(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160634
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】容器処理システム
(51)【国際特許分類】
B65G 47/86 20060101AFI20231026BHJP
B65B 43/46 20060101ALI20231026BHJP
B65B 43/52 20060101ALI20231026BHJP
B65G 17/12 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
B65G47/86 E
B65B43/46 A
B65B43/52 A
B65G17/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071118
(22)【出願日】2022-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】000222727
【氏名又は名称】PACRAFT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】山岡 達也
【テーマコード(参考)】
3E030
3F034
3F072
【Fターム(参考)】
3E030AA04
3E030BB01
3E030BB05
3E030BC03
3E030CA01
3E030CB02
3E030DA01
3E030DA06
3E030EA01
3E030EB01
3E030GA03
3E030GA04
3F034FA05
3F034FB05
3F034FC03
3F072AA07
3F072GD01
3F072GG03
3F072KA01
3F072KC01
3F072KC06
3F072KD01
(57)【要約】
【課題】処理装置の設置と、容器を搬送する搬送装置の経時的な耐久性との点で有利な容器処理システムを提供する。
【解決手段】容器処理システム10は、無端状の搬送ベルト20と、搬送ベルト20を移動可能に支持する複数のベルトガイドローラー22であって、能動的に回転して搬送ベルト20を移動させるベルト駆動ローラー22aを含む複数のベルトガイドローラー22と、お互いに離間して搬送ベルト20に取り付けられ、容器を吊り下げ支持する複数の容器搬送支持部21と、搬送経路に沿って設けられ、容器を使った処理を行う少なくとも1つの処理装置50と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を搬送経路に沿って搬送しつつ、前記容器を使った処理を行う容器処理システムであって、
無端状の搬送ベルトと、
前記搬送ベルトを移動可能に支持する複数のベルトガイドローラーであって、能動的に回転して前記搬送ベルトを移動させるベルト駆動ローラーを含む複数のベルトガイドローラーと、
お互いに離間して前記搬送ベルトに取り付けられ、前記容器を吊り下げ支持する複数の容器搬送支持部と、
前記搬送経路に沿って設けられ、前記容器を使った前記処理を行う少なくとも1つの処理装置と、
を備える容器処理システム。
【請求項2】
前記搬送ベルトは、スチール及び炭素繊維のうちの少なくともいずれか一方を含む請求項1に記載の容器処理システム。
【請求項3】
前記搬送ベルトは、相互に重ね合わせられる複数の要素ベルトを含む請求項1又は2に記載の容器処理システム。
【請求項4】
前記複数の容器搬送支持部のそれぞれに対して設けられ、対応の容器搬送支持部を前記搬送ベルトに取り付ける複数の取付支持部を備え、
各ベルトガイドローラーは、各取付支持部のうち各ベルトガイドローラー側に突出する部分に適合する少なくとも1つの収容凹部を有する請求項1又は2に記載の容器処理システム。
【請求項5】
移動機構フレームと、
前記移動機構フレームに対して着脱可能に取り付けられ、前記複数のベルトガイドローラーの各々を回転自在に支持するローラー支持部と、
を備える請求項1又は2に記載の容器処理システム。
【請求項6】
前記複数の容器搬送支持部のそれぞれに対して設けられ、対応の容器搬送支持部と一体的に移動する複数の位置決め部材と、
前記処理が行われる処理ステーションにおいて延在する位置決めローラー支持部と、
前記処理ステーションにおいて前記位置決めローラー支持部により回転自在に支持される下方位置決めローラーであって、容器搬送支持部が前記処理ステーションを通過する際に当該容器搬送支持部に対して設けられる位置決め部材を下方から支持する下方位置決めローラーと、
前記処理ステーションにおいて前記位置決めローラー支持部により回転自在に支持され、通過スペースを介して水平方向に互いに離れて設けられる一対の水平位置決めローラーであって、容器搬送支持部が前記処理ステーションを通過する際に当該容器搬送支持部に対して設けられる位置決め部材が前記通過スペースを通る、一対の水平位置決めローラーと、
を備える請求項1又は2に記載の容器処理システム。
【請求項7】
前記搬送ベルトは、高さ方向に見た場合に無端状の移動軌道を描くように、移動する請求項1又は2に記載の容器処理システム。
【請求項8】
前記搬送ベルトは、水平方向に見た場合に無端状の移動軌道を描くように、移動する請求項1又は2に記載の容器処理システム。
【請求項9】
前記容器は袋であり、
前記複数の容器搬送支持部は、前記袋を吊り下げ支持する複数のグリッパーペアを含み、
前記複数のグリッパーペアの各々は、前記袋の両側部を把持する複数のグリッパーを含む請求項1又は2に記載の容器処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は容器処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
袋や缶などの容器を使って各種処理を行う容器処理システムにおいて、多数の容器を同時的に搬送しつつ各容器に対して1又は複数の処理を行うことができる。例えば複数の袋を同時的に搬送しつつ各種処理を順次行う包装機によれば、多数の袋に対して各種処理を効率的に行うことができる。
【0003】
そのような包装機において袋は様々な方式で搬送可能である。例えば回転テーブルを使ったロータリ型搬送方式(特許文献1参照)、チェーン駆動を使ったオーバル型搬送方式(特許文献2及び特許文献3参照)及びチェーン駆動を使った矩形型搬送方式(特許文献4参照)が、袋の搬送方式として知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-172315号公報
【特許文献2】特開2002-302227号公報
【特許文献3】特開2014-218282号公報
【特許文献4】特公昭56-48363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように様々な方式によって袋を搬送することが可能であるが、従来の搬送方式には固有の技術的課題が存在する。
【0006】
例えば回転テーブルを使ったロータリ型搬送方式では、処理工程数(すなわち処理ステーション数)が増えるに従って回転テーブルの径が大きくなり、その結果、包装機全体が大型化する。また環状の袋搬送経路に沿って配置される各種の処理装置(例えば駆動機構)の設置が複雑になりやすいため、装置のメンテナンス性及び各種処理装置のユニット化の点で不利である。
【0007】
またチェーン駆動を使った搬送方式では、チェーンに経時的な伸びが生じる。そのため袋搬送装置の経時的な耐久性が必ずしも良好ではなく、袋の搬送位置の精度が、包装機の稼働時間の経過とともに徐々に落ちる。
【0008】
本開示は上述の事情に鑑みてなされたものであり、処理装置の設置と、容器を搬送する搬送装置の経時的な耐久性との点で有利な容器処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様は、容器を搬送経路に沿って搬送しつつ、容器を使った処理を行う容器処理システムであって、無端状の搬送ベルトと、搬送ベルトを移動可能に支持する複数のベルトガイドローラーであって、能動的に回転して搬送ベルトを移動させるベルト駆動ローラーを含む複数のベルトガイドローラーと、お互いに離間して搬送ベルトに取り付けられ、容器を吊り下げ支持する複数の容器搬送支持部と、搬送経路に沿って設けられ、容器を使った処理を行う少なくとも1つの処理装置と、を備える容器処理システムに関する。
【0010】
搬送ベルトは、スチール及び炭素繊維のうちの少なくともいずれか一方を含んでもよい。
【0011】
搬送ベルトは、相互に重ね合わせられる複数の要素ベルトを含んでもよい。
【0012】
容器処理システムは、複数の容器搬送支持部のそれぞれに対して設けられ、対応の容器搬送支持部を搬送ベルトに取り付ける複数の取付支持部を備え、各ベルトガイドローラーは、各取付支持部のうち各ベルトガイドローラー側に突出する部分に適合する少なくとも1つの収容凹部を有してもよい。
【0013】
容器処理システムは、移動機構フレームと、移動機構フレームに対して着脱可能に取り付けられ、複数のベルトガイドローラーの各々を回転自在に支持するローラー支持部と、を備えてもよい。
【0014】
容器処理システムは、複数の容器搬送支持部のそれぞれに対して設けられ、対応の容器搬送支持部と一体的に移動する複数の位置決め部材と、処理が行われる処理ステーションにおいて延在する位置決めローラー支持部と、処理ステーションにおいて位置決めローラー支持部により回転自在に支持される下方位置決めローラーであって、容器搬送支持部が処理ステーションを通過する際に当該容器搬送支持部に対して設けられる位置決め部材を下方から支持する下方位置決めローラーと、処理ステーションにおいて位置決めローラー支持部により回転自在に支持され、通過スペースを介して水平方向に互いに離れて設けられる一対の水平位置決めローラーであって、容器搬送支持部が処理ステーションを通過する際に当該容器搬送支持部に対して設けられる位置決め部材が通過スペースを通る、一対の水平位置決めローラーと、を備えてもよい。
【0015】
搬送ベルトは、高さ方向に見た場合に無端状の移動軌道を描くように、移動してもよい。
【0016】
搬送ベルトは、水平方向に見た場合に無端状の移動軌道を描くように、移動してもよい。
【0017】
容器は袋であり、複数の容器搬送支持部は、袋を吊り下げ支持する複数のグリッパーペアを含み、複数のグリッパーペアの各々は、袋の両側部を把持する複数のグリッパーを含んでもよい。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、処理装置の設置と、容器を搬送する搬送装置の経時的な耐久性との点で有利である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図4】
図4は、包装機の一部を拡大して示す平面図である。
【
図5】
図5は、
図4の断面線V-Vに沿った包装機の断面図である。
【
図6】
図6は、包装機の一部要素のみを示す平面図である。
【
図7】
図7は、
図6の断面線VII-VIIに沿った包装機の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本開示の一実施形態について説明する。以下では、本開示の技術を、袋を使用して包装処理を行う包装機(容器処理システム)に適用したケースについて、例示的に説明する。
【0021】
図1は、包装機(容器処理システム)10の一例を示す平面図である。
図2は、
図1に示す包装機10の側面図(
図1の矢印「II」参照)である。
図3は、袋Bの一例を示す側面図である。
【0022】
図1及び
図2に示す包装機10は、複数の袋B(
図3参照)を搬送経路に沿って搬送しつつ、各袋Bを使った処理(包装処理)を行って各袋Bの内側に内容物を封入する。包装機10は、無端状の搬送ベルト20と、搬送ベルト20を移動可能に支持する複数のベルトガイドローラー22と、搬送ベルト20に取り付けられる複数のグリッパーペア(容器搬送支持部)21と、少なくとも1つの処理装置50(本例では複数の処理装置50)とを備える。
【0023】
搬送ベルト20は、一体的且つ柔軟な環状体により構成される。本例の搬送ベルト20は、スチール(鋼)製の環状ベルト(スチールベルト)により構成される。
【0024】
ただし搬送ベルト20の具体的な組成及び構成は限定されない。搬送ベルト20は、耐久性に優れた丈夫な材料及び構成、特に経時的な形状変化(例えば経時的に使用に伴う伸び)が小さい材料及び構成、を有することが好ましい。
【0025】
搬送ベルト20は、金属材料を含んでいてもよいし、樹脂等の非金属材料を含んでいてもよい。一例として、搬送ベルト20はスチール及び炭素繊維のうちの少なくともいずれか一方を含むことが好ましい。搬送ベルト20は、全体が単一材料(単一組成)により構成されてもよいし、複数の材料を含んでもよい。
【0026】
搬送ベルト20の断面形状及び断面サイズは限定されない。搬送ベルト20は、四角形等の多角形の断面形状、円や楕円などの曲線の輪郭線を有する断面形状、或いは他の任意の断面形状を有しうる。
【0027】
本例の搬送ベルト20は、相互に重ね合わせられる複数の無端状の要素ベルト(具体的にはスチール製の第1要素ベルト20a及びスチール製の第2要素ベルト20b(後述の
図4参照))を含む。厚さ方向に重ね合わせられる複数の要素ベルト20a、20bを含む搬送ベルト20は、良好な強度及び良好な柔軟性の両方を確保するのに有利である。
【0028】
搬送ベルト20に含まれる複数の要素ベルト20a、20bの構成材料は限定されず、複数の要素ベルト20a、20bは、お互いに同じ組成を有してもよいし、お互いに異なる組成を有してもよい。
【0029】
搬送ベルト20が複数の要素ベルト20a、20bを有する場合、複数の要素ベルト20a、20b同士を取り付ける方法は限定されない。例えば溶接によって、複数の要素ベルト20a、20b同士を強固に接合することが可能である。
【0030】
複数の要素ベルト20a、20b同士をボルトなどの固定具を介して取り付ける場合には、固定具に経時的な劣化(例えば経時的な伸び)が生じるかもしれない。特に、非無端状の要素ベルト20a、20b同士をつなぎ合わせることで全体として無端状の搬送ベルト20を構成する場合には、要素ベルト20a、20b間のつなぎ合わせ部分で経時的な劣化が生じやすい傾向がある。
【0031】
したがって搬送ベルト20の経時的劣化を抑える観点からは、一例として、環状の第1要素ベルト20aの外側面(表側面)と、第1要素ベルト20aを囲むように配置される環状の第2要素ベルト20bの内側面(裏側面)とが、できる限り広い範囲にわたって接合される(例えば第1要素ベルト20aの外側面の全体と第2要素ベルト20bの内側面の全体とが互いに接合される)ことが好ましい。
【0032】
複数のベルトガイドローラー22は、能動的に回転して搬送ベルト20を移動させるベルト駆動ローラーを含む。本例のベルトガイドローラー22は、駆動プーリー22a及び従動プーリー22bを含み、駆動プーリー22aがベルト駆動ローラーとして働く。
【0033】
駆動プーリー22aは、回転駆動軸23に対して固定的に取り付けられ、回転駆動軸23を介して搬送駆動モータ35(
図2参照;例えばサーボモータ)に連結される。回転駆動軸23は、
図2に示すように回転軸受36を介して架台25により回転自在に支持されており、駆動プーリー22aと一体的に回転する。駆動プーリー22aは、搬送駆動モータ35から出力される動力に応じて、回転駆動軸23を中心に回転駆動軸23とともに能動的に間欠回転する。
【0034】
従動プーリー22bは、従動軸24によって回転自在に支持され、従動軸24を中心に回転可能に設けられている。従動軸24は、搬送ベルト20(特に搬送ベルト20のうち従動軸24により直接的に支持される部分)から力を受けて受動的に回転し、搬送ベルト20の移動とともに回転する。
【0035】
搬送ベルト20は、駆動プーリー22aの間欠回転に応じて、駆動プーリー22a及び従動プーリー22bにより案内されつつ間欠的に移動する。
【0036】
搬送ベルト20は複数のベルトガイドローラー22によって案内されつつ移動させられ、搬送ベルト20の移動軌道は複数のベルトガイドローラー22の配置に応じて決められる。本例では、高さ方向(
図1において紙面に垂直な方向)に搬送ベルト20を見た場合に搬送ベルト20が無端状の移動軌道を描くように、搬送ベルト20は、複数のベルトガイドローラー22によって案内されつつ移動させられる。
【0037】
図1に示す搬送ベルト20の移動軌道は、オーバル型移動軌道に分類される。すなわち搬送ベルト20は、両端部に位置するベルトガイドローラー22(駆動プーリー22a及び従動プーリー22b)間を移動する間は、一方のベルトガイドローラー22から他方のベルトガイドローラー22に向かう直線的な軌道を描く。一方、搬送ベルト20は、両端部に位置するベルトガイドローラー22の各々によって支持される間は半円状の軌道を描き、搬送ベルト20の進行方向が反転される。
【0038】
複数のグリッパーペア21は、お互いに等間隔に離間して搬送ベルト20に取り付けられ、袋Bを支持する。各グリッパーペア21は、開閉可能な複数のグリッパー21a(すなわち左側グリッパー21a及び右側グリッパー21a)を含み、袋Bの両側部B3を把持及び解放することができる。本例の各グリッパー21aは、対応の開閉レバー(後述の
図5の符号「27」参照)の移動に連動して開いたり(後述の
図4の点線部参照)、閉じたり(後述の
図4の実線部参照)する。ただし各グリッパー21aの具体的な開閉方法は限定されない。
【0039】
本例で使用される袋Bは、
図3に示すように、矩形状の表側シート及び裏側シートを含み、表側シート及び裏側シートは底部B2及び両側部B3においてお互いに固着(例えば溶着)されて閉鎖される。一方、袋Bの表側シート及び裏側シートの上端部(ただし両側部B3を除く)はお互いに固着されず、開閉自在の口部B1を形成する。
【0040】
各グリッパーペア21は、袋Bの口部B1が相対的に上方に位置づけられつつ底部B2が相対的に下方に位置づけられるように、袋Bを吊り下げ状態で支持する。
【0041】
複数の処理装置50は袋Bの搬送経路に沿って設けられ(
図1及び
図2参照)、袋Bを使った各種処理を行う。
図1に示す例では、処理装置50として、給袋装置51、印字装置52、印字検査装置53、開口装置54、固形物投入装置55、液体注入装置56、第1シール装置57、第2シール装置58、冷却装置59及び袋放出装置60が設けられる。
【0042】
給袋装置51~第2シール装置58は、それぞれ、順次隣り合って位置する第1処理ステーションS1~第8処理ステーションS8に設けられる。冷却装置59及び袋放出装置60は、第2シール装置58が設けられる第8処理ステーションS8に隣り合って位置する第9処理ステーションS9に設けられる。
【0043】
搬送ベルト20により間欠的に搬送される各グリッパーペア21は、第1処理ステーションS1~第9処理ステーションS9において順次間欠的に停止する。
【0044】
給袋装置51は、第1処理ステーションS1に間欠的に停止しているグリッパーペア21に袋B(空袋)を供給し、当該袋Bの両側部B3を当該グリッパーペア21の各グリッパー21aによって把持させる。
【0045】
印字装置52は、第2処理ステーションS2に間欠的に停止しているグリッパーペア21が支持する袋Bに、任意の情報(例えば製造年月日(包装処理日)等)を印字する。印字検査装置53は、第3処理ステーションS3に間欠的に停止しているグリッパーペア21が支持する袋Bにおける印字状態を確認する。
【0046】
開口装置54は、第4処理ステーションS4に間欠的に停止しているグリッパーペア21が支持する袋Bの口部B1を開口し、口部B1を開口状態にする。固形物投入装置55は、第5処理ステーションS5に間欠的に停止しているグリッパーペア21が支持する袋Bの口部B1(開口状態)を介し、袋B内に固形状内容物を投入する。液体注入装置56は、第6処理ステーションS6に間欠的に停止しているグリッパーペア21が支持する袋Bの口部B1(開口状態)を介し、袋B内に液状内容物を注入する。
【0047】
第1シール装置57は、第7処理ステーションS7に間欠的に停止しているグリッパーペア21が支持する袋Bの口部B1を閉じつつ、当該口部B1のシール処理(本例では第1加熱シール処理)を行う。第2シール装置58は、第8処理ステーションS8に間欠的に停止しているグリッパーペア21が支持する袋Bの口部B1(閉鎖状態)のシール処理(本例では第2加熱シール処理)を行う。冷却装置59は、第9処理ステーションS9に間欠的に停止しているグリッパーペア21が支持する袋Bの口部B1(特にシール箇所)を冷却し、口部B1のシールの状態を安定化させる。
【0048】
袋放出装置60は、第9処理ステーションS9において、冷却装置59による冷却処理を受けた袋Bを放出する。冷却装置59が袋Bの口部B1をチャック(把持)することで口部B1(特にシール箇所)を冷却する場合、冷却装置59が袋放出装置60の少なくとも一部として兼用されてもよい。例えば、第9処理ステーションS9において袋Bとともにグリッパーペア21が間欠停止している間に、冷却装置59が袋Bの口部B1をチャックし、その後グリッパーペア21が袋Bの把持を解放し、その後冷却装置59が口部B1のチャックを解放することで、袋Bが放出されてもよい。
【0049】
グリッパーペア21及び冷却装置59から解放された袋Bは、袋放出装置60のシュートによって案内されつつ後段に送られてもよいし、自然落下により籠等の貯留部に収容されてもよい。
【0050】
なお
図1及び
図2において処理装置50(すなわち給袋装置51~袋放出装置60)は簡略化して示されており、各処理装置50の具体的な構成は限定されない。ただし上述の各処理装置50は、複数の袋Bの搬送タイミング(すなわち搬送ベルト20及び複数のグリッパーペア21の移動タイミング)に応じて動作する。
【0051】
本例では
図2に示すように、搬送駆動モータ35から出力される動力によって搬送ベルト20が駆動される一方で、処理駆動モータ34から出力される動力によって少なくとも1つ以上の処理装置50(本例では給袋装置51、開口装置54、固形物投入装置55、液体注入装置56、第1シール装置57、第2シール装置58、冷却装置59及び袋放出装置60)が駆動される。
【0052】
すなわち架台25によって固定的に支持される処理駆動モータ34には、装置駆動軸30が取り付けられている。装置駆動軸30は、複数の駆動軸受31を介して架台25により軸回転可能に支持されており、処理駆動モータ34によって軸回転させられる。
【0053】
装置駆動軸30には複数の駆動カム32が固定されており、各駆動カム32は装置駆動軸30とともに回転する。それぞれの駆動カム32には対応の動力伝達ロッド33が設けられている。各動力伝達ロッド33は、対応の駆動カム32の回転に応じて(すなわち対応の駆動カム32から受ける力に応じて)、上下動される。
【0054】
本例では複数の動力伝達ロッド33が設けられている。それぞれの動力伝達ロッド33は、給袋装置51、開口装置54、固形物投入装置55、液体注入装置56、第1シール装置57、第2シール装置58、冷却装置59及び袋放出装置60に連結されて動力を伝達する。すなわち給袋装置51、開口装置54、固形物投入装置55、液体注入装置56、第1シール装置57、第2シール装置58、冷却装置59及び袋放出装置60の各々は、対応の動力伝達ロッド33の上下動に応じて駆動される。なお冷却装置59及び袋放出装置60は、共通の動力伝達ロッド33に連結されて、当該共通の動力伝達ロッド33の上下動に応じて駆動される。
【0055】
なお、処理駆動モータ34による処理装置50の駆動と、搬送駆動モータ35による駆動プーリー22aの駆動(ひいては搬送ベルト20の駆動)とは、お互いに同期して行われる。処理駆動モータ34と搬送駆動モータ35との間の同期駆動の具体的な方法は限定されず、例えば制御装置(図示省略)の制御下で処理駆動モータ34及び搬送駆動モータ35が駆動されてもよい。
【0056】
図4は、包装機10の一部を拡大して示す平面図である。
図4において符号「C」は省略線を示す。
図5は、
図4の断面線V-Vに沿った包装機10の断面図である。
【0057】
各グリッパーペア21は、対応のグリッパー支持部(取付支持部)66を介して搬送ベルト20に取り付けられる。すなわち、グリッパーペア21と同数の複数のグリッパー支持部66が、グリッパーペア21間の間隔と同じ間隔で搬送ベルト20に固定される。
【0058】
本例の各グリッパー支持部66は、搬送ベルト20を挟む支持内側部分66a及び支持外側部分66bを有する。
図5に示すように支持内側部分66a、支持外側部分66b、及び支持内側部分66aと支持外側部分66bとの間に位置する搬送ベルト20が複数の固定具67によって一体的に固定されることで、グリッパー支持部66が搬送ベルト20に取り付けられる。
【0059】
各グリッパーペア21(一対のグリッパー21a)は、グリッパー取付部68に取り付けられ、グリッパー取付部68は位置決め部材65に取り付けられ、位置決め部材65はグリッパー支持部66(特に支持外側部分66b)に取付けられる。各グリッパー取付部68は、対応のグリッパーペア21を、グリッパー21a間(特にグリッパー21aの開閉可能な把持部間)の間隔が可変であるように支持してもよいし、グリッパー21a間の間隔を一定に維持するように支持してもよい。
【0060】
このように本例の各グリッパーペア21は、グリッパー取付部68、位置決め部材65、グリッパー支持部66及び固定具67を介して、搬送ベルト20に対して固定的に取り付けられる。そして各グリッパーペア21は、搬送ベルト20の走行に応じて、対応のグリッパー取付部68、対応の位置決め部材65、対応のグリッパー支持部66及び対応の固定具67と一体的に移動する。
【0061】
各ベルトガイドローラー22(駆動プーリー22a及び従動プーリー22b(
図1参照)の各々)は、少なくとも1つの収容凹部41(本例では複数(6つ)の収容凹部41)を有する。各収容凹部41は、各グリッパー支持部66のうち各ベルトガイドローラー22側に突出する部分(本例では支持内側部分66a)に適合する形状及びサイズを有する。
【0062】
各グリッパーペア21は、対応のグリッパー支持部66(特に支持内側部分66a)が収容凹部41に嵌まった状態で、各ベルトガイドローラー22の周囲を移動する。これにより各ベルトガイドローラー22とグリッパー支持部66との間の接触によりグリッパーペア21の移動軌道が意図せずにずれるのを低減又は回避することができ、各グリッパーペア21は所望の移動軌道上を高精度且つスムーズに移動することができる。
【0063】
処理装置50によって処理が行われる処理ステーション(本例では第1処理ステーションS1~第9処理ステーションS9)には、ローラー支持部材45が延在し、ローラー支持部材45によって回転自在に支持される複数の位置決めローラー49a、49b、49c、49d(
図5参照)が設けられる。位置決めローラー49a、49b、49c、49dは、第1処理ステーションS1~第9処理ステーションS9を移動する各位置決め部材65の位置を制限しつつ各位置決め部材65を下流に案内し、各グリッパーペア21(ひいては各袋B)は、搬送経路に沿って高精度且つスムーズに搬送される。
【0064】
本例では、複数の上方位置決めローラー49a、複数の下方位置決めローラー49b、複数の水平位置決めローラー49c、及び複数の水平位置決めローラー49dが設けられる。上方位置決めローラー49a、下方位置決めローラー49b、水平位置決めローラー49c及び水平位置決めローラー49dの各々は、グリッパーペア21の搬送経路に沿って等間隔に複数設けられる。
【0065】
上方位置決めローラー49aは位置決め部材65の上方に位置づけられ、下方位置決めローラー49bは位置決め部材65の下方に位置づけられる。
【0066】
水平位置決めローラー49c、49dは、スペース(通過スペース)を介して水平方向に互いに離れて設けられる一対の水平位置決めローラーを構成する。ペアを成す水平位置決めローラー49c、49dが、上方位置及び下方位置の各々に複数組設けられる。上方位置に設けられる水平位置決めローラー49c、49dは位置決め部材65の上端部の水平方向移動を制限し、下方位置に設けられる水平位置決めローラー49c、49dは位置決め部材65の下端部の水平方向移動を制限する。
【0067】
図5に示すように、ローラー支持軸48を介して水平位置決めローラー49dを回転自在に支持するローラー支持部材45は、支持ステー46に固定されるとともに、水平位置決めローラー49cを回転自在に支持する別のローラー支持部材45を、水平方向に延在するローラー支持軸47を介して支持する。
【0068】
上方位置に設けられるローラー支持軸47は上方位置決めローラー49aを回転自在に支持し、下方位置に設けられるローラー支持軸47は下方位置決めローラー49bを回転自在に支持する。
【0069】
上方位置に設けられる支持ステー46は上方位置に設けられる移動機構フレーム44に固定され、下方位置に設けられる支持ステー46は下方位置に設けられる移動機構フレーム44に固定される。
【0070】
各グリッパーペア21が第1処理ステーションS1~第9処理ステーションS9を通過する際に各グリッパーペア21に対して設けられる位置決め部材65は、下方位置決めローラー49bに載せられて下方から支持され、上方位置決めローラー49aによって上方向への移動が制限される。そして位置決め部材65は、水平位置決めローラー49c、49dによって横方向(水平方向)への移動が制限されつつ、水平位置決めローラー49cと水平位置決めローラー49dとの間の通過スペースを通って下流へ移動する。
【0071】
図6は、包装機10の一部要素のみを示す平面図である。
図7は、
図6の断面線VII-VIIに沿った包装機10の断面図である。
【0072】
2つのローラー支持部42が、駆動プーリー22a及び従動プーリー22bにそれぞれ割り当てられるように設けられる。駆動プーリー22aに割り当てられる一方のローラー支持部42(第1ローラー支持部42a)は、駆動プーリー22aと一体的に回転する回転駆動軸23を、支持部材軸受70(
図7参照)を介して回転自在に支持する。
【0073】
従動プーリー22bに割り当てられる他方のローラー支持部42(第2ローラー支持部42b)はテンション調整溝75を有する。テンション調整溝75には、プーリー軸受71を介して従動プーリー22bを回転自在に支持する従動軸24が移動可能に配置される。この第2ローラー支持部42bは、従動プーリー22bの上方及び下方のそれぞれにおいて延びる上方支持部分及び下方支持部分を有し、当該上方支持部分及び下方支持部分の各々にテンション調整溝75が形成される。各テンション調整溝75は、駆動プーリー22aから離れる方向(
図6及び
図7の右方向)に延在し、従動軸24が移動可能な幅を有する。
【0074】
第2ローラー支持部42bの上方支持部分及び下方支持部分の各々にはボルト支持部74が取り付けられており、各ボルト支持部74は対応のテンション調整ボルト73を支持する。これらのテンション調整ボルト73は、対応のボルト支持部74から、従動軸24の上端部及び下端部の各々に固定される取付ブロック72に向かってそれぞれ突出する。
【0075】
対応のボルト支持部74からの各テンション調整ボルト73の突出量は手動的に又は機械的に調節可能であり、各テンション調整ボルト73の当該突出量に応じて搬送ベルト20のテンションを調整することが可能である。すなわち搬送ベルト20のテンションは、駆動プーリー22aと従動プーリー22bとの間の間隔に応じて決まる。そして駆動プーリー22aと従動プーリー22bとの間の間隔は、取付ブロック72に接触して従動軸24の位置を可変的に定める各テンション調整ボルト73のボルト支持部74からの突出量に応じて決まる。
【0076】
各移動機構フレーム44の両端部は、それぞれ上述の2つのローラー支持部42に対して留め具69(
図6参照)により固定される。すなわち各ローラー支持部42は、移動機構フレーム44に対して着脱可能に取り付けられる。
【0077】
上方位置に設けられる各移動機構フレーム44は、複数のフレーム梁部43を介して、下方位置に設けられる移動機構フレーム44により支持される。下方位置に設けられる移動機構フレーム44は、
図7に示すように架台25によって支持される。
【0078】
以上説明したように本実施形態の包装機10は、無端状の搬送ベルト20と、搬送ベルト20を移動可能に支持する複数のベルトガイドローラー22であって、能動的に回転して搬送ベルト20を移動させる駆動プーリー22aを含む複数のベルトガイドローラー22と、お互いに離間して搬送ベルト20に取り付けられ、袋Bを吊り下げ支持する複数のグリッパーペア21であって、各々が袋Bの両側部B3を把持する複数のグリッパー21aを含む複数のグリッパーペア21と、搬送経路に沿って設けられ、袋Bに対する処理を行う少なくとも1つの処理装置50と、を備える。
【0079】
このように袋Bを搬送する搬送装置として利用される無端状の搬送ベルト20は、各グリッパーペア21の搬送経路に対して柔軟に適応可能であり、経時的な伸びが生じにくい。そのため本実施形態の包装機10は、各種装置の設置の点で有利であり、また袋搬送装置の経時的な耐久性の点で有利である。
【0080】
特に本実施形態の搬送ベルト20はスチールを含む。これにより、柔軟性及び経時的な耐久性に関して非常に優れた搬送ベルト20が提供される。
【0081】
また本実施形態の搬送ベルト20は、相互に重ね合わせられる複数の要素ベルト20a、20bを含む。これにより、単一体によって搬送ベルト20を構成する場合よりも、例えば柔軟性に優れた搬送ベルト20を提供することが可能である。
【0082】
また本実施形態の包装機10は、複数のグリッパーペア21のそれぞれに対して設けられ、対応のグリッパーペア21を搬送ベルト20に取り付ける複数のグリッパー支持部66を備え、各ベルトガイドローラー22は、各グリッパー支持部66のうち各ベルトガイドローラー22側に突出する支持内側部分66aに適合する少なくとも1つの収容凹部41を有する。
【0083】
これにより、支持内側部分66aが収容凹部41に収容された状態で各ベルトガイドローラー22によってグリッパー支持部66を移動させることができ、各グリッパーペア21は所望の移動軌道上を高精度且つスムーズに移動することができる。
【0084】
また本実施形態の包装機10は、移動機構フレーム44と、移動機構フレーム44に対して着脱可能に取り付けられ、複数のベルトガイドローラー22の各々を回転自在に支持するローラー支持部42と、を備える。これにより、移動機構フレーム44からローラー支持部42を取り外すことができ、装置のメンテナンスを容易に実施することが可能である。
【0085】
また本実施形態の包装機10は、複数のグリッパーペア21のそれぞれに対して設けられ、対応のグリッパーペア21と一体的に移動する複数の位置決め部材65と、処理が行われる第1処理ステーションS1~第9処理ステーションS9において延在する位置決めローラー支持部42と、第1処理ステーション~第9処理ステーションS9において位置決めローラー支持部42により回転自在に支持される下方位置決めローラー49bであって、グリッパーペア21が第1処理ステーション~第9処理ステーションS9を通過する際に当該グリッパーペア21に対して設けられる位置決め部材65を下方から支持する下方位置決めローラー49bと、第1処理ステーション~第9処理ステーションS9において位置決めローラー支持部42により回転自在に支持され、通過スペースを介して水平方向に互いに離れて設けられる一対の水平位置決めローラー49c、49dであって、グリッパーペア21が第1処理ステーション~第9処理ステーションS9を通過する際に当該グリッパーペア21に対して設けられる位置決め部材65が通過スペースを通る、一対の水平位置決めローラー49c、49dと、を備える。
【0086】
ローラー支持部材45がこのような位置決めローラー49b、49c、49dによって位置制限を受けつつ下流に案内されるため、対応のグリッパーペア21は所望の搬送経路に沿って精度良く移動することができる。その結果、各処理装置50による処理精度も向上しうる。
【0087】
[変形例]
搬送ベルト20は、水平方向に見た場合に搬送ベルト20が無端状の移動軌道を描くように、移動してもよい。そのような搬送ベルト20を具備する包装機の一例として、例えば上述の実施形態の包装機10(
図1参照)と同様の装置構成を有するが、回転駆動軸23及び従動軸24が、高さ方向ではなく水平方向に延在する包装機(図示省略)が挙げられる。そのような包装機を水平方向から見た状態は、上述の実施形態の包装機10を上方から見た状態(
図1参照)と同様になる。
【0088】
また駆動プーリー22aは、搬送駆動モータ35によって継続的(非間欠的)に回転させられ、駆動プーリー22aの継続回転に応じて搬送ベルト20が継続的に移動させられてもよい。
【0089】
また搬送ベルト20の移動軌道は、上述のオーバル型移動軌道に限定されず、他の任意の軌道(例えば直線型移動軌道、矩形型移動軌道、U字型移動軌道、或いは円形型移動軌道)としうる。
【0090】
上述の実施形態では袋Bを用いる包装機10(袋処理システム)について説明したが、袋Bを使って包装以外の処理を行う袋処理システムや袋B以外の容器を用いる容器処理システムに対しても、上述の包装機10の技術を適宜応用可能である。
【0091】
上述の包装機10は各袋Bの内側に内容物を封入するが、当該内容物封入処理の代わりに、スパウトなどの器具を袋Bに取り付けるための1以上の処理装置50を具備する容器処理システム(器具取付装置)に対して上述の技術が応用されてもよい。また袋Bの代わりに缶などの他の容器を使った処理を行う容器処理システムに対しても、上述の技術を応用することが可能である。例えば、缶の内側に内容物を投入する処理を行う容器処理システム(缶投入機)に対して上述の技術が応用されてもよい。
【0092】
本開示は、上述の実施形態及び変形例には限定されない。例えば、上述の実施形態及び変形例の各要素に各種の変形が加えられてもよいし、上述の実施形態及び変形例間において部分的に又は全体的に構成が組み合わせられてもよい。また、本開示によって奏される効果も上述の効果に限定されず、各実施形態の具体的な構成に応じた特有の効果も発揮されうる。このように、本開示の技術的思想及び趣旨を逸脱しない範囲で、特許請求の範囲、明細書及び図面に記載される各要素に対して種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【0093】
[付記]
本開示は、以下の構成をとることもできる。
【0094】
[項目1]
容器を搬送経路に沿って搬送しつつ、前記容器を使った処理を行う容器処理システムであって、
無端状の搬送ベルトと、
前記搬送ベルトを移動可能に支持する複数のベルトガイドローラーであって、能動的に回転して前記搬送ベルトを移動させるベルト駆動ローラーを含む複数のベルトガイドローラーと、
お互いに離間して前記搬送ベルトに取り付けられ、前記容器を吊り下げ支持する複数の容器搬送支持部と、
前記搬送経路に沿って設けられ、前記容器を使った前記処理を行う少なくとも1つの処理装置と、
を備える容器処理システム。
【0095】
[項目2]
前記搬送ベルトは、スチール及び炭素繊維のうちの少なくともいずれか一方を含む項目1に記載の容器処理システム。
【0096】
[項目3]
前記搬送ベルトは、相互に重ね合わせられる複数の要素ベルトを含む項目1又は2に記載の容器処理システム。
【0097】
[項目4]
前記複数の容器搬送支持部のそれぞれに対して設けられ、対応の容器搬送支持部を前記搬送ベルトに取り付ける複数の取付支持部を備え、
各ベルトガイドローラーは、各取付支持部のうち各ベルトガイドローラー側に突出する部分に適合する少なくとも1つの収容凹部を有する項目1~3のいずれかに記載の容器処理システム。
【0098】
[項目5]
移動機構フレームと、
前記移動機構フレームに対して着脱可能に取り付けられ、前記複数のベルトガイドローラーの各々を回転自在に支持するローラー支持部と、
を備える項目1~4のいずれかに記載の容器処理システム。
【0099】
[項目6]
前記複数の容器搬送支持部のそれぞれに対して設けられ、対応の容器搬送支持部と一体的に移動する複数の位置決め部材と、
前記処理が行われる処理ステーションにおいて延在する位置決めローラー支持部と、
前記処理ステーションにおいて前記位置決めローラー支持部により回転自在に支持される下方位置決めローラーであって、容器搬送支持部が前記処理ステーションを通過する際に当該容器搬送支持部に対して設けられる位置決め部材を下方から支持する下方位置決めローラーと、
前記処理ステーションにおいて前記位置決めローラー支持部により回転自在に支持され、通過スペースを介して水平方向に互いに離れて設けられる一対の水平位置決めローラーであって、容器搬送支持部が前記処理ステーションを通過する際に当該容器搬送支持部に対して設けられる位置決め部材が前記通過スペースを通る、一対の水平位置決めローラーと、
を備える項目1~5のいずれかに記載の容器処理システム。
【0100】
[項目7]
前記搬送ベルトは、高さ方向に見た場合に無端状の移動軌道を描くように、移動する項目1~6のいずれかに記載の容器処理システム。
【0101】
[項目8]
前記搬送ベルトは、水平方向に見た場合に無端状の移動軌道を描くように、移動する項目1~6のいずれかに記載の容器処理システム。
[項目9]
前記容器は袋であり、
前記複数の容器搬送支持部は、前記袋を吊り下げ支持する複数のグリッパーペアを含み、
前記複数のグリッパーペアの各々は、前記袋の両側部を把持する複数のグリッパーを含む項目1~8のいずれかに記載の容器処理システム。
【符号の説明】
【0102】
10 包装機、20 搬送ベルト、20a 第1要素ベルト、20b 第2要素ベルト、21 グリッパーペア、21a グリッパー、22 ベルトガイドローラー、22a 駆動プーリー、22b 従動プーリー、23 回転駆動軸、24 従動軸、25 架台、27 開閉レバー、30 装置駆動軸、31 駆動軸受、32 駆動カム、33 動力伝達ロッド、34 処理駆動モータ、35 搬送駆動モータ、36 回転軸受、37 軸支持部、41 収容凹部、42 ローラー支持部、42a 第1ローラー支持部、42b 第2ローラー支持部、43 フレーム梁部、44 移動機構フレーム、45 ローラー支持部材、46 支持ステー、47 ローラー支持軸、48 ローラー支持軸、49a 上方位置決めローラー、49b 下方位置決めローラー、49c 水平位置決めローラー、49d 水平位置決めローラー、50 処理装置、51 給袋装置、52 印字装置、53 印字検査装置、54 開口装置、55 固形物投入装置、56 液体注入装置、57 第1シール装置、58 第2シール装置、59 冷却装置、60 袋放出装置、65 位置決め部材、66 グリッパー支持部、66a 支持内側部分、66b 支持外側部分、67 固定具、68 グリッパー取付部、69 留め具、70 支持部材軸受、71 プーリー軸受、72 取付ブロック、73 テンション調整ボルト、74 ボルト支持部、75 テンション調整溝、B 袋、B1 口部、B2 底部、B3 側部、S1 第1処理ステーション、S2 第2処理ステーション、S3 第3処理ステーション、S4 第4処理ステーション、S5 第5処理ステーション、S6 第6処理ステーション、S7 第7処理ステーション、S8 第8処理ステーション、S9 第9処理ステーション