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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160668
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】オイルダンパ
(51)【国際特許分類】
   F16F 9/34 20060101AFI20231026BHJP
   F16F 9/20 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
F16F9/34
F16F9/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071183
(22)【出願日】2022-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】509338994
【氏名又は名称】株式会社IHIインフラシステム
(74)【代理人】
【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100192212
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 貴明
(74)【代理人】
【識別番号】100200001
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 明彦
(74)【代理人】
【識別番号】100203910
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 健弘
(72)【発明者】
【氏名】宇野 名右衛門
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 剛
【テーマコード(参考)】
3J069
【Fターム(参考)】
3J069AA55
3J069CC09
3J069CC13
3J069EE03
(57)【要約】
【課題】橋梁等に発生した振動を減衰させることができるオイルダンパを提供する。
【解決手段】
ダンパ100は、厚さ方向に貫通する貫通孔31が形成された仕切板20と、前記貫通孔31に挿入されるとともに、前記貫通孔31を一方側から他方側に向けて流入するオイルを封止する封止部材51と、前記封止部材51をオイルの流入方向とは逆向きに付勢する付勢部材54と、前記仕切板20において前記貫通孔31から連続して前記流入方向に直交する放射方向に形成されるとともに、前記放射方向に進むに従い深さが変化する複数の溝条32と、を有するオリフィス機構50を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ方向に貫通する貫通孔が形成された仕切板と、
前記貫通孔に挿入されるとともに、前記貫通孔を一方側から他方側に向けて流入するオイルを封止する封止部材と、
前記封止部材をオイルの流入方向とは逆向きに付勢する付勢部材と、
前記仕切板において前記貫通孔から連続して前記流入方向に直交する放射方向に形成されるとともに、前記放射方向に進むに従い深さが変化する複数の溝条と、
を有するオリフィス機構を備えることを特徴とするオイルダンパ。
【請求項2】
前記複数の溝条のそれぞれは、前記他方側から前記一方側に向かう深さが前記放射方向に進むに従い減少すること
を特徴とする請求項1に記載のオイルダンパ。
【請求項3】
前記複数の溝条のそれぞれは、複数の連通路により構成され、
前記複数の連通路のそれぞれは、深さの減少率が異なっていること
を特徴とする請求項1に記載のオイルダンパ。
【請求項4】
オイルが封入されたシリンダと、
前記シリンダを第1室と第2室に分割し、前記シリンダの軸線方向に移動自在に設けられる円板状のピストンと、
前記シリンダ内に挿入されるとともに前記ピストンに連結されるピストンロッドとを備え、
前記ピストンは前記仕切板であり、前記オリフィス機構が前記ピストンに設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のオイルダンパ。
【請求項5】
前記オリフィス機構は、前記第1室側から前記第2室側へ向かう第1の方向にオイルの移動を許容する複数の第1オリフィス機構と、前記第2室側から前記第1室側へ向かう第2の方向にオイルの移動を許容する複数の第2オリフィス機構を有し、
前記複数の第1オリフィス機構及び前記複数の第2オリフィス機構は、それぞれ前記ピストンの周方向において均等な位置に設けられていること
を特徴とする請求項4に記載のオイルダンパ。
【請求項6】
オイルが封入されたシリンダと、
前記シリンダを第1室と第2室に分割し、前記シリンダの軸線方向に移動自在に設けられる円板状のピストンと、
前記シリンダ内に挿入されるとともに前記ピストンに連結されるピストンロッドと、
前記シリンダの外側に設けられるとともに前記第1室と前記第2室とを繋ぐ連通管とを備え、
前記連通管には、前記オリフィス機構が設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のオイルダンパ。
【請求項7】
前記オリフィス機構は、前記第1室側から前記第2室側へ向かう第1の方向にオイルの移動を許容する複数の第1オリフィス機構と、前記第2室側から前記第1室側へ向かう第2の方向にオイルの移動を許容する複数の第2オリフィス機構を有すること
を特徴とする請求項6に記載のオイルダンパ。
【請求項8】
前記複数の第1オリフィス機構及び前記複数の第2オリフィス機構は、それぞれ前記仕切板の周方向において均等な位置に設けられていること
を特徴とする請求項7に記載のオイルダンパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オイルダンパに関し、特に橋梁等の構造物に採用されるダンパ等のオイルダンパに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地震発生時に橋梁等に発生する揺れを低減するために、橋脚間、橋桁と橋台間等の離間する部材間にダンパを配置することにより、エネルギーを吸収し部材間の相対変位を減少させる効果を得ることが行われている。ダンパは、オイル等の作動流体が封入されたシリンダと、このシリンダ内で移動可能なピストンと、シリンダーが基礎に固定され、ピストンと結合されたピストンロッドの一端は橋梁部材に結合されている。橋梁にダンパが配置された状態で地震が発生した場合、部材間に生じる相対変位を減少させることにより、地震に起因する相対変位を減少させる効果を得ることができる。
【0003】
設計に適用される地震の大きさは近年大きなものになってきている。地震の応答解析を行うと、自重の2倍にも及ぶ水平力を基礎構造が支える必要がある。水平方向の地震反力を小さくするため、ブランコのように吊るすような支持形式をとることもできるが、大地震では、地盤が1m以上も動くので、Expansion Joint等の橋と地盤との取り合いが難しくなる。このため、固有周期を長くして、固定反力を小さくし、しかも地盤との相対変位を小さくする工夫が求められる。この時使用されるのが、オイルダンパであり、オイルダンパは、速度に関係してその反力が決まるので、変位最大時に弾性固定された、支点反力と位相差があり、最大反力は、足し算とならないのが、オイルダンパの良いところである。
【0004】
特許文献1には、橋梁等の構造物に使用する制振用オイルダンパが開示されている。制振用オイルダンパは、内部に減衰流体としてのオイルを封入するシリンダと、シリンダ内に移動可能に設けられてシリンダ内を第1のシリンダ室と第2のシリンダ室とに区画するピストンと、ピストンに接続されたピストンロッド等から構成されている。ピストンには、これを貫通して第1のシリンダ室と第2のシリンダ室とを連通する減衰流路が穿設されている。例えば地震の振動がピストンロッドの一方側に加わったとすると、ピストンロッドに接続されたピストンを一方側に移動させようとする力が加わり、第1のシリンダ室内に収容されたオイルは圧縮される。第1のシリンダ室内の圧力が上昇すると、第1シリンダ室内のオイルはピストンに穿設された減衰流路を通り減衰力を発生しながら第2のシリンダ室へと移動しようとする。また、ピストンロッドに反対側への力が加わった場合には、上記とは反対の現象、即ち第2のシリンダ室内に収容されたオイルが圧縮され、第2シリンダ室内のオイルはピストンに穿設された減衰流路を通り第1のシリンダ室へと移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-346950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1のオイルダンパでは、ピストンの厚さ方向に貫通するオリフィスの開口面積は、流入方向の開始及び終了地点いずれもほぼ同じである。しかしながら、このような形状を有するオリフィスでは、振動の大きさが変化してピストンが動く速さが変化した場合には、ダンパが配置された部材間に発生する振動を十分に抑制できないという不都合があった。このような不都合を解消できないと、大規模な地震が今後も頻発する可能性が高い日本では、多くの車両が通行する橋梁等において十分な減衰効果が得られない場合、交通の被害が甚大となることも想定される。また、上記不都合に加え、特許文献1のオイルダンパでは、減衰力を付与するために絞り機構が設けられる等、機構が複雑であり、オイルダンパ自体の全長が長くなる傾向があった。シリンダ内のオイルは特殊なものが必要であった。さらに、地震の振動が大き過ぎるあるいは小さ過ぎる場合には、同一機構では対処できないという不都合もあった。
【0007】
そこで、上述の如き従来の実情に鑑み、橋梁等に発生した振動を減衰させることができるとともに、機構が単純であり、オイルに特殊なものを必要とせず、全長を短くすることができ、振動の大きいものから小さいものまで同一機構で対処できるオイルダンパを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係るオイルダンパは、厚さ方向に貫通する貫通孔が形成された仕切板と、前記貫通孔に挿入されるとともに、前記貫通孔を一方側から他方側に向けて流入するオイルを封止する封止部材と、前記封止部材をオイルの流入方向とは逆向きに付勢する付勢部材と、前記仕切板において前記貫通孔から連続して前記流入方向に直交する放射方向に形成されるとともに、前記放射方向に進むに従い深さが変化する複数の溝条と、を有するオリフィス機構を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係るオイルダンパにおいて、前記複数の溝条のそれぞれは、前記他方側から前記一方側に向かう深さが前記放射方向に進むに従い減少することとすることができる。
【0010】
また、本発明に係るオイルダンパにおいて前記複数の溝条のそれぞれは、複数の連通路により構成され、前記複数の連通路のそれぞれは、深さの減少率が異なっていることとすることができる。
【0011】
また、本発明に係るオイルダンパにおいてオイルが封入されたシリンダと、前記シリンダを第1室と第2室に分割し、前記シリンダの軸線方向に移動自在に設けられる円板状のピストンと、前記シリンダ内に挿入されるとともに前記ピストンに連結されるピストンロッドとを備え、前記ピストンは前記仕切板であり、前記オリフィス機構が前記ピストンに設けられていることとすることができる。
【0012】
また、本発明に係るオイルダンパにおいて前記オリフィス機構は、前記第1室側から前記第2室側へ向かう第1の方向にオイルの移動を許容する複数の第1オリフィス機構と、前記第2室側から前記第1室側へ向かう第2の方向にオイルの移動を許容する複数の第2オリフィス機構を有し、前記複数の第1オリフィス機構及び前記複数の第2オリフィス機構は、それぞれ前記ピストンの周方向において均等な位置に設けられていることとすることができる。
【0013】
また、本発明に係るオイルダンパにおいてオイルが封入されたシリンダと、前記シリンダを第1室と第2室に分割し、前記シリンダの軸線方向に移動自在に設けられる円板状のピストンと、前記シリンダ内に挿入されるとともに前記ピストンに連結されるピストンロッドと、前記シリンダの外側に設けられるとともに前記第1室と前記第2室とを繋ぐ連通管とを備え、前記連通管には、前記オリフィス機構が設けられることとすることができる。
【0014】
また、本発明に係るオイルダンパにおいて前記オリフィス機構は、前記第1室側から前記第2室側へ向かう第1の方向にオイルの移動を許容する複数の第1オリフィス機構と、前記第2室側から前記第1室側へ向かう第2の方向にオイルの移動を許容する複数の第2オリフィス機構を有することとすることができる。
【0015】
また、本発明に係るオイルダンパにおいて前記複数の第1オリフィス機構及び前記複数の第2オリフィス機構は、それぞれ前記仕切板の周方向において均等な位置に設けられていることとすることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、橋梁等に発生した振動を減衰させることができるとともに、機構が単純であり、オイルに特殊なものを必要とせず、全長を短くすることができ、振動の大きいものから小さいものまで同一機構で対処できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係るダンパの縦断面図であり、図1(b)は、ピストンを厚み方向から見た図である。
図2図2(a)は、ピストンの速度とシリンダ内の圧力との関係を示すグラフであり、図2(b)は、バネの変形量とオリフィスの深さとの関係を示すグラフである。
図3図3(a)は、オリフィス機構を説明するための図であり、図3(b)は、オリフィス機構が取り付けられた状態のピストンの図である。
図4図4(a)は、オリフィスを上方から見た部分拡大図であり、図4(b)は、図4(a)のA-A線断面図である。
図5図5(a)は、初期状態のオリフィス近傍の拡大図であり、図5(b)は、図5(a)のB-B線断面図である。
図6図6(a)は、第1の状態のオリフィス近傍の拡大図であり、図6(b)は、図6(a)のC-C線断面図である。
図7図7(a)は、第2の状態のオリフィス近傍の拡大図であり、図7(b)は、図7(a)のD-D線断面図である。
図8図8(a)は、第3の状態のオリフィス近傍の拡大図であり、図8(b)は、図8(a)のE-E線断面図である。
図9】第2の実施形態に係るダンパを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1の実施形態>
まず本発明の第1の実施形態に係るダンパについて説明する。なお、共通の構成要素については、共通の指示符号を図中に付して説明する。また、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であることは言うまでもない。
【0019】
図1(a)は、本発明の実施形態に係るダンパ(オイルダンパ)100の縦断面図であり、図1(b)は、ピストン20を厚み方向から見た図である。先ず、ダンパ100がオイルダンパである場合の基本的事項について説明する。図1(a)に示すように、ダンパ100は、シリンダ10と、ピストン20と、ピストン20に連結された棒状部材のピストンロッド25とを有して構成される。
【0020】
ここで、ピストン20に形成されるオリフィスの断面積(a)とシリンダ10内の圧力(p)との関係は、圧力とピストン20の速度(V)の関係式を簡略表現することにより得られる。
p=1/2・ρ・S/a・V
なお、
p:シリンダ内の圧力(MPa)
ρ:オイルの密度(kg/m
S:ピストンの断面積(m
a:オリフィスの断面積(m
V:ピストンの速さ(m/s)
である。
【0021】
また、pとVとの間には、以下の関係が成立する。
p∝V/a
オイルダンパの性能は、速度Vに対して、どのように発揮させるかが求められる。ここで圧力pが速度の1/n乗に比例させるとして、次式で表す。
p∝V(1/n)
これを、速度を左辺に持ってくると次式になる。
V∝p・・・式(1)
これを代入すれば次式が得られる。
p∝V/a∝p2n/a
これを書き換えれば、シリンダ10内の圧力とオリフィスの断面積の式が得られる。
∝p(2n-1)・・・式(2)
オリフィスの断面積aと速度との関係は次式になる。
a∝V(1-1/2n)
【0022】
ここで、例えば式(2)におけるpをバネ54による変形量ととらえればオリフィスの深さであり、aはオリフィスの断面積であるが、溝幅を単位幅とすれば、溝の長さ、深さとすることができる。また、ダンパ100の大きさを決める、P、p、aとの比を取れば、無次元化することができる。図2(a)は、式(1)に示されるように、シリンダ10内の圧力とピストン20の速度(V)との関係を示している。n=1の時、速度に直線的に比例して圧力が変化する。n=2の時、速度の2乗根に比例して圧力が変化する。nが大きくなるに従い、上に凸の放物線状になり、速度に対しダンパ100の圧力、力は速度に対し急激に大きくなることになる。図2(b)は、オリフィスの最大オリフィスの断面積(a)に対するオリフィスの断面積(a)の比率とバネ54の最大変形量(p)に対する変形量(p)の比率との関係を示し、具体的には式(2)に示される関係を有する。
【0023】
説明を図1に戻す。シリンダ10は、円筒状に形成され軸線X方向(長手方向)に延びるとともに内周面11bを有する筒状部材11と、筒状部材11の両側に位置する端部12により構成される。筒状部材11と端部12により形成された空間にはオイル110(作動油)が充填され、シリンダ10内における仕切板として機能するピストン20により2つの油室に分割されている。図1(a)において、説明の便宜上、第1油室101が紙面左側に位置し、第2油室102が紙面右側に位置するものとする。また、オイル110をドットのハッチングにて示す。図1(a)中の第1の方向及び第2の方向を示す矢印は、オイル110が移動する方向を示している。
【0024】
ピストン20は、シリンダ10内を往復移動する。具体的には、ピストン20の外周面21は、シリンダ10において筒状部材11の内周面11bと接した状態で軸線X方向に沿って移動自在に設けられている。ピストン20は、シリンダ10内を第1油室101と第2油室102とに区画し、第1油室101側に位置する一端面20aと、第2油室102側に位置する他端面20bとを有する。即ち、ピストン20の厚み方向(軸線X方向)における一方側の面は一端面20aとされ、他方側の面は他端面20bとされている。ピストン20には、シリンダ10内に挿入されるとともにピストン20に連結されるピストンロッド25が連結されている。
【0025】
図1(b)は、ピストン20を厚み方向から見た図である。図1(b)に示すように、ピストン20は略円板状に形成され、周方向において等間隔に4つの凹部22が形成されている。凹部22は正面視略正方形状に形成され、底面22aを有している。なお、凹部の位置及び個数は、特に限定されるものではない。底面22aの略中央部分には、シリンダ10内に充填されたオイル110の流路として機能するオリフィス30が形成されている。オリフィス30は、ピストン20に形成された正面視略十字形の孔である。オリフィス30は、第1オリフィス30aと第2オリフィス30bにより構成されている。
【0026】
図1(b)に示すように、凹部22には、シリンダ10の軸方向(軸線X方向)に沿って第1油室101側から第2油室102側へ向かう第1の方向に作動油の移動を許容する第1オリフィス30aと、前記第2室側から第1油室101側へ向かう第2の方向に作動油の移動を許容する第2オリフィス30bが形成されている。第1オリフィス30aと第2オリフィス30bは、ピストン20の周方向において均等な位置に形成されている。なお、第1オリフィス30aと第2オリフィス30bは基本的に同様の構成であるため、以下、第1オリフィス30aを代表して、あるいは単にオリフィス30として説明する。
【0027】
オリフィス30は、ピストン20の周方向の4ヶ所に均等に形成されている。具体的には、一対の第1オリフィス30aが軸線Xに関して対称な位置に形成され、一対の第2オリフィス30bが軸線Xに関して対称な位置に形成されている。これにより、シリンダ10に充填されている作動油に対して均等に圧力がかかるため、ピストン20をシリンダ10内で軸線X方向に対してほぼ直交した状態で移動させることができる。なお、オリフィス30の個数及び位置は特に限定されるものではない。例えば、一部又は全てのオリフィス30が底面22a以外の一端面20aあるいは他端面20bに形成されてもよい。ピストン20に作用する圧力を均等に分散させるために、オリフィス30はピストン20の周方向において均等な位置に形成されていることが望ましい。
【0028】
図3(a)は、オリフィス30を有するオリフィス機構50の模式図であり、図3(b)は、オリフィス機構50を含むピストン20の正面図である。図3(a)における上下方向は、図1(a)における軸線X方向と一致している。オリフィス機構50は、ピストン20においてオリフィス30を封止する位置に設けられ、オリフィス30を開放又は閉塞することにより第1油室101と第2油室102との間のオイル110の移動を調整する。オリフィス機構50は、仕切板として機能するピストン20と、オリフィス30に形成される複数の溝条32と、軸部51と、支持板52と、ボルト53と、バネ54とを有して構成されている。
【0029】
軸部51は、ピストン20を厚さ方向に貫通する貫通孔31に挿入されるとともに、貫通孔31を一方側から他方側に向けて流入するオイルを封止する封止部材である。軸部51は、例えば円柱状の部材である。軸部51は、オリフィス機構50の中央部分に位置し、オリフィス30の貫通孔31内に配置されて貫通孔31を封止する。軸部51は、オリフィス30の深さよりも長い寸法に形成されている。軸部51は、支持板52の略中央部分を貫通するように配置され、オリフィス30内に挿入されて流路を封止する。
【0030】
軸部51が貫通孔31内に誘導されて、オリフィス機構50は凹部22において所定の位置に位置決めされた状態となる。これにより、オリフィス機構50を、ピストン20における適正な位置に容易に位置決めすることができる。
【0031】
支持板52は、平面視略正方形状に形成された平板状の部材である。支持板52の略中央部分には、軸部51が配置されている。支持板52のオリフィス30側の面は、オリフィス30に対向する対向面52aとされている。支持板52は、対向面52aが底面22aに当接した状態で、オリフィス30を覆うように配置されている。
【0032】
ボルト53は、バネ54を支持板52に対して固定するために設けられている。一対のボルト53とバネ54は、支持板52の4隅に設けられている。バネ54は、例えば皿バネであるが、これに限定されるものではない。バネ54の付勢力により、対向面52aは底面22aに当接する。即ち、バネ54は貫通孔31において軸部51をオイルの流入方向とは逆向きに付勢する付勢部材である。なお、バネ54の付勢力を強化することで、ピストン20の厚みを薄くして、シリンダ10におけるピストン20の可動域を増加させることができる。オリフィス機構50に設けられるバネ54の個数は特に限定されない。
【0033】
バネ54の1個当たりの性能表を表1に示す。なお、表1のバネの性能は、ダンパ力が1000tであり、シリンダ油圧が500kg/cm(50MP)であり、最大移動速度1m/secとの前提によるものである。
【表1】
【0034】
オリフィス機構50は、ピストン20の一方側及び他方側にそれぞれ2か所ずつ設けられている。具体的には、一端面20a及び他端面20bにそれぞれ2個ずつ配置され、一端面20aに設けられるオリフィス機構50は第2油室102から第1油室101へのオイル110の流入を抑制し、他端面20bに設けられるオリフィス機構50は第1油室101から第2油室102へのオイル110の流入を抑制する。これは、第1油室101から第2油室102あるいはその逆方向のいずれの方向にも移動するオイル110の流れを防止するためである。一対のオリフィス機構50は、周方向において均等な位置に形成されている第1オリフィス30a及び第2オリフィス30bに設けられる。従って、ピストン20への均等な圧力を確保することができる。
【0035】
図4(a)は、オリフィス30を上方から見た図であり、図4(b)は図4(a)のA-A線断面図である。図4(a)に示すように、オリフィス30はピストン20において上面視略十字形に形成されている。オリフィス30は、流入方向における上流側に誘導部33を有するとともに、ピストン20を貫通する貫通孔31と、貫通孔31から連続して流入方向に直交する放射方向に形成される複数の溝条32を有する。貫通孔31は、オリフィス30の中央部分に位置している。貫通孔31は、ピストン20を上下方向に貫通するオイル110の流路であり、ピストン20の厚み方向に亘って均一の開口径を有するように形成されている。溝条32は、オイルの流入方向における下流側から上流側に向かう深さが放射方向に進むに従い減少するオイル110の流路である。溝条32は、スリット形状を有し、貫通孔31の周囲に略90度間隔で対称な位置に4箇所形成されている。なお溝条32の深さ方向は、ピストン20の厚み方向と一致する。
【0036】
各溝条32は、複数の連通路により構成されている。具体的には、各溝条32は、貫通孔31に近い側から第1連通路41、第2連通路42、第3連通路43をこの順に有している。第1連通路41、第2連通路42及び第3連通路43は、この順にピストン20の厚み方向に沿って連続的かつ一体的に形成されている。第1連通路41、第2連通路42及び第3連通路43の底面は、貫通孔31から遠ざかるに従い深さが減少するように形成されている。オリフィス30が有する溝条32の個数は、特に限定されるものではなく、4個以外の任意の数であってもよい。また、溝条32を構成する連通路の個数も特に限定されるものではなく、3個以外の任意の数であってもよい。
【0037】
第1連通路41は、貫通孔31に連続して形成され、貫通孔31から遠ざかるに従い深さが減少する。具体的には、第1連通路41は、流入方向の下流側に進むに従いオイル110の流入量が増加するように断面視直線状に傾斜するように形成されている。第1連通路41の傾斜角度は、特に限定されるものではない。
【0038】
第2連通路42は、第1連通路41に連続して形成され、流入方向の上流側に凸となるように形成されている。具体的には、第2連通路42は、流入方向の下流側に進むに従いオイル110の流入量が増加するように断面視凹状に形成されている。なお、第2連通路42の凹形状は、特に限定されるものではない。
【0039】
第3連通路43は、第2連通路42に連続して形成され、貫通孔31から遠ざかるに従い深さが減少する。具体的には、第3連通路43は、流入方向の下流側に進むに従いオイル110の流入量が増加するように断面視直線状に傾斜するように形成されている。第3連通路43の傾斜角度は、特に限定されるものではない。
【0040】
上記の通り、オリフィス30における溝条32は、深さが異なる第1連通路41、第2連通路42、第3連通路43が貫通孔31から連続的に形成され、この順に深さが減少する。従って、ダンパ100に生じる振動を段階的に減衰させることができる。また、第1連通路41、第2連通路42、第3連通路43は、深さの減少率がそれぞれ異なっていることが望ましい。従って、連通路毎に異なる圧力を生じさせることができる。更に、第1連通路41、第2連通路42、第3連通路43は、この順に深さの減少率が増加することが望ましい。オリフィス30は、貫通孔31から遠ざかるに従い深さの減少率が増加することにより、流入方向に進むに連れて増加するオイル110の圧力を減少させることができる。即ち、ダンパ100において多段階の減衰効果を得ることができる。
【0041】
一例として、表2に5種類のオリフィス30の特徴を示す。オイル110が通過するオリフィス30の断面積aは、一般的にピストン20の速度Vと抵抗力Pに依存する。
【表2】
【0042】
また、表3に断面視直線状に開口した第1連通路41又は第3連通路43におけるピストン20の速度Vと抵抗力Pの関係の一例を示す。
【表3】
【0043】
表4に、上流側に向かって断面視凸状に開口した第2連通路42におけるピストン20の速度Vと抵抗力Pの関係の一例を示す。
【表4】
【0044】
ピストン20に形成されるオリフィス30の数、形状、大きさ等は特に限定されない。例えば、オリフィス30が有する連通路の個数は、2個でも良いし、4個以上であってもよい。また、第1連通路41、第2連通路42、第3連通路43は、一部又は全てが断面視直線状に形成されていてもよく、湾曲するような形状(流入方向における上流側あるいは下流側に向かって凸状)となるように形成されていてもよい。
【0045】
上記構成を有するダンパ100は、例えば橋脚間、橋桁と橋台間等において水平方向に配設される。地震が発生していない状態、即ちダンパ100に振動が伝達されていない状態では、貫通孔31は軸部51により封止されている。地震発生時に振動が発生すると、振動はダンパ100のピストンロッド25を介してピストン20に伝達され、ピストン20がシリンダ10内を軸線X方向の一方側に移動する。これに伴い、シリンダ10内のオイル110が圧縮されて軸部51の貫通孔31に対する封止が解除され、オイル110が貫通孔31を介してシリンダ10内を移動する。オイル110の第1油室101と第2油室102との間の移動時において発生する抵抗(圧力)により、減衰力が発生し、振動を抑制することができる。なお、貫通孔31を通過するオイル110の流量は、貫通孔31は軸部51との相対的な位置により規定される流路面積に依存する。
【0046】
図5乃至図8により、振動発生に伴う減衰力発生のメカニズムを説明する。なお、図5はダンパ100に振動が生じていない状態(初期状態)における軸部51と貫通孔31の位置関係を示す図であり、図6は振動発生直後であって、軸部51の先端51aが第1連通路41中に位置する状態(第1の状態)を示す図であり、図7は振動発生後であって、軸部51の先端51aが第2連通路42中に位置する状態(第2の状態)を示す図であり、図8は振動発生後であって、軸部51の先端51aが第3連通路43中に位置する状態(第3の状態)を示す図である。
【0047】
図5(a)は、オリフィス30近傍の拡大図であり、図5(b)は図5(a)におけるB-B線断面図である。初期状態では、貫通孔31は軸部51によって封止されている。具体的には、軸部51が流入方向と反対側に付勢された状態で、第1連通路41が軸部51によって封止されている。初期状態では、オイル110が流入方向に移動しないため、軸部51が第1連通路41を隙間なく封止した状態が維持される。図中のドット部分は、オイル110が流入した領域を示している。なお、説明の都合上、流入方向における上流側が第1油室101であり、流入方向における下流側が第2油室102であるとする。
【0048】
橋梁等に地震等の振動が発生すると、橋梁を構成する部材に接続されているピストンロッド25を介して振動が伝達されたピストン20が矢印A方向に移動する。ピストン20の矢印A方向の移動に伴い、第1油室101に充填されたオイル110が圧縮され、圧縮されたオイル110はオリフィス30を介して流入方向の下流側、即ち第2油室102側に流入する。
【0049】
図6(a)は、軸部51が流入方向における下流側に移動し、軸部51の先端51aが第1連通路41中に位置した状態(第1の状態)のオリフィス30近傍の拡大図であり、図6(b)は図6(a)におけるC-C線断面図である。軸部51とオリフィス30との間には、流路P1が形成されている。流路P1の面積(流路面積)は、オリフィス30におけるオイル110の流入面積から軸部51の断面積を差し引いた値である。具体的には、軸部51の先端51aと第1連通路41との間に生じるオイル110が通過可能な流路の面積である。流路P1の面積は、軸部51による貫通孔31の封止が解除された後、軸部51の流入方向における下流側への移動に伴い増加する。図中のドット部分は、オイル110が流入した領域を示している。軸部51の先端51aが第1連通路41中を流入方向における下流側へ移動する場合、流路P1の面積は増加し続ける。
【0050】
更に時間経過とともにオイル110の圧力が増加すると、軸部51が流入方向における下流側に移動し、軸部51の先端51aは第2連通路42中に位置する。図7(a)は、軸部51が流入方向における下流側に移動し、軸部51の先端51aが第2連通路42中に位置した状態(第2の状態)のオリフィス30近傍の拡大図であり、図7(b)は図7(a)におけるD-D線断面図である。
【0051】
軸部51とオリフィス30との間には、流路P2が形成されている。流路P2の面積(流路面積)は、オリフィス30におけるオイル110の流入面積から軸部51の断面積を差し引いた値である。具体的には、軸部51の先端51aと第2連通路42との間に生じるオイル110が通過可能な流路の面積である。流路P1の面積は、軸部51による貫通孔31の封止が解除された後、軸部51の流入方向における下流側への移動に伴い増加する。軸部51の先端51aが第2連通路42中を流入方向における下流側へ移動する場合、流路P2の面積は増加し続ける。
【0052】
更に時間経過とともにオイル110の圧力が増加すると、軸部51が流入方向における下流側に移動し、軸部51の先端51aは第3連通路43中に位置する。図8(a)は、軸部51が流入方向における下流側に移動し、軸部51の先端51aが第3連通路43中に位置した状態(第3の状態)のオリフィス30近傍の拡大図であり、図8(b)は図8(a)におけるE-E線断面図である。
【0053】
軸部51とオリフィス30との間には、流路P3が形成されている。流路P3の面積(流路面積)は、オリフィス30におけるオイル110の流入面積から軸部51の断面積を差し引いた値である。具体的には、軸部51の先端51aと第3連通路43との間に生じるオイル110が通過可能な流路の面積である。流路P1の面積は、軸部51による貫通孔31の封止が解除された後、軸部51の流入方向における下流側への移動に伴い増加する。軸部51の先端51aが第3連通路43中を流入方向における下流側へ移動する場合、流路P3の面積は増加し続ける。
【0054】
軸部51の先端51aの断面積は一定であるが、流路P1、流路P2、流路P3の面積は、この順で増加する。そのため、軸部51と貫通孔31との間に形成された流路面積は、先端51aが第1連通路41、第2連通路42、第3連通路43へと進むに従い増加する。従って、オリフィス30を通過するオイル110の流量も、第1連通路41、第2連通路42、第3連通路43へと進むに従い増加する。なお、ピストン20における軸部51の先端51aの位置は、ダンパ100に生じる振動の規模あるいはオイル110の粘性に依存する。例えば、ダンパ100に生じる振動が小規模の場合には、軸部51の先端51aが第3連通路43あるいは第2連通路42のいずれにも到達しない場合がある。
【0055】
また、ダンパ100のサイズは、ダンパ100に生じる振動の規模とオイル110の粘性の少なくともいずれかに依存するものである。例えば、ダンパ100に生じた振動が同程度の場合であっても、シリンダ10に粘性の高いオイル110を充填すれば、粘性の低いオイル110に比べてピストン20の移動速度及び移動距離を減少させることができる。従って、ダンパ100の全体の長さを短くすることができる。また、このようなダンパ100は、従来のダンパと比較して機構が単純であり、地震の振動が大きいものから小さなものまで、同一機構で対処できる。また、オイル110として、特殊なものを必要としないという利点もある。
【0056】
このように、オリフィス30が深さの異なる複数の第1連通路41、第2連通路42、第3連通路43を有するため、各第1連通路41、第2連通路42、第3連通路43においてオイル110に生じる圧力が異なる。また、各第1連通路41、第2連通路42、第3連通路43は、貫通孔31から遠ざかるに従い深さが減少するようにしてもよい。これにより、各第1連通路41、第2連通路42、第3連通路43において生じる減衰力を変化させることができる。即ち、オリフィス30(溝)の底の形状を変えることにより、ダンパ100の性能を容易に設定することができる。従って、ダンパ100が配設された橋梁等に発生した振動を減衰させることができる。
【0057】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係るダンパ200について説明する。図9は、第2の実施形態に係るダンパ200を示す図である。第2の実施形態に係るダンパ200は、オリフィス30及びオリフィス機構50がシリンダ10の外側に設けられている点で第1の実施形態と異なっている。なお、第1の実施形態と同じ構成要素には同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0058】
シリンダ10の外部における一方側(図中上方側)には、第1油路81を介して開閉機構70が設けられている。開閉機構70は、作動油が封入された第1収容室71と、第2収容室72と、オリフィス機構50を有している。第1収容室71及び第2収容室72との間には、オリフィス機構50が有する仕切板73が設けられている。仕切板73は、略円板状に形成され、第1収容室71から第2収容室72側に向けて作動油の移動を許容する第1オリフィス30aと、第2収容室72から第1収容室71側に向けて作動油の移動を許容する第2オリフィス30bが形成されている。第1オリフィス30a及び第2オリフィス30bは、仕切板73の周方向において均等な位置に複数形成されており、オリフィス機構50は第1オリフィス30a及び第2オリフィス30bに設けられる。なお、第1オリフィス30a及び第2オリフィス30bは、仕切板73において1ヶ所のみ形成されてもよい。なお、シリンダ10の外部における他方側(図中下方側)には、第2油路82を介して同様の構成を有する開閉機構70が設けられている。
【0059】
ダンパ200に振動が発生し、第1油室101から第2油室102側へのオイル110の流れが生じると、オイル110は油路81を介して開閉機構70側に移動し、軸部51を第2収容室72から第1収容室71側へ移動させる。この結果、オリフィス30と軸部51との間に流路が形成され、オイル110がオリフィス30を通過する。これにより、ダンパ200において減衰力が生じる。
【0060】
また、ダンパ200に振動が発生し、第2油室102から第1油室101側へのオイル110の流れが生じると、オイル110は油路82を介して開閉機構70側に移動し、軸部51を第2収容室72から第1収容室71側へ移動させる。この結果、オリフィス30と軸部51との間に流路が形成され、オイル110がオリフィス30を通過する。これにより、ダンパ200において減衰力が生じる。
【0061】
第2の実施形態に係るダンパ200では、シリンダ10内にオリフィス機構50を設ける必要が無い。即ち、シリンダ10の寸法に関わらず、オリフィス機構50を大型化することができる。また、オリフィス30を有するピストン20がシリンダ10内に配置されている場合、異なる性能を有するオリフィス30に変更する場合にはピストン20自体を交換する必要があった。しかし、オリフィス30を有する開閉機構70がシリンダ10の外部に設けられている場合には、仕切板73を交換することにより容易に異なる性能を有するオリフィス30に変更することができる。即ち、ダンパ200を容易にメンテナンスすることができる。
【0062】
なお、上記のように本発明の一実施形態及び実施例について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
【0063】
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、オイルダンパの構成も本発明の一実施形態及び実施例で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0064】
10 シリンダ、20 ピストン、25 ピストンロッド、30 オリフィス、31 貫通孔、32 溝条、41、42、43 連通路、50 オリフィス機構、70 開閉機構、73 仕切板、81 第1油路、82 第2油路、101 第1油室、102 第2油室
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9