(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161007
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】ゲームを提供するためのプログラム、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/58 20140101AFI20231026BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20231026BHJP
【FI】
A63F13/58
A63F13/69
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023149149
(22)【出願日】2023-09-14
(62)【分割の表示】P 2021051468の分割
【原出願日】2021-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】599115217
【氏名又は名称】株式会社 ディー・エヌ・エー
(74)【代理人】
【識別番号】100125195
【弁理士】
【氏名又は名称】尾畑 雄一
(72)【発明者】
【氏名】来栖 寛幸
(72)【発明者】
【氏名】木村 優
(72)【発明者】
【氏名】山田 卓司
(57)【要約】
【課題】 現実の時間の経過に基づいて進行するゲームの興趣を向上させる。
【解決手段】
本発明の一実施形態に係るゲーム提供サーバ10は、通信ネットワーク20を介してプレイヤ端末30と通信可能に接続されており、当該プレイヤ端末30を操作するユーザに対してゲームを提供する。当該サーバ10は、現実の時間の経過に基づいて値が変動する特定パラメータの変動速度を変化させる効果を有する特定オブジェクトをゲームの進行に応じてプレイヤに対して付与し、当該特定パラメータの値に少なくとも基づく報酬をプレイヤに対して付与するから、プレイヤに対して、特定パラメータの変動速度を変化させるための特定オブジェクトの取得、及び、当該特定パラメータの値に基づく報酬の獲得についての楽しみを与えることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームを提供するためのプログラムであって、コンピュータに、
現実の時間の経過に少なくとも基づいてパラメータの値を変動させる処理と、
前記ゲームの進行に応じて、前記パラメータの単位時間当たりの変動幅である変動速度を変化させる効果を有するオブジェクトをプレイヤに対して付与する処理と、
前記パラメータの値に少なくとも基づく報酬を前記プレイヤに対して付与する処理と、を実行させる、
プログラム。
【請求項2】
前記パラメータの値を変動させる処理は、所定期間内に、前記パラメータの値を変動させることを含み、
前記報酬を付与する処理は、前記所定期間の終了時点における前記パラメータの値に少なくとも基づく前記報酬を付与することを含む、
請求項1のプログラム。
【請求項3】
前記ゲームは、第1期間及び前記第1期間の後の第2期間を含む複数の前記所定期間が繰り返されるように構成されている、
請求項2のプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータに、さらに、前記第2期間の開始に伴って、前記第1期間における前記パラメータ、前記オブジェクト、及び、前記変動速度の少なくとも1つを初期化する処理を実行させる、
請求項3のプログラム。
【請求項5】
前記報酬を付与する処理は、前記第1期間の終了時点における前記パラメータの値に少なくとも基づく前記報酬として、前記第2期間において利用可能なアイテムを付与することを含む、
請求項3又は4のプログラム。
【請求項6】
前記オブジェクトを付与する処理は、前記変動速度を変化させる度合いが相互に異なる複数の種類の前記オブジェクトのうちの何れかを付与することを含む、
請求項1ないし5何れかのプログラム。
【請求項7】
前記オブジェクトを付与する処理は、前記オブジェクトの付与に伴って、付与される前記オブジェクトが有する効果としての前記変動速度が変化する度合いを所定ルールに従って設定することを含む、
請求項1ないし6何れかのプログラム。
【請求項8】
前記所定ルールは、複数の値の中から抽選によって選択された値を前記変動速度が変化する度合いとすることを含む、
請求項7のプログラム。
【請求項9】
前記オブジェクトを付与する処理は、前記オブジェクトの付与に伴って、付与される前記オブジェクトを、設定した前記変動速度が変化する度合いに基づく態様で表示することを含む、
請求項7又は8のプログラム。
【請求項10】
前記オブジェクトを付与する処理は、前記プレイヤが有する価値の消費を伴って前記オブジェクトを付与することを含む、
請求項1ないし9何れかのプログラム。
【請求項11】
前記価値は、前記変動速度に従って増加する、
請求項10のプログラム。
【請求項12】
前記報酬は、前記変動速度を変化させるためのアイテムを含む、
請求項1ないし11何れかのプログラム。
【請求項13】
1又は複数のコンピュータプロセッサを備え、ゲームを提供するためのシステムであって、前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、読取可能な命令の実行に応じて、
現実の時間の経過に少なくとも基づいてパラメータの値を変動させる処理と、
前記ゲームの進行に応じて、前記パラメータの単位時間当たりの変動幅である変動速度を変化させる効果を有するオブジェクトをプレイヤに対して付与する処理と、
前記パラメータの値に少なくとも基づく報酬を前記プレイヤに対して付与する処理と、を実行する、
システム。
【請求項14】
1又は複数のコンピュータによって実行され、ゲームを提供するための方法であって、
現実の時間の経過に少なくとも基づいてパラメータの値を変動させる工程と、
前記ゲームの進行に応じて、前記パラメータの単位時間当たりの変動幅である変動速度を変化させる効果を有するオブジェクトをプレイヤに対して付与する工程と、
前記パラメータの値に少なくとも基づく報酬を前記プレイヤに対して付与する工程と、を備える、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームを提供するためのプログラム、システム、及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、現実の時間の経過に基づいて進行する様々なゲームが提供されている。例えば、下記特許文献1には、いわゆる街づくりゲームにおいて、プレイヤによる施設の建設指示に応じて建築進行オブジェクトが表示され、当該オブジェクトが、建設所要時間が経過したときに、対応する施設を示すオブジェクトに変化することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来のゲームのような時間の経過に基づくゲームの進行を単調に感じてしまうプレイヤも存在し得る。したがって、様々なプレイヤが楽しめるように、こうしたゲームの興趣の向上が望まれる。
【0005】
本発明の実施形態は、現実の時間の経過に基づいて進行するゲームの興趣を向上させることを目的の一つとする。本発明の実施形態の他の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、ゲームを提供するためのプログラムであって、コンピュータに、現実の時間の経過に少なくとも基づいてパラメータの値を変動させる処理と、前記ゲームの進行に応じて、前記パラメータの単位時間当たりの変動幅である変動速度を変化させる効果を有するオブジェクトをプレイヤに対して付与する処理と、前記パラメータの値に少なくとも基づく報酬を前記プレイヤに対して付与する処理と、を実行させる。
【0007】
本発明の一実施形態に係るシステムは、1又は複数のコンピュータプロセッサを備え、ゲームを提供するためのシステムであって、前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、読取可能な命令の実行に応じて、現実の時間の経過に少なくとも基づいてパラメータの値を変動させる処理と、前記ゲームの進行に応じて、前記パラメータの単位時間当たりの変動幅である変動速度を変化させる効果を有するオブジェクトをプレイヤに対して付与する処理と、前記パラメータの値に少なくとも基づく報酬を前記プレイヤに対して付与する処理と、を実行する。
【0008】
本発明の一実施形態に係る方法は、1又は複数のコンピュータによって実行され、ゲームを提供するための方法であって、現実の時間の経過に少なくとも基づいてパラメータの値を変動させる工程と、前記ゲームの進行に応じて、前記パラメータの単位時間当たりの変動幅である変動速度を変化させる効果を有するオブジェクトをプレイヤに対して付与する工程と、前記パラメータの値に少なくとも基づく報酬を前記プレイヤに対して付与する工程と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の様々な実施形態は、現実の時間の経過に基づいて進行するゲームの興趣を向上させ得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係るゲーム提供サーバ10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図。
【
図2】イベントにおいて繰り返されるゲーム期間を説明するための図。
【
図3】プレイヤ情報テーブル151が管理する情報を例示する図。
【
図4】オブジェクト情報テーブル152が管理する情報を例示する図。
【
図5】ゲーム進行管理テーブル153が管理する情報を例示する図。
【
図6】プレイヤ毎オブジェクト管理テーブル154が管理する情報を例示する図。
【
図8】ゲームを開始している各プレイヤについてサーバ10が実行する処理を例示するフロー図。
【
図10】第1期の第1次のゲーム期間におけるゲームが開始されてから1分が経過した状態のゲーム画面50を例示する図。
【
図12】1体の機体を製造する際にサーバ10が実行する処理を例示するフロー図。
【
図13】輸送ブースターを使用する際にサーバ10が実行する処理を例示するフロー図。
【
図14】ゲームを開始してから一定時間が経過した状態のゲーム画面50を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。各図面において、同一の又は類似する構成要素に対しては同一の参照符号が付され得る。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係るゲーム提供サーバ10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図である。サーバ10は、図示するように、インターネット等の通信ネットワーク20を介してプレイヤ端末30と通信可能に接続されている。
図1においては、1つのプレイヤ端末30のみが図示されているが、サーバ10は、複数のプレイヤ端末30と通信可能に接続され得る。サーバ10は、プレイヤ端末30を操作するユーザに対してゲームを提供する。ゲーム提供サーバ10は、本発明のシステムの全部又は一部を実装する装置の一例である。
【0013】
まず、ゲーム提供サーバ10のハードウェア構成について説明する。ゲーム提供サーバ10は、一般的なコンピュータとして構成されており、
図1に示すように、コンピュータプロセッサ11と、メインメモリ12と、入出力I/F13と、通信I/F14と、ストレージ(記憶装置)15とを備え、これらの各構成要素が図示しないバス等を介して電気的に接続されている。
【0014】
コンピュータプロセッサ11は、CPU又はGPU等として構成され、ストレージ15等に記憶されている様々なプログラムをメインメモリ12に読み込んで、当該プログラムに含まれる各種の命令を実行する。メインメモリ12は、例えば、DRAM等によって構成される。
【0015】
入出力I/F13は、操作者等との間で情報をやり取りするための各種の入出力装置を含む。入出力I/F13は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチパネル等)等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置を含む。また、入出力I/F13は、ディスプレイ等の画像出力装置、スピーカー等の音声出力装置を含む。
【0016】
通信I/F14は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装され、通信ネットワーク20等を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
【0017】
ストレージ15は、例えば磁気ディスク、フラッシュメモリ等によって構成される。ストレージ15は、オペレーティングシステムを含む様々なプログラム及び各種データ等を記憶する。例えば、ストレージ15は、
図1に示すように、ゲームのプレイヤに関する情報を管理するプレイヤ情報テーブル151と、当該ゲームにおいて用いられる特定オブジェクトに関する情報を管理するオブジェクト情報テーブル152と、当該ゲームの進行を管理するゲーム進行管理テーブル153と、当該ゲームにおいてプレイヤに対して付与される特定オブジェクトに関する情報を管理するプレイヤ毎オブジェクト管理テーブル154とを有する。また、例えば、ストレージ15は、本発明の一実施形態に係るサーバ側プログラム40を記憶する。当該プログラム40は、ゲーム提供サーバ10を、ゲームを提供するためのシステムの一部又は全部として機能させるためのプログラムである。サーバ側プログラム40の一部又は全部は、ウェブブラウザ又はその他のアプリケーションを介してプレイヤ端末30側において実行されるように構成され得る。
【0018】
本実施形態において、ゲーム提供サーバ10は、それぞれが上述したハードウェア構成を有する複数のコンピュータを用いて構成され得る。例えば、サーバ10は、1又は複数のサーバ装置によって構成され得る。
【0019】
このように構成されたゲーム提供サーバ10は、ウェブサーバ及びアプリケーションサーバとしての機能を有し、プレイヤ端末30にインストールされているウェブブラウザ又はその他のアプリケーション(例えば、ゲーム用アプリケーション等)からの要求に応答して各種の処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ(例えば、HTMLデータ)及び制御データ等をプレイヤ端末30に対して送信する。プレイヤ端末30では、受信したデータに基づくウェブページ又はその他の画面が表示される。
【0020】
次に、プレイヤ端末30のハードウェア構成について説明する。プレイヤ端末30は、一般的なコンピュータとして構成されており、
図1に示すように、コンピュータプロセッサ31と、メインメモリ32と、入出力I/F33と、通信I/F34と、ストレージ(記憶装置)35とを備え、これらの各構成要素が図示しないバス等を介して電気的に接続されている。
【0021】
コンピュータプロセッサ31は、CPU又はGPU等として構成され、ストレージ35等に記憶されている様々なプログラムをメインメモリ32に読み込んで、当該プログラムに含まれる各種の命令を実行する。メインメモリ32は、例えば、DRAM等によって構成される。
【0022】
入出力I/F33は、操作者等との間で情報をやり取りするための各種の入出力装置を含む。入出力I/F33は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチパネル等)等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置を含む。また、入出力I/F33は、ディスプレイ等の画像出力装置、スピーカー等の音声出力装置を含む。
【0023】
通信I/F34は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装され、通信ネットワーク20等を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
【0024】
ストレージ35は、例えば磁気ディスク又はフラッシュメモリ等によって構成される。ストレージ35は、オペレーティングシステムを含む様々なプログラム及び各種データ等を記憶する。ストレージ35が記憶するプログラムは、アプリケーションマーケット等からダウンロードされてインストールされ得る。
【0025】
本実施形態において、プレイヤ端末30は、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブルデバイス、パーソナルコンピュータ、又はゲーム専用端末等として構成され得る。
【0026】
このように構成されたプレイヤ端末30のユーザ(ゲームのプレイヤ)は、ストレージ35等にインストールされているウェブブラウザ又はその他のアプリケーションを介したサーバ10との通信を実行することによって、サーバ10が提供するゲームをプレイすることができる。
【0027】
次に、このように構成されたゲーム提供サーバ10が有する機能について説明する。サーバ10のコンピュータプロセッサ11は、
図1に示すように、メインメモリ12に読み込まれたプログラム(例えば、サーバ側プログラム40の少なくとも一部)に含まれる命令を実行することによって、管理機能制御部111、及び、ゲーム進行制御部112として機能するように構成されている。
【0028】
管理機能制御部111は、ゲームの管理機能の制御に関する様々な処理を実行するように構成されている。例えば、管理機能制御部111は、管理機能に関する様々な画面の画面データ及び制御データ等をプレイヤ端末30に対して送信し、プレイヤ端末30で表示される当該画面を介したプレイヤによる操作入力に応答して様々な処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ及び制御データ等をプレイヤ端末30に対して送信する。管理機能制御部111によって制御される管理機能は、例えば、ログイン処理(ユーザ認証)、課金制御、及び、プレイヤアカウントの管理等を含む。
【0029】
ゲーム進行制御部112は、ゲームの進行の制御に関する様々な処理を実行するように構成されている。例えば、ゲーム進行制御部112は、ゲームに関する様々な画面の画面データ及び制御データ等をプレイヤ端末30に対して送信し、プレイヤ端末30で表示される当該画面を介したプレイヤによる操作入力に応答して様々な処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ及び制御データ等をプレイヤ端末30に対して送信する。
【0030】
本実施形態において、ゲーム進行制御部112は、現実の時間の経過に少なくとも基づいて特定パラメータの値を変動させるように構成されている。例えば、当該特定パラメータの値は、当該特定パラメータの単位時間当たりの変動幅である変動速度(変動率と言うこともできる。)に従って変動(例えば、増加又は減少)するように制御される。特定パラメータの値は、例えば、ゲーム進行管理テーブル153において、対応するプレイヤに関連付けて管理される。
【0031】
また、ゲーム進行制御部112は、ゲームの進行に応じて、特定パラメータの変動速度を変化させる効果を有する特定オブジェクトをプレイヤに対して付与するように構成されている。例えば、当該特定オブジェクトは、特定パラメータの変動速度を、プレイヤにとって有利な方向に変化(加速又は減速)させる。例えば、ゲーム進行制御部112は、特定オブジェクトのプレイヤへの付与に応じて、直ちに、又は、当該プレイヤによる個別の指示(例えば、特定オブジェクトの使用指示等)を介して、特定パラメータの変動速度を変化させる。特定パラメータの変動速度は、例えば、ゲーム進行管理テーブル153において管理される。また、付与された特定オブジェクトに関する情報は、例えば、プレイヤ毎オブジェクト管理テーブル154において管理される。
【0032】
また、ゲーム進行制御部112は、特定パラメータの値に少なくとも基づく報酬をプレイヤに対して付与するように構成されている。当該報酬は、例えば、特定パラメータ(又は、当該特定パラメータの値に基づく他のパラメータ)の値が大きいほど(又は、小さいほど)、プレイヤにとっての価値が高くなる。
【0033】
このように、本実施形態におけるゲーム提供サーバ10は、現実の時間の経過に基づいて値が変動する特定パラメータの変動速度を変化させる効果を有する特定オブジェクトをゲームの進行に応じてプレイヤに対して付与し、当該特定パラメータの値に少なくとも基づく報酬をプレイヤに対して付与するから、プレイヤに対して、特定パラメータの変動速度を変化させるための特定オブジェクトの取得、及び、当該特定パラメータの値に基づく報酬の獲得についての楽しみを与えることができる。このように、ゲーム提供サーバ10は、現実の時間の経過に基づいて進行するゲームの興趣を向上させ得る。
【0034】
本実施形態において、特定パラメータの値が、所定期間内に、変動するようにしてもよい。例えば、ゲーム進行制御部112は、所定期間の間、プレイヤのプレイヤ端末30による通信の有無、又は、当該プレイヤによる操作の有無等にかかわらず、当該プレイヤに関連付けられた特定パラメータの値を時間の経過に従って変動させる(更新する)。この場合、ゲーム進行制御部112は、当該所定期間の終了時点における特定パラメータの値に少なくとも基づく報酬をプレイヤに対して付与するように構成され得る。こうした構成は、プレイヤに対して、所定期間の間の特定パラメータの値の変動についての楽しみを与えることができる。
【0035】
また、本実施形態のゲームは、各々において特定パラメータの値が変動する複数の期間が繰り返されるようにしてもよい。この場合、ゲーム進行制御部112は、期間毎に、各期間の終了時点における特定パラメータの値に少なくとも基づく報酬をプレイヤに対して付与するように構成され得る。また、第1期間の後の第2期間の開始に伴って(例えば、第1期間の終了に応じて、又は、第2期間の開始に応じて)、当該第1期間における特定パラメータ(の値)、特定オブジェクト(の付与状況)、及び、特定パラメータの変動速度(の値)の少なくとも1つが初期化されるようにしてもよい。例えば、ゲーム進行制御部112は、新たな期間の開始に伴って、特定パラメータの値、プレイヤによる特定オブジェクトの保有状況、及び/又は、特定パラメータの変動速度の値を初期値とする。こうした構成は、ゲームの開始が遅れたプレイヤが途中で参加することを促進する。
【0036】
本実施形態において、特定パラメータの値に基づく報酬は、様々な種類の報酬が含まれる。当該報酬は、例えば、現実の物理的な報酬、又は、仮想的及び電子的な報酬(アイテム等)を含む。例えば、ゲーム進行制御部112は、第1期間の終了時点における特定パラメータの値に少なくとも基づく報酬として、第1期間の後の第2期間において利用可能な仮想的及び電子的なアイテムを付与するように構成され得る。こうしたアイテムは、これに限定されないが、例えば、特定パラメータの変動速度を変化させる(例えば、特定オブジェクトが有する効果と同様に変動速度を変化させる、又は、特定オブジェクトが有する効果を拡張又増強させる等)ためのアイテムを含む。こうした構成は、早期にゲームを開始したプレイヤが当該ゲームを継続してプレイすることを促進する。
【0037】
本実施形態において、特定パラメータの変動速度を変化させる効果を有する特定オブジェクトは、様々な種類の仮想的及び電子的なオブジェクト(例えば、キャラクタ、アイテム、コイン、又はポイント等として実装される。)が含まれる。また、特定パラメータの変動速度を変化させる度合い(例えば、加速幅又は減速幅等)が相互に異なる複数の種類の特定オブジェクトを準備してもよい。例えば、ゲーム進行制御部112は、ゲームの進行に応じて、こうした複数の種類の特定オブジェクトのうちの何れかをプレイヤに対して付与するように構成され得る。例えば、複数の種類の特定オブジェクトのうち、プレイヤによって選択された特定オブジェクト、又は、所定ルールに従って自動的に選択された特定オブジェクトが付与される。こうした構成は、複数の種類の特定オブジェクトの取得についての楽しみをプレイヤに対して与え得る。
【0038】
また、ゲーム進行制御部112は、こうした特定オブジェクトの付与に伴って、付与される特定オブジェクトが有する効果としての特定パラメータの変動速度が変化する度合いを所定ルールに従って設定するように構成され得る。例えば、当該変動速度が変化する度合いは、複数の値の中から選択されて設定され、又は、所定の演算式による演算によって設定される。所定ルールは、例えば、複数の値の中から抽選によって(ランダムに)選択された値を変動速度が変化する度合いとするというルールを含む。こうした構成は、特定パラメータの変動速度が変化する度合いの設定についての楽しみをプレイヤに対して与え得る。
【0039】
また、ゲーム進行制御部112は、特定オブジェクトの付与に伴って、付与される特定オブジェクトを、設定した変動速度が変化する度合いに基づく態様(例えば、外観)で表示するように構成され得る。例えば、プレイヤに対して付与される特定オブジェクトは、設定した変動速度の変化する度合いが第1範囲内である場合に第1態様で表示される一方、当該変動速度の変化する度合いが第2範囲内である場合に第2態様で表示される。こうした構成は、特定パラメータの変動速度が変化する度合いの設定についてのより一層の楽しみをプレイヤに対して与え得る。
【0040】
また、ゲーム進行制御部112は、プレイヤが有する特定価値の消費を伴って特定オブジェクトを付与するように構成され得る。特定価値は、現実の価値、又は、仮想的及び電子的な価値を含み、例えば、様々な種類の仮想的及び電子的なオブジェクト(例えば、キャラクタ、アイテム(ダイヤ又は石等を含む。)、コイン、又はポイント等を含む。)を含む。例えば、特定価値は、特定パラメータの変動速度に従って増加するように構成され、この場合、当該特定パラメータが、プレイヤが有する特定価値の数量として実装され、または、特定パラメータの変動速度に従って増加する他のパラメータが、プレイヤが有する特定価値の数量として実装され得る。この場合、特定オブジェクトの付与に応じて、特定パラメータの値、又は、当該他のパラメータの値が減少する(消費される)ことになる。また、例えば、ゲーム進行制御部112は、プレイヤによる指示に応答して特定オブジェクトを当該プレイヤに対して付与し、当該特定オブジェクトの付与に伴って、対応する数量の特定価値を消費させる。こうした構成は、特定価値を用いた特定オブジェクトの取得についての楽しみをプレイヤに対して与え得る。
【0041】
次に、このような機能を有する本実施形態のゲーム提供サーバ10の一態様としての具体例について説明する。この具体例のゲームは、プレイヤが物資の輸送任務を遂行するゲームとして構成されており、多くの物資を輸送すること、つまり、総輸送物資量(特定パラメータ)を大きくすることがゲーム目標となる。詳しくは後述するが、物資の輸送は、航空機としての機体(特定オブジェクト)によって行われ、プレイヤは、機体を製造することによって、単位時間当たりの輸送物資量である輸送能力(変動速度)を向上させることができる。
【0042】
また、この例のゲームは、ソーシャルカードゲームにおける期間限定のイベント(キャンペーン)として提供され、当該イベントでは、連続する複数のゲーム期間が繰り返される。
図2は、この例のゲームのイベントにおいて繰り返されるゲーム期間を説明するための図である。図示するように、この例のイベントは、第1期及び第2期の二つの期に分かれており、各期は、第1次~第3次までの3つのゲーム期間に分かれている。各ゲーム期間は、現実の1ヶ月に対応しており、例えば、第1期の第1次の期間は、2021年4月に対応しており、その次のゲーム期間である第1期の第2次の期間は、2021年5月に対応している。
【0043】
図3は、この例において、プレイヤ情報テーブル151が管理する情報を例示する。この例におけるプレイヤ情報テーブル151は、ゲームのプレイヤに関する情報を管理し、図示するように、個別のプレイヤを識別する「プレイヤアカウント」に対応付けて、アカウント名、性別、及び生年月日等を含む「基本情報」、輸送能力を向上させるためのアイテムである輸送ブースターの保有数である「輸送ブースター保有数」、機体を製造するためのアイテムである機体製造権の保有数である「機体製造権保有数」等の情報を管理する。
【0044】
図4は、この例において、オブジェクト情報テーブル152が管理する情報を例示する。この例におけるオブジェクト情報テーブル152は、この例のゲームにおいて用いられる機体に関する情報を管理し、図示するように、個別の機体の種類を識別する「機体ID」に対応付けて、対応する機体の名称である「機体名」、対応する機体をプレイヤが製造する際に必要となる物資量の初期値である「製造時必要物資量初期値」、対応する機体に設定されている輸送能力の範囲である「輸送能力範囲」等の情報を管理する。
【0045】
この例において、機体は、輸送済みの物資を用いて製造され、「製造時必要物資量初期値」には、対応する機体を製造する際に必要となる物資量の初期値が設定されている。詳しくは後述するが、製造時の必要物資量は、1体の機体を製造する都度、増加する。また、この例では、機体の輸送能力は、単位時間当たりに輸送できる物資の重量(トン/秒)として定義され、「輸送能力範囲」には、対応する機体の輸送能力の範囲(下限値及び上限値)が設定されている。輸送能力は、輸送速度、輸送率、又は輸送効率等と言うこともできる。このように、この例では、機体の種類毎に、製造時に必要な物資量、及び、輸送能力が異なっており、輸送能力が高い種類の機体ほど、製造時に必要な物資量の初期値が大きい。
【0046】
図5は、この例において、ゲーム進行管理テーブル153が管理する情報を例示する。この例におけるゲーム進行管理テーブル153は、プレイヤ別のゲームの進行を管理するための情報を管理し、図示するように、個別のプレイヤを識別する「プレイヤアカウント」及び個別のゲーム期間を識別する「期間ID」の組合せに対応付けて、対応するプレイヤが対応するゲーム期間において実現した輸送済みの物資量の総数である「総輸送物資量」、対応するゲーム期間において輸送済みの物資量のその時点の値(残数)である「現物資量」、プレイヤ単位の輸送能力である「輸送能力」等の情報を管理する。現物資量は、総輸送物資量から、機体の製造によって消費された物資量を減じたものであると言うこともできる。また、プレイヤ単位の輸送能力は、プレイヤが保有する全ての機体によって実現される輸送能力の合計値である。
【0047】
図6は、この例において、プレイヤ毎オブジェクト管理テーブル154が管理する情報を例示する。この例におけるプレイヤ毎オブジェクト管理テーブル154は、プレイヤが保有する機体に関する情報を管理し、図示するように、個別のプレイヤを識別する「プレイヤアカウント」、個別のゲーム期間を識別する「期間ID」、及び個別の機体の種類を識別する「機体ID」の組合せに対応付けて、対応するプレイヤによる対応する期間における対応する種類の機体の保有数である「機体保有数」、当該機体の保有数のうちのレア機体の保有数である「レア機体保有数」、当該機体を製造する際に必要となる物資量のその時点の値である「製造時必要物資量現在値」、機体の種類単位の輸送能力である「輸送能力」、当該機体に対して使用された輸送ブースターの数である「輸送ブースター使用数」等の情報を管理する。機体の種類単位の輸送能力は、プレイヤが保有する同じ種類の全ての機体によって実現される輸送能力の合計値である。
【0048】
図7は、プレイヤ端末30において表示される開始画面45を例示する。当該画面45は、各ゲーム期間においてゲームを開始するための画面であり、図示するように、その時点でゲームを開始できるゲーム期間に関する情報を表示すると共に、ゲームを開始するための開始オブジェクト451を有する。当該開始画面45は、この例のゲームが提供されるイベントに対応するページへのアクセスに応じて、対応するゲーム期間におけるゲームが未だ開始されていない場合に表示される一方、対応するゲーム期間におけるゲームが既に開始されている場合には表示されない。開始画面45の開始オブジェクト451が選択されると、対応するゲーム期間におけるゲームが開始され、ゲーム進行管理テーブル153及びプレイヤ毎オブジェクト管理テーブル154において、対応するレコードが新たに作成される。
【0049】
図8は、ゲームを開始した各プレイヤについてサーバ10が実行する処理を例示するフロー図である。これらの処理は、プレイヤによるプレイヤ端末30を介したサーバ10へのアクセスの有無にかかわらず、実行される。
【0050】
サーバ10は、まず、
図8に示すように、プレイヤ単位の輸送能力に従って輸送済みの物資量を増加させる(物資を輸送する)(ステップS100)。具体的には、ゲーム進行管理テーブル153において管理されているその時点でのプレイヤ単位の輸送能力に従って、毎秒、同じくゲーム進行管理テーブル153において管理されている総輸送物資量及び現物資量を増加させる。こうした輸送済みの物資量を増加させる処理は、対応するゲーム期間が終了するまでの間、繰り返し実行される(ステップS110においてNO)。つまり、開始画面45の開始オブジェクト451が選択されてゲームが開始されると、輸送済みの物資量の更新(加算)が開始され、当該更新は、対応するゲーム期間が終了するまでの間、継続する。
【0051】
図9は、プレイヤ端末30において表示されるゲーム画面50を例示する。当該画面50は、この例のゲームをプレイするための画面であり、当該ゲームが提供されるイベントに対応するページへのアクセスに応じて、当該ゲームが既に開始されている場合に表示される。
図9のゲーム画面50は、特定のゲーム期間(具体的には、第1期の第1次のゲーム期間)において、ゲームを開始した直後の状態に対応している。
【0052】
ゲーム画面50は、図示するように、その時点の(プレイ中の)ゲーム期間に関する情報を表示する期間情報表示領域52と、ゲームの進行状況を表示する進行状況表示領域54と、機体の製造指示を行うための機体製造指示領域56と、プレイヤが保有するアイテムに関する情報を表示するアイテム情報表示領域58とを有する。
【0053】
期間表示領域52は、プレイ中のゲーム期間に関する情報を表示し、
図9の例では、「第1期 第1次 4月29日(木) 22:59まで」と表示されている。この情報によって、プレイヤは、プレイ中のゲーム期間(第1期の第1次)の終了時点が、4月29日(木)の22時59分であることも分かる。
【0054】
進行状況表示領域54は、ゲームの進行状況に応じた画像を表示すると共に、当該領域の上側に位置し、その時点での総輸送物資量を表示する総輸送物資量表示オブジェクト541と、当該領域の左下隅に位置し、その時点での輸送済みの物資量の残数である現物資量を表示する現物資量表示オブジェクト542と、当該領域の右下隅に位置し、その時点でのプレイヤ単位の輸送能力を表示する現輸送能力表示オブジェクト543とを有する。なお、これらのオブジェクト541、542、543は、対応するパラメータの値を数値として表示しているが、これに代えて、又は、これに加えて、対応するパラメータの値に基づく図形又はグラフを表示するようにしてもよいし、又は、対応するパラメータの値に基づく態様(色等)で数値等を表示するようにしてもよい。
【0055】
この例のゲームでは、各ゲーム期間におけるゲームを開始した直後の初期状態では、プレイヤは、最も輸送能力の小さい種類の機体(具体的には、気球型の機体)を1体のみ保有しており、この1体の機体による輸送能力は「10トン/秒」である。そして、
図9のゲーム画面50において、進行状況表示領域54には、この1体の気球型の機体が、左側から右側へと移動するような動画が表示され、また、現輸送能力表示オブジェクト543において、プレイヤ単位の輸送能力として「10t/sec」と表示されている。
【0056】
機体製造指示領域56には、相互に異なる種類の機体に対応する5つの機体オブジェクト561が左右方向に並べて配置されている。具体的には、左側から右側へ順に、気球型、ヘリコプター型、UFO型、飛行機型、及び、ロケット型の機体にそれぞれ対応する5つの機体オブジェクト561が配置されている。各機体オブジェクト561には、対応する機体の種類について、画像、その時点での機体の保有数、及び、その時点での製造時必要物資量が表示される。例えば、
図9のゲーム画面50の機体製造指示領域56において、一番左側の機体オブジェクト561は、気球型の機体に対応しており、対応する画像を表示すると共に、その時点での保有数(初期値「1」)、及び、その時点での製造時必要物資量(初期値「100」)を表示している。機体の種類別のその時点での機体の保有数及び製造時必要物資量は、プレイヤ毎オブジェクト管理テーブル154において管理されている。
【0057】
アイテム情報表示領域58は、プレイヤが保有するアイテムに関する情報を表示し、具体的には、輸送ブースター、及び、機体製造権それぞれの保有数を表示する。これらのアイテムの保有数は、プレイヤ情報テーブル151において管理されている。
【0058】
例えば、第1期の第1次のゲーム期間のゲームの開始直後において、プレイヤ単位の輸送能力は10トン/秒であるので、毎秒、総輸送物資量及び現物資量に対して10tが加算され、総輸送物資量表示オブジェクト541及び現物資量表示オブジェクト542の表示がリアルタイムで更新される。
【0059】
図10は、
図9の状態(ゲームが開始された直後の状態)から1分が経過した状態のゲーム画面50を例示する。この状態のゲーム画面50では、図示するように、輸送能力の初期値である10トン/秒に従って輸送済みの物資量が増加しており、具体的には、総輸送物資量表示オブジェクト541において表示される総輸送物資量、及び、現物資量表示オブジェクト542において表示される現物資量がそれぞれ600トン(10×60=600)となっている。
【0060】
この例のゲームにおいて、プレイヤは、輸送済みの物資を消費して新たな機体を製造することができ、新たな機体の製造によって、輸送能力を向上させることができる。機体の製造の指示は、上述したように、機体製造指示領域56に配置されている機体オブジェクト561の選択を介して行われる。プレイヤは、複数の機体オブジェクト561のうち新たに製造する機体の種類に対応する機体オブジェクト561を選択する。なお、選択可能な機体オブジェクト561(つまり、製造可能な機体の種類)がゲームの進行に応じて増加する(例えば、総輸送物資量の増加に応じて増加する)ようにしてもよい。
【0061】
図11は、機体オブジェクト561の選択に応じてプレイヤ端末30において表示される機体製造画面60を例示する。当該画面60は、図示するように、対応する種類の機体に関する情報(例えば、画像、機体名、所持数(保有数)、機体の種類単位の輸送能力、輸送ブースター使用数、所持数のうちのレア機体数、新たに製造する機体の輸送能力の範囲、その時点の製造時必要物資量等)を表示すると共に、1体の機体を製造するための1体製造オブジェクト62と、10体の機体を製造するための10体製造オブジェクト64と、機体製造権を使用して1体の機体を製造するための機体製造権使用オブジェクト66と、輸送ブースターを使用するための輸送ブースター使用オブジェクト68とを有する。これらのオブジェクト62、64、66、68は、対応するアクションの実行が可能である場合に選択可能状態となり、対応するアクションの実行が不可能である場合に選択不可能状態となる。例えば、1体製造オブジェクト62は、現物資量が、その時点での1体の機体の製造時必要物資量以上である場合に選択可能状態となり、10体製造オブジェクト64は、現物資量が、その時点での10体の機体の製造時必要物資量以上である場合に選択可能状態となる(
図11の例では、1体製造オブジェクト62は選択可能状態である一方、10体製造オブジェクト64は選択不可能状態である。)。なお、この例では、1体の機体を製造する場合よりも10体の機体を製造する場合の方が、1体当たりの製造時必要物資量が小さくなり、プレイヤにとって有利となる。また、例えば、機体製造権使用オブジェクト66は、機体製造権を保有している場合に選択可能状態となり、輸送ブースター使用オブジェクト68は、輸送ブースターを保有している場合に選択可能状態となる(
図11の例では、機体製造権使用オブジェクト66及び輸送ブースター使用オブジェクト68の両方が選択不可能状態である。)。
【0062】
プレイヤは、新たに機体を製造する場合には、1体製造オブジェクト62、10体製造オブジェクト64、及び、機体製造権使用オブジェクト66の何れかを選択する。
図12は、1体の機体を製造する際にサーバ10が実行する処理を例示するフロー図である。つまり、
図12のフロー図における処理は、1体製造オブジェクト62又は機体製造権使用オブジェクト66の選択に応じて1回実行される一方、10体製造オブジェクト64の選択に応じて10回繰り返し実行される。
【0063】
1体の機体を製造する際には、サーバ10は、まず、
図12に示すように、今回製造する機体の輸送能力を決定する(ステップS200)。この例では、上述したように、機体の種類別に予め輸送能力の範囲が設定されており、設定されている輸送能力の範囲に含まれる複数の値の中から抽選によって選択された値が今回の輸送能力として決定される。
【0064】
例えば、
図11の機体製造画面60に対応する機体の種類「バルーン型機体」は、輸送能力の範囲として「10~15トン/秒」が設定されており、設定されている輸送能力の範囲に含まれる6つの整数値(10、11、12、13、14、15)の中から抽選によって(ランダムに)選択された値が今回の輸送能力として決定される。
【0065】
こうして今回の輸送能力が決定されると、次に、サーバ10は、機体の保有数を更新する(ステップS210)。具体的には、プレイヤ毎オブジェクト管理テーブル154の対応するレコードの機体保有数に1が加算される。また、この例では、決定された輸送能力が、設定されている輸送能力の範囲の最大値(例えば、
図11の「バルーン型機体」の場合の15トン/秒)であった場合には、レア機体が製造されたと判断され、機体保有数に加えて、レア機体保有数に1が加算される。なお、本実施形態の他の例では、ステップS200において、今回製造する機体が通常機体であるかレア機体であるかが(例えば、抽選によって)決定され、それぞれの機体の輸送能力は固定の値が設定される(例えば、通常機体の輸送能力は「10トン/秒」であり、レア機体の輸送能力は「15トン/秒」である。)。
【0066】
続いて、サーバ10は、輸送能力を更新する(ステップS220)。具体的には、決定された今回の輸送能力が、機体の種類単位の輸送能力(プレイヤ毎オブジェクト管理テーブル154において管理されている。)及びプレイヤ単位の輸送能力(ゲーム進行管理テーブル153において管理されている。)にそれぞれ加算される。なお、詳しくは後述するが、今回製造する機体の種類に対して輸送ブースターが使用されている場合、決定された今回の輸送能力に対して輸送ブースターによる増強が行われた後の値が輸送能力に加算される。プレイヤ単位の輸送能力が更新されると、更新後の輸送能力に従って毎秒の輸送済みの物資量の更新が行われることになる。
【0067】
そして、機体製造権を使用していない場合(つまり、1体製造オブジェクト62又は10体製造オブジェクト64が選択されている場合)には(ステップS230においてNO)、サーバ10は、製造した機体の種類に対応するその時点での製造時必要物資量の物資をプレイヤに消費させる(ステップS240)。対応する製造時必要物資量は、プレイヤ毎オブジェクト管理テーブル154において管理されており、その時点の現物資量(ゲーム進行管理テーブル153において管理されている。)から対応する数量が減じられる。
【0068】
続いて、サーバ10は、製造した機体の種類に対応する製造時必要物資量を更新する(ステップS250)。具体的には、その時点での製造時必要物資量が所定量だけ増加され、この例では、10%増加される(つまり、1.1倍される。)。上述したように、機体の種類別の製造時必要物資量は、プレイヤ毎オブジェクト管理テーブル154において管理されている。
【0069】
一方、機体製造権を使用している場合(つまり、機体製造権使用オブジェクト66が選択されている場合)には(ステップS230においてYES)、サーバ10は、機体製造権をプレイヤに消費させる(ステップS260)。機体製造権の保有数は、プレイヤ情報テーブル151において管理されており、機体製造権の保有数から1が減じられる。
【0070】
そして、サーバ10は、製造した機体を表示する(ステップS270)。具体的には、ゲーム画面50の進行状況表示領域54において、新たに製造された機体が表示される。この例では、製造された機体が上述したレア機体である場合、レア機体ではない通常の機体とは異なる外観の機体が表示される。
【0071】
このように、この例では、新たに機体を製造することによってプレイヤ単位の輸送能力が増強される。また、この例では、輸送ブースターを使用することによっても輸送能力が増強される。具体的には、輸送ブースターが使用された種類の機体は、機体の種類単位の輸送能力が増強され、この例では、1つの輸送ブースターを使用する都度、輸送能力が1.1倍される。
【0072】
図13は、輸送ブースターを使用する際にサーバ10が実行する処理を例示するフロー図である。つまり、
図13のフロー図における処理は、機体製造画面60の輸送ブースター使用オブジェクト68の選択に応じて1回実行される。
【0073】
サーバ10は、まず、
図13に示すように、輸送能力を更新する(ステップS300)。具体的には、その時点での機体の種類単位の輸送能力(プレイヤ毎オブジェクト管理テーブル154において管理されている。)が1.1倍されると共に、機体の種類単位の輸送能力の増加分が、プレイヤ単位の輸送能力(ゲーム進行管理テーブル153において管理されている。)に加算される。プレイヤ単位の輸送能力が更新されると、更新後の輸送能力に従って輸送済みの物資量が更新されることになる。
【0074】
そして、サーバ10は、プレイヤに輸送ブースターを消費させる(ステップS310)。輸送ブースターの保有数は、プレイヤ情報テーブル151において管理されており、輸送ブースターの保有数から1が減じられる。
【0075】
図14は、ゲームを開始してから一定時間が経過した状態のゲーム画面50を例示する。この状態のゲーム画面50は、図示するように、進行状況表示領域54において、製造した複数の機体が左側から右側へと移動する動画が表示されており、また、総輸送物資量表示オブジェクト541、現物資量表示オブジェクト542、及び、現輸送能力表示オブジェクト543のそれぞれの表示も更新されている。また、機体製造指示領域56の各機体オブジェクト561において、対応する機体の種類のその時点での機体の保有数、及び、製造時必要物資量の表示が更新されている。
【0076】
図8のフロー図に戻り、プレイ中のゲーム期間が終了すると(ステップS110においてYES)、サーバ10は、総輸送物資量に基づく報酬をプレイヤに対して付与する。具体的には、終了したゲーム期間が、第1次又は第2次に対応するゲーム期間である場合には、次のゲーム期間で利用可能なアイテム(輸送ブースター及び機体製造権)が報酬として付与される。付与されるアイテムは、総輸送物資量の値が大きいほどプレイヤにとっての価値が高くなり、例えば、付与されるアイテムの数量が多くなる。また、終了したゲーム期間が、第3次に対応するゲーム期間(つまり、期の最後のゲーム期間)である場合には、ソーシャルカードゲームで利用可能なカードが付与される。付与されるカードは、総輸送物資量の値が大きいほどプレイヤにとっての価値が高くなり、例えば、カードのレアリティが高くなる。なお、これらの報酬は単なる例示に過ぎず、本実施形態の他の例では、ここに例示した報酬以外の様々な報酬(現実の物理的な報酬、並びに、仮想的及び電子的な報酬を含む。)がプレイヤに対して付与され得る。また、総輸送物資量に代えて、現物資量に基づく報酬を付与するようにしてもよい。
【0077】
そして、その時点が新たなゲーム期間になると、再度、当該ゲーム期間に対応する開始画面45が表示されるようになり、プレイヤは、当該画面45を介して新たなゲーム期間におけるゲームを開始することができる。新たなゲーム期間におけるゲームが開始されると、ゲーム進行管理テーブル153及びプレイヤ毎オブジェクト管理テーブル154において、対応するレコードが新たに作成される。つまり、この例では、新たなゲーム期間におけるゲームの開始に伴って、前のゲーム期間において輸送済みの物資量(総輸送物資量及び現物資量)、輸送能力、及び、機体の保有状況が初期化される。
【0078】
図15は、結果画面70を例示する。当該画面70は、各ゲーム期間のゲームの結果を「物資輸送任務の報告書」という形式で表示する。具体的には、当該画面70は、期間選択領域72を介して、個別のゲーム期間(期及び次の組合せ)を選択することができるように構成されており、選択された期間におけるゲームの結果として、総輸送物資量、最終輸送能力(ゲーム期間の終了時点でのプレイヤ単位の輸送能力)、機体製造数(機体の種類別の総製造数(終了時点の所持数)、輸送能力、レア機体数等)等を表示する。また、期間選択領域72を介して「決算」が選択されると、期全体(第1~第3次)の全てのプレイヤの総輸送物資量等の値の合計値が表示される。
【0079】
上述した例のゲームは、現実の1ヶ月に対応する複数のゲーム期間が繰り返されるように構成されているが、本実施形態の他の例では、こうしたゲーム期間は設定されない。例えば、本実施形態の他の例では、その他の条件(例えば、全てのプレイヤの総輸送物資量の合計値が所定値に到達すること等)の充足に応じてゲームが終了し、ゲームの終了時点における総輸送物資量に基づく報酬がプレイヤに対して付与され得る。また、新たなゲーム期間が開始される際に、輸送済みの物資量、輸送能力、及び、機体の保有状況が初期化されるようにしたが、これらの少なくとも一部が初期化されないようにしてもよい。
【0080】
上述した例では、相互に輸送能力の異なる複数の種類の機体の中からプレイヤによって選択された種類の機体が製造されるようにしたが、こうした態様に限定されず、本実施形態の他の例では、例えば、複数の種類の機体の中から抽選によって選択された種類の機体が製造されるようにしてもよいし、製造可能な機体を単一の種類としてもよい。また、新たな機体を製造する際に、輸送能力の範囲に含まれる複数の値の中から抽選によって選択された値が今回の輸送能力として決定されるようにしたが、こうした輸送能力の決定方法は例示であって、その他の方法で決定されるようにしてもよい。例えば、機体の種類毎に固定の輸送能力が設定されるようにしてもよい。
【0081】
上述した例では、輸送済みの物資を消費して機体が製造されるようにしたが、輸送済み物資以外のアイテム等を消費して機体が製造されるようにしてもよい。また、機体は、ソーシャルカードゲームにおける他のイベント(クエスト及びバトル等を含む。)の報酬としてプレイヤに対して付与されるようにしてもよい。
【0082】
上述した例のゲームは、本実施形態におけるゲームの単なる例示であって、本実施形態におけるゲームは、これに限定されない。
【0083】
例えば、本実施形態の他の例のゲームでは、特定パラメータとしての宝箱が開くまでの残り時間が、現実の時間の経過に基づいて減少し、特定オブジェクトとしてのアイテムは、当該残り時間の減少速度を速くする効果を有し、また、当該残り時間の値が0になると、報酬としての宝箱内のアイテムがプレイヤに対して付与される。
【0084】
また、例えば、本実施形態のさらに他の例のゲームでは、特定パラメータとしてのキャラクタの調子又は好感度等が、現実の時間の経過に基づいて減少し、特定オブジェクトとしてのアイテムは、キャラクタの調子又は好感度等の減少速度を遅くする効果を有し、また、キャラクタの調子又は好感度が所定値まで回復すると、報酬(例えば、アイテムやキャラクタのパラメータの向上等)がプレイヤに対して付与される。
【0085】
また、例えば、本実施形態のさらに他の例のゲームでは、特定パラメータとしての建築物の完成までの残り時間が、現実の時間の経過に基づいて減少し、特定オブジェクトとしてのアイテムは、当該残り時間の減少速度を速くする効果を有し、また、残り時間の値が0になると、報酬としての建築物が完成してプレイヤに対して付与される。
【0086】
以上説明した本実施形態に係るゲーム提供サーバ10は、現実の時間の経過に基づいて値が変動する特定パラメータ(例えば、総輸送物資量)の変動速度(例えば、輸送能力)を変化させる効果を有する特定オブジェクト(例えば、機体)をゲームの進行に応じてプレイヤに対して付与し、当該特定パラメータの値に少なくとも基づく報酬(例えば、アイテム及びカード)をプレイヤに対して付与するから、プレイヤに対して、特定パラメータの変動速度を変化させるための特定オブジェクトの取得、及び、当該特定パラメータの値に基づく報酬の獲得についての楽しみを与えることができる。このように、ゲーム提供サーバ10は、現実の時間の経過に基づいて進行するゲームの興趣を向上させ得る。
【0087】
本発明の他の実施形態において、上述した実施形態におけるゲーム提供サーバ10が有する機能の一部又は全部は、ゲーム提供サーバ10及びプレイヤ端末30が協動することによって実現され、又は、プレイヤ端末30によって実現され得る。例えば、サーバ側プログラム40が有する機能の一部又は全部は、プレイヤ端末30側において実行されるゲーム用アプリケーション等によって実現され得る。
【0088】
本明細書で説明された処理及び手順は、明示的に説明されたもの以外にも、ソフトウェア、ハードウェアまたはこれらの任意の組み合わせによって実現される。例えば、本明細書で説明される処理及び手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク等の媒体に、当該処理及び手順に相当するロジックを実装することによって実現される。また、本明細書で説明された処理及び手順は、当該処理・手順に相当するコンピュータプログラムとして実装し、各種のコンピュータに実行させることが可能である。
【0089】
本明細書中で説明された処理及び手順が単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、モジュールによって実行される旨が説明されたとしても、そのような処理または手順は複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は複数のモジュールによって実行され得る。また、本明細書において説明されたソフトウェアおよびハードウェアの要素は、それらをより少ない構成要素に統合して、またはより多い構成要素に分解することによって実現することも可能である。
【0090】
本明細書において、発明の構成要素が単数もしくは複数のいずれか一方として説明された場合、又は、単数もしくは複数のいずれとも限定せずに説明された場合であっても、文脈上別に解すべき場合を除き、当該構成要素は単数又は複数のいずれであってもよい。
【符号の説明】
【0091】
10 ゲーム提供サーバ
11 コンピュータプロセッサ
111 管理機能制御部
112 ゲーム進行制御部
15 ストレージ
151 プレイヤ情報テーブル
152 オブジェクト情報テーブル
153 ゲーム進行管理テーブル
154 プレイヤ毎オブジェクト管理テーブル
30 プレイヤ端末
40 サーバ側プログラム
45 開始画面
50 ゲーム画面
60 機体製造画面
70 結果画面
【手続補正書】
【提出日】2023-09-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームを提供するためのプログラムであって、コンピュータに、
プレイヤに関連付けられた所定パラメータの消費を伴って、複数の種類のオブジェクトの中から前記プレイヤによって選択された種類の前記オブジェクトを前記プレイヤに対して付与する処理と、
前記プレイヤに対して付与される前記オブジェクトの能力値を、複数の値の中から抽選によって設定する処理と、
前記プレイヤに対して付与された前記オブジェクトの数と、前記プレイヤに対して付与された前記オブジェクトのうち、前記能力値が特定の値である特定オブジェクトの数と、を管理する処理と、を実行させる、
プログラム。
【請求項2】
前記オブジェクトの能力値を設定する処理は、前記プレイヤによる特定のアイテムの消費に応じて、前記能力値を増加させる、
請求項1のプログラム。
【請求項3】
前記オブジェクトを付与する処理は、前記プレイヤによって選択された数の前記オブジェクトを前記プレイヤに対して付与し、付与される前記オブジェクトの数が多い方が、前記オブジェクト1つ当たりの前記所定パラメータの消費量が少ない、
請求項1のプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータに、さらに、前記プレイヤに対して所定期間に付与された前記オブジェクトについて、前記オブジェクトの種類毎に、前記オブジェクトの数、前記特定オブジェクトの数、及び、前記オブジェクトに設定された前記能力値に基づく値を管理する処理を実行させる、
請求項1のプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータに、さらに、
前記所定パラメータの単位時間当たりの増加量に基づいて前記所定パラメータの値を増加させる処理と、
所定期間の終了時点における前記所定パラメータの値に基づいて、前記プレイヤに対して報酬を付与する処理と、を実行させる、
請求項1のプログラム。
【請求項6】
1又は複数のコンピュータプロセッサを備え、ゲームを提供するためのシステムであって、前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、読取可能な命令の実行に応じて、
プレイヤに関連付けられた所定パラメータの消費を伴って、複数の種類のオブジェクトの中から前記プレイヤによって選択された種類の前記オブジェクトを前記プレイヤに対して付与する処理と、
前記プレイヤに対して付与される前記オブジェクトの能力値を、複数の値の中から抽選によって設定する処理と、
前記プレイヤに対して付与された前記オブジェクトの数と、前記プレイヤに対して付与された前記オブジェクトのうち、前記能力値が特定の値である特定オブジェクトの数と、を管理する処理と、を実行する、
システム。
【請求項7】
1又は複数のコンピュータによって実行され、ゲームを提供するための方法であって、
プレイヤに関連付けられた所定パラメータの消費を伴って、複数の種類のオブジェクトの中から前記プレイヤによって選択された種類の前記オブジェクトを前記プレイヤに対して付与する工程と、
前記プレイヤに対して付与される前記オブジェクトの能力値を、複数の値の中から抽選によって設定する工程と、
前記プレイヤに対して付与された前記オブジェクトの数と、前記プレイヤに対して付与された前記オブジェクトのうち、前記能力値が特定の値である特定オブジェクトの数と、を管理する工程と、を備える、
方法。