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特開2023-160933コネクタ、コネクタモジュール、及び電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160933
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】コネクタ、コネクタモジュール、及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/71 20110101AFI20231026BHJP
   H01R 12/77 20110101ALI20231026BHJP
   H01R 13/6585 20110101ALI20231026BHJP
   H01R 13/6581 20110101ALI20231026BHJP
【FI】
H01R12/71
H01R12/77
H01R13/6585
H01R13/6581
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023144768
(22)【出願日】2023-09-06
(62)【分割の表示】P 2020012331の分割
【原出願日】2020-01-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(74)【代理人】
【識別番号】100202326
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 大佑
(72)【発明者】
【氏名】堀野 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】垣野 正義
(57)【要約】
【課題】コンタクトが複数取り付けられているインシュレータの強度が向上するコネクタを提供する。
【解決手段】本開示に係るコネクタ10は、第1コンタクト30aと、第2コンタクト30bと、第1コンタクト30aが取り付けられている第1取付部21と、第1取付部21と連続して形成され、第2コンタクト30bが取り付けられている第2取付部22と、を有するインシュレータ20と、を備え、第1取付部21は、第1コンタクト30aが取り付けられている第1壁部213を有し、第2取付部22は、第1壁部213と離間し、第2コンタクト30bが取り付けられている第2壁部222bを有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コンタクトが取り付けられている第1取付部と、前記第1取付部と連続して形成され、第2コンタクトが取り付けられている第2取付部と、を有するインシュレータを備え、
前記第1取付部は、前記第1コンタクトが取り付けられている第1壁部を有し、
前記第2取付部は、前記第1壁部と離間し、前記第2コンタクトが取り付けられている第2壁部を有する、
コネクタ。
【請求項2】
前記第1取付部は、前記コネクタの第1方向の外端に位置するように前記第1方向に沿って前記第2取付部と連続して形成され、
前記第1壁部は、前記第1取付部における前記第2取付部側の一端部から前記第1方向における反対側の他端部まで直線状に形成されている、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第2コンタクトは、前記第1コンタクトと異なる、
請求項1又は2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記インシュレータに取り付けられている遮蔽部材を備え、
前記遮蔽部材は、前記第2取付部における前記第1取付部側の端部に配置され、前記第1コンタクトと重なるように前記コネクタの第1方向と直交する第2方向に延在する第1遮蔽部を有する、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記遮蔽部材は、前記第1コンタクトに対して前記第1遮蔽部と前記第1方向の反対側に配置され、前記第1コンタクトと重なるように前記第2方向に延在する第2遮蔽部を有する、
請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記遮蔽部材は、前記第2方向において、前記第1コンタクトと重なるように前記第1コンタクトに対し両側に配置されている第3遮蔽部を有する、
請求項4又は5に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記遮蔽部材は、前記第3遮蔽部と連結し、前記第2コンタクトと重なるように前記第1方向に沿って前記インシュレータの外側に配置されている外周側遮蔽部を有する、
請求項6に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記第1方向は、前記コネクタの長手方向であり、
前記第2方向は、前記コネクタの短手方向であり、
前記第1壁部の前記短手方向の位置は、前記第2取付部における前記短手方向の中央部の位置と同一である、
請求項4乃至7のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項9】
第1コンタクトと、
第2コンタクトと、
前記第1コンタクトが取り付けられている第1取付部と、前記第1取付部と連続して形成され、前記第2コンタクトが取り付けられている第2取付部と、を有する第1インシュレータと、
を有する第1コネクタと、
前記第1コネクタと接続可能な第2コネクタであって、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとが接続する接続状態で前記第1コンタクトと接触する第3コンタクトと、
前記接続状態で前記第2コンタクトと接触する第4コンタクトと、
前記接続状態で前記第1インシュレータと嵌合し、前記第3コンタクトが取り付けられている第3取付部と、前記第3取付部と連続して形成され、前記第4コンタクトが取り付けられている第4取付部と、を有する第2インシュレータと、
を有する第2コネクタと、
を備え、
前記第1取付部は、前記第1コンタクトが取り付けられている第1壁部を有し、
前記第2取付部は、前記第1壁部と離間し、前記第2コンタクトが取り付けられている第2壁部を有し、
前記第3取付部は、前記第3コンタクトが取り付けられている第3壁部を有し、
前記第4取付部は、前記第3壁部と離間し、前記第4コンタクトが取り付けられている第4壁部を有する、
コネクタモジュール。
【請求項10】
前記第1コネクタは、前記第1インシュレータに取り付けられている第1遮蔽部材を有し、
前記第2コネクタは、前記第2インシュレータに取り付けられている第2遮蔽部材を有し、
前記第1遮蔽部材は、前記第2取付部における前記第1取付部側の端部に配置され、前記第1コンタクトと重なるように前記コネクタモジュールの第1方向と直交する第2方向に延在する第1遮蔽部を有し、
前記第2遮蔽部材は、前記第4取付部における前記第3取付部側の端部に配置され、前記第3コンタクトと重なるように前記第2方向に延在する第4遮蔽部を有し、
前記接続状態において、前記第1遮蔽部と前記第4遮蔽部とは互いに接触する、
請求項9に記載のコネクタモジュール。
【請求項11】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載のコネクタ、又は請求項9若しくは10に記載のコネクタモジュールを備える電子機器。
【請求項12】
前記第1コンタクトは、RF信号の伝送に用いられるコンタクトを含み、
前記第2コンタクトは、RF信号以外の他の信号の伝送に用いられるコンタクトを含む、
請求項11に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタ、コネクタモジュール、及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、互いに異なる回路基板に実装され、これらの回路基板を電気的に接続するためのリセプタクルコネクタ及びプラグコネクタを含むコネクタモジュールに関する技術が広く知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ノイズ漏れによる電子機器内のデータやり取りに乱れ及び通信不能といった不具合の発生を無くすことができ、しかも小型化を達成し得るシールド付き電気コネクタが開示されている。
【0004】
近年、電子機器に対して軽薄短小化及び多機能化が要求されており、電子機器の内部部品に対しても同様に軽薄短小化及び多機能化が要求されている。多機能化の観点では、例えば、電子機器に内蔵されるコネクタは、信号用回路及び大電流用回路の組み合わせ、又は信号用回路及び高周波用回路の組み合わせと接続されることも考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-059589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そのようなコネクタにおいて、異なる種類の回路に対して複数のコンタクトが用いられる場合、一のコンタクトと他のコンタクトとは、例えば互いを絶縁したり、互いの伝送特性への影響を抑制したりする目的により、所定の距離で互いに離間した状態でコネクタ内に配置される必要がある。一方で、コネクタに含まれるインシュレータは、互いに離間した複数のコンタクトが取り付けられながらも、コネクタとしての強度を確保するために所定の強度を維持する必要がある。例えば、電子機器の軽薄短小化に伴ってコネクタが小型化されるような場合、コネクタとしての強度を確保するためにインシュレータの強度が特に重要となる。しかしながら、特許文献1に記載のシールド付き電気コネクタでは、インシュレータのこのような強度について十分に考慮されていなかった。
【0007】
このような問題点に鑑みてなされた本開示の目的は、コンタクトが複数取り付けられているインシュレータの強度が向上するコネクタ、コネクタモジュール、及び電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本開示の一実施形態に係るコネクタは、
第1コンタクトが取り付けられている第1取付部と、前記第1取付部と連続して形成され、第2コンタクトが取り付けられている第2取付部と、を有するインシュレータを備え、
前記第1取付部は、前記第1コンタクトが取り付けられている第1壁部を有し、
前記第2取付部は、前記第1壁部と離間し、前記第2コンタクトが取り付けられている第2壁部を有する。
【0009】
上記課題を解決するために、本開示の一実施形態に係るコネクタモジュールは、
第1コンタクトと、
第2コンタクトと、
前記第1コンタクトが取り付けられている第1取付部と、前記第1取付部と連続して形成され、前記第2コンタクトが取り付けられている第2取付部と、を有する第1インシュレータと、
を有する第1コネクタと、
前記第1コネクタと接続可能な第2コネクタであって、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとが接続する接続状態で前記第1コンタクトと接触する第3コンタクトと、
前記接続状態で前記第2コンタクトと接触する第4コンタクトと、
前記接続状態で前記第1インシュレータと嵌合し、前記第3コンタクトが取り付けられている第3取付部と、前記第3取付部と連続して形成され、前記第4コンタクトが取り付けられている第4取付部と、を有する第2インシュレータと、
を有する第2コネクタと、
を備え、
前記第1取付部は、前記第1コンタクトが取り付けられている第1壁部を有し、
前記第2取付部は、前記第1壁部と離間し、前記第2コンタクトが取り付けられている第2壁部を有し、
前記第3取付部は、前記第3コンタクトが取り付けられている第3壁部を有し、
前記第4取付部は、前記第3壁部と離間し、前記第4コンタクトが取り付けられている第4壁部を有する。
【0010】
上記課題を解決するために、本開示の一実施形態に係る電子機器は、
上記のコネクタ又は上記のコネクタモジュールを備える。
【発明の効果】
【0011】
本開示の一実施形態に係るコネクタ、コネクタモジュール、及び電子機器によれば、コンタクトが複数取り付けられているインシュレータの強度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1コネクタと第2コネクタとが互いに接続されている状態の一実施形態に係るコネクタを上面視で示した外観斜視図である。
図2】第1コネクタと第2コネクタとが互いに分離している状態の一実施形態に係るコネクタを上面視で示した外観斜視図である。
図3図1の第1コネクタ単体を上面視で示した外観斜視図である。
図4図1の第1コネクタ単体を下面視で示した外観斜視図である。
図5図3の第1コネクタを構成する第1インシュレータ単体を上面視で示した外観斜視図である。
図6】第1インシュレータのみを非表示にした状態で図3の第1コネクタを上面視で示した斜視図である。
図7図6の第1遮蔽部材のみを上面視で示した斜視図である。
図8図1の第2コネクタ単体を上面視で示した外観斜視図である。
図9図1の第2コネクタ単体を下面視で示した外観斜視図である。
図10図8の第2コネクタの上面視による分解斜視図である。
図11図8の第2コネクタにおいて、第2インシュレータ及び第2遮蔽部材のみを上面視で示した外観斜視図である。
図12】第2インシュレータのみを非表示にした状態で図8の第2コネクタを上面視で示した斜視図である。
図13図12の第3コンタクト及び第4コンタクトのみを上面視で示した斜視図である。
図14図12の第2遮蔽部材のみを上面視で示した斜視図である。
図15】第1インシュレータ及び第2インシュレータのみを非表示にした状態で図1のコネクタを上面視で示した斜視図である。
図16図15のXVI-XVI矢線に沿った断面図である。
図17図15のXVII-XVII矢線に沿った断面図である。
図18図15のXVIII-XVIII矢線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら本開示の一実施形態について詳細に説明する。以下の説明中の前後、左右、及び上下の方向は、図中の矢印の方向を基準とする。各矢印の方向は、図1図2、及び図8乃至図18において、異なる図面同士で互いに整合している。各矢印の方向は、図3乃至図7において、異なる図面同士で互いに整合している。図面によっては、簡便な図示を目的として、後述する回路基板CB1及びCB2の図示を省略する。
【0014】
図1は、第1コネクタ10と第2コネクタ50とが互いに接続されている状態の一実施形態に係るコネクタ1を上面視で示した外観斜視図である。図2は、第1コネクタ10と第2コネクタ50とが互いに分離している状態の一実施形態に係るコネクタ1を上面視で示した外観斜視図である。
【0015】
例えば図2に示すとおり、コネクタ1は、互いに接続可能な第1コネクタ10及び第2コネクタ50を有する。第1コネクタ10は、第1インシュレータ20と、第1インシュレータ20に取り付けられている第1コンタクト30aと、を有する。第1コネクタ10は、第1インシュレータ20に取り付けられている、第1コンタクト30aと異なる第2コンタクト30b及び第1遮蔽部材40を有する。
【0016】
第2コネクタ50は、第1コネクタ10と接続可能である。第2コネクタ50は、第1コネクタ10と第2コネクタ50とが接続する接続状態で第1インシュレータ20と嵌合する第2インシュレータ60を有する。第2コネクタ50は、第1インシュレータ20と第2インシュレータ60とが嵌合する嵌合状態で第1コンタクト30aと接触し、第2インシュレータ60に取り付けられている第3コンタクト70aを有する。第2コネクタ50は、嵌合状態で第2コンタクト30bと接触し、第2インシュレータ60に取り付けられている第4コンタクト70bを有する。第4コンタクト70bは、第3コンタクト70aと異なる。第2コネクタ50は、第2インシュレータ60に取り付けられている第2遮蔽部材80を有する。
【0017】
以上のように、コネクタ1が有する遮蔽部材は、第1インシュレータ20及び第2インシュレータ60に取り付けられている。より具体的には、遮蔽部材は、第1インシュレータ20に取り付けられている第1遮蔽部材40と、第2インシュレータ60に取り付けられている第2遮蔽部材80と、を有する。
【0018】
以下では、例えば、一実施形態に係る第2コネクタ50はリセプタクルコネクタであり、第1コネクタ10はプラグコネクタであるとして説明する。すなわち、第1インシュレータ20と第2インシュレータ60とが互いに嵌合する嵌合状態において、第3コンタクト70a及び第4コンタクト70bが弾性変形する第2コネクタ50をリセプタクルコネクタとし、第1コンタクト30a及び第2コンタクト30bが弾性変形しない第1コネクタ10をプラグコネクタとして説明する。第1コネクタ10及び第2コネクタ50の種類は、これらに限定されない。例えば、第2コネクタ50がプラグコネクタの役割を果たし、第1コネクタ10がリセプタクルコネクタの役割を果たしてもよい。
【0019】
以下では、第1コネクタ10及び第2コネクタ50は、回路基板CB1及びCB2にそれぞれ実装されるとして説明する。第1コネクタ10及び第2コネクタ50は、互いに接続されている接続状態で、回路基板CB1と回路基板CB2とを電気的に接続する。回路基板CB1及びCB2は、リジッド基板であってよいし、又はそれ以外の任意の回路基板であってもよい。例えば、回路基板CB1及びCB2の少なくとも一方は、フレキシブルプリント回路基板であってもよい。
【0020】
以下では、第1コネクタ10及び第2コネクタ50は、回路基板CB1及びCB2に対して垂直方向に互いに接続されるとして説明する。すなわち、第1コネクタ10及び第2コネクタ50は、一例として上下方向に沿って互いに接続される。接続方法は、これに限定されない。第1コネクタ10及び第2コネクタ50は、回路基板CB1及びCB2に対して平行方向に互いに接続されてもよいし、実装されている回路基板に対して一方が垂直方向となるように、かつ実装されている回路基板に対して他方が平行方向となるように、互いに接続されてもよい。
【0021】
特許請求の範囲に記載されている「コネクタ1の第1方向」は、一例としてコネクタ1の長手方向であり、左右方向に対応する。「コネクタ1の第1方向と直交する第2方向」は、一例としてコネクタ1の短手方向であり、前後方向に対応する。
【0022】
一実施形態に係るコネクタ1は、第1コネクタ10と第2コネクタ50とが接続する接続状態で互いに接触している二対の第1コンタクト30a及び第3コンタクト70aを有する。コネクタ1は、第1インシュレータ20と第2インシュレータ60とが嵌合する嵌合状態で互いに接触している一対の第1コンタクト30a及び第3コンタクト70aを遮蔽する遮蔽構造を有する。
【0023】
図3は、図1の第1コネクタ10単体を上面視で示した外観斜視図である。図4は、図1の第1コネクタ10単体を下面視で示した外観斜視図である。第1コネクタ10は、一例として、第2コンタクト30bと第1インシュレータ20とがインサート成形により一体的に成形され、かつ第1コンタクト30a及び第1遮蔽部材40が第1インシュレータ20に圧入されることで得られる。
【0024】
図5は、図3の第1コネクタ10を構成する第1インシュレータ20単体を上面視で示した外観斜視図である。第1コネクタ10を構成する第1インシュレータ20は、絶縁性かつ耐熱性の合成樹脂材料によって形成されている。第1インシュレータ20は、左右方向に板状に延在する。
【0025】
図3及び図5に示すとおり、第1インシュレータ20は、大きな構成要素として、第1コンタクト30aが取り付けられている第1取付部21と、第1取付部21と連続して形成され、第2コンタクト30bが取り付けられている第2取付部22と、を有する。第1取付部21は、左右方向の外端に位置するように左右方向に沿って第2取付部22と連続して形成されている。第1インシュレータ20では、一対の第1取付部21が第2取付部22の左右両側にそれぞれ配置され、一対の第1取付部21と第2取付部22とは一体的に形成されている。
【0026】
第1取付部21は、第2取付部22の左右方向の端部から前後幅を広げながら左右方向の外側に延出し、かつ下部を構成する底板部211を有する。第1取付部21は、底板部211の上面から上方に向けてコ字状に突出し、周縁部の一部を形成している外周壁212を有する。外周壁212は、前後方向に延在する第1壁212aと、左右方向に延在する一対の第2壁212bと、を含む。
【0027】
第1取付部21は、第1コンタクト30aが取り付けられている第1壁部213を有する。第1壁部213は、前後方向の外側及び左右方向の両側から外周壁212によって囲まれている。第1壁部213は、第1コンタクト30aを左右方向に挟んだ状態で、第1取付部21における第2取付部22側の一端部から左右方向における反対側の他端部まで直線状に形成されている。第1コネクタ10が実装される回路基板CB1を基準とした第1壁部213の高さは、回路基板CB1を基準とした後述の第2壁部222bの高さと同一である。例えば、図5に示す第1壁部213の高さH1は、第2壁部222bの高さH2と同一である。第1壁部213の前後方向の位置は、第2取付部22における前後方向の中央部の位置と同一である。
【0028】
第1取付部21は、第1壁部213の左右方向の中央部を上下方向に沿って切り欠き、底板部211を貫通するように形成されている第1コンタクト保持溝214を有する。第1コンタクト保持溝214は、第1コンタクト30aが圧入されることで当該第1コンタクト30aを保持する。
【0029】
第2取付部22は、第1取付部21の左右両側の底板部211を連結するように左右方向に延在し、かつ下部を構成する底板部221を有する。第2取付部22は、底板部221の上面から上方に向けて環状に突出し、周縁部の全体を形成している外周壁222を有する。外周壁222は、前後方向に延在する一対の短手壁222aと、左右方向に延在する一対の長手壁222bと、を含む。長手壁222bは、特許請求の範囲に記載されている「第2壁部」に対応する。
【0030】
第2壁部222bは、第1取付部21の第1壁部213と離間する。第2壁部222bには、第2コンタクト30bが取り付けられている。第1コネクタ10が実装される回路基板CB1を基準とした第2壁部222bの高さは、回路基板CB1を基準とした第1壁部213の高さと同一である。
【0031】
第2取付部22は、底板部221と外周壁222とによって形成されている空間により構成される嵌合凹部223を有する。第2取付部22は、外周壁222の第2壁部222bにおける前後方向の外面及び内面にわたって形成されている第2コンタクト保持溝224を有する。第2コンタクト保持溝224は、第2コンタクト30bを一体的に保持する。図3及び図4にも示すとおり、第2取付部22は、第2取付部22における第1取付部21側の端部に形成され、前後方向に延在する第1遮蔽部材保持溝225を有する。第1遮蔽部材保持溝225は、第1遮蔽部材40が圧入されることで当該第1遮蔽部材40を保持する。
【0032】
図6は、第1インシュレータ20のみを非表示にした状態で図3の第1コネクタ10を上面視で示した斜視図である。図6では、第1コネクタ10の第1コンタクト30a、第2コンタクト30b、及び第1遮蔽部材40と共に、第1コネクタ10が実装される回路基板CB1の実装パターンの一例が示されている。図6を主に参照しながら、第1コンタクト30a及び第2コンタクト30bのそれぞれの構成について詳細に説明する。
【0033】
第1コンタクト30aは、例えば、リン青銅、ベリリウム銅、若しくはチタン銅を含む銅合金又はコルソン系銅合金の薄板を順送金型(スタンピング)を用いて図6に示す形状に成形加工したものである。第1コンタクト30aの表面には、ニッケルめっきで下地を形成した後に、金又は錫等によるめっきが施されている。例えば、第1コンタクト30aは、RF(Radio Frequency)信号の伝送に用いられるコンタクトを含む。
【0034】
第1コンタクト30aは、前後方向の外側にL字状に延出する実装部31aを有する。第1コンタクト30aは、実装部31aの上端部から上方に向けて逆テーパ状に形成されている接続部32aを有する。第1コンタクト30aは、接続部32aから上方に向けてU字状に延出する湾曲部33aを有する。第1コンタクト30aは、湾曲部33aの前後両側において前後方向の外面を含むように構成される一対の接触部34aを有する。第1コンタクト30aは、湾曲部33aにおける自由端側において左右方向の両側面から左右方向に突出する係止部35aを有する。
【0035】
図3にも示すとおり、第1コンタクト30aは、係止部35aが第1コンタクト保持溝214に係止することにより、第1コンタクト保持溝214に対して保持されている。第1コンタクト30aは、第1取付部21の第1壁部213によって左右方向に挟まれるように配置されている。図4にも示すとおり、第1コンタクト30aが第1インシュレータ20の第1コンタクト保持溝214に保持されると、第1コンタクト30aの実装部31aが底板部211から下方に露出する。
【0036】
第2コンタクト30bは、例えば、リン青銅、ベリリウム銅、若しくはチタン銅を含む銅合金又はコルソン系銅合金の薄板を順送金型(スタンピング)を用いて図6に示す形状に成形加工したものである。第2コンタクト30bの表面には、ニッケルめっきで下地を形成した後に、金又は錫等によるめっきが施されている。例えば、第2コンタクト30bは、RF信号以外の他の信号の伝送に用いられるコンタクトを含む。
【0037】
第2コンタクト30bは、前後方向の外側にL字状に延出する実装部31bを有する。第2コンタクト30bは、実装部31bの上端部から上方に向けて延出する接触部32bを有する。接触部32bは、前後方向の内面により構成される接触面を有する。接触部32bは、実装部31bよりも左右方向に幅広に形成されている。第2コンタクト30bは、接触部32bから外側に向かってU字状に延出する湾曲部33bを有する。第2コンタクト30bは、湾曲部33bの自由端側において前後方向の外面を含むように構成される接触部34bを有する。第2コンタクト30bは、接触部32bの接触面の上部に形成されている突起35bを有する。
【0038】
図3及び図4にも示すとおり、第2コンタクト30bは、実装部31bを除いた他の部分の内面全体と第2コンタクト保持溝224とが接面することにより、第2コンタクト保持溝224に対して一体的に保持されている。第2コンタクト30bが第1インシュレータ20の第2コンタクト保持溝224に保持されると、第2コンタクト30bの実装部31bの先端は、長手壁222bよりも外側に位置し、かつ第1遮蔽部材40よりも内側に位置する。
【0039】
図7は、図6の第1遮蔽部材40のみを上面視で示した斜視図である。図6及び図7を主に参照しながら、第1遮蔽部材40の構成について詳細に説明する。
【0040】
第1遮蔽部材40は、任意の金属材料の薄板を順送金型(スタンピング)を用いて図6及び図7に示す形状に成形加工したものである。第1遮蔽部材40の加工方法は、抜き加工を行った後に板厚方向に屈曲させる工程を含む。
【0041】
第1遮蔽部材40は、例えば、3つの部材を含む。より具体的には、図3及び図4にも示すとおり、第1遮蔽部材40は、第1インシュレータ20、第1コンタクト30a、及び第2コンタクト30bを四方から囲むように第1インシュレータ20に対して上方から取り付けられる第1部材40aを含む。第1遮蔽部材40は、第1インシュレータ20の第2取付部22の左右両端部にそれぞれ配置されるように第1インシュレータ20に対して下方から取り付けられる一対の第2部材40bを含む。
【0042】
図3及び図4にも示すとおり、第1部材40aは、第1取付部21のコ字状の外周壁212に対して圧入されることで第1インシュレータ20によって保持される。第2部材40bは、第2取付部22の第1遮蔽部材保持溝225に対して圧入されることで第1インシュレータ20によって保持される。
【0043】
図6及び図7に示すとおり、第2部材40bは、左右方向の内側にL字状に延出する実装部41bを有する。第2部材40bは、実装部41bの上端部から上方に向けて延出する第1遮蔽部42bを有する。図3及び図4にも示すとおり、第1遮蔽部42bは、第2取付部22における第1取付部21側の端部に配置され、第1コンタクト30aと重なるように前後方向に延在する。第1遮蔽部42bは、第1コンタクト30aよりも左右方向の内側に配置され、左右方向に沿って第1コンタクト30aと重なるように前後方向に延在する。
【0044】
第2部材40bは、第1遮蔽部42bの前後方向の中央部において上方から切り欠かれた切欠部43bを有する。第2部材40bは、切欠部43bの前後両側面から前後方向の内側に突出する係止部44bを有する。図3及び図4にも示すとおり、第2部材40bは、係止部44bが第1壁部213に係止することにより、第1遮蔽部材保持溝225に対して保持されている。図4にも示すとおり、第2部材40bが第1インシュレータ20の第1遮蔽部材保持溝225に保持されると、第2部材40bの実装部41bが底板部221から下方に露出する。
【0045】
第2部材40bの第1遮蔽部42bは、第1遮蔽部42bの左右方向の外面において前後両側に突設されている一対の接触部45bを有する。一対の接触部45bは、切欠部43bを前後両側から挟むように配置されている。
【0046】
図6及び図7に示すとおり、第1部材40aは、その上端部を構成する基部41aを有する。第1部材40aは、基部41aから左右方向の外側にL字状に延出し、前後方向に延在する第2遮蔽部42aを有する。第2遮蔽部42aは、第1コンタクト30aに対して第1遮蔽部42bと左右方向の反対側に配置され、第1コンタクト30aと重なるように前後方向に延在する。第2遮蔽部42aは、第1コンタクト30aよりも左右方向の外側に配置され、左右方向に沿って第1コンタクト30aと重なるように前後方向に延在する。
【0047】
第1部材40aは、基部41aから前後方向の外側にL字状に延出し、左右方向に所定の幅で延在する第3遮蔽部43aを有する。第3遮蔽部43aは、前後方向において、第1コンタクト30aと重なるように第1コンタクト30aに対し両側に配置されている。第3遮蔽部43aは、前後方向に沿って第1コンタクト30aと重なるように左右方向に延在する。
【0048】
第1部材40aは、第2コンタクト30bと重なるように左右方向に沿って第1インシュレータ20の外側に配置されている外周側遮蔽部44aを有する。外周側遮蔽部44aは、前後方向に沿って第2コンタクト30bと重なり、左右両側に位置する一対の第3遮蔽部43aを連結するように左右方向に延在する。
【0049】
図6に示すとおり、第1部材40aの第2遮蔽部42a、第3遮蔽部43a、及び外周側遮蔽部44aは、基部41aと共に一体的に環状に形成されており、全ての第1コンタクト30a及び第2コンタクト30bを外側から囲む。
【0050】
第1部材40aは、4つの角部のそれぞれにおいて形成されている係止部45aを有する。第1部材40aは、第2遮蔽部42a全体の下端部から下方に直線状に延出する第1実装部46aと、第3遮蔽部43a全体及び外周側遮蔽部44aの一部の下端部から前後方向の外側にL字状に延出し、左右方向に延在する第2実装部47aと、を有する。
【0051】
図3及び図4にも示すとおり、第1部材40aは、第1取付部21のコ字状の外周壁212に係止部45aが係止することにより、第1インシュレータ20に対して保持されている。図4にも示すとおり、第1部材40aが第1インシュレータ20に保持されると、第1部材40aの第1実装部46a及び第2実装部47aは、第1インシュレータ20の下面よりも下方に位置する。
【0052】
第1部材40aの第2遮蔽部42aは、第2遮蔽部42aの左右方向の外面において突設されている3つの第1接触部48aを有する。第1部材40aの第3遮蔽部43aは、第3遮蔽部43aの前後方向の外面において突設されている1つの第2接触部49aを有する。
【0053】
以上のような構造の第1コネクタ10では、回路基板CB1の実装面に形成された回路パターンに対して、第1コンタクト30aの実装部31aがはんだ付けされる。当該実装面に形成された回路パターンに対して、第2コンタクト30bの実装部31bがはんだ付けされる。当該実装面に形成された接地パターンに対して、第1部材40aの第1実装部46a及び第2実装部47a、並びに第2部材40bの実装部41bがはんだ付けされる。
【0054】
例えば、図6に示すとおり、一対の第1コンタクト30aの実装部31aのそれぞれは、独立した一の回路パターンP1に対してはんだ付けされる。例えば、4つの第2コンタクト30bの実装部31bのそれぞれは、独立した一の回路パターンP2に対してはんだ付けされる。例えば、第1部材40aの第1実装部46a及び第2実装部47a、並びに第2部材40bの実装部41bは、一体的に形成されている一の接地パターンP3に対してはんだ付けされる。これにより、第1部材40a及び2つの第2部材40bは、電気的に1つの遮蔽部材としてみなすことが可能である。以上により、第1コネクタ10は、回路基板CB1に対して実装される。回路基板CB1の実装面には、例えば、通信モジュール等の第1コネクタ10とは別の電子部品が実装される。
【0055】
続いて、第2コネクタ50の構成について図8乃至図14を主に参照しながら説明する。
【0056】
図8は、図1の第2コネクタ50単体を上面視で示した外観斜視図である。図9は、図1の第2コネクタ50単体を下面視で示した外観斜視図である。図10は、図8の第2コネクタ50の上面視による分解斜視図である。図11は、図8の第2コネクタ50において、第2インシュレータ60及び第2遮蔽部材80のみを上面視で示した外観斜視図である。
【0057】
第2コネクタ50は、例えば、以下の方法で組み立てられる。すなわち、第2インシュレータ60に対して下方から第3コンタクト70aを圧入する。第2インシュレータ60に対して下方から第4コンタクト70bを圧入する。第2インシュレータ60に対して上方及び下方から第2遮蔽部材80を圧入する。
【0058】
図8及び図10に示すとおり、第2インシュレータ60は、絶縁性かつ耐熱性の合成樹脂材料を射出成形した、左右方向に延在する板状部材である。第2インシュレータ60は、下部を構成する底板部61を有する。第2インシュレータ60は、底板部61から上方に突出する大きな構成要素として、第3コンタクト70aが取り付けられている第3取付部62と、第3取付部62と連続して形成され、第4コンタクト70bが取り付けられている第4取付部63と、を有する。第3取付部62は、左右方向の外端に位置するように左右方向に沿って第4取付部63と連続して形成されている。第2インシュレータ60では、一対の第3取付部62が第4取付部63の左右両側にそれぞれ配置され、一対の第3取付部62と第4取付部63とは一体的に形成されている。
【0059】
第3取付部62は、第4取付部63の左右方向の端部から一定の前後幅で左右方向の外側に延出する。第3取付部62は、底板部61の上面から上方に向けて突出し、前後方向に互いに離間する一対の第3壁部621を有する。第3壁部621には、第3コンタクト70aが取り付けられている。第3壁部621は、第3コンタクト70aを前後方向に挟んだ状態で、第3取付部62における第4取付部63側の一端部から左右方向における反対側の他端部まで直線状に形成されている。第3壁部621は、前側に位置する前壁621aと、後側に位置する後壁621bと、を含む。第2コネクタ50が実装される回路基板CB2を基準とした第3壁部621の高さは、回路基板CB2を基準とした後述の第4壁部631の高さと同一である。例えば、図10に示す第3壁部621の高さH3は、第4壁部631の高さH4と同一である。第3壁部621の前後方向の位置は、第4取付部63における前後方向の中央部の位置と同一である。
【0060】
第3取付部62は、前壁621aの後面、底板部61、及び後壁621bの前面にわたって形成されている第3コンタクト保持溝622を有する。第3コンタクト保持溝622は、第3コンタクト70aが圧入されることで当該第3コンタクト70aを保持する。
【0061】
第4取付部63は、底板部61の上面から上方に向けて突出し、前後方向に互いに離間する一対の第4壁部631を有する。第4壁部631は、第3取付部62の第3壁部621と離間する。第4壁部631には、第4コンタクト70bが取り付けられている。第4壁部631は、前側に位置する前壁631aと、後側に位置する後壁631bと、を含む。第2コネクタ50が実装される回路基板CB2を基準とした第4壁部631の高さは、回路基板CB2を基準とした第3壁部621の高さと同一である。
【0062】
第4取付部63は、底板部61の中央部から上方に向けて突出する嵌合凸部632を有する。第4取付部63は、第4壁部631における前後方向の内面、底板部61、及び嵌合凸部632の前後方向の外面にわたって形成されている第4コンタクト保持溝633を有する。第4コンタクト保持溝633は、第4コンタクト70bが圧入されることで当該第4コンタクト70bを保持する。
【0063】
第2インシュレータ60は、底板部61の前後左右の側面の各所から突設されている第2遮蔽部材保持部64を有する。図8及び図9にも示すとおり、第4取付部63は、第4取付部63における第3取付部62側の端部に形成され、前後方向に延在する第2遮蔽部材保持溝634を有する。第2遮蔽部材保持部64及び第2遮蔽部材保持溝634は、第2遮蔽部材80が圧入されることで当該第2遮蔽部材80を保持する。
【0064】
図12は、第2インシュレータ60のみを非表示にした状態で図8の第2コネクタ50を上面視で示した斜視図である。図12では、第2コネクタ50の第3コンタクト70a、第4コンタクト70b、及び第2遮蔽部材80と共に、第2コネクタ50が実装される回路基板CB2の実装パターンの一例が示されている。図13は、図12の第3コンタクト70a及び第4コンタクト70bのみを上面視で示した斜視図である。図10図12、及び図13を主に参照しながら、第3コンタクト70a及び第4コンタクト70bのそれぞれの構成について詳細に説明する。
【0065】
第3コンタクト70aは、例えば、リン青銅、ベリリウム銅、若しくはチタン銅を含むばね弾性を備えた銅合金又はコルソン系銅合金の薄板を順送金型(スタンピング)を用いて図に示す形状に成形加工したものである。第3コンタクト70aの表面には、ニッケルめっきで下地を形成した後に、金又は錫等によるめっきが施されている。第3コンタクト70aは、全体的にU字状に形成されている。例えば、第3コンタクト70aは、RF信号の伝送に用いられるコンタクトを含む。
【0066】
第3コンタクト70aは、その下端部から下方に直線状に延出する実装部71aを有する。第3コンタクト70aは、実装部71aの上部に連続して形成され、前後方向に幅広な係止部72aを有する。第3コンタクト70aは、係止部72aの前後両端から上方に向けてそれぞれ延出する一対の弾性接触部73aを有する。弾性接触部73aは、前後方向に沿って弾性変形可能なようにばね弾性を有する。
【0067】
図8及び図9にも示すとおり、第3コンタクト70aは、係止部72aが第3コンタクト保持溝622に係止することにより、第3コンタクト保持溝622に対して保持されている。第3コンタクト70aは、第3取付部62の前壁621aと後壁621bとによって前後方向に挟まれるように配置されている。第3コンタクト70aが第2インシュレータ60の第3コンタクト保持溝622に保持されると、第3コンタクト70aの実装部71aが底板部61から下方に露出する。
【0068】
第4コンタクト70bは、例えば、リン青銅、ベリリウム銅、若しくはチタン銅を含むばね弾性を備えた銅合金又はコルソン系銅合金の薄板を順送金型(スタンピング)を用いて図に示す形状に成形加工したものである。第4コンタクト70bの表面には、ニッケルめっきで下地を形成した後に、金又は錫等によるめっきが施されている。例えば、第4コンタクト70bは、RF信号以外の他の信号の伝送に用いられるコンタクトを含む。
【0069】
図13に示すとおり、第4コンタクト70bは、前後方向の内側にL字状に延出する実装部71bを有する。第4コンタクト70bは、実装部71bの上端部から連続して上方に形成されている係止部72bを有する。係止部72bは、実装部71b及び後述する湾曲部73bよりも左右方向に幅広に形成されている。第4コンタクト70bは、係止部72bから上方に向けてU字状に延出する湾曲部73bと、湾曲部73bに連続するS字状の弾性接触部74bと、弾性接触部74bの先端部に前後方向の外側に向いて形成されている接触部75bと、を有する。第4コンタクト70bは、湾曲部73bの前後方向の内面から突出する突起を含む接触部76bを有する。
【0070】
図8及び図9にも示すとおり、第4コンタクト70bは、係止部72bが第4コンタクト保持溝633に係止することにより、第4コンタクト保持溝633に対して保持されている。第4コンタクト70bが第2インシュレータ60の第4コンタクト保持溝633に保持されると、弾性接触部74bは、嵌合凸部632に形成されている第4コンタクト保持溝633内において前後方向に弾性変形可能である。第4コンタクト70bが第2インシュレータ60の第4コンタクト保持溝633に保持されると、第4コンタクト70bの実装部71bが底板部61から下方に露出する。
【0071】
図14は、図12の第2遮蔽部材80のみを上面視で示した斜視図である。図12及び図14を主に参照しながら、第2遮蔽部材80の構成について詳細に説明する。
【0072】
第2遮蔽部材80は、任意の金属材料の薄板を順送金型(スタンピング)を用いて図12及び図14に示す形状に成形加工したものである。第2遮蔽部材80の加工方法は、抜き加工を行った後に板厚方向に屈曲させる工程を含む。
【0073】
第2遮蔽部材80は、例えば、4つの部材を含む。より具体的には、図8乃至図10にも示すとおり、第2遮蔽部材80は、第2インシュレータ60、第3コンタクト70a、及び第4コンタクト70bを四方から囲むように第2インシュレータ60に対して上方から取り付けられる一対の第1部材80aを含む。第2遮蔽部材80は、第2インシュレータ60の第4取付部63の左右両端部にそれぞれ配置されるように第2インシュレータ60に対して下方から取り付けられる一対の第2部材80bを含む。
【0074】
図8及び図9にも示すとおり、第1部材80aは、第2インシュレータ60の第2遮蔽部材保持部64に対して圧入されることで第2インシュレータ60によって保持される。第2部材80bは、第4取付部63の第2遮蔽部材保持溝634に対して圧入されることで第2インシュレータ60によって保持される。
【0075】
図12及び図14に示すとおり、第2部材80bは、左右方向の内側にL字状に延出する実装部81bを有する。第2部材80bは、実装部81bの上端部から上方に向けて延出する第4遮蔽部82bを有する。図8及び図9にも示すとおり、第4遮蔽部82bは、第4取付部63における第3取付部62側の端部に配置され、第3コンタクト70aと重なるように前後方向に延在する。第4遮蔽部82bは、第3コンタクト70aよりも左右方向の内側に配置され、左右方向に沿って第3コンタクト70aと重なるように前後方向に延在する。
【0076】
第2部材80bは、第4遮蔽部82bの前後方向の中央部において上方から切り欠かれた切欠部83bを有する。第2部材80bは、第4遮蔽部82bの前後両側面から前後方向の外側に突出する係止部84bを有する。図8及び図9にも示すとおり、第2部材80bは、係止部84bが第2遮蔽部材保持溝634に係止することにより、第2遮蔽部材保持溝634に対して保持されている。図9にも示すとおり、第2部材80bが第2インシュレータ60の第2遮蔽部材保持溝634に保持されると、第2部材80bの実装部81bが底板部61から下方に露出する。
【0077】
第2部材80bの第4遮蔽部82bは、第4遮蔽部82bの左右方向の内面において前後両側に凹設されている一対の接触部85bを有する。一対の接触部85bは、切欠部83bを前後両側から挟むように配置されている。
【0078】
図12及び図14に示すとおり、第1部材80aは、その左右方向の端部を構成し、前後方向に延在する第5遮蔽部81aを有する。第5遮蔽部81aは、第3コンタクト70aに対して第4遮蔽部82bと左右方向の反対側に配置され、第3コンタクト70aと重なるように前後方向に延在する。第5遮蔽部81aは、第3コンタクト70aよりも左右方向の外側に配置され、左右方向に沿って第3コンタクト70aと重なるように前後方向に延在する。
【0079】
第1部材80aは、その前後方向の端部を構成し、左右方向に所定の幅で延在する第6遮蔽部82aを有する。第6遮蔽部82aは、前後方向において、第3コンタクト70aと重なるように第3コンタクト70aに対し両側に配置されている。第6遮蔽部82aは、前後方向に沿って第3コンタクト70aと重なるように左右方向に延在する。
【0080】
第1部材80aは、第4コンタクト70bと重なるように左右方向に沿って第2インシュレータ60の外側に配置されている外周側遮蔽部83aを有する。外周側遮蔽部83aは、前後方向に沿って第4コンタクト70bと重なり、左右方向の端部に位置する第6遮蔽部82aと連結するように左右方向に延在する。
【0081】
図12に示すとおり、第1部材80aの第5遮蔽部81a、第6遮蔽部82a、及び外周側遮蔽部83aは、一体的にコ字状に形成されている。一対の第1部材80aは、全ての第3コンタクト70a及び第4コンタクト70bを外側から囲む。
【0082】
第1部材80aは、第5遮蔽部81a、第6遮蔽部82a、及び外周側遮蔽部83aの各所に凹設されている係止部84aを有する。第1部材80aは、第5遮蔽部81aの下端部から左右方向の内側にL字状に延出し、前後方向に延在する第1実装部85aを有する。第1部材80aは、第1部材80aの2つの角部において下方に直線状に延出する第2実装部86aを有する。第1部材80aは、第6遮蔽部82a及び外周側遮蔽部83aの下端部から前後方向の外側にL字状に延出し、左右方向に延在する第3実装部87aを有する。
【0083】
図8及び図9にも示すとおり、第1部材80aは、第2インシュレータ60の第2遮蔽部材保持部64に係止部84aが係止することにより、第2インシュレータ60に対して保持されている。図9にも示すとおり、第1部材80aが第2インシュレータ60に保持されると、第1部材80aの第1実装部85a、第2実装部86a、及び第3実装部87aは、第2インシュレータ60の下面よりも下方に位置する。
【0084】
第1部材80aの第5遮蔽部81aは、第5遮蔽部81aの左右方向の内面において凹設されている3つの第1接触部88aを有する。第1部材80aの第6遮蔽部82aは、第6遮蔽部82aの前後方向の内面において凹設されている1つの第2接触部89aを有する。
【0085】
以上のような構造の第2コネクタ50では、回路基板CB2の実装面に形成された回路パターンに対して、第3コンタクト70aの実装部71aがはんだ付けされる。当該実装面に形成された回路パターンに対して、第4コンタクト70bの実装部71bがはんだ付けされる。当該実装面に形成された接地パターンに対して、第1部材80aの第1実装部85a、第2実装部86a、及び第3実装部87a、並びに第2部材80bの実装部81bがはんだ付けされる。
【0086】
例えば、図12に示すとおり、一対の第3コンタクト70aの実装部71aのそれぞれは、独立した一の回路パターンP4に対してはんだ付けされる。例えば、4つの第4コンタクト70bの実装部71bのそれぞれは、独立した一の回路パターンP5に対してはんだ付けされる。例えば、第1部材80aの第1実装部85a、第2実装部86a、及び第3実装部87a、並びに第2部材80bの実装部81bは、一体的に形成されている一の接地パターンP6に対してはんだ付けされる。これにより、2つの第1部材80a及び2つの第2部材80bは、電気的に1つの遮蔽部材としてみなすことが可能である。以上により、第2コネクタ50は、回路基板CB2に対して実装される。回路基板CB2の実装面には、例えば、CPU(Central Processing Unit)、コントローラ、又はメモリ等の第2コネクタ50とは別の電子部品が実装される。
【0087】
図15乃至図18を参照しながら、第1コネクタ10と第2コネクタ50とが接続し、第1インシュレータ20と第2インシュレータ60とが嵌合する嵌合状態でのコネクタ1の構成について主に説明する。
【0088】
例えば、図3に示す第1コネクタ10の上下方向の向きを逆にした状態で、第1コネクタ10と第2コネクタ50との前後位置及び左右位置を略一致させながら、互いを上下方向に対向させる。そして、第1コネクタ10を下方に移動させる。これにより、第1コネクタ10と第2コネクタ50とが互いに接続され、コネクタ1の接続状態が得られる。このとき、第1インシュレータ20の嵌合凹部223と第2インシュレータ60の嵌合凸部632とが互いに嵌合する。
【0089】
図15は、第1インシュレータ20及び第2インシュレータ60のみを非表示にした状態で図1のコネクタ1を上面視で示した斜視図である。図16は、図15のXVI-XVI矢線に沿った断面図である。
【0090】
図16に示すとおり、嵌合状態において、第1遮蔽部材40の第2部材40bが有する第1遮蔽部42bと、第2遮蔽部材80の第2部材80bが有する第4遮蔽部82bと、は互いに接触する。より具体的には、第1遮蔽部42bに突設されている接触部45bが、第4遮蔽部82bに凹設されている接触部85bと係合する。
【0091】
同様に、嵌合状態において、第1遮蔽部材40の第1部材40aが有する第2遮蔽部42aと、第2遮蔽部材80の第1部材80aが有する第5遮蔽部81aと、は互いに接触する。より具体的には、第2遮蔽部42aに突設されている第1接触部48aが、第5遮蔽部81aに凹設されている第1接触部88aと係合する。
【0092】
嵌合状態では、互いに接触している第1遮蔽部42b及び第4遮蔽部82bは、左右方向において、互いに接触している接触部34a及び弾性接触部73aに対して内側に配置されている。互いに接触している第2遮蔽部42a及び第5遮蔽部81aは、左右方向において、互いに接触している接触部34a及び弾性接触部73aに対して外側に配置されている。以上のように、互いに接触している接触部34a及び弾性接触部73aは、左右方向における両側から第1遮蔽部42b及び第4遮蔽部82b、並びに第2遮蔽部42a及び第5遮蔽部81aによってそれぞれ遮蔽されている。互いに接触している接触部34a及び弾性接触部73aは、左右方向における両側のそれぞれにおいて、遮蔽部の二重構造により遮蔽されている。
【0093】
図17は、図15のXVII-XVII矢線に沿った断面図である。
【0094】
図17に示すとおり、嵌合状態において、第1コンタクト30aの接触部34aと第3コンタクト70aの弾性接触部73aとが接触し、ばね弾性を有する弾性接触部73aが前後方向の外側に弾性変形する。第1コンタクト30aと第3コンタクト70aとは、接触部34a及び弾性接触部73aによって前後両側の2箇所で接触する。
【0095】
嵌合状態において、第1遮蔽部材40の第1部材40aが有する第3遮蔽部43aと、第2遮蔽部材80の第1部材80aが有する第6遮蔽部82aと、は互いに接触する。より具体的には、第3遮蔽部43aに突設されている第2接触部49aが、第6遮蔽部82aに凹設されている第2接触部89aと係合する。
【0096】
嵌合状態では、互いに接触している第3遮蔽部43a及び第6遮蔽部82aは、前後方向において、互いに接触している接触部34a及び弾性接触部73aに対し両側に配置されている。このように、互いに接触している接触部34a及び弾性接触部73aは、前後方向における両側から第3遮蔽部43a及び第6遮蔽部82aによって遮蔽されている。互いに接触している接触部34a及び弾性接触部73aは、前後方向における両側のそれぞれにおいて、遮蔽部の二重構造により遮蔽されている。
【0097】
図18は、図15のXVIII-XVIII矢線に沿った断面図である。
【0098】
図18に示すとおり、嵌合状態において、第2コンタクト30bの突起35bが下方に移動しながら第4コンタクト70bの接触部75bを乗り越えて、第2コンタクト30bの接触部32bと第4コンタクト70bの接触部75bとが接触する。このとき、ばね弾性を有する弾性接触部74bが前後方向の内側に弾性変形する。同様に、第2コンタクト30bの接触部34bと第4コンタクト70bの接触部76bとは、互いに接触している。第2コンタクト30bと第4コンタクト70bとは、接触部32b及び接触部75bによって、並びに接触部34b及び接触部76bによって2箇所で接触する。
【0099】
嵌合状態において、第1遮蔽部材40の第1部材40aが有する外周側遮蔽部44aと、第2遮蔽部材80の第1部材80aが有する外周側遮蔽部83aとは、前後方向において互いに重なる。より具体的には、外周側遮蔽部44aは、外周側遮蔽部83aよりも前後方向の内側において、外周側遮蔽部83aに対し左右方向に沿って平行となるように配置されている。
【0100】
嵌合状態では、前後方向において互いに重なっている外周側遮蔽部44a及び外周側遮蔽部83aは、互いに接触している接触部32b及び接触部75b、並びに互いに接触している接触部34b及び接触部76bに対し前後方向の外側に配置されている。このように、第2コンタクト30b及び第4コンタクト70bの2箇所の接触部分は、前後方向の外側から外周側遮蔽部44a及び外周側遮蔽部83aによって遮蔽されている。第2コンタクト30b及び第4コンタクト70bの2箇所の接触部分は、前後方向の外側において、遮蔽部の二重構造により遮蔽されている。
【0101】
以上のような一実施形態に係る第1コネクタ10によれば、第1コンタクト30a及び第2コンタクト30bが取り付けられている第1インシュレータ20の強度が向上する。例えば、第1インシュレータ20が第1取付部21及び第2取付部22を有し、互いに離間して配置されている第1コンタクト30a及び第2コンタクト30bに対してそれぞれ第1壁部213及び第2壁部222bが設けられていることで、第1インシュレータ20の強度が向上する。特に、左右方向の曲げモーメントに対する強度が向上する。これにより、第1コネクタ10としての強度も向上し、第2コネクタ50との嵌合時及び嵌合状態において第1コネクタ10の破損が抑制される。したがって、第1コネクタ10の製品としての信頼性が向上する。
【0102】
第1インシュレータ20において、第1コンタクト30aに対し設けられている第1壁部213及び第2コンタクト30bに対し設けられている第2壁部222bが互いに離間していることで、これらの壁部が一体的に形成されているような場合と比較して、第1インシュレータ20における壁部の設計の自由度が向上する。したがって、電子機器に対する軽薄短小化の要求に合わせて、第1インシュレータ20を小型化することも可能である。結果として、第1コネクタ10が小型化可能である。加えて、第1コンタクト30a及び第2コンタクト30b同士を小型化された第1コネクタ10内で最適に配置できると同時に、小型化及び低背化に対応した第1コネクタ10に強度を持たせることができる。
【0103】
第1インシュレータ20に対して、互いに異なる種類の第1コンタクト30a及び第2コンタクト30bが取り付けられていることで、第1コネクタ10は、異なる種類の回路に接続可能である。したがって、電子機器に対する多機能化の要求に合わせて、第1コネクタ10が複数の機能を有することも可能である。
【0104】
第1コネクタ10が実装される回路基板CB1を基準とした第1壁部213の高さH1が、回路基板CB1を基準とした第2壁部222bの高さH2と同一であることで、例えば、第1壁部213が第2壁部222bよりも低いリブとして形成されているような場合と比較して、第1取付部21の強度が向上する。したがって、第1インシュレータ20の強度、及び第1コネクタ10としての強度も向上する。また、第1コネクタ10の左右方向に対する曲げモーメント及び第1コネクタ10の主面に対するねじれ力が加わっても、第1取付部21と第2取付部22との接続部が平坦であるため、ノッチ効果による破断の起点になりにくい。
【0105】
第1壁部213が、第1コンタクト30aを左右方向に挟んだ状態で、第1取付部21における第2取付部22側の一端部から左右方向における反対側の他端部まで直線状に形成されていることで、第1壁部213の強度が向上する。したがって、第1インシュレータ20の強度、及び第1コネクタ10としての強度も向上する。
【0106】
第1遮蔽部材40が第1遮蔽部42bを有することで、ノイズ遮蔽効果が向上する。近年、電子機器では情報量の増加又は通信速度の高速化による高周波化が著しく進んでおり、機器内のノイズ対策が重要な課題となっている。一方で、近年の電子機器は小型化が進んでおり、電子機器内に実装されるコネクタ自体にも低背化をはじめとする小型化が要求される。そこで、小型化したコネクタにおいても、コネクタ端子の強度を確保しつつ、十分なノイズ遮蔽効果を得ることが要求される。一実施形態に係る第1コネクタ10は、このような要求も満たすことが可能である。
【0107】
例えば、第1遮蔽部42bは、第1コンタクト30aよりも左右方向の内側に配置され、左右方向に沿って第1コンタクト30aと重なるように前後方向に延在することで、第1コンタクト30aを左右方向の内側から遮蔽する。これにより、第1コンタクト30aが第2コンタクト30b群に対して遮蔽され、第1コンタクト30aに対する第2コンタクト30b群からのノイズの流入、及び第1コンタクト30aから第2コンタクト30b群へのノイズの流出が効果的に抑制される。結果として、例えば高速伝送においても、高周波信号に対する良好な伝送特性を得ることが可能となる。
【0108】
第1遮蔽部材40が第2遮蔽部42aを有することで、ノイズ遮蔽効果が向上する。例えば、第2遮蔽部42aは、第1コンタクト30aよりも左右方向の外側に配置され、左右方向に沿って第1コンタクト30aと重なるように前後方向に延在することで、第1コンタクト30aを左右方向の外側から遮蔽する。これにより、第1コンタクト30aが左右方向の外部に対して遮蔽され、第1コンタクト30aに対する外部からのノイズの流入、及び第1コンタクト30aから外部へのノイズの流出が効果的に抑制される。結果として、例えば高速伝送においても、高周波信号に対する良好な伝送特性を得ることが可能となる。
【0109】
第1遮蔽部材40が第3遮蔽部43aを有することで、ノイズ遮蔽効果が向上する。例えば、第3遮蔽部43aは、第1コンタクト30aに対して前後方向の両側に配置され、前後方向に沿って第1コンタクト30aと重なるように左右方向に延在することで、第1コンタクト30aを前後方向の両側から遮蔽する。これにより、第1コンタクト30aが前後方向の外部に対して遮蔽され、第1コンタクト30aに対する外部からのノイズの流入、及び第1コンタクト30aから外部へのノイズの流出が効果的に抑制される。結果として、例えば高速伝送においても、高周波信号に対する良好な伝送特性を得ることが可能となる。
【0110】
第1遮蔽部材40が第1遮蔽部42b、第2遮蔽部42a、及び第3遮蔽部43aを有することで、第1コンタクト30aが4方向から遮蔽され、第1コンタクト30aに対するノイズの流入、及び第1コンタクト30aからのノイズの流出がより効果的に抑制される。結果として、例えば高速伝送においても、高周波信号に対するより良好な伝送特性を得ることが可能となる。
【0111】
第1遮蔽部材40が外周側遮蔽部44aを有することで、ノイズ遮蔽効果が向上する。例えば、外周側遮蔽部44aは、第2コンタクト30bよりも前後方向の外側に配置され、前後方向に沿って第2コンタクト30bと重なるように左右方向に延在することで、第2コンタクト30bを前後方向の外側から遮蔽する。これにより、第2コンタクト30bが前後方向の外部に対して遮蔽され、第2コンタクト30bに対する外部からのノイズの流入、及び第2コンタクト30bから外部へのノイズの流出が効果的に抑制される。結果として、例えば高速伝送においても、高周波信号に対する良好な伝送特性を得ることが可能となる。
【0112】
第1壁部213の短手方向の位置が、第2取付部22における短手方向の中央部の位置と同一であることで、第1インシュレータ20を短手方向に対称的に、かつ幅を縮めて形成することが可能である。したがって、第1インシュレータ20の省面積化が実現され、第1コネクタ10の小型化が可能である。例えば、高速伝送に対応した近年の通信端末では、通信電波の指向性により、アンテナを配置する箇所及び方向が増加しているので、省スペース化のために通信端末に内蔵されるコネクタの小型化が要求されている。一実施形態に係る第1コネクタ10は、このような要求も満たすことが可能である。
【0113】
また、第1壁部213が短手方向の中央部にあること、つまり短手方向に線対称になっていることにより、第1壁部213に位置決めされて取り付けられた第1コンタクト30aから放出された磁界によるリターンパスが対称的に形成される。そのため、リターンパスの流れが均一になりコモンモードノイズが発生しにくくなり、高周波信号に対する伝送特性が向上する。
【0114】
第1コネクタ10が、互いに異なる種類の第1コンタクト30a及び第2コンタクト30bを有することで、第1コネクタ10は、回路基板CB1と回路基板CB2との間で様々な種類の信号を伝送可能である。複数の第2コンタクト30bは、第1インシュレータ20の第2取付部22に配置されていることで、第1取付部21に配置されている第1コンタクト30aと離間する。第2コンタクト30bを第1コネクタ10内で第1コンタクト30aから離間させることができるので、第2コンタクト30bは、独立した遮蔽部材を用いて遮蔽することができる。このとき、遮蔽部材を設けるのに十分なスペースを確保することができるので第2コンタクト30bを多方向から遮蔽することができる。
【0115】
第1コンタクト30aが、RF信号の伝送に用いられるコンタクトを含み、第2コンタクト30bが、RF信号以外の他の信号の伝送に用いられるコンタクトを含み、高周波通信用の第1コンタクト30aと他の用途の第2コンタクト30bとを第1遮蔽部42bを介して離間させることで、高周波通信用のRF信号に起因するノイズが遮蔽可能である。より具体的には、第1コンタクト30aから第2コンタクト30bへの当該ノイズの流出が効果的に抑制される。結果として、例えば高速伝送においても、高周波信号に対する良好な伝送特性を得ることが可能となる。
【0116】
以上の第1コネクタ10に関する効果の説明は、第1コネクタ10と同様の構成を有する第2コネクタ50の対応する構成部に対しても当てはまる。一実施形態に係る第2コネクタ50も、上記の第1コネクタ10に関する効果と同様の効果を奏する。加えて、第1コネクタ10及び第2コネクタ50を有する一実施形態に係るコネクタ1も、上記の第1コネクタ10に関する効果と同様の効果を奏する。
【0117】
加えて、一実施形態に係るコネクタ1では、嵌合状態において、互いに接触している接触部34a及び弾性接触部73aは、左右方向における内側において、互いに接触している第1遮蔽部42b及び第4遮蔽部82bの二重構造により遮蔽されている。したがって、ノイズ遮蔽効果が向上する。結果として、例えば高速伝送においても、高周波信号に対する良好な伝送特性を得ることが可能となる。
【0118】
嵌合状態において、第1遮蔽部42bと第4遮蔽部82bとが互いに接触することで、例えば接地パターンに基づいて回路基板CB1と回路基板CB2との間を流れる信号の伝送距離が短縮される。第1遮蔽部42b及び第4遮蔽部82bが互いに接触しているので、第2部材40bの実装部41bと第2部材80bの実装部81bとの間の距離が短くなりさらに十分なノイズ遮蔽効果を得ることができる。したがって、例えば高速伝送においても、高周波信号に対する良好な伝送特性を得ることが可能となる。
【0119】
嵌合状態において、互いに接触している接触部34a及び弾性接触部73aは、左右方向における外側において、互いに接触している第2遮蔽部42a及び第5遮蔽部81aの二重構造により遮蔽されている。したがって、ノイズ遮蔽効果が向上する。結果として、例えば高速伝送においても、高周波信号に対する良好な伝送特性を得ることが可能となる。
【0120】
嵌合状態において、互いに接触している接触部34a及び弾性接触部73aは、前後方向における両側のそれぞれにおいて、互いに接触している第3遮蔽部43a及び第6遮蔽部82aの二重構造により遮蔽されている。したがって、ノイズ遮蔽効果が向上する。結果として、例えば高速伝送においても、高周波信号に対する良好な伝送特性を得ることが可能となる。
【0121】
嵌合状態において、互いに接触している接触部34a及び弾性接触部73aは、前後左右の4方向のそれぞれから遮蔽部の二重構造によって遮蔽されている。したがって、第1コンタクト30a及び第3コンタクト70aに対するノイズの流入、及び第1コンタクト30a及び第3コンタクト70aからのノイズの流出がより効果的に抑制される。結果として、例えば高速伝送においても、高周波信号に対するより良好な伝送特性を得ることが可能となる。
【0122】
嵌合状態において、第2コンタクト30b及び第4コンタクト70bの2箇所の接触部分は、前後方向の外側において、互いに重なっている外周側遮蔽部44a及び外周側遮蔽部83aの二重構造により遮蔽されている。したがって、ノイズ遮蔽効果が向上する。例えば、第2コンタクト30b及び第4コンタクト70bに対する外部からのノイズの流入、及び第2コンタクト30b及び第4コンタクト70bから外部へのノイズの流出がより効果的に抑制される。結果として、例えば高速伝送においても、高周波信号に対するより良好な伝送特性を得ることが可能となる。
【0123】
本開示は、その精神又はその本質的な特徴から離れることなく、上述した実施形態以外の他の所定の形態で実現できることは当業者にとって明白である。したがって、先の記述は例示的であり、これに限定されない。開示の範囲は、先の記述によってではなく、付加した請求項によって定義される。あらゆる変更のうちその均等の範囲内にあるいくつかの変更は、その中に包含されるとする。
【0124】
例えば、上述した各構成部の形状、配置、向き、及び個数は、上記の説明及び図面における図示の内容に限定されない。各構成部の形状、配置、向き、及び個数は、その機能を実現できるのであれば、任意に構成されてもよい。
【0125】
上述した第1コネクタ10及び第2コネクタ50の組立方法は、上記の説明の内容に限定されない。第1コネクタ10及び第2コネクタ50の組立方法は、それぞれの機能が発揮されるように組み立てることができるのであれば、任意の方法であってもよい。例えば、第1コネクタ10において、第1コンタクト30a及び第1遮蔽部材40の少なくとも一方が圧入ではなくインサート成形により第1インシュレータ20と一体的に成形されてもよい。例えば、第1コネクタ10において、第2コンタクト30bがインサート成形ではなく圧入により第1インシュレータ20に取り付けられていてもよい。例えば、第2コネクタ50において、第3コンタクト70a、第4コンタクト70b、及び第2遮蔽部材80の少なくとも1つが圧入ではなくインサート成形により第2インシュレータ60と一体的に成形されてもよい。
【0126】
上記実施形態では、第2コンタクト30bは、第1コンタクト30aと異なると説明したが、これに限定されない。第2コンタクト30bは、第1コンタクト30aと同一であってもよい。第1コネクタ10は、第1コンタクト30a及び第2コンタクト30bを介して同一の回路に接続されてもよいし、異なる種類の回路に接続されてもよい。
【0127】
上記実施形態では、第1壁部213の高さH1は、第2壁部222bの高さH2と同一であると説明したが、これに限定されない。第1壁部213の高さH1は、第2壁部222bの高さH2と異なっていてもよい。例えば、第1壁部213は、第2壁部222bよりも一段低くてもよい。
【0128】
上記実施形態では、第1壁部213は、第1コンタクト30aを左右方向に挟んだ状態で、第1取付部21における第2取付部22側の一端部から左右方向における反対側の他端部まで直線状に形成されていると説明したが、これに限定されない。第1壁部213は、第1取付部21における第2取付部22側の一端部から左右方向における反対側の他端部まで直線状に連続して形成されていてもよい。第1壁部213は、一端部から他端部までの一部において直線状に形成されていてもよいし、そもそも直線状に形成されていなくてもよい。第1壁部213は、第2インシュレータ60の第3壁部621のように、前後方向に互いに離間する一対の壁によって構成されていてもよい。
【0129】
上記実施形態では、第1コネクタ10は第1遮蔽部材40を有すると説明したが、これに限定されない。第1コネクタ10は、第1遮蔽部材40を有さなくてもよい。
【0130】
上記実施形態では、第1遮蔽部材40は、第1遮蔽部42b、第2遮蔽部42a、第3遮蔽部43a、及び外周側遮蔽部44aを有すると説明したが、これに限定されない。第1遮蔽部材40は、第1遮蔽部42b、第2遮蔽部42a、第3遮蔽部43a、及び外周側遮蔽部44aの少なくとも1つを有していてもよい。
【0131】
上記実施形態では、第1遮蔽部材40は、前後方向の両側に第3遮蔽部43aを有すると説明したが、これに限定されない。第1遮蔽部材40は、片側にのみ第3遮蔽部43aを有していてもよい。
【0132】
上記実施形態では、第1遮蔽部材40は、第1部材40a及び第2部材40bを有すると説明したが、これに限定されない。第1遮蔽部材40は、2つの部材に分離せずに、一の部材として一体的に形成されていてもよい。
【0133】
上記実施形態では、第1方向は、第1コネクタ10の長手方向であり、第2方向は、第1コネクタ10の短手方向であると説明したが、これに限定されない。第1方向が第1コネクタ10の短手方向であり、第2方向が第1コネクタ10の長手方向であってもよい。
【0134】
上記実施形態では、第1壁部213の短手方向の位置は、第2取付部22における短手方向の中央部の位置と同一であると説明したが、これに限定されない。第1壁部213の短手方向の位置は、第2取付部22における短手方向の中央部以外の位置と同一であってもよい。
【0135】
上記実施形態では、第1遮蔽部材40の第2部材40bは、切欠部43bを有すると説明したが、これに限定されない。第2部材40bは切欠部43bを有さなくてもよい。このとき、第1遮蔽部42bは、一の平板として前後方向に連続的に形成されていてもよい。これにより、ノイズ遮蔽効果がさらに向上する。
【0136】
上記実施形態では、例えば図7に示すとおり、第1部材40aの基部41aに対して第2遮蔽部42a及び第3遮蔽部43aが連結していると説明したが、これに限定されない。第1部材40aは、第2遮蔽部42a及び第3遮蔽部43aに加えて、上下方向に沿って基部41aの前後方向の内側から延出し、前後方向において、第1コンタクト30aに対し両側に配置される延出部を有してもよい。これにより、ノイズ遮蔽効果がさらに向上する。このような延出部は、前後方向に沿って弾性変形可能なようにばね弾性を有してもよい。このような延出部は、嵌合状態において第2遮蔽部材80の任意の構成部と接触してもよい。
【0137】
以上の第1コネクタ10に関する変形例の説明は、第1コネクタ10と同様の構成を有する第2コネクタ50の対応する構成部に対しても当てはまる。一実施形態に係る第2コネクタ50も、上記の第1コネクタ10に関する変形例と同様の変形例によって構成可能である。加えて、第1コネクタ10及び第2コネクタ50を有する一実施形態に係るコネクタ1も、上記の第1コネクタ10に関する変形例と同様の変形例によって構成可能である。
【0138】
上記実施形態では、第2インシュレータ60の第3壁部621は、前後方向に互いに離間する一対の前壁621a及び後壁621bを含むと説明したが、これに限定されない。第3壁部621は、第1壁部213と同様に、第3コンタクト70aを左右方向に挟んだ状態で、第3取付部62における第4取付部63側の一端部から左右方向における反対側の他端部まで直線状に形成されていてもよい。第3壁部621は、第3取付部62における第4取付部63側の一端部から左右方向における反対側の他端部まで直線状に連続して形成されていてもよい。第3壁部621は、一端部から他端部までの一部において直線状に形成されていてもよいし、そもそも直線状に形成されていなくてもよい。
【0139】
上記実施形態では、例えば図8に示すとおり、第2インシュレータ60の嵌合凸部632は全体的に露出しているが、これに限定されない。例えば、第2インシュレータ60の嵌合凸部632は、嵌合凸部632の外形に適合し、かつ左右方向に延在する金属材料の任意の部材によって上方から覆われていてもよい。このような部材は、嵌合凸部632の左端から右端まで左右方向に連続して延在していてもよいし、例えば嵌合凸部632の中央部分で左右方向に分離していてもよい。これにより、嵌合凸部632の強度が向上し、結果として第2インシュレータ60の強度も向上する。
【0140】
上記実施形態では、第1遮蔽部42bと第4遮蔽部82bとは、嵌合状態において互いに接触すると説明したが、これに限定されない。第1遮蔽部42bと第4遮蔽部82bとは嵌合状態において互いに接触していなくてもよい。
【0141】
上記実施形態では、第2遮蔽部42aと第5遮蔽部81aとは、嵌合状態において互いに接触すると説明したが、これに限定されない。第2遮蔽部42aと第5遮蔽部81aとは嵌合状態において互いに接触していなくてもよい。
【0142】
上記実施形態では、第3遮蔽部43aと第6遮蔽部82aとは、嵌合状態において互いに接触すると説明したが、これに限定されない。第3遮蔽部43aと第6遮蔽部82aとは嵌合状態において互いに接触していなくてもよい。
【0143】
上記実施形態における各実装部の実装パターンは、上記の説明内容に限定されない。各実装部は、対応する回路基板の実装面において任意の実装パターンで実装されていてもよい。
【0144】
以上のようなコネクタ1、第1コネクタ10、又は第2コネクタ50は、回路基板CB1及び回路基板CB2を含んだ電子機器に搭載される。電子機器は、例えば、スマートフォン等の任意の通信端末機器、パーソナルコンピュータ、コピー機、プリンタ、ファクシミリ、及び複合機等の任意の情報処理機器を含む。その他、電子機器は、任意の産業機器を含む。
【0145】
このような電子機器では、コネクタ1において、コンタクトが複数取り付けられているインシュレータの強度が向上する。したがって、コネクタ1の強度が向上し、コネクタ1の破損が抑制される。結果として、電子機器の製品としての信頼性が向上する。加えて、このような電子機器では、コネクタ1において、良好なノイズ遮蔽効果が得られる。このような電子機器は、信号伝送における良好な伝送特性を有する。したがって、電子機器の製品としての信頼性が向上する。
【符号の説明】
【0146】
1 コネクタ(コネクタモジュール)
10 第1コネクタ(コネクタ)
20 第1インシュレータ(インシュレータ)
21 第1取付部
211 底板部
212 外周壁
212a 第1壁
212b 第2壁
213 第1壁部
214 第1コンタクト保持溝
22 第2取付部
221 底板部
222 外周壁
222a 短手壁
222b 長手壁(第2壁部)
223 嵌合凹部
224 第2コンタクト保持溝
225 第1遮蔽部材保持溝
30a 第1コンタクト
30b 第2コンタクト
31a 実装部
31b 実装部
32a 接続部
32b 接触部
33a 湾曲部
33b 湾曲部
34a 接触部
34b 接触部
35a 係止部
35b 突起
40 第1遮蔽部材(遮蔽部材)
40a 第1部材
40b 第2部材
41a 基部
41b 実装部
42a 第2遮蔽部
42b 第1遮蔽部
43a 第3遮蔽部
43b 切欠部
44a 外周側遮蔽部
44b 係止部
45a 係止部
45b 接触部
46a 第1実装部
47a 第2実装部
48a 第1接触部
49a 第2接触部
50 第2コネクタ(コネクタ)
60 第2インシュレータ(インシュレータ)
61 底板部
62 第3取付部(第1取付部)
621 第3壁部(第1壁部)
621a 前壁
621b 後壁
622 第3コンタクト保持溝
63 第4取付部(第2取付部)
631 第4壁部(第2壁部)
631a 前壁
631b 後壁
632 嵌合凸部
633 第4コンタクト保持溝
634 第2遮蔽部材保持溝
64 第2遮蔽部材保持部
70a 第3コンタクト(第1コンタクト)
70b 第4コンタクト(第2コンタクト)
71a 実装部
71b 実装部
72a 係止部
72b 係止部
73a 弾性接触部
73b 湾曲部
74b 弾性接触部
75b 接触部
76b 接触部
80 第2遮蔽部材(遮蔽部材)
80a 第1部材
80b 第2部材
81a 第5遮蔽部(第2遮蔽部)
81b 実装部
82a 第6遮蔽部(第3遮蔽部)
82b 第4遮蔽部(第1遮蔽部)
83a 外周側遮蔽部
83b 切欠部
84a 係止部
84b 係止部
85a 第1実装部
85b 接触部
86a 第2実装部
87a 第3実装部
88a 第1接触部
89a 第2接触部
CB1 回路基板
CB2 回路基板
H1、H2、H3、H4 高さ
P1、P2、P4、P5 回路パターン
P3、P6 接地パターン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2023-09-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コンタクトが取り付けられている第1取付部と、前記第1取付部と連続して形成され、第2コンタクトが取り付けられている第2取付部と、を有するインシュレータを備え、
前記第1取付部は、前記第1コンタクトが取り付けられている第1壁部を有し、
前記第2取付部は、前記第1壁部と離間し、前記第2コンタクトが取り付けられている第2壁部を有し、
前記インシュレータは、前記第1取付部と前記第2取付部との接続部分において連続する、
コネクタ。
【請求項2】
前記第1取付部は、前記コネクタの第1方向の外端に位置するように前記第1方向に沿って前記第2取付部と連続して形成され、
前記第1壁部は、前記第1取付部における前記第2取付部側の一端部から前記第1方向における反対側の他端部まで直線状に形成されている、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第2コンタクトは、前記第1コンタクトと異なる、
請求項1又は2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記インシュレータに取り付けられている遮蔽部材を備え、
前記遮蔽部材は、前記第2取付部における前記第1取付部側の端部に配置され、前記第1コンタクトと重なるように前記コネクタの第1方向と直交する第2方向に延在する第1遮蔽部を有する、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記遮蔽部材は、前記第1コンタクトに対して前記第1遮蔽部と前記第1方向の反対側に配置され、前記第1コンタクトと重なるように前記第2方向に延在する第2遮蔽部を有する、
請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記遮蔽部材は、前記第2方向において、前記第1コンタクトと重なるように前記第1コンタクトに対し両側に配置されている第3遮蔽部を有する、
請求項4又は5に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記遮蔽部材は、前記第3遮蔽部と連結し、前記第2コンタクトと重なるように前記第1方向に沿って前記インシュレータの外側に配置されている外周側遮蔽部を有する、
請求項6に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記第1方向は、前記コネクタの長手方向であり、
前記第2方向は、前記コネクタの短手方向であり、
前記第1壁部の前記短手方向の位置は、前記第2取付部における前記短手方向の中央部の位置と同一である、
請求項4乃至7のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項9】
第1コンタクトと、
第2コンタクトと、
前記第1コンタクトが取り付けられている第1取付部と、前記第1取付部と連続して形成され、前記第2コンタクトが取り付けられている第2取付部と、を有する第1インシュレータと、
を有する第1コネクタと、
前記第1コネクタと接続可能な第2コネクタであって、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとが接続する接続状態で前記第1コンタクトと接触する第3コンタクトと、
前記接続状態で前記第2コンタクトと接触する第4コンタクトと、
前記接続状態で前記第1インシュレータと嵌合し、前記第3コンタクトが取り付けられている第3取付部と、前記第3取付部と連続して形成され、前記第4コンタクトが取り付けられている第4取付部と、を有する第2インシュレータと、
を有する第2コネクタと、
を備え、
前記第1取付部は、前記第1コンタクトが取り付けられている第1壁部を有し、
前記第2取付部は、前記第1壁部と離間し、前記第2コンタクトが取り付けられている第2壁部を有し、
前記第3取付部は、前記第3コンタクトが取り付けられている第3壁部を有し、
前記第4取付部は、前記第3壁部と離間し、前記第4コンタクトが取り付けられている第4壁部を有し、
前記第1インシュレータは、前記第1取付部と前記第2取付部との接続部分において連続する、
コネクタモジュール。
【請求項10】
前記第1コネクタは、前記第1インシュレータに取り付けられている第1遮蔽部材を有し、
前記第2コネクタは、前記第2インシュレータに取り付けられている第2遮蔽部材を有し、
前記第1遮蔽部材は、前記第2取付部における前記第1取付部側の端部に配置され、前記第1コンタクトと重なるように前記コネクタモジュールの第1方向と直交する第2方向に延在する第1遮蔽部を有し、
前記第2遮蔽部材は、前記第4取付部における前記第3取付部側の端部に配置され、前記第3コンタクトと重なるように前記第2方向に延在する第4遮蔽部を有し、
前記接続状態において、前記第1遮蔽部と前記第4遮蔽部とは互いに接触する、
請求項9に記載のコネクタモジュール。
【請求項11】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載のコネクタ、又は請求項9若しくは10に記載のコネクタモジュールを備える電子機器。
【請求項12】
前記第1コンタクトは、RF信号の伝送に用いられるコンタクトを含み、
前記第2コンタクトは、RF信号以外の他の信号の伝送に用いられるコンタクトを含む、
請求項11に記載の電子機器。