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特開2023-160802コーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160802
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】コーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/38 20060101AFI20231026BHJP
   H01M 4/36 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
H01M4/38 Z
H01M4/36 A
【審査請求】有
【請求項の数】31
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069653
(22)【出願日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】10-2022-0049672
(32)【優先日】2022-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0184687
(32)【優先日】2022-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523151399
【氏名又は名称】マグナテク シオー., エルティーディー.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドンファン
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ヨンヒ
(72)【発明者】
【氏名】カン,ソンヨン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジンピョ
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジュンピョ
【テーマコード(参考)】
5H050
【Fターム(参考)】
5H050AA07
5H050AA19
5H050BA16
5H050BA17
5H050CA08
5H050CA09
5H050CB11
5H050EA08
5H050GA02
5H050GA10
5H050GA12
5H050GA27
5H050HA01
5H050HA14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】リチウム二次電池の負極材製造コストを低くする、高容量シリコン負極活物質の製造方法を提供する。
【解決手段】a)ナノシリコンを準備するステップと、b)陰イオン界面活性剤を準備するステップと、c)シランを準備するステップと、d)超純水蒸留水を基に、混合分散液を準備するステップと、e)コーヒー粕を乾燥して準備するステップと、f)ポリビニルアルコールを混合分散液に混合するステップと、g)ポリアミド酸を混合分散液に混合するステップと、h)黒鉛を混合分散液に混合するステップと、i)植物性オイルを混合分散液に混合するステップと、j)最終混合分散液熱処理過程ステップと、k)超音波振動スクリーンで、一定のサイズのシリコン負極活物質を取得するステップと、l)コーヒー粕空隙にナノシリコンを挿入して、シリコン負極活物質最終製品を得るステップと、を含む、高容量シリコン負極活物質の製造方法である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質を製造するための方法であって、
a) ナノシリコンを準備するステップと、
b) 陰イオン界面活性剤を準備するステップと、
c) シランを準備するステップと、
d) 3次蒸溜水に、前記ナノシリコン、陰イオン界面活性剤、及びシランを混合及び分散させて、1次混合分散液を準備するステップと、
e) 前記1次混合分散液に、乾燥したコーヒー粕を混合及び分散させて、2次混合分散液を準備するステップと、
f) 前記2次混合分散液に、ポリビニルアルコールを混合及び分散させて、3次混合分散液を準備するステップと、
g) 前記3次混合分散液に、ポリアミド酸を混合及び分散させて、4次混合分散液を準備するステップと、
h) 前記4次混合分散液に、黒鉛を混合及び分散させて、5次混合分散液を準備するステップと、
i) 前記5次混合分散液に、植物性オイルを混合及び分散させて、6次混合分散液を準備するステップと、
j) 6次混合分散液を熱処理するステップと、
k) ステップj)の熱処理を経て製造されたシリコン負極活物質を粉砕し、超音波振動スクリーンを用いて、一定のサイズのシリコン負極活物質を選別して修得するステップと、
l) コーヒー粕空隙にナノシリコンを挿入して、シリコン負極活物質最終製品を得るステップと、
m) 前記コーヒー粕空隙にナノシリコン混合物(SiO2、SiC)を挿入したシリコン負極活物質を得るステップとを含むことを特徴とするコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項2】
前記ステップe)は、高電圧パルス分散装置を用いて、前記1次混合分散液に、乾燥したコーヒー粕を混合及び分散させて、2次混合分散液を準備し、
前記ステップj)は、前記6次混合分散液を、ボールミル装置を用いて熱処理するステップであることを特徴とする請求項1に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項3】
前記ステップa)は、
a-1) 二酸化ケイ素を、3次蒸溜水全体100wt%のうち、1乃至0.68wt%混合量を100乃至130℃で乾燥して準備するステップと、
a-2) 炭化珪素を、3次蒸溜水全体100wt%のうち、1乃至0.26wt%混合量を100乃至130℃で乾燥して準備するステップと、
a-3) 前記シリコン(ケイ素、Silicon)に含まれた水分を除去するために乾燥するステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項4】
前記ステップb)は、水で解離して生じる陰イオンが水溶液の表面に吸着して表面張力を低下させる陰イオン界面活性剤を、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、α-オレフィンスルホン酸ナトリウム、アルキルジメチルアミンオキシドのいずれか1つの成分で、3次蒸溜水全体100wt%のうち、1乃至7.5wt%混合量を使用することを特徴とする請求項1に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項5】
前記ステップc)は、無機表面が疎水性を有することに使われるアルコキシシラン (Methyltrimethoxysilane: (CH3O)3SiCH3)を、3次蒸溜水全体100wt%のうち、1乃至6.25wt%混合量を使用することを特徴とする請求項1に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項6】
前記ステップe)は、
前記コーヒー粕を130℃で乾燥して準備するステップであって、前記コーヒー粕を、3次蒸溜水全体100wt%のうち、10乃至3.66wt%混合量を使用し、
前記過程で用いられるコーヒー粕は、
複数の空隙を得るために、水酸化溶液(水酸化カリウム:KOH、水酸化ナトリウム:NaOH、水酸化カリウム:Ca(OH)2)にコーヒー粕浸漬とコーヒー粕から水酸化溶液の除去過程後、熱処理して活性炭化過程を経ないので、回収から負極活物質を製造する過程において、水洗工程がないことを特徴とする請求項1に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項7】
前記ステップf)は、前記ポリビニルアルコールを、3次蒸溜水全体100wt%のうち、1乃至0.5wt%を混合することを特徴とする請求項1に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項8】
前記ステップg)は、前記ポリアミド酸を、3次蒸溜水全体100wt%のうち、1乃至1.37wt%を混合することを特徴とする請求項1に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項9】
前記ステップh)は、前記黒鉛を天然黒鉛として、3次蒸溜水全体100wt%のうち、1乃至15wt%を混合することを特徴とする請求項1に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項10】
前記ステップi)は、前記植物性オイルを、3次蒸溜水全体100wt%のうち、1乃至7.5wt%を混合することを特徴とする請求項1に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項11】
前記ステップj)は、6次混合分散液最終熱処理過程として、
j-1) 1次300乃至380℃で乾燥するステップと、
j-2) 2次800乃至900℃で熱処理するステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項12】
前記ステップk)は、前記ナノシリコンと黒鉛が混合したコーヒー粕を、自動グラインドミルで粉砕し、超音波振動スクリーン篩で選別して、負極材として使用可能なコーヒー粕ナノシリコン負極活物質複合体を修得することを特徴とする請求項1に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか一つの項により製造されたことを特徴とするシリコン負極活物質。
【請求項14】
請求項13のシリコン負極活物質を含むことを特徴とするリチウム二次電池用負極。
【請求項15】
請求項14のリチウム二次電池用負極を含むことを特徴とするリチウム二次電池。
【請求項16】
前記ステップe)の前記高電圧パルス分散装置は、キャパシタから充電された高電圧を連続して電極に加えて、高電圧パルス分散装置に含まれたシリコンワイヤが液中電気爆発を起こして、これを通じて高電圧パルス分散装置に含まれたシリコンワイヤをナノ粉末化して分散させ、
前記高電圧パルス分散装置は、超音波発生器を更に設けて分散効果を高め、
前記ステップe)は、分散効果を高めるために、分散剤としてポリビニルピロリドンを更に投入することを特徴とする請求項1に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項17】
前記ステップj)のボールミル装置は、ボールと分散物がぶつかる空間の内壁をなす第1の板状部に超音波発生器が追加され、
前記第1の板状部の下に熱電素子を含む加熱部が設けられて、分散及び熱処理工程が共に行われることを特徴とする請求項2に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項18】
前記ステップj)のボールミル装置は、更に、ボールと分散物がぶつかる空間の内壁をなす第1の板状部と、第1の板状部と離隔して、エアポンプ流入路、熱電素子が挿入されるように構成された第2の板状部とを含み、
前記第1の板状部と前記第2の板状部の間に離隔した空間には、加熱された空気が移動する通路部が設けられて、ボールミル装置をムラなく加熱することを特徴とする請求項2に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー粕(coffee grounds)空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法に関し、より詳しくは、コーヒー粕の多孔性構造を作る活性炭の過程なく、回収されたコーヒー粕空隙にナノシリコンを挿入して、充放電に際しての体積膨張によるシリコン破砕及び剥離現象を抑制することができる、コーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、二次電池市場において、技術的には、電気自動車の走行距離、寿命、充電速度などを向上させるための4大素材(正極材・負極材・分離膜・電解質)技術が高度化しており、電気自動車プラットホーム構築による独自の技術標準が強化する傾向にある。
【0003】
また、従来の二次電池より安定的で、且つ高容量、高エネルギー密度の素材開発が加速化している。
【0004】
ここで、高性能素材であるシリコンは、黒鉛に比して、10倍高い理論容量(4,200mAh/g)を有した負極素材であるが、充放電時に多い問題点がある素材でもある。
【0005】
シリコン負極活物質の充放電時の問題点は、大きく3つに分けられるが、第一に、シリコン負極活物質の約400%の体積変化で、シリコン外郭のパーティクル割れが生じて、性能低下が発生し、第二に、シリコンとグラファイトの間の導電パスが切れて剥離現象が現れ、第三に、シリコンと黒鉛を合成して使用する場合、合成時に充電をすると、SEI Layerを破壊する程度の体積膨張となるため、リチウムを消耗させ、ガスが発生することになる。
【0006】
このような体積膨張を緩和する方法として、コーヒー粕空隙にシリコンを挿入し、炭化して改善することができ、炭化により、電気伝導度、容量増加などの改善効果がある。
【0007】
一般に、コーヒー粕は、活性炭過程を経てシリコンを挿入する方式の負極活物質の製造が行われているが、この方式は、多数の工程に分けられるという不都合がある。
【0008】
そこで、別の活性炭製造工程なく、分散したナノシリコンとコーヒー粕を混合撹拌する過程において、ナノシリコン挿入が行われることで、工程縮小による製造コストを低くする技術の開発が望まれている。
【発明の概要】
【解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、前記のような問題点を解決するために案出されたものであって、その目的は、
シリコン負極活物質を製造する方法に関し、より詳しくは、コーヒー粕の多孔性構造を作る活性炭の過程なく、回収されたコーヒー粕空隙にナノシリコンを挿入して、充放電に際しての体積膨張によるシリコン破砕及び剥離現象を抑制することができる、コーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法を提供することである。
【0010】
但し、本発明で解決しようとする技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及していない他の技術的課題は、以下の記載から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者にとって、明確に理解されるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記のような目的を達成するための技術的手段である本発明によるコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法は、コーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質を製造するための方法であって、a) ナノシリコンを準備するステップと、b) 陰イオン界面活性剤を準備するステップと、c) シランを準備するステップと、d) 超純水蒸留水を基に、混合分散液を準備するステップと、e) コーヒー粕を乾燥して準備するステップと、f) ポリビニルアルコールを混合分散液に混合するステップと、g) ポリアミド酸を混合分散液に混合するステップと、h) 黒鉛を混合分散液に混合するステップと、i) 植物性オイルを混合分散液に混合するステップと、j) 最終混合分散液熱処理過程ステップと、k) 超音波振動スクリーンで、一定のサイズのシリコン負極活物質を修得するステップと、l) コーヒー粕空隙にナノシリコンを挿入して、シリコン負極活物質最終製品を得るステップと、m) 前記コーヒー粕空隙にナノシリコン混合物(SiO2、SiC)を挿入したシリコン負極活物質を得るステップとを含むことを特徴とする。
【0012】
また、前記ステップa)は、a-1) 二酸化ケイ素を超純水蒸留水全体100wt%のうち、1乃至0.68wt%混合量を100乃至130℃で乾燥して準備するステップと、a-2) 炭化珪素を超純水蒸留水全体100wt%のうち、1乃至0.26wt%混合量を100乃至130℃で乾燥して準備するステップと、a-3) 前記シリコン(ケイ素、Silicon)に含まれた水分を除去するために乾燥するステップとを含む。
【0013】
前記ステップb)は、水で解離して生じる陰イオンが水溶液の表面に吸着して表面張力を低下させる陰イオン界面活性剤をラウリルエーテル硫酸ナトリウム、α-オレフィンスルホン酸ナトリウム、アルキルジメチルアミンオキシドのいずれか1つの成分で、超純水蒸留水全体100wt%のうち、1乃至7.5wt%混合量を使用する。
【0014】
前記ステップc)は、無機表面が疎水性を有するようにするに使われる アルコキシシラン (Methyltrimethoxysilane: (CH3O)3SiCH3)を超純水蒸留水全体100wt%のうち、1乃至6.25wt%混合量を使用する。
【0015】
また、前記ステップd)は、超純水蒸溜水(deionized water)に、ナノシリコン、陰イオン界面活性剤、シラン、コーヒー粕、ポリビニルアルコール、ポリアミド酸、黒鉛、植物性オイルを混合して分散する。
【0016】
前記ステップe)は、前記コーヒー粕を130℃で乾燥して準備するステップであって、前記コーヒー粕を超純水蒸留水全体100wt%のうち、10乃至3.66wt%混合量を使用し、前記過程で使われるコーヒー粕は、複数の空隙を得るために、水酸化溶液(水酸化カリウム:KOH、水酸化ナトリウム:NaOH、水酸化カリウム:Ca(OH)2)にコーヒー粕浸漬とコーヒー粕から水酸化溶液の除去過程後、熱処理して活性炭化過程を経ないので、回収から負極活物質を製造する過程において、水洗工程がない。
【0017】
前記ステップf)は、前記ポリビニルアルコールを超純水蒸留水全体100wt%のうち、1乃至0.5wt%を混合する。
【0018】
前記ステップg)は、前記ポリアミド酸を超純水蒸留水全体100wt%のうち、1乃至1.37wt%を混合する。
【0019】
前記ステップh)は、前記黒鉛を天然黒鉛として、超純水蒸留水全体100wt%のうち、1乃至15wt%を混合する。
【0020】
前記ステップi)は、前記植物性オイルを超純水蒸留水全体100wt%のうち、1乃至7.5wt%を混合する。
【0021】
前記ステップj)は、6次混合分散液最終熱処理過程として、j-1) 1次300乃至380℃で乾燥するステップと、j-2) 2次800乃至900℃で熱処理するステップとを含む。
【0022】
前記ステップk)は、前記ナノシリコンと黒鉛が混合したコーヒー粕を自動グラインドミルで粉砕し、超音波振動スクリーン篩で選別して、負極材として使用可能なコーヒー粕ナノシリコン負極活物質複合体を修得する。
【0023】
また、本発明では、コーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質において、a) ナノシリコンを準備するステップと、b) 陰イオン界面活性剤を準備するステップと、c) シランを準備するステップと、d) 超純水蒸留水を基に、混合分散液を準備するステップと、e) コーヒー粕を乾燥して準備するステップと、f) ポリビニルアルコールを混合分散液に混合するステップと、g) ポリアミド酸を混合分散液に混合するステップと、h) 黒鉛を混合分散液に混合するステップと、i) 植物性オイルを混合分散液に混合するステップと、j) 最終混合分散液熱処理過程ステップと、k) 超音波振動スクリーンで、一定のサイズのシリコン負極活物質を修得するステップと、l) コーヒー粕空隙にナノシリコンを挿入して、シリコン負極活物質最終製品を得るステップと、m) 前記コーヒー粕空隙にナノシリコン混合物(SiO2、SiC)を挿入したシリコン負極活物質を得るステップとを含む製造方法により製造されたことを特徴とするコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質を提供する。
【0024】
また、本発明では、前記負極活物質を含むリチウム二次電池用負極を提供する。
【0025】
また、本発明では、前記リチウム二次電池用負極を含むリチウム二次電池を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態に係るコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法を示すフローチャートである。
図2図1によるコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質及びその製造方法を示すシーケンス図である。
図3】コーヒー専門店で回収されたコーヒー粕を示すSEMイメージである。
図4】コーヒー粕のマクロ空隙及びミクロ空隙にナノシリコンの挿入を示すSEMイメージである。
図5A】コーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の熱処理前と熱処理後のSEMイメージである。
図5B】コーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の熱処理前と熱処理後のSEMイメージである。
図6】本発明のシリコン負極活物質を用いて製造されたテスト用バッテリーを示すイメージである。
図7】シリコン活物質テスト用バッテリーの充放電特性を示すグラフである。
図8】シリコン活物質テスト用バッテリーの充放電特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下では、添付の図面を参考として、本発明の実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明に関する説明は、構造的乃至機能的な説明のための実施例に過ぎないので、本発明の権利範囲は、本文に説明された実施例により制限されることと解析されてはいけない。すなわち、実施例は、様々な変更が可能であり、様々な形態を有することができるので、本発明の権利範囲は、技術的思想を実現することができる均等物を含むことと理解されなければならない。また、本発明で提示された目的又は効果は、特定の実施例がこれを全て含むべきであるか、このような効果のみを含むべきであるという意味ではないので、本発明の権利範囲は、これにより制限されることと理解されてはいけない。
【0028】
本発明における用語の意味は、以下のように理解される。
【0029】
「第1」、「第2」などの用語は、ある構成要素を他の構成要素から区別するためのものであり、これらの用語によって権利範囲が限定されてはいけない。例えば、第1の構成要素は、第2の構成要素と名付けられ、同様に、第2の構成要素も、第1の構成要素と名付けられることができる。ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いることは、該当他の構成要素に直接して連結されることもできるが、中間に他の構成要素が存在することもあり得ると理解されるべきである。これに対して、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いることは、中間に他の構成要素が存在しないことと理解されるべきである。一方、構成要素間の関係を説明する他の表現、すなわち、「~間に」と「すぐ~間に」、又は「~に隣接する」と「~に直接隣接する」なども同様に解析されるべきである。
【0030】
単数の表現は、文脈上、明らかに異なることを意味しない限り、複数の表現を含む。また、「含む」又は「有する」等の用語は、説示された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、パーツ、又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることであり、1つ又はその以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、パーツ、又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を排除しないことと理解すべきである。
【0031】
ここで用いられる全ての用語は、異なった定義しない限り、本発明が属する分野における通常の知識を有する者によって一般に理解されることと同一の意味を有する。一般に使用される辞書に定義されている用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致することと解析されるべきであり、本発明において明らかに定義されない限り、理想的又は過度に形式的な意味を有するものと解析できない。
【0032】
図1は、本発明の一実施形態に係るコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法を示すフローチャートであり、図2は、図1によるコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質及びその製造方法を示すシーケンス図であり、図3は、コーヒー専門店で回収されたコーヒー粕を示すSEMイメージであり、図4は、コーヒー粕のマクロ空隙及びミクロ空隙にナノシリコンの挿入を示すSEMイメージであり、図5Aおよび図5Bは、コーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の熱処理前と熱処理後のSEMイメージであり、図6は、本発明のシリコン負極活物質を用いて製造されたテスト用バッテリーを示すイメージであり、図7及び図8は、シリコン活物質テスト用バッテリーの充放電特性を示すグラフである。
【0033】
負極活物質及びその製造方法
図1に示しているように、本発明によるコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法は、コーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質を製造するための方法において、ナノシリコンを準備するナノシリコン準備ステップ(S11)、陰イオン界面活性剤を準備する界面活性剤準備ステップ(S12)、シランを準備するシラン準備ステップ(S13)、超純水蒸溜水を基に混合分散液を準備する混合分散液準備ステップ(S14)、コーヒー粕を乾燥して準備するコーヒー粕準備ステップ(S15)、ポリビニルアルコールを混合分散液に混合するポリビニルアルコール混合ステップ(S21)、ポリアミド酸を混合分散液に混合するポリアミド酸混合ステップ(S22)、黒鉛を混合分散液に混合する黒鉛混合ステップ(S23)、植物性オイルを混合分散液に混合する植物性オイル混合ステップ(S24)、最終混合分散液熱処理過程ステップ(S31)、超音波振動スクリーンで一定サイズのシリコン活物質を修得するシリコン活物質修得ステップ(S32)、コーヒー粕空隙にナノシリコンを挿入して、シリコン負極活物質最終製品を得る最終製品取得ステップ(S33)、及び前記コーヒー粕空隙にナノシリコン混合物(SiO2、SiC)を挿入したシリコン負極活物質を得る負極活物質取得ステップ(S34)とを含む。
【0034】
このような前記シリコン負極活物質製造方法を実施するための手段の一例として、ナノシリコンは、ケイ素(Silicon、Si)、二酸化ケイ素(Silica、SiO2)、炭化珪素(Silicon carbide、SiC)からなる群より選ばれた1種以上のシリコンで構成され、他の構成成分との混用性などを考えると、サイズは、20~100nmが最も望ましく、混合量は、全体重量を基準に、二酸化ケイ素(SiO2)は、0.5~4重量%、炭化珪素(SiC)0.2~1.3重量%を含むのが望ましい。
【0035】
また、界面活性剤は、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、特殊界面活性剤からなる群より選ばれた1種以上で構成され、他の構成成分とのシナジー作用を考えると、陰イオン界面活性剤であるのが望ましく、混合量は、全体重量を基準に、陰イオン界面活性剤1次1~9重量%、及び2次7~8重量%を含むのが望ましい。
【0036】
また、シランは、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザンからなる群より選ばれた1種以上で構成され、アルコキシシラン(Methyltrimethoxysilane:(CH3O)3SiCH3)が最も望ましく、混合量は、全体重量を基準に、6~7重量%を含むのが望ましい。
【0037】
さらには、蒸溜水は、1次蒸溜水、2次蒸溜水、3次蒸溜水からなる群より選ばれた1種以上で構成され、3次蒸溜水は、水中伝導度値が0.055μS以下であり、汚染源(粒子、イオン、微生物、有機物など)が100%除去された超純水蒸溜水(3次蒸溜水)を使うのが最も望ましく、混合量は、全体重量を基準に35~60重量%を含むことが望ましい。
【0038】
一方、コーヒー粕は、コーヒー豆(Coffee bean)を炒めて粉砕した後、加水、熱処理してコーヒー液を抽出し残った副産物であって、99.8%が捨てられるかすであって、コーヒー粕には、タンパク質、繊維質、糖類、ポリフェノール化合物、セルロース、ヘミセルロース、リグニンなどの成分が残っており、コーヒー熱水抽出過程で抽出されなかったトコフェロール、ポリフェノール、非ポリフェノール化合物と、ロスティング過程で生成されたメイラード(maillard)反応重合物がコーヒー粕に残っており、炭化時に炭素、窒素、ケイ素が残っている。
【0039】
このコーヒー粕は、再利用されない限り、多くの量が産業廃棄物として処理されて、環境汚染を誘発し、国内でコーヒー粕は、コーヒー生産工場のボイラー燃料源として供給され、一部は、動物の飼料、肥料添加物、機能性物質素材源、バイオディーゼル原料、きのこ栽培用培養土混合物、活性炭として利用されており、コーヒー産業でコーヒー食品を作る過程で大量生成し、極めて一部だけが堆肥化過程に再利用される。
【0040】
本発明におけるコーヒー粕は、コーヒー専門店で回収したコーヒー粕(コーヒー副産物、コーヒーかす)であることが最も望ましく、混合量は、全体重量を基準に3~19重量%を含むのが望ましい。
【0041】
また、水溶性高分子として、ポリビニルアルコール、澱粉、ゴム、澱粉誘導体、セルロース誘導体、非イオン水溶性高分子からなる群より選ばれた1種以上で構成され、他の構成成分とのシナジー作用を考えると、ポリビニルアルコールが望ましく、混合量は、全体重量を基準に0.1~0.5重量%を含むのが望ましい。
【0042】
また、ポリアミド酸は、乳化安定剤、漸増剤、膜形成剤、接着剤用途として使える親水性高分子であるのが望ましく、混合量は、全体重量を基準に1~1.5重量%を含むのが望ましい。
【0043】
さらには、混合する負極活物質は、天然黒鉛、人造黒鉛、低結晶性炭素系(ソフト/ハードカーボン)、金属系(シリコン)からなる群より選ばれた1種以上で構成され、他の構成成分とのシナジー作用を考えると、天然黒鉛が望ましく、混合量は、全体重量を基準に10~15重量%を含むのが望ましい。
【0044】
最後に、オイルは、植物性オイル、動物性オイル、燃料用オイル、固体オイル、産業用オイル、潤滑オイルからなる群より選ばれた1種以上で構成され、安価の植物性オイルが望ましく、混合量は、全体重量を基準に7~8重量%を含むのが望ましい。
【0045】
また、本発明の目的を解決するために、ムラなく分散した最終混合分散液が比重別に層が発生する前に熱処理過程を行わなければならず、前記最終混合分散液は、800~900℃で、空気中で熱処理及び炭化過程で、シリコン負極活物質最終製品を修得することができる。
【0046】
すなわち、本発明の前記シリコン負極活物質の製造方法は、図2に示しているように、20乃至100nmのサイズを有する2種以上のナノシリコン(A1)を準備し、陰イオン界面活性剤(A2)とシラン(A3)を準備した後に、1次混合分散を準備するための水溶液として、3次蒸溜水である超純水蒸溜水を準備し、シリコン負極活物質を製造するための開始過程で、A1、A2、A3を超純水蒸溜水と1次混合し、1次混合分産液とコーヒー粕(C1)を混合するために、1次混合分散液に陰イオン界面活性剤を追加し、混合分散する。
【0047】
前記図2に示しているように、B1からB7までは、超音波分散機を用いて分散して、混合分散液を作り、更に、コーヒー粕(C1)、ポリビニルアルコール(C2)、ポリアミド酸(C3)、天然黒鉛(C4)、植物性オイル(C5)などを順に混合する。
【0048】
ここで、B7は、6次混合分散液を1次に300乃至380℃で水分を蒸発させ、800乃至900℃で1時間の間、炭化させることで、シリコン負極活物質最終製品を得ることができる。
【0049】
前記図1による本発明の前記シリコン負極活物質の製造方法において、より望ましくは、前記ナノシリコン準備ステップ(S11)は、20nmの二酸化ケイ素(シエンビジョン(CN VISION):CNSi-01)を超純水蒸溜水全体100wt%のうち、1乃至0.68wt%混合量を100乃至130℃で乾燥して準備するステップと、50nmの炭化珪素(Avention: Silicon Carbide)を超純水蒸溜水全体100wt%のうち、1乃至0.26wt%混合量を100乃至130℃で乾燥して準備するステップと、前記シリコン(ケイ素、Silicon)に含まれた水分を除去するために乾燥するステップとを含む。
【0050】
前記界面活性剤準備ステップ(S12)では、水で解離して生じる陰イオンが水溶液の表面に吸着して表面張力を低下させる陰イオン界面活性剤を、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、α-オレフィンスルホン酸ナトリウム、アルキルジメチルアミンオキシドのうち、いずれか1つの成分で超純水蒸溜水全体100wt%のうち、1乃至7.5wt%混合量を使用する。
【0051】
前記シラン準備ステップ(S13)では、無機表面が疎水性を有することに使われるアルコキシシラン(Methyltrimethoxysilane:(CH3O)3SiCH3)を超純水蒸溜水全体100wt%のうち、1乃至6.25wt%混合量を使用する。
【0052】
前記混合分散液準備ステップ(S14)では、超純水蒸溜水(deionized water)に、ナノシリコン、陰イオン界面活性剤、シラン、コーヒー粕、ポリビニルアルコール、ポリアミド酸、天然黒鉛、植物性オイルを混合して分散する。
【0053】
前記コーヒー粕準備ステップ(S15)は、コーヒー専門店で回収したコーヒー粕を、130℃で乾燥して準備するステップであって、前記コーヒー粕を超純水蒸溜水全体100wt%のうち、10乃至3.66wt%混合量を使用し、前記過程で使われるコーヒー粕は、複数の空隙を得るために、水酸化溶液(水酸化カリウム:KOH、水酸化ナトリウム:NaOH、水酸化カリウム:Ca(OH)2)に、コーヒー粕浸漬とコーヒー粕から水酸化溶液の除去過程後、熱処理して、活性炭化過程を経ないので、回収から負極活物質最終製品の全過程において、水洗工程がないことを特徴とする。
【0054】
前記ポリビニルアルコール混合ステップ(S21)では、前述したポリビニルアルコールを超純水蒸溜水混合液の全体100wt%のうち、1乃至0.5wt%を混合する。
【0055】
前記ポリアミド酸混合ステップ(S22)では、前述したポリアミド酸を、超純水蒸溜水混合液全体100wt%のうち、1乃至1.37wt%を混合する。
【0056】
前記黒鉛混合ステップ(S23)では、前述した天然黒鉛(T-360:TOB社)を、超純水蒸溜水混合液全体100wt%のうち、1乃至15wt%を混合する。
【0057】
前記植物性オイル混合ステップ(S24)では、前述した植物性オイルを、超純水蒸溜水混合液全体100wt%のうち、1乃至7.5wt%を混合する。
【0058】
前記最終混合分散液熱処理過程ステップ(S31)は、6次混合分散液最終熱処理過程であって、1次300乃至380℃で乾燥するステップと、2次800乃至900℃で熱処理するステップとを含む。
【0059】
前記シリコン活物質修得ステップ(S32)では、また、前述したナノシリコンと黒鉛が混合したコーヒー粕を、自動グラインドミルで粉砕し、超音波振動スクリーン(160#-96μm)篩で選別して、負極材として使用可能なコーヒー粕ナノシリコン負極活物質複合体を修得する。
【0060】
負極及び負極の製造方法
本発明の負極は、前述した本発明の負極活物質を含む。
【0061】
本発明の負極は、前述した本発明の負極活物質と、導電材及び/又はバインダーなどを溶媒に溶解又は分散させて、負極合材を製造し、前記負極合材を負極集電体の少なくとも一面に塗布した後、乾燥、圧着させる方法で製造するか、又は、前記負極合材を別の支持体上にキャスティングした後、この支持体から剥離して得たフィルムを、負極集電体上にラミネートすることで製造される。
【0062】
前記負極集電体は、電池に化学的変化を誘発しなく、且つ、高い導電性を有するものなら、特に限定されるものではなく、例えば、銅、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、塑性炭素、銅やステンレススチールの表面に、炭素、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したもの、アルミニウム-カドミウム合金などが使用される。また、前記負極集電体は、通常、3μm乃至500μmの厚さを有し、前記集電体の表面に微細な凹凸を形成して、負極活物質の結合力を強化することもできる。例えば、フィルム、シート、ホイル、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体など、様々な形態に使用される。
【0063】
前記負極活物質は、負極活物質層の総重量に対して、80乃至99重量%、より具体的には、85乃至98重量%の含量で含まれる。前記範囲であると、優れた容量特性を示す。
【0064】
前記導電材は、電極に導電性を付与するために使われるものであって、構成される電池において、化学変化を引き起こさず、電子導電性を有するものであると、特に制限なく、使用可能である。具体例としては、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、炭素繊維などの炭素系物質; 銅、ニッケル、アルミニウム、銀などの金属粉末又は金属繊維; 酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカ; 酸化チタンなどの導電性金属酸化物; 又は、ポリフェニレン誘導体などの導電性高分子などが挙げられ、これらのうち、1種単独又は2種以上の混合物が使用される。前記導電材は、負極活物質層の総重量に対して、1重量%乃至30重量%で含まれる。
【0065】
また、前記バインダーは、負極活物質粒子間の付着、及び負極活物質と集電体との接着力を向上させる役割を果たす。具体例としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ビニリデンフルオリド-co-ヘキサフルオロプロピレン(PVDF-co-HFP)、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、澱粉、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレンジエンポリマー(EPDM)、スルホン化-EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、又はこれらの様々な共重合体などが挙げられ、これらのうち、1種単独又は2種以上の混合物が使用される。前記バインダーは、負極活物質層の総重量に対して、1重量%乃至30重量%で含まれる。
【0066】
一方、負極合材の製造に使われる溶媒は、当該技術分野において一般に使われる溶媒であり、例えば、ジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide、DMSO)、イソプロピルアルコール(isopropyl alcohol)、N-メチルピロリドン(NMP)、アセトン(acetone)、又は、水などを単独又はこれらを混合して使用する。前記溶媒の使容量は、スラリーの塗布厚さ、製造収率、粘度などを考えて、適切に調節される。
【0067】
リチウム二次電池
次に、本発明によるリチウム二次電池について説明する。
【0068】
本発明の負極は、リチウム二次電池の製造に有用に使用される。
【0069】
具体的に、本発明によるリチウム二次電池は、負極、前記負極と対向して位置する正極、前記負極と正極の間に介在されるセパレーター、及び電解質を含み、ここで、前記負極は、前述した本発明の負極活物質を塗布して製造された負極である。
【0070】
一方、前記二次電池は、前記正極、負極、セパレーターの電極組立体を収納する電池容器と、前記電池容器をシールするシール部材とを更に含む。
【0071】
前記リチウム二次電池は、本発明による負極を用いることを除き、通常の二次電池製造方法により製造される。
【0072】
以下、本発明の好適な実施例及び比較例を区分して、より詳細に説明することにする。
【0073】
<実施例1>
二酸化ケイ素(シエンビジョンSiO2: CNSi-01)20nm 0.68wt%と炭化珪素(オベンションSiC: Silicon Carbide)50nm 0.26wt%を130℃で乾燥して準備し、ついで、陰イオン界面活性剤(Anionic Surfactant)の追加分を含む7.5wt%とシラン(Silane)6.25wt%を準備する。
【0074】
ついで、超純水蒸溜水(deionized water)は、57.28wt%に、二酸化ケイ素、炭化珪素、界面活性剤、シラン順に投入した後、超音波分散機(VCX-750)で30分間、混合分散を施して、1次混合分散液を準備する。
【0075】
界面活性剤の追加分と、コーヒー専門店で回収して130℃で乾燥したコーヒー粕3.66wt%を、1次混合分散液に投入し、超音波分散機で30分間、分散して、2次混合分散液を準備する。
【0076】
前記コーヒー粕は、複数の気孔を得るために、水酸化溶液(水酸化カリウム:KOH、水酸化ナトリウム:NaOH、水酸化カリウム:Ca(OH)2)コーヒー粕浸漬とコーヒー粕から水酸化溶液の除去過程後、熱処理して活性炭化過程を経るコーヒー粕ではなく、コーヒー専門店で回収されたコーヒー粕が使われており、前記過程で使われるコーヒー粕は、回収から負極活物質最終製品の全過程において、水洗工程はない。
【0077】
ポリビニルアルコール(Polyvinyl Alcohol)0.5wt%を、2次混合分散液に投入した後、超音波分散機で30分間、分散して、3次混合分散液を準備する。
【0078】
ポリアミド酸(Polyamic Acid)1.37wt%を3次混合分散液に投入した後、超音波分散機で30分間、分散して、4次混合分散液を準備する。
【0079】
天然黒鉛(T-360:TOB社)15wt%を、4次混合分散液に投入した後、超音波分散機で30分間、分散して、5次混合分散液を準備する。
【0080】
植物性有機化合物(Oil: 植物性オイル)7.5wt%を5次混合分散液に投入した後、超音波分散機で30分間、分散して、最終の6次混合分散液を準備する。
【0081】
6次混合分散液を900℃で熱処理して、コーヒー粕を炭化させることで、図4に示しているように、コーヒー粕にナノシリコンが挿入された負極活物質が得られる。
【0082】
この過程で得たナノシリコンが挿入されたコーヒー粕は、水洗過程なく、負極活物質として使用される。
【0083】
ナノシリコンと黒鉛が混合したコーヒー粕を、自動グラインドミルで粉砕し、超音波振動スクリーン(160#-96μm)篩で通過するサイズに選別して、負極材として使用可能なコーヒー粕ナノシリコン負極活物質複合体を得る。
【0084】
<実施例1-1>
前記実施例1と同様な方法で負極活物質を製造し、6次混合分散液に対する熱処理に際して、以下のようなボールミル装置を用いた。
【0085】
ここで、ボールミル装置内に、ボール(ビーズなど)と分散物がぶつかる第1の板状部(壁)に超音波発生器を追加して、分散能力を向上した。超音波発生器は、板状部(壁)内に設けられ、その下に熱電素子を活用した加熱部を更に構成して、ボールミル装置を直接加熱して、熱処理工程を共に行うことができる。
【0086】
<実施例1-2>
前記実施例1-1と同様な方法で負極活物質を製造し、6次混合分散液に対する熱処理に際して、以下のようなボールミル装置を用いた。
【0087】
実施例1-1で熱電素子を活用して、直接して超音波照射及びボールミル分散が行われる第1の板状部を加熱したことに対して、実施例1-2では、エアポンプ、流入路、熱電素子が挿入され、板状部と離隔する第2の板状部を備え、離隔する空間は、加熱された空気が移動する通路部として構成される。
【0088】
これにより、前記構成を活用して、熱電素子により加熱された空気が、ボールミル装置の板状部を全方向でムラなく加熱して、超音波ボールミル分散過程と共に、乾燥及び熱処理工程が行える。
【0089】
<実施例1-3>
前記実施例1又は実施例1-1及び実施例1-2と同様な方法で負極活物質を製造し、2次混合分散液を準備するステップにおいて、以下のような高電圧パルス分散装置を用いた。
【0090】
すなわち、2次混合分散液を準備するステップにおいて、1次混合分散液に、乾燥したコーヒー粕を、高電圧パルス分散装置を用いて混合及び分散して、2次混合分散液を準備するに際して、高電圧パルス分散装置に超音波発生器を更に構成することで、分散効果を高めて大量生産を期待することができる。
【0091】
このような高電圧パルス装置は、キャパシタから充電された高電圧を連続して電極に加えて、高電圧パルス装置に含まれたシリコンワイヤが液中電気爆発を起こし、これにより、シリコンワイヤをナノ粉末化して分散することができる。
【0092】
ここで、分散剤として、ポリビニルピロリドンK-30を、ナノ粉末に対して、0.1~10重量部程度投入するのが望ましい。また、形成されたシリコン粒子の炭素膜又はシリコンカーバイドを除去するために、金球ルを入れたボールミル機を使用することができる。
【0093】
<実施例2>
前記実施例1において、コーヒー粕7.32wt%、SiO2 1.36wt%、SiC 0.52wt%、超純水蒸溜水52.68wt%を含有することを除き、前記実施例1と同様な方法で負極活物質を製造した。
【0094】
<実施例3>
前記実施例1において、コーヒー粕10.98wt%、SiO2 2.04wt%、SiC 0.78wt%、超純水蒸溜水48.08wt%を含有することを除き、前記実施例1と同様な方法で負極活物質を製造した。
【0095】
<実施例4>
前記実施例1において、コーヒー粕14.64wt%、SiO2 2.72wt%、SiC 1.04wt%、超純水蒸溜水43.48wt%を含有することを除き、前記実施例1と同様な方法で負極活物質を製造した。
【0096】
<実施例5>
前記実施例1において、コーヒー粕18.3wt%、SiO2 3.4wt%、SiC 1.3wt%、超純水蒸溜水33.88wt%を含有することを除き、前記実施例1と同様な方法で負極活物質を製造した。
【0097】
<比較例1>
前記実施例1において、コーヒー粕0wt%、SiO2 3.4wt%、SiC 1.3wt%、超純水蒸溜水57.18wt%を含有することを除き、前記実施例1と同様な方法で負極活物質を製造した。
【0098】
<比較例2>
前記実施例1において、コーヒー粕18.3wt%、SiO2 0wt%、SiC 1.3wt%、超純水蒸溜水42.28wt%を含有することを除き、前記実施例1と同様な方法で負極活物質を製造した。
【0099】
<比較例3>
前記実施例1において、コーヒー粕18.3wt%、SiO2 3.4wt%、SiC 0wt%、超純水蒸溜水40.18wt%を含有することを除き、前記実施例1と同様な方法で負極活物質を製造した。
【0100】
素材別含量を下記表1に示す。
【0101】
【表1】
【0102】
<製造例 - コーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質を含むリチウム二次電池の製作>
前記実施例及び比較例により物質を混合して、負極活物質として、フルセル(Full Cell:65mm×50mm 5T)を製作し、データを測定した。本発明による負極電極は、ナノシリコンをコーヒー粕空隙に挿入したシリコン負極活物質:人造黒鉛(MCMB: MesoCarbon MicroBeads) : アセチレンブラック(acetylene black):CMC(Carboxymethyl Cellulose):SBR(Styrene-Butadiene Rubber)=15:79:2:2:2wt%の配合割合で負極スラリーを製造し、負極スラリーをTOB社コーティング機(Slot Die Coating Machine)で、負極集電体に180μmでコートした後に、130℃の真空乾燥で6時間乾燥した電極を使用した。
【0103】
正極は、NMC811(LiNi0.8Mn0.1Co0.102) : アセチレンブラック(acetylene black) : PVDF(Polyvinylidene fluoride)= 96 : 2 : 2 wt%の配合割合で正極スラリーを製造し、正極スラリーをTOB社コーティング機で、正極集電体に250μmでコートした後に、130℃の真空乾燥で、6時間乾燥した電極を使用した。
【0104】
フルセル組立は、アルゴンが満たされたグローブボックス内で組み立てられた。
【0105】
電解液は、1Mのヘキサフルオロリン酸リチウム(lithium hexafluorophosphate、LiPF6)が含まれ、炭酸エチレン(EC:ethylene carbonate) : 炭酸ジメチル(DMC:dimethyl carbonate) : 炭酸ジエチル(DEC:diethyl carbonate) = 1:1:1体積比(volume ratio)で混合した電解液を用い、分離膜は、湿式分離膜を適用して、フルセルを製作した。
【0106】
<実験例 - 電気化学特性評価>
前記製造例で製作したフルセルは、4.2Vまで充電し、2.8Vとなるまで放電して、充電容量(mAh/g)、放電容量(mAh/g)、及び初期充放電効率(%)を測定した。
また、前記製造例で試料毎に製作したフルセルを、50サイクル特性を求めた。
【0107】
前記充電及び放電容量、初期充放電効率を、下記表2に示す。
【0108】
【表2】
【0109】
図7及び図8は、コーヒー粕にナノシリコンを挿入したリチウム二次電池用シリコン負極活物質を適用したバッテリー50サイクル充放電測定結果グラフであり、前記測定結果、実施例1の混合量が最も優れた充放電サイクル特性を示すことが分かる。従来には、ナノシリコンを負極活物質に適用する場合、充放電により体積膨張が発生し、これにより、容量が減少するという不都合があったが、体積膨張を防止するために、本発明では、コーヒー粕空隙にナノシリコンを挿入して、ナノシリコンが膨張することを最大限制御し、環境汚染物質であるコーヒー粕を活用して、負極活物質を製造することで、環境保護と製造コストを減らすことができる。特に、負極活物質の全過程において、水洗過程がないため、製造過程の水質汚染問題を防止することができる。
【0110】
上述したように本発明の好適な実施形態に対する詳細な説明は、当業者が本発明を具現して実施できるように提供されている。前記では、本発明の好適な実施例を参照して説明したが、該当技術分野における熟練した当業者は、本発明の領域から逸脱しない範囲内で、本発明を様々に修正及び変更できることを理解するだろう。例えば、当業者は、上述した実施例に記載された各構成を互いに組み合わせる方式で利用可能である。そこで、本発明は、ここに現れた実施形態に制限しようとすることではなく、ここで開示された原理及び新規の特徴と一致する最広の範囲を付与しようとすることである。
【0111】
本発明は、本発明の精神及び必須の特徴を逸脱しない範囲で、他の特定の形態で具体化することができる。そこで、前記の詳細な説明は、全ての面で制限的に解析されてはいけず、例示的なことと考えられるべきである。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的解析により決められ、本発明の等価的範囲内での全ての変更は、本発明の範囲に含まれる。本発明は、ここに現れた実施形態に制限しようとすることではなく、ここに開示された原理及び新規の特徴と一致する最広の範囲を付与しようとする。また、特許請求の範囲で明示的な引用関係のない請求項を組み合わせして、実施例を構成するか、出願後の補正により、新たな請求項として含むことができる。
【産業上利用可能性】
【0112】
本発明であるコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法は、環境汚染物質であるコーヒー粕を用いて製造されるリチウム二次電池用の高容量シリコン負極活物質製造により、自然環境保護に貢献することができ、コーヒー粕を活用した高容量シリコン負極活物質であって、リチウム二次電池の負極材製造コストを下げることができるので、産業上利用可能性がある。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-09-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質を製造するための方法であって、
a) ナノシリコンを準備するステップと、
b) 陰イオン界面活性剤を準備するステップと、
c) シランを準備するステップと、
d) 3次蒸溜水に、前記ナノシリコン、陰イオン界面活性剤、及びシランを混合及び分散させて、1次混合分散液を準備するステップと、
e) 前記1次混合分散液に、乾燥したコーヒー粕を混合及び分散させて、2次混合分散液を準備するステップと、
f) 前記2次混合分散液に、ポリビニルアルコールを混合及び分散させて、3次混合分散液を準備するステップと、
g) 前記3次混合分散液に、ポリアミド酸を混合及び分散させて、4次混合分散液を準備するステップと、
h) 前記4次混合分散液に、黒鉛を混合及び分散させて、5次混合分散液を準備するステップと、
i) 前記5次混合分散液に、植物性オイルを混合及び分散させて、6次混合分散液を準備するステップと、
j) 前記6次混合分散液を熱処理するステップと、
k) 前記ステップj)の熱処理を経て製造されたシリコン負極活物質を粉砕し、超音波振動スクリーンを用いて、一定のサイズのシリコン負極活物質を選別して修得するステップと、を含むことを特徴とするコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項2】
前記ステップa)は、
a-1) 二酸化ケイ素を、3次蒸溜水全体100wt%のうち、1乃至0.68wt%混合量を100乃至130℃で乾燥して準備するステップと、
a-2) 炭化珪素を、3次蒸溜水全体100wt%のうち、1乃至0.26wt%混合量を100乃至130℃で乾燥して準備するステップと、
a-3) 前記シリコン(ケイ素)に含まれた水分を除去するために乾燥するステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項3】
前記ステップb)は、水で解離して生じる陰イオンが水溶液の表面に吸着して表面張力を低下させる陰イオン界面活性剤を、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、α-オレフィンスルホン酸ナトリウム、アルキルジメチルアミンオキシドのいずれか1つの成分で、3次蒸溜水全体100wt%のうち、1乃至7.5wt%混合量を使用することを特徴とする請求項1に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項4】
前記ステップc)は、無機表面が疎水性を有することに使われるアルコキシシラン(Methyltrimethoxysilane:(CH3O)3SiCH3)を、3次蒸溜水全体100wt%のうち、1乃至6.25wt%混合量を使用することを特徴とする請求項1に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項5】
前記ステップe)は、
前記コーヒー粕を130℃で乾燥して準備するステップであって、前記コーヒー粕を、3次蒸溜水全体100wt%のうち、10乃至3.66wt%混合量を使用し、
前記過程で用いられるコーヒー粕は、
複数の空隙を得るために、水酸化溶液(水酸化カリウム:KOH、水酸化ナトリウム:NaOH、水酸化カリウム:Ca(OH)2)にコーヒー粕浸漬とコーヒー粕から水酸化溶液の除去過程後、熱処理して活性炭化過程を経ないので、回収から負極活物質を製造する過程において、水洗工程がないことを特徴とする請求項1に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項6】
前記ステップf)は、前記ポリビニルアルコールを、3次蒸溜水全体100wt%のうち、1乃至0.5wt%を混合することを特徴とする請求項1に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項7】
前記ステップg)は、前記ポリアミド酸を、3次蒸溜水全体100wt%のうち、1乃至1.37wt%を混合することを特徴とする請求項1に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項8】
前記ステップh)は、前記黒鉛を天然黒鉛として、3次蒸溜水全体100wt%のうち、1乃至15wt%を混合することを特徴とする請求項1に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項9】
前記ステップi)は、前記植物性オイルを、3次蒸溜水全体100wt%のうち、1乃至7.5wt%を混合することを特徴とする請求項1に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項10】
前記ステップj)は、6次混合分散液最終熱処理過程として、
j-1) 1次300乃至380℃で乾燥するステップと、
j-2) 2次800乃至900℃で熱処理するステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項11】
前記ステップk)は、前記ナノシリコンと黒鉛が混合したコーヒー粕を、自動グラインドミルで粉砕し、超音波振動スクリーン篩で選別して、負極材として使用可能なコーヒー粕ナノシリコン負極活物質複合体を修得することを特徴とする請求項1に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか一つの項により製造されたことを特徴とするシリコン負極活物質。
【請求項13】
請求項12のシリコン負極活物質を含むことを特徴とするリチウム二次電池用負極。
【請求項14】
請求項13のリチウム二次電池用負極を含むことを特徴とするリチウム二次電池。
【請求項15】
コーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質を製造するための方法であって、
a) ナノシリコンを準備するステップと、
b) 陰イオン界面活性剤を準備するステップと、
c) シランを準備するステップと、
d) 3次蒸溜水に、前記ナノシリコン、陰イオン界面活性剤、及びシランを混合及び分散させて、1次混合分散液を準備するステップと、
e) 前記1次混合分散液に、乾燥したコーヒー粕を、高電圧パルス分散装置を用いて混合及び分散させて、2次混合分散液を準備するステップと、
f) 前記2次混合分散液に、ポリビニルアルコールを混合及び分散させて、3次混合分散液を準備するステップと、
g) 前記3次混合分散液に、ポリアミド酸を混合及び分散させて、4次混合分散液を準備するステップと、
h) 前記4次混合分散液に、黒鉛を混合及び分散させて、5次混合分散液を準備するステップと、
i) 前記5次混合分散液に、植物性オイルを混合及び分散させて、6次混合分散液を準備するステップと、
j) 前記6次混合分散液を、ボールミル装置を用いて、熱処理するステップと、
k) 前記ステップj)の熱処理を経て製造されたシリコン負極活物質を粉砕し、超音波振動スクリーンを用いて、一定のサイズのシリコン負極活物質を選別して修得するステップと、
を含むことを特徴とするコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項16】
前記ステップa)は、
a-1) 二酸化ケイ素を、3次蒸溜水全体100wt%のうち、1乃至0.68wt%混合量を100乃至130℃で乾燥して準備するステップと、
a-2) 炭化珪素を、3次蒸溜水全体100wt%のうち、1乃至0.26wt%混合量を100乃至130℃で乾燥して準備するステップと、
a-3) 前記シリコン(ケイ素)に含まれた水分を除去するために乾燥するステップとを含むことを特徴とする請求項15に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項17】
前記ステップb)は、水で解離して生じる陰イオンが水溶液の表面に吸着して表面張力を低下させる陰イオン界面活性剤を、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、α-オレフィンスルホン酸ナトリウム、アルキルジメチルアミンオキシドのいずれか1つの成分で、3次蒸溜水全体100wt%のうち、1乃至7.5wt%混合量を使用することを特徴とする請求項15に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項18】
前記ステップc)は、無機表面が疎水性を有することに使われるアルコキシシラン(Methyltrimethoxysilane:(CH3O)3SiCH3)を、3次蒸溜水全体100wt%のうち、1乃至6.25wt%混合量を使用することを特徴とする請求項15に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項19】
前記ステップe)は、
前記コーヒー粕を130℃で乾燥して準備するステップであって、前記コーヒー粕を、3次蒸溜水全体100wt%のうち、10乃至3.66wt%混合量を使用し、
前記過程で用いられるコーヒー粕は、
複数の空隙を得るために、水酸化溶液(水酸化カリウム:KOH、水酸化ナトリウム:NaOH、水酸化カリウム:Ca(OH)2)にコーヒー粕浸漬とコーヒー粕から水酸化溶液の除去過程後、熱処理して活性炭化過程を経ないため、回収から負極活物質を製造する過程において、水洗工程がないことを特徴とする請求項15に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項20】
前記ステップf)は、前記ポリビニルアルコールを、3次蒸溜水全体100wt%のうち、1乃至0.5wt%を混合することを特徴とする請求項15に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項21】
前記ステップg)は、前記ポリアミド酸を、3次蒸溜水全体100wt%のうち、1乃至1.37wt%を混合することを特徴とする請求項15に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項22】
前記ステップh)は、前記黒鉛を天然黒鉛として、3次蒸溜水全体100wt%のうち、1乃至15wt%を混合することを特徴とする請求項15に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項23】
前記ステップi)は、前記植物性オイルを、3次蒸溜水全体100wt%のうち、1乃至7.5wt%を混合することを特徴とする請求項15に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項24】
前記ステップj)は、6次混合分散液最終熱処理過程として、
j-1) 1次300乃至380℃で乾燥するステップと、
j-2) 2次800乃至900℃で熱処理するステップとを含むことを特徴とする請求項15に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項25】
前記ステップk)は、前記ナノシリコンと黒鉛が混合したコーヒー粕を、自動グラインドミルで粉砕し、超音波振動スクリーン篩で選別して、負極材として使用可能なコーヒー粕ナノシリコン負極活物質複合体を修得することを特徴とする請求項15に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項26】
請求項15乃至25のいずれか一つの項により製造されたことを特徴とするシリコン負極活物質。
【請求項27】
請求項26のシリコン負極活物質を含むことを特徴とするリチウム二次電池用負極。
【請求項28】
請求項27のリチウム二次電池用負極を含むことを特徴とするリチウム二次電池。
【請求項29】
前記ステップe)の高電圧パルス分散装置は、キャパシタから充電された高電圧を連続して電極に加えて、高電圧パルス分散装置に含まれたシリコンワイヤが液中電気爆発を起こし、これにより、高電圧パルス分散装置に含まれたシリコンワイヤをナノ粉末化して分散し、
前記高電圧パルス分散装置は、超音波発生器を更に設けて分散効果を高め、
前記ステップe)は、分散効果を高めるために、分散剤としてポリビニルピロリドンを更に投入することを特徴とする請求項15に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項30】
前記ステップj)のボールミル装置は、ボールと分散物がぶつかる空間の内壁をなす第1の板状部に超音波発生器が追加され、
前記第1の板状部の下に熱電素子を含む加熱部が設けられて、分散及び熱処理工程が共に行われることを特徴とする請求項15に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。
【請求項31】
前記ステップj)のボールミル装置は、更に、ボールと分散物がぶつかる空間の内壁をなす第1の板状部と、第1の板状部と離隔して、エアポンプ流入路、熱電素子が挿入されるように構成された第2の板状部とを含み、
前記第1の板状部と前記第2の板状部の間の離隔した空間には、加熱された空気が移動する通路部が設けられて、ボールミル装置をムラなく加熱することを特徴とする請求項15に記載のコーヒー粕空隙にナノシリコン混合物を挿入したシリコン負極活物質の製造方法。