
前記制御部は、
前記第一電力が前記バックライトに供給されている間、前記外界の情報に基づいて、前記本の読み聞かせが終了したか否かを判断する終了判断処理を実行し、
前記終了判断処理において前記読み聞かせが終了したと判断した場合、前記眠り深さ判断処理と、前記電力調節処理と、を実行する、
ことを特徴とする請求項10に記載のロボット。
【請求項12】
前記センサは、前記ユーザの声から音声データを生成するマイクを更に含み、
前記制御部は、
前記眠りの深さに応じた電力が前記バックライトに供給されている間、前記マイクが生成した前記音声データに基づいて、前記ユーザからの声掛けがあったか否かを判断する声掛け判断処理を実行し、
前記声掛け判断処理において声掛けがあったと判断した場合、前記電力調節処理において、前記バックライトへの供給電力を、前記眠りの深さに応じた電力よりも多く、かつ前記第一電力未満の第二電力とするための処理を実行する、
ことを特徴とする請求項10に記載のロボット。
【請求項13】
前記制御部は、
前記声掛け判断処理において声掛けがあったと判断した場合、前記音声データに基づいて緊急時の声掛けであるか否かを判断する状況判断処理を実行し、
前記状況判断処理において緊急時の声掛けであると判断した場合、前記電力調節処理において、前記バックライトへの供給電力を、前記第一電力よりも多い第三電力とするための処理を実行する、
ことを特徴とする請求項12に記載のロボット。
【請求項14】
前記制御部は、所定条件が成立した場合に、前記体表部材に画像を投影しないよう前記プロジェクタの液晶パネルを制御する、および前記外界の情報に応じた電力をバックライトへ供給する、の少なくとも一方の動作を行う、
ことを特徴とする請求項1または2のいずれか一項に記載のロボット。
【請求項15】
前記制御部は、
前記外界の情報に基づく判断を、所定の閾値に照らして実行するようになっており、
前記センサが取得する前記外界の情報に基づく機械学習により、前記閾値を調節する、
ことを特徴とする請求項1または2のいずれか一項に記載のロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザとコミュニケーションをとるロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
顔の表情や会話を介し、ユーザとコミュニケーションをとるロボットが従来知られている。例えば、特許文献1には、顔の表情を投影するプロジェクタを備え、プロジェクタに与える映像を変化させることにより顔の表情が変化するプロジェクション型のロボット装置が開示されている。また、特許文献2には、動作制御部が電池残量に応じた動作を選択することにより行動特性を変化させ省電力モードへ移行し、消費電力を抑制できる自律行動型ロボットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-212717号公報
【特許文献2】特開2019-107461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のロボットでは、バックライトの制御に関する記載が無いため、周囲の環境に関係なく、常に一定の明るさで顔を投影することになる。このため、使われていないときの消費電力が無駄になってしまう。また、表情を変化させても、その変化がユーザに伝わりにくい。一方、特許文献2に記載のロボットでは、省電力モードに関する記載がある。しかし、プロジェクタで顔を投影すること、及び、省電力モードにおいて、目を構成する液晶素子への電力供給は変化させることの開示はない。このため、目で感情を表現したとしても、目の明るさが変わらないため、その表現がユーザに伝わりにくい。
【0005】
上述の事情に鑑みて、本開示は、ユーザとコミュニケーションをとるプロジェクション型のロボットにおいて、使われていないときの消費電力が無駄にならないようにするとともに、コミュニケーションの際の表現をユーザに伝わりやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係るロボットは、体表をなす体表部材と、前記体表部材の少なくとも一部に画像を投影するプロジェクタと、前記体表部材の少なくとも一部に設けられ、外界の情報を取得するセンサと、少なくとも前記プロジェクタを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記センサが取得した前記外界の情報に基づいて、所定領域内にユーザが存在するか否かを判断する存在判断処理と、前記存在判断処理において前記所定領域内に前記ユーザが存在しないと判断した場合、前記プロジェクタのバックライトへの電力供給を調節する電力調節処理と、を実行する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、ユーザとコミュニケーションをとるプロジェクション型のロボットにおいて、使われていないときの消費電力が無駄にならないようにするとともに、コミュニケーションの際の表現をユーザに伝わりやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態に係るロボットの外観を示す斜視図である。
図2】同ロボットの電気的構成を示すブロック図である。
図3】同ロボットが画像を表示する仕組みを示す模式図である。
図4】同ロボットのプロセッサが実行する処理の一部を示すフローチャートである。
図5】同プロセッサが実行する処理の一部を示すフローチャートである。
図6】同ロボットのプロジェクタが投影する画像の一例を示す図である。
図7】同プロセッサが実行する処理の一部を示すフローチャートである。
図8】同プロセッサが実行する処理の一部を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施形態1>
以下、本開示の一実施形態について、詳細に説明する。
【0010】
[概略構成]
まず、ロボット100の概略構成について説明する。図1はロボット100の外観を示す斜視図である。
【0011】
ロボット100は、ユーザとコミュニケーションをとるよう構成されている。ロボット100は、図1に示したように、体表部材1と、プロジェクタ2と、センサ3と、制御部4と、を含む。また、本実施形態に係るロボット100は、台座5と、スピーカ6と、を更に含む。また、本実施形態に係るロボット100は、マイク32を複数含む。
【0012】
(台座)
台座5は、ロボット100の下部をなす部材である。本実施形態に係る台座5は、直方体状をなしている。なお、台座5は、直方体以外の形状をしていてもよい。また、ロボット100は、台座5を含んでいなくてもよい。
【0013】
(体表部材)
体表部材1はロボット100の体表をなす部材である。
本実施形態に係る体表部材1は、台座5の上に取り付けられている。また、本実施形態に係る体表部材1は、胴部材11と、頭部材12と、の二つの部材に分かれている。
【0014】
胴部材11は、ロボット100の胴部(体表部材1の下部)をなす部材である。本実施形態に係る胴部材11は、上部が開口した中空の半球状をなしている。本実施形態に係る胴部材11は、胴本体11aと、胴本体11aの開口を囲む円環状の頸部11bと、を含む。なお、胴部材11は、半球状以外の形状(例えば箱状、円柱状等)をしていてもよい。
【0015】
頭部材12は、ロボット100の頭部(体表部材1の上部)をなす部材である。本実施形態に係る頭部材12は、胴部材11の頸部11bの上に取り付けられている。本実施形態に係る頭部材12は、下部が開口した中空の球状をなしている。また、本実施形態に係る頭部材12は、半透明の(光を一部透過させる)材料(例えば、樹脂、ガラス等)で形成されている。なお、頭部材12は、球状以外の形状(例えば箱状、円柱状等)をしていてもよい。
【0016】
本実施形態に係る体表部材1は、胴部材11に頭部材12が取り付けられることにより、胴部材11内側の空間と頭部材12内側の空間が連続するようになっている。なお、体表部材1は、3つ以上の部材に分かれていてもよいし、一つの部材で構成されていてもよい。また、体表部材1は、頭部と胴部が明確に区別できない形状をしていてもよい。
【0017】
(プロジェクタ)
本実施形態に係るプロジェクタ2は、胴部材11の内側に配置されている。このプロジェクタ2の詳細については後述する。
【0018】
(センサ)
センサ3は、外界の情報を取得する。センサ3は、体表部材の少なくとも一部に設けられている。本実施形態に係るセンサ3は、イメージセンサ31aと、マイク32(音声センサ)と、を含む。なお、センサ3は、イメージセンサ31aおよびマイク32の代わりに/と共に、温度センサ等の他のセンサを含んでいてもよい。
【0019】
(イメージセンサ)
本実施形態に係るイメージセンサ31aは、体表部材1の前面に取り付けられ、所定領域を撮影し、画像データを生成することが可能なカメラ31の一部として構成されている。画像データからは、撮影した所定領域の明るさを判別することができる。すなわち、本実施形態に係るセンサ3は、周囲の明るさを取得するよう構成されている。なお、カメラ31は、頸部11b、頭部材12、台座5等に設けられていてもよい。また、周囲の明るさは、専用の光センサ等で取得するようになっていてもよい。また、カメラ31は、ロボット100の本体から離れた箇所(例えば、ロボットが設置された部屋の壁や天井等)に設けられていてもよい。
【0020】
(マイク)
複数のマイク32は、それぞれユーザの声から音声データを生成する。本実施形態に係る複数のマイク32は、頸部11bに8つ設けられている。8つのマイク32は、円環状の頸部11bの円周に沿って等間隔に並ぶように設けられている。すなわち、8つのマイク32は、頸部11bの前部、後部、左右両側部、右前部、左前部、右後部、左後部にそれぞれ設けられている。なお、マイク32は、胴本体11a、頭部材12、台座5等に設けられていてもよい。また、マイク32は、7つ以下または9つ以上であってもよい。
【0021】
(スピーカ)
スピーカ6は、プロセッサ41の制御に応じた音声を出力する。本実施形態に係るスピーカ6は、台座5の前面に設けられている。なお、スピーカ6は、台座5の前面以外の面(例えば側面、背面等)に設けられていてもよい。また、スピーカ6は、胴部材11、頭部材12等に設けられていてもよい。
【0022】
(制御部)
本実施形態に係る制御部4は、胴部材11の内側であって、プロジェクタ2と頭部材12との間以外の位置に配置されている。制御部4の詳細については後述する。
【0023】
[電気的構成]
次に、ロボット100の電気的構成について説明する。図2はロボット100の電気的構成を示すブロック図、図3はロボット100が顔を表示する仕組みを示す模式図である。
【0024】
ロボット100は、上記プロジェクタ2、センサ3、制御部4、及びスピーカ6の他、図2に示したように電源回路7を含む。これらは、電気的に接続されている。また、ロボット100は、電源Pから電力の供給を受けて動作する。電源Pは、胴部材11、台座5等の内側に配置される内蔵バッテリであってもよいし、家庭用電源であってもよい。
【0025】
(制御部)
制御部4は、プロセッサ41と、一次メモリ42と、二次メモリ43と、入出力インターフェース(以下、入出力IF44)と、を含む。プロセッサ41、一次メモリ42、二次メモリ43および入出力IF44は、バス45等を介して相互に接続されている。
【0026】
プロセッサ41は、少なくともプロジェクタ2を制御する。本実施形態に係るプロセッサ41は、カメラ31、マイク32、スピーカ6および電源回路7も制御する。プロセッサ41として利用可能なデバイスとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)、FPU(Floating point number Processing Unit)、PPU(Physics Processing Unit)、マイクロコントローラ、または、これらの組み合わせを挙げることができる。プロセッサ41が実行する各種処理の詳細については後述する。
【0027】
(一次メモリ)
一次メモリ42は、制御プログラムを格納している。また、一次メモリ42は、スピーカ6から出力するための音声データを格納している。また、一次メモリ42は、センサ3が取得した外界の情報を格納可能となっている。一次メモリ42として利用可能なデバイスとしては、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、ODD(Optical Disk Drive)、FDD(Floppy(登録商標) Disk Drive)、またはこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0028】
また、一次メモリ42は、各種処理(詳細後述)で判断を行う際の閾値を格納している。閾値には、例えば、後述する各処理においてYes/Noを振り分ける閾値、頭部材12に投影する顔画像Iを明るくするか暗くするかを判断する閾値、顔画像Iの色を明るい色(例えば暖色系の色)とするか暗い色(例えば寒色系の色)とするかを振り分ける閾値等が含まれる。
【0029】
(二次メモリ)
二次メモリ43は、プロセッサ41が一次メモリ42から読み出した制御プログラムを、一時的に格納する。二次メモリ43として利用可能なデバイスとしては、例えば、半導体RAM(Random Access Memory)を挙げることができる。
【0030】
なお、本実施形態においては、ロボット100における記憶を2つのメモリ(一次メモリ42および二次メモリ43)により実現しているが、これに限定されない。すなわち、ロボット100における記憶を1つのメモリにより実現してもよい。この場合、例えば、そのメモリの或る記憶領域を一次メモリ42として利用し、そのメモリの他の記憶領域を二次メモリ43として利用すればよい。
【0031】
(入出力インターフェース)
入出力IF44は、プロセッサ41と、各部(センサ3、スピーカ6、電源回路7、およびプロジェクタ2の液晶パネル22)と、を接続する。入出力IF44としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)、ATA(Advanced Technology Attachment)、SCSI(Small Computer System Interface)、PCI(Peripheral Component Interconnect)等が挙げられる。
【0032】
(プロジェクタ)
プロジェクタ2は、体表部材1の少なくとも一部に画像を投影する。本実施形態に係るプロジェクタ2は、頭部材12に顔を模した画像(以下、顔画像I)を投影する。上述したように、本実施形態に係るプロジェクタ2は、胴部材11の内側に配置されている。また、本実施形態に係るプロジェクタ2は、図3に示したように、上方へ光Lを照射するバックライト21と、バックライト21と頭部材との間に介在する液晶パネル22と、を含む。バックライト21は、上方(頭部材12が存在する方向)へ光Lを照射するように配置されている。なお、プロジェクタ2は、胴部材11に画像を投影するよう構成されていてもよい。また、プロジェクタ2は、顔画像I以外の画像(例えば後述する時刻等)を投影するよう構成されていてもよい。
【0033】
本実施形態に係るプロジェクタ2は、上述した構成により、図3に示したように、頭部材12の内面に顔画像Iを投影する。上述したように、本実施形態に係る頭部材12は光Lを一部透過させる材料で形成されている。このため、ロボット100と向かい合うユーザは、頭部材12に投影された顔画像Iを、図1に示したように、頭部材12の外側から、ロボット100の顔として視認することができる。すなわち、ロボット100は、プロジェクタ2の投影により顔を表示するプロジェクション型ロボットである。なお、プロジェクタ2は、体表部材1の外側に配置され、頭部材12の外側から、プロジェクションマッピング等の方式で顔画像Iを投影するようになっていてもよい。その場合、頭部材12は光を透過させない材料で形成されていてもよい。
【0034】
(電源回路)
電源回路7は、プロセッサ41の制御に応じて、電源Pからプロジェクタ2のバックライト21へ供給する電力を調節する。なお、電源回路7は、プロジェクタ2以外の部品へ供給する電力を調節するようになっていてもよい。
【0035】
(電気的構成その他)
なお、ロボット100は、第二のプロセッサを含んでいてもよい。その場合、プロジェクタ2以外の制御を、第二のプロセッサが行うようになっていてもよい。また、ロボット100は、通信インターフェースを備え、外部と通信するようになっていてもよい。また、ロボット100は、時刻を取得する時計を備えてもよい。
【0036】
[動作]
次に、ロボット100の動作について説明する。図4,5,7,8はロボット100のプロセッサ41が実行する処理の一部を示すフローチャートである。図6はロボット100のプロジェクタ2が投影する顔画像Iの一例を示す図である。
【0037】
本実施形態に係るロボット100は、所定の起動条件が成立したことを契機として起動する。起動条件は、例えば、電源スイッチがONにされたこと等を含む。本実施形態に係るプロセッサ41は、起動後、図4に示したように、モード変数(mode)を「1」に設定する(ステップS1)。モード変数は、動作モードを示すものである。本実施形態に係るモード変数は、コミュニケーションモードを示す「1」、節電モードを示す「2」、おやすみモードを示す「3」および照明モードを示す「4」の4種類がある。また、本実施形態に係るプロセッサ41は、起動後、図4に示したように、取得処理を実行する(ステップS2)。取得処理において、プロセッサ41は、センサ3から外界の情報を取得する。具体的には、センサ3がイメージセンサ31aを含む場合、プロセッサ41は、カメラ31から画像データ(周囲の明るさを含む)を取得する。センサ3がマイク32を含む場合、プロセッサ41は、マイク32から音声データを取得する。ロボット100が時計を備える場合、プロセッサ41は、この取得処理において、現在の時刻も外界の情報として取得する。
【0038】
(画像認識処理と音声認識処理)
取得した外界の情報に画像データが含まれている場合、プロセッサ41は、画像認識処理を実行する。画像認識処理において、プロセッサ41は、カメラが生成した画像データに基づいてユーザの表情を認識する(ステップS3)。また、取得した外界の情報に音声データが含まれている場合、プロセッサ41は、音声認識処理を実行する(ステップS3)。音声認識処理において、プロセッサ41は、マイクが生成した音声データに基づいてユーザの発話内容(例えば、「暗くして」、「明るくして」等)を認識する。
【0039】
ユーザの表情や発話内容を認識した後、プロセッサ41は、所定の照明切替条件が成立したか否かを判断する(ステップS4)。照明切替条件には、例えば、所定のスイッチ操作が行われる、周囲の明るさが所定以下である、現在時刻が夕方以降を指す等が含まれる。ここで、照明切替条件が成立したと判断した場合(ステップS4:Yes)、プロセッサ41は、モード変数を、照明モードを示す「4」に切り替える(ステップS5)。一方、照明切替条件が成立していないと判断した場合(ステップS4:No)、プロセッサ41は、ステップS6の処理へ移行する。
【0040】
モード変数を「4」に切り替えた後、または照明切替条件が成立していないと判断した後、プロセッサ41は、現状のモード変数が、コミュニケーションモードを示す「1」であるか否かを判断する(ステップS6)。ここで、モード変数が「1」であると判断した場合(ステップS6:Yes)、プロセッサ41は、自身の動作モードをコミュニケーションモード(1)に遷移させる。このコミュニケーションモード(1)での動作については後述する。
【0041】
一方、モード変数が「1」ではないと判断した場合(ステップS6:No)、プロセッサ41は、モード変数が、節電モードを示す「2」であるか否かを判断する(ステップS7)。ここで、モード変数が「2」であると判断した場合(ステップS7:Yes)、プロセッサ41は、自身の動作モードを節電モード(2)に遷移させる。この節電モード(2)での動作については後述する。
【0042】
一方、モード変数が「2」ではないと判断した場合(ステップS7:No)、プロセッサ41は、モード変数が、おやすみモードを示す「3」であるか否かを判断する(ステップS8)。ここで、モード変数が「3」であると判断した場合(ステップS8:Yes)、プロセッサ41は、自身の動作モードをおやすみモード(3)に遷移させる。このおやすみモード(3)での動作については後述する。
【0043】
一方、モード変数が「3」ではない(所定条件が成立する)と判断した場合(ステップS8:No)、プロセッサ41は、自身の動作モードを照明モード(4)に遷移させる。この照明モード(4)での動作については後述する。
【0044】
(電力調節処理)
また、ロボット100が起動すると、プロセッサ41は、電力調節処理を開始する。電力調節処理は、プロジェクタ2のバックライト21への電力供給を調節するよう電源回路7を制御する処理である。この電力調節処理は、ロボットが起動している間、継続して実行される。
【0045】
〔コミュニケーションモード〕
コミュニケーションモード(1)に遷移したプロセッサ41は、図5に示したように、まず、電力調節処理において、取得した外界の情報に応じた電力をバックライト21へ供給する(ステップA1)。センサ3が周囲の明るさを取得するよう構成されている場合、プロセッサ41は、電力調節処理において、バックライト21への電力供給を、センサが取得した周囲の明るさに応じた電力供給とするための制御を実行する。例えば、プロセッサ41は、周囲が明るいほど明るく、周囲が暗いほど暗くなるようバックライト21を制御する。周囲の明るさに応じて体表の明るさを変えることにより、ロボットが相対的に暗く見えたり、ロボットがまぶしく見えてコミュニケーションがとりづらくなってしまったりするのを防ぐことができる。また、周囲の明るさに応じた電力が供給されている間、プロセッサ41は、液晶パネル22の発色を、周囲の明るさに応じて調節する。例えば、周囲が明るい(日中である)場合、プロセッサ41は、体表部材1が寒色となるよう液晶パネル22を制御する。一方、周囲が暗い(夜間である)場合、プロセッサ41は、体表部材1が暖色となるよう液晶パネル22を制御する。
【0046】
なお、ロボット100が時計を備える場合、プロセッサ41は、電力調節処理において、バックライト21への電力供給を、時計が取得した時刻に応じた電力供給とするための制御を実行するようになっていてもよい。具体的には、朝や昼間の時刻は明るくなるように、夕方や夜は暗くなるように制御する。これにより、現在の時刻に応じて体表の明るさが変わる。その結果、ロボットが相対的に暗く見えたり、ロボットがまぶしく見えてコミュニケーションがとりづらくなってしまったりするのを防ぐことができる。
【0047】
(存在判断処理)
取得した外界の情報に応じた電力をバックライト21へ供給している間、プロセッサ41は、存在判断処理を実行する(ステップA2)。存在判断処理において、プロセッサ41は、取得した外界の情報に基づいて、所定領域内にユーザが存在するか否かを判断する。所定領域は、例えば、カメラ31が撮影可能な範囲(レンズから放射状に広がる範囲)であって、かつカメラ31から所定距離以内の範囲の内側を指す。上述したように、本実施形態に係るカメラ31は体表部材1の胴部材11の前部に設けられている。このため、本実施形態に係る所定領域はロボット100の正面側となる。本実施形態に係る存在判断処理において、プロセッサ41は、例えば、カメラ31が生成した画像データから、ユーザの少なくとも上半身全体を、所定以上の大きさで検出した場合にユーザが存在すると判断する。
【0048】
上記存在判断処理において所定領域内にユーザが存在しないと判断した場合(ステップA2:No)、プロセッサ41は、動作モードを、節電モードを示す「2」に切り替えて(ステップA3)、図4に示した、ステップS2以降の処理(5)を再び実行する。
【0049】
(可能性判断処理)
上記存在判断処理において所定領域内にユーザが存在すると判断した場合(ステップA2:Yes)、プロセッサ41は、可能性判断処理を更に実行する(ステップA4)。可能性判断処理において、プロセッサ41は、ユーザがロボットとコミュニケーションをとる可能性を判断する。本実施形態に係る可能性判断処理において、プロセッサ41は、コミュニケーションをとる可能性を、カメラ31から取得した画像データまたはマイク32から取得した音声データの少なくとも一方に基づいて判断する。具体的には、プロセッサ41は、例えば、画像データまたは音声データの少なくとも一方から所定の事象を検出した場合に可能性が低いと判断する。所定の事象は、例えば、画像にユーザが映っていない、ユーザがロボット100の方を向いていない、ユーザがよそ見している、画像に2人以上のユーザが写っていてお互い向き合っている(人同士がコミュニケーションをとっている)、マイク32に所定時間音声が入力されない(ユーザが声をかけてこない)、音声の音量が所定以下、前部に設けられたマイク32から入力される音声の音量が、他の部位に設けられたマイク32から入力される音声の音量よりも小さい(ユーザ以外の話しかけの場合やノイズ)等を含む。
【0050】
上記可能性判断処理においてユーザがロボットとコミュニケーションをとる可能性が低いと判断した場合(ステップA4:YES)、プロセッサ41は、動作モードを、節電モードを示す「2」に切り替えて(ステップA3)、図4に示した、ステップS2以降の処理(5)を再び実行する。節電モード(2)では、バックライト21への電力供給を停止または低減することになる。このため、コミュニケーションをとる可能性が低いと判断した場合に、例えば供給電力を停止または低減させることで無駄な消費電力を抑えることができる。一方、電力供給を増加させ画像を明るく表示させることにより、ユーザに対しコミュニケーションをとりたい旨のアピールをすることができる。
【0051】
(覚醒判断処理)
一方、上記可能性判断処理において、ユーザがコミュニケーションをとる可能性が高いと判断した場合(ステップA4:NO)、プロセッサ41は、覚醒判断処理を実行する(ステップA5)。覚醒判断処理において、プロセッサ41は、ユーザが覚醒状態であるか否かを判断する。本実施形態に係る覚醒判断処理において、プロセッサ41は、カメラ31が生成したユーザの顔の画像データに基づいて判断する。具体的には、例えば、画像データから、呼吸に伴う胸部の上下動、体動等に加え、ユーザの瞼の下がり具合、瞼の上下動の頻度を測定し、測定結果が一次メモリ42に格納された、覚醒状態であるか否かを判断するための閾値よりも高い場合に覚醒状態であると判断する。なお、覚醒判断処理において、プロセッサ41は、覚醒状態であるか否かを、マイク32が生成した音声データ、他の手段(心拍・呼吸センサ、寝具の下に敷かれる睡眠モニタ、スマートフォンの睡眠計測アプリ等)の検知結果等に基づいて判断するようになっていてもよい。
【0052】
上記覚醒判断処理において、ユーザが覚醒状態ではない(睡眠状態または半覚醒状態である)と判断した場合(ステップA5:NO)、プロセッサ41は、動作モードを、おやすみモードを示す「3」に切り替えて(ステップA6)、図4に示した、ステップS2以降の処理(5)を再び実行する。
【0053】
一方、上記覚醒判断処理において、覚醒状態であると判断した場合(ステップA5:YES)、プロセッサ41は、電力調節処理において、バックライト21への電力供給および液晶パネル22の発色の少なくとも一方を、画像認識処理において認識した表情、および上記音声認識処理において認識した発話内容の少なくとも一方に応じて調節する(ステップA7)。上述したように、覚醒判断処理(ステップA5)は、上記可能性判断処理(ステップA4)においてユーザがコミュニケーションをとる可能性が高いと判断した場合に実行される処理である。このため、上記電力調節処理(ステップA7)は、可能性判断処理において、ユーザがコミュニケーションをとる可能性が高いと判断した場合(ステップA4:NO)に実行される処理であるとも言える。また、本実施形態に係る電力調節処理において、プロセッサ41は、液晶の発色も上記音声認識処理において認識した発話内容に応じて調節する。例えば、ユーザの穏やかな表情を認識した場合、プロセッサ41は、体表部材1が暖色となるよう液晶パネル22を制御する。一方、ユーザの緊張感のある表情を認識した場合、プロセッサ41は、体表部材1が寒色となるよう液晶パネル22を制御する。
【0054】
また、例えば、ユーザの表情および発話内容の少なくとも一方が明るい場合、プロセッサ41は、図6左側に示したように、顔画像Iを高輝度で投影する。その際、プロセッサ41は、顔画像Iの色を明るい色に変更してもよい。一方、ユーザの表情および発話内容の少なくとも一方が暗い場合、プロセッサ41は、図6右側に示したように、顔画像Iを上記高輝度よりも暗い低輝度で投影する。その際、プロセッサ41は、顔画像Iの色を暗い色に変更してもよい。また、ユーザの表情および発話内容の少なくとも一方が上記以外であった場合、プロセッサ41は、図6中央に示したように、顔画像Iを、上記高輝度より暗く上記低輝度より明るい通常輝度で投影する。このため、ユーザとコミュニケーションをとるときの体表部材1が、ユーザの表情や発話内容(感情)に沿った明るさや色となる。このため、ユーザはロボットに対する愛着を深めるようになる。
【0055】
ステップA7の処理を終えた後、プロセッサ41は、図4に示した、ステップS2以降の処理(5)を再び実行する。
【0056】
〔節電モード〕
節電モード(2)に遷移したプロセッサ41は、図7に示したように、電力調節処理において、バックライト21への電力供給を停止または低減するための制御を実行する(ステップB1)。これにより、体表部材1は、コミュニケーションモード(1)で動作していたときよりも暗くなる。このため、使われていない(目の前にユーザが存在しない、または存在してもコミュニケーションをとる可能性が低い)場合の消費電力を低減することができる。
【0057】
なお、この電力調節処理において、プロセッサ41は、バックライト21への電力供給を停止することなく低減させるようになっていてもよい。これにより、電力調節処理を実行するとき(目の前にユーザが存在しないとき、またはユーザがコミュニケーションをとる可能性が低いとき)に、バックライト21への電力供給が低減されつつも維持されるため、頭部材12に顔が投影され続ける(ロボット100が起動しているのが明らかとなる)。このため、ロボット100が起動していないとユーザが勘違いしてしまうのを防ぐことができる。
【0058】
(第二可能性判断処理)
バックライト21への電力供給が停止または低減されている間、プロセッサ41は、第二可能性判断処理を実行する(ステップB2)。第二可能性判断処理において、プロセッサ41は、ユーザがロボットとコミュニケーションをとる可能性を判断する。本実施形態に係る第二可能性判断処理において、プロセッサ41は、例えば、カメラ31が生成した画像データから、ユーザの存在、またはユーザの所定動作を検出した場合、頸部11b前部のマイク32からの音声入力を検出した場合等に可能性が高いと判断する。
【0059】
上記第二可能性判断処理において、ユーザがロボットとコミュニケーションをとる可能性が高いと判断した場合(ステップB2:Yes)、プロセッサ41は、動作モードを、コミュニケーションモードを示す「1」に切り替えて(ステップB3)、図4に示した、ステップS2以降の処理(5)を再び実行する。そして、コミュニケーションモード(1)に遷移したプロセッサ41は、電力調節処理において、バックライト21への電力供給を再開または増加するための制御を実行する。このため、バックライト21への電力供給が低減または停止されている間、ユーザがコミュニケーションをとってくる可能性が生じると、体表部材1に画像が明るく投影された状態に自動で戻ることができる。
【0060】
一方、上記第二可能性判断処理において、ユーザがロボットとコミュニケーションをとる可能性が低いと判断した場合(ステップB2:No)、プロセッサ41は、図4に示した、ステップS2以降の処理(5)を再び実行する。
【0061】
〔おやすみモード〕
(第二覚醒判断処理)
おやすみモード(3)に遷移したプロセッサ41は、図8に示したように、第二覚醒判断処理を実行する(ステップC1)。第二覚醒判断処理において、プロセッサ41は、ユーザが覚醒状態であるか否かを判断する。具体的な判断動作は、上記覚醒判断処理(ステップA5)と同様である。
【0062】
上記第二覚醒判断処理において、ユーザが覚醒状態であると判断した場合(ステップC1:YES)、プロセッサ41は、動作モードを、コミュニケーションモードを示す「1」に切り替えて(ステップC2)、図4に示した、ステップS2以降の処理(5)を再び実行する。
【0063】
(睡眠判断処理)
上記第二覚醒判断処理において、ユーザが覚醒状態ではない(睡眠状態または半覚醒状態である)と判断した場合(ステップC1:NO)、プロセッサ41は、睡眠判断処理を実行する(ステップC3)。睡眠判断処理において、プロセッサ41は、ユーザが睡眠状態であるか半覚醒状態であるかを判断する。具体的には、呼吸に伴う胸部の上下動、体動等を測定し、測定結果が一次メモリ42に格納された、睡眠状態であるか否かを判断するための閾値よりも高い場合に半覚醒状態であると判断する。
【0064】
(読み聞かせ判断処理)
上記睡眠判断処理においてユーザが半覚醒状態であると判断した場合(ステップC3:NO)、プロセッサ41は、読み聞かせ判断処理を実行する(ステップC4)。読み聞かせ判断処理において、プロセッサ41は、外界の情報に基づいて、ユーザに対して第三者による本の読み聞かせが行われているか否かを判断する。具体的には、プロセッサ41は、例えば、画像データから、半覚醒状態のユーザと共に第三者を検出した場合、本、絵本等を検出した場合、音声データから、所定以下の音量の声を検出した場合等に、本の読み聞かせが行われていると判断する。
【0065】
上記読み聞かせ判断処理において読み聞かせが行われていると判断した場合(ステップC4:Yes)、電力調節処理において、バックライト21への供給電力を、第一電力とするための処理を実行する(ステップC5)。第一電力は、通常の供給電力よりも少ない電力である。通常の供給電力は、コミュニケーションモードにおける外界の情報に応じた電力である。このため、ユーザが半覚醒中で、かつ第三者が本の読み聞かせを行っている状況のとき、その状況を妨げない環境を自動で作り出すことができる。このため、第三者はスムーズに読み聞かせを行うことができ、ユーザは容易に入眠することができる。
【0066】
(終了判断処理)
第一電力がバックライト21に供給されている間、プロセッサ41は、終了判断処理を実行する(ステップC6)。終了判断処理において、プロセッサ41は、外界の情報に基づいて、本の読み聞かせが終了したか否かを、終了したと判断するまで繰り返し判断する。具体的には、プロセッサ41は、例えば、音声データから、半覚醒状態のユーザとは別の第三者が検出されなくなった場合、本、絵本等を検出されなくなった場合、音声データから、声が検出されなくなった場合等に、場合に読み聞かせが終了したと判断する。
【0067】
上記終了判断処理において読み聞かせが終了したと判断した場合(ステップC6:YES)、プロセッサ41は、ステップC1以降の処理を再び実行する。これにより、ユーザが睡眠状態であると判断した場合、プロセッサ41は、眠り深さ判断処理(ステップC8)と、電力調節処理(ステップC9)と、を実行することになる。このため、読み聞かせが終了した場合に、ユーザが睡眠中であると判断した後と同じ処理に移行するため、いつまでも読み聞かせ状態が続いて、ユーザの入眠が妨げられることを防ぐことができる。
【0068】
上記読み聞かせ判断処理(ステップC4)において、読み聞かせが行われていないと判断した場合(ステップC4:NO)、プロセッサ41は、電力調節処理において、バックライト21への供給電力を、第二電力とするための処理を実行する(ステップC7)。第二電力は、眠りの深さに応じた電力よりも多く、かつ第一電力未満の電力である。供給電力を第二電力とするための処理を実行した後、プロセッサ41は、ステップC1以降の処理を再び実行する。なお、プロセッサ41は、この電力調節処理において、バックライト21への供給電力を第二電力とは異なる電力とするための処理を実行してもよい。
【0069】
(眠り深さ判断処理)
上記睡眠判断処理(ステップC3)においてユーザが睡眠状態であると判断した場合(ステップC3:YES)、プロセッサ41は、眠り深さ判断処理を実行する(ステップC8)。眠り深さ判断処理において、プロセッサ41は、ユーザの眠りの深さを判断する。眠りの深さを判断した後、プロセッサ41は、電力調節処理において、バックライト21への供給電力を、眠り深さ判断処理において判断した眠りの深さに応じた電力供給とするための制御を実行する(ステップC9)。具体的には、プロセッサ41は、ユーザの眠りが深いほどバックライト21へ供給する電力が少なくなるよう電源回路7を制御する。このため、頭部材の明るさがユーザの眠りの深さに合わせられるため、光によってユーザの睡眠が浅くなる、またはユーザが起こされてしまうのを防ぐことができる。その結果、ユーザは睡眠を更に深めていくことができる。なお、プロセッサ41は、プロジェクタ2の液晶パネル22を制御し、電力供給の調節と併せて頭部材12の発光色を変えるようになっていてもよい。また、プロセッサ41は、電力供給の調節をせずに発光色だけを変えるようになっていてもよい。また、プロセッサ41は、頭部材12に顔画像Iが表示されないようプロジェクタ2を制御するようになっていてもよい。
【0070】
(声掛け判断処理)
眠りの深さに応じた電力がバックライト21に供給されている間、プロセッサ41は、声掛け判断処理を実行する(ステップC10)。声掛け判断処理において、プロセッサ41は、マイクが生成した音声データに基づいて、ユーザからの声掛けがあったか否かを判断する。この声掛け判断処理において声掛けが無かったと判断した場合(ステップC10:NO)、プロセッサ41は、ステップC1以降の処理を再び実行する。
【0071】
(状況判断処理)
上記声掛け判断処理において声掛けがあったと判断した場合(ステップC10:YES)、プロセッサ41は、状況判断処理を実行する(ステップC11)。状況判断処理において、プロセッサ41は、音声データに基づいて、緊急時の声掛けであるか否かを判断する。具体的には、プロセッサ41は、例えば、音声データから、ユーザの発話内容、声量、および韻律の少なくともいずれかを認識し、発話内容に特定の語句が含まれている、声量が所定以上である、声の所定部分が強調されている等の場合に緊急時の声掛けであると判断する。
【0072】
上記状況判断処理において、緊急時の声掛けではないと判断した場合(ステップC11:No)、プロセッサ41は、ステップC7の処理へ移行する。すなわち、バックライト21への供給電力を、第二電力とするための処理を実行する。上述したように、状況判断処理(ステップC11)は、上記声掛け判断処理において声掛けがあったと判断した場合(ステップC10:YES)等に実行される処理である。このため、バックライトへの供給電力を第二電力とする処理(ステップC7)は、声掛け判断処理において声掛けがあったと判断した場合(ステップC10:YES)に実行される処理であるとも言える。このため、就寝時間帯に一時的に目を覚ました(この後また寝る)ときのユーザとのコミュニケーションを、ユーザを完全に覚醒させることなく行うことができる。なお、第二電力が供給されている間(緊急でない声掛けがあった場合、半覚醒状態だが読み聞かせを行っていない場合等:入眠から睡眠状態に移行している間)、プロセッサ41は、体表部材1が暖色となるよう液晶パネル22を制御してもよい。
【0073】
一方、上記状況判断処理において緊急時の声掛けであると判断した場合(ステップC11:Yes)、プロセッサ41は、電力調節処理において、バックライト21への供給電力を、第三電力とするための処理を実行する(ステップC12)。第三電力は、第一電力よりも多い電力である。このため、緊急事態(ユーザが直ちに動き出す必要があるとき)になった場合に、周囲が覚醒できる程度に明るく照らされ、周囲の状況が把握しやすくなるため、ユーザは身の安全の確保や寝室からの移動を容易に行うことができる。
【0074】
(第二終了判断処理)
第三電力がバックライト21に供給されている間、プロセッサ41は、第二終了判断処理を実行する(ステップC13)。第二終了判断処理において、プロセッサ41は、非常時が終了したか否かを判断する。本実施形態に係る第二終了判断処理において、プロセッサ41は、ユーザにより所定の解除操作がなされた場合、音声データから周囲の音量が所定以下になったことを検知した場合等に非常時が終了したと判断する。第二終了判断処理において非常時が終了していないと判断した場合(ステップC13:No)、プロセッサ41は、ステップC1以降の処理を再び実行する。
【0075】
上記第二終了判断処理において非常時が終了したと判断した場合(ステップC13:Yes)、プロセッサ41は、動作モードを、コミュニケーションモードを示す「1」に切り替えて(ステップC14)、図4に示した、ステップS2以降の処理(5)を再び実行する。
【0076】
〔照明モード〕
照明モード(4)に遷移したプロセッサ41は、図4に示したように、まず、電力調節処理において、取得した外界の情報に応じた電力をバックライト21へ供給する(ステップD1)。外界の情報が「周囲の明るさ」である場合、この処理における外界の情報に応じた電力は、例えば、周囲の明るさと反比例する電力となる。すなわち、プロセッサ41は、周囲が明るいほど暗く、周囲が暗いほど明るくなるようバックライト21を制御する。なお、この処理における外界の情報に応じた電力は、上記コミュニケーションモード(1)で説明した外界の情報に応じた電力と同様としてもよい。また、ここでの外界の情報に応じた電力は、上記コミュニケーションモード(1)で説明した外界の情報に応じた電力より少なくてもよい。すなわち、照明モード(4)での体表部材1の明るさは、コミュニケーションモード(1)のときの明るさより暗くてもよい。外界の情報に応じた電力をバックライト21へ供給する制御を実行した後、プロセッサ41は、ステップS2以降の処理(5)を再び実行する。
【0077】
取得した外界の情報に応じた電力をバックライト21へ供給している間、プロセッサ41は、体表部材に画像を投影しないようプロジェクタ2を制御してもよい。上述したように、照明モード(4)は、所定条件が成立した場合に遷移する動作モードである。このため、体表部材1に顔画像Iを投影しないための制御は、所定条件が成立した場合に実行される制御であるとも言える。これにより、体表部材1は、画像を表示させずに光ることになる。このため、ユーザは、ロボット100がコミュニケーションをとれる状態でないことを容易に把握することができる。なお、照明モード(4)において、プロセッサ41は、顔画像Iとは異なる画像(例えば時計)を表示するようプロジェクタを制御するようになっていてもよい。また、体表部材1は、外界の情報に応じた色で光ることになる。例えば、外界の情報が「周囲の明るさ」である場合には、周囲が明るい(日中である)場合、プロセッサ41は、体表部材1が寒色となるよう液晶パネル22を制御する。一方、周囲が暗い(夜間である)場合、プロセッサ41は、体表部材1が暖色となるよう液晶パネル22を制御する。
【0078】
なお、取得した外界の情報に応じた電力をバックライト21へ供給している間、プロセッサ41は、所定の切り替え条件(例えば、所定のスイッチ操作が行われる、周囲の明るさが所定以上である、現在時刻が朝や昼間を指す等)を満たすか否かを判断するよう構成されていてもよい。そして、プロセッサ41は、切り替え条件を満たすと判断した場合に、モード番号を「1」に切り替えるよう構成されていてもよい。また、照明モード(4)において、プロセッサ41は、バックライト21へ供給する電力を外界の情報に応じて調節せず、体表部材1に画像を投影しないようプロジェクタ2を制御するだけであってもよい。また、照明モード(4)において、プロセッサ41は、外界の情報に応じた電力をバックライト21へ供給し、かつ体表部材1に画像を投影してもよい。
【0079】
以上説明してきたような制御を行うことで、体表部材1に投影される画像の明るさや色が、周囲の明るさの変化、ユーザの有無、ユーザがコミュニケーションをとる可能性の変化、ユーザの表情や発話内容の変化、時刻等に応じてリアルタイムで変化する。
【0080】
[作用効果]
以上説明してきたロボット100によれば、使われていない(ユーザと対面していない)ときに、例えば、バックライト21への電力供給を停止または低減することにより、無駄な消費電力を抑えることができる。また、ユーザが活発にコミュニケーションをとっているときに、バックライト21への電力供給を通常よりも増加させることにより、よりユーザの感情に訴える画像表示が可能となる。その結果、ユーザとコミュニケーションをとるプロジェクション型のロボットにおいて、使われていないときの消費電力が無駄にならないようにするとともに、コミュニケーションの際の表現をユーザに伝わりやすくすることができる。
【0081】
<実施形態2>
本開示の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0082】
[概略構成の相違点]
上記実施形態1に係るロボット100は、外界の情報に基づく各種判断を行う処理における判断を行うための閾値(覚醒状態であるか否か、睡眠状態であるか否か、周囲の明るさ、読み聞かせが行われているか否か、読み聞かせが終了したか否か等)が固定されていた。これに対し、本実施形態に係るロボット100Aは、閾値が変動することがある。
【0083】
[電気的構成の相違点]
本実施形態に係る一次メモリ42Aは、機械学習により構築された一種類または複数種類の学習済みモデルMを格納している。学習済みモデルMを構築するための機械学習は、外界の情報と閾値との組を教師データとする機械学習であってもよいし、教師データを用いない機械学習であってもよい。学習済みモデルMは、新たな外界の情報が入力されると新たな閾値を出力する。また、本実施形態に係る一次メモリ42Aは、記憶している閾値の少なくとも一部を更新可能となっている。
【0084】
[動作の相違点]
本実施形態に係るロボット100Aの本実施形態に係るプロセッサ41は、センサ3が取得する外界の情報に基づく機械学習により、閾値を調節する。そして、プロセッサ41は、新たな外界の情報に基づく判断を、調節した閾値に照らして実行する。
【0085】
[作用効果]
本実施形態に係るロボット100Aは、上記実施形態1に係るロボット100と同様の作用効果を奏するだけでなく、各種判断(覚醒状態であるか否か、睡眠状態であるか否か、周囲の明るさ、読み聞かせが行われているか否か、読み聞かせが終了したか否か等)の精度を、ユーザによるロボット100Aの使用態様に合わせることができる。
【0086】
[まとめ]
本発明の態様1に係るロボットは、体表をなす体表部材と、前記体表部材の少なくとも一部に画像を投影するプロジェクタと、前記体表部材の少なくとも一部に設けられ、外界の情報を取得するセンサと、少なくとも前記プロジェクタを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記センサが取得した前記外界の情報に基づいて、所定領域内にユーザが存在するか否かを判断する存在判断処理と、前記存在判断処理において前記所定領域内に前記ユーザが存在しないと判断した場合、前記プロジェクタのバックライトへの電力供給を調節する電力調節処理と、を実行する、構成である。
本発明の態様2に係るロボットは、上記の態様1において、前記制御部は、前記存在判断処理において前記所定領域内に前記ユーザが存在すると判断した場合、前記ユーザが前記ロボットとコミュニケーションをとる可能性を判断する可能性判断処理を更に実行し、前記可能性判断処理において前記ユーザがコミュニケーションをとる可能性が低いと判断した場合、前記電力調節処理を実行する、構成としてもよい。
本発明の態様3に係るロボットは、上記の態様1または2において、前記制御部は、前記電力調節処理において、前記バックライトへの電力供給を停止または低減するための制御を実行する、構成としてもよい。
本発明の態様4に係るロボットは、上記の態様1~3のいずれか一項において、前記制御部は、前記バックライトへの電力供給が停止または低減されている間に、前記ユーザが前記ロボットとコミュニケーションをとる可能性が高いと判断した場合、前記電力調節処理において、前記バックライトへの電力供給を再開または増加するための制御を実行する、構成としてもよい。
本発明の態様5に係るロボットは、上記の態様2において、前記センサは、イメージセンサを含み、前記イメージセンサは、前記体表部材の前面に取り付けられ、前記所定領域を撮影し、画像データを生成することが可能なカメラの一部として構成されており、前記制御部は、前記カメラが生成した前記画像データに基づいて前記ユーザの表情を認識する画像認識処理を実行し、前記可能性判断処理において、前記ユーザがコミュニケーションをとる可能性が高いと判断した場合、前記電力調節処理において、前記バックライトへの電力供給および前記プロジェクタの液晶パネルの発色の少なくとも一方を、前記画像認識処理において認識した表情に応じて調節する、構成としてもよい。
本発明の態様6に係るロボットは、上記の態様2において、前記センサは、前記ユーザの声から音声データを生成するマイクを更に含み、前記制御部は、前記マイクが生成した前記音声データに基づいて前記ユーザの発話内容を認識する音声認識処理を実行し、前記可能性判断処理において、前記ユーザがコミュニケーションをとる可能性が高いと判断した場合、前記電力調節処理において、前記バックライトへの電力供給および前記プロジェクタの液晶パネルの発色の少なくとも一方を、前記音声認識処理において認識した発話内容に応じて調節する、構成としてもよい。
本発明の態様7に係るロボットは、上記の態様1において、前記センサは、周囲の明るさを取得するよう構成され、前記制御部は、前記電力調節処理において、前記バックライトへの電力供給を、前記センサが取得した周囲の明るさに応じた電力供給とするための制御を実行する、構成としてもよい。
本発明の態様8に係るロボットは、上記の態様1において、時刻を取得する時計を備え、前記制御部は、前記電力調節処理において、前記バックライトへの電力供給を、前記時計が取得した時刻に応じた電力供給とするための制御を実行する、構成としてもよい。
本発明の態様9に係るロボットは、上記の態様5~8のいずれか一項において、前記制御部は、前記存在判断処理において前記ユーザが存在すると判断した場合、前記ユーザが覚醒状態であるか否かを判断する覚醒判断処理と、前記覚醒判断処理において前記ユーザが覚醒状態ではないと判断した場合に、前記ユーザが睡眠状態であるか半覚醒状態であるかを判断する睡眠判断処理と、前記睡眠判断処理において前記ユーザが睡眠状態であると判断した場合、前記ユーザの眠りの深さを判断する眠り深さ判断処理と、前記電力調節処理において、前記バックライトへの供給電力を、前記眠り深さ判断処理において判断した眠りの深さに応じた電力供給とするための制御を実行する、構成としてもよい。
本発明の態様10に係るロボットは、上記の態様9において、前記制御部は、前記睡眠判断処理において前記ユーザが半覚醒状態であると判断した場合、前記外界の情報に基づいて、前記ユーザに対して第三者による本の読み聞かせが行われているか否かを判断する読み聞かせ判断処理と、前記読み聞かせ判断処理において読み聞かせが行われていると判断した場合、前記電力調節処理において、前記バックライトへの供給電力を、通常の供給電力よりも少ない第一電力とするための処理を実行する、構成としてもよい。
本発明の態様11に係るロボットは、上記の態様10において、前記制御部は、前記第一電力が前記バックライトに供給されている間、前記外界の情報に基づいて、前記本の読み聞かせが終了したか否かを判断する終了判断処理を実行し、前記終了判断処理において前記読み聞かせが終了したと判断した場合、前記眠り深さ判断処理と、前記電力調節処理と、を実行する、構成としてもよい。
本発明の態様12に係るロボットは、上記の態様10または11において、前記センサは、前記ユーザの声から音声データを生成するマイクを更に含み、前記制御部は、前記眠りの深さに応じた電力が前記バックライトに供給されている間、前記マイクが生成した前記音声データに基づいて、前記ユーザからの声掛けがあったか否かを判断する声掛け判断処理を実行し、前記声掛け判断処理において声掛けがあったと判断した場合、前記電力調節処理において、前記バックライトへの供給電力を、前記眠りの深さに応じた電力よりも多く、かつ前記第一電力未満の第二電力とするための処理を実行する、構成としてもよい。
本発明の態様13に係るロボットは、上記の態様12において、前記制御部は、前記声掛け判断処理において声掛けがあったと判断した場合、前記音声データに基づいて緊急時の声掛けであるか否かを判断する状況判断処理を実行し、前記状況判断処理において緊急時の声掛けであると判断した場合、前記電力調節処理において、前記バックライトへの供給電力を、前記第一電力よりも多い第三電力とするための処理を実行する、構成としてもよい。
本発明の態様14に係るロボットは、上記の態様1~13のいずれか一項において、前記制御部は、所定条件が成立した場合に、前記体表部材に画像を投影しないよう前記プロジェクタの液晶パネルを制御する、および前記外界の情報に応じた電力をバックライトへ供給する、の少なくとも一方の動作を行う、構成としてもよい。
本発明の態様15に係るロボットは、上記の態様1~14のいずれか一項において、前記制御部は、前記外界の情報に基づく判断を、所定の閾値に照らして実行するようになっており、前記センサが取得する前記外界の情報に基づく機械学習により、前記閾値を調節する、構成としてもよい。
【0087】
[その他]
本開示は上述した各実施形態に限定されず、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【0088】
例えば、上記プロセッサ41が実行する各処理の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各処理の一部または全部を実行する論理回路が形成された集積回路も本開示の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【符号の説明】
【0089】
100,100A:ロボット、1:体表部材、11:胴部材、11a:胴本体、11b:頸部、12:頭部材、2:プロジェクタ、21:バックライト、22:液晶パネル、3:センサ、31:カメラ、31a:イメージセンサ、32:マイク、4:制御部、41:プロセッサ、42,42A:一次メモリ、43:二次メモリ、44:入出力IF、5:台座、6:スピーカ、7:電源回路
図1
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図8