(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160501
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】炭酸ガス注入装置
(51)【国際特許分類】
B67D 1/04 20060101AFI20231026BHJP
B67D 1/08 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
B67D1/04 F
B67D1/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022070910
(22)【出願日】2022-04-22
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 試験場所:三芳八(東京都港区新橋2丁目20-15 新橋駅前ビル1号館 地下1階) 試験日:令和3年10月13日 [刊行物等] 試験場所:ITALIAN BAR BASIL(神奈川県横浜市中区野毛町2-81 キャッスル桜木 1F) 試験日:令和4年1月19日
(71)【出願人】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】真野 涼平
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA04
3E082BB01
3E082CC01
3E082DD11
3E082FF05
3E082FF09
(57)【要約】
【課題】炭酸ガスを含む容器を筐体から簡便に取り外すことができる炭酸ガス注入装置を提供する。
【解決手段】タワー14の内側に配置された飲料容器12に炭酸ガスを注入する炭酸ガス注入装置10は、炭酸ガスが充填され、飲料容器12に炭酸ガスを供給する炭酸ガスボンベ34と、炭酸ガスボンベ34と飲料容器12との間に配設され、炭酸ガスボンベ34と飲料容器12との間を接続又は遮断する第1電磁弁40と、飲料容器12と接続され、飲料容器12内部の炭酸ガスを開放可能な第2電磁弁44と、飲料容器12をタワー14から取り出す前に、第1電磁弁40を遮断させると共に第2電磁弁44を作動させ、飲料容器12内部の炭酸ガスを開放させる防護機構52、56と、を備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の内側に配置された容器に炭酸ガスを注入する炭酸ガス注入装置であって、
炭酸ガスが充填され、前記容器に炭酸ガスを供給するガス供給源と、
前記ガス供給源と前記容器との間に配設され、前記ガス供給源と前記容器との間を接続又は遮断する第1開閉機構と、
前記容器と接続され、前記容器内部の炭酸ガスを開放可能な第2開閉機構と、
前記容器を前記筐体から取り出す前に、前記第1開閉機構を遮断させると共に前記第2開閉機構を作動させ、前記容器内部の炭酸ガスを開放させる防護機構と、
を備える炭酸ガス注入装置。
【請求項2】
前記防護機構は、
前記筐体の外周部において、該筐体の内側に配置された前記容器と対向する位置に配置され、前記容器を出し入れするために開閉可能なカバー部と、
前記カバー部の開閉と連動してオンオフされ、該オンオフによって前記第1開閉機構の接続と遮断とを切替可能にすると共に、前記第2開閉機構の停止と作動とを切替可能にするスイッチ部と、を含んで構成される請求項1に記載の炭酸ガス注入装置。
【請求項3】
前記カバー部が閉じている状態で、前記第1開閉機構を作動させて前記ガス供給源から前記容器に炭酸ガスを供給すると共に、前記第2開閉機構を停止するための操作部を備える請求項2に記載の炭酸ガス注入装置。
【請求項4】
前記容器は、飲料容器とされている請求項1から請求項3の何れか1項に記載の炭酸ガス注入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、炭酸ガス注入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲んだときの爽快感等を得ることができるため炭酸飲料には高いニーズが存在する。近年では、より強い爽快感を得るための高いガスボリュームの炭酸飲料や健康志向の高まり等と併せて飲料水に独自で炭酸を注入することに対するニーズといった形態で拡がりを見せている。このため、飲食店等においても、客に提供する飲料に炭酸を注入できる装置や予め炭酸を注入した飲料容器を取り付けて、ガスボリュームが減少しないように客の直前で提供できるような小型の飲料ディスペンサ等に対するニーズが高まっている。
【0003】
特許文献1には、卓上で飲料を分配できるように小型に構成され、外蓋を取り外す際に内部の加圧ガスを外部に解放できる飲料ディスペンサが開示されている。しかしながら、特許文献1に記載された飲料ディスペンサでは、容器内部のガスを解放し、操作部を引き上げ、外蓋を取り外すといった一連の工程を経た上で飲料容器の取り換えが可能となる。飲食店等において大量に飲料を消費するような場合には、このような工程を頻繁に繰り返す必要があり、作業効率が低下する。このため、安全にガス抜きをすることができ、かつ、飲料容器を本体から簡便に取り外す上で改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記を考慮して、炭酸ガスを含む容器を筐体から簡便に取り外すことができる炭酸ガス注入装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、筐体の内側に配置された容器に炭酸ガスを注入する炭酸ガス注入装置であって、炭酸ガスが充填され、容器に炭酸ガスを供給するガス供給源と、ガス供給源と容器との間に配設され、ガス供給源と容器との間を接続又は遮断する第1開閉機構と、容器と接続され、容器内部の炭酸ガスを開放可能な第2開閉機構と、容器を筐体から取り出す前に、第1開閉機構を遮断させると共に第2開閉機構を作動させ、容器内部の炭酸ガスを開放させる防護機構と、を備える炭酸ガス注入装置である。
【0007】
さらに、本開示の他の態様として、防護機構は、筐体の外周部において、筐体の内側に配置された容器と対向する位置に配置され、容器を出し入れするために開閉可能なカバー部と、カバー部の開閉と連動してオンオフされ、オンオフによって第1開閉機構の接続と遮断とを切替可能にすると共に、第2開閉機構の停止と作動とを切替可能にするスイッチ部と、を含んで構成されてもよい。
【0008】
また、本開示の他の態様として、カバー部が閉じている状態で、第1開閉機構を作動させてガス供給源から容器に炭酸ガスを供給すると共に、第2開閉機構を停止するための操作部を備えてもよい。
【0009】
さらに、本開示の他の態様として、容器は、飲料容器とされてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一態様に係る炭酸ガス注入装置によれば、容器は、第1開閉機構及び第2開閉機構と接続されて筐体の内側に配置されている。このため、容器と第1開閉機構及び第2開閉機構との接続を解除することによって、容器を筐体から取り出すことができる。また、炭酸ガス注入装置は防護機構を備えており、防護機構は、容器を筐体から取り出す前に、ガス供給源と容器との間に配設された第1開閉機構を遮断させると共に第2開閉機構を作動させ、容器内部の炭酸ガスを開放させることができる。このため、容器を筐体から取り出す前に、炭酸ガスの供給を遮断すると共に、容器内の圧力を開放することができる。これによって、容器を筐体から安全かつ簡便に取り外すことができる。
【0011】
さらに、本開示の一態様に係る炭酸ガス注入装置によれば、防護機構は、筐体の外周部において筐体の内側に配置された容器と対向する位置に配置され、容器を取り出すために開閉可能なカバー部と、カバー部の開閉と連動してオンオフされるスイッチ部と、を含んで構成されている。このため、容器を筐体から取り出すためにはカバー部を開ける必要があり、カバー部を開けることによってスイッチ部がオンオフされ、第1開閉機構の接続と遮断とを切替可能にすると共に、第2開閉機構の停止と作動とを切替可能にすることができる。これによって、容器を筐体から取り出す前に、炭酸ガスの供給を遮断すると共に、容器内の圧力を開放することができ、容器を筐体から安全かつ簡便に取り外すことができる。
【0012】
また、本開示の一態様に係る炭酸ガス注入装置によれば、カバー部が閉じている状態で、第1開閉機構を作動させると共に、第2開閉機構を停止するための操作部を備える。このため、カバー部を閉じた状態において、ユーザが操作部を操作することによって、第2開閉機構を停止し、第1開閉機構が作動されてガス供給源と容器との間が接続されることでガス供給源から容器に炭酸ガスを供給することができる。これによって、炭酸ガスを安全かつ簡便に容器に供給することができる。
【0013】
さらに、本開示の一態様に係る炭酸ガス注入装置によれば、容器は、飲料容器とされてもよい。このため、飲食店等において大量に飲料を消費するような場合にも、安全に飲料容器のガス抜きをすることができ、かつ、飲料容器を筐体から簡便に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る炭酸ガス注入装置の斜視図を示す。
【
図2】
図2は、
図1の2-2線に沿って切断した炭酸ガス注入装置の縦断面図を示す。
【
図3】
図3は、炭酸ガス注入装置の内部の背面図を示す。
【
図5】
図5は、
図1の5-5線に沿って切断したカバー部の縦断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、実施形態に係る炭酸ガス注入装置を説明する。同様な又は対応する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。理解を容易にするために、図の縮尺を変更して説明する場合がある。
【0016】
図1には、一例として、容器としての飲料容器12に収容した飲料(図示省略)に炭酸ガスを注入して飲料を提供するための炭酸ガス注入装置10の斜視図を示す。炭酸ガス注入装置10は、飲料容器12と、内側に飲料容器12を配置し、飲料を提供するための筐体としてのタワー14と、を備える。飲料容器12の上方側には、飲料容器12に収容された飲料を注出するための飲料注出ノズル16が取り付けられている。このため、飲料注出ノズル16を開閉することによって、飲料注出ノズル16の下方側に配置されたグラス等(図示省略)に飲料を注ぎ入れ、これを提供することができる。
【0017】
図2及び
図3には、炭酸ガス注入装置10の縦断面図及びその内部の背面図を示す。飲料容器12は、タワー14の正面側に配置されており、上端部に開口部18を有する有底円筒状に形成されている。このため、飲料容器12の内部には、飲料を収容するための収容部20が形成されている。また、飲料容器12の外側面及び底面は断熱材22によって覆われている。飲料容器12の開口部18には、これを塞ぐように円板状に形成された蓋部24が配置されており、蓋部24は、クランプ26によって着脱可能に固定されている。これによって、飲料が収容された飲料容器12を密封することができる。
【0018】
収容部20には、その内周部に沿って配置され、収容部20の長さ方向、すなわち上下方向に沿って延在する飲料吸上管28が配置されている。飲料吸上管28は、その上方側が収容部20の側部を貫通して外側に突出するように屈曲されており、外側に突出した上方側の端部は、飲料注出ノズル16と接続されている。このため、飲料吸上管28から吸い上げた収容部20内の飲料を飲料注出ノズル16から注出させることができる。
【0019】
飲料容器12の収容部20には、蓋部24に取り付けられ、収容部20内の飲料に炭酸ガスを注入するための炭酸注入管30が配置されている。炭酸注入管30は、蓋部24の中心を貫通して配置されており、収容部20に配置されたときに飲料容器12の長さ方向、すなわち上下方向に沿って延伸するように形成されており、収容部20側の端部にはノズル32が取り付けられている。また、炭酸注入管30のもう一方の端部である上方側の端部は、ガス供給源としての炭酸ガスボンベ34と接続されており、収容部20の底部側に配置されたノズル32から収容部20内の飲料に炭酸ガスボンベ34に充填されている炭酸ガスを注入することができる。
【0020】
炭酸注入管30には、飲料を冷却するために収容部20に氷(図示省略)を収容した場合に、氷が浮き上がることを抑制するための邪魔板36が取り付けられている。邪魔板36は、炭酸注入管30の長さ方向の所定の位置に配置されている。
【0021】
蓋部24の上方側まで延在する炭酸注入管30の上端には、継手としてのカプラ38が取り付けられている。また、カプラ38が取り付けられた炭酸注入管30の上端は、このカプラ38のソケット又はプラグに対応するプラグ又はソケットが取り付けられた配管PPと連結されている。このため、炭酸注入管30と配管PPとの連結を簡便に解除することができ、炭酸注入管30が取り付けられた飲料容器12をタワー14から簡便に取り外すことができる。炭酸注入管30の上端と連結された配管PPには、さらに複数の配管PPが連結され、炭酸ガス注入装置10の背面側において飲料容器12の上方側から下方側にかけて延在されている。なお、ここでは、継手としてカプラ38が用いられているが、これに限らず、例えば、カップリング、フランジ等他の種類の継手が用いられてもよい。
【0022】
炭酸ガス注入装置10の背面側の底部には、第1開閉機構としての第1電磁弁40が配置されている。第1電磁弁40は、炭酸注入管30と連結された配管PPと接続されると共に、炭酸ガスボンベ34とも接続されている。このため、第1電磁弁40を開放することによって、第1電磁弁40と炭酸注入管30のノズル32とを経由して炭酸ガスボンベ34に充填されている炭酸ガスを飲料容器12まで供給することができる。
【0023】
飲料容器12の蓋部24には、収容部20の内部の圧力を排圧、すなわち減圧するための排圧管42が蓋部24を貫通して取り付けられている。排圧管42の上端は、カプラ38を介して配管PPと連結されている。排圧管42の上端と連結された配管PPには、さらに複数の配管PPが連結され、炭酸ガス注入装置10の背面側において飲料容器12の上方側から下方側にかけて延在されている。
【0024】
炭酸ガス注入装置10の背面側の底部には、第2開閉機構としての第2電磁弁44が2つ配置されている。第2電磁弁44は、排圧管42と接続された配管PPと接続されている。また、第2電磁弁44は、配管PPを介してその端部に連結されたサイレンサ46と接続されている。このため、第2電磁弁44を開放することによって、収容部20内の圧力を第2電磁弁44及びサイレンサ46を経由して開放、すなわち排圧することができる。また、排圧管42の圧力は、サイレンサ46を経由して排圧することができるため、排圧時の空気の早い流れに起因して音が発生することを抑制、すなわち消音することができる。なお、ここでは第2電磁弁44は2つ設けられているとして説明するが、これに限らず、第2電磁弁は1つだけ設けられてもよい。
【0025】
図4に示されるように、タワー14の前面側の上部には、操作部としての操作パネル48が取り付けられている。
図3に示されるように、操作パネル48は、炭酸ガス注入装置10の背面側に配置された基板部50とケーブルC1を介して電気的に接続されている。また、飲料注出ノズル16は、基板部50とケーブル(図示省略)を介して基板部50と電気的に接続されている。このため、ユーザは操作パネル48上の押しボタンを操作する、すなわち押すことによって飲料注出ノズル16を作動させ、飲料容器12内の飲料を飲料注出ノズル16から注出させることができる。また、後述するように、ユーザは操作パネル48上の押しボタンを押すことによって、第2電磁弁44を閉鎖させて収容部20内の圧力を維持すると共に、第1電磁弁40を開放させて炭酸ガスボンベ34に充填されている炭酸ガスを飲料容器12に供給することができる。なお、
図4には、操作パネル48を操作するための押しボタンが示されているが、これに限らず、例えば、スイッチ、非接触センサ等他の態様によって操作部としての操作パネルが操作されてもよい。
【0026】
図4に示されるように、タワー14の操作パネル48の下方側には、防護機構52、56が構成されている。具体的には、カバー部としてのカバー52及び固定爪54と、スイッチ部56とを含んで構成されている。タワー14の操作パネル48の下方側には、正面視で矩形上に形成されたカバー52が開閉可能に取り付けられている。カバー52は、タワー14の幅方向に沿った回転軸S1(
図5参照)回りに炭酸ガス注入装置10の前方側へ向けて回動可能に構成されており、これによってカバー52を開閉することができる。
【0027】
カバー52は、閉じた状態において、正面視で炭酸注入管30及び排圧管42の上端部と重なる位置、すなわち、これらが炭酸ガス注入装置10の外側から見えなくなる位置でタワー14に取り付けられている。これによって、炭酸注入管30及び排圧管42と配管PPとがカプラ38を介して連結されている部分(
図3参照)が炭酸ガス注入装置10の外側から見えなくなり、飲料容器12が取り付けられた炭酸ガス注入装置10の美観を高めることができる。また、カバー52は、ユーザが不意にカプラ38で連結された部分に触れることのないように、防護壁の役割を果たすことができる。
【0028】
図5に示されるように、カバー52の裏面の先端側、すなわち閉じたときに下端側となる部分には、固定爪54が形成されている。タワー14内部において、カバー52を閉じたときに固定爪54と当接する部分には、スイッチ部56が配置されている。
【0029】
スイッチ部56は、スイッチ本体56aと、押しボタン56bと、レバー56cと、を含んで構成されている。
図3に示されるように、スイッチ本体56aは、ケーブルC2を介して基板部50と電気的に接続可能に構成されている。また、基板部50は、ケーブルC3を介して第1電磁弁40と電気的に接続可能に構成されている。このため、スイッチ部56のオンオフによって、第1電磁弁40の開放と閉鎖とを切り替えることができ、炭酸ガスボンベ34内の炭酸ガスを通過させることと遮断することとを切り替えることができる。具体的には、スイッチ部56がオフにされているときには、基板部50と電気的に遮断することによって第1電磁弁40を閉鎖する。また、スイッチ部56がオンにされているときには基板部50と電気的に接続することによって第1電磁弁40を開放可能な状態、すなわち炭酸ガスを飲料容器12に供給可能な状態にする。さらに、基板部50は、ケーブルC4を介して第2電磁弁44と電気的に接続されている。このため、スイッチ部56がオフにされているときには、基板部50と電気的に遮断することによって第2電磁弁44を開放し、飲料容器12内部の圧力を排圧する。また、スイッチ部56がオンにされているときには、基板部50と電気的に接続することによって第2電磁弁44を閉鎖可能な状態、すなわち飲料容器12内部の圧力を維持可能な状態にする。したがって、カバー52を閉じることによってスイッチ部56がオンにされているときには、ユーザが操作パネル48上の押しボタンを押すことによって、第2電磁弁44が閉鎖されて収容部20内の圧力を維持すると共に、第1電磁弁40が開放されて炭酸ガスボンベ34に充填されている炭酸ガスを飲料容器12に供給することができる。
【0030】
図5に示されるように、スイッチ部56は、スイッチ本体56aの正面側に配置された押しボタン56bを押圧することによって、スイッチ部56をオンにすることができ、押圧されていないときはオフになるように構成されている。スイッチ本体56aの押しボタン56bの上方側には、レバー56cが取り付けられている。レバー56cは、その上端が、ねじりばね(図示省略)を介してスイッチ本体56aに取り付けられている。このため、スイッチ本体56aに取り付けられた上端側を回転中心として炭酸ガス注入装置10の前方側へ向けて付勢されている(
図5中の1点鎖線)。レバー56cは、カバー52を閉じたときに、固定爪54と対向する位置まで延在されており、カバー52を閉じたときに、固定爪54によってレバー56cを炭酸ガス注入装置10の内側へ向けて押圧することができる。これによって、押圧されたレバー56cによって押しボタン56bが押圧されるため、スイッチ部56をオンにすることができる。
【0031】
続いて、本実施形態に係る炭酸ガス注入装置10の作用及び効果について、以下に説明する。
【0032】
本実施形態に係る炭酸ガス注入装置10によれば、飲料容器12は、第1電磁弁40及び第2電磁弁44と接続されてタワー14の内側に配置されている。このため、飲料容器12と第1電磁弁40及び第2電磁弁44との接続を解除することによって、飲料容器12をタワー14から取り出すことができる。また、炭酸ガス注入装置10は、防護機構としてのカバー52、固定爪54及びスイッチ部56を備えている。このため、カバー52の開閉によって、飲料容器12と第1電磁弁40及び第2電磁弁44との連結を解除して飲料容器12をタワー14から取り出す前に、炭酸ガスボンベ34と飲料容器12との間に配設された第1電磁弁40を遮断させると共に第2電磁弁44を作動させ、飲料容器12内部の圧力を開放することができる。このため、飲料容器12をタワー14から取り出す前に、炭酸ガスの供給を遮断すると共に、飲料容器12内の圧力を排圧することができる。これによって、飲料容器12をタワー14から安全かつ簡便に取り外すことができる。
【0033】
さらに、本実施形態に係る炭酸ガス注入装置10は、タワー14の外周部においてタワー14の内側に配置された飲料容器12と対向する位置に配置され、飲料容器12を取り出すために開閉可能なカバー52と、カバー52の開閉と連動してオンオフされるスイッチ部56と、を含んで構成されている。このため、飲料容器12をタワー14から取り出すためにはカバー52を開ける必要があり、カバー52を開けることによってスイッチ部56がオンオフされ、第1電磁弁40の接続と遮断とを切り替えると共に、第2電磁弁44の停止と作動とを切り替えることができる。これによって、飲料容器12をタワー14から取り出す前に、炭酸ガスの供給を遮断すると共に、飲料容器12内の圧力を開放することができ、飲料容器12をタワー14から安全かつ簡便に取り外すことができる。
【0034】
また、本実施形態に係る炭酸ガス注入装置10によれば、飲料容器12に取り付けられた炭酸注入管30及び排圧管42は、カプラ38を介してタワー14内の配管PPと連結されている。このため、飲料容器12のタワー14への取り付け及びタワー14からの取り外しは、カプラ38を連結又は連結解除するだけでよく、飲料容器12のタワー14への取り付け及び取り外しを簡便に行うことができる。
【0035】
さらに、本実施形態に係る炭酸ガス注入装置10によれば、カバー52を閉じることによってスイッチ部56がオンにされているときには、第1電磁弁40が開放可能な状態にされると共に、第2電磁弁44が閉鎖可能な状態にされる。この状態において、ユーザが操作パネル48上の押しボタンを押すことによって、第2電磁弁44が閉鎖されて収容部20内の圧力を維持すると共に、第1電磁弁40が開放されて炭酸ガスボンベ34に充填されている炭酸ガスを飲料容器12に供給することができる。このように、ユーザが操作パネル48上の押しボタンを押すことによって始めて炭酸ガスを飲料容器12に供給することができるため、炭酸ガスを安全かつ簡便に容器に供給することができる。
【0036】
また、本実施形態に係る炭酸ガス注入装置10には、飲料容器12を取り付けることができる。このため、飲食店等において大量に飲料を消費するような場合にも、安全にガス抜きをすることができ、かつ、飲料容器12をタワー14から簡便に取り外すことができる。
【0037】
以上の説明のとおり、本実施形態に係る炭酸ガス注入装置10によれば、簡便に飲料容器12をタワー14から取り外すことができる。
【0038】
また、本実施形態に係る炭酸ガス注入装置10によれば、カバー52は、閉じた状態において、正面視で炭酸注入管30及び排圧管42と配管PPとがカプラ38を介して連結されている部分が炭酸ガス注入装置10の外側から見えなくなるような位置でタワー14に取り付けられている。これによって、飲料容器12が取り付けられた炭酸ガス注入装置10の美観を高めることができる。また、カバー52は、ユーザが不意にカプラ38で連結された部分に触れることのないように、防護壁の役割を果たすことができる。さらに、カバー52は、何らかの機械的原因によってカプラ38が不意に外れ、飲料容器12内の飲料や炭酸ガスが噴き出した場合の防護壁の役割を果たすことができる。
【0039】
以上、炭酸ガス注入装置10の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。当業者であれば、上記の実施形態の様々な変形が可能であることを理解できると考えられる。
【0040】
なお、ここでは、防護機構は、カバー52、固定爪54及びスイッチ部56を含んで構成されているとして説明したが、これに限らず、例えば、タワー内において容器の底部が載置される位置に配置される押しボタン式のスイッチ、容器の動きをモニタするためにタワー内に配置される超音波センサやレーザセンサ等と接続されたスイッチ等を含む様々な態様で防護機構が構成されてもよい。
【符号の説明】
【0041】
10 炭酸ガス注入装置
12 飲料容器
14 タワー(筐体)
34 炭酸ガスボンベ(ガス供給源)
40 第1電磁弁(第1開閉機構)
44 第2電磁弁(第2開閉機構)
48 操作パネル(操作部)
52 カバー(カバー部、防護機構)
54 固定爪(カバー部、防護機構)
56 スイッチ部(防護機構)