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特開2023-161057柔道整復用書類作成プログラム及びこれを用いた柔道整復用書類作成システム
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  • 特開-柔道整復用書類作成プログラム及びこれを用いた柔道整復用書類作成システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161057
(43)【公開日】2023-11-06
(54)【発明の名称】柔道整復用書類作成プログラム及びこれを用いた柔道整復用書類作成システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/30 20180101AFI20231027BHJP
【FI】
G16H20/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071220
(22)【出願日】2022-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】522037609
【氏名又は名称】有限会社 ケッズホールディングス
(71)【出願人】
【識別番号】517291944
【氏名又は名称】コスモネクスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121658
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 昌義
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 桂三
(72)【発明者】
【氏名】佐竹 弘行
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
(57)【要約】
【課題】本発明は、より簡便に明細書を発行することができる柔道整復用書類作成プログラム及びこれを用いた柔道整復用書類作成システムを提供する。
【解決手段】本発明に係る柔道整復用書類作成プログラムは、表示装置11と位置入力装置を有するタブレット端末コンピュータ1に、施術対象者識別データを記録するステップ、施術データを記録するステップ、プリンタデータを記録するステップ、プリンタに送信するステップ、を実行させるプログラムであって、施術データは、見察種別データ、負傷年月日データ、負傷名データ、後療データ、衛材料データ、及び、費用負担データを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と、前記表示装置の表面に設けられる位置入力装置と、を有するタブレット端末コンピュータに、
施術対象者識別データを記録するステップ、
前記施術対象者識別データに対応する施術データを記録するステップ、
前記施術対象者識別データ及び前記施術データに基づきプリンタデータを記録するステップ、
前記プリンタデータをプリンタに送信するステップ、を実行させる柔道整復用書類作成プログラムであって、
前記施術データは、
見察種別データ、負傷年月日データ、負傷名データ、後療データ、衛材料データ、及び、費用負担データを含む柔道整復用書類作成プログラム。
【請求項2】
新規施術対象者認定データを含む請求項1記載の柔道整復用書類作成プログラム。
【請求項3】
前記施術データは、初検年月日データも含む請求項1記載の柔道整復用書類作成プログラム。
【請求項4】
前記負傷名データを複数有する請求項1記載の柔道整復用書類作成プログラム。
【請求項5】
前記後療データは、後療料データ、電療料データ及び罨法料データも含む請求項1記載の柔道整復用書類作成プログラム。
【請求項6】
前記施術対象者識別データ、及び、前記施術対象者識別データに対応する施術データを、メインコンピュータに送信するステップも実行させるための請求項1記載の柔道整復用書類作成プログラム。
【請求項7】
前記施術対象者識別データを記録するステップにおける前記施術対象者識別データは、メインコンピュータに記録された施術対象者データベースの中から選択されるものである請求項1記載の柔道整復用書類作成プログラム。
【請求項8】
保険証画像データを記録するステップも実行させる請求項1記載の柔道整復用書類作成プログラム。
【請求項9】
表示装置と、前記表示装置の表面に設けられる位置入力装置と、を有するタブレット端末コンピュータと、
メインコンピュータと、
前記タブレット端末コンピュータ及び前記メインコンピュータに接続されるプリンタと、を備えた柔道整復用書類作成システムであって、
前記タブレット端末コンピュータは、
施術対象者識別データを記録するステップ、
前記施術対象者識別データに対応する施術データを記録するステップ、
前記施術対象者識別データ及び前記施術データに基づきプリンタデータを記録するステップ、
前記プリンタデータをプリンタに送信するステップ、を実行させる柔道整復用書類作成プログラムが格納されている柔道整復用書類作成システム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柔道整復用書類作成プログラム及びこれを用いた柔道整復用書類作成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の医療保険制度において、患者に対して診療行為を行った医療機関は、診療報酬の一部を患者本人から受け取り、その残りの部分を審査支払機関に申請することで受け取る仕組みとなっている。
【0003】
また医療機関は、上記患者の自己負担分以外の部分を審査支払機関に請求するために、一般に、審査支払機関に対して診療報酬請求書及び診療報酬明細書(これら書類を「レセプト」という。)を提出するレセプト業務を行う。
【0004】
ところで、接骨院や整骨院(以下「接骨院等」という。)において柔道整復を行う場合も上記と同様、施術対象者に一部負担してもらい、残りの部分を支払い審査支払機関に申請して受け取る必要、すなわちレセプト業務が必要となる。
【0005】
ところで、このレセプト業務においては、レセプト業務を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ(レセプトコンピュータ(レセコン))を用いて行うことが一般的である。
【0006】
レセコンのためのプログラム(以下「レセコンプログラム」という。)としては、例えば下記非特許文献1に記載の技術がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】https://www.rececom-sanshiro.com/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、接骨院等においては、施術対象者に対して柔道整復を行い診療報酬の一部を請求する際に、その柔道整復の内容を詳細に記載した明細書の提出が義務化することが検討されている。
【0009】
しかしながら、レセコンプログラムでは、明細書を作成するのに必要でないデータの入力も求められるため、施術対象者に診療報酬請求時において手渡しを行う明細書の作成には必要以上の入力が必要であり、手間や時間がかかるといった課題がある。さらに、レセコンはノートパソコンやデスクトップパソコンであり、施術対象者を見察するベッド等から離れる等の移動の手間や時間も発生するといった課題がある。これに関しては、接骨院等の経営は10名以下の小規模事業者が8割以上を占めており、この作業に関する手間や時間は到底無視できる状況ではない。これは、施術対象者の待ち時間の増加にもつながり、施術対象者に対するサービス向上、接骨院等の経営者や従業員においても早急な対策が必要となる。
【0010】
そこで、本発明は上記課題に鑑み、より簡便に明細書を発行することができる柔道整復用書類作成プログラム及びこれを用いた柔道整復用書類作成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち、上記課題を解決する本発明の一観点に係る柔道整復用書類作成プログラムは、表示装置と、表示装置の表面に設けられる位置入力装置と、を有するタブレット端末コンピュータに、施術対象者識別データを記録するステップ、施術対象者識別データに対応する施術データを記録するステップ、施術対象者識別データ及び施術データに基づきプリンタデータを記録するステップ、プリンタデータをプリンタに送信するステップ、を実行させるものであって、施術データは、見察種別データ、負傷年月日データ、負傷名データ、及び、後療データ、衛材料データ、及び、費用負担データを含む。
【0012】
また、本観点において、限定されるわけでは無いが、新規施術対象者認定データを含むことが好ましい。
【0013】
また、本観点において、限定されるわけでは無いが、施術データは、初検年月日データも含むことが好ましい。
【0014】
また、本観点において、限定されるわけでは無いが、負傷名データを複数有することが好ましい。
【0015】
また、本観点において、限定されるわけでは無いが、後療データは、後療料データ、電療料データ及び罨法料データも含むことが好ましい。
【0016】
また、本観点において、限定されるわけでは無いが、施術対象者識別データ、及び、施術対象者識別データに対応する施術データを、メインコンピュータに送信するステップを実行できることが好ましい。
【0017】
また、本観点において、限定されるわけでは無いが、施術対象者識別データを記録するステップにおける施術対象者識別データは、メインコンピュータに記録された施術対象者データベースの中から選択されるものであることが好ましい。
【0018】
また、本観点において、限定されるわけでは無いが、保険証画像データを記録するステップを実行できることが好ましい。
【0019】
また、本発明の他の一観点に係る柔道整復用書類作成システムは、表示装置と、表示装置の表面に設けられる位置入力装置と、を有するタブレット端末コンピュータと、メインコンピュータと、タブレット端末コンピュータ及びメインコンピュータに接続されるプリンタと、を備えた柔道整復用書類作成システムであって、タブレット端末コンピュータは、施術対象者識別データを記録するステップ、施術対象者識別データに対応する施術データを記録するステップ、施術対象者識別データ及び施術データに基づきプリンタデータを記録するステップ、プリンタデータをプリンタに送信するステップ、を実行させる柔道整復用書類作成プログラムが格納されている。
【発明の効果】
【0020】
以上、本発明によって、より簡便に明細書を発行することができる柔道整復用書類作成プログラム及びこれを用いた柔道整復用書類作成システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施形態に係る柔道整復用書類作成システムの概略を示す図である。
図2】実施形態に係る柔道整復用書類作成プログラムの実行によってタブレット端末コンピュータに表示される画面の例を示す図である。
図3】実施形態に係る柔道整復用書類作成プログラムの実行によってタブレット端末コンピュータに表示される画面の例を示す図である。
図4】印刷された明細書の一例について示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は多くの異なる形態による実施が可能であり、以下に示す実施形態、実施例に記載の具体的な例示にのみ限定されるわけではない。
【0023】
図1は、本実施形態に係る柔道整復用書類作成システム(以下「本システム」という。)Sの概略を示す図である。本図で示すように、本システムSは、表示装置11と、表示装置11の表面に設けられる位置入力装置12と、を有するタブレット端末コンピュータ1と、メインコンピュータMと、タブレット端末コンピュータ1及びメインコンピュータMに接続されるプリンタPと、を備えたシステムであって、タブレット端末コンピュータ1は、(S1)施術対象者識別データを記録するステップ、(S2)施術対象者識別データに対応する施術データを記録するステップ、(S3)施術対象者識別データ及び施術データに基づきプリンタデータを記録するステップ、(S4)プリンタデータをプリンタに送信するステップ、を実行させる柔道整復用書類作成プログラム(以下「本プログラム」という。)が格納されている。
【0024】
本システムSは柔道整復師が主たる使用者として使用するものである。具体的には、柔道整復師が営む接骨院・整骨院において用いられる。柔道整復師は、来院した施術対象者に対し施術を行う際、タブレット端末コンピュータ1を用いて必要な事項を簡単に入力しつつ、施術の終了後即時に報酬を計算し、明細書として施術対象者に渡すことができる。また、柔道整復師は、この入力したデータをタブレット端末コンピュータ1からメインコンピュータMに送信することができ、レセプト処理に必要なデータを追加し、所定の期限までにレセプト処理ができるようになる。
【0025】
本システムSのタブレット端末コンピュータ1は、表示装置11と、表示装置11の表面に設けられる位置入力装置12と、を有する。タブレット端末コンピュータ1は、コンピュータすなわち情報処理装置であり、一般的なコンピュータの構成要素である中央演算装置(CPU)、ハードディスクやフラッシュメモリ等の不揮発性の記録媒体、メモリ等の揮発性の記録媒体、ディスプレイ等表示装置等を含む。またタブレット端末コンピュータ1とは、使用者が携帯可能、より具体的には片手で持てるほど軽量化したコンピュータであって、具体的にはいわゆるスマートフォンやタブレット端末を例示できる。タブレット端末コンピュータ1は、一つのカバーの中に上記CPUや表示装置等の部品を収納して一体化させたものとなっており、上記の通り、表示装置11上にセンサ等の位置入力装置12を配置し、いわゆるタッチパネルとすることで、物理的に異なるキーボード等を設置することなく簡便に入力が可能となる。また、上記の通り、タブレット端末コンピュータ1では、上記ステップを実行するプログラムを、いわゆるアプリとして記録、表示させておき、このアプリを起動することで容易に実行することができる。図2に、本システムSにおいてタブレット端末コンピュータ1に表示される画面の例について示し、以下具体的に説明する。
【0026】
また、本プログラムは、上記の通り、タブレット端末コンピュータに記録され、実行されることで上記複数のステップを実行する。まず、本プログラムは、上記の通り(S1)施術対象者識別データを記録するステップを実行する。
【0027】
ここで「施術対象者識別データ」とは、施術対象者を識別・特定するための情報を含むデータをいい、この情報としては施術対象者の氏名に関する情報、施術対象者を識別するために使用者が施術対象者に付する数字やアルファベット等を用いる患者番号等の識別番号情報等を例示することができるがこれに限定されない。
【0028】
また、本ステップにおいて、限定されるわけでは無いが、新規施術対象者認定データを含むことが好ましい。新規な施術対象者が来院した場合、当該新規な施術対象者の施術対象者識別データは記録されていないため、新規な施術対象者として認定するためのデータを作成及び記録することでエラーを生じさせないとともに、新たな施術対象者の情報を管理することができるようになる。
【0029】
また、本ステップにおける施術対象者識別データは、メインコンピュータに記録された施術対象者データベースの中から選択されるものであることも好ましい。タブレット端末コンピュータ内に施術対象者識別データを記録してデータベースとしておくことも有用であるが、本システムSではレセプト処理を行うメインコンピュータの存在を前提としているところもあり、このレセプト処理を行うことができるメインコンピュータに施術対象者識別データを保存しておくことでタブレット端末コンピュータの処理を軽減させることができるようになる。
【0030】
また、本ステップにおいては、保険証画像データを記録するステップを含んでもよい。保険証はカードであり、その保険証に記載の情報を使用者が手で改めて入力するのは手間がかかる。そのため、保険証画像データを記録させておくことで施術対象者に対する施術が完了した後、改めて保険証画像をタブレット端末コンピュータの表示装置に表示させながら必要な情報をデータとして入力することも可能であり、また、保険証画像データに基づいて必要なデータを画像認識技術を用いて抽出することも可能である。
【0031】
なお、保険証画像データを記録するためには、タブレット端末コンピュータにはカメラ等の撮像装置を備え、接続されていることが好ましい。カメラにより施術対象者が提出した保険証画像データを写真データとして記録することが可能となる。
【0032】
また、本プログラムによると、(S2)施術対象者識別データに対応する施術データを記録するステップが実行される。施術対象者識別データに施術データを対応させることでレセプト処理を含めた様々な処理が可能となる。なお、この施術データについては、施術対象者識別データと組み合わされた上で、メインコンピュータに送付されるとともに、施術対象者に対して以前行った施術をメインコンピュータから受信し確認することも可能である。
【0033】
ここで「施術データ」は、使用者が施術対象者に対して行う整復術に関する情報を含むデータをいう。施術データの具体的な内容については上記の機能を有する限りにおいて限定されるわけでは無いが、「見察種別データ」、「負傷年月日データ」、「初検年月日データ」、「負傷名データ」、「後療データ」、「衛材料データ」、「自費・技術料データ」、「費用負担データ」を含むことが好ましい。
【0034】
ここで「見察種別データ」とは、見察の種別に関する情報を含むデータであり、具体的には、1日目であるか2日目以降であるかを識別するための情報を含むデータである。1日目の場合は、これ以前の負傷に関するデータはないため、改めて負傷の内容に関する情報を含むデータを入れることとなる一方、2日目以降であれば、既に入力してある所定の施術データをタブレット端末コンピュータ又はメインコンピュータから読み込み、今後必要な情報を含むデータを入力することとなる。
【0035】
またここで「負傷年月日データ」とは、その施術対象者が負傷した年月日に関する情報を含むデータである。負傷した年月日に関する情報を含むデータを記録しておくことで、必要となるレセプト処理が可能となるとともに、施術対象者に対して行うことができる施術の内容を確認することができるようになる。
【0036】
またここで「初検年月日データ」とは、施術者が来院した1日目の日付に関する情報を含むデータである。負傷した年月日が来院した1日目の日付であれば同日の情報を含むデータとなるが、翌日以降に来院した場合、その日付は必ずしも一致しない。その結果、施術対象者に対する施術の内容も変わってくるとともにそのレセプト処理においても異なってくることがあるため、初検の年月日の入力が必要となる。
【0037】
またここで「負傷名データ」とは、負傷の名称に関する情報を含むデータであり、具体的には「骨折」、「脱臼」、「捻挫」、「打撲」、及び「挫傷」の少なくともいずれかに関する情報を含むデータである。接骨院等において施術対象となるのは主として上記5種のいずれかであり、施術対象者に対して請求する金額もこのいずれであるかにより計算される。
【0038】
なお、限定されるわけでは無いが、負傷名データは複数記録されることが好ましい。より具体的には3つであることが好ましい。施術において、施術対象者に対して施すことができる負傷は同時に3箇所までであり、施術対象者に対して請求することができる金額の計算も原則3箇所までということになるためである。しかしながら、同時に3箇所であるものの、実際そのうちの1箇所の治癒が完了した場合、その減少した治癒とは別の負傷箇所について施術することが可能となる。その場合、その日においては、4箇所目の負傷名を入力することができるようになることが好ましい。この場合のイメージを図3に示す。
【0039】
また本図のように4か所目の負傷名を入力するためには、負傷箇所の少なくともいずれかの治癒が完了したことを確認するためのデータ入力が必要となる。すなわち、負傷名データには、各負傷の治癒が完了したことの情報を含むデータである「治癒データ」を含ませておくことが好ましく、このためのボタンを表示させておくことが好ましい。そして、負傷名データの少なくともいずれかにおいて「治癒データ」が入力された場合、治癒されたこととなり、4箇所目の負傷名を入力させることができるようになる。この結果、見た目もシンプルとなり、うっかりしたミスにより4箇所目を入れてしまうことを防止することができる。
【0040】
またここで「後療データ」とは、上記入力した各負傷に対する後療に関する情報を含むデータである。すなわち、負傷名データそれぞれに対応して記録されるものである。
【0041】
また後療データには、「後療料データ」、「電療料データ」及び「罨法料データ」も含まれていることが好ましい。
【0042】
ここで「後療料データ」とは、後療を行ったことに関する情報を含むデータであり、より具体的には後療の有り無しに関する情報を含むデータである。図2の例では、後療が「あり」「なし」の二択になっている。このいずれかを入力することで、後療料が発生するか否かを容易に計算できる。ただし、この後療料データは、上記の負傷名データにおける負傷の種類によって異なるため、後療料データは負傷名データに基づき予めタブレット端末コンピュータ又はメインコンピュータ内に格納された後療料計算データベースに基づき計算されることが好ましい。
【0043】
またここで「電療料データ」とは、後療データに対応して記録される電療を行ったか否かについての情報を含むデータである。すなわち使用者が、施術対象者に電療を行った場合、このデータを入力することで電療に応じた報酬を請求することができるようになる。この場合において電療料データは、「あり」又は「なし」の二択とすることができる。電療料が発生する場合は「あり」を、電療料が発生しない場合は「なし」を選択することで容易に施術対象者に対して料金を計算し、明細書に関する情報を含むプリンタデータを作成することができる。
【0044】
またここで「罨法料データ」とは、罨法を行ったか否かに関する情報を含むデータであり、上記電療料データと同様の仕組みを備えている。すなわち使用者が、施術対象者に罨法を行った場合、このデータを入力することで罨法に応じた報酬を請求することができるようになる。この場合において罨法料データは、「あり」又は「なし」の二択とすることができる。罨法料が発生する場合は「あり」を、罨法料が発生しない場合は「なし」を選択することで容易に施術対象者に対して料金を計算し、明細書に関する情報を含むプリンタデータを作成することができる。
【0045】
ここで、罨法には、冷罨法と温罨法の二種類が存在するため、罨法料をさらに細かく分類し、冷罨法料データと、温罨法料データとすることとしてもよい。冷罨法と温罨法ではその施術可能な機関及び料金が異なることとなるため、これらもそれぞれ入力できるようにしておくことでより簡便に施術対象者に対して料金を計算し、明細書に関する情報を含むプリンタデータを作成することができる。
【0046】
またここで「衛材料データ」とは、衛生材料に関する情報を含むデータである。衛生材料とは、施術する際に用いる使い捨て材料であり、具体的には包帯、ガーゼ、手袋、絆創膏やサージカルテープ等を含むがこれに限定されない。これら衛生材料は上記の施術に関する料金とは別に請求するものであるため、衛材料データとしておくことで、施術対象者にもれなく請求することが可能となる。なおここで「衛材料データ」としては、金額に関する数値のデータだけであってもよいが、衛生材料の種類に関する情報を含む材料名データを含んでもよい。このようにしておくことで、後でメインコンピュータによるレセプト処理を行うときに思い出しやすくなるといった利点がある。
【0047】
またここで「自費・技術料データ」とは、上記の衛生材料以外の自費、技術料に関する情報を含むデータである。自費・技術料とは、施術する際に発生するその他の費用であり、具体的には機械使用に関し発生し、保険が適用されない費用に関する情報を含むデータであるがこれに限定されない。これら費用は上記の施術に関する料金とは別に請求するものであるため、自費・技術料データとしておくことで、施術対象者にもれなく請求することが可能となる。なおここで「自費・技術料データ」としては、金額に関する数値のデータだけであってもよいが、その内容種類に関する情報を含むテキストデータを含んでもよい。このようにしておくことで、後でメインコンピュータによるレセプト処理を行うときに思い出しやすくなるといった利点がある。
【0048】
またここで「費用負担データ」とは、施術対象者が負担する費用負担率に関する情報を含むデータである。施術は保険制度を利用して行うものであるため、施術対象者が何割の負担率によって自己負担を行うのかを確認または入力することで正確な料金を施術対象者に提示することができる。具体的に費用負担率としては「0割」「1割」「2割」「3割」「10割(全額自己負担)」のいずれかであることが多いため、これらのいずれかを選択させるようにしてもよい。
【0049】
また、本プログラムによると、(S3)施術対象者識別データ及び施術データに基づきプリンタデータを記録するステップが実行される。プリンタデータを記録し、プリンタに送信することで簡単に印刷が可能となる。プリンタデータが印刷された結果の明細書について図4に示しておく。
【0050】
このプリンタデータは、上記の記載から明らかであるが、上記行った施術データに含まれる施術の種類に応じ、予めタブレット端末データ又はメインコンピュータに記録された後療料計算データベースを参照して計算される。ここで後療料計算データベースは、「後療データ」、具体的には「後療料データ」、「電療料データ」及び「罨法料データ」と、これらそれぞれに対応して設けられる報酬データの組によって構成され、上記の後療データのそれぞれに基づき報酬データを求め、この報酬データ、衛材料データを集計し、施術対象差の費用負担データを参照することにより、報酬額全体、施術対象者の負担金額を含め、プリンタデータとすることが可能となる。
【0051】
また、本プログラムによると(S4)プリンタデータをプリンタに送信するステップが実行される。
【0052】
また、本プログラムでは、上記ステップのほか、(S5)施術対象者識別データ、及び、施術対象者識別データに対応する施術データを、メインコンピュータに送信するステップも実行されることが好ましい。上記の施術対象者認識データ及び施術データを用いることで明細書を発行することができる。一方で、このデータだけでは毎月のレセプト処理を行うには不十分であり、一般に小さな表示装置であるタブレット端末コンピュータだけではその処理に手間がかかるといった問題が生じうる。そのため、メインコンピュータにこれらデータを送信することで、メインコンピュータによって処理が可能となる。
【0053】
以上、本プログラム及びこれを用いたシステムによって、より簡便に明細書を発行することができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、柔道整復用書類作成プログラム及びこれを用いた柔道整復用書類作成システムとして産業上の利用可能性がある。

図1
図2
図3
図4