(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160694
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】掛け具
(51)【国際特許分類】
A47G 29/00 20060101AFI20231026BHJP
F16B 45/00 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
A47G29/00 C
F16B45/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022080521
(22)【出願日】2022-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】398030045
【氏名又は名称】有限会社アリエルトレーディング
(71)【出願人】
【識別番号】593096837
【氏名又は名称】新谷 聰
(72)【発明者】
【氏名】新谷 聰
(72)【発明者】
【氏名】松田 要
【テーマコード(参考)】
3J038
3K100
【Fターム(参考)】
3J038AA01
3J038BA13
3J038BB06
3J038BB10
3K100AA02
3K100AB10
3K100AE20
3K100AF01
3K100AF20
3K100AG03
3K100AG07
3K100AJ03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】シート基材で作成される掛け具であって、使用できるまでの作業工程が少なくて使用が簡単であって、更に壁やガラスや冷蔵庫などに密着しても掛け具として利用できる構造の掛け具を提供する。
【解決手段】上記課題を解決するための手段は、一枚のシート基材(1)からなる掛け具(A)であって、所定形状の切抜線でフック片(2)を形成し、前記フック片(2)の先端部(2a)と逆の方向に膨らむよう前記フック片(2)の末端部(2b)に略弧状折り線(4)を設けて、前記略弧状折り線(4)を介してシート基材(1)に連接された前記フック片(2)を、前記シート基材(1)に一つ以上設けている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一枚のシート基材(1)からなる掛け具(A)であって、
所定形状の切抜線(3)によりフック片(2)を形成し、
前記フック片(2)の先端部(2a)と逆の方向に膨らませた略弧状折り線(4)を前記フック片(2)の末端部(2b)に設けて、
前記略弧状折り線(4)を介してシート基材(1)に連接された前記フック片(2)を、前記シート基材(1)に一つ以上設けていることを特徴とする掛け具(A)。
【請求項2】
一枚のシート基材(1)からなる掛け具(A)であって、
所定形状の切抜線(3)によりフック片(2)を形成し、
前記フック片(2)の先端部(2a)と逆の方向に膨らませた一つ以上の角を持つ折れ線状折り線(6)を前記フック片(2)の末端部(2b)に設けて、
前記折れ線状折り線(6)を介してシート基材(1)に連接された前記フック片(2)を、前記シート基材(1)に一つ以上設けていることを特徴とする掛け具(A)。
【請求項3】
一枚のシート基材(1)からなる掛け具(A)であって、
前記シート基材(1)の端部から延出した所定形状のフック片(2)を形成し、
前記フック片(2)の先端部(2a)と逆の方向に膨らませた略弧状折り線(4)を前記フック片(2)の末端部(2b)に設けて、
前記略弧状折り線(4)を介してシート基材(1)に連接された前記フック片(2)を、前記シート基材(1)に一つ以上設けていることを特徴とする掛け具(A)。
【請求項4】
一枚のシート基材(1)からなる掛け具(A)であって、
前記シート基材(1)の端部から延出した所定形状のフック片(2)を形成し、
前記フック片(2)の先端部(2a)と逆の方向に膨らませた一つ以上の角を持つ折れ線状折り線(6)を前記フック片(2)の末端部(2b)に設けて、
前記折れ線状折り線(6)を介してシート基材(1)に連接された前記フック片(2)を、前記シート基材(1)に一つ以上設けていることを特徴とする掛け具(A)。
【請求項5】
前記フック片(2)の先端部(2a)と末端部(2b)の方向に一本以上の略直線状折り線(5)を前記フック片(2)に設けていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の掛け具(A)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物を掛けて吊るすことのできる掛け具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
紙やプラスチックやマグネットなどのシート材で作り、使用するときに複雑な組立がなく、マスクや輪ゴムなどの軽量な物を掛けることのできる掛け具があったら、製造コストも安く便利であると考えた。このような機能を持つ掛け具について調査した結果、次の2つの掛け具が開示されていた。
1)円状や多角形状の空間に突起体を残して板状材をくり抜いただけの突起体を掛け部とした掛け具が開示されている。(例えば、特許文献1の
図20~
図24)
2)紙シートの端に凹凸形状を設けて掛け部を構成したマスクハンガーが開示されている。(例えば、非特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】株式会社フィッシュ(ノベルティサイト)、マスクハンガー、[online]、令和4年4月検索、https://fishltd-novelty.com/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の従来の掛け具類は、壁やガラスや冷蔵庫などに密着して使用する場合には、掛け部と壁との間に間隔がなくなり、掛け部に物を掛けることが難しい。また、上記の従来の掛け具類では、マグネットシートなどで抜き加工して作成した場合にも、掛け部と壁との間に間隔がなくなり、掛け部に物を掛けることが難しい。
【0006】
そこで、本発明は、シート基材で作成される掛け具であっても、組立作業が少なく簡単に使用でき、強度もあり、更に壁などに密着しても掛け具として利用できる構造の掛け具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の手段は、一枚のシート基材(1)からなる掛け具(A)であって、所定形状の切抜線(3)によりフック片(2)を形成し、前記フック片(2)の先端部(2a)と逆の方向に膨らませた略弧状折り線(4)を前記フック片(2)の末端部(2b)に設けて、前記略弧状折り線(4)を介してシート基材(1)に連接された前記フック片(2)を、前記シート基材(1)に一つ以上設けていることである。
【0008】
第2の手段は、一枚のシート基材(1)からなる掛け具(A)であって、所定形状の切抜線(3)によりフック片(2)を形成し、前記フック片(2)の先端部(2a)と逆の方向に膨らませた一つ以上の角を持つ折れ線状折り線(6)を前記フック片(2)の末端部(2b)に設けて、前記折れ線状折り線(6)を介してシート基材(1)に連接された前記フック片(2)を、前記シート基材(1)に一つ以上設けていることである。
【0009】
第3の手段は、一枚のシート基材(1)からなる掛け具(A)であって、前記シート基材(1)の端部から延出した所定形状のフック片(2)を形成し、前記フック片(2)の先端部(2a)と逆の方向に膨らませた略弧状折り線(4)を前記フック片(2)の末端部(2b)に設けて、前記略弧状折り線(4)を介してシート基材(1)に連接された前記フック片(2)を、前記シート基材(1)に一つ以上設けていることである。
【0010】
第4の手段は、一枚のシート基材(1)からなる掛け具(A)であって、前記シート基材(1)の端部から延出した所定形状のフック片(2)を形成し、前記フック片(2)の先端部(2a)と逆の方向に膨らませた一つ以上の角を持つ折れ線状折り線(6)を前記フック片(2)の末端部(2b)に設けて、前記折れ線状折り線(6)を介してシート基材(1)に連接された前記フック片(2)を、前記シート基材(1)に一つ以上設けていることである。
【0011】
第5の手段は、前記第1の手段から前記第4の手段のいずれか一つの手段において、更に、前記フック片(2)の先端部(2a)と末端部(2b)との方向に一本以上の略直線状折り線(5)を前記フック片(2)に設けていることである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の掛け具(A)を使用する場合は、略弧状折り線(4)を手前に谷折りしてフック片(2)を突き出す。フック片(2)をシート基材(1)から突き出すことにより、フック片(2)の先端部(2a)と逆の方向に膨らむように設けられた略弧状折り線(4)が作用して、突き出す前には平面であったフック片(2)は略弧状折り線(4)近傍で手前に膨らむように変形し若干湾曲する。したがって、突き出したフック片(2)の曲げ強度が増す。また、掛け具(A)の裏面にマグネットや剥がせる粘着剤などを設けて、冷蔵庫やガラスや木材などに密着させて使用しても、フック片(2)が突き出しているので物を掛けることができる。
【0013】
請求項2に記載の掛け具(A)を使用する場合は、折れ線状折り線(6)を手前に谷折りしてフック片(2)を突き出す。フック片(2)を突き出すことにより、フック片(2)の先端部と逆の方向に膨らむように設けられた一つ以上の角を持つ折れ線状折り線(6)の作用で、突き出す前には平面であったフック片(2)は折れ線状折り線(6)近傍で手前に膨らむように変形し若干湾曲する。したがって、突き出した時のフック片(2)の曲げ強度が増す。また、掛け具(A)の裏面にマグネットや剥がせる粘着剤などを設けて、冷蔵庫やガラスや木材などに密着させて使用しても、フック片(2)が突き出しているので物を掛けることができる。
【0014】
請求項3に記載の掛け具(A)を使用する場合は、略弧状折り線(4)を手前に谷折りしてシート基材(1)の端部から延出したフック片(2)を手前に突き出す。フック片(2)を突き出すことにより、フック片(2)の先端部と逆の方向に膨らむように設けられた略弧状折り線(4)が作用して、突き出す前には平面であったフック片(2)は略弧状折り線(4)近傍で手前に膨らむように変形し若干湾曲する。したがって、突き出した時のフック片(2)の曲げ強度が増す。また、掛け具(A)の裏面にマグネットや剥がせる粘着剤などを設けて、冷蔵庫やガラスや木材などに密着させて使用しても、フック片(2)が突き出しているので物を掛けることができる。
【0015】
請求項4に記載の掛け具(A)を使用する場合は、折れ線状折り線(6)を手前に谷折りしてシート基材(1)の端部から延出したフック片(2)を手前に突き出す。フック片(2)を突き出すことにより、フック片(2)の先端部と逆の方向に膨らむように設けられた一つ以上の角を持つ折れ線状折り線(6)の作用で、突き出す前には平面であったフック片(2)は折れ線状折り線(6)近傍で手前に膨らむように変形し若干湾曲する。したがって、突き出したフック片(2)の曲げ強度が増す。 また、掛け具(A)の裏面にマグネットや剥がせる粘着剤などを設けて、冷蔵庫やガラスや木材などに密着させて使用しても、フック片(2)が突き出しているので物を掛けることができる。
【0016】
請求項5に記載の掛け具(A)を使用する場合は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の掛け具(A)のフック片(2)を手前に谷折りした後に、フック片(2)の先端部(2a)と末端部(2b)との方向に設けた一本以上の略直線状折り線(5)を山折りする。この山折りにより、フック片(2)の先端部(2a)から末端部(2b)まで断面が略弧状あるいは多角形状になり、突き出したフック片(2)の曲げ強度は更に増すことになる。また、掛け具(A)の裏面にマグネットや剥がせる粘着剤などを設けて、冷蔵庫やガラスや木材などに密着させて使用しても、突き出したフック片(2)に物を掛けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施例1を説明する掛け具の表平面図である。
【
図2】実施例1を説明する掛け具の斜視図である。フック片を突き出した状態の掛け具の上から市販されているマグネットで押さえた時の斜視図である。
【
図3】実施例2を説明する掛け具の表平面図である。
【
図4】実施例2を説明するフック片を突き出した状態の掛け具の斜視図である。
【
図5】実施例3を説明する掛け具の表平面図である。
【
図6】実施例3を説明するフック片を突き出した状態の掛け具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
実施例1について
図1と
図2とで説明する。
図1は、実施例1を説明する掛け具(A)の表平面図である。シート基材(1)には掛け具(A)として使用できる適宜な厚さの四角に形成された紙シート材を用いたもので、シート基材(1)の中央部分に抜き打ち加工でコの字状の切抜線(3)を設けフック片(2)を形成し、フック片(2)の先端部(2a)と逆の方向に膨らませた略弧状折り線(4)を前記フック片(2)の末端部(2b)に設けている。シート基材(1)の形状は目的によりいろいろな形状にすることができる。また、切抜線(3)の位置や形状も適宜に変更できる。
【0019】
図2は、実施例1を説明する掛け具(A)のフック片(2)を突き出した状態を示す斜視図であって、冷蔵庫に使用する例である。略弧状折り線(4)を手前に谷折りしてフック片(2)を突き出した状態の掛け具(A)の上から市販されているマグネット(M)で押さえて冷蔵庫などで使用する時の斜視図である。略弧状折り線(4)が作用して、突き出す前には平面であったフック片(2)は手前に膨らむように変形し若干湾曲している。
【0020】
実施例2について、
図3と
図4とで説明する。
図3は、実施例2を説明する掛け具(A)の表平面図である。シート基材(1)には掛け具(A)として使用できる適宜な厚さの四角形のマグネットシート材を用いたもので、抜き打ち加工でコの字状の切抜線(3)を設けフック片(2)を形成し、フック片(2)の先端部(2a)と逆の方向に膨らませた角(6a)を一つ持つ折れ線状折り線(6)を前記フック片(2)の末端部(2b)に設けている。この角(6a)はフック片(2)の横幅の中心に設けている。更に、コの字状のフック片(2)の横幅の中心に先端部(2a)と末端部(2b)を結ぶ一本の直線状折り線(5)を設けている。
【0021】
図4は、実施例2を説明する掛け具(A)の斜視図である。折れ線状折り線(6)を谷折りしてフック片(2)を突き出し、次に直線状折り線(5)を山折りしてフック片(2)を形成している。この状態におけるフック片(2)の断面形状は略三角形となっていて、フック片(2)は曲がりにくくなる。シート基材(1)がマグネットシートなので、そのまま冷蔵庫に取り付けている状態を示している。
【0022】
実施例3について、
図5と
図6とで説明する。
図5は、実施例3を説明する掛け具(A)の表平面図であって、抜き打ち加工で形成されている。シート基材(1)には掛け具(A)として使用できる適宜な厚さのマグネットシート材を用いたもので、シート基材(1)の上端面の中央部にコの字状のフック片(2)を延出して形成している。またフック片(2)の先端部(2a)と逆の方向に膨らませた略弧状折り線(4)を前記フック片(2)の末端部(2b)に設けている。
【0023】
図6は、実施例3を説明する掛け具(A)の斜視図である。略弧状折り線(4)を谷折りしてフック片(2)を手前に突き出した状態の掛け具(A)を冷蔵庫に張り付けた時の斜視図である。
【0024】
なお、本発明は前述した実施形態に限るものではない。実施例では紙シートやマグネットシートを使用しているが、紙シート以外の材料シートであってもよい。さらに実施例においてはフック片(2)がコの字状となっているが、色々な大きさや形状が可能である。切抜線(3)は、ミシン目などでもよい。また切抜線(3)につなぎを設けてもよい。紙シートやプラスチックシート材などを使用する場合には、シート基材(1)の裏の適宜な位置に、張って剥がせるタイプの帖着剤を設けてもよい。さらに糊・固着タイプなど固定できるものでもよい。
【符号の説明】
【0025】
A 掛け具
1 シート基材
2 フック片
2a フック片の先端部
2b フック片の末端部
3 切抜線
4 略弧状折り線
5 略直線状折り線
6 折れ線状折り線
6a 角
M マグネット