(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160576
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】アレイ型超音波送受信装置およびパルス信号生成部の駆動開始時間調整方法
(51)【国際特許分類】
G01N 29/32 20060101AFI20231026BHJP
G01N 29/024 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
G01N29/32
G01N29/024
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071018
(22)【出願日】2022-04-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】000233044
【氏名又は名称】株式会社日立パワーソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】鴻野 駿一
(72)【発明者】
【氏名】梅田 雅通
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 勝博
(72)【発明者】
【氏名】北見 薫
【テーマコード(参考)】
2G047
【Fターム(参考)】
2G047AA05
2G047AC10
2G047BC03
2G047BC07
2G047CA01
2G047DB02
2G047EA10
2G047GB02
2G047GF06
2G047GG02
2G047GG03
2G047GG33
(57)【要約】
【課題】アレイプローブの個々の振動子の駆動タイミングのずれを低減する超音波映像表示装置を提供する。
【解決手段】本発明のアレイ型超音波送受信装置は、超音波ビームを生成する複数の振動子21を有するアレイ型プローブにより超音波を送受信するアレイ型超音波送受信装置であって、駆動指令信号により複数の振動子を駆動するパルス信号を出力するパルス信号生成部12の出力タイミングを調整して、パルス信号生成部の個々のハードウェアの特性の違いによるパルス信号の出力バラツキを解消し、振動子を駆動するパルス信号の出力タイミングを均一化する制御部11を備えるようにした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波ビームを生成する複数の振動子を有するアレイ型プローブにより超音波を送受信するアレイ型超音波送受信装置であって、
駆動指令信号により複数の前記振動子を駆動するパルス信号を出力するパルス信号生成部の出力タイミングを調整して、前記パルス信号生成部の個々のハードウェアの特性の違いによる前記パルス信号の出力バラツキを解消し、前記振動子を駆動するパルス信号の出力タイミングを均一化する制御部
を備えることを特徴とするアレイ型超音波送受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載のアレイ型超音波送受信装置において、
前記制御部は、
前記駆動指令信号を前記パルス信号生成部に出力する出力部と、
前記パルス信号生成部が出力したパルス信号を入力する入力部と、
被検体に対して超音波ビームを出射する本運用の前に、前記出力部が前記駆動指令信号を前記パルス信号生成部に出力した時刻を出力時刻として記憶し、前記入力部が前記パルス信号生成部で生成した前記パルス信号を入力した時刻を入力時刻として記憶し、前記出力時刻と前記入力時刻との差分を前記パルス信号生成部の駆動開始時間として、前記振動子毎に記憶する記憶部と、
を備えることを特徴とするアレイ型超音波送受信装置。
【請求項3】
請求項2に記載のアレイ型超音波送受信装置において、
前記制御部は、前記振動子毎の駆動開始時間の中で超音波ビームを生成する振動子に係る駆動開始時間の最大値を求めて基準駆動開始時間とする
ことを特徴とするアレイ型超音波送受信装置。
【請求項4】
請求項3に記載のアレイ型超音波送受信装置において、
前記制御部は、前記基準駆動開始時間とそれ以外の駆動開始時間との差分時間を求め、前記記憶部に記憶する
ことを特徴とするアレイ型超音波送受信装置。
【請求項5】
請求項4に記載のアレイ型超音波送受信装置において、
前記制御部は、被検体に対して超音波ビームを出射する本運用において、前記パルス信号生成部に対応する前記駆動指令信号の出力するタイミングを前記差分時間分調整して前記パルス信号生成部に出力し、前記パルス信号生成部は、出力タイミングが均一化されたパルス信号を前記振動子に出力して前記振動子を駆動する
ことを特徴とするアレイ型超音波送受信装置。
【請求項6】
請求項1に記載のアレイ型超音波送受信装置において、
前記パルス信号生成部は、前記振動子のそれぞれを駆動するパルス信号を出力するパルス信号生成回路と、当該パルス信号生成回路が出力したパルス信号を受信して電圧レベル変換する受信部と、から構成する
ことを特徴とするアレイ型超音波送受信装置。
【請求項7】
複数の振動子により超音波ビームを生成するアレイ型超音波送受信装置における前記振動子を駆動するパルス信号を出力するパルス信号生成部の駆動開始時間調整方法であって、
前記アレイ型超音波送受信装置の本運用の前段階において、
前記振動子毎に前記振動子を駆動するパルス信号を出力するパルス信号生成部の出力の駆動開始時間を求め、
前記超音波ビームを生成する振動子に係る前記駆動開始時間の最大値を基準駆動開始時間として求め、
前記基準駆動開始時間とそれ以外の前記駆動開始時間との差分時間を算出し、
前記アレイ型超音波送受信装置の本運用の段階において、
前記振動子を駆動するパルス信号を出力するパルス信号生成部への駆動指令信号の出力タイミングを、前記振動子毎に、前記差分時間分調整する
ことを特徴とするパルス信号生成部の駆動開始時間調整方法。
【請求項8】
請求項7に記載のパルス信号生成部の駆動開始時間調整方法において、
前記パルス信号生成部は、超音波ビームを生成する振動子を駆動するパルス信号を生成し、前記パルス信号を低電圧レベルに変換する
ことを特徴とするパルス信号生成部の駆動開始時間調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アレイ型超音波送受信装置およびパルス信号生成部の駆動開始時間調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体(被検体)の集積度が高まるにつれ、被検体内部の界面における剥離を探傷する時間の短縮化、つまり高速探傷が求められている。その一つの方法として、電子的に複数の振動子の動作を切り替えるアレイ型超音波送受信装置による探傷方法が知られている。
【0003】
アレイ型超音波送受信装置は、複数の振動子を並設したアレイプローブの個々の振動子の発振のタイミングを制御することで、少しずつずれた複数の超音波の波面を作り、この波面間の干渉による合成波面で超音波の集束ビームを作り、この超音波の集束ビームを被検体に順次照射する。そして、アレイ型超音波送受信装置は、被検体内部の界面における剥離面で反射した超音波エコーを、複数の振動子で受信し、個々の振動子の反射源からの距離の違いを打ち消すような信号処理を行って、被検体内部の界面における剥離面の超音波エコーを得ている。
【0004】
特許文献1には、多数の振動子から構成されたプローブを用いてエコー信号を受信する場合に、各ラスタのプリアンプのゲインデータを予め計算して記憶しておき、プローブによる信号受信時にプリアンプを前記ゲインデータに基づいて制御して、各振動子の受信信号に対する寄与の度合いをフラットな特性となるようにすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1によれば、超音波エコーをフラットな特性で受信するので、剥離面の超音波映像を精度よく表示することができる。
しかし、アレイプローブの個々の振動子の駆動タイミングのバラツキにより超音波ビームの集束性が低下する問題については考慮されておらず、剥離面の超音波映像の精度向上の余地がある。
【0007】
本発明の目的は、アレイプローブの個々の振動子の駆動タイミングのバラツキを低減するアレイ型超音波送受信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明のアレイ型超音波送受信装置は、超音波ビームを生成する複数の振動子を有するアレイ型プローブにより超音波を送受信するアレイ型超音波送受信装置であって、駆動指令信号により複数の前記振動子を駆動するパルス信号を出力するパルス信号生成部の出力タイミングを調整して、前記パルス信号生成部の個々のハードウェアの特性の違いによる前記パルス信号の出力バラツキを解消し、前記振動子を駆動するパルス信号の出力タイミングを均一化する制御部を備えるようにした。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、アレイプローブの個々の振動子の駆動タイミングのバラツキが抑止されて超音波ビームの集束性を高まる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】アレイプローブの個々の振動子を駆動して超音波ビームの出射を制御するアレイ型超音波送受信装置の構成を説明する図である。
【
図2】本発明を適用していないアレイ型超音波送受信装置における、パルス信号の時間経過を示す図である。
【
図3】実施形態のアレイ型超音波送受信装置における、パルス信号の時間経過を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、実施形態のアレイ型超音波送受信装置において、アレイプローブ2の個々の振動子21を駆動して超音波ビームの出射を制御する超音波送受信装置1の構成を説明する図である。
【0012】
アレイ型超音波送受信装置は、アレイプローブ2のアレイ状に配列された所定数で構成する振動子を駆動して、振動子から被検体に超音波を照射してその反射波を取得する。具体的には、それぞれの振動子の焦点位置を目標とする検査対象面の1点に集約させて超音波を送信し、該振動子を介してその反射波をアレイ型超音波送受信装置に取り込み、内部処理することによって焦点部位の超音波エコーを取得する。
【0013】
超音波送受信装置1は、被検体3に超音波ビームを照射し、被検体3の超音波エコーを受信する。
図1には、超音波送受信装置1における、超音波ビームの出射の係る構成を記載し、超音波エコーの受信に係る構成は省略している。
【0014】
制御部11は、中央処理装置、メモリ、外部記憶装置、入力部/出力部を含む一般的な電子計算機により実現する。制御部11は、中央処理装置が外部記憶装置に格納されている所定の制御プログラムを実行することにより、後述する駆動指令信号生成部111と駆動開始時間算出部114の機能を実現する。記憶部115は、メモリにより構成し、出力部112と入力部113は、入力部/出力部により構成する。
【0015】
制御部11は、中央処理装置が生成した駆動指令信号を出力部112からパルス信号生成部12に出力する。
【0016】
パルス信号生成部12は、アレイプローブ2を構成する複数の振動子21のそれぞれを駆動するパルス信号を生成するパルス信号生成回路121と、それぞれのパルス信号生成回路121に対応してそれぞれのパルス信号生成回路121から送信されたパルス信号を受信する処理回路を含む受信部13とから構成する。
【0017】
パルス信号生成回路121は、それぞれ対応する振動子21を駆動するためのパルス信号を生成して振動子21に付与すると共に、それぞれ対応する受信部13のそれぞれの処理回路にもパルス信号を送信する。
【0018】
受信部13の内部のそれぞれの処理回路は、対応するパルス信号生成回路121のパルス信号を受信すると供に、アレイプローブ2の振動子21を介して被検体からの反射超音波の信号を受信する。さらに、それぞれの処理回路の入力において、パルス信号生成回路121から受信したパルス信号を該処理回路および制御部11の保護のため、低電圧レベルに変換する。
【0019】
超音波送受信装置1は、パルス信号生成部12のそれぞれのパルス信号生成回路121が駆動指令信号を受信してからパルス信号を出力するまでの時間と、受信部13の内部のそれぞれの処理回路が該パルス信号を処理する時間との合計時間を、それぞれのパルス信号の駆動開始時間として求める。
【0020】
アレイ型超音波送受信装置が高精度に超音波の送信/受信の処理を行うには、パルス信号生成部12の振動子21毎の駆動開始時間が均一であることが要件となる。なお、各デバイス間の接続部を信号が伝わる時間は無視できる。然しながら、パルス信号生成部12のそれぞれのパルス信号生成回路121および受信部13のそれぞれの処理回路は電子部品であることから、個別特性においてバラつきがある。従って、このバラつきを調整し、パルス信号生成部12のパルス信号の出力タイミングを均一化する必要がある。
【0021】
超音波送受信装置1は、
図1に示すように、制御部11により、振動子21のそれぞれに関する駆動開始時間の算出処理を行う。詳細は後述するが、該算出処理では、基準駆動開始時間の算出と、他の駆動開始時間と基準駆動開始時間との差分の算出と、駆動指令信号の出力タイミングの再設定を行って出力部112から出力する。
【0022】
実施形態のアレイ型超音波送受信装置では、検体に対して超音波を送受信する本運用の前段階において、超音波送受信装置1が、パルス信号生成部12の基準駆動開始時間の算出と、振動子21毎の駆動開始時間と基準駆動開始時間との差分の算出と、駆動指令信号の出力タイミングの再設定を行う。そして、本運用の段階で、再設定された出力タイミングでパルス信号生成回路121に駆動指令信号を出力する。
【0023】
具体的には、制御部11は、駆動指令信号生成部111が生成した駆動指令信号をパルス信号生成部12に出力部112を介して出力し、その出力した時刻を出力時刻として記憶部に記憶する。パルス信号生成部12が生成したパルス信号は、パルス信号生成回路121毎に受信部13の内部の処理回路で処理した後、入力部113に入力される。そして、制御部11は、パルス信号生成回路121毎に、その入力した時刻を入力時刻として記憶部に記憶する。
【0024】
以後、パルス信号生成部12の駆動開始時間を求めてパルス信号の出力タイミングを補正する方法について詳細に説明する。
【0025】
図2は、出力タイミングを補正する前のパルス信号の出力状態を示す図である。
図2は、横軸が時間の経過を示し、例として、パルス信号生成回路121の4つのパルス信号の状態を示している。
【0026】
図2の一番上の信号は駆動指令信号であり、それぞれのバルス信号の駆動開始時間を算出する際の起点となる時刻、すなわち出力部112から駆動指令信号を出力する時刻の基準時刻を示すものである。
【0027】
td1~td4は、それぞれのパルス信号生成回路121の駆動開始時間を示す。つまり、入力部113にパルス信号を入力した時刻と、出力部112から駆動指令信号を出力した時刻との差分となる時間である。
【0028】
駆動開始時間算出部114は、入力部113にパルス信号を入力した時刻と、出力部112から駆動指令信号を出力した時刻(基準時刻)との差分を算出して、それぞれのパルス信号生成回路121の駆動開始時間td1~td4を求める。
【0029】
駆動開始時間算出部114は、さらに、値が最も大きい駆動開始時間td3を基準駆動開始時間とする。すなわち、パルス信号生成回路121(3)を基準パルス信号生成回路とし、その駆動開始時間を基準駆動開始時間とする。
【0030】
そして、駆動開始時間算出部114は、パルス信号生成回路121(1)、パルス信号生成回路121(2)、およびパルス信号生成回路121(4)の駆動開始時間td1、td2、td4と、基準駆動開始時間td3との差分時間td3-td1、td3-td2、td3-td4を算出し、該差分時間を記憶部115に記憶する。
【0031】
制御部11(駆動指令信号生成部111)は、本運用において、パルス信号生成回路121のそれぞれのパルス信号生成回路121に出力する駆動指令信号を駆動指令信号の基準時刻に上記の差分時間を加算して、駆動指令信号の出力タイミングを再設定する。これにより、パルス信号の差分時間td3-td1、td3-td2、td3-td4がゼロになるので、パルス信号生成部12のパルス信号の出力タイミングが一致する。
【0032】
詳しくは、
図3に示すように、パルス信号生成回路121(1)に出力する駆動指令信号については、基準時刻に上記の差分時間td3-td1を加算した時刻に、制御部11(駆動指令信号生成部111)が駆動指令信号を出力するように調整する。パルス信号生成回路121(1)は、駆動指令信号の入力から駆動開始時間td1の後にパルス信号を出力する。これにより、基準時刻からパルス信号を出力するまでの時間は、(td3-td1)+td1=td3となり、パルス信号生成回路121(3)の駆動開始時間である基準駆動開始時間td3に一致するので、パルス信号生成回路121(1)のパルス信号の出力タイミングが、基準パルス信号生成回路(パルス信号生成回路121(3))のパルス信号の出力タイミングに一致する。
【0033】
同様に、制御部11(駆動指令信号生成部111)は、パルス信号生成回路121(2)に出力する駆動指令信号については、基準時刻に差分時間td3-td2を加算した時刻に制御部11(駆動指令信号生成部111)が駆動指令信号を出力するように調整し、パルス信号生成回路121(2)は、基準時刻から、(td3-td2)+td2=td3後に、パルス信号を出力する。
【0034】
さらに、制御部11(駆動指令信号生成部111)は、パルス信号生成回路121(4)に出力する駆動指令信号については、基準時刻に差分時間td3-td4を加算した時刻に制御部11(駆動指令信号生成部111)が駆動指令信号を出力するように調整し、パルス信号生成回路121(4)は、基準時刻から、(td3-td4)+td4=td3後に、パルス信号を出力する。
【0035】
これにより、パルス信号生成部12のパルス信号の出力タイミングを均一化することが可能となり、振動子21の超音波の照射タイミングを均一化することが可能となる。
【符号の説明】
【0036】
1 超音波送受信装置
11 制御部
111 駆動指令信号生成部
112 出力部
113 入力部
114 駆動開始時間算出部
115 記憶部
12 パルス信号生成部
13 受信部
2 アレイプローブ
21 振動子
3 被検体
【手続補正書】
【提出日】2022-09-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波ビームを生成する複数の振動子を有するアレイ型プローブにより超音波を送受信するアレイ型超音波送受信装置であって、
前記アレイ型超音波送受信装置から出力される駆動指令信号により複数の前記振動子にそれぞれ1対1の対応で直接接続して前記振動子を駆動するパルス信号を出力するパルス信号生成部の出力タイミングの差分時間をゼロにするように調整して、前記パルス信号生成部の個々のハードウェアの特性の違いによる前記パルス信号の出力バラツキを解消し、前記振動子を駆動するパルス信号の出力タイミングを均一化する制御部
を備えることを特徴とするアレイ型超音波送受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載のアレイ型超音波送受信装置において、
前記制御部は、
前記駆動指令信号を前記パルス信号生成部に出力する出力部と、
前記パルス信号生成部が出力したパルス信号を入力する入力部と、
被検体に対して超音波ビームを出射する本運用の前に、前記出力部が前記駆動指令信号を前記パルス信号生成部に出力した時刻を出力時刻として記憶し、前記入力部が前記パルス信号生成部で生成した前記パルス信号を入力した時刻を入力時刻として記憶し、前記出力時刻と前記入力時刻との差分を前記パルス信号生成部の駆動開始時間として、前記振動子毎に記憶する記憶部と、
を備えることを特徴とするアレイ型超音波送受信装置。
【請求項3】
請求項2に記載のアレイ型超音波送受信装置において、
前記制御部は、前記振動子毎の駆動開始時間の中で超音波ビームを生成する振動子に係る駆動開始時間の最大値を求めて基準駆動開始時間とする
ことを特徴とするアレイ型超音波送受信装置。
【請求項4】
請求項3に記載のアレイ型超音波送受信装置において、
前記制御部は、前記基準駆動開始時間とそれ以外の駆動開始時間との差分時間を求め、前記記憶部に記憶する
ことを特徴とするアレイ型超音波送受信装置。
【請求項5】
請求項4に記載のアレイ型超音波送受信装置において、
前記制御部は、被検体に対して超音波ビームを出射する本運用において、前記パルス信号生成部に対応する前記駆動指令信号の出力するタイミングを前記差分時間分調整して前記パルス信号生成部に出力し、前記パルス信号生成部は、出力タイミングが均一化されたパルス信号を前記振動子に出力して前記振動子を駆動する
ことを特徴とするアレイ型超音波送受信装置。
【請求項6】
請求項1に記載のアレイ型超音波送受信装置において、
前記パルス信号生成部は、前記振動子のそれぞれを駆動するパルス信号を出力するパルス信号生成回路と、当該パルス信号生成回路が出力したパルス信号を受信して電圧レベル変換する受信部と、から構成する
ことを特徴とするアレイ型超音波送受信装置。
【請求項7】
複数の振動子により超音波ビームを生成するアレイ型超音波送受信装置における前記振動子を駆動するパルス信号を出力するパルス信号生成部の駆動開始時間調整方法であって、
前記アレイ型超音波送受信装置の本運用の前段階において、
前記振動子毎に、前記パルス信号生成部に基準の駆動指令信号を入力する時刻と前記振動子を駆動するパルス信号を出力するパルス信号生成部が前記パルス信号の出力を開始する時刻との差分である駆動開始時間を求め、
前記超音波ビームを生成する振動子に係る前記駆動開始時間の最大値を基準駆動開始時間として求め、
前記基準駆動開始時間とそれ以外の前記駆動開始時間との差分時間を算出し、
前記アレイ型超音波送受信装置の本運用の段階において、
前記振動子を駆動するパルス信号を出力するパルス信号生成部への駆動指令信号の出力タイミングを、前記振動子毎に、前記差分時間分調整する
ことを特徴とするパルス信号生成部の駆動開始時間調整方法。
【請求項8】
請求項7に記載のパルス信号生成部の駆動開始時間調整方法において、
前記パルス信号生成部は、超音波ビームを生成する振動子を駆動するパルス信号を生成し、前記パルス信号を低電圧レベルに変換する
ことを特徴とするパルス信号生成部の駆動開始時間調整方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明のアレイ型超音波送受信装置は、超音波ビームを生成する複数の振動子を有するアレイ型プローブにより超音波を送受信するアレイ型超音波送受信装置であって、前記アレイ型超音波送受信装置から出力される駆動指令信号により複数の前記振動子にそれぞれ1対1の対応で直接接続して前記振動子を駆動するパルス信号を出力するパルス信号生成部の出力タイミングの差分時間をゼロにするように調整して、前記パルス信号生成部の個々のハードウェアの特性の違いによる前記パルス信号の出力バラツキを解消し、前記振動子を駆動するパルス信号の出力タイミングを均一化する制御部を備えるようにした。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波ビームを生成する複数の振動子を有するアレイ型プローブにより超音波を送受信するアレイ型超音波送受信装置であって、
駆動指令信号により複数の前記振動子にそれぞれ1対1の対応で直接接続して前記振動子を駆動するパルス信号を出力するパルス信号生成部への前記駆動指令信号の出力タイミングを調整して、前記パルス信号生成部の個々のハードウェアの特性の違いによる前記パルス信号の出力バラツキを解消し、前記振動子を駆動するパルス信号の出力タイミングを均一化する制御部を備え、
前記制御部は、
前記駆動指令信号を前記パルス信号生成部に出力する出力部と、
前記パルス信号生成部が出力したパルス信号を入力する入力部と、
被検体に対して超音波ビームを出射する本運用の前に、前記出力部が前記駆動指令信号を前記パルス信号生成部に出力した時刻を出力時刻として記憶し、前記入力部が前記パルス信号生成部で生成した前記パルス信号を入力した時刻を入力時刻として記憶し、前記出力時刻と前記入力時刻との差分を前記パルス信号生成部の駆動開始時間として、前記振動子毎に記憶する記憶部と、を有し、
前記制御部は、前記振動子毎の駆動開始時間の中で超音波ビームを生成する振動子に係る駆動開始時間の最大値を求めて基準駆動開始時間とし、
前記制御部は、前記基準駆動開始時間とそれ以外の駆動開始時間との差分時間を求め、前記記憶部に記憶し、
前記制御部は、被検体に対して超音波ビームを出射する本運用において、前記パルス信号生成部に対応する前記駆動指令信号の出力するタイミングを前記差分時間分調整して前記パルス信号生成部に出力し、前記パルス信号生成部は、出力タイミングが均一化されたパルス信号を前記振動子に出力して前記振動子を駆動する
ことを特徴とするアレイ型超音波送受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載のアレイ型超音波送受信装置において、
前記パルス信号生成部は、前記振動子のそれぞれを駆動するパルス信号を出力するパルス信号生成回路と、当該パルス信号生成回路が出力したパルス信号を受信して電圧レベル変換する受信部と、から構成する
ことを特徴とするアレイ型超音波送受信装置。
【請求項3】
複数の振動子により超音波ビームを生成するアレイ型超音波送受信装置における前記振動子を駆動するパルス信号を出力するパルス信号生成部の駆動開始時間調整方法であって、
前記アレイ型超音波送受信装置の本運用の前段階において、
前記振動子毎に、前記パルス信号生成部において基準の駆動指令信号を受信してからパルス信号を出力するまでの時間と前記パルス信号を入力する受信部の処理の時間との合計を駆動開始時間として求め、
前記超音波ビームを生成する振動子に係る前記駆動開始時間の最大値を基準駆動開始時間として求め、
前記基準駆動開始時間とそれ以外の前記駆動開始時間との差分時間を算出し、
前記アレイ型超音波送受信装置の本運用の段階において、
前記振動子を駆動するパルス信号を出力するパルス信号生成部への駆動指令信号の出力タイミングを、前記振動子毎に、前記差分時間分調整する
ことを特徴とするパルス信号生成部の駆動開始時間調整方法。
【請求項4】
請求項3に記載のパルス信号生成部の駆動開始時間調整方法において、
前記パルス信号生成部は、超音波ビームを生成する振動子を駆動するパルス信号を生成し、前記パルス信号を低電圧レベルに変換する
ことを特徴とするパルス信号生成部の駆動開始時間調整方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明のアレイ型超音波送受信装置は、超音波ビームを生成する複数の振動子を有するアレイ型プローブにより超音波を送受信するアレイ型超音波送受信装置であって、駆動指令信号により複数の前記振動子にそれぞれ1対1の対応で直接接続して前記振動子を駆動するパルス信号を出力するパルス信号生成部への前記駆動指令信号の出力タイミングを調整して、前記パルス信号生成部の個々のハードウェアの特性の違いによる前記パルス信号の出力バラツキを解消し、前記振動子を駆動するパルス信号の出力タイミングを均一化する制御部を備え、前記制御部は、前記駆動指令信号を前記パルス信号生成部に出力する出力部と、前記パルス信号生成部が出力したパルス信号を入力する入力部と、被検体に対して超音波ビームを出射する本運用の前に、前記出力部が前記駆動指令信号を前記パルス信号生成部に出力した時刻を出力時刻として記憶し、前記入力部が前記パルス信号生成部で生成した前記パルス信号を入力した時刻を入力時刻として記憶し、前記出力時刻と前記入力時刻との差分を前記パルス信号生成部の駆動開始時間として、前記振動子毎に記憶する記憶部と、を有し、前記制御部は、前記振動子毎の駆動開始時間の中で超音波ビームを生成する振動子に係る駆動開始時間の最大値を求めて基準駆動開始時間とし、前記制御部は、前記基準駆動開始時間とそれ以外の駆動開始時間との差分時間を求め、前記記憶部に記憶し、前記制御部は、被検体に対して超音波ビームを出射する本運用において、前記パルス信号生成部に対応する前記駆動指令信号の出力するタイミングを前記差分時間分調整して前記パルス信号生成部に出力し、前記パルス信号生成部は、出力タイミングが均一化されたパルス信号を前記振動子に出力して前記振動子を駆動するようにした。