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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160986
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】超音波診断装置及び解析装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20231026BHJP
【FI】
A61B8/14
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023148511
(22)【出願日】2023-09-13
(62)【分割の表示】P 2019121963の分割
【原出願日】2019-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】高田 優子
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 正毅
(72)【発明者】
【氏名】本庄 泰徳
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 悠
(72)【発明者】
【氏名】宮木 啓介
(57)【要約】
【課題】特徴部位に関する判別結果を精度よく得ること。
【解決手段】実施形態の超音波診断装置は、記憶部と、判別部とを備える。記憶部は、複数の段階のそれぞれに対応する複数の学習済みモデルのそれぞれであって、入力された医用画像データに描出される被検体の特徴部位に関する判別結果を出力する複数の判別処理のそれぞれを実行する際に用いられる複数の学習済みモデルのそれぞれを記憶する。判別部は、複数の学習済みモデルのうち少なくとも1つの学習済みモデルを用いて、少なくとも1つの学習済みモデルに対応する判別処理を実行することにより、被検体の特徴部位に関する判別結果を導出する。判別部は、複数の段階のそれぞれにおいて、他の段階で実行される判別処理とは異なる判別処理を実行する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の段階のそれぞれに対応する複数の学習済みモデルのそれぞれであって、入力された医用画像データに描出される被検体の特徴部位に関する判別結果を出力する複数の判別処理のそれぞれを実行する際に用いられる複数の学習済みモデルのそれぞれを記憶する記憶部と、
前記複数の学習済みモデルのうち少なくとも1つの学習済みモデルを用いて、前記少なくとも1つの学習済みモデルに対応する判別処理を実行することにより、前記被検体の特徴部位に関する判別結果を導出する判別部と、
を備え、
前記判別部は、前記複数の段階のそれぞれにおいて、他の段階で実行される判別処理とは異なる判別処理を実行する、
超音波診断装置。
【請求項2】
前記判別部は、前記複数の段階のうち、一の段階に対応する判別処理から出力された所定の判別結果に対応する医用画像データを、前記一の段階の次の段階に対応する判別処理に入力し、前記一の段階の次の段階に対応する判別処理から出力された判別結果を前記一の段階の次の段階に対応する判別結果として導出する、
請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
複数の前記医用画像データを収集する収集部と、
前記複数の医用画像データを収集する際に用いられる超音波プローブの移動速度を検出する検出部と、
を更に備え、
前記判別部は、前記超音波プローブの移動速度に応じて、前記複数の医用画像データの複数の種類のフレームレートの中から、判別結果を導出する際のフレームレートを選択する第1の選択処理、及び、前記移動速度に応じて、判別結果を導出するための複数の種類の導出処理の中から、判別結果を導出する際の導出処理を選択する第2の選択処理を実行する、
請求項1又は2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
複数の前記医用画像データを収集する収集部と、
前記複数の医用画像データを収集する際に用いられる超音波プローブの移動速度を検出する検出部と、
を更に備え、
前記記憶部は、前記複数の段階のそれぞれに対応する複数の種類の学習済みモデルを記憶し、
前記判別部は、前記超音波プローブの移動速度に応じて、前記複数の医用画像データの複数の種類のフレームレートの中から、判別結果を導出する際のフレームレートを選択する第1の選択処理、及び、前記移動速度に応じて、前記複数の種類の学習済みモデルの中から、判別結果を導出する際に用いられる学習済みモデルを選択する第3の選択処理を実行する、
請求項1又は2に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記判別部は、前記第1の選択処理において、前記移動速度が第1の閾値よりも大きい場合には、判別結果を導出する際のフレームレートとして第1のフレームレートを選択し、前記移動速度が前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値よりも小さい場合には、判別結果を導出する際のフレームレートとして前記第1のフレームレートよりも低い第2のフレームレートを選択する、
請求項3又は4に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記判別部は、前記第2の選択処理において、前記移動速度が第1の閾値よりも大きい場合には、判別結果を導出する際の導出処理として第1の導出処理を選択し、前記移動速度が前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値よりも小さい場合には、前記第1の導出処理よりも多くの判別結果を導出する第2の導出処理、又は、判別結果を導出する際の前記導出処理として前記第1の導出処理よりも精度良く判別結果を導出することが可能で、かつ、処理負荷が高い第3の導出処理を選択する、
請求項3に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記判別部は、前記第3の選択処理において、前記移動速度が第1の閾値よりも大きい場合には、判別結果を導出する際に用いる学習済みモデルとして第1の学習済みモデルを選択し、前記移動速度が前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値よりも小さい場合には、判別結果を導出する際に用いる学習済みモデルとして前記第1の学習済みモデルよりも精度良く判別結果を導出可能で、かつ、処理負荷が高い第2の学習済みモデルを選択する、
請求項4に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記判別部は、前記移動速度が前記第1の閾値よりも大きい場合において、前記第1の導出処理として、前記入力された医用画像データにより示される医用画像の一部分と、特徴部位を示す第1のパターンとが類似している度合いを示す指標が閾値以上であるときには、前記医用画像に特徴部位が含まれると判別し、前記指標が閾値未満であるときには、前記医用画像に特徴部位が含まれないと判別した結果である判別結果を導出する特徴部位検出処理を実行する、
請求項6に記載の超音波診断装置。
【請求項9】
前記判別部は、前記移動速度が前記第2の閾値よりも小さい場合において、前記第3の導出処理として、前記特徴部位検出処理、及び、前記特徴部位検出処理により前記医用画像に含まれると判別された特徴部位と、前記特徴部位検出処理において前記医用画像に含まれないにも関わらず含まれると誤って判別されると推定される特徴部位を示す第2のパターンとが類似している度合いを示す指標が閾値以上であるときには、前記医用画像に含まれると判別された特徴部位が前記医用画像に含まれないと判別結果を訂正する訂正処理を実行する、
請求項8に記載の超音波診断装置。
【請求項10】
前記判別部は、前記入力された医用画像データに対して、特徴部位を示す第1のパターンを用いる第1の特徴部位検出処理により検出された前記入力された医用画像データにより示される医用画像の一部分、及び、前記入力された医用画像データに対して、特徴部位を示す第1のパターンとは異なる第2のパターンを用いる第2の特徴部位検出処理により検出された前記医用画像の一部分のうち、前記第1の特徴部位検出処理及び前記第2の特徴部位検出処理において共通して検出された前記医用画像の一部分を除く前記医用画像の一部分が特徴部位であり、前記医用画像には特徴部位が含まれると判別する、
請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項11】
前記被検体に対して超音波走査を行うことにより複数の前記医用画像データを収集する収集部を更に備え、
前記判別部は、前記超音波走査に対してリアルタイムで判別結果を導出するのか、又は、前記超音波走査よりも後に実行される後処理として判別結果を導出するのかに応じて、判別結果を導出するための複数の種類の導出処理の中から、判別結果を導出する際の導出処理を選択する、
請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項12】
前記被検体に対して超音波走査を行うことにより複数の前記医用画像データを収集する収集部を更に備え、
前記記憶部は、前記複数の段階のそれぞれに対応する複数の種類の学習済みモデルを記憶し、
前記判別部は、前記超音波走査に対してリアルタイムで判別結果を導出するのか、又は、前記超音波走査よりも後に実行される後処理として判別結果を導出するのかに応じて、前記複数の種類の学習済みモデルの中から、判別結果を導出する際に用いる学習済みモデルを選択する、
請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項13】
被検体の特徴部位が描出された医用画像データを収集する収集部と、
前記医用画像データと、前記医用画像データに描出される特徴部位に関する判別結果とを対応付けて学習することにより、入力された医用画像データに描出される被検体の特徴部位に関する判別結果を出力する判別処理を実行する際に用いられる学習済みモデルを、複数の段階のそれぞれにおいて生成する生成部と、
を備え、
前記複数の段階のそれぞれにおいて実行される判別処理は、他の段階で実行される判別処理とは異なる、
超音波診断装置。
【請求項14】
前記生成部は、前記複数の段階のうち、一の段階に対応する判別処理から出力された所定の判別結果に対応する医用画像データと、前記一の段階の次の段階に対応する判別結果とを対応付けて学習することにより、前記一の段階の次の段階に対応する学習済みモデルを生成する、
請求項13に記載の超音波診断装置。
【請求項15】
前記生成部は、前記一の段階の次の段階に対応する判別処理から出力された所定の判別結果に対応する医用画像データと、当該所定の判別結果とを対応付けて学習することにより、前記一の段階に対応する学習済みモデルを生成する、
請求項14に記載の超音波診断装置。
【請求項16】
複数の段階のそれぞれに対応する複数の学習済みモデルのそれぞれであって、入力された医用画像データに描出される被検体の特徴部位に関する判別結果を出力する複数の判別処理のそれぞれを実行する際に用いられる複数の学習済みモデルのそれぞれを記憶する記憶部と、
前記複数の学習済みモデルのうち少なくとも1つの学習済みモデルを用いて、前記少なくとも1つの学習済みモデルに対応する判別処理を実行することにより、前記被検体の特徴部位に関する判別結果を導出する判別部と、
を備え、
前記判別部は、前記複数の段階のそれぞれにおいて、他の段階で実行される判別処理とは異なる判別処理を実行する、
解析装置。
【請求項17】
被検体の特徴部位が描出された医用画像データを取得する取得部と、
前記医用画像データと、前記医用画像データに描出される特徴部位に関する判別結果とを対応付けて学習することにより、入力された医用画像データに描出される被検体の特徴部位に関する判別結果を出力する判別処理を実行する際に用いられる学習済みモデルを、複数の段階のそれぞれにおいて生成する生成部と、
を備え、
前記複数の段階のそれぞれにおいて実行される判別処理は、他の段階で実行される判別処理とは異なる、
解析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、超音波診断装置及び解析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置は、超音波走査に対してリアルタイムで生成した超音波画像データにより示される超音波画像をリアルタイムで表示したり、過去の超音波走査により得られた超音波画像データにより示される超音波画像を表示したりする。超音波診断装置のリアルタイム性は、他の医用画像診断装置のリアルタイム性よりも優れており、大きな利点である。また、医用画像診断装置により生成された医用画像中の特徴的な部位(特徴部位)を自動的に検出するCAD(Computer Aided Detection)機能が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第9674447号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2015/0294457号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2018/0025112号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2007/0118399号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2004/0122790号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、特徴部位に関する判別結果を精度よく得ることができる超音波診断装置及び解析装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の超音波診断装置は、記憶部と、判別部とを備える。記憶部は、複数の段階のそれぞれに対応する複数の学習済みモデルのそれぞれであって、入力された医用画像データに描出される被検体の特徴部位に関する判別結果を出力する複数の判別処理のそれぞれを実行する際に用いられる複数の学習済みモデルのそれぞれを記憶する。判別部は、複数の学習済みモデルのうち少なくとも1つの学習済みモデルを用いて、少なくとも1つの学習済みモデルに対応する判別処理を実行することにより、被検体の特徴部位に関する判別結果を導出する。判別部は、複数の段階のそれぞれにおいて、他の段階で実行される判別処理とは異なる判別処理を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1の実施形態に係る超音波診断システムの構成例を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る学習済みモデル生成機能により実行される処理の一例を説明するための図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る判別機能により実行される処理の一例を説明するための図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る学習時の1段階目の処理及び運用時の1段階目の処理の一例を説明するための図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る学習時の2段階目の処理及び運用時の2段階目の処理の一例を説明するための図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る学習時の3段階目の処理及び運用時の3段階目の処理の一例を説明するための図である。
図7図7は、第1の実施形態に係る第1の判別処理の一例の流れを示すフローチャートである。
図8図8は、第1の実施形態に係る判別機能による特徴部位の検出結果の一例を説明するための図である。
図9図9は、第1の実施形態に係る判別機能による特徴部位の検出結果の一例を説明するための図である。
図10図10は、第1の実施形態に係る第1の検出処理の結果の一例を示す図である。
図11図11は、第1の実施形態に係る第2の検出処理の結果の一例を示す図である。
図12図12は、第1の実施形態に係る超音波診断装置が実行する処理の一例の流れを示すフローチャートである。
図13図13は、第1の実施形態に係るマーカ情報生成機能が実行する処理の一例を説明するための図である。
図14図14は、第1の実施形態に係る表示例を示す図である。
図15図15は、第2の実施形態に係る超音波診断装置の構成例を示す図である。
図16図16は、第2の実施形態に係る第2の学習済みモデル及び第2の判別プログラムを生成する処理の一例の流れを示すフローチャートである。
図17図17は、第2の実施形態に係る第3の学習済みモデル及び第3の判別プログラムを生成する処理の一例の流れを示すフローチャートである。
図18図18は、第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例2に係る超音波診断装置が実行する処理の一例の流れを示すフローチャートである。
図19図19は、第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例3に係る第1の判別処理の一例の流れを示すフローチャートである。
図20図20は、第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例3に係る第3の検出処理の結果の一例を示す図である。
図21図21は、第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例3に係る第4の検出処理の結果の一例を示す図である。
図22図22は、第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例3に係る第5の検出処理の結果の一例を示す図である。
図23図23は、第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例4に係る各種の学習済みモデル及び各種の判別プログラムの一例を説明するための図である。
図24図24は、第3の実施形態に係る医用画像処理装置300の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら、実施形態に係る超音波診断装置及び医用画像処理装置を説明する。なお、一つの実施形態又は変形例に記載した内容は、他の実施形態又は他の変形例にも同様に適用されてもよい。
【0008】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る解析システムの構成例について説明する。図1は、第1の実施形態に係る超音波診断システムの構成例を示す図である。図1に例示するように、第1の実施形態に係る超音波診断システムは、超音波診断装置1と、学習済みモデル生成装置200とを備える。超音波診断装置1と、学習済みモデル生成装置200とは、互いに通信可能に接続されている。第1の実施形態に係る超音波診断システムでは、学習済みモデル生成装置200が各種の学習済みモデルを生成する。また、学習済みモデル生成装置200は、各種の学習に用いたネットワーク構造及び計算パラメータ等の学習条件を記録する。そして、学習済みモデル生成装置200は、生成した各種の学習済みモデル及び記録した各種の学習条件を超音波診断装置1に送信する。そして、超音波診断装置1が、学習済みモデル生成装置200から送信された各種の学習済みモデル及び各種の学習条件を用いて、各種の判別処理を実行する。超音波診断装置1は、ある判別処理を実行する場合には、ある学習済みモデルと、この学習済みモデルに対応する学習条件とを用いる。
【0009】
学習済みモデル生成装置200は、処理回路201を備える。処理回路201は、例えば、プロセッサにより実現される。処理回路201は、学習済みモデル生成機能201aを有する。
【0010】
学習済みモデル生成機能201aは、超音波画像データに描出される被検体Pの特徴部位に関する判別結果を出力するための判別処理を実行する際に用いられる学習済みモデルを生成する学習時の処理を実行する。なお、以下の説明では、特徴部位が乳腺の腫瘤である場合について説明するが、特徴部位は、これに限られない。
【0011】
図2は、第1の実施形態に係る学習済みモデル生成機能201aにより実行される処理の一例を説明するための図である。図2に例示するように、学習済みモデル生成機能201aは、学習時の1段階目において、第1の学習済みモデル11aを生成し、第1の学習条件11bを記録する。また、学習済みモデル生成機能201aは、学習時の1段階目の次の2段階目において、第2の学習済みモデル12aを生成し、第2の学習条件12bを記録する。また、学習済みモデル生成機能201aは、学習時の2段階目の次の3段階目において、第3の学習済みモデル13aを生成し、第3の学習条件13bを記録する。学習済みモデル生成機能201aは、第1の学習済みモデル11aと、第2の学習済みモデル12aと、第3の学習済みモデル13aとを非同期で生成する。また、学習済みモデル生成機能201aは、第1の学習条件11bと、第2の学習条件12bと、第3の学習条件13bとを非同期で記録する。学習済みモデル生成機能201aは、生成部の一例である。
【0012】
例えば、第1の学習条件11bは、超音波診断装置1が第1の判別処理を実行する際に使用される計算パラメータ群である。また、第1の学習済みモデル11aは、超音波診断装置1が第1の判別処理を実行する際に用いられる調整済みのパラメータである。第1の判別処理の詳細については後述する。
【0013】
また、第2の学習条件12bは、超音波診断装置1が第2の判別処理を実行する際に使用される計算パラメータ群である。また、第2の学習済みモデル12aは、超音波診断装置1が第2の判別処理を実行する際に用いられる調整済みのパラメータである。第2の判別処理の詳細については後述する。
【0014】
また、第3の学習条件13bは、超音波診断装置1が第3の判別処理を実行する際に使用される計算パラメータ群である。また、第3の学習済みモデル13aは、超音波診断装置1が第3の判別処理を実行する際に用いられる調整済みのパラメータである。第3の判別処理の詳細については後述する。
【0015】
このように、複数の学習済みモデルのそれぞれ及び複数の学習条件のそれぞれは、複数の段階のそれぞれに対応する。また、複数の学習済みモデルのそれぞれ及び複数の学習条件のそれぞれは、複数の判別処理のそれぞれを実行する際に用いられる。
【0016】
図1の説明に戻り、超音波診断装置1は、装置本体100と、超音波プローブ101と、入力装置102と、ディスプレイ103と、速度検出器104とを有する。
【0017】
超音波プローブ101は、超音波画像データを収集する際に用いられる。超音波プローブ101は、例えば、複数の圧電振動子を有する。複数の圧電振動子は、後述する装置本体100が有する送信回路110から供給される駆動信号に基づき超音波を発生する。また、超音波プローブ101は、被検体Pからの反射波を受信して電気信号(反射波信号)に変換し、反射波信号を装置本体100に送信する。また、超音波プローブ101は、例えば、圧電振動子に設けられる整合層と、圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有する。なお、超音波プローブ101は、装置本体100と着脱自在に接続される。
【0018】
超音波プローブ101から被検体Pに超音波が送信されると、送信された超音波は、被検体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、反射波として超音波プローブ101が有する複数の圧電振動子にて受信される。受信される反射波の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。なお、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合の反射波は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向に対する速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。
【0019】
超音波プローブ101は、装置本体100と着脱可能に設けられる。被検体P内の2次元領域の走査(2次元走査)を行なう場合、超音波診断装置1の操作者は、例えば、複数の圧電振動子が一列で配置された1Dアレイプローブを超音波プローブ101として装置本体100に接続する。1Dアレイプローブは、リニア型超音波プローブ、コンベックス型超音波プローブ、セクタ型超音波プローブ等である。また、被検体P内の3次元領域の走査(3次元走査)を行なう場合、操作者は、例えば、メカニカル4Dプローブや2Dアレイプローブを超音波プローブ101として装置本体100と接続する。メカニカル4Dプローブは、1Dアレイプローブのように一列で配列された複数の圧電振動子を用いて2次元走査が可能であるとともに、複数の圧電振動子を所定の角度(揺動角度)で揺動させることで3次元走査が可能である。また、2Dアレイプローブは、マトリックス状に配置された複数の圧電振動子により3次元走査が可能であるとともに、超音波を集束して送信することで2次元走査が可能である。
【0020】
入力装置102は、例えば、マウス、キーボード、ボタン、パネルスイッチ、タッチコマンドスクリーン、フットスイッチ、トラックボール、ジョイスティック等の入力手段により実現される。入力装置102は、超音波診断装置1の操作者からの各種設定要求を受け付け、受け付けた各種設定要求を装置本体100に転送する。例えば、入力装置102は、超音波診断装置1の操作者から、超音波画像中の特徴的な部位(特徴部位)を自動的に検出するCAD処理を実行するための指示(実行指示)を受け付け、受け付けた実行指示を装置本体100の処理回路180に送信する。また、操作者は、入力装置102を介して、CAD処理において、特徴部位の検索範囲であるROI(Region Of Interest)を超音波画像に設定することもできる。
【0021】
ディスプレイ103は、例えば、超音波診断装置1の操作者が入力装置102を用いて各種設定要求を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示したり、装置本体100において生成された超音波画像データにより示される超音波画像等を表示したりする。ディスプレイ103は、液晶モニタやCRT(Cathode Ray Tube)モニタ等によって実現される。ディスプレイ103は、表示部の一例である。
【0022】
速度検出器104は、超音波プローブ101に取り付けられて、超音波プローブ101の移動速度(スキャン速度、スキャンスピード)を検出する。そして、速度検出器104は、検出した移動速度を示す検出信号を装置本体100の処理回路180に送信する。例えば、速度検出器104は、磁気センサにより実現される。なお、速度検出器104は、磁気センサに限られず、超音波プローブ101の速度を検出可能な磁気センサ以外の公知のデバイスにより実現されてもよい。
【0023】
装置本体100は、超音波プローブ101から送信される反射波信号に基づいて超音波画像データを生成する。装置本体100は、超音波プローブ101が送信した被検体Pの2次元領域に対応する反射波信号に基づいて2次元の超音波画像データを生成可能である。また、装置本体100は、超音波プローブ101が送信した被検体Pの3次元領域に対応する反射波信号に基づいて3次元の超音波画像データを生成可能である。
【0024】
図1に示すように、装置本体100は、送信回路110と、受信回路120と、Bモード処理回路130と、ドプラ処理回路140と、画像生成回路150と、画像メモリ160と、記憶回路170と、処理回路180とを有する。送信回路110、受信回路120、Bモード処理回路130、ドプラ処理回路140、画像生成回路150、画像メモリ160、記憶回路170及び処理回路180は、互いに通信可能に接続されている。
【0025】
送信回路110は、処理回路180による制御を受けて、超音波プローブ101から超音波を送信させる。送信回路110は、レートパルサ発生回路と、送信遅延回路と、送信パルサとを有し、超音波プローブ101に駆動信号を供給する。送信回路110は、被検体P内の2次元領域を走査する場合、超音波プローブ101から2次元領域を走査するための超音波ビームを送信させる。また、送信回路110は、被検体P内の3次元領域を走査する場合、超音波プローブ101から3次元領域を走査するための超音波ビームを送信させる。
【0026】
レートパルサ発生回路は、所定のレート周波数(PRF:Pulse Repetition Frequency)で、送信超音波(送信ビーム)を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。レートパルスが送信遅延回路を経由することで、異なる送信遅延時間を有した状態で送信パルサに電圧が印加される。例えば、送信遅延回路は、超音波プローブ101から発生される超音波をビーム状に集束して送信指向性を決定するために必要な圧電振動子ごとの送信遅延時間を、レートパルサ発生回路により発生される各レートパルスに対して与える。送信パルサは、かかるレートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ101に駆動信号(駆動パルス)を印加する。なお、送信遅延回路は、各レートパルスに与える送信遅延時間を変化させることで、圧電振動子面からの超音波の送信方向を任意に調整する。
【0027】
駆動パルスは、送信パルサからケーブルを介して超音波プローブ101内の圧電振動子まで伝達した後に、圧電振動子において電気信号から機械的振動に変換される。この機械的振動によって発生した超音波は、被検体Pの生体内部に送信される。ここで、圧電振動子ごとに異なる送信遅延時間を持った超音波は、集束されて、所定方向に伝搬していく。
【0028】
なお、送信回路110は、処理回路180による制御を受けて、所定のスキャンシーケンスを実行するために、送信周波数、送信駆動電圧等を瞬時に変更可能な機能を有する。特に、送信駆動電圧の変更は、瞬間にその値を切り替え可能なリニアアンプ型の発信回路、または、複数の電源ユニットを電気的に切り替える機構によって実現される。
【0029】
超音波プローブ101により送信された超音波の反射波は、超音波プローブ101内部の圧電振動子まで到達した後、圧電振動子において、機械的振動から電気的信号(反射波信号)に変換される。そして、受信回路120は、超音波プローブ101から送信された反射波信号を受信する。受信回路120は、処理回路180による制御を受けて、反射波信号に対して各種処理を行なって反射波データを生成し、生成した反射波データをBモード処理回路130及びドプラ処理回路140に出力する。例えば、受信回路120は、1フレーム分の反射波信号を受信する度に、受信した反射波信号から1フレーム分の反射波データを生成する。受信回路120は、超音波プローブ101から送信された2次元の反射波信号から2次元の反射波データを生成する。また、受信回路120は、超音波プローブ101から送信された3次元の反射波信号から3次元の反射波データを生成する。
【0030】
受信回路120は、プリアンプと、A/D(Analog to Digital)変換器と、直交検波回路等を有する。プリアンプは、反射波信号をチャンネルごとに増幅してゲイン調整(ゲイン補正)を行なう。A/D変換器は、ゲイン補正された反射波信号をA/D変換することでゲイン補正された反射波信号をデジタル信号に変換する。直交検波回路は、デジタル信号をベースバンド帯域の同相信号(I信号、I:In-phase)と直交信号(Q信号、Q:Quadrature-phase)とに変換する。そして、直交検波回路は、I信号及びQ信号(IQ信号)を反射波データとしてBモード処理回路130及びドプラ処理回路140に出力する。
【0031】
Bモード処理回路130は、処理回路180による制御を受けて、受信回路120から出力された反射波データに対して、対数増幅、包絡線検波処理及び対数圧縮等を行なって、サンプル点ごとの信号強度(振幅強度)が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。例えば、Bモード処理回路130は、1フレーム分の反射波データを受信する度に、受信した反射波データから1フレーム分のBモードデータを生成する。Bモード処理回路130は、生成したBモードデータを画像生成回路150に出力する。Bモード処理回路130は、例えば、プロセッサにより実現される。
【0032】
ドプラ処理回路140は、処理回路180による制御を受けて、受信回路120から出力された反射波データを周波数解析することで、ドプラ効果に基づく移動体(血流や組織、造影剤エコー成分等)の運動情報を抽出し、抽出した運動情報を示すデータ(ドプラデータ)を生成する。例えば、ドプラ処理回路140は、移動体の運動情報として、平均速度、分散及びパワー等を多点に渡り抽出し、抽出した移動体の運動情報を示すドプラデータを生成する。例えば、ドプラ処理回路140は、1フレーム分の反射波データを受信する度に、受信した反射波データから1フレーム分のドプラデータを生成する。ドプラ処理回路140は、生成したドプラデータを画像生成回路150に出力する。ドプラ処理回路140は、例えば、プロセッサにより実現される。
【0033】
また、上記のドプラ処理回路140の機能を用いて、本実施形態に係る超音波診断装置1は、カラーフローマッピング法(CFM:Color Flow Mapping)とも呼ばれるカラードプラ法を実行可能である。CFM法では、超音波の送受信が複数の走査線上で複数回行なわれる。そして、CFM法では、同一位置のデータ列に対してMTI(Moving Target Indicator)フィルタを掛けることで、静止している組織、或いは、動きの遅い組織に由来する信号(クラッタ信号)を抑制して、血流に由来する信号を抽出する。そして、CFM法では、この血流信号から血流の速度、血流の分散、血流のパワー等の血流情報を推定する。後述する画像生成回路150は、推定結果の分布を、例えば、2次元でカラー表示した超音波画像データ(カラードプラ画像データ)を生成する。そして、ディスプレイ103は、カラードプラ画像データが示すカラードプラ画像を表示する。
【0034】
Bモード処理回路130及びドプラ処理回路140は、2次元の反射波データ及び3次元の反射波データの両方について処理可能である。
【0035】
画像生成回路150は、処理回路180による制御を受けて、Bモード処理回路130及びドプラ処理回路140が出力した各種のデータ(Bモードデータ及びドプラデータ)から超音波画像データを生成する。例えば、画像生成回路150は、Bモード処理回路130及びドプラ処理回路140から出力された1フレーム分の各種のデータを受信する度に、受信した各種のデータから1フレーム分の超音波画像データを生成する。すなわち、画像生成回路150は、超音波走査に対してリアルタイムで時系列に沿った複数の超音波画像データを所定のフレームレートで生成する。このようにして、本実施形態では、超音波プローブ101、受信回路120、Bモード処理回路130、ドプラ処理回路140及び画像生成回路150が、リアルタイムで、時系列に沿った複数の超音波画像データを所定のフレームレートで収集する。超音波画像データは、超音波プローブ101により行われた超音波走査により得られた反射波信号に基づくデータである。超音波プローブ101、受信回路120、Bモード処理回路130、ドプラ処理回路140及び画像生成回路150は、収集部の一例である。また、超音波画像データは、医用画像データの一例である。
【0036】
そして、画像生成回路150は、リアルタイムで生成された時系列に沿った複数の超音波画像データを、画像メモリ160に記憶させる。具体例を挙げて説明すると、画像生成回路150は、1フレーム分の超音波画像データを生成する度に、生成した超音波画像データを画像メモリ160に記憶させる。例えば、超音波走査により得られた時系列に沿った複数の超音波画像データのうち、1番目に生成された超音波画像データは、1フレーム目の超音波画像データと称される。同様に、N(Nは、1以上の整数)番目に生成された超音波画像データは、Nフレーム目の超音波画像データと称される。
【0037】
画像生成回路150は、プロセッサにより実現される。ここで、画像生成回路150は、超音波走査の走査線信号列を、テレビ等に代表されるビデオフォーマットの走査線信号列に変換(スキャンコンバート)し、表示用の超音波画像データを生成する。例えば、画像生成回路150は、超音波プローブ101による超音波の走査形態に応じて座標変換を行なうことで、表示用の超音波画像データを生成する。また、画像生成回路150は、スキャンコンバート以外に種々の画像処理として、例えば、スキャンコンバート後の複数の画像フレームを用いて、輝度の平均値画像を再生成する画像処理(平滑化処理)や、画像内で微分フィルタを用いる画像処理(エッジ強調処理)等を行なう。また、画像生成回路150は、超音波画像データに、種々のパラメータの文字情報、目盛り、ボディーマーク等を合成する。
【0038】
また、画像生成回路150は、Bモード処理回路130により生成された3次元のBモードデータに対して座標変換を行なうことで、3次元Bモード画像データを生成する。また、画像生成回路150は、ドプラ処理回路140により生成された3次元のドプラデータに対して座標変換を行なうことで、3次元ドプラ画像データを生成する。すなわち、画像生成回路150は、「3次元のBモード画像データ及び3次元ドプラ画像データ」を「3次元超音波画像データ(ボリュームデータ)」として生成する。そして、画像生成回路150は、ボリュームデータをディスプレイ103にて表示するための各種の2次元画像データを生成するために、ボリュームデータに対して様々なレンダリング処理を行なう。
【0039】
Bモードデータ及びドプラデータは、スキャンコンバート処理前の超音波画像データであり、画像生成回路150が生成するデータは、スキャンコンバート処理後の表示用の超音波画像データである。なお、Bモードデータ及びドプラデータは、生データ(Raw Data)とも呼ばれる。
【0040】
画像メモリ160は、画像生成回路150により生成された各種の画像データを記憶するメモリである。また、画像メモリ160は、Bモード処理回路130及びドプラ処理回路140により生成されたデータも記憶する。画像メモリ160が記憶するBモードデータやドプラデータは、例えば、診断の後に操作者が呼び出すことが可能となっており、画像生成回路150を経由して表示用の超音波画像データとなる。例えば、画像メモリ160は、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク又は光ディスクによって実現される。
【0041】
記憶回路170は、超音波送受信、画像処理及び表示処理を行なうための制御プログラム、診断情報(例えば、患者ID、医師の所見等)、並びに、診断プロトコル及び各種ボディーマーク等の各種データを記憶する。また、記憶回路170は、必要に応じて、画像メモリ160が記憶するデータの保管等にも使用される。例えば、記憶回路170は、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク又は光ディスクによって実現される。記憶回路170は、記憶部の一例である。
【0042】
処理回路180は、超音波診断装置1の処理全体を制御する。処理回路180は、例えば、プロセッサにより実現される。処理回路180は、制御機能181、速度検出機能182、取得機能183、判別機能184、マーカ情報生成機能185及び表示制御機能186の各処理機能を有する。
【0043】
ここで、例えば、処理回路180が有する各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路170に記憶される。図1に示す処理回路180の構成要素である制御機能181、速度検出機能182、取得機能183、判別機能184、マーカ情報生成機能185及び表示制御機能186の各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路170に記憶されている。処理回路180は、各プログラムを記憶回路170から読み出し、読み出された各プログラムを実行することで、各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路180は、図1の処理回路180内に示された各機能を有することとなる。
【0044】
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、若しくは、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、又は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは、例えば、記憶回路170に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路170にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。更に、図1における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。以下の説明で用いられる「プロセッサ」という文言についても同様である。
【0045】
制御機能181は、入力装置102を介して操作者から入力された各種設定要求や、記憶回路170から読込んだ各種データに基づき、送信回路110、受信回路120、Bモード処理回路130、ドプラ処理回路140及び画像生成回路150の処理を制御する。
【0046】
速度検出機能182は、速度検出器104から送信される検出信号に基づいて、検出信号が示す超音波プローブ101の移動速度を算出することにより、超音波プローブ101の移動速度を検出する。例えば、速度検出機能182は、所定の時間間隔で、超音波プローブ101の移動速度を検出する。速度検出器104及び速度検出機能182は、検出部の一例である。
【0047】
取得機能183は、学習済みモデル生成装置200から送信された第1の学習済みモデル11a、第2の学習済みモデル12a及び第3の学習済みモデル13aを取得する。そして、取得機能183は、取得した第1の学習済みモデル11a、第2の学習済みモデル12a及び第3の学習済みモデル13aを記憶回路170に記憶させる。また、取得機能183は、学習済みモデル生成装置200から送信された第1の学習条件11b、第2の学習条件12b及び第3の学習条件13bを取得する。そして、取得機能183は、取得した第1の学習条件11b、第2の学習条件12b及び第3の学習条件13bを記憶回路170に記憶させる。記憶回路170に記憶された各種の学習済みモデル及び各種の学習条件は、判別機能184が各種の判別処理を行う際に用いられる。
【0048】
また、取得機能183は、入力装置102を介して操作者から入力されたCAD処理を実行するための指示(実行指示)を受信した場合に、時系列に沿った複数の超音波画像データを取得する。例えば、取得機能183は、実行指示を受信した後に、新たに生成された1フレーム分の超音波画像データが画像メモリ160に記憶される度に、画像メモリ160から、新たに生成された1フレーム分の超音波画像データを取得する。例えば、時系列に沿った複数の超音波画像データは、超音波走査により得られたデータ群である。このような超音波走査は、例えば、操作者により被検体Pの体表に沿って移動された超音波プローブ101の移動により被検体Pの内部の走査領域が移動されながら行われたり、超音波プローブ101が停止した状態で行われたりする。また、以下の説明において、時系列に沿った複数の超音波画像データのそれぞれは、例えば、Bモード画像データである。
【0049】
判別機能184は、記憶回路170に記憶された各種の学習済みモデル及び各種の学習条件を用いて、特徴部位に関する判別結果を導出する運用時の処理を実行する。例えば、判別機能184は、新たに生成された1フレーム分の超音波画像データが取得機能183により取得される度に、取得された1フレーム分の超音波画像データを用いて、運用時の処理を実行する。
【0050】
図3は、第1の実施形態に係る判別機能184により実行される処理の一例を説明するための図である。図3に例示するように、運用時の1段階目において、判別機能184は、第1の学習済みモデル11a及び第1の学習条件11bを用いて、CAD処理として、超音波画像に特徴部位が含まれるか又は含まれないかを判別し、判別結果(第1の判別結果)を導出する第1の判別処理を実行する。すなわち、判別機能184により超音波画像に特徴部位が含まれると判別された場合には、特徴部位を検出したことになる。また、判別機能184により超音波画像に特徴部位が含まれないと判別された場合には、特徴部位を検出していないこととなる。
【0051】
また、判別機能184は、運用時の2段階目において、第2の学習済みモデル12a及び第2の学習条件12bを用いて、運用時の1段階目において検出された特徴部位が良性であるか又は悪性であるかを判別し、判別結果(第2の判別結果)を導出する第2の判別処理を実行する。また、判別機能184は、運用時の3段階目において、第3の学習済みモデル13a及び第3の学習条件13bを用いて、運用時の2段階目において悪性と判別された特徴部位の悪性度を判別し、判別結果(第3の判別結果)を導出する第3の判別処理を実行する。例えば、悪性度としては、悪性度Aと、悪性度Aよりも悪性の度合いが高い悪性度Bの2つの悪性度が挙げられる。この場合、判別機能184は、悪性と判別された特徴部位の悪性度が、悪性度Aであるか又は悪性度Bであるかを判別する。以下、判別機能184が、悪性度として、悪性度A及び悪性度Bの2つの悪性度を判別する場合について説明するが、悪性度は、悪性度A及び悪性度Bの2つの悪性度に限られない。判別機能184は、判別部の一例である。
【0052】
図4は、第1の実施形態に係る学習時の1段階目の処理及び運用時の1段階目の処理の一例を説明するための図である。図4に例示するように、学習時の1段階目では、学習済みモデル生成機能201aは、超音波画像データ14と、第1のラベル15との関係を学習することによって、第1の学習済みモデル11aを生成し、第1の学習条件11bを記録する。ここで、第1のラベル15は、超音波画像データ14により示される超音波画像に特徴部位が含まれるか又は含まれないかを示すラベルである。すなわち、学習済みモデル生成機能201aは、超音波画像データ14と第1のラベル15とを対応付けて学習することにより、第1の学習済みモデル11aを生成し、第1の学習条件11bを記録する。超音波画像データ14は、例えば、Bモードデータから生成されたBモード画像データである。超音波画像データ14は、超音波診断装置1又は超音波診断装置1以外の超音波診断装置により生成されたデータである。
【0053】
なお、超音波画像データ14は、エッジ強調及びコントラスト強調等の前処理が施されたBモード画像データであってもよい。また、超音波画像データ14は、例えば、Bモードデータ(Bモードの生データ)であってもよい。また、超音波画像データ14は、カラードプラ画像データであってもよい。また、超音波画像データ14は、ストレインエラストにより得られたFLR(Fat Lesion Ratio)を示す画像データであってもよい。また、超音波画像データ14は、SWE(Shear Wave Elastography)により得られた、走査領域内の複数のサンプル点のそれぞれにおけるせん断速度に応じた画素値が各サンプル点に割り当てられたせん断速度画像データ(shear wave speed image data)であってもよい。また、超音波画像データ14は、超音波診断装置1又は超音波診断装置1以外の超音波診断装置により、ストレインエラスト又はSWEを実行中に得られたBモード画像データであってもよい。
【0054】
また、第1のラベル15は、例えば、操作者が、超音波画像データ14により示される超音波画像に特徴部位が含まれるか又は含まれないか判断することにより得られるラベルである。なお、第1のラベル15は、超音波診断装置1又は他の装置により超音波画像データ14に対してCAD処理を施すことにより得られるラベルであってもよい。
【0055】
例えば、学習済みモデル生成機能201aは、超音波画像データ14と第1のラベル15の組を学習用データ(教師データ)として機械学習エンジンに入力することによって、機械学習を行う。
【0056】
例えば、機械学習エンジンは、ディープラーニング(Deep Learning)や、ニューラルネットワーク(Neural Network)、ロジスティック(Logistic)回帰分析、非線形判別分析、サポートベクターマシン(Support Vector Machine:SVM)、ランダムフォレスト(Random Forest)、ナイーブベイズ(Naive Bayes)等の各種のアルゴリズムを用いて機械学習を行う。
【0057】
このような機械学習の結果として、学習済みモデル生成機能201aは、超音波画像データの入力に対して第1の判別結果を導出するための第1の判別処理において用いられる第1の学習済みモデル11aを生成する。また、上述したような機械学習の結果として、学習済みモデル生成機能201aは、第1の判別処理で計算に用いられる第1の学習条件11bを記録する。そして、学習済みモデル生成機能201aは、生成した第1の学習済みモデル11a及び記録した第1の学習条件11bを超音波診断装置1に送信する。これにより、超音波診断装置1の記憶回路170に第1の学習済みモデル11a及び第1の学習条件11bが記憶される。
【0058】
なお、学習済みモデル生成装置200と、超音波診断装置1は、ネットワークを介して接続されていなくてもよい。この場合、学習済みモデル生成装置200により生成された各種の学習済みモデル及び各種の学習条件は、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の記憶媒体に記憶される。そして、超音波診断装置1が、記憶媒体に記憶された各種の学習済みモデル及び各種の学習条件を読み出し、読み出した各種の学習済みモデル及び各種の学習条件を記憶回路170に記憶させる。
【0059】
次に、運用時の1段階目の処理の一例について説明する。図4に例示するように、運用時の1段階目において、判別機能184は、第1の学習済みモデル11a及び第1の学習条件11bを用いて、超音波画像データ16に示される超音波画像に特徴部位が含まれるか又は含まれないかを判別し、判別結果(第1の判別結果)17を導出する第1の判別処理をCAD処理として実行する。例えば、超音波画像データ16の種類は、超音波画像データ14の種類と同一である。例えば、上述した前処理が施されたBモード画像データ、上述した前処理が施されていないBモード画像データ、Bモードデータ、カラードプラ画像データ、ストレインエラストにより得られたFLRを示す画像データ、せん断速度画像データ、及び、ストレインエラスト又はSWEを実行中に得られたBモード画像データ等が、各種類の超音波画像データとして挙げられる。
【0060】
例えば、判別機能184は、超音波画像に特徴部位が含まれると判別した場合には、第1の判別結果17として、超音波画像に特徴部位が含まれることを示す情報を出力する。また、判別機能184は、超音波画像に特徴部位が含まれないと判別した場合には、第1の判別結果17として、超音波画像に特徴部位が含まれないことを示す情報を出力する。
【0061】
図5は、第1の実施形態に係る学習時の2段階目の処理及び運用時の2段階目の処理の一例を説明するための図である。図5に例示するように、学習時の2段階目では、学習済みモデル生成機能201aは、超音波画像データ20と、第2のラベル21との関係を学習することによって、第2の学習済みモデル12aを生成し、第2の学習条件12bを記録する。ここで、第2のラベル21は、超音波画像データ20により示される超音波画像に含まれる特徴部位が悪性であるのか又は良性であるのかを示すラベルである。すなわち、学習済みモデル生成機能201aは、超音波画像データ20と第2のラベル21とを対応付けて学習することにより、第2の学習済みモデル12aを生成し、第2の学習条件12bを記録する。
【0062】
第2の学習済みモデル12aを生成し、第2の学習条件12bを記録する際に用いられる超音波画像データ20は、特徴部位が描出された画像データである。超音波画像データ20は、例えば、Bモードデータから生成されたBモード画像データである。超音波画像データ20は、超音波診断装置1又は超音波診断装置1以外の超音波診断装置により生成されたデータである。
【0063】
例えば、学習済みモデル生成機能201aは、超音波画像データ20と第2のラベル21の組を学習用データとして機械学習エンジンに入力することによって、機械学習を行う。
【0064】
このような機械学習の結果として、学習済みモデル生成機能201aは、特徴部位が描出された超音波画像データの入力に対して第2の判別結果を導出するための第2の判別処理において用いられる第2の学習済みモデル12aを生成する。また、上述したような機械学習の結果として、学習済みモデル生成機能201aは、第2の判別処理で計算に用いられる第2の学習条件12bを記録する。そして、学習済みモデル生成機能201aは、生成した第2の学習済みモデル12a及び記録した第2の学習条件12bを超音波診断装置1に送信する。これにより、超音波診断装置1の記憶回路170に第2の学習済みモデル12a及び第2の学習条件12bが記憶される。
【0065】
次に、運用時の2段階目の処理の一例について説明する。図5に例示するように、運用時の2段階目において、判別機能184は、第2の学習済みモデル12a及び第2の学習条件12bを用いて、超音波画像データ22の入力に対して、超音波画像データ22に描出された特徴部位が良性であるか又は悪性であるかを判別し、判別結果(第2の判別結果)23を導出する第2の判別処理を実行する。
【0066】
例えば、判別機能184は、超音波画像データ22に描出された特徴部位が良性であると判別した場合には、第2の判別結果23として、特徴部位が良性であることを示す情報を出力する。また、判別機能184は、超音波画像データ22に描出された特徴部位が悪性であると判別した場合には、第2の判別結果23として、特徴部位が悪性であることを示す情報を出力する。
【0067】
ここで、第2の判別結果23を導出する際に用いられる超音波画像データ22は、運用時の1段階目の第1の判別処理において特徴部位が含まれると判別された超音波画像データである。すなわち、第2の判別処理において用いられる超音波画像データ22は、第1の判別処理において特徴部位が含まれると判別された超音波画像データである。なお、例えば、超音波画像データ22の種類は、超音波画像データ20の種類と同一である。
【0068】
図6は、第1の実施形態に係る学習時の3段階目の処理及び運用時の3段階目の処理の一例を説明するための図である。図6に例示するように、学習時の3段階目では、学習済みモデル生成機能201aは、超音波画像データ26と、第3のラベル27との関係を学習することによって、第3の学習済みモデル13aを生成し、第3の学習条件13bを記録する。ここで、第3のラベル27は、超音波画像データ26により示される超音波画像に含まれる悪性の特徴部位の悪性度が悪性度Aであるのか又は悪性度Bであるのかを示すラベルである。すなわち、学習済みモデル生成機能201aは、超音波画像データ26と第3のラベル27とを対応付けて学習することにより、第3の学習済みモデル13aを生成し、第3の学習条件13bを記録する。
【0069】
第3の学習済みモデル13aを生成し、第3の学習条件13bを記録する際に用いられる超音波画像データ26は、悪性の特徴部位が描出された画像データである。超音波画像データ26は、例えば、Bモードデータから生成されたBモード画像データである。超音波画像データ26は、超音波診断装置1又は超音波診断装置1以外の超音波診断装置により生成されたデータである。
【0070】
例えば、学習済みモデル生成機能201aは、超音波画像データ26と第3のラベル27の組を学習用データとして機械学習エンジンに入力することによって、機械学習を行う。
【0071】
このような機械学習の結果として、学習済みモデル生成機能201aは、悪性の特徴部位が描出された超音波画像データの入力に対して第3の判別結果を導出するための第3の判別処理において用いられる第3の学習済みモデル13aを生成する。また、上述したような機械学習の結果として、学習済みモデル生成機能201aは、第3の判別処理で計算に用いられる第3の学習条件13bを記録する。そして、学習済みモデル生成機能201aは、生成した第3の学習済みモデル13a及び記録した第3の学習条件13bを超音波診断装置1に送信する。これにより、超音波診断装置1の記憶回路170に第3の学習済みモデル13a及び第3の学習条件13bが記憶される。
【0072】
次に、運用時の3段階目の処理の一例について説明する。図6に例示するように、運用時の3段階目において、判別機能184は、第3の学習済みモデル13a及び第3の学習条件13bを用いて、超音波画像データ28の入力に対して、超音波画像データ28に描出された悪性の特徴部位の悪性度が、悪性度Aであるか又は悪性度Bであるかを判別し、判別結果(第3の判別結果)29を導出する第3の判別処理を実行する。
【0073】
例えば、判別機能184は、超音波画像データ28に描出された悪性の特徴部位の悪性度が悪性度Aであると判別した場合には、第3の判別結果29として、悪性の特徴部位の悪性度が悪性度Aであることを示す情報を出力する。また、判別機能184は、超音波画像データ28に描出された悪性の特徴部位の悪性度が悪性度Bであると判別した場合には、第3の判別結果29として、悪性の特徴部位の悪性度が悪性度Bであることを示す情報を出力する。
【0074】
ここで、第3の判別結果29を導出する際に用いられる超音波画像データ28は、運用時の2段階目の第2の判別処理において悪性であると判別された特徴部位が描出された超音波画像データである。すなわち、第3の判別処理において用いられる超音波画像データ28は、第2の判別処理において悪性であると判別された特徴部位が描出された超音波画像データである。なお、例えば、超音波画像データ28の種類は、超音波画像データ26の種類と同一である。
【0075】
以上、図2~6を参照して、学習時の処理及び運用時の処理の一例について説明した。上述したように、学習済みモデル生成機能201aは、超音波画像データと、超音波画像データに描出される特徴部位に関するラベルとを対応付けて学習することにより、各種の学習済みモデルを生成し、各種の学習条件を記録する。各種の学習済みモデル及び各種の学習条件を用いた各種の判別処理は、特徴部位に関する判別結果を出力する。学習済みモデル生成機能201aは、このような学習済みモデルを、学習時の複数の段階(上述した学習時の1段階目~3段階目)のそれぞれにおいて生成する。また、学習済みモデル生成機能201aは、このような学習条件を、学習時の複数の段階のそれぞれにおいて記録する。
【0076】
学習済みモデル生成機能201aは、学習時の各段階において、特定の判別を行う機能に特化した学習済みモデルを生成し、学習条件を記録する。このため、学習時の各段階において生成された学習済みモデル及び記録された学習条件に基づく判別処理は、特定の判別を精度よく行うことができる処理である。例えば、学習済みモデル生成機能201aは、学習時の1段階目では、超音波画像に特徴部位が含まれるか又は含まれないかという判別を行う機能に特化した第1の学習済みモデル11aを生成し、第1の学習条件11bを記録する。このため、第1の学習済みモデル11a及び第1の学習条件11bに基づく第1の判別処理によれば、超音波画像に特徴部位が含まれるか又は含まれないかを精度よく判別することができる。
【0077】
また、学習済みモデル生成機能201aは、学習時の2段階目では、特徴部位が悪性であるか又は良性であるかという判別を行う機能に特化した第2の学習済みモデル12aを生成し、第2の学習条件12bを記録する。このため、第2の学習済みモデル12a及び第2の学習条件12bに基づく第2の判別処理によれば、特徴部位が悪性であるか又は良性であるかを精度よく判別することができる。
【0078】
また、学習済みモデル生成機能187は、学習時の3段階目では、悪性である特徴部位の悪性度が悪性度Aであるか又は悪性度Bであるかという判別を行う機能に特化した第3の学習済みモデル13aを生成し、第3の学習条件13bを記録する。このため、第3の学習済みモデル13a及び第3の学習条件13bに基づく第3の判別処理によれば、悪性である特徴部位の悪性度が悪性度Aであるか又は悪性度Bであるかを精度よく判別することができる。
【0079】
すなわち、判別機能184は、運用時の複数の段階のそれぞれにおいて、他の段階で実行される判別処理とは異なる特有の判別処理を実行する。したがって、第1の学習済みモデル11a、第2の学習済みモデル12a及び第3の学習済みモデル13a、並びに、第1の学習条件11b、第2の学習条件12b及び第3の学習条件13bを有する超音波診断装置1によれば、特徴部位に関する各種の判別結果を精度よく得ることができる。
【0080】
また、上述したように、学習済みモデル生成機能201aは、例えば、悪性であるか又は良性であるかの判別対象である特徴部位が描出されていない超音波画像データを用いずに、特徴部位が描出された超音波画像データを用いて、第2の学習済みモデル12aを生成する。このため、学習済みモデル生成機能201aは、第2の学習済みモデル12aを生成する際の機械学習の収束を早めることができる。
【0081】
また、学習済みモデル生成機能201aは、例えば、悪性度Aであるか又は悪性度Bであるかの判別対象でない良性の特徴部位が描出された超音波画像データを用いずに、このような判別対象である悪性の特徴部位が描出された超音波画像データを用いて、第3の学習済みモデル13aを生成する。このため、学習済みモデル生成機能201aは、第3の学習済みモデル13aを生成する際の機械学習の収束を早めることができる。
【0082】
また、上述したように、判別機能184は、運用時の複数の段階(上述した運用時の1段階目~3段階目)のそれぞれにおいて、各種の学習済みモデル及び各種の学習条件を用いて、特徴部位に関する各種の判別結果を導出する。例えば、判別機能184は、運用時の1段階目において、入力された超音波画像データ16に描出される特徴部位に関する第1の判別結果17を導出する。また、判別機能184は、運用時の2段階目において、入力された超音波画像データ22に描出された特徴部位に関する第2の判別結果23を導出する。また、判別機能184は、運用時の3段階目において、入力された超音波画像データ28に描出された特徴部位に関する第3の判別結果29を導出する。
【0083】
また、判別機能184は、第1の判別処理により導出された所定の判別結果に対応する超音波画像データ22(図5参照)を、第2の判別処理に入力する。ここで、第1の判別処理により導出された所定の判別結果とは、超音波画像に特徴部位が含まれることを示す場合の第1の判別結果17(図4参照)を指す。
【0084】
すなわち、判別機能184は、第2の判別処理に対して、悪性であるか又は良性であるかの判別対象である特徴部位が描出されていない超音波画像データを入力せずに、特徴部位が描出された超音波画像データ22を入力する。そして、判別機能184は、第2の判別処理により導出された第2の判別結果23を、運用時の2段階目に対応する判別結果として導出する。
【0085】
また、判別機能184は、第2の判別処理により導出された所定の判別結果に対応する超音波画像データ28(図6参照)を、第3の判別処理に入力する。ここで、第2の判別処理により導出された所定の判別結果とは、特徴部位が悪性であることを示す場合の第2の判別結果23(図5参照)を指す。
【0086】
すなわち、判別機能184は、第3の判別処理に対して、悪性度Aであるか又は悪性度Bであるかの判別対象である悪性の特徴部位が描出されていない超音波画像データを入力せずに、悪性の特徴部位が描出された超音波画像データ28を入力する。そして、判別機能184は、第3の判別処理により導出された第3の判別結果29を、3段階目に対応する判別結果として導出する。
【0087】
このように、判別機能184は、複数の段階のうち、一の段階に対応する判別処理により導出された所定の判別結果に対応する超音波画像データを、一の段階の次の段階に対応する判別処理に入力し、一の段階の次の段階に対応する判別処理により導出された判別結果を、一の段階の次の段階に対応する判別結果として導出する。
【0088】
上述したように、判別機能184は、超音波画像に特徴部位が含まれるか又は含まれないかを精度よく判別することができる第1の学習済みモデル11a及び第1の学習条件11bを用いて、第1の判別結果17(図4参照)を導出する。したがって、判別機能184は、判別精度が良好な第1の判別結果17を導出することができる。
【0089】
また、判別機能184は、特徴部位が悪性であるか又は良性であるかを精度よく判別することができる第2の学習済みモデル12a及び第2の学習条件12bを用いて、第2の判別結果23(図5参照)を導出する。したがって、判別機能184は、判別精度が良好な第2の判別結果23を導出することができる。
【0090】
また、判別機能184は、特徴部位の悪性度が悪性度Aであるか又は悪性度Bであるかを精度よく判別することができる第3の学習済みモデル13a及び第3の学習条件13bを用いて、第3の判別結果29(図6参照)を導出する。したがって、判別機能184は、判別精度が良好な第3の判別結果29を導出することができる。
【0091】
これらのことから、第1の実施形態に係る超音波診断装置1によれば、特徴部位に関する判別結果を精度よく得ることができる。
【0092】
次に、運用時の第1段階目において、判別機能184が第1の学習済みモデル11a及び第1の学習条件11bを用いて実行する第1の判別処理の一例について説明する。図7は、第1の実施形態に係る第1の判別処理の一例の流れを示すフローチャートである。
【0093】
図7に示すように、判別機能184は、第1の検出処理を実行し(ステップS101)、第2の検出処理を実行する(ステップS102)。
【0094】
まず、ステップS101で実行される第1の検出処理について説明する。判別機能184は、検索窓と第1の検索用学習済みモデルと検索アルゴリズムとを用いて、操作者により超音波画像に設定された検索範囲(ROI)における特徴部位を検索する。例えば、判別機能184は、検索範囲内で検索窓を複数の位置に移動させる。また、判別機能184は、各位置において、検索窓内の画像情報を、第1の検索用学習済みモデルと検索アルゴリズムとを用いて解析することにより、各検索窓内の画像情報が特徴部位に相当する確率(第1の確率)を算出する。
【0095】
検索窓とは、例えば、第1の検索用学習済みモデルと比較される検索範囲内の領域の単位である。第1の検索用学習済みモデルは、例えば、特徴部位の標本となる画像情報を学習したモデルである。検索アルゴリズムとは、上述した第1の確率を算出し、処理対象の超音波画像において特徴部位に相当する画像情報を検索するためのアルゴリズムである。
【0096】
第1の検索用学習済みモデルは、特徴部位を示す第1のパターンの一例である。
【0097】
そして、判別機能184は、算出された第1の確率が所定の閾値以上である場合に、検索窓で囲まれた範囲を、特徴部位(特徴部位の範囲)として検出する。すなわち、判別機能184は、超音波画像の一部分の特徴と、特徴部位を示す第1の検索用学習済みモデルの特徴とが類似している度合いを示す第1の確率が閾値以上である場合には、超音波画像に特徴部位が含まれると判別する。また、判別機能184は、第1の確率が閾値未満であるときには、超音波画像に特徴部位が含まれないと判別する。そして、判別機能184は、超音波画像に特徴部位が含まれるか又は含まれないかを判別した結果である第1の判別結果を導出する。第1の検出処理は、特徴部位検出処理の一例である。
【0098】
そして、判別機能184は、1フレーム分の超音波画像データ毎に、超音波画像に対する検索結果(検出結果)を記憶回路170に記憶させる。例えば、判別機能184は、1フレームの超音波画像から特徴部位を検出することができた場合には、特徴部位の位置を示す位置情報を検索結果として記憶回路170に記憶させる。なお、ここでいう特徴部位の位置は、超音波画像データの画像空間における位置である。
【0099】
ここで、図8及び図9を参照して、判別機能184により検出される特徴部位には、正しく検出された特徴部位と、実際には特徴部位ではないのに誤って検出された特徴部位との2種類の特徴部位があることについて説明する。図8及び図9は、第1の実施形態に係る判別機能184による特徴部位の検出結果の一例を説明するための図である。
【0100】
図8には、判別機能184により正しく検出された場合が示されている。図8に例示するように、例えば、判別機能184は、超音波画像に対して第1の検出処理を行って、検索窓30で囲まれた、実際の特徴部位31を含む範囲を特徴部位として検出する。そして、判別機能184は、超音波画像において検出された特徴部位の位置を示す情報を記憶回路170に記憶させる。
【0101】
一方、図9には、判別機能184により誤って特徴部位が検出された場合が示されている。図9に例示するように、例えば、判別機能184は、超音波画像に対して第1の検出処理を行って、検索窓30で囲まれた、実際の特徴部位31を含まない範囲を誤って特徴部位として検出する場合がある。このように、誤って特徴部位を検出することは、過検出(偽陽性)と呼ばれる。このような場合にも、判別機能184は、超音波画像において検出された特徴部位の位置を示す情報を記憶回路170に記憶させる。
【0102】
また、判別機能184は、1フレームの超音波画像から、特徴部位を検出することができなかった場合には、特徴部位を検出することができなかったことを示す情報を検索結果として記憶回路170に記憶させる。
【0103】
なお、判別機能184は、検索窓30内の画像情報の特徴と第1の検索用学習済みモデルの特徴とが類似している度合いを示す指標の一例として、第1の確率を算出する場合について説明した。しかしながら、判別機能184は、第1の確率に代えて、検索窓30内の画像情報の特徴と第1の検索用学習済みモデルの特徴とが類似している度合いを示す類似度等の他の指標を算出してもよい。
【0104】
以上、ステップS101で実行される第1の検出処理の一例について説明した。図10は、第1の実施形態に係る第1の検出処理の結果の一例を示す図である。図10に示す「特徴部位と判定した結果」は、1フレームの超音波画像から、第1の検出処理により特徴部位であると判定された検索窓30の位置における検索窓30内の画像情報の一例を示す。図10に示す「特徴部位ではないと判定した結果」は、1フレームの超音波画像から、第1の検出処理により特徴部位が検出されなかった場合の検索窓30内の画像情報の一例を示す。なお、図10には、第1の検出処理において、検索範囲内の複数の位置に検索窓30が配置されて、各位置で第1の確率が算出された結果の例として、10ヶ所の画像情報が示されている。
【0105】
図10に示すように、判別機能184は、第1の検出処理において、6カ所の位置で特徴部位を検出する。具体的には、図10に示すように、判別機能184は、検索窓30内の6つの画像情報40a~40fが特徴部位であると判定する。
【0106】
画像情報40aは、実際の特徴部位31aが描出された画像情報である。画像情報40bは、過検出された画像情報である。画像情報40cは、実際の特徴部位31bが描出された画像情報である。画像情報40dは、実際の特徴部位31cが描出された画像情報である。画像情報40eは、実際の特徴部位31dが描出された画像情報である。画像情報40fは、過検出された画像情報である。すなわち、図10に示す場合には、特徴部位と判定された6つの画像情報のうち、2つの画像情報が過検出されている。
【0107】
また、図10に示すように、判別機能184は、第1の検出処理において、4カ所の位置で特徴部位を検出しなかった。具体的には、図10に示すように、判別機能184は、検索窓30内の4つの画像情報40g~40jが特徴部位ではないと判定した。
【0108】
次に、ステップS102で実行される第2の検出処理について説明する。判別機能184は、過検出判別用学習済みモデルと検索アルゴリズムとを用いて、第1の検出処理において検出された特徴部位(検索窓30内の画像情報)が、第1の検出処理において過検出されると推定される画像情報に相当する確率(第2の確率)を算出する。
【0109】
過検出判別用学習済みモデルは、例えば、第1の検出処理において過検出されると推定される画像情報と、特徴部位の画像情報との判別を学習したモデルである。検索アルゴリズムとは、上述した第2の確率を算出し、処理対象の超音波画像において、第1の検出処理において過検出されると推定される画像情報に相当する画像情報を検索するためのアルゴリズムである。
【0110】
過検出判別用学習済みモデルは、第1の検出処理において、超音波画像に特徴部位が含まれないにも関わらず、特徴部位が含まれると誤って判別されると推定される画像情報の抽出を目的として学習したモデルである。過検出判別用学習済みモデルは、第2のパターンの一例である。
【0111】
ここで、先の図10に例示するように、第1の検出処理において、6つの画像情報40a~40fが検出された場合について説明する。この場合、判別機能184は、第2の検出処理において、6つの画像情報40a~40fのそれぞれが、第1の検出処理において過検出されると推定される画像情報に相当する第2の確率を算出する。このように、判別機能184は、6つの画像情報40a~40fのそれぞれについて、第2の確率を算出する。
【0112】
そして、判別機能184は、6つの画像情報40a~40fのうち、算出された第2の確率が所定の閾値以上である画像情報を、第1の検出処理において過検出された画像情報として検出する。そして、判別機能184は、1フレーム分の超音波画像データ毎に、超音波画像に対する検索結果(検出結果)を記憶回路170に記憶させる。例えば、1フレームの超音波画像に対して、過検出された画像情報が検出された場合には、判別機能184は、検出された画像情報の位置を示す位置情報を検索結果として記憶回路170に記憶させる。
【0113】
なお、第2の検出処理では、判別機能184により、第1の検出処理において過検出された画像情報を正しく検出できる場合、及び、正しく検出できない場合がある。正しく検出できない場合には、第1の検出処理において過検出された画像情報ではない画像情報を誤って、第1の検出処理において過検出された画像情報として検出することが含まれる。
【0114】
また、例えば、1フレームの超音波画像に対して、過検出された画像情報が検出されなかった場合には、判別機能184は、検出されなかった画像情報の位置を示す位置情報を検索結果として記憶回路170に記憶させる。
【0115】
なお、判別機能184は、画像情報の特徴と過検出判別用学習済みモデルの特徴とが類似している度合いを示す指標の一例として、第2の確率を算出する場合について説明した。しかしながら、判別機能184は、第2の確率に代えて、画像情報の特徴と過検出判別用学習済みモデルの特徴とが類似している度合いを示す類似度等の他の指標を算出してもよい。
【0116】
以上、ステップS102で実行される第2の検出処理の一例について説明した。図11は、第1の実施形態に係る第2の検出処理の結果の一例を示す図である。図11には、先の図10に示す6つの画像情報40a~40fのそれぞれに対して、第2の検出処理が実行された結果が示されている。図11に示す「過検出と判定した結果」は、第2の検出処理により検出された画像情報の一例を示す。図11に示す「過検出ではないと判定した結果」は、第2の検出処理により検出されなかった画像情報の一例を示す。
【0117】
図11に示すように、判別機能184は、第2の検出処理において、第1の検出処理において過検出された画像情報として、2つの画像情報40b,40fを検出する。また、判別機能184は、第2の検出処理において、4つの画像情報40a,40c,40d,40eを検出していない。そして、判別機能184は、第2の検出処理において、6つの画像情報40a~40fのうち、検出された2つの画像情報40b,40f以外の4つの画像情報40a,40c,40d,40eを、実際の特徴部位が含まれる画像情報として検出する。これにより、第2の検出処理では、最終的に、4つの画像情報40a,40c,40d,40eが、特徴部位として検出される。
【0118】
上述したように、判別機能184は、第1の検出処理において検出された特徴部位の中から過検出された特徴部位を除く特徴部位を、第2の検出処理において最終的に特徴部位として検出する。
【0119】
すなわち、判別機能184は、第1の検出処理により超音波画像に含まれると判別された特徴部位の特徴と、過検出判別用学習済みモデルの特徴とが類似している度合いを示す第2の確率が閾値以上である場合には、第1の検出処理において超音波画像に含まれると判別された特徴部位が超音波画像に含まれないと訂正する。したがって、判別機能184は、精度良く特徴部位を検出することができる。第2の検出処理は、訂正処理の一例である。
【0120】
ここで、操作者は、特徴部位の詳細ではなく、特徴部位があるか否かを把握したい場合には、超音波プローブ101を比較的広い範囲で比較的速く移動させると考えられる。一方、操作者は、既に特徴部位の存在を把握しており、特徴部位の詳細を把握したい場合には、特徴部位の周辺という比較的狭い範囲で比較的ゆっくりと超音波プローブ101を移動させると考えられる。
【0121】
そこで、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、以下に説明するように、超音波プローブ101の移動速度に応じて、適切な処理を実行する。
【0122】
図12は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1が実行する処理の一例の流れを示すフローチャートである。例えば、超音波診断装置1は、図12に示す処理を、所定の時間間隔で実行する。
【0123】
図12に示すように、判別機能184は、超音波プローブ101の移動速度が所定の閾値Th1よりも大きいか否かを判定する(ステップS201)。ここで、超音波プローブ101の移動速度が所定の閾値Th1よりも大きい場合には、例えば、操作者は、特徴部位の詳細ではなく、特徴部位があるか否かを把握したいと考えられる。ステップS201では、速度検出機能182が、超音波プローブ101の移動速度を検出する。そして、ステップS201では、判別機能184は、速度検出機能182により検出された超音波プローブ101の移動速度が閾値Th1よりも大きいか否かを判定する。閾値Th1は、第1の閾値の一例である。
【0124】
超音波プローブ101の移動速度が所定の閾値Th1よりも大きいと判定された場合(ステップS201:Yes)には、ステップS202において、判別機能184は、以下に説明する処理を行う。
【0125】
例えば、ステップS202において、判別機能184は、第1のフレームレート(例えば、30fps)、及び、第2のフレームレート(例えば、15fps)の中から、判別結果を導出する際のフレームレートとして、第1のフレームレートを選択する。なお、ここでいうフレームレートは、例えば、単位時間あたりに処理される超音波画像データの数である。また、第2のフレームレートは第1のフレームレートよりも低い。
【0126】
また、例えば、ステップS202において、判別機能184は、第1の導出処理及び第2の導出処理の中から、判別結果を導出する際の導出処理として、第1の導出処理を選択する。ここで、第1の導出処理は、先の図4に示す運用時の1段階目の第1の判別処理である。また、第2の導出処理は、第1の判別処理、先の図5に示す運用時の2段階目の第2の判別処理、及び、先の図6に示す運用時の3段階目の第3の判別処理である。
【0127】
第1の導出処理は、第2の導出処理に比べて処理負荷が低い。このため、判別機能184は、第1の導出処理を実行する場合には、フレームレートを高くすることができる。したがって、上述したように、判別機能184は、ステップS202において、複数の種類のフレームレート(第1のフレームレート及び第2のフレームレート)の中から、比較的高い第1のフレームレートを選択する。
【0128】
また、ステップS201で肯定判定(ステップS201:Yes)された場合、上述したように、操作者は、特徴部位の詳細ではなく、特徴部位があるか否かを把握したいと考えられる。そのため、ステップS202では、判別機能184は、複数の種類の導出処理(第1の導出処理及び第2の導出処理)の中から、複数の種類の判別が行われる第2の導出処理ではなく、超音波画像に特徴部位が含まれるか否かの1種類の判別を行う第1の導出処理(第1の判別処理)を選択する。
【0129】
そして、ステップS203では、判別機能184は、選択された第1の導出処理を実行する。また、ステップS203では、制御機能181は、選択された第1のフレームレートで各種の処理を行うように、送信回路110、受信回路120、Bモード処理回路130、ドプラ処理回路140、画像生成回路150、取得機能183、判別機能184、マーカ情報生成機能185及び表示制御機能186を制御する。
【0130】
また、ステップS203では、マーカ情報生成機能185は、第1の導出処理により導出された第1の判別結果17(図4参照)に基づいて、超音波画像の検出結果を示すマーカ情報を生成する。例えば、マーカ情報生成機能185は、ステップS203で、第1の導出処理により第1の判別結果17が導出される度に、導出された第1の判別結果17に応じてマーカ情報を生成する。
【0131】
例えば、マーカ情報生成機能185は、第1の判別結果17が、超音波画像に特徴部位が含まれることを示す場合には、マーカ情報生成機能185は、特徴部位として検出された範囲を表す矩形のマーカを示すマーカ情報を生成する。
【0132】
図13は、第1の実施形態に係るマーカ情報生成機能185が実行する処理の一例を説明するための図である。例えば、第1の判別結果17が、超音波画像に特徴部位が含まれることを示す場合には、マーカ情報生成機能185は、図13に示すように、特徴部位として検出された範囲を表す矩形のマーカ32を示すマーカ情報を生成する。なお、図13において、符号「31」は、実際の特徴部位を指す。
【0133】
そして、マーカ情報生成機能185は、マーカ情報を生成する度に、図13に示すように、超音波画像に、マーカ情報により示されるマーカ32を重畳させる。そして、マーカ情報生成機能185は、マーカ32が重畳された超音波画像を示す超音波画像データを画像メモリ160に記憶させる。
【0134】
また、ステップS203において、表示制御機能186は、画像メモリ160に記憶された超音波画像データにより示される超音波画像をディスプレイ103に表示させる。超音波画像は、医用画像の一例である。表示制御機能186は、表示制御部の一例である。
【0135】
例えば、表示制御機能186は、リアルタイムで、マーカ32が重畳された超音波画像をディスプレイ103に表示させる。例えば、表示制御機能186は、マーカ32が重畳された超音波画像を示す超音波画像データが、マーカ情報生成機能185により画像メモリ160に記憶される度に、超音波画像データを画像メモリ160から取得する。そして、表示制御機能186は、マーカ32が重畳された超音波画像を示す超音波画像データを取得する度に、マーカ32が重畳された超音波画像をディスプレイ103に表示させる。
【0136】
一方、第1の判別結果17が、超音波画像に特徴部位が含まれないことを示す場合には、マーカ情報生成機能185は、マーカ情報を生成しない。
【0137】
ただし、表示制御機能186は、マーカ32が重畳されていない超音波画像についても、リアルタイムでディスプレイ103に表示させる。例えば、表示制御機能186は、第1の判別結果17が、超音波画像に特徴部位が含まれないことを示す場合、図14に例示する超音波画像をディスプレイ103に表示させる。なお、図14には、実際には特徴部位31が含まれるものの、第1の導出処理において特徴部位が検出されなかった超音波画像が示されている。図14は、第1の実施形態に係る表示例を示す図である。
【0138】
ステップS203の処理が完了すると、超音波診断装置1は、図12に示す処理を終了する。
【0139】
一方、超音波プローブ101の移動速度が所定の閾値Th1以下であると判定された場合(ステップS201:No)には、判別機能184は、超音波プローブ101の移動速度が、所定の閾値Th2よりも小さいか否かを判定する(ステップS204)。ここで、閾値Th2は、閾値Th1よりも小さい。また、超音波プローブ101の移動速度が閾値Th2よりも小さい場合には、例えば、操作者は、既に特徴部位の存在を把握しており、特徴部位の詳細を把握したいと考えられる。閾値Th2は、第2の閾値の一例である。
【0140】
超音波プローブ101の移動速度が、閾値Th2よりも小さいと判定された場合(ステップS204:Yes)、ステップS205において、判別機能184は、以下に説明する処理を行う。
【0141】
例えば、ステップS205において、判別機能184は、第1のフレームレート及び第2のフレームレートの中から、判別結果を導出する際のフレームレートとして、第2のフレームレートを選択する。
【0142】
また、例えば、ステップS205において、判別機能184は、第1の導出処理及び第2の導出処理の中から、判別結果を導出する際の導出処理として、第2の導出処理を選択する。
【0143】
ここで、第2の導出処理は、第1の判別結果17、第2の判別結果23(図5参照)及び第3の判別結果29(図6参照)を導出する。このため、第2の導出処理は、第1の導出処理よりも多くの判別結果を導出する。このように、第2の導出処理は、第1の導出処理に比べて処理負荷が高い。このため、第2の導出処理を実行する場合には、フレームレートを低くすることが好ましい。したがって、上述したように、判別機能184は、ステップS205において、第1のフレームレート及び第2のフレームレートの中から、比較的低い第2のフレームレートを選択する。
【0144】
また、操作者が、特徴部位の詳細を把握したいと考えられるため、ステップS205では、判別機能184は、複数の種類の導出処理の中から、第1の導出処理よりも多くの判別結果を導出する第2の導出処理を選択する。
【0145】
そして、ステップS206では、判別機能184は、選択された第2の導出処理に含まれる第1の検出処理(運用時の1段階目の処理)を実行し、第1の判別結果17を導出する。
【0146】
また、ステップS206では、マーカ情報生成機能185は、ステップS203での処理と同様の処理を行う。また、ステップS206では、表示制御機能186は、ステップS203での処理と同様の処理を行う。
【0147】
なお、ステップS206、並びに、以下で説明するステップS207及びS208では、制御機能181は、選択された第2のフレームレートで各種の処理を行うように、送信回路110、受信回路120、Bモード処理回路130、ドプラ処理回路140、画像生成回路150、取得機能183、判別機能184、マーカ情報生成機能185及び表示制御機能186を制御する。すなわち、制御機能181は、ステップS206~S208での各処理が、第2のフレームレートで行われるように制御する。
【0148】
そして、ステップS207では、判別機能184は、選択された第2の導出処理に含まれる第2の判別処理(運用時の2段階目の処理)を実行し、第2の判別結果23を導出する。
【0149】
ステップS207では、マーカ情報生成機能185は、導出された第2の判別結果23に応じて、文字列「悪性」又は文字列「良性」を生成する。例えば、マーカ情報生成機能185は、第2の判別結果23が、特徴部位が悪性であることを示す場合には、文字列「悪性」を生成する。また、マーカ情報生成機能185は、第2の判別結果23が、特徴部位が良性であることを示す場合には、文字列「良性」を生成する。マーカ情報生成機能185は、第2の判別結果23が導出される度に、文字列「悪性」又は文字列「良性」を生成する。
【0150】
そして、ステップS207では、表示制御機能186は、文字列「悪性」又は文字列「良性」が生成される度に、生成された文字列「悪性」又は文字列「良性」を超音波画像に重畳させてディスプレイ103に表示させる。
【0151】
なお、マーカ情報生成機能185は、文字列「悪性」又は文字列「良性」を生成する度に、記憶回路170に記憶されている被検体Pのレポート情報に、生成された文字列「悪性」又は文字列「良性」を自動的に登録してもよい。例えば、レポート情報は、被検体Pの超音波画像診断の結果の履歴等が、医師等の操作者により入力インターフェース190を介して登録される情報である。そして、操作者は、必要に応じて、レポート情報が示すレポート画面をディスプレイ103に表示させて、レポート画面が示す超音波画像診断の結果の履歴を確認する。本実施形態では、マーカ情報生成機能185が、被検体Pのレポート情報に、自動的に、特徴部位が悪性であるか良性であるかの判別結果を登録することで、操作者が手動で判別結果をレポ-ト情報に登録しなくて済む。このため、本実施形態によれば、判別結果をレポート情報に登録する際の操作者の負担を抑制することができる。なお、マーカ情報生成機能185は、文字列「悪性」及び文字列「良性」に代えて、第2の判別結果23を自動的にレポート情報に登録してもよい。
【0152】
そして、ステップS208では、判別機能184は、選択された第2の導出処理に含まれる第3の判別処理(運用時の3段階目の処理)を実行し、第3の判別結果29を導出する。
【0153】
ステップS208では、マーカ情報生成機能185は、導出された第3の判別結果29に応じて、文字列「悪性度A」又は文字列「悪性度B」を生成する。例えば、マーカ情報生成機能185は、第3の判別結果29が、特徴部位の悪性度が悪性度Aであることを示す場合には、文字列「悪性度A」を生成する。また、マーカ情報生成機能185は、第3の判別結果29が、特徴部位の悪性度が悪性度Bであることを示す場合には、文字列「悪性度B」を生成する。マーカ情報生成機能185は、第3の判別結果29が導出される度に、文字列「悪性度A」又は文字列「悪性度B」を生成する。
【0154】
そして、ステップS208では、表示制御機能186は、文字列「悪性度A」又は文字列「悪性度B」が生成される度に、生成された文字列「悪性度A」又は文字列「悪性度B」を超音波画像に重畳させてディスプレイ103に表示させる。
【0155】
なお、マーカ情報生成機能185は、文字列「悪性度A」又は文字列「悪性度B」を生成する度に、記憶回路170に記憶されている被検体Pのレポート情報に、生成された文字列「悪性度A」又は文字列「悪性度B」を自動的に登録してもよい。本実施形態では、マーカ情報生成機能185が、被検体Pのレポート情報に、自動的に、特徴部位の悪性度の判別結果を登録することで、操作者が手動で判別結果をレポ-ト情報に登録しなくて済む。このため、本実施形態によれば、判別結果をレポート情報に登録する際の操作者の負担を抑制することができる。なお、マーカ情報生成機能185は、文字列「悪性度A」及び文字列「悪性度B」に代えて、第3の判別結果29を自動的にレポート情報に登録してもよい。
【0156】
ステップS208の処理が完了すると、超音波診断装置1は、図12に示す処理を終了する。
【0157】
一方、超音波プローブ101の移動速度が、閾値Th2以上であると判定された場合(ステップS204:No)には、ステップS209で、超音波診断装置1は、以下に説明する処理を行う。
【0158】
例えば、ステップS209で、超音波診断装置1は、ステップS203の処理と同様の処理を実行する。ただし、ステップS209では、制御機能181は、所定のフレームレートで各種の処理を行うように、送信回路110、受信回路120、Bモード処理回路130、ドプラ処理回路140、画像生成回路150、取得機能183、判別機能184、マーカ情報生成機能185及び表示制御機能186を制御する。かかる所定のフレームレートは、第1のフレームレート及び第2のフレームレート以外のフレームレートであってもよいし、第1のフレームレート又は第2のフレームレートであってもよい。
【0159】
ステップS209の処理が完了すると、超音波診断装置1は、図12に示す処理を終了する。
【0160】
図12に示す処理では、判別機能184は、超音波プローブ101の移動速度に応じて、複数の超音波画像データの複数の種類のフレームレートの中から、判別結果を導出する際のフレームレートを選択する処理を実行する。このようなフレームレートを選択する処理は、第1の選択処理の一例である。
【0161】
また、図12に示す処理では、判別機能184は、超音波プローブ101の移動速度に応じて、判別結果を導出するための複数の種類の導出処理の中から、判別結果を導出する際の導出処理を選択する処理を実行する。このような導出処理を選択する処理は、第2の選択処理の一例である。例えば、図12に示す処理では、判別機能184は、複数の学習済みモデル及び複数の学習条件のうち、超音波プローブ101の移動速度に応じた少なくとも1つの学習済みモデル及び少なくとも1つの学習条件を用いて、この学習済みモデル及び学習条件に対応する判別処理を実行することにより、被検体Pの特徴部位に関する判別結果を導出する。
【0162】
したがって、第1の実施形態に係る超音波診断装置1によれば、超音波プローブ101の移動速度に応じて適切な処理を行うことができる。
【0163】
以上、第1の実施形態に係る超音波診断装置1について説明した。第1の実施形態に係る超音波診断装置1によれば、上述したように、特徴部位に関する判別結果を精度よく得ることができる。また、第1の実施形態に係る超音波診断装置1によれば、上述したように、超音波プローブ101の移動速度に応じて適切な処理を行うことができる。
【0164】
(第2の実施形態)
なお、上述した第1の実施形態では、学習済みモデル生成装置200の学習済みモデル生成機能201aが、各種の学習済みモデルを生成し、各種の学習条件を記録する場合について説明した。しかしながら、超音波診断装置1が、各種の学習済みモデルを生成し、各種の学習条件を記録してもよい。そこで、このような実施形態を第2の実施形態として説明する。なお、第2の実施形態の説明では、第1の実施形態と異なる点を主に説明し、第1の実施形態と同様の構成及び処理については説明を省略する場合がある。
【0165】
図15は、第2の実施形態に係る超音波診断装置1の構成例を示す図である。第2の実施形態では、処理回路180が、学習済みモデル生成機能187を有する点が、第1の実施形態と異なる。
【0166】
上述した第1の実施形態では、学習済みモデル生成機能201aが、超音波診断装置1又は他の超音波診断装置により生成された超音波画像データを用いて、各種の学習済みモデルを生成し、各種の学習条件を記録する。
【0167】
一方、学習済みモデル生成機能187は、画像生成回路150により生成された超音波画像データ(例えばBモード画像データ)を用いて、学習済みモデル生成機能201aと同様に、各種の学習済みモデルを生成し、各種の学習条件を記録する。学習済みモデル生成機能187は、生成部の一例である。
【0168】
具体的には、学習済みモデル生成機能187は、第1の学習済みモデル11a、第2の学習済みモデル12a及び第3の学習済みモデル13aを生成する。また、学習済みモデル生成機能187は、第1の学習条件11b、第2の学習条件12b及び第3の学習条件13bを記憶回路170に記録する。すなわち、学習済みモデル生成機能187は、超音波画像データと、超音波画像データに描出される特徴部位に関する判別結果(ラベル)とを対応付けて学習することにより、入力された超音波画像データに描出される被検体の特徴部位に関する判別結果を出力する判別処理を実行する際に用いられる学習済みモデルを生成し、学習条件を記録する。学習済みモデル生成機能187は、学習時の複数の段階(上述した学習時の1段階目~3段階目)のそれぞれにおいて、学習済みモデルを生成し、学習条件を記録する。
【0169】
ここで、学習済みモデル生成機能187は、学習済みモデル生成機能201aと同様に、非同期で、第1の学習済みモデル11aと、第2の学習済みモデル12aと、第3の学習済みモデル13aとを生成する。また、学習済みモデル生成機能187は、非同期で、第1の学習条件11bと、第2の学習条件12bと、第3の学習条件13bとを記録する。
【0170】
そして、学習済みモデル生成機能187は、第1の学習済みモデル11a、第2の学習済みモデル12a及び第3の学習済みモデル13aを記憶回路170に記憶させる。また、学習済みモデル生成機能187は、第1の学習条件11b、第2の学習条件12b及び第3の学習条件13bを記憶回路170に記憶させる。
【0171】
そして、第2の実施形態では、判別機能184は、記憶回路170に記憶された各種の学習済みモデル及び各種の学習条件を用いて、第1の実施形態と同様の処理を実行する。
【0172】
以上、第2の実施形態について説明した。第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、特徴部位に関する判別結果を精度よく得ることができる。また、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、超音波プローブ101の移動速度に応じて適切な処理を行うことができる。
【0173】
なお、第2の実施形態において、学習済みモデル生成機能187は、非同期ではなく、同期をとって、第1の学習済みモデル11aと、第2の学習済みモデル12aと、第3の学習済みモデル13aとを生成してもよい。同様に、学習済みモデル生成機能187は、非同期ではなく、同期をとって、第1の学習条件11bと、第2の学習条件12bと、第3の学習条件13bとを記録してもよい。
【0174】
例えば、まず、学習済みモデル生成機能187は、第1の学習済みモデル11aを生成し、第1の学習条件11bを記録する。そして、第1の学習済みモデル11aを生成し、第1の学習条件11bを記録した後に、判別機能184は、第1の学習済みモデル11a及び第1の学習条件11bを用いて、第1の判別処理を実行する。そして、学習済みモデル生成機能187は、第1の判別処理において特徴部位が含まれると判別された超音波画像データを学習用データの一部として用いて、第2の学習済みモデル12aを生成し、第2の学習条件12bを記録する。これにより、第2の学習済みモデル12aを生成する際に用いられる学習用データの一部を操作者が用意することなく自動的に用意することが可能となる。
【0175】
このような場合の第2の学習済みモデル12aの生成方法の一例について図16を参照して説明する。図16は、第2の実施形態に係る第2の学習済みモデル12aを生成する処理の一例の流れを示すフローチャートである。
【0176】
図16に例示するように、学習済みモデル生成機能187は、特徴部位が描出された超音波画像データ及び第2のラベル21が入力されたか否かを判定する(ステップS301)。ここで、ステップS301で、入力されたか否かの判定の対象となる超音波画像データの一例について説明する。例えば、判定の対象となる超音波画像データは、第1の判別処理において特徴部位が含まれると判別された超音波画像データであり、操作者の目視により、特徴部位が含まれることが確認された超音波画像データである。操作者は、このような超音波画像データを第2のラベル21とともに、入力装置102を介して、装置本体100に入力する。
【0177】
超音波画像データ及び第2のラベル21が入力されていないと判定した場合(ステップS301:No)には、学習済みモデル生成機能187は、再びステップS301の判定を行う。一方、超音波画像データ及び第2のラベル21が入力されたと判定した場合(ステップS301:Yes)には、学習済みモデル生成機能187は、入力された超音波画像データ及び第2のラベル21を用いて、第2の学習済みモデル12aを生成し、第2の学習条件12bを記録する(ステップS302)。そして、学習済みモデル生成機能187は、図16に示す処理を終了する。
【0178】
そして、第2の学習済みモデル12aが生成され、第2の学習条件12bが記録された後に、判別機能184は、第2の学習済みモデル12aと、第2の学習条件12bとを用いて、第2の判別処理を実行する。そして、学習済みモデル生成機能187は、第2の判別処理において悪性であると判別された特徴部位が描出された超音波画像データを学習用データの一部として用いて、第3の学習済みモデル13aを生成する。これにより、第3の学習済みモデル13aを生成する際に用いられる学習用データの一部を操作者が用意することなく自動的に用意することが可能となる。
【0179】
このような場合の第3の学習済みモデル13aの生成方法の一例について図17を参照して説明する。図17は、第2の実施形態に係る第3の学習済みモデル13aを生成する処理の一例の流れを示すフローチャートである。
【0180】
図17に例示するように、学習済みモデル生成機能187は、第2の判別処理において悪性であると判別された特徴部位が描出された超音波画像データ、及び、第3のラベル27が入力されたか否かを判定する(ステップS401)。ここで、ステップS401で、入力されたか否かの判定の対象となる超音波画像データの一例について説明する。例えば、判定の対象となる超音波画像データは、第2の判別処理において悪性であると判別された特徴部位が描出された超音波画像データであり、操作者の目視により、特徴部位が悪性であることが確認された超音波画像データである。操作者は、このような超音波画像データを第3のラベル27とともに、入力装置102を介して、装置本体100に入力する。
【0181】
超音波画像データ及び第3のラベル27が入力されていないと判定した場合(ステップS401:No)には、学習済みモデル生成機能187は、再びステップS401の判定を行う。一方、超音波画像データ及び第3のラベル27が入力されたと判定した場合(ステップS401:Yes)には、学習済みモデル生成機能187は、入力された超音波画像データ及び第3のラベル27を用いて、第3の学習済みモデル13aを生成し、第3の学習条件13bを記録する(ステップS402)。そして、学習済みモデル生成機能187は、図17に示す処理を終了する。
【0182】
以上、学習済みモデルの他の生成方法について説明した。学習済みモデルの他の生成方法では、学習済みモデル生成機能187は、複数の段階のうち、一の段階に対応する判別処理から出力された所定の判別結果に対応する超音波画像データと、一の段階の次の段階に対応する判別結果(ラベル)とを対応付けて学習することにより、一の段階の次の段階に対応する学習済みモデルを生成する。したがって、学習済みモデルの他の生成方法によれば、学習用データを簡易に用意することができる。
【0183】
(第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例1)
上述した第1の実施形態及び第2の実施形態では、判別機能184が、超音波プローブ101の移動速度に応じて、複数の種類の導出処理の中から、判別結果を導出する際の導出処理を選択する場合について説明した。しかしながら、判別機能184は、リアルタイムで判別結果を導出するのか、又は、後処理として判別結果を導出するのかに応じて、判別結果を導出する際の導出処理を選択してもよい。そこで、このような実施形態を、第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例1として説明する。なお、変形例1の説明では、第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる点を主に説明し、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様の構成及び処理については説明を省略する場合がある。
【0184】
例えば、変形例1では、超音波診断装置1には、入力装置102を介して、操作者から、超音波走査に対してリアルタイムで判別結果を導出するための指示(リアルタイム処理指示)が入力される。また、変形例1では、入力装置102を介して、操作者から、超音波走査よりも後に実行される後処理(ポスト処理)として判別結果を導出するための指示(後処理指示)が入力される。
【0185】
変形例1に係る超音波診断装置1は、リアルタイム処理指示が入力された場合には、先の図12に示すステップS202及びステップS203の処理と同様の処理を実行する。
【0186】
また、超音波診断装置1は、後処理指示が入力された場合には、リアルタイムではなく、記憶回路170に記憶された複数の超音波画像データに対して、後処理として、先の図12に示すステップS205~ステップS208の処理と同様の処理を実行する。
【0187】
したがって、第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例1に係る超音波診断装置1によれば、リアルタイムで判別結果を導出するのか、又は、後処理として判別結果を導出するのかに応じて、適切な処理を行うことができる。また、変形例1に係る超音波診断装置1によれば、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、特徴部位に関する判別結果を精度よく得ることができる。
【0188】
(第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例2)
上述した第1の実施形態及び第2の実施形態では、判別機能184が、超音波プローブ101の移動速度に応じて、運用時の1段階目の処理を行うのか、又は、運用時の1段階目~3段階目の処理を行うのかを選択する場合について説明した。
【0189】
しかしながら、判別機能184は、超音波プローブ101の移動速度に応じて、図7に示す第1の検出処理を行うのか、又は、図7に示す第1の検出処理及び第2の検出処理を行うのかを選択してもよい。そこで、このような実施形態を、第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例2として説明する。なお、変形例2の説明では、第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる点を主に説明し、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様の構成及び処理については説明を省略する場合がある。
【0190】
図18は、第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例2に係る超音波診断装置1が実行する処理の一例の流れを示すフローチャートである。例えば、超音波診断装置1は、図18に示す処理を、所定の時間間隔で実行する。
【0191】
図18に示すように、判別機能184は、超音波プローブ101の移動速度が所定の閾値Th1よりも大きいか否かを判定する(ステップS501)。ステップS501では、速度検出機能182が、超音波プローブ101の移動速度を検出する。そして、ステップS501では、判別機能184は、速度検出機能182により検出された超音波プローブ101の移動速度が閾値Th1よりも大きいか否かを判定する。
【0192】
超音波プローブ101の移動速度が所定の閾値Th1よりも大きいと判定された場合(ステップS501:Yes)には、ステップS502において、判別機能184は、以下に説明する処理を行う。
【0193】
例えば、ステップS502において、判別機能184は、第1のフレームレート及び第2のフレームレートの中から、判別結果を導出する際のフレームレートとして、第1のフレームレートを選択する。
【0194】
また、例えば、ステップS502において、判別機能184は、第1の導出処理及び第3の導出処理の中から、判別結果を導出する際の導出処理として、第1の導出処理を選択する。ここで、変形例2に係る第1の導出処理は、先の図7に示す第1の検出処理である。また、変形例2に係る第3の導出処理は、先の図7に示す第1の検出処理及び第2の検出処理である。
【0195】
上述したように、第2の検出処理では、第1の検出処理において検出された特徴部位の中から、第1の検出処理において過検出を除く特徴部位を、最終的に、特徴部位として検出する。このため、変形例2において、第3の導出処理は、第1の導出処理よりも、超音波画像に特徴部位が含まれるか否かを判別した結果である第1の判別結果を精度良く導出することが可能である。一方で、第1の導出処理は、第3の導出処理に比べて処理負荷が低い。
【0196】
ステップS501で肯定判定(ステップS501:Yes)された場合には、第1の判別結果の精度が良好なことよりもフレームレートが高いことが優先されると考えられる。そこで、ステップS502では、判別機能184は、複数の種類の導出処理の中から、比較的小さい処理負荷で、超音波画像に特徴部位が含まれるか否かの判別を行う第1の導出処理を選択する。
【0197】
また、判別機能184は、第1の導出処理を実行する場合には、フレームレートを高くすることができる。したがって、上述したように、判別機能184は、ステップS502において、複数の種類のフレームレートの中から、比較的高い第1のフレームレートを選択する。
【0198】
そして、ステップS503では、判別機能184は、選択された第1の導出処理(第1の検出処理)を実行する。また、ステップS503では、制御機能181は、選択された第1のフレームレートで各種の処理を行うように、送信回路110、受信回路120、Bモード処理回路130、ドプラ処理回路140、画像生成回路150、取得機能183、判別機能184、マーカ情報生成機能185及び表示制御機能186を制御する。
【0199】
また、ステップS503では、マーカ情報生成機能185は、第1の検出処理により検出された特徴部位に基づいて、超音波画像の検出結果を示すマーカ情報を生成する。例えば、マーカ情報生成機能185は、ステップS503で、第1の検出処理により特徴部位が検出される度に、第1の実施形態と同様に、特徴部位として検出された範囲を表す矩形のマーカを示すマーカ情報を生成する。
【0200】
そして、マーカ情報生成機能185は、第1の実施形態と同様に、マーカ情報を生成する度に、超音波画像に、マーカ情報により示されるマーカを重畳させる。そして、マーカ情報生成機能185は、第1の実施形態と同様に、マーカが重畳された超音波画像を示す超音波画像データを画像メモリ160に記憶させる。
【0201】
また、ステップS503において、表示制御機能186は、第1の実施形態と同様に、画像メモリ160に記憶された表示用の超音波画像データにより示される超音波画像をディスプレイ103に表示させる。すなわち、ステップS503では、マーカが重畳された超音波画像、及び、マーカが重畳されていない超音波画像が、リアルタイムでディスプレイ103に表示される。
【0202】
ステップS503の処理が完了すると、超音波診断装置1は、図18に示す処理を終了する。
【0203】
一方、超音波プローブ101の移動速度が所定の閾値Th1以下であると判定された場合(ステップS501:No)には、判別機能184は、超音波プローブ101の移動速度が、所定の閾値Th2よりも小さいか否かを判定する(ステップS504)。
【0204】
超音波プローブ101の移動速度が、閾値Th2よりも小さいと判定された場合(ステップS504:Yes)、ステップS505において、判別機能184は、以下に説明する処理を行う。
【0205】
ステップS504で肯定判定(ステップS504:Yes)された場合には、フレームレートが高いことよりも、第1の判別結果の精度が良好であることが優先されると考えられる。ここで、第3の導出処理は、第1の導出処理よりも、超音波画像に特徴部位が含まれるか否かを判別した結果である第1の判別結果を精度良く導出することが可能である。そこで、ステップS505において、判別機能184は、第1の導出処理及び第3の導出処理の中から、判別結果を導出する際の導出処理として、第3の導出処理を選択する。
【0206】
また、第3の導出処理は、第1の導出処理に比べて処理負荷が高い。このため、第3の導出処理を実行する場合には、フレームレートを低くすることが好ましい。そこで、ステップS505において、判別機能184は、第1のフレームレート及び第2のフレームレートの中から、判別結果を導出する際のフレームレートとして、第2のフレームレートを選択する。
【0207】
そして、ステップS506では、判別機能184は、選択された第3の導出処理に含まれる第1の検出処理を実行する。
【0208】
なお、ステップS506、及び、以下で説明するS507では、制御機能181は、選択された第2のフレームレートで各種の処理を行うように、送信回路110、受信回路120、Bモード処理回路130、ドプラ処理回路140、画像生成回路150、取得機能183、判別機能184、マーカ情報生成機能185及び表示制御機能186を制御する。すなわち、制御機能181は、ステップS506,S507での各処理が、第2のフレームレートで行われるように制御する。
【0209】
そして、ステップS507では、判別機能184は、選択された第3の導出処理に含まれる第2の検出処理を実行し、最終的に、特徴部位を検出する。
【0210】
また、ステップS507では、マーカ情報生成機能185は、第2の検出処理により最終的に検出された特徴部位に基づいて、超音波画像の検出結果を示すマーカ情報を生成する。例えば、マーカ情報生成機能185は、ステップS507で、第2の検出処理により特徴部位が最終的に検出される度に、第1の実施形態と同様に、特徴部位として検出された範囲を表す矩形のマーカを示すマーカ情報を生成する。
【0211】
そして、マーカ情報生成機能185は、第1の実施形態と同様に、マーカ情報を生成する度に、超音波画像に、マーカ情報により示されるマーカを重畳させる。そして、マーカ情報生成機能185は、第1の実施形態と同様に、マーカが重畳された超音波画像を示す超音波画像データを画像メモリ160に記憶させる。
【0212】
また、ステップS507において、表示制御機能186は、第1の実施形態と同様に、画像メモリ160に記憶された表示用の超音波画像データにより示される超音波画像をディスプレイ103に表示させる。すなわち、ステップS507では、マーカが重畳された超音波画像、及び、マーカが重畳されていない超音波画像が、リアルタイムでディスプレイ103に表示される。
【0213】
ステップS507の処理が完了すると、超音波診断装置1は、図18に示す処理を終了する。
【0214】
一方、超音波プローブ101の移動速度が、閾値Th2以上であると判定された場合(ステップS504:No)には、ステップS508で、超音波診断装置1は、以下に説明する処理を行う。
【0215】
例えば、ステップS508で、超音波診断装置1は、ステップS503の処理と同様の処理を実行する。ただし、制御機能181は、所定のフレームレートで各種の処理を行うように、送信回路110、受信回路120、Bモード処理回路130、ドプラ処理回路140、画像生成回路150、取得機能183、判別機能184、マーカ情報生成機能185及び表示制御機能186を制御する。かかる所定のフレームレートは、第1のフレームレート及び第2のフレームレート以外のフレームレートであってもよいし、第1のフレームレート又は第2のフレームレートであってもよい。
【0216】
ステップS508の処理が完了すると、超音波診断装置1は、図18に示す処理を終了する。
【0217】
図18に示す処理では、判別機能184は、超音波プローブ101の移動速度に応じて、複数の超音波画像データの複数の種類のフレームレートの中から、判別結果を導出する際のフレームレートを選択する処理を実行する。
【0218】
また、図18に示す処理では、判別機能184は、超音波プローブ101の移動速度に応じて、判別結果を導出するための複数の種類の導出処理の中から、判別結果を導出する際の導出処理を選択する処理を実行する。
【0219】
したがって、第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例2に係る超音波診断装置1によれば、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、超音波プローブ101の移動速度に応じて適切な処理を行うことができる。また、変形例2に係る超音波診断装置1によれば、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、特徴部位に関する判別結果を精度よく得ることができる。
【0220】
(第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例3)
上述した第1の実施形態及び第2の実施形態では、判別機能184が、第1の検出処理及び第2の検出処理を実行する場合について説明した。しかしながら、判別機能184は、第1の検出処理及び第2の検出処理に代えて、別な処理を実行してもよい。そこで、このような実施形態を、第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例3として説明する。
【0221】
なお、変形例3の説明では、第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる点を主に説明し、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様の構成及び処理については説明を省略する場合がある。
【0222】
変形例3において、運用時の第1段階目において、判別機能184が第1の学習済みモデル11aを用いて実行する第1の判別処理の一例について説明する。図19は、第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例3に係る第1の判別処理の一例の流れを示すフローチャートである。
【0223】
図19に示すように、判別機能184は、第1の判別処理において、第3の検出処理を実行する(ステップS601)とともに、第3の検出処理と並行して第4の検出処理を実行し(ステップS602)、第5の検出処理を実行する(ステップS603)。
【0224】
まず、ステップS601で実行される第3の検出処理について説明する。判別機能184は、検索窓と第2の検索用学習済みモデルと検索アルゴリズムとを用いて、操作者により超音波画像に設定された検索範囲における特徴部位を検索する。例えば、判別機能184は、検索範囲内で検索窓を複数の位置に移動させる。また、判別機能184は、各位置において、検索窓内の画像情報を、第2の検索用学習済みモデルと検索アルゴリズムとを用いて解析することにより、各検索窓内の画像情報が特徴部位に相当する確率(第3の確率)を算出する。
【0225】
検索窓とは、例えば、第2の検索用学習済みモデルの特徴と比較される検索範囲内の領域の単位である。第2の検索用学習済みモデルとは、例えば、特徴部位の標本となる画像情報を学習したモデルである。検索アルゴリズムとは、上述した第3の確率を算出し、処理対象の超音波画像において特徴部位に相当する画像情報を検索するためのアルゴリズムである。
【0226】
第2の検索用学習済みモデルは、特徴部位を示す第1のパターンの一例である。
【0227】
そして、判別機能184は、算出された第3の確率が所定の閾値以上である場合に、検索窓で囲まれた範囲を、特徴部位(特徴部位の範囲)として検出する。すなわち、判別機能184は、超音波画像の一部分の特徴と、特徴部位を示す第2の検索用学習済みモデルの特徴とが類似している度合いを示す第3の確率が閾値以上である場合には、超音波画像に特徴部位が含まれると判別する。また、判別機能184は、第3の確率が閾値未満であるときには、超音波画像に特徴部位が含まれないと判別する。
【0228】
そして、判別機能184は、1フレーム分の超音波画像データ毎に、超音波画像に対する第3の検出処理における検索結果(検出結果)を記憶回路170に記憶させる。例えば、判別機能184は、1フレームの超音波画像から特徴部位を検出することができた場合には、特徴部位の位置を示す位置情報を第3の検出処理における検索結果として記憶回路170に記憶させる。なお、ここでいう特徴部位の位置は、超音波画像データの画像空間における位置である。
【0229】
また、1フレームの超音波画像から特徴部位が検出されなかった場合には、判別機能184は、特徴部位が検出されなかったことを示す情報を第3の検出処理における検索結果として記憶回路170に記憶させる。
【0230】
なお、判別機能184は、検索窓内の画像情報の特徴と第2の検索用学習済みモデルの特徴とが類似している度合いを示す指標の一例として、第3の確率を算出する場合について説明した。しかしながら、判別機能184は、第3の確率に代えて、検索窓内の画像情報の特徴と第2の検索用学習済みモデルの特徴とが類似している度合いを示す類似度等の他の指標を算出してもよい。
【0231】
以上、ステップS601で実行される第3の検出処理の一例について説明した。図20は、第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例3に係る第3の検出処理の結果の一例を示す図である。図20に示す「特徴部位と判定した結果」は、第3の検出処理により特徴部位が検出された場合の検索窓30内の画像情報の一例を示す。図20に示す「特徴部位ではないと判定した結果」は、第3の検出処理により特徴部位が検出されなかった場合の検索窓30内の画像情報の一例を示す。なお、図20には、第3の検出処理において、検索範囲内の複数の位置に検索窓30が配置されて、各位置で第3の確率が算出された結果の例として、8ヶ所の画像情報が示されている。
【0232】
図20に示すように、判別機能184は、第3の検出処理において、4カ所の位置で特徴部位を検出する。具体的には、図20に示すように、判別機能184は、検索窓30内の4つの画像情報50a~50dを検出する。
【0233】
画像情報50aは、過検出された画像情報である。画像情報50bは、実際の特徴部位31eが描出された画像情報である。画像情報50cは、実際の特徴部位31fが描出された画像情報である。画像情報50dは、過検出された画像情報である。すなわち、図20に示す場合には、特徴部位と判定された4つの画像情報のうち、2つの画像情報が過検出されている。
【0234】
また、図20に示すように、判別機能184は、第3の検出処理において、4カ所の位置で特徴部位を検出していない。具体的には、図20に示すように、判別機能184は、特徴部位として検索窓30内の4つの画像情報50e~50hを検出していない。なお、判別機能184は、画像情報50eに特徴部位31gが含まれているにも関わらず、画像情報50eを検出していない。
【0235】
次に、ステップS602で実行される第4の検出処理について説明する。判別機能184は、検索窓と第3の検索用学習済みモデルと検索アルゴリズムとを用いて、操作者により超音波画像に設定された検索範囲における特徴部位を検索する。例えば、判別機能184は、検索範囲内で検索窓を複数の位置に移動させる。また、判別機能184は、各位置において、検索窓内の画像情報を、第3の検索用学習済みモデルと検索アルゴリズムとを用いて解析することにより、各検索窓内の画像情報が特徴部位に相当する確率(第4の確率)を算出する。
【0236】
検索窓とは、例えば、第3の検索用学習済みモデルの特徴と比較される検索範囲内の領域の単位である。第3の検索用学習済みモデルとは、例えば、特徴部位の標本となる画像情報を学習したモデルである。ここで、第3の検索用学習済みモデルは、第2の検索用学習済みモデルとは異なるモデルである。検索アルゴリズムとは、上述した第4の確率を算出し、処理対象の超音波画像において特徴部位に相当する画像情報を検索するためのアルゴリズムである。
【0237】
例えば、上述した第2の検索用学習済みモデルは、特徴部位が描出された第1の画像情報群と、特徴部位が描出されていない第2の画像情報群とが用いられて行われた学習により得られるモデルである。一方、第3の検索用学習済みモデルは、特徴部位が描出された第3の画像情報群と、特徴部位が描出されていない第2の画像情報群とが用いられて行われた学習により得られるモデルである。すなわち、第2の検索用学習済みモデルと、第3の検索用学習済みモデルとでは、学習時に、第2の画像情報群が共通して用いられている。
【0238】
このため、第2の検索用学習済みモデルと、第3の検索用学習済みモデルとでは、例えば、同じ特徴部位(例えば、腫瘤)が描出された画像情報でも異なる画像情報を用いた学習が行われているため、検出できる特徴部位が異なる。一方、第2の検索用学習済みモデルと、第3の検索用学習済みモデルとでは、特徴部位が描出されていない画像情報群として、同一の画像情報群(第2の画像情報群)を用いた学習が行われている。このため、第2の検索用学習済みモデルと、第3の検索用学習済みモデルとでは、特徴部位ではないと正しく判断される画像が共通し、かつ、過検出される画像も共通する。
【0239】
第3の検索用学習済みモデルは、特徴部位を示す第1のパターンとは異なる第2のパターンの一例である。
【0240】
そして、判別機能184は、算出された第4の確率が所定の閾値以上である場合に、検索窓で囲まれた範囲を、特徴部位(特徴部位の範囲)として検出する。すなわち、判別機能184は、超音波画像の一部分の特徴と、特徴部位を示す第3の検索用学習済みモデルの特徴とが類似している度合いを示す第4の確率が閾値以上である場合には、超音波画像に特徴部位が含まれると判別する。また、判別機能184は、第4の確率が閾値未満であるときには、超音波画像に特徴部位が含まれないと判別する。
【0241】
そして、判別機能184は、1フレーム分の超音波画像データ毎に、超音波画像に対する第4の検出処理における検索結果(検出結果)を記憶回路170に記憶させる。例えば、判別機能184は、1フレームの超音波画像から特徴部位が検出された場合には、特徴部位の位置を示す位置情報を第4の検出処理における検索結果として記憶回路170に記憶させる。なお、ここでいう特徴部位の位置は、超音波画像データの画像空間における位置である。
【0242】
また、判別機能184は、1フレームの超音波画像から特徴部位が検出されなかった場合には、特徴部位が検出されなかったことを示す情報を第4の検出処理における検索結果として記憶回路170に記憶させる。
【0243】
なお、判別機能184は、検索窓内の画像情報の特徴と第3の検索用学習済みモデルの特徴とが類似している度合いを示す指標の一例として、第4の確率を算出する場合について説明した。しかしながら、判別機能184は、第4の確率に代えて、検索窓内の画像情報の特徴と第3の検索用学習済みモデルの特徴とが類似している度合いを示す類似度等の他の指標を算出してもよい。
【0244】
以上、ステップS602で実行される第4の検出処理の一例について説明した。図21は、第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例3に係る第4の検出処理の結果の一例を示す図である。図21に示す「特徴部位と判定した結果」は、第4の検出処理により特徴部位が検出された場合の検索窓30内の画像情報の一例を示す。図21に示す「特徴部位ではないと判定した結果」は、第4の検出処理により特徴部位が検出されなかった場合の検索窓30内の画像情報の一例を示す。なお、図21には、第4の検出処理において、検索範囲内の複数の位置に検索窓30が配置されて、各位置で第4の確率が算出された結果の例として、8ヶ所の画像情報が示されている。
【0245】
図21に示すように、判別機能184は、第4の検出処理において、4カ所の位置で特徴部位を検出する。具体的には、図21に示すように、判別機能184は、検索窓30内の4つの画像情報50i~50lを検出する。
【0246】
画像情報50iは、実際の特徴部位31hが描出された画像情報である。画像情報50jは、過検出された画像情報である。画像情報50kは、実際の特徴部位31iが描出された画像情報である。画像情報50lは、過検出された画像情報である。すなわち、図21に示す場合には、特徴部位と判定された4つの画像情報のうち、2つの画像情報が過検出されている。
【0247】
また、図21に示すように、判別機能184は、第4の検出処理において、4カ所の位置で特徴部位を検出していない。具体的には、図21に示すように、判別機能184は、特徴部位として検索窓30内の4つの画像情報50m~50pを検出していない。なお、判別機能184は、画像情報50oに特徴部位31jが含まれているにも関わらず、画像情報50oを検出していない。同様に、判別機能184は、画像情報50pに特徴部位31kが含まれているにも関わらず、画像情報50pを検出していない。
【0248】
次に、ステップS603で実行される第5の検出処理について説明する。第5の検出処理では、判別機能184は、第3の検出処理の検出結果及び第4の検出処理の検出結果を用いて、最終的に、特徴部位を検出する。
【0249】
ここで、上述したように、第3の検出処理において第2の検索用学習済みモデルが用いられて検出される画像情報のうちの実際の特徴部位が描出された画像情報と、第4の検出処理において第3の検索用学習済みモデルが用いられて検出される画像情報のうちの実際の特徴部位が描出された画像情報とは、異なる。
【0250】
例えば、図20に示す画像情報50b及び画像情報50cと、図20に示す画像情報50i及び画像情報50kとは異なる。
【0251】
しかしながら、上述したように、第3の検出処理において第2の検索用学習済みモデルが用いられて検出される画像情報のうちの過検出された画像情報と、第4の検出処理において第3の検索用学習済みモデルが用いられて検出される画像情報のうちの過検出された画像情報とは、一致(共通)する。すなわち、第3の検出処理と第4の検出処理とで、超音波画像上の過検出される部分は、同一である。
【0252】
例えば、図20に示す画像情報50aと図21に示す画像情報50jとは、一致する。また、図20に示す画像情報50dと図21に示す画像情報50lとは、一致する。
【0253】
そこで、第5の検出処理では、判別機能184は、第3の検出処理で検出された特徴部位、及び、第4の検出処理で検出された特徴部位のうち、第3の検出処理及び第4の検出処理の2つの検出処理において共通して検出された特徴部位以外の特徴部位を検出する。
【0254】
例えば、第5の検出処理では、判別機能184は、第3の検出処理で検出された画像情報50a~50d及び第4の検出処理で検出された画像情報50i~50lを特定する。そして、第5の検出処理では、判別機能184は、特定した画像情報50a~50d,50i~50lのうち、2つの検出処理において共通して検出された画像情報50a,50d,50j,50lを特定する。
【0255】
図22は、第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例3に係る第5の検出処理の結果の一例を示す図である。そして、第5の検出処理では、判別機能184は、画像情報50a~50d,50i~50lのうち、特定した画像情報50a,50d,50j,50l以外の図22に示す画像情報50b,50c,50i,50kを、最終的に、特徴部位として検出する。
【0256】
このように、判別機能184は、第2の検索用学習済みモデルを用いる第3の検出処理により検出された画像情報、及び、第3の検索用学習済みモデルを用いる第4の検出処理により検出された画像情報のうち、第3の検出処理及び第4の検出処理において共通して検出された画像情報を除く画像情報を、特徴部位として最終的に検出し、超音波画像に特徴部位が含まれると判別する。第3の検出処理は、第1の特徴部位検出処理の一例である。また、第4の検出処理は、第2の特徴部位検出処理の一例である。
【0257】
このように、変形例3に係る判別機能184は、過検出された特徴部位が最終的に検出される特徴部位の中に含まれないように、過検出された特徴部位を除くことで、最終的に特徴部位を検出する。したがって、変形例3に係る超音波診断装置1によれば、特徴部位に関する判別結果を更に精度よく得ることができる。
【0258】
そして、判別機能184は、第5の検出処理において、最終的に検出した特徴部位の位置を示す位置情報を検索結果として記憶回路170に記憶させる。
【0259】
また、判別機能184は、第5の検出処理において検出されなかった特徴部位については、特徴部位が検出されなかったことを示す情報を検索結果として記憶回路170に記憶させる。
【0260】
そして、マーカ情報生成機能185は、第5の検出処理により最終的に検出された特徴部位に基づいて、超音波画像の検出結果を示すマーカ情報を生成する。例えば、マーカ情報生成機能185は、第5の検出処理により最終的に特徴部位が検出される度に、第1の実施形態と同様に、特徴部位として検出された範囲を表す矩形のマーカを示すマーカ情報を生成する。
【0261】
そして、マーカ情報生成機能185は、第1の実施形態と同様に、マーカ情報を生成する度に、超音波画像に、マーカ情報により示されるマーカを重畳させる。そして、マーカ情報生成機能185は、第1の実施形態と同様に、マーカが重畳された超音波画像を示す超音波画像データを画像メモリ160に記憶させる。
【0262】
そして、表示制御機能186は、第1の実施形態と同様に、画像メモリ160に記憶された表示用の超音波画像データにより示される超音波画像をディスプレイ103に表示させる。すなわち、表示制御機能186は、マーカが重畳された超音波画像、及び、マーカが重畳されていない超音波画像を、リアルタイムでディスプレイ103に表示させる。
【0263】
以上、第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例3に係る超音波診断装置1について説明した。変形例3に係る超音波診断装置1によれば、上述したように、特徴部位に関する判別結果を更に精度よく得ることができる。
【0264】
(第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例4)
上述した第1の実施形態及び第2の実施形態では、判別機能184が、超音波プローブ101の移動速度に応じて、複数の種類の導出処理の中から、判別結果を導出する際の導出処理を選択する場合について説明した。しかしながら、判別機能184が、超音波プローブ101の移動速度に応じて、複数の種類の学習済みモデルの中から、判別結果を導出する際に用いる学習済みモデルを選択してもよい。そこで、このような実施形態を、第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例4として説明する。
【0265】
なお、第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例4の説明では、第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる点を主に説明し、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様の構成及び処理については説明を省略する場合がある。
【0266】
図23は、第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例4に係る各種の学習済みモデル及び各種の学習条件の一例を説明するための図である。図23に例示するように、記憶回路170には、運用時の1段階目の処理に用いられる2つの第1の学習済みモデル11a_1,11a_2が記憶されている。また、記憶回路170には、運用時の2段階目の処理に用いられる2つの第2の学習済みモデル12a_1,12a_2が記憶されている。また、記憶回路170には、運用時の3段階目の処理に用いられる2つの第3の学習済みモデル13a_1,13a_2が記憶されている。このように、記憶回路170は、複数の段階のそれぞれに対応する複数の種類の学習済みモデルを記憶する。
【0267】
また、記憶回路170には、運用時の1段階目の処理に用いられる2つの第1の学習条件11b_1,11b_2が記憶されている。また、記憶回路170には、運用時の2段階目の処理に用いられる2つの第2の学習条件12b_1,12b_2が記憶されている。また、記憶回路170には、運用時の3段階目の処理に用いられる2つの第3の学習条件13b_1,13b_2が記憶されている。このように、記憶回路170は、複数の段階のそれぞれに対応する複数の種類の学習条件を記憶する。
【0268】
第1の学習条件11b_1は、第1の学習済みモデル11a_1を用いた第1の判別処理において用いられる。第1の学習条件11b_2は、第1の学習済みモデル11a_2を用いた第1の判別処理において用いられる。
【0269】
第2の学習条件12b_1は、第2の学習済みモデル12a_1を用いた第2の判別処理において用いられる。第2の学習条件12b_2は、第2の学習済みモデル12a_2を用いた第2の判別処理において用いられる。
【0270】
第3の学習条件13b_1は、第3の学習済みモデル13a_1を用いた第3の判別処理において用いられる。第3の学習条件13b_2は、第3の学習済みモデル13a_2を用いた第3の判別処理において用いられる。
【0271】
このように、1つの学習済みモデルと1つの学習条件とが対応する。ここで、学習済みモデルを用いた判別処理の処理負荷は、この学習済みモデルに対応する学習条件に応じた負荷となる。
【0272】
2つの第1の学習済みモデル11a_1,11a_2は、第1の判別処理に用いられる調整済みのパラメータである。ただし、第1の学習済みモデル11a_1を用いた第1の判別処理における判別精度は、第1の学習済みモデル11a_2を用いた第1の判別処理における判別精度よりも高い。一方で、第1の学習済みモデル11a_2を用いた第1の判別処理の処理負荷は、第1の学習済みモデル11a_1を用いた第1の判別処理の処理負荷よりも低い。
【0273】
また、2つの第2の学習済みモデル12a_1,12a_2は、第2の判別処理に用いられる調整済みのパラメータである。ただし、第2の学習済みモデル12a_1を用いた第2の判別処理における判別精度は、第2の学習済みモデル12a_2を用いた第2の判別処理における判別精度よりも高い。一方で、第2の学習済みモデル12a_2を用いた第2の判別処理の処理負荷は、第2の学習済みモデル12a_1を用いた第2の判別処理の処理負荷よりも低い。
【0274】
また、2つの第3の学習済みモデル13a_1,13a_2は、第3の判別処理に用いられる調整済みのパラメータである。ただし、第3の学習済みモデル13a_1を用いた第3の判別処理における判別精度は、第3の学習済みモデル13a_2を用いた第3の判別処理における判別精度よりも高い。一方で、第3の学習済みモデル13a_2を用いた第3の判別処理の処理負荷は、第3の学習済みモデル13a_1を用いた第3の判別処理の処理負荷よりも低い。
【0275】
変形例4に係る判別機能184は、運用時の1段階目の第1の判別処理を行う場合に、超音波プローブ101の移動速度が閾値Th1よりも大きいときには、第1の判別処理を実行する際に用いる第1の学習済みモデルとして、第1の学習済みモデル11a_2を選択する。そして、判別機能184は、選択した第1の学習済みモデル11a_2と、対応する第1の学習条件11b_2を用いて、第1の判別処理を実行する。
【0276】
また、判別機能184は、運用時の1段階目の第1の判別処理を行う場合に、超音波プローブ101の移動速度が閾値Th2よりも小さいときには、第1の判別処理を実行する際に用いる第1の学習済みモデルとして、第1の学習済みモデル11a_1を選択する。このように、判別機能184は、超音波プローブ101の移動速度が閾値Th2よりも小さい場合には、第1の学習済みモデル11a_2よりも、精度良く第1の判別結果を導出可能な第1の学習済みモデル11a_1を選択する。そして、判別機能184は、選択した第1の学習済みモデル11a_1と、対応する第1の学習条件11b_1を用いて、第1の判別処理を実行する。
【0277】
また、判別機能184は、運用時の2段階目の第2の判別処理を行う場合に、超音波プローブ101の移動速度が閾値Th1よりも大きいときには、第2の判別処理を実行する際に用いる第2の学習済みモデルとして、第2の学習済みモデル12a_2を選択する。そして、判別機能184は、選択した第2の学習済みモデル12a_2と、対応する第2の学習条件12b_2を用いて、第2の判別処理を実行する。
【0278】
また、判別機能184は、運用時の2段階目の第2の判別処理を行う場合に、超音波プローブ101の移動速度が閾値Th2よりも小さいときには、第2の判別処理を実行する際に用いる第2の学習済みモデルとして、第2の学習済みモデル12a_1を選択する。このように、判別機能184は、超音波プローブ101の移動速度が閾値Th2よりも小さい場合には、第2の学習済みモデル12a_2よりも、精度良く第2の判別結果を導出可能な第2の学習済みモデル12a_1を選択する。そして、判別機能184は、選択した第2の学習済みモデル12a_1と、対応する第2の学習条件12b_1を用いて、第2の判別処理を実行する。
【0279】
また、判別機能184は、運用時の3段階目の第3の判別処理を行う場合に、超音波プローブ101の移動速度が閾値Th1よりも大きいときには、第3の判別処理を実行する際に用いる第3の学習済みモデルとして、第3の学習済みモデル13a_2を選択する。そして、判別機能184は、選択した第3の学習済みモデル13a_2と、対応する第3の学習条件13b_2を用いて、第3の判別処理を実行する。
【0280】
また、判別機能184は、運用時の3段階目の第3の判別処理を行う場合に、超音波プローブ101の移動速度が閾値Th2よりも小さいときには、第3の判別処理を実行する際に用いる第3の学習済みモデルとして、第3の学習済みモデル13a_1を選択する。このように、判別機能184は、超音波プローブ101の移動速度が閾値Th2よりも小さい場合には、第3の学習済みモデル13a_2よりも、精度良く第3の判別結果を導出可能な第3の学習済みモデル13a_1を選択する。そして、判別機能184は、選択した第3の学習済みモデル13a_1と、対応する第3の学習条件13b_1を用いて、第3の判別処理を実行する。
【0281】
上述したように、判別機能184は、超音波プローブ101の移動速度に応じて、複数の種類の学習済みモデルの中から、判別結果を導出する際に用いられる学習済みモデル及び学習条件を選択する処理を実行する。したがって、変形例4に係る超音波診断装置1は、超音波プローブ101の移動速度に応じて、適切な処理を実行することができる。なお、上述した学習済みモデル及び学習条件を選択する処理は、第3の選択処理の一例である。
【0282】
(第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例5)
上述した変形例4では、判別機能184が、超音波プローブ101の移動速度に応じて、複数の種類の学習済みモデルの中から、判別結果を導出する際に用いられる学習済みモデル及び学習条件を選択する場合について説明した。しかしながら、判別機能184は、リアルタイムで判別結果を導出するのか、又は、後処理として判別結果を導出するのかに応じて、複数の種類の学習済みモデルの中から、判別結果を導出する際に用いられる学習済みモデルを選択してもよい。そこで、このような実施形態を、第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例5として説明する。なお、変形例5の説明では、上述した変形例1及び変形例4と異なる点を主に説明し、変形例1及び変形例4と同様の構成及び処理については説明を省略する場合がある。
【0283】
変形例5では、判別機能184は、リアルタイム処理指示が入力された場合には、運用時の1段階目の第1の判別処理を行うときに、第1の判別処理を実行する際に用いる第1の学習済みモデルとして、第1の学習済みモデル11a_2を選択する。そして、判別機能184は、選択した第1の学習済みモデル11a_2と、対応する第1の学習条件11b_2を用いて、第1の判別処理を実行する。
【0284】
また、判別機能184は、リアルタイム処理指示が入力された場合には、運用時の2段階目の第2の判別処理を行うときに、第2の判別処理を実行する際に用いる第2の学習済みモデルとして、第2の学習済みモデル12a_2を選択する。そして、判別機能184は、選択した第2の学習済みモデル12a_2と、対応する第2の学習条件12b_2を用いて、第2の判別処理を実行する。
【0285】
また、判別機能184は、リアルタイム処理指示が入力された場合には、運用時の3段階目の第3の判別処理を行うときに、第3の判別処理を実行する際に用いる第3の学習済みモデルとして、第3の学習済みモデル13a_2を選択する。そして、判別機能184は、選択した第3の学習済みモデル13a_2と、対応する第3の学習条件13b_2を用いて、第3の判別処理を実行する。
【0286】
また、判別機能184は、後処理指示が入力された場合には、運用時の1段階目の第1の判別処理を行うときに、第1の判別処理を実行する際に用いる第1の学習済みモデルとして、第1の学習済みモデル11a_1を選択する。そして、判別機能184は、選択した第1の学習済みモデル11a_1と、対応する第1の学習条件11b_1を用いて、第1の判別処理を実行する。
【0287】
また、判別機能184は、後処理指示が入力された場合には、運用時の2段階目の第2の判別処理を行うときに、第2の判別処理を実行する際に用いる第2の学習済みモデルとして、第2の学習済みモデル12a_1を選択する。そして、判別機能184は、選択した第2の学習済みモデル12a_1と、対応する第2の学習条件12b_1を用いて、第2の判別処理を実行する。
【0288】
また、判別機能184は、後処理指示が入力された場合には、運用時の3段階目の第3の判別処理を行うときに、第3の判別処理を実行する際に用いる第3の学習済みモデルとして、第3の学習済みモデル13a_1を選択する。そして、判別機能184は、選択した第3の学習済みモデル13a_1と、対応する第3の学習条件13b_1を用いて、第3の判別処理を実行する。
【0289】
したがって、第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例5に係る超音波診断装置1によれば、リアルタイムで判別結果を導出するのか、又は、後処理として判別結果を導出するのかに応じて、適切な処理を行うことができる。また、変形例5に係る超音波診断装置1によれば、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、特徴部位に関する判別結果を精度よく得ることができる。
【0290】
(第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例6)
次に、第1の学習済みモデル11aを用いた第1の判別処理及び第2の学習済みモデル12aを用いた第2の判別処理の判別精度を高める場合の変形例を、第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例6として説明する。なお、変形例6の説明では、第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる点を主に説明し、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様の構成及び処理については説明を省略する場合がある。
【0291】
例えば、変形例6に係る第2の学習済みモデル12a及び第2の学習条件12bに基づく第2の判別処理は、第1の実施形態及び第2の実施形態に係る第2の判別処理とは異なり、超音波画像に含まれる特徴部位が悪性であるか、良性であるか、又は、悪性でも良性でもないかを判別する。
【0292】
変形例6では、学習時の2段階目では、学習済みモデル生成機能201a又は学習済みモデル生成機能187は、超音波画像データ20と、ラベルとの関係を学習することによって、第2の学習済みモデル12aを生成し、第2の学習条件12bを記録する。変形例6では、第2の学習済みモデル12aを生成する際に用いられるラベルは、超音波画像データにより示される超音波画像に含まれる特徴部位が悪性であるのか、良性であるのか、又は、悪性でも良性でもないのかを示す。
【0293】
ここで、第2の判別処理に入力される超音波画像データにより示される超音波画像には、特徴部位が含まれることが前提となっている。しかしながら、第1の判別処理において過検出されてしまい、過検出された超音波画像データが第2の判別処理に入力される場合もあり得る。
【0294】
そこで、変形例6では、第2の判別処理は、超音波画像に含まれる特徴部位が悪性であるか、良性であるか、又は、悪性でも良性でもないかを判別する。
【0295】
第2の判別処理により超音波画像に含まれる特徴部位が悪性でも良性でもないと判別された場合には、超音波画像に特徴部位が含まれていないことが考えられる。すなわち、悪性でも良性でもないと判別された場合には、過検出された超音波画像データが第2の判別処理に入力されたと考えられる。すなわち、悪性でも良性でもないと判別された超音波画像データは、過検出された超音波画像データであると考えられる。
【0296】
そこで、学習済みモデル生成機能201a又は学習済みモデル生成機能187は、悪性でも良性でもないと判別された超音波画像データを用いて、第1の学習済みモデル11a及び第1の学習条件11bを更新する。以下の説明では、学習済みモデル生成機能187が、第1の学習済みモデル11a及び第1の学習条件11bを更新する場合について説明する。しかしながら、学習済みモデル生成機能201aが、以下で説明する学習済みモデル生成機能187が実行する処理と同様の処理を実行して、第1の学習済みモデル11a及び第1の学習条件11bを更新してもよい。
【0297】
学習済みモデル生成機能187は、悪性でも良性でもないと判別された超音波画像データと、超音波画像に特徴部位が含まれないことを示す第1のラベル15とを対応付けて学習することにより、第1の学習済みモデル11a及び第1の学習条件11bを更新する。これにより、第1の学習済みモデル11a及び第1の学習条件11bに基づく第1の判別処理の判別精度を高くすることができる。
【0298】
また、例えば、変形例6に係る第3の学習済みモデル13a及び第3の学習条件13bに基づく第3の判別処理は、第1の実施形態及び第2の実施形態に係る第3の判別処理とは異なり、超音波画像に含まれる悪性の特徴部位の悪性度が悪性度Aであるか、悪性度Bであるか、又は、悪性度Aでも悪性度Bでもないかを判別する。
【0299】
変形例6では、学習時の3段階目では、学習済みモデル生成機能201a又は学習済みモデル生成機能187は、超音波画像データ25と、ラベルとの関係を学習することによって、第3の学習済みモデル13aを生成し、第3の学習条件13bを記録する。変形例6では、第3の学習済みモデル13aを生成する際に用いられるラベルは、超音波画像データにより示される超音波画像に含まれる悪性の特徴部位の悪性度が、悪性度Aであるのか、悪性度Bであるのか、又は、悪性度Aでも悪性度Bでもないのかを示す。
【0300】
ここで、第3の判別処理に入力される超音波画像データにより示される超音波画像に含まれる特徴部位は、悪性であることが前提となっている。しかしながら、第2の判別処理において、誤って、良性の特徴部位を悪性であると判別してしまい、誤って悪性であると判別された超音波画像データが第3の判別処理に入力される場合もあり得る。
【0301】
そこで、変形例6では、第3の判別処理は、超音波画像に含まれる悪性の特徴部位の悪性度が悪性度Aであるか、悪性度Bであるか、又は、悪性度Aでも悪性度Bでもないかを判別する。
【0302】
第3の判別処理により超音波画像に含まれる特徴部位の悪性度が、悪性度Aでも悪性度Bでもないと判別された場合には、超音波画像に含まれる特徴部位が良性であると考えられる。すなわち、悪性度Aでも悪性度Bでもないと判別された場合には、良性の特徴部位が誤って悪性であると判別された超音波画像データが第3の判別処理に入力されたと考えられる。すなわち、悪性度Aでも悪性度Bでもないと判別された超音波画像データは、良性の特徴部位が誤って悪性であると判別された超音波画像データであると考えられる。
【0303】
そこで、学習済みモデル生成機能201a又は学習済みモデル生成機能187は、悪性度Aでも悪性度Bでもないと判別された超音波画像データを用いて、第2の学習済みモデル12a及び第2の学習条件12bを更新する。以下の説明では、学習済みモデル生成機能187が、第2の学習済みモデル12a及び第2の学習条件12bを更新する場合について説明する。しかしながら、学習済みモデル生成機能201aが、以下で説明する学習済みモデル生成機能187が実行する処理と同様の処理を実行して、第2の学習済みモデル12a及び第2の学習条件12bを更新してもよい。
【0304】
学習済みモデル生成機能187は、悪性度Aでも悪性度Bでもないと判別された超音波画像データと、超音波画像に含まれる特徴部位が良性であることを示すラベルとを対応付けて学習することにより、第2の学習済みモデル12a及び第2の学習条件12bを更新する。これにより、第2の学習済みモデル12a及び第2の学習条件12bに基づく第2の判別処理の判別精度を高くすることができる。
【0305】
変形例6について説明した。上述したように、変形例6に係る学習済みモデル生成機能187は、一の段階の次の段階に対応する判別処理から出力された所定の判別結果に対応する超音波画像データと、この所定の判別結果とを対応付けて学習することにより、一の段階に対応する学習済みモデルを新たに生成し、学習条件を新たに記録する。これにより、一の段階に対応する判別処理の判別精度を高くすることができる。
【0306】
(第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例7)
次に、第1の学習済みモデル11aを用いた第1の判別処理及び第2の学習済みモデル12aを用いた第2の判別処理の判別精度を高める場合の他の変形例を、第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例7として説明する。なお、変形例7の説明では、第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる点を主に説明し、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様の構成及び処理については説明を省略する場合がある。
【0307】
上述した変形例6では、第1の実施形態及び第2の実施形態とは異なる学習方法により、第2の学習済みモデル12a及び第3の学習済みモデル13aが生成される場合について説明した。一方、変形例7では、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様の学習方法により生成された第2の学習済みモデル12a及び第3の学習済みモデル13aが用いられる。
【0308】
ただし、変形例7では、第4の学習済みモデル、第4の学習条件、第5の学習済みモデル及び第5の学習条件が用いられる。変形例7では、運用時の2段階目において、第4の学習済みモデル及び第4の学習条件が用いられる第4の判別処理が、第2の判別処理よりも前に実行される。また、運用時の3段階目において、第5の学習済みモデル及び第5の学習条件が用いられる第5の判別処理が、第3の判別処理よりも前に実行される。
【0309】
運用時の2段階目において、判別機能184は、第4の学習済みモデル及び第4の学習条件を用いて、CAD処理として、第4の判別処理を実行する。第4の判別処理は、超音波画像データ22に示される超音波画像に特徴部位が含まれるか又は含まれないかを判別し、判別結果(第4の判別結果)を導出する処理である。このように、変形例7では、判別機能184は、運用時の1段階目で実行される第1の判別処理と同様の第4の判別処理を、運用時の2段階目において実行する。また、第4の学習済みモデルは、第1の学習済みモデル11aと同様の方法で生成される。また、第4の学習条件は、第1の学習条件11bと同様の方法で記録される。
【0310】
ただし、第1の学習済みモデル11aを生成する場合よりも、第4の学習済みモデルを生成する場合の方が、第1の判別処理において過検出された超音波画像データが多く用いられる。
【0311】
このため、第4の学習済みモデル及び第4の学習条件を用いた第4の判別処理では、第1の判別処理において過検出された超音波画像データを過検出することが抑制される。
【0312】
ここで、第4の判別処理を実行した判別機能184により、超音波画像に特徴部位が含まれると判別された場合について説明する。この場合、運用時の2段階目において、判別機能184は、第2の学習済みモデル12a及び第2の学習条件12bを用いて、超音波画像に特徴部位が含まれると判別された超音波画像データに対して、第2の判別処理を実行する。
【0313】
また、第4の判別処理を実行した判別機能184により、超音波画像に特徴部位が含まれないと判別された場合について説明する。この場合、学習済みモデル生成機能201a又は学習済みモデル生成機能187は、超音波画像に特徴部位が含まれないと判別された超音波画像データを用いて、第1の学習済みモデル11a及び第1の学習条件11bを更新する。以下の説明では、学習済みモデル生成機能187が、第1の学習済みモデル11a及び第1の学習条件11bを更新する場合について説明する。しかしながら、学習済みモデル生成機能201aが、以下で説明する学習済みモデル生成機能187が実行する処理と同様の処理を実行して、第1の学習済みモデル11a及び第1の学習条件11bを更新してもよい。
【0314】
学習済みモデル生成機能187は、超音波画像に特徴部位が含まれないと判別された超音波画像データと、超音波画像に特徴部位が含まれないことを示す第1のラベル15とを対応付けて学習することにより、第1の学習済みモデル11a及び第1の学習条件11bを更新する。これにより、第1の学習済みモデル11a及び第1の学習条件11bに基づく第1の判別処理の判別精度を高くすることができる。
【0315】
そして、運用時の3段階目において、判別機能184は、第5の学習済みモデル及び第5の学習条件を用いて、第5の判別処理を実行する。第5の判別処理は、運用時の2段階目において第2の判別処理により良性であると判別された特徴部位が、良性であるか又は悪性であるかを再び判別し、判別結果(第5の判別結果)を導出する処理である。このように、変形例7では、判別機能184は、運用時の2段階目で実行される第2の判別処理と同様の第5の判別処理を、運用時の3段階目において実行する。また、第5の学習済みモデルは、第2の学習済みモデル12aと同様の方法で生成される。また、第5の学習条件は、第2の学習条件12bと同様の方法で記録される。
【0316】
ただし、第2の学習済みモデル12aを生成する場合よりも、第5の学習済みモデルを生成する場合の方が、第2の判別処理において良性の特徴部位が誤って悪性であると判別された超音波画像データが多く用いられる。
【0317】
このため、第5の学習済みモデル及び第5の学習条件を用いた第5の判別処理では、第2の判別処理において良性の特徴部位が誤って悪性であると判別された超音波画像データに含まれる特徴部位を、良性であると正しく判別することができる。
【0318】
ここで、第5の判別処理を実行した判別機能184により、超音波画像に含まれる特徴部位が悪性であると判別された場合について説明する。この場合、運用時の3段階目において、判別機能184は、第3の学習済みモデル13a及び第3の学習条件13bを用いて、特徴部位が悪性であると判別された超音波画像データに対して、第3の判別処理を実行する。
【0319】
一方、第5の判別処理を実行した判別機能184により、超音波画像に含まれる特徴部位が良性であると判別された場合について説明する。この場合、学習済みモデル生成機能201a又は学習済みモデル生成機能187は、特徴部位が良性であると判別された超音波画像データを用いて、第2の学習済みモデル12a及び第2の学習条件12bを更新する。以下の説明では、学習済みモデル生成機能187が、第2の学習済みモデル12a及び第2の学習条件12bを更新する場合について説明する。しかしながら、学習済みモデル生成機能201aが、以下で説明する学習済みモデル生成機能187が実行する処理と同様の処理を実行して、第2の学習済みモデル12a及び第2の学習条件12bを更新してもよい。
【0320】
学習済みモデル生成機能187は、特徴部位が良性であると判別された超音波画像データと、特徴部位が良性であることを示す第2のラベル21とを対応付けて学習することにより、第2の学習済みモデル12a及び第2の学習条件12bを更新する。これにより、第2の学習済みモデル12a及び第2の学習条件12bに基づく第2の判別処理の判別精度を高くすることができる。
【0321】
変形例7について説明した。上述したように、変形例7に係る学習済みモデル生成機能187は、一の段階の次の段階に対応する判別処理から出力された所定の判別結果に対応する超音波画像データと、この所定の判別結果とを対応付けて学習することにより、一の段階に対応する学習済みモデルを新たに生成し、学習条件を新たに記録する。これにより、一の段階に対応する判別処理の判別精度を高くすることができる。
【0322】
(第3の実施形態)
なお、上述した実施形態及び変形例では、超音波診断装置1が、学習済みモデル及び学習条件を用いて、判別結果を導出する場合について説明した。しかしながら、医用画像処理装置が、リアルタイムではなく、後処理として同様の処理を行ってよい。そこで、このような実施形態を第3の実施形態として説明する。
【0323】
図24は、第3の実施形態に係る医用画像処理装置300の構成例を示す図である。図24に例示するように、医用画像処理装置300は、入力装置301と、ディスプレイ302と、記憶回路310と、処理回路320とを備える。入力装置301、ディスプレイ302、記憶回路310、処理回路320は、相互に通信可能に接続される。医用画像処理装置300は、解析装置の一例である。
【0324】
入力装置301は、マウス、キーボード、ボタン、パネルスイッチ、タッチコマンドスクリーン、フットスイッチ、トラックボール、ジョイスティック等により実現される。入力装置301は、医用画像処理装置300の操作者からの各種設定要求を受け付ける。入力装置301は、受け付けた各種設定要求を処理回路320へ出力する。例えば、入力装置301は、医用画像処理装置300の操作者からCAD処理を実行するための指示(実行指示)を受け付け、受け付けた実行指示を処理回路320に出力する。また、操作者は、入力装置301を介して、CAD処理において、特徴部位の検索範囲であるROIを超音波画像に設定することもできる。
【0325】
ディスプレイ302は、例えば、医用画像を表示したり、操作者が入力装置301を用いて各種設定要求を入力するためのGUIを表示したりする。
【0326】
記憶回路310は、GUIを表示するための各種のプログラムや、当該プログラムによって用いられる情報を記憶する。また、記憶回路310は、超音波診断装置1によって生成された時系列に沿った複数の超音波画像データを記憶する。また、記憶回路310は、上述した第1の実施形態、第2の実施形態又は変形例1~7のうちのいずれかの各種の学習済みモデル及び各種の学習条件を記憶する。これら各種の学習済みモデル及び各種の学習条件は、処理回路320により実行される処理に用いられる。
【0327】
処理回路320は、医用画像処理装置300の処理全体を制御する。処理回路320は、例えば、プロセッサにより実現される。例えば、図24に示すように、処理回路320は、制御機能321、速度検出機能322、取得機能323、学習済みモデル生成機能324、判別機能325、マーカ情報生成機能326及び表示制御機能327の各処理機能を有する。ここで、例えば、図24に示す処理回路320の構成要素である制御機能321、速度検出機能322、取得機能323、学習済みモデル生成機能324、判別機能325、マーカ情報生成機能326及び表示制御機能327の各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路310に記録されている。処理回路320は、各プログラムを記憶回路310から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路320は、図24の処理回路320内に示された各機能を有することとなる。
【0328】
医用画像処理装置300は、例えば、超音波診断装置1により生成された時系列に沿った複数の超音波画像データを取得する。ただし、この超音波画像データには、速度検出器104により検出された超音波プローブ101の移動速度を示す検出信号が付加されている。そして、医用画像処理装置300は、超音波画像データに対して、上述した第1の実施形態、第2の実施形態又は変形例1~7のうちのいずれかと同様の処理を行って、ディスプレイ302に、超音波画像、及び、検出された特徴部位等の情報を表示させる。
【0329】
制御機能321は、医用画像処理装置300の処理全体を制御する。速度検出機能322は、上述した速度検出機能182と同様の機能を有する。例えば、速度検出機能322は、超音波画像データに付加された検出信号に基づいて、超音波プローブ101の移動速度を検出する。取得機能323は、上述した取得機能183と同様の機能を有する。学習済みモデル生成機能324は、上述した学習済みモデル生成機能187と同様の機能を有する。判別機能325は、上述した判別機能184と同様の機能を有する。マーカ情報生成機能326は、上述したマーカ情報生成機能185と同様の機能を実行する。表示制御機能327は、上述した表示制御機能186と同様の機能を実行する。
【0330】
以上、第3の実施形態に係る医用画像処理装置300について説明した。第3の実施形態に係る医用画像処理装置300によれば、第1の実施形態等と同様に、特徴部位に関する判別結果を精度よく得ることができる。
【0331】
なお、上述した少なくとも1つの実施形態又は変形例において、超音波診断装置1は、処理回路180が備える各機能、各種の学習済みモデル及び各種の学習条件を1つのソフトウェアパッケージとして扱ってもよい。同様に、医用画像処理装置300は、処理回路320が備える各機能、各種の学習済みモデル及び各種の学習条件を1つのソフトウェアパッケージとして扱ってもよい。
【0332】
以上述べた少なくとも1つの実施形態又は変形例によれば、特徴部位に関する判別結果を精度よく得ることができる。
【0333】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0334】
1 超音波診断装置
184 判別機能
187 学習済みモデル生成機能
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図19
図20
図21
図22
図23
図24