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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160719
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】導電性ペースト及び積層型電子部品
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20231026BHJP
【FI】
H01G4/30 201G
H01G4/30 201F
H01G4/30 513
H01G4/30 516
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193811
(22)【出願日】2022-12-02
(31)【優先権主張番号】10-2022-0049804
(32)【優先日】2022-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コー、クン ホ
(72)【発明者】
【氏名】キェオン、サン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ソウン ジン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ヨウン ソー
(72)【発明者】
【氏名】リー、ホ イェオル
(72)【発明者】
【氏名】キム、イク セオブ
(72)【発明者】
【氏名】リー、キュン リュル
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、チャン ハク
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AF06
5E082AA01
5E082AB03
5E082EE01
5E082FF05
5E082FG26
5E082GG10
5E082GG11
5E082GG12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】焼結電極に含まれるガラスがアルカリ金属を含む酸化物を含み、その含量を調節することで、ガラス全体含量の増加なしにも焼結電極の緻密度を向上させ、焼結電極のバンド部の端と本体の境界面上に、アルカリ金属を含む酸化物を含むシール部を形成し、積層型電子部品の耐酸性及び耐湿信頼性を向上させ、超小型積層型電子部品の場合にも、焼結電極の緻密度を向上させ、優れた耐酸性及び耐湿信頼性を確保する導電性ペースト及び積層型電子部品を提供する。
【解決手段】積層型電子部品の端子電極として使用される導電性ペーストであって、Cu粒子を含む導電性粉末と、アルカリ金属を含む酸化物を含むガラスフリットと、を含み、アルカリ金属の含量は、Cu粒子に対して0.16wt%以上0.35wt%以下である。導電性ペーストに含まれるCu粒子に対する、ガラスフリットに含まれるアルカリ金属の含量によって、焼成後の電極層のポア個数を制御する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Cu粒子を含む導電性粉末と、
アルカリ金属を含む酸化物を含むガラスフリットと、を含み、
前記アルカリ金属の含量は、前記Cu粒子に対して0.16wt%以上0.35wt%以下である、導電性ペースト。
【請求項2】
前記ガラスフリットは、Siを含む酸化物をさらに含み、前記Siの含量は、前記Cu粒子に対して0.55wt%以上0.60wt%以下である、請求項1に記載の導電性ペースト。
【請求項3】
前記ガラスフリットは、Ba、Zn、及びBのうち少なくとも一つを含む酸化物をさらに含む、請求項1に記載の導電性ペースト。
【請求項4】
複数の誘電体層及び前記誘電体層と第1方向に交互に配置される第1及び第2内部電極を含む本体と、
前記本体の外側に配置され、前記第1内部電極と連結される第1電極層と、
前記本体の外側に配置され、前記第2内部電極と連結される第2電極層と、を含み、
前記第1及び第2電極層は、金属及びガラスを含み、
前記金属は、Cuを含み、
前記ガラスは、アルカリ金属を含む酸化物を含み、
前記アルカリ金属の含量は、前記Cuに対して0.069wt%以上0.149wt%以下である、積層型電子部品。
【請求項5】
前記アルカリ金属は、Li及びKのうち少なくとも一つである、請求項4に記載の積層型電子部品。
【請求項6】
前記ガラスは、Ba、Zn、及びBのうち少なくとも一つを含む酸化物をさらに含む、請求項4に記載の積層型電子部品。
【請求項7】
前記第1電極層上に配置される第1めっき層と、
前記第2電極層上に配置される第2めっき層と、を含む、請求項4に記載の積層型電子部品。
【請求項8】
前記第1及び第2電極層の平均厚さは、5μm以上20μm以下である、請求項4に記載の積層型電子部品。
【請求項9】
前記本体は、前記誘電体層と交互に配置される前記第1及び第2内部電極を含んで容量が形成される容量形成部、及び前記容量形成部の前記第1方向の上面及び下面に配置されるカバー部を含み、
前記カバー部の平均厚さは、15μm以下である、請求項4に記載の積層型電子部品。
【請求項10】
前記誘電体層の平均厚さは、0.35μm以下である、請求項4に記載の積層型電子部品。
【請求項11】
前記第1及び第2内部電極の平均厚さは、0.35μm以下である、請求項4に記載の積層型電子部品。
【請求項12】
前記本体は、前記第1方向に対向する第1及び第2面、前記第1及び第2面と連結され、第2方向に対向する第3及び第4面、前記第1~第4面と連結され、第3方向に対向する第5及び第6面を含み、
前記積層型電子部品の前記第2方向の最大大きさは、1.1mm以下であり、前記第3方向の最大大きさは、0.55mm以下である、請求項4に記載の積層型電子部品。
【請求項13】
前記本体は、前記第1方向に対向する第1及び第2面、前記第1及び第2面と連結され、第2方向に対向する第3及び第4面、前記第1~第4面と連結され、第3方向に対向する第5及び第6面を含み、
前記第1電極層は、前記第3面上に配置され、前記第1内部電極と連結される第1接続部、及び前記第1接続部から前記第1、第2、第5、及び第6面の一部まで延長する第1バンド部を含み、
前記第2電極層は、前記第4面上に配置され、前記第2内部電極と連結される第2接続部、及び前記第2接続部から前記第1、第2、第5及び第6面の一部まで延長する第2バンド部を含み、
前記第1バンド部の端から前記本体の外表面上の一部へ延長して配置される第1シール部と、
前記第2バンド部の端から前記本体の外表面上の一部へ延長して配置される第2シール部と、を含む、請求項4に記載の積層型電子部品。
【請求項14】
前記第1電極層上に配置される第1めっき層と、
前記第2電極層上に配置される第2めっき層と、を含み、
前記第1めっき層は、前記第1シール部の少なくとも一部を覆うように配置され、前記第2めっき層は、前記第2シール部の少なくとも一部を覆うように配置される、請求項13に記載の積層型電子部品。
【請求項15】
前記第1シール部及び前記第2シール部は、前記ガラスと同一の物質を含む、請求項13に記載の積層型電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性ペースト及び積層型電子部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
積層型電子部品の一つである積層セラミックキャパシター(MLCC:Multi-Layered Ceramic Capacitor)は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)及びプラズマ表示装置パネル(PDP:Plasma Display Panel)などの映像機器、コンピュータ、スマートフォン及び携帯電話など、様々な電子製品のプリント回路基板に装着され、電気を充電させるか又は放電させる役割を果たすチップ形態のコンデンサである。
【0003】
このような積層セラミックキャパシターは、小型でありながら高容量が保障され、実装が容易であるという長所により、様々な電子装置の部品として使用されることができる。コンピュータ、モバイル機器など、各種の電子機器が小型化、高出力化されるに伴い、積層セラミックキャパシターに対する小型化及び高容量化の要求が増大しつつある。
【0004】
また、近年、自動車用電装部品に対する業界の関心が高まるに伴い、積層セラミックキャパシターもまた、自動車或いはインフォテインメントシステムに使用されるために、高信頼性特性が求められている。
【0005】
積層型電子部品を小型化するために焼結電極を薄層化する場合、外部電極の緻密度を向上させるべく、ガラス導電性金属粒子の間隔を満たすため、さらに多くのガラス成分が必要となる。
【0006】
しかし、焼結電極内のガラス成分が過度に多くなると、導電性金属粒子の間の間隔が遠くなるため、めっき液に対する耐食性及び外部からの水分浸透に対する耐湿信頼性不良が生じる可能性がある。
【0007】
このような問題点を解決するために、従来には、バリウム(Ba)-亜鉛(Zn)-ホウ素(B)系酸化物を含むガラスを使用して、耐酸性を確保しようとする試みがあった。しかし、このような耐酸性ガラスの場合、銅(Cu)金属との濡れ性(wettability)が低く、ガラスの凝集が生じる問題が発生するようになる。
【0008】
このようなガラスの凝集により、焼結電極には空隙(pore)が多数発生するようになって、緻密度が低くなり、むしろ、めっき液に対する耐食性及び外部からの水分浸透に対する耐湿信頼性不良が再度生じる可能性がある。
【0009】
従って、ガラス含量の増加を最小化しながらも、焼結電極の緻密度を改善して、耐酸性及び耐湿信頼性を向上させることができるガラスの組成及び積層型電子部品の構成が必要な実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の様々な目的の一つは、耐酸性ガラスを過度に焼結電極に含ませる場合、むしろ、焼結電極の緻密度が低くなる問題点を解決することである。
【0011】
本発明の様々な目的の一つは、ガラス含量の増加もなしに焼結電極の緻密度を向上させることである。
【0012】
本発明の様々な目的の一つは、ガラスを含む焼結電極上にめっき層を形成する場合、ガラスの侵食により積層型電子部品の信頼性が劣化する問題点を解決することである。
【0013】
ただし、本発明の目的は上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一実施形態による導電性ペーストは、Cu粒子を含む導電性粉末と、アルカリ金属を含む酸化物を含むガラスフリットと、を含み、上記アルカリ金属の含量は、上記Cu粒子に対して0.16wt%以上0.35wt%以下である。
【0015】
本発明の一実施形態による積層型電子部品は、複数の誘電体層及び上記誘電体層と第1方向に交互に配置される第1及び第2内部電極を含む本体と、上記本体の外側に配置され、上記第1内部電極と連結される第1電極層と、上記本体の外側に配置され、上記第2内部電極と連結される第2電極層と、を含み、上記第1及び第2電極層は、金属及びガラスを含み、上記金属は、Cuを含み、上記ガラスは、アルカリ金属を含む酸化物を含み、上記アルカリ金属の含量は、上記Cuに対して0.069wt%以上0.149wt%以下である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の様々な効果の一つは、焼結電極に含まれるガラスがアルカリ金属を含む酸化物を含み、その含量を調節することによって、ガラス全体含量の増加なしにも焼結電極の緻密度を向上させることである。
【0017】
本発明の様々な効果の一つは、焼結電極のバンド部の端と本体の境界面上に、アルカリ金属を含む酸化物を含むシール部を形成し、積層型電子部品の耐酸性及び耐湿信頼性を向上させることである。
【0018】
本発明の様々な効果の一つは、超小型積層型電子部品の場合にも、焼結電極の緻密度を向上させ、優れた耐酸性及び耐湿信頼性を確保することである。
【0019】
ただし、本発明の多様かつ有益な長所と効果は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でさらに容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態による積層型電子部品を概略的に図示した斜視図である。
図2図1のI-I'線に沿った断面図である。
図3図1のII-II'線に沿った断面図である。
図4図1の本体を分解して図示した分解斜視図である。
図5】アルカリ金属酸化物の添加有無によるバインダーの分解傾向を示したグラフである。
図6a】アルカリ金属酸化物の添加有無による電極層の緻密度を走査電子顕微鏡で観察したイメージである。
図6b】アルカリ金属酸化物の添加有無による電極層の緻密度を走査電子顕微鏡で観察したイメージである。
図7】導電性ペーストに含まれるCu粒子に対する、ガラスフリットに含まれるアルカリ金属の含量による、焼成後の電極層のポア個数を示したグラフである。
図8】本発明の一実施形態による積層型電子部品を概略的に図示した斜視図である。
図9図8のIII-III'線に沿った断面図である。
図10図9のP2領域の拡大図である。
図11a】電極層のバンド部の端に形成されたシール部を観察したイメージである。
図11b】電極層のバンド部の端に形成されたシール部を観察したイメージである。
図12a】シール部の形成有無によりめっき層が配置される形状を走査電子顕微鏡で観察したイメージである。
図12b】シール部の形成有無によりめっき層が配置される形状を走査電子顕微鏡で観察したイメージである。
図13図2のP1領域の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、具体的な実施形態及び添付の図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は、いくつかの他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。従って、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0022】
そして、図面において、本発明を明確に説明するために、説明と関係ない部分は省略し、図面に示された各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意で示したため、本発明は、必ずしも図示によって限定されるものではない。また、同一思想の範囲内で機能が同一である構成要素は、同一の参照符号を付与して説明する。さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というのは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0023】
図面において、第1方向は積層方向又は厚さ(T)方向、第2方向は長さ(L)方向、第3方向は幅(W)方向と定義されることができる。
【0024】
導電性ペースト
本発明の一実施形態による積層型電子部品は、Cu粒子を含む導電性粉末と、アルカリ金属を含む酸化物を含むガラスフリットと、を含み、上記アルカリ金属の含量は、上記Cu粒子に対して0.16wt%以上0.35wt%以下である。
【0025】
本発明の一実施形態による導電性粉末は、焼成後の内部電極との接触性、電気的連結性及び焼結性を確保するためにCu粒子を含むことができるが、これに制限されるものではなく、必要に応じて、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)及び銀-パラジウム(Ag-Pd)からなる群から選択された一つ以上を含むことができる。
【0026】
上記導電性粉末に含まれる導電性金属粒子は、導電性ペーストが、積層セラミックキャパシターといった積層型電子部品の端子電極として使用される場合、内部電極との電気的連結性を確保する役割を果たすことができる。
【0027】
具体的に、上記導電性ペーストを焼結する場合、上記導電性金属粒子相互間のネッキング(necking)現象が起こり、相互連結されて電気的導通を確保することができる。一方、ネッキング(necking)が起こらない粒子相互間にも、ホッピング伝導(hopping conduction)が起こる程度に十分近く位置する場合、電気的導通を確保することができる。
【0028】
上記導電性金属は、球形金属とフレーク(Flake)形の金属が混合された形態であることができ、これを通じて、焼成後の緻密性及び電気的連結性を向上させることができる。
【0029】
上記導電性粉末の導電性金属粒子の平均粒径は特に制限されないが、ガラス成分、有機バインダー及び有機溶剤と混合されるとき、分散性を向上させるために、球形粒子の場合、平均粒径が0.5~5.0μmであることができ、フレーク(Flake)形粒子の場合、平均長半径が100nm~6μmであることができる。
【0030】
上記導電性ペーストは、焼結の際、上記導電性粉末相互間の隙間を満たせるように、ガラスフリット(glass frit)を含むことができる。
【0031】
上記ガラスフリットは、Siを含む酸化物を含むことができる。Siを含む酸化物は、ガラス網目構造形成酸化物(glass network former)であって、ガラスフリットの軟化温度及び耐酸性を向上させる役割を果たすことができる。上記Siを含む酸化物はSiOであることができる。
【0032】
上記Siの含量が、Cu粒子に対して0.55wt%未満であると、ガラス網目構造が弱く、耐酸性が弱化する可能性があり、0.60wt%を超えると、軟化温度が過度に高くなる可能性がある。
【0033】
従って、一実施形態で、上記Siの含量は、Cu粒子に対して0.55wt%以上0.60wt%以下であることができる。これにより、適切な軟化温度及び耐酸性を確保することができる。
【0034】
上記ガラスフリットは、Baを含む酸化物を含むことができる。Baを含む酸化物は、ガラスフリットの高温作業性を向上させ、化学的耐久性を向上させる役割を果たすことができる。上記Baを含む酸化物はBaOであることができる。
【0035】
上記ガラスフリットは、Znを含む酸化物を含むことができる。Znを含む酸化物は、ガラスフリットの融点及び軟化温度を低くする役割を果たし、還元剤として作用して、内部電極のNiと外部電極のCuの接触性を向上させる役割を果たすことができる。上記Znを含む酸化物はZnOであることができる。
【0036】
上記ガラスフリットは、Bを含む酸化物を含むことができる。Bを含む酸化物は、ガラスフリットの転移温度、軟化温度などを減少させる役割を果たすことができる。上記Bを含む酸化物はBであることができる。
【0037】
従って、一実施形態による導電性ペーストの上記ガラスフリットは、Ba、Zn、及びBのうち少なくとも一つを含む酸化物をさらに含むことができる。これにより、化学的耐久性、高温作業性、内部電極との接触性を向上させることができ、適切な転移温度及び軟化温度を有することができる。
【0038】
本発明の一実施形態によると、上記ガラスフリットは、アルカリ金属を含む酸化物を含むことができる。
【0039】
導電性ペーストのCu粒子が焼結されると、Cu粒子の間の隙間をガラスフリットで満たすことができる。しかし、外部電極が薄層化されるほど、Cu粒子相互間のネッキング(necking)は起こりやすくなるものの、先にclosingされたCu粒子の内部をガラスフリットで満たせなくなる確率が高くなる。
【0040】
従って、外部電極が薄層化されるほど、外部電極の緻密度向上のためのガラスフリットの含量がさらに多くなる。
【0041】
一方、ガラスフリットの含量が多くなるほど、焼成後の外部電極は、めっき液によって侵食がさらに多く発生し、これにより、積層型電子部品の耐湿信頼性が劣化する可能性がある。
【0042】
これに対し、Ba、Zn、及びBのうち少なくとも一つを含む酸化物を含む耐酸性ガラスフリットを導電性ペーストに添加して外部電極を形成する場合、上記耐酸性ガラスフリットは、Cu粒子との濡れ性が低いため、ガラス成分同士が凝集する現象が発生し、焼成後の外部電極に多量の空隙(pore)を形成させる問題が発生する可能性がある。
【0043】
本発明の一実施形態によると、上記ガラスフリットは、アルカリ金属を含む酸化物を含むことができる。これにより、ガラスフリットの含量を過度に増加させることなく、焼成後の外部電極の緻密度を向上させることができる。
【0044】
図5は、アルカリ金属酸化物の添加有無によるバインダーの分解傾向を示したグラフである。
【0045】
具体的に、図5は、熱中量分析法(TGA、Thermogravimetric Analysis)を通じて、導電性ペーストに含まれるバインダーの相対質量(Relative weight)を温度によって測定したものである。
【0046】
図5を参照すると、ガラスフリットにアルカリ金属酸化物を添加しなかった比較例の場合、バインダーの熱分解開始温度が相対的に高く、曲線の傾きが急激に変わることを確認することができる。
【0047】
一方、ガラスフリットにアルカリ金属酸化物を添加した実施例の場合、バインダーの熱分解開始温度が相対的に低く、曲線の傾きが比較例に対して緩やかに変わることを確認することができる。
【0048】
従って、ガラスフリットにアルカリ金属酸化物を添加する場合、導電性ペーストに含まれるバインダーの熱分解開始温度を低くし、均一な速度でバインダーが除去されるようにして、Cu粒子の急激な酸化及び急激なネッキング(necking)が起こることを抑制することができる。これにより、後述する積層型電子部品にアルカリ金属酸化物を添加したガラスフリットを含む導電性ペーストを適用して外部電極を形成する場合、外部電極の緻密度を向上させて、絶縁抵抗(IR、Insulation Resistance)の劣化を抑制し、耐湿信頼性を向上させることができる。
【0049】
本発明の一実施形態によると、上記アルカリ金属の含量は、上記Cu粒子に対して0.16wt%以上0.35wt%以下であることが好ましい。
【0050】
上記アルカリ金属の含量が、上記Cu粒子に対して0.16wt%未満である場合、Cuの焼結開始温度に対するガラスフリットの転移温度(TG)が下がり、焼成後の電極層の緻密度を確保し難い可能性があり、0.35wt%を超える場合にも、アルカリ金属酸化物による焼結助剤の役割が制限され、同様に焼成後の電極層の緻密度を確保し難い可能性がある。
【0051】
一方、アルカリ金属の種類は特に制限されない。ただし、上記アルカリ金属がLi又はKである場合、Field strengthを低くしてガラスの濡れ性を向上させることができる。また、ガラスにアルカリ金属が含まれる場合、ガラスのネットワーク結合を一部切断するようになり、ガラスの転移温度(Tg)を調節することができる。
【0052】
この他にも、上記導電性ペーストは、エチルセルロース、ニトロセルロース、アクリル系樹脂といったバインダー及び溶剤を含むことができ、必要に応じて、噴射剤や活性剤などを含むことができる。
【0053】
一方、本発明の一実施形態及び様々な実施例による導電性ペーストは、後述する本発明の一実施形態及び様々な実施形態による積層型電子部品の外部電極に含まれる電極層を形成するときに使用されることができる。
【0054】
しかし、必ずしも上記導電性ペーストを適用しなければならないものではなく、外部電極に含まれる電極層の緻密度を向上させて、耐酸性及び耐湿信頼性を確保する導電性ペーストの様々な組成を適用することができる。
【0055】
積層型電子部品
図1は、本発明の一実施形態による積層型電子部品を概略的に図示した斜視図であり、図2は、図1のI-I'線に沿った断面図であり、図3は、図1のII-II'線に沿った断面図であり、図4は、図1の本体を分解して図示した分解斜視図である。
【0056】
以下、図1~4を参照して、本発明の一実施形態による積層型電子部品100について詳しく説明するが、上述した導電性ペーストで説明した内容と重複する部分は、重複する説明を避けるために省略する。
【0057】
図1~4を参照すると、本発明の一実施形態による積層型電子部品100は、複数の誘電体層111及び上記誘電体層と第1方向に交互に配置される第1及び第2内部電極121、122を含む本体110と、上記本体の外側に配置され、上記第1内部電極と連結される第1電極層131と、上記本体の外側に配置され、上記第2内部電極と連結される第2電極層141と、を含み、上記第1及び第2電極層は、金属及びガラスを含み、上記金属は、Cuを含み、上記ガラスは、アルカリ金属を含む酸化物を含み、上記アルカリ金属の含量は、上記Cuに対して0.069wt%以上0.149wt%以下である。
【0058】
本体110は、誘電体層111及び内部電極121、122が交互に積層されている。
【0059】
本体110の具体的な形状に特に制限はないが、図示されたとおり、本体110は、六面体形状やこれと類似した形状からなることができる。焼成過程で本体110に含まれたセラミック粉末の収縮により、本体110は、完全な直線を有する六面体形状ではないものの、実質的に六面体形状を有することができる。
【0060】
本体110は、第1方向(厚さ方向)に互いに対向する第1及び第2面1、2、上記第1及び第2面1、2と連結され、第2方向(長さ方向)に互いに対向する第3及び第4面3、4、第1及び第2面1、2と連結され、第3及び第4面3、4と連結され、第3方向(幅方向)に互いに対向する第5及び第6面5、6を有することができる。
【0061】
本体110を形成する複数の誘電体層111は焼成された状態であって、隣接する誘電体層111の間の境界は、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いずには確認し難い程度に一体化されることができる。
【0062】
上記誘電体層111を形成する原料は、十分な静電容量を得ることができる限り、特に制限されない。例えば、チタン酸バリウム系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料、又はチタン酸ストロンチウム系材料などを使用することができる。上記チタン酸バリウム系材料は、BaTiO系セラミック粉末を含むことができ、上記セラミック粉末の例として、BaTiO、BaTiOにCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)などが一部固溶された(Ba1-xCa)TiO(0<x<1)、Ba(Ti1-yCa)O(0<y<1)、(Ba1-xCa)(Ti1-yZr)O(0<x<1、0<y<1)、又はBa(Ti1-yZr)O(0<y<1)などが挙げられる。
【0063】
また、上記誘電体層111を形成する原料は、チタン酸バリウム(BaTiO)などのパウダーに、本発明の目的に応じて、様々なセラミック添加剤、有機溶剤、結合剤、分散剤などが添加されることができる。
【0064】
一方、誘電体層111の平均厚さtdは、特に限定する必要はない。
【0065】
ただし、一般的に誘電体層を0.6μm未満の厚さに薄く形成する場合、特に、誘電体層の厚さが0.35μm以下である場合は、信頼性が低下するおそれがあった。
【0066】
本発明の一実施形態によると、アルカリ金属の含量を、Cuに対して0.069wt%以上0.149wt%以下に調節して、第1及び第2電極層131、141の緻密性を確保することができるため、誘電体層111の平均厚さtdが0.35μm以下である場合にも、積層型電子部品100の信頼性向上に役立つことができる。
【0067】
上記誘電体層111の平均厚さtdは、上記第1及び第2内部電極121、122の間に配置される誘電体層111の平均厚さを意味することができる。
【0068】
誘電体層111の平均厚さは、本体110の長さ及び厚さ方向L-T断面を1万倍率の走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)でイメージをスキャンして測定することができる。より具体的に、スキャンされたイメージにおいて、一つの誘電体層を長さ方向に等間隔の30箇所でその厚さを測定し、平均値を測定することができる。上記等間隔の30箇所は、容量形成部Acで指定されることができる。また、このような平均値の測定を10個の誘電体層に拡張して平均値を測定すると、誘電体層の平均厚さをさらに一般化することができる。
【0069】
一方、本体110は、本体110の内部に配置され、誘電体層111を挟んで互いに対向するように配置される第1内部電極121及び第2内部電極122を含んで容量が形成される容量形成部Acと、上記容量形成部Acの上部及び下部に形成されたカバー部112、113を含むことができる。
【0070】
また、上記容量形成部Acは、キャパシターの容量形成に寄与する部分であって、誘電体層111を挟んで複数の第1及び第2内部電極121、122を繰り返し積層して形成されることができる。
【0071】
上記上部カバー部112及び下部カバー部113は、単一の誘電体層又は2つ以上の誘電体層を容量形成部Acの上下面にそれぞれ厚さ方向に積層して形成することができ、基本的に物理的又は化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0072】
上記上部カバー部112及び下部カバー部113は、内部電極を含まず、誘電体層111と同一の材料を含むことができる。
【0073】
すなわち、上記上部カバー部112及び下部カバー部113は、セラミック材料を含むことができ、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)系セラミック材料を含むことができる。
【0074】
一方、カバー部112、113の平均厚さtcは、特に限定する必要はない。ただし、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、カバー部112、113の平均厚さtcは15μm以下であることができる。また、本発明の一実施形態によると、アルカリ金属の含量を、Cuに対して0.069wt%以上0.149wt%以下に調節して、第1及び第2電極層の緻密性を確保することができるため、カバー部112、113の平均厚さtcが15μm以下である場合にも、積層型電子部品100の信頼性向上に役立つことができる。
【0075】
カバー部112、113の平均厚さtcは、第1方向の大きさを意味することができ、容量形成部Acの上部又は下部において、等間隔の5箇所で測定したカバー部112、113の第1方向の大きさを平均した値であることができる。
【0076】
また、上記容量形成部Acの側面には、マージン部114、115が配置されることができる。
【0077】
マージン部114、115は、本体110の第5面5に配置されたマージン部114と、第6面6に配置されたマージン部115を含む。すなわち、マージン部114、115は、上記セラミック本体110の幅方向の両側面に配置されることができる。
【0078】
マージン部114、115は、図3に図示されたとおり、上記本体110を幅-厚さW-T方向に切断した断面において、第1及び第2内部電極121、122の両端と本体110の境界面の間の領域を意味することができる。
【0079】
マージン部114、115は、基本的に物理的又は化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0080】
マージン部114、115は、セラミックグリーンシート上にマージン部が形成される部分を除き、導電性ペーストを塗布して内部電極を形成することによって形成されたものであることができる。
【0081】
また、内部電極121、122による段差を抑制するために、積層後、内部電極が本体の第5及び第6面5、6へ露出するように切断した後、単一の誘電体層又は2個以上の誘電体層を容量形成部Acの両側面に幅方向に積層してマージン部114、115を形成することもできる。
【0082】
一方、マージン部の幅は、特に限定する必要はない。ただし、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、マージン部114、115の平均幅は15μm以下であることができる。また、本発明の一実施形態によると、アルカリ金属の含量を、Cuに対して0.069wt%以上0.149wt%以下に調節して、第1及び第2電極層の緻密性を確保することができるため、マージン部114、115の平均幅が15μm以下である場合にも、積層型電子部品100の信頼性向上に役立つことができる。
【0083】
内部電極121、122は、誘電体層111と交互に積層される。
【0084】
内部電極121、122は、第1及び第2内部電極121、122を含むことができる。第1及び第2内部電極121、122は、本体110を構成する誘電体層111を挟んで互いに対向するように交互に配置され、本体110の第3及び第4面3、4にそれぞれ露出することができる。
【0085】
図2を参照すると、第1内部電極121は、第4面4と離隔され、第3面3を通じて露出し、第2内部電極122は、第3面3と離隔され、第4面4を通じて露出することができる。
【0086】
このとき、第1及び第2内部電極121、122は、中間に配置された誘電体層111によって互いに電気的に分離されることができる。
【0087】
図3を参照すると、本体110は、第1内部電極121が印刷されたセラミックグリーンシートと、第2内部電極122が印刷されたセラミックグリーンシートを交互に積層した後、焼成して形成することができる。
【0088】
内部電極121、122を形成する材料は特に制限されず、電気伝導性に優れた材料を使用することができる。例えば、内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、錫(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち一つ以上を含むことができる。
【0089】
また、内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、錫(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち一つ以上を含む内部電極用導電性ペーストをセラミックグリーンシートに印刷して形成することができる。上記内部電極用導電性ペーストの印刷方法は、スクリーン印刷法又はグラビア印刷法などを用いることができ、本発明はこれに限定されるものではない。
【0090】
一方、内部電極121、122の平均厚さteは、特に限定する必要はない。
【0091】
ただし、一般的に内部電極を0.6μm未満の厚さに薄く形成する場合、特に、内部電極の厚さが0.35μm以下である場合には、信頼性が低下するおそれがあった。
【0092】
本発明の一実施形態によると、アルカリ金属の含量を、Cuに対して0.069wt%以上0.149wt%以下に調節して、第1及び第2電極層の緻密性を確保することができるため、内部電極121、122の平均厚さが0.35μm以下である場合にも、積層型電子部品100の信頼性向上に役立つことができる。
【0093】
従って、内部電極121、122の厚さが平均0.35μm以下である場合に、本発明による効果がより顕著になり、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成することができる。
【0094】
上記内部電極121、122の平均厚さteは、内部電極121、122の平均厚さを意味することができる。
【0095】
内部電極121、122の平均厚さは、本体110の長さ及び厚さ方向L-T断面を1万倍率の走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)でイメージをスキャンして測定することができる。より具体的に、スキャンされたイメージにおいて、一つの内部電極を長さ方向に等間隔の30箇所でその厚さを測定し、平均値を測定することができる。上記等間隔の30箇所は、容量形成部Acで指定されることができる。また、このような平均値の測定を10個の内部電極へ拡張して平均値を測定すると、内部電極の平均厚さをさらに一般化することができる。
【0096】
外部電極130、140は本体110に配置され、内部電極121、122と連結される。
【0097】
図2に図示された形態のように、本体110の第3及び第4面3、4にそれぞれ配置され、第1及び第2内部電極121、122とそれぞれ連結された第1及び第2外部電極130、140を含むことができる。
【0098】
本実施形態では、積層型電子部品100が2個の外部電極130、140を有する構造を説明しているが、外部電極130、140の個数や形状などは、内部電極121、122の形態やその他の目的によって変わる。
【0099】
一方、外部電極130、140は、金属などといった電気伝導性を有するものであれば、如何なる物質を使用しても形成することができ、電気的特性、構造的安定性などを考慮して具体的な物質を決定することができ、さらに多層構造を有することができる。
【0100】
例えば、外部電極130、140は、本体110に配置される電極層131、141及び電極層上に配置されためっき層132、142を含むことができる。
【0101】
一方、電極層131、141は、本体110の外側に配置され、上記第1内部電極121と連結される第1電極層131、及び上記本体の外側に配置され、上記第2内部電極122と連結される第2電極層を含むことができる。
【0102】
第1及び第2電極層131、141は、具体的に、本体上の一部の面上に配置され、第1及び第2内部電極のそれぞれと直接接触して電気的連結性を確保する役割を果たすことができる。
【0103】
本発明の一実施形態によると、第1及び第2電極層131、141は、金属及びガラスを含み、上記金属は、Cuを含む。
【0104】
第1及び第2電極層131、141が金属としてCuを含む場合、第1及び第2電極層131、141の焼成時の雰囲気調節が容易になる。具体的に、内部電極121、122に含まれるニッケル金属の酸化を防止し、誘電体層111に含まれるBaTiOの還元を防止できる雰囲気で、第1及び第2電極層131、141を焼成することができる。
【0105】
また、第1及び第2電極層131、141は、本体110上に上記金属を含んだ導電性ペーストを印刷、転写、ディッピングする方式で形成することができるが、これに制限されるものではない。
【0106】
第1及び第2めっき層132、142は、上記第1及び第2電極層131、141上に配置されることができる。本発明の一実施形態によると、第1めっき層132は上記第1電極層131上に配置され、第2めっき層142は上記第2電極層141上に配置されることができる。上記第1及び第2めっき層132、142は実装特性を向上させる役割を果たすことができる。
【0107】
めっき層141、142の種類は特に限定せず、Cu、Ni、Sn、Ag、Au、Pd及びこれらの合金のうち一つ以上を含むめっき層であることができ、複数の層で形成することができる。
【0108】
めっき層132、142に関するより具体的な例を挙げると、めっき層132、142は、Niめっき層又はSnめっき層であることができ、電極層131、141上にNiめっき層及びSnめっき層が順に形成された形態であることができ、Snめっき層、Niめっき層及びSnめっき層が順に形成された形態であることができる。また、めっき層132、142は、複数のNiめっき層及び/又は複数のSnめっき層を含むこともできる。
【0109】
一方、本発明の一実施形態による第1及び第2電極層131、141はガラスを含み、上記ガラスはアルカリ金属を含む酸化物を含む。
【0110】
上記ガラスは、第1及び第2電極層が導電性ペーストを焼結して形成される焼成(firing)電極である場合、金属粒子間の焼結性を確保する役割を果たすことができる。
【0111】
ガラスに含まれる成分は、上述した本発明の一実施形態及び様々な実施形態による導電性ペーストのガラスフリットに含まれる成分と同一であることができる。上記ガラスフリットは、Cu粒子の間に満たされて焼結性を確保し、機械的な強度を向上させることに寄与することができる。
【0112】
一方、第1及び第2電極層131、141を薄層化するとき、焼結性を確保するために、導電性ペーストに対するガラスフリットの含量を増加させなければならない場合、めっき液による侵食が発生する可能性があり、耐酸性ガラスフリットを使用する場合にも、Cu粒子との濡れ性が低く、ガラスの凝集が生じる問題が発生する可能性がある。これにより、焼成後の第1及び第2電極層131、141に多量の空隙(pore)が発生し、第1及び第2電極層131、141上に第1及び第2めっき層132、142を形成する場合、めっき液による侵食によって積層型電子部品100の信頼性が低くなる可能性がある。
【0113】
本発明の一実施形態によると、上記ガラスは、アルカリ金属を含む酸化物を含むことにより、Cuに比べて過量のガラスを含まなくても焼結性を確保することができ、Cu粒子との濡れ性にも優れているため、ガラスの凝集が生じる現象もまた抑制することができる。これにより、第1及び第2電極層に多量の空隙(pore)が形成されることを抑制して、めっき液の侵食による積層型電子部品100の信頼性を向上させることができる。
【0114】
本発明の一実施形態によると、上記アルカリ金属の含量は、Cuに対して0.069wt%以上0.149wt%以下である。これにより、ガラス成分の過度な増加なしにも緻密な第1及び第2電極層131、141を形成することができ、積層型電子部品100の耐湿信頼性を向上させることができる。
【0115】
上記アルカリ金属の含量が、上記Cuに対して0.069wt%未満である場合、Cuの焼結開始温度に対するガラスフリットの転移温度Tgが下がり、焼結を妨害するところ、第1及び第2電極層131、141の緻密度が低くなり、上記Cuに対して0.149wt%を超える場合、アルカリ金属酸化物による焼結助剤の役割が制限されて、むしろ、第1及び第2電極層131、141の緻密度が低くなる可能性がある。
【0116】
本発明の一実施形態及び様々な実施例による導電性ペーストを使用して上記第1及び第2電極層131、141を形成する場合、上記第1及び第2電極層は、金属及びガラスを含み、上記金属は、Cuを含み、上記ガラスは、アルカリ金属を含む酸化物を含むことができる。
【0117】
一方、アルカリ金属の種類は特に制限されない。ただし、上記アルカリ金属がLi又はKである場合、Field strengthを低くしてガラスの濡れ性を向上させることができる。また、ガラスにアルカリ金属が含まれる場合、ガラスのネットワーク結合を一部切断するようになり、ガラスの転移温度Tgを調節することができる。
【0118】
一実施形態で、上記ガラスは、Ba、Zn、及びBのうち少なくとも一つを含む酸化物を含むことができる。これにより、ガラスの耐酸性を向上させ、積層型電子部品の耐湿信頼性及び耐酸性を向上させることができる。一方、耐酸性を向上させるために、上記ガラスが、Ba、Zn、及びBのうち少なくとも一つを含む酸化物を含む場合、Cu粒子との濡れ性が低いため、ガラス成分同士の凝集現象が生じ、焼成後の第1及び第2電極層131、141に多量の空隙(pore)を形成させる問題が発生する可能性がある。
【0119】
しかし、本発明の一実施形態によると、上記ガラスは、アルカリ金属を含む酸化物を含み、上記アルカリ金属の含量は、上記Cuに対して0.069wt%以上0.149wt%以下を満たすようにすることで、第1及び第2電極層131、141の緻密度を向上させ、空隙(pore)の形成を抑制することができる。従って、上記ガラスがBa、Zn、及びBのうち少なくとも一つを含む酸化物を含む場合、本発明の一実施形態による積層型電子部品の耐酸性及び耐湿信頼性の向上効果がさらに顕著になる。
【0120】
第1及び第2電極層131、141の平均厚さは特に制限されない。ただし、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、第1及び第2電極層131、141の平均厚さは20μm以下であることができる。ただし、第1及び第2電極層131、141の厚さが5μm未満である場合には、焼結性を確保するためにガラスの比重が高くなり、信頼性が低下するおそれがある。
【0121】
従って、第1及び第2電極層131、141の平均厚さは、5μm以上20μm以下であることができ、さらに好ましくは7μm以上15μm以下であることができる。
【0122】
本発明の一実施形態によると、アルカリ金属の含量を、Cuに対して0.069wt%以上0.149wt%以下に調節して、第1及び第2電極層131、141の緻密性を確保することができるため、第1及び第2電極層131、141の平均厚さが20μm以下である場合にも、優れた信頼性を確保することができる。
【0123】
図13は、図2のP1領域の拡大図である。
【0124】
図13を参照すると、第1電極層131の平均厚さは、第3方向の中心部で第1及び第2方向に切断した断面を観察して測定することができ、第3面又は第4面上に配置された第1方向に等間隔の5箇所で測定した第1接続部131aの第2方向の大きさを平均した値であることができる。具体的に、本体の幅方向(第3方向)の中心部で長さ方向(第2方向)及び厚さ方向(第1方向)に切断した断面(L-T断面)において、最下部に配置された内部電極から最上部に配置された内部電極121まで第1方向に均等な間隔を有する5箇所P1、P2、P3、P4、P5で、第1接続部131aの第2方向の大きさの平均値であることができ、第2電極層141の平均厚さもまた、同様に測定することができる。
【0125】
積層型電子部品100のサイズは、特に限定する必要はない。
【0126】
ただし、小型化及び高容量化を同時に達成するためには、誘電体層及び内部電極の厚さを薄くして積層数を増加させなければならないため、1005(長さ×幅、1.0mm×0.5mm)以下のサイズを有する積層型電子部品100において、本発明による信頼性及び単位体積当たりの容量向上効果がより顕著になる。
【0127】
従って、製造誤差、外部電極の大きさなどを考慮すると、積層型電子部品100の長さが1.1mm以下であり、幅が0.55mm以下である場合、本発明による信頼性向上効果がより顕著になる。ここで、積層型電子部品100の長さは、積層型電子部品100の第2方向の最大大きさを意味し、積層型電子部品100の幅は、積層型電子部品100の第3方向の最大大きさを意味することができる。
【0128】
以下では、一実施形態による積層型電子部品100'について詳しく説明するが、上述した本発明の一実施形態による積層型電子部品100と重複する記載は省略する。
【0129】
図8を参照すると、一実施形態による積層型電子部品100'は、上記第1電極層131は、上記第3面3上に配置され、上記第1内部電極121と連結される第1接続部131a及び上記第1接続部から上記第1、第2、第5、及び第6面1、2、5、6の一部まで延長する第1バンド部131bを含み、上記第2電極層141は、上記第4面上に配置され、上記第2内部電極122と連結される第2接続部141a、及び上記第2接続部から上記第1、第2、第5及び第6面の一部まで延長する第2バンド部141bを含み、上記第1バンド部の端から上記本体の外表面上の一部へ延長して配置される第1シール部151と、上記第2バンド部の端から上記本体の外表面上の一部へ延長して配置される第2シール部152と、を含むことができる。
【0130】
一実施形態による積層型電子部品100'によると、第1電極層は、上記第1電極層131は、上記第3面3上に配置され、上記第1内部電極121と連結される第1接続部131a及び上記第1接続部から上記第1、第2、第5、及び第6面1、2、5、6の一部まで延長する第1バンド部131bを含み、上記第2電極層141は、上記第4面上に配置され、上記第2内部電極122と連結される第2接続部141a及び上記第2接続部から上記第1、第2、第5及び第6面の一部まで延長する第2バンド部141bを含むことができる。
【0131】
上記第1及び第2接続部131a、141aは、第1及び第2内部電極121、122とそれぞれ直接接触して電気的導通を確保する役割を果たす。
【0132】
上記第1及び第2バンド部131b、141bは、それぞれ上記第1及び第2接続部131a、141aから本体110の第1、第2、第5、及び第6面1、2、5、6の少なくとも何れか一面の一部まで延長して配置されて、実装性を確保し、積層型電子部品100'の機械的強度を向上させる役割を果たす。
【0133】
一方、上記第1及び第2バンド部131b、141bは、本体の上記第1、第2、第5及び第6面上の一部まで延長して配置されるため、本体上にバンド部の端が配置されることができる。このような第1及び第2バンド部131b、141bの端は、外部からの水分浸透の経路になり、めっき時にめっき液が浸透する主な経路になる可能性がある。
【0134】
また、第1及び第2バンド部131b、141bの端へ行くほど、第1及び第2バンド部131b、141bの厚さは次第に減少するため、第1及び第2バンド部131b、141bの端は、外部からの水分の浸透及びめっき液の侵食に弱くなる可能性がある。
【0135】
その上、第1及び第2電極層131、141が金属及びガラスを含む焼成電極である場合、第1及び第2電極層131、141の緻密性が足りないと、外部からの水分の浸透及びめっき液の侵食にさらに弱くなる可能性がある。
【0136】
図9は、図8のIII-III'線に沿った断面図であり、図10は、図9のP2領域の拡大図である。
【0137】
図9及び図10を参照すると、一実施形態による積層型電子部品100'は、上記第1電極層131上に配置される第1めっき層132と、上記第2電極層141上に配置される第2めっき層142と、を含み、上記第1めっき層は、上記第1シール部151の少なくとも一部を覆うように配置され、上記第2めっき層は、上記第2シール部152の少なくとも一部を覆うように配置されることができる。
【0138】
図12a及び図12bは、シール部の形成有無によりめっき層が配置される形状を走査電子顕微鏡で観察したイメージである。
【0139】
図12aは、上記第1及び第2バンド部131b、141bの端に上記第1及び第2シール部151、152が形成された状態で、第1及び第2電極層131、141上に第1及び第2めっき層132、142を形成する場合に該当する。
【0140】
図12bを参照すると、第1及び第2シール部151、152がめっき液によってすべて侵食される前にめっきが完了する場合、めっき液は第1及び第2バンド部131b、141bの端を侵食しない。すなわち、第1及び第2シール部151、152によってめっき液が第1及び第2バンド部131b、141bの端へ浸透する現象を遅延及び緩衝することができる。
【0141】
従って、第1及び第2めっき層132、142は、第1及び第2バンド部131b、142bが本体110と接する隙間まで延長して配置されなくてもよい。言い換えると、上記第1めっき層132は、上記第1シール部151の少なくとも一部を覆うように配置され、上記第2めっき層142は、上記第2シール部152の少なくとも一部を覆うように配置されることができる。
【0142】
これにより、第1及び第2シール部151、152は、めっき液が第1及び第2バンド部131b、141bと本体110との間の隙間へ浸透する現象を緩和又は抑制して、積層型電子部品100'の耐湿信頼性及びめっき液に対する耐酸性を向上させることができる。
【0143】
一方、図12bは、第1及び第2シール部151、152が形成されていない状態で、第1及び第2めっき層132、142を形成する場合に該当し、第1及び第2めっき層132、142が第1及び第2バンド部131b、141bの端に直接形成されるため、第1及び第2バンド部131b、141bと本体110との間の隙間へ浸透する現象を抑制できないことを確認することができる。
【0144】
第1及び第2シール部151、152の平均長さL1の下限は特に制限されず、外部湿気又はめっき液が本体110の内部へ浸透できる経路を遮断できる程度に十分形成されることが好ましい。
【0145】
一方、第1及び第2シール部151、152の平均長さL1は、5μm以下であることが好ましいが、特に制限されるものではなく、第1及び第2電極層131、141に含まれるガラスの含量によって変わる。
【0146】
一方、第1及び第2シール部151、152の平均長さL1は、第1及び第2方向L-T断面を1万倍率の走査電子顕微鏡(SEM)でイメージをスキャンして測定することができる。より具体的に、スキャンされたイメージにおいて、第2シール部が第1~第4四象限に存在することができ、上記4個の第1及び第2シール部の最大長さを測定して平均値を測定することができる。また、第3方向の任意の10箇所で切断した第1及び第2方向L-T断面において、第1及び第2シール部の平均長さL1を測定することによって、さらに一般化することができる。
【0147】
図11a及び図11bは、電極層のバンド部の端に形成されたシール部を観察したイメージである。
【0148】
図11a及び11bは、電極層に含まれるガラスがアルカリ金属を含む酸化物を含む場合であって、第1及び第2バンド部131b、141bの端から上記本体110の外表面上の一部へ延長して配置される第1及び第2シール部151、152が形成されることを確認することができる。
【0149】
第1及び第2シール部151、152の成分は特に制限されない。ただし、第1及び第2シール部151、152は、第1及び第2電極層131、141に含まれるガラス成分が本体110の表面へ染み込んで形成されることができる。
【0150】
従って、一実施形態では、上記第1及び第2シール部151、152は、上記第1及び第2電極層131、141に含まれたガラスと同一の物質を含むことによって、積層型電子部品100'の耐湿信頼性及びめっき液に対する耐酸性を向上させることができる。
【0151】
(実施例)
LiO及びKOを添加したガラスフリットに、Cu粒子、有機ビヒクルを混合して導電性ペーストを作製した。
【0152】
誘電体層111と交互に配置される第1及び第2内部電極121、122を含む焼成後の本体110に疎水プラズマ処理を施した後、作製された上記ペーストを定盤上に広げ、上記本体110の外側に上記導電性ペーストを塗布及び乾燥した。
【0153】
以降、650℃~900℃で上記導電性ペーストを焼成処理し、電極層131、141を形成してサンプルを作製した。
【0154】
以降、各サンプルをNiめっき液に沈積した後、各試験番号別に電極層131、141に形成された空隙(pore)の個数を測定し、電極層の緻密度を確認した。
【0155】
下記表1は、導電性ペーストに含まれるCu粒子の含量及びアルカリ金属の含量の比率による焼成後の電極層に形成された空隙(pore)の個数を測定し、緻密度を評価したものである。
【0156】
図6a及び図6bは、アルカリ金属酸化物の添加有無による電極層の緻密度を走査電子顕微鏡で観察したイメージである。
【0157】
電極層に形成された空隙(pore)の個数は、0402サイズサンプルの第1方向及び第3方向W-T面を、500倍の倍率で、走査電子顕微鏡(SEM)にて撮影したイメージをImageJプログラムを用いて対比/明るさを調節し、相対的に暗い部分の個数を測定した。
【0158】
図6a及び6bを参照すると、図6aは、ガラスフリットがアルカリ金属を含む場合であって、空隙(暗い部分)の個数が少ないことを確認することができ、図6bは、ガラスフリットがアルカリ金属を含まない場合であって、空隙(暗い部分)の個数が図6aに対して増加することを確認することができる。
【0159】
このとき、試験番号当たりの任意の9個のサンプルで撮影したイメージを利用し、同一の方法でporeの個数を測定した後、平均値を求めた。
【0160】
【表1】
【0161】
試験番号1は、ガラスフリットがアルカリ金属を含まない場合であって、焼成後の電極層のポア個数が250個であり、緻密な電極層を形成できないことを確認することができる。
【0162】
試験番号2は、ガラスフリットに含まれるアルカリ金属の含量が、Cu粒子の含量に対して0.16wt%未満である場合であって、焼成後の電極層のポア個数が188個であるため、緻密な電極層を形成できないことを確認することができる。
【0163】
試験番号3~6は、ガラスフリットに含まれるアルカリ金属の含量が、Cu粒子の含量に対して0.16wt%以上0.35wt%以下である場合であって、焼成後の電極層のポア個数が50個未満であるため、緻密度に優れていることを確認することができる。
【0164】
試験番号7~9は、ガラスフリットに含まれるアルカリ金属の含量が、Cu粒子の含量に対して0.35wt%を超える場合であって、焼成後の電極層のポア個数が50個を超えるため、緻密度に優れていないことを確認することができる。
【0165】
図7は、導電性ペーストに含まれるCu粒子に対する、ガラスフリットに含まれるアルカリ金属の含量による焼成後の電極層のポア個数を示したグラフである。
【0166】
図7を参照すると、上記表1の結果のように、導電性ペーストに含まれるCu粒子に対する、ガラスフリットに含まれるアルカリ金属の含量によって、焼成後の電極層のポア個数を制御できることを確認することができる。
【0167】
従って、本発明の一実施形態による導電性ペーストは、ガラスフリットに含まれるアルカリ金属の含量を、Cu粒子の含量に対して0.16wt%以上0.35wt%以下に調節することによって、焼成後の電極層に形成されるポアの個数を減らし、電極層の緻密度を向上させることができる。
【0168】
さらに好ましくは、上記アルカリ金属の含量を、Cu粒子の含量に対して0.23wt%以上0.30wt%以下に調節することによって、焼成後の電極層に形成されるポアの個数を25個未満に制御することができ、これにより、電極層の緻密度をさらに向上させることができる。
【0169】
一方、下記表2は、表1の試験番号1~9に該当するサンプルにめっき層を形成して積層型電子部品を作製した後、最終製品において電極層に含まれるCuに対するアルカリ金属の含量を測定したものである。
【0170】
最終製品において、電極層131、141に含まれるCuに対するアルカリ金属の含量を測定する方法は特に制限されない。例えば、積層型電子部品100を7mlの塩酸に入れ、180℃で1時間処理して、フィルタリングした後、誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS、Inductively Coupled Plasma-Mass Spectrometry)を通じて、Cu及びアルカリ金属の含量(ppm)を測定した後、これをCuに対するアルカリ金属のwt%に換算することができる。
【0171】
【表2】
【0172】
試験番号1は、ガラスがアルカリ金属を含まない場合であって、焼成後の電極層のポア個数が250個であり、電極層の緻密度に優れていないため、積層型電子部品の耐湿信頼性に優れていないことを確認することができる。
【0173】
試験番号2は、ガラスに含まれるアルカリ金属の含量が、電極層に含まれるCuに対して0.069wt%未満である場合であって、焼成後の電極層のポア個数が188個であり、緻密な電極層を形成していないため、積層型電子部品の耐湿信頼性に優れていないことを確認することができる。
【0174】
試験番号3~6は、ガラスに含まれるアルカリ金属の含量が、電極層に含まれるCuに対して0.069wt%以上0.149wt%以下である場合であって、焼成後の電極層のポア個数が50個未満であり、電極層の緻密度に優れているため、積層型電子部品の耐湿信頼性に優れていることを確認することができる。
【0175】
試験番号7~9は、ガラスに含まれるアルカリ金属の含量が、電極層に含まれるCuに対して0.149wt%を超える場合であって、焼成後の電極層のポア個数が50個を超え、電極層の緻密度に優れていないため、積層型電子部品の耐湿信頼性に優れていないことを確認することができる。
【0176】
本発明の一実施形態によると、上記第1及び第2電極層は、金属及びガラスを含み、上記金属は、Cuを含み、上記ガラスは、アルカリ金属を含む酸化物を含み、上記アルカリ金属の含量は、上記Cuに対して0.069wt%以上0.149wt%以下に調節することによって、焼成後の電極層に形成されるポアの個数を25個未満に制御することができ、積層型電子部品の耐湿信頼性を向上させることができる。
【0177】
また、本開示で使用される「一実施形態」という表現は、互いに同一の実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかし、上記提示された一実施形態は、他の一実施形態の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一実施形態で説明された事項が他の一実施形態で説明されていなくても、他の一実施形態でその事項と反対又は矛盾する説明がない限り、他の一実施形態に関連した説明として理解することができる。
【0178】
本開示で使用される用語は、単に一実施形態を説明するために使用されたものであって、本開示を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味でない限り、複数の表現を含む。
【0179】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定される。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で、当技術分野における通常の知識を有する者によって多様な形態の置換、変形、及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属するといえる。
【符号の説明】
【0180】
100、100' 積層型電子部品
110 本体
111 誘電体層
112、113 カバー部
114、115 マージン部
121、122 第1及び第2内部電極
130、140 第1及び第2外部電極
131、141 第1及び第2電極層
132、142 第1及び第2めっき層
131a、141a 第1及び第2接続部
131b、141b 第1及び第2バンド部
151、152 第1及び第2シール部
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7
図8
図9
図10
図11a
図11b
図12a
図12b
図13