(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160505
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】シート用モータユニット
(51)【国際特許分類】
H02K 5/24 20060101AFI20231026BHJP
【FI】
H02K5/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022070917
(22)【出願日】2022-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】服部 将士
【テーマコード(参考)】
5H605
【Fターム(参考)】
5H605AA04
5H605BB05
5H605CC01
5H605CC03
5H605CC09
5H605DD09
5H605EA06
5H605EA07
(57)【要約】
【課題】部品点数を低減しつつ、モータの振動音の伝達を抑制できるシート用モータユニットを提供する。
【解決手段】本開示の一態様は、モータ本体と駆動軸とを有するモータと、モータを収容するハウジングと、を備えるシート用モータユニットである。ハウジングは、第1部材と、第1部材と連結された第2部材と、を有する。第1部材は、モータ本体が内部に配置されると共に、モータ本体が挿入可能な開口が設けられた収容部と、収容部の外側から収容部の少なくとも一部を覆う第1カバー部と、を有する。第2部材は、収容部を被覆する外殻を第1カバー部と共に構成する第2カバー部を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ本体と駆動軸とを有するモータと、
前記モータを収容するハウジングと、
を備え、
前記ハウジングは、
第1部材と、
前記第1部材と連結された第2部材と、
を有し、
前記第1部材は、
前記モータ本体が内部に配置されると共に、前記モータ本体が挿入可能な開口が設けられた収容部と、
前記収容部の外側から前記収容部の少なくとも一部を覆う第1カバー部と、
を有し、
前記第2部材は、前記収容部を被覆する外殻を前記第1カバー部と共に構成する第2カバー部を有する、シート用モータユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のシート用モータユニットであって、
前記収容部は、前記モータ本体の前記駆動軸の周方向に沿った外周面を覆う筒状部を有する、シート用モータユニット。
【請求項3】
請求項2に記載のシート用モータユニットであって、
前記収容部は、前記モータ本体の前記駆動軸が突出した第1端部を、前記駆動軸の軸方向外側から覆う底壁を有し、
前記第1カバー部は、前記筒状部を前記駆動軸の径方向外側から覆い、
前記第2カバー部は、
前記第1カバー部と共に第1方向に前記筒状部を挟むように配置された第1壁と、
前記筒状部を、前記駆動軸の径方向と平行かつ前記第1方向と交差する第2方向に挟むように配置された第2壁及び第3壁と、
前記底壁を前記駆動軸の軸方向外側から覆う第4壁と、
前記モータ本体の前記第1端部とは反対側の第2端部を、前記駆動軸の径方向外側から覆う第5壁と、
前記第5壁を前記駆動軸の径方向外側から覆う第6壁と、
を有する、シート用モータユニット。
【請求項4】
請求項2に記載のシート用モータユニットであって、
前記収容部は、前記モータ本体の前記駆動軸が突出した第1端部を、前記駆動軸の軸方向外側から覆う底壁を有し、
前記第1カバー部は、前記底壁を前記駆動軸の軸方向外側から覆い、
前記第2カバー部は、
前記筒状部の外周面を覆う筒状の第1壁と、
前記モータ本体の前記第1端部とは反対側の第2端部を、前記駆動軸の軸方向外側から覆う第2壁と、
を有する、シート用モータユニット。
【請求項5】
請求項2に記載のシート用モータユニットであって、
前記収容部は、前記モータ本体の前記駆動軸が突出した第1端部を、前記駆動軸の軸方向外側から覆う底壁を有し、
前記第1カバー部は、
前記筒状部を、前記駆動軸の径方向と平行な第1方向の外側から覆う第1壁と、
前記筒状部を、前記駆動軸の径方向と平行かつ前記第1方向と交差する第2方向に挟むように配置された第2壁及び第3壁と、
を有し、
前記第2カバー部は、
前記第1壁と共に前記第1方向に前記筒状部を挟むように配置された第4壁と、
前記筒状部を、前記駆動軸の軸方向に挟むように配置された第5壁及び第6壁と、
前記第6壁を前記駆動軸の径方向外側から覆う第7壁と、
を有する、シート用モータユニット。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載のシート用モータユニットであって、
前記モータ本体を被覆すると共に、前記モータ本体と共に前記収容部の内部に配置される防振部材をさらに備える、シート用モータユニット。
【請求項7】
請求項1又は請求項2に記載のシート用モータユニットであって、
前記ハウジングは、前記収容部及び前記外殻のうちの一方から延伸し、前記収容部及び前記外殻のうちの他方に連結されるか、又は接触するリブを有する、シート用モータユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シート用モータユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
モータの振動音の伝達を抑制する遮音手段として、内壁及び外壁でモータを二重に覆う構造が公知である(特許文献1参照)。このような防音構造は、モータを有する駆動装置を備えるシートにも求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の内壁及び外壁を有するハウジングを構成するには、多数のパーツを組み合わせる必要がある。そのため、モータユニットの部品コスト及び組み立てコストが高くならざるを得ない。
【0005】
本開示の一局面は、部品点数を低減しつつ、モータの振動音の伝達を抑制できるシート用モータユニットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、モータ本体(21)と駆動軸(22)とを有するモータ(2)と、モータ(2)を収容するハウジング(4)と、を備えるシート用モータユニット(1)である。ハウジング(4)は、第1部材(41)と、第1部材(41)と連結された第2部材(42)と、を有する。
【0007】
第1部材(41)は、モータ本体(21)が内部に配置されると共に、モータ本体(21)が挿入可能な開口が設けられた収容部(411)と、収容部(411)の外側から収容部(411)の少なくとも一部を覆う第1カバー部(412)と、を有する。第2部材(42)は、収容部(411)を被覆する外殻(4B)を第1カバー部(412)と共に構成する第2カバー部(421)を有する。
【0008】
このような構成によれば、第1部材(41)と第2部材(42)との2つのパーツによって、ハウジング(4)が組み立てられる。また、収容部(411)で構成される内殻(4A)と、第1カバー部(412)及び第2カバー部(421)で構成される外殻(4B)とによって、モータ本体(21)を二重に覆うことができる。そのため、部品点数を低減しつつ、モータ(2)の振動音の伝達を抑制できる。
【0009】
本開示の一態様では、収容部(411)は、モータ本体(21)の駆動軸(22)の周方向に沿った外周面を覆う筒状部(411A)を有してもよい。このような構成によれば、モータ(2)の振動音の伝達を抑制しつつ、モータ本体(21)の収容部(411)への取付を簡潔化できる。
【0010】
本開示の一態様では、収容部(411)は、モータ本体(21)の駆動軸(22)が突出した第1端部を、駆動軸(22)の軸方向外側から覆う底壁(411B)を有してもよい。第1カバー部(412)は、筒状部(411A)を駆動軸(22)の径方向外側から覆ってもよい。
【0011】
第2カバー部(421)は、第1カバー部(412)と共に第1方向に筒状部(411A)を挟むように配置された第1壁(421A)と、筒状部(411A)を、駆動軸(22)の径方向と平行かつ第1方向と交差する第2方向に挟むように配置された第2壁(421B)及び第3壁(421C)と、底壁(411B)を駆動軸(22)の軸方向外側から覆う第4壁(421D)と、モータ本体(21)の第1端部とは反対側の第2端部を、駆動軸(22)の径方向外側から覆う第5壁(421E)と、第5壁(421E)を駆動軸(22)の径方向外側から覆う第6壁(421F)と、を有してもよい。このような構成によれば、モータ本体(21)の軸方向の両端部を収容部(411)及び第2カバー部(421)で覆うことができる。その結果、モータ(2)の振動音の伝達抑制効果を高められる。
【0012】
本開示の一態様では、収容部(1411)は、モータ本体(21)の駆動軸(22)が突出した第1端部を、駆動軸(22)の軸方向外側から覆う底壁(1411B)を有してもよい。第1カバー部(1412)は、底壁(1411B)を駆動軸(22)の軸方向外側から覆ってもよい。第2カバー部(1421)は、筒状部(1411A)の外周面を覆う筒状の第1壁(1421A)と、モータ本体(21)の第1端部とは反対側の第2端部を、駆動軸(22)の軸方向外側から覆う第2壁(1421B)と、を有してもよい。このような構成によれば、モータ(2)の収容部(1411)への挿入方向が、収容部(1411)の第2カバー部(1421)への挿入方向と平行となるため、ハウジング(14)の組み立てを簡潔化できる。
【0013】
本開示の一態様では、収容部(2411)は、モータ本体(21)の駆動軸(22)が突出した第1端部を、駆動軸(22)の軸方向外側から覆う底壁(2411B)を有してもよい。第1カバー部(2412)は、筒状部(2411A)を、駆動軸(22)の径方向と平行な第1方向の外側から覆う第1壁(2412A)と、筒状部(2411A)を、駆動軸(22)の径方向と平行かつ第1方向と交差する第2方向に挟むように配置された第2壁(2412B)及び第3壁(2412C)と、を有してもよい。
【0014】
第2カバー部(2421)は、第1壁(2412A)と共に第1方向に筒状部(2411A)を挟むように配置された第4壁(2421A)と、筒状部(2411A)を、駆動軸(22)の軸方向に挟むように配置された第5壁(2421B)及び第6壁(2421C)と、第6壁(2421C)を駆動軸(22)の径方向外側から覆う第7壁(2421D)と、を有してもよい。このような構成によれば、モータ本体(21)の軸方向の両端部を収容部(2411)及び第2カバー部(2421)で覆うことができる。その結果、モータ(2)の振動音の伝達抑制効果を高められる。
【0015】
本開示の一態様では、モータ本体(21)を被覆すると共に、モータ本体(21)と共に収容部(411)の内部に配置される防振部材(3)をさらに備えてもよい。このような構成によれば、防振部材(3)によってモータ(2)から収容部(411)への振動伝達が抑制されるため、モータ(2)の振動音の伝達抑制効果を高められる。
【0016】
本開示の一態様では、ハウジング(4)は、収容部(411)及び外殻(4B)のうちの一方から延伸し、収容部(411)及び外殻(4B)のうちの他方に連結されるか、又は接触するリブ(413)を有してもよい。このような構成によれば、ハウジング(4)の強度を高められる。
【0017】
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、第1実施形態におけるシート用モータユニットを示す模式的な斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1のシート用モータユニットの模式的な分解斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1のシート用モータユニットにおける第1部材の模式的な斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1のシート用モータユニットにおける第2部材の模式的な斜視図である。
【
図5】
図5Aは、
図1のVA-VA線での模式的な切断部端面図であり、
図5Bは、
図5AのVB-VB線での模式的な切断部端面図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態におけるシート用モータユニットを示す模式的な斜視図である。
【
図7】
図7は、
図6のシート用モータユニットの模式的な分解斜視図である。
【
図8】
図8は、
図6のシート用モータユニットにおける第1部材の模式的な斜視図である。
【
図9】
図9は、
図6のシート用モータユニットにおける第2部材の模式的な斜視図である。
【
図11】
図11は、第3実施形態におけるシート用モータユニットを示す模式的な斜視図である。
【
図13】
図13は、
図11のシート用モータユニットにおける第1部材の模式的な斜視図である。
【
図14】
図14は、
図11のシート用モータユニットにおける第2部材の模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1に示すシート用モータユニット1は、例えば乗物に設置されるシートにおいて、駆動装置の動力源として用いられる。シート用モータユニット1が使用される駆動装置としては、シートの昇降装置(例えば、チルト、リフタ等)、スライド装置、リクライニング装置等が挙げられる。
【0020】
図2に示すように、シート用モータユニット1は、モータ2と、防振部材3と、ハウジング4とを備える。なお、本実施形態では、モータ2の回転軸心と平行な軸をX軸、ハウジング4の第1部材41と第2部材42との連結方向をZ軸、X軸とY軸とに直交する方向をY軸とする。
【0021】
<モータ>
モータ2は、動力を発生させるモータ本体21と、モータ本体21の動力を伝達する駆動軸22とを有する。駆動軸22は、例えばギアユニット等に駆動連結され、動力を外部に出力する。
【0022】
<防振部材>
防振部材3は、モータ本体21を被覆する筒状の部材である。防振部材3は、モータ本体21と共に第1部材41の収容部411の内部に配置される。防振部材3としては、例えばゴム、ウレタン等の公知の振動吸収材料が使用できる。
【0023】
<ハウジング>
ハウジング4は、モータ2を収容している。ハウジング4は、第1部材41と、第1部材41と連結された第2部材42とを有する。
【0024】
<第1部材>
図3に示すように、第1部材41は、収容部411と、第1カバー部412と、リブ413とを有する。収容部411、第1カバー部412、及びリブ413は、成形により一体化されている。
【0025】
収容部411は、モータ本体21が内部に配置されると共に、モータ本体21が挿入可能な開口が設けられた部位である。具体的には、収容部411は、X軸に沿ってモータ本体21が挿入可能に形成されている。
【0026】
収容部411は、筒状部411Aと、底壁411Bとを有する。筒状部411Aは、モータ本体21の駆動軸22の周方向に沿った外周面全体を覆っている。筒状部411Aの中心軸は、X軸と平行である。
【0027】
底壁411Bは、モータ本体21の駆動軸22が突出した第1端部21A(
図2参照)を、駆動軸22の軸方向外側から覆っている。底壁411Bは、筒状部411Aの端部のうち、モータ本体21が挿入される端部とは反対側の端部を塞いでいる。また、底壁411Bには、駆動軸22が挿通される孔が設けられている。
【0028】
第1カバー部412は、収容部411の外側から収容部411の少なくとも一部を覆っている。第1カバー部412は、天壁412Aと、側壁412Bとを有する。天壁412Aは、収容部411の筒状部411Aの外周面を外側から覆っている。天壁412Aは、リブ413によって筒状部411Aの外周面に連結されている。
【0029】
側壁412Bは、天壁412AのX軸方向の一方の端部から、駆動軸22に向かって延伸している。側壁412Bは、底壁411Bの一部を駆動軸22の軸方向外側から覆っている。
【0030】
リブ413は、Y軸と交差する板面を有し、X軸方向に延伸する板状の部位である。リブ413は、筒状部411Aの外周面からZ軸方向に突出し、第1カバー部412の内面に到達している。リブ413は、収容部411から延伸し、第1カバー部412が構成する外殻4B(
図1参照)に一体化により連結されている。
【0031】
<第2部材>
図4に示す第2部材42は、第2カバー部421を有する。第2カバー部421は、第1部材41の第1カバー部412と共に外殻4Bを構成している。外殻4Bは、空気層を介して収容部411を被覆している。
【0032】
第2カバー部421は、第1壁421Aと、第2壁421Bと、第3壁421Cと、第4壁421Dと、第5壁421Eと、第6壁421Fとを有する。第2カバー部421の各壁は、成形により一体化されている。
【0033】
第1壁421Aは、第1部材41の第1カバー部412と共にZ軸と平行な第1方向に筒状部411Aを挟むように配置されている。
【0034】
第2壁421B及び第3壁421Cは、第1壁421Aと共に第1部材41の筒状部411Aが配置可能な凹部を形成するように、第1壁421AのY軸方向の両端部からそれぞれ延伸している。
【0035】
第2壁421B及び第3壁421Cは、第1部材41の筒状部411Aを、駆動軸22の径方向と平行かつ第1方向と交差する第2方向(つまりY軸と平行な方向)に挟むように配置されている。
【0036】
第4壁421Dは、第1壁421AのX軸方向の端部のうちモータ本体21の第1端部21Aに近接する端部から延伸している。第4壁421DのY軸方向の両端部は、それぞれ第2壁421B又は第3壁421Cに連結されている。
【0037】
第4壁421Dは、第1部材41の底壁411Bを駆動軸22の軸方向外側から覆っている。第4壁421Dは、第1部材41の側壁412BがZ軸方向に沿って挿入される溝を有する。また、第4壁421Dは、側壁412Bと共に、駆動軸22が挿通される開口部を形成している。
【0038】
第5壁421Eは、第1壁421AのX軸方向の端部のうちモータ本体21の第2端部21Bに近接する端部の内側から延伸している。第5壁421EのY軸方向の両端部は、それぞれ第2壁421B又は第3壁421Cに連結されている。
【0039】
第5壁421Eは、モータ本体21の第1端部21Aとは反対側の第2端部21B(
図2参照)を、駆動軸22の径方向外側から覆っている。第5壁421EのY軸方向における中央部は、外側にオフセットしている。
【0040】
第6壁421Fは、第1壁421AのX軸方向の端部のうちモータ本体21の第2端部21Bに近接する端部から延伸している。第6壁421FのY軸方向の両端部は、それぞれ第2壁421B又は第3壁421Cに連結されている。
【0041】
第6壁421Fは、第5壁421Eを駆動軸22の径方向外側から覆っている。つまり、第6壁421Fは、第5壁421EとX軸方向に対向している。
【0042】
<ハウジングの組立及び内部構成>
第1部材41及び第2部材42の材質は特に限定されず、例えば、樹脂又は金属で構成される。第1部材41及び第2部材42はそれぞれ、アンダーカットが発生しない形状のため、樹脂による押出成形が可能である。
【0043】
図2に示すように、第1部材41は、収容部411が第2部材42の内部に収納されるように配置された状態で、例えばビスによって第1カバー部412が第2カバー部421に固定されることで、第2部材42に接合される。
【0044】
図5A及び
図5Bに示すように、防振部材3は、モータ本体21の外周面と筒状部411Aの内周面とに挟まれて配置されている。また、防振部材3の一部は、モータ本体21の第1端部21Aと底壁411Bとに挟まれている。
【0045】
第1部材41の筒状部411A及び底壁411Bと、第2部材42の第5壁421Eとは、モータ本体21及び防振部材3を収容する内殻4Aを構成している。第1部材41の側壁412Bと、第2部材42の第1壁421A、第2壁421B、第3壁421C、第4壁421D及び第6壁421Fとは、空気層Aを介して内殻4Aを被覆する外殻4Bを構成している。
【0046】
[1-2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)第1部材41と第2部材42との2つのパーツによって、ハウジング4が組み立てられる。また、収容部411で構成される内殻4Aと、第1カバー部412及び第2カバー部421で構成される外殻4Bとによって、モータ本体21を二重に覆うことができる。そのため、部品点数を低減しつつ、モータ2の振動音の伝達を抑制できる。
【0047】
(1b)収容部411が筒状部411Aを有することで、モータ2の振動音の伝達を抑制しつつ、モータ本体21の収容部411への取付を簡潔化できる。
【0048】
(1c)収容部411が底壁411Bを有し、第2カバー部421が少なくとも第4壁421D、第5壁421E及び第6壁421Fを有することで、モータ本体21の軸方向の両端部を収容部411及び第2カバー部421で覆うことができる。その結果、モータ2の振動音の伝達抑制効果を高められる。
【0049】
(1d)防振部材3によってモータ2から収容部411への振動伝達が抑制されるため、モータ2の振動音の伝達抑制効果を高められる。
(1e)収容部411と外殻4Bとの双方に接合されたリブ413によって、ハウジング4の強度を高められる。
【0050】
[2.第2実施形態]
[2-1.構成]
図6に示すシート用モータユニット101は、シートの駆動装置に動力源として用いられる。
図7に示すように、シート用モータユニット101は、モータ2と、防振部材3と、ハウジング14とを備える。
【0051】
シート用モータユニット101のモータ2及び防振部材3は、第1実施形態のシート用モータユニット1のモータ2及び防振部材3(
図2参照)と同様のものであるため、説明を省略する。なお、本実施形態では、モータ2の回転軸心と平行な軸をX軸、モータ2の径方向と平行な任意の方向をZ軸、X軸とY軸とに直交する方向をY軸とする。
【0052】
<ハウジング>
ハウジング14は、モータ2を収容している。ハウジング14は、第1部材141と、第1部材141と連結された第2部材142とを有する。
【0053】
<第1部材>
図8に示すように、第1部材141は、収容部1411と、第1カバー部1412とを有する。収容部1411及び第1カバー部1412は、成形により一体化されている。
【0054】
収容部1411は、モータ本体21が内部に配置されると共に、モータ本体21が挿入可能な開口が設けられた部位である。具体的には、収容部1411は、X軸に沿ってモータ本体21が挿入可能に形成されている。
【0055】
収容部1411は、筒状部1411Aと、底壁1411Bとを有する。筒状部1411Aは、モータ本体21の駆動軸22の周方向に沿った外周面全体を覆っている。筒状部1411Aの中心軸は、X軸と平行である。
【0056】
底壁1411Bは、モータ本体21の駆動軸22が突出した第1端部21A(
図7参照)を、駆動軸22の軸方向外側から覆っている。底壁1411Bは、筒状部1411Aの端部のうち、モータ本体21が挿入される端部とは反対側の端部を塞いでいる。また、底壁1411Bには、駆動軸22が挿通される孔が設けられている。
【0057】
第1カバー部1412は、収容部1411の外側から収容部1411の少なくとも一部を覆っている。具体的には、第1カバー部1412は、収容部1411の底壁1411Bを駆動軸22の軸方向外側から覆っている。
【0058】
第1カバー部1412は、筒状部1411Aの端部に連結されると共に、底壁1411BとX軸方向において対向している。第1カバー部1412には、駆動軸22が挿通される孔が設けられている。
【0059】
<第2部材>
図9に示す第2部材142は、第2カバー部1421を有する。第2カバー部1421は、第1部材141の第1カバー部1412と共に外殻14Bを構成している。外殻14Bは、空気層を介して収容部1411を被覆している。
【0060】
第2カバー部1421は、第1壁1421Aと、第2壁1421Bとを有する。第2カバー部1421の各壁は、成形により一体化されている。
【0061】
第1壁1421Aは、第1部材141の筒状部1411Aの外周面全体を覆う筒状の部位である。つまり、第1壁1421Aは、筒状部1411Aを収納する内部空間を有する。第1壁1421Aの中心軸は、筒状部1411Aの中心軸と平行である。
【0062】
第2壁1421Bは、第1壁1421Aの端部のうち、モータ本体21の第2端部21Bに近接する端部を塞いでいる。第2壁1421Bは、モータ本体21の第2端部21Bを、駆動軸22の軸方向外側から覆っている。
【0063】
<ハウジングの組立及び内部構成>
第1部材141及び第2部材142の材質は特に限定されず、例えば、樹脂又は金属で構成される。第1部材141及び第2部材142はそれぞれ、アンダーカットが発生しない形状のため、樹脂による押出成形が可能である。
【0064】
図7に示すように、第1部材141は、収容部1411が第2部材142の内部に収納されるように配置された状態で、例えばビスによって第1カバー部1412が第2カバー部1421に固定されることで、第2部材142に接合される。
【0065】
図10A及び
図10Bに示すように、防振部材3は、モータ本体21の外周面と筒状部1411Aの内周面とに挟まれて配置されている。また、防振部材3の一部は、モータ本体21の第1端部21Aと底壁1411Bとに挟まれている。
【0066】
第1部材141の筒状部1411A及び底壁1411Bと、第2部材142の第2壁1421Bとは、モータ本体21及び防振部材3を収容する内殻14Aを構成している。第1部材141の第1カバー部1412と、第2部材142の第1壁1421Aとは、空気層Aを介して内殻14Aを被覆する外殻14Bを構成している。
【0067】
[2-2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(2a)モータ2の収容部1411への挿入方向が、収容部1411の第2カバー部1421への挿入方向と平行となるため、ハウジング14の組み立てを簡潔化できる。
【0068】
[3.第3実施形態]
[3-1.構成]
図11に示すシート用モータユニット201は、シートの駆動装置に動力源として用いられる。
図12に示すように、シート用モータユニット201は、モータ2と、防振部材3と、ハウジング24とを備える。
【0069】
シート用モータユニット201のモータ2及び防振部材3は、第1実施形態のシート用モータユニット1のモータ2及び防振部材3(
図2参照)と同様のものであるため、説明を省略する。なお、本実施形態では、モータ2の回転軸心と平行な軸をX軸、ハウジング24の第1部材241と第2部材242との連結方向をZ軸、X軸とY軸とに直交する方向をY軸とする。
【0070】
<ハウジング>
ハウジング24は、モータ2を収容している。ハウジング24は、第1部材241と、第1部材241と連結された第2部材242とを有する。
【0071】
<第1部材>
図13に示すように、第1部材241は、収容部2411と、第1カバー部2412と、複数のリブ2413A,2413B,2413Cとを有する。収容部2411、第1カバー部2412、及びリブ2413A,2413B,2413Cは、成形により一体化されている。
【0072】
収容部2411は、モータ本体21が内部に配置されると共に、モータ本体21が挿入可能な開口が設けられた部位である。具体的には、収容部2411は、X軸に沿ってモータ本体21が挿入可能に形成されている。
【0073】
収容部2411は、筒状部2411Aと、底壁2411Bとを有する。筒状部2411Aは、モータ本体21の駆動軸22の周方向に沿った外周面全体を覆っている。筒状部2411Aの中心軸は、X軸と平行である。
【0074】
底壁2411Bは、モータ本体21の駆動軸22が突出した第1端部21A(
図12参照)を、駆動軸22の軸方向外側から覆っている。底壁2411Bは、筒状部2411Aの端部のうち、モータ本体21が挿入される端部とは反対側の端部を塞いでいる。また、底壁2411Bには、駆動軸22が挿通される孔が設けられている。
【0075】
第1カバー部2412は、収容部2411の外側から収容部2411の少なくとも一部を覆っている。第1カバー部2412は、第1壁2412Aと、第2壁2412Bと、第3壁2412Cとを有する。
【0076】
第1壁2412Aは、筒状部2411Aを、駆動軸22の径方向と平行な(具体的にはZ軸と平行な)第1方向の外側から覆っている。第1壁2412Aは、複数のリブ2413A,2413B,2413Cによって、筒状部2411Aの外周面に連結されている。
【0077】
第2壁2412B及び第3壁2412Cは、第1壁2412AのY軸方向の両端部からそれぞれ延伸している。第2壁2412B及び第3壁2412Cは、筒状部2411Aを、駆動軸22の径方向と平行かつ第1方向と交差する第2方向(つまりY軸と平行な方向)に挟むように配置されている。
【0078】
複数のリブ2413A,2413B,2413Cは、それぞれY軸と交差する板面を有し、Z軸方向に延伸する板状の部位である。リブ2413A,2413B,2413Cは、筒状部2411Aの外周面からZ軸方向に突出し、第1壁2412Aの内面に到達している。リブ2413A,2413B,2413Cは、収容部2411から延伸し、第1カバー部2412が構成する外殻24B(
図11参照)に一体化により連結されている。
【0079】
<第2部材>
図14に示す第2部材242は、第2カバー部2421を有する。第2カバー部2421は、第1部材241の第1カバー部2412と共に外殻24Bを構成している。外殻24Bは、空気層を介して収容部2411を被覆している。
【0080】
第2カバー部2421は、第4壁2421Aと、第5壁2421Bと、第6壁2421Cと、第7壁2421Dとを有する。第2カバー部2421の各壁は、成形により一体化されている。
【0081】
第4壁2421Aは、第1部材241の第1カバー部2412と共に第1方向(つまりZ軸と平行)に筒状部2411Aを挟むように配置されている。
【0082】
第5壁2421B及び第6壁2421Cは、第4壁2421Aと共に第1部材241の筒状部2411Aが配置可能な凹部を形成するように、第4壁2421Aからそれぞれ延伸している。
【0083】
第5壁2421Bは、第4壁2421AのX軸方向の端部のうちモータ本体21の第1端部21Aに近接する端部から延伸している。第6壁2421Cは、第4壁2421AのX軸方向の端部のうちモータ本体21の第2端部21Bに近接する端部の内側から延伸している。
【0084】
第5壁2421B及び第6壁2421Cは、第1部材241の筒状部2411Aを、駆動軸22の軸方向に挟むように配置されている。第6壁2421CのY軸方向における中央部は、外側にオフセットしている。
【0085】
第7壁2421Dは、第4壁2421AのX軸方向の端部のうちモータ本体21の第2端部21Bに近接する端部から延伸している。第7壁2421Dは、第6壁2421Cを駆動軸22の径方向外側から覆っている。つまり、第7壁2421Dは、第6壁2421CとX軸方向に対向している。
【0086】
<ハウジングの組立及び内部構成>
第1部材241及び第2部材242の材質は特に限定されず、例えば、樹脂又は金属で構成される。第1部材241及び第2部材242はそれぞれ、アンダーカットが発生しない形状のため、樹脂による押出成形が可能である。
【0087】
図12に示すように、第1部材241は、収容部2411が第2部材242の内部に収納されるように配置された状態で、例えばビスによって第1カバー部2412が第2カバー部2421に固定されることで、第2部材242に接合される。
【0088】
図15A及び
図15Bに示すように、防振部材3は、モータ本体21の外周面と筒状部2411Aの内周面とに挟まれて配置されている。また、防振部材3の一部は、モータ本体21の第1端部21Aと底壁2411Bとに挟まれている。
【0089】
第1部材241の筒状部2411A及び底壁2411Bと、第2部材242の第6壁2421Cとは、モータ本体21及び防振部材3を収容する内殻24Aを構成している。第1部材241の第1壁2412A、第2壁2412B及び第3壁2412Cと、第2部材242の第4壁2421A、第5壁2421B、及び第7壁2421Dとは、空気層Aを介して内殻24Aを被覆する外殻24Bを構成している。
【0090】
[3-2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(3a)収容部2411が底壁2411Bを有し、第2カバー部2421が少なくとも第5壁2421B、第6壁2421C及び第7壁2421Dを有することで、モータ本体21の軸方向の両端部を収容部2411及び第2カバー部2421で覆うことができる。その結果、モータ2の振動音の伝達抑制効果を高められる。
【0091】
[4.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0092】
(4a)上記実施形態のシート用モータユニットにおいて、第1部材の収容部は、必ずしも筒状部を有しなくてもよい。例えば、収容部は、モータが駆動軸の径方向に沿って挿入される形状を有してもよい。
【0093】
(4b)上記実施形態のシート用モータユニットにおいて、ハウジングは、収容部から延伸して外殻に接触するリブ、又は外殻から延伸して収容部に接触するリブを有してもよい。
【0094】
(4c)上記実施形態のシート用モータユニットは、必ずしも防振部材を備えなくてもよい。例えば、モータは、収容部の内周面に接触してもよい。
【0095】
(4d)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【符号の説明】
【0096】
1,101,201…シート用モータユニット、2…モータ、3…防振部材、
4,14,24…ハウジング、4A,14A,24A…内殻、
4B,14B,24B…外殻、21…モータ本体、22…駆動軸、
41,141,241…第1部材、42,142,242…第2部材、
411,1411,2411…収容部、411A,1411A,2411A…筒状部、
411B,1411B,2411B…底壁、
412,1412,2412…第1カバー部、412A…天壁、412B…側壁、
413…リブ、421,1421,2421…第2カバー部、421A…第1壁、
421B…第2壁、421C…第3壁、421D…第4壁、421E…第5壁、
421F…第6壁。