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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160453
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】保護カバー
(51)【国際特許分類】
   A61G 12/00 20060101AFI20231026BHJP
   E04H 15/44 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
A61G12/00 Z
E04H15/44
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022070842
(22)【出願日】2022-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】598110219
【氏名又は名称】株式会社アクシス
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮下 伸之
【テーマコード(参考)】
2E141
4C341
【Fターム(参考)】
2E141AA03
2E141BB05
2E141BB07
2E141CC05
2E141DD02
2E141DD03
2E141DD12
2E141DD24
2E141EE04
2E141EE23
2E141EE36
2E141FF02
2E141FF05
2E141GG01
4C341LL30
(57)【要約】
【課題】
本発明は、避難所、療養所、救急車又は病院において保護カバーを提供する。
【解決手段】
保護カバーは、ヒトの少なくとも上半身をドーム状に覆うことができる大きさの不織布と、該不織布をドーム状の形態にて支持するように同不織布に取り付けられた適当数の支持フレームとを含み、該支持フレームの両端部は互いに近接する一方、該支持フレームの中央部は互いに相当の間隔をあけて離間するように配設され、支持フレームは、頭部側より足側に向けて順に配設された頭側錘フレーム、幾つかの中間フレーム及び足側錘フレームから構成され、これら支持フレームの互いに反対方向に展張する力の平衡により、頭側錘フレームが接地面に接し且つ足側錘フレームが立ち姿勢を保つことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横たわるヒトの少なくとも上半身をドーム状に覆うことができる保護カバーであって、該保護カバーは、ヒトの少なくとも上半身をドーム状に覆うことができる大きさの不織布と、該不織布をドーム状の形態にて支持するように同不織布に取り付けられた適当数の支持フレームとを含み、
該適当数の支持フレームは、一つ若しくは2以上の部材からなる同一又は異なる形状の弯曲した骨格若しくは屈曲した骨格を成すとともに、該支持フレームの両端部は互いに近接する一方、該支持フレームの中央部は互いに相当の間隔をあけて離間するように配設されてなり、
さらに、前記適当数の支持フレームは、頭部側より足側に向けて順に配設された頭側錘フレーム、幾つかの中間フレーム及び足側錘フレームから構成され、
これら支持フレームの互いに反対方向に展張する力の平衡により、頭側錘フレームが接地面に接し且つ足側錘フレームが立ち姿勢を保つことができるようになっている、保護カバー。
【請求項2】
前記足側錘フレームは、立ち姿勢を保つために更に、支持フレーム中央部より垂下する不織布の前掛けに付帯するか、或いは、支持フレーム両端部に付帯する補充錘部を設けてなる、請求項1記載の保護カバー。
【請求項3】
前記支持フレームと隣の支持フレームとの間の不織布を折りこむことにより、適当数の支持フレームを重ね畳むことができる、請求項1又は請求項2に記載の保護カバー。
【請求項4】
前記不織布は、単層スパンボンド不織布、又はスパンボンド不織布及びメルトブローン不織布を含む3層以上とした多層の不織布からなる、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の保護カバー。
【請求項5】
前記不織布は、支持フレームの全体を収納する筒部又は袋部を有するか、又は前記不織布は、前記支持フレームの端部を収納する筒部を有するとともに、端部以外の部分は適当な結合材を用いて不織布が支持フレームに取り付けられてなる、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の保護カバー。
【請求項6】
前記頭側錘フレーム及び/又は前記足側錘フレームは、中実のプラスチック棒、金属棒若しくは炭素棒又は中間フレームに比べ単位長さ当たりの質量が重い材質からなり、前記中間フレームは、中空のプラスチック管又は該前記頭側錘フレーム若しくは該足側錘フレームに比べ単位長さ当たりの質量が軽い材質からなる、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の保護カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願請求項に係る発明(本発明)は、避難所、療養所、救急車又は病院において感染防止をするとともにプライバシーを守るために個人の空間を確保するための保護カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
2019年末から新型コロナウィスル感染症拡大にともない、感染者からの感染防止は社会的に必要な事項となっている。特に、一般の人が一か所に集中する集会場やコンサート会場において感染が拡大する集団感染や医療従事者の院内感染の防止が重要となっている。このような社会的状況により飛沫感染防止の発明がなされている(特許文献1)。
特許文献1は、医療従事者の感染防止用に係る飛沫防止具である。すなわち、病院において、骨組みとなるアーチ状の複数のフレームと透明ビニールにより患者の顔の周囲に被せるように設置する。フレームの両端は支点に組付けられて開動自在な構造であり、折りたたむことが可能である。また、留め具を外すことによりビニールの交換も可能である。
【0003】
しかし、前記特許文献1に記載の飛沫防止具の発明は、病院内での使用を目的としており、
・幕体がビニールのため内側が外部から見えプライバシーの保護はできない、
・幕体の被さる部分が顔の周囲と記載され、腹部や上半身を覆うことを想定していない、・顔に幕体を被せた場合、顔面周囲のスペースが狭いためスマートフォンの画面を確認することや本を読むことができない、
・患者、使用する対象者が替わる場合は、ビニールを交換することが必要で時間がかかるとともに交換用ビニールの買え置きも必要となる、
・避難所等での使用は困難である、等の問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3228736号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている飛沫防止具は医療従事者用として救急車・病院内での使用に限られる。しかし病院、療養所及び避難所等で使用できる保護カバーは、プライバシーを保護するために透明ではないカバーであり、かつ少なくとも上半身を隠すことが必要である。加えて、軽症者や健常者が情報収集できるように、スマートフォンの操作が保護カバーの中でできることや本等をその飛沫防止具内で読めるスペースが必要である。
また、保護カバーは、折り畳んだ際には省スペースであるとともに、全体が軽量であり、安価であり、付属品がなく、部品の交換作業が必要なく、設置が容易であることが要望されている。
【0006】
本発明は、上述の課題を達成するためになされたものであって、避難所、療養所、救急車又は病院において飛散する飛沫の防止により感染防止をするとともにプライバシーを守るために個人の空間を確保するための保護カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、本発明に係る保護カバーは、
1.
横たわるヒトの少なくとも上半身をドーム状に覆うことができる保護カバーであって、該保護カバーは、ヒトの少なくとも上半身をドーム状に覆うことができる大きさの不織布と、該不織布をドーム状の形態にて支持するように同不織布に取り付けられた適当数の支持フレームとを含み、
該適当数の支持フレームは、一つ若しくは2以上の部材からなる同一又は異なる形状の弯曲した骨格若しくは屈曲した骨格を成すとともに、該支持フレームの両端部は互いに近接する一方、該支持フレームの中央部は互いに相当の間隔をあけて離間するように配設されてなり、
さらに、前記適当数の支持フレームは、頭部側より足側に向けて順に配設された頭側錘フレーム、幾つかの中間フレーム及び足側錘フレームから構成され、
これら支持フレームの互いに反対方向に展張する力の平衡により、頭側錘フレームが接地面に接し且つ足側錘フレームが立ち姿勢を保つことができるようになっている、保護カバー、
2.
前記足側錘フレームは、立ち姿勢を保つために更に、支持フレーム中央部より垂下する不織布の前掛けに付帯するか、或いは、支持フレーム両端部に付帯する補充錘部を設けてなる、1記載の保護カバー、
3.
前記支持フレームと隣の支持フレームとの間の不織布を折りこむことにより、適当数の支持フレームを重ね畳むことができる、1又は2に記載の保護カバー、
4.
前記不織布は、単層スパンボンド不織布、又はスパンボンド不織布及びメルトブローン不織布を含む3層以上とした多層の不織布からなる、1乃至3のいずれかに記載の保護カバー、
5.
前記不織布は、支持フレームの全体を収納する筒部又は袋部を有するか、又は前記不織布は、前記支持フレームの端部を収納する筒部を有するとともに、端部以外の部分は適当な結合材を用いて不織布が支持フレームに取り付けられてなる、1乃至4のいずれかに記載の保護カバー、
6.
前記頭側錘フレーム及び/又は前記足側錘フレームは、中実のプラスチック棒、金属棒若しくは炭素棒又は中間フレームに比べ単位長さ当たりの質量が重い材質からなり、前記中間フレームは、中空のプラスチック管又は該前記頭側錘フレーム若しくは該足側錘フレームに比べ単位長さ当たりの質量が軽い材質からなる、1乃至5のいずれかに記載の保護カバー、に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の保護カバーは、避難所、療養所、救急車又は病院において飛散する飛沫の防止により感染防止をすることができる。さらに、保護カバーは不織布で上半身を覆うとともに頭部には適当なスペースがあるためスマートフォンの操作や本を読むこともできるとともにプライバシーを保護する効果がある。
本発明の保護カバーは、前掛け部分があることにより足の一部又は全体を覆うことも可能であり下半身のプライバシーを守ることができる。
本発明の保護カバーは、折り畳むことができ、各フレームを接続する部品がないためコンパクトに折り畳め、フレームの多くはプラスチックであり保護カバー全体でも軽量であり、交換部品等がなく、設置も容易である。
本発明の保護カバーは、不織布自体をスパンボンド不織布及びメルトブローン不織布を含む3層以上とした多層の不織布とすることができ、飛沫による感染防止の機能をより高めることができる。
本発明の保護カバーに使用する支持フレームは不織布の袋部等に収納することもできる
。ただし、支持フレームの端部を筒状部に収納し、その他の部分は結合材で不織布に取り付けてもよく、保護カバーを安価にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、保護カバーの斜視図である。
図2図2は、保護カバーを重ね畳んだ状態の斜視図である。
図3図3は、保護カバーの側面図である。
図4図4は、保護カバーの支持フレームが袋部に収納された場合の断面図である。
図5図5は、保護カバーの支持フレームが結合材により取り付けられた場合の断面図である。
図6図6は、ヒトに保護カバーを覆った状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の保護カバーの実施形態について説明する。ただし本発明の技術的範囲は、各実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更することなく様々な形態で実施することができる。
本発明の保護カバーは、全体を示す保護カバー1、不織布2、頭側錘フレーム11、中間フレーム12、足側錘フレーム13及び前掛け22等で構成される(図1)。
【0011】
保護カバー1は、ヒトの上半身を覆い下半身の一部を覆う大きさが必要である。頭部側の内部は、ヒトが携帯電話、スマートフォン、タブレット又はPC等の画面を見ても窮屈でない空間であり、息苦しくない程度の空間を必要とする。保護カバー1の両側面間は、ヒトが仰向けで横たわり両腕が入る長さを必要とする。足側は、前掛け22でヒトの足の一部又は全体を覆い、補充錘部21は、ヒトの下半身の側面を覆う役割を担う。
【0012】
[不織布]
不織布2は、飛沫を通過させず、不透明で、通気性があるものを使用する。通常、不織布は不透明のため、不織布を使用すれば保護カバーの外部から内部を見ることができず、保護カバー内部にいるヒトのプライバシーは保護できる。
不織布2は、単層の場合と多層の場合が考えらえる。単層の場合、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、湿式不織布、乾式不織布、乾式パルプ不織布、フラッシュ紡糸不織布、バーストファイバー不織布、開繊不織布を使用することができ、好ましくは単層のスパンボンド不織布である。
多層の場合、用途に応じて他の層を積層してもよい。具体的には、例えば、編布、織布、不織布、網等を挙げることができる。他の層として積層される不織布としては、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、湿式不織布、乾式不織布、乾式パルプ不織布、フラッシュ紡糸不織布、バーストファイバー不織布、開繊不織布等が挙げられ、好ましくは、スパンボンド不織布及びメルトブローン不織布を含む3層以上とした多層の不織布からなるものを使用することができる。前記多層の不織布はマスクにも使用できる構造のため、飛沫やウィルスを保護カバー外部から内部へ通過することを遮断することも飛沫やウィルスを内部から外部へ通過することも遮断できる。
避難所、療養所、救急車又は病院において保護カバー1内に入るヒトの状態、年齢、家族構成又は日本語以外の言語を使用する必要があるかを識別するために該不織布を色分けすることができる。例えば、黄色は若年層家族、緑色は高齢者・要配慮者用、ピンク色は海外観光客用等で区分けが可能である。
【0013】
[前掛け]
保護カバーがヒトの頭部から下半身を覆う大きさの場合、前掛けは、支持フレームから垂下しヒトの足部の一部又は足全体を覆う長さを有するか、又は該前掛けの末端に足部を入れる筒状部を有する大きさとすることができる。
図1に示す前掛け22は、足の一部を覆う場合の例であり、図6に示す足収納部を有する前掛け23は足の全部を覆う場合の例である。足収納部を有する前掛け23は、端部が筒状となり、足をその筒状部に収納する形状とすることもできる。
補充錘部21は、下半身側面を覆いプライバシー保護の役割を担うことができる。図1の補充錘部21は、支持フレームに接しているが、これを前掛け22の一部として取り付けることもできる。
【0014】
[支持フレーム]
支持フレームは、頭側錘フレーム11、中間フレーム12及び足側錘フレーム13がある。支持フレームの最も頭部側が頭側錘フレーム11であり、最も足側が、足側錘フレーム13であり、これらの中間にある適当数の支持フレームを中間フレーム12とする。中間フレーム12は、頭側錘フレーム11又は足側錘フレーム13と比べ単位当たりの質量が軽いものを用いる。例えば、頭側錘フレーム11又は足側錘フレームより細いプラスチック、中空のプラスチック、断面がU字やコの字のプラスチック、材質自体が頭側錘フレーム又は足側錘フレームより軽いもの更には針金等を使用することができる。
【0015】
[錘]
錘としての支持フレームは頭側錘フレーム11又は足側錘フレーム13である。頭側錘フレーム11は、支持フレームの内最も頭部側に設置され、足側錘フレーム13は、支持フレームの内最も足側に設置される。さらに、錘としては他に補助錘14がある。
錘としての役割があるため、頭側錘フレーム11、足側錘フレーム13及び補助錘14は、中間フレーム12より同等かさらに重いフレームである必要がある。頭側錘フレーム11、足側錘フレーム13及び補助錘14の形状は全体で一本でもいいし、複数本で構成されてもよい。複数本の場合、その形状は湾曲する部分がない直線状のものでも構わない。
頭側錘フレーム11、足側錘フレーム13及び補助錘14等の「錘」を中間フレーム12より同等かさらに重いフレームにする方法は以下の例がある。錘と中間フレーム12が同じ材質の場合、中間フレーム12を中空のパイプや管とし、錘を中実の棒状のものを使用する。錘と中間フレーム12が同じ形状の場合、錘は中間フレームより重い材質のものを使用する。例えば、プラスチックであれば、錘は中間フレーム12より比重の重いプラスチックを採用できる。また、錘には金属や炭素材等を使用できる。中間フレーム12にプラスチックを使用する場合中間フレーム12には、単位長さ当たりの質量が重ければどのような金属、炭素材でもよく、形状も棒状、管状のものでもよい。すなわち、金属棒、金属管、炭素棒、炭素管等が考えられる。また、「錘」が中間フレーム12より同等か重ければ、形状及び材質が異なることになってもかまわない。
炭素材は、例えば炭素質粉末と、珪酸塩鉱物を主成分とする粘土と、添加剤を混合し、焼成して得られる炭素材である。
保護カバーでヒトをドーム状に覆った際の形状を保つため頭側錘フレーム11、足側錘フレーム13及び補助錘14の力の向きを図3中の矢印F1~F4で示す。頭側錘フレーム11は、頭側で設置面に接するように力(F1)が加わり、補助錘14は、足側で設置面に接するように力(F2)が加わる。足側錘フレーム13は、互いに反対方向に展張する力(F3、F4)の平衡により立ち姿勢を保つことができる。そして、これら錘があることで、保護カバーはヒトをドーム状に覆った際の形状を保つことができる。
中間フレーム12においても足側錘フレーム13同様に互いに反対方向に展張する力の平衡により立ち姿勢を保つことができる。
足側錘フレーム13が前記ドーム形状を保つことができる場合、補助錘14はあってもなくてもよい。補助錘14により前記ドーム形状を保つことができる場合、足側錘フレーム13はあってもなくてもよい。ただし、足側錘フレーム13がないとする場合でも、足側錘フレーム13の位置に中間フレーム12を設置することができる。
【0016】
[支持フレーム及び補助錘の取り付け]
支持フレーム及び補助錘14を不織布2に取り付ける1例は、不織布2に袋状のスペースを設けその内部に支持フレーム及び補助錘14の全体を収納させる。不織布2の袋状部分に中間フレーム12が収納された場合の断面図を図4に示す。
支持フレーム及び補助錘14を不織布2に取り付ける他の例は、支持フレーム及び補助錘14の端部を収納する筒部を不織布2に設け、端部以外は不織布に収納されず、結合材15で取り付ける場合である。結合材15としては、紐、糸、針金、プラスチック、ワイヤー入りビニール紐、テープ及び不織布等の小片が考えられる。中間フレームが結合材15(紐、糸又は針金)で取り付けられた状態の断面図を図5に示す。
【0017】
[設置及び折り畳み]
保護カバー1でヒトをドーム状に覆った形状が図1である。また、使用しない場合には図2のように支持フレームと隣の支持フレームとの間の不織布2を折りこむことにより、適当数の支持フレームを重ね畳むことができる。こうすることで使用しない場合には保護カバー1の収納スペースを小さくすることができる。
【0018】
[廃棄]
保護カバー1は不織布2とプラスチック等の支持フレーム及び補助錘14からなる。支持フレーム及び補助錘14がプラスチックの場合には、全体をプラスチック類として廃棄することができる。また、支持フレーム又は補助錘14に金属を使用した場合は、金属部分を分別し、プラスチック及び金属として廃棄することが考えらえる。
【0019】
[実施例]
以下、本発明について実施例及びその実施例の変形例を示す。本発明はこれら本実施例及び変形例に何ら限定されるものではない。
【0020】
[実施例1]
本発明の保護カバーは、全体を示す保護カバー1、不織布2、頭側錘フレーム11、中間フレーム12、足側錘フレーム13、補充錘14,補充錘部21及び前掛け22で構成される。保護カバー1がヒトを覆う形状を図1に示す。本例では、不織布2を単層スパンボンド不織布とした。また、本例の頭側錘フレーム11、中間フレーム12及び足側錘フレーム13は、袋状となった不織布の一部に収納されている。補充錘部21の袋状となった部分には、補充錘14が収納されている。中間フレーム12が収納された部分の断面図を図4に示す。
図1において、頭側錘フレーム11は接地面と接し、補充錘14も接地面と接している。前掛け22は下半身の一部を覆う役目を担う。
また、支持フレームを重ね畳んだ状態を図2に示す。保護カバーを保管する場合、保護カバーを避難所等に移動する場合のスペースを減らすことができる。
【0021】
以下に変形例を示す。これらの変形例は組み合せて実施例とすることができる。
[変形例1]
本例では、不織布2を1層目がポリピロピレン製のスパンボンド不織布、2層目がポリプロピレン製のメルトブローン不織布、3層目がポリピロピレン製のスパンボンド不織布とした。本例は、保護カバー1としてヒトをドーム状に覆った形状を保つことができる。
前記3層以上とした多層の不織布からなるものした場合、保護カバーの外側から侵入するウィルス及び保護カバー内側から拡散するウィルスを遮断する効果を増大させることができる。国内のウィルス感染者が多い際に避難所を開設しなくてはならない場合は多用されると考えられる。
【0022】
[変形例2]
本例は、補充錘部21に補助錘14がない場合である。この場合、保護カバーは、頭側錘フレーム11、中間フレーム12及び足側錘フレーム13によりヒトをドーム状に覆った形状を保つことができる。補充錘部21は、下半身側面を覆う役目を担う。
【0023】
[変形例3]
本例は、補助錘14があるが、最も足側の足部錘フレーム13が中間フレーム12と同様の形状および材質の場合である。保護カバーは、頭側錘フレーム11、中間フレーム12及び補助錘14によりヒトをドーム状に覆った形状を保つことになる。
【0024】
[変形例4]
本例は、前掛け22の一部に、足部錘フレーム13又は補助錘14を取り付ける場合である。前掛け22は支持フレームより垂下しているが、下半身と接しない位置に足部錘フレーム13又は補助錘14を取り付けることが考えられる。本例の一態様として、補助錘14を前掛け22が支持フレームに取り付けられた部分の近傍に取り付けた。本例において、保護カバー1がヒトをドーム状に覆った形状を保つことができる。本例の他の態様として足部錘フレーム13を取り付ける場合、足部錘フレーム13は中間フレームと異なる形状でも構わない。
【0025】
[変形例5]
本例は、頭側錘フレーム11又は足側錘フレーム13が複数の部材からなる場合である。頭側錘フレーム11及び足側錘フレーム13が1つの部材からなる場合には、その形状は弯曲した骨格又は屈曲した骨格を形成する。しかし、複数にした場合は、直線状の部材を複数使用することができる。頭側錘フレーム11を2~4本の金属棒、金属管、炭素棒、炭素管としても、ヒトを覆うドーム状の形状を保つことができた。
金属棒及び金属管は、一般に入手できる、鉄系及びアルミ系のものを使用した。
炭素棒及び炭素管は炭素質粉末と、珪酸塩鉱物を主成分とする粘土を混合し、焼成して得られる炭素材を使用した。
【0026】
[変形例6]
本例は、図1に示した前掛け22よりも単に足方向に長くすることにより、足全体を覆う形状とする場合である。さらに、変形例6の一例を図6に示す。足収納部を有する前掛け23の端部を筒状とすることで、足を収納する部分とすることができる。
避難所等において夜間就寝する場合、足部分を他人に見られたくないと希望するヒトのプライバシーを保護するためである。
【0027】
[変形例7]
本例は、前掛け22が側面も覆う場合である。図1において補充錘部21は足側錘フレーム13に接しているが、本例において、補充錘部21を前掛け22に取り付けた。この場合もヒトをドーム状に覆った形状を保つことができる。
【0028】
[変形例8]
実施例1では、支持フレーム等を不織布2の袋状とした部分に収納した例を示した。本例は、支持フレーム及び補助錘14の両端は筒状の収納部に収納し、中間部分は結合材15で不織布に取り付けた例である。結合材15を紐、糸、針金、プラスチック、ワイヤー入りビニール紐、テープ及び不織布の小片等として不織布2に支持フレーム及び補助錘14を取り付けることができる。図5には、中間フレーム12を結合材15として紐、糸又は針金で不織布に取り付けた際の断面図を示す。
【符号の説明】
【0029】
1 : 保護カバー
2 : 不織布
11: 頭側錘フレーム
12: 中間フレーム
13: 足側錘フレーム
14: 補充錘
15: 結合材
21: 補充錘部
22: 前掛け
23: 足収納部を有する前掛け
図1
図2
図3
図4
図5
図6