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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161045
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】リチウム二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/534 20210101AFI20231026BHJP
   H01M 4/66 20060101ALI20231026BHJP
   H01M 50/533 20210101ALI20231026BHJP
   H01M 50/178 20210101ALI20231026BHJP
   H01M 50/105 20210101ALI20231026BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20231026BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALI20231026BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20231026BHJP
【FI】
H01M50/534
H01M4/66 A
H01M50/533
H01M50/178
H01M50/105
H01M50/55 301
H01M10/0585
H01M10/052
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023150366
(22)【出願日】2023-09-15
(62)【分割の表示】P 2022009444の分割
【原出願日】2018-11-14
(31)【優先権主張番号】10-2017-0154499
(32)【優先日】2017-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】518050539
【氏名又は名称】リベスト インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LIBEST INC.
【住所又は居所原語表記】(Munji-dong, KAIST Munji Campus) T306, 193 Munji-ro, Yusung-gu, Daejeon 34051, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジュ ソン
(72)【発明者】
【氏名】ハ,ジン ホン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ギル ジュ
(57)【要約】
【課題】フレキシブル環境において発生し得る電池の機械的な問題を解決できる方法を提供する。
【解決手段】リチウム二次電池は、第1の電極、第2の電極、第1の電極と第2の電極との間に位置する分離膜、第1の電極から突出する第1の電極タブ上に接合される金属タブ、及び金属タブ上に接合される第1の電極リードを含む。第1の電極の集電体は、第2の電極の集電体よりも小さいかあるいは同一のヤング率を有する。第1の電極の集電体と、金属タブと、第1の電極リードとの間のヤング率の関係は、「第1の電極リード≧金属タブ≧第1の電極の集電体」である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電極、第2の電極、前記第1の電極と前記第2の電極との間に位置する分離膜、前記第1の電極から突出する第1の電極タブ上に接合される金属タブ、及び前記金属タブ上に接合される第1の電極リードを含み、
前記第1の電極の集電体は、前記第2の電極の集電体よりも小さいかあるいは同一のヤング率を有し、
前記第1の電極の集電体と、前記金属タブと、前記第1の電極リードとの間のヤング率の関係は、
前記第1の電極リード>前記金属タブ>前記第1の電極の集電体
であることを特徴とする、リチウム二次電池。
【請求項2】
第1の電極、第2の電極、前記第1の電極と前記第2の電極との間に位置する分離膜、前記第1の電極から突出する第1の電極タブ上に接合される金属タブ、及び前記金属タブ上に接合される第1の電極リードを含み、
前記第1の電極の集電体は、前記第2の電極の集電体よりも小さいかあるいは同一のヤング率を有し、
前記第1の電極の集電体と、前記金属タブと、前記第1の電極リードとの間のヤング率の関係は、
前記第1の電極リード=前記金属タブ>前記第1の電極の集電体
であることを特徴とする、リチウム二次電池。
【請求項3】
前記第1の電極の集電体がアルミニウムである場合に、
前記第2の電極の集電体はアルミニウム又はステンレススチールであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のリチウム二次電池。
【請求項4】
前記第1の電極の集電体が銅である場合に、
前記第2の電極の集電体はステンレススチールであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のリチウム二次電池。
【請求項5】
前記リチウム二次電池の曲がり角度の内角の範囲は10゜~180゜であることを特徴とする、請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載のリチウム二次電池。
【請求項6】
前記金属タブは、前記第1の電極の集電体の1倍以上の厚さであることを特徴とする、請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載のリチウム二次電池。
【請求項7】
前記第2の電極から突出する第2の電極タブ上に接合された第2の電極リードを含み、
前記第2の電極リードは、曲げ構造を有することを特徴とする、請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載のリチウム二次電池。
【請求項8】
前記第2の電極から突出する第2の電極タブ上に第2の電極リードが接合され、
前記第1の電極は陰極であり、前記第2の電極は陽極であり、
前記第1の電極の集電体は、前記第2の電極の集電体よりも小さいヤング率を有し、
前記第2の電極の集電体と、前記第1の電極リードとの間のヤング率の関係は、
前記第2の電極の集電体>前記第1の電極リード
であり、前記第1の電極の集電体と、前記第2の電極リードとの間のヤング率の関係は、
前記第1の電極の集電体>前記第2の電極リード
であることを特徴とする、請求項1、2、5乃至7の何れか1つに記載のリチウム二次電池。
【請求項9】
前記分離膜を挟んで前記第1の電極及び前記第2の電極が交互に積層されて電極組立体が形成され、
前記電極組立体の両側に配置される一対の最外郭電極は、電極合剤がコーティングされた前記第1の電極が配置されることを特徴とする、請求項1乃至請求項8の何れか1つに記載のリチウム二次電池。
【請求項10】
前記一対の最外郭電極の電極タブのうち少なくとも1つの電極タブには前記金属タブが形成されることを特徴とする、請求項9に記載のリチウム二次電池。
【請求項11】
前記第1の電極及び前記第2の電極の集電体上にそれぞれコーティングされる合剤層と、前記第1の電極及び前記第2の電極の集電体上において前記合剤層がコーティングされていない状態でそれぞれ配置される電極タブと、を含み、前記電極タブ上に形成されて前記リチウム二次電池の外部に突出する電極リード部を含むポーチで密封されることを特徴とする、請求項1乃至請求項10の何れか1つに記載のリチウム二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウム二次電池に関し、特にフレキシブル環境において発生し得る電池の機械的な問題を解決することができるフレキシブル電池用の金属タブに関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池(secondary battery)は、充電が不可能な一次電池とは異なり、充電及び放電が可能な電池をいうものであって、セルラーフォン、ノートパソコン、カムコーダなどの先端電子機器分野で広く使用されている。上記した携帯型電子機器の軽量化と高機能化、及びモノのインターネット(Internet of things、IoT)の発展により、その駆動電源として使用される二次電池に関して多くの研究が行われている。
【0003】
特に、リチウム二次電池は、携帯用電子装備の電源として多く使用されているニッケル・カドミウム電池や、ニッケル・水素電池よりも電圧が高く、単位重量当たりのエネルギー密度も高いという長所があり、その需要が増加している傾向である。
【0004】
二次電池は、電解物質に陽極と陰極とを挿入した状態で、上記した陽極と陰極とを連結した際に電解物質と電極との間で生じる電気化学反応を利用した電池であり、既存の一次電池とは異なり、電気電子製品で消耗したエネルギーを充電器により再充電して繰り返し使用することのできる、充電と放電が可能な電池であるので、無線電気電子製品の大衆化と共に拡散している傾向である。
【0005】
通常、陽極板と陰極板との間に分離膜を挿入し、これらを共に螺旋状に巻き取ったゼリーロール状の巻取型電極組立体、あるいは分離膜を挟んで多数の陽極板と陰極板とを積層して形成されたフレキシブル積層型電極組立体をリチウム二次電池に多く使用している。例えば、円筒形電池は、巻取型電極組立体を円筒形の缶に収納し、電解質を注入してから密封するものであり、角形電池は、巻取型電極組立体や積層型電極組立体を圧迫して平らで扁平にした後、角形の缶に収納するものである。また、ポーチ型電池は、巻取型電極組立体や積層型電極組立体を電解質と共にポーチ型の外装材で包装したものである。このような電極組立体において、陽極板と陰極板からそれぞれ陽極タブと陰極タブが電極組立体の外部に引き出され、二次電池の陽極と陰極に連結されることができる。
【0006】
一方、上下方向に積層された多数の陽極板と陰極板上の電極タブを介して電極リードに連結することになるが、従来の電極タブと電極リードとの結合構造は、直接溶着する過程で結合力が多少弱くなるので、曲げることのような電池の変形使用動作により前記電極タブと電極リードとの結合において問題が発生する。韓国公開特許公報第10-2013-0063709号を参照しながらポーチ型電池を例に挙げて説明すると、2つの電極と分離膜、電解質をポーチに入れ、シーリングして使用するポーチ型二次電池において、ポーチが内部樹脂層、金属箔層、外部樹脂層からなり、内部樹脂層と金属箔層とが当接する面に金属箔層よりも反応性の小さいバッファ層が形成されていると開示されている。この場合、金属箔層よりも反応性の小さいバッファ層をさらに形成することによって、内部樹脂層にマイクロクラック(micro crack)が発生するなどの損傷がある場合も、金属箔層の酸化反応を抑制することにより、電池の外側の腐食を防止することができるという長所があるが、根本的に金属箔はベンディングの際に皺みのような変形に弱く、フレキシブル電池の特性を低下させるといった問題がある。
【0007】
従来技術において、一般の電池アセンブリの曲げ動作の際は、曲げる内側には圧縮応力が印加され、その反対側には引張応力が電池に印加されることにより、電池の電極組立体を包む外装材も伸びたり縮んだりしながら局所的な機械的破損が発生する。従って、フレキシブル特性に適した新たなフレキシブル電池アセンブリが必要な状況である。
【0008】
さらに、一般のリチウム二次電池の集電体の場合、活物質から発生する電子を外部へ流す経路は提供するが、このとき、異なる極性を有する電極から突出して延びた電極タブは、互いに異なる特性を有するそれぞれの金属を使用する。例えば、陰極集電体としては銅が主に使用される。その理由は、アルミニウムの場合、陰極の作動電位でリチウムと反応し、合金を生成するためである。それに対し、銅の場合は、陰極の作動電位で酸化還元反応に参加せず安定している。このとき、アルミニウムのようにヤング率(Young’s modulus)が低い金属集電体と、銅などのように相対的にヤング率が高い金属集電体とを共に使用するが、各要素の延伸率、厚さなどが異なる場合、電池を曲げる際に応力を効果的に最小化する技術が必要であり、特に電極と電極リードとのヤング率の差による問題を効果的に解決する技術が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国公開特許公報第10-2013-0063709号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、フレキシブル環境において発生し得る電池の機械的な問題を解決できる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記のような目的を達成するための本発明に係るリチウム二次電池は、第1の電極、第2の電極、前記第1の電極と前記第2の電極との間に位置する分離膜、前記第1の電極から突出する第1の電極タブ上に接合される金属タブ、及び前記金属タブ上に接合される第1の電極リードを含む。前記第1の電極の集電体は、前記第2の電極の集電体よりも小さいかあるいは同一のヤング率を有する。前記第1の電極の集電体と、前記金属タブと、前記第1の電極リードとの間のヤング率の関係は、「第1の電極リード≧金属タブ≧第1の電極の集電体」である。
【0012】
前記第1の電極の集電体の材質がアルミニウムである場合に、前記第2の電極の集電体の材質はアルミニウム又はステンレススチールである。
【0013】
前記第1の電極の集電体の材質が銅である場合に、前記第2の電極の集電体の材質はステンレススチールである。
【0014】
前記リチウム二次電池の最大曲がり角度の内角の範囲は10゜~180゜である。
【0015】
前記金属タブは、前記第1の電極の集電体の1倍~5倍の厚さであることを特徴とする。
【0016】
前記第1の電極の集電体が第2の電極の集電体よりもヤング率が小さいかあるいは同一である場合、前記第2の電極から突出して延びた第2の電極タブ上に結合された第2の電極リードは、前記リチウム二次電池をなす電極組立体に向けて前記第2の電極タブ上に接合された状態で180゜反対方向に曲げられ、前記電極組立体の外側方向に向けた曲げ構造を有する。
【0017】
前記第1の電極の集電体が第2の電極の集電体よりもヤング率が小さい場合、前記第2の電極から突出して延びた第2の電極タブ上に第2の電極リードが接合され、前記第1の電極の集電体、第2の電極の集電体、金属タブ、第1の電極リード、及び第2の電極リードのヤング率は、第2の電極の集電体≧第1の電極リード≧金属タブ≧第1の電極の集電体≧第2の電極リードの順である。
【0018】
分離膜を挟んで互いに異なる極性の第1の電極及び第2の電極が交互に積層されて電極組立体が形成され、前記電極組立体の両側に配置される一対の最外郭電極は、単一の電極合剤コーティング面を有する第1の電極が配置される。
【0019】
前記一対の最外郭電極の電極タブのうち少なくとも1つの電極タブには、金属タブが接合される。
【0020】
前記リチウム二次電池は、前記第1の電極及び前記第2の電極の集電体上にそれぞれコーティングされる互いに異なる極性の合剤層と、前記第1の電極及び前記第2の電極の集電体上において合剤層がコーティングされていない状態でそれぞれ配置される電極タブと、を含み、前記電極タブ上に溶着されてリチウム二次電池の外部に突出し、電子を移動させる電極リード部を含むポーチで密封される。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、電極のうち一定水準以下の延伸率及び曲げ性を有する電極上により厚い厚さの電極リードと連結される金属タブを使用する。これにより、厚さ及び延伸率の差による電極とリードとの分離の問題を効果的に解決する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施例に係る金属タブが電極タブ上に結合される構造を示す斜視図である。
【0023】
図2図1により、金属タブが電極タブ上に結合された様子の斜視図である。
【0024】
図3】本発明の他の実施例に係る金属タブが電極タブ上に結合される構造を示す斜視図である。
【0025】
図4】本発明のさらに他の実施例により、金属タブ上に曲げ構造を有する電極リードが結合された構造を示す斜視図である。
【0026】
図5】本発明のさらに他の実施例により、電極組立体を構成する電極のうち最外郭電極の集電体を相対的に小さいヤング率を有するように配置した構造を示す図である。
【0027】
図6】本発明の一実施例に係る金属タブを適用した際と適用していないバッテリーの曲げ評価の結果を示すグラフである。
【0028】
図7】本発明の一実施例に係る金属タブ、電極及び電極リードの材質とヤング率とを示すグラフである。
【0029】
図8】本発明の一実施例に係る金属タブ及び電極の集電体、電極リードに対する応力試験を進行する方式を示す。
【0030】
図9】電池を構成する材料である金属タブ、電極の集電体及び電極リードのそれぞれの応力及び変位を測定し、それによる電極の集電体、電極リード、タブ-リード接合部における破損及び切断程度を把握するグラフを示す。
図10】電池を構成する材料である金属タブ、電極の集電体及び電極リードのそれぞれの応力及び変位を測定し、それによる電極の集電体、電極リード、タブ-リード接合部における破損及び切断程度を把握するグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明に係るフレキシブル電池について説明することとする。
【0032】
以下の実施例は、本発明の理解を助けるための詳細な説明であり、本発明の権利範囲を制限するものではないことは当然である。従って、本発明と同じ機能を果たす均等な発明も本発明の権利範囲に属するはずである。
【0033】
また、各図面の構成要素に参照符号を付け加えるにおいて、同じ構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されるとしてもなるべく同じ符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明を説明するにおいて、関連した公知の構成又は機能に関する具体的な説明が本発明の要旨を混乱させ得ると判断される場合は、その詳細な説明は省略する。
【0034】
また、本発明の構成要素を説明するにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためだけのものであり、その用語によって当該構成要素の本質や順番又は順序などが限定されるものではない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載された場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結又は接続されても良く、各構成要素の間に他の構成要素が「連結」、「結合」又は「接続」されても良いと理解しなければならない。
【0035】
図1は、本発明の一実施例に係る金属タブが電極タブ上に結合された様子の斜視図である。図2は、図1により金属タブが電極タブ上に結合された様子の斜視図である。
【0036】
図1乃至図2を参照すると、本発明に係る金属タブ100は、分離膜400を挟んで異なる極性を有する第1の電極200及び第2の電極300を含むリチウム二次電池において使用されるが、二種類の電極のうち、第1の電極200の集電体は第2の電極300の集電体と同一あるいはより小さいヤング率(Young’s modulus)を有する。
【0037】
第1の電極200の集電体が第2の電極300の集電体よりも小さいヤング率を有する場合は、第1の電極200の集電体として銅を採用し、第2の電極300の集電体としてステンレススチールを適用するものであっても良い。
【0038】
また、第1の電極200の集電体が第2の電極300の集電体よりも小さいヤング率を有する場合は、第1の電極200の集電体としてアルミニウムを採用し、第2の電極300の集電体としてステンレススチールを適用するものであっても良い。
【0039】
一方、第1の電極200の集電体が第2の電極300の集電体と同一のヤング率を有する場合は、第1の電極200の集電体としてアルミニウムを採用し、第2の電極300の集電体としてアルミニウムを適用するものであっても良い。
【0040】
本発明に係る金属タブ100は、前記第1の電極200から電気的連結のために突出した第1の電極タブ210上に接合される。本発明の一実施例において、前記金属タブ100は、第1の電極200の集電体よりも大きいヤング率の第2の電極300の集電体では使用されないが、その理由は、曲がった状態で発生する応力による電極リード-電極間の分離問題は第1の電極200で主に発生するためである。
【0041】
本発明の一実施例において、前記金属タブ100のヤング率は、第1の電極200の集電体よりも大きいかあるいは同一であるが、金極リード500よりは小さいかあるいは同一であることが好ましい。
【0042】
本発明の一実施例においては、曲げる際に発生する応力の程度を厚さで制御するが、図1における前記金属タブ100の厚さは、前記第1の電極200の集電体の厚さの1倍~5倍である。
【0043】
その理由は、第1の電極200の集電体上に上記した厚さの金属タブ100が結合される際、高いヤング率を有する電極リード500の曲げによって発生する応力を効果的に吸収できるためである。金属タブ100の厚さが1倍未満では、前記金属タブ100を結合した効果なしに電極リード500と第1の電極タブ210の溶着部が曲げる際に容易に切断され、金属タブ100の厚さが5倍を超える場合、第1の電極200の電極タブ210上に金属タブ100を溶着する際に結合力が弱くなったり、結合のために超音波を上げると金属タブ100部分が溶けてホーンとアンビルにべたつくなど溶着の難易度が高くなって作業性が下がったりし、品質が一定ではない。また、曲げる際に電極リード500と第1の電極200の電極タブが溶着されるタブ-リード溶着部の下方の無地部である電極タブ210が容易に切断されてしまうといった逆効果が起こる。
【0044】
本発明の一実施例において、前記リチウム二次電池は、曲がる特性を有するフレキシブルリチウム二次電池であり、前記リチウム二次電池の最大曲がり角度の内角の範囲は10゜乃至180゜である。つまり、本発明は、フレキシブル特性のリチウム二次電池において発生する応力の問題、特に厚い厚さの電極リード(例えばニッケル)も共に曲がる場合、薄い厚さの第1の電極200の集電体(例えば銅)が破れたり、分離されたりしてしまう問題を解決するために、金属タブ100を第1の電極タブ210と電極リード500との間に使用した。
【0045】
図3は、本発明の他の実施例に係る金属タブが電極タブ上に結合される構造を示す斜視図である。
【0046】
図3を参照すると、本発明に係る金属タブ100は、分離膜400を挟んで異なる極性を有する第1の電極200及び第2の電極300を含むリチウム二次電池で使用されるが、前記第1の電極200の集電体が第2の電極300の集電体よりもヤング率が小さいかあるいは同一になる。
【0047】
第2の電極リード600は、電極組立体に向けて第2の電極300から電気的連結のために突出した第2の電極タブ310上に接合された状態で180゜反対方向に曲げられ、前記電極組立体の外側方向に向けた曲げ構造を有する。
【0048】
前記第1の電極200の集電体が第2の電極300の集電体よりもヤング率が小さい場合、前記第2の電極タブ310上に第2の電極リード600が接合され、前記第1の電極200の集電体、第2の電極300の集電体、金属タブ100、第1の電極リード500、及び第2の電極リード600のヤング率は、第2の電極300>第1の電極リード500≧金属タブ100≧第1の電極200>第2の電極リード600である。
【0049】
図4は、本発明のさらに他の実施例により、金属タブ上に曲げ構造を有する電極リードが結合された構造を示す斜視図である。
【0050】
一方、図4を参照すると、第1の電極200の集電体及び第1の電極リード500のヤング率が同一である場合、前記第1の電極リード500は曲げ構造も可能である。
【0051】
図5は、本発明のさらに他の実施例により、電極組立体を構成する電極のうち最外郭電極を相対的に低いヤング率の集電体を有するように配置した構造を示す図である。
【0052】
電極組立体は、分離膜400を挟んで互いに異なる極性の第1の電極200及び第2の電極300が交互に積層された構造を有する。
【0053】
前記構造上において、電極組立体をなす一対の最外郭電極は、相対的により小さいヤング率の集電体を有する第1の電極200が配置され得る。前記一対の最外郭電極は、単一面上のみに電極合剤が塗布されたものであっても良い。
【0054】
一方、電極タブがそれぞれ形成された一対の最外郭電極のうち少なくとも何れか1つの最外郭電極は、電極タブ上に金属タブが接合される。
【0055】
また、前記リチウム二次電池は、前記第1、第2の電極200、300の集電体上にそれぞれコーティングされる互いに異なる極性の合剤層と、前記第1、第2の電極200、300の集電体上において合剤層がコーティングされていない状態でそれぞれ配置される電極タブと、を含み、前記リチウム二次電池は、前記電極タブ上に溶着されてリチウム二次電池の外部に突出し、電子を移動させる電極リード部を含むポーチで密封される。
【0056】
本発明に適用されたヤング率に関して説明すると、次の通りである。
【0057】
ヤング率が大きい場合は、硬直した感じがして、変形に対する抵抗力が大きく、その分堅固さを有すると同時に柔軟性が低い。
【0058】
ヤング率が小さい場合は、柔らかい感じがして、変形に対する抵抗力が小さく、その分弱さを有すると同時に柔軟性が高い。従って、外部からの力によって電池が曲げられる際、最外郭電極が切断される現象の発生がより少なくなる。
【0059】
それに対し、厚さが薄過ぎる場合は切れやすいので、適切な厚さを適用しなければならない。また、材質が全く異なる電極が交互に積層され、外部から力を加えた際、相対的にヤング率の低い電極が選択的に先に切れるようになり、これを厚さなどを考慮して適切な値を探し、柔軟性を確保する。
【0060】
また、例えば銅(Cu)とステンレススチール(SUS)を適用した際、ステンレススチールは銅に比べて単価が高く、相対的に多くの電極が入る銅を最外郭電極に適用することで製造原価を下げることが効率的である。
【0061】
また、最外郭電極は、電池の容量発現には寄与せず、厚さだけ占めてエネルギー密度を低くするので、断面に電極合剤をコーティングすることが好ましい。
【0062】
図6は、本発明の一実施例に係る金属タブを適用した際と適用していないバッテリーの曲げ評価の結果を示すグラフである。
【0063】
図6を参照すると、充放電と曲げ評価を同時に進行した結果、金属タブ100を適用していない既存のバッテリーは、30回を超えられずに電極とリードが破損され、金属タブ100を適用したバッテリーの場合は、5000回以上でも正常に電気化学駆動を見せている。
【0064】
既存のリチウム二次電池の場合は、外部からの衝撃や力により端子部分が容易に切断されて容量が急激に減少していき、電池としての機能を果たせない場合が多かった。
【0065】
しかし、金属タブ100、電極200、300、電極リード500、600などを含み、電池を構成する材料の材質の特性を把握し、構造を改善することで、リチウム二次電池が外部から繰り返し的に与えられる力である曲げ及びねじりなどによって破損及び切断が最も起こりやすい脆弱な部分である電極端子部分の極板の耐久性を向上させることができる。
【0066】
本発明は、互いに異なる極性を有する第1の電極200及び第2の電極300を基に小さい金属タブ100を電極タブ上に接合(スポット溶接、超音波溶接、レーザ溶接、及び導電性接着剤による結合など)する簡単な工程により、端子部分の柔軟性において大きな効果をもたらす。
【0067】
図7は、本発明の一実施例に係る金属タブ、電極及び電極リードの材質とヤング率とを示すグラフである。
【0068】
図7に示すように、第1の電極200を陰極にし、第2の電極300を陽極にして実施例を作成する場合に、アルミニウム、銅、ステンレススチール、ニッケル、及び銅などを材質にしてヤング率を設定する方式で構成要素を分類することができる。
【0069】
一方、ヤング率は、弾性を有するある物体が外部からの力(stress)に対して相対的な長さがどのように変化するかを示す係数である。これは物体の形状とは関係なく、単に物体を構成する材質とだけ関係がある。
【0070】
図8は、本発明の実施例に係る金属タブ及び電極の集電体、電極リードに対する応力試験を進行する方式を示す。図8を参照して、金属タブ100を適用した電池に対する応力試験を進行する方式を見ると、電池の両末端に力を与えて引っ張る場合、電池材料の断面積は次第に減少していき、切断される。このとき、電池材料には外部から引っ張る力に抵抗しようとする耐力が生じ、この抵抗力を断面積値で除算したものを応力(stress)と定義する。
【0071】
図9及び図10は、図8の応力試験方式で測定した結果であり、電池を構成する材料である金属タブ、電極の集電体及び電極リードのそれぞれの応力及び変位を測定し、それによる電極タブ、電極リード、タブ-リード接合部における破損及び切断程度を把握するグラフを示す。
【0072】
図9は、一実施例において、第1の電極200の集電体が銅、第2の電極300の集電体がステンレススチールであって、第1の電極200の集電体のヤング率が第2の電極300の集電体のヤング率よりも小さいとき、それぞれの電極の集電体と金属タブ100、第1の電極リード500、第2の電極リード600が破損及び切断される直前までの応力と変位のグラフである。第1の電極200の集電体である銅は、30kgf/mm付近で伸び続けていき、変位1.5mm付近で切断される。第2の電極300の集電体であるステンレススチールは、銅とは異なり、力を与えると、伸びるよりは外部から引っ張る力に抵抗しようとする性質の方が大きい。
【0073】
図10は、さらに他の実施例において、第1の電極の集電体と第2の電極の集電体、第1の電極リードと第2の電極リードが同じアルミニウムであった際の応力と変位関係を示している。
【0074】
これにより、金属タブ100を利用した補強と曲げ構造のタブ、電極集電体間のヤング率と厚さを適切に適用させ、外部からの力によって容易に破損されてしまう脆弱部位を改善することにより、電池の柔軟性を確保することができる。
図1
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図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10