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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160648
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】基板処理装置および基板処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20231026BHJP
   H01L 21/306 20060101ALI20231026BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20231026BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
H01L21/304 642D
H01L21/304 642A
H01L21/304 648A
H01L21/306 K
H01L21/30 569B
H01L21/68 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071142
(22)【出願日】2022-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】前川 直嗣
【テーマコード(参考)】
5F043
5F131
5F146
5F157
【Fターム(参考)】
5F043EE35
5F043EE36
5F043GG10
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA12
5F131AA22
5F131AA23
5F131AA32
5F131BA05
5F131BA15
5F131BA18
5F131BA37
5F131CA22
5F131CA32
5F131GA03
5F131GA22
5F131GA27
5F131GA63
5F146LA09
5F157AA64
5F157AB03
5F157AB13
5F157AB20
5F157AB22
5F157AB34
5F157AB48
5F157AB51
5F157AB74
5F157AB93
5F157AC01
5F157AC13
5F157AC14
5F157AC55
5F157AC56
5F157BB04
5F157BB09
5F157CD10
5F157CE09
5F157CF92
5F157CF93
5F157DB02
5F157DB22
5F157DB37
(57)【要約】
【課題】処理槽において基板を簡便に均一に処理する。
【解決手段】基板処理装置(100)は、複数の基板(W)を処理する処理液を貯留するための処理槽(110)と、基板(W)の第1側部(Wp)および第2側部(Wq)を支持して下降し、複数の基板(W)を処理槽(110)の処理液に浸漬する基板保持部(120)と、処理槽(110)内に配置され、基板(W)の第1側部(Wp)および第2側部(Wq)を支持するガイド(140)とを備える。複数の基板(W)のそれぞれについて、基板保持部(120)は、ガイド(140)とは離れた基板(W)を保持し、ガイド(140)に対して相対的に水平方向に移動してガイド(140)に基板(W)の第1側部(Wp)を接触させた後、基板(W)の第2側部(Wq)をガイド(140)に接触させるように移動することによって基板(W)を回転させる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板を処理する処理液を貯留するための処理槽と、
前記複数の基板のそれぞれについて前記基板の一方側に位置する第1側部および前記基板の他方側に位置する第2側部をそれぞれ支持することによって前記複数の基板を保持した状態で下降し、前記複数の基板を前記処理槽の前記処理液に浸漬する基板保持部と、
前記処理槽内に配置され、前記基板保持部が前記複数の基板を保持して下降した際に前記複数の基板のそれぞれについて前記基板の前記第1側部および前記第2側部をそれぞれ支持するガイドと
を備え、
前記ガイドは、
前記処理槽内に配置され、前記基板保持部が前記複数の基板を保持して下降した際に前記複数の基板のそれぞれについて前記基板の前記第1側部を支持する第1ガイドと、
前記処理槽内に配置され、前記基板保持部が前記複数の基板を保持して下降した際に前記複数の基板のそれぞれについて前記基板の前記第2側部を支持する第2ガイドと
を有し、
前記複数の基板のそれぞれについて、前記基板保持部および前記ガイドの一方は、前記基板保持部および前記ガイドの他方とは離れた前記基板を保持し、前記基板保持部および前記ガイドの他方に対して相対的に水平方向に移動して前記基板保持部および前記ガイドの他方に前記基板の前記第1側部および前記第2側部の一方の側部を接触させた後、前記基板の前記第1側部および前記第2側部の他方の側部を前記基板保持部および前記ガイドの他方に接触させるように移動することによって前記基板を回転させる、基板処理装置。
【請求項2】
前記複数の基板のそれぞれについて、前記基板保持部は、前記第1ガイドおよび前記第2ガイドのそれぞれとは離れた前記基板を保持し、前記第1ガイドおよび前記第2ガイドに対して水平方向に移動して前記第1ガイドに前記基板の前記第1側部を接触させた後で下降することにより、前記基板は前記第1ガイドを支点として回転し、前記基板の前記第2側部が前記第2ガイドと接触する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第1ガイドおよび前記第2ガイドは、前記複数の基板の中心に対して鉛直下方側において前記複数の基板を支持する、請求項1または2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記処理槽内に配置され、前記処理液を供給する処理液供給管をさらに備える、請求項1または2に記載の基板処理装置。
【請求項5】
複数の基板を処理する処理液を貯留するための処理槽と、
前記複数の基板のそれぞれについて前記基板の一方側に位置する第1側部および前記基板の他方側に位置する第2側部をそれぞれ支持することによって前記複数の基板を保持した状態で下降し、前記複数の基板を前記処理槽の前記処理液に浸漬する基板保持部と、
前記基板保持部に対して前記複数の基板を搬送する搬送装置と
を備え、
前記搬送装置は、前記複数の基板のそれぞれについて前記基板の前記第1側部および前記第2側部をそれぞれ支持するハンドリング部を有し、
前記ハンドリング部は、
前記複数の基板のそれぞれについて前記基板の前記第1側部を支持する第1ハンドリング部と、
前記複数の基板のそれぞれについて前記基板の前記第2側部を支持する第2ハンドリング部と
を有し、
前記複数の基板のそれぞれについて、前記基板保持部および前記ハンドリング部の一方は、前記基板保持部および前記ハンドリング部の他方とは離れた前記基板を保持し、前記基板保持部および前記ハンドリング部の他方に対して相対的に水平方向に移動して前記基板保持部および前記ハンドリング部の他方に前記基板の前記第1側部および前記第2側部の一方の側部を接触させた後、前記基板の前記第1側部および前記第2側部の他方の側部を前記基板保持部および前記ハンドリング部の他方に接触させるように移動することによって前記基板を回転させる、基板処理装置。
【請求項6】
前記複数の基板のそれぞれについて、前記基板保持部は、前記第1ハンドリング部および前記第2ハンドリング部のそれぞれとは離れた前記基板を保持し、前記第1ハンドリング部および前記第2ハンドリング部に対して水平方向に移動して前記基板が前記第1ハンドリング部と接触した後で下降することにより、前記基板は前記第1ハンドリング部を支点として回転し、前記基板の前記第2側部は前記第2ハンドリング部と接触する、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
基板保持部が、複数の基板のそれぞれについて前記基板の一方側に位置する第1側部および前記基板の他方側に位置する第2側部をそれぞれ支持することによって前記複数の基板を保持した状態で下降し、前記複数の基板を処理槽の処理液に浸漬する工程と、
前記基板保持部が前記複数の基板を保持して下降した際に、ガイドが、前記複数の基板のそれぞれについて前記基板の前記第1側部および前記第2側部をそれぞれ支持する工程と、
前記複数の基板のそれぞれについて、前記基板保持部および前記ガイドの一方は、前記基板保持部および前記ガイドの他方とは離れた前記基板を保持し、前記基板保持部および前記ガイドの他方に対して相対的に水平方向に移動して前記基板保持部および前記ガイドの他方に前記基板の前記第1側部および前記第2側部の一方の側部を接触させる工程と、
前記基板保持部および前記ガイドの一方は、前記基板保持部および前記ガイドの他方に前記基板の前記第1側部および前記第2側部の一方の側部を接触させた後、前記基板の前記第1側部および前記第2側部の他方の側部を前記基板保持部および前記ガイドの他方に接触させるように移動することによって前記基板を回転させる工程と
包含する、基板処理方法。
【請求項8】
前記ガイドは、
前記処理槽内に配置され、前記基板保持部が前記複数の基板を保持して下降した際に前記複数の基板のそれぞれについて前記基板の前記第1側部を支持する第1ガイドと、
前記処理槽内に配置され、前記基板保持部が前記複数の基板を保持して下降した際に前記複数の基板のそれぞれについて前記基板の前記第2側部を支持する第2ガイドと
を有し、
前記基板を回転させる工程において、前記基板保持部は、前記第1ガイドおよび前記第2ガイドとは離れた前記基板を保持し、前記第1ガイドおよび前記第2ガイドに対して水平方向に移動して前記第1ガイドに前記基板の前記第1側部を接触させた後で下降することにより、前記基板は、前記第1ガイドを支点として回転して前記基板の前記第2側部は前記第2ガイドと接触する、請求項7に記載の基板処理方法。
【請求項9】
基板保持部が、複数の基板のそれぞれについて前記基板の一方側に位置する第1側部および前記基板の他方側に位置する第2側部をそれぞれ支持することによって前記複数の基板を保持した状態で下降し、前記複数の基板を処理槽の処理液に浸漬する工程と、
前記基板保持部に対して前記複数の基板を搬送装置で搬送する工程と、
前記搬送装置のハンドリング部が、前記複数の基板のそれぞれについて前記基板の前記第1側部および前記第2側部をそれぞれ支持する工程と、
前記複数の基板のそれぞれについて、前記基板保持部および前記ハンドリング部の一方は、前記基板保持部および前記ハンドリング部の他方とは離れた前記基板を保持し、前記基板保持部および前記ハンドリング部の他方に対して相対的に水平方向に移動して前記基板保持部および前記ハンドリング部の他方に前記基板の前記第1側部および前記第2側部の一方の側部を接触させる工程と、
前記基板保持部および前記ハンドリング部の一方は、前記基板保持部および前記ハンドリング部の他方に前記基板の前記第1側部および前記第2側部の一方の側部を接触させた後、前記基板保持部および前記ハンドリング部の他方に前記基板の前記第1側部および前記第2側部の他方の側部を接触させるように移動することによって前記基板を回転させる工程と
を包含する、基板処理方法。
【請求項10】
前記ハンドリング部は、
前記複数の基板のそれぞれについて前記基板の前記第1側部を支持する第1ハンドリング部と、
前記複数の基板のそれぞれについて前記基板の前記第2側部を支持する第2ハンドリング部と
を有し、
前記基板を回転させる工程において、前記基板保持部は、前記第1ハンドリング部および前記第2ハンドリング部のそれぞれとは離れた前記基板を保持し、前記第1ハンドリング部および前記第2ハンドリング部に対して水平方向に移動して前記複数の基板が前記第1ハンドリング部と接触した後で下降することにより、前記基板は前記第1ハンドリング部を支点として回転して、前記基板の前記第2側部は前記第2ハンドリング部と接触する、請求項9に記載の基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置および基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板を処理する基板処理装置が知られている。基板処理装置は、半導体基板の処理に好適に用いられる。典型的には、基板処理装置は、処理液を用いて基板を処理する。
【0003】
複数の基板を一括して処理するバッチ型処理装置において、処理ムラを抑制することが検討されている(特許文献1)。特許文献1には、オゾン水を用いたレジストの剥離ムラを小さくするために、回転モーターによってウェハを回転させるバッチ式処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-274131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のバッチ型処理装置では、ウェハを回転モーターで回転させることから、装置が大型化し複雑になることがある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、処理槽において基板を簡便に均一処理可能な基板処理装置および基板処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある局面によれば、基板処理装置は、複数の基板を処理する処理液を貯留するための処理槽と、前記複数の基板のそれぞれについて前記基板の一方側に位置する第1側部および前記基板の他方側に位置する第2側部をそれぞれ支持することによって前記複数の基板を保持した状態で下降し、前記複数の基板を前記処理槽の前記処理液に浸漬する基板保持部と、前記処理槽内に配置され、前記基板保持部が前記複数の基板を保持して下降した際に前記複数の基板のそれぞれについて前記基板の前記第1側部および前記第2側部をそれぞれ支持するガイドとを備え、前記ガイドは、前記処理槽内に配置され、前記基板保持部が前記複数の基板を保持して下降した際に前記複数の基板のそれぞれについて前記基板の前記第1側部を支持する第1ガイドと、前記処理槽内に配置され、前記基板保持部が前記複数の基板を保持して下降した際に前記複数の基板のそれぞれについて前記基板の前記第2側部を支持する第2ガイドとを有し、前記複数の基板のそれぞれについて、前記基板保持部および前記ガイドの一方は、前記基板保持部および前記ガイドの他方とは離れた前記基板を保持し、前記基板保持部および前記ガイドの他方に対して相対的に水平方向に移動して前記基板保持部および前記ガイドの他方に前記基板の前記第1側部および前記第2側部の一方の側部を接触させた後、前記基板の前記第1側部および前記第2側部の他方の側部を前記基板保持部および前記ガイドの他方に接触させるように移動することによって前記基板を回転させる。
【0008】
ある実施形態では、前記複数の基板のそれぞれについて、前記基板保持部は、前記第1ガイドおよび前記第2ガイドのそれぞれとは離れた前記基板を保持し、前記第1ガイドおよび前記第2ガイドに対して水平方向に移動して前記第1ガイドに前記基板の前記第1側部を接触させた後で下降することにより、前記基板は前記第1ガイドを支点として回転し、前記基板の前記第2側部が前記第2ガイドと接触する。
【0009】
ある実施形態では、前記第1ガイドおよび前記第2ガイドは、前記複数の基板の中心に対して鉛直下方側において前記複数の基板を支持する。
【0010】
ある実施形態では、前記基板処理装置は、前記処理槽内に配置され、前記処理液を供給する処理液供給管をさらに備える。
【0011】
本発明の別の局面によれば、基板処理装置は、複数の基板を処理する処理液を貯留するための処理槽と、前記複数の基板のそれぞれについて前記基板の一方側に位置する第1側部および前記基板の他方側に位置する第2側部をそれぞれ支持することによって前記複数の基板を保持した状態で下降し、前記複数の基板を前記処理槽の前記処理液に浸漬する基板保持部と、前記基板保持部に対して前記複数の基板を搬送する搬送装置とを備え、前記搬送装置は、前記複数の基板のそれぞれについて前記基板の前記第1側部および前記第2側部をそれぞれ支持するハンドリング部を有し、前記ハンドリング部は、前記複数の基板のそれぞれについて前記基板の前記第1側部を支持する第1ハンドリング部と、前記複数の基板のそれぞれについて前記基板の前記第2側部を支持する第2ハンドリング部とを有し、前記複数の基板のそれぞれについて、前記基板保持部および前記ハンドリング部の一方は、前記基板保持部および前記ハンドリング部の他方とは離れた前記基板を保持し、前記基板保持部および前記ハンドリング部の他方に対して相対的に水平方向に移動して前記基板保持部および前記ハンドリング部の他方に前記基板の前記第1側部および前記第2側部の一方の側部を接触させた後、前記基板の前記第1側部および前記第2側部の他方の側部を前記基板保持部および前記ハンドリング部の他方に接触させるように移動することによって前記基板を回転させる。
【0012】
ある実施形態では、前記複数の基板のそれぞれについて、前記基板保持部は、前記第1ハンドリング部および前記第2ハンドリング部のそれぞれとは離れた前記基板を保持し、前記第1ハンドリング部および前記第2ハンドリング部に対して水平方向に移動して前記基板が前記第1ハンドリング部と接触した後で下降することにより、前記基板は前記第1ハンドリング部を支点として回転し、前記基板の前記第2側部は前記第2ハンドリング部と接触する。
【0013】
本発明の別の局面によれば、基板処理方法は、基板保持部が、複数の基板のそれぞれについて前記基板の一方側に位置する第1側部および前記基板の他方側に位置する第2側部をそれぞれ支持することによって前記複数の基板を保持した状態で下降し、前記複数の基板を処理槽の処理液に浸漬する工程と、前記基板保持部が前記複数の基板を保持して下降した際に、ガイドが、前記複数の基板のそれぞれについて前記基板の前記第1側部および前記第2側部をそれぞれ支持する工程と、前記複数の基板のそれぞれについて、前記基板保持部および前記ガイドの一方は、前記基板保持部および前記ガイドの他方とは離れた前記基板を保持し、前記基板保持部および前記ガイドの他方に対して相対的に水平方向に移動して前記基板保持部および前記ガイドの他方に前記基板の前記第1側部および前記第2側部の一方の側部を接触させる工程と、前記基板保持部および前記ガイドの一方は、前記基板保持部および前記ガイドの他方に前記基板の前記第1側部および前記第2側部の一方の側部を接触させた後、前記基板の前記第1側部および前記第2側部の他方の側部を前記基板保持部および前記ガイドの他方に接触させるように移動することによって前記基板を回転させる工程と包含する。
【0014】
ある実施形態では、前記ガイドは、前記処理槽内に配置され、前記基板保持部が前記複数の基板を保持して下降した際に前記複数の基板のそれぞれについて前記基板の前記第1側部を支持する第1ガイドと、前記処理槽内に配置され、前記基板保持部が前記複数の基板を保持して下降した際に前記複数の基板のそれぞれについて前記基板の前記第2側部を支持する第2ガイドとを有し、前記基板を回転させる工程において、前記基板保持部は、前記第1ガイドおよび前記第2ガイドとは離れた前記基板を保持し、前記第1ガイドおよび前記第2ガイドに対して水平方向に移動して前記第1ガイドに前記基板の前記第1側部を接触させた後で下降することにより、前記基板は、前記第1ガイドを支点として回転して前記基板の前記第2側部は前記第2ガイドと接触する。
【0015】
本発明の別の局面によれば、基板処理方法は、基板保持部が、複数の基板のそれぞれについて前記基板の一方側に位置する第1側部および前記基板の他方側に位置する第2側部をそれぞれ支持することによって前記複数の基板を保持した状態で下降し、前記複数の基板を処理槽の処理液に浸漬する工程と、前記基板保持部に対して前記複数の基板を搬送装置で搬送する工程と、前記搬送装置のハンドリング部が、前記複数の基板のそれぞれについて前記基板の前記第1側部および前記第2側部をそれぞれ支持する工程と、前記複数の基板のそれぞれについて、前記基板保持部および前記ハンドリング部の一方は、前記基板保持部および前記ハンドリング部の他方とは離れた前記基板を保持し、前記基板保持部および前記ハンドリング部の他方に対して相対的に水平方向に移動して前記基板保持部および前記ハンドリング部の他方に前記基板の前記第1側部および前記第2側部の一方の側部を接触させる工程と、前記基板保持部および前記ハンドリング部の一方は、前記基板保持部および前記ハンドリング部の他方に前記基板の前記第1側部および前記第2側部の一方の側部を接触させた後、前記基板保持部および前記ハンドリング部の他方に前記基板の前記第1側部および前記第2側部の他方の側部を接触させるように移動することによって前記基板を回転させる工程とを包含する。
【0016】
ある実施形態では、前記ハンドリング部は、前記複数の基板のそれぞれについて前記基板の前記第1側部を支持する第1ハンドリング部と、前記複数の基板のそれぞれについて前記基板の前記第2側部を支持する第2ハンドリング部とを有し、前記基板を回転させる工程において、前記基板保持部は、前記第1ハンドリング部および前記第2ハンドリング部のそれぞれとは離れた前記基板を保持し、前記第1ハンドリング部および前記第2ハンドリング部に対して水平方向に移動して前記複数の基板が前記第1ハンドリング部と接触した後で下降することにより、前記基板は前記第1ハンドリング部を支点として回転して、前記基板の前記第2側部は前記第2ハンドリング部と接触する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、処理槽において基板を簡便に均一に処理できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】(a)および(b)は、本実施形態の基板処理装置の模式的な斜視図である。
図2】(a)は、本実施形態の基板処理装置の模式的な正面図であり、(b)は、本実施形態の基板処理装置の模式的な側面図である。
図3】本実施形態の基板処理装置の模式的なブロック図である。
図4】(a)~(c)は、本実施形態の基板処理方法を説明するための模式図である。
図5】(a)~(d)は、本実施形態の基板処理方法を説明するための模式図である。
図6】(a)~(d)は、本実施形態の基板処理方法を説明するための模式図である。
図7】(a)~(f)は、本実施形態の基板処理方法を説明するための模式図である。
図8】本実施形態の基板処理装置の模式的な斜視図である。
図9】(a)~(c)は、本実施形態の基板処理装置の模式図である。
図10】(a)~(f)は、本実施形態の基板処理方法を説明するための模式図である。
図11】本実施形態の基板処理装置を備えた基板処理システムの模式図である。
図12】本実施形態の基板処理装置を備えた基板処理システムの模式図である。
図13】(a)~(c)は、本実施形態の基板処理装置における搬送装置の模式図である。
図14】(a)~(f)は、本実施形態の基板処理方法を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明による基板処理装置および基板処理方法の実施形態を説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。なお、本願明細書では、発明の理解を容易にするため、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を記載することがある。典型的には、X軸およびY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。
【0020】
図1を参照して、本発明による基板処理装置100の実施形態を説明する。図1(a)および図1(b)は、本実施形態の基板処理装置100の模式的な斜視図である。図1(a)は、基板Wを処理槽110に投入する前の基板処理装置100を示す。図1(b)は、基板Wを処理槽110に投入した後の基板処理装置100を示す。
【0021】
基板処理装置100は、基板Wを処理する。基板処理装置100は、基板Wに対して、エッチング、表面処理、酸化処理、特性付与、処理膜形成、膜の少なくとも一部の除去および洗浄のうちの少なくとも1つを行うように基板Wを処理する。
【0022】
基板Wは、薄い板状である。典型的には、基板Wは、薄い略円板状である。基板Wは、例えば、半導体ウェハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、電界放出ディスプレイ(Field Emission Display:FED)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板および太陽電池用基板などを含む。
【0023】
基板処理装置100は、バッチ式の基板処理装置である。基板処理装置100は、複数の基板Wを一括して処理する。典型的には、基板処理装置100は、ロット単位で複数の基板Wを処理する。例えば、1ロットは、25枚または50枚の基板Wからなる。
【0024】
図1(a)に示すように、基板処理装置100は、処理槽110と、基板保持部120と、処理液供給部130と、ガイド140とを備える。処理槽110は、基板Wを処理するための処理液を貯留する。処理液供給部130は、処理槽110に処理液を供給する。
【0025】
基板保持部120によって保持された基板Wの主面の法線方向はY方向に平行である。複数の基板Wは、Y方向に沿って一列に配列される。複数の基板Wは、水平方向に略平行に配列される。また、複数の基板Wの各々の法線は、Y方向に延びており、複数の基板Wの各々は、X方向およびZ方向に略平行に広がる。基板保持部120は、基板Wを起立した状態で保持する。複数の基板Wは、それぞれの中心WcがY方向に直線状に配列されるように配置される。
【0026】
上述したように、基板Wは、薄い略円板状である。基板Wは、対称構造を有する。基板Wの重心は、基板Wの中心Wcに位置する。基板Wは、基板Wの一方側に位置する第1側部Wpと、他方側に位置する第2側部Wqとを有する。第1側部Wpは、基板Wにおいて基板Wの重心(中心Wc)から鉛直下方に延びる鉛直線Wvに対して一方側に位置する。第2側部Wqは、基板Wにおいて鉛直線Wvに対して他方側に位置する。ここでは、第1側部Wpは、鉛直線Wvに対して+X方向側に位置し、第2側部Wqは、鉛直線Wvに対して-X方向側に位置する。
【0027】
基板保持部120は、複数の基板Wをまとめて保持する。基板保持部120は、複数の基板Wのそれぞれについて、基板Wの第1側部Wpおよび第2側部Wqを支持する。これにより、基板保持部120は、複数の基板Wのそれぞれを安定的に保持できる。
【0028】
ここでは、基板保持部120は、Y方向に沿って一列に並んだ基板Wを保持する。基板保持部120は、基板Wを保持したまま基板Wを移動させる。例えば、基板保持部120は、基板Wを保持したまま鉛直方向に沿って鉛直上方または鉛直下方に移動する。
【0029】
具体的には、基板保持部120は、リフターを含む。基板保持部120は、複数の基板Wを保持した状態で鉛直上方または鉛直下方に移動する。基板保持部120が鉛直下方に移動することにより、基板保持部120によって保持されている複数の基板Wは、処理槽110に貯留されている処理液に浸漬される。
【0030】
図1(a)では、基板保持部120は、処理槽110の上方に位置する。基板保持部120は、複数の基板Wを保持したまま鉛直下方(Z方向)に下降する。これにより、複数の基板Wが処理槽110に投入される。
【0031】
図1(b)に示すように、基板保持部120が処理槽110まで下降すると、複数の基板Wは、処理槽110内の処理液に浸漬する。基板保持部120は、処理槽110に貯留された処理液に、所定間隔をあけて整列した複数の基板Wを浸漬する。
【0032】
処理槽110は、二重槽構造を有する。処理槽110は、内槽112と、外槽114とを有する。外槽114は、内槽112を囲む。内槽112および外槽114は、いずれも、上向きに開いた上部開口を有する。
【0033】
内槽112および外槽114のそれぞれは、処理液を貯留する。内槽112に複数の基板Wが投入される。詳しくは、基板保持部120に保持された複数の基板Wが内槽112に投入される。複数の基板Wが、内槽112に投入されることにより、内槽112の処理液に浸漬する。
【0034】
基板保持部120は、本体板122と、保持部材124とを含む。本体板122は、鉛直方向(Z方向)に延びる板である。保持部材124は、本体板122の一方の主面から水平方向(Y方向)に延びる。図1(a)および図1(b)では、保持部材124が本体板122の一方の主面から+Y方向(水平方向)に延びる。複数の基板Wは、所定間隔をあけて整列した状態で、保持部材124によって各基板Wの下縁が当接されて起立姿勢(鉛直姿勢)で保持される。保持部材124は、基板Wを3箇所で保持する。
【0035】
より具体的には、保持部材124によって保持された複数の基板Wは、Y方向に沿って間隔をあけて整列する。このため、複数の基板Wは、Y方向に沿って一列に配列される。また、複数の基板Wの各々は、XZ平面に略平行な姿勢で保持部材124に保持される。
【0036】
基板処理装置100は、移動ユニット126をさらに備える。移動ユニット126は、基板保持部120を移動させる。移動ユニット126は、基板保持部120に保持されている複数の基板Wが処理槽110内に位置する下方位置(図1(b)に示す位置)と、基板保持部120に保持されている複数の基板Wが処理槽110の上方に位置する上方位置(図1(a)に示す位置)との間で基板保持部120を昇降させる。従って、移動ユニット126によって基板保持部120を下方位置に移動することにより、基板保持部120に保持されている複数の基板Wが処理槽110の処理液に浸漬される。
【0037】
より具体的には、移動ユニット126は、処理位置(図1(b)に示す位置)と退避位置(図1(a)に示す位置)との間で基板保持部120を昇降させる。図1(b)に示すように、基板保持部120が、複数の基板Wを保持したまま鉛直下方(Z方向)に下降して処理位置まで移動すると、複数の基板Wが内槽112に投入される。詳しくは、基板保持部120に保持されている複数の基板Wが内槽112内に移動する。この結果、複数の基板Wが内槽112内の処理液に浸漬されて、処理液によって処理される。一方、図1(a)に示すように、基板保持部120が退避位置に移動すると、基板保持部120に保持されている複数の基板Wは、内槽112の上方に移動して、処理液から引き上げられる。
【0038】
移動ユニット126は、基板保持部120を昇降させる。移動ユニット126が基板保持部120を昇降させることにより、基板保持部120が、複数の基板Wを保持した状態で鉛直上方または鉛直下方に移動する。移動ユニット126は、駆動源および昇降機構を有しており、駆動源によって昇降機構を駆動して、基板保持部120を上昇および下降させる。駆動源は、例えば、モーターを含む。昇降機構は、例えば、ラック・ピニオン機構またはボールねじを含む。
【0039】
なお、移動ユニット126は、基板保持部120を鉛直方向(Z方向)だけでなく水平方向(X方向)に移動可能であることが好ましい。これにより、基板保持部120は、鉛直方向に昇降するだけでなく水平方向にも移動できる。
【0040】
ガイド140は、処理槽110内に配置される。ガイド140は、基板保持部120が複数の基板Wを保持して下降した際に複数の基板Wのそれぞれについて基板の第1側部Wpおよび第2側部Wqをそれぞれ支持する。
【0041】
ガイド140は、第1ガイド142と、第2ガイド144とを有する。ここでは、第1ガイド142は、第2ガイド144とは別部材として配置される。
【0042】
第1ガイド142は、処理槽110内に配置される。ここでは、第1ガイド142は、処理槽110に固定される。詳細には、第1ガイド142は、内槽112内に配置される。第1ガイド142は、内槽112内において一方側(+X方向)に配置される。
【0043】
基板保持部120が基板Wを保持した状態で下降すると、第1ガイド142は、基板Wと接触する。詳細には、第1ガイド142は、基板Wの中心Wcに対して一方側(+X方向)の側面において基板Wと接触する。これにより、第1ガイド142は、基板Wの中心Wcに対して一方側(+X方向)の側面(第1側部Wp)において基板Wを支持する。
【0044】
第2ガイド144は、処理槽110内に配置される。ここでは、第2ガイド144は、処理槽110に固定される。詳細には、第2ガイド144は、内槽112内に配置される。第2ガイド144は、内槽112内において、他方側(-X方向)に配置される。
【0045】
詳細には、第1ガイド142は、内槽112の+Y方向側に位置する側面112pに支持される。第2ガイド144は、内槽112の-Y方向側に位置する側面112qに支持される。
【0046】
基板保持部120が基板Wを保持した状態で下降すると、第2ガイド144は、基板Wと接触する。詳細には、第2ガイド144は、基板Wの中心Wcに対して他方側(-X方向)の側面において基板Wと接触する。これにより、第2ガイド144は、基板Wの中心Wcに対して他方側(-X方向)の側部(第2側部Wq)において基板Wを支持する。
【0047】
第1ガイド142の鉛直方向における高さは、第2ガイド144の鉛直方向における高さと略等しい。第1ガイド142および第2ガイド144は、処理槽110の内槽112に支持される。ここでは、第1ガイド142および第2ガイド144は、内槽112においてY方向に対向する2つの側面112p、112qに支持される。なお、第1ガイド142および第2ガイド144は、内槽112においてX方向に対向する2つの側面に支持されてもよい。
【0048】
上述したように、第1ガイド142および第2ガイド144は、内槽112において固定される。ただし、第1ガイド142および第2ガイド144は、内槽112において移動可能であってもよい。
【0049】
上述したように、基板保持部120は、基板Wを起立した状態で保持する。なお、第1ガイド142および第2ガイド144は、基板保持部120とともに、基板Wを起立した状態で支持してもよい。あるいは、第1ガイド142および第2ガイド144は、基板保持部120で支えることなしに基板Wを起立した状態で保持可能であってもよい。
【0050】
次に、図1および図2を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明する。図2(a)は、本実施形態の基板処理装置100の模式的な正面図であり、図2(b)は、本実施形態の基板処理装置100の模式的な側面図である。
【0051】
図2(a)に示すように、処理槽110内において、基板保持部120は、基板Wを保持する。この場合、処理槽110が処理液を貯留していると、基板保持部120に保持された基板Wは、処理槽110の処理液に浸漬する。ここでは、処理槽110の外槽114(図1(a)および図1(b))を省略している。
【0052】
図2(a)において、基板Wは、基板保持部120とともに第1ガイド142および第2ガイド144によって支持される。基板保持部120は、基板Wの下方と接触し、基板Wの下方を支持する。第1ガイド142は、基板Wの一方側(+X方向)の側部(第1側部Wp)の下方と接触し、第1側部Wpを下方から支持する。第2ガイド144は、基板Wの他方側(-X方向)の側部(第2側部Wq)の下方と接触し、第2側部Wqを下方から支持する。
【0053】
なお、第1ガイド142のうちの基板Wと接触する部分と第2ガイド144のうちの基板Wと接触する部分との間のX方向に沿った距離Lxは、基板Wの直径Wdよりも小さい。これにより、基板保持部120が基板Wを保持した状態で下降すると、基板Wは、第1ガイド142および第2ガイド144と接触する。
【0054】
保持部材124のX方向に沿った長さLsは、第1ガイド142と第2ガイド144との間の距離Lxよりも短い。このため、保持部材124は、第1ガイド142と第2ガイド144に対して上方から下方まで第1ガイド142と第2ガイド144との間を通過できる。
【0055】
保持部材124は、基体124sと、基体124sから上方に延びた突起部124a、124b、124cを有する。基体124sは、Y方向に延びる。基体124sの幅(X方向の長さ)は、第1ガイド142と第2ガイド144との間の距離よりも短い。
【0056】
突起部124aは、基体124sにおいてX方向の中央において上方(+Z方向)に延びる。突起部124bは、基体124sの一方側(+X方向)の端部において上方(+Z方向)に延びる。突起部124cは、基体124sの他方側(-X方向)の端部において上方(+Z方向)に延びる。なお、突起部124aの長さは、突起部124bおよび突起部124cの長さよりも小さい。突起部124aと突起部124bとの間の距離は、突起部124aと突起部124cとの間の距離とほぼ等しい。また、突起部124bの長さは、突起部124cの長さとほぼ等しい。
【0057】
典型的には、突起部124aは、基板Wの中心Wcの鉛直下方を支持する。突起部124bは、基板Wの第1側部Wpを支持する。突起部124cは、基板Wの第2側部Wqを支持する。
【0058】
なお、突起部124a~124cには複数の基板Wをそれぞれ支持する複数の溝が設けられることが好ましい。複数の溝の幅(Y方向の長さ)は、基板Wの厚さ(Y方向の長さ)とほぼ等しいか、基板Wの厚さよりも若干大きい。突起部124a~124cの溝に基板Wを挿入することにより、複数の基板Wは、起立姿勢を安定的に維持できる。
【0059】
図2(a)および図2(b)に示すように、基板処理装置100は、処理液供給部130をさらに備える。処理液供給部130は、処理槽110に処理液を供給する。処理液供給部130が、基板Wが処理槽110の処理液に浸漬している間において、処理槽110に処理液を供給することにより、基板Wの処理を促進できる。
【0060】
処理液供給部130は、処理液供給源と、配管132と、処理液供給管134とを有する。配管132は、処理液供給源と処理液供給管134とを接続する。処理液供給管134は、処理槽110内に配置される。典型的には、処理液供給管134は、処理槽110の底面に配置される。ここでは、処理液供給管134は、Y方向に延びる。処理液は、処理液供給源から配管132を通って処理液供給管134に流れ、処理槽110に供給される。
【0061】
処理液供給管134には、複数の開口部が設けられる。処理液供給管134の開口部から処理液が吐出される。典型的には、処理液供給管134の開口部は、配列方向に配列された基板Wのうちの隣接する2枚の基板Wの間の下方に位置する。
【0062】
処理液供給管134は、処理槽110内に配置される。ここでは、複数の処理液供給管134は、配列方向に配列された基板Wにおいて一方側(+X方向側)の下方および他方側(-X方向側)の下方にそれぞれ配置される。一方、処理液供給源は、処理槽110の外部に配置される。また、配管132は、処理槽110の外部に配置される。なお、配管132の少なくとも一部は処理槽110内部に配置され、処理槽110内部において配管132は処理液供給管134と接続されてもよい。
【0063】
次に、図1図3を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明する。図3は、本実施形態の基板処理装置100のブロック図である。
【0064】
図2(b)および図3に示すように、基板処理装置100は、制御装置180をさらに備える。制御装置180は、基板処理装置100の各種動作を制御する。典型的には、制御装置180は、移動ユニット126および処理液供給部130を制御する。
【0065】
制御装置180は、制御部182および記憶部184を含む。制御部182は、プロセッサーを有する。制御部182は、例えば、中央処理演算機(Central Processing Unit:CPU)を有する。または、制御部182は、汎用演算機を有してもよい。
【0066】
記憶部184は、データおよびコンピュータプログラムを記憶する。データは、レシピデータを含む。レシピデータは、複数のレシピを示す情報を含む。複数のレシピの各々は、基板Wの処理内容および処理手順を規定する。
【0067】
記憶部184は、主記憶装置と、補助記憶装置とを含む。主記憶装置は、例えば、半導体メモリである。補助記憶装置は、例えば、半導体メモリおよび/またはハードディスクドライブである。記憶部184はリムーバブルメディアを含んでいてもよい。制御部182は、記憶部184の記憶しているコンピュータプログラムを実行して、基板処理動作を実行する。
【0068】
制御装置180は、予め定められたプログラムに従って、移動ユニット126および処理液供給部130を制御する。詳細には、制御装置180は、移動ユニット126を制御して基板保持部120を移動させる。また、制御装置180は、処理液供給部130からの処理液の供給を制御する。
【0069】
例えば、制御部182は、処理液供給部130を制御する。詳細には、制御部182は、処理液供給部130による処理液の供給の開始および停止を制御する。一例では、制御部182は、処理槽110の外部に配置された配管132に設けられたバルブ、調整弁等を制御することで、処理液供給管134への処理液の供給を制御してもよい。
【0070】
また、制御部182は、移動ユニット126を制御する。制御部182の制御により、移動ユニット126は、処理槽110に対して基板保持部120を昇降させる。移動ユニット126は、処理槽110に対して基板保持部120を水平方向に移動させてもよい。
【0071】
次に、図4を参照して、本実施形態の基板処理方法を説明する。図4(a)~図4(c)は、本実施形態の基板処理方法の模式図である。
【0072】
図4(a)に示すように、基板保持部120は、処理槽110の上方において、基板Wを保持する。なお、ここでは、基板保持部120として保持部材124を示す一方で本体板122を省略している。処理液供給管134は、処理槽110に処理液を供給する。処理槽110は、処理液を貯留する。
【0073】
図4(b)に示すように、基板保持部120は、基板Wを保持した状態で下降する。基板保持部120に保持された基板Wは、処理槽110の処理液に浸漬する。
【0074】
図4(c)に示すように、基板保持部120が基板Wを保持した状態でさらに下降すると、基板Wは、第1ガイド142および第2ガイド144と接触する。これにより、基板Wは、第1ガイド142および第2ガイド144に支持される。詳細には、第1ガイド142は、基板Wの第1側部Wpを支持し、第2ガイド144は、基板Wの第2側部Wqを支持する。これにより、基板Wは、基板保持部120に保持されるとともに第1ガイド142および第2ガイド144に支持される。第1ガイド142および、第2ガイド144は、基板Wの中心Wcに対して鉛直下方側において複数の基板Wを支持する。
【0075】
なお、処理液供給管134は、処理槽110の処理液に浸漬した基板Wに対して処理液を供給してもよい。処理液供給管134は、第1ガイド142および第2ガイド144が基板Wを支持した後に、処理液の供給を開始してもよい。あるいは、処理液供給管134は、第1ガイド142および第2ガイド144が基板Wを支持する前であって、基板保持部120が基板Wを保持したまま下降している間に処理液を供給してもよい。
【0076】
本実施形態によれば、基板Wが基板保持部120に保持されるとともに第1ガイド142および第2ガイド144に支持された状態で、処理液供給管134は、基板Wに処理液を供給できる。これにより、処理液供給管134から供給される処理液の流量が比較的大きくても、基板Wを安定的に保持できる。なお、処理液供給管134から供給される処理液で基板Wを処理する場合、基板Wにおける処理液供給管134からの位置に応じて基板Wを均一に処理できないことがある。このため、基板Wを均一に処理するために、基板Wを回転することが好ましい。
【0077】
次に、図1図5を参照して、本実施形態の基板処理方法を説明する。図5(a)~図5(d)は、本実施形態の基板処理方法を説明するための模式図である。
【0078】
図5(a)に示すように、基板Wは、第1ガイド142および第2ガイド144とともに基板保持部120に保持される。このとき、基板Wは、第1ガイド142および第2ガイド144に支持される。詳細には、第1ガイド142は、基板Wの第1側部Wpを支持し、第2ガイド144は、基板Wの第2側部Wqを支持する。なお、図5(a)において、この時点で基板Wの最も高い部分を部分Wtと示す。
【0079】
図5(b)に示すように、基板保持部120が基板Wを保持した状態で上昇すると、基板Wは、第1ガイド142および第2ガイド144から離れる。なお、基板Wの下端は、第1ガイド142および第2ガイド144の下端よりも下方に位置する。ここでは、基板Wと第1ガイド142との間の距離は、保持部材124と第1ガイド142との間の距離よりも短い。同様に、基板Wと第2ガイド144との間の距離は、保持部材124と第2ガイド144との間の距離よりも短い。
【0080】
図5(c)に示すように、基板保持部120が基板Wを保持した状態で水平方向(X方向)に移動する。これにより、基板Wは、第1ガイド142および第2ガイド144のうちの一方と接触する。ここでは、基板保持部120が基板Wを保持した状態で+X方向に移動することにより、基板Wは、第1ガイド142と接触する。詳細には、基板Wの第1側部Wpが第1ガイド142と接触する。この場合、基板Wの中心Wcから鉛直下方に延びる鉛直線Wvは、第1ガイド142と第2ガイド144との間の中間を結ぶ中間線よりも+X方向側に位置する。
【0081】
図5(d)に示すように、基板保持部120が基板Wを保持した状態で下降方向に移動すると、基板Wは、第1ガイド142を中心に回転し、基板Wは第2ガイド144と接触する。詳細には、基板Wの第2側部Wqが第2ガイド144と接触する。この場合、基板Wは、時計回りに回転する。これにより、先に基板Wの最も上方に位置した部分Wtは、基板Wの最も上方に位置から時計回り方向に移動する。
【0082】
本実施形態によれば、第1ガイド142および第2ガイド144を利用して基板保持部120は基板Wを所定の角度回転できる。典型的には、基板Wは、3°以上30°以下の範囲で回転する。
【0083】
基板Wを均一に処理するためには、基板Wは、処理槽110の処理液内において、360°回転することが好ましい。また、基板Wを処理液で処理する期間中に、基板Wを定期的に回転させることが好ましい。
【0084】
なお、上述した説明では、基板Wは、基板保持部120によって起立姿勢に保持されたが、本実施形態はこれに限定されない。基板Wは、第1ガイド142および第2ガイド144によって起立姿勢に保持されてもよい。この場合、基板保持部120が基板Wを保持しなくても、第1ガイド142および第2ガイド144は、基板Wを起立姿勢で支持できる。
【0085】
次に、図6を参照して、本実施形態の基板処理方法を説明する。図6(a)~図6(d)は、本実施形態の基板処理方法の模式図である。なお、図6(a)~図6(c)は、図4(a)~図4(c)と同様であり、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0086】
図6(a)に示すように、基板保持部120は、処理槽110の上方において、基板Wを保持する。基板保持部120は、基板Wを保持した状態で下降する。
【0087】
図6(b)に示すように、基板保持部120が基板Wを保持した状態で下降すると、基板保持部120に保持された基板Wは、処理槽110の処理液に浸漬する。
【0088】
図6(c)に示すように、基板保持部120が基板Wを保持した状態でさらに下降すると、基板Wは、第1ガイド142および第2ガイド144と接触する。ここでは、基板Wは、基板保持部120に保持されるとともに第1ガイド142および第2ガイド144に支持される。
【0089】
図6(d)に示すように、基板保持部120は、基板Wを保持することなくさらに下降してもよい。この場合、基板Wは、第1ガイド142および第2ガイド144に保持される。なお、基板Wが処理槽110内の処理液に浸漬している間に、処理液供給管134から基板Wに処理液を供給してもよい。この場合、基板Wは、第1ガイド142および第2ガイド144に保持され、基板保持部120が基板Wから離れることが好ましい。これにより、処理液供給管134から基板Wに処理液を供給して基板Wを処理する際に、基板Wに対して基板保持部120が影響することを抑制できる。
【0090】
次に、図1図7を参照して、本実施形態の基板処理方法を説明する。図7(a)~図7(f)は、本実施形態の基板処理方法を説明するための模式図である。
【0091】
図7(a)に示すように、基板保持部120は、基板Wから離れて位置する。ここでは、基板保持部120は、基板Wの下方に位置する。基板Wは、第1ガイド142および第2ガイド144に支持される。第1ガイド142は、基板Wの第1側部Wpを支持し、第2ガイド144は、基板Wの第2側部Wqを支持する。これにより、基板Wは、第1ガイド142および第2ガイド144に保持される。なお、図7(a)において、この時点で基板Wの最も高い部分を部分Wtと示す。
【0092】
図7(b)に示すように、基板保持部120は上昇して基板Wと接触する。これにより、基板Wは、基板保持部120とともに第1ガイド142および第2ガイド144に支持される。保持部材124の突起部124aは、基板Wの中心Wcの鉛直下方を支持する。また、保持部材124の突起部124bは、基板Wの第1側部Wpを支持し、保持部材124の突起部124cは、基板Wの第2側部Wqを支持する。
【0093】
図7(c)に示すように、基板保持部120が基板Wを保持した状態で上昇すると、基板Wは、第1ガイド142および第2ガイド144から離れる。なお、基板Wの下端は、第1ガイド142および第2ガイド144の下端よりも下方に位置する。ここでは、基板Wと第1ガイド142との間の距離は、保持部材124と第1ガイド142との間の距離よりも短い。同様に、基板Wと第2ガイド144との間の距離は、保持部材124と第2ガイド144との間の距離よりも短い。
【0094】
図7(d)に示すように、基板保持部120が基板Wを保持した状態で水平方向(X方向)に移動する。これにより、基板Wは、第1ガイド142および第2ガイド144のうちの一方と接触する。ここでは、基板保持部120が基板Wを保持した状態で+X方向に移動することにより、基板Wは、第1ガイド142と接触する。
【0095】
図7(e)に示すように、基板保持部120が基板Wを保持した状態で下降方向に移動する。この場合、基板Wは、第1ガイド142を中心に回転し、基板Wは第2ガイド144と接触する。このとき、基板Wは、時計回りに回転する。これにより、前に基板Wの最も上方に位置した部分Wtは時計回り方向に移動する。
【0096】
図7(f)に示すように、基板保持部120は、下降して基板Wから離れる。ここでは、基板保持部120は、基板Wの下方に位置する。基板Wは、第1ガイド142および第2ガイド144に保持される。
【0097】
本実施形態によれば、第1ガイド142および第2ガイド144を利用して基板保持部120は基板Wを所定の角度回転できる。典型的には、これにより、3°以上30°以下の範囲で基板Wを回転できる。
【0098】
なお、基板Wを均一に処理するためには、基板Wは、360°回転することが好ましい。また、基板Wを処理液で処理する期間中に、基板Wを定期的に回転させることが好ましい。
【0099】
なお、図1に示した基板処理装置100では、第1ガイド142および第2ガイド144は、内槽112のY方向に対向する2つの側面に支持されたが、本実施形態はこれに限定されない。第1ガイド142および第2ガイド144は、内槽112のX方向に対向する2つの側面に支持されてもよい。
【0100】
また、図1に示した基板処理装置100では、第1ガイド142および第2ガイド144は、処理槽110においてY方向に延びていたが、本実施形態はこれに限定されない。第1ガイド142および第2ガイド144は、処理槽110においてY方向に分割して配置されてもよい。
【0101】
次に、図1図8を参照して本実施形態の基板処理装置100を説明する。図8は、本実施形態の基板処理装置100の模式的な斜視図である。
【0102】
図8に示すように、第1ガイド142および第2ガイド144は、内槽112のX方向に対向する2つの側面に支持される。詳細には、第1ガイド142は、内槽112の+X方向側に位置する側面112aに位置しており、側面112aに支持される。第2ガイド144は、内槽112の-X方向側に位置する側面112bに位置しており、側面112bに支持される。
【0103】
第1ガイド142は、複数の支持部142pを有する。複数の支持部142pは、側面112aにおいてY方向に並んで配置される。複数の支持部142pは、側面112aから側面112bに向かって突起する。複数の支持部142pには、基板Wを支持するための溝が設けられる。複数の支持部142pのそれぞれは基板Wを支持する。
【0104】
同様に、第2ガイド144は、複数の支持部144pを有する。複数の支持部144pは、側面112bにおいてY方向に並んで配置される。複数の支持部144pは、側面112bから側面112aに向かって突起する。複数の支持部144pには、基板Wを支持するための溝が設けられる。複数の支持部144pのそれぞれは基板Wを支持する。
【0105】
なお、図8に示した基板処理装置100では、Y方向に分離された第1ガイド142および第2ガイド144が内槽112の側面112aおよび側面112bにそれぞれ設けられていたが、本実施形態はこれに限定されない。Y方向に延びる第1ガイド142および第2ガイド144が内槽112の側面112aおよび側面112bに設けられてもよい。
【0106】
次に、図1図9を参照して本実施形態の基板処理装置100を説明する。図9(a)~図9(c)は、本実施形態の基板処理装置100の模式図である。
【0107】
図9(a)に示すように、基板保持部120は、基板Wを保持する。詳細には、保持部材124は、基板Wの下方を支持する。保持部材124において、突起部124aは、基板Wの中心Wcの鉛直下方を支持する。突起部124bは、基板Wの第1側部Wpを支持する。突起部124cは、基板Wの第2側部Wqを支持する。
【0108】
基板保持部120は、基板Wを起立した状態で保持する。基板保持部120が、処理槽110まで下降すると、複数の基板Wは、処理槽110内の処理液に浸漬する。第1ガイド142および第2ガイド144は、基板保持部120とともに、基板Wを起立した状態で支持する。第1ガイド142は、基板Wの第1側部Wpを支持する。第2ガイド144は、基板Wの第2側部Wqを支持する。
【0109】
図9(a)および図9(b)に示すように、第1ガイド142および第2ガイド144は、内槽112のX方向に対向する2つの側面に支持される。詳細には、第1ガイド142は、内槽112の+X方向側に位置する側面112aに位置しており、側面112aに取り付けられる。第2ガイド144は、内槽112の-X方向側に位置する側面112bに位置しており、側面112bに取り付けられる。
【0110】
図9(b)に示すように、第1ガイド142には、-X方向側の端部に溝142vが設けられる。第1ガイド142において複数の溝142vがY方向に配列される。基板Wの第1側部Wpは、第1ガイド142の溝142vに配置される。なお、第2ガイド144にも、第1ガイド142と同様に複数の溝が設けられており、基板Wの第2側部Wqは、第2ガイド144の溝に配置される。
【0111】
図9(c)に示すように、保持部材124の突起部124bには、+Z方向側の端部に溝124vが設けられる。突起部124bにおいて複数の溝124vがY方向に配列される。基板Wの第1側部Wpは、突起部124bの溝124vに配置される。なお、突起部124cにも、突起部124bと同様に複数の溝が設けられており、基板Wの第2側部Wqは、突起部124cの溝に配置される。
【0112】
なお、図1図9を参照して上述した説明では、第1ガイド142および第2ガイド144が処理槽110において固定される一方で、基板保持部120が第1ガイド142および第2ガイド144に対して水平方向に移動したが、本実施形態はこれに限定されない。基板保持部120が水平方向に移動することなく、第1ガイド142および第2ガイド144が基板保持部120に対して水平方向に移動してもよい。この場合、第1ガイド142および第2ガイド144は、所定の間隔を維持した状態で水平方向に移動することが好ましい。
【0113】
例えば、第1ガイド142および第2ガイド144が基板Wを保持した状態で水平方向に移動する際に、基板保持部120は、基板Wの下方から上方に移動してもよい。これにより、基板保持部120に保持される基板Wを回転させることができる。
【0114】
次に、図1図10を参照して、本実施形態の基板処理方法を説明する。図10(a)~図10(f)は、本実施形態の基板処理方法を説明するための模式図である。
【0115】
図10(a)に示すように、基板保持部120が、処理槽110内に位置しており、複数の基板Wは、処理槽110内の処理液に浸漬する。第1ガイド142および第2ガイド144は、基板保持部120とともに、基板Wを起立した状態で支持する。第1ガイド142は、基板Wの第1側部Wpを支持する。第2ガイド144は、基板Wの第2側部Wqを支持する。図10(a)において、この時点で基板Wの最も高い部分を部分Wtと示す。
【0116】
なお、処理液供給管134は、処理槽110に処理液を供給してもよい。これにより、基板Wの処理を促進できる。
【0117】
図10(b)に示すように、基板保持部120は、基板Wから下降する。これにより、基板保持部120は、基板Wから離れて位置する。ここでは、基板Wは、第1ガイド142および第2ガイド144に保持され、基板保持部120は、基板Wの下方に位置する。なお、基板保持部120が基板Wから下降する距離は、保持部材124における突起部124b、124cの長さと突起部124aの長さとの差よりも小さい。
【0118】
図10(c)に示すように、第1ガイド142および第2ガイド144が基板Wを保持した状態で水平方向(X方向)に移動すると、基板Wは、保持部材124に近づいて保持部材124と接触する。詳細には、基板Wは、保持部材124の突起部124bまたは124cと接触する。ここでは、第1ガイド142および第2ガイド144が基板Wを保持した状態で+X方向に移動することにより、基板Wの第1側部Wpは、保持部材124の突起部124bと接触する。このとき、基板Wの中心Wcから鉛直方向に延びる鉛直線Wvは、保持部材124の突起部124bと突起部124aとの間に位置する。
【0119】
図10(d)に示すように、基板保持部120が上方に移動して基板Wとさらに接触する。基板保持部120が基板Wを接触した状態で上昇すると、基板Wは、保持部材124の突起部124bを中心に回転し、保持部材124の突起部124bだけでなく突起部124aと接触する。ここでは、基板Wは、時計回りに回転し、前に基板Wの最も上方に位置した部分Wtは時計回り方向に移動する。このとき、基板Wは、第1ガイド142および第2ガイド144のうち少なくとも第1ガイド142から離れる。
【0120】
ここでは、保持部材124の突起部124cは、基板Wから離れたままであり、基板Wは、第2ガイド144に支持される。この場合、基板Wは、保持部材124の突起部124a、突起部124bおよび第2ガイド144に支持される。なお、基板Wは、第1ガイド142だけでなく第2ガイド144からも離れ、保持部材124の突起部124a、突起部124bおよび突起部124bcに支持されてもよい。
【0121】
図10(e)に示すように、第1ガイド142および第2ガイド144は、基板Wが離れた後、水平方向(X方向)に移動する。ここでは、第1ガイド142および第2ガイド144は、一定の距離を維持した状態で-X方向に移動する。
【0122】
この場合、基板Wは、保持部材124の突起部124aおよび突起部124bに支持されたまま回転し、保持部材124の突起部124cと接触する。これにより、基板Wは、回転して、保持部材124の突起部124a~突起部124cに支持される。ここでは、基板Wは、時計回りに回転し、前に基板Wの最も上方に位置した部分Wtは時計回り方向に移動する。
【0123】
図10(f)に示すように、基板保持部120が基板Wを保持したまま下降すると、第1ガイド142および第2ガイド144は、基板保持部120とともに、基板Wを起立した状態で支持する。第1ガイド142は、基板Wの第1側部Wpを支持する。第2ガイド144は、基板Wの第2側部Wqを支持する。その後、基板保持部120は、基板Wから離れ、基板Wは、第1ガイド142および第2ガイド144に保持されてもよい。
【0124】
本実施形態によれば、第1ガイド142および第2ガイド144が、基板保持部120に保持されない基板Wを保持して、+X方向に移動することにより、基板Wは、保持部材124の突起部124bと接触し、その後、第1ガイド142および第2ガイド144が水平方向に移動するとともに保持部材124が上昇することにより、基板Wは、時計回りに回して保持部材124に保持される。
【0125】
このように、第1ガイド142および第2ガイド144を利用して基板保持部120は基板Wを所定の角度回転できる。典型的には、これにより、3°以上30°以下の範囲で基板Wを回転できる。
【0126】
なお、基板Wを均一に処理するためには、基板Wは、360°回転することが好ましい。また、基板Wを処理液で処理する期間中に、基板Wを定期的に回転させることが好ましい。
【0127】
なお、図1図2図4図10に示した基板処理装置100では、保持部材124の突起部124a~124cは、基体124sを介して接続していたが、本実施形態はこれに限定されない。保持部材124の突起部124a~124cは、基体124sを介して接続されなくてもよい。例えば、突起部124a~124cは、互いに離れた棒状であってもよい。
【0128】
また、図1図2図4図10に示した基板処理装置100では、保持部材124は、基板Wを3か所で支持したが、本実施形態かこれに限定されない。保持部材124は、2か所または4か所で基板Wを支持してもよい。ただし、保持部材124は、基板Wの鉛直線Wvに対して対称に基板Wを支持することが好ましい。あるいは、保持部材124は、1つの突起部で基板Wを支持してもよい。ただし、この場合、突起部のX方向の長さは比較的長いことが好ましい。
【0129】
また、図1図10を参照して上述した説明では、基板Wは、1つの処理槽110内で回転されたが、本実施形態はこれに限定されない。基板Wは、2以上の処理槽110内で回転されてもよい。
【0130】
次に、図11を参照して、本実施形態の基板処理装置100を備えた基板処理システム10を説明する。図11は、本実施形態の基板処理装置100を備えた基板処理システム10の模式図である。図11に示した基板処理システム10は、複数の基板処理装置100を備える。
【0131】
図11に示すように、基板処理システム10は、投入部20と、複数の収納部30と、受け渡し機構40と、払出部50と、バッファユニットBUと、搬送装置CTCと、搬送装置WTRと、2つの乾燥装置60と、複数の基板処理装置100と、制御装置180とを備える。
【0132】
複数の基板処理装置100は、基板処理装置100Aと、基板処理装置100Bと、基板処理装置100Cとを備える。2つの乾燥装置60、基板処理装置100A、基板処理装置100Bおよび基板処理装置100Cは、一方向に並んで配置される。例えば、乾燥装置60、基板処理装置100A、基板処理装置100Bおよび基板処理装置100Cは、搬送装置CTCの搬送経路に隣接して、搬送装置CTCの搬送経路の近くから、2つの乾燥装置60、基板処理装置100A、基板処理装置100Bおよび基板処理装置100Cの順番に配置される。
【0133】
ここでは、基板処理装置100A~基板処理装置100Cは、それぞれ、薬液を貯留した処理槽およびリンス液を貯留する処理槽を有する。なお、基板処理装置100A~基板処理装置100Cのそれぞれには、異なる処理の行われた基板Wが投入されてもよい。
【0134】
基板処理装置100A~100Cのそれぞれは、薬液を貯留する第1処理槽110Aと、リンス液を貯留する第2処理槽110Bと、基板保持部120とを含む。ここでは、基板処理装置100A~100Cのそれぞれに含まれる基板保持部120を基板保持部120A~120Cと示すことがある。
【0135】
基板処理装置100で処理される基板Wは、投入部20から搬入される。投入部20は、複数の載置台22を含む。基板処理装置100で処理された基板Wは、払出部50から搬出される。払出部50は、複数の載置台52を含む。
【0136】
投入部20には、基板Wを収容した収納部30が載置される。投入部20に載置される収納部30は、基板処理装置100による処理が行われていない基板Wを収納する。ここでは、2つの収納部30は、それぞれ、2つの載置台22に載置される。
【0137】
複数の収納部30の各々は、複数の基板Wを収容する。各基板Wは、水平姿勢で収納部30に収容される。収納部30は、例えば、FOUP(Front Opening Unified Pod)である。
【0138】
払出部50に載置される収納部30は、基板処理装置100によって処理された基板Wを収納する。払出部50は、複数の載置台52を含む。2つの収納部30は、それぞれ、2つの載置台52に載置される。払出部50は、処理済みの基板Wを収納部30に収納して収納部30ごと払い出す。
【0139】
バッファユニットBUは、投入部20および払出部50に隣接して配置される。バッファユニットBUは、投入部20に載置された収納部30を基板Wごと内部に取り込むとともに、棚(不図示)に収納部30を載置する。また、バッファユニットBUは、処理済みの基板Wを受け取って収納部30に収納するとともに、棚に収納部30を載置する。バッファユニットBU内には、受け渡し機構40が配置されている。
【0140】
受け渡し機構40は、投入部20および払出部50と棚との間で収納部30を受け渡す。また、受け渡し機構40は、搬送装置CTCに対して基板Wのみの受け渡しを行う。つまり、受け渡し機構40は、搬送装置CTCに対して基板Wのロットの受け渡しを行う。
【0141】
搬送装置CTCは、受け渡し機構40から未処理の複数の基板Wのロットを受け取った後、複数の基板Wの姿勢を水平姿勢から垂直姿勢に変更して、複数の基板Wを搬送装置WTRに渡す。また、搬送装置CTCは、搬送装置WTRから処理済みの複数の基板Wのロットを受け取った後、複数の基板Wの姿勢を垂直姿勢から水平姿勢へと変更して、基板Wのロットを受け渡し機構40に渡す。
【0142】
搬送装置WTRは、基板処理システム10の長手方向に沿って、乾燥装置60から基板処理装置100Cまで移動可能である。搬送装置WTRは、乾燥装置60、基板処理装置100A、基板処理装置100Bおよび基板処理装置100Cに基板Wのロットを搬入および搬出できる。
【0143】
制御装置180は、基板処理システム10の各種動作を制御する。詳細には、制御装置180は、受け渡し機構40、搬送装置CTC、搬送装置WTR、乾燥装置60、および、基板処理装置100を制御する。
【0144】
制御装置180は、制御部182および記憶部184を含む。制御部182は、プロセッサーを有する。制御部182は、例えば、中央処理演算機を有する。または、制御部182は、汎用演算機を有してもよい。
【0145】
記憶部184は、データおよびコンピュータプログラムを記憶する。データは、レシピデータを含む。レシピデータは、複数のレシピを示す情報を含む。複数のレシピの各々は、基板Wの処理内容および処理手順を規定する。
【0146】
記憶部184は、主記憶装置と、補助記憶装置とを含む。主記憶装置は、例えば、半導体メモリである。補助記憶装置は、例えば、半導体メモリおよび/またはハードディスクドライブである。記憶部184はリムーバブルメディアを含んでいてもよい。記憶部184は、非一時的コンピュータ読取可能記憶媒体の一例に相当する。
【0147】
記憶部184には、予め手順の定められたコンピュータプログラムが記憶されている。基板処理装置100は、コンピュータプログラムに定められた手順に従って動作する。制御部182は、記憶部184の記憶しているコンピュータプログラムを実行して、基板処理動作を実行する。制御部182のプロセッサーは、記憶部184に記憶されたコンピュータプログラムを実行することで、受け渡し機構40、搬送装置CTC、搬送装置WTR、乾燥装置60、および、基板処理装置100を制御する。
【0148】
なお、図11には図示しないが、基板処理装置100A~100Cのそれぞれの第1処理槽110Aおよび第2処理槽110Bのそれぞれに、第1ガイド142および第2ガイド144が設けられる。これにより、基板保持部120A~120Cは、図1図9を参照して上述したように、第1処理槽110Aおよび第2処理槽110Bのそれぞれにおいて第1ガイド142および第2ガイド144を利用して基板Wを回転できる。
【0149】
次に、図12を参照して、本実施形態の基板処理システム10を説明する。図12は、本実施形態の基板処理装置100を備えた基板処理システム10の模式図である。
【0150】
図12に示すように、基板処理システム10は、搬送装置WTRと、乾燥装置60と、複数の基板処理装置100とを備える。ここでは、基板処理装置100は、基板処理装置100A~100Cを含む。基板処理装置100A~100Cのそれぞれは、薬液を貯留する第1処理槽110Aと、リンス液を貯留する第2処理槽110Bと、基板保持部120とを含む。
【0151】
搬送装置WTRは、基板Wを保持して搬送する。搬送装置WTRは、ガイドレールにしたがって水平方向に移動できる。また、搬送装置WTRは、上下方向に移動できる。
【0152】
例えば、搬送装置WTRは、基板Wを保持して下降することにより、乾燥装置60内の処理槽62の処理液に基板Wを浸漬する。また、搬送装置WTRは、基板Wを保持した状態で乾燥装置60内の処理槽62の処理液内から上昇することにより、乾燥装置60内の処理槽62の処理液に浸漬した基板Wを処理液から引き上げできる。
【0153】
搬送装置WTRは、基板保持部120に対して基板Wを搬送する。典型的には、搬送装置WTRは、搬送装置CTC(図11)から基板Wを受け取り、受け取った基板Wを基板保持部120に搬送する。その後、基板保持部120は、第1処理槽110Aの薬液、および/または第2処理槽110Bのリンス液に基板Wを浸漬する。また、搬送装置WTRは、基板保持部120から基板Wを受け取り、受け取った基板Wを搬送装置CTC(図11)に搬送する。
【0154】
例えば、搬送装置WTRは、基板Wを保持して基板保持部120Aの上方まで水平方向に移動する。この場合、基板保持部120Aは、上昇することにより、搬送装置WTRによって保持された基板Wを受け取りできる。
【0155】
詳細には、搬送装置WTRは、基板Wを保持して水平方向に移動して、基板保持部120Aの上方で停止する。この場合、基板保持部120Aは、搬送装置WTRに保持された基板Wを受け取るまで上昇する。これにより、基板保持部120Aは、搬送装置WTRに基板Wを保持された基板Wを受け取りできる。
【0156】
基板保持部120Aは、基板Wを保持した状態で第1処理槽110Aの上方と第2処理槽110Bの上方との間を移動できる。基板保持部120Aは、基板Wを保持した状態で第1処理槽110Aの上方から下降することにより、第1処理槽110Aの薬液に基板Wを浸漬できる。また、基板保持部120Aは、基板Wを保持した状態で第1処理槽110Aの薬液内から上昇することにより、第1処理槽110Aの薬液に浸漬した基板Wを薬液から引き上げできる。
【0157】
同様に、基板保持部120Aは、基板Wを保持した状態で第2処理槽110Bの上方から下降することにより、第2処理槽110Bのリンス液に基板Wを浸漬できる。また、基板保持部120Aは、基板Wを保持した状態で第2処理槽110Bのリンス液内から上昇することにより、第2処理槽110Bのリンス液に浸漬した基板Wをリンス液から引き上げできる。なお、第2処理槽110Bは、基板Wをリンス処理するリンス液を貯留した後で、リンス液を排出し、他の薬液を貯留してもよい。また、搬送装置WTRは、基板保持部120Aと同様に、基板保持部120Bおよび基板保持部120Cに対して基板Wを搬送できる。
【0158】
なお、図11および図12を参照した説明では、基板処理システム10は、複数の基板処理装置100とともに搬送装置WTRを備えたが、本実施形態はこれに限定されない。基板処理装置100が、基板Wを搬送する搬送装置として搬送装置WTRを備えてもよい。
【0159】
また、図1図12を参照した上述の説明では、基板Wの第1側部Wpおよび第2側部Wqは、処理槽110内に配置されたガイド140に支持され、基板保持部120は、ガイド140を用いて基板Wを回転させたが、本実施形態はこれに限定されない。基板Wの第1側部Wpおよび第2側部Wqは、処理槽110の外の部材に支持され、基板保持部120は、処理槽110の外の部材を用いて基板Wを回転させてもよい。例えば、基板Wの第1側部Wpおよび第2側部Wqは、搬送装置WTRに支持され、基板保持部120は、搬送装置WTRを用いて基板Wを回転させてもよい。
【0160】
次に、図13を参照して、本実施形態の基板処理装置100における搬送装置WTRを説明する。図13(a)~図13(c)は、本実施形態の基板処理装置100における搬送装置WTRの模式図である。搬送装置WTRは、複数の基板Wを保持して搬送する。例えば、搬送装置WTRは、ガイドレールに沿って水平方向に移動できる。
【0161】
図13(a)に示すように、搬送装置WTRは、ハンドリング部150と、ヘッド156とを備える。ハンドリング部150は、ヘッド156に取り付けられる。ハンドリング部150は、ヘッド156から鉛直下方に延びる。
【0162】
ハンドリング部150は、第1ハンドリング部152と、第2ハンドリング部154とを有する。ここでは、第1ハンドリング部152は、第2ハンドリング部154とは別部材として配置される。第1ハンドリング部152と、第2ハンドリング部154とにより、基板Wを保持できる。
【0163】
第1ハンドリング部152は、ヘッド156に対して一方側(+X方向側)に位置し、第2ハンドリング部154は、ヘッド156に対して他方側(-X方向側)に位置する。
【0164】
第1ハンドリング部152および第2ハンドリング部154は、ヘッド156から上下方向に延びる。第1ハンドリング部152は、ヘッド156に対して回転軸156aを中心に回転可能である。第2ハンドリング部154は、ヘッド156に対して回転軸156bを中心に回転可能である。
【0165】
第1ハンドリング部152には、第2ハンドリング部154と対向する面に、一定の間隔で複数のガイド溝が設けられる。ガイド溝は、第1ハンドリング部152の長手方向に延びる。ガイド溝の幅は、基板Wの厚さとほぼ等しいか、基板Wの厚さよりも若干大きい。同様に、第2ハンドリング部154には、第1ハンドリング部152と対向する面に、一定の間隔で複数のガイド溝が設けられる。ガイド溝は、第2ハンドリング部154の長手方向に延びる。ガイド溝の幅は、基板Wの厚さとほぼ等しいか、基板Wの厚さよりも若干大きい。
【0166】
図13(b)に示すように、第1ハンドリング部152は、ヘッド156に対して回転軸156aを中心に回転する。また、第2ハンドリング部154は、ヘッド156に対して回転軸156bを中心に回転する。
【0167】
図13(c)に示すように、ハンドリング部150は、基板Wを保持できる。回転軸156aと回転軸156bとの間の間隔は、基板Wの直径よりも大きい。このため、ヘッド156に対して第1ハンドリング部152および第2ハンドリング部154が垂直に延びる場合、第1ハンドリング部152と第2ハンドリング部154との間の基板Wを配置できる。
【0168】
第1ハンドリング部152がヘッド156に対して回転軸156aを中心に回転するとともに、第2ハンドリング部154がヘッド156に対して回転軸156bを中心に回転することより、第1ハンドリング部152が基板Wの中心Wcに対して一方側の第1側部Wpと接触し、第2ハンドリング部154が基板Wの中心Wcに対して他方側の第2側部Wqと接触する。第1ハンドリング部152は、複数の基板Wのそれぞれについて基板Wの第1側部Wpを支持する。第2ハンドリング部154は、複数の基板Wのそれぞれについて基板Wの第2側部Wqを支持する。
【0169】
このように、ハンドリング部150は、複数の基板Wのそれぞれについて基板Wの第1側部Wpおよび第2側部Wqをそれぞれ支持する。これにより、第1ハンドリング部152および第2ハンドリング部154が基板Wを支持できる。
【0170】
次に、図14を参照して、本実施形態の基板処理装置100における搬送装置WTRを説明する。図14(a)~図14(f)は、本実施形態の基板処理方法を説明するための模式図である。
【0171】
次に、図14を参照して、本実施形態の基板処理方法を説明する。図14(a)~図14(f)は、本実施形態の基板処理方法を説明するための模式図である。
【0172】
図14(a)に示すように、基板Wは、第1ハンドリング部152および第2ハンドリング部154に保持される。基板保持部120は、基板Wの下方に基板Wから離れて位置する。なお、図14(a)において、この時点で基板Wの最も高い部分を部分Wtと示す。
【0173】
図14(b)に示すように、基板保持部120が上昇して基板Wと接触する。この場合、基板Wは、第1ハンドリング部152、第2ハンドリング部154および基板保持部120に支持される。
【0174】
図14(c)に示すように、基板保持部120が基板Wを保持した状態で上昇すると、基板Wは、第1ハンドリング部152および第2ハンドリング部154から離れる。なお、基板Wの下端は、第1ハンドリング部152および第2ハンドリング部154の下端よりも下方に位置する。ここでは、基板Wと第1ハンドリング部152との間の距離は、保持部材124と第1ハンドリング部152との間の距離よりも短い。同様に、基板Wと第2ハンドリング部154との間の距離は、保持部材124と第2ハンドリング部154との間の距離よりも短い。
【0175】
図14(d)に示すように、基板保持部120が基板Wを保持した状態で水平方向(X方向)に移動する。これにより、基板Wは、第1ハンドリング部152および第2ハンドリング部154のうちの一方と接触する。ここでは、基板保持部120が基板Wを保持した状態で+X方向に移動することにより、基板Wは、第1ハンドリング部152と接触する。
【0176】
図14(e)に示すように、基板保持部120が基板Wを保持した状態で下降方向に移動する。この場合、基板Wは、第1ハンドリング部152を中心に回転し、基板Wは第2ハンドリング部154と接触する。このとき、基板Wは、時計回りに回転する。これにより、前に基板Wの最も上方に位置した部分Wtは時計回り方向に移動する。その後、基板保持部120は、回転した基板Wを保持して下降し、処理槽110の処理液に基板を浸漬してもよい。
【0177】
本実施形態によれば、第1ハンドリング部152および第2ハンドリング部154を利用して基板保持部120は基板Wを所定の角度回転できる。典型的には、これにより、3°以上30°以下の範囲で基板Wを回転できる。基板保持部120は、第1処理槽110Aの薬液および/または第2処理槽110Bのリンス液の回転した基板を浸漬できる。なお、基板保持部120は、ハンドリング部150を利用して基板Wをさらに回転させてもよい。
【0178】
例えば、図14(f)に示すように、基板保持部120は、下降して基板Wから離れる。ここでは、基板保持部120は、基板Wの下方に位置する。基板Wは、第1ハンドリング部152および第2ハンドリング部154に保持される。その後、再び、図14(a)~図14(e)の動作を繰り返すことにより、処理槽110の上方において基板Wを所定の角度回転させることができる。
【0179】
本実施形態によれば、基板保持部120は、ハンドリング部150を利用して基板Wを回転する。
【0180】
図13および図14を参照して説明したように、搬送装置WTRのハンドリング部150は、基板Wの第1側部Wpおよび第2側部Wqを支持し、基板保持部120は、ハンドリング部150を用いて基板Wを回転できる。
【0181】
なお、図14を参照した上述の説明では、第1ハンドリング部152および第2ハンドリング部154を固定したまま、基板保持部120が、鉛直方向および水平方向に移動して基板Wを回転させたが、本実施形態はこれに限定されない。基板保持部120は水平方向に移動することなく、第1ハンドリング部152および第2ハンドリング部154が水平方向に移動することによって基板Wを回転させてもよい。図10を参照した説明では、第1ガイド142および第2ガイド144が水平方向に移動することによって基板Wを回転させたが、図10を参照した説明と同様に、第1ハンドリング部152および第2ハンドリング部154、あるいは、搬送装置WTR全体が水平方向に移動することによって基板Wを回転させてもよい。
【0182】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0183】
本発明は、基板処理装置および基板処理方法に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0184】
10 基板処理システム
100 基板処理装置
110 処理槽
112 内槽
114 外槽
120 基板保持部
130 処理液供給部
140 ガイド
142 第1ガイド
144 第2ガイド
150 搬送装置
152 第1ハンドリング部
154 第2ハンドリング部
180 制御装置
182 制御部
184 記憶部
W 基板
図1
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