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  • 特開-低温流体を貯蔵するための設備 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160788
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】低温流体を貯蔵するための設備
(51)【国際特許分類】
   F17C 3/04 20060101AFI20231026BHJP
   B65D 88/06 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
F17C3/04 Z
B65D88/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023069063
(22)【出願日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】2203704
(32)【優先日】2022-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ギヨーム・プティパ
(72)【発明者】
【氏名】トマ・プールべ
【テーマコード(参考)】
3E170
3E172
【Fターム(参考)】
3E170AA03
3E170AA08
3E170AA12
3E170AB29
3E170NA03
3E170NA10
3E172AA03
3E172AA06
3E172AB01
3E172BA06
3E172BB05
3E172BB12
3E172BB17
3E172DA04
3E172DA20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】タンクの上部と地表との間に冷たいポケットが発生することを抑制する。
【解決手段】低温流体、特に液体水素を貯蔵するための設備であって、地面(3)の表面より下に予め定められた深さ(P)で直接地下に埋設される低温タンク(2)を備え、10W/m.Kよりも大きい熱伝導率を有し、第1の端部がタンク(2)と地面の表面との間に位置し、第2の端部がタンク(2)の周りの横方向ゾーンに位置して地面に埋設される、少なくとも1つの熱伝導要素(4)を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低温流体、特に液体水素を貯蔵するための設備であって、地面(3)の表面より下に予め定められた深さ(P)で直接地下に埋設される低温タンク(2)を備え、
10W/m.Kよりも大きい熱伝導率を有する熱伝導要素(4)であって、第1の端部がタンク(2)と地面の表面との間に位置し、第2の端部が前記タンク(2)の周りの横方向ゾーンに位置して前記地面に埋設される、少なくとも1つの熱伝導要素(4)を備えることを特徴とする、設備。
【請求項2】
前記熱伝導要素(4)は、ビーム(4)、熱伝導流体に対する流体パイプ、プレート、ブロック、ファブリックのうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする、請求項1に記載の設備。
【請求項3】
前記熱伝導要素(4)は、以下の材料:金属、合金、アルミニウム、銅、スチール(炭素鋼スチール)、亜鉛、真鍮、ニッケル、鉄、錫、青銅、炭素(特に、炭素又は黒鉛又は炭素繊維又はカーボンナノチューブ)のうちの少なくとも1つからなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の設備。
【請求項4】
前記少なくとも1つの伝導要素(4)の第2の端部は、前記第1の端部の深さよりも深い地中の深さに位置することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の設備。
【請求項5】
前記少なくとも1つの伝導要素(4)の第2の端部は、前記タンク(2)の半分の高さの深さに対応する深さに位置することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の設備。
【請求項6】
前記タンクは、50cmから10mの間の深さ(P)に埋設されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の設備。
【請求項7】
前記低温タンク(2)は水平タイプのものであり、すなわち、長手方向軸が水平である縦長形状であり、前記設備は、前記タンク(2)の長手方向に沿って分布する少なくとも1つの伝導要素(4)を備えることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低温流体を貯蔵するための設備に関する。
【0002】
本発明は、より具体的には、地表の下方に予め定められた深さで直接地下に埋設された低温タンクを備える、低温流体、特に、液体水素を貯蔵するための設備に関する。
【0003】
現在、液体化石燃料(ガソリン/ディーゼル燃料)のためのサービスステーションにおけるタンクの大部分が、土と直接接触して埋設されている(すなわち、直接埋設されている)。
【0004】
「代替」燃料(天然ガス、水素)について、溶液は、現在埋設されていないか、又は、囲い若しくはヴォールト(vaults)に収容されているままである。
【0005】
このような低温タンクが地中に直接埋設されるとき、ある条件下で、タンクの上部と地表との間に冷たいポケットを形成し得ることが観察されている。
【0006】
この効果は、タンクの周りの低温の存在と土とタンクの表面から来る流体間の保温スクリーンの存在との組み合わせの結果である。この冷たいポケットは、地表面における人と機器に対するリスクを潜在的に表す。具体的には、これは、霜又は氷の局所ゾーンと、機器の劣化(例えば、後者の凍結のケースにおいて、地面の差動膨張によってもたらされるストレスの発生による土木工学構造物の分解)を発生させるかもしれない。
【0007】
本発明の目的は、上述された先行技術の欠点のうちの全て又はいくつかを克服することである。
【発明の概要】
【0008】
この目的のために、本発明による、又は前述の序文において与えられたその包括的定義による装置は、本質的に、それが、10W/m.Kよりも大きい熱伝導率を有し、第1の端部がタンクと地面の表面との間に位置し、第2の端部がタンクの周りの横方向ゾーンに位置して地面に埋設される、少なくとも1つの熱伝導要素を備えることを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含むことができる:
-熱伝導要素は、ビーム、熱伝導流体に対する流体パイプ、プレート、ブロック、ファブリックのうちの少なくとも1つを備え、
-熱伝導要素は、以下の材料:金属、合金、アルミニウム、銅、スチール(炭素鋼スチール)、亜鉛、真鍮、ニッケル、鉄、錫、青銅、炭素(特に、炭素又は黒鉛又は炭素繊維又はカーボンナノチューブ)のうちの少なくとも1つからなり、
-少なくとも1つの伝導要素の第2の端部は、第1の端部の深さよりも深い地中の深さに位置し、
-少なくとも1つの伝導要素の第2の端部は、タンクの半分の高さの深さに対応する深さに位置し、
-タンクは、50cmから10mの間の深さ(P)に埋設され、
-低温タンクは水平タイプのものであり、すなわち、長手方向軸が水平である長方形のものであり、設備は、タンクの長手方向に沿って分布する少なくとも1つの伝導要素を備える。
【0010】
本発明は、特許請求の範囲内の上記又は下記特徴の任意の組合せを備える、任意の代替装置又は方法に関することもできる。
【0011】
他の特定の特徴及び利点は、図面を参照して提供される以下の説明を読むと明らかになるだろう。
【0012】
本発明は、単なる例として、及び添付した図面を参照して与えられる以下の説明を読むと、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の可能な例示的な実施形態を図示する概略及び部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
低温流体、特に液体水素を貯蔵するための図示された設備1は、埋設された低温タンク2を備える。この低温タイプのタンクは、好ましくは173K未満の温度で低温流体を貯蔵するように構成される。このタンク2は、例えば、二重壁のタンクであり、その壁間空間は真空下で断熱されている。
【0015】
タンク2は、地面3の表面より下に所定の深さPだけ地下に直接埋設されている。「直接埋設」という用語は、タンクが埋設される土(又は砂及びこれに類するもの)からタンクを分離する囲い又はボールトのない埋設物を指す。すなわち、タンク2の外面は、それを取り囲む地面と直接(又はエンベロープ、例えば可撓性保護エンベロープを介して)接触することができる。
【0016】
例えば、タンク2は、50cmから10mの間の深さP、例えば1mから3mの間の深さまで埋められる。
【0017】
1つの有利な特定の特徴によれば、設備1は、10W/m.Kより大きい熱伝導率を有し、タンク2の上端と地面との間に位置する第1の端部と、タンク2の周りの別個のゾーンに位置する第2の端部とを有して地中に埋設された少なくとも1つの熱伝導要素4を備える。例えば、第2の端部は、タンク2の高さの半分の深さに対応する深さに位置する。
【0018】
好ましくは、伝導要素4の第2の端部は、第1の端部の深さよりも深い地中の深さに位置する。
【0019】
この構成は、周囲の乾燥した地面の熱伝導率に対してより大きい熱伝導率を有する材料から構成される要素を使用して、埋設タンクの上部と地面との間に位置してもよい低温ゾーンからの低温の放散を可能にする。
【0020】
この構成は、埋設タンク2の周囲の温度範囲を均一化することによって、前述の欠点を低減又は排除する。
【0021】
これは、その利点(フットプリント、コスト、リスク分析など)を有する直接埋設を可能にする。
【0022】
熱伝導要素4は、例えば、アルミニウム(熱伝導率200W/m.K)、銅(熱伝導率350W/m.K)、鋼(熱伝導率50W/m.K)、又は特に乾燥土の熱伝導率(0.75W/m.K程度の熱伝導率)よりも大きい導電率を有する他の材料から構成されてもよい。
【0023】
図示の例では、熱伝導要素は複数のビーム4を含む。より正確には、設備1は、タンクの上部に埋設された高い熱伝導率を有する材料(アルミニウム、銅など)で作られた1組のビーム4を備える。
【0024】
低温タンク2は、水平タイプ、すなわち、円形断面を有し、長手方向軸が水平である円筒形状であってもよい。
【0025】
ビーム4は、タンク2の長手方向軸に沿って分布している。図示するように、ビーム4は、タンク2の表面に対する接線に対して垂直に配置することができる。このような配置では、ビーム4は、低温ゾーンの温度線に対して垂直であってもよい。
【0026】
例えば、これらのビーム4は、長手方向に5cmから200cm離間されてもよい。それらの間隔は、特に水流の通過を可能にするように意図されている。次に、単純な熱伝導によって熱放散が起こり、地面の上部ポケットからの冷気は、タンク2の周囲の側部の高温ゾーンに向かって排出される。
【0027】
これらのビーム又はバー4は、正方形又は円形又はその他の中実又は中空の断面を有することができる。これらのビーム4は、例えば砂によるピットの充填中に熱接触を促進するために、地面と直接接触して設置されてもよい。ビーム4の長さ及び/又は断面及び数は、要件に従って寸法決めすることができる。
【0028】
同様に、これらのビーム4の全て又はいくつかは、地面と導電性要素との間の交換エリアを増加させるために分岐を備えてもよい。
【0029】
もちろん、本発明はこの例に限定されない。したがって、ビーム4は、他の熱伝導要素、例えば、熱伝導流体回路、中実又は有孔プレート、ブロック、ファブリックなどで置換又は補足されてもよい。
【0030】
例えば、熱伝導材料の2つのブロック(又は「層」)は、図示されたビーム4の2つの列と同じように配置されてもよい(タンク2の各側に1つの伝導ブロック)。これらのブロックは、水の蓄積の問題を回避するために穴が開けられてもよい。単純な十分に長いファブリックも考慮されることができる。
【0031】
上記で詳述したこの説明において、言及された実施形態は一例である。説明は1つ以上の実施形態に言及するが、それは、特徴が単一の実施形態のみに適用されることを意味しない。様々な実施形態の単純な特徴はまた、他の実施形態を提供するために組み合わされ、及び/又は交換されてよい。
図1
【外国語明細書】