(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160744
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】ドロップオンデマンド三次元(3D)物体印刷のための光学システム
(51)【国際特許分類】
B22F 12/44 20210101AFI20231026BHJP
B22F 12/50 20210101ALI20231026BHJP
B22F 12/53 20210101ALI20231026BHJP
B29C 64/209 20170101ALI20231026BHJP
B29C 64/268 20170101ALI20231026BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20231026BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20231026BHJP
【FI】
B22F12/44
B22F12/50
B22F12/53
B29C64/209
B29C64/268
B33Y10/00
B33Y30/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】30
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048270
(22)【出願日】2023-03-24
(31)【優先権主張番号】17/660,030
(32)【優先日】2022-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504407000
【氏名又は名称】パロ アルト リサーチ センター インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】パトリック、ワイ.、マエダ
【テーマコード(参考)】
4F213
4K018
【Fターム(参考)】
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL03
4F213WL32
4F213WL43
4F213WL74
4F213WL78
4K018CA44
4K018EA51
4K018EA60
(57)【要約】 (修正有)
【課題】部品を製作するための積層造形デバイス、および部品を製作するための方法を提供する。
【解決手段】部品を製作するための積層造形デバイスであって、部品の製作中に部品を支持するように構成された表面を有するプラテン128と、プラテン128の表面の上方に配置された吐出器ヘッド104であって、プラテン128の表面に向かって溶融構築材料の液滴を吐出して、部品を製作するように構成されている、吐出器ヘッド104と、(i)プラテン128と吐出器ヘッド104との間に位置する製作環境内の第1の位置と、(ii)第2の位置との間で光の方向を変えるように構成された少なくとも1つの構造体を有する光学システムと、を備える、積層造形デバイスとする。
【選択図】
図8A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を製作するための積層造形デバイスであって、
前記部品の製作中に前記部品を支持するように構成された表面を有するプラテンと、
前記プラテンの前記表面の上方に配置された吐出器ヘッドであって、前記プラテンの前記表面に向かって溶融構築材料の液滴を吐出して、前記部品を製作するように構成されている、吐出器ヘッドと、
(i)前記プラテンと前記吐出器ヘッドとの間に位置する製作環境内の第1の位置と、(ii)第2の位置との間で光の方向を変えるように構成された少なくとも1つの構造体を有する光学システムと、を備える、積層造形デバイス。
【請求項2】
前記第2の位置に配置され、かつ前記光を出力するように構成された光源であって、前記光が、前記光学システムによって前記光源から前記第1の位置に向かって方向が変えられる、光源を更に備える、
請求項1に記載の積層造形デバイス。
【請求項3】
前記光源が、レーザビームを出力するように構成されたレーザであり、前記レーザビームが、前記光学システムによって前記レーザから前記第1の位置に向かって方向が変えられる、請求項2に記載の積層造形デバイス。
【請求項4】
前記レーザを使用して、前記部品の前記製作中に前記部品の一部分を加熱するように構成されたレーザ加熱システムを更に備える、
請求項3に記載の積層造形デバイス。
【請求項5】
前記光源を使用して、前記部品、及び前記溶融構築材料の吐出された前記液滴のうちの少なくとも1つの少なくとも1つの特性を測定するように構成された監視システムを更に備える、
請求項2に記載の積層造形デバイス。
【請求項6】
前記光源が、コリメータを介して前記少なくとも1つの構造体に結合されている、請求項2に記載の積層造形デバイス。
【請求項7】
前記光源が、レンズを介して前記少なくとも1つの構造体に結合されている、請求項2に記載の積層造形デバイス。
【請求項8】
前記第2の位置に配置され、かつ前記第1の位置からの反射光及び熱放出光のうちの少なくとも1つを受け取るように構成された光センサであって、前記反射光及び前記熱放出光のうちの前記少なくとも1つが、前記光学システムによって前記第1の位置から前記第2の位置に方向が変えられる、光センサを更に備える、
請求項1に記載の積層造形デバイス。
【請求項9】
前記光センサが、(i)前記反射光に基づいて前記第1の位置の少なくとも1つの画像を生成するように構成されたカメラ、及び(ii)前記熱放出光に基づいて前記第1の位置の温度を測定するように構成された高温計、のうちの1つである、請求項8に記載の積層造形デバイス。
【請求項10】
前記光センサを使用して、前記部品、及び前記溶融構築材料の吐出された前記液滴のうちの少なくとも1つの少なくとも1つの特性を測定するように構成された監視システムを更に備える、
請求項8に記載の積層造形デバイス。
【請求項11】
前記第2の位置が、前記製作環境の外部にある、請求項1に記載の積層造形デバイス。
【請求項12】
前記光学システムが、
第1の端部及び第2の端部を有する第1の透明ロッドを更に備え、前記光が、前記第1の端部と前記第2の端部との間で前記第1の透明ロッドの長手軸方向に前記第1の透明ロッドを通って進行する、請求項1に記載の積層造形デバイス。
【請求項13】
光源及び光センサのうちの1つが、前記第1の透明ロッドの前記第1の端部に結合されている、請求項12に記載の積層造形デバイス。
【請求項14】
前記第1の透明ロッドの前記第2の端部が、前記第1の透明ロッドの長手軸に対してある角度を有する角度付き端部面を有し、前記角度付き端部面の前記角度が、前記光が前記第1の端部と前記角度付き端部面との間を進行し、かつ前記角度付き端部面と、角度付き端部面に近接する前記第2の端部の側部表面との間を進行するように、前記光の内部全反射を引き起こすように構成されている、請求項12に記載の積層造形デバイス。
【請求項15】
前記第1の透明ロッドの前記長手軸に対する前記角度付き端部面の前記角度が、前記光が本質的に直角に反射されるように、約45度である、請求項14に記載の積層造形デバイス。
【請求項16】
前記第1の透明ロッドが回転を有し、前記角度付き端部面が(i)前記光を前記第1の位置に向かって反射する、及び(ii)前記第1の位置から反射された前記光を受け取る、のうちの1つになるように向きを定められる、請求項14に記載の積層造形デバイス。
【請求項17】
前記第2の端部の前記側部表面が、前記第1の透明ロッドの別の側部表面の曲率半径とは異なり、かつ前記光が前記側部表面を通過するときに前記光を成形するように構成されている曲率半径を有する、請求項14に記載の積層造形デバイス。
【請求項18】
前記第1の透明ロッドの前記長手軸に対する前記角度付き端部面の前記角度が、前記光が鈍角の角度で反射されるように、約45度未満である、請求項14に記載の積層造形デバイス。
【請求項19】
前記光学システムが、
第1の端部及び第2の端部を有する第2の透明ロッドであって、前記光が、前記第1の端部と前記第2の端部との間で前記第2の透明ロッドの長手軸方向に前記第2の透明ロッドを通って進行する、第2の透明ロッドと、
前記第1の透明ロッドの前記第2の端部を前記第2の透明ロッドの前記第1の端部に機械的及び光学的に接続するように構成された透明ジョイントであって、前記第1の透明ロッドの前記第2の端部と前記第2の透明ロッドの前記第1の端部との間で前記光の方向を変える透明ジョイント内で前記光の少なくとも1回の内部全反射を引き起こすように構成された少なくとも1つの角度付き表面を有する、透明ジョイントと、を更に備える、請求項12に記載の積層造形デバイス。
【請求項20】
前記光学システムが、
角度付き端部面を有する第1の端部を有するロッドであって、前記角度付き端部面が反射性であり、かつ前記光を反射するように構成されている、ロッドを更に備え、
前記光が、少なくとも一部が前記ロッドの長手軸と本質的に同一直線上にある経路に沿って進行する、請求項1に記載の積層造形デバイス。
【請求項21】
光源及び光センサのうちの1つが、前記光が進行する前記経路上に配置されている、請求項20に記載の積層造形デバイス。
【請求項22】
前記ロッドの前記長手軸に対する前記角度付き端部面の前記角度が、前記光が本質的に直角に反射されるように、約45度である、請求項20に記載の積層造形デバイス。
【請求項23】
前記角度付き端部面が、円筒状に凹んだ表面を有し、前記円筒状に凹んだ表面が、前記光が前記円筒状に凹んだ表面から反射するときに前記光を成形するように構成されている、請求項20に記載の積層造形デバイス。
【請求項24】
前記光学システムの前記少なくとも1つの構造体が、前記吐出器ヘッドに固定的に取り付けられている、請求項1に記載の積層造形デバイス。
【請求項25】
前記光学システムの前記少なくとも1つの構造体が、前記吐出器ヘッドの構成要素内に少なくとも部分的に埋め込まれている、請求項1に記載の積層造形デバイス。
【請求項26】
前記吐出器ヘッドの前記構成要素が、熱シールドである、請求項25に記載の積層造形デバイス。
【請求項27】
前記吐出器ヘッドの前記構成要素が、(i)前記光学システムの前記少なくとも1つの構造体が配設されている第1のボアと、(ii)前記第1のボアを、前記プラテンに面する前記構成要素の表面に画定された開口部と接続する第2のボアと、を画定する本体を有し、
前記光が、前記第2のボアを介して前記光学システムの前記少なくとも1つの構造体と前記開口部との間を進行する、
請求項25に記載の積層造形デバイス。
【請求項28】
前記光学システムの前記少なくとも1つの構造体が、本質的に円筒形のロッドであり、前記第1のボア内に回転可能に取り付けられている、
請求項27に記載の積層造形デバイス。
【請求項29】
前記光学システムの前記少なくとも1つの構造体が、アクチュエータによって回転されて、前記光の経路の角度を調整するように構成されている、請求項1に記載の積層造形デバイス。
【請求項30】
積層造形デバイスを使用して部品を製作するための方法であって、
吐出器ヘッドを使用して、プラテンに向かって溶融構築材料の液滴を吐出して、前記プラテンと前記吐出器ヘッドとの間に位置する製作環境内で部品を製作することと、
前記製作環境内の第1の位置と、前記製作環境の外部にある少なくとも1つの第2の位置との間で光の方向を変えることであって、前記方向を変えることが、前記光の少なくとも1回の反射を含み、光源及び光センサのうちの少なくとも1つが、前記少なくとも1つの第2の位置に位置決めされており、前記光が、(i)前記光源によって発せられ、前記部品及び前記液滴のうちの少なくとも1つへと方向を変えられた光、(ii)前記部品及び前記液滴のうちの少なくとも1つから反射され、前記光センサ上へと方向を変えられた光、並びに(iii)前記部品及び前記液滴のうちの少なくとも1つからの、かつ前記光センサ上へと方向を変えられた熱放出光、のうちの少なくとも1つを含む、方向を変えることと、
前記光源及び前記光センサのうちの少なくとも1つを使用して、前記部品及び前記液滴のうちの少なくとも1つの少なくとも1つの特性を制御すること及び監視することのうちの少なくとも1つ、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本文書に開示されるデバイス及び方法は、三次元(three-dimensional、3D)物体プリンタに関し、より具体的には、レーザ補助ドロップオンデマンド3D金属物体プリンタのための光学システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書において別段の指示がない限り、このセクションに記載される材料は、このセクションに含まれることによって先行技術であると認められるものではない。
【0003】
積層造形(additive manufacturing)としても知られる三次元印刷は、事実上あらゆる形状のデジタルモデルから三次元の固体物体を作製するプロセスである。多くの三次元印刷技術は、積層造形デバイスが、構築材料の液滴を吐出するか、又は構築材料をひも状に押し出して、前に堆積された層の上に部品の連続層を形成する積層プロセスを使用する。これらの技術のうちのいくつかは、フォトポリマー又はエラストマーなどのUV硬化性材料を吐出する吐出器を使用するが、他の技術は、塑性材料を溶融して熱可塑性材料を生成し、これを押し出して熱可塑性材料の連続層を形成する。これらの技術は、様々な形状及び特徴を有する三次元物体を構築するために使用される。この積層造形法は、ほとんどが切断又はドリル加工などの減法プロセスによる加工物からの材料の除去に依存する従来の物体形成技術と区別可能である。
【0004】
近年、3D金属物体を形成するために、1つ以上の吐出器から溶融金属の液滴を吐出するいくつかの3D物体プリンタが開発されている。これらのプリンタは、ワイヤのロール、マイクロサイズのペレット、又は金属粉末などの固体金属源を有し、固体金属は、プリンタの加熱された収容部に供給され、そこで固体金属が溶融され、溶融された金属が収容部を充填する。収容部は、周囲に電気ワイヤが巻き付けられてコイルを形成する非導電性材料で作製されている。電流がコイルを通過して電磁場を生成し、電磁場により、収容部のノズルにおける溶融金属の液滴が収容部内の溶融金属から分離し、ノズルから推進される。プラットフォームは、ノズルから吐出された溶融金属滴がプラットフォーム上に物体の金属層を形成するようにアクチュエータを動作させるコントローラによって、プラットフォームの平面に平行なX-Y平面内で移動するように構成されている。コントローラは、吐出器と、形成されている金属物体の既存の層との間に適切な距離を維持するように、別のアクチュエータを動作させて、吐出器又はプラットフォームの位置を変化させる。このタイプの金属滴吐出プリンタは、磁気流体力学(magnetohydrodynamic、MHD)プリンタと呼ばれる。
【0005】
磁気流体力学印刷は大きく進歩したが、従来の磁気流体力学印刷システムから製作された部品は、多くの場合、構築強度、接着力、多孔性、表面仕上げ、亀裂、割れ目、Z高さ誤差などに関してばらつきを示している。前述のことのゆえに、多くの場合、従来の磁気流体力学印刷システムから製作された物体におけるばらつきに対処するために、機械加工及び仕上げなどの二次又は印刷後プロセスが実装される。しかしながら、これらの印刷後のプロセスは生産性を大幅に低減し、それに対応して、磁気流体力学印刷を介した部品の製作コストを増加させる。
【発明の概要】
【0006】
部品を製作するための積層造形デバイスが開示される。積層造形デバイスは、部品の製作中に部品を支持するように構成された表面を有するプラテンを備える。積層造形デバイスは、プラテンの表面の上方に配置された吐出器ヘッドを更に備える。吐出器ヘッドは、プラテンの表面に向かって溶融構築材料の液滴を吐出して、部品を製作するように構成される。積層造形デバイスは、(i)プラテンと吐出器ヘッドとの間に位置する製作環境内の第1の位置と、(ii)第2の位置との間で光の方向を変えるように構成された少なくとも1つの構造体を有する光学システムを備える。
【0007】
積層造形デバイスを使用して部品を製作するための方法も開示される。この方法は、吐出器ヘッドを使用して、プラテンに向かって溶融構築材料の液滴を吐出して、プラテンと吐出器ヘッドとの間に位置する製作環境内で部品を製作することを含む。この方法は、製作環境内の第1の位置と、製作環境の外部にある少なくとも1つの第2の位置との間で光の方向を変えることを更に含む。方向を変えることは、光の少なくとも1回の反射を含む。光源及び光センサのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの第2の位置に位置決めされる。光は、(i)光源によって発せられ、部品及び液滴のうちの少なくとも1つへと方向が変えられた光、(ii)部品及び液滴のうちの少なくとも1つから反射され、光センサ上へと方向が変えられた光、並びに(iii)部品及び液滴のうちの少なくとも1つからの、かつ光センサ上へと方向が変えられた熱放出光、のうちの少なくとも1つを含む。この方法は、光源及び光センサのうちの少なくとも1つを使用して、部品及び液滴のうちの少なくとも1つの少なくとも1つの特性を制御すること及び監視することのうちの少なくとも1つを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
積層造形デバイスの前述の態様及び他の特徴は、添付の図面と関連して以下の記載で説明される。
【0009】
【
図1】レーザ加熱システム及び光学監視システムを組み込んだ例示的な3D物体プリンタの断面図を示す。
【
図2A】光学監視システムの例示的な配置及び構成要素を示す。
【
図2B】光学監視システムの例示的な配置及び構成要素を示す。
【
図3】光ビームが光学デバイスとターゲット位置との間に直接光学経路を有するが、大きい入射角を有する光学デバイスの配置を示す。
【
図4A】角度付き端部面を有する第1の例示的な透明ロッドを示す。
【
図4B】角度付き端部面を有する第1の例示的な透明ロッドを示す。
【
図5A】平坦な側部表面を有する透明ロッドの断面を示す。
【
図5B】0でない入射角で
図5Aの透明ロッドで生じ得る例示的な楕円形ビームフットプリントを示す。
【
図6A】異なる曲率半径を有する側部表面を有する透明ロッドの断面を示す。
【
図6B】0でない入射角で
図6Aの透明ロッドで生じ得る例示的な円形化されたビームフットプリントを示す。
【
図7】光ビームの異なる入射角をもたらす異なる回転を有する
図4A及び4Bの透明ロッドを示す。
【
図8A】
図4A及び4Bの透明ロッドを組み込んだ3D物体プリンタの第1の例示的な実施形態の断面図を示す。
【
図8B】
図4A及び4Bの透明ロッドを組み込んだ3D物体プリンタの第1の例示的な実施形態の断面図を示す。
【
図9A】角度付き端部面を有する第2の例示的な透明ロッドを示す。
【
図9B】角度付き端部面を有する第2の例示的な透明ロッドを示す。
【
図10A】
図9A及び
図9Bの透明ロッドを組み込んだ3D物体プリンタの第2の例示的な実施形態を示す。
【
図10B】
図9A及び
図9Bの透明ロッドを組み込んだ3D物体プリンタの第2の例示的な実施形態を示す。
【
図11A】透明ジョイントによって接続されている多数の透明ロッドを有する例示的な光学システムを示す。
【
図11B】透明ジョイントによって接続されている多数の透明ロッドを有する例示的な光学システムを示す。
【
図11C】透明ジョイントによって接続されている多数の透明ロッドを有する例示的な光学システムを示す。
【
図12A】角度付き端部面を有する例示的な反射性ロッドを示す。
【
図12B】角度付き端部面を有する例示的な反射性ロッドを示す。
【
図13A】角度付き端部面が円筒形形状を有する反射性ロッドの変形例を示す。
【
図13B】0でない入射角で
図12A及び12Bの透明ロッドで生じ得る例示的な楕円形ビームフットプリントを示す。
【
図13C】0でない入射角で
図13Aの反射性ロッドで生じ得る例示的な円形化されたビームフットプリントを示す。
【
図14】光ビームの異なる入射角をもたらす異なる回転を有する
図12A及び12Bの反射性ロッドを示す。
【
図15A】
図12A及び12Bの反射性ロッドを組み込んだ3D物体プリンタの第3の例示的な実施形態の断面図を示す。
【
図15B】
図12A及び12Bの反射性ロッドを組み込んだ3D物体プリンタの第3の例示的な実施形態の断面図を示す。
【
図16】熱シールド内に埋め込まれた光学システムのロッドを組み込んだ3D物体プリンタ100の第4の例示的な実施形態を示す。
【
図17A】コリメータを有する例示的な光源を示す。
【
図17B】コリメータを有する例示的な光源を示す。
【
図18A】光源を透明ロッドと結合するための第1の配置を示す。
【
図18B】光源を透明ロッドと結合するための第2の配置を示す。
【
図19A】光源を光学システムと結合するための第3の配置を示す。
【
図19B】光源を透明ロッドと結合するための第4の配置を示す。
【
図20A】光源を反射性ロッドと結合するための第5の配置を示す。
【
図20B】光源を反射性ロッドと結合するための第6の配置を示す。
【
図21】積層造形デバイスを使用して部品を製作するための方法についてのフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の原理の理解を促進する目的で、図面に示され、以下の明細書に記載された実施形態がここで参照されるであろう。それによって本開示の範囲を限定する意図はないことが理解される。本開示は、図示された実施形態に対する任意の変更及び修正を含み、本開示が関係する当業者に通常生じるであろう本開示の原理の更なる適用を含むことが更に理解される。
3D物体プリンタ
【0011】
図1は、例示的な3D物体プリンタ100を示す。図示及び記載された実施形態では、3D物体プリンタ100は、磁気流体力学(MHD)プリンタなどの液体金属ジェット印刷システムである。しかしながら、非金属構築材料を使用するものを含む任意の積層造形デバイスは、本明細書に開示されるレーザ加熱システム102及びその光学システムを利用することができる。3D物体プリンタ100は、有利には、3D物体プリンタ100の動作及び出力を改善する1つ以上の光学システム並びに光学デバイスを組み込んでいる。具体的には、図示及び記載された実施形態では、3D物体プリンタ100は、レーザ加熱システム102及び光学監視システム130を含み、これらは、3D物体プリンタ100の一般の記載の後に以下でより詳細に論じられる。
【0012】
3D物体プリンタ100は、吐出器ヘッド104及び構築プラットフォーム106を含む。本明細書で使用されるとき、「吐出器ヘッド」という用語は、3D物体の生成のための構築材料の溶融滴の溶融、吐出、及び吐出を調整する3D物体プリンタのハウジング及び構成要素を指す。吐出器ヘッド104は、本体110(ポンプチャンバとも称され得る)、1つ以上の加熱要素112、及び1つ以上の金属性コイル114を含み、これらは、互いに動作可能に結合される。加熱要素112は、本体110の周囲に少なくとも部分的に配設され、金属性コイル114は、本体110及び/又は加熱要素112の周囲に少なくとも部分的に配設される。本体110は、その内側容器122を画定する内側部表面120を有する。本体110は、本体110の第1の端部に配設されたノズル124を画定し、このノズルは、熱シールド132内に画定された開口部を通って延在する。本明細書で使用されるとき、「ノズル」という用語は、溶融構築材料を収容する容積又は容器に流体的に接続され、かつ容積又は容器から構築材料の溶融滴を排出するために構成されているオリフィスを画定する構造体を意味する。ヘッドシールド132は、吐出器ヘッド104の本体110と構築プラットフォーム106との間に配置される。ノズル124は、熱シールド132の開口部を通って延在するその部分の端部にオリフィス134を有し、このオリフィスを介して、吐出器ヘッド104は、構築材料の液滴を基板116上に吐出して、部品118を製作する。本明細書で使用されるとき、「部品」という用語は、3D金属滴吐出装置で作製された製造物体を意味する。
【0013】
構築プラットフォーム106は、加熱要素136を有する加熱されたプラテン128などの少なくともプラテン128を備え、このプラテンの上に吐出器ヘッド104が構築材料の液滴を吐出して、部品118を形成する。本明細書で使用されるとき、基板116は、吐出器ヘッド104が構築材料の新たな液滴を吐出する表面を指す。したがって、少なくとも構築材料の最初の層については、基板116はプラテン128の上部表面を指し、材料の後続の層については、基板116は以前に堆積した構築材料の表面及び/又は部分的に製作された部品118の表面を指す。
【0014】
3D物体プリンタ100の例示的な動作では、バルク材料(例えば、バルク金属)の供給源126からの構築材料(例えば、金属)は、本体110の内側容器122に方向付けされる。本明細書で使用されるとき、「バルク金属」という用語は、一般的に入手可能なゲージの金属ワイヤ、マクロサイズの金属ペレット、及び金属粉末などの、凝集体形態で入手可能な構築材料を意味する。本明細書で使用されるとき、「容器」という用語は、液体又は固体物質を保持するように構成された収容部を有する中空容積を意味する。少なくとも1つの実施形態では、構築材料は、1つ以上の金属及び/又はそれらの合金を含む。加熱要素112は、本体110の内側容器122内に収容されている構築材料を少なくとも部分的に溶融する。特に、構築材料は固体金属であり得、加熱要素112は本体110を加熱し、それによって、金属を固体から液体(例えば、溶融金属)に加熱する。本明細書で使用されるとき、「金属」という用語は、元素の周期表によって定義される金属又はこれらの金属で形成された合金を意味する。例解的な金属構築材料としては、アルミニウム、アルミニウム合金、真鍮、青銅、クロム、コバルトクロム合金、銅、銅合金、鉄合金(Invar)、ニッケル、ニッケル合金(Inconel)、ニッケルチタン合金(Nitinol)、ステンレス鋼、スズ、チタン、チタン合金、金、銀、モリブデン、タングステンなど、若しくはそれらの合金、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0015】
金属性コイル114は、基板116上への構築材料の溶融液滴の吐出を容易にするように構成された電源(図示せず)と結合される。特に、金属性コイル114及びそれと結合された電源は、本体110内に配設された溶融金属内に誘導電流を発生させる本体110内に起電力を発生させる磁場を発生させるように構成される。溶融金属内の磁場及び誘導電流は、ローレンツ力として知られる、液体金属上の半径方向内向きの力を生み出すことができ、これによりノズル124に圧力が生み出される。ノズル124における圧力は、オリフィス134を通り、ノズル124から基板116及び/又は構築プラットフォーム106に向かって、1つ以上の液滴の形態で溶融金属を排出して、それによって部品118の少なくとも一部分を形成する。
【0016】
引き続き
図1を参照すると、3D物体プリンタ100は、コンピューティングシステム108を含む。コンピューティングシステム108は、少なくともプロセッサ及びメモリ(図示せず)を含む。プロセッサは、命令を実行して、コンピューティングシステム108及び/又は3D物体プリンタ100を動作させ、本明細書に記載の特徴、機能性、特性などを可能にするように構成される。プロセッサは、一般に、並列に、又は別の方法で互いに連携して動作することができる1つ以上のプロセッサを備える。「プロセッサ」が、データ、信号、又は他の情報を処理する任意のハードウェアシステム、ハードウェア機構、又はハードウェア構成要素を含むことが、当業者によって認識されよう。したがって、プロセッサは、中央処理ユニット、グラフィックス処理ユニット、多数の処理ユニット、機能性を達成するための専用回路、プログラマブル論理、又は他の処理システムを有するシステムを含み得る。メモリは、プロセッサによって実行されるとき、コンピューティングシステム108及び/又は3D物体プリンタ100が本明細書に記載の種々の動作を実施することを可能にするデータ及びプログラム命令を記憶するように構成される。メモリは、当業者によって認識されるように、メモリカード、ROM、RAM、ハードドライブ、ディスク、フラッシュメモリ、又はデータ記憶デバイスとして働く種々の他のコンピュータ可読媒体のうちのいずれかなどの、プロセッサによってアクセス可能な情報を記憶することができる任意のタイプのデバイスであり得る。
【0017】
コンピューティングシステム108は、3D物体プリンタ100の構成要素のうちの任意の1つ以上と動作可能に及び/又は通信可能に結合される。具体的には、コンピューティングシステム108は、上述したように(例えば、金属性コイル114を電源に接続、及び電源から切断することによって)、金属性コイル114を動作させて、構築材料の溶融液滴を基板116上に吐出するように構成された1つ以上のスイッチ142と少なくとも動作可能に及び/又は通信可能に結合される。
【0018】
加えて、コンピューティングシステム108は、3D物体プリンタ100のある特定の構成要素を互いに独立して又は互いに一緒に移動させるように構成されたアクチュエータ138、140と動作可能に及び/又は通信可能に結合される。具体的には、少なくとも1つの実施形態では、3D物体プリンタ100の任意の1つ以上の構成要素は、互いに対して独立して移動し得る。例えば、いくつかの実施形態では、吐出器ヘッド104、及び構築プラットフォーム106のプラテン128(又は3D物体プリンタ100の任意の他の構成要素)は、X軸、Y軸、及び/又はZ軸に沿って互いに独立して移動するように構成される。同様に、3D物体プリンタ100の任意の2つ以上の構成要素は、2つ以上の構成要素が互いに移動するように、互いに結合され得る。例えば、吐出器ヘッド104は、それぞれの取り付け部など(図示せず)を介してレーザ加熱システム102及び光学監視システム130の一方又は両方と結合され得る。このようにして、X軸、Y軸、及び/又はZ軸に沿った吐出器ヘッド104の移動又は並進は、それぞれ、X軸、Y軸、及び/又はZ軸に沿ったレーザ加熱システム102及び/又は光学監視システム130の対応する移動又は並進をもたらす。
【0019】
いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム108は、アクチュエータ(複数可)138を動作させて、吐出器ヘッド104を少なくともZ軸に沿って移動させるように構成される。具体的には、一実施形態では、吐出器ヘッド104は、構築プラットフォーム106のプラテン128に対する吐出器ヘッド104(及びそれに固定的に取り付けられた任意の他の構成要素)の移動のために構成されたZ軸トラック又は同様の機構(図示せず)内に移動可能に取り付けられる。アクチュエータ(複数可)138は、Z軸トラックによって吐出器ヘッド104をZ軸に沿って移動させるように構成される。コンピューティングシステム108は、これらのアクチュエータ(複数可)138を動作させて、ノズル124のオリフィス134と基板116との間のZ方向の適切な距離を維持する。更なる実施形態では、吐出器ヘッド104は、同様に、X軸及び/又はY軸に沿っても移動するように構成される。
【0020】
いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム108は、アクチュエータ(複数可)140を動作させて、X軸及びY軸によって画定されたX-Y平面に沿って構築プラットフォーム106の少なくともプラテン128を移動させるように構成される。具体的には、一実施形態では、プラテン128は、吐出器ヘッド104に対してプラテン128(及びそれに固定的に取り付けられた任意の他の構成要素)を移動させるために構成されたX軸トラック及びY軸トラック又は同様の機構(図示せず)内に移動可能に取り付けられる。アクチュエータ(複数可)140は、X軸トラック及びY軸トラックによってX-Y平面に沿って構築プラットフォーム106のプラテン128を移動させるように構成される。コンピューティングシステム108は、これらのアクチュエータ(複数可)140を動作させて、ノズル124のオリフィス134に対して基板116の必要なX-Y位置決めを提供する。更なる実施形態では、構築プラットフォーム106のプラテン128は、同様に、Z軸に沿っても移動するように構成される。
【0021】
3D物体プリンタ100の例示的な動作では、部品118を製作するために、コンピューティングシステム108は、アクチュエータ(複数可)138を動作させて、基板116の上方のノズル124のオリフィス134を、Z方向において基板116からの所定の距離(例えば、4mm~8mm)に位置決めする。次に、コンピュータシステム108は、スイッチ142を動作させて、ノズル124に、溶融金属液滴を基板116上に吐出させて、部品118の形成を開始する。溶融金属液滴の吐出と同時に又は連続的に、コンピューティングシステム108はまた、アクチュエータ140を動作させて、構築プラットフォーム106のプラテン128をX-Y平面内で移動させ、それによって、基板116上に溶融金属の帯状物又は層を形成して、部品118を形成する。金属の各層が基板116上に堆積されるとき、コンピューティングシステム108は、アクチュエータ(複数可)138を動作させて、オリフィス134と基板116との間のZ方向の適切な距離を維持する。(例えば、4mm~8mm)。代替的な構成では、コンピューティングシステム108は、同様に、吐出器ヘッド104をX-Y平面内で移動させるか、又はプラテン128をZ軸に沿って移動させることができる。
【0022】
3D物体プリンタ100の例示的な動作では、コンピューティングシステム108は、製作部品118を容易にするために外部ソースからのデータを必要とする。一般に、製作されるべき部品118の三次元モデル又は他のデジタルデータモデルは、コンピューティングシステム108に動作可能に接続されたメモリ内に記憶される。一実施形態では、コンピューティングシステム108は、サーバなどを通してデジタルモデルに、デジタルモデルが記憶されているリモートデータベースに、又はデジタルモデルが記憶されているコンピュータ可読媒体にアクセスするように構成される。一実施形態では、コンピューティングシステム108(又は別のプロセッサ若しくはコントローラ)は、デジタルモデルを処理して、既知の様式でコンピューティングシステム108による実行のための機械命令を生成させ、3D物体プリンタ100の構成要素を動作させて、モデルに対応する部品118を形成する。機械命令の生成は、デバイスのCADモデルがSTLデータモデル、多角形メッシュ、又は他の中間表現に変換されるときなどの、中間モデルの生成を含むことができ、次いで、この中間モデルを処理して、3D物体プリンタ100によって物体を製作するためのGコードなどの機械命令を生成させることができる。本明細書に使用されるとき、「機械命令」という用語は、コンピュータ、マイクロプロセッサ、又はコントローラによって実行されて、3D物体積層造形システムの構成要素を動作させるコンピュータ言語コマンドを意味する。コンピューティングシステム108は、上述のように、機械命令を実行して、ノズル124からの溶融金属滴の吐出を制御し、プラテン128の位置決めを制御し、かつ吐出器ヘッド104の位置決めを制御する。
レーザ加熱システム
【0023】
上述のように、3D物体プリンタ100は、有利には、レーザ加熱システム102を含む。溶融金属液滴を有する構造体を形成することは、再溶融、合体、冷却、及び凝固を伴う複雑な熱流体プロセスであることを理解されたい。空隙及びコールドラップ(溶融の欠如)は、溶融金属液滴と以前に堆積した材料又は基板(例えば、液滴)との間に形成されている界面において不適切な温度下で、不十分な再溶融及び不十分な冶金結合によって引き起こされる。界面温度は、主に、以前に堆積した材料又は基板の液滴温度及び表面温度の関数である。正確な部品形状及びZ高さを取得及び保持することもまた、同じ要因によって悪影響を受ける。低すぎる界面温度は、不十分な再溶融及び合体から空隙及びコールドラップの形成をもたらす。逆に、界面温度が高すぎる場合、新たな液滴は、凝固前に以前に堆積した材料の表面から離れて流れ、これは、部品形状の形状不良及びZ高さ誤差につながる。
【0024】
界面温度は、初期液滴温度、構築部品表面温度、構築プレート温度、滴周波数、及び部品Z高さを制御することによって管理することができる。これらの要因は、プロセスパラメータの最適化によってある程度のレベルで制御することができるが、関与する熱プロセスは、許容できない界面温度をもたらす可能性がある部品印刷中に生じる変化及び力学により、過度に遅い場合がある。
【0025】
前述の問題に対処するために、コンピューティングシステム108は、レーザ加熱システム102を動作させて、基板及び/若しくは基板の近位の面積の界面温度並びに/又は温度勾配を修正し、部品118を形成する金属の粒径、成長、及び/又は構造を制御するように構成される。例えば、一実施形態では、レーザ加熱システム102は、基板116上の吐出された溶融金属の界面温度及び/又は温度勾配を修正して、部品118を形成する金属の粒径、成長、及び/又は構造を制御し、それによって、構築強度、接着力、多孔性、及び/又は表面仕上げを改善し、物品内の亀裂及び割れ目を阻止するように動作する。
【0026】
引き続き
図1を参照すると、3Dプリンタ100のレーザ加熱システム102は、1つ以上のレーザ144(簡略化のために単一のレーザ144のみが示されている)を含み得る。レーザ144は、所望の照射量レベル、照射量パターン(すなわち、円形、楕円形など)及び照射プロファイル(すなわち、ガウス、トップハット、ドーナツモード、マルチモードなど)を達成するために、フィルタ、コリメート光学系、集束光学系、及びビーム成形光学系のような外部光学構成要素を含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、レーザ(複数可)144は、取り付け部(図示せず)を介して吐出器ヘッド104と結合される。しかしながら、他の実施形態では、レーザ(複数可)144及び/又はレーザ加熱システム102は、構築プラットフォーム106などの3D物体プリンタ100の任意の他の構成要素と結合され得る。レーザ(複数可)144は、レーザビームを基板116上に、又は基板116に近接して方向付けして、それによって基板116又はその一部分を加熱するように構成される。
【0027】
レーザ加熱システム102のレーザ(複数可)144は、基板116及び/又は基板116の近位の面積を十分に加熱するように構成されている、任意の好適なレーザを含み得る。少なくとも1つの実施形態では、利用されるレーザ(複数可)144の種類は、物品118を製作するために堆積される金属の種類などの構築材料に少なくとも部分的に依存し得る。別の実施形態では、利用されるレーザ(複数可)144の種類は、基板116上に滴が堆積される速度、又は堆積速度に少なくとも部分的に依存する。少なくともいくつかの実施形態では、レーザ(複数可)144は、例えば0.5mmの直径を有する細い鉛筆状のレーザビームを発するように構成される。少なくともいくつかの実施形態では、レーザ(複数可)144は、回折限界レーザビーム(低いビームパラメータ積(beam parameter product、BPP))を発するように構成される。一実施形態では、レーザ(複数可)144は、ファイバレーザを含む。例えば、市販の1070nmファイバレーザは、高出力、低発散ビーム、ビームプロファイル成形、及びCW/パルス変調を提供することができる。1070nm、0.5mm直径のファイバレーザビームは、168mm以上の焦点深度を有する。
【0028】
例示的な実施形態では、レーザ(複数可)144は、約1W/cm2~約1MW/cm2の照射量を有し得る。用途、金属、構成、及びスポットサイズに応じて、はるかに低い電力レーザ又はレーザアレイを使用することもできることを理解されたい。レーザ144のうちの任意の1つ以上は、所望の照射量を達成し得るコリメート及び非コリメートレーザを含む、電力及び光学構成の組み合わせを含み得ることを更に理解されたい。
【0029】
コンピューティングシステム108は、レーザ加熱システム102を動作させて、基板116の少なくとも一部分及び/又は基板116の近位の面積を加熱するように構成される。例えば、レーザ加熱システム102は、プラテン128の少なくとも一部分で、部品118の一部分、そのそれぞれの表面、及び/又はその近位の面積を加熱するように構成される。レーザ加熱システム102は、基板116上の溶融金属の1つ以上の滴の堆積前、堆積中、及び/又は堆積後に、基板116の一部分、及び/又は基板116の近位の面積を加熱し得る。
【0030】
例示的な実施形態では、レーザ加熱システム102は、基板116上の滴の堆積前及び/又は堆積中に、溶融滴及び/又は溶融プールの堆積に対応する基板116の一部分を加熱する。基板116上の滴の堆積は、基板116上に溶融プールを生み出すか、又は形成することができ、レーザ加熱システム102は、溶融プールの界面温度又は温度勾配を少なくとも部分的に変調(例えば、増加、減少、変更など)させ、それによって、部品118を形成する得られた固体金属の1つ以上の特性を制御するように構成されることを理解されたい。例えば、溶融プールの温度勾配を変調させることにより、3D物体プリンタ100が、部品118を形成する得られた固体金属の粒径、粒成長、粒構造、粒配向、及び/又は粒界を制御することを可能にし得る。金属粒子形成、構造、及び/又は特性(例えば、サイズ、成長、配向、境界など)は、部品118の得られた部分の1つ以上の機械的特性を少なくとも部分的に決定し得ることを理解されたい。例えば、粒子形成及び/又は構造は、部品118を形成する得られた固体金属の降伏応力、延性、硬度、疲労寿命、又はこれらの組み合わせを少なくとも部分的に決定し得る。したがって、レーザ加熱システム102は、基板116の部分を少なくとも部分的に加熱して、それによって、部品118を形成する固体金属の1つ以上の特性を制御するように構成される。
【0031】
いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム108は、レーザ加熱システム102を動作させて、溶融滴及び/若しくは溶融プールの堆積に隣接する又はそれらの近位の基板116の一部分を加熱するように構成される。例えば、レーザ加熱システム102は、溶融滴及び/若しくは溶融プールの堆積に隣接して又はその外側で、基板116の一部分を少なくとも部分的に加熱するように構成される。滴及び/又は溶融プールの堆積の近く、近位、又は隣接する基板116の一部分を加熱することは、表面粗さを低減することができ、かつ/又は、標的加熱システム102から加熱されていない表面と比較して改善された表面仕上げ能力を提供し得ることを理解されたい。
【0032】
いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム108は、レーザ加熱システム102を動作させて、部品118の以前に堆積した滴若しくは区分を再加熱又は再溶融して、溶融金属滴及び以前に堆積した金属が合体して、それによって部品118の機械的品質及び/又は構築品質を改善するために、溶融プールの界面温度及び/又は温度勾配を制御するように構成される。溶融プールの温度勾配を十分に制御するために必要な熱量又は熱エネルギーの量は、部品118及び/又は溶融プールの温度として最小であり得るか、又はその溶融プール又はその合体領域は、比較的高い温度で既に維持されていることを理解されたい。したがって、レーザ加熱システム102は、費用効果的に動作され、溶融プールの温度勾配を制御するのに十分な熱エネルギーを提供し得る。更に、レーザ加熱システム102は、生産性が低下しないようにオンライン方式で動作され得ることを理解されたい。例えば、レーザ加熱システム102は、3D物体プリンタ100の他の構成要素に沿って動作されて、改善された特性を有し、オフライン二次又は後印刷プロセスなしに物品118を提供し得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、レーザ加熱システム102は、約0.025mm~約2.0mmの直径を有する面積を直接加熱する。例えば、レーザ加熱システム102の出力(例えば、レーザビーム)は、約0.025mm~約2.0mmの直径又は長軸を有し得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム108は、基板116、基板116の近位の面積、及び/又は製作されている部品118の付近が約200℃~約600℃の温度に維持されるように、レーザ加熱システム102を動作させるように構成される。レーザ加熱システム102の全て又は実質的に全ての構成要素は、基板116の温度、基板116の近位の面積、及び/又は部品118付近の温度で動作するように構成されることを理解されたい。液滴及び基板温度は、異なる金属に関して異なっていることを理解されたい。
【0035】
いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム108は、レーザ加熱システム102を動作させて、基板116及び/又は基板116の近位の面積を、構築材料の融点の少なくとも約60%~約100%の温度まで加熱するように構成される。例えば、レーザ加熱システム102は、基板116及び/又は基板116の近位の面積を、構築材料の融点の少なくとも約95%の温度まで加熱するように構成される。別の例では、レーザ加熱システム102は、基板116の温度及び/又は基板116の近位の面積(例えば、合体面積又は溶融プール)の温度を、構築材料の融点の約±10%上昇させるように構成される。
光学監視システム
【0036】
上述のように、3D物体プリンタ100は、有利には、光学監視システム130を含む。光学監視システム130は、例えば、液滴温度、構築部品温度、構築プレート温度、基板温度、構築部品形状、構築部品Z高さ、液滴サイズ、液滴速度など、又はそれらの任意の組み合わせを測定するように構成された1つ以上の照明器及び/又は1つ以上のセンサを含み得る。これらの測定値は、種々の種類のフィードバック制御がコンピューティングシステム108によって行われることを可能にし得る。具体的には、いくつかの実施形態では、光学監視システム130は、コンピューティングシステム108と通信して、フィードバック測定値を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム108は、フィードバック測定値を参照して閉ループ様式で3D物体プリンタ100の構成要素を動作させる。加えて、これらの測定値は、コンピューティングシステム108が、不均一な滴吐出(滴ジッタとも称される)などの劣った品質を有する印刷された物体118をもたらし得る条件について、3D物体プリンタ100の動作を監視することを可能にする。
【0037】
図2A及び
図2Bは、光学監視システム130の例示的な配置及び構成要素を示す。具体的には、図示された実施形態では、光学監視システム130は、光学照明器146を含む。光学照明器146は、3D物体プリンタ100の製作環境の中に、例えば、基板116上、又はノズル124から吐出される溶融液滴上に光を照射するように構成された光源である。この照明は、光学監視システム130のセンサに向かって反射される光を発することを含めて、様々な目的を果たすことができる。これらの目標のために、光学照明器146は、例えば、LED、種々の種類のランプ、脈動/ストロボ光、光ファイバ光源、赤外光源、レーザなど、又はそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、光学監視システム130は、種々の種類及び目的の複数の光学照明器146を備える。
【0038】
加えて、図示された実施形態では、光学監視システム130は、光学センサ148を含む。光学センサ148は、3D物体プリンタ100の製作環境からの反射光及び/又は熱放出光(すなわち、熱放射)、例えば、基板116、及び/若しくはノズル124から吐出された溶融液滴からから反射された光、並びに/又はそれらから放出された熱放射を受け取るように構成されたセンサである。この光学センサ148は、液滴温度、構築部品温度、構築プレート温度、基板温度、構築部品形状、構築部品Z高さ、液滴サイズ、液滴速度などを測定することを含む様々な目的を果たすことができる。この目標のために、光学センサ148は、例えば、高温計、撮像カメラ、フォトダイオード、赤外センサなど、又はそれらの組み合わせを備え得る。いくつかの実施形態では、光学監視システム130は、種々の種類及び目的の複数の光学センサ148を備える。加えて、光学監視システム130のセンサは、光学センサのみに限定されず、3D物体プリンタ100の動作の種々の他の態様を測定するための追加的なセンサを含み得ることを理解されたい。
【0039】
光学照明器146によって発せられる光の種類は、光学照明器146の種類に応じて、及び照明の目的に応じて異なることが理解されよう。したがって、光ビーム150は、例えば、可視光、紫外光、赤外光、又は更にはレーザビームを含み得る。
図2Aの例示では、光学照明器146は、基板116を照明する、かつ/又は基板116の材料の1つ以上の特性を測定する目的で、光ビーム150を基板116に向かって方向付けするように配置される。同じように、光センサ148は、基板116から反射された反射光152を受け取るように配置される。
図2Bに示される別の実施形態では、光学照明器146は、代わりに、液滴を照明する、かつ/又は液滴若しくは吐出プロセスの1つ以上の特性を測定する目的で、溶融液滴及び/又はノズル124が基板116に向かって吐出されるときに、それらに向かって光ビーム150を方向付けするように配置される。同じように、光学センサ148は、溶融液滴及び/又はノズル124から受け取られた反射された反射光152に対して配置される。一実施形態では、光学照明器146は、ノズル124からの液滴吐出に同期した光パルスを放出するように構成された脈動光源である。
【0040】
いくつかの実施形態では、光学照明器146は、光学監視システム130から省略されてもよく、光学センサ148は、3D物体プリンタ100の製作環境からの熱放出光(すなわち、熱放射)のみを測定するように構成されてもよい。具体的には、温度などの、液滴又は吐出プロセスのいくつかの特性は、いずれの光学照明もなしで測定することができることが当業者には理解されよう。
【0041】
いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム108は、光学照明器146を動作させて、3D物体プリンタ100の製作環境の中に光を照射し、光学センサ148を動作させて、液滴温度、構築部品温度、構築プレート温度、基板温度、構築部品形状、構築部品Z高さ、液滴サイズ、液滴速度などを測定するように構成される。
3D物体プリンタの光学システム
【0042】
簡略化のために
図1及び
図2A~
図2Bには示されていないが、レーザ加熱システム102は、上述の加熱機能及び溶融機能を提供するように、レーザ144が配置される位置から、基板116上及び/又は基板116の近位などの、3D物体プリンタ100の製作環境内のターゲット位置にレーザビームを送達するための光学システムを更に含む。同じように、光学監視システム130は、上述の照明機能を提供するように、光学照明器146が配置される位置から、基板116上、基板116の近位、溶融液滴の経路内、及び/又はノズル124などの、3D物体プリンタ100の製作環境内のターゲット位置に光を送達するための光学システムを更に含む。最後に、光学監視システム130は、上述した測定機能を提供するように、3D物体プリンタ100の製作環境内のターゲット位置から反射又は熱放出された光を光学センサ148に送達するための光学システムを更に含む。本明細書で使用されるとき、「製作環境」は、物体(例えば、部品118)が3D物体プリンタ(例えば、3D物体プリンタ100)によって製作される空間的面積を指す。図示された実施形態に関して使用されるとき、「製作環境」は、一般に、プラテン128と吐出器ヘッド104との間、特に、プラテン128と熱シールド132及び/又はノズル124との間に位置する空間的面積を指す。
【0043】
3D物体プリンタ100の多くの実施形態では、ターゲット位置とレーザ加熱システム102及び光学監視システム130の光学デバイスとの間に、入射光及び出射光のための直接光学経路を提供することを困難にする、重大な空間的及び構造的制約があることを理解されたい。例えば、多くの実施形態では、3D物体プリンタ100は、基板116と吐出器ヘッド104のヘッドシールド132との間の非常に短い距離、例えば4mm~8mmで動作し、光学デバイスを好適に配置して、ターゲット位置への及びターゲット位置からの直接光学経路を提供するための空間がほとんど残っていない。加えて、多くの実施形態では、吐出器ヘッド104の構造もかなり広く(例えば、熱シールド132は、50mm幅を超える場合がある)、その結果、その構造が、基板116の表面上のターゲット位置との小さい入射角(angle of incidence、AOI)(例えば、80度未満)を有する直接光学経路を提供するために光学デバイスを配置することを妨害する。本明細書で使用されるとき、表面との光ビームの入射角は、表面との直交入射に対して測定される(すなわち、0°の入射角は、表面法線と平行である光ビームの入射を指す)。
【0044】
結果として、そのような実施形態では、直接光学経路を提供するためのレーザ加熱システム102及び光学監視システム130の光学デバイスの唯一の配置は、光ビームがターゲット位置との非常に大きい、ほぼ斜めの入射角を有する配置である。
図3は、レーザ144、光学照明器146、又は光学センサのうちの1つに対応し得る光学デバイス160の配置を示し、光は、光学デバイス160と基板116上のターゲット位置との間に直接光学経路を有するが、大きい入射角を有する。わかるように、光学デバイス160は、熱シールド132の一方の端部の近くに配置される。この配置では、光ビームの直接光学経路は達成されるが、非常に大きい、斜めに近い入射角(例えば、80度を超える)という代償を伴う。円形断面又は半径方向に対称な断面を有する入射光ビーム(例えば、レーザビーム又は照明光)については、高い入射角に対する1つの欠点は、基板116上の投影された光ビームフットプリントが、入射角が増加するにつれてますます楕円形になることであることを理解されたい。したがって、非常に大きい入射角の場合、基板116上の投影された光ビームのフットプリントは、かなり楕円形である。レーザ加熱システムの場合には、かなり楕円形のレーザビームフットプリントは、基板116上及び/又は基板116の近位のターゲット位置のみを精密及び正確に加熱するようなレーザ加熱システム102の能力を阻害する。一般に、レーザ加熱システム102のレーザビームには、より小さい入射角(例えば、45度に近いか又はそれよりも小さい)が望ましい。
【0045】
これらの課題を克服するために、レーザ加熱システム102及び光学監視システム130の一方又は両方は、製作環境を有するターゲット位置と光学デバイス160が配置される位置との間で光学デバイス160の光ビームを案内するか又は光ビームの方向を変えるように構成された少なくとも1つの構造体を有するそれぞれの光学システムを含む。光学システムの構造体は、光源によって発せられた及び/又はターゲット位置から反射若しくは熱放出された光ビームを反射、屈折、成形、又は集束させるように構成された任意の構造体を備え得る。そのような構造体の例としては、プリズム、光学ロッド、光ガイド、光学レンズ、光学フィルタなどの透明材料体、並びにミラー及び反射性コーティング又は層を有する他の構造体などの光学的反射性体が挙げられる。「透明」及び「反射性」という用語は、構造体が利用される特定の光ビームに関して使用されることを理解されたい。具体的には、光学システムの構造体に関して本明細書で使用されるとき、「透明」という用語は、構造体が利用される光ビームの周波数/波長で、材料又は構造体がその中の光の透過を可能にすることを意味する。同じように、光学システムの構造体に関して本明細書で使用されるとき、「反射性」という用語は、構造体が利用される光ビームの周波数/波長で、材料又は構造体が光を反射することを意味する。
【0046】
以下の例として、3D物体プリンタ100の構造的及び空間的制約に従って必要に応じて、光学構造体の任意の組み合わせ及び配置を組み合わせて、レーザビーム、照明ビーム、反射光ビーム、熱放射などの光ビーム(複数可)を案内することができることを理解されたい。本質的に同様の光学構造体を利用して、光の種類又は光の目的にかかわらず、製作環境の中及び製作環境の外に光を案内することができる。
【0047】
少なくともいくつかの実施形態では、レーザ加熱システム102又は光学監視システム130の光学システムは、少なくとも1つの透明ロッドを含み、これを介して光ビームがその長手軸方向に沿って進行する。一般に、透明ロッドは、第1の端部において、光学デバイス160から光ビームを受け取るか、又は光学デバイス160に光ビームを提供するように構成される。光ビームは、第1の端部から第2の端部まで長手軸方向に沿って透明ロッドを通って進行する。光ビームは、第2の端部で透明ロッドを出たり入ったりする。少なくともいくつかの実施形態では、第1の透明ロッドの第2の端部は、透明ロッドの長手軸に対してある角度を有する角度付き端部面を有する。角度付き端部面の角度は、光ビームの方向が長手軸に対して変えられ、角度付き端部面に近接する第2の端部の側部表面を介して出たり入ったりするように、光ビームの内部全反射(total internal reflection、TIR)を引き起こすように構成される。
【0048】
図4A及び4Bは、角度付き端部面204を有する例示的な透明ロッド202を示す。透明ロッド202は、第1の端部208及び第2の端部210を有する本質的に円筒形の細長い本体206を有する。本体206は、石英、ガラス、ポリマー、又はプラスチックなどの透明材料で構成される。特定の材料にかかわらず、本体206は、損傷することなく高温にさらされることが可能でなければならない。図示された実施形態では、本体206は、少なくとも部分的に円形及び/又は楕円形である断面を有する。しかしながら、他の実施形態では、本体206は、様々な異なる断面形状を有し得る。
【0049】
本体206の第1の端部208は、光学デバイス160から光ビーム212を受け取り、かつ/又は光ビーム212を光学デバイス160(図示せず)に提供する。第2の端部206は、細長い本体206の長手軸に対して角度を有する角度付き端部面204を有する。角度付き端部面204の角度は、光ビーム212の方向が長手軸に対して変えられるように、光ビーム212の内部全反射(TIR)を引き起こすように構成される。光ビーム212は、基板116上のターゲット位置216の間を進行し、角度付き端部面204に近接する第2の端部210の側部表面214を介して透明ロッド202に入ったり出たりする。少なくとも1つの実施形態では、細長い本体206の長手軸に対する角度付き端部面204の角度は、光ビームの方向が細長い本体206の長手軸に直交する角度に変えられる(すなわち、約90°である反射を有する)ように、約45°である。
【0050】
少なくともいくつかの実施形態では、透明ロッド202は回転を有し、角度付き端部面204が光ビーム212を反射するように向きを定められ、光ビーム212が0でない入射角でターゲット位置に到達するか、又はターゲット位置から反射若しくは熱放出される。図示された実施形態では、透明ロッド202は回転を有し、光ビーム212が約45°の入射角でターゲット位置216に到達するか、又はターゲット位置216から反射若しくは熱放出される。
【0051】
少なくともいくつかの実施形態では、外表面細長い本体206の一部分、特に、光ビーム212が透明ロッド202を出たり入ったりする側部表面214は、本体206の外表面の残部とは異なる形状又は曲率半径を有する。具体的には、
図5Aは、光ビーム212が透明ロッド202を出たり入ったりする側部表面214を含む区分にある透明ロッド202の1つの変形例の断面を示す。わかるように、側部表面214は本質的に平坦であるのに対して、透明ロッド202のこの区分にある本体206の外表面の残部は本質的に円形である。しかしながら、光ビームの入射角(例えば、約45°)に起因して、光ビームは、楕円形になるように一方向に細長いフットプリントを有する。
図5Bは、0でない入射角(例えば、約45°)で
図5Aによる断面を有する透明ロッド202で生じ得る例示的な楕円形ビームフットプリントを示す。
【0052】
更なる実施形態では、細長い本体206の外表面の一部分、特に、光ビーム212が透明ロッド202を出たり入ったりする側部表面214は、入射面内で光ビームを部分的に集束させるように構成されている曲率半径を有し、それによって、0でない入射角についてのビームフットプリントを円形化する。具体的には、
図6Aは、光ビーム212が透明ロッド202を出たり入ったりする側部表面214を含む区分にある透明ロッド202の別の変形例の断面を示す。わかるように、側部表面214は、透明ロッド202のこの区分にある本体206の外表面の残部とは異なる(例えば、より大きい)曲率半径である。曲率半径は、光ビームが特定の0でない入射角(例えば、約45°)でターゲット位置に円形ビームフットプリントを有するように、光ビームを成形するように構成した。
図6Bは、0でない入射角(例えば、約45°)で
図6Aによる断面を有する透明ロッド202で生じ得る例示的な円形化されたビームフットプリントを示す。
【0053】
図7を参照すると、透明ロッド202は、ターゲット位置との光ビーム212の入射角を調整するために、その長手軸を中心に回転することができる。具体的には、入射角は、その長手軸を中心とした透明ロッド202の回転角と同じであることを理解されたい(ここで、0°回転は、側部表面214の法線が基板116及び/又はプラテン128の法線に平行である回転に対応する)。
図7は、それぞれのターゲット位置との光ビーム212の異なる入射角をもたらす異なる回転を有する45°の角度付き端部面を有する透明ロッド202を示す。左上の図では、透明ロッド202の0°回転が示されており、これがターゲット位置との0°入射角(AOI)をもたらす。右上の図では、透明ロッド202の15°回転が示されており、これがターゲット位置との15°入射角(AOI)をもたらす。左中央の図では、透明ロッド202の30°回転が示されており、これがターゲット位置との30°入射角(AOI)をもたらす。右中央の図では、透明ロッド202の45°回転が示されており、これがターゲット位置との45°入射角(AOI)をもたらす。下の図では、透明ロッド202の60°回転が示されており、これがターゲット位置との60°入射角(AOI)をもたらす。わかるように、透明ロッド202が回転すると、入射角が比例して調整され、ターゲット位置の相対位置が直線経路に沿って移動する。
【0054】
図8A及び8Bは、角度付き端部面204を有する透明ロッド202を組み込んだ3D物体プリンタ100の第1の例示的な実施形態を示す。図示されるように、透明ロッド202は、プラテン128と熱シールド132との間でZ方向に配置される。しかしながら、以下でより詳細に論じられるように、いくつかの実施形態では、透明ロッド202は、代わりに、熱シールド132、又は吐出器ヘッド104の別の構成要素に埋め込まれる。少なくともいくつかの実施形態では、吐出器ヘッド104の構成要素内に埋め込まれない場合、透明ロッド202は、透明ロッド202が吐出器ヘッド104に対する固定位置を有し、吐出器ヘッド104とともに移動するように、吐出器ヘッド104に装着される及び/又は取り付けられる。いずれの場合でも、透明ロッド202は、その長手軸がプラテン128の上部表面に実質的に平行な状態で配置される。
【0055】
図示された実施形態では、光ビーム212のターゲット位置は、溶融金属液滴が堆積される位置又はそれに近い位置であり、したがって、X方向及びY方向においてノズル124のオリフィス134と位置合わせされ、Z方向においてオリフィス134から所定の距離に位置付けられる。したがって、
図8Aに示されるように、透明ロッド202は、光ビーム212が透明ロッド202を出たり入ったりする側部表面214上の位置が、ノズル124のオリフィス134と位置合わせされるように、あるいは別の方法で光ビーム212が基板116上若しくはそれに近接するターゲット位置に向かって方向付けされるか、又はターゲット位置から受け取られるように、X方向に位置決めされる。加えて、
図8Bに示されるように、透明ロッド202は、透明ロッド202の長手軸が所定の距離だけノズル124のオリフィス134からオフセットされるように、Y方向に位置決めされる。ノズル124のオリフィス134からの透明ロッド202のYオフセットは、有利には、透明ロッド202が基板116に向かう溶融金属液滴の吐出を妨げないようにする。透明ロッド202のYオフセットの距離は、光ビーム212の入射角(例えば、45°)、及び基板116上又はそれに近接するターゲット位置からのZ方向における透明ロッド202間の距離に依存することが理解されよう。上述のように、入射角自体は、透明ロッド202の回転に依存する。
【0056】
図8A及び8Bには示されていないが、透明ロッド202の第1の端部は、光ビーム212を受け取るか、又は提供するように、レーザ加熱システム102のレーザ144、光学監視システム130の光学照明器146、又は光学監視システム130の光学センサ148などの少なくとも1つの光学デバイスと好適に結合されることを理解されたい。光学デバイスの、光学システムの構造体との結合は、以下により詳細に記載される。
【0057】
図9A及び9Bは、角度付き端部面304を有する例示的な透明ロッド302を示し、これは、透明ロッド202と同様であるが異なる。透明ロッド302は、第1の端部308及び第2の端部310を有する細長い本体306を有する。本体306は、石英、ガラス、ポリマー、又はプラスチックなどの透明材料で構成される。特定の材料にかかわらず、本体306は、損傷することなく高温にさらされることが可能でなければならない。図示された実施形態では、本体306は、少なくとも部分的に正方形及び/又は矩形である断面を有する。しかしながら、他の実施形態では、本体306は、様々な異なる断面形状を有し得る。
【0058】
本体306の第1の端部308は、光学デバイス160から光ビーム312を受け取り、かつ/又は光ビーム312を光学デバイス160(図示せず)に提供する。第2の端部306は、細長い本体306の長手軸に対して角度を有する角度付き端部面304を有する。角度付き端部面304の角度は、光ビーム312が長手軸に対して方向が変えられるように、光ビーム312の内部全反射(TIR)を引き起こすように構成される。光ビーム312は、基板116上のターゲット位置316の間を進行し、角度付き端部面304に近接する第2の端部310の側部表面314を介して透明ロッド302に入ったり出たりする。
【0059】
しかしながら、少なくとも1つの実施形態では、上述の透明ロッド202とは対照的に、細長い本体306の長手軸に対する角度付き端部面304の角度は、光ビーム312が細長い本体306の長手軸に直交しない角度に方向が変えられる(すなわち、約90°未満である反射を有する)ように、約45°未満(例えば、約30°)である。少なくとも1つの実施形態では、光ビーム312は、細長い本体306内の光ビーム312の進行方向に対して鈍角である角度に方向が変えられる。鈍角の反射角の結果として、光ビーム312は、側部表面314との0でない入射角で第2の端部310の側部表面314を通って本体306を出たり入ったりする。したがって、光ビーム312は、透明ロッド302を出たり入ったりするときに屈折される。本体306の材料の屈折率は、一般に周囲空気の屈折率を超えるため、光ビームの屈折は、一般に、光ビーム312の角度が透明ロッド302の長手軸に対して平行に近づくようになる。このようにして、基板116上又はそれに近接するターゲット位置316との光ビーム312の入射角は、角度付き端部面304の角度の角度、及び本体306の材料の屈折率に依存する。これは、透明ロッド202の回転によって0でない入射角を達成する上述の透明ロッド202とは対照的である。図示された実施形態では、角度付き端部面304の角度及び本体306の材料の屈折率は、光ビーム312が約45°の入射角でターゲット位置316に到達するか、又はターゲット位置316から反射若しくは熱放出されるようなものである。
【0060】
少なくともいくつかの実施形態では、外表面細長い本体306の一部分、特に、光ビーム312が透明ロッド302を出たり入ったりする側部表面314は、本体306の外表面の残部とは異なる形状又は曲率半径を有する。具体的には、側部表面314は、光ビーム312を成形して、特定の0でない入射角(例えば、約45°)でターゲット位置に円形ビームフットプリントを有するように、そのような様式で成形され得る。
【0061】
図10A及び10Bは、角度付き端部面304を有する透明ロッド302を組み込んだ3D物体プリンタ100の第2の例示的な実施形態を示す。図示されるように、透明ロッド302は、プラテン128と熱シールド132との間でZ方向に配置される。しかしながら、以下でより詳細に論じられるように、いくつかの実施形態では、透明ロッド302は、代わりに、熱シールド132、又は吐出器ヘッド104の別の構成要素に埋め込まれる。少なくともいくつかの実施形態では、吐出器ヘッド104の構成要素内に埋め込まれない場合、透明ロッド302は、透明ロッド302が吐出器ヘッド104に対する固定位置を有し、吐出器ヘッド104とともに移動するように、吐出器ヘッド104に装着される及び/又は取り付けられる。いずれの場合でも、透明ロッド302は、その長手軸がプラテン128の上部表面に実質的に平行な状態で配置される。
【0062】
他の図示された実施形態におけるように、光ビーム312のターゲット位置は、X方向及びY方向においてノズル124のオリフィス134と位置合わせされ、Z方向にオリフィス134から所定の距離に位置付けられる。したがって、
図10Aに示されるように、透明ロッド302は、透明ロッド302全体がノズル124のオリフィス134からオフセットされるように、又は言い換えると、透明ロッド302の長さとノズル124のオリフィス134のX位置との間に重なりがないように、X方向において位置決めされる。より具体的には、透明ロッド302の第2の端部310は、光ビーム312が基板116上若しくはそれに近接するターゲット位置に向かって方向付けされるか、又はターゲット位置から受け取られるように、ノズル124のオリフィス134から所定の距離だけオフセットされる。加えて、
図10Bに示されるように、透明ロッド302は、長手軸がY方向にノズル124のオリフィス134と位置合わせされるように、Y方向に位置決めされる。ノズル124のオリフィス134からの透明ロッド302のXオフセットは、有利には、透明ロッド302が基板116に向かう溶融金属液滴の吐出を妨げないようにする。透明ロッド302のXオフセットの距離は、光ビーム312の入射角(例えば、45°)、及び基板116上又はそれに近接するターゲット位置からのZ方向における透明ロッド302間の距離に依存することが理解されよう。上述のように、入射角自体は、角度付き端部面の角度及び透明ロッド302の本体の材料の屈折率に依存する。
【0063】
図10A及び10Bには示されていないが、透明ロッド302の第1の端部は、光ビーム312を受け取るか、又は提供するように、レーザ加熱システム102のレーザ144、光学監視システム130の光学照明器146、又は光学監視システム130の光学センサ148などの少なくとも1つの光学デバイスと好適に結合されることを理解されたい。光学デバイスの、光学システムの構造体との結合は、以下により詳細に記載される。
【0064】
いくつかの実施形態では、レーザ加熱システム202の光学システムは、1つ以上の透明ジョイントと一緒に光学的及び機械的に接続された多数の透明ロッドを含む。光学システムの各透明ジョイントは、透明ロッドの端部から異なる角度又は方向に配置された別の透明ロッドの端部に光ビームの方向を変える透明ジョイント内で光ビームの少なくとも1回の内部全反射(TIR)を引き起こすように構成された少なくとも1つの角度付き表面を含む本体を有する。多様な透明ロッド及び透明ジョイントは、単一部品として一緒に製造されるか、又は好適な技法を使用して後で一緒に接合され得ることを理解されたい。
図11A、11B、及び11Cを参照して、多数の透明ロッドを有する光学システムの例示的実施形態が、以下に記載される。
【0065】
図11Aは、形態が透明ロッド302と同様である第1の透明ロッド402、及びまた角度付き端部面を欠いていることを除いて形態が透明ロッド302と同様である第2の透明ロッド404を有する第1の例示的な光学システム400を示す。透明ジョイント406は、透明ロッド404を透明ロッド402と光学的及び機械的に接続する。透明ジョイント406は、石英、ガラス、ポリマー、又はプラスチックなどの透明材料で構成される。特定の材料にかかわらず、透明ジョイント406は、損傷することなく高温にさらされることが可能でなければならない。透明ジョイント406は、透明ロッド404、402の長手軸に対して角度を有する角度付き表面410を含み、これは、第2の透明ロッド404と第1の透明ロッド402との間で光ビーム408の方向を変える光ビーム408の内部全反射を引き起こすように構成される。具体的には、第2の透明ロッド404は、第1の端部(図示せず)で光ビーム408を受け取るか、又は提供するように構成され、光ビーム408は、第2の透明ロッド404の長手軸方向においてその第2の端部まで進行する。透明ジョイント406は、透明ロッド402、404の一方から光ビーム408を受け取り、角度付き表面410で光ビーム408を反射し、透明ロッド402、404のもう一方に光ビーム408を提供するように構成される。光ビーム408は、透明ロッド302に関して上述された同じ様式で第1の透明ロッド402を通って進行する。
【0066】
図11Bは、形態が透明ロッド302と同様である第1の透明ロッド422、及びまた角度付き端部面を欠いていることを除いて形態が透明ロッド302と同様である第2の透明ロッド424を有する第2の例示的な光学システム420を示す。透明ジョイント406と本質的に同様である透明ジョイント426は、透明ロッド424を透明ロッド422と光学的及び機械的に接続する。透明ジョイント426は、互いに対して及び透明ロッド424、422の長手軸に対して角度を有する第1の角度付き表面430及び第2の角度付き表面432を含み、これらは、透明ロッド424と第1の透明ロッド422との間で光ビーム428の方向を変える光ビーム428の内部全反射を引き起こすように構成される。具体的には、
図11Aの実施形態に関して記載されるものと同様の様式で、透明ジョイント426は、透明ロッド422、424の一方から光ビーム428を受け取り、角度付き表面430で光ビーム428を反射し、角度付き表面432で光ビーム428を反射し、透明ロッド422、424のもう一方に光ビーム428を提供するように構成される。
【0067】
図11Cは、形態が透明ロッド202と同様である第1の透明ロッド442、及びまた角度付き端部面を欠いていることを除いて形態が透明ロッド202と同様である第2の透明ロッド444を有する第3の例示的な光学システム440を示す。透明ジョイント426と本質的に同様である透明ジョイント446は、透明ロッド444を透明ロッド442と光学的及び機械的に接続する。透明ジョイント446は、互いに対して及び透明ロッド444、442の長手軸に対して角度を有する第1の角度付き表面450及び第2の角度付き表面452を含み、これらは、
図11Bの実施形態に関して記載されたものと本質的に同様の様式で、透明ロッド444と第1の透明ロッド442との間で光ビーム448の方向を変える光ビーム448の内部全反射を引き起こすように構成される。
【0068】
上記の例として、3D物体プリンタ100の構造的及び空間的制約に従って必要に応じて、種々の構成の任意の数の透明ロッド及び透明ジョイントを組み合わせて、レーザビーム、照明ビーム、反射光ビーム、熱放射などの光ビーム(複数可)を誘導する光ガイドとして動作させることができることを理解されたい。いくつかの実施形態では、光学システムの透明ロッドは、3D物体プリント100の他の構造体を通して潜望鏡検査する(例えば、小さい垂直開口部を介して熱シールド132を通して潜望鏡検査する)ように構成することができる。
【0069】
少なくともいくつかの実施形態では、レーザ加熱システム102の光学システムは、光ビームが反射される少なくとも1つの反射性ロッドを含む。一般に、反射性ロッドは、角度付き端部面を有する第1の端部を有し、これは、反射性コーティングを有するか、又は別の方法で、反射性材料で構成される。光ビームが反射性ロッドの角度付き端部面に向かって出力されるように、光学デバイス160が配置されるか、又はその光ビームが方向付けされる。光ビームは、反射性ロッドの角度付き端部面によって反射され、それによって、光ビームの方向を、基板116上又はそれに近接するターゲット位置に向かって変える。少なくともいくつかの実施形態では、反射性ロッドの長手軸に対する角度付き端部面の角度は、光ビームが長手軸に平行に又は長手軸との同一直線上を進行して、角度付き端部面に到達するときに、光ビームが反射性ロッドの長手軸に直交する角度で反射されるように、約45度である。
【0070】
図12A及び12Bは、角度付き端部面504を有する例示的な反射性ロッド502を示す。透明ロッド502は、第1の端部508及び第2の端部510を有する本質的に円筒形の細長い本体506を有する。図示された実施形態では、本体506は、少なくとも部分的に円形及び/又は楕円形である断面を有する。しかしながら、他の実施形態では、本体506は、様々な異なる断面形状を有し得る。第2の端部510は、細長い本体506の長手軸に対して角度を有する角度付き端部面504を有する。角度付き端部面504は、反射性コーティング(例えば、反射性金属性又は誘電体コーティング)を有するか、又は反射性材料(例えば、反射性金属又は誘電体材料)で構成される。本体506は、反射性であっても、また反射性でなくてもよい任意の好適な材料で構成される。角度付き端部面504上の反射性コーティングの場合には、本体506の材料は、高温で反射性コーティングとの良好な接着を維持するように選択される。特定の材料にかかわらず、本体506及び角度付き端部面504並びに/又はその反射性コーティングは、損傷することなく高温にさらされることが可能でなければならない。
【0071】
角度付き端部面504の角度は、光ビーム512の方向を基板116上のターゲット位置516に向かって変えるか、又はそこから受け取られるように、光ビーム512を反射するように構成される。少なくとも1つの実施形態では、細長い本体506の長手軸に対する角度付き端部面504の角度は、光ビーム512が細長い本体506の長手軸に直交する光学経路と、長手軸に平行な又はそれと同一直線上にある光学経路との間で反射されて、角度付き端部面516に到達する(すなわち、約90°である反射)ように、約45°である。
【0072】
少なくともいくつかの実施形態では、反射性ロッド502は回転を有し、角度付き端部面504が光ビーム512を反射するように向きを定められ、光ビーム512が0でない入射角でターゲット位置に到達するか、又はターゲット位置から反射される。図示された実施形態では、反射性ロッド502は回転を有し、光ビーム512が約45°の入射角でターゲット位置516に到達するか、又はターゲット位置516から反射される。
【0073】
少なくともいくつかの実施形態では、角度付き端部面504は、
図6A及び6Bに関して上述されたものと同様の様式で、光ビーム512を成形して、特定の0でない入射角(例えば、約45°)でターゲット位置に円形ビームフットプリントを有するように構成されている形状又は曲率半径を有し得る。具体的には、
図13Aは、角度付き端部面504が入射面において光ビームを部分的に集束させるように構成されている円筒形の凹んだ形状を有し、それによって、0でない入射角についてのビームフットプリントを円形化する、反射性ロッド502の変形例を示す。
図13Bは、0でない入射角(例えば、約45°)で平坦な角度付き端部面504を有する反射性ロッド502で生じ得る例示的なビームフットプリントを示す。わかるように、ビームフットプリントは、楕円形形状を有する。対照的に、
図13Cは、0でない入射角(例えば、約45°)で、
図13Aによる円筒状に凹んだ角度付き端部面504を有する反射性ロッド504で生じ得る例示的な円形化されたビームフットプリントを示す。
【0074】
図14を参照すると、透明ロッド202と同様に、反射性ロッド502は、その長手軸を中心に回転させて、光ビーム512の入射角を調整することができる。具体的には、入射角は、その長手軸を中心とした反射性ロッド502の回転角と同じであることを理解されたい(ここで、0°回転は、角度付き端部面504の法線ベクトルが基板116及び/又はプラテン128の法線ベクトルと同一平面上にあり、プラテン128の方向に向けられる回転に対応する)。
図14は、それぞれのターゲット位置との光ビーム512の異なる入射角をもたらす異なる回転を有する45°の角度付き端部面を有する反射性ロッド502を示す。左上の図では、反射性ロッド502の0°回転が示されており、これがターゲット位置との0°入射角(AOI)をもたらす。右上の図では、反射性ロッド502の15°回転が示されており、これがターゲット位置との15°入射角(AOI)をもたらす。左中央の図では、反射性ロッド502の30°回転が示されており、これがターゲット位置との30°入射角(AOI)をもたらす。右中央の図では、反射性ロッド502の45°回転が示されており、これがターゲット位置との45°入射角(AOI)をもたらす。下の図では、反射性ロッド502の60°回転が示されており、これがターゲット位置との60°入射角(AOI)をもたらす。わかるように、反射性ロッド502が回転すると、入射角が比例して調整され、ターゲット位置の相対位置が直線経路に沿って移動する。
【0075】
図15A及び15Bは、角度付き端部面204を有する反射性ロッド502を組み込んだ3D物体プリンタ100の第3の例示的な実施形態を示す。図示されるように、反射性ロッド502は、プラテン128と熱シールド132との間でZ方向に配置される。しかしながら、以下でより詳細に論じられるように、いくつかの実施形態では、反射性ロッド502は、代わりに、熱シールド132、又は吐出器ヘッド104の別の構成要素に埋め込まれる。少なくともいくつかの実施形態では、吐出器ヘッド104の構成要素内に埋め込まれない場合、反射性ロッド502は、反射性ロッド502が吐出器ヘッド104に対する固定位置を有し、吐出器ヘッド104とともに移動するように、吐出器ヘッド104に装着される及び/又は取り付けられる。いずれの場合でも、反射性ロッド502は、その長手軸がプラテン128の上部表面に実質的に平行な状態で配置される。少なくとも1つの実施形態では、光ビームは、レーザ(図示せず)によって、反射性ロッド502の長手軸と平行及び/又は同一直線上にある光学経路に沿って、角度付き端部面504に向かって出力されるか、又はそれから反射される。
【0076】
他の図示された実施形態におけるように、光ビーム312のターゲット位置は、X方向及びY方向においてノズル124のオリフィス134と位置合わせされ、Z方向にオリフィス134から所定の距離に位置付けられる。したがって、
図15Aに示されるように、反射性ロッド502は、角度付き端部面504がノズル124のオリフィス134と位置合わせされるように、あるいは別の方法で光ビーム512が基板116上若しくはそれに近接するターゲット位置に向かって方向付けされるか、又はターゲット位置から受け取られるように、X方向に位置決めされる。加えて、
図15Bに示されるように、反射性ロッド502は、反射性ロッド502の長手軸が所定の距離だけノズル124のオリフィス134からオフセットされるように、Y方向に位置決めされる。ノズル124のオリフィス134からの反射性ロッド502のYオフセットは、有利には、反射性ロッド502が基板116に向かう溶融金属液滴の吐出を妨げないようにする。反射性ロッド502のYオフセットの距離は、光ビーム212の入射角(例えば、45°)、及び基板116上又はそれに近接するターゲット位置からのZ方向における反射性ロッド502間の距離に依存することが理解されよう。
【0077】
図15A及び15Bには示されていないが、反射性ロッド502の第1の端部は、光ビーム512を受け取るか、又は提供するように、レーザ加熱システム102のレーザ144、光学監視システム130の光学照明器146、又は光学監視システム130の光学センサ148などの少なくとも1つの光学デバイスに対して好適に配置されることを理解されたい。光学デバイスの、光学システムの構造体との結合は、以下により詳細に記載される。
【0078】
上述のように、少なくともいくつかの実施形態では、光学システムの構造体は、吐出器ヘッド104の構成要素内、又は3D物体プリンタ100の任意の他の構成要素内に少なくとも部分的に埋め込まれる。具体的には、光学システムの構造体の汚染は、多くの場合、3D物体プリンタ100の設計に関する懸念事項である。光学システムの構造体の表面は、吐出された金属液滴、吐出された金属サテライト、構築部品からの金属飛散及び金属スパッタリング、又は構築部品118からの金属蒸着に曝露され得る。
【0079】
図16は、熱シールド132内に埋め込まれた光学システムのロッド602を組み込んだ3D物体プリンタ100の第4の例示的な実施形態を示す。図示された実施形態では、ロッド602は、円形断面、同様の透明ロッド202、及び反射性ロッド502を有するが、ロッド602は、透明ロッド202、透明ロッド302、光学システム400の透明ロッド402、404、光学システム420の透明ロッド422、424、光学システム440の透明ロッド442、444、反射性ロッド502、又はレーザ加熱システム102の光学システムの任意の他の構造体を含む、本明細書で論じるロッドのうちのいずれかに対応し得る。
【0080】
ロッド602は、熱シールド132内に穿孔されるか、若しくは別の方法で画定されるボア604又はチャネルによって熱シールド132内に埋め込まれる。ボア604は、ロッド602の本体に適応するように好適に寸法決め及び成形される。多数のロッドを有する実施形態では、多数のボア又は他の対応する空隙は、光学システムの各構成要素に適応するように、熱シールド132、及び/又は吐出器ヘッド104の他の構成要素内に画定される。
【0081】
ロッド602が透明ロッドである実施形態では、光ビーム612は、透明ロッド202及び透明ロッド302に関して上述された同じ様式で、側部表面からロッド602を出たり入ったりする。ボア606を、プラテン128に面する熱シールド132の底表面に画定された開口部608と接続するために、狭いボア604又はチャネルが、熱シールド132内に穿孔されるか、又は別の方法で画定される。光ビーム612は、狭いボア606を介してロッド602の側部表面から進行し、熱シールド132から出たり入ったりし、基板116上又はそれに近接するターゲット位置に向かって進行する。
【0082】
同様に、ロッド602が反射性ロッドである実施形態では、レーザ(図示せず)は、ボア604を通してロッド602の反射性角度付き端部面に向かって光ビーム612を出力するか、又はボア604を介して反射性角度付き端部面から光ビーム612を受け取るように配置される。光ビーム612は、反射性ロッド502に関して上述された同じ様式で、ロッド602の反射性角度付き端部面によって反射される。光ビーム612は、狭いボア606を介して、ロッド602の反射性角度付き端部面と、基板116上又はそれに近接するターゲット位置との間を進行する。このようにして、ロッド602、及び光学システムの任意の他の構造体は、金属汚染への曝露から保護される。
【0083】
狭いボア606は、光ビーム612の幅に適応するようにサイズ決めされ、光ビーム612がロッド602と基板116上又はそれに近接するターゲット位置との間を進行する角度に適応するように角度付けされる。一般に、狭いボア606は、光ビーム612の角度、位置合わせ、及びサイズに関していくらかの公差を提供するようにサイズ決めされる。しかしながら、実用的な実装形態では、製作及び組み立て公差を補償し、ターゲット位置に対して正確にロッド602の向きを定めるために、機械的調整が必要であり得る。
【0084】
一実施形態では、そのような機械的調整に適応するために、レーザ加熱システム102は、ボア内でロッド602を回転させるか、又はボア604内でロッド602を長手方向に再位置決めするように構成された1つ以上のアクチュエータ(図示せず)を含む。これらのアクチュエータは、手で手動で操作されるか、又はコンピューティングシステム108によって電子的に制御され得る。ロッド602を軸方向及び/又は長手方向に調整することによって、アクチュエータ(複数可)は、製作及び組み立て公差の存在下であっても、ターゲット位置に対して正確にロッド602の向きを定めるための機械的自由度を提供する。
光デバイスの結合
【0085】
上述のように、レーザ加熱システム102のレーザ144、光学監視システム130の光学照明器146、又は光学監視システム130の光学センサ148などの光学デバイスは、必要に応じて光学システムの構造体に対して好適に結合又は配置されて、製作環境の中に光を投影するか、又は製作環境から反射又は熱放出された光を受け取る。いくつかの実施形態では、光学デバイスは、コリメータ、ビーム拡大光学系、集束レンズ、光学アイソレータ、及び屈曲光学系のうちの1つ以上を有する光学システムの構造体と結合される。以下では、レーザ144又は光学照明器146などの光源を種々の光学システム及び構造体と結合するためのいくつかの配置について記載する。しかしながら、本質的に同様の配置を利用して、光学センサ148などの受光器を種々の光学システム及び構造体と結合することができることが当業者には理解されよう。
【0086】
図17Aは、光源700によって発せられた光ビームをコリメートするように構成されたコリメータ702を有する例示的な光源700を示す。光源は、例えば、レーザ加熱システム102のレーザ、又は光学監視システム130の光学照明器であり得る。コリメータ702は、光源700によって発せられた発散光ビームを平行な又はコリメートされた光ビームに変換するように構成される。いくつかのコリメータは、安全なパワー密度を保証する大きいビーム拡大エンドキャップへの直接融合の高度な技術、及び不要な後方反射放射を除去することによってバッファ/ジャケットの焼損を阻止するモードストリッパ、を組み込んでいることを理解されたい。これらの技術は、コリメータの信頼性を大幅に高める。光ファイバコリメータは一般的に、
図17Bに示されるように、そのビームウエストサイズ、作動距離、及び軸外傾斜角によって特徴付けられる。シングルモード及びマルチモード伝送については、コリメータ702の性能は、本来、光源700のフィールド分布プロファイルに依存する。
【0087】
図18Aは、光源800を、透明ロッド202と本質的に同様である透明ロッド808と結合するための第1の配置を示す。光源800は、例えば、レーザ加熱システム102のレーザ144、又は光学監視システム130の光学照明器146に対応し得る。光源800は、コリメータ802と結合される。コリメータ802は、光源800によって発せられた発散光を平行な又はコリメートされた光ビーム812に変換するように構成される。いくつかの実施形態では、コリメータ802は、追加のビーム拡大光学系を含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、コリメータ802の出力部は、光学アイソレータ及び/又は屈曲光学系804と結合される。光学アイソレータ及び/又は屈曲光学系804の出力部は、透明ロッド808の第1の端部810に直接提供される。コリメートされた光ビーム812は、透明ロッド202に関して上述されたものと同様の様式で、透明ロッド808を通って進行し、透明ロッド808の角度付き端部面814によって反射され、ターゲット位置816に向かって方向が変えられる。透明ロッド808は、コリメートされた光ビーム812の形状を変化させることなく、透明ロッド202に関して上述されたものと同様の様式で回転させることができることを理解されたい。
【0088】
図18Bは、集束レンズ806が透明ロッド808の第1の端部810と光学アイソレータ及び/又は屈曲光学系804の出力部との間に配置されている、光源800を透明ロッド808と結合するための第2の配置を示す。集束レンズ806は、光ビーム812がターゲット位置816上に集束するように、コリメートされた光ビーム812を集束するように構成された好適な焦点距離を有する。
【0089】
図19Aは、上述の光学システム420と本質的に同様である、光源800を光学システム818と結合するための第3の配置を示す。光学システム818は、透明ジョイントによって光学的及び機械的に接続された多数の透明ロッドを有する。光学アイソレータ及び/又は屈曲光学系804の出力部は、光学システム818の第1の端部820に直接提供される。光学システム818は、コリメートされた光ビーム812を案内し、コリメートされた光ビーム812の方向をターゲット位置816に向かって変える。
【0090】
図19Bは、光源800を透明ロッド822と結合するための第4の配置を示す。透明ロッド822は、透明ロッド202の角度付き端部面204と本質的に同様である第1の角度付き端部面822を有する。具体的には、第1の角度付き端部面822は、光ビーム812の方向が長手軸に直交する角度から変えられて、長手軸と平行又は同一直線上になる(すなわち、約90°である反射を有する)ように、透明ロッド822の長手軸に対して約45°である角度を有する。透明ロッド822はまた、透明ロッド302の角度付き端部面304と本質的に同様である第2の角度付き端部面826を有する。具体的には、第1の角度付き端部面822は、光ビーム812の方向が透明ロッド822の細長い本体の長手軸に直交しない角度に変えられる(すなわち、約90°未満の反射を有する)ように、透明ロッド822の長手軸に対して約45°未満(例えば、約30°)の角度を有する。光学アイソレータ及び/又は屈曲光学系804の出力部は、第1の角度付き端部面822の側部表面828に直接提供される。光ビーム812の方向は、透明ロッド822の長手軸に沿うように変えられ、次いで、第2の角度付き端部面826によって鈍角に反射される。光ビーム812は、第2の角度付き端部面826の側部表面830を出て、ターゲット位置816に向かって屈折される。
【0091】
図20Aは、光源800を、反射性ロッド502と本質的に同様である反射性ロッド832と結合するための第5の配置を示す。光学アイソレータ及び/又は屈曲光学系804の出力部は、反射性ロッド832の長手軸に平行な又はそれと同一直線上にある光学経路に沿って、反射性ロッド502の角度付き端部面504と本質的に同様である角度付き端部面834に向かって、光ビーム812を方向付けするように配置される。コリメートされた光ビーム812は、角度付き端部面834によってターゲット位置816に向かって反射される。反射性ロッド832は、コリメート光ビーム812の形状を変化させることなく、反射性ロッド502に関して上述されたものと同様の様式で回転させることができることを理解されたい。
【0092】
図20Bは、集束レンズ806が反射性ロッド832の角度付き端部面834と光学アイソレータ及び/又は屈曲光学系804の出力部との間に配置されている、光源800を反射性ロッド832と結合するための第6の配置を示す。集束レンズ806は、光ビーム812がターゲット位置816上に集束するように、コリメートされた光ビーム812を集束するように構成された好適な焦点距離を有する。
3D物体プリンタを使用して部品を製作するための方法
【0093】
図21は、3D物体プリンタ100などの積層造形デバイスを使用して部品を製作するための方法900についてのフロー図を示す。方法のステップは、図に示される順序又はステップが記載される順序にかかわらず、任意の実行可能な時系列順序で実施され得ることを理解されたい。
【0094】
方法900は、溶融構築材料の液滴を吐出して、製作環境内で部品を製作することから始まる(ブロック910)。具体的には、コンピューティングシステム108は、アクチュエータ(複数可)138を動作させて、基板116の上方のノズル124のオリフィス134を、Z方向において基板116からの所定の距離(例えば、4mm~8mm)に位置決めする。次に、コンピュータシステム108は、スイッチ142を動作させて、ノズル124に、溶融金属液滴を基板116上に吐出させて、部品118の形成を開始する。溶融金属液滴の吐出と同時に又は連続的に、コンピューティングシステム108はまた、アクチュエータ140を動作させて、構築プラットフォーム106のプラテン128をX-Y平面内で移動させ、それによって、基板116上に溶融金属の帯状物又は層を形成して、部品118を形成する。金属の各層が基板116上に堆積されるとき、コンピューティングシステム108は、アクチュエータ(複数可)138を動作させて、オリフィス134と基板116との間のZ方向の適切な距離を維持する。(例えば、4mm~8mm)。代替的な構成では、コンピューティングシステム108は、同様に、吐出器ヘッド104をX-Y平面内で移動させるか、又はプラテン128をZ軸に沿って移動させることができる。
【0095】
次に、方法900は、製作環境の外部にある少なくとも1つの第2の位置に位置決めされる光源及び/又は光センサを提供することに続く(ブロック920)。具体的には、3D物体プリンタ100には、レーザ加熱システム102及び光学監視システム130の一方又は両方が設けられる。レーザ加熱システム102は、少なくとも1つのレーザビームを発するように構成された少なくとも1つのレーザ144を含む。光学監視システム130は、少なくとも1つの光ビームを発するように構成された少なくとも1つの光学照明器146、並びに少なくとも1つの反射光ビーム及び/又は放出された熱放射を受け取って測定するように構成された少なくとも1つの光学センサ148を含む。
【0096】
次に、方法900は、製作環境内の第1の位置と少なくとも1つの第2の位置との間で光の方向を変えることに続き、光の方向を変えることは、光の少なくとも1回の反射を含む(ブロック930)。具体的には、光は、製作環境内のターゲット位置と、光学デバイスが製作環境の外部に位置する位置(複数可)との間の少なくとも1つの光学システムの少なくとも1つの構造体を使用して、反射によって方向が変えられる。光の方向を変えるために使用される光学システム及び構造体は、本明細書で論じられるか又は提案される、光学システム、光学構造体、透明ロッド、反射性ロッドのうちのいずれかを含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、光は、レーザ144及び/又は光学照明器146によって発せられ、部品118及び/又は構築材料の液滴がプラテン128に向かって吐出されるときにそれらの上のターゲット位置へと方向が変えられる光を含む。少なくともいくつかの実施形態では、光は、部品118及び/又は構築材料の液滴がプラテン128に向かって吐出されるときにそれらの上のターゲット位置から反射及び/又は熱放出された光を含み、この光は、光学センサ148上へと方向が変えられる。
【0097】
最後に、方法900は、光源及び/又は光センサを使用して、部品及び/若しくは液滴の少なくとも1つの特性を制御並びに/又は監視することに続く(ブロック940)。具体的には、コンピューティングシステム108は、レーザ加熱システム102を動作させて、基板116の少なくとも一部分及び/又は基板116の近位の面積を加熱するように構成される。少なくともいくつかの実施形態では、レーザ加熱システム102は、基板116の一部分を加熱して、部品118を形成する固体金属の1つ以上の特性又は性質を制御する。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム108は、レーザ加熱システム102を動作させて、部品118の以前に堆積した滴若しくは区分を再加熱又は再溶融して、溶融金属滴及び以前に堆積した金属が合体して、それによって部品118の機械的品質及び/又は構築品質を改善するために、溶融プールの界面温度及び/又は温度勾配を制御するように構成される。
【0098】
加えて、いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム108は、光学照明器146を動作させて、3D物体プリンタ100の製作環境の中に光を照射し、光学センサ148を動作させて、液滴温度、構築部品温度、構築プレート温度、基板温度、構築部品形状、構築部品Z高さ、液滴サイズ、液滴速度などを測定するように構成される。これらの測定値は、種々の種類のフィードバック制御がコンピューティングシステム108によって行われることを可能する。具体的には、いくつかの実施形態では、光学監視システム130は、コンピューティングシステム108と通信して、フィードバック測定値を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム108は、フィードバック測定値を参照して閉ループ様式で3D物体プリンタ100の構成要素を動作させる。具体的には、いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム108は、フィードバック測定値を参照してノズル124を動作させて、ノズル124から吐出された溶融材料の液滴の特性を制御する。加えて、いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム108は、フィードバック測定値を参照してレーザ加熱システム102を動作させて、部品118の温度特性を制御する。
【0099】
全体にわたって使用されるように、範囲は、その範囲内にあるそれぞれの値及び全ての値を説明するために、省略として使用される。範囲内の任意の値は、範囲の終点として選択され得る。更に、本明細書に引用される全ての参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本開示における定義と引用された参考文献との矛盾の場合には、本開示が制御する。
【0100】
加えて、全ての数値は、示された値の「約」又は「およそ」であり、当業者によって予測されるであろう実験誤差及び変動を考慮する。本明細書に開示される全ての数値及び範囲は、「約」がそれとともに使用されるかどうかに関わらず、近似値及び範囲であることを理解されたい。「約」という用語は、本明細書で数字とともに使用される場合、その数字の±0.01%(境界値を含む)、±0.1%(境界値を含む)、±0.5%(境界値を含む)、その数字の±1%(境界値を含む)、その数字の±2%(境界値を含む)、その数字の±3%(境界値を含む)、その数字の±5%(境界値を含む)、その数字の±10%(境界値を含む)、又はその数字の±15%(境界値を含む)であり得る値を指すことも理解されたい。数値範囲が本明細書に開示されるとき、その範囲内に入る任意の数値もまた具体的に開示されることが更に理解されるべきである。
【0101】
本明細書に使用される場合、「又は」という用語は、包括的な操作者であり、文脈上別段の明確な指示がない限り、「及び/又は」という用語と同等である。「に基づく」という用語は、排他的ではなく、文脈がそうでないことを明確に指示しない限り、記載されていない追加の要因に基づくことを可能にする。本明細書において、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」の記載は、A、B、若しくはC、A、B、若しくはCの複数の例、又はA/B、A/C、B/C、A/B/B/B/C、A/B/Cなどの組み合わせを含む実施形態を含む。加えて、本明細書全体を通して、「a」、「an」、及び「the」の意味は、複数の参考文献を含む。「in」の意味は、「in」及び「on」を含む。
【0102】
本開示は、図面及び前述の記載において詳細に図示及び記載されてきたが、それらは、例解するものであって、特質を限定するものではないとみなされるべきである。好ましい実施形態のみが提示されており、本開示の趣旨に入る全ての変更、修正、及び更なる適用が保護されることが望まれることが理解される。