(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160776
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】蒸着マスク梱包体及び蒸着マスク梱包方法
(51)【国際特許分類】
C23C 14/04 20060101AFI20231026BHJP
B65D 85/30 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
C23C14/04 A
B65D85/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067686
(22)【出願日】2023-04-18
(31)【優先権主張番号】P 2022071125
(32)【優先日】2022-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】射場 将文
(72)【発明者】
【氏名】岩倉 康哲
(72)【発明者】
【氏名】深谷 勝美
【テーマコード(参考)】
3E096
4K029
【Fターム(参考)】
3E096AA05
3E096BA30
3E096CA02
3E096CA06
3E096DA03
3E096EA01X
3E096EA02X
3E096EA02Y
3E096FA09
3E096FA10
3E096GA11
4K029AA09
4K029AA24
4K029BA62
4K029BB03
4K029BD01
4K029CA01
4K029DB06
4K029DB17
4K029HA02
4K029HA03
4K029HA04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】蒸着マスクの塑性変形を抑制できる蒸着マスク梱包体及び蒸着マスク梱包方法を提供する。
【解決手段】本開示による蒸着マスク梱包体30は、受け部31と、蓋部32と、第1緩衝シート33と、第2緩衝シート35と、を備えている。受け部は、第1対向面37aと、蒸着マスク20の貫通孔に重なる第1凹部37bと、を含む。蓋部は、受け部の第1対向面に対向する第2対向面38aと、貫通孔に重なる第2凹部38bと、を含み、受け部に、蒸着マスクを介して重ねられる。第1緩衝シートは、第1対向面と蒸着マスクとの間に位置し、第1凹部を覆う。第2緩衝シートは、第2対向面と蒸着マスクとの間に位置し、第2凹部を覆う。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の貫通孔が形成された蒸着マスクを梱包する蒸着マスク梱包体であって、
第1対向面と、前記第1対向面に位置する第1凹部であって、前記貫通孔に重なる第1凹部と、を含む受け部と、
前記受け部の前記第1対向面に対向する第2対向面と、前記第2対向面に位置する第2凹部であって、前記貫通孔に重なる第2凹部と、を含み、前記受け部に、前記蒸着マスクを介して重ねられる蓋部と、
前記第1対向面と前記蒸着マスクとの間に位置し、前記第1凹部を覆う第1緩衝シートと、
前記第2対向面と前記蒸着マスクとの間に位置し、前記第2凹部を覆う第2緩衝シートと、を備えた、蒸着マスク梱包体。
【請求項2】
前記蒸着マスクと前記第1緩衝シートとの間に位置するとともに前記蒸着マスクと前記第2緩衝シートとの間に位置する複数の挿間シートを備えた、請求項1に記載の蒸着マスク梱包体。
【請求項3】
前記第1緩衝シートを前記第1対向面に固定する第1固定部を備え、
前記第1対向面の法線方向で見たときに、前記第1固定部は、前記蒸着マスクの外側に位置する、請求項1又は2に記載の蒸着マスク梱包体。
【請求項4】
前記第2緩衝シートを前記第2対向面に固定する第2固定部を備え、
前記第2対向面の法線方向で見たときに、前記第2固定部は、前記蒸着マスクの外側に位置する、請求項1又は2に記載の蒸着マスク梱包体。
【請求項5】
前記受け部と前記蓋部は、ヒンジ部を介して連結されている、請求項1又は2に記載の蒸着マスク梱包体。
【請求項6】
前記受け部と前記蓋部との間に位置する蒸着マスクを備えた、請求項1又は2に記載の蒸着マスク梱包体。
【請求項7】
複数の貫通孔が形成された蒸着マスクを梱包する蒸着マスク梱包方法であって、
第1対向面と、前記第1対向面に位置する第1凹部と、を含む受け部と、第2対向面と、前記第2対向面に位置する第2凹部と、を含む蓋部と、を準備する準備工程と、
前記第1凹部を第1緩衝シートが覆うとともに前記貫通孔が前記第1凹部に重なるように、前記第1対向面に前記第1緩衝シートを介して前記蒸着マスクを載置する載置工程と、
前記第2凹部を第2緩衝シートが覆うとともに前記貫通孔が前記第2凹部に重なるように、前記蒸着マスクに前記第2緩衝シートを介して前記蓋部を載置する挟持工程であって、前記蒸着マスクを前記受け部と前記蓋部で挟持する挟持工程と、を備えた、蒸着マスク梱包方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蒸着マスク梱包体及び蒸着マスク梱包方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン又はタブレットPC等の電子デバイスにおいて、高精細な表示装置が、市場から求められている。表示装置は、例えば、400ppi以上又は800ppi以上等の画素密度を有する。
【0003】
このような表示装置として、応答性の良さと、又は/及びコントラストの高さと、を有する有機EL表示装置が注目されている。有機EL表示装置の画素を形成する方法として、画素を構成する材料を、基板に蒸着させる方法が知られている。この場合、まず、貫通孔を含む蒸着マスクと、蒸着マスクを支持するフレームと、を備える蒸着マスク装置を準備する。次に、蒸着装置内で、蒸着マスクを基板に密着させた状態で、有機材料又は無機材料等の蒸着材料を蒸着させる。このことにより、基板に、蒸着材料が付着して蒸着層が形成される。蒸着層は、有機EL表示装置の表示領域を構成する。
【0004】
蒸着マスクは、輸送する際に梱包される。例えば、受け部と蓋部とを備えた梱包体が知られている。蒸着マスクは、受け部と蓋部との間に挟持される。しかしながら、梱包体の構成によっては、蒸着マスクが塑性変形する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6904502号公報
【特許文献2】国際公開第2018-061757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の実施の形態は、蒸着マスクの塑性変形を抑制できる蒸着マスク梱包体及び蒸着マスク梱包方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示による蒸着マスク梱包体は、複数の貫通孔が形成された蒸着マスクを梱包する梱包体である。蒸着マスク梱包体は、受け部と、蓋部と、第1緩衝シートと、第2緩衝シートと、を備えている。受け部は、第1対向面と、第1対向面に位置する第1凹部であって、貫通孔に重なる第1凹部と、を含む。蓋部は、受け部の第1対向面に対向する第2対向面と、第2対向面に位置する第2凹部であって、貫通孔に重なる第2凹部と、を含み、受け部に、蒸着マスクを介して重ねられる。第1緩衝シートは、第1対向面と蒸着マスクとの間に位置し、第1凹部を覆う。第2緩衝シートは、第2対向面と蒸着マスクとの間に位置し、第2凹部を覆う。
【0008】
本開示による蒸着マスク梱包方法は、複数の貫通孔が形成された蒸着マスクを梱包する方法である。蒸着マスク梱包方法は、準備工程と、載置工程と、挟持工程と、を備えている。準備工程において、第1対向面と、第1対向面に位置する第1凹部と、を含む受け部と、第2対向面と、第2対向面に位置する第2凹部と、を含む蓋部と、が準備される。載置工程において、第1凹部を第1緩衝シートが覆うとともに貫通孔が第1凹部に重なるように、第1対向面に第1緩衝シートを介して蒸着マスクが載置される。挟持工程において、第2凹部を第2緩衝シートが覆うとともに貫通孔が第2凹部に重なるように、蒸着マスクに第2緩衝シートを介して蓋部を載置し、蒸着マスクが受け部と蓋部で挟持される。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、蒸着マスクの塑性変形を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示の一実施の形態による蒸着装置を示す図である。
【
図2】
図2は、本開示の一実施の形態による蒸着マスク梱包体を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2に示す蒸着マスク梱包体の分解斜視図である。
【
図5】
図5は、
図2に示す蒸着マスク梱包体の断面図であって、
図3のA-A線に示す位置に相当する部分断面図である。
【
図6】
図6は、
図2に示す蒸着マスク梱包体の断面図であって、
図3のB-B線に示す位置に相当する断面図である。
【
図7】
図7は、
図3に示す第1対向面に載置された緩衝シート、挿間シート及び蒸着マスクを示す平面図である。
【
図8】
図8は、本開示の一実施の形態による蒸着マスク梱包方法の準備工程を示す断面図である。
【
図9】
図9は、本開示の一実施の形態による蒸着マスク梱包方法の固定工程を示す断面図である。
【
図11】
図11は、本開示の一実施の形態による蒸着マスク梱包方法の載置工程を示す断面図である。
【
図12】
図12は、本開示の一実施の形態による蒸着マスク梱包方法の挟持工程を示す断面図である。
【
図13】
図13は、本開示の一実施の形態による蒸着マスク梱包方法の結束工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書及び本図面において、特別な説明が無い限りは、「基板」や「基材」や「板」や「シート」や「フィルム」などのある構成の基礎となる物質を意味する用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。
【0012】
本明細書及び本図面において、特別な説明が無い限りは、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」や「直交」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待してもよい程度の範囲を含めて解釈することとする。
【0013】
本明細書及び本図面において、特別な説明が無い限りは、ある部材又はある領域等のある構成が、他の部材又は他の領域等の他の構成の「上に」や「下に」、「上側に」や「下側に」、又は「上方に」や「下方に」とする場合、ある構成が他の構成に直接的に接している場合を含む。さらに、ある構成と他の構成との間に別の構成が含まれている場合、つまり間接的に接している場合も含む。また、特別な説明が無い限りは、「上」や「上側」や「上方」、又は、「下」や「下側」や「下方」という語句は、上下方向が逆転してもよい。
【0014】
本明細書及び本図面において、特別な説明が無い限りは、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号又は類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なる場合や、構成の一部が図面から省略される場合がある。
【0015】
本明細書及び本図面において、特別な説明が無い限りは、矛盾の生じない範囲で、その他の実施の形態や変形例と組み合わせられてもよい。また、その他の実施の形態同士や、その他の実施の形態と変形例も、矛盾の生じない範囲で組み合わせられてもよい。また、変形例同士も、矛盾の生じない範囲で組み合わせられてもよい。
【0016】
本明細書及び本図面において、特別な説明が無い限りは、製造方法などの方法に関して複数の工程を開示する場合に、開示されている工程の間に、開示されていないその他の工程が実施されてもよい。また、開示されている工程の順序は、矛盾の生じない範囲で任意である。
【0017】
本明細書及び本図面において、特別な説明が無い限りは、「~」という記号によって表現される数値範囲は、「~」という符号の前後に置かれた数値を含んでいる。例えば、「34~38質量%」という表現によって画定される数値範囲は、「34質量%以上且つ38質量%以下」という表現によって画定される数値範囲と同一である。
【0018】
本明細書の一実施の形態においては、有機EL表示装置を製造する際に有機材料を所望のパターンで基板上にパターニングするために用いられる蒸着マスクやその製造方法に関した例をあげて説明する。ただし、このような適用に限定されることなく、種々の用途に用いられる蒸着マスクに対し、本実施の形態を適用できる。例えば、仮想現実いわゆるVRや拡張現実いわゆるARを表現するための画像や映像を表示又は投影するための装置を製造するために、本実施の形態のマスクを用いてもよい。
【0019】
本開示の第1の態様は、
複数の貫通孔が形成された蒸着マスクを梱包する蒸着マスク梱包体であって、
第1対向面と、前記第1対向面に位置する第1凹部であって、前記貫通孔に重なる第1凹部と、を含む受け部と、
前記受け部の前記第1対向面に対向する第2対向面と、前記第2対向面に位置する第2凹部であって、前記貫通孔に重なる第2凹部と、を含み、前記受け部に、前記蒸着マスクを介して重ねられる蓋部と、
前記第1対向面と前記蒸着マスクとの間に位置し、前記第1凹部を覆う第1緩衝シートと、
前記第2対向面と前記蒸着マスクとの間に位置し、前記第2凹部を覆う第2緩衝シートと、を備えた、蒸着マスク梱包体
である。
【0020】
本開示の第2の態様は、上述した第1の態様による蒸着マスク梱包体において、
前記蒸着マスクと前記第1緩衝シートとの間に位置するとともに前記蒸着マスクと前記第2緩衝シートとの間に位置する複数の挿間シートを備える、
ようにしてもよい。
【0021】
本開示の第3の態様は、上述した第1の態様又は上述した第2の態様による蒸着マスク梱包体において、
前記第1緩衝シートを前記第1対向面に固定する第1固定部を備え、
前記第1対向面の法線方向で見たときに、前記第1固定部は、前記蒸着マスクの外側に位置する、
ようにしてもよい。
【0022】
本開示の第4の態様は、上述した第1の態様から上述した第3の態様のそれぞれによる蒸着マスク梱包体において、
前記第2緩衝シートを前記第2対向面に固定する第2固定部を備え、
前記第2対向面の法線方向で見たときに、前記第2固定部は、前記蒸着マスクの外側に位置する、
ようにしてもよい。
【0023】
本開示の第5の態様は、上述した第1の態様から上述した第4の態様のそれぞれによる蒸着マスク梱包体において、
前記受け部と前記蓋部は、ヒンジ部を介して連結されている、
ようにしてもよい。
【0024】
本開示の第6の態様は、上述した第1の態様から上述した第5の態様のそれぞれによる蒸着マスク梱包体において、
前記受け部と前記蓋部との間に位置する蒸着マスクを備える、
ようにしてもよい。
【0025】
本開示の第7の態様は、
複数の貫通孔が形成された蒸着マスクを梱包する蒸着マスク梱包方法であって、
第1対向面と、前記第1対向面に位置する第1凹部と、を含む受け部と、第2対向面と、前記第2対向面に位置する第2凹部と、を含む蓋部と、を準備する準備工程と、
前記第1凹部を第1緩衝シートが覆うとともに前記貫通孔が前記第1凹部に重なるように、前記第1対向面に前記第1緩衝シートを介して前記蒸着マスクを載置する載置工程と、
前記第2凹部を第2緩衝シートが覆うとともに前記貫通孔が前記第2凹部に重なるように、前記蒸着マスクに前記第2緩衝シートを介して前記蓋部を載置する挟持工程であって、前記蒸着マスクを前記受け部と前記蓋部で挟持する挟持工程と、を備えた、蒸着マスク梱包方法、
である。
【0026】
以下、本開示の一実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態は本開示の実施の形態の一例であって、本開示はこれらの実施の形態のみに限定して解釈されない。
【0027】
図1に示すように、蒸着装置80は、蒸着源(例えばるつぼ81)と、ヒータ83と、蒸着マスク装置10と、を備えていてもよい。蒸着装置80は、蒸着装置80の内部を真空雰囲気にするための排気手段(図示せず)を備えていてもよい。るつぼ81は、蒸着装置80の内部に設けられており、有機発光材料などの蒸着材料90を収容するように構成されている。ヒータ83は、るつぼ81を加熱するように構成されている。真空雰囲気でるつぼ81を加熱することにより、蒸着材料90が蒸発する。
【0028】
蒸着マスク装置10は、フレーム15と、フレーム15に固定された蒸着マスク20と、を備えていてもよい。フレーム15は、フレーム開口16を含んでいてもよい。フレーム開口16は、平面視で、蒸着マスク20の後述する貫通孔25が形成された有効領域23に重なっている。蒸着マスク20は、フレーム15に引っ張った状態で固定されて支持されていてもよい。この場合、蒸着マスク20が撓むことを抑制できる。フレーム15に、複数の蒸着マスク20が固定されていてもよい。「平面視」とは、蒸着マスク20の厚み方向で見ることを意味する用語であって、例えば、
図1の上下方向で見ることを意味する用語とする。
【0029】
蒸着マスク装置10は、るつぼ81に対向するように蒸着装置80内に位置している。蒸着マスク装置10は、るつぼ81の上方に位置していてもよい。この蒸着マスク装置10の蒸着マスク20に対面するように基板91が位置していてもよい。基板91は、蒸着材料90を付着させる対象物である。基板91は、蒸着マスク20の上方に位置していてもよい。
【0030】
図1に示すように、蒸着装置80は、基板91の上方に配置された磁石85を備えていてもよい。磁石85を設けることにより、磁力によって蒸着マスク20を磁石85が位置する方向に引き寄せて、蒸着マスク20を基板91に密着できる。基板91と磁石85との間には、蒸着時に基板91を冷却する冷却板(図示せず)が介在されていてもよい。
【0031】
基板91に蒸着材料90を蒸着させる場合には、るつぼ81から飛来した蒸着材料がフレーム開口16及び各貫通孔25を通って基板91に付着する。このことにより、貫通孔25のパターンに応じて、基板91に、蒸着材料90がパターン状に付着する。
【0032】
次に、蒸着マスク20について説明する。蒸着マスク20は、エッチング処理又はめっき処理によって作製されてもよい。
【0033】
図2及び
図3に示すように、蒸着マスク20は、第1方向D1と、第1方向D1に直交する第2方向D2と、を有するように矩形状に形成されていてもよい。第1方向は、蒸着マスク20の長手方向であってもよい。蒸着マスク20は、第1方向D1における両端部に位置する長手方向端部21を含んでいてもよい。蒸着マスク20は、少なくとも1つの有効領域23を含んでいてもよい。有効領域23は、2つの長手方向端部21の間に位置していてもよい。
図3に示すように、蒸着マスク20は、1つの有効領域23を含んでいてもよい。しかしながら、蒸着マスク20は、複数の有効領域23を含んでいてもよい。複数の有効領域23は、第1方向D1に並んでいてもよく、第2方向D2に並んでいてもよい。複数の有効領域23は、第1方向D1及び第2方向D2に並んでいてもよい。
【0034】
1つの有効領域23は、有機EL表示装置の1つの表示領域に対応してもよい。あるいは、1つの有効領域23は、複数の表示領域に対応していてもよい。有効領域23は、例えば、平面視で略矩形状の輪郭を有していてもよいが、矩形以外の形状の輪郭を有していてもよい。
【0035】
図1に示すように、蒸着マスク20は、第1面20aと、第1面20aとは反対側に位置する第2面20bと、複数の貫通孔25と、を含んでいてもよい。貫通孔25は、蒸着マスクの第1面20aから第2面20bに延びており、蒸着マスク20を貫通している。
【0036】
有効領域23に、複数の貫通孔25で構成された貫通孔群26が位置していてもよい。1つの有効領域23は、1つの貫通孔群26で構成されていてもよい。有効領域23は、貫通孔群26が占める領域であってもよい。貫通孔群26は、平面視でフレーム15のフレーム開口16に重なっていてもよい。貫通孔群26とは、規則的に配列された複数の貫通孔25の集合体を意味する用語として用いている。1つの貫通孔群26を構成する外縁の貫通孔25は、同様に規則的に配列されている複数の貫通孔25のうち最も外側に位置する貫通孔25である。1つの貫通孔群26における外縁の貫通孔25の外側には、同様に規則的に配列されて蒸着材料90の通過を意図する貫通孔25は存在していなくてもよい。規則的な配列の例として、例えば、貫通孔25は、並列配列されていてもよい。貫通孔群26は、有効領域23と同様に、平面視で略矩形状の輪郭を有していてもよい。
【0037】
蒸着マスク20は、第1面20aから第2面20bにわたる厚みT1(
図5参照)を有している。厚みT1は、例えば、2μm以上であってもよく、5μm以上であってもよく、10μm以上であってもよく、15μm以上であってもよい。厚みT1を2μm以上とすることにより、蒸着マスク20の機械的強度を確保できる。また、厚みT1は、例えば、20μm以下であってもよく、30μm以下であってもよく、40μm以下であってもよく、50μm以下であってもよい。厚みT1を50μm以下とすることにより、シャドーが発生することを抑制できる。シャドーとは、蒸着材料90が貫通孔25の壁面に付着して、基板91に形成される蒸着層の厚みの精度が低下する現象を言う。厚みT1の範囲は、2μm、5μm、10μm及び15μmからなる第1グループ、及び/又は、20μm、30μm、40μm及び50μmからなる第2グループによって定められてもよい。厚みT1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。厚みT1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。厚みT1の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、2μm以上50μm以下であってもよく、2μm以上40μm以下であってもよく、2μm以上30μm以下であってもよく、2μm以上20μm以下であってもよく、2μm以上15μm以下であってもよく、2μm以上10μm以下であってもよく、2μm以上5μm以下であってもよく、5μm以上50μm以下であってもよく、5μm以上40μm以下であってもよく、5μm以上30μm以下であってもよく、5μm以上20μm以下であってもよく、5μm以上15μm以下であってもよく、5μm以上10μm以下であってもよく、10μm以上50μm以下であってもよく、10μm以上40μm以下であってもよく、10μm以上30μm以下であってもよく、10μm以上20μm以下であってもよく、10μm以上15μm以下であってもよく、15μm以上50μm以下であってもよく、15μm以上40μm以下であってもよく、15μm以上30μm以下であってもよく、15μm以上20μm以下であってもよく、20μm以上50μm以下であってもよく、20μm以上40μm以下であってもよく、20μm以上30μm以下であってもよく、30μm以上50μm以下であってもよく、30μm以上40μm以下であってもよく、40μm以上50μm以下であってもよい。
【0038】
蒸着マスク20は、例えば、ニッケルを含む鉄合金で構成されていてもよい。鉄合金は、ニッケルに加えてコバルトを更に含んでいてもよい。例えば、蒸着マスク20の材料として、ニッケル及びコバルトの含有量が合計で30質量%以上且つ54質量%以下であり、且つコバルトの含有量が0質量%以上且つ6質量%以下である鉄合金を用いることができる。ニッケルを含む鉄合金の具体例としては、34質量%以上且つ38質量%以下のニッケルを含むインバー材、38質量%以上且つ54質量%以下のニッケルを含む低熱膨張Fe-Ni系めっき合金などを挙げることができる。ニッケル及びコバルトを含む鉄合金の具体例としては、30質量%以上且つ34質量%以下のニッケルに加えてさらにコバルトを含むスーパーインバー材などを挙げることができる。このような鉄合金を用いることにより、蒸着マスク20の熱膨張係数を低くできる。例えば、基板91としてガラス基板が用いられる場合に、蒸着マスク20の熱膨張係数を、ガラス基板と同等の低い値にできる。これにより、蒸着工程の際、基板91に形成される発光層の形状精度や位置精度が、蒸着マスク20と基板91との間の熱膨張係数の差に起因して低下することを抑制できる。
【0039】
蒸着マスク20を構成する材料としては、熱膨張係数をガラス基板と同等の低い値にしなくてもよい場合には、上述した鉄合金の代わりに、例えば、単体のニッケルで構成されていてもよく、又はコバルトを含むニッケル合金で構成されていてもよい。コバルトを含むニッケル合金で構成される場合には、蒸着マスク20の材料として、コバルトの含有量が、8質量%以上且つ10質量%以下であるニッケル合金を用いることができる。蒸着マスク20をめっき処理で製造する場合には、このようなニッケル又はニッケル合金を用いることにより、蒸着マスク20をなすめっき被膜を析出させるめっき液を安定させることがでる。このため、めっき処理の管理を容易にさせるとともに取扱性を向上できる。また、めっき被膜の成分を均等にでき、蒸着マスク20の品質を向上できる。
【0040】
次に、上述した蒸着マスク20を梱包する蒸着マスク梱包体30について説明する。蒸着マスク梱包体30は、複数の貫通孔25が形成された貫通孔群26を有する蒸着マスク20を梱包するように構成されている。
【0041】
図2及び
図3に示すように、蒸着マスク梱包体30は、受け部31と、蓋部32と、第1緩衝シート33と、第1固定部34と、第2緩衝シート35と、第2固定部36と、蒸着マスク積層体50と、を備えていてもよい。蒸着マスク積層体50は、受け部31と蓋部32との間に位置していてもよい。蒸着マスク積層体50は、上述した蒸着マスク20を含んでいてもよい。
図2に示すように、蓋部32は、蒸着マスク20を梱包した状態では、受け部31の上方に位置していてもよい。
【0042】
受け部31と蓋部32は、弾性ベルト60によって結束されていてもよい。
図2に示す例では、受け部31と蓋部32とが2つの弾性ベルト60によって結束されているが、受け部31と蓋部32とがずれることを抑制できれば、弾性ベルト60の個数は任意である。
【0043】
図3及び
図4に示すように、受け部31は、第1対向面37aと、第1凹部37bと、を含んでいてもよい。第1凹部37bは、第1対向面37aに位置しており、第1対向面37aから凹むように形成されている。第1対向面37aは、第1凹部37b以外の領域で平坦状に形成されていてもよい。あるいは、第1対向面37aは、第1凹部37b以外の領域で、後述する第1緩衝シート33を平坦状に固定できれば、小さな凹凸などは形成されていてもよく、平坦状に形成されていなくてもよい。第1凹部37bは、法線方向Nで見たときに、長手方向を有するように矩形状に形成されていてもよい。第1凹部37bの長手方向は、梱包する蒸着マスク20の長手方向に沿っていてもよい。第1凹部37bの長手方向は、第1方向D1に沿っていてもよい。法線方向Nとは、蒸着マスク20が梱包された状態で、第1対向面37aに垂直な方向であってもよく、後述する第2対向面38aに垂直な方向であってもよい。法線方向Nは、蒸着マスク20の厚み方向に沿っていてもよい。
【0044】
図7に示すように、第1方向D1において、第1凹部37bの寸法L11は、蒸着マスク20の寸法L2よりも小さくなっていてもよい。言い換えると、蒸着マスク20は、第1凹部37bに対して、第1方向D1における両側で外側に延びていてもよい。蒸着マスク20の長手方向端部21は、第1対向面37aに重なっていてもよい。蒸着マスク20が梱包された状態では、蒸着マスク20の長手方向端部21は、第1対向面37aと第2対向面38aとに挟持されていてもよい。第1方向D1において、第1凹部37bの寸法L11は、有効領域23の寸法L3よりも大きくなっていてもよい。
【0045】
第2方向D2において、第1凹部37bの寸法W11は、蒸着マスク20の寸法W2よりも大きくなっていてもよい。第1凹部37bは、蒸着マスク20に対して、第2方向D2における両側で外側に延びていてもよい。このようにして、有効領域23の全体が、第1凹部37bに重なっていてもよい。このことにより、蒸着マスク梱包体30が輸送中に上下方向の力又は衝撃を受けた場合、蒸着マスク20の有効領域23を第1凹部37b内に撓ませることができる。このため、有効領域23が塑性変形することを抑制できる。
【0046】
図5及び
図6に示すように、蓋部32は、受け部31に、第1緩衝シート33、蒸着マスク積層体50及び第2緩衝シート35を介して重ねられる。蓋部32は、第2対向面38aと、第2凹部38bと、を含んでいてもよい。第2対向面38aは、蒸着マスク20が梱包された状態では、受け部31の第1対向面37aに対向している。第2凹部38bは、第2対向面38aに位置しており、第2対向面38aから凹むように形成されている。第2対向面38aは、第2凹部38b以外の領域で平坦状に形成されていてもよい。あるいは、第2対向面38aは、第2凹部38b以外の領域で、後述する第2緩衝シート35を平坦状に固定できれば、小さな凹凸などが形成されていてもよく、平坦状に形成されていなくてもよい。第2凹部38bは、法線方向Nで見たときに、長手方向を有するように矩形状に形成されていてもよい。第2凹部38bの長手方向は、梱包する蒸着マスク20の長手方向に沿っていてもよい。第2凹部38bの長手方向は、第1方向D1に沿っていてもよい。
【0047】
図7に示すように、第1方向D1において、第2凹部38bの寸法L12は、蒸着マスク20の寸法L2よりも小さくなっていてもよい。言い換えると、蒸着マスク20は、第2凹部38bに対して、第1方向D1における両側で外側に延びていてもよい。蒸着マスク20の長手方向端部21は、第2対向面38aに重なっていてもよい。蒸着マスク20が梱包された状態では、蒸着マスク20の長手方向端部21は、第1対向面37aと第2対向面38aとに挟持されていてもよい。第1方向D1において、第2凹部38bの寸法L12は、有効領域23の寸法L3よりも大きくなっていてもよい。
【0048】
第2方向D2において、第2凹部38bの寸法W12は、蒸着マスク20の寸法W2よりも大きくなっていてもよい。第2凹部38bは、蒸着マスク20に対して、第2方向D2における両側で外側に延びていてもよい。このようにして、有効領域23の全体が、第2凹部38bに重なっていてもよい。このことにより、蒸着マスク梱包体30が輸送中に上下方向の力又は衝撃を受けた場合、蒸着マスク20の有効領域23を第2凹部38b内に撓ませることができる。このため、有効領域23が塑性変形することを抑制できる。
【0049】
第2凹部38bは、法線方向Nで見たときに、第1凹部37bと重なっていてもよい。第2凹部38bは、第1凹部37bと一致していてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、第2凹部38bは、第1凹部37bとずれていてもよい。
【0050】
第2凹部38bの寸法L12は、第1凹部37bの寸法L11と等しくてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、寸法L12は、寸法L11と異なっていてもよい。例えば、寸法L12は、寸法L11よりも大きくてもよい。この場合、第2凹部38bは、第1凹部37bに対して、第1方向D1における両側で外側に延びていてもよい。あるいは、例えば、寸法L12は、寸法L11よりも小さくてもよい。この場合、第1凹部37bは、第2凹部38bに対して、第1方向D1における両側で外側に延びていてもよい。
【0051】
第2凹部38bの寸法W12は、第1凹部37bの寸法W11と等しくてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、寸法W12は、寸法W11と異なっていてもよい。例えば、寸法W12は、寸法W11よりも大きくてもよい。この場合、第2凹部38bは、第1凹部37bに対して、第2方向D2における両側で外側に延びていてもよい。あるいは、例えば、寸法W12は、寸法W11よりも小さくてもよい。この場合、第1凹部37bは、第2凹部38bに対して、第2方向D2における両側で外側に延びていてもよい。
【0052】
図3及び
図4に示すように、受け部31及び蓋部32は、梱包ケース40を構成していてもよい。梱包ケース40は、受け部31と蓋部32とを連結するヒンジ部41を含んでいてもよい。この場合、受け部31と蓋部32はヒンジ部41を介して連結され、蓋部32は、受け部31に対して回動可能になっていてもよい。梱包ケース40は、折り曲げ可能になっていてもよい。梱包ケース40は、
図3及び
図4に示すように展開可能であってもよく、
図2及び
図6に示すように折り曲げ可能であってもよい。
【0053】
図4に示すように、受け部31、蓋部32及びヒンジ部41は、一体に形成されていてもよい。受け部31とヒンジ部41との間には、受け部側溝42が形成されていてもよい。ヒンジ部41と蓋部32との間には、蓋部側溝43が形成されていてもよい。このようにして、受け部31と蓋部32が相対的に回動可能になっていてもよく、梱包ケース40が折り曲げ可能になっていてもよい。
【0054】
梱包ケース40は、1つ又は複数の段ボールシート44によって形成されていてもよい。例えば、梱包ケース40は、2つの段ボールシート44を重ねて形成されていてもよい。各々の段ボールシート44は、2つのライナーと、ライナーの間に介在された波形状の横断面を有する中芯と、を含んでいる。複数の段ボールシート44を重ねる場合、互いに隣り合う段ボールシート44の中芯の波形状の尾根又は谷が延びる方向が直交するように段ボールシート44を重ねてもよい。この場合、梱包ケース40の機械的強度を向上できる。段ボールシート44は、プラスチック製であってもよい。段ボールシート44は、静電気が発生することを抑制するために、帯電防止コーティングされていてもよい。例えば、段ボールシート44の両面に、帯電防止層が形成されていてもよい。
【0055】
梱包ケース40が2つの段ボールシート44で構成されている場合、受け部31の第1凹部37bは、一方の段ボールシート44に形成された第1開口部44aで構成されていてもよい。この場合、第1開口部44aは、この段ボールシート44を貫通していてもよい。第1開口部44aは、第1対向面37aを構成する段ボールシート44に形成される。他方の段ボールシート44には、第1開口部44aは形成されていなくてもよい。
【0056】
同様に、梱包ケース40が2つの段ボールシート44で構成されている場合、蓋部32の第2凹部38bは、一方の段ボールシート44に形成された第2開口部44bで構成されていてもよい。この場合、第2開口部44bは、この段ボールシート44を貫通していてもよい。第2開口部44bは、第2対向面38aを構成する段ボールシート44に形成される。他方の段ボールシート44には、第2開口部44bは形成されていなくてもよい。
【0057】
図5及び
図6に示すように、第1緩衝シート33は、第1対向面37aに位置していてもよい。第1緩衝シート33は、第1凹部37bを覆っていてもよい。第1緩衝シート33は、蒸着マスク梱包体30が輸送中に上下方向の力又は衝撃を受けた場合、蒸着マスク20が塑性変形することを抑制するためのシートであってもよい。第1緩衝シート33は、蒸着マスク20が梱包された状態で蒸着マスク20に加えられる力又は衝撃を吸収可能な程度の可撓性を有していてもよい。第1緩衝シート33は、蒸着マスク積層体50を支持できる程度の機械的強度を有していてもよい。
【0058】
図7に示すように、第1緩衝シート33は、法線方向Nで見たときに、第1方向D1及び第2方向D2に沿うように矩形状に形成されていてもよい。第1緩衝シート33は、第1方向D1に沿う長手方向を有していてもよい。
【0059】
第1緩衝シート33の材料は、任意である。例えば、第1緩衝シート33は、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムで構成されていてもよい。PETフィルムは、比較的硬く、皺が形成され難い。このため、蒸着マスク20の塑性変形を効果的に抑制できる。
【0060】
図5に示す第1緩衝シート33の厚みT2は、任意である。例えば、厚みT2は、例えば、0.05mm以上でもよく、0.08mm以上でもよく、0.10mm以上でもよい。厚みT2を0.05mm以上とすることにより、力又は衝撃を吸収できるとともに機械的強度を確保できる。厚みT2は、例えば、0.15mm以下でもよく、0.17mm以下でもよく、0.20mm以下でもよい。厚みT2を0.20mm以下とすることにより、蒸着マスク積層体50が厚くなることを抑制できる。厚みT2の範囲は、0.05mm、0.08mm及び0.10mmからなる第1グループ、及び/又は、0.15mm、0.17mm及び0.20mmからなる第2グループによって定められてもよい。厚みT2の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。厚みT2の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。厚みT2の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、0.05mm以上0.20mm以下でもよく、0.05mm以上0.17mm以下でもよく、0.05mm以上0.15mm以下でもよく、0.05mm以上0.10mm以下でもよく、0.05mm以上0.08mm以下でもよく、0.08mm以上0.20mm以下でもよく、0.08mm以上0.17mm以下でもよく、0.08mm以上0.15mm以下でもよく、0.08mm以上0.10mm以下でもよく、0.10mm以上0.20mm以下でもよく、0.10mm以上0.17mm以下でもよく、0.10mm以上0.15mm以下でもよく、0.15mm以上0.20mm以下でもよく、0.15mm以上0.17mm以下でもよく、0.17mm以上0.20mm以下でもよい。
【0061】
図5~
図7に示すように、第1方向D1において、第1緩衝シート33の寸法L4は、蒸着マスク20の寸法L2よりも大きくてもよい。第1緩衝シート33は、蒸着マスク20に対して、第1方向D1における両側で外側に延びていてもよい。第2方向D2において、第1緩衝シート33の寸法W3は、蒸着マスク20の寸法W2よりも大きくてもよい。第1緩衝シート33は、蒸着マスク20に対して、第2方向D2における両側で外側に延びていてもよい。このようにして、蒸着マスク20の全体は、第1緩衝シート33に重なっていてもよい。このことにより、蒸着マスク梱包体30が輸送中に上下方向の力又は衝撃を受けた場合、蒸着マスク20が塑性変形することを抑制できる。
【0062】
第1緩衝シート33は、静電気が発生することを抑制するために、帯電防止コーティングされていてもよい。例えば、第1緩衝シート33の両面に、帯電防止層が形成されていてもよい。帯電防止コーティングされた第1緩衝シート33の例としては、商品名クリスパー(登録商標)として販売されている東洋紡株式会社製のポリエステル系合成紙K2323-188-690mmが挙げられる。
【0063】
図5及び
図6に示すように、第1固定部34は、第1緩衝シート33を第1対向面37aに固定していてもよい。第1固定部34は、第1対向面37aと第1緩衝シート33との間に介在されていてもよい。
【0064】
図7に示すように、第1固定部34は、法線方向Nで見たときに、蒸着マスク20の外側に位置していてもよい。第1固定部34は、第1緩衝シート33の外縁の内側に位置していてもよい。第1固定部34は、第1緩衝シート33に重なっていてもよく、蒸着マスク20に重なっていなくてもよい。第1固定部34は、受け部31の第1凹部37bの外側に位置していてもよく、蓋部32の第2凹部38bの外側に位置していてもよい。第1固定部34は、第2凹部38bに重なっていなくてもよい。
【0065】
第1固定部34は、第1固定分割部材45と、第2固定分割部材46と、を含んでいてもよい。
【0066】
より具体的には、
図3及び
図7に示すように、第1固定部34は、第1方向D1において、蒸着マスク20に対して両側で外側に位置する2つの第1固定分割部材45を含んでいてもよい。2つの第1固定分割部材45の間に、蒸着マスク20が位置していてもよく、第1固定分割部材45は、蒸着マスク20に重なっていなくてもよい。第1固定分割部材45は、第2方向D2に沿って細長に延びていてもよい。この場合、第1固定分割部材45は、平面視で、第2方向D2を長手方向とする矩形状に形成されていてもよい。第1固定分割部材45は、連続状に延びていてもよく、断続的に形成されていてもよい。この場合、第1固定分割部材45は、平面視で、第2方向D2を長手方向とする矩形状に形成されていてもよく、正方形状、円形状又は楕円形状など任意の形状に形成されていてもよい。
【0067】
第1固定部34は、第2方向D2において、蒸着マスク20に対して両側で外側に位置する2つの第2固定分割部材46を含んでいてもよい。2つの第2固定分割部材46の間に、蒸着マスク20が位置していてもよく、第2固定分割部材46は、蒸着マスク20に重なっていなくてもよい。第2固定分割部材46は、第1方向D1に沿って細長に延びていてもよい。この場合、第2固定分割部材46は、平面視で、第1方向D1を長手方向とする矩形状に形成されていてもよい。第2固定分割部材46は、連続状に延びていてもよく、断続的に形成されていてもよい。この場合、第2固定分割部材46は、平面視で、第1方向D1を長手方向とする矩形状に形成されていてもよく、正方形状、円形状又は楕円形状など任意の形状に形成されていてもよい。
【0068】
図3及び
図7に示す例では、第1固定分割部材45は、第1方向D1において、第2固定分割部材46の両側に位置しており、第1固定分割部材45が、第2方向D2において、第2固定分割部材46の後述する外側縁まで延びている。しかしながら、第2固定分割部材46が、第2方向D2において第1固定分割部材45の両側に位置し、第2固定分割部材46が、第1方向D1において、第1固定分割部材45の後述する外側縁まで延びていてもよい。また、第1固定分割部材45と第2固定分割部材46との間に隙間が形成されていてもよく、又は隙間無く接続されていてもよい。
【0069】
第1固定分割部材45及び第2固定分割部材46は、両面テープで構成されていてもよい。両面テープは、基材と、基材の両面に位置する粘着層と、を含んでいてもよい。基材は、任意の合成樹脂で作製されていてもよい。粘着層は、粘着性を有していれば、任意の合成樹脂で作製されていてもよい。両面テープの一例としては、商品名スコッチ(登録商標)として販売されている3M製の両面テープ665が挙げられる。しかしながら、第1緩衝シート33は、接着剤によって第1対向面37に固定されていてもよい。この場合、第1固定分割部材45及び第2固定分割部材46は、接着剤が硬化することにより形成されていてもよい。
【0070】
図5に示す第1固定分割部材45及び第2固定分割部材46の厚みT3は、任意である。例えば、厚みT3は、例えば、0.04mm以上でもよく、0.06mm以上でもよく、0.07mm以上でもよい。厚みT3を、0.04mm以上とすることにより、粘着力を確保できる。厚みT3は、例えば、0.09mm以下でもよく、0.10mm以下でもよく、1.20mm以下でもよい。厚みT3を1.20mm以下とすることにより、第1緩衝シート33の変形を抑制できるとともに、第1固定分割部材45及び第2固定分割部材46が互いに緩衝することを抑制できる。厚みT3の範囲は、0.04mm、0.06mm及び0.07mmからなる第1グループ、及び/又は、0.09mm、0.10mm及び1.20mmからなる第2グループによって定められてもよい。厚みT3の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。厚みT3の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。厚みT3の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、0.04mm以上1.20mm以下でもよく、0.04mm以上0.10mm以下でもよく、0.04mm以上0.09mm以下でもよく、0.04mm以上0.07mm以下でもよく、0.04mm以上0.06mm以下でもよく、0.06mm以上1.20mm以下でもよく、0.06mm以上0.10mm以下でもよく、0.06mm以上0.09mm以下でもよく、0.06mm以上0.07mm以下でもよく、0.07mm以上1.20mm以下でもよく、0.07mm以上0.10mm以下でもよく、0.07mm以上0.09mm以下でもよく、0.09mm以上1.20mm以下でもよく、0.09mm以上0.10mm以下でもよく、0.10mm以上1.20mm以下でもよい。
【0071】
図5及び
図6に示すように、第2緩衝シート35は、第2対向面38aに位置していてもよい。第2緩衝シート35は、第2凹部38bを覆っていてもよい。第2緩衝シート35は、蒸着マスク梱包体30が輸送中に上下方向の力又は衝撃を受けた場合、蒸着マスク20が塑性変形することを抑制するためのシートであってもよい。第2緩衝シート35の厚みは、第1緩衝シート33の厚みT2と等しくてもよく、又は異なっていてもよい。第2緩衝シート35は、上述した第1緩衝シート33と同様に構成されていてもよい。このため、第2緩衝シート35の詳細な説明は省略する。
図3に示す例では、図面を明瞭にするために、第2緩衝シート35を省略している。
【0072】
図5及び
図6に示すように、第2固定部36は、第2緩衝シート35を第2対向面38aに固定していてもよい。第2固定部36は、第2対向面38aと第2緩衝シート35との間に介在されていてもよい。
【0073】
図7に示すように、第2固定部36は、法線方向Nで見たときに、蒸着マスク20の外側に位置していてもよい。第2固定部36は、第2緩衝シート35の外縁の内側に位置していてもよい。第2固定部36は、第2緩衝シート35に重なっていてもよく、蒸着マスク20に重なっていなくてもよい。第2固定部36は、受け部31の第1凹部37bの外側に位置していてもよく、蓋部32の第2凹部38bの外側に位置していてもよい。第2固定部36は、第2凹部38bに重なっていなくてもよい。
【0074】
第2固定部36は、第3固定分割部材47と、第4固定分割部材48と、を含んでいてもよい。
【0075】
より具体的には、
図3及び
図7に示すように、第2固定部36は、第1方向D1において、蒸着マスク20に対して両側で外側に位置する2つの第3固定分割部材47を含んでいてもよい。2つの第3固定分割部材47の間に、蒸着マスク20が位置していてもよく、第3固定分割部材47は、蒸着マスク20に重なっていなくてもよい。第3固定分割部材47は、第2方向D2に沿って細長に延びていてもよい。この場合、第3固定分割部材47は、平面視で、第2方向D2を長手方向とする矩形状に形成されていてもよい。第3固定分割部材47は、連続状に延びていてもよく、断続的に形成されていてもよい。この場合、第3固定分割部材47は、平面視で、第2方向D2を長手方向とする矩形状に形成されていてもよく、正方形状、円形状又は楕円形状など任意の形状に形成されていてもよい。第3固定分割部材47は、第1固定分割部材45と重なっていてもよく、第1固定分割部材45と重なっていなくてもよい。
【0076】
第2固定部36は、第2方向D2において、蒸着マスク20に対して両側で外側に位置する2つの第4固定分割部材48を含んでいてもよい。2つの第4固定分割部材48の間に、蒸着マスク20が位置していてもよく、第4固定分割部材48は、蒸着マスク20に重なっていなくてもよい。第4固定分割部材48は、第1方向D1に沿って細長に延びていてもよい。この場合、第4固定分割部材48は、平面視で、第1方向D1を長手方向とする矩形状に形成されていてもよい。第4固定分割部材48は、連続状に延びていてもよく、断続的に形成されていてもよい。この場合、第4固定分割部材48は、平面視で、第1方向D1を長手方向とする矩形状に形成されていてもよく、正方形状、円形状又は楕円形状など任意の形状に形成されていてもよい。第4固定分割部材48は、第2固定分割部材46と重なっていてもよく、第2固定分割部材46と重なっていなくてもよい。
【0077】
図3及び
図7に示す例では、第3固定分割部材47は、第1方向D1において、第4固定分割部材48の両側に位置しており、第3固定分割部材47が、第2方向D2において、第4固定分割部材48の後述する外側縁まで延びている。しかしながら、第4固定分割部材48が、第2方向D2において第3固定分割部材47の両側に位置し、第4固定分割部材48が、第1方向D1において、第3固定分割部材47の後述する外側縁まで延びていてもよい。また、第3固定分割部材47と第4固定分割部材48との間に隙間が形成されていてもよく、又は隙間無く接続されていてもよい。
【0078】
第3固定分割部材47及び第4固定分割部材48は、第1固定分割部材45及び第2固定分割部材46と同様に構成されていてもよい。例えば、第3固定分割部材47及び第4固定分割部材48は、第1固定分割部材45及び第2固定分割部材46と同様に両面テープで構成されていてもよい。第3固定分割部材47及び第4固定分割部材48の厚みは、上述した第1固定分割部材45及び第2固定分割部材46の厚みT3と等しくてもよく、又は異なっていてもよい。第3固定分割部材47及び第4固定分割部材48の詳細な説明は省略する。
【0079】
図5及び
図6に示すように、蒸着マスク積層体50は、受け部31と蓋部32との間に位置している。より具体的には、蒸着マスク積層体50は、第1緩衝シート33と第2緩衝シート35との間に位置している。蒸着マスク20が梱包された状態では、蒸着マスク積層体50は、受け部31と蓋部32で挟持されていてもよい。
【0080】
蒸着マスク積層体50は、1つの蒸着マスク20と、複数の挿間シート51と、を含んでいてもよい。蒸着マスク20の第1面20a及び第2面20bに、挿間シート51が位置していてもよい。2つの挿間シート51の間に、蒸着マスク20が位置していてもよく、蒸着マスク20は、挿間シート51で挟持されていてもよい。蒸着マスク20の第1面20aは、受け部31の第1対向面37aに対向していてもよい。しかしながら、第1面20aは、蓋部32の第2対向面38aに対向してもよい。
【0081】
挿間シート51は、蒸着マスク20と第1緩衝シート33との間に位置していてもよい。蒸着マスク20と第1緩衝シート33との間に、1つ又は複数の挿間シート51が介在されていてもよい。本実施の形態においては、蒸着マスク20と第1緩衝シート33との間に2つの挿間シート51が介在されている。
図3においては、図面を明瞭にするために、蒸着マスク20と第1緩衝シート33との間に位置する挿間シート51は省略している。
【0082】
挿間シート51は、蒸着マスク20と第2緩衝シート35との間に位置していてもよい。蒸着マスク20と第2緩衝シート35との間に、1つ又は複数の挿間シート51が介在されていてもよい。本実施の形態においては、蒸着マスク20と第2緩衝シート35との間に2つの挿間シート51が介在されている。
【0083】
挿間シート51は、蒸着マスク20の貫通孔25と、第1緩衝シート33又は第2緩衝シート35が、互いに引っ掛かることを抑制することによって、蒸着マスク20が塑性変形することを抑制するためのシートである。このため、挿間シート51の両面は、平坦状に形成されていてもよい。挿間シート51に、孔や凹凸などは形成されていなくてもよい。蒸着マスク20に接する挿間シート51は、蒸着マスク20に固定されていなくてもよい。第1緩衝シート33に接する挿間シート51は、第1緩衝シート33に固定されていなくてもよい。第2緩衝シート35に接する挿間シート51は、第2緩衝シート35に固定されていなくてもよい。
【0084】
図7に示すように、挿間シート51は、法線方向Nで見たときに、第1方向D1及び第2方向D2に沿うように矩形状に形成されていてもよい。挿間シート51は、第1方向D1に沿う長手方向を有していてもよい。
【0085】
挿間シート51の材料は、任意である。例えば、挿間シート51の材料は、蒸着マスク20の熱膨張係数との差が小さい熱膨張係数を有する材料であってもよい。例えば、挿間シート51は、42アロイにより作製されていてもよい。42アロイは、42%のニッケルを含む鉄合金であってもよい。挿間シート51は、蒸着マスク20の貫通孔25に引っ掛かることを抑制できれば、紙などの繊維を含む材料により作製されていてもよく、例えば、アクリル含浸紙により作製されていてもよい。挿間シート51は、蒸着マスク20の材料と同じ材料で作製されていてもよい。
【0086】
図5に示す挿間シート51の厚みT4は、任意である。例えば、厚みT4は、例えば、20μm以上でもよく、70μm以上でもよく、100μm以上でもよい。厚みT4を20μm以上とすることにより、挿間シート51の機械的強度を確保でき、蒸着マスク20の貫通孔25が他の部材に引っ掛かることを抑制できる。厚みT4は、例えば、200μm以下でもよく、250μm以下でもよく、300μm以下でもよい。厚みT4を300μm以下とすることにより、蒸着マスク積層体50が厚くなることを抑制できる。厚みT4の範囲は、20μm、70μm及び100μmからなる第1グループ、及び/又は、200μm、250μm及び300μmからなる第2グループによって定められてもよい。厚みT4の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。厚みT4の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。厚みT4の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、20μm以上300μm以下でもよく、20μm以上250μm以下でもよく、20μm以上200μm以下でもよく、20μm以上100μm以下でもよく、20μm以上70μm以下でもよく、70μm以上300μm以下でもよく、70μm以上250μm以下でもよく、70μm以上200μm以下でもよく、70μm以上100μm以下でもよく、100μm以上300μm以下でもよく、100μm以上250μm以下でもよく、100μm以上200μm以下でもよく、200μm以上300μm以下でもよく、200μm以上250μm以下でもよく、250μm以上300μm以下でもよい。
【0087】
図7に示すように、第1方向D1において、挿間シート51の寸法L5は、蒸着マスク20の寸法L2よりも大きくてもよい。挿間シート51は、蒸着マスク20に対して、第1方向D1における両側で外側に延びていてもよい。第2方向D2において、挿間シート51の寸法W4は、蒸着マスク20の寸法W2よりも大きくてもよい。挿間シート51は、蒸着マスク20に対して、第2方向D2における両側で外側に延びていてもよい。このようにして、蒸着マスク20の全体は、挿間シート51に重なっていてもよい。このことにより、蒸着マスク20が、他の部材に引っ掛かることを抑制でき、塑性変形することを抑制できる。
【0088】
第1方向D1において、挿間シート51の寸法L5は、第1緩衝シート33の寸法L4よりも小さくてもよい。言い換えると、第1緩衝シート33は、挿間シート51に対して、第1方向D1における両側で外側に延びていてもよい。第2方向D2において、挿間シート51の寸法W4は、第1緩衝シート33の寸法W3よりも小さくてもよい。言い換えると、第1緩衝シート33は、挿間シート51に対して、第2方向D2における両側で外側に延びていてもよい。このようにして、挿間シート51の全体は、第1緩衝シート33に重なっていてもよい。同様にして、挿間シート51の全体は、第2緩衝シート35に重なっていてもよい。
【0089】
図7に示すように、法線方向Nで見たときに、挿間シート51は、第1固定部34に重なっていなくてもよい。言い換えると、第1固定部34は、挿間シート51の外側に位置していてもよい。挿間シート51は、2つの第1固定分割部材45の間に位置していてもよい。挿間シート51は、2つの第2固定分割部材46の間に位置していてもよい。挿間シート51は、第1固定分割部材45に重なっていなくてもよく、第2固定分割部材46に重なっていなくてもよい。
【0090】
より具体的には、
図7に示すように、第1方向D1において、2つの第1固定分割部材45の間の寸法L6は、挿間シート51の寸法L5よりも大きくてもよい。寸法L6は、第1方向D1における第1固定部34の内側寸法とも称する。より具体的には、寸法L6は、第1固定部34を構成する2つの第1固定分割部材45の内側縁の間の寸法であってもよい。第1固定分割部材45の内側縁は、平面視で、第1固定分割部材45の挿間シート51に対向する縁であってもよい。
【0091】
第1方向D1において、第1固定部34の寸法L7は、第1緩衝シート33の寸法L4よりも小さくてもよい。寸法L7は、第1方向D1における第1固定部34の外側寸法とも称する。より具体的には、寸法L7は、第1固定部34を構成する2つの第1固定分割部材45の外側縁の間の寸法であってもよい。第1固定分割部材45の外側縁は、平面視で、第1固定分割部材45の挿間シート51とは反対側の縁であってもよい。
【0092】
第2方向D2において、2つの第2固定分割部材46の間の寸法W5は、挿間シート51の寸法W4よりも大きくてもよい。寸法W5は、第2方向D2における第1固定部34の内側寸法とも称する。寸法W5は、第1凹部37bの寸法W11よりも大きくてもよく、第2凹部38bの寸法W12よりも大きくてもよい。より具体的には、寸法W5は、第1固定部34を構成する2つの第2固定分割部材46の内側縁の間の寸法であってもよい。第2固定分割部材46の内側縁は、平面視で、第2固定分割部材46の挿間シート51に対向する縁であってもよい。
【0093】
第2方向D2において、第1固定部34の寸法W6は、第1緩衝シート33の寸法W3よりも小さくてもよい。寸法W6は、第2方向D2における第1固定部34の外側寸法とも称する。より具体的には、寸法W6は、第1固定部34を構成する2つの第2固定分割部材46の外側縁の間の寸法であってもよい。第2固定分割部材46の外側縁は、平面視で、第2固定分割部材46の挿間シート51とは反対側の縁であってもよい。
【0094】
第1固定部34の寸法L6と、第1凹部37bの寸法L11との差は、第1固定部34の寸法W5と、第1凹部37bの寸法W11との差よりも大きくてもよい。この場合、第1固定分割部材45と第1凹部37bとの第1方向D1の距離を、第2固定分割部材46と第1凹部37bとの間の第2方向D2の距離よりも大きくでき、第1固定分割部材45を、第1凹部37bから離すことができる。この場合、蒸着マスク20の長手方向端部21が、第1固定部34及び第2固定部36と重なることを抑制でき、長手方向端部21を第1対向面37aに重ねるためのスペースを確保できる。第1緩衝シート33及び第2緩衝シート35の第2方向D2の寸法W3を小さくでき、受け部31及び蓋部32の第2方向D2の寸法を小さくできる。
【0095】
第1固定部34の寸法L6と、第2凹部38bの寸法L12との差は、第1固定部34の寸法W5と、第2凹部38bの寸法W12との差よりも大きくてもよい。この場合、第1固定分割部材45と第2凹部38bとの第1方向D1の距離を、第2固定分割部材46と第2凹部38bとの間の第2方向D2の距離よりも大きくでき、第1固定分割部材45を、第2凹部38bから離すことができる。この場合、蒸着マスク20の長手方向端部21が、第1固定部34及び第2固定部36と重なることを抑制でき、長手方向端部21を第2対向面38aに重ねるためのスペースを確保できる。第1緩衝シート33及び第2緩衝シート35の第2方向D2の寸法W3を小さくでき、受け部31及び蓋部32の第2方向D2の寸法を小さくできる。
【0096】
図7に示すように、法線方向Nで見たときに、挿間シート51は、第2固定部36に重なっていなくてもよい。言い換えると、第2固定部36は、挿間シート51の外側に位置していてもよい。より具体的には、挿間シート51は、2つの第3固定分割部材47の間に位置していてもよい。挿間シート51は、2つの第4固定分割部材48の間に位置していてもよい。挿間シート51は、第3固定分割部材47に重なっていなくてもよく、第4固定分割部材48に重なっていなくてもよい。
【0097】
第2固定部36は、上述した第1固定部34と、同様の平面形状を有していてもよい。第2固定部36は、上述した第1固定部34の内側寸法L6と同様の内側寸法を有していてもよく、上述した第1固定部34の外側寸法L7と同様の外側寸法を有していてもよい。第3固定分割部材47は、平面視で、第1固定分割部材45と一致するように重なっていてもよい。しかしながら、第3固定分割部材47は、挿間シート51及び凹部37b、38bと重ならなければ、平面視で第1固定分割部材45と部分的に重なっていてもよく、又は重なっていなくてもよい。第2固定部36は、上述した第1固定部34の内側寸法W5と同様の内側寸法を有していてもよく、上述した第1固定部34の外側寸法W6と同様の外側寸法を有していてもよい。第4固定分割部材48は、平面視で、第2固定分割部材46と一致するように重なっていてもよい。しかしながら、第4固定分割部材48は、挿間シート51及び凹部37b、38bと重ならなければ、平面視で第2固定分割部材46と部分的に重なっていてもよく、又は重なっていなくてもよい。
【0098】
蒸着マスク梱包体30は、図示しない外装袋に収容されて、密封されていてもよい。密封袋内には、乾燥剤が収容されてもよい。この場合、外装袋内の空気を乾燥させ、蒸着マスク20が水分で変質することを抑制できる。
【0099】
次に、本実施の形態による蒸着マスク梱包方法について
図8~
図13を用いて説明する。蒸着マスク梱包方法は、蒸着マスク20を梱包する方法である。蒸着マスク梱包方法は、準備工程と、固定工程と、載置工程と、挟持工程と、結束工程と、を備えていてもよい。
図8~
図13では、第2方向D2に沿う断面が示されている。
【0100】
準備工程として、
図8に示すように、受け部31と蓋部32とヒンジ部41とを含む梱包ケース40を準備してもよい。
【0101】
準備工程の後、固定工程として、第1対向面37aに第1緩衝シート33が固定されてもよい。第1緩衝シート33は、第1固定部34で第1対向面37aに固定されてもよい。第1緩衝シート33は、第1凹部37bを覆うように固定されてもよい。
【0102】
例えば、
図9に示すように、第1固定部34を構成する第1固定分割部材45(
図3及び
図5参照)が、第1対向面37aの所望の位置に固定される。第1固定分割部材45が両面テープで構成されている場合、第1固定分割部材45は第1対向面37aに貼り付けられる。同様にして、第1固定部34を構成する第2固定分割部材46が、第1対向面37aの所望の位置に固定される。第1固定分割部材45及び第2固定分割部材46は、法線方向Nで見たときに、後述する挟持工程で蒸着マスク20の外側に位置するように固定されてもよい。第1固定分割部材45及び第2固定分割部材46は、後述する挟持工程で挿間シート51の外側に位置するように固定されてもよい。
【0103】
その後、
図10に示すように、第1緩衝シート33が第1対向面37aの所望の位置に載置される。このことにより、第1緩衝シート33が第1固定分割部材45及び第2固定分割部材46に貼り付けられ、第1緩衝シート33が第1対向面37aに固定される。
【0104】
同様に、固定工程として、第2対向面38aに第2緩衝シート35が固定されてもよい。第2緩衝シート35は、第2固定部36で第2対向面38aに固定されてもよい。第2緩衝シート35は、第2凹部38bを覆うように固定されてもよい。
【0105】
例えば、
図9に示すように、第2固定部36を構成する第3固定分割部材47(
図3及び
図5参照)が、第2対向面38aの所望の位置に固定される。第3固定分割部材47が両面テープで構成されている場合、第3固定分割部材47は第2対向面38aに貼り付けられる。同様にして、第2固定部36を構成する第4固定分割部材48が、第2対向面38aの所望の位置に固定される。第3固定分割部材47及び第4固定分割部材48は、法線方向Nで見たときに、後述する挟持工程で蒸着マスク20の外側に位置するように固定されてもよい。第3固定分割部材47及び第4固定分割部材48は、後述する挟持工程で挿間シート51の外側に位置するように固定されてもよい。
【0106】
その後、
図10に示すように、第2緩衝シート35が第2対向面38aの所望の位置に載置される。このことにより、第2緩衝シート35が第3固定分割部材47及び第4固定分割部材48に貼り付けられ、第2緩衝シート35が第2対向面38aに固定される。
【0107】
固定工程の後、載置工程として、
図11に示すように、第1緩衝シート33上に蒸着マスク20を含む蒸着マスク積層体50が載置されてもよい。
【0108】
例えば、まず、第1緩衝シート33上に、2つの挿間シート51が載置される。挿間シート51は、第1緩衝シート33の所望の位置に載置される。挿間シート51は、法線方向Nで見たときに、第1固定部34に重ならない位置に載置されてもよい。挿間シート51は、後述する挟持工程で第2固定部36に重ならない位置に載置されてもよい。
【0109】
続いて、挿間シート51上に、蒸着マスク20が載置される。蒸着マスク20は、挿間シート51の所望の位置に載置される。蒸着マスク20は、第1固定部34に重ならない位置に載置される。この場合、法線方向Nで見たときに、第1固定部34は、蒸着マスク20の外側に位置する。蒸着マスク20は、後述する挟持工程で第2固定部36に重ならない位置に載置される。この場合、法線方向Nで見たときに、第2固定部36は、蒸着マスク20の外側に位置する。
【0110】
次に、蒸着マスク20上に、2つの挿間シート51が載置される。蒸着マスク20の上方に位置する挿間シート51は、蒸着マスク20の下方に位置する挿間シート51と同じ位置に載置されてもよい。このようにして、蒸着マスク20と挿間シート51とを含む蒸着マスク積層体50が、第1緩衝シート33上に載置される。
【0111】
載置工程の後、挟持工程として、
図12に示すように、蒸着マスク20が受け部31と蓋部32で挟持されてもよい。梱包ケース40を、ヒンジ部41を介して折り曲げることにより、蓋部32が蒸着マスク積層体50に重ねられる。この場合、蓋部32の第2対向面38aが、受け部31の第1対向面37aに対向する。第2対向面38aに固定されている第2緩衝シート35は、蒸着マスク積層体50と蓋部32との間に位置し、蒸着マスク積層体50の最上位置に位置する挿間シート51に接する。この場合、法線方向Nで見たときに、第2固定部36は、蒸着マスク20の外側に位置してもよい。このことにより、蒸着マスク20は、第2固定部36に重ならなくてもよい。蓋部32の第2凹部38bは、蒸着マスク20の有効領域23に重なっていてもよい。
【0112】
挟持工程の後、結束工程として、
図13に示すように、弾性ベルト60で、受け部31と蓋部32とが結束される。このようにして、蒸着マスク20が梱包され、本実施の形態による蒸着マスク梱包体30が得られる。蒸着マスク梱包体30は、図示しない外装袋に収容されてもよい。
【0113】
上述のようにして得られた蒸着マスク梱包体30は目的地に輸送される。輸送中、蒸着マスク20に上下方向の力又は衝撃が加えられる場合がある。受け部31の第1対向面37aには第1凹部37bが形成されているため、蒸着マスク20が下方に弾性的に撓むことができる。このため、蒸着マスク20に加えられた力又は衝撃を吸収でき、蒸着マスク20が塑性変形することを抑制できる。一方、蓋部32の第2対向面38aには第2凹部38bが形成されているため、蒸着マスク20が上方に弾性的に撓むことができる。このため、蒸着マスク20に加えられた力又は衝撃を吸収でき、蒸着マスク20が塑性変形することを抑制できる。
【0114】
目的地に到達した蒸着マスク梱包体30は、上述した蒸着マスク梱包方法とは逆の手順を踏むことにより開梱されてもよい。このことにより、蒸着マスク20を取り出すことができる。本実施の形態においては、蒸着マスク20は、挿間シート51で挟持されているため、蒸着マスク20を取り出す際に、蒸着マスク20が他の部材に引っ掛かることを抑制できる。このため、蒸着マスク20が塑性変形することを抑制できるとともに、蒸着マスク20の開梱作業効率を向上できる。
【0115】
このように本実施の形態によれば、受け部31の第1対向面37aと蒸着マスク20との間に第1緩衝シート33が位置している。第1緩衝シート33は第1凹部37bを覆い、法線方向Nで見たときに、第1凹部37bに、蒸着マスク20の貫通孔25が重なっている。このことにより、蒸着マスク20が上下方向の力又は衝撃を受けた場合、第1凹部37bの存在によって、蒸着マスク20が下方に弾性的に撓むことができる。このため、蒸着マスク20に加えられた力又は衝撃を吸収できる。また、蒸着マスク20の貫通孔25が位置する領域を、第1緩衝シート33によって支持することができる。このため、蒸着マスク20が上下方向の力又は衝撃を受けた場合、第1緩衝シート33が力又は衝撃を吸収できる。この結果、蒸着マスク20が塑性変形することを抑制できる。
【0116】
また、本実施の形態によれば、蓋部32の第2対向面38aと蒸着マスク20との間に第2緩衝シート35が位置している。第2緩衝シート35は第2凹部38bを覆い、法線方向Nで見たときに、第2凹部38bに、蒸着マスク20の貫通孔25が重なっている。このことにより、蒸着マスク20が上下方向の力又は衝撃を受けた場合、第2凹部38bの存在によって、蒸着マスク20が上方に弾性的に撓むことができる。このため、蒸着マスク20に加えられた力又は衝撃を吸収できる。また、蒸着マスク20の貫通孔25が位置する領域を、第2緩衝シート35によって支持することができる。このため、蒸着マスク20が上下方向の力又は衝撃を受けた場合、第2緩衝シート35が力又は衝撃を吸収できる。この結果、蒸着マスク20が塑性変形することを抑制できる。
【0117】
また、本実施の形態によれば、蒸着マスク20と第1緩衝シート33との間に挿間シート51が位置するとともに、蒸着マスク20と第2緩衝シート35との間に挿間シート51が位置している。このことにより、蒸着マスク20と第1緩衝シート33が互いに引っ掛かることを抑制することによって、蒸着マスク20が塑性変形することを抑制できる。同様に、蒸着マスク20と第2緩衝シート35が互いに引っ掛かることを抑制することによって、蒸着マスク20が塑性変形することを抑制できる。このため、蒸着マスク20が塑性変形することを抑制できる。
【0118】
また、本実施の形態によれば、第1緩衝シート33は、第1固定部34で第1対向面37aに固定されている。法線方向Nで見たときに、第1固定部34は、蒸着マスク20の外側に位置する。このことにより、第1固定部34が蒸着マスク20と重なることを抑制できる。このため、蒸着マスク20を受け部31と蓋部32とで挟持した場合であっても、蒸着マスク20に、第1固定部34の痕跡が残ることを抑制できる。この結果、蒸着マスク20が塑性変形することを抑制できる。
【0119】
また、本実施の形態によれば、第1緩衝シート33は、法線方向Nで見たときに、第1方向D1と、第1方向D1に直交する第2方向D2に沿うように矩形状に形成されている。第1固定部34は、第1方向D1において蒸着マスク20に対して両側で外側に位置する2つの第1固定分割部材45を含んでいる。このことにより、第1緩衝シート33が第1対向面37aに対して、第1方向D1にずれることを抑制できる。このため、蒸着マスク20を第1緩衝シート33上に載置する場合に、第1緩衝シート33がずれることを抑制でき、蒸着マスク20の梱包作業効率を向上できる。例えば、第1方向D1が、蒸着マスク20の長手方向に沿う場合には、第1緩衝シート33がずれることを効果的に抑制できる。
【0120】
また、本実施の形態によれば、第1固定部34は、第2方向D2において蒸着マスク20に対して両側で外側に位置する2つの第2固定分割部材46を含んでいる。このことにより、第1緩衝シート33が第1対向面37aに対して、第2方向D2にずれることを抑制できる。このため、蒸着マスク20を第1緩衝シート33上に載置する場合に、第1緩衝シート33がずれることを抑制でき、蒸着マスク20の梱包作業効率を向上できる。
【0121】
また、本実施の形態によれば、第1固定部34は、法線方向Nで見たときに、挿間シート51の外側に位置している。このことにより、挿間シート51が第1固定部34の厚みによって変形することを抑制できる。このため、蒸着マスク20が挿間シート51によって塑性変形することを抑制できる。
【0122】
また、本実施の形態によれば、第2緩衝シート35は、第2固定部36で第2対向面38aに固定されている。法線方向Nで見たときに、第2固定部36は、蒸着マスク20の外側に位置する。このことにより、第2固定部36が蒸着マスク20と重なることを抑制できる。このため、蒸着マスク20を受け部31と蓋部32とで挟持した場合であっても、蒸着マスク20に、第2固定部36の痕跡が残ることを抑制できる。この結果、蒸着マスク20が塑性変形することを抑制できる。
【0123】
また、本実施の形態によれば、受け部31と蓋部32は、ヒンジ部41を介して連結されている。このことにより、蓋部32を受け部31に対して容易に回動できる。このため、受け部31の第1対向面37aに蒸着マスク20及び挿間シート51を載置した後、蒸着マスク20に蓋部32を容易に重ねることができる。
【0124】
上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明及び以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
【0125】
上述した本実施の形態においては、受け部31と蓋部32がヒンジ部41を介して連結されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。例えば、受け部31と蓋部32は、別体に形成されていてもよい。この場合においても、弾性ベルト60によって受け部31と蓋部32を結束して、受け部31と蓋部32で蒸着マスク20を挟持できる。
【0126】
上述した本実施の形態においては、第1固定部34が、2つの第1固定分割部材45と、2つの第2固定分割部材46と、を含んでいる例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。例えば、第1固定部34は、第1緩衝シート33がずれることを抑制できれば、合計で3つの固定分割部材45、46を含んでいてもよい。例えば、第1固定部34は、2つの第1固定分割部材45と、1つの第2固定分割部材46と、を含んでいてもよい。あるいは、第1固定部34は、1つの第1固定分割部材45と、2つの第2固定分割部材46と、を含んでいてもよい。例えば、第1固定部34は、第1緩衝シート33がずれることを抑制できれば、合計で2つの固定分割部材45、46を含んでいてもよい。例えば、第1固定部34は、2つの第1固定分割部材45を含んでいてもよい。あるいは、第1固定部34は、2つの第2固定分割部材46を含んでいてもよい。あるいは、第1固定部34は、1つの第1固定分割部材45と、1つの第2固定分割部材46と、を含んでいてもよい。第2固定部36についても同様である。
【0127】
上述した本実施の形態においては、蒸着マスク積層体50が、1つの蒸着マスク20を含んでいる例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。例えば、
図14に示すように、蒸着マスク積層体50は、複数の蒸着マスク20を備えていてもよい。この場合、隣り合う2つの蒸着マスク20の間に、1つ又は複数の挿間シート51が介在されていてもよい。
図14に示す例では、隣り合う2つの蒸着マスク20の間に、2つの挿間シート51が介在されている。このように、隣り合う2つの蒸着マスク20の間に挿間シート51が介在されることにより、蒸着マスク20同士が引っ掛かることを抑制できる。このため、蒸着マスク20が塑性変形することを抑制できる。例えば、隣り合う2つの蒸着マスク20の間に2つの挿間シート51が介在される場合には、蒸着マスク20同士が引っ掛かることを効果的に抑制できる。