(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160645
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】半導体ユニット
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20231026BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20231026BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H02M7/48 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071134
(22)【出願日】2022-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 征輝
【テーマコード(参考)】
5H770
【Fターム(参考)】
5H770AA15
5H770AA21
5H770DA05
5H770DA44
5H770JA11W
5H770QA06
5H770QA12
5H770QA16
5H770QA22
5H770QA33
(57)【要約】
【課題】並列に接続された半導体モジュール間のスイッチング時の電流分担を均等化する。
【解決手段】ラミネート配線13は、キャパシタ11a~11dの端子11a1~11d1と半導体モジュール12a~12fの各正端子12a1~12f1とを接続する第1導電体13aと、キャパシタ11a~11dの端子11a2~11d2と各負端子12a2~12f2とを接続する第2導電体13bと、絶縁体13cとを有する。ここで、第1導電体13a及び第2導電体13bの少なくとも一方(
図1の例では両方)にスリット13a1~13a5,13b1~13b5を設けることで、端子11a1~11d1から最も近い正端子12a1~12f1までのインダクタンス値と、負端子12a2~12f2から最も近い端子11a2~11d2までのインダクタンス値との合計値のばらつきが半導体モジュール12a~12fの間で10nH以下となるようにしている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端子及び第2の端子を有する1または複数のキャパシタと、
それぞれが、正端子、負端子及び第1出力端子を有する複数の半導体モジュールと、
前記第1の端子と各前記正端子とを接続する第1導電体と、前記第2の端子と各前記負端子とを接続する第2導電体と、前記第1導電体と前記第2導電体との間に配置され、前記第1導電体と前記第2導電体とを絶縁する絶縁体とを有し、前記第1導電体及び前記第2導電体の少なくとも一方にスリットを設けることで、前記第1の端子から最も近い前記正端子までのインダクタンス値と、前記負端子から最も近い前記第2の端子までのインダクタンス値との合計値のばらつきが前記複数の半導体モジュールの間で10nH以下となるラミネート配線と、
それぞれの前記第1出力端子に接続される各接続部と、第2出力端子と、前記各接続部と前記第2出力端子とを電気的に接続する中間部と、を有する出力配線と、
を備える半導体ユニット。
【請求項2】
前記スリットは、前記第1導電体及び前記第2導電体の両方に設けられ、平面視で重なる位置に配置されている、請求項1に記載の半導体ユニット。
【請求項3】
前記スリットは、前記第1の端子と前記正端子とを接続する前記第1導電体の経路の配線幅、または、前記第2の端子と前記負端子とを接続する前記第2導電体の経路の配線幅の少なくとも一方が、前記1または複数のキャパシタとの距離が近い程、狭くなるように設けられている、請求項1に記載の半導体ユニット。
【請求項4】
前記出力配線は、前記各接続部から前記第2出力端子までのインダクタンス値のばらつきが10nH以下である、請求項1乃至3の何れか一項に記載の半導体ユニット。
【請求項5】
前記中間部は、前記第2出力端子から離れている部分ほど配線幅が広くなるように形成されている、請求項1に記載の半導体ユニット。
【請求項6】
前記複数の半導体モジュールは、環状に配置されており、前記複数の半導体モジュールのそれぞれの前記正端子は、環の中央部分に配置される前記第1導電体を介して、前記第1の端子に電気的に接続され、前記複数の半導体モジュールのそれぞれの前記負端子は、前記中央部分に配置される前記第2導電体を介して、前記第2の端子に電気的に接続されている、請求項1に記載の半導体ユニット。
【請求項7】
環状に配置された前記複数の半導体モジュールは、高さ、長さ、または幅を表す3辺のうち、最も長い辺が、前記環の中心軸に平行になるように配置されている、請求項6に記載の半導体ユニット。
【請求項8】
前記出力配線の前記各接続部は、環状に配置された前記複数の半導体モジュールのそれぞれの前記第1出力端子から、前記環の中心軸方向に伸びるように形成されている、請求項6に記載の半導体ユニット。
【請求項9】
前記出力配線と前記ラミネート配線のそれぞれは、前記環の中心軸を同軸とした同軸配線部を含む、請求項6に記載の半導体ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、並列に接続される複数の半導体モジュールを有する半導体ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
通電電流能力を向上させるため、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やパワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などのスイッチング素子を含む半導体モジュールを複数並列接続した半導体ユニットがある。
【0003】
また、第1導電体と第2導電体を含むラミネート配線を用いて、半導体モジュールを複数並列接続する技術がある。たとえば、直流電源として機能するキャパシタの2つの端子のうち一方に接続される第1導電体に、各半導体モジュールの正端子が接続され、キャパシタの2つの端子のうち他方に接続される第2導電体に、各半導体モジュールの負端子が接続される。複数の半導体モジュールの出力端子は、半導体ユニットの出力端子に電気的に接続される。
【0004】
なお、従来、並列に接続された複数の半導体スイッチを含むインバータユニットにおいて、入力配線と対向の位置に出力配線を配置し、電流のアンバランスが生じないように電流経路を一番長い経路で揃えたような構造とする技術がある(たとえば、特許文献1参照)。しかし、この構造の場合、電流経路が長くなるため配線インダクタンスが大きくなり、スイッチング時のサージ電圧が大きくなる。また、スイッチング時の高周波電流が流れる経路も長くなるため、放射ノイズなどのEMI(Electro-Magnetic Interference)問題も発生する。
【0005】
なお、従来、複数並列に接続した半導体モジュールにおける電流のアンバランスを解消するためにブスバーにスリットを設けることが提案されている(たとえば、特許文献2,3参照)。また、並列接続された複数の半導体チップにおいて、各チップのエミッタ電極を、個別に配置されたターミナルを介して、同じ導電部材に接続することが知られている(たとえば、特許文献4参照)。
【0006】
また、複数の半導体モジュールの配置の仕方に関して、回転軸の周りにコンデンサモジュールを設け、そのコンデンサモジュールの外周面上に複数の半導体モジュールを周方向に並べて配置する手法がある(たとえば、特許文献5参照)。また、モータの軸などを通すための孔が形成された円筒状のケースの周囲に、複数の半導体モジュールを同心円状に配置する手法がある(たとえば、特許文献6参照)。
【0007】
また、並列に接続したスイッチング素子のエミッタに接続される配線に流れる循環電流を検出し、その結果に基づいてゲート駆動回路により各スイッチング素子のオンオフを制御する技術がある(たとえば、特許文献7参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2016-174503号公報
【特許文献2】特開2017-139915号公報
【特許文献3】特開2006-203974号公報
【特許文献4】特開2020-156310号公報
【特許文献5】特開2021-19383号公報
【特許文献6】国際公開第2016-125673号
【特許文献7】特開2015-149828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ラミネート配線を用いてキャパシタと各半導体モジュールの正負端子を接続することで、複数の半導体モジュールを並列接続する技術では、キャパシタと各半導体モジュールの正負端子との間で、配線インダクタンスが不均等となる。また、各半導体モジュールの出力端子と、半導体ユニットの出力端子との間で配線インダクタンスが不均等となる。このため、スイッチング時の電流分担も不均等となる問題があった。
【0010】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、並列に接続された半導体モジュール間のスイッチング時の電流分担を均等化可能な半導体ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一観点によれば、第1の端子及び第2の端子を有する1または複数のキャパシタと、それぞれが、正端子、負端子及び第1出力端子を有する複数の半導体モジュールと、前記第1の端子と各前記正端子とを接続する第1導電体と、前記第2の端子と各前記負端子とを接続する第2導電体と、前記第1導電体と前記第2導電体との間に配置され、前記第1導電体と前記第2導電体とを絶縁する絶縁体とを有し、前記第1導電体及び前記第2導電体の少なくとも一方にスリットを設けることで、前記第1の端子から最も近い前記正端子までのインダクタンス値と、前記負端子から最も近い前記第2の端子までのインダクタンス値との合計値のばらつきが前記複数の半導体モジュールの間で10nH以下となるラミネート配線と、それぞれの前記第1出力端子に接続される各接続部と、第2出力端子と、前記各接続部と前記第2出力端子とを電気的に接続する中間部と、を有する出力配線と、を備える半導体ユニットが提供される。
【発明の効果】
【0012】
開示の技術によれば、並列に接続された半導体モジュール間のスイッチング時の電流分担を均等化できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1の実施の形態の半導体ユニットを示す平面図である。
【
図2】第1導電体と第2導電体に設けられたスリットの例を示す斜視図である。
【
図3】第1の実施の形態の半導体ユニットの等価回路の一例を示す図である。
【
図4】比較例の半導体ユニットを示す平面図である。
【
図5】比較例の半導体ユニットの等価回路を示す図である。
【
図6】第1の実施の形態の半導体ユニットの変形例を示す平面図である。
【
図7】第2の実施の形態の半導体ユニットを示す平面図である。
【
図8】
図7のVIII-VIII線における断面図である。
【
図9】キャパシタとラミネート配線との接続関係を示す平面図である。
【
図11】第2の実施の形態の半導体ユニットの変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明を実施するための形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において、「上」、「下」、「おもて面」、「裏面」は、相対的な位置関係を特定する便宜的な表現に過ぎず、本発明の技術的思想を限定するものではない。たとえば、「上」及び「下」は、必ずしも地面に対する鉛直方向を意味しない。つまり、「上」及び「下」の方向は、重力方向に限定されない。
【0015】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の半導体ユニットを示す平面図である。
半導体ユニット10は、第1の端子及び第2の端子を有する1または複数のキャパシタ(
図1の例では4つのキャパシタ11a,11b,11c,11d)を有する。キャパシタ11a~11dは、直流電源として機能する。以下、第1の端子は、端子11a1,11b1,11c1,11d1と表記する。第2の端子は、端子11a2,11b2,11c2,11d2と表記する。
【0016】
さらに、半導体ユニット10は、それぞれが、正端子、負端子及び第1出力端子を有する複数の半導体モジュール(
図1の例では、6つの半導体モジュール12a,12b,12c,12d,12e,12f)を有する。
図1において、半導体モジュール12a~12fの正端子は、正端子12a1,12b1,12c1,12d1,12e1,12f1であり、半導体モジュール12a~12fの負端子は、負端子12a2,12b2,12c2,12d2,12e2,12f2である。
【0017】
また、半導体モジュール12a~12fの第1出力端子は、
図1の例ではそれぞれ2つある。半導体モジュール12aの第1出力端子は、第1出力端子12a3,12a4、半導体モジュール12bの第1出力端子は、第1出力端子12b3,12b4、半導体モジュール12cの第1出力端子は、第1出力端子12c3,12c4である。また、半導体モジュール12dの第1出力端子は、第1出力端子12d3,12d4、半導体モジュール12eの第1出力端子は、第1出力端子12e3,12e4、半導体モジュール12fの第1出力端子は、第1出力端子12f3,12f4である。
【0018】
半導体モジュール12a~12fのそれぞれは、後述の
図3において説明するように、たとえば、スイッチング素子の一例であるIGBTを直列に接続し、各スイッチング素子にそれぞれダイオードを逆並列に接続した構成を有する。なお、半導体モジュールの数は6つに限定されず、2以上であればよい。
【0019】
さらに、半導体ユニット10は、ラミネート配線13を有する。ラミネート配線13は、裏面に第1導電体13a、おもて面に第2導電体13b、第1導電体13aと第2導電体13bの間に、第1導電体13aと第2導電体13bよりもX-Y平面の面積が大きい絶縁体13cを有する。ラミネート配線13は、キャパシタ11a~11dの上方に配置されている。第1導電体13aは、キャパシタ11a~11dの端子11a1~11d1と、正端子12a1~12f1のそれぞれとを接続する。第2導電体13bは、キャパシタ11a~11dの端子11a2~11d2と、負端子12a2~12f2のそれぞれとを接続する。絶縁体13cは、第1導電体13aと第2導電体13bとの間に配置され、第1導電体13aと第2導電体13bとを絶縁する。
【0020】
第1導電体13aと第2導電体13bの材料として、たとえば、銅やアルミニウムが用いられる。絶縁体13cの材料として、たとえば、PET(Poly Ethylene Terephthalate)フィルムやガラスエポキシ樹脂などの樹脂材が用いられる。
【0021】
第1導電体13a及び第2導電体13bの少なくとも一方には、端子11a1~11d1から最も近い正端子12a1~12f1までのインダクタンス値と、負端子12a2~12f2から最も近い端子11a2~11d2までのインダクタンス値との合計値のばらつきが半導体モジュール12a~12fの間で10nH以下となるように、スリットが設けられている。
【0022】
図2は、第1導電体と第2導電体に設けられたスリットの例を示す斜視図である。
図1、
図2の例では、スリットは第1導電体13a及び第2導電体13bの両方に設けられ、平面視で重なる位置に配置されている。
図2に示されているように、第1導電体13aには、スリット13a1,13a2,13a3,13a4,13a5が設けられており、第2導電体13bには、スリット13b1,13b2,13b3,13b4,13b5が設けられている。
【0023】
図1の例では、スリット13a1~13a5,13b1~13b5は、平面視で、X方向に隣接する半導体モジュールの正端子と負端子の間に設けられている。
【0024】
また、半導体ユニット10は、出力配線14を有する。出力配線14は、半導体モジュール12a~12fのそれぞれの第1出力端子12a3~12f3,12a4~12f4に接続される接続部14a1,14a2,14a3,14a4,14a5,14a6と、中間部14bと、第2出力端子14cを有する。
【0025】
たとえば、半導体モジュール12aの第1出力端子12a3,12a4は、接続部14a1に接続されており、半導体モジュール12bの第1出力端子12b3,12b4は、接続部14a2に接続されている。中間部14bは、接続部14a1~14a6のそれぞれと第2出力端子14cとを電気的に接続する。第2出力端子14cは、半導体ユニット10の出力端子に相当する。
【0026】
図3は、第1の実施の形態の半導体ユニットの等価回路の一例を示す図である。
図1に示した半導体モジュール12a~12fのそれぞれは、IGBTとダイオードによる上アームと下アームを有する。
【0027】
半導体モジュール12aは、IGBT20a,22a、ダイオード21a,23aを有し、半導体モジュール12bは、IGBT20b,22b、ダイオード21b,23bを有する。半導体モジュール12cは、IGBT20c,22c、ダイオード21c,23cを有し、半導体モジュール12dは、IGBT20d,22d、ダイオード21d,23dを有する。半導体モジュール12eは、IGBT20e,22e、ダイオード21e,23eを有し、半導体モジュール12fは、IGBT20f,22f、ダイオード21f,23fを有する。
【0028】
半導体モジュール12aにおいて、IGBT20aのコレクタとダイオード21aのカソードは、正端子12a1に接続されている。IGBT20aのエミッタとダイオード21aのアノードは、第1出力端子12a3,12a4及びIGBT22aのコレクタとダイオード23aのカソードに接続されている。IGBT22aのエミッタとダイオード23aのアノードは、負端子12a2に接続されている。他の半導体モジュール12b~12fについても同様の回路構成となっている。
【0029】
上アームのIGBT20a~20fのゲートには図示しないゲート制御回路が接続され、IGBT20a~20fは、同じタイミングでオンまたはオフされる。下アームのIGBT22a~22fのゲートにも図示しないゲート制御回路が接続され、IGBT22a~22fは、IGBT20a~20fとは逆位相のタイミングで、オンまたはオフされる。
【0030】
図3の等価回路には、各部の配線インダクタンスが示されている。
図1、
図2に示したようにスリット13a1~13a5を設けることで、キャパシタ11a~11dと、正端子12a1~12f1との間の配線インダクタンスは、配線インダクタンス30,31a,31b,31c,31d,31e,31fに分かれる。配線インダクタンス30は、第1導電体13aにおいて、スリットが設けられていない配線幅が広い部分の配線インダクタンスである。配線インダクタンス31a~31fは、スリット13a1~13a5によって区切られた配線幅が狭い部分の配線インダクタンスである。
【0031】
たとえば、配線インダクタンス31aは、第1導電体13aの左端部とスリット13a1との間の部分における配線インダクタンスである。配線インダクタンス31bは、第1導電体13aにおけるスリット13a1,13a2間の部分における配線インダクタンスである。
【0032】
同様に、
図1、
図2に示したようにスリット13b1~13b5を設けることで、キャパシタ11a~11dと、負端子12a2~12f2との間の配線インダクタンスは、配線インダクタンス32,33a,33b,33c,33d,33e,33fに分かれる。配線インダクタンス32は、第2導電体13bにおいて、スリットが設けられていない配線幅が広い部分の配線インダクタンスである。配線インダクタンス33a~33fは、スリット13b1~13b5によって区切られた配線幅が狭い部分の配線インダクタンスである。
【0033】
たとえば、配線インダクタンス33aは、第2導電体13bの左端部とスリット13b1との間の部分における配線インダクタンスである。配線インダクタンス33bは、第2導電体13bにおけるスリット13b1,13b2間の部分における配線インダクタンスである。
【0034】
また、第1出力端子12a3,12a4~12f3,12f4と第2出力端子14cとの間の配線インダクタンスは、配線インダクタンス34a,34b,34c,34d,34e,34f,35に分かれる。配線インダクタンス34a~34fは、出力配線14の接続部14a1~14a6における配線インダクタンスであり、配線インダクタンス35は、出力配線14の中間部14bにおける配線インダクタンスである。
【0035】
なお、
図3には、半導体モジュール12a~12f内における配線インダクタンスについても図示されている。配線インダクタンス36a,36b,36c,36d,36e,36fは、半導体モジュール12a~12fのそれぞれの上アームと、正端子12a1~12f1のそれぞれとの間の配線の配線インダクタンスである。配線インダクタンス37a,37b,37c,37d,37e,37fは、半導体モジュール12a~12fのそれぞれの下アームと、負端子12a2~12f2のそれぞれとの間の配線の配線インダクタンスである。配線インダクタンス38a,38b,38c,38d,38e,38fは、半導体モジュール12a~12fのそれぞれの上アーム及び下アームと、第1出力端子12a3,12a4~12f3,12f4のそれぞれとの間の配線の配線インダクタンスである。
【0036】
図1、
図2に示したようにスリット13a1~13a5,13b1~13b5を設けることで、キャパシタ11a~11dと、半導体モジュール12a~12fとの間の配線インダクタンスは、同等のインダクタンス値となる。その理由を以下に説明する。
【0037】
ラミネート配線13の配線インダクタンスは、配線幅と、第1導電体13aと第2導電体13bとの間隔とに、反比例の大きさとなる。このため、スリットが設けられておらず配線幅が広い部分の配線インダクタンス30,32のインダクタンス値より、スリットによって区切られた配線幅が狭い部分の配線インダクタンス31a~31f,33a~33fのインダクタンス値の方が大きくなる。配線幅が広い部分と配線幅が狭い部分の配線幅の差が大きいと、キャパシタ11a~11dと、半導体モジュール12a~12fとの間の配線インダクタンスのインダクタンス値は、ほぼ、配線インダクタンス31a~31f,33a~33fのインダクタンス値となる。スリットによって区切られる配線幅が同等になるようにスリットを設けることで、配線インダクタンス31a~31f,33a~33fのインダクタンス値を揃えることができ、その結果、キャパシタ11a~11dと、半導体モジュール12a~12fとの間の配線インダクタンスを同等のインダクタンス値とすることができる。このようにして、端子11a1~11d1から最も近い正端子12a1~12f1までのインダクタンス値と、負端子12a2~12f2から最も近い端子11a2~11d2までのインダクタンス値との合計値のばらつきが半導体モジュール12a~12fの間で10nH以下とすることができる。
【0038】
なお、半導体モジュール12a~12fのそれぞれにおいて、配線インダクタンス36a~36fのインダクタンス値と、配線インダクタンス37a~37fのインダクタンス値との和が10nH程度であるため、ばらつきを10nH以下としている。
【0039】
スリット13a1~13a5,13b1~13b5の位置や形状は、ばらつきが10nH以下となれば、上記の形態に特に限定されるわけではない。
【0040】
さらに、第1の実施の形態の半導体ユニット10において、上記のような接続部14a1~14a6と中間部14bとを設けることで、第2出力端子14cと半導体モジュール12a~12fとの間の配線インダクタンスを同等のインダクタンス値とすることができる。接続部14a1~14a6は、中間部14bと比べて配線幅が狭いため、配線インダクタンス35のインダクタンス値より、配線インダクタンス34a~34fのインダクタンス値の方が大きくなる。接続部14a1~14a6と中間部14bの配線幅の差が大きいと、第2出力端子14cと、半導体モジュール12a~12fとの間の配線インダクタンスのインダクタンス値は、ほぼ、配線インダクタンス34a~34fのインダクタンス値となる。同じ配線幅の接続部14a1~14a6を設けることで、配線インダクタンス34a~34fのインダクタンス値を揃えることができ、その結果、第2出力端子14cと、半導体モジュール12a~12fとの間の配線インダクタンスを同等のインダクタンス値とすることができる。このようにして、出力側に関しても、接続部14a1~14a6のそれぞれから第2出力端子14cまでのインダクタンス値のばらつきが半導体モジュール12a~12fの間で10nH以下とすることができる。
【0041】
半導体ユニット10の動作例を説明する。
半導体モジュール12a~12fの上アームのIGBT20a~20fがオンすると、キャパシタ11a~11dから、半導体モジュール12a~12f、第2出力端子14cの経路で電流が流れる。このとき、配線インダクタンス30、配線インダクタンス31a~31f、配線インダクタンス36a~36f、配線インダクタンス38a~38f、配線インダクタンス34a~34f、配線インダクタンス35を介して電流が流れる。
【0042】
一方、半導体モジュール12a~12fの下アームのIGBT22a~22fがオンすると、第2出力端子14cから、半導体モジュール12a~12f、キャパシタ11a~11dの経路で電流が流れる。このとき、配線インダクタンス35、配線インダクタンス34a~34f、配線インダクタンス37a~37f、配線インダクタンス33a~33f、配線インダクタンス32を介して電流が流れる。
【0043】
スイッチング時の電流変化により、各配線インダクタンスにはV=L・di/dtの電圧が発生する。
【0044】
このような半導体ユニット10を2台用いることで、単相インバータが実現され、半導体ユニット10を3台用いることで、三相インバータが実現される。
【0045】
上記のように、第1の実施の形態の半導体ユニット10では、キャパシタ11a~11dから半導体モジュール12a~12fの間、及び半導体モジュール12a~12fから第2出力端子14cの間の配線インダクタンスが均等に配分される。このため、半導体モジュール12a~12fの間で、スイッチング時の電流分担を均等化できる。
【0046】
(比較例)
図4は、比較例の半導体ユニットを示す平面図である。
図4において、
図1に示した要素と同じ要素については同一符号が付されている。
【0047】
比較例の半導体ユニット40は、第1の実施の形態の半導体ユニット10と同様に、裏面に第1導電体41a、おもて面に第2導電体41b、第1導電体41aと第2導電体41bの間に、第1導電体41aと第2導電体41bよりもX-Y平面の面積が大きい絶縁体41cを有するラミネート配線41を備えるが、第1導電体41a、第2導電体41bにはスリットが設けられていない。
【0048】
また、比較例の半導体ユニット40の出力配線42は、第1出力端子12a3,12a4~12f3,12f4が接続される共通配線42aと、共通配線42aの中央部分に接続された第2出力端子42bを有する。出力配線42は、第1の実施の形態の半導体ユニット10のような接続部14a1~14a6を有しない。
【0049】
図5は、比較例の半導体ユニットの等価回路を示す図である。
図5において、
図3に示した要素と同一の要素については同一符号が付されている。
【0050】
配線インダクタンス45a,45b,45c,45dは、キャパシタ11a~11dと正端子12a1~12f1との間の配線インダクタンスである。配線インダクタンス46a,46b,46c,46dは、キャパシタ11a~11dと負端子12a2~12f2との間の配線インダクタンスである。
【0051】
配線インダクタンス47aは、第1出力端子12a3,12a4と第1出力端子12b3,12b4の間の配線インダクタンスである。配線インダクタンス47bは、第1出力端子12b3,12b4と第1出力端子12c3,12c4の間の配線インダクタンスである。配線インダクタンス47cは、第1出力端子12c3,12c4と第2出力端子42bの間の配線インダクタンスである。配線インダクタンス47dは、第2出力端子42bと第1出力端子12d3,12d4の間の配線インダクタンスである。配線インダクタンス47eは、第1出力端子12d3,12d4と第1出力端子12e3,12e4の間の配線インダクタンスである。配線インダクタンス47fは、第1出力端子12e3,12e4と第1出力端子12f3,12f4の間の配線インダクタンスである。
【0052】
このような半導体ユニット40では、配線インダクタンス45a~45dのインダクタンス値が不均等となり、配線インダクタンス46a~46dのインダクタンス値も不均等となる。キャパシタ11a~11dから正端子12a1~12f1、負端子12a2~12f2までの距離が不均等であるためである。
【0053】
さらに、以下のように出力側の配線インダクタンスのインダクタンス値も不均等となる。たとえば、半導体モジュール12aの第1出力端子12a3,12a4と第2出力端子42bとの間の配線インダクタンスは、配線インダクタンス47a,47b,47cとなる。これに対して、半導体モジュール12cの第1出力端子12c3,12c4と第2出力端子42bとの間の配線インダクタンスは、配線インダクタンス47cのみとなる。このため、半導体モジュール12cには、半導体モジュール12aよりも大きい電流が流れ、スイッチング時の電流分担が不均等になる。
【0054】
このような比較例の半導体ユニット40に対して、第1の実施の形態の半導体ユニット10では、上記のように配線インダクタンスが均等化されるため、半導体モジュール12a~12fの間で、スイッチング時の電流分担を均等化できる。また、これにより、半導体モジュール12a~12fの電流ディレーティング(電流アンバランスによる発熱を考慮した電流低減分)を小さくできる。このため、同じ定格の半導体モジュールを使用する際に、半導体ユニット10の電流定格を大きくすることができる。
【0055】
(変形例)
図6は、第1の実施の形態の半導体ユニットの変形例を示す平面図である。
図6において、
図1に示した要素と同じ要素については同一符号が付されている。
【0056】
変形例の半導体ユニット50では、端子11a1~11d1と正端子12a1~12f1とを接続する第1導電体13aの経路の配線幅、または、端子11a2~11d2と負端子12a2~12f2とを接続する第2導電体13bの経路の配線幅の少なくとも一方が、キャパシタ11a~11dとの距離が近い程、狭くなるようにスリットが設けられている。このため、スリットの形状が第1の実施の形態の半導体ユニット10におけるスリットとは異なっている。
【0057】
図6の例では、正端子12c1,12d1は、正端子12a1,12f1よりもキャパシタ11a~11dとの距離が近い。このため、正端子12c1,12d1と端子11a1~11d1とを接続する第1導電体13aの経路の配線幅が、正端子12a1,12f1と端子11a1~11d1とを接続する第1導電体13aの経路の配線幅よりも狭くなるようにスリット51a1,51a2,51a3が設けられている。スリット13a1,13a5がI字であるのに対して、スリット51a1~51a3は、T字状に形成されている。
【0058】
同様に、
図6の例では、負端子12c2,12d2は、負端子12a2,12f2よりもキャパシタ11a~11dとの距離が近い。このため、負端子12c2,12d2と端子11a2~11d2とを接続する第2導電体13bの経路の配線幅が、負端子12a2,12f2と端子11a2~11d2とを接続する第2導電体13bの経路の配線幅よりも狭くなるようにスリット51b1,51b2,51b3が設けられている。スリット13b1,13b5がI字であるのに対して、スリット51b1~51b3は、T字状に形成されている。
【0059】
上記のようにスリットを設けることで、キャパシタ11a~11dとの距離を考慮した配線幅とすることができるため、より配線インダクタンスを均等化できる。
【0060】
さらに、変形例の半導体ユニット50では、出力配線52の中間部52aは、第2出力端子14cから離れている部分ほど配線幅が広くなるように形成されている。これにより、第2出力端子14cからの距離を考慮した配線幅で、中間部52aを接続部14a1~14a6に接続することができる。このため、より配線インダクタンスを均等化できる。
【0061】
(第2の実施の形態)
図7は、第2の実施の形態の半導体ユニットを示す平面図である。また、
図8は、
図7のVIII-VIII線における断面図である。また、
図9は、キャパシタとラミネート配線との接続関係を示す平面図である。また、
図10は、同軸配線部の一例を示す斜視図である。なお、
図7~
図9において、
図1に示した要素と同じ要素については同一符号が付されている。
【0062】
第2の実施の形態の半導体ユニット60では、
図7に示すように、半導体モジュール12a~12fは、平面視で環状に配置されている。
図7、
図8に示すように第1導電体61a、第2導電体61b、絶縁体61cを含むラミネート配線61は、環の中央部分に配置されている。
【0063】
なお、半導体モジュール12a~12dの下面には冷却フィン(たとえば、
図8の冷却フィン63a,63d)が設けられている。
【0064】
図8、
図9に示すように、半導体モジュール12a~12fのそれぞれの正端子12a1~12f1は、環の中央部分に配置される第1導電体61aを介して、キャパシタ11a~11dの端子11a1~11d1に電気的に接続されている。また、半導体モジュール12a~12fのそれぞれの負端子12a2~12f2は、環の中央部分に配置される第2導電体61bを介して、キャパシタ11a~11dの端子11a2~11d2に電気的に接続されている。
【0065】
また、
図9に示すように、第1導電体61aと第2導電体61bにおいて、隣接する半導体モジュールの正端子と負端子との間にスリットが設けられている。スリット61a1,61a2,61a3,61a4,61a5,61a6は、第1導電体61aに設けられるスリットであり、スリット61b1,61b2,61b3,61b4,61b5,61b6は、第2導電体61bに設けられるスリットである。スリット61a1~61a6とスリット61b1~61b6は、平面視で重なる位置に配置されている。
【0066】
なお、
図9の例は、キャパシタ11a~11dは、円形のラミネート配線61の中央部分に配置されているため、キャパシタ11a~11dから正端子12a1~12f1または負端子12a2~12f2までの配線距離はほぼ同じ長さとすることができる。このため、半導体モジュール12a~12f間の配線インダクタンスのインダクタンス値のばらつきは少ないため、スリットは設けなくてもよいが、スリットを設けることで、よりばらつきを少なくすることができる。
【0067】
さらに、ラミネート配線61は、同軸配線部61d,61eを有する。同軸配線部61dは、円形の第1導電体61aに接続され、同軸配線部61eは、円形の第2導電体61bに接続されている。同軸配線部61eは、同軸配線部61dの内周側に配置されている。同軸配線部61d,61eの間には絶縁体が設けられていてもよい。
【0068】
また、出力配線62は、半導体モジュール12a~12fの第1出力端子12a3,12a4~12f3,12f4に接続される配線部62a1,62a2,62a3,62a4,62a5,62a6、同軸配線部62b、配線部62cを有する。
【0069】
配線部62a1~62a6は、半導体モジュール12a~12fの第1出力端子12a3,12a4~12f3,12f4から、環の中心軸方向に伸びるように形成されており、同軸配線部62bに接続されている。
【0070】
図10に示すように、同軸配線部62bと、同軸配線部61d,61eは環の中心軸を同軸としている。同軸配線部62bは、ラミネート配線61による同軸配線部61d,61eの外周側に位置する。
【0071】
配線部62cは、配線部62a1~62a6を電気的に接続する。なお、配線部62cはなくてもよい。
【0072】
このような出力配線62において、配線部62a1~62a6は、
図1に示した接続部14a1~14a6と同様の機能をもつ。また、同軸配線部62bは、
図1に示した中間部14bとして機能する。
図1の第2出力端子14cに対応する構成は、図示を省略しているが、同軸配線部62bの上方に位置し、たとえば、キャパシタ11a~11dを充電する外部電源に接続される。
【0073】
なお、半導体ユニット60の等価回路は、
図3に示した等価回路とほぼ同様であるが、配線部62cが設けられる場合、
図3の第1出力端子12a3,12a4~12f3,12f4の部分が接続されることになる。
【0074】
上記のような、出力配線62を設けることで、半導体モジュール12a~12f間で、第2出力端子までの配線距離を揃えることができ、配線インダクタンスのインダクタンス値のばらつきを抑えることができる。
【0075】
さらに、第2の実施の形態の半導体ユニット60では、ラミネート配線61と出力配線62が、同軸配線部61d,61e,62bを有することで、スイッチング時の高周波電流による電磁界振動を、同軸配線部62bによりシールドできる。このため、EMIノイズも低減させることができる。
【0076】
(変形例)
図11は、第2の実施の形態の半導体ユニットの変形例を示す平面図である。また、
図12は、
図11のXII-XII線における断面図である。なお、
図11~
図12において、
図1に示した要素と同じ要素については同一符号が付されている。
【0077】
変形例の半導体ユニット70は、半導体ユニット60と同様、半導体モジュール12a~12fが、平面視で環状に配置されているが、高さ、長さ、または幅を表す3辺のうち、最も長い辺が、環の中心軸に平行になるように配置されている。
図12には、半導体モジュール12aの寸法に関する模式図が示されている。
図12の例では、高さH、長さL、幅Wのうち、Lが最も長いため、Lの辺が環の中心軸に平行になるように配置されている。
【0078】
また、半導体モジュール12a~12fのそれぞれの外周面には冷却フィン63a,63b,63c,63d,63e,63fが配置されている。
【0079】
ラミネート配線71は、平面視で六角形の、第1導電体71a、第2導電体71b、絶縁体71cを有する。第1導電体71a、第2導電体71bと、キャパシタ11a~11dのそれぞれの端子、半導体モジュール12a~12fのそれぞれの正端子、負端子との接続関係は、
図9と同様である。第1導電体71a、第2導電体71bに、
図9に示したようなスリットが設けられていてもよい。
【0080】
さらに、ラミネート配線71は、平面視で六角形の同軸配線部71d,71eを有する。同軸配線部71dは、第1導電体71aに接続され、同軸配線部71eは、第2導電体71bに接続されている。同軸配線部71eは、同軸配線部71dの内周側に配置されている。同軸配線部71d,71eの間には絶縁体が設けられていてもよい。
【0081】
また、出力配線は、半導体モジュール12a~12fの第1出力端子12a3,12a4~12f3,12f4(
図12では図示を省略している)に接続される配線部72a1,72a2,72a3,72a4,72a5,72a6と、平面視で六角形の同軸配線部72bを有する。
【0082】
配線部72a1~72a6は、半導体モジュール12a~12fの第1出力端子12a3,12a4~12f3,12f4から、環の中心軸方向に伸びるように形成されており、同軸配線部72bに接続されている。
【0083】
図11、
図12に示すように、同軸配線部72bと、同軸配線部71d,71eは環の中心軸を同軸としている。同軸配線部72bは、ラミネート配線71による同軸配線部71d,71eの外周側に位置する。
【0084】
上記のような変形例の半導体ユニット70においても、半導体ユニット60と同様の効果が得られる。さらに半導体ユニット70では、高さ、長さ、または幅を表す3辺のうち、最も長い辺が、環の中心軸に平行になるように半導体モジュール12a~12fが配置されているため、半導体ユニット70のX方向、Y方向の大きさを小さくすることができる。また、
図11、
図12の例では、半導体モジュール12a~12fの第1出力端子12a3,12a4~12f3,12f4を近づけられるため、出力配線の配線長を短くすることができる。
【0085】
以上、実施の形態に基づき、本発明の半導体ユニットの一観点について説明してきたが、これらは一例にすぎず、上記の記載に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0086】
10 半導体ユニット
11a~11d キャパシタ
11a1~11d1,11a2~11d2 端子
12a~12f 半導体モジュール
12a1~12f1 正端子
12a2~12f2 負端子
12a3,12a4~12f3,12f4 第1出力端子
13 ラミネート配線
13a 第1導電体
13a1~13a5,13b1~13b5 スリット
13b 第2導電体
13c 絶縁体
14 出力配線
14a1~14a6 接続部
14b 中間部
14c 第2出力端子