(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023016061
(43)【公開日】2023-02-02
(54)【発明の名称】操作盤取付ボックス
(51)【国際特許分類】
H02G 3/12 20060101AFI20230126BHJP
E04F 13/074 20060101ALI20230126BHJP
H02G 3/02 20060101ALI20230126BHJP
【FI】
H02G3/12
E04F13/074
H02G3/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021120087
(22)【出願日】2021-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】000113779
【氏名又は名称】マツ六株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141586
【弁理士】
【氏名又は名称】沖中 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治
(72)【発明者】
【氏名】坂井 康英
【テーマコード(参考)】
5G357
5G361
【Fターム(参考)】
5G357CA01
5G357CA05
5G357CA06
5G357CB02
5G357CC01
5G357CC02
5G357CC05
5G357CD01
5G357CE01
5G357CE03
5G357CF02
5G357DA10
5G361AA02
5G361AB12
5G361AC01
5G361AC03
5G361AC08
5G361AD01
5G361AD03
(57)【要約】
【課題】耐火性、デザイン性、施工性のすべてを満たす、電気配線を伴う操作盤を壁面に取り付けるために使用される操作盤取付ボックスを提供すること。
【解決手段】電気配線を伴う操作盤OPを壁面に取り付けるために使用されるもので、前面が開口した箱型をし、壁面に沿う後面板11に電気配線のための開口11aを備えた、壁面に取り付けられる取付ベース1と、操作盤OPを配設して取付ベース1に取り付けられる取付板2と、後面が開口した箱型をし、表側部31に操作盤OPを露出させるための開口31aを備えた、取付ベース1に外嵌状に取り付けられる表面部材3とからなる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気配線を伴う操作盤を壁面に取り付けるために使用される操作盤取付ボックスであって、
前面が開口した箱型をし、壁面に沿う後面板に電気配線のための開口を備えた、壁面に取り付けられる取付ベースと、
操作盤を配設して取付ベースに取り付けられる取付板と、
後面が開口した箱型をし、前面板に操作盤を露出させるための開口を備えた、取付ベースに外嵌状に取り付けられる表面部材と
からなることを特徴とする操作盤取付ボックス。
【請求項2】
前記取付ベースに表面部材を取り付けるために用いるビスを軸として、取付ベースに対して表面部材を揺動操作できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の操作盤取付ボックス。
【請求項3】
前記取付ベースの後面板に、縦方向及び横方向に延びるスリットを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の操作盤取付ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気配線(通信ケーブルを含み、本明細書において、単に、「電気配線」という。)を伴う操作盤を壁面に取り付けるために使用される操作盤取付ボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電気配線を伴う操作盤、例えば、オートロックシステムを備えたマンションのエントランスに備えられる操作盤は、壁面に直付けされるか、独立した取付台を用いて設置するようにしていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
ところで、操作盤を壁面に直付けする場合、操作盤は電気配線を伴うため、耐火構造に配慮する必要があるが、従来、耐火性、デザイン性、施工性のすべてを満たす操作盤の壁面取付構造はなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来の電気配線を伴う操作盤の壁面取付構造の有する問題点に鑑み、耐火性、デザイン性、施工性のすべてを満たす、電気配線を伴う操作盤を壁面に取り付けるために使用される操作盤取付ボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の操作盤取付ボックスは、
電気配線を伴う操作盤を壁面に取り付けるために使用される操作盤取付ボックスであって、
前面が開口した箱型をし、壁面に沿う後面板に電気配線のための開口を備えた、壁面に取り付けられる取付ベースと、
操作盤を配設して取付ベースに取り付けられる取付板と、
後面が開口した箱型をし、前面板に操作盤を露出させるための開口を備えた、取付ベースに外嵌状に取り付けられる表面部材と
からなることを特徴とする。
【0007】
この場合において、前記取付ベースに表面部材を取り付けるために用いるビスを軸として、取付ベースに対して表面部材を揺動操作できるようにすることができる。
【0008】
また、前記取付ベースの後面板に、縦方向及び横方向に延びるスリットを備えるようにすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の操作盤取付ボックスによれば、操作盤取付ボックスを、取付ベース、取付板及び表面部材で分割した構成とすることにより、耐火性、デザイン性、施工性のすべてを満たす操作盤の壁面取付構造を提供することができる。
【0010】
また、前記取付ベースに表面部材を取り付けるために用いるビスを軸として、取付ベー
スに対して表面部材を揺動操作できるようにすることにより、施工性を向上することができる。
【0011】
また、前記取付ベースの後面板に、縦方向及び横方向に延びるスリットを備えるようにすることにより、取付ベースの取付精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の操作盤取付ボックスの一実施例を示す全体説明図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は側面断面図、(e)は背面図である。
【
図2】同操作盤取付ボックスの取付ベースを示し、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は底面図、(d)は側面図、(e)は背面図である。
【
図3】同操作盤取付ボックスの取付板を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は側面断面図、(e)は防水テープを貼付した状態を示す正面図である。
【
図4】同操作盤取付ボックスの表面部材を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は側面断面図、(e)は背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の操作盤取付ボックスの実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1~
図4に、本発明の操作盤取付ボックスの一実施例を示す。
この操作盤取付ボックスは、電気配線を伴う操作盤OPを壁面に取り付けるために使用されるもので、前面が開口した箱型をし、壁面に沿う後面板11に電気配線のための開口11aを備えた、壁面に取り付けられる取付ベース1と、操作盤OPを配設して取付ベース1に取り付けられる取付板2と、後面が開口した箱型をし、表側部31に操作盤OPを露出させるための開口31aを備えた、取付ベース1に外嵌状に取り付けられる表面部材3とからなるようにしている。
【0015】
取付ベース1の後面板11には、電気配線のための開口11aのほか、縦方向及び横方向に延びるスリット11b、11c及び後面板11の四隅に複数のビス孔11dを備えるようにしている。
電気配線のための開口11aは、壁体内から導出された電気配線を操作盤取付ボックス内に導入するためのもので、電気配線を導入した後、耐火パテ等を用いて塞ぐことができる。
スリット11b、11cは、壁面に描いた墨出し線にスリット11b、11cの位置を合わせることで、鉛直度及び水平度を出すとともに、縦方向及び横方向の位置決めを行うようにすることで、取付ベース1の取付精度を向上することができる。
ビス孔11dは、後面板11の四隅に複数、本実施例においては、各4個を備えるようにすることで、障害物(ALC構造物内部の鉄筋等)との干渉を回避することができるようにしている。
【0016】
取付ベース1の後面板11の左右縁から立ち上げた起立片12は、取付板2を支持するためのもので、起立片12の先端部に、取付板2を取り付けるためのビス孔12aを備えるようにしている。
【0017】
取付ベース1の後面板11の上下縁から立ち上げた起立片13は、表面部材3を支持する機能を有しており、起立片13には、表面部材3を取り付けるためのビス孔13aを備えるようにしている。
【0018】
この場合、取付ベース1に表面部材3を取り付けるために用いる仮固定した上下1本ず
つのビス又はいずれか1本(例えば、上の1本)のビスを軸として、取付ベース1に対して表面部材3を揺動操作(
図1(a)及び(c)の矢印参照。)できるようにしている。
このため、取付ベース1に外嵌状に取り付けられる後述の表面部材3の裏側部32の内法寸法は、表面部材3が揺動操作ができるように、起立片12、13の外法寸法よりも余裕を持って大きく形成するようにしている。
なお、仮固定するビスの位置を左右で選択することにより、右開きと左開きのいずれにも対応することができる。
これにより、重量のある表面部材3を、壁面に取り付けた取付ベース1に支持し、半開き、具体的には、最大50°程度まで開いた状態で、電気配線工事等を行うことができ、施工性を向上することができる。
【0019】
また、起立片13のうち、上縁から立ち上げた起立片13の前縁部に、取付板2の板厚分だけ窪ませた段部13bを形成するようにしている。
この段部13bは、取付板2の周縁を浅く折り曲げて形成した縁部のうち、上縁部22を載置するようにしている。
これにより、操作盤OPを配設して重量のある取付板2を、壁面に取り付けた取付ベース1に支持した状態で、取付ベース1に取り付けることができ、施工性を向上することができる。
【0020】
取付ベース1の起立片12の先端部及び起立片13のうち、上縁から立ち上げた起立片13の先端部には、取付板2との間の止水を行う防水テープ41を設けるようにしている。
また、取付板2の表面の操作盤OPを装着するための開口21aの周囲には、表面部材3との間の止水を行う防水テープ42を設けるようにしている。
このように、防水テープ41、42を設けることにより、操作盤取付ボックス内に雨水が浸入することを防止することができ、操作盤取付ボックスを、例えば、雨水がかかる屋外に設置することが可能となる。
【0021】
ここで、取付ベース1の上下方向の中間位置に、取付板2の表面に貼付した防水テープ42に対応するように、桟部材14を取り付けるようにしている。
これにより、取付板2の背面を桟部材14で支持することで、防水テープ42が取付ベース1と取付板2との間で十分に圧縮され、止水効果を確実に得ることができる。
【0022】
取付板2は、操作盤OPを装着するための開口21a、表面部材3に装着したキー操作部材K及びカードリーダーCと干渉しないようにするための開口21b及び取付板2を取付ベース1の起立片12にビス止めするためのビス孔21cを備えるようにしている。
【0023】
表面部材3は、表側部31と、正面視したときに表側部31のみが視認されるように、表側部31より小さく形成した裏側部32とからなる。
これにより、正面視したときに、裏側部32の壁面との当接部(当該当接部には、必要に応じて、防水性を保持するためにシーリング材を施すことができる。)が視認されることがなく、意匠性を向上することができる。
【0024】
表面部材3の表側部31は、操作盤OPを露出させるための開口31a並びにキー操作部材K及びカードリーダーCを装着するための開口31b、31cを備えるようにしている。
ここで、キー操作部材KやカードリーダーCを用いない場合、これらに代えて他の機器を用いる場合は、開口31b、31cを設けないようにしたり、他の機器に適合した開口を備えるようにすることができる。
【0025】
裏側部32は、取付ベース1に外嵌状に取り付けられ、取付ベース1の後面板11の上下縁から立ち上げた起立片13にビス止めするためのビス孔32aを備えるようにしている。
【0026】
以上、本発明の操作盤取付ボックスについて、その実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施の形態に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明の操作盤取付ボックスは、電気配線を伴う操作盤を壁面に取り付けるに当たり、耐火性、デザイン性、施工性のすべてを満たすことから、電気配線を伴う操作盤を壁面に取り付けるために使用される操作盤取付ボックスの用途に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0028】
OP 操作盤
K キー操作部材
C カードリーダー
1 取付ベース
11 後面板
11a 開口
11b スリット
11c スリット
11d ビス孔
12 起立片
12a ビス孔
13 起立片
13a ビス孔
13b 段部
14 桟部材
2 取付板
21a 開口
21b 開口
21c ビス孔
22 上縁部
3 表面部材
31 表側部
31a 開口
31b 開口
31c 開口
32 裏側部
32a ビス孔
41 防水テープ
42 防水テープ