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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160965
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/02 20060101AFI20231026BHJP
   D06F 58/22 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
D06F58/02 J
D06F58/02 K
D06F58/22
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023147990
(22)【出願日】2023-09-12
(62)【分割の表示】P 2021147215の分割
【原出願日】2020-10-30
(31)【優先権主張番号】P 2020036197
(32)【優先日】2020-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【弁理士】
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】山本 憲太郎
(72)【発明者】
【氏名】木村 恭介
(72)【発明者】
【氏名】三森 正哉
(57)【要約】
【課題】連通部を清浄に維持可能な洗濯機の提供を目的とした。
【解決手段】洗濯機10は、筐体20と、筐体20内に設けられる水槽30、及び水槽30内に回転可能に設けられる回転槽を含む洗濯槽35と、洗濯槽35の洗濯槽吸気部32に温風を供給する温風供給部70と、洗濯槽35に設けられた洗濯槽排気部34から洗濯槽吸気部32に至る送風経路50と、送風経路50を流れる空気に含まれる異物を捕集するフィルタ装置100と、給水可能な給水部82と、を備え、送風経路50は、洗濯槽排気部34とフィルタ装置100とを連通させる連通部58を有し、連通部58は、給水部82により供給された水を受ける水受部と、水受部に連通した連通部58と、を有し、水受部に設けられた開口部62を介して、水受部と通部58とが連通している。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に設けられる水槽、及び前記水槽内に回転可能に設けられる回転槽を含む洗濯槽と、
前記洗濯槽の洗濯槽吸気部に温風を供給する温風供給部と、
前記洗濯槽に設けられた洗濯槽排気部から洗濯槽吸気部に至る送風経路と、
前記送風経路を流れる空気に含まれる異物を捕集するフィルタ装置と、
給水可能な給水部と、を備え、
前記送風経路は、前記洗濯槽排気部と前記フィルタ装置とを連通させる排気側連通部を有し、
前記排気側連通部は、前記給水部により供給された水を受ける水受部と、前記水受部に連通した連通部と、を有し、
前記水受部に設けられた開口部を介して、前記水受部と前記連通部とが連通していることを特徴とする、洗濯機。
【請求項2】
前記水受部が、前記開口部を囲むように立設された立設部を有することを特徴とする、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記水受部が、前記開口部の周囲における1以上の個所に設けられた溝部を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記給水部が、前記開口部が開口する方向と交差する方向から給水する、請求項1~3のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項5】
前記給水部から給水された水を前記連通部に落として洗浄する運転は、洗濯運転時の洗濯やすすぎのために前記水槽へ給水するタイミングにおいて行うことを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項6】
前記給水部から給水された水を前記連通部に落として洗浄する運転は、乾燥運転後の所定時間内であって排水用の弁を開放したままの状態にしておけるタイミングにおいて行うことを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記特許文献1に開示されている洗濯乾燥機のようなものが提供されている。特許文献1の洗濯乾燥機は、洗濯機筐体内に回転自在に設けられた回転ドラムと、洗濯機筐体外の空気を乾燥用空気として取り入れる吸気口と、吸気口から回転ドラムへ乾燥用空気を送給する吸気経路と、乾燥用空気を加熱するヒータと、乾燥用空気を回転ドラム内へ送風する送風ファンと、洗濯機筐体外に開口する排気口と、回転ドラム内で衣類と熱交換した乾燥用空気を排気口へ送給する排気経路と、ヒータや送風ファンなどを制御する制御部とを備えたものとされている。また、この洗濯乾燥機においては、フィルタ収容室に対して着脱自在に設けられたリントフィルタ装置を有し、これにより循環風路中を流れる空気に含まれている異物を捕集できる構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-051296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、本発明者らが鋭意検討したところ、洗濯槽に設けられた洗濯槽排気部から洗濯槽吸気部に至る送風経路を設け、送風経路において洗濯槽排気部とフィルタ装置とを連通させる連通部を設けた場合において、連通部を清浄に維持できるようにしたいという課題を見いだした。
【0005】
そこで本発明は、連通部を清浄に維持可能な洗濯機の提供を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決すべく提供される本発明の洗濯機は、筐体と、前記筐体内に設けられる水槽、及び前記水槽内に回転可能に設けられる回転槽を含む洗濯槽と、前記洗濯槽の洗濯槽吸気部に温風を供給する温風供給部と、前記洗濯槽に設けられた洗濯槽排気部から洗濯槽吸気部に至る送風経路と、前記送風経路を流れる空気に含まれる異物を捕集するフィルタ装置と、給水可能な給水部と、を備え、前記送風経路は、前記洗濯槽排気部と前記フィルタ装置とを連通させる排気側連通部を有し、前記排気側連通部は、前記給水部により供給された水を受ける水受部と、前記水受部に連通した連通部と、を有し、前記水受部に設けられた開口部を介して、前記水受部と前記連通部とが連通していること、を特徴とするものである。
【0007】
かかる構成によれば、水受部から開口部を介して連通部に水を落とし込み、連通部を洗浄することができる。そのため、上述した構成によれば、連通部を清浄に維持可能な洗濯機を提供できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、連通部を清浄に維持可能な洗濯機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る洗濯機を示す斜視図である。
図2図1に示した洗濯機の分解斜視図である。
図3図1の洗濯機が備える水槽、回転槽、及び送風経路の排気側連通部を示した斜視図である。
図4図3に示した各部材を別の角度から見た状態を示す斜視図である。
図5】送風経路の中間部及び吸気側連通部をなす部分、及びこれに付随するフィルタ装置、温風供給部等を示した斜視図である。
図6図5に示した各部材を別の角度から見た状態を示す斜視図である。
図7図1の洗濯機が備える温風供給部及び周辺部を示した斜視図である。
図8図1の洗濯機が備えるフィルタ装置を示す分解斜視図である。
図9図8のフィルタ装置を構成するフィルタ収容部を拡大して示した斜視図である。
図10図9に示した各部材を別の角度から見た状態を示す斜視図である。
図11図8のフィルタ装置を構成する上流側フィルタ部材を示す斜視図である。
図12図11に示した上流側フィルタ部材を別の角度から見た状態を示す斜視図である。
図13】(a)は図8のフィルタ装置を構成する下流側フィルタを表面側(上流側)から見た状態を示す斜視図、(b)は下流側フィルタを裏面側(下流側)から見た状態を示す斜視図である。
図14】(a)は図1の洗濯機が備える水受部近傍を示した斜視図、(b)は(a)の矢印A方向から見た斜視図、(c)は(a)の矢印B方向から見た斜視図である。
図15図1の洗濯機が備える水受部近傍を示した断面図である。
図16図1の洗濯機を構成する筐体の構成を示す斜視図である。
図17】第一変形例に係る洗濯機の構成を示したブロック図である。
図18】第一変形例に係る洗濯機の動作を示したタイミングチャートである。
図19】第二変形例に係る洗濯機の天面を示した斜視図である。
図20図19の要部を拡大した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る洗濯機10について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明においては、先ず洗濯機10の基本構成について説明し、詳細な説明が必要な部分については、先ず概略構成の説明を行い、さらに説明が必要な部分については概略説明の後に詳述する。なお、以下の説明において、上下左右等の位置関係についての説明は、特に断りのない限り洗濯機10を通常に設置した状態を基準としたものである。
【0011】
≪洗濯機10の概略構成について≫
図1に示すように、洗濯機10は、いわゆるドラム型の洗濯機である。図2図3に示すように、洗濯機10は、筐体20、水槽30及び回転槽40を含む洗濯槽35、送風経路50、温風供給部70、給排水部80、フィルタ装置100等を備えている。洗濯機10は、給排水部80により水槽30及び回転槽40の内部に水を供給し、回転槽40を回転させることにより、回転槽40の中に投入された洗濯物の洗濯やすすぎを行う運転(洗濯運転)を行うことができる。また、水槽30及び回転槽40から水を抜いた状態で回転槽40を水槽30の内部で回転させることにより、洗濯物の脱水を行う運転(脱水運転)を行うこともできる。さらに、洗濯機10は、温風供給部70を作動させることにより、水槽30に接続された送風経路50を介して温風を循環させ、回転槽40内の洗濯物を乾燥する運転(乾燥運転)を行うこともできる。以下、洗濯機10の基本的構成について、具体的に説明する。
【0012】
図2図3に示すように、筐体20は、洗濯機10を構成する水槽30や、回転槽40、送風経路50、温風供給部70、給排水部80、フィルタ装置100等を収容するものである。筐体20は、正面20a、背面20b、左側面20c、右側面20d、天面20e、及び底面20fを有し、上下方向に長い略直方体状の形状とされている。
【0013】
図1に示すように、筐体20は、正面20aに扉22を有する。扉22は、例えば図示例のように正面視で略円形のものとすることができる。また、扉22は、例えば正面20aから見て側方(図示例では左側)の端部に設けたヒンジによって、開閉可能なように支持されている。また、扉22は、ヒンジとは反対側にロック機構を備えている。また、筐体20は、正面20a側であって天面20e側の位置に操作パネル部24を有する。操作パネル部24は、扉22の上方に位置している。操作パネル部24には、電源スイッチ、洗濯モード等を選択するためのスイッチ、表示部等が設けられている。
【0014】
図2図4に示すように、洗濯槽35は、水槽30及びこれに収容される回転槽40を有し、水槽30の内部に回転槽40を収容したものである。水槽30は、円筒形で有底のものであり、ダンパーなどのサスペンション構造によって筐体20内に収容され、支持されている。水槽30は、筐体20の正面20aに設けられた扉22に対応する位置において開口するように配置されている。水槽30は、後に詳述する給排水部80に対して配管接続されている。これにより、水槽30は、外部から供給された水を内部に貯留したり、内部にある水を外部に排出したりすることができる。また、水槽30は、洗濯槽吸気部32及び洗濯槽排気部34を有する。
【0015】
洗濯槽吸気部32は、水槽30において正面20a側の位置に設けられている。本実施形態では、水槽30が、正面20a側にガスケット36を有するものとされており、このガスケット36に洗濯槽吸気部32が設けられている。また、洗濯槽排気部34は、水槽30において背面20b側の位置に設けられている。また、水槽30は、洗濯槽吸気部32及び洗濯槽排気部34を介して、後に詳述する送風経路50に対して接続されている。これにより、水槽30は、送風経路50を流れる空気を正面20a側の洗濯槽吸気部32から導入し、背面20b側の洗濯槽排気部34から排出することができる。なお、洗濯槽吸気部32は、ガスケット36に設けることで、回転槽40に吸気する構成を一例として説明したが、洗濯槽吸気部32を介して回転槽40内に吹き込む構成であってもよい。
【0016】
回転槽40は、水槽30の内部において回転可能なように収容された槽である。回転槽40は、円筒形で有底のものである。回転槽40は、水槽30と同様に、筐体20の正面20aに設けられた扉22に対応する位置において開口するように配置されている。そのため、洗濯機10は、扉22を開くことにより、回転槽40に対して洗濯物を出し入れ可能とされている。回転槽40は、水槽30の後部に配設されたモータ等の駆動機(図示せず)によって回転駆動可能とされている。回転槽40は、内外を連通する開口が周部に複数設けられている。そのため、洗濯機10は、水槽30に水を貯留することにより、回転槽40の内部にも水を導入することができる。また、洗濯機10は、水槽30から水を排水することにより、回転槽40からも水を排出することができる。
【0017】
図2図3に示すように、送風経路50は、水槽30の外部において、水槽30の洗濯槽排気部34から洗濯槽吸気部32に至る送風用の経路をなすものである。すなわち、図3図5、及び図6において破線による矢印で示すように、送風経路50は、水槽30の洗濯槽排気部34を上流側とし、これよりも気流の流れ方向下流側にある水槽30の洗濯槽吸気部32まで気流を到達させるための経路である。送風経路50を介して送風することにより、水槽30の内部に、正面側から背面側に向かう気流を発生させることができる。送風経路50は、水槽30の外側における気流の流れ方向上流側(洗濯槽排気部34側)から下流側(洗濯槽吸気部32側)に向けて、排気側連通部52(連通部)、中間部54、吸気側連通部56の3つの部位に大別することができる。
【0018】
排気側連通部52は、水槽30の洗濯槽排気部34に対して連通する部分である。排気側連通部52は、連通部58及び水受部60を有する。連通部58は、水槽30に対して背面20b側において立ち上がるように形成された通路である。連通部58は、一端側(下端側)において洗濯槽排気部34に接続されている。これにより、連通部58は、洗濯槽排気部34から排出された空気を、下方から上方に向かう方向に流すことができる。また、連通部58の他端側は、水受部60に接続されている。水受部60は、後に詳述する給水部82により供給された水を受け入れると共に、受け入れた水を連通部58に落とし込むことにより、連通部58の内周面を洗浄するためのものである。
【0019】
中間部54は、送風経路50において、水槽30の洗濯槽排気部34を上流側とし、水槽30の洗濯槽吸気部32まで流れる気流の流れ方向中間部に位置している。すなわち、中間部54は、送風経路50において、水槽30の洗濯槽排気部34に繋がる排気側連通部52よりも送風経路50における気流の流れ方向下流側に位置する部分である。中間部54は、水槽30に対して天面20e側に存在している。中間部54は、筐体20の背面20b側から正面20a側に向けて延びるように配置されている。中間部54には、後に詳述するフィルタ装置100が配置される。これにより、送風経路50を通過する空気中に含まれているリント等の異物を除去可能とされている。また、中間部54は、フィルタ装置100に設けられた外気導入部140や内気排出部130を介して、送風経路50に外気を導入したり、送風経路50を流れる空気を排出させたりすることができる。
【0020】
吸気側連通部56は、送風経路50において、水槽30の洗濯槽排気部34を上流側とし、水槽30の洗濯槽吸気部32まで流れる気流の流れ方向下流側に位置している。すなわち、吸気側連通部56は、送風経路50において、中間部54に対して下流側に連なり、水槽30の洗濯槽吸気部32に繋がる部分である。吸気側連通部56は、中間部54と同様に水槽30に対して天面20e側に存在している。吸気側連通部56には、後に詳述する温風供給部70が配置される。これにより、中間部54においてフィルタ装置100により異物が除去された空気を、温風供給部70によって加熱することができる。吸気側連通部56は、終端部において洗濯槽吸気部32に接続されている。
【0021】
温風供給部70は、水槽30に設けられた洗濯槽吸気部32に温風を供給するためのものである。図7に示すように、温風供給部70は、送風装置72、及び加熱装置74を有する。送風装置72は、送風経路において気流を形成するためのものであり、例えば従来公知の送風ファン等によって構成できる。また、加熱装置74は、送風装置72の作動により送風経路50を流れる空気を加熱するものである。加熱装置74は、従来公知の電気式のヒータ等によって構成できる。
【0022】
図2、3に示すように、給排水部80は、給水部82、及び排水部84を有する。給水部82は、外部の給水源に接続される給水路を有し、水槽30に対して水を供給可能とされている。給水部82は、例えば、給水源から供給された水をそのまま水槽30に供給可能なものや、水槽30に至る給水路の中途において、別途設けられた投入部において投入された洗剤や柔軟剤等を水に混合させた混合水の状態で水槽30に供給可能なものとすることができる。排水部84は、給水部82とは別に水槽30に対して接続された排水路を有する。排水部84は、水槽30内にある水を前述した排水路を介して排出可能とされている。
【0023】
フィルタ装置100は、上述した送風経路50の中途にある中間部54に配されるものである。フィルタ装置100は、空気中に含まれているリント等の異物を捕集するためのものである。
【0024】
洗濯機10は、概ね上述したような構成とされている。以下、上述した各部の構成のうち、さらに詳細な説明が必要な部分について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0025】
≪フィルタ装置100について≫
以下、フィルタ装置100について、さらに詳細かつ具体的に説明する。フィルタ装置100は、上述したように送風経路50の途中に設けられるものである。図2図5図6等に示すように、本実施形態では、フィルタ装置100は、送風経路50の中間部54に設けられている。図8に示すように、フィルタ装置100は、フィルタ収容部110、内気排出部130、外気導入部140、及びフィルタ部材150を有する。フィルタ装置100は、フィルタ収容部110、内気排出部130、及び外気導入部140を一体化したユニットとしつつ、このユニットに対してフィルタ部材150を着脱可能としている。
【0026】
フィルタ収容部110は、送風経路50を流れる空気が通過可能であって、フィルタ部材150を収容可能な空間をなすものである。図8図10に示すように、フィルタ収容部110は、筐体20の天面20eに向けて開口しており、この開口を介してフィルタ部材150を着脱可能とされている。フィルタ収容部110は、平面視が略矩形となるように開口しており、その内周部に上流側開口112、下流側開口114、内気排出部連通口116、外気導入部連通口118を有する。
【0027】
上流側開口112は、フィルタ収容部110の内周面のうち、送風経路50を流れる空気流の上流側をなす上流側内周面110aにおいて開口している。下流側開口114は、送風経路50を流れる空気流の下流側をなす下流側内周面110bにおいて開口している。下流側開口114は、下流側内周面110bのうち、外気導入部連通口118が設けられた側の領域に形成されている。下流側内周面110bは、上流側内周面110aに対して対向する面である。内気排出部連通口116は、フィルタ収容部110の内周面のうち、上流側内周面110a及び下流側内周面110bに対して交差(本実施形態では略直交)するように立設された第一側方内周面110cにおいて開口している。内気排出部連通口116は、フィルタ収容部110と内気排出部130とを連通させる開口である。内気排出部連通口116は、後述する内気排出部130を構成する部分でもある。また、外気導入部連通口118は、フィルタ収容部110の内周面のうち、第一側方内周面110cに対して対向するように立設された第二側方内周面110dにおいて開口している。外気導入部連通口118は、フィルタ収容部110と外気導入部140とを連通させる開口である。外気導入部連通口118は、後述する外気導入部140を構成する部分でもある。
【0028】
フィルタ収容部110は、底部110eに、排水口120、傾斜部122、ガイド溝124、被係合部126を有する。排水口120は、フィルタ収容部110から結露水等の水分を排出するための開口である。排水口120は、底部110eであって、下流側内周面110b及び第二側方内周面110dに隣接する位置に設けられている。排水口120は、フィルタ収容部110の外部において、排水管120aを介してフィルタ装置100に対して空気流の流れ方向上流側にある連通部58に向けて排水可能なように接続されている。傾斜部122は、底部110eが排水口120に向けて下り勾配となるように傾斜した部分である。これにより、フィルタ収容部110は、フィルタ収容部110内において底部110eに落下した水分を、排水口120に向けて誘導できる構成とされている。また、ガイド溝124は、後に詳述するフィルタ部材150をなす下流側フィルタ部材180を確実に着脱容易とするための溝である。ガイド溝124は、下流側フィルタ部材180の下端部の形状に合わせて窪んだ形状とされている。被係合部126は、下流側フィルタ部材180の上端部に設けられた係合部190と係合する部分である。
【0029】
また、フィルタ収容部110は、内周面の一部又は全部が、襞状に凹凸した形状とされている。本実施形態では、上流側内周面110a、第一側方内周面110c、及び第二側方内周面110dが襞状に凹凸した形状とされている。これにより、フィルタ収容部110において結露水等の水分を徐々に底部110e及び排水口120に向けて落下するようにしている。このようにすることで、フィルタ収容部110内を通過する気流の影響で、結露水を少しでも蒸発させることが可能となり、排水口120から連通部58に環流される水分量を減少させることができる。
【0030】
内気排出部130は、フィルタ収容部110に連通し、送風経路50から外部に空気を排出可能なように外部に向けて開放された部分である。内気排出部130は、上述した内気排出部連通口116と、内気排出路132と、内気排出口134とを有する。内気排出路132は、内気排出部連通口116を介してフィルタ収容部110と連通している。内気排出路132は、内気排出部連通口116と内気排出口134とを繋ぐ通路である。内気排出口134は、内気排出路132において内気排出部連通口116とは反対側の端部に設けられた開口である。
【0031】
ここで、内気排出部連通口116がフィルタ収容部110において立設された第一側方内周面110cに形成された開口であるのに対し、内気排出口134は、天面20e側に向けて開口したものである。そのため、両開口を繋ぐ内気排出路132は、中途において略90度屈曲している。内気排出路132は、内部を通過する気流の圧損を最小限に抑制すべく、中途に設けられた屈曲部が曲面(R形状)となるように形成されている。また、内気排出部130は、内気排出口134から出る気流(排気)の排出速度を抑制すべく、内気排出口134の開口面積が、内気排出部連通口116の開口面積よりも大きくなるように形成されている。かかる構成によれば、内気排出口134における排気速度を低減することができる。これにより、洗濯機10の周辺に勢いよく排気が排出されるのを抑制でき、例えば、狭小なマンションの洗濯機設置スペースのように、周辺に壁が近接した場所に洗濯機が設置されたとしても、湿気を含んだ排気が壁紙に当たるのを抑制できる。その結果、洗濯機10からの排気の接触を原因として、壁紙の表面等に結露水が付着したり、カビ等の微生物が発生したりするのを抑制できる。
【0032】
外気導入部140は、フィルタ収容部110に連通し、送風経路50に外部から空気(外気)を導入可能なように外部に向けて開放されたものである。外気導入部140は、フィルタ収容部110を介して内気排出部130とは反対側に位置している。また、外気導入部140は、上述した内気排出部130と同様の構成とされている。
【0033】
具体的には、外気導入部140は、上述した外気導入部連通口118と、外気導入路142と、外気導入口144とを有する。外気導入路142は、外気導入部連通口118を介してフィルタ収容部110と連通している。外気導入路142は、外気導入部連通口118と外気導入口144とを繋ぐ通路である。外気導入口144は、外気導入路142において外気導入部連通口118とは反対側の端部に設けられた開口である。
【0034】
また、外気導入路142は、内気排出路132と同様に、中途において略90度屈曲している。具体的には、外気導入部連通口118がフィルタ収容部110において第二側方内周面110dに形成された開口であるのに対し、外気導入口144は、天面20e側に向けて開口したものである。そのため、外気導入路142は、中途において略90度屈曲している。外気導入路142は、外部から取り込まれる気流の圧損を最小限に抑制すべく、中途に設けられた屈曲部が曲面(R形状)となるように形成されている。また、外気導入部140は、外気導入口144の開口面積が、外気導入部連通口118の開口面積よりも大きくなるように形成されている。これにより、外気を効率的に取り込める。
【0035】
図8に示すように、フィルタ部材150は、送風経路50を流れる空気中に含まれている異物を捕集するものである。本実施形態の洗濯機10は、フィルタ部材150として、上流側フィルタ部材160、及び下流側フィルタ部材180を送風経路50における気流の流れ方向に配置したものとされている。
【0036】
図11図12に示すように、上流側フィルタ部材160は、上流側フィルタ本体162に対し、上流側フィルタ164を取り付けたものとされている。上流側フィルタ部材160は、天面20e側に向けて開口しているフィルタ収容部110に対し、上方から挿抜可能とされたものである。上流側フィルタ本体162は、閉塞部166、上流側立設部168、第一側方立設部170、第二側方立設部172、仕切壁174を有する。
【0037】
閉塞部166は、上流側フィルタ部材160をフィルタ収容部110に差し込んだ状態において、天面20e側に設けられたフィルタ収容部110の開口部を閉塞するものである。閉塞部166は、天面20e側に露出する面に窪み166aを有する。窪み166aは、使用者が上流側フィルタ部材160をフィルタ収容部110に挿抜する際に、上流側フィルタ部材160を把持しやすくするためのものであり、指を複数本挿入可能なものとされている。
【0038】
上流側立設部168は、上述したフィルタ収容部110に上流側フィルタ部材160を嵌め込んだ状態において、上流側内周面110aに沿うように立設される部分である。上流側立設部168は、閉塞部166の裏面側(底側)において、閉塞部166に対して略直交するように立設されている。上流側立設部168は、上流側内周面110aに設けられた上流側開口112からフィルタ収容部110に流入する気流に対する抵抗を最小限に抑制すべく、少なくとも上流側開口112に対応する部分については格子状とされている。上流側立設部168には、格子状に形成された部分の全域に亘り、網状の上流側フィルタ164が取り付けられている。また、上流側フィルタ164が取り付けられた部分の周囲には、気密性、水密性を保持するための上流側シール部168aが取り付けられている。上流側シール部168aは、様々な素材のものとすることができるが、本実施形態ではEPDMゴム製のものが用いられている。
【0039】
第一側方立設部170は、上述したフィルタ収容部110に上流側フィルタ部材160を嵌め込んだ状態において、第一側方内周面110cに沿うように立設される部分である。第一側方立設部170は、上流側立設部168と同様に、閉塞部166の裏面側(底側)において、閉塞部166に対して略直交するように立設されている。また、第一側方立設部170は、上流側立設部168の幅方向一端側において、上流側立設部168に対して交差(本実施形態では略直交)するように形成されている。第一側方立設部170は、上流側立設部168と同様に、内気排出部連通口116を通過してフィルタ収容部110から排出される空気流の抵抗となるのを最小限に抑制すべく、少なくとも内気排出部連通口116に対応する部分については格子状とされている。
【0040】
第二側方立設部172は、上述したフィルタ収容部110に上流側フィルタ部材160を嵌め込んだ状態において、第二側方内周面110dに沿うように立設される部分である。第二側方立設部172は、上流側立設部168や第一側方立設部170と同様に、閉塞部166の裏面側(底側)において、閉塞部166に対して略直交するように立設されている。また、第二側方立設部172は、上流側立設部168の幅方向他端側(第一側方立設部170とは反対側)において、上流側立設部168に対して交差(本実施形態では略直交)するように形成されている。第二側方立設部172は、第一側方立設部170に対して略並行とされている。また、第二側方立設部172は、上流側立設部168や第一側方立設部170と同様に、外気導入部連通口118を通過してフィルタ収容部110に導入される空気流の抵抗となるのを最小限に抑制すべく、少なくとも外気導入部連通口118に対応する部分については格子状とされている。
【0041】
仕切壁174は、フィルタ収容部110の内部空間を、第一空間176と第二空間178に仕切るものである。具体的には、仕切壁174は、上流側立設部168等と同様に、閉塞部166の裏面側(底側)において、閉塞部166に対して略直交するように立設されている。また、仕切壁174は、上流側立設部168の幅方向中間部(第一側方立設部170と第二側方立設部172との間)において、上流側立設部168に対して交差(本実施形態では略直交)するように形成されている。仕切壁174は、第一側方立設部170及び第二側方立設部172に対して略並行とされている。これにより、仕切壁174は、上流側立設部168に形成された開口領域を外気導入部連通口118が存在する側の領域と、内気排出部連通口116が存在する側の領域とに分けることができる。また、仕切壁174は、上流側フィルタ部材160をフィルタ収容部110に嵌め込んだ状態において、下流側内周面110bまで到達するように形成されている。そのため、仕切壁174は、フィルタ収容部110の内部空間を、下流側開口114及び外気導入部連通口118に連通した第一空間176と、内気排出部連通口116に連通した第二空間178とに仕切ることができる。
【0042】
図13に示すように、下流側フィルタ部材180は、下流側開口114の開口領域に亘って取り付けられるフィルタである。下流側フィルタ部材180は、下流側フィルタ枠182に対し、下流側フィルタ184を取り付けたものとされている。下流側フィルタ部材180は、上流側フィルタ部材160と同様に、天面20e側に向けて開口しているフィルタ収容部110に対し、上方から挿抜可能とされたものである。
【0043】
具体的には、下流側フィルタ枠182は、下流側フィルタ184を取り付ける部材である。下流側フィルタ枠182は、フィルタ取付部186、把持部188、係合部190、下流側シール部192を有する。
【0044】
フィルタ取付部186は、下流側フィルタ184が取り付けられる部分である。フィルタ取付部186は、平坦かつ格子状の形状とされている。フィルタ取付部186には、網状の下流側フィルタ184が取り付けられている。また、下流側フィルタ枠182の下端側は、上述したフィルタ収容部110の底部110eに設けられたガイド溝124に差込可能な形状とされている。
【0045】
把持部188は、下流側フィルタ部材180の取付状態において上端部となる部分に設けられている。把持部188は、平面状に形成されたフィルタ取付部186の上端部からカール状に反るように湾曲している。把持部188は、下流側フィルタ部材180の取付状態においてフィルタ取付部186と下流側内周面110bとが密着するのを阻害しないように、下流側内周面110bから離反する方向に湾曲している。
【0046】
係合部190は、フィルタ収容部110の下流側内周面110bに下流側フィルタ部材180を固定するためのものである。係合部190は、下流側内周面110bに設けられた被係合部126に係合するものとされている。本実施形態では、係合部190が爪状のものとされ、被係合部126が係合部190を差し込んで係合させることが可能な凹部とされている。
【0047】
下流側シール部192は、下流側フィルタ部材180の取付状態においてフィルタ取付部186と下流側内周面110bとの間に介在できるように、下流側フィルタ184が取り付けられた部分を取り囲むように取り付けられている。そのため、下流側フィルタ部材180を取り付けると、フィルタ取付部186と下流側内周面110bとの間において、気密性、水密性が保持される。下流側シール部192は、様々な素材のものとすることができるが、本実施形態ではEPDMゴム製のものが用いられている。このように、下流側フィルタ部材180を設けることにより、例えば、上流側フィルタ部材160を装着し忘れるなどしてしまった場合であっても、下流側フィルタ部材180によってリントを捕捉することができる。また、外気導入部140から外気を取り込むことで、洗濯槽35から中間部54へと送られる湿潤な循環気流をフィルタ収容部110において冷却し(飽和水蒸気量を低下させ)、下流側フィルタ部材180にも結露水を発生させることができる。このように結露水を発生させることで、下流側フィルタ部材180にリントを付着しづらくさせたり、下流側フィルタ部材180からリントを流下させたりすることができる。
【0048】
≪水受部60について≫
続いて、水受部60について、図面を参照しつつ具体的かつ詳細に説明する。上述したように、水受部60は、フィルタ装置100に対して送風経路50における気流の流れ方向上流側に設けられている。水受部60は、送風経路50の排気側連通部52をなす連通部58の端部に接続されている。
【0049】
図14図15に示すように、水受部60は、底面60aと、底面60aの外縁をなすように立設された外縁部60bとを有する。これにより、水受部60は、外縁部60bによって囲まれた領域内に水が導入可能となっている。また、外縁部60bには、給排水部80に対して配管接続される接続部60cが設けられている。接続部60cは、外縁部60bから外部に向けて突出するように形成されている。これにより、水受部60は、接続部60cを介して外縁部60bに対して交差する方向(底面60aに沿う方向)に水が導入されることで、接続部60cから離れた位置まで水を送ることができる。なお、接続部60cは、開口部62の開口方向と交差する方向に設けられる構成には限定されず、供給する水の到達位置(着地位置)が水受部60であればよく、接続部60cは開口方向に沿う方に設けられても良い。
【0050】
また、水受部60には、開口部62、立設部64、及び溝部66が設けられている。開口部62は、水受部60の底面60aにおいて、連通部58に連通するように形成された開口である。開口部62の開口形状は、連通部58の端部における開口形状及び大きさに合わせて形成されている。立設部64は、開口部62を囲むように立設された部分である。本実施形態では、立設部64は、開口部62の開口縁に沿って立設されているが、開口部62より外側において開口部62を囲むように立設されていても良い。このような構成によれば、接続部60cから導入された水の一部は立設部64により堰き止められて水受部60の外縁部60bに沿って貯水された状態となり、それ以外の水は立設部64を乗り越えて、又は溝部66から、開口部62へ落とし込まれる。溝部66は、立設部64に設けられた溝である。溝部66は、立設部64において一箇所以上に設けられている。
なお、本実施形態では、立設部64及び溝部66の両方を有する構成を一例として説明したが、立設部64及び溝部66の両方を有しない構成であっても良いし、立設部64及び溝部66のうち一方を設ける構成(溝部66のみを設ける構成の場合は、開口部62の周囲に溝部66を設ける構成)であっても良い。また、溝部66の配置数や大きさ等は適宜設定可能であるが、例えば、連通部58においてリントが付着しやすい部分に溝部66を多く配置したり、水の流入口となる接続部60cからの距離に応じて溝部66の配置密度を相違させたりすることが可能である。本実施形態では、図14に示すようにリントが付着しやすい側に溝部66を多く設けると共に、接続部60cを配置している。そのため、水受部60に水を導入することにより、連通部58においてリントが付着しやすい側に水を優先的に流して、連通部58を万遍なく洗浄可能としている。
【0051】
水受部60は、上述したような構成とされており、給排水部80によって開口部62の開口方向と交差する方向(本実施形態では略水平方向)から給水された水を連通部58に落とし込んで洗浄(リント流水洗浄)することができる。リント流水洗浄は、適宜のタイミングで行うことが可能であるが、例えば、洗濯運転時に洗濯やすすぎのために水槽30へ給水するタイミングや、乾燥運転後の所定時間内であって排水用の弁を開放したままの状態にしておけるタイミング等において行うことができる。
【0052】
≪温風供給部70について≫
続いて、温風供給部70の特徴的部分について、図面を参照しつつ具体的かつ詳細に説明する。上述したように、温風供給部70は、水槽30に設けられた洗濯槽吸気部32に温風を供給するものである。図7に示すように、温風供給部70は、送風経路50において気流を形成するための送風装置72と、送風経路50を流れる空気を加熱するための加熱装置74を有する。
【0053】
ここで、加熱装置74は、送風経路50の中途にある排気側連通部52において、通路断面積が上流側よりも狭窄された狭窄部52aに配置されている。そのため、温風供給部70は、加熱装置74において送風経路50を流れる空気と効率良く熱交換を行い、スムーズに空気を加熱することができる。また、加熱装置74は、送風装置72よりもさらに下流側に配置されており、水槽30に入る直前の空気を加熱することができる。そのため、加熱後の空気が送風経路50を流れる間に放熱して温度低下したり、吸湿したりするのを最小限に抑制できる。これにより、できるだけ高温かつ低湿度とされた空気を水槽30に導入することが可能となり、水槽30内にある洗濯物の乾燥効率を向上させることができる。
【0054】
≪筐体20について≫
続いて、筐体20の特徴的部分について、図面を参照しつつ具体的かつ詳細に説明する。図1図3に示すように、筐体20は、本体部26a、台座部26bを有する。また、筐体20は、図16に示すように、接続部26cを有する。
【0055】
本体部26aは、水槽30や回転槽40、送風経路50、水受部60、温風供給部70、給排水部80、フィルタ装置100等を内部に収容する部分である。本体部26aは、天面20e側において正面20a側に配置される前梁28a、背面20b側に配置される後梁28b、左側面20c及び右側面20d側に配置される一対の側方梁28c,28dを有する。前梁28aは、正面20a側において左右に延びる梁である。前梁28aは、操作パネル部24の裏側にある基板の下方に配置されている。また、後梁28bは、背面20b側において左右に延びる梁である。側方梁28c,28dは、左側方、及び右側方において前後方向に延びる梁であり、前梁28a及び後梁28bに対して接続されている。
【0056】
本体部26aにおいては、送風経路50をなす部材が、各梁に対して懸架されている。具体的には、送風経路50は、送風経路50の下半分をなすベース構成体50a、フィルタ収容部110を中心とする周辺部分を構成するフィルタ収容部構成体50b、及び温風供給部70を中心とする周辺部分を構成する温風供給部構成体50cを有する。送風経路50は、ベース構成体50aの上に、フィルタ収容部構成体50bや温風供給部構成体50cを組み付けることにより構成される。送風経路50を各梁に対して懸架させるときには、先ずベース構成体50aを前梁28aや後梁28b、側方梁28cに対して懸架する。その後、ベース構成体50aの上にフィルタ収容部構成体50bや温風供給部構成体50cを組み付ける。このように、洗濯機10は、本体部26aをなす各梁を利用して、簡単な手順によって送風経路50を組み付けることができる。また、本体部26aは、上方側に強度の高い前梁28aや後梁28b、側方梁28c,28dを配し、剛性の高い構成とされている。かかる本体部26aの特性に鑑み、洗濯機10においては、他部材に比べて重量が大きく、送風に伴う振動発生が懸念される送風経路50を、各梁28a~28dに懸架して組み付けている。そのため、洗濯機10においては、送風経路50を安定的に保持することができる。
【0057】
台座部26bは、本体部26aの台座として、本体部26aの下方に配されるものである。台座部26bは、平面視において本体部26aと略同一の大きさ及び形状とされている。台座部26bは、平面視において中央部に上下方向に貫通した空洞を設けたものとされている。また、台座部26bは、空洞を囲む周部をなす部分についても、上下方向に貫通した貫通孔を多数有するハニカム状の形状とされている。これにより、台座部26bの強度を損なうことなく軽量化が図られている。
【0058】
また、台座部26bの周部は、正面20a側において、天面20e側から底面20f側に向けて切り欠かれた形状とされている。そのため、台座部26bの上に本体部26aを配置すると、両者の間に周方向外側に向けて開放された開口部26dが形成される。開口部26dは、筐体20の下方側において、筐体20の内側に手や工具等を差し入れて作業したり、排水用の配管の引廻し、プリント基板の更新、保守等、様々な用途のために活用することができる。
【0059】
接続部26cは、本体部26a及び台座部26bを接続しつつ、防振性や剛性の向上を図るものである。接続部26cは、本体側固定部26e、及び台座側固定部26fを有する。本体側固定部26eは、本体部26aの底部において正面20a側の位置に、幅方向略全体に亘って取り付けられるものである。また、台座側固定部26fは、台座部26bの天部において正面20a側の位置に、幅方向略全体に亘って取り付けられるものである。
【0060】
具体的には、本体側固定部26eは、本体部26aの前面下部において左右方向に延びる本体側前面プレート26gを有する。台座側固定部26fは、台座部26bの左右上面に締結される台座側側梁26h,26iと、台座部26bの前部上面において左右方向に延びる台座側前面プレート26jとを有する。また、台座側側梁26h,26iには、水槽30を支持するダンパーなどのサスペンション構造(図示せず)が接続される接続部26kが設けられている。接続部26cは、台座側側梁26hに対し、台座側前面プレート26jの上面と台座側側梁26h,26iの下面とを、ネジ等の締結具によって締結すると共に、本体側前面プレート26gの下面と台座側側梁26h,26iの上面とをネジ等の締結具によって締結することにより固定されている。このようにして、接続部26cは、本体側固定部26e、及び台座側固定部26fを固定具によって連結固定することにより、本体部26aと台座部26bとを一体化し、防振性及び剛性の向上を図ることができる。
【0061】
上述した洗濯機10は、従来技術における各種課題を解決するための手段として、以下のような構成により効果を発揮するものである。
【0062】
上記特許文献1の洗濯乾燥機においては、外気を導入するための吸気口と、内気を排出するための排気口とが循環風路中において離間して設けられている。そのため、特許文献1に開示されているような構成とした場合には、吸気口及び排気口の配置に対応してリントフィルタ装置を例えば幅広(横長)な形状のもの等とせねばならず、洗濯機をなす筐体内の限られたスペースを有効利用するうえで支障となりかねないという課題があった。
そこで本発明は、外気導入用の外気導入部、内気排出用の内気排出部、及びフィルタ装置の配置を最適化し、筐体内の限られたスペースを有効利用可能な洗濯機の提供を目的とした。
(1-1)本実施形態の洗濯機10は、筐体20と、前記筐体20内に設けられる水槽30、及び前記水槽30内に回転可能に設けられる回転槽40を含む洗濯槽35と、洗濯槽35に設けられた洗濯槽吸気部32に温風を供給する温風供給部70と、水槽30に設けられた洗濯槽排気部34から洗濯槽吸気部32に至る送風経路50と、送風経路50の途中に設けられたフィルタ装置100と、を備え、フィルタ装置100が、空気中に含まれている異物を捕集する上流側フィルタ部材160及び下流側フィルタ部材180と、送風経路50を流れる空気が通過可能であって、上流側フィルタ部材160及び下流側フィルタ部材180を収容可能な空間をなすフィルタ収容部110と、フィルタ収容部110に連通し、送風経路50に外部から空気を導入可能なように外部に向けて開放された外気導入部140と、フィルタ収容部110に連通し、送風経路50から外部に空気を排出可能なように外部に向けて開放された内気排出部130と、を有すること、を特徴とするものである。
【0063】
上述した洗濯機10においては、フィルタ(上流側フィルタ部材160及び下流側フィルタ部材180)を収容するためのフィルタ収容部110に対し、外気導入部140、及び内気排出部130を連通するように設けた構成とされている。このように、洗濯機10は、フィルタ収容部110に対して外気導入部140及び内気排出部130を集約した構成とされている。従って、上述した構成によれば、外気導入用の外気導入部140、内気排出用の内気排出部130、及びフィルタ装置100の配置を最適化し、筐体20内の限られたスペースを有効利用可能な洗濯機10を提供できる。
【0064】
なお、本実施形態では、フィルタとして上流側フィルタ部材160及び下流側フィルタ部材180の二つを設けた例を示したが、上記(1-1)の構成とするときには、例えば下流側フィルタ部材180を省略する等していずれか一方のみとしても良い。
【0065】
(1-2)本実施形態の洗濯機10は、フィルタ装置100が、フィルタ収容部110と、外気導入部140と、内気排出部130とを一体化したものであること、を特徴とするものである。
【0066】
かかる構成によれば、内気排出部130及び外気導入部140をフィルタ収容部110と一体的に組み付けることが可能となり、部品点数の削減や装置構成の簡素化に貢献できる。
【0067】
(1-3)本実施形態の洗濯機10は、内気排出部130が、フィルタ収容部110に連通した内気排出部連通口116と、外部に向けて開口した内気排出口134と、を有し、フィルタ収容部110から内気排出部連通口116に入った空気を内気排出口134から排出可能なものであり、内気排出口134の開口面積が、内気排出部連通口116の開口面積よりも大きいこと、を特徴とするものである。
【0068】
かかる構成によれば、内気排出口134における排気速度を低減することができる。これにより、洗濯機10の周辺に勢いよく排気が排出されるのを抑制できる。これにより、例えば、狭小なマンションの洗濯機設置スペースのように、周辺に壁が近接した場所に洗濯機が設置されたとしても、湿気を含んだ排気が壁紙に当たるのを抑制できる。その結果、洗濯機10からの排気の接触を原因として、壁紙の表面等に結露水が付着したり、カビ等の微生物が発生したりするのを抑制できる。
【0069】
(1-4)本実施形態の洗濯機10は、フィルタ収容部110が、送風経路50を流れる空気流の上流側に開口した上流側開口112と、送風経路50を流れる空気流の下流側に開口した下流側開口114と、内気排出部130に連通した内気排出部連通口116と、外気導入部140に連通した外気導入部連通口118と、を有するものであり、フィルタ装置100が、フィルタ収容部110の内部空間を、下流側開口114及び外気導入部連通口118に連通した第一空間176と、内気排出部連通口116に連通した第二空間178とに仕切る仕切壁174を有すること、を特徴とするものである。
【0070】
かかる構成によれば、洗濯機10の内部において循環させる気流と、排気として外部に排出させる気流とを容易に分離できる。
【0071】
なお、本実施形態では、仕切壁174を固定式にしたものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、仕切壁174を上流側開口112の幅方向に移動可能な可動式のものとすることも可能である。かかる構成によれば、洗濯機10の内部において循環させる気流と、排気として外部に排出させる気流との比率を容易に変更可能である。また、本実施形態では、仕切壁174を上流側フィルタ部材160の構成部材とした例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、フィルタ収容部110の構成部材とする等しても良い。
【0072】
(1-5)本実施形態の洗濯機10は、フィルタ収容部110が、送風経路50を流れる空気流の上流側に開口した上流側開口112と、送風経路50を流れる空気流の下流側に開口した下流側開口114と、を有し、フィルタ部材が、上流側開口112の開口領域に亘って取り付けられる上流側フィルタ部材160と、下流側開口114の開口領域に亘って取り付けられる下流側フィルタ部材180と、を有すること、を特徴とするものである。
【0073】
かかる構成によれば、送風経路50を循環する空気流に含まれている異物を二段階で除去できる。そのため、上述した構成によれば、清浄度の高い空気流を循環させることが可能となる。また、上述したように、上流側フィルタ部材160及び下流側フィルタ部材180を設ければ、例えば、これらのうち一方のフィルタ部材を装着し忘れる等しても、他方のフィルタ部材によって空気中のリントを捕捉することができる。またさらに、上流側フィルタ部材160及び下流側フィルタ部材180からなる二つのフィルタを設けることにより、単一のフィルタを設ける場合に比して、送風経路50を流れる湿潤な空気と外気導入部140から取り込んだ外気とをフィルタ収容部110にて混合することで、送風経路50を流れる湿潤な空気の温度を下げて(飽和水蒸気量を低下させて)含まれている水分を結露水として効率的に分離、除去できる。さらには、フィルタ収容部110を通過する空気に含まれるリントを、上流側フィルタ部材160及び下流側フィルタ部材180に発生させた結露水により付着しにくくでき、あるいはリントが付着しても結露水によって流下させることができる。
【0074】
ここで、上述したように、フィルタ収容部110に上流側フィルタ部材160及び下流側フィルタ部材180を設けるなどして、送風経路50を流れる湿潤な空気に含まれている水分を結露水として効率的に分離、除去できる構成とした場合には、フィルタ収容部110に結露水が溜まるを抑制可能な構成とすることが望ましい。かかる知見に基づけば、例えば次の(1-6)のような構成とすることが望ましい。
【0075】
(1-6)本実施形態の洗濯機10は、フィルタ収容部110が、水分を排出可能な排水口120、及び排水口120に向けて下り勾配となった傾斜部122を底部110eに有すること、を特徴とするものである。
【0076】
かかる構成によれば、フィルタ収容部110において回収された結露水等の水分をスムーズに排水口120に集めて排出することができる。これにより、フィルタ収容部110内を清浄に維持することが可能となる。
【0077】
(1-7)本実施形態の洗濯機10は、排水口120から、フィルタ装置100に対して上流側において送風経路50に繋がる排水管120aを有することを特徴とするものである。
【0078】
かかる構成によれば、フィルタ装置100において回収された結露水等の水分を、送風経路50の上流側にスムーズに環流させることができる。
【0079】
(1-8)本実施形態の洗濯機10は、フィルタ収容部110の内周面の一部又は全部が凹凸形状とされていること、を特徴とするものである。
【0080】
かかる構成によれば、フィルタ収容部110において結露水等の水分をゆっくりと流下させることができる。これにより、フィルタ収容部110を通過する気流により水分を蒸発させ、フィルタ収容部110から外部に排出される水分量を最小限に抑制できる。
【0081】
(2-1)本実施形態の洗濯機10は、筐体20と、前記筐体20内に設けられる水槽30、及び前記水槽30内に回転可能に設けられる回転槽40を含む洗濯槽35と、洗濯槽35の洗濯槽吸気部32に温風を供給する温風供給部70と、洗濯槽35に設けられた洗濯槽排気部34から洗濯槽吸気部32に至る送風経路50と、送風経路50を流れる空気に含まれる異物を捕集するフィルタ装置100と、給水可能な給水部82と、を備え、送風経路50は、洗濯槽排気部34とフィルタ装置100とを連通させる連通部58を有し、連通部58は、給水部82により供給された水を受ける水受部60と、水受部60に連通した連通部58と、を有し、水受部60に設けられた開口部62を介して、水受部60と連通部58とが連通していること、を特徴とするものである。
【0082】
かかる構成によれば、水受部60から開口部62を介して連通部58に水を落とし込み、連通部58を洗浄することができる。そのため、上述した構成によれば、連通部58を清浄に維持可能な洗濯機10を提供できる。
【0083】
(2-2)本実施形態の洗濯機10は、水受部60が、開口部62を囲むように立設された立設部64を有すること、を特徴とするものである。
【0084】
かかる構成によれば、立設部64の外周側に溜められた水を、開口部62の周方向略全域から連通部58に向けて落とし込むことができる。そのため、上述した構成によれば、連通部58を周方向略全域に亘って洗浄することができる。
【0085】
(2-3)本実施形態の洗濯機10は、水受部60が、開口部62の周囲における1以上の個所に設けられた溝部66を有すること、を特徴とするものである。
【0086】
かかる構成によれば、溝部66を設けた位置において開口部62に向けて水を落とし込むことが可能となる。これにより、成り行きに任せることなく、所望の位置に水を落とし込んで連通部58を洗浄することが可能となる。
【0087】
(2-4)本実施形態の洗濯機10は、給水部82が、開口部62が開口する方向と交差する方向から給水すること、を特徴とするものである。
【0088】
かかる構成によれば、水受部60の各部に略均一に水を行き渡らせることができる。これにより、開口部62の各部から連通部58に向けて略均一に水を落とし込み、洗浄することが可能となる。
【0089】
(3-1)本実施形態の洗濯機10は、筐体20と、前記筐体20内に設けられる水槽30、及び前記水槽30内に回転可能に設けられる回転槽40を含む洗濯槽35と、洗濯槽35の洗濯槽吸気部32に温風を供給する温風供給部70と、洗濯槽35に設けられた洗濯槽排気部34から洗濯槽吸気部32に至る送風経路50と、を備え、温風供給部70が、送風経路50において気流を形成する送風装置72と、送風経路50を流れる空気を加熱する加熱装置74と、を有し、加熱装置74が、送風経路50の中途であって、送風経路50をなす空間の断面積が上流側よりも狭窄された狭窄部52aに配置されていること、を特徴とするものである。
【0090】
本実施形態の洗濯機10は、送風経路50において空間断面積が狭窄された狭窄部52aに加熱装置74を設けているため、送風経路50を流れる空気をスムーズかつ効率良く加熱することができる。
【0091】
(3-2)本実施形態の洗濯機10は、送風経路50を流れる空気に含まれる異物を捕集するフィルタ装置100を備え、温風供給部70が、フィルタ装置100に対して送風経路50における気流の流れ方向下流側に配されていること、を特徴とするものである。
【0092】
かかる構成によれば、フィルタ装置100において異物が除去された後に空気流の加熱を行うことができる。そのため、上述した構成によれば、異物除去前の空気流を加熱する場合に比べ、異物が存在していない分だけ少ない熱エネルギーによって効率良く空気流を加熱することができる。
【0093】
(3-3)本実施形態の洗濯機10は、筐体20と、前記筐体20内に設けられる水槽30、及び前記水槽30内に回転可能に設けられる回転槽40を含む洗濯槽35と、洗濯槽35の洗濯槽吸気部32に温風を供給する温風供給部70と、洗濯槽35に設けられた洗濯槽排気部34から洗濯槽吸気部32に至る送風経路50と、を備え、筐体20が、正面側において左右に延びる前梁28aと、背面側において左右に延びる後梁28bと、左側方、及び右側方において前後方向に延び、前梁28a及び後梁28bに対して接続された一対の側方梁28c,28dと、を有し、送風経路50をなす構成部材が、前梁28a、後梁28b、及び側方梁28c,28dから選ばれる一又は複数の梁に対して懸架されること、を特徴とするものである。
【0094】
かかる構成によれば、送風経路50をなす構成部材を強度の高い前梁28aや、後梁28b、側方梁28c,28dに懸架することができ、振動に対する剛性の向上を図ることができる。具体的には、例えば、上述したように送風経路50に対して温風供給部70等を組み付けた場合、送風経路50は他部材に比べて重量が大きく、送風に伴う振動の発生や洗濯槽35の回転に伴う振動の影響が懸念される。しかしながら、送風経路50をなす各部材を、強度の高い各梁によって構成された剛性の高い筐体20に対して懸架して組み付ければ、送風経路50を安定的に保持することができる。
【0095】
(3-4)本実施形態の洗濯機10は、送風経路50をなす構成部材に対し、温風供給部70をなす構成部材が組み付けられること、を特徴とするものである。
【0096】
かかる構成によれば、温風供給部70の作動に伴う振動についても各梁で受けることが可能となり、より一層振動に対する剛性の向上を図ることが可能となる。
【0097】
(4-1)本実施形態の洗濯機10は、筐体20と、前記筐体20内に設けられる水槽30、及び前記水槽30内に回転可能に設けられる回転槽40を含む洗濯槽35と、を備え、筐体20が、洗濯槽35を内部に収容する本体部26aと、本体部26aの下方に配置される台座部26bと、本体部26a及び台座部26bを接続する接続部26cと、を有し、接続部26cが、本体部26aの底部に固定される本体側固定部26eと、台座部26bの天部に固定される台座側固定部26fと、を有し、前記台座側固定部が、前記台座部の左右上面に締結される台座側側梁と、前記台座部の前部上面において左右方向に延びる台座側前面プレートとを有するものであり、前記本体側固定部が、前記本体部の前面下部において左右方向に延びる本体側前面プレートを有するものであり、前記台座側側梁に対し、前記台座側前面プレート、及び前記本体側プレートが締結されること、を特徴とするものである。
【0098】
かかる構成によれば、防振性及び剛性の向上を図ることが可能となる。
【0099】
(4-2)本実施形態の洗濯機10は、本体部26aと台座部26bとの間に、周方向外側に向けて開放可能な開口部26dを有すること、を特徴とするものである。
【0100】
かかる構成によれば、例えば、筐体20の下方側において、筐体20の内側に手や工具等を差し入れて作業したり、排水用の配管の引廻し、プリント基板の更新、保守等、様々な用途のために開口部26dを活用することが可能となる。
【0101】
本発明の洗濯機は、上記実施形態において例示した洗濯機10に限定されず、例えば、以下に変形例として記載する構成とすることも可能である。以下、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態において説明したものと同一の構成については、同一の符号を付し、詳細の説明については省略する。
【0102】
≪第一変形例≫
ここで、例えば特開2012-075818に開示されているもののように、温水を利用して洗濯可能な洗濯乾燥機が提供されている。このような洗濯乾燥機においては、温水を用いて洗濯する際に、水槽内において発生する水蒸気が循環風路内にも浸入することがあった。循環風路内に水蒸気が浸入すると、循環風路内の湿度が上昇し、循環風路内において結露が発生しやすいという問題があった。特に、循環風路の内部に設けられた乾燥用のヒータなどの電気部品が結露する現象が長期間に亘って繰り返されると、電気部品の故障等に繋がる懸念がある。このような問題を解決すベく、特開2012-075818に係る従来技術においては、温水を使用して洗濯を行う場合に、乾燥用ヒータを通電して発熱させることによって、循環風路内の結露発生を抑制することとしている。
【0103】
しかしながら、上述した特許文献に記載の洗濯乾燥機では、温水使用時に乾燥用ヒータを通電して発熱させるため、温水ヒータと乾燥用ヒータとの同時使用による消費電力の増加が懸念される。また、温水発生時に乾燥用ヒータを使用することで、当該ヒータが結露水に暴露した状態で通電される為、故障等の原因になりかねないという問題があった。また、結露したまま放置してしまうと、カビ等の微生物の発生を誘発しかねないという問題もあった。
【0104】
そこで、第一変形例においては、温水を用いて洗濯を行う場合であっても、洗濯機の内部における結露の発生を抑制することを目的とした。
【0105】
[第一変形例の構成及び効果について]
上述した課題を解決すべく提供される本変形例の洗濯機の構成及び効果は、以下の通りである。
【0106】
(5-1)本変形例の洗濯機は、筐体と、前記筐体内に設けられる水槽及び前記水槽内に回転可能に設けられる回転槽を含む洗濯槽と、前記洗濯槽に設けられた洗濯槽吸気部及び洗濯槽排気部を前記洗濯槽の外部において送風可能に繋ぐ送風経路と、前記送風経路において気流を発生させる送風装置と、前記洗濯槽に温水を供給する温水形成部と、を有し、前記洗濯槽に投入された洗濯物の洗濯を行う洗濯工程、前記洗濯槽に投入された洗濯物のすすぎを行うすすぎ工程、及び前記洗濯槽に投入された洗濯物の脱水を行う脱水工程を含む複数の工程から選ばれる一又は複数の工程からなる運転モードによる運転を行えるものであり、前記洗濯工程及び前記すすぎ工程のいずれか一方又は双方と前記脱水工程とを含み、前記温水形成部により供給された温水を用いて洗濯及びすすぎのいずれか一方又は双方を行うと共に、前記脱水工程を少なくとも一回行う運転モードによる運転が行われるときに、前記運転モードによる運転に含まれる一又は複数の前記脱水工程のうち少なくともいずれかにおいて前記送風装置により前記送風経路に気流を発生させる脱水時送風動作を行えること、を特徴とするものである。
【0107】
かかる構成によれば、温水を用いて洗濯及びすすぎのいずれか一方又は双方を行う運転モードでの運転を行った場合に、脱水工程において脱水時送風動作を行うことにより送風経路を流れる気流によって湿度を低下させ、結露を抑制することができる。
【0108】
(5-2)上述した洗濯機は、前記運転モードに含まれる複数の前記脱水工程のうち、少なくとも温水を用いた洗濯又はすすぎを行った直後に行われる前記脱水工程において、前記脱水時送風動作が行われること、を特徴とする請求項1に記載のものであると良い。
【0109】
かかる構成によれば、温水を用いた洗濯やすすぎにより湿度が高まった直後に行われる脱水工程において、送風経路に気流を流して湿度を低下させることができる。これにより、送風経路において結露が発生するのをより一層抑制できる。
【0110】
(5-3)上述した洗濯機は、前記運転モードに含まれる複数の前記脱水工程のうち、一部の前記脱水工程において、前記回転槽を最大回転数で回転させること、を特徴とする請求項1又は2に記載のものであると良い。
【0111】
かかる構成によれば、回転槽に残存したり付着したりしている水分を飛ばし、回転槽の乾燥を促進することができる。また、回転槽から飛ばされた水分は、脱水時送風動作を行うことにより乾燥させることができる。従って、上述した構成によれば、結露の発生をより一層確実に抑制できる。
【0112】
(5-4)上述した洗濯機は、前記運転モードに含まれる複数の前記脱水工程のうち、少なくとも最後に行われる前記脱水工程において、前記回転槽を最大回転数で回転させること、を特徴とする請求項1又は2に記載のものであると良い。
【0113】
かかる構成によれば、回転槽に残存したり付着したりしている水分をより一層確実に飛ばし、回転槽の乾燥を促進できる。
【0114】
(5-5)上述した洗濯機は、前記送風経路を通過する空気を加熱する加熱装置を有し、少なくとも温水を用いた洗濯又はすすぎを行った直後に行われる前記脱水工程において前記脱水時送風動作を行うときには、前記加熱装置による空気の加熱が停止されること、を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のものであると良い。
【0115】
かかる構成によれば、加熱装置の作動による電力の消費を抑制することができる。
【0116】
(5-5)上述した洗濯機は、室温を検知する室温検知装置を有し、前記脱水時送風動作における前記送風装置による送風能力が、前記室温検知装置により検知される室温に応じて調整されること、を特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のものであると良い。
【0117】
かかる構成によれば、室温の高低に応じて、最適な送風能力により送風を行うことができる。これにより、結露の発生を抑制するために最適な送風量で送風を行うことができ、効率的に結露を抑制できる。
【0118】
(5-6)上述した洗濯機は、室温を検知する室温検知装置を有し、前記脱水時送風動作における前記送風装置による送風時間が、前記室温検知装置により検知される室温に応じて調整されること、を特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のものであると良い。
【0119】
かかる構成によれば、室温の高低に応じて、送風時間の最適化を図ることができる。これにより、結露の発生を抑制するために過度に長時間に亘って送風が行われるのを抑制し、運転時間の短縮や消費電力の抑制等を図ることができる。また、室温の高低を考慮して十分な送風時間を確保でき、結露の発生を効率的に抑制できる。
【0120】
(5-7)上述した洗濯機は、前記脱水時送風動作が、前記脱水工程の開始タイミングから遅延して開始されること、を特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のものであると良い。
【0121】
かかる構成によれば、脱水工程の開始直後における水分を多く含んだ空気が送風経路を流れるのを抑制できる。
【0122】
(5-8)上述した洗濯機は、前記脱水工程において前記回転槽が回転を開始してから、前記回転槽の回転数が所定の回転数に到達するまで、前記脱水時送風動作の開始が遅延されること、を特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のものであると良い。
【0123】
かかる構成によれば、脱水工程において回転槽が回転を開始してから回転槽の回転数が所定の回転数に到達するまでの脱水工程の初期において衣類に含まれる水分を一定程度脱水及び排水して、洗濯槽内に存在している水分を多く含んだ空気が送風経路を流れるのを抑制できる。
【0124】
(5-9)上述した洗濯機は、前記温水形成部により供給される温水の温度が所定の基準温度以上であることを条件として、前記脱水時送風動作が行われること、を特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のものであると良い。
【0125】
かかる構成によれば、結露の発生が懸念される温度の温水が洗濯やすすぎに使用された場合に、脱水時送風動作を適確に行うことができる。
【0126】
[第一変形例の具体例について]
以下、第一変形例に係る洗濯機10について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本変形例に係る洗濯機10は、上記実施形態に係るものと大部分において構成が共通するため、同一の構成については同一の符号を付し、詳細の説明については省略する。
【0127】
洗濯機10は、上記実施形態において例示したものと同様に、筐体20、洗濯槽35、送風経路50、送風装置72、加熱装置74を備えている。図17に示すように、本変形例の洗濯機10は、これらの構成に加え、温水形成部200、室温検知装置210、及び制御部220を備えている。
【0128】
温水形成部200は、洗濯やすすぎに用いる水を温水にするためのものである。温水形成部200は、通電により発熱するヒータによって構成されている。温水形成部200は、外部から供給された低温の水を加熱することで温水にすることができる。温水形成部200は、例えば洗濯槽35等、適宜の場所に設けることができる。温水形成部200は、制御部220の制御のもと、動作可能とされている。
【0129】
室温検知装置210は、洗濯機10が設置されている室内の温度を検出するための温度センサを備えている。室温検知装置210は、制御部220に対して検出した室温に係るデータを出力可能とされている。
【0130】
制御部220は、洗濯機10の動作全般を制御するものである。制御部220は、温水形成部200や室温検知装置210に対して接続されている。また、制御部220は、洗濯槽35において回転槽40を駆動させるためのモータや、送風装置72、加熱装置74に対して接続されている。これにより、制御部220は、回転槽40の回転や、送風装置72による送風、加熱装置74による加熱等を制御可能とされている。
【0131】
制御部220は、洗濯槽35に投入された洗濯物の洗濯を行う洗濯工程、洗濯槽35に投入された洗濯物のすすぎを行うすすぎ工程、及び洗濯槽35に投入された洗濯物の脱水を行う脱水工程を含む複数の工程から選ばれる一の工程のみからなる運転や、これらの工程から選ばれる複数の工程を組み合わせてなる運転モードによる運転を行うように、洗濯機10の動作制御を行うことができる。本変形例の洗濯機10は、洗濯工程及びすすぎ工程のいずれか一方又は双方と脱水工程とを含む運転モードにより運転を行う場合であって、温水供給部により供給された温水を用いて洗濯及びすすぎのいずれか一方又は双方を行う場合に、制御部220による制御のもと、脱水時送風動作を行えるものとされている。以下、脱水時送風動作について、図18に示したタイミングチャートを参照しつつ、詳細に説明する。
【0132】
図18のタイミングチャートに示す例においては、洗濯工程、第一脱水工程、すすぎ工程、第二脱水工程、第三脱水工程、乾燥工程の順で各工程が行われる運転モードにより、洗濯機10が運転を行う。ここで、洗濯工程は、洗濯槽35に投入された洗濯物を洗濯する工程である。図18のタイミングチャートで例示した運転モードでは、洗濯工程において温水形成部200により温水にされた水を用いて洗濯が行われる。また、第一脱水工程は、洗濯工程の後、すすぎ工程に移る前に行われる脱水工程である。すすぎ工程は、第一脱水工程の後に、洗濯槽35に再度水を投入し、洗濯物をすすぐための工程である。第二脱水工程は、すすぎ工程の後、第三脱水工程の前に予備的に行われる脱水工程である。第三脱水工程は、第二脱水工程の後、さらに洗濯物の脱水を行うための脱水工程である。乾燥工程は、第三脱水工程において十分脱水された洗濯物を、洗濯槽35に供給される温風により乾燥させるための工程である。
【0133】
上述した運転モードにより、洗濯工程において温水を用いて洗濯が行われる場合、制御部220は、当該運転モードに含まれている第一脱水工程、第二脱水工程、及び第三脱水工程のうち少なくともいずれかにおいて、送風経路50に気流が発生するように送風装置72を動作させる(脱水時送風動作)。脱水時送風動作は、少なくとも温水を用いた洗濯又はすすぎを行った直後に行われる脱水工程において行われる。図18の例においては、洗濯工程において温水が用いられる。そのため、制御部220は、少なくとも、洗濯工程の後に行われる第一脱水工程において、脱水時送風動作を行う。図18の例においては、第一脱水工程に加え、第二脱水工程及び第三脱水工程においても、脱水時送風動作を行うように、制御部220が送風装置72の動作制御を行う。
【0134】
制御部220は、運転モードに含まれる複数の脱水工程のうち、一部の脱水工程において、回転槽40を最大回転数で回転させる。また、制御部220は、運転モードに含まれる複数の脱水工程のうち、少なくとも最後に行われる脱水工程において、回転槽40を最大回転数で回転させる。図18のタイミングチャートに示した例においては、第一脱水工程、第二脱水工程、及び第三脱水工程のうち、最後に行われる第三脱水工程において、回転槽40を最大回転数で回転させる制御を行う。
【0135】
また、制御部220は、温水を用いた洗濯やすすぎを行った直後に行われる脱水工程において脱水時送風動作を行うときに、加熱装置74による空気の加熱を停止させる制御を行う。図18の例においては、洗濯工程において温水を用いて洗濯を行うため、制御部220は、洗濯工程の直後に行われる第一脱水工程において脱水時送風動作を行うときに、加熱装置74による空気の加熱を停止させる。
【0136】
制御部220は、脱水時送風動作を行う際に、送風装置72による送風能力を、室温検知装置210により検知される室温に応じて連続的あるいは段階的に調整する制御を行う。本変形例では、冬期のように室温が低温になる場合、春期や秋期のように室温が中程度の温度になる場合、夏期のように室温が高温になる場合の3段階に分けて室温を把握できるように温度範囲が規定されている。また、送風装置72の送風能力が、送風装置72が備えるファンの回転数に応じて3段階に分けて規定されている。さらに、室温と送風装置72の送風能力との関係が、予め規定されている。例えば、室温が高温である場合には、結露が発生する可能性が低いため、送風装置72の送風能力が一番低く規定される。一方、室温が低温である場合は、結露が発生する可能性が高いため、送風装置72の送風能力が高く規定される。また、室温が中程度である場合には、送風装置72の送風能力についても中程度に規定される。制御部220は、このようにして規定された室温と送風能力との関係、及び室温検知装置210によって検知された室温に応じて、予め定められている規定に則って送風装置72の送風能力を制御する。
【0137】
制御部220は、脱水時送風動作における送風装置72による送風時間が、室温検知装置により検知される室温に応じて連続的あるいは段階的に調整する制御を行う。例えば、制御部220は、上述の通り、室温を高温、低温、中温の3段階に分ける等して室温を把握する。制御部220は、室温が中程度である場合に、送風装置72の送風時間を標準的な時間に設定する。制御部220は、室温が高温である場合には、結露が発生する可能性が低いため、送風装置72による送風時間を標準的な時間よりも短くする制御を行う。また、室温が低温である場合は、結露が発生する可能性が高いため、送風装置72による送風時間を標準的な時間よりも長くする制御を行う。制御部220は、このようにして、室温検知装置210によって検知された室温に応じて送風装置72による送風時間を調整する制御を行う。
【0138】
制御部220は、脱水時送風動作の開始タイミングを、脱水工程の開始タイミングから遅延して開始させる制御を行う。具体的には、制御部220は、脱水工程において回転槽40が回転を開始してから、回転槽40の回転数が所定の回転数に到達するまで、脱水時送風動作の開始を遅延させる。具体的には、回転槽40の回転数が、最大回転数の30~60%の範囲で規定された所定の回転数(図18に示す例においては、最大回転数の約40%の回転数)に到達するまで、脱水時送風動作の開始を遅延させる。また、回転槽40の回転数が所定の回転数に到達した後には、脱水時送風動作を開始するように制御されている。
【0139】
上述したように、本変形例の洗濯機10は、温水形成部200により供給された温水を用いて洗濯及びすすぎのいずれか一方又は双方を行うと共に、脱水工程を少なくとも一回行う運転モードによる運転が行われるときに、運転モードによる運転に含まれる一又は複数の脱水工程のうち少なくともいずれかにおいて送風装置72により送風経路50に気流を発生させる脱水時送風動作を行うものとされている。そのため、温水を用いて洗濯及びすすぎのいずれか一方又は双方を行う運転モードでの運転を行った場合に、脱水工程において脱水時送風動作を行うことにより送風経路50を流れる気流によって湿度を低下させ、結露を抑制することができる。
【0140】
また、本変形例の洗濯機10においては、運転モードに含まれる複数の脱水工程のうち、少なくとも温水を用いた洗濯又はすすぎを行った直後に行われる脱水工程において、脱水時送風動作が行われる。そのため、温水を用いた洗濯やすすぎにより湿度が高まった直後に行われる脱水工程において、送風経路50に気流を流して湿度を低下させることができる。これにより、送風経路50において結露が発生するのをより一層抑制できる。
【0141】
上述したように、本変形例の洗濯機10は、運転モードに含まれる複数の脱水工程のうち、一部の脱水工程において、回転槽40を最大回転数で回転させるものとされている。そのため、回転槽40に残存したり付着したりしている水分を飛ばし、回転槽40の乾燥を促進することができる。また、回転槽40から飛ばされた水分は、脱水時送風動作を行うことにより乾燥させることができる。従って、上述した構成によれば、結露の発生をより一層確実に抑制できる。
【0142】
なお、本変形例では、運転モードに含まれる複数の脱水工程のうち、一部の脱水工程において、回転槽40を最大回転数で回転させるものとした例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、全ての脱水工程において回転槽40を最大回転数で回転させても良いし、全部の脱水工程において、回転槽40を最大回転数よりも低い回転数で回転させる等しても良い。
【0143】
本変形例の洗濯機10は、運転モードに含まれる複数の脱水工程のうち、少なくとも最後に行われる脱水工程において、回転槽40を最大回転数で回転させるものとされている。そのため、洗濯機10においては、回転槽40に残存したり付着したりしている水分をより一層確実に飛ばし、回転槽40の乾燥を促進できる。
【0144】
なお、本変形例では、運転モードに含まれる複数の脱水工程のうち、少なくとも最後に行われる脱水工程において、回転槽40を最大回転数で回転させるものとした例を示したが、本発明はこれに限定されない。具体的には、最後に行われる脱水工程においても、回転槽40を最大回転数で回転させないようにする等しても良い。
【0145】
また、本変形例の洗濯機10は、送風経路50を通過する空気を加熱する加熱装置74を有し、少なくとも温水を用いた洗濯又はすすぎを行った直後に行われる脱水工程において脱水時送風動作を行うときには、加熱装置74による空気の加熱を停止することとしている。そのため、本変形例の洗濯機10によれば、加熱装置74の作動による電力の消費を抑制することができる。
【0146】
なお、本変形例では、温水を用いた洗濯やすすぎを行った直後に行われる脱水工程において、脱水時送風動作を行うときに加熱装置74による空気の加熱を停止する構成を例示したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、洗濯機10は、温水を用いた洗濯やすすぎを行った直後の脱水工程において加熱装置74による空気の加熱を行うもので有っても良い。
【0147】
上述した本変形例の洗濯機10は、室温を検知する室温検知装置210を有し、脱水時送風動作における送風装置72による送風能力が、室温検知装置210により検知される室温に応じて調整されるものである。そのため、本変形例の洗濯機10は、室温の高低に応じて、最適な送風能力により送風を行うことができる。これにより、結露の発生を抑制するために最適な送風量で送風を行うことができ、効率的に結露を抑制できる。
【0148】
なお、本変形例の洗濯機10は、脱水時送風動作における送風装置72による送風能力が、室温検知装置210により検知される室温に応じて調整されるものを例示したが、本発明はこれに限定されない。具体的には、洗濯機10は、室温によらず、脱水時送風動作における送風装置72による送風能力を同一のものとしたり、洗濯機10に時計機能を設ける等して季節を把握できるようにし、季節に応じて送風能力を変化させるようにしたりしても良い。
【0149】
本変形例の洗濯機10は、室温を検知する室温検知装置210を有し、脱水時送風動作における送風装置72による送風時間を、室温検知装置210により検知される室温に応じて調整するものとされている。そのため、本変形例の洗濯機10によれば、室温の高低に応じて、送風時間の最適化を図ることができる。これにより、結露の発生を抑制するために過度に長時間に亘って送風が行われるのを抑制し、運転時間の短縮や消費電力の抑制等を図ることができる。また、室温の高低を考慮して十分な送風時間を確保でき、結露の発生を効率的に抑制できる。
【0150】
なお、本変形例の洗濯機10は、脱水時送風動作における送風装置72による送風時間を室温に応じて調整するものとされているが、本発明はこれに限定されない。例えば、洗濯機10は、室温によらず、脱水時送風動作における送風装置72による送風時間を同一のものとしたり、洗濯機10に時計機能を設ける等して季節を把握できるようにし、季節に応じて送風時間を変化させるようにしたりしても良い。
【0151】
本変形例の洗濯機10は、脱水時送風動作が、脱水工程の開始タイミングから遅延して開始されるものとされている。そのため、本変形例の洗濯機10によれば、脱水工程の開始直後における水分を多く含んだ空気が送風経路50を流れるのを抑制できる。
【0152】
なお、本変形例においては、脱水時送風動作が脱水工程の開始タイミングから遅延して開始されるものを例示したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、洗濯機10は、脱水時送風動作が脱水工程と同一のタイミングで開始されるものであっても良い。
【0153】
本変形例の洗濯機10においては、脱水工程において回転槽40が回転を開始してから、回転槽40の回転数が所定の回転数に到達するまで、脱水時送風動作の開始が遅延される。そのため、本変形例の洗濯機10においては、脱水工程において回転槽40が回転を開始してから回転槽40の回転数が所定の回転数に到達するまでの脱水工程の初期において存在している水分を多く含んだ空気が送風経路50を流れるのを抑制できる。
【0154】
なお、本変形例の洗濯機10においては、脱水工程において回転槽40の回転数が所定の回転数に到達するまで脱水時送風動作の開始を遅延する例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、洗濯機10は、脱水工程の開始タイミングから所定時間経過した後に脱水時送風動作が開始されるもの等であっても良い。
【0155】
本変形例の洗濯機10は、洗濯工程において温水形成部200により供給する温水の温度によらず、洗濯工程において温水が用いられることを脱水時送風動作を行うための条件とした例を示したが、本発明はこれに限定されない。具体的には、温水形成部200により供給される温水の温度が所定の基準温度以上であることを条件として、脱水時送風動作が行われるものしても良い。これにより、結露の発生が懸念される温度の温水が洗濯やすすぎに使用された場合に、脱水時送風動作を適確に行うようにし、結露の発生の懸念が低い温度の温水が使用された場合には脱水時送風動作を省略することが可能になる。
【0156】
なお、本変形例においては、温水形成部200により供給される温水の温度に応じて脱水時送風動作を行うものとした例を示したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、洗濯機10は、温水形成部200により供給される温水の温度によらず、脱水時送風動作を行うものであっても良い。
【0157】
≪第二変形例≫
従来、特開2017-051296号公報に開示されている洗濯乾燥機のようなものが提供されている。特許文献1の洗濯乾燥機は、洗濯機筐体内に回転自在に設けられた回転ドラムと、洗濯機筐体外の空気を乾燥用空気として取り入れる吸気口と、吸気口から回転ドラムへ乾燥用空気を送給する吸気経路と、乾燥用空気を加熱するヒータと、乾燥用空気を回転ドラム内へ送風する送風ファンと、洗濯機筐体外に開口する排気口と、回転ドラム内で衣類と熱交換した乾燥用空気を排気口へ送給する排気経路と、ヒータや送風ファンなどを制御する制御部とを備えたものとされている。
【0158】
ここで、上記特許文献1の洗濯乾燥機のように、洗濯機の筐体に吸気口や排気口を設ける場合、これらの上に物品が配置される等して吸気口や排気口が閉塞されてしまい、吸気性能や排気性能が低下してしまう懸念がある。
【0159】
そこで、第二変形例においては、洗濯機において吸気や排気に用いられる外気導入部や内気排出部が設けられた部分に物品等が配置された場合であっても、空気の流れる経路を確保可能とすることを目的とした。
【0160】
[第二変形例の構成及び効果について]
上述した課題を解決すべく提供される本変形例の洗濯機の構成及び効果は、以下の通りである。
【0161】
(6-1)本変形例の洗濯機は、筐体と、前記筐体内に設けられる水槽及び前記水槽内に回転可能に設けられる回転槽を含む洗濯槽と、前記洗濯槽に設けられた洗濯槽吸気部及び洗濯槽排気部を前記洗濯槽の外部において送風可能に繋ぐ送風経路と、前記送風経路に外部から空気を導入可能なように外部に向けて開放された外気導入部と、前記送風経路から外部に空気を排出可能なように外部に向けて開放された内気排出部と、を備え、前記外気導入部及び前記内気排出部のうち、いずれか一方又は双方が前記筐体において外部に露出する外装面に対して交差する方向に空気が流れるように外部に連通した第一連通部と、前記第一連通部に対して交差する方向に空気が流れるように外部に連通した第二連通部とを有すること、を特徴とするものである。
【0162】
本変形例の洗濯機は、外気導入部及び内気排出部のうち、いずれか一方又は双方が、筐体において外部に露出する外装面に対して交差する方向に空気が流れるように外部に連通した第一連通部と、第一連通部に対して交差する方向に空気が流れるように外部に連通した第二連通部とを有する。そのため、第一連通部を閉塞するように物が配置されたとしても、第二連通部を介して空気が流れる経路を確保することができる。
【0163】
なお、本変形例において、外気導入部や内気排出部が設けられる外装面は、例えば洗濯機の天面や側面等とすることができる。洗濯機の天面に設けられた外気導入部や内気排出部を、上述したように第一連通部及び第二連通部を備えたものとすれば、天面の上に物が配置される等して第一連通部が閉塞される懸念があるものの、第二連通部による空気の流れが確保できる。また、洗濯機の側面に外気導入部や内気排出部が設けられた場合、これらが設けられた側面を壁面に当接させた状態で配置される等すると、第一連通部が閉塞される懸念があるが、第二連通部による空気の流れを確保できる。
【0164】
(6-2)上述した洗濯機は、前記第一連通部及び前記第二連通部のうち一方から他方が分岐するように形成されているものであると良い。
【0165】
かかる構成によれば、第一連通部と第二連通部とを全く異なるものとして設ける必要がないため、構成を簡素化することができる。
【0166】
(6-3)上述した洗濯機は、前記外装面のうち、前記筐体の天面をなす部分に前記外気導入部及び前記内気排出部のうち、いずれか一方又は双方が設けられているものであると良い。
【0167】
かかる構成によれば、筐体を構成する天面の上に物品が配置される等して、外気導入部や内気排出部において空気の流れが阻害されるのを抑制できる。
【0168】
(6-4)上述した洗濯機は、前記外装面において複数の桟を連子状あるいは格子状に設けた桟状部を有し、前記桟状部が、外部に露出すると共に、前記外装面の側方に連通するように形成されており、前記外気導入部及び前記内気排出部のうちいずれか一方又は双方が、前記桟状部に設けられており、前記第一連通部が、前記桟状部を構成する隣接する前記桟の間において前記外装面に対して開口した開口部によって形成されており、前記第二連通部が、前記桟状部を構成する隣接する前記桟の間において前記外装面に対して非開口であって、前記外装面の側方に連通した部分によって形成されているものであると良い。
【0169】
かかる構成によれば、桟同士の間に形成された開口部によって第一連通部を形成するとともに、桟同士の間であって開口が形成されていない部分において第二連通部を形成することができる。
【0170】
[第二変形例の具体例について]
以下、第二変形例に係る洗濯機10について、図19及び図20を参照しつつ詳細に説明する。なお、本変形例に係る洗濯機10は、上記実施形態に係るものと大部分において構成が共通するため、同一の構成については同一の符号を付し、詳細の説明については省略する。
【0171】
洗濯機10は、上記実施形態において例示したものと同様の構成の筐体20、洗濯槽35、送風経路50を備えている。第二変形例の洗濯機10は、上述した内気排出部130及び外気導入部140と一部の構成が相違している。以下、第二変形例における内気排出部130及び外気導入部140の構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0172】
内気排出部130は、送風経路50から外部に空気を排出可能なように外部に向けて開放されたものである。また、外気導入部140は、送風経路50に外部から空気を導入可能なように外部に向けて開放されたものである。内気排出部130及び外気導入部140は、それぞれ筐体20の外装面をなす面のうち天面20eにおいて、背面20b側の位置に設けられている。
【0173】
内気排出部130及び外気導入部140は、それぞれ複数の桟252,262を連子状あるいは格子状に設けた桟状部250,260により形成されている。桟状部250,260は、天面20eにおいて外部に露出すると共に、天面20eの側方(本変形例では背面20b側)に向けて連通するように形成されている。
【0174】
内気排出部130及び外気導入部140は、それぞれ桟状部250,260により形成された第一連通部254,264、及び第二連通部256,266を有する。
【0175】
第一連通部254,264は、天面20eに対して交差する方向(本変形例では上下方向)に空気が流れるように外部に連通している。第一連通部254,264は、桟状部250,260を構成する隣接する桟252,252の間や、桟262,262の間において天面20eに対して開口した開口部によって形成されている。
【0176】
第二連通部256,266は、第一連通部254,264に対して交差する方向に空気が流れるように外部に連通したものである。第二連通部256,266は、第一連通部254,264から分岐するように形成されている。第二連通部256,266は、桟状部250,260を構成する隣接する桟252,252の間や、桟262,262の間において天面20eに対して非開口であって、天面20eの側方(本変形例では背面20b側)に向けて連通した部分によって形成されている。第二連通部256,266を構成する非開口部分は、桟252,252や桟262,262の上端部(開放端)よりも低い位置にある。そのため、桟252,252や桟262,262の間に、天面20e(外装面)の表面に沿って空気が流れる溝が形成されている。また、図20に示すように、桟252や桟262は、第二連通部256,266の終端側(本変形例では背面20b側)において上端側から下端側に向けて傾斜した傾斜部258,268を有する。このような構成とされているため、桟状部250,260の上に物品が配置されたとしても、傾斜部258,268と物品との間に隙間が形成され、第二連通部256,266における通気性を確保することができる。
【0177】
上述したように、本変形例の洗濯機10は、内気排出部130及び外気導入部140の双方が、筐体20において外部に露出する天面20eに対して交差する方向に空気が流れるように外部に連通した第一連通部254,264と、第一連通部254,264に対して交差する方向に空気が流れるように外部に連通した第二連通部256,266とを有する。そのため、本変形例の洗濯機10においては、第一連通部254,264を閉塞するように物が配置されたとしても、第二連通部256,266を介して空気が流れる経路を確保することができる。
【0178】
なお、本変形例においては、天面20eに内気排出部130や外気導入部140が設けられる例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、筐体20の側面に内気排出部130や外気導入部140が設けられた場合、これらが設けられた側面を上述した構成とすれば、当該側面を壁面に当接させた状態で配置される等して第一連通部254,264が閉塞されたとしても、第二連通部256,266による空気の流れを確保できる。
【0179】
なお、本変形例においては、内気排出部130及び外気導入部140の双方を上述したように第一連通部254,264及び第二連通部256,266を備えた構成とした例を示したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、内気排出部130及び外気導入部140のいずれか一方については、上述したように第一連通部254,264及び第二連通部256,266を備えた構成とは異なるものであっても良い。
【0180】
上述した本変形例の洗濯機10は、第一連通部254,264及び第二連通部256,266のうち一方から他方が分岐するように形成されている。そのため、第一連通部254,264と第二連通部256,266とを全く異なるものとして設ける必要がないため、構成を簡素化することができる。
【0181】
なお、本変形例においては、第一連通部254,264から第二連通部256,266が分岐するようにした例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、内気排出部130や外気導入部140は、第二連通部256,266から第一連通部254,264が分岐するようにしたものや、第一連通部254,264及び第二連通部256,266を別経路で設けたものであっても良い。
【0182】
上述した洗濯機10は、筐体20の天面20eをなす部分に内気排出部130及び外気導入部140が設けられている。そのため、洗濯機10は、筐体20を構成する天面の上に物品が配置される等して、内気排出部130及び外気導入部140において空気の流れが阻害されるのを抑制できる。
【0183】
なお、本変形例においては、内気排出部130及び外気導入部140の双方が天面20eに設けられた例を示したが、本発明はこれに限定されない。具体的には、内気排出部130及び外気導入部140うち、いずれか一方又は双方が、筐体20の側面等、天面20e以外の外装面に設けられていても良い。
【0184】
上述した洗濯機10は、天面20eにおいて複数の桟252,262を連子状あるいは格子状に設けた桟状部250,260を有し、桟状部250,260が、外部に露出すると共に、天面20eの側方に連通するように形成されている。また、内気排出部130及び外気導入部140の双方が、桟状部250,260に設けられており、桟252,262の間において天面20eに対して開口した開口部によって第一連通部254,264が形成され、桟252,262の間において非開口とされた部分によって第二連通部256,266が形成されている。本変形例の洗濯機10は、このようなシンプルな構成により、第一連通部254,264及び第二連通部256,266を設けることができる。
【0185】
なお、本変形例においては、桟状部250,260を活用して第一連通部254,264及び第二連通部256,266を設けた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。洗濯機10は、例えば、第一連通部254,264用の開口と、第二連通部256,266用の開口とを別々に設けたもの等としても良い。
【0186】
本発明は、上述した実施形態や変形例等として示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示および精神から他の実施形態があり得る。上述した実施形態の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また実施形態の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成してもよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。
【産業上の利用可能性】
【0187】
本発明は、洗濯機全般において好適に利用できる。
【符号の説明】
【0188】
10 :洗濯機
20 :筐体
26a :本体部
26b :台座部
26c :接続部
26d :開口部
26e :本体側固定部
26f :台座側固定部
28a :前梁
28b :後梁
28c :側方梁
28d :側方梁
30 :水槽
32 :洗濯槽吸気部
34 :洗濯槽排気部
35 :洗濯槽
40 :回転槽
50 :送風経路
52a :狭窄部
58 :連通部
60 :水受部
62 :開口部
64 :立設部
66 :溝部
70 :温風供給部
72 :送風装置
74 :加熱装置
82 :給水部
100 :フィルタ装置
110 :フィルタ収容部
110e :底部
112 :上流側開口
114 :下流側開口
116 :内気排出部連通口
118 :外気導入部連通口
120 :排水口
120a :排水管
122 :傾斜部
130 :内気排出部
134 :内気排出口
140 :外気導入部
160 :上流側フィルタ部材
174 :仕切壁
176 :第一空間
178 :第二空間
180 :下流側フィルタ部材
200 :温水形成部
210 :室温検知装置
220 :制御部
250 :桟状部
252 :桟
254 :第一連通部
256 :第二連通部
258 :傾斜部
260 :桟状部
262 :桟
264 :第一連通部
266 :第二連通部
268 :傾斜部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20