(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160783
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】ツールホルダ
(51)【国際特許分類】
F16B 45/02 20060101AFI20231026BHJP
【FI】
F16B45/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023068385
(22)【出願日】2023-04-19
(31)【優先権主張番号】17/725,738
(32)【優先日】2022-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523148414
【氏名又は名称】シェリル,インク.
【氏名又は名称原語表記】Sherrill,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ヒーンスラー,ミカ
(72)【発明者】
【氏名】ボナー,ニコラス
【テーマコード(参考)】
3J038
【Fターム(参考)】
3J038AA01
3J038BA02
3J038BC02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】作業装備に対して便利なアクセスを提供する。
【解決手段】J形状を有するツールホルダ。ゲートはアームを含み、このアームは、本体の頂部において指状突起部に枢動可能に装着される。ゲートは、ゲートが本体における2つの自由端部間の開口部に架かった閉位置と、ゲートが本体の内側の中へ枢動した内側位置と、ゲートが本体の外側へ枢動した外側位置と、の間で枢動する。付勢機構は、ゲートを閉位置まで付勢する。任意選択のゲートロックは、係合したときにゲートが開くのを防止する。バレルは、構成に依存して、ゲートが内側位置、閉位置、及び外側位置の間で動ける係止解除位置と、ゲートが閉位置に保持される係止位置との間で、アームにおいて回転または枢動する。装着具は、ツールホルダを平坦なウェビングに固定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ツールホルダであって、
(a)平坦な外面を有する背部、背部上端部、背部下端部、前記背部上端部から延びた指状突起部、及び前記背部下端部から延び、かつ全体的に指状突起部に向けて延びた自由端部を有するフック、を伴う本体と、
(b)前記指状突起部及び前記フックの自由端部にわたり、かつ前記背部、フック、及び指状突起部によって画定された内部へのアクセスを提供する、開口部と、
(c)枢動端部及び自由端部を有する細長いアームを伴うゲートであって、前記アームの枢動端部は、前記指状突起部に枢動可能に取り付けられ、前記ゲートが開口部に架かる閉位置、前記アームの自由端部が前記内部にある内側位置、ならびに前記アームの自由端部が前記内部及び開口部の外側にある外側位置、の間で枢動し、前記閉位置まで付勢される、ゲートと、
(d)前記背部をウェビングに付着するよう適応された、装着機構と、
を備える、ツールホルダ。
【請求項2】
前記ゲートが、前記内側位置、閉位置、及び外側位置、の間で動くのを可能にする係止解除位置と、前記ゲートが、前記閉位置から動くのを防止する係止位置と、を有するゲートロックをさらに備える、請求項1に記載のツールホルダ。
【請求項3】
前記ゲートは、付勢機構によって前記閉位置まで付勢され、前記付勢機構は、前記ゲートアームの枢動端部の軸方向ボアにおけるコイルバネと、前記コイルバネ及び前記指状突起部における指状突起の切込み部の間における鋼球と、を備え、それによって、前記ゲートを前記内側位置または外側位置へ動かすために、圧力が加えられたとき、前記鋼球は前記指状突起部から離れて前記バネを圧縮し、前記圧力が除かれたとき、前記バネは、前記鋼球を前記指状突起部の切込み部に押し戻して、前記ゲートを前記閉位置まで戻す、請求項1または2に記載のツールホルダ。
【請求項4】
前記アームの自由端部、及び前記フックの自由端部は、前記ゲートが前記閉位置にあるときに連結する、請求項1~3のうちいずれか一項に記載のツールホルダ。
【請求項5】
前記連結部は、前記フックの自由端部から延びたタブと、前記アームの自由端部における径方向のアームの切込み部と、から構成され、それによって、前記ゲートが閉位置にあるときに、前記タブは前記アームの切込み部に備わり、前記ゲートが前記内側位置または外側位置へ動いたとき、前記タブは前記アームの切込み部から摺動して外れる、請求項4に記載のツールホルダ。
【請求項6】
前記アームの周りで回転するよう取り付けられたバレルから構成されたゲートロックをさらに備え、前記バレルは、全体的に前記アームの自由端部に整合されたバレルの自由端部を有し、かつ径方向のバレルの切込み部を有し、前記バレルは、前記バレルの切込み部が前記アームの切込み部に整合された係止解除位置と、前記バレルの切込み部が前記アームの切込み部に整合されない係止位置と、の間で回転する、請求項5に記載のツールホルダ。
【請求項7】
前記バレルの細長い周縁のスロットを通して延びて、前記アームにおける穴の中に固定されるピンをさらに備え、前記ピンは、前記アーム上で前記バレルを保持し、かつ前記係止解除位置及び前記係止位置のために、回転制止部を提供する、請求項6に記載のツールホルダ。
【請求項8】
前記バレルを、前記係止解除位置及び係止位置に保持するための、保持機構をさらに備える、請求項6または7に記載のツールホルダ。
【請求項9】
前記フックに装着リングをさらに備える、請求項1~8のうちいずれか一項に記載のツールホルダ。
【請求項10】
前記装着機構は、前記背部の外面に、取り外し可能に取り付けられた、平坦な内面を伴うプレートを備え、それによって前記ウェビングは、前記背部の前記外面と、前記プレートの前記内面との間に挟まれる、請求項1~9のうちいずれか一項に記載のツールホルダ。
【請求項11】
前記外面及び前記内面の内一方、または両方は、テクスチャ加工される、請求項10に記載のツールホルダ。
【請求項12】
前記プレートは、ネジによって、前記背部に取り外し可能に装着される、請求項10または11に記載のツールホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はツールホルダに関し、より詳細には、ツールを安全に保持するためにハーネス及びベルトに取り付ける、フックに関する。
【背景技術】
【0002】
予備のカラビナ、ラニヤード、スリング、及びロープなど、クライミング装備を保持するための性能を欲するクライマーは、彼ら/彼女らのクライミングハーネス及び/またはベルトに装着されたツールホルダを使用する。ツールホルダは、作業装備に対して便利なアクセスを提供する。それらは、使用者の好みに基づいて、ハーネス/ベルトの様々な箇所に装着されるように、設計することができる。それらは一般に、適合した受入れプレートを伴うネジなどの、特別なハードウエアによって装着され、安全な装着を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ツールホルダは、作業装備に対して便利なアクセスを提供する。それらは、使用者の好みに基づいて、ハーネス/ベルトの様々な箇所に装着されるように、設計することができる。それらは一般に、適合した受入れプレートを伴うネジなどの、特別なハードウエアによって装着され、安全な装着を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、本体、ゲート、及び装着部、を伴うツールホルダである。本体は、フック及び指状突起部を伴うJ形状を有する。フックの自由端部と、指状突起部との間の間隙は、本体の内部の中に入る開口部である。本体は、任意選択の装着リングを有する。
【0005】
ゲートはアームを有する。このアームの枢軸端部において櫛状部に形成された、径方向の切込み部は、指状突起部を跨ぐ。枢動ピンは、櫛状部及び指状突起部において整合された穴を通して延び、固定される。ゲートは、ゲートが開口部に架かる閉位置と、ゲートが内部の中に枢動される内側位置と、ゲートが本体の外側に枢動される外側位置と、の間で、枢動ピンにおいて枢動する。アームの自由端部と、フックの自由端との間における、任意選択の連結部は、閉位置にあるときに、アームの側方への動きを防止する。ゲート付勢機構は、ゲートを閉位置まで付勢する。
【0006】
デバイスが、ツールホルダに嵌められるとき、このデバイスはゲートに対して押し込められ、それによってゲートは内側位置へ開く。デバイスが内部にあるとき、ゲート付勢機構は、ゲートを閉位置まで強制的に戻す。次に、デバイスがツールホルダから取り外されるとき、このデバイスはゲートに対抗して引張られ、それによってゲートは外側位置へ開く。デバイスが内部の外側にあるとき、ゲート付勢機構は、ゲートを閉位置まで強制的に戻す。
【0007】
任意選択のゲートロックは、ゲートが係合されたときにゲートが開くのを防止する。1つの構成において、ゲートロックは、アームの上に嵌合してアームの周りに回転する、バレルを含む。ピンはこのバレルをアームに固定して、バレルが係止解除位置と係止位置との間を回転する際に、バレルのための回転制止部として動作する。係止解除位置において、バレルの端部における側方スロットは、アームの端部における側方スロットに整合して、フックの自由端部から延びたタブが通過するのを可能にする。ゲートは、内側、外側、及び閉位置の間で、自由に枢動する。係止位置において、バレルのスロット及びアームのスロットは整合されず、タブを捕捉して、ゲートが閉位置から枢動するのを防止する。保持機構は、手動で回転されるまで、バレルを係止解除位置または係止位置に維持する。
【0008】
ゲートロックの別の構成は、アームの細い部分の上に嵌合する軸方向のボアを伴うバレルを含み、それによって細い部分を上下に摺動する。ピンは、バレルをアームに固定する。
【0009】
バレルは、バレルのボアがフックのタブの上に延びず、ゲートが閉位置、内側位置、及び外側位置の間で自由に枢動する、係止解除位置と、バレルのボアがフックのタブの上に延び、ゲートが閉位置に保持される、係止位置と、の間で摺動する。保持機構は、手動で動かされるまで、バレルを係止解除位置または係止位置に保持する。
【0010】
装着具は、ツールホルダを、ハーネスまたはベルトなどの平坦なウェビングに固定する。いくつかの構成において、ウェビングは、本体背部の平坦面と、本体に固定されたプレートにおける平坦面との間に挟まれる。装着具の他の構成は、様々なクリップを含む。任意選択で、テクスチャ加工された表面は、ツールホルダをウェビングの所定位置に保持するのに役立つ。
【0011】
本発明の目標は、以下の図面及び本発明の詳細な説明を考慮すると、明白になる。
【0012】
本発明の本質及び目標を、より完全に理解するために、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】丸みを帯びたフックを有するツールホルダの斜視図である。
【
図3】底部のループを有するツールホルダの斜視図である。
【
図6】内側位置にあるツールホルダの側面図である。
【
図7】外側位置にあるツールホルダの側面図である。
【
図8】ゲートが閉位置にあり、かつゲートロックが係止位置にある、ゲート付勢機構の断面図である。
【
図9】ゲートが内側位置にある、ゲート付勢機構の断面図である。
【
図10】ゲートが外側位置にある、ゲート付勢機構の断面図である。
【
図11】任意選択のゲートロックが係止位置にある、ツールホルダの斜視図である。
【
図12】任意選択のゲートロックにおける1つの構成を伴う、ツールホルダの分解組立図である。
【
図13】
図12の任意選択のゲートロックが係止解除位置にある、閉位置のツールホルダの側面図である。
【
図14】
図12の任意選択のゲートロックが係止位置にある、閉位置のツールホルダの側面図である。
【
図15】ゲートロックが係止解除位置にある、摩擦リング保持機構における断面図である。
【
図16】ゲートロックが係止位置にある、摩擦リング保持機構における断面図である。
【
図17】ゲートロックが係止解除位置にある、戻り止め保持機構における断面図である。
【
図18】ゲートロックが係止位置にある、戻り止め保持機構における断面図である。
【
図19】任意選択のゲートロックにおける1つの構成を伴う、ツールホルダの分解組立図である。
【
図20】
図19の任意選択のゲートロックが係止解除位置にある、閉位置のツールホルダの側面図である。
【
図21】
図19の任意選択のゲートロックが係止位置にある、閉位置のツールホルダの側面図である。
【
図22】ウェビングに対するツールホルダ装着具の、1つの構成の分解組立図である。
【
図23】ウェビングに組付けられた、
図22のツールホルダ装着具の斜視図である。
【
図24】ウェビングに対するツールホルダ装着具の、別の構成の分解組立図である。
【
図25】ウェビングに組付けられた、
図24のツールホルダ装着具の斜視図である。
【
図26】ウェビングに対するツールホルダ装着具の、別の構成の分解組立図である。
【
図27】ウェビングに組付けられた、
図26のツールホルダ装着具の側断面図である。
【
図28】ウェビングに対するツールホルダ装着具の、クリップ構成の側面図である。
【
図29】ウェビングに対するツールホルダ装着具の、別のクリップ構成の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、本体12、ゲート14、及び装着部16、を伴うツールホルダ10である。本体12は、鉛直背部20と、鉛直背部20の上端部28から全体的に垂直方向に延びた指状突起部24と、指状突起部24の同じ側から、背部20の下端部30から延びた、自由端部26を有するフック22と、を伴うJ形状である。フック22は、
図1のようにいくらか角張ったもの、
図2のように丸みを帯びたもの、または任意の他の望ましい形状、とすることができる。
【0015】
フックの自由端部26と、指状突起部24との間の間隙は、背部20、フック22、及び指状突起部24によって画定された本体12の、内部36に入る開口部34である。
【0016】
任意選択で、
図3に示されるように、本体は、フック22の底部42から延びた、装着アイテムのための装着リング40を有する。
【0017】
ゲート14は、枢軸端部52及び自由端部54を伴う、細長いアーム50を有する。枢軸端部52において櫛状部58によって形成された、径方向の切込み部56は、66などにおいて指状突起部24を跨ぐ。櫛状部58における側方の同軸貫通穴60は、指状突起部24における貫通穴62に整合される。枢動ピン64は、穴60、62を貫通して延び、固定される。例示される構成において、枢動ピン64は、櫛状部の穴60または指状突起部の穴62のいずれかの中に、圧入されることによって固定される。櫛状部の穴60に圧入された場合、ピン64は、指状突起部の穴62の中で枢動する。指状突起部の穴62に圧入された場合、櫛状部の穴60は、ピン64上で枢動する。代替として、ピン64はリベット本体であり、それは穴60、62を通して設定される。または、ピン64はネジ本体であり、それは穴60、62を通して延びる。ゲート14が枢動できるピン64を提供する全ての機構が、本発明によって企図される。
【0018】
ゲート14は、閉位置70、内側位置72、及び外側位置74の間で、枢動ピン64上で枢動する。
図5に示される閉位置70において、ゲート14は、指状突起部24とフックの自由端部26との間の開口部34に架かり、内部36へのアクセスを防止する。
図6に示される内側位置72において、ゲート14は、アームの自由端部54が内部36内に入るように枢動され、内部36へのアクセスを提供する。
図7に示される外側位置74において、ゲート14は、アームの自由端部54が内部36の外側に出るように枢動され、内部36へのアクセスを提供する。
【0019】
ゲート14が閉位置70にあるとき、アームの自由端部54とフックの自由端部26との間における、任意選択の連結部80は、フックの自由端部26の対する、アームの自由端部54の側方への動きを防止する。連結部80を形成するための、当技術分野で公知であるいくつかの方法が存在する。本設計において、アームの自由端部54における径方向のスロット82は、
図1のように、フックの自由端部26から開口部34の中に延びたタブ84の上に適合する。スロット82は、ゲート14が内側位置72または外側位置74に枢動したとき、タブ84がスロット82を通して摺動するよう、ゲート14が枢動する方向に延びる。
【0020】
ゲート付勢機構90は、ゲート14を閉位置70まで付勢する。
図8~
図10に示される本設計において、コイルバネ92が、アーム50における閉じたボア94に適合する。鋼球96がバネ92の端部に載り、バネ92は球96を、指状突起部24における指状突起部の切込み部98に押し込む。ゲート14が、内側位置72へ押し開かれたとき、鋼球96は、指状突起部の切込み部98から指状突起部24の内側表面100まで転がり出ることで、バネ92を圧縮する。押し込む力が除かれたとき、バネ92は球96を、指状突起部の切込み部98の中に押し戻し、それによってゲート14は閉位置70まで戻る。ゲート14が、外側位置74へ開かれたとき、鋼球96は、指状突起部の切込み部98から指状突起部24の外側表面102まで転がり出ることで、バネ92を圧縮する。押し込む力が除かれたとき、バネ92は球96を、指状突起部の切込み部98の中に押し戻し、それによってゲート14は閉位置70まで戻る。任意選択の、櫛状部58における丸みを帯びた溝104は、バネ92及び球96を所定の位置に保つ。
【0021】
カラビナなどのデバイスが、ツールホルダ10に嵌められるとき、一般にこのデバイスは、ゲート14に対して押し込められ、それによってゲート14は内側位置72へ開く。デバイスが内部36にあり、かつフック22に吊るされたとき、ゲート付勢機構90は、上述のように、ゲート14を閉位置70まで強制的に戻す。
【0022】
次にデバイスが、ツールホルダ10から取り外されるとき、一般的にこのデバイスはゲート14に対して引張られ、それによってゲート14は外側位置74へ開く。デバイスが内部36の外側に出ると、ゲート付勢機構90は、上述のように、ゲート14を閉位置70まで強制的に戻す。
【0023】
図8及び
図11~
図21に示される任意選択のゲートロック18は、ゲート14が係合したときに開くのを防止して、連結部80が実装されたときに、ツールホルダ10の中に組込むことができる。
図8及び
図11~
図18におけるゲートロック18の構成106は、軸方向ボア110、保持器端部116、自由端部112、及び自由端部112における径方向スロット120、を伴うバレル108を含む。軸方向ボア110は、アーム50の細い部分116の上に適合し、細い部分116の周りに回転するよう取り付けられる。バレル108は、保持器端部116が、アーム50の径の変化によって形成された径方向壁118に当接するよう、細い部分116に位置付けられる。バレルの自由端部112は、全体的にアームの自由端部54に整合される。すなわちバレルの自由端部112は、アームの自由端部54の5mm以内にある。
【0024】
ピン126は、バレル108における、細長い周縁のスロット128を通して延び、アーム50の穴130に固定される。ピン126は、穴130の中に圧入されることによって、またはネジ山を穴130の中に入れることによって、または接着剤によって、または磁石によって、または任意の他の適切な手段によって、固定させることができる。任意選択で、ピン126は、より堅固な嵌合のために頭部136を有する。
【0025】
ピン126は、2つの機能を提供する。1つ目は、バレル108がアーム50に保持されるが、それでもアーム50の周りに回転できるように、バレル108をアーム50に固定することである。2つ目は、以下で説明するように、回転制止部を提供することである。
【0026】
バレル108は、係止解除位置122と係止位置124との間で回転する。係止解除位置122において、ピン126は、スロット128の一方の端部において係止解除用制止部132に接触し、バレルのスロット120は、アームのスロット82に整合される。係止位置124において、ピン126は、スロット128の他方の端部において係止用制止部134に接触し、バレルのスロット120は、アームのスロット82に整合されない。一般的に、スロット128の長さ、したがって係止解除用制止部132及び係止用制止部134の位置までの長さは、係止解除位置122及び係止位置124が、90°の回転だけ離隔するように成される。これは、スロット128が、バレル108の壁の周りに約90°広がることを意味する。係止解除位置122にあるとき、バレルのスロット120は、アームのスロット82に整合され、それによってバレル108はアームのスロット82を妨げず、フックのタブ84が、アームのスロット82をいずれの方向にも貫通することを可能にする。係止位置124にあるとき、バレル108はアームのスロット82を妨げ、それによってタブ84は、いずれの方向にも貫通できないので、ゲート14が開くのを防止する。
【0027】
手動で回転させるまで、バレル108を係止解除位置または係止位置に保持するために、本発明は、保持機構200を利用する。このような保持機構の1つが、
図15及び
図16に示される。リング202は、バレル108の保持端部206における側方の窪み204に静止する。リング202は、平面矩形に形成されたバネ鋼の延長である。この平面矩形は、開いた長辺210、第1の90°曲部212、閉じた短辺214、第2の90°曲部216、閉じた長辺218、第3の90°曲部220、及び開いた短辺222、を伴う。長辺及び短編の長さは、以下で説明する。開いた長辺212は、リング202の面に対して90°の角度で直交した短い指状突起部228を伴う、自由端部224を有する。開いた短辺222は自由端部226を有する。開いた長辺の自由端部224と、開いた短辺の自由端部226との間には、空隙230が存在する。
【0028】
窪み204は矩形であり、リング202は、短辺214、216が窪み204の側部234に当接するように窪み204に静止する。指状突起部228は、リング202の位置を窪みに維持するために、窪み204の床部236における穴236の中に延びる。リング204は、アームの壁118が窪み204を覆うようアームの壁118に当接した、バレル108の保持器端部116によって、窪み204に保持される。
【0029】
リング202は、アーム50の細い部分116を囲み、90°離隔した4つの平坦面242、244を跨ぐ。短辺214、222の間の距離246は、細い部分116の径以上である。長辺210、218の間の距離248は、対向した平坦面242、244の間の距離と同じであり、それによって長辺201、218は、平坦面242、244に当接する。ゲートロック106が係止解除位置122にあるとき、長辺210、218は、
図15のように、係止解除された平坦面242に当接する。バレル108が
図15において時計回りに、
図16の係止位置124に向けて回転されたとき、平坦面242、244の間の丸みを帯びた外周面250は、長辺210、218を押し込んでリング202を変形させる。バレル108が回転を続けると、長辺210、218は係止された平坦面244に達して、リング204がその通常の形状に跳ね戻るのを可能にし、長辺210、218は、係止された平坦面244に当接する。ゲートロック106を係止解除するために、バレル108は反時計回りに回転される。
【0030】
戻り止め保持機構が、
図17及び
図18に示される。アーム50の細い部分116は、2つの丸みを帯びた窪み、すなわち係止解除用窪み256と、係止用窪み258とを有し、それらは90°離隔される。コイルバネ260及び鋼球262は、バレル108の径方向ボア264に備わり、そこでバネ260は、球262をアーム50に対して押し込める。
図17のように、バレル108が係止解除位置122にあるとき、球262は係止解除用窪み256に整合し、かつバネ260は、球262を係止解除用窪み256の中に押し込んで、バレル108を係止解除位置122に保持する。バレル108を、係止位置124まで回転させるためには、バレル108をバネ260に勝るよう回転させて、球262を係止解除用窪み256から動かすため、十分な力を加えなければならない。
図18のように、バレル108が係止位置124まで回転されたとき、球262は係止用窪み258に整合され、かつバネ260は、球262を係止用窪み258の中に押し込んで、バレル108を係止位置124に保持する。
【0031】
本発明は、任意の他の適切な保持機構の使用を企図する。
【0032】
図19~
図21におけるゲートロック構成270は、軸方向ボア274、木口(butt end)278、及び自由端部276、を伴うバレル272を含む。軸方向ボア274は、アーム50の細い部分280の上に適合し、細い部分280を上下に摺動させるよう取り付けられる。
【0033】
ピン288は、バレル272における、細長い長手方向のスロット290を通して延びることで、バレル272をアーム50に固定し、かつアーム50の穴292に固定される。ピン288は、穴292の中に圧入されることによって、またはネジ山を穴292の中に入れることによって、または接着剤によって、または磁石によって、または任意の他の適切な手段によって、固定させることができる。任意選択で、ピン288は、より堅固な嵌合のために頭部294を有する。
【0034】
バレル272は、
図20のように、バレルのボア274がフックのタブ84の上に延びず、ゲート14が、閉位置70、内側位置72、及び外側位置74の間で自由に摺動する、係止解除位置284と、
図21のように、バレルのボア274がフックのタブ84の上に延び、ゲート14が閉位置70に保持される、係止位置286と、の間で摺動する。
【0035】
係止解除用制止部296は、細い部分280におけるアーム50上の肩部282に当接した、バレルの木口(butt end)278によって提供される。係止用制止部298は、フックの自由端部26に当接したバレルの自由端部276によって提供される。スロット290は、両方の制止部296、298が、バレル272によって到達され得るよう、十分に長い。
【0036】
手動で摺動させるまで、バレル272を係止解除位置または係止位置に保持するために、本発明は、保持機構を利用する。本発明は、摩擦リング及び戻り止めを含む、任意の適切な保持機構の使用を企図する。
【0037】
装着具16は、ツールホルダ10を、ハーネスまたはベルトなどの平坦なウェビング2に固定する。本発明は、ツールホルダ10を適切に固定する任意の機構を企図する。
【0038】
図22~
図27に例示される構成において、背部20は、平坦な外面140を有する。平坦な内面144を伴うプレート142は、背部の外面140に、取り外し可能に付着する。
【0039】
図22及び
図23の構成において、プレート142は、取り外し可能な締付具によって、本発明の例示ではネジ146によって装着される。ネジ146は、背部20における4つの角部の穴148を通して延び、プレート142における対応したネジ穴150の中に回転して入り、プレート142を背部20に固定する。代替として、ネジ146は、プレート142における4つの角部の穴を通して延び、背部20の対応したネジ穴に回転して入り、プレート142を背部20に固定する。代替として、ネジ及び穴は存在せず、プレート142は磁石によって背部20に装着される。
【0040】
図24及び
図25の構成において、プレート142は、背部の外面140における側方の細長いスロット156、及びプレート142の下端部160における側方の細長いフック158を用いて、取り外し可能なヒンジ154によって、一方の端部に装着される。フック158は、スロット156の中に引っ掛かる。取り外し可能な締付具、本発明の例示ではネジ146は、背部20の上角部の穴148を通して延び、プレート142における対応したネジ穴150の中に回転して入り、プレート142を背部20に固定する。代替として、ネジ146は、プレート142の上角部の穴を通して延び、背部20の対応したネジ穴に回転して入り、プレート142を背部20に固定する。代替として、装着具は、プレートの上端部において、フック158と逆にされる。
【0041】
図26及び
図27の構成において、プレート142は、プレート142の各角部において、バネクリップ166によって装着される。クリップ166は、プレート142の上側部及び下側部168から、垂直かつ鉛直方向に延び、背部の外面140の側縁部170に嵌る。代替として、クリップ166は、プレート142の上縁部及び下縁部から、垂直かつ水平方向に延び、背部の外面140の、上縁部及び下縁部それぞれに嵌る。代替として、クリップ166は、背部の外面140から延び、プレート142の縁部に嵌る。任意選択で、クリップ166は切込み部172の中に嵌る。
【0042】
プレート142が背部20に装着されたとき、ウェビング2は、
図23、
図25、及び
図27のように、背部の外面140と、間隙152におけるプレートの内面144との間に挟まれる。任意選択で、背部の外面140及び/またはプレートの内面144は、174などにテクスチャ加工され、ツールホルダ10がウェビング2の周りで滑るのを防ぐために役立つ。
【0043】
図28及び
図29に例示される構成において、クリップ178は背部20から延びる。クリップ178は、背部20の上部分180から下方に延び、クリップ178と背部の外面140との間に間隙182を形成する。間隙182の上端部184は閉じられ、間隙182の下端部186は開いている。
図28の構成において、クリップ178は、背部20に向けて付勢され、それによってウェビング2を背部の外面140に対して押し込み、ツールホルダ10をウェビング2に保持する。
図29の構成において、クリップ178は、188などで、ウェビング2の底端部6の周りでさらに引っ掛かる。空隙182の閉じられた上端部184、及びフック188は、ウェビング2を捕捉し、ツールホルダ10を所定に位置に保持する。
【0044】
任意選択で、背部の外面140、及び/またはプレート表面144/クリップの内側190は、
図22の162などのように、テクスチャ加工され、ツールホルダ10を、ウェビング2の所定の位置に保持するために役立つ。
【0045】
このように、ツールホルダを示し、説明した。特定の変化が、本発明の範囲から逸脱することなく、本開示に成され得るので、前述の明細書で説明され、添付の図面に示される全ての事柄は例示であり、限定ではないことが意図される。
【外国語明細書】