(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160538
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】保持プレート及びそれを含む収納容器
(51)【国際特許分類】
B65D 25/10 20060101AFI20231026BHJP
【FI】
B65D25/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022070963
(22)【出願日】2022-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】000148885
【氏名又は名称】株式会社台和
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100123607
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 徹
(72)【発明者】
【氏名】木戸 悠渡
(72)【発明者】
【氏名】矢作 遥香
【テーマコード(参考)】
3E062
【Fターム(参考)】
3E062AA01
3E062AB20
3E062BA20
3E062BB02
3E062BB09
3E062FA02
3E062FB03
3E062FC01
(57)【要約】
【課題】収納物を収納容器から取出すことを容易にする保持プレートを提供する。
【解決手段】収納容器(10)に抜き差し可能な保持プレート(1)は、平らな表面(2a)と平らな裏面(3a)を有する。表面は、少なくとも2つの孔(7)を有する。表面の孔に、表面の範囲内に収納物を保持するための保持具(30a, 30b)が取付け可能である。好ましくは、保持プレートは、表面と端部(2b)を含む表面プレート(2)と、裏面と端部(3b)を含む裏面プレート(3)を含む。好ましくは、表面プレートと裏面プレートは、それぞれの端部のところで枢動可能に連結される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納容器に抜き差し可能な保持プレートであって、
平らな表面と裏面を有し、
前記表面は、少なくとも2つの孔を有し、前記表面の孔に、前記表面の範囲内に収納物を保持するための保持具が取付け可能であることを特徴とする、保持プレート。
【請求項2】
前記保持プレートは、前記表面と端部を含む表面プレートと、前記裏面と端部を含む裏面プレートを含む、請求項1に記載の保持プレート。
【請求項3】
前記表面プレートと前記裏面プレートは、それぞれの端部のところで枢動可能に連結されることを特徴とする請求項2に記載の保持プレート。
【請求項4】
前記表面プレートは、前記裏面プレートに面する凹部を前記孔のところに有することを特徴とする請求項2に記載の保持プレート。
【請求項5】
前記表面プレート及び前記裏面プレートは、それぞれの前記端部の近くに配置された持ち手用孔を含むことを特徴とする請求項2に記載の保持プレート。
【請求項6】
前記表面プレートと前記裏面プレートの枢動範囲を制限する制限部を含むことを特徴とする請求項3に記載の保持プレート。
【請求項7】
前記裏面は、少なくとも2つの孔を有し、前記裏面の孔に、前記裏面の範囲内に収納物を保持する保持具が取付け可能であることを特徴とする、請求項1に記載の保持プレート。
【請求項8】
前記少なくとも2つの孔は、格子状に配列された多数の孔であることを特徴とする請求項1に記載の保持プレート。
【請求項9】
請求項1に記載の保持プレートが差し込まれた収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納容器に抜き差し可能な保持プレート及びかかる保持プレートが差し込まれた収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、収納容器に抜き差し可能な仕切り板が知られている。かかる仕切り板は、左官用鏝を吊下げてもよい(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
奥行のある又は底が深い収納容器は、収納領域が大きいので、仕切り板を使用すると、収納領域が区画され、収納物の整理が容易になる。一方、奥(底)の方に収納した収納物を取出すとき、後から収納した収納物が邪魔になることがある。
【0005】
そこで、本発明は、収納物を収納容器から取出すことを容易にする保持プレートを提供すること、及び、かかる保持プレートが差し込まれた収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために、本発明による保持プレートは、収納容器に抜き差し可能であり且つ平らな表面と裏面を有し、上記表面は、少なくとも2つの孔を有し、上記表面の孔に、上記表面の範囲内に収納物を保持するための保持具が取付け可能であることを特徴としている。
【0007】
このように構成された保持プレートは、収納物を保持具によって保持プレートに且つその表面の範囲内に保持することができる。したがって、収納物を保持プレート単位で整理することができる。また、保持プレートを収納容器に差し込むことによって、収納物を収納容器内に一度に収納することができると共に、保持プレートを収納容器から抜き出すことによって、収納物を収納容器から一度に取出すことができる。したがって、奥行のある又は底が深い収納容器においても、収納領域全体を有効に利用することができるとともに、奥の方に収納された収納物を保持プレートと一緒に容易に取出すことができる。
【0008】
本発明による保持プレートにおいて、好ましくは、保持プレートは、上記表面と端部を含む表面プレートと、上記裏面と端部を含む裏面プレートを含む。
【0009】
このように構成された保持プレートは、表面プレートと裏面プレートの二重構造で構成され、後述する特徴を付加することができる。
【0010】
表面プレートと裏面プレートを含む本発明による保持プレートにおいて、好ましくは、表面プレートと裏面プレートは、それぞれの端部のところで枢動可能に連結される。
【0011】
このように構成された保持プレートは、それを収納容器から抜き出した後、保持プレートを開いた状態にして自立させることができる。
【0012】
表面プレートと裏面プレートを含む本発明による保持プレートにおいて、好ましくは、表面プレートは、裏面プレートに面する凹部を孔のところに有する。
【0013】
このように構成された保持プレートでは、凹部は、保持具を取付けるためのスペースを構成し、保持具が裏面から出っ張ることが防止される。
【0014】
表面プレートと裏面プレートを含む本発明による保持プレートにおいて、好ましくは、表面プレート及び裏面プレートは、それぞれの端部の近くに配置された持ち手用孔を含む。
【0015】
このように構成された保持プレートでは、手持ち用孔に手を入れることにより、保持プレートを収納容器から抜いたりそれに差し込んだりすることが更に容易になる。
【0016】
表面プレートと裏面プレートを含む本発明による保持プレートにおいて、好ましくは、表面プレートと裏面プレートの枢動範囲を制限する制限部を含む。
【0017】
このように構成された保持プレートでは、開いた状態において、表面プレートと裏面プレートとの間の角度が大きくなりすぎて自立できなくなることを防止することができる。
【0018】
本発明による保持プレートにおいて、好ましくは、上記裏面は、少なくとも2つの孔を有し、上記裏面の孔に、上記裏面の範囲内に収納物を保持する保持具が取付け可能である。
【0019】
このように構成された保持プレートでは、表面だけでなく裏面にも収納物を保持することができる。
【0020】
本発明による保持プレートにおいて、好ましくは、少なくとも2つの孔は、格子状に配列された多数の孔である。
【0021】
このように構成された保持プレートでは、保持具の選択、配置が自由になり、様々な保持の仕方が可能になる。
【0022】
また、上記目的を達成するために、本発明による収納容器は、上記保持プレートが差し込まれている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2】本発明による保持プレートの使用状態を示す正面図である。
【
図3】本発明による保持プレートの使用状態を示す正面図である。
【
図4】本発明による保持プレートの使用状態を示す正面図である。
【
図5】本発明による保持プレートを差し込んだ収納容器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1を参照して、本発明による保持プレートの実施形態を説明する。保持プレート1は、平らな表面2aと端部2bを含む表面プレート2と、平らな裏面3aと端部3bを含む裏面プレート3を有する。表面プレート2と裏面プレート3は、それぞれの端部2b、3bのところでヒンジ部4によって枢動可能に連結されている。それにより、保持プレート1は、
図1に示す開いた状態と、表面プレート2と裏面プレート3が重なり合った閉じた状態(
図5参照)になることが可能である。表面プレート2と裏面プレート3は、それぞれの端部2b、3bの近くに配置された持ち手用孔5を含んでいる。また、保持プレート1は、表面プレート2と裏面プレート3の枢動範囲(開き側)を制限する制限部6を含むことが好ましい。
図1の実施形態では、制限部6は、表面プレート2と裏面プレート3とに取付けられた紐であり、表面プレート2と裏面プレート3は、紐が張る状態まで開いた状態になることができる。表面プレート2と裏面プレート3は、プラスチックで形成されることが好ましい。後述するように、保持プレート1は、収納容器に抜き差し可能に構成されており、表面プレート2と裏面プレート3の輪郭は、収納容器の内側領域の輪郭に実質的に一致していることが好ましい。また、かかる輪郭は、保持プレート1の抜き差しを容易にするために、差し込み方向に狭くなっていることが好ましい。
【0025】
表面プレート2の表面2aは、少なくとも2つの孔7を有する。
図1の実施形態では、孔7は、格子状に配列された多数の孔である。後で説明するように、収納物を表面2aの範囲内に保持するための保持具(例えば、
図2の30a)が、表面2aの孔7に取付け可能である。例えば、保持具であるフック30aは、孔7の中に挿入可能な引掛け部を有し、引掛け部を孔7に挿入することによって、フック30aを表面2a上に位置決めすることができる。孔は、保持具を位置決めすることができる任意の形状、大きさ、ピッチを有する。保持具は、任意であり、例えば、ボードに取付けられる市販品を保持具として利用してもよい。
【0026】
表面プレート2は、裏面プレート3に面する凹部8(図示せず)を孔7のところに有する。
図1の実施形態では、表面プレート2は、周囲にわたって延びる薄板部9を有し、凹部8は、薄板部9の内側に構成されている。図示のように、薄板部9の内側にリブが設けられていてもよい。凹部8は、孔7に挿入された保持具の引掛け部を保持プレート1内に収容するのに有用である。
【0027】
裏面プレート3は、表面プレート2と同様の構造を有している。即ち、裏面プレート3は、表面プレート2の孔7、凹部8、薄板部9と同様の孔7、凹部8、薄板部9を有している。裏面プレート3の孔7の位置は、表面プレート2の孔7の位置と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0028】
図2に示す例では、表面2に保持される収納物は、皿32であり、保持具は、4つのフック30aと2つの環状のゴム紐31である。フック30aの引掛け部(図示せず)が4隅の孔7に挿入されて位置決めされ、2つのゴム紐31をそれぞれ対角線状にフック30aに掛け、皿32をゴム紐に31よって表面2aに押し付けることによって、皿32を保持プレート1の表面2aの範囲内に保持することが可能である。
【0029】
図3に示す例では、表面2に保持される収納物は、ナイフ35と串36であり、保持具は、複数の孔7に引掛けられる押え板33及び底板34と、2つのフック30bと、1つの環状のゴム紐31である。ナイフ35と串36は、底板34で下方向の移動が阻止され、押え板33により表面2aから離れないように保持される。また、2つのフック30bの間に張られたゴム紐31でナイフ35と串36の先を表面2aに向かって押さえつけることによって、ナイフ35と串36を保持プレート1の表面2aの範囲内に保持することが可能である。
【0030】
図4に示す例では、表面2に保持する収納物は、お玉38、しゃもじ39、フライ返し40であり、保持具は、複数の孔7に引掛けられるフックユニット37である。フックユニット37は、お玉38、しゃもじ39、フライ返し40が引掛けられるフックを有し、お玉38等は、それらをフックに引っ掛けることによって自重でフックに、お玉38等を保持プレート1の表面2aの範囲内に保持することが可能である。
【0031】
図5は、3つの保持プレートが差し込まれた収納容器10を示す。収納容器10は、
図6に示すように、底壁10aと、4つの側壁10bと、4つの側壁によって構成された略矩形の上向きの開口10cを有する。また、保持プレート1を収納容器10に差し込むために、収納容器10の側壁10bの上縁に、差し込みガイド20が取付けられる。
図7に示すように、差し込みガイド20は、側壁10bに引掛かるようにJ字形の断面を有する引掛け部21と、保持プレート1を両側から支持するように引掛け部21から延びる2つの支持部22と、保持プレート1を支持部22に差し込むときの案内になるように支持部22から上向きに広がるように支持部22に連結された案内部23を含む。
【0032】
次に、保持プレートの使用方法を説明する。
【0033】
任意の孔7を利用して、例えば、
図2~
図4で説明したように、保持具を表面プレート2の表面2aに取付け、保持具を利用して、収納物を表面プレート2の表面2aに保持する。保持プレート1を開いた状態にして収納物を保持するのがよい。収納物は、表面2aの範囲内に収まることが好ましい。孔7が格子状に配列されているので。収納物の大きさや形状に適した保持具と保持具を位置決めする孔7を選択することが可能である。
【0034】
次いで、持ち手用孔5に指を入れて端部2a、3aを手で握り、
図5に示すように、保持プレート1を、閉じた状態で収納容器10に差し込む。
図5の実施形態では、差し込みガイド20を、支持部22が収納容器10の内側領域に配置されるように収納容器10の上縁に引掛け、保持プレート1を支持部22に差し込む。収納物の大きさに応じて差し込みガイド20の位置を調整することが可能であり、収納容器10の収納領域を有効に利用することができる。また、差し込みガイド20の案内部23が、支持部22から上向きに広がるように支持部22に連結されているので、保持プレート1を支持部22に容易に差し込むことができる。かくして、保持プレート1に保持されている収納物を収納容器10内に一度に収納することができる。
【0035】
次いで、持ち手用孔5に指を入れて端部2a、3aを手で握り、保持プレート1を収納容器から引出す。それにより、保持プレート1に保持されている収納物を収納容器10から一度に引出すことができる。また、
図1に示すように、保持プレート1を開いた状態にして、自立させる。即ち、保持プレート1は、収納物を取外し可能な収納物スタンドとして機能する。保持プレート1に保持されている収納物を収納容器10から一度に引出す取出すので、奥(底)の方に収納した収納物だけ取出すことを考えなくてよい。
【0036】
本発明による保持プレート1及び収納容器10は、例えば、キャンプに行くときの調理用具や食器などを収納するのに有用である。
【0037】
以上、本発明の実施形態を説明したけれども、他の実施形態も本発明の範囲内に含まれることは言うまでもない。
【0038】
上記実施形態では、保持プレート1は、表面プレート2と裏面プレート3を含む二重構造であったけれども、保持プレートは、表面と裏面を有する1枚のプレートで構成されていてもよい。この場合、表面に設けられる孔は、表面から裏面に貫通し、表面から挿入した保持具の引掛け部は、裏面から出っ張ってもよい。
【0039】
上記実施形態では、表面プレート2と裏面プレート3は、枢動可能に連結されていたけれども、保持プレート1を自立させる必要がなければ、表面プレート2と裏面プレート3は、固定されていてもよい。
【0040】
上記実施形態では、表面プレート2と裏面プレート3の両方に孔7が設けられていたけれども、裏面プレート3に収納物を保持する必要がなければ、裏面プレート3に孔7が設けられていなくてもよい。
【0041】
上記実施形態では、持ち手用孔5及び制限部6が設けられていたけれども、不要であればそれらを省略してもよい。
【0042】
上記実施形態では、ヒンジ部4が上方の端部2bに設けられていたが、側方の端部に設けられていてもよい。この場合であっても、抜き出した保持プレート1は自立可能である。
【0043】
上記実施形態では、収納容器の開口が上向きであり、保持プレート1を上方から差し込んでいたけれども、収納容器の開口が横向きであり、保持プレート1を側方から差し込んでもよい。また、差し込みガイド20の代わりに、保持プレート1を差し込むガイド又は溝を収納容器に直接設けてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 保持プレート
2 表面プレート
2a 表面
2b 端部
3 裏面プレート
3a 裏面
3b 端部
4 ヒンジ部
5 持ち手用孔
6 制限部
7 孔
8 凹部
10 収納容器
30a、30b フック(保持具)
31 環状ゴム紐(保持具)
33 押え板(保持具)
34 底板(保持具)
37 フックユニット(保持具)