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特開2023-160724磁性結合方法、磁性結合撹拌運動装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160724
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】磁性結合方法、磁性結合撹拌運動装置
(51)【国際特許分類】
   B01F 33/452 20220101AFI20231026BHJP
【FI】
B01F33/452
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212204
(22)【出願日】2022-12-28
(31)【優先権主張番号】111115416
(32)【優先日】2022-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】523002013
【氏名又は名称】牟敦剛
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】牟敦剛
【テーマコード(参考)】
4G036
【Fターム(参考)】
4G036AC23
(57)【要約】
【課題】磁性結合方法及び磁性結合撹拌運動装置を提供する。
【解決手段】
回転中に磁性子を駆動する磁極端及び一定距離内の撹拌子の異なる磁極端の間の磁性吸引力、及び磁性子そのものを駆動する運動速度の両者の相乗的エネルギー変換によって得られるトルクを使用してその撹拌子を運動させる動的磁性結合方法であって、多種の方式が変化した磁性結合駆動構成によって、撹拌子にそれが位置する容器内で対応する回転又はその他の規則的繰り返し動作を発生させ、容器内で同じ又は異なる液体、気体、固体の混合又は運動を行わせ、撹拌子が停止する平面を基準面とし、磁性子をその下でそれと垂直な平面上で回転するように駆動する。この動的磁性結合動作メカニズム特有の水平方向に配置された動力回転軸は、装置の平坦化に対応するだけでなく、単一組の撹拌子動作メカニズムを同軸上で複数組に容易に拡大することができ、且つ同じ動力源を使用する。
【選択図】図2C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性結合点において、磁性子と隣接する撹拌子との間の結合磁性吸引力及び前記磁性子自身の回転運動エネルギーを前記撹拌子の運動エネルギーに変換し、且つ前記回転運動エネルギー及び前記運動エネルギーは、同じ法則で生成される工程を含み、
前記磁性子は、前記結合磁性吸引力を生成するための単一磁極端を有し、前記撹拌子は、N磁極端およびS磁極端を有し、且つ前記結合磁性吸引力は、前記磁性子の前記単一磁極端及び前記撹拌子の前記磁性子の前記単一磁極端と異なる前記N磁極端又は前記S磁極端から生じ、
前記磁性子は、回転軸の周りを前記回転軸に垂直な駆動平面上で回転し、前記撹拌子は、前記結合磁性吸引力の交互の結合吸引及び前記運動エネルギーの交互の推進への変換に従って、運動平面上で同期して繰り返し運動し、且つ前記駆動平面は、前記運動平面と交差する、磁性結合方法。
【請求項2】
前記駆動平面は、前記運動平面と固定の角度で交差し、前記角度は90度である、請求項1に記載の磁性結合方法。
【請求項3】
前記磁性子の数は複数であり、前記回転軸上で隣接して配置され、前記磁性子の数は、前記磁性子によって生成される前記結合磁性吸引力及び前記回転運動エネルギーと比例する、請求項1に記載の磁性結合方法。
【請求項4】
前記磁性子の数は、1対であり、前記1対の磁性子は、前記磁性結合点に位置し、前記1対の磁性子は、2つの異なる磁極端を含み、且つ前記2つの異なる磁極端は、180度の位相角差を有し、前記1対の磁性子が前記回転軸の周りを回転する時、前記撹拌子の前記N磁極端と前記S磁極端は、前記磁性結合点で半回転毎に前記結合磁性吸引力の交互の結合吸引及び前記運動エネルギーの交互の推進への変換を受けて、同じ方向の繰り返し回転運動を行う、請求項1に記載の磁性結合方法。
【請求項5】
前記磁性結合点の数は2つであり、仮想四角形の対角線の両端点に配置され、前記磁性子の数は、2つであり、第1磁性子及び磁極端の異なる第2磁性子を含み、前記回転軸の数は2つであり、第1回転軸及び前記第1回転軸と平行な第2回転軸を含み、前記第1磁性子は、前記第1回転軸の周りを回転し、前記第2磁性子は、第2回転軸の周りを回転し、前記2つの磁性子がそれぞれ前記第1回転軸及び前記第2回転軸の周りを同期して反対方向に回転する時、前記撹拌子の前記N磁極端及び前記S磁極端は、一回転毎に前記対角線の前記両端上の前記結合磁性吸引力の交互の結合吸引及び前記運動エネルギーの交互の推進への変換を受けて、同じ方向の繰り返し回転運動を行う、請求項1に記載の磁性結合方法。
【請求項6】
前記磁性結合点の数は2つであり、仮想四角形の対角線の両端点に配置され、前記磁性子の数は、2対であり、第1対磁性子及び第2対磁性子を含み、且つ前記対角線の前記両端点の前記第1対磁性子及び前記第2対磁性子の2つの磁極端は、それぞれ異なる磁極で且つ180度の位相角度差を有するように配置され、前記第1対磁性子及び前記第2対磁性子の配置方向は、互いに平行であり、前記回転軸の数は2つであり、第1回転軸及び前記第1回転軸と平行な第2回転軸を含み、前記第1対磁性子及び前記第2対磁性子は、それぞれ前記第1回転軸及び前記第2回転軸の周りを同期して反対方向に回転する時、前記撹拌子の前記N磁極端及び前記S磁極端は、半回転毎に前記対角線の前記両端上の前記結合磁性吸引力の交互の結合吸引及び前記運動エネルギーの交互の推進への変換を受けて、同じ方向の繰り返し回転運動を行う、請求項1に記載の磁性結合方法。
【請求項7】
前記磁性結合点の数は4つであり、仮想四角形に配置され、前記仮想四角形は直角の平行四辺形であり、前記磁性子の数は、4対であり、第1対磁性子、第2対磁性子、第3対磁性子、第4対磁性子を含み、且つ前記第1対磁性子、前記第2対磁性子、前記第3対磁性子、前記第4対磁性子のそれぞれの2つの磁極端は、それぞれ異なる磁極で前記4対の磁性子のそれぞれの前記2つの異なる磁極がいずれも180度の位相角度差を有するように配置され、前記第1対磁性子及び前記第3対磁性子は、前記仮想四角形の1つの対角線の両端点に位置し、前記第2対磁性子及び前記第4対磁性子は、前記仮想四辺形のもう1つの対角線の両端点に位置し、前記第1対磁性子及び前記第2対磁性子は、90度の角度差を有し、前記第3対磁性子及び第4対磁性子は90度の角度差を有し、前記第1対磁性子は、第3対磁性子と平行であり、前記回転軸の数は、2つであり、第1回転軸及び前記第1回転軸に平行な第2回転軸を含み、前記第1対磁性子及び前記第2対磁性子は、第1回転軸の周りを回転し、且つ前記第3対磁性子及び前記第4対磁性子が前記第2回転軸の周りを同期して反対方向に回転する時、前記撹拌子の前記N磁極端及び前記S磁極端の1/4回転毎に、各前記4方向の対角線の前記両端点での前記結合磁性吸引力の交互の結合吸引及び前記運動エネルギーの交互の推進への変換を受けて、同じ方向の繰り返し回転運動を行う、請求項1に記載の磁性結合方法。
【請求項8】
前記磁性結合点の数は4つであり、仮想四角形に配置され、前記仮想四角形は直角の平行四辺形であり、前記磁性子の数は、4対であり、第1対磁性子、第2対磁性子、第3対磁性子、第4対磁性子を含み、且つ前記第1対磁性子、前記第2対磁性子、前記第3対磁性子、前記第4対磁性子のそれぞれの2つの磁極端は、それぞれ同じ磁極で前記4対の磁性子のそれぞれの前記2つの同じ磁極がいずれも180度の位相角度差を有するように配置され、前記第1対磁性子及び前記第3対磁性子は、前記仮想四角形の1つの対角線の両端点に位置し、前記第2対磁性子及び前記第4対磁性子は、前記仮想四辺形のもう1つの対角線の両端点に位置し、前記第1対磁性子及び前記第4対磁性子は、同じ磁極端を有し且つ90度の角度差を有し、前記第2対磁性子及び第3対磁性子は、同じ磁極端を有し且つ90度の角度差を有し、前記第1対磁性子は、第3対磁性子と平行であり、前記第1対磁性子の前記磁極端は、前記第3対磁性子の前記磁極端と異なり、前記第4対磁性子の前記磁極端は、前記第2対磁性子の前記磁極端と異なり、前記回転軸の数は、2つであり、第1回転軸及び前記第1回転軸に平行な第2回転軸を含み、前記第1対磁性子及び前記第2対磁性子は、第1回転軸の周りを回転し、且つ前記第3対磁性子及び前記第4対磁性子が前記第2回転軸の周りを同期して対向回転する時、前記撹拌子の前記N磁極端及び前記S磁極端の1/4回転毎に、各前記対角線の前記両端点での結合磁性吸引力の交互の結合吸引及び前記運動エネルギーの交互の推進への変換を受けて、行ったり来たりの繰り返し振動運動を行う、請求項1に記載の磁性結合方法。
【請求項9】
前記磁性結合点の数は4つであり、仮想四角形に配置され、前記仮想四角形は直角の平行四辺形であり、前記磁性子の数は、4対であり、第1対磁性子、第2対磁性子、第3対磁性子、第4対磁性子を含み、且つ前記第1対磁性子、前記第2対磁性子、前記第3対磁性子、前記第4対磁性子のそれぞれの2つの磁極端は、それぞれ同じ磁極で前記4対の磁性子のそれぞれの前記2つの同じ磁極がいずれも180度の位相角度差を有するように配置され、前記第1対磁性子及び前記第3対磁性子は、前記仮想四角形の1つの対角線に位置し、前記第2対磁性子及び前記第4対磁性子は、前記仮想四辺形のもう1つの対角線に位置し、前記第1対磁性子は、前記第2対磁性子に平行し、前記第3対磁性子は、前記第4対磁性子に平行し、且つ前記第1対磁性子と前記第3対磁性子は、90度の角度差を有し、前記第1対磁性子の前記磁極端は、前記第2対磁性子の前記磁極端と異なり、前記第4対磁性子の前記磁極端は、前記第1対磁性子の前記磁極端と同じであり、前記回転軸の数は、2つであり、第1回転軸及び前記第1回転軸に平行な第2回転軸を含み、前記第1対磁性子及び前記第2対磁性子は、第1回転軸の周りを回転し、且つ前記第3対磁性子及び前記第4対磁性子が前記第2回転軸の周りを同期して対向回転する時、前記撹拌子の前記N磁極端及び前記S磁極端の1/4回転毎に、各前記回転軸上の前記結合磁性吸引力の交互の結合吸引及び前記運動エネルギーの交互の推進への変換を受けて、前記2つの回転軸で行ったり来たりの繰り返し往復運動を行う、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記仮想四角形の四隅の位置の各前記同期磁性結合点における2つの磁性子の間の距離は、前記結合磁性吸引力および前記回転運動エネルギー変換が前記撹拌子の運動を駆動するに足るように構成される、請求項5~請求項9のいずれか一項に記載の磁性結合方法。
【請求項11】
前記第1回転軸及び前記第2回転軸上の各前記磁性子組の配置部位は、何れも同様に平行で対称な正方形断面を有し、前記第1回転軸及び前記第2回転軸の識別を容易にし、4つの90度で同期した逆方向の回転動作、及び各前記対応する磁性子組の位相の正確な配置を行う、請求項5~請求項9のいずれか一項に記載の磁性結合方法。
【請求項12】
前記磁性子は、ネオジウム鉄ホウ素又はサマリウムコバルト系の磁石、アルミニウムニッケルコバルト合金磁石、セラミック磁石または酸化鉄磁石材質のうちの1つまたは複数を含む永久磁石であり、柱状であるか、または同一形状の複数の磁性子が堆積してなり、且つ前記磁性子が生成する磁性吸引力は、前記撹拌子が生成する磁性吸引力以上である、請求項1に記載の磁性結合方法。
【請求項13】
前記撹拌子は、両端が軸方向に磁化された棒状またはその他の形状の撹拌子である、請求項1に記載の磁性結合方法。
【請求項14】
載置面を有するケーシングと、
前記ケーシングに固定され、駆動軸を有する動力源と、
磁性結合アセンブリと、
容器と、
を備え、
前記磁性結合アセンブリは、
前記駆動軸及び対応する伝達機構によって駆動され、同期して対向回転する1対の平行回転軸と、
仮想四角形の四隅に配置され、前記仮想四角形は直角の平行四辺形であり、前記1対の平行回転軸上に向かい合って配置され、それぞれが対応する回転軸の周りを回転し、前記四隅の各前記磁性子の360度回転平面は、90度で各コーナーの4つの磁極構成面または位相に分割され、計16個のN磁極端またはS磁極端または無磁極構成面を含み、前記四隅の90度の回転毎に異なる繰り返し磁性結合ステップ動作アレンジを提供し、前記仮想四角形の軸上の辺の長さは、2つの異なる磁極端の同期結合時に必要な距離に対応でき、且つ前記1対の平行回転軸の間の距離は、異なる磁極端の同期結合時に必要な距離、及び磁性結合アセンブリの回転動作に対応できる磁性子アセンブリと、
軸方向に磁化され、一端にN磁極を有し、他端にS磁極を有し、容器内の内容物内に入れられ、前記内容物を撹拌する撹拌子と、
を含み、
前記仮想四角形の前記四隅において、回転中の前記磁性子アセンブリの前記計16個のN磁極端またはS磁極端または無磁極端の構成面で、随時1~8個の磁性子によってN磁極端またはS磁極端の対応するアレンジに従って、1点、2点又は4点で1回転、半回転又は1/4回転毎に前記撹拌子の前記N磁極端及び前記S磁極端を交互に結合し、回転中の前記磁性子アセンブリの結合磁性吸引力及び回転運動エネルギーを前記撹拌子の運動エネルギーに変換し、前記撹拌子に前記結合磁性吸引力の交互の結合吸引及び前記運動エネルギーの交互の推進への変換によって運動平面で繰り返しの規則的運動を行わせ、前記内容物を撹拌又は押圧し、
前記繰り返しの規則的運動は、少なくとも一定方向の回転、行ったり来たりの揺動、および行ったり来たりの往復運動を含む、磁性結合撹拌運動装置。
【請求項15】
前記磁性子アセンブリの数は複数であり、前記1対の平行回転軸上に延在し、前記1対の平行回転軸の周りを回転し、前記撹拌子および対応する容器の数は同じ複数の個数であり、前記撹拌子はそれぞれ前記磁性子アセンブリの構成に対応し、前記運動平面において、同じ複数の繰り返しの規則的運動を行い、前記容器の前記内容物を撹拌又は押圧する、請求項14に記載の磁性結合撹拌運動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結合アセンブリ及び結合動作装置に関し、特に磁性結合アセンブリ及び磁性結合方式によって結合を行う磁性結合方法、磁性結合撹拌運動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に使用されるプラス、マイナス、またはS極とN極の磁性結合運動アセンブリ、例えば、卓上型磁性撹拌子撹拌機や撹拌反応器で使用されるマグネチックスターラー等は、何れも一定空間距離内で、1対1の一定の静的なS極、N極の磁性吸着結合を使用してその動作駆動機能を実行する。マグネチックスターラーの両端が一定の1対1の吸着結合を有しない場合、ある程度の空間を隔てると、動作の駆動機能も必然的に失われる。両端に一定の1対1の吸着結合がある場合、撹拌磁性部材は、完全に駆動磁性部材の運動軌跡に従って運動のみをする。
そして、駆動磁性部材及び撹拌磁性部材は、上下に空間を隔てて2つの平行運動面に堆積され、1つの回転軸又はモータによってこの1組のマグネチックスターラーを駆動する。複数組又は複数軸の駆動を必要とする場合、1つ1つ並べて取り付けるか、より複雑な平行伝達機構を使用して完成させる必要があり、コスト、体積、重量及びノイズの負担が増加する。また、2層堆積の実装は、シャーシの平坦化が難しくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-124302号公報
【特許文献2】特願2017-222329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電磁石を使用した電磁結合装置は、簡素化の問題を解決し得るが、現代の高スループット及び小型化された平行多点実験の要件の下では、基礎物理力学的に簡易であり、耐久性があり、経済的な多機能磁性結合動作方法及び装置が依然として必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
回転中に磁性子を駆動する磁極端及び一定距離内の撹拌子の異なる磁極端の間の磁性吸引力、及び磁性子そのものを駆動する運動速度の両者の相乗的エネルギー変換(磁性吸引力×磁性結合速度=磁性結合運動エネルギー)によって得られるトルクを使用してその撹拌子を運動させる動的磁性結合方法であって、多種の方式が変化した磁性結合駆動構成によって、撹拌子にそれが位置する容器内で対応する回転又はその他の規則的繰り返し動作を発生させ、容器内で同じ又は異なる液体、気体、固体の混合又は運動を行わせ、撹拌子が停止する平面を基準面とし、磁性子をその下でそれと垂直な平面上で回転するように駆動する。
本発明の一態様の磁性結合方法は、磁性結合点において、磁性子と隣接する撹拌子との間の結合磁性吸引力及び前記磁性子自身の回転運動エネルギーを前記撹拌子の運動エネルギーに変換し、且つ前記回転運動エネルギー及び前記運動エネルギーは、同じ法則で生成される工程を含み、前記磁性子は、前記結合磁性吸引力を生成するための単一磁極端を有し、前記撹拌子は、N磁極端およびS磁極端を有し、且つ前記結合磁性吸引力は、前記磁性子の前記単一磁極端及び前記撹拌子の前記磁性子の前記単一磁極端と異なる前記N磁極端又は前記S磁極端から生じ、前記磁性子は、回転軸の周りを前記回転軸に垂直な駆動平面上で回転し、前記撹拌子は、前記結合磁性吸引力の交互の結合吸引及び前記運動エネルギーの交互の推進への変換に従って、運動平面上で同期して繰り返し運動し、且つ前記駆動平面は、前記運動平面と交差する。
本発明の一態様の、磁性結合撹拌運動装置は、載置面を有するケーシングと、前記ケーシングに固定され、駆動軸を有する動力源と、磁性結合アセンブリと、容器と、を備え、前記磁性結合アセンブリは、前記駆動軸及び対応する伝達機構によって駆動され、同期して対向回転する1対の平行回転軸と、仮想四角形の四隅に配置され、前記仮想四角形は直角の平行四辺形であり、前記1対の平行回転軸上に向かい合って配置され、それぞれが対応する回転軸の周りを回転し、前記四隅の各前記磁性子の360度回転平面は、90度で各コーナーの4つの磁極構成面または位相に分割され、計16個のN磁極端またはS磁極端または無磁極構成面を含み、前記四隅の90度の回転毎に異なる繰り返し磁性結合ステップ動作アレンジを提供し、前記仮想四角形の軸上の辺の長さは、2つの異なる磁極端の同期結合時に必要な距離に対応でき、且つ前記1対の平行回転軸の間の距離は、異なる磁極端の同期結合時に必要な距離、及び磁性結合アセンブリの回転動作に対応できる磁性子アセンブリと、軸方向に磁化され、一端にN磁極を有し、他端にS磁極を有し、容器内の内容物内に入れられ、前記内容物を撹拌する撹拌子と、を含み、前記仮想四角形の前記四隅において、回転中の前記磁性子アセンブリの前記計16個のN磁極端またはS磁極端または無磁極端の構成面で、随時1~8個の磁性子によってN磁極端またはS磁極端の対応するアレンジに従って、1点、2点又は4点で1回転、半回転又は1/4回転毎に前記撹拌子の前記N磁極端及び前記S磁極端を交互に結合し、回転中の前記磁性子アセンブリの結合磁性吸引力及び回転運動エネルギーを前記撹拌子の運動エネルギーに変換し、前記撹拌子に前記結合磁性吸引力の交互の結合吸引及び前記運動エネルギーの交互の推進への変換によって運動平面で繰り返しの規則的運動を行わせ、前記内容物を撹拌又は押圧し、前記繰り返しの規則的運動は、少なくとも一定方向の回転、行ったり来たりの揺動、および行ったり来たりの往復運動を含む。
【発明の効果】
【0006】
この動的磁性結合動作メカニズム特有の水平方向に配置された動力回転軸は、装置の平坦化に対応するだけでなく、単一組の撹拌子動作メカニズムを同軸上で複数組に容易に拡大することができ、且つ同じ動力源を使用する。従来の静的な両端が一定のSN磁極が空間を隔てて一対一の吸着で結合するものと明らかに異なる点とし、動的な空間を隔てた結合の両端は、結合と分離を繰り返す一定運動の状態で作用し、多種の方式でリセットして磁性結合の構成を駆動することができ、撹拌子にそれが位置する容器内で多種の対応する繰り返す回転又は運動を選択的に発生させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】本発明の単一の回転軸及び単一の磁性駆動部材を備えたマグネチックスターラー装置の斜視説明図である。
図1B】磁性駆動部材が異なる位置に回転移動した図1Aの側面説明図である。
図1C】磁性駆動部材が異なる位置に回転移動した図1Aの側面説明図である。
図1D】本発明の1対の回転軸及び4対の磁性駆動部材を備えたマグネチックスターラー装置の斜視説明図である。
図1E図1Dに対応する左右の回転軸の側面図である。
図1F図1Dに対応する左右の回転軸の側面図である。
図2A】正方形の4方向対角線平面上で撹拌部材を繰り返し結合および回転させる、本発明の動的磁性結合方法の実施形態の上面図である。
図2B】正方形の4方向対角線平面上で撹拌部材を繰り返し結合および回転させる、本発明の動的磁性結合方法の実施形態の側面図である。
図2C】正方形の4方向対角線平面上で撹拌部材を繰り返し結合および回転させる、本発明の動的磁性結合方法の実施形態の1対の平行な水平回転軸及びその上の4対の磁性駆動部材の設置位置の上面図及び斜視図である。
図3A】正方形の4方向対角線平面上で撹拌部材を繰り返し結合および回転させる、本発明の動的磁性結合方法の図2Aの実施形態の1対の平行な水平回転軸及びその上の4対の磁性駆動部材の設置位置の上面図である。
図3B】正方形の4方向対角線平面上で撹拌部材を繰り返し結合および回転させる、本発明の動的磁性結合方法の図2Aの実施形態の1対の平行な水平回転軸及びその上の4対の磁性駆動部材の設置位置の側面図である。
図4A】正方形の4方向対角線平面上で撹拌部材を繰り返し結合および回転させる、本発明の動的磁性結合方法の図2Aの実施形態の1対の平行な水平回転軸及びその上の4対の磁性駆動部材の前後に隣接する結合点間の遷移期間の位置の上面図である。
図4B】正方形の4方向対角線平面上で撹拌部材を繰り返し結合および回転させる、本発明の動的磁性結合方法の図2Aの実施形態の1対の平行な水平回転軸及びその上の4対の磁性駆動部材の前後に隣接する結合点間の遷移期間の位置の側面図である。
図5】正方形の4方向対角線平面上で撹拌部材を繰り返し結合および回転させる、本発明の動的磁性結合方法の図2Aの実施形態の平行多点の拡大実施の側面図である。
図6】直角の平行四辺形の2つの対角線平面上の2対の対角間で撹拌部材を繰り返し結合し、連続揺動させる、本発明の動的磁性結合方法のもう1つの実施形態の1対の平行水平回転軸及びその上の4対の磁性駆動部材の設置位置の側面図及び斜視図である。
図7】直角の平行四辺形の互いに反対側の2対の隣接する角度平面上で撹拌部材を繰り返し結合し、連続往復運動させる、本発明の動的磁性結合方法のもう1つの実施形態の1対の平行水平回転軸及びその上の4対の磁性駆動部材の設置位置の側面図及び斜視図である。
図8】単一の水平回転軸及びその上の1対の磁性駆動部材が撹拌部材の2つの磁性結合端を繰り返し結合し、回転させる、本発明の動的磁性結合方法の更にもう1つの実施形態の上面図及び斜視図である。
図9】単一の水平回転軸及びその上の1対の磁性駆動部材が撹拌部材の単一の特定磁性結合端を繰り返し結合し、回転させる、本発明の動的磁性結合方法の更にもう1つの実施形態の上面図及び斜視図である。
図10】直角の平行四辺形の平面の1つの対角線端の2点で撹拌部材を繰り返し結合し、回転させる、本発明の動的磁性結合方法の実施形態の1対の平行水平回転軸及びその上の2対の磁性駆動部材の設置位置の上面図及び斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明に用いる各図においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、構成要素毎に縮尺を異ならせてあるものであり、本発明は、これらの図に記載された構成要素の数量、構成要素の形状、構成要素の大きさの比率、および各構成要素の相対的な位置関係のみに限定されることはない。
【0009】
本発明は、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変が可能であり、多くの適用可能な発明概念を提供しており、ここに開示する特定の実施形態は、本発明を実装および使用する特定の方法を説明するためにのみ使用され、本発明の範囲を限定するものではない。
【0010】
本発明に記載の動的磁性結合方法は、回転中に磁性子を駆動する磁極端及び一定距離内の磁気又は磁性撹拌子の異なる磁極端の間の磁性吸引力、及び磁性子そのものを駆動する運動速度の両者の相乗的エネルギー変換(磁性吸引力と磁性結合速度の積を磁性結合運動エネルギーとみなすことができる)によって得られるトルクを使用してその撹拌子を運動させる動的磁性結合方法であって、多種の方式が変化した磁性結合駆動構成によって、撹拌子にそれが位置する容器内で対応する回転又はその他の規則的繰り返し動作を発生させ、容器内で同じ又は異なる液体、気体、固体の混合又は運動を行わせ、撹拌子が停止する平面を基準面とし、磁性子をその下方且つそれとほぼ垂直な平面上で回転するように駆動する。
【0011】
上記の回転またはその他の規則的な反復動作、または容器内の同一または異なる液体、気体、および固体物体の混合または運動について強調すべき点として、従来の回転撹拌または混合運動に加えて、本発明の磁性結合方法が結合する撹拌子は、更に運動力場又は運動方向に往復(reciprocating)する往復運動を行うことができ、例えば、ブルウィップ効果(whiplash effect)の繰り返し揺動運動、及びログロール(log roll)の繰り返し往復運動であり、磁性撹拌子の機能及び応用に新たな方向を持たせることができる。
【0012】
先ず、図1Aを参照して以下に説明する。図1Aは、本発明のマグネチックスターラー装置10の斜視説明図である。マグネチックスターラー装置10は、磁性結合アセンブリ100、ケーシング200、モータ300を含む。ケーシング200は、収容空間201を有する。モータ300は、収容空間201内に収容され、モータ300の設置位置はこれに限定するものではない。モータ300は、駆動軸301を有する。図1Aに示す実施形態において、磁性結合アセンブリ100は、単一の回転軸110と、単一の磁性駆動部材(「磁性結合駆動部材」または単に「磁性子」と称する)120と、撹拌子130とを含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、回転軸110は、鉄性材料である鉄心を含むことができ、例えば、回転軸110は、強磁性体の回転軸であってよく、磁性子120の吸着および配置を容易にする。回転軸110は、モータ300の駆動軸301により駆動されて回転することができる。
【0014】
磁性子120は、回転軸110上に配置される。いくつかの実施形態では、磁性子120は、任意の形状または配置の対応する磁化された物体であることができるが、特には、柱状で、柱方向に磁化され、柱端が固定され、サイズ及び磁場密度が同等のものを指し、複数の同じ形状の磁性子が積層されてなることもできる。磁性子120は、一般的な永久磁石であってもよく、または、ネオジウム鉄ホウ素又はサマリウムコバルト系の磁石、アルミニウムニッケルコバルト合金磁石、セラミック磁石または酸化鉄磁石等が何れも適用でき、且つその磁性吸引力は、何れも撹拌子130の磁性吸引力以上である。
【0015】
撹拌子130は、磁性子120の上方、且つ有効磁場が作用する一定の距離内に配置される。いくつかの実施形態では、撹拌子130は、マグネチックスターラーであってよい。例えば、撹拌子130は、棒状体、柱状体、またはカプセル状体であり得る。例えば、撹拌子130の体形は、磁性子120の運動エネルギーの変換を最適化することができる丸棒の形状で体現され、その質量および両極の磁場の分布はその中央点に対して対称であり、中央支点環を有し、又は中央のウエストが細くなり、運動の摩擦抵抗力を減少する。詳細には、撹拌子130は、両端が磁化されることができ、且つ動的進行磁場により単一空間点で結合磁場の引力、投てき力で推進することができ、撹拌子130は、自由に移動する物体であるか、運動の軸心が制限された軸方向に磁化された物体であってよい。
【0016】
回転軸110は、磁性子120が回転するのに必要な回転運動エネルギーを提供することができる。また、磁性結合点において、磁性子120と隣接する撹拌素子130との間に結合磁性吸引力を発生させることができる。磁性子120と撹拌要素130との間の結合された磁性吸引力は、異なる磁極から生じる。即ち、結合磁性吸引力は、磁性子120のN磁極と撹拌子130のS磁極、または磁性子120のS磁極と撹拌子130のN磁極から生じる。
【0017】
回転運動エネルギー及び結合された磁性吸引力は、撹拌子130の撹拌運動エネルギーに変換され、撹拌子130は、様々な液体、気液混合物、または固液混合物を撹拌するために使用することができる。詳細には、磁性子120自身の運動速度及び磁性子120と撹拌部130との間の磁性吸引力の両者を乗算した運動エネルギー、及び点対点の動的進行磁性結合によって、磁性子120の運動エネルギーを、動的磁性結合の「投げる」動作により、撹拌子130が他端に結合する運動トルク及び速度に変換し、撹拌子130にそれが位置する容器内で対応する回転又はその他の規則的な繰り返し運動をさせ、容器内で同相または異相での液体、気体、および固体の物体の混合または推進を行わせる。磁性子120は、磁極端を含む。磁極端は、結合磁性吸引力を生成するために使用される。いくつかの実施形態では、磁極端は、回転軸110から相対的に離れた端である。例えば、図2Bに示す実施形態では、左上の磁性子120の磁極はS極であり、左下の磁性子120の磁極端はN極であり、右上の磁性子120の磁極端はN極であり、右下の磁性子120の磁極端がS極である。
【0018】
いくつかの実施形態では、有効な動的進行磁性結合要件は、磁性子120および撹拌子130が同じ運動周波数または回転速度を有することであり、したがって、磁性子120および撹拌子130のそれぞれの長さまたは両端の磁性結合の距離が互いに近いかどうか、動的磁性結合の「投げる」(throw)動作の線形速度ベクトル角度の開閉は、運動エネルギーの変換を成功させる動作カバー度を決定する。動的磁性結合「投げる」動作の線形速度ベクトル角度の開閉は、同一又は反対方向である。有効な動的運動磁性結合要件は、磁性子120と撹拌子130が同じ運動周波数または回転速度を有するか、又はいわゆる「同期」であり、従って、磁性子120と攪拌子130のそれぞれの長さ又は両端の磁性結合の距離が近いかどうか、動的磁性結合「吸い投げる」動作は、攪拌子130の運動慣性モーメントのそれぞれの線速度又は運動ベクトル角度方向の開く(opposing direction)及び閉じる(same direction)と連動し、運動エネルギーの変換を成功させる動作速度のカバー度を決定する。ベクトル角の方向の「閉」とは、磁性子120と攪拌子130の同じ方向の運動による加速を指し、「開」とは、反対方向の運動による減速を指し、両者が連携して、攪拌子130の結合点における「投げる」及び「受ける」動作を完成し、これは、本動的磁性結合の同期動作の理由の1つである。
【0019】
図1Aに示す実施形態では、磁性子120は、駆動平面120P上で回転軸110の周りを回転し、撹拌子130は、撹拌運動エネルギーによって運動平面(例えば、ケーシング200の上面に平行な平面)上で運動することができる。駆動平面と運動平面は、任意の角度で交わることができ、これは、磁性子120の数及び配置によって決定される。点対点の動的進行磁性結合特性に基づいて、駆動平面と運動平面は、固定角度で配置および操作することができる。いくつかの実施形態では、駆動平面と運動平面が交差する角度は90度である。
【0020】
次に、図1Aに加えて、図1B図1Fを参照する。図1Bおよび図1Cは、図1Aの側面図であり、磁性子120は、異なる位置に回転する。図1Dは、本発明のマグネチックスターラー装置10の斜視図であり、1対の回転軸110および4対の磁性子120を含む。図1Eおよび図1Fは、図1Dの左右の回転軸の側面図である。
【0021】
換言すれば、マグネチックスターラー装置10は、1つ以上の回転軸110および1つ以上の磁性子120を含むことができ、図面に示される実施形態に限定するものではない。回転軸110の回転速度、回転軸110の回転方向、磁性子120の数、磁性子120の配置、磁性結合点の数等により、磁性子120と結合する撹拌部130に同じ方向の回転、往復揺動、往復運動等を行わせることができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、マグネチックスターラー装置10は単一の磁性結合点のみを有し、この単一の磁性結合点において、単一の磁性子120のみが撹拌子130に磁性結合される。いくつかの他の単一の磁性結合点の実施形態では、磁性子120の数は1対であり、互いに異なる磁極を対称な両端に配置することで撹拌子130を動作させ、即ち、磁性子120のN磁極及び磁性子120のS磁極は、何れも駆動平面120P(図1A参照)上にあるが、180度の位相角度差を有する。いくつかの実施形態では、磁性子120の数は、4対であり、第1対磁性子、第2対磁性子第3対磁性子、第4対磁性子を含む。さらに、第1対磁性子、第2対磁性子、第3対磁性子、および第4対磁性子のそれぞれの2つの磁性子は、同じまたは異なる磁極が対称な両端に配置されてよく、マグネチックスターラー装置10に4つの磁性結合点をもたせ、この4つの磁性結合点は仮想四角形を形成できる。いくつかの実施形態では、仮想四角形は直角を有する平行四辺形、例えば長方形または正方形である。
【0023】
ここで、回転軸の数は2つであり、第1回転軸及び第1回転軸に平行な第2回転軸を含み、且つ第1回転軸及び第2回転軸は逆方向に同期回転する。
【0024】
第1対磁性子と第2対磁性子は第1回転軸の周りを回転し、第3対磁性子と第4対磁性子は第2回転軸の周りを回転し、即ち、第1対磁性子と第2対磁性子は、同じ1つの回転軸に位置し、第3対磁性子と第4対磁性子は、もう1つの回転軸に位置する。ここで、第1対磁性子及び第3対磁性子は、仮想四角形の1つの対角線の両端点上に位置し、第2対磁性子と第4対磁性子は、もう1つの対角線の両端点に位置し、即ち、第1対磁性子及び第3対磁性子は、同じ1つの対角線に位置し、第2対磁性子及び第4対磁性子は、もう1つの対角線に位置する。対応する実施形態における仮想四角形のいくつかは、正方形であり、いくつかは長方形である。
【0025】
いくつかの実施形態では、同一回転軸上における第1対磁性子の配置方向と第2対磁性子の配置方向との間の角度差は、90度であり、即ち、第1対磁性子の中心軸の接続線と第2対磁性子の中心軸の接続線とが90度を呈する。いくつかの実施形態では、第1対磁性子の配置方向は、第2対磁性子の配置方向に平行され、即ち、第1対磁性子の中心軸の接続線は、第2対磁性子の中心軸の接続線に平行である。もう1つの回転軸上に位置する第3対磁性子の配置方向と第4対磁性子の配置方向は、異なる実施形態においても同様の配置を有する。
【0026】
いくつかの実施形態では、対角線上の第1対磁性子の配置方向と第3対磁性子の配置方向との間の角度差は、90度であり、即ち、第1対磁性子の中心軸の接続線と第3対磁性子の中心軸の接続線とが90度を呈する。いくつかの実施形態では、第1対磁性子の配置方向は、第3対磁性子の配置方向と平行である。即ち、第1対磁性子の中心軸の接続線は、第3対磁性子の中心軸の接続線と平行である。もう1つの対角線上に位置する第2対磁性子の配置方向と第4対磁性子の配置方向は、異なる実施形態においても同様も配置を有する。
【0027】
いくつかの実施形態では、1つの対角線上で平行な第1対磁性子および第3対磁性子、またはもう1つの対角線上で平行な第2対磁性子および第4対磁性子は、それぞれ単独に2つの磁性結合点で動作してもよい。各対角線上の磁性子120の組み合わせは、前述のように単一又は1対の配置であってよい。この部分は、前述の単一の回転軸の実施形態又は2つの平行な回転軸の実施形態の変形とみなすことができる。
【0028】
次に、図2A図10を参照し、回転軸110の回転速度、回転軸110の回転方向、磁性子120の数、および磁性子120の配置方式がどのように磁性子120と磁性的に結合された撹拌子130を駆動して同じ方向の回転、往復揺動、往復運動を行うかを説明する。磁性子120の配置方式は、異なる変化を含むことができ、例えば、同じ磁性結合点上の1対の磁性子120は、同じまたは異なる磁極で互いに向き合ってもよく、それぞれ異なる磁性結合点上の1対の磁性子120ともう1対の磁性子120の配向方向は、同一であるか、角度差を有してもよく、それぞれ異なる磁性結合点上において同じ配置方向を有する1つの磁性子120の磁極順序ともう1対の磁性子120の磁極順序が同じ方向であっても逆方向であってもよい。図2Cを例とし、以下の斜視図の左側の1対の磁性子120と右側の1対の磁性子120は、何れも垂直方向に沿って配置され、左側の1対の磁性子120の磁極はN極が上向き(即ち、N極は結合磁性吸引力を発生させる磁極端)であり、S極が下向きである(即ち、S極は結合磁性吸引力を発生させる磁極極)(垂直方向は[N-S]と表すことができる)が、右側の1対の磁性子120の磁極はS極が上向き(即ち、S極は結合磁性吸引力を発生させる磁極端である)、N極が下向き(即ち、N極が結合磁性吸引力を発生させる磁極端である)(垂直方向は[S-N]と表すことができる)であり、磁極順序の逆方向と見なすことができる。また、図2Cを例とし、上方の1対の磁性子120と下側の1対の磁性子120は何れも水平方向に沿って配置され、上側の1対の磁性子120の磁極はS極が左向き(即ち、S極は、結合磁性吸引力を発生する磁極端)、N極が右向き(即ち、N極が結合磁性吸引力を発生する磁極端である)(水平方向で左から右へ[S-N]と表すことができる)であり、下方の1対の磁性子120の磁極はS極が左向き(即ち、S極は結合磁性吸引力を発生する磁極端である)であり、N極が右向き(即ち、N極は結合磁性吸引力を発生する磁極端である)(水平方向において左から右は[S-N]と表すことができる)であり、磁極順序の同じ方向とみなすことができる。明確にするために、磁性子120の磁極構成のみを図示しており、理解すべき点として、撹拌子130のN/S磁極は、それぞれ磁性子120のS/N磁極と結合し、ある場合は2つの異なる磁極端が同期して交互に結合し、又はある場合は、単一の磁極端が個々に交互に結合する。
【0029】
動的磁性結合の比較的完全な実施形態は、辺の長さdの仮想正方形の四隅または長さDの4方向の対角線とその平面において、1/4回転ごとのステップで、4組の予め設定去れた構成の磁性子120を使用し、長さの近い撹拌子130の両極を繰り返し結合し手推進し、正逆方向の回転することができる。図2Aは、t1、t2、t3、t4で撹拌子130の一回転ごとの4つの1/4回転のステップ時間順序を表し、各円内のNおよびSは、磁性駆動部材の磁極構成、及びそれぞれ対応する時間の撹拌子130の4方向の対角線上の位置を表す。図における磁性撹拌子のN/S磁極は、それぞれ磁性駆動部材のS/N磁極と結合しているが、明確にするために標示していない。図2Bは、図2Aの時間t1における動的磁性結合の断面側面図であり、平面p上の容器内において、駆動される撹拌子130は、有効磁場が作用する一定距離内において、その下方の仮想正方形の長さDの対角線の両端の四隅の4組の予め設定された構成の動的な磁性子120に従って時計回りに回転する。4組の磁性子120の各2つは、2つの平行な水平回転軸上に並列され、そのうちは、辺の長さdの仮想正方形の四隅の垂直な投影点上に位置する。従って、2つの平行回転軸間及び各軸上の2組の磁性子120間の距離は、図2A及び図3Aに示される長さdである。
【0030】
図2Aの各時間における四角フレームの上下の対辺は、2つの平行な回転軸の中心線であり、左右の対辺は、各回転軸上の2組の磁性子120の中心線の接続線を示す。図2Aのt1、t2、t3、t4のシーケンスによると、4方向の対角線の両端の位置で繰り返される動的結合は、図2Aの各時間の正方形フレーム上の隣接する磁性子120が互いに垂直である又は90度の差を有する設定に依存し、それらは、図2A、その断面側面図である図2B、更には斜視図である図2Cに明確に示される。図2Bの断面図は、45度の角度差で2つの水平な平行回転軸が重なっているが、回転軸上の他の2組の水平角度にある磁性子120は見ることができない。仮想の正方形の四隅及びその平面において正確な動的「運動」(running)結合シーケンスを有して駆動された撹拌子130を回転させるため、4対8端の磁性駆動アセンブリは、先ず正確な磁極構成の設定を有し、2つの平行で同期して対向(仮想正方形の上方)又は逆方向(仮想正方形の下方)に回転する軸によって駆動され、図の丸状の矢印に示すとおりである。
【0031】
図2B図3A、および図3Bにおいて、対向する2本の平行な駆動軸110によって生成される動的回転対角結合磁場は、撹拌子130に時計回りの繰り返し回転動作を与える。逆に、2本の回転軸110が逆向きの場合は、反時計回りの回転撹拌動作となる。
【0032】
図2Aの4方向の対角線の両端で運動磁場に伴って結合された撹拌子130の、t1、t2、t3、t4のシーケンスに基づく、ステップごとの90度の繰り返し回転ステップ動作は、送りと受けの2つの運動エネルギーに依存した相互作用を必要とする。図4Aは、t1、t2の間の90度のステップをさらに分割し、撹拌子130を45度の位置で停止させ、四隅に位置する各磁性子120は依然としてt1の位置で停止し、動的磁性吸引力場の撹拌子130を結合して規制(cage or confine)する各作用力を標示することができる。図4Bは、一回転のt1、t2、t3、およびt4の連続する4つの90度のステップの対応する4対の磁性子120のN/S磁極と、その45度の停止フレーム遷移位置をt1+、t2+、t3+、t4+で全て標示する。ここで、撹拌子130の位置は、t1、t2、t3、t4の各対応する位置に依然として停止する。図4A図4Bでは、撹拌子130の一端のS極は、明らかに出入りする2つのN極120によって駆動される磁場の磁性結合及び規制内にあり、同時にその他端のN極も出入りする2つのS極によって駆動される磁場の磁性結合及び規制内にあるため、一定距離内の有効結合作用磁場内で、撹拌子130は、磁性子120の組み合わせ運動の方向に従って運動する。この出入りの2つのN極120の駆動磁場及び出入りする2つのS極120の駆動磁場は、単一の撹拌子130に対する磁性結合及び規制は、明らかに1対又は2対の同じ、隣接し且つ平行に配置された撹拌子130の磁性結合及び規制に寄与する。
【0033】
平行で反対向きの2つの回転軸のこの実施形態では、動的磁性結合シーケンスに特有の協働磁性結合ベクトル分割を示す必要がある。図2Cにおいて、撹拌子130の両端の磁極がシーケンスt1から開始し、t4まで時計回りに回転する過程で、四隅の隣接する運動結合点は、2種類の磁場結合ベクトル分割作用を持続的かつ繰り返し与え、撹拌子の繰り返し、持続的で迅速な結合及び回転を安定させる。t2から開始する撹拌子130のS極を例とし、右下隅の回転子120のN極と結合する前に、先ずその撹拌方向に沿った吸引力(pull)と投てき推力(push)によって加速され、その後、t3では左下隅の回転子120のN極の逆方向からくる吸引力、抵抗力を受けて減速し、同様の作用が同時に撹拌子130のN極でも発生する。これはすべて、t4、t1で再び繰り返され、即ち、1回転で2回、2つの軸上で対向回転する磁性駆動子120の間で特有の「投げる」及び「受ける」(throw and catch)磁力結合ベクトルの協働及び分割が、本発明の動的運動結合方法に特有の、対向して加速する運動エネルギー変換を緩和する。それらの間のt1からt2、t3からt4まで時間は、撹拌子の両端の磁極それぞれが同じ回転軸110上に位置し、前段落の図4Bに記載の双N、双Sのt1+及びt3+遷移期間のもう1種の磁性結合及び規制作用により四隅の隣接する運動結合点での持続的な磁場の動的結合および協働を満たし、撹拌子に持続的で速い結合及び安定した回転を繰り返させる。回転軸が1回転する毎に撹拌子も1回転し、両者は常に1つずつ対応している。2つの駆動軸が逆回転または逆走する時、上記の異軸磁性子間の「投げる」および「受ける」の磁性結合ベクトルの協働および分割は、同軸磁性子間の「投げる」および「受ける」の磁性結合ベクトルの協働および分割に変換され、その磁性吸引作用力のベクトル角度が異なり、適用可能な動的結合磁場と磁性撹拌子も異なる。
【0034】
物理的構造を簡単化し、磁石120の固定を容易にするために、駆動部材の回転軸110は、強い磁性誘導力を持つ鉄または鋼材質を採用し、作用部分の断面が正方形の棒状の材料で作られ、図3Bに示すように、磁性子120は、永久磁石またはネオジウム鉄ホウ素系希土類磁石を使用し、形状は積層、吸着し易く、各種厚み、垂直面方向に磁化された円柱状磁石が好ましい。磁性子120のサイズは、撹拌子130のサイズを次のように参考とすることができる。回転軸上の駆動磁性結合の断面は、撹拌子の断面よりも小さくなく、駆動磁性結合断面は、回転軸の断面より大きくない。2つの軸の間の距離は、駆動磁性結合の高さを参考とし、それらが互いに干渉することなく通過できるようにする必要があり、駆動磁性結合の高さは、撹拌子130の2つの極間の距離又はその長さを参考にし、両者の回転によるトルクが連携及び協働することができる。
【0035】
特記すべき点として、上記の撹拌子130の長さおよびサイズは、実際には、撹拌子130の両端に埋め込まれた磁石または磁性結合実体間の距離であり、その外観において測定可能な長さおよびサイズではなく、これは、非磁性体のプラスチック被覆材を多く含むためである。従って、以下に開示する実施形態では、様々な長さおよび形状の市販のマグネチックスターラーを使用して、本発明の実用性をテストおよび確認している。
【0036】
この動的磁性結合動作メカニズムの発明特有の水平に配置された動力回転軸110は、装置の平坦化を可能にするだけでなく、単一組の撹拌子130の結合および動作メカニズムを同軸上で容易に複製、拡張、および拡大して複数組することができ、且つ同じ動力源を使用できる。上面図の図5の上部にある2つの平行な回転軸上には、本発明の動的磁性結合方法および図3Aおよび図3Bの実施形態に従って拡大された4組の平行な磁性結合撹拌位置点が配置され、下部の2つの平行軸の組み合わせは、更に別の複製4組があり、必要に応じてさらに水平または垂直により多く複製を続けることができる。回転軸の間は、ベアリング、ギア、ベルト、またはその他の伝達方法を使用して、モータなどの単一の動力源で複数の回転軸を駆動し、ギア伝達を介して各組の回転軸に異なる速度比を設定できる。各組の回転軸は、当然、個別の動力源で駆動することもできる。
【0037】
即ち、各磁石物質の回転軸において、回転軸上の駆動磁性子120または磁性子120の組み合わせアレイを複数組複製することができ、同一の単軸又は双軸の駆動の下で同様の数の複数の撹拌子130の動作を行い、この駆動機構は、より多くのギア及び機械によって並列の複数列の隣り合う回転軸上の駆動磁性子120又は磁性子120の組み合わせアレイまで伝達することができる。
【0038】
上述したように、本発明の動的運動磁場結合方法は、実施において多くの特徴を有する。以下では、マグネチックスターラーによって駆動される実験とデータを使用して、その実際の性能を説明し、より多くの実施形態を使用して、その多機能、多性能の実現可能性を説明する。先に記載したいわゆる「隣接する運動結合点での連続的な逆方向および順方向の磁場結合運動量協働作用」は、本発明の動的運動磁場結合の鍵であり、即ち、順方向の磁性結合が「投げる」撹拌子の一端が逆方向の磁性結合により「受けとめる」(Catch)ことができない場合、その撹拌子は、「一定の距離内の有効な結合作用磁場」の作用から跳び出し、各所にさまよったり、跳ねたり、転がったりして、繰り返し回転する機能を失う。「受けとめ」られない要因は、2つあり、「投げる」力が大きすぎるか、小さすぎるかである。本実施形態(図2A)の動的結合は一回転する毎に、各運動結合点上の磁場が[N-X-S-X]-[X-N-X-S]-[S-X-N-X]-[X-S-X-N](Xはスペースを表す)のように4回変化し、各辺または隣接する2つの結合点の組み合わせも図2Aの上端寄り又は図2Cの回転軸2の[N-X]‐[X-N]‐[S-X]‐[X-S]のように4回変化するため、本発明の動的結合の機会が仮想の直角の平行四辺形(この例では正方形)の4方向の対角線平面上の周辺領域にも存在する。そのため、従来の静的2点位置決め結合とは異なり、「一定距離内の有効な結合作用磁場」が存在する場合、跳び出した撹拌子は、結合領域外に動作する機会があり、更には周囲の「調整」(education or training)を経た後に自ら結合領域内の結合動作に回帰し得る。
【0039】
上記の運動磁性結合の多点の「投げる」、「受ける」動作は、低速で動作する場合、撹拌子は目視時には分解された「投げる」、「受ける」の不連続な結合動作を繰り返し、これは、従来の静的2点位置決め吸着結合の低速回転とは異なり、磁性結合を駆動する撹拌子に吸着する運動は、連続であって分解して動作することがない。これは、従来の静的空間の両端に一定のS極とN極の磁極がある空間を隔てた「1対1」の吸着結合とは明らかに異なり、動的な空間を隔てた結合の両端が接近、離間、一定運動を繰り返す状態で作用するものである。
【0040】
以下では、簡単な説明として、5組の実施形態を提供する。
【表1】
【0041】
実施形態1-二軸の4点が1/4回転毎に結合する繰り返し回転運動(図2A図4B
平行軸の距離を20mm取って実験を行い、6mmの円柱のセラミック回転軸の両端は、自己潤滑ベアリングによりアルミニウム固定ベースに水平に固定されている。2つの平行軸には、それぞれ中央に直径6mmの丸穴が開いた8mm角の鉄製の直方体が2つ取り付けられ、その上に止めねじがあり、軸上の結合位置を固定し、即ち、一辺の長さ20mmのおおよそ正方形の仮想四角形の四隅の位置決め点には、図に従って、高さ5mm、直径5mmまたは8mmの市販の円柱形のネオジウム鉄ホウ素磁石をその上に吸着させる。このように設定された各組の駆動磁石対の高さまたは回転直径は、5+8+5=18mmである。回転軸の一方は、12VDCモータで駆動され、2つの軸上の同じタイプの平歯車によってもう一方の軸を駆動し、それをモータ軸と同期させ逆方向に動作させる。異なる速度範囲をテストするために、実験では7W35‐165、13W130‐440、および13W210‐1080rpm(回転数/分)の3つのモータを使用し、各モータを6段階の出力電圧調整器で6つの速度に分割する。テストパラメータは、撹拌子のタイプ、撹拌子のサイズ、容器のタイプ、撹拌速度、結合スペースの距離、および実験用の正方形の辺の長さを含む。
【0042】
撹拌子タイプは、断面が三角形、円形、八角形、四角形の棒状の撹拌子であり、中心に支点環があるものとないものがあり、また、長尺楕円形の棒状の撹拌子もある。撹拌子のサイズは、長さ15~60mm、直径又は高さ7~14mmの各種棒状撹拌子である。容器のタイプは、撹拌子のサイズに合わせた50~600mLの実験室用ガラス製ビーカーと、2000mLの大型プラスチック製透明ビーカーであり、ビーカーの内径は棒状撹拌子の長さの2倍以上を原則とし、内容物は、20℃の室温の水道水である。
【0043】
撹拌速度は、3種のモータの6段回転数テストがそれぞれ(1)低速35/60、80/105、125/165rpm、(2)中速132/186、225/273、324/440rpm、(3)高速210/370、530/680、820/1080rpmであった。各速度範囲でのテストのパフォーマンスは、3つのグレードで記録され、Y:持続回転成功、Y/N:一部成功(3回転以上持続従位置決めできていない)、N:失敗であり、これらは、以下のテスト分析レポートの根拠となっている。(本明細書のすべてのモータ回転速度値は何れも概算値であり、何れも10%の内外誤差が許容される。)
【0044】
結合スペースの距離は、垂直に回転する磁性結合の上部のプラットフォームに5mmの固定ギャップを残し(図2Bの平面pの下のスペース距離)、平面pにそれぞれ厚さ4mmの透明アクリル板を1~3枚配置して9/13/17mmの3つの異なる結合スペース距離を提供する。
【0045】
実験用正方形の一辺の長さdが20mm、対角結合距離Dが28mmの条件では、長さ(L)が15~40mmのマグネチックスターラーすべての回転速度において何れも本発明の動的磁性結合方法で駆動できる。大きな直径8mm(Di)の磁石は、小さな5mmDiの磁石よりも大幅に優れた性能を示した。35‐165rpmの低速での短い撹拌子と130‐440rpmの中速での長い撹拌子の結合性能は比較的優れていた。しかし、350~1080rpmの高速モータで駆動した場合、長さ15~40mmの円柱形および八角柱形の撹拌子はすべて、中央支点環を有するか否かに関わらず、何れも回転速度の全範囲で本発明の動的磁性結合法によって首尾よく駆動することができた。ローエンドの回転速度では、より大きな垂直方向の間隔の磁性結合によって生成される低いトルクまたは「投げる」力により、より良い結合が可能になった。ハイエンドまたはより高い回転速度では、状況が逆になった。
【0046】
したがって、混合撹拌の必要に応じて調整した垂直方向の磁性結合間隔を使用して、磁性結合性能を向上させることができ、これは、動的磁性結合方法の発明の特徴でもある。更にコンピュータを使用してシミュレーション計算し、例えば、垂直間隔を調整し、磁性撹拌子の両極の線形速度を、磁性結合を駆動する線形速度に適合させるか、その対応する結合磁極と同期させ、本発明の磁性結合性能及び応用を向上させることができる。直流電源の極性を変えてモータを反転させる場合、逆方向に同期動作する2つの平行な水平回転軸が本発明の動的磁性結合によってマグネチックスターラーを即座に反対方向に回転させる。
【0047】
実施形態2-二軸の4点が1/4回転毎に結合する繰り返し非回転運動(図6および図7
実施形態1の正方形の四隅で繰り返す動的ステップ式の結合は、4対の駆動磁性結合フェーズ及びその上の両端の磁極のリセットを経た後、本発明の動的磁性結合方法は、仮想の直角の平行四辺形上で2つの対角線の両端又は2つの軸上で互いに向き合っている2対の端点で繰り返す同期結合によって、図6及び図7に示すように、回転以外の繰り返しの規則的動作を生成する。図6は、2つの対角線上で磁性結合対の結合を駆動し、90度の位相角度差( Time-lapsed phase differentiation)を採用し、異なる位相の2対のN極とS極は、それぞれ異なる軸上の異なる側の交差位置に設定される。このように、2つの軸が向かい合って同期して回転している場合、t1、t2、t3、t4のステップシーケンスに従って、1回転する毎に、運動磁場によって結合されたマグネチックスターラー(その磁極は図中の薄い色のN、Sで示される)は、図のように2つの往復する揺動運動があり、容器内で混合撹拌、運動してブルウィップ効果(whiplash)を発揮する。図7は、2つの回転軸でそれぞれの2つの磁性結合対によって動的結合駆動磁性結合を構成し、故にその磁性結合距離は、dであり、2軸上で磁性結合対を駆動する結合も90度の位相角度差を採用し、異相の2対N及びS極は、それぞれ同軸、同じ側の対面の位置に設定される。このように、2つの軸が向かい合って同期して回転する時、t1、t2、t3、t4のステップシーケンスに従って、1回転毎に、運動される磁場結合のマグネチックスターラー(その磁極は図中の薄い色のN、Sで示されている)は、図のように2回往復する往復運動となり、容器内の混合撹拌、運動のログロール(log roll)効果を発揮する。これら2つの図の磁性結合アレイは、前者は運動の磁性結合によって連続して繰り返される揺動(flapping)運動を発生し、後者は、連続して繰り返される往復(reciprocating)する往復運動を行う。実施形態1と同じ装置を使用して、磁石のリセットを駆動し、13WのDC60‐220rpm低速モータを実際に測定した後、図6の装置は、予期したとおり、繰り返しモータと同期して揺動運動する、38mmL/8mmの高さ(H)の八角形、中央支点環を有する棒状撹拌子である。図7の装置は、予期するとおり、繰り返しモータと同期して往復運動する、寸法が近い、滑らかな円柱形、中央支点環のない棒状撹拌子である。その運動幅は、対応する磁性結合の垂直距離、即ち、その結合運動エネルギー変換の大きさの調整に従って変化し、仮想の直角の平行四辺形の長さ又は軸距離dの制限を受けない。
【0048】
この実施形態の要点は、以下の3つを有する。1つは、同軸上で磁性結合を駆動する距離の大きさが撹拌子の長さの調整に従って最適な結合駆動効果を求めることができ、次は、撹拌子を回転する運動せん断力を効果的に低減することができることであり、3つ目は、新しい繰り返し運動方式が撹拌子の応用を広げるということである。同様に、「一定距離内の有効な結合作用磁場」が存在する場合、容器に吊り下げられた撹拌装置でも、図6および図7に示すように、連続して繰り返し運動を行うことができる。結合空間距離の調整後、撹拌子の連続的に繰り返す往復運動の振幅は、2つの軸の間の距離dに制限されない。
【0049】
更なる実施形態は、本発明の動的磁性結合方法の多様性を強調するものであり、2軸4点対角線又は単辺運動結合から、単純化して単軸1点結合に変化させることもできる。本実施形態(図8)では、単一軸、単一の結合点上に1対の駆動磁性結合120のみを設定され、その両端の180度分離されたN、S磁極は、シーケンスに従い、半回転毎に、その運動磁場結合、投げられる磁性攪拌子130の異なる磁極結合と1回遭遇し、動的結合の条件がこれらの1回転2回の運動磁性結合の同期を許容する場合、駆動されるマグネチックスターラーは、駆動平面とほぼ垂直な平面で繰り返し回転運動することができる。このように、単一組の撹拌子130の結合及び動作メカニズムを同軸上で容易に複数組に複製、拡張、拡大することができ、依然として同じ動力源を使用する。単点結合、駆動のため、撹拌子130の結合位置は、2つの自由度を有し、それぞれ駆動磁性結合軸方向の両側に位置し、結合面方向の違いにより、フレーム内の図のように、撹拌子130は、2つの相反する回転方向を有することができる。従って、従来の静的2点位置決め結合とは異なり、「一定距離内の有効な結合作用磁場」が存在する場合、跳び出したスターラーは、元の結合領域外で結合して動作する機会があり、更には周囲の磁場の「調整」後に自ら別の結合領域を見つけてその回転運動を継続するか、元の結合領域での結合動作に戻ることができる。
【0050】
同様に、単一軸単点の結合をさらに簡単化すると、先の実施形態(図8)は、単軸、単結合点に設定された1対の駆動磁性結合が使用する両端が180度分離したN、S磁極の一端を除かれ、このように、単一のN又はS磁極のみを使用し、1回転毎に単結合点を1回通過し、即ち1回転毎にその運動磁場結合、投げられるマグネチックスターラーの異なる磁極結合と1回遭遇し、動的結合の条件がこの1回点1回の運動磁性結合の繰り返しの同期を許容する場合、駆動されるマグネチックスターラーは、駆動平面とほぼ垂直な平面で繰り返し回転運動することができ、図9に示すとおりである。このように、単一組の撹拌子130の結合及び動作メカニズムを同軸上で容易に複数組に複製、拡張、拡大することができ、依然として同じ動力源を使用する。同様に、単点結合、駆動のため、撹拌子130の結合位置は、2つの自由度を有し、それぞれ駆動磁性結合軸方向の両側に位置し、結合面方向の違いにより、フレーム内の図のように、撹拌子130は、2つの相反する回転方向を有することができる。従って、従来の静的2点位置決め結合とは異なり、「一定距離内の有効な結合作用磁場」が存在する場合、跳び出したスターラーは、元の結合領域外で結合して動作する機会があり、更には周囲の磁場の「調整」後に自ら別の結合領域を見つけてその回転運動を継続するか、元の結合領域での結合動作に戻ることができる。当然、これは、容器のサイズ、形状、流体特性にも関係し、例えば、撹拌子に対してサイズが小さすぎるビーカーは、撹拌子の回転に十分な領域外結合磁場空間を有さない。
【0051】
実装形態3‐単軸単点の半回転毎に結合する繰り返し回転運動(図8
本実施形態の実験パラメータは、撹拌子のタイプ、撹拌子のサイズ、容器のタイプ、駆動磁石、撹拌速度、結合空間距離を含む。
【0052】
撹拌子のタイプは、断面が円形、八面の棒状撹拌子であり、後者は、中央支点環を有する。また、長尺楕円形の棒状撹拌子もある。撹拌子のサイズは、15‐40mmL、7‐9mmの直径(Di)または高さ(H)である上記棒状撹拌子、特に27mmL/8.5mmDiおよび40mmL/9.0mmDiの2種の滑らかな円柱形の棒状撹拌子がある。容器のタイプは、撹拌子のサイズに合わせた100、400(トール形)、及び600mLの実験室用ガラス製ビーカーであり、内径が棒状撹拌子の長さの2倍以上を原則とし、内容物は、20℃の室温の水道水である。実施形態1および実施形態2で使用した、高さ5mmおよび直径5または8mmの2つの市販の円柱形ネオジウム鉄ホウ素磁石以外に、高さ8mmDi/10mmHおよび幅12mmDi/5mmHの2つの市販の円柱形ネオジウム鉄ホウ素磁石もテストした。
【0053】
撹拌速度は、3種類のモータの6段階の速度テストは、それぞれ(1)交換した13WDCモータ、低速60/90、110/135、165/220rpm、(2)中速132/186、225/273、324/440rpm、および(3)高速300/450、540/675、810/1100rpmであり、各速度範囲でのテストのパフォーマンスは、Y:連続回転成功、Y/N:一部成功(3回転以上継続するが位置決めできない)、N:失敗の3つのグレードで記録され、これは、テスト分析レポートの根拠となる。
【0054】
結合のスペース距離は、垂直に回転する磁性結合の上のプラットフォームに5mmの固定ギャップを残し(図2Bの平面pにおけるスペース距離)(12mmDi/5mmHおよび8mmDi/10mmH磁石を使用する場合、7mmまで増加)、平面p上に1‐3枚の各4mm厚の透明アクリル板を配置し、9/13/17mm(または10mmH磁石を使用する場合は11/15/19mmまで増加)の3つの異なる結合空間距離を提供する。
【0055】
8mmDi/5mmHの駆動磁石は、長さ15‐30mmLのマグネチックスターラーの130‐800rpm以上の回転速度に対して効果的に結合でき、特には、短い撹拌子または中央支点環を有する撹拌子である。より長い9.0mmDi/40mmL滑らかな円柱形撹拌子は、130~450rpmの回転速度においても効果的に結合できる。より大きくて重い、または小さくて軽い撹拌子も効率的に結合できるが、最高回転速度は低くなった。この速度の低下には、12mmDi/5mmHの幅広の駆動磁石の切り替えも含まれるが、この場合、長さ9.0mmDi/40mmLの長い撹拌子及び8.5mmDi/27mmLの短い撹拌子の最大速度の差は、他の磁石ほど明らかではない。
【0056】
「一定距離内の有効な結合磁場」が存在する場合、実験で飛び出した撹拌子は、元の結合領域外で結合動作する機会があり、経常的な周囲の運動磁場の「調整」後、自ら本実施形態の逆向きの結合領域を見出しその回転運動を継続するか、元の結合領域内の結合動作に回帰することができる。回転速度または回転慣性の増加または減少に伴って、撹拌子130の回転軸の位置も、駆動軸110の垂直方向に前方または後方に対応して回転移動する。より短い磁性スターラー、例えば、15mmL/8mmH八面体棒状の中央支点環を備えた撹拌子、または19mmL/7mmHの長尺楕円形撹拌子などは、1000rpmを超える回転速度で安定したローリング結合回転を行い、本発明の動的磁性結合方法の短軸駆動の応用における別の面を示す。結合された短い撹拌子130は、一点で直立に回転できる。
【0057】
実施形態4‐単軸単点の1回転毎に結合する繰り返し回転運動(図9
本実施形態のテスト装置は、単一のN又はS駆動磁極のみを使用することを除いて、実施形態3と同じであるため、1回転毎に単一の結合点を1回のみ通過する。単一の磁石120の鉄質回転軸110に吸着する異なる磁極端には、依然として磁場が残るが、磁力線の拡散と距離の延長により、可能な作用結合力磁場は相対的に無視することができる。実験パラメータは、撹拌子のタイプ、撹拌子のサイズ、容器のタイプ、駆動磁石、撹拌速度、結合空間距離を含む。
【0058】
撹拌子のタイプは、断面が円形、八面の棒状撹拌子であり、後者は、中央支点環を有する。撹拌子のサイズは、27mmL/8.5mmDiおよび40mmL/9.0mmDiで、2つの滑らかな円柱形の棒状撹拌子である。他の2つは、サイズの近い28mmL/8mmHおよび41mmL/8mmHの中央支点環を有する八面の棒状撹拌子である。容器のタイプは600mLの実験室用ガラス製ビーカーであり、内容量は室温20℃の水道水450mLである。駆動磁石は、1回転に1回の運動結合であり、より強い磁場推力を得るため、この実験では、広域の12mmDi/5mmHの市販の円柱形ネオジウム鉄ホウ素磁石を使用する。幅の狭い8mmDi/5mmHおよび8mmDi/10mmH磁石も比較のために使用される。
【0059】
撹拌速度は、3種の13WのDCモータの6段階の回転速度テストそれぞれで(1)低速60/90、110/135、165/220rpm、(2)中速132/186、225/273、324/440rpm、(3)高速300/450、540/675、810/1100rpmである。各回転速度範囲でのテストのパフォーマンスは、Y:連続回転成功、Y/N:一部成功(3回転以上継続するが位置決めできない)、N:失敗の3つのグレードで記録され、これが以下のテスト分析レポートの根拠となる。
【0060】
結合の空間距離は、垂直に回転する磁性結合と上方のプラットフォームの間に7mmの固定ギャップ(図2Bの平面pにおける空間距離)を残し、プラットフォームは、1~3枚のそれぞれ厚さ4mmの透明なアクリル板であり、11/15/19mmの3つの異なる結合スペース距離を提供する。
【0061】
より大きな磁石を使用したとしても、1回転に1回の効果的な結合の回転速度は、依然として実施形態3の1回転あたり2回の効果的な結合の回転速度よりも明らかに低い。40mmLの滑らかな、円柱形棒状撹拌子は、約100~250rpmであり、より短い27mmLの滑らかな、円柱形棒状撹拌子も300rpmまでであった。短い27mmLの撹拌子はより近い結合スペース距離を必要とし、長い40mmLの撹拌子はより長い結合スペース距離を必要とするか、より長いトルク距離に合わせて過剰なトルクを避けるために低速または線形運動エネルギーを必要とする。
【0062】
中央支点環を有する八面の棒状撹拌子は、その回転に必要なトルクは支点環がない撹拌子よりも低いはずであり、即ち、比較的容易に回転するはずであるが、その実験結果は、そのとおりではない。短い28mmLの撹拌子の効果的な結合の回転速度は確かに良く、約60~450rpmであったが、長い41mmLの撹拌子は、わずか60~190rpmに落ちる。支点環のない撹拌子と異なるのは、2つの異なる長さの中央支点環を有する棒状撹拌子であり、その比較的回転し易い構造であるため、結合スペース距離が長いか、結合トルクが弱い方が、連続して効果的な結合及び回転速度を満たすことができる。
【0063】
より狭い側の高さ8mmDiの2種類の磁石をテストし、より正確で集中的な運動結合運動エネルギーとより高い有効結合回転速度が得られると考えたが、実験結果は依然としてこの考えを支持しなかった。
【0064】
単一の駆動軸、単一点の動的結合の上2つの実施形態が示すように、1回転毎に「キック」(pull-and-push)1回の実施形態4が撹拌子を駆動して持続的且つ効果的な結合及び回転を行うことができるが、これに比較して1回転毎に「キック」2回の実施形態3は、現在の性能は明らかに不足している。さらに、中央支点環を有する15mmL/8mmHの八面棒状撹拌子、又は高さ19mmL/7mmHの長尺楕円形撹拌子等、水平に横たわる長さ/高さの比が2に近いような短くて太いマグネチックスターラーは、1000rpmより高い回転速度において、依然として安定した結合回転を行い、本発明の動的磁性結合方法の単軸駆動の応用の別の一面を示している。結合された短結合撹拌子は、単点でほぼ直立して回転することができる。したがって、単一組の撹拌子130は、本発明の動的結合及び動作メカニズムを使用し、同じ水平回転軸上で容易に複数組に複製、拡張、拡大することができ、依然として同じ動力源を使用する。実施形態3及び実施形態4の単一組の撹拌子130のように、それが大きいか小さいか、長いか短いかに関わらず、何れも回転軸上で2つ以上の近隣の、並列な、同極性の駆動磁石120を使用し、そのトルク、安定性及び回転速度適用範囲を強化することができる。また、単点対単点の動的結合であるため、「一定距離内の有効な結合作用磁場」があれば、撹拌子130はそのサイズに関係なく任意の角度で繰り返し回転することができ、水平または垂直の2つの回転面に限るものではない。フレームに固定され、特定の角度で平面上を回転する撹拌子の場合、上記の単軸、単点の動的磁性結合方法も十分に適用できる。長さ/高さの比が2を超える場合、前述の水平に配置された回転軸も垂直または他の角度に変更できるため、元の垂直面上で運動する駆動磁性結合は、より適切な作業面で動作できる。
【0065】
さらに、上記の単軸、単点の動的結合の2つの成功実施形態は、本発明の動的運動式磁性結合方法のもう1つの明らかな包括的または中間構造を示している。即ち、単軸、単点駆動と2軸、4点駆動の間で、2組の単軸単点駆動を組み合わせたもの、即ち、二軸上の4点により仮想の平行四辺形の対角線の両端点にある磁性駆動部材の同期した「受ける」、「投げる」動作により、即ち、実施形態1(図2A)の1/4回転t1/t2/t3/t4の4段階のステップを、半回転のt1/t3またはt2/t4の2段階ステップの動作に簡単化するか、実施形態3(図8)の倍増体は、図10に示すとおりである。実施形態1と異なる点は、2つの異なる対角線上の各対磁性結合端点の同期的に結合された磁性吸引力と運動エネルギー変換が、上方の撹拌子を駆動して異なる方向に回転させることである。
【0066】
実施形態5‐二軸の2つの対角点の半回転毎に結合する繰り返し回転運動(図10
本実施形態のテストは、実施形態3のパフォーマンスと比較し、実験パラメータは、撹拌子のタイプ、撹拌子のサイズ、容器のタイプ、駆動磁石、撹拌速度、結合空間距離を含む。
【0067】
撹拌子のタイプは、円形、八面の棒状撹拌子を選択し、後者は、中央支点環を有する。撹拌子のサイズが25~50mmL、8~10mmの直径(Di)または高さ(H)の上記の棒状撹拌子であり、特に27mmL/8.5mmDiおよび40mmL/9.0mmDiの2種の滑らかな円柱形棒状撹拌子であり、25mmL/8mmDiおよび38mmL/8mmDiは、2種の中央支点環を有する八面の棒状撹拌子である。容器のタイプは、600mLの実験室用ガラス製ビーカーであり、内容物は室温20℃の水道水である。駆動磁石は、実施形態1、実施形態2、実施形態3で使用した高さ5mm、直径8mmの市販の円柱形ネオジウム鉄ホウ素磁石4個のみを比較のために使用した。撹拌速度は13WのDCモータで、高速300/450、540/675、810/1100rpmモデルのみの比較である。結合空間距離も、厚さ4mmの透明アクリル板を1~3枚使用して、9/13/17mmの3つの異なる結合空間距離を提供する。平行軸距離dが20mmを取り、軸上の辺の長さ20mmの仮想正方形の四隅の位置決め点を除いて、本実施形態は、更に拡大した40mmの軸上の辺の長さを使用し仮想正方形の四隅の位置決め点で2つの対角点の半回転毎の結合の実験を行った。
【0068】
仮想四角形の2つの対角点の運動の結合は、25~40mmLの4種類のマグネチックスターラーを全域回転速度(300~1100rpm)で効果的に結合でき、結合スペース距離は、動作速度の上限及び加減を決定する。これに比較して、実施形態3の単点結合駆動の結果は、大幅な改善がみられ、更には、実施形態1の4点の結合駆動にも匹敵した。仮想の40mm×20mmの長方形を使用して、より長い対角線の結合距離の変換をテストし、中央支点環を有する10mmDi/50mmLの8面の棒状撹拌子を使用すると、有効な結合回転速度が実施形態1の440から675rpmに増加した。但し、25mmL/8mmDiと38mmL/8mmDiの短い2種類の中央支点環を有する8面の棒状撹拌子は、結合距離が過度に長いため、有効結合回転速度も675rpm以下に低下する。ここでも、本発明の磁性駆動アセンブリの構成がマグネチックスターラーの物理的状態変換に従って設定可能な新規性及び進歩性が示される。
【0069】
上記のいくつかの簡単な実施形態は、さまざまなサイズ、形状の市販のマグネチックスターラーと希土類柱状磁石を使用し、本発明の動的運動磁性結合方法が、従来の静的吸着磁性結合の流体混合撹拌、推進の回転運動を行うことができ、空間、動力、コスト、発熱を節減し、簡単に複数組の撹拌延伸拡大を行うことができるだけでなく、更に、軸上に吸着する複数組の駆動磁性結合の磁極構成の配置設定により、他の非回転の運動動作を繰り返す又は異なる長さのマグネチックスターラーの結合距離変換を行うことができる。上記のいわゆる「回転又はその他の規則的な繰り返し動作」または「容器内の同相または異相の液体、気体、固体の混合または運動を行う」ことは、従来の一定方向の回転撹拌または運動以外に、本発明の磁性結合方法で結合された撹拌子が、さらに、例えば ブルウィップ効果(whiplash effect)の繰り返し揺動運動、及びログロール(log roll)の繰り返し往復運動など、運動力場または運動方向に往復(reciprocating)する往復運動を行うことができ、マグネチックスターラーの機能及び応用に新しい方向性を開いていることを強調している。学術理論に基づいたよりデジタルな設計とコンピューターシミュレーション、例えば、正確に一致した磁場と駆動および受動トルク、調整可能な結合空間距離により、本発明の動的運動磁性結合方法は、専用または多機能の応用に関わらず、何れも上記の幾つかの実施形態に限定するものではない。
【符号の説明】
【0070】
10 磁性結合撹拌装置
100 磁性結合アセンブリ
110 回転軸
120 磁性子
120P 駆動平面
130 撹拌子
200 ケーシング
201 収容空間
300 モータ
301 駆動軸
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10