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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160861
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】発光装置、表示装置および照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20231026BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20231026BHJP
   F21V 7/00 20060101ALI20231026BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20231026BHJP
   F21V 3/08 20180101ALI20231026BHJP
   F21V 3/00 20150101ALI20231026BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20231026BHJP
   H01L 33/58 20100101ALI20231026BHJP
   H01L 33/54 20100101ALI20231026BHJP
   H01L 33/60 20100101ALI20231026BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20231026BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231026BHJP
【FI】
F21S2/00 484
F21S2/00 482
F21V17/00 251
F21V7/00 530
F21V5/04 100
F21V5/04 500
F21V5/04 650
F21V3/08
F21V3/00 530
F21V19/00 150
F21V19/00 170
H01L33/58
H01L33/54
H01L33/60
G02F1/13357
F21Y115:10
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023138832
(22)【出願日】2023-08-29
(62)【分割の表示】P 2019528949の分割
【原出願日】2018-05-11
(31)【優先権主張番号】P 2017136822
(32)【優先日】2017-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 敬治
(57)【要約】
【課題】高品質な照明光を出射することが可能な発光装置を提供する。
【解決手段】この発光装置は、複数のレンズと、それら複数のレンズのうちの一のレンズによって覆われると共に互いに電気的に分離された2以上の発光素子と、2以上の発光素子のうち、一のレンズによって覆われた2以上の発光素子を収容する一のパッケージと、そのパッケージに設けられた封止樹脂と、複数のレンズを挟んで2以上の発光素子と反対側に設けられた光学機能シートとを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレンズと、
前記複数のレンズのうちの一の前記レンズによって覆われると共に互いに電気的に分離された2以上の発光素子と、
前記2以上の発光素子のうち、一の前記レンズによって覆われた2以上の前記発光素子を収容する一のパッケージと、
前記パッケージに設けられた封止樹脂と、
前記複数のレンズを挟んで前記2以上の発光素子と反対側に設けられた光学機能シートと
を備えた発光装置。
【請求項2】
一の前記レンズによって覆われた2以上の前記発光素子からそれぞれ発せられる光の波長帯域は互いに等しい
請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
一の前記レンズによって覆われた2以上の前記発光素子は、互いに異なる大きさの実効電流が透過可能である
請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記複数のレンズは、第1の方向に隣り合う第1のレンズおよび第2のレンズを有し、
前記第1のレンズによって覆われた2以上の前記発光素子は前記第1の方向に並んで配置され、
前記第2のレンズによって覆われた2以上の前記発光素子は前記第1の方向に並んで配置され、
前記第1のレンズによって覆われた2以上の前記発光素子のうちの1つの前記発光素子と、前記第2のレンズによって覆われた2以上の前記発光素子のうちの1つの前記発光素子とが互いに電気的に接続されている
請求項1に記載の発光装置。
【請求項5】
前記複数のレンズは、前記第1の方向と交差する第2の方向に前記第1のレンズと隣り合う第3のレンズを有し、
前記第1のレンズによって覆われた2以上の前記発光素子のうちの1つの前記発光素子と、前記第3のレンズによって覆われた2以上の前記発光素子のうちの1つの前記発光素子とが互いに電気的に接続されている
請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
4つの前記発光素子が一の前記レンズによって覆われている
請求項1に記載の発光装置。
【請求項7】
2以上の前記発光素子LED(Light Emitting Diode)である
請求項1に記載の発光装置。
【請求項8】
前記パッケージに設けられた反射部をさらに備えた
請求項1に記載の発光装置。
【請求項9】
前記反射部は、2以上の前記発光素子を隔てる
請求項8に記載の発光装置。
【請求項10】
前記封止樹脂の厚みよりも、前記反射部の高さが大きい
請求項9に記載の発光装置。
【請求項11】
前記光学機能シートは、量子ドットを含む
請求項1に記載の発光装置。
【請求項12】
パネルと前記パネルに光を照射する発光装置とを備え、
前記発光装置は、
複数のレンズと、
前記複数のレンズのうちの一の前記レンズによって覆われると共に互いに電気的に分離された2以上の発光素子と、
前記2以上の発光素子のうち、一の前記レンズによって覆われた2以上の前記発光素子を収容する一のパッケージと、
前記パッケージに設けられた封止樹脂と、
前記複数のレンズを挟んで前記2以上の発光素子と反対側に設けられた光学機能シートと
を備えた
表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、例えば発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の発光素子を有する発光装置、この発光装置を備えた表示装置および照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルを有する表示装置には、液晶パネルに光を照射するためのバックライト(発光装置)が設けられている。このバックライトは、複数の発光素子と、各々の発光素子を覆うレンズとを有している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-34770号公報
【発明の概要】
【0004】
このようなバックライト等に用いられる発光装置では、照明光の品質を高めることが望まれている。高品質な照明光により、例えば、高コントラストまたは高い輝度品位の照明が可能となる。
【0005】
したがって、高品質な照明光を出射することが可能な発光装置、この発光装置を備えた表示装置および照明装置を提供することが望ましい。
【0006】
本技術の一実施の形態に係る発光装置(1)は、複数のレンズと、それら複数のレンズのうちの一のレンズによって覆われると共に互いに電気的に分離された2以上の発光素子と、2以上の発光素子のうち、一のレンズによって覆われた2以上の発光素子を収容する一のパッケージと、そのパッケージに設けられた封止樹脂と、複数のレンズを挟んで2以上の発光素子と反対側に設けられた光学機能シートとを備える。
【0007】
本技術の一実施の形態に係る表示装置(1)は、液晶パネルの背面側に、上記の本技術の一実施の形態に係る発光装置(1)を備えたものである。
【0008】
本技術の一実施の形態に係る照明装置(1)は、上記の本技術の一実施の形態に係る発光装置(1)を備えたものである。
【0009】
本技術の一実施の形態に係る発光装置(1)、表示装置(1)または照明装置(1)では、一のレンズに覆われた少なくとも2つの発光素子が互いに電気的に分離されているので、この2つの発光素子が、各々独立して駆動される。例えば、一方が点灯し、他方が消灯すると、2つの発光素子の間で、輝度が急峻に変化する。
【0010】
本技術の一実施の形態に係る発光装置(2)は、基板と、基板上に設けられた複数の発光素子と、各々の発光素子を覆うとともに、基板との間隙を有して配置されたレンズと、基板上に設けられ、レンズ毎に開口を有するとともに、所定の方向に一端を有する反射シートとを備え、反射シートには、開口の一端側の周縁を間隙に配置した勘合部分が複数設けられているものである。
【0011】
本技術の一実施の形態に係る表示装置(2)は、液晶パネルの背面側に、上記の本技術の一実施の形態に係る発光装置(2)を備えたものである。
【0012】
本技術の一実施の形態に係る照明装置(2)は、上記の本技術の一実施の形態に係る発光装置(2)を備えたものである。
【0013】
本技術の一実施の形態に係る発光装置(2)、表示装置(2)または照明装置(2)では、反射シートの勘合部分が、基板とレンズとの間隙に配置されているので、この勘合部分により、反射シートが基板に固定される。
【0014】
本技術の一実施の形態に係る発光装置(1)、表示装置(1)および照明装置(1)では、一のレンズに覆われた少なくとも2つの発光素子を互いに電気的に分離するようにしたので、点灯領域と消灯領域との間で急峻な輝度変化を生じさせることが可能となる。よって、照明光のコントラストを向上させることができる。また、本技術の一実施の形態に係る発光装置(2)、表示装置(2)および照明装置(2)では、反射シートに勘合部分を設けるようにしたので、例えば、ピンなどの固定部材の数を減らし、あるいは固定部材を用いることなく、反射シートを基板に固定することができる。よって、固定部材に起因した輝度品位の低下を抑えることができる。したがって、本技術の一実施の形態に係る発光装置(1)(2)、表示装置(1)(2)および照明装置(1)(2)では、高品質な照明光を出射することが可能となる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本技術の第1の実施の形態に係る表示装置の構成を表す模式的な分解斜視図である。
図2図1に示した光源装置の要部の構成を表す平面模式図である。
図3図2に示したIII-III'線に沿った断面構成を表す模式図である。
図4図2に示した光源装置の駆動単位領域を表す平面模式図である。
図5】比較例に係る発光装置の要部の構成を断面模式図である。
図6】(A)は、図5に示した発光装置の輝度分布、(B)は図2に示した発光装置の輝度分布をそれぞれ表す図である。
図7図6(B)に示した輝度分布を拡大して表す図である。
図8図2,5に示した発光装置それぞれの点灯領域の大きさと輝度との関係表す図である。
図9図2,5に示した発光装置それぞれについて、全ての発光素子を点灯させたときの輝度分布を表す図である。
図10】変形例1に係る発光装置の要部の構成を断面模式図である。
図11】変形例2に係る発光装置の要部の構成を平面模式図である。
図12】変形例3に係る発光装置の要部の構成を平面模式図である。
図13A】本技術の第2の実施の形態に係る発光装置の構成を表す平面模式図である。
図13B図13Aに示したA-A'線に沿った断面構成を表す模式図である。
図13C図13Aに示したB-B'線に沿った断面構成を表す模式図である。
図14図13B等に示したレンズの構成を表す平面模式図である。
図15A図13Aに示した発光装置の製造工程を表す平面模式図である。
図15B図15Aに続く工程を表す平面模式図である。
図16A図15Aに示した工程の断面構成を表す模式図である。
図16B図15Bに示した工程の断面構成を表す模式図である。
図17】変形例4に係る反射シートの構成を表す平面模式図である。
図18】変形例5に係る反射シートの構成を表す平面模式図である。
図19A図18に示した反射シートを用いた発光装置の製造工程を表す平面模式図である。
図19B図19Aに続く工程を表す平面模式図である。
図20A図1等に示した表示装置を適用させた電子機器の外観を表す斜視図である。
図20B図20Aに示した電子機器の他の例を表す斜視図である。
図21図2等に示した発光装置を適用させた照明装置の外観の一例を表す斜視である。
図22図21に示した照明装置の他の例(1)を表す斜視図である。
図23図21に示した照明装置の他の例(2)を表す斜視図である。
図24図12に示した駆動単位領域の他の例(1)を表す平面模式図である。
図25図12に示した駆動単位領域の他の例(2)を表す平面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本技術の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(発光装置が、一のレンズに覆われた2つの発光素子を有する表示装置)
2.変形例1(2つの発光素子の間に反射部を設けた例)
3.変形例2(4つのレンズにまたがって駆動単位領域が設けられている例)
4.変形例3(4つの発光素子が一のレンズで覆われている例)
5.第2の実施の形態(勘合部分が設けられた反射シートを有する表示装置)
6.変形例4(D字状の開口を有する反射シートの例)
7.変形例5(位置決め孔を有する反射シートの例)
【0017】
<第1の実施の形態>
(表示装置1の構成)
図1は、本技術の第1の実施の形態に係る液晶表示装置(表示装置1)の要部の分解斜視図を表している。この表示装置1は、バックライトとして機能する発光装置(発光装置10E)と、発光装置10Eから出射された光に照明される液晶パネル20とを有している。液晶パネル20は、背面フレーム部材21と前面フレーム部材22との間に挟持されている。液晶パネル20の背面(背面フレーム部材21)側に、発光装置10Eが設けられている。発光装置10Eの背面側には、ボトムシャーシ31が設けられている。
【0018】
発光装置10Eは、直下型のバックライトであり、背面側(液晶パネル20から遠い側)から順に、光源装置10、反射シート3、拡散板4および光学機能シート5を有している。光源装置10は、ボトムシャーシ31の底面に設けられている。
【0019】
図2は、光源装置10の一部の模式的な平面構成を表したものである。図3は、図2に示したIII-III'線に沿った断面構成を表している。光源装置10は、光源基板11(基板)、パッケージ12、発光素子13、配線基板14W,14S、レンズ15、レンズ支持体16および封止樹脂17を有している。光源基板11は、例えば、ボトムシャーシ31の底面に接して設けられ、この光源基板11上に、例えばマトリクス状に複数のパッケージ12が配置されている。この各々のパッケージ12内に、封止樹脂17で覆われた2つの発光素子13が収容されている。発光素子13には、配線基板14W,14Sが電気的に接続されている。この2つの発光素子13が収容されたパッケージ12をレンズ15が覆っている。レンズ15は、例えば脚状のレンズ支持体16を介して光源基板11上に設けられている。レンズ15は、パッケージ12毎に、例えばマトリクス状に配置されている。換言すれば、レンズ15は、2つの発光素子13毎に設けられている。
【0020】
光源基板11には、駆動単位領域(後述の図4の駆動単位領域U)毎に発光制御が可能となるように、図示しない配線パターンが設けられている。この配線パターンから配線基板14W,14Sを介して発光素子13に駆動電流が供給されるようになっている。これにより、複数の発光素子13の局所的な発光制御(ローカルディミング)が可能となる。光源基板11には、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)またはフッ素系樹脂材などの樹脂製フィルムに配線パターンを印刷したものを用いることができる。樹脂性フィルムに代えて金属フィルムを用いるようにしてもよい。
【0021】
パッケージ12は、凹形状の収容部を有し、その凹形状の収容部の底面に発光素子13が配置されている。例えば、一のパッケージ12に2つの発光素子13が収容されている。パッケージ12の凹形状の収容部の表面は、発光素子13からの光に対して高い反射率を有していることが好ましい。凹形状の収容部の表面は例えば、高い反射率を有する材料として、Agを含んでいてもよい。パッケージ12の構成材料としては、例えば、耐熱ポリマーまたはセラミック等が挙げられる。
【0022】
複数の発光素子13は、例えば互いに同じ構成を有するLEDにより構成されている。発光素子13は、例えば、n型クラッド層、活性層およびp型クラッド層の積層構造と、n型クラッド層に電気的に接続されたn側電極およびp型クラッド層に電気的に接続されたp側電極とを有している。n側電極およびp電極の一方が配線基板14Wに電気的に接続され、他方がボンディングワイヤBを介して配線基板14Sに電気的に接続されている。一のレンズ15で覆われた2つの発光素子13は、互いに同じ波長帯域の光を出射するものである。例えば、全ての発光素子13が、青色波長帯域の光を出射する。
【0023】

本実施の形態では、一のレンズ15で覆われた2つの発光素子13が、互い電気的に分離されており、各々独立して駆動されるようになっている。詳細は後述するが、これにより、発光装置10Eから液晶パネル20に出射される照明光のコントラストを向上させることが可能となる。
【0024】
一のレンズ15内で、2つの発光素子13は、所定の方向(第1の方向、例えば、図2,3のX方向)に並んで配置されている。所定の方向に隣り合うレンズ15間では、所定の方向に隣り合う発光素子13が配線Cにより電気的に接続されている。
【0025】
図4は、光源装置10の駆動単位領域(駆動単位領域U)を表している。一のレンズ15で覆われた2つの発光素子13が電気的に分離されているので、一のレンズ15内に互いに独立した2つの駆動単位領域Uが形成される。即ち、一のレンズ15に覆われた2つの発光素子13(駆動単位領域U)には、互いに異なる大きさの実効電流を流すことが可能であり、各々が独立して駆動される。更に、所定の方向に隣り合うレンズ15間で、互いに隣り合う発光素子13を電気的に接続することにより、所定の方向に隣り合う2つのレンズ15に跨った駆動単位領域Uが形成される。
【0026】
配線基板14W,14Sは、発光素子13と光源基板11とを電気的に接続するためのものであり、例えばリードフレームにより構成されている。発光素子13を覆う封止樹脂17は、パッケージ12の収容部に充填されている。この封止樹脂17は、例えば、発光素子13を保護するとともに、発光素子13から出射された光の取り出し効率を高める機能を有している。封止樹脂17には、例えばシリコン樹脂等の樹脂材料を用いることができる。
【0027】
複数のレンズ15は各々、電気的に分離された2つの発光素子13を覆っている。このレンズ15は、光源基板11に対向して配置され、レンズ15と光源基板11との間にはレンズ支持体16により間隙Sが設けられている。レンズ15の平面(例えば図2のXY平面)形状は、例えば、円である。レンズ15は、発光素子13から出射された光が入射する光入射面S1と、光入射面S1から入射した光を反射シート3または拡散板4に向けて出射する光出射面S2とを有している。光入射面S1は、例えばレンズ15の中央部に配置されており、周囲に比べて、光出射面S2側に凹状に設けられている。光出射面S2は、例えば、光入射面S1に対向する位置に、光入射面S1側への窪みS2Rを有している。窪みS2Rの周囲では、一定の曲率の曲面により光出射面S2が形成されている。レンズ15に、このような窪みS2Rを有する光出射面S2を設けることにより、発光素子13から直上に出射された光が、より効果的に拡散される。
【0028】
脚状のレンズ支持体16は、レンズ15の光源基板11との対向面に設けられ、レンズの光入射面S1と離れた位置に配置されている。レンズ支持体16は、例えば、レンズ15と一体化して設けられている。レンズ支持体16は、例えば、一のレンズ15に3つ設けられており、これら3つのレンズ支持体16は、互いにレンズ15の中心を軸とした回転対称の位置に配置されている。
【0029】
反射シート3は、光源基板11に対向して設けられ、光源基板11に固定されている。反射シート3は、例えば、光源基板11と略同じ大きさの四角形状を有している。この反射シート3は、例えば、各々レンズ15に対応して開口(例えば、後述の図13Aの第1開口MA,第2開口MB)を有している。反射シート3は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリカーボネート(PC)等の樹脂材料または、アルミニウム(Al)等の金属材料により構成されている。この反射シート3は、レンズ15の光出射面S2から出射された光を反射して、拡散板4に入射させる。
【0030】
拡散板4は、反射シート3の一方の面(反射シート3の液晶パネル20側の面)に対向して設けられている。拡散板4は、反射シート3と略同じ大きさの四角形状を有している。拡散板4に入射した光は、拡散板4の内部で拡散されて、面内の輝度等が均一化される。この均一化された光が、光学機能シート5を介して液晶パネル20に入射されるようになっている。拡散板4は、例えば、アクリル樹脂およびポリカーボネート樹脂等の樹脂材料により構成されている。
【0031】
拡散板4と液晶パネル20との間に設けられた光学機能シート5は、例えば、偏光フィルム、位相差フィルムおよび拡散フィルム等により構成されている。複数の光学機能シート5が設けられていてもよい。光学機能シート5は、例えば波長変換シートであってもよい。この波長変換シートは、例えば蛍光体または量子ドットなどの波長変換物質を含んでいる。波長変換物質は、発光素子13から出射された光により励起されて、発光素子13から出射された光とは異なる波長域の光を放出する。例えば、波長変換シートは、発光素子13から出射された青色波長域の光により励起されて、赤色波長域および緑色波長域の光を放出する。
【0032】
液晶パネル20は、動画像または静止画像を表示する透過型の液晶パネルである。この液晶パネル20は、光学機能シート5に対向して設けられ、例えば、光学機能シート5に近い位置からTFT基板、液晶層およびカラーフィルタ基板をこの順に有している。液晶パネル20には、更に偏光板等が設けられていてもよい。例えば、発光装置10Eから出射された光がTFT基板に入射し、液晶層を経てカラーフィルタ基板側から出射されるようになっている。
【0033】
液晶パネル20を挟む背面フレーム部材21および前面フレーム部材22は、液晶パネル20の周縁部を覆う枠状部材である。この背面フレーム部材21および前面フレーム部材22は、液晶パネル20の周縁部を保護するとともに、審美性を向上させるためのものである。背面フレーム部材21および前面フレーム部材22は、例えばAl(アルミニウム)等の金属により構成されている。
【0034】
ボトムシャーシ31は、光源基板11の背面(発光素子13が設けられた面と反対の面)に、例えば接着シートを介して貼り合わされている。ボトムシャーシ31は、例えば、光源基板11に貼り合わされた板状部分と、板状部分の外周に設けられた壁部分とを有している。ボトムシャーシ31の板状部分は、光源基板11の平坦性を維持し、ボトムシャーシ31の壁部分は、背面フレーム部材21に組み合わされる。ボトムシャーシ31は、例えば、Fe(鉄)およびAl(アルミニウム)等の金属またはガラスなどにより構成されている。
【0035】
(表示装置1の動作)
この表示装置1では、発光素子13で発生した光が、封止樹脂17を介してレンズ15の光入射面S1に入射する。この光は、レンズ15の光出射面S2から出射された後、反射シート3で反射されて拡散板4に入射する。拡散板4では、入射した光が均一に拡散される。拡散板4で拡散された光は、光学機能シート5を介して液晶パネル20に入射する。液晶パネル20に入射した光は、印加された映像電圧に基づいて画素毎に変調されつつ、液晶層を通過する。液晶層を透過した光は、カラーフィルタ(図示せず)を通過することにより、カラーの表示光として取り出される。
【0036】
(発光装置10Eの作用・効果)
表示装置1のバックライトを構成する発光装置10Eでは、一のレンズ15が2つの発光素子13を覆っており、この2つの発光素子13が電気的に分離されている。したがって、図4に示したように、一のレンズ15内に2つの駆動単位領域Uが形成される。発光装置10Eでは、入力された映像信号に対応して、この駆動単位領域U毎に、ローカルディミング制御がなされる。例えば、一のレンズ15で覆われた2つの発光素子13(駆動単位領域U)の一方を点灯させ、かつ、他方の発光素子13(駆動単位領域U)を消灯させる。このとき、一のレンズ15内に配置された点灯状態の発光素子13と消灯状態の発光素子13との間では、急峻な輝度の変化が生じる。このように、一のレンズ15に覆われた2つの発光素子13を互いに独立して駆動することにより、発光装置10Eから液晶パネル20に入射する照明光のコントラストを向上させることができる。以下、これについて説明する。
【0037】
図5は、比較例に係る発光装置(発光装置100)の要部の模式的な断面構成を表している。この発光装置100では、一のパッケージ12に1つの発光素子(発光素子130)が収容されており、この1つの発光素子130を一のレンズ150が覆っている。この発光装置100は、ローカルディミング制御されるようになっており、発光素子130の数は、液晶パネルの画素数よりも少なくなっている。
【0038】
この発光装置100では、例えばレンズ150および拡散板などを用いることにより、発光素子130から出射された光を面内で拡散させる。これにより、面内で輝度等が均一化されるので、点灯領域が大きい画像では、輝度品位が維持される。しかし、発光素子130の数の少ない発光装置100では、点灯領域を小さくしていくと、それに伴い、輝度も低くなる。したがって、大部分の発光素子130が消灯状態となり、ほんの一部の発光素子130のみが点灯状態となるような画像では、高いコントラストを実現することが困難となる。大部分の発光素子130が消灯状態となり、ほんの一部の発光素子130のみが点灯状態となるような画像とは、例えば、「夜空に輝く星」などの画像である。また、発光装置100では、いわゆるハロー(halo)等が生じやすい。
【0039】
発光装置100のコントラストを向上させる方法として、例えば、賦形反射シート等の特殊な反射シートを用いることも考え得る。しかし、この場合、特殊な反射シートに起因するコストの増加が生じる。また、反射シートの形状がばらつきやすく、輝度品位が低下するおそれもある。
【0040】
これに対し、発光装置10Eでは、一のレンズ15に覆われた2つの発光素子13が互いに独立して駆動される。このような発光装置10Eをローカルディミング制御により、一のレンズ15に覆われた2つの発光素子13の一方を点灯させ、かつ、他方の発光素子13を消灯させると、一のレンズ15内に配置された点灯状態の発光素子13と消灯状態の発光素子13との間では、急峻な輝度の変化が生じる。
【0041】
図6は、発光装置10Eから出射される光を、発光装置100から出射される光と比較して表したものである。図6(A)は発光装置100から出射される光の輝度分布、図6(B)は発光装置10Eから出射される光の輝度分布をそれぞれ表している。図6(B)は、一のレンズ15で覆われた2つの発光素子13の一方を点灯させ、かつ、他方の発光素子13を消灯させた状態の輝度分布を表している。図7により、発光装置10Eから出射される光の輝度分布のピーク形状が、発光装置100よりもシャープになっており、点灯状態の発光素子13と消灯状態の発光素子13との間で、急峻な輝度の変化が生じていることが分かる。これは、レンズ15の特性に起因している。
【0042】
図7は、図6(B)の輝度分布を拡大して表したものである。この輝度分布のピーク形状は非対称であり、ピーク位置の左側(位置座標が小さい側)が急峻に、右側(位置座標が大きい側)が比較的ブロードになっている。即ち、レンズ15の光出射面S2から取り出される光の輝度分布は方向によって異なる。このようなレンズ15の特性により、一のレンズ15に覆われた2つの発光素子13の一方を点灯させ、かつ、他方の発光素子13を消灯させると、これらの間で急峻な輝度の変化が生じ、高いコントラストが得られる。また、ハロー等も生じにくい。
【0043】
図8は、発光装置10Eおよび発光装置100について、点灯領域の大きさと輝度との関係を表したものである。発光装置100に比べて、発光装置10Eでは、点灯領域を小さくしても、高い輝度が維持されていることが分かる。
【0044】
図9は、発光装置10Eおよび発光装置100について、全ての発光素子13,130を点灯させたときの輝度分布を表している。このように、発光装置10Eでは、全点灯の状態であっても、輝度品位が維持される。
【0045】
このように発光装置10Eでは、一のレンズ15に覆われた2つの発光素子13を互いに電気的に分離し、独立して駆動するようにしたので、点灯領域が大きい画像での輝度品位を維持しつつ、点灯領域が小さい画像(例えば、「夜空に輝く星」の画像)で高いコントラストを実現することができる。また、特殊な反射シートを用いる必要がないので、これに起因するコストの増加および輝度品位の低下も生じない。
【0046】
以上説明したように、発光装置10Eでは、一のレンズ15に覆われた2つの発光素子13を互いに電気的に分離するようにしたので、点灯領域と消灯領域との間で急峻な輝度変化を生じさせることが可能となる。よって、液晶パネル20への照明光のコントラストを向上させることができる。即ち、発光装置10Eでは、高品質な照明光を出射することが可能となる。
【0047】
以下、上記実施の形態の変形例および他の実施の形態について説明するが、以降の説明において上記実施の形態と同一構成部分については同一符号を付してその説明は適宜省略する。
【0048】
<変形例1>
図10は、上記実施の形態の変形例1に係る発光装置10E(または光源装置10)の要部の断面構成を模式的に表したものである。このように一のレンズ15(図11には図示せず)に覆われた2つの発光素子13の間に、これらを隔てる反射部(反射部18)を設けるようにしてもよい。この点を除き、変形例1の発光装置10Eは上記実施の形態の発光装置10Eと同様の構成および効果を有している。
【0049】
反射部18は、例えばパッケージ12の収容部を仕切る壁状に設けられている。反射部18の高さh(例えば、パッケージ12の底面からのZ方向の長さ)は、封止樹脂17の厚みtよりも大きくなっている。反射部18の高さhは、封止樹脂17の厚みtと同じであってもよく、あるいは小さくなっていてもよい。反射部18の構成材料は、例えば、パッケージ12の構成材料と同一のものを用いることができる。反射部18は、パッケージ12と一体化されていてもよい。
【0050】
このような反射部18を設けることにより、一のレンズ15に覆われた2つの発光素子13の一方を点灯させ、かつ、他方の発光素子13を消灯させると、2つの発光素子13の間での輝度の変化がより、急峻となる。したがって、発光装置10Eから出射される照明光のコントラストをより向上させることができる。
【0051】
<変形例2>
図11は、上記実施の形態の変形例2に係る発光装置10Eの要部の平面構成を模式的に表したものである。このように駆動単位領域Uが4つのレンズ15に跨るようにしてもよい。この点を除き、変形例2の発光装置10Eは上記実施の形態の発光装置10Eと同様の構成および効果を有している。
【0052】
本変形例では、所定の方向に交差する方向(第2方向、例えば、図12のY方向)に隣り合う2つのレンズ15の間で、隣り合う発光素子13が配線Cにより電気的に接続されている。更に、この電気的に接続された発光素子13の少なくとも一方は、所定の方向(例えば、図12のX方向)に隣り合うレンズ15の間で、隣り合う発光素子13と配線Cにより電気的に接続されている。これにより、X方向,Y方向各々に隣り合う4つ(2×2)のレンズ15に跨った駆動単位領域Uが形成される。このとき、駆動単位領域Uでは、X方向の長さDXが、Y方向の長さDYよりも大きくなっていることが好ましい。これにより、点灯領域を小さくしたときの輝度(図8参照)を高くすることが可能となる。例えば、発光素子13は、一定の密度で配置されている。
【0053】
<変形例3>
図12は、上記実施の形態の変形例3に係る発光装置10Eの要部の平面構成を模式的に表したものである。このように一のレンズ15に、互いに電気的に分離された4つの発光素子13が覆われていてもよい。この点を除き、変形例3の発光装置10Eは上記実施の形態の発光装置10Eと同様の構成および効果を有している。
【0054】
一のレンズ15に覆われた4つの発光素子13は、例えば、X方向およびY方向各々に2つ並んで配置されている。一のレンズ15で覆われた4つの発光素子13は、互いに電気的に分離されている。例えば、X方向に隣り合うレンズ15の間で、隣り合う発光素子13が配線Cにより電気的に接続されている。更に、この互いに電気的に接続された発光素子13の少なくとも一方は、Y方向に隣り合うレンズ15の間で、隣り合う発光素子13と配線Cにより電気的に接続されている。このように、4つの発光素子13を一のレンズ15で覆うことにより、一のレンズ15内に、4つの駆動単位領域Uを形成することができる。この駆動単位領域Uは、X方向,Y方向各々に隣り合う4つ(2×2)のレンズ15に跨って形成される。一のレンズ15で覆う発光素子13の数を増やすことにより、X方向に加えてY方向に並んで配置された発光素子13の間でコントラストを向上させることが可能となる。したがって、点灯領域を小さくしたときの輝度(図8参照)をより高くすることが可能となる。
【0055】
<第2の実施の形態>
図13A~13Cは、本開示の第2の実施の形態に係る発光装置(発光装置60E)の要部の構成を模式的に表したものである。図13Aは、発光装置60Eの模式的な平面構成を表し、図13B図13Aに示したB-B'線に沿った断面構成、図13C図13Aに示したB-B'線に沿った断面構成をそれぞれ表している。
【0056】
発光装置60Eは、上記発光装置10Eと同様に、光源基板11上に設けられた複数の発光素子13と、発光素子13を覆うレンズ15と、光源基板11に対向する反射シート3とを有している。発光素子13を収容するパッケージ12および封止樹脂17は、図13A~13Cでは、省略して図示している。
【0057】
発光装置60Eでは、例えば一のレンズ15が、1つの発光素子13を覆っている。上記第1の実施の形態の発光装置10Eと同様に、電気的に分離された2つの発光素子13が、一のレンズ15で覆われていてもよい。
【0058】
レンズ15は、光源基板11に対向して設けられ、光源基板11に、脚状のレンズ支持体16により固定されている。レンズ支持体16により、レンズ15と光源基板11との間には間隙Sが設けられている。間隙Sは、例えば、1mm程度である。
【0059】
図14は、レンズ15の平面形状の一例を表したものである。レンズ15は、略円状の平面形状を有しているが、この円状の周縁に凸部15Pが設けられている。凸部15Pは、レンズ15の周縁が外側に突出した部分である。凸部15Pは、例えば、一のレンズ15に3つ設けられており、これらは互いに、レンズ15の中心を軸とした回転対称の位置に配置されている。
【0060】
このレンズ15の凸部15P各々に、傾斜部15Sが設けられていることが好ましい(図13B,13C)。この傾斜部15Sは、凸部15Pの光源基板11との対向面が、光源基板11に対して傾斜した部分であり、この傾斜は、間隙Sが外側に向かって徐々に大きくなる方向に設けられている。レンズ15に、このような凸部15Pおよび傾斜部15Sを設けることにより、後述の反射シート3の勘合部分(勘合部分3E)を形成しやすくなる。
【0061】
反射シート3は、例えば矩形等の四角形の平面形状を有しており、四角形の対向する二辺(例えば、図13AのY方向に対向する二辺)が一端(一端E1)および他端(他端E2)を構成している。例えば、図13Aの上方向の一辺が、一端E1を構成している。
【0062】
この反射シート3には、各々のレンズ15毎に、円状の第1開口MAまたは第2開口MBが設けられ、この第1開口MA,第2開口MBからレンズ15が露出されている。第1開口MAと第2開口MBとは、例えば、形状または大きさが異なっている。例えば、第1開口MAの直径DAは、第2開口MBの直径DBよりも大きくなっている。反射シート3には、例えば、第2開口MBの数よりも多い数の第1開口MAが設けられている。例えば、一端E1に最も近い1行のみが第2開口MBにより構成されており、その他の行(図13Aでは3行)が第1開口MAで構成されている。
【0063】
本実施の形態では、この反射シート3に、複数の勘合部分(勘合部分3E)が設けられている(図13B)。勘合部分3Eは、互いに異なる第1開口MAの一端E1側の周縁の一部が、間隙Sに配置された部分である。この勘合部分3Eは、後述するように、光源基板11に対して反射シート3をスライドさせることにより形成される。例えば、全ての第1開口MAで、一端E1側の周縁の一部が間隙Sに挿入され、勘合部分3Eが形成されている。この複数の勘合部分3Eにより、反射シート3が光源基板11に固定される。詳細は後述するが、これにより、発光装置60Eから出射される照明光の輝度品位を向上させることができる。
【0064】
レンズ15の、少なくとも1つの凸部15Pおよび傾斜部15Sは、勘合部分3Eに対向する位置、即ち、反射シート3の一端E1側に設けられている。傾斜部15Sが設けられた方向から間隙Sに反射シート3を挿入することにより、反射シート3を間隙Sによびこみやすくなる。また、凸部15Pを勘合部分3Eに対向する位置に設けることにより、反射シート3が間隙Sから外れにくくなる。
【0065】
第2開口MBは、光源基板11に対して反射シート3をスライドさせた際に、位置合わせを行うために設けられている。この第2開口MBでは、周縁全部がレンズ15の外側に配置されている。例えば、レンズ15の凸部15Pには、第2開口MBの周縁が重なっていてもよい。第1開口MA,第2開口MBを形成する際に生じた、切断面のバリは、例えば、光源基板11に向いている。
【0066】
反射シート3は、例えば、2軸延伸のポリエチレンテレフタレート(PET)により構成されている。反射シート3の厚み(例えば、図13B,13CのZ方向の長さ)は、例えば、0.25mm程度である。反射シート3には、位置合わせのためのピンが挿入される穴および切り欠き等(図示せず)が設けられていてもよい。
【0067】
反射シート3は、例えば、以下のようにして光源基板11に固定する(図15A~16B)。
【0068】
図15Aは、反射シート3を光源基板11に固定する前の状態を表す平面図であり、図16Aは、この状態の断面構成を表している。例えば、反射シート3は、その一端E1側を光源基板11から浮き上がらせて配置する。このとき、反射シート3の第2開口MBの周縁の一部はレンズ15に重なっている。
【0069】
この状態から反射シート3を、光源基板11に対して近づけながら矢印方向(図15Aの紙面下方向)にスライドさせる。これにより、反射シート3の第1開口MAの一端E1側の周縁が、間隙Sに潜り込んで挿入される(図15B,16B)。反射シート3は、例えば、レンズ15の傾斜部15Sを介して間隙Sに挿入される。このように、勘合部分3Eが形成され、光源基板11に反射シート3が固定される。第2開口MBでは、周縁がレンズ15の外側に移動し、位置合わせがなされる。第2開口MBの配置された1行の周辺のみ、両面テープを用いて反射シート3を光源基板11に固定するようにしてもよい。図15B,16Bは、図15A,16Aの状態からそれぞれ矢印方向にスライドさせた後の状態を表している。
【0070】
勘合部分3Eを形成した後に、更に、拡散板4を支持するピン等を用いて、反射シート3を光源基板11に固定するようにしてもよい。
【0071】
本実施の形態の発光装置60Eでは、反射シート3に、互いに異なる第1開口MA各々の一端E1側の周縁が、間隙Sに挿入され、勘合部分3Eが形成されている。これにより、反射シート3が光源基板11に固定されるので、ピンなどの固定部材に起因した輝度品位の低下を抑えることができる。以下、これについて説明する。
【0072】
反射シートを光源基板に固定する方法としては、例えば、ピンを用いる方法が考え得る。このピンを用いる方法では、数多くのピンを打つ必要がある。ピンの数が少ないと、熱および筐体の歪みなどにより、反射シートが固定基板から浮いてしまい、輝度が低下するためである。しかし、数多くのピンを用いると、ピンの影に起因して輝度品位が低下するおそれがある。また、例えば、2軸延伸のPETにより構成された反射シートは、温度変化によって収縮および膨張が生じやすいので、多くの位置をピンで固定すると、反射シートの一部に局所的に大きなストレスがかかるおそれがある。このようなストレスは発光装置の信頼性を低下させる。更に、温度変化に起因した形状変化と、組み立て誤差を考慮して、反射シートの開口の大きさは、レンズ径よりもかなり大きめに設定するので、反射シートの開口部分で反射率が低下し、輝度効率が低下する。
【0073】
ピンの他、両面テープ,プッシュリベットおよびビス等を用いることも可能であるが、このような固定部材を用いる方法は、材料費および組み立て費(組み立て工数)に起因したコストがかかる。また、筐体の裏面側への穴開けなど、デザインに影響を及ぼす。
【0074】
これに対し、本実施の形態では、反射シート3に、第1開口MA各々の一端E1側の周縁が、間隙Sに挿入された勘合部分3Eが設けられているので、この勘合部分3Eにより、反射シート3が光源基板11に固定される。即ち、ピンなどの固定部材の数を減らしても、あるいは、固定部材を用いることなく、反射シート3が光源基板11に固定される。よって、ピンの影などに起因した輝度品位の低下を抑えることができる。
【0075】
また、勘合部分3Eは、第1開口MA各々の一端E1側の周縁、即ち、反射シート3の一部に設けられているので、反射シート3の収縮および膨張に応じて、他の部分は柔軟に変位する。したがって、反射シート3には局所的なストレスがかかりにくく、発光装置60Eの信頼性が維持される。
【0076】
更に、反射シート3は、収縮および膨張に応じて、勘合部分3E以外の部分が柔軟に変位するので、第1開口MA,第2開口MBの大きさをレンズ15の径に近づけることができる。したがって、反射シート3の第1開口MA,第2開口MB近傍での反射率の低下を抑え、輝度効率を向上させることができる。
【0077】
加えて、ピンなどの固定部材の数を減らし、あるいは固定部材を用いずに、反射シート3を光源基板11に固定することができるので、固定部材に起因した材料費および組み立て費(組み立て工数)を抑えることができる。よって、コストを抑えることができる。また、穴開け等も不要なので、デザインにも影響しない。
【0078】
以上のように、本実施の形態では、反射シート3に勘合部分3Eを設けるようにしたので、例えば、ピンなどの固定部材の数を減らし、あるいは固定部材を用いることなく、反射シート3を光源基板11に固定することができる。よって、固定部材に起因した輝度品位の低下を抑えることができる。したがって、発光装置60Eでは、高品質な照明光を出射することが可能となる。
【0079】
<変形例4>
図17は、上記第2の実施の形態の変形例(変形例4)に係る反射シート3の平面構成を模式的に表したものである。このように、第1開口MAがD字状であってもよい。この点を除き、変形例4の反射シート3は上記第2の実施の形態の反射シート3と同様の構成および効果を有している。
【0080】
反射シート3の第1開口MAは、一端E1側の周縁が直線であり、それ以外の部分が円状の曲線となっている。この直線状の第1開口MAの周縁部分に勘合部分3E(図13B)が形成されるようになっている。このように第1開口MAの一端E1側の周縁を直線状にすることにより、スライド時に、レンズ15の凸部15Pに接触すると、レンズ15の他の部分に引っかからずに勘合部分3Eが形成される。
【0081】
<変形例5>
図18は、上記第2の実施の形態の変形例(変形例5)に係る反射シート3の平面構成を模式的に表したものである。このように、位置合わせのための第2開口(図13Aの第2開口MB)を設けずに、全てのレンズ15に対して、第1開口MAを設けるようにしてもよい。即ち、全ての開口(第1開口MA)の一端E1側の周縁が間隙Sに嵌め合わされていてもよい。この点を除き、変形例5の反射シート3は上記第2の実施の形態の反射シート3と同様の構成および効果を有している。
【0082】
反射シート3には、位置決め孔(位置決め孔H3)が設けられていてもよい。この位置決め孔H3は、反射シート3をスライドさせた後の、光源基板11に対する位置を調整するためのものである。この置決め孔H3を設けることにより、反射シート3をスライドさせる際のスライド量を安定させることが可能となる。
【0083】
図19Aは、反射シート3を光源基板11に固定する前の状態を表す平面図である。例えば、反射シート3は、その一端E1側を光源基板11から浮き上がらせて配置する。このとき、反射シート3の位置決め孔H3は、例えば光源基板11に設けられたピンを挿入するためのピン孔HPとずれて配置されている。ピン孔HPは、ボトムシャーシ31などに設けるようにしてもよい。このピン孔HPに挿入されるピンは、例えば、光源装置10と拡散板4との間の距離を保持するめのものであり、例えば樹脂材料により構成されている。このピンは、透明または白色等である。
【0084】
この状態(図19A)から反射シート3を、光源基板11に対して近づけながら矢印方向(図19Aの紙面下方向)にスライドさせる(図19B)。これにより、反射シート3の第1開口MAの一端E1側の周縁が、間隙Sに潜り込み、勘合部分3Eが形成される(図16B参照)。位置決め孔H3は、ピン孔HPと重なる位置に移動する。勘合部分3Eを形成するとともに、この互いに重なった位置決め孔H3およびピン孔HPに、ピンを挿入することにより、反射シート3が光源基板11に固定される。
【0085】
反射シート3をスライドさせることにより、予め挿入されたピンに位置決め孔H3が接触するようになっていてもよい。このようなピンと位置決め孔H3との接触により、光源基板11に対する反射シート3の位置合わせがなされる。
【0086】
<適用例:電子機器>
以下、上記のような表示装置1の電子機器への適用例について説明する。電子機器としては、例えばテレビジョン装置,医療用モニタ,デジタルサイネージ,マスターモニタ,デジタルカメラ,ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラ等が挙げられる。言い換えると、上記表示装置1は、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0087】
図20Aおよび図20Bは、上記実施の形態の表示装置1が適用されるタブレット型端末装置の外観を表したものである。このタブレット型端末装置は、例えば、表示部710および非表示部720を有しており、この表示部710が上記実施の形態の表示装置1により構成されている。
【0088】
<適用例:照明装置>
図21は、上記発光装置10E,60Eを適用した照明装置の外観を表したものである。この照明装置は、上記第1,第2の実施の形態の発光装置10E,60Eを備えた卓上用の照明装置であり、例えば、基台841に設けられた支柱842に、照明部843が取り付けられている。この照明部843が、上記第1,第2の実施の形態に係る発光装置10E,60Eにより構成されている。照明部843は、図21に示した筒状、または図22に示した曲面状など、任意の形状とすることが可能である。
【0089】
発光装置10E,60Eは、図23に示したような室内用の照明装置に適用させるようにしてもよい。この照明装置では、照明部844が上記発光装置10E,60Eにより構成されている。照明部844は、建造物の天井850Aに適宜の個数および間隔で配置されている。なお、照明部844は、用途に応じて、天井850Aに限らず、壁850Bまたは床(図示せず)など任意の場所に設置することが可能である。
【0090】
これらの照明装置では、発光装置10E,60Eからの光により、照明が行われる。ここでは、上記第1,第2の実施の形態で説明したように、発光装置10E,60Eにより高品質な照明光を得ることができる。
【0091】
以上、実施の形態および変形例を挙げて本技術を説明したが、本技術は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば上記実施の形態等において説明した各部の配置位置や形状などは一例であって、それらに限定されるものではない。
【0092】
また、各図に示した各構成要素の寸法、寸法比および形状等は一例であって、本技術がこれに限定されるものではない。
【0093】
更に、上記実施の形態等では、レンズ15が発光素子13から離れて設けられている場合(いわゆす2次レンズの場合)について説明したが、レンズ15は発光素子13に接して設けられていてもよい。
【0094】
また、上記実施の形態等では、レンズ15がマトリクス状に配置されている場合について説明したが、レンズ15はどのように配置されていてもよく、例えば互いにハニカム構造をなすように配置されていてもよい。
【0095】
更に、図12(変形例3)では、X方向およびY方向に隣り合うレンズ15の間で、隣り合う発光素子13を電気的に接続する場合について説明したが、例えば図24に示したように、X方向またはY方向のどちらか一方向(図24では、X方向)に隣り合うレンズ15の間で、隣り合う発光素子13を電気的に接続するようにしてもよい。あるいは、図25に示したように、一のレンズ15内でX方向またはY方向のどちらか一方向(図25では、Y方向)に隣り合う発光素子13を電気的に接続するようにしてもよい。
【0096】
更に、上記実施の形態等では、発光素子13がLEDである場合について説明したが、発光素子13は半導体レーザ等により構成されていてもよい。
【0097】
また、封止樹脂17が波長変換物質を含んでいてもよい。あるいは、波長変換シートを、発光素子13とレンズ15との間に設けるようにしてもよい。
【0098】
加えて、上記実施の形態において発光装置10E,60Eおよび表示装置1等の構成を具体的に挙げて説明したが、全ての構成要素を備える必要はなく、また、他の構成要素を更に備えていてもよい。
【0099】
また、上記実施の形態において説明した各構成要素の材料などは限定されるものではなく、他の材料としてもよい。
【0100】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であってこれに限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
【0101】
本技術は以下のような構成を取ることも可能である。
(1)
複数のレンズと、
前記複数のレンズのうちの一の前記レンズによって覆われると共に互いに電気的に分離された2以上の発光素子と、
前記2以上の発光素子のうち、一の前記レンズによって覆われた2以上の前記発光素子を収容する一のパッケージと、
前記パッケージに設けられた封止樹脂と、
前記複数のレンズを挟んで前記2以上の発光素子と反対側に設けられた光学機能シートと
を備えた発光装置。
(2)
一の前記レンズによって覆われた2以上の前記発光素子からそれぞれ発せられる光の波長帯域は互いに等しい
上記(1)に記載の発光装置。
(3)
一の前記レンズによって覆われた2以上の前記発光素子は、互いに異なる大きさの実効電流が透過可能である
上記(1)または(2)に記載の発光装置。
(4)
前記複数のレンズは、第1の方向に隣り合う第1のレンズおよび第2のレンズを有し、
前記第1のレンズによって覆われた2以上の前記発光素子は前記第1の方向に並んで配置され、
前記第2のレンズによって覆われた2以上の前記発光素子は前記第1の方向に並んで配置され、
前記第1のレンズによって覆われた2以上の前記発光素子のうちの1つの前記発光素子と、前記第2のレンズによって覆われた2以上の前記発光素子のうちの1つの前記発光素子とが互いに電気的に接続されている
上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の発光装置。
(5)
前記複数のレンズは、前記第1の方向と交差する第2の方向に前記第1のレンズと隣り合う第3のレンズを有し、
前記第1のレンズによって覆われた2以上の前記発光素子のうちの1つの前記発光素子と、前記第3のレンズによって覆われた2以上の前記発光素子のうちの1つの前記発光素子とが互いに電気的に接続されている
上記(4)に記載の発光装置。
(6)
4つの前記発光素子が一の前記レンズによって覆われている
上記(1)から(5)のいずれか1つに記載の発光装置。
(7)
2以上の前記発光素子LED(Light Emitting Diode)である
上記(1)から(6)のいずれか1つに記載の発光装置。
(8)
前記パッケージに設けられた反射部をさらに備えた
上記(1)から(7)のいずれか1つに記載の発光装置。
(9)
前記反射部は、2以上の前記発光素子を隔てる
上記(8)に記載の発光装置。
(10)
前記封止樹脂の厚みよりも、前記反射部の高さが大きい
上記(9)に記載の発光装置。
(11)
前記光学機能シートは、量子ドットを含む
上記(1)から(10)のいずれか1つに記載の発光装置。
(12)
パネルと前記パネルに光を照射する発光装置とを備え、
前記発光装置は、
複数のレンズと、
前記複数のレンズのうちの一の前記レンズによって覆われると共に互いに電気的に分離された2以上の発光素子と、
前記2以上の発光素子のうち、一の前記レンズによって覆われた2以上の前記発光素子を収容する一のパッケージと、
前記パッケージに設けられた封止樹脂と、
前記複数のレンズを挟んで前記2以上の発光素子と反対側に設けられた光学機能シートと
を備えた
表示装置。
【0102】
本出願は、日本国特許庁において2017年7月13日に出願された日本特許出願番号第2017-136822号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願の全ての内容を参照によって本出願に援用する。
【0103】
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14
図15A
図15B
図16A
図16B
図17
図18
図19A
図19B
図20A
図20B
図21
図22
図23
図24
図25