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特開2023-161059無線通信構造、表示パネル及び無線通信装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161059
(43)【公開日】2023-11-06
(54)【発明の名称】無線通信構造、表示パネル及び無線通信装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/38 20060101AFI20231027BHJP
   H01Q 1/24 20060101ALI20231027BHJP
   H01Q 21/06 20060101ALI20231027BHJP
【FI】
H01Q1/38
H01Q1/24
H01Q1/24 C
H01Q21/06
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129447
(22)【出願日】2022-08-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】202210433198.7
(32)【優先日】2022-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520032974
【氏名又は名称】云谷(固安)科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】黄奐衢
(72)【発明者】
【氏名】武杰
(72)【発明者】
【氏名】崔霜
【テーマコード(参考)】
5J021
5J046
5J047
【Fターム(参考)】
5J021AA04
5J021AA09
5J021AB06
5J046AA12
5J046AB03
5J046AB11
5J046AB15
5J046UA02
5J047AA12
5J047AB03
5J047AB11
5J047FD01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】無線通信構造、表示パネル及び無線通信装置を提供する。
【解決手段】無線通信構造は、回路構造とアンテナ200を有する。回路構造は、第1の接続端110、第2の接続端120及びコイル本体130を有し、コイル本体の少なくとも一部が第1の接続端と第2の接続端との間に接続される。アンテナは、ミリ波帯無線信号を送受信するための複数のミリ波アンテナユニット210を含むミリ波アンテナアレイ201を有し、ミリ波アンテナユニットがコイル本体に接続される。
【効果】ミリ波アンテナユニットをコイル本体に接続することにより、限られた空間内に複数の無線通信モジュールを設置することを実現できるだけではなく、表示パネルの光学性能をよりよく保障することができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の接続端、第2の接続端、及び少なくとも一部が前記第1の接続端と前記第2の接続端との間に接続されているコイル本体を有する回路構造と、
ミリ波帯無線信号を送受信するための、少なくとも一つが前記コイル本体に接続されているミリ波アンテナユニットを有するアンテナと、
を備え
前記アンテナは、少なくとも二つのミリ波アンテナユニットを備え、
二つ以上の前記ミリ波アンテナユニットはミリ波アンテナアレイを構成し、
前記ミリ波アンテナアレイにおける二つ以上の前記ミリ波アンテナユニットは、前記第1の接続端と前記ミリ波アンテナアレイとの間に接続されている第1の接続セグメントと、前記ミリ波アンテナアレイと前記第2の接続端との間に接続されている第2の接続セグメントと、前記ミリ波アンテナアレイにおける隣接する二つの前記ミリ波アンテナユニットの間に接続されている第3の接続セグメントとを有する前記コイル本体に接続されている、
ことを特徴とする無線通信構造。
【請求項2】
前記ミリ波アンテナアレイの数は複数であり、
前記第1の接続セグメントは、一つの前記ミリ波アンテナアレイと前記第1の接続端との間に接続され、
前記第2の接続セグメントは、二つの前記ミリ波アンテナアレイの間に接続されている第1のサブセグメントと、その他の一つの前記ミリ波アンテナアレイと前記第2の接続端との間に接続されている第2のサブセグメントとを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信構造。
【請求項3】
前記ミリ波アンテナユニットはミリ波導線を有し、
前記第1の接続セグメント、前記第2の接続セグメント、前記第3の接続セグメントの三つの少なくとも一つの線幅は前記ミリ波導線の線幅以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信構造。
【請求項4】
前記アンテナは、非ミリ波帯無線信号を送受信するための、前記コイル本体に接続されている非ミリ波アンテナをさらに有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信構造。
【請求項5】
少なくとも一つの前記ミリ波アンテナユニットは前記非ミリ波アンテナの一部として多重化される、
ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信構造。
【請求項6】
前記コイル本体に、さらに、前記回路構造により送受信される信号電流を通過させ、且つ前記非ミリ波アンテナにより送受信される非ミリ波帯無線信号電流を遮断するための遮断部が設置されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信構造。
【請求項7】
前記遮断部は少なくとも二つ設置され、
少なくとも二つの前記遮断部は前記コイル本体に間隔を置いて分布している、
ことを特徴とする請求項6に記載の無線通信構造。
【請求項8】
前記回路構造は、非ミリ波帯の無線信号を送受信するために用いられ、
前記コイル本体は、結合方式により非ミリ波帯の無線信号を送受信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信構造。
【請求項9】
前記コイル本体は複数のコイルを含み、
前記ミリ波アンテナユニットは少なくとも一つの前記コイルに接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信構造。
【請求項10】
複数の前記コイルは、内側コイル及び外側コイルを有し、
前記内側コイル及び外側コイルは、いずれも前記第1の接続端と前記第2の接続端との間に接続され、
前記外側コイルは、前記内側コイルの前記無線通信構造の中心から離れている側に位置し、
前記ミリ波アンテナユニットは前記外側コイルに接続される、或いは、前記ミリ波アンテナユニットは前記内側コイルに接続され、
前記アンテナは前記ミリ波アンテナユニットに接続されているミリ波給電部をさらに有し、前記ミリ波給電部の少なくとも一部は前記外側コイルと異なる層に設置されている、
ことを特徴とする請求項9に記載の無線通信構造。
【請求項11】
複数の前記コイルは互いに直列接続され且つ螺旋状に設置されている、
ことを特徴とする請求項9に記載の無線通信構造。
【請求項12】
複数の前記コイルは第1のコイルと第2のコイルを有し、
前記第1のコイルと前記第2のコイルはいずれも前記第1の接続端と前記第2の接続端との間に接続され、
前記第1のコイルの一部は、前記第2のコイルの前記無線通信構造の中心から離れている側に位置し、かつ前記第2のコイルの一部は、前記第1のコイルの前記無線通信構造の中心から離れている側に位置し、
前記ミリ波アンテナユニットは前記第1のコイル又は前記第2のコイルに接続されている、
ことを特徴とする請求項9に記載の無線通信構造。
【請求項13】
複数の前記コイルは、前記第1の接続端と前記第2の接続端との間に接続されている直接給電式コイルと、前記直接給電式コイルの隣に間隔を置いて結合的に設置されている結合式コイルとを有し、
前記ミリ波アンテナアレイは前記結合式コイル又は前記直接給電式コイルに接続されている、
ことを特徴とする請求項9に記載の無線通信構造。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の無線通信構造を含み、
格子状の金属配線を有するタッチ層をさらに有し、
前記回路構造と前記アンテナはいずれも前記タッチ層に位置する、
ことを特徴とする表示パネル。
【請求項15】
前記表示パネルは、表示領域である第1の領域と、表示領域及び/又は非表示領域を有し且つ前記第1の領域を囲んで設置されている第2の領域とを備え、
前記回路構造は第2の領域に位置し、
前記コイル本体は前記第2の領域内に前記第1の領域を囲んで設置されている、
ことを特徴とする請求項14に記載の表示パネル。
【請求項16】
請求項14に記載の表示パネルを有し、
前記アンテナは少なくとも二つのミリ波アンテナユニットを備え、
二つ以上の前記ミリ波アンテナユニットはミリ波アンテナアレイを構成し、
前記ミリ波アンテナアレイの数は複数であり、
複数の前記ミリ波アンテナアレイには、互いに独立した回路基板がそれぞれ対応して設置されている、
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項17】
第1の回路基板と前記第1の回路基板に設けられている第1の伝送線とをさらに有し、前記第1の伝送線は前記回路構造の前記第1の接続端及び/又は前記第2の接続端と連通し、
第2の回路基板と前記第2の回路基板に設けられている第2の伝送線とをさらに有し、前記第2の伝送線は前記ミリ波アンテナユニットと連通し、
前記第1の回路基板と前記第2の回路基板とは一体に設けられている、
ことを特徴とする請求項16に記載の無線通信装置。
【請求項18】
前記第1の回路基板に第1の接続座がさらに設置され、前記第1の伝送線は前記第1の接続座に接続され、
前記第2の回路基板に第2の接続座がさらに設置され、前記第2の伝送線は前記第2の接続座に接続され、
前記第1の接続座と前記第2の接続座とは一体に設けられている、
ことを特徴とする請求項17に記載の無線通信装置。
【請求項19】
前記アンテナは、非ミリ波帯無線信号を送受信するための非ミリ波アンテナをさらに有し、
前記無線通信装置は、第3の回路基板と、前記第3の回路基板に設けられ、前記非ミリ波アンテナと連通している第3の伝送線とをさらに有し、
前記第1の回路基板、前記第2の回路基板及び前記第3の回路基板は一体に設けられ、
前記第3の回路基板に第3の接続座がさらに設置され、前記第3の伝送線は前記第3の接続座に接続され、前記第1の接続座、前記第2の接続座及び前記第3の接続座の三者は一体に設けられている、
ことを特徴とする請求項18に記載の無線通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、表示デバイスの技術分野に関し、特に無線通信構造、表示パネル及び無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
手持ち無線通信装置(例えば携帯電話、スマートウォッチ等)の機能は目覚ましく、且つ装置外観と無線通信性能に対する要求も高まっている。第5世代移動通信(the 5th generation mobile communications、すなわち5G)時代では、ミリ波(millimeter-wave、すなわちmm-wave)と非ミリ波(non-millimeter-wave、すなわちnon-mm-wave)のバンドをカバーするため、無線通信モジュールの種類及び数量もますます多くなる。また、近距離通信(near field communication、すなわちNFC)の機能が日に日に普及しているため、より多くの手持ち無線通信装置にNFCコイルが配置される。
【0003】
同時に、手持ち無線通信装置において、装置全体の面積に対するスクリーンの面積の比率も日増しに高まっており、装置全体は顕著に増大できない状況において、無線通信モジュールを表示パネル内に設置することは、予想可能な将来のキーテクノロジーの傾向である。しかしながら、表示パネルの内部空間は限られかつ光学的な要求があるため、表示パネル内に無線通信モジュールをどのように設置するかは早急に解決すべき重要な技術的課題となる。
【発明の概要】
【0004】
本願の実施例は無線通信構造、表示パネル及び無線通信装置を提供し、限られた空間内に無線通信モジュールをどのように設置するか、及びどのように表示パネルの光学性能を良好に保証するかという課題を解決することを目的とする。
【0005】
本願の第1の態様の実施例は、無線通信構造を提供する。当該無線通信構造は、第1の接続端、第2の接続端、及び少なくとも一部が前記第1の接続端と前記第2の接続端との間に接続されているコイル本体を有する回路構造と、ミリ波帯無線信号を送受信するための、少なくとも一つが前記コイル本体に接続されているミリ波アンテナユニットを有するアンテナと、を備え、
アンテナは、少なくとも二つのミリ波アンテナユニットを備え、二つ以上のミリ波アンテナユニットはミリ波アンテナアレイを構成し、
ミリ波アンテナアレイにおける二つ以上のミリ波アンテナユニットは、第1の接続端とミリ波アンテナアレイとの間に接続されている第1の接続セグメント、ミリ波アンテナアレイと第2の接続端との間に接続されている第2の接続セグメント、及びミリ波アンテナアレイ内の隣接する二つのミリ波アンテナユニットの間に接続されている第3の接続セグメントを有するコイル本体に接続されている。
【0006】
本願の第1の態様の前記任意の実施形態によれば、ミリ波アンテナアレイの数は複数であり、第1の接続セグメントは、一つのミリ波アンテナアレイと第1の接続端との間に接続され、第2の接続セグメントは、二つのミリ波アンテナアレイの間に接続されている第1のサブセグメント、及び他のミリ波アンテナアレイと第2の接続端との間に接続されている第2のサブセグメントを有する。
【0007】
本願の第1の態様の前記任意の実施形態によれば、ミリ波アンテナユニットはミリ波導線を有し、第1の接続セグメント、第2の接続セグメント、第3の接続セグメントの三者のうち少なくとも一つの線幅はミリ波導線の線幅以下である。
【0008】
本願の第1の態様の前記任意の実施形態によれば、アンテナは、非ミリ波帯無線信号を送受信するための非ミリ波アンテナをさらに有し、非ミリ波アンテナはコイル本体に接続されている。
【0009】
本願の第1の態様の前記任意の実施形態によれば、少なくとも一つのミリ波アンテナユニットは非ミリ波アンテナの一部として多重化される。
【0010】
本願の第1の態様の前記任意の実施形態によれば、コイル本体に、さらに、回路構造により送受信される信号電流を通過させ、且つ非ミリ波アンテナにより送受信される非ミリ波帯無線信号電流を遮断するための遮断部が設置される。
【0011】
本願の第1の態様の前記任意の実施形態によれば、遮断部は少なくとも二つ設置され、少なくとも二つの遮断部はコイル本体に間隔を置いて分布する。
【0012】
本願の第1の態様の前記任意の実施形態によれば、回路構造は、非ミリ波帯の無線信号を送受信するために用いられ、コイル本体は、結合方式により非ミリ波帯の無線信号を送受信する。
【0013】
本願の第1の態様の前記任意の実施形態によれば、コイル本体は複数のコイルを含み、ミリ波アンテナユニットは少なくとも一つのコイルに接続されている。
【0014】
本願の第1の態様の前記任意の実施形態によれば、複数の前記コイルは、内側コイル及び外側コイルを有し、内側コイル及び外側コイルは、いずれも第1の接続端と第2の接続端との間に接続され、外側コイルは、内側コイルの、無線通信構造の中心から離れている側に位置し、
ミリ波アンテナユニットは外側コイルに接続され、又は、ミリ波アンテナユニットは内側コイルに接続され、
アンテナはミリ波アンテナユニットに接続されているミリ波給電部をさらに有し、ミリ波給電部の少なくとも一部は外側コイルと異なる層に設置される。
【0015】
本願の第1の態様の前記任意の実施形態によれば、複数のコイルは第1のコイルと第2のコイルを有し、第1のコイルと第2のコイルはいずれも第1の接続端と第2の接続端との間に接続され、第1のコイルの一部は、第2のコイルの無線通信構造の中心から離れる側に位置し、かつ第2のコイルの一部は、第1のコイルの無線通信構造の中心から離れる側に位置し、ミリ波アンテナユニットは第1のコイル又は第2のコイルに接続されている。
【0016】
本願の第1の態様の前記任意の実施形態によれば、複数のコイルは互いに直列接続され且つ螺旋状に設置され、コイル本体は複数のコイルと異なる層に設置されている接続線をさらに含み、接続線は第1の接続端又は第2の接続端に接続されている。
【0017】
本願の第1の態様の前記任意の実施形態によれば、複数のコイルは、第1の接続端と第2の接続端との間に接続されている直接給電式コイル、及び直接給電式コイルの隣に間隔を置いて結合的に設置される結合式コイルを有し、ミリ波アンテナアレイは結合式コイル又は直接給電式コイルに接続されている。
【0018】
本願の第2の態様の実施例は表示パネルを提供し、上記任意の第1の態様の実施例の無線通信構造をさらに含む。
【0019】
本願の第2の態様の実施形態によれば、タッチ層をさらに含み、タッチ層は格子状金属配線を含み、回路構造及びアンテナはいずれもタッチ層に位置する。
【0020】
本願の第2の態様の前記任意の実施形態によれば、表示パネルは、表示領域である第1の領域、及び表示領域及び/又は非表示領域を有し且つ第1の領域を囲んで設置されている第2の領域を含み、回路構造は第2の領域に位置し、コイル本体は第2の領域内に第1の領域を囲んで設置される。
【0021】
本願の第3の態様の実施例はさらに、上記いずれかの第1の態様の実施例の表示パネルを含む無線通信装置を提供する。
【0022】
本願の第3の態様の実施形態によれば、アンテナは少なくとも二つのミリ波アンテナユニットを有し、二つ以上のミリ波アンテナユニットはミリ波アンテナアレイを構成し、ミリ波アンテナアレイの数は複数であり、
複数のミリ波アンテナアレイには、互いに独立した回路基板がそれぞれ対応して設置される。
【0023】
本願の第3の態様の前記任意の実施形態によれば、第1の回路基板と第1の回路基板に設けられる第1の伝送線とをさらに有し、第1の伝送線が回路構造の第1の接続端及び/又は第2の接続端と連通し、
第2の回路基板と第2の回路基板に設けられる第2の伝送線とをさらに有し、第2の伝送線がミリ波アンテナユニットと連通し、
第1の回路基板と第2の回路基板が一体に設けられる。
【0024】
本願の第3の態様の前記任意の実施形態によれば、第1の回路基板にさらに第1の接続座が設置され、第1の伝送線が第1の接続座に接続され、
第2の回路基板にさらに第2の接続座が設置され、第2の伝送線が第2の接続座に接続され、
第1の接続座と第2の接続座は一体に設けられる。
【0025】
本願の第3の態様の前記任意の実施形態によれば、アンテナは非ミリ波帯無線信号を送受信するための非ミリ波アンテナをさらに有し、
無線通信装置は、第3の回路基板と第3の回路基板に設けられる第3の伝送線とをさらに有し、
第3の伝送線が非ミリ波アンテナと連通し、
第1の回路基板、第2の回路基板及び第3の回路基板は一体に設けられ、
第3の回路基板にさらに第3の接続座が設置され、第3の伝送線が第3の接続座に接続され、第1の接続座、第2の接続座及び第3の接続座の三者は一体に設置される。
【0026】
本願の実施例が提供する無線通信構造において、無線通信構造は回路構造及びアンテナを備え、回路構造は第1の接続端、第2の接続端及びコイル本体を備え、第1の接続端及び第2の接続端を介してコイル本体に無線信号を送受信する。アンテナはミリ波アンテナユニットを備え、ミリ波アンテナユニットはミリ波帯無線信号を送受信するために用いられ、ミリ波アンテナユニットはコイル本体に接続され、コイル本体の少なくとも一部は回路構造の無線信号及びミリ波帯無線信号を同時に送受信することができる。一方では、回路構造とアンテナが占める全体面積を減少させることができ、限られた空間内に無線通信のための複数のモジュールを設置することができる。他方では、少なくとも一つの回路構造とミリ波アンテナユニットが接続され、表示スクリーンの光学性能をよりよく確保することができ、且つアンテナパターン化処理プロセスを簡略化することができ、さらに無線通信モジュールの製造効率を向上させ且つ製造コストを低減する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
以下の図面を参照して非限定的な実施例に対する詳細な説明を読むことにより、本願の他の特徴、目的及び利点がより明らかになる。ここで、同一又は類似の参照符号は同一又は類似の特徴を示す。
図1】本願の第1の態様の第1の実施例が提供する表示パネルの構成概略図である。
図2】本願の第1の態様の第2の実施例が提供する表示パネルの構成概略図である。
図3】本願の第1の態様の第3の実施例が提供する表示パネルの構成概略図である。
図4】本願の第1の態様の第4の実施例が提供する表示パネルの構成概略図である。
図5図4の部分拡大構成概略図である。
図6】第5の実施例におけるミリ波アンテナユニットの部分拡大構成概略図である。
図7】本願の第1の態様の第6の実施例が提供する表示パネルの構成概略図である。
図8】本願の第1の態様の第7の実施例が提供する表示パネルの構成概略図である。
図9図8の部分拡大構成概略図である。
図10】本願の第1の態様の第8の実施例が提供する表示パネルの構成概略図である。
図11】本願の第1の態様の第9の実施例が提供する表示パネルの構成概略図である。
図12】本願の第1の態様の第10の実施例が提供する表示パネルの構成概略図である。
図13】本願の第1の態様の第11の実施例が提供する表示パネルの構成概略図である。
図14】本願の第1の態様の第12の実施例が提供する表示パネルの構成概略図である。
図15】本願の第1の態様の第13の実施例が提供する表示パネルの構成概略図である。
図16】本願の第1の態様の第14の実施例が提供する表示パネルの構成概略図である。
図17】本願の第1の態様の第15の実施例が提供する表示パネルの構成概略図である。
図18図17の部分断面図である。
図19】本願の第1の態様の第16の実施例が提供する表示パネルの構成概略図である。
図20図19の部分断面図である。
図21】本願の第1の態様の第17の実施例が提供する表示パネルの構成概略図である。
図22】本願の第1の態様の第18の実施例が提供する表示パネルの構成概略図である。
図23】本願の第1の態様の第19の実施例が提供する表示パネルの構成概略図である。
図24】本願の第1の態様の第20の実施例が提供する表示パネルの構成概略図である。
図25】本願の第1の態様の第21の実施例が提供する表示パネルの構成概略図である。
図26】本願の第1の態様の第22の実施例が提供する表示パネルの構成概略図である。
図27】本願の第1の態様の第23の実施例が提供する表示パネルの構成概略図である。
図28】本願の第1の態様の第24の実施例が提供する表示パネルの構成概略図である。
図29図5の部分断面図である。
図30】本願の第2の態様の第1の実施例が提供する無線通信装置の構成概略図である。
図31】本願の第2の態様の第2の実施例が提供する無線通信装置の構成概略図である。
図32】本願の第2の態様の第3の実施例が提供する無線通信装置の構成概略図である。
図33】本願の第2の態様の第4の実施例が提供する無線通信装置の構成概略図である。
図34】本願の第2の態様の第5の実施例が提供する無線通信装置の構成概略図である。
図35】本願の第2の態様の第6の実施例が提供する無線通信装置の構成概略図である。
図36】本願の第2の態様の第7の実施例が提供する無線通信装置の構成概略図である。
図37】関連技術における無線通信装置の構成概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本願の各態様の特徴及び例示的な実施例を詳細に説明する。以下の詳細な説明において、多くの具体的な細部を提供することで、本願の全面的な理解を提供する。しかしながら、当業者であれば、本願はこれらの具体的な細部の中のいくつかの細部を必要とせずに実施されることができる。以下の実施例の説明は、本願の例示を示すことにより本願をよりよく理解するためである。図面及び以下の説明において、少なくとも部分的な公知の構成及び技術は示されず、それにより本願が不必要に曖昧になることを回避する。そして、明確にするために、一部の構成のサイズを誇張している可能性がある。また、以下に説明された特徴、構成又は特性は任意の適切な方式で一つ以上の実施例に組み合わせることができる。
【0029】
説明すべきものとして、本願の説明において、特に説明がない限り、「複数」の意味は二つ以上である。用語「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」などが指示する方位又は位置関係は、本願を説明しやすく、説明を簡略化するためのみであり、示された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構造・操作しなければならないことを指示又は暗示するものではないため、本願を限定するものと理解すべきではない。また、用語「第1」、「第2」、「第3」などは、単に説明の目的で用いられ、相対的な重要性を指示又は暗示することとは理解できない。
【0030】
以下の説明に使用される方向用語は、いずれも図面に示す方向であり、本願の具体的な構造を限定するものではない。また、説明すべきものとして、本願の説明において、明確な規定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「接続」は、広義に理解されるべきである。例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体的な接続であってもよく、また、直接接続であってもよく、中間媒体を介する間接接続であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0031】
表示技術及び無線通信技術の発展に伴い、無線通信機能を備える装置における表示デバイスのデバイス全体の面積に対するスクリーンの面積の比率(screen-to-body ratio)はますます高くなり、デバイスにおいて無線通信モジュールの種類及び数量を実現するためにますます多くなる。例えば、5G移動通信時代において、無線通信の周波数スペクトルはミリ波帯と非ミリ波帯をカバーする。したがって、例えば携帯電話などの5Gミリ波機能を有する無線通信装置は、その内部にミリ波帯をカバーできる第1の種類のアンテナが設置される以外に、非ミリ波帯をカバーできる無線通信モジュールが設置されることが多く、例えば、5G、4G、WLAN(wireless local area network)、BT(Bluetooth(登録商標))、GNSS(global navigation satsystem)等である。同時に、NFC(Near Field Communication)の応用もますます広くなるため、より多くの携帯電話にNFCコイルが配置されている。
【0032】
しかしながら、無線通信装置における表示デバイスの全体の面積に対するスクリーンの面積の比率が高いほど、無線通信モジュールの配置可能な位置が制限され、且つ無線通信モジュールは使用時(例えば、手持ち又は金属テーブルに配置される)により遮蔽されやすくなることが多く、無線通信モジュールの性能の顕著な劣化を引き起こし、ユーザの無線体験に影響を与える。これを鑑みて、無線通信装置の表示デバイスに無線通信モジュールを集積することを考慮し、例えばAoD(Antenna-on-Display)の設計方式を採用することは、無線通信装置における無線通信モジュールの設計の可能な発展傾向となる。
【0033】
いくつかの実施例において、図37に示すように、無線通信装置1が携帯電話であることを例として、携帯電話の表示デバイス10に集積された無線通信モジュールは、5Gミリ波アンテナ01、WiFi/BTアンテナ021、LTE(Long Term Evolution)アンテナ022、NFCコイル023及び5G非ミリ波アンテナ024を含むことができる。一般的に、上記5Gミリ波アンテナ01、WiFi/BTアンテナ021、LTEアンテナ022、NFCコイル023及び5G非ミリ波アンテナ024は互いに独立して表示デバイス10に設置される。しかしながら表示デバイス10の内部空間が限られ、どのように限られた空間内に無線通信モジュールを設置するか、且つどのように表示パネルの光学及びタッチ効果を良好に確保するかは早急に解決すべき技術的課題となっている。
【0034】
上記課題を解決するために、本願が提出されている。本願をよりよく理解するために、以下に図1図36を参照して本願の実施例の無線通信構造、表示パネル及び無線通信装置を詳細に説明する。
【0035】
図1に示すように、図1は本願の第1の実施例が提供する表示パネルの構成概略図である。
【0036】
図1に示すように、本願の実施例が提供する表示パネルは無線通信構造を含む。無線通信構造の設置方式は様々がある。図1に示すように、本願の実施例が提供する無線通信構造は回路構造100及びアンテナ200を含む。回路構造100は第1の接続端110、第2の接続端120及びコイル本体130を含み、コイル本体130の少なくとも一部は第1の接続端110と第2の接続端120との間に接続されている。アンテナ200はミリ波帯無線信号を送受信するためのミリ波アンテナユニット210を含み、ミリ波アンテナユニット210は少なくとも一つの回路構造100のコイル本体130に接続されている。
【0037】
ミリ波帯無線信号を送受信するミリ波アンテナユニット210は、ミリ波帯無線信号を受信及び/又は送信するためのミリ波アンテナユニット210を指す。すなわち本明細書において送受信とは受信及び/又は送信を指す。ミリ波アンテナユニット210は、ミリ波給電部とミリ波放射部とを含む。選択的に、ミリ波給電部及び/又はミリ波放射部は少なくとも一つの回路構造100のコイル本体130に接続されている。
【0038】
本願の実施例が提供する無線通信構造において、無線通信構造は少なくとも一つの回路構造100及びアンテナ200を含み、回路構造100は第1の接続端110及び第2の接続端120を介してコイル本体130で信号を送受信する。アンテナ200はミリ波アンテナユニット210を含み、ミリ波アンテナユニット210はミリ波帯無線信号を送受信するために用いられる。ミリ波アンテナユニット210は少なくとも一つの回路構造100のコイル本体130に接続され、回路構造100とアンテナ200が占める総面積を減少させることができるだけでなく、限られた空間内に複数の無線通信モジュールを設置することができる。また、少なくとも一つの回路構造100とアンテナ200のミリ波アンテナユニット210は互いに接続され、表示スクリーンの光学性能をよりよく確保することができ、且つアンテナパターン化処理プロセスを簡略化することができ、さらに無線通信モジュールの製造効率を向上させ且つ製造コストを低減させる。
【0039】
選択可能な実施例として、図1に示すように、無線通信構造が表示パネルに用いられる場合、表示パネルはタッチ層300をさらに含み、タッチ層300は格子状金属導線を含み、図1において淡色格子状線で格子状金属導線を概略的に示す。回路構造100及びアンテナ200がタッチ層300に設置される場合、少なくとも一つの回路構造100及びミリ波アンテナユニット210を接続するための一部の金属導線は接続方向に切断処理を必要としないため、格子状金属導線の切断点の数を減少させ、無線通信構造がタッチ層300に配置されることによるタッチ不感領域が多くなり、タッチ性能と体験が劣化するという問題を改善し、表示スクリーンのタッチ性能をよりよく確保することができる。そして、少なくとも一つの回路構造100とミリ波アンテナユニット210との間の接続部分は接続方向に切断処理を必要とせず、さらに異なる領域の格子状金属導線の形状をより一致させることができるため、表示パネルの光学効果を改善することができる。
【0040】
前記コイル本体130はリング状のコイルであり、設置方式は様々であり、例えば回路構造100はNFCコイル、無線充電(Wireless Power Charging、WPC)コイル、LTEコイル、GNSSコイル、WLANコイル、BTコイル及び周波数変調(Frequenncy Modulation、FM)コイル等のうちの少なくとも一つを含む。NFCコイル、WPCコイル、LTEコイル、GNSSコイル、WLANコイル、BTコイル及びFMコイルなどはいずれもリング状のコイルとして設けられることで、ミリ波アンテナユニット210がそれらと接続しやすくなる。
【0041】
選択可能的に、回路構造100はNFCコイル、WPCコイルのうちの少なくとも一つを含む。NFCコイルやWPCコイルの回路構造100は、一般的にサイズが大きい。例えばNFCコイル、WPCコイルの回路構造100は表示パネルの縁部に近接し且つ表示パネルの縁部を囲んで設置されることで、ミリ波アンテナユニット210がNFCコイル、WPCコイルの回路構造100に直列接続しやすい。また、ミリ波アンテナユニット210を表示パネルの縁部に近接して設置することで、ミリ波アンテナユニット210による表示パネルの光学及び触覚効果の劣化の影響は顕著でなく、且つミリ波アンテナユニット210の給電パスは短くてもよく、したがって、より低い給電損失を有し、ミリ波アンテナユニット210の優れた放射性能を達成することができる。
【0042】
図2に示すように、図2は第1の態様の第2の実施例が提供する表示パネルの構成概略図である。図2は実施例が図1に係る実施例の部分構成と同じであり、ここで詳細の説明をしないが、以下に両者の相違点を説明する。また、本明細書において以下の内容は各図面に係る各実施例の異なる部分を説明する。
【0043】
図2に示すように、アンテナ200は二つ以上のミリ波アンテナユニット210を含み、二つ以上のミリ波アンテナユニット210が組み合わせされてミリ波アンテナアレイ201を形成し、ミリ波アンテナアレイ201のうちの少なくとも一つのミリ波アンテナユニット210はコイル本体130に接続されている。図2に一点鎖線でミリ波アンテナアレイ201がある位置を示し、点線枠は本願の実施例の無線通信構造の構成上の限定ではない。
【0044】
図2に示すように、ミリ波アンテナアレイ201における各ミリ波アンテナユニット210はいずれもコイル本体130に接続されている。ミリ波アンテナアレイ201に接続されたコイル本体130は第1の接続セグメント131、第2の接続セグメント132及び第3の接続セグメント133を含み、第1の接続セグメント131は第1の接続端110とミリ波アンテナアレイ201との間に接続され、第2の接続セグメント132はミリ波アンテナアレイ201と第2の接続端120との間に接続されている。第3の接続セグメント133は、同一のミリ波アンテナアレイ201における隣り合う二つのミリ波アンテナユニット210の間に接続されている。第1の接続セグメント131及び第2の接続セグメント132により、ミリ波アンテナアレイ201は第1の接続端110と第2の接続端120との間に接続することができる。第3の接続セグメント133は同一のミリ波アンテナアレイ201内の隣接する二つのミリ波アンテナユニット210の間に接続され、回路構造100とアンテナ200が占める総面積を減少することができ、且つ回路構造100とアンテナ200のパターンをさらに簡略化することができる。
【0045】
図3に示すように、図3は本願の第3の実施例が提供する表示パネルの構成概略図である。
【0046】
選択可能的に、図3に示すように、ミリ波アンテナアレイ201の数は複数であり、第1の接続セグメント131はそのうちの一つのミリ波アンテナアレイ201と第1の接続端110との間に接続されている。第2の接続セグメント132は第1のサブセグメント132a及び第2のサブセグメント132bを含み、第1のサブセグメント132aは隣接する二つのミリ波アンテナアレイ201の間に接続され、第2のサブセグメント132bは他のミリ波アンテナアレイ201と第2の接続端120との間に接続されている。第1のサブセグメント132aは隣接する二つのミリ波アンテナアレイ201の接続を実現するために用いられ、第2のサブセグメント132bはミリ波アンテナアレイ201と第2の接続端120との接続を実現するために用いられる。すなわち第2の接続セグメント132は複数セグメントに分割され、一部の第2の接続セグメント132(例えば第1のサブセグメント132a)は隣接する二つのミリ波アンテナアレイ201の接続を実現するために用いられ、一部の第2の接続セグメント132(例えば第2のサブセグメント132b)はミリ波アンテナアレイ201と第2の接続端120との接続を実現するために用いられる。
【0047】
図3に示すように、ミリ波アンテナアレイ201の数は三つであってもよく、そのうち二つのミリ波アンテナアレイ201は第1の方向Xに沿って対向して設置され、すなわち二つのミリ波アンテナアレイ201はそれぞれ表示パネルの第1の方向Xに沿って対向する両側エッジ位置に対応して設置されるが、二つのミリ波アンテナアレイ201の表示パネルエッジの位置が厳密に一致することを限定するものではない。別のミリ波アンテナアレイ201は第1の接続端110及び第2の接続端120と第2の方向Yに沿って対向して設置されることで、第1の接続端110、第2の接続端120及び三つのミリ波アンテナアレイ201は表示パネルの周側に沿って離間に分布し、ミリ波アンテナアレイ201は表示パネルの異なる位置に分布する。ユーザが異なるジェスチャーで表示パネルを操作する場合、常にユーザに遮蔽されない位置にあるミリ波アンテナアレイ201があるため、ミリ波アンテナアレイ201が無線信号を送受信する安定性を向上させ、ユーザの無線体験をよりよく保障することができる。
【0048】
別の選択可能的な実施例において、図4に示すように、第1の接続端110、第2の接続端120はさらにミリ波アンテナアレイ201と第1の方向Xに沿って離間に設置されてもよく、すなわち第1の接続端110、第2の接続端120はその中の一つのミリ波アンテナアレイ201の隣に設置される。
【0049】
選択可能的に、ミリ波アンテナユニット210の形状の設定方式は複数であってもよく、例えばミリ波アンテナユニット210の形状は正方形、菱形等であってもよい。
【0050】
上記いずれかの実施例において、第1の接続セグメント131、第2の接続セグメント132及び第3の接続セグメント133の設置方式は様々であり、例えば第1の接続セグメント131は一本の導線を含むことができ、又は第1の接続セグメント131は複数の並設された導線を含み、又は第1の接続セグメント131は複数の並設された導線と該並設された導線を接続するブリッジ線とを含む。同様に、第2の接続セグメント132及び/又は第3の接続セグメント133は一本の導線を含むことができ、又は第2の接続セグメント132及び/又は第3の接続セグメント133は複数の並設された導線を含み、又は第2の接続セグメント132及び/又は第3の接続セグメント133は複数の並設された導線と該並設された導線を接続するブリッジ線とを含む。
【0051】
図5に示すように、隣接する二つのミリ波アンテナユニット210の間の第3の接続セグメント133は一本の導線を含む。又は、図6に示すように、隣接する二つのミリ波アンテナユニット210の間の第3の接続セグメント133は二本以上の導線を含む。
【0052】
導体のインピーダンス(impedance)は、抵抗(resistance)とリアクタンス(reactance)を含む。
【0053】
抵抗=ρ(L/A)であり、ここでρは導体の抵抗率であり、Lは導体の長さであり、Aはこの導体に電流を印加するときの対応する電流分布面積である。導体の固有電気と構成寸法パラメータが一定である場合、信号周波数が上昇する場合、表皮効果(すなわち信号の周波数が高いほど、それに対応する電流が導体の表面に近接する薄層に集中しやすい)、導体における電流の分布面積は減少する、すなわちAは減少し、抵抗は上昇する。
【0054】
リアクタンス=インダクタンス(inductive reactance)-容量性リアクタンス(capacitive reactance)であるため、リアクタンス及びインダクタンスは正の相関となる。インダクタンスは=jwLであり、ここでwは角周波数であり、w=2πfであり、fは周波数であり、Lはインダクタンスである。したがって、信号周波数が上昇すると、インダクタンスも上昇する。また、上記表皮効果により、高い周波数信号でのインダクタンスも上昇するため、さらにインダクタンスの上昇を引き起こす。
【0055】
上記によれば、信号はその周波数が上昇するため、それに対応する電流の導体での流動分布が阻害される。したがって同様の導体条件で、高周波数信号に対応する電流は低周波信号に対応する電流に対してより阻害されやすい。そして、導体の幅が小さくなり、導体のインダクタンスを上昇させるため、再びインダクタンスを向上させ、それにより高周波信号に対応する電流の流れ分布をさらに阻止する。すなわち、導体のサイズを調整することにより異なる周波数の信号に対応する電流をよく遮断するか又は通過させることができる。
【0056】
回路構造100がNFCコイルを含む場合、ミリ波アンテナユニット210が送受信するミリ波帯無線信号周波数帯はNFC周波数帯より高いため、同様の導体条件で、ミリ波帯無線信号周波数帯に対応するミリ波電流はNFC周波数帯に対応する電流に対してより阻害されて通過しにくい。したがって、コイル本体130のサイズを調整することにより、ミリ波電流を好適に遮断し、且つNFC周波数帯に応じた電流を流すことができる。
【0057】
第1の接続セグメント131、第2の接続セグメント132及び第3の接続セグメント133の少なくとも一方の少なくとも一部の領域の線幅は、ミリ波アンテナユニット210の幅よりも小さい。選択可能的に、ミリ波アンテナユニット210はミリ波導線を含み、第1の接続セグメント131、第2の接続セグメント132及び第3の接続セグメント133のうちの少なくとも一つの少なくとも一部の領域の線幅はミリ波アンテナユニット210内のミリ波導線の幅以下である。
【0058】
例えば、第1の接続セグメント131の少なくとも一部の領域の線幅はミリ波アンテナユニットの幅以下である。ミリ波アンテナユニット210がブロック状を呈する場合、ミリ波アンテナユニット210は一本のミリ波導線を含むと理解することができる。ミリ波アンテナユニット210が複数本のミリ波導線を含む場合、第1の接続セグメント131の少なくとも一部の領域の線幅がミリ波アンテナユニット210の幅より小さいことは、第1の接続セグメント131の少なくとも一部の領域の線幅はミリ波アンテナユニット210内の複数本のミリ波導線の幅の合計より小さいことを指す。
【0059】
本願の実施例において、第1の接続セグメント131の少なくとも一部の領域の線幅がミリ波アンテナユニット210内のミリ波導線の幅よりも大きくない場合、第1の接続セグメント131の線幅が狭いため、第1の接続セグメント131は高いインピーダンスを有する。上記のように、ミリ波アンテナユニット210により送受信されたミリ波帯無線信号の周波数帯が高いため、ミリ波アンテナユニット210が送受信したミリ波帯無線信号周波数帯に対応するミリ波電流は第1の接続セグメント131を流れないため、第1の接続セグメント131はミリ波電流に対して良いフィルタバリア効果を有する。しかし第1の接続セグメント131は5G及びその前世代の移動通信、WLAN又はブルートゥース(登録商標)などの非ミリ波周波数帯、及びNFC周波数帯などの非ミリ波電流に対していずれも良い通過効果を有することができる。したがって、本願の実施例において、回路構造100の電流は第1の接続セグメント131をよく通過することができるが、ミリ波電流は第1の接続セグメント131によって明らかに遮断される。
【0060】
ミリ波電流とはミリ波アンテナユニット210が送受信するミリ波帯無線信号周波数帯に対応する電流であり、無線信号電流は回路構造100が送受信する無線信号周波数帯に対応する電流を指す。
【0061】
第2の接続セグメント132及び/又は第3の接続セグメント133の少なくとも一部の領域の線幅はミリ波アンテナユニット210の幅よりも大きくない設定方式、及びそれが有する有益な効果は、上記と同じであり、ここでは説明を省略する。
【0062】
選択可能的に、第1の接続セグメント131、第2の接続セグメント132、第3の接続セグメント133の線幅はいずれもミリ波導線の線幅以下である。ミリ波電流を第1の接続セグメント131、第2の接続セグメント132、第3の接続セグメント133により明らかに遮断することができ、ミリ波アンテナアレイ201内の各ミリ波アンテナユニット210の独立性をよりよく確保し、ミリ波アンテナアレイ201の性能を保証する。
【0063】
選択可能的に、第3の接続セグメント133の少なくとも一部の領域の線幅がミリ波アンテナユニット210の幅以下である場合、図5に示すように、二つの隣接するミリ波アンテナユニット210の間の第3の接続セグメント133が一本の導線を含む場合、第3の接続セグメント133内の一本の導線の線幅はミリ波アンテナユニット210における第3の接続セグメント133の延在方向と同じミリ波導線の線幅の合計以下である。図6に示すように、二つの隣接するミリ波アンテナユニット210の間の第3の接続セグメント133が複数本の導線を含む場合、第3の接続セグメント133内の複数本の導線の線幅の合計はミリ波アンテナユニット210における第3の接続セグメント133の延在方向と同じミリ波導線の線幅の合計よりも大きくない。図5及び図6に示すように、第1の方向Xが第2の方向Yに対して垂直であり、第3の接続セグメント133が第2の方向Yに沿って延在する場合、第3の接続セグメント133の線幅方向が第1の方向Xであり、ミリ波導線の幅方向も第1の方向Xである。別の実施例において、第3の接続セグメント133が第1の方向Xに沿って延在する場合、第3の接続セグメント133の線幅方向が第2の方向Yである。
【0064】
本願の実施例において、第3の接続セグメント133内の導線の線幅の合計はミリ波アンテナユニット210における第3の接続セグメント133の延在方向と同じミリ波導線の線幅の合計より大きくない場合、第3の接続セグメント133の幅が狭いため、第3の接続セグメント133は高いインピーダンスを有し、したがって第3の接続セグメント133はミリ波帯の電流に対して良いフィルタバリア効果を有する。しかし第3の接続セグメント133は5G及びその前世代の移動通信、WLAN、BT又はGNSSなどの非ミリ波周波数帯、及びNFC周波数帯等の非ミリ波電流に対していずれも良い通過効果をすることができる。したがって、本願の実施例において、回路構造100の電流は第3の接続セグメント133をよく通過することができるが、ミリ波電流は第3の接続セグメント133によって明らかに遮断される。しかしながらミリ波電流はミリ波アンテナユニット210内によく流れることができ、ミリ波アンテナアレイ201内の各ミリ波アンテナユニット210の独立性をよく確保し、ミリ波アンテナアレイ201の性能を保証することができる。
【0065】
選択可能的に、第2の接続セグメント132内の導線の線幅の合計はミリ波アンテナユニット210における第2の接続セグメント132の延在方向と同じミリ波の導線の線幅の合計以下である。図2図4に示すように、第2の接続セグメント132が第1の方向Xに沿って延在する場合、第2の接続セグメント132の線幅方向は第2の方向Yであり、第2の接続セグメント132が第2の方向Yに沿って延在する場合、第2の接続セグメント132の線幅方向は第1の方向Xである。
【0066】
上記したように、第2の接続セグメント132の線幅が狭く、ミリ波電流をよりよく遮断することができ、且つ良好に非ミリ波帯とNFC周波数帯の電流を通過させ、すなわち第2の接続セグメント132によりミリ波帯電流に対してより良好な遮断を実現することができ、ミリ波アンテナアレイ201とミリ波アンテナユニット210の性能をよりよく保証するが、他の非ミリ波帯とNFC周波数帯の電流に影響を与えない。
【0067】
選択可能的に、第1の接続セグメント131内の導線の線幅の合計はミリ波アンテナユニット210における第1の接続セグメント131の延在方向と同じミリ波導線の線幅の合計以下である。図2図4に示すように、第1の接続セグメント131が第1の方向Xに沿って延在する場合、第1の接続セグメント131の線幅方向が第2の方向Yであり、第1の接続セグメント131が第2の方向Yに沿って延在する場合、第1の接続セグメント131の線幅方向が第1の方向Xである。
【0068】
上記したように、第1の接続セグメント131の線幅が狭く、ミリ波電流をよりよく遮断することができ、且つ良好に非ミリ波帯とNFC周波数帯の電流を通過させ、すなわち第1の接続セグメント131によりミリ波帯電流のより良好な遮断を実現することができ、ミリ波アンテナアレイ201とミリ波アンテナユニット210の性能をよりよく保証するが、他の非ミリ波帯とNFC周波数帯の電流に影響を与えない。
【0069】
また、本願の実施例のミリ波アンテナユニット210の個数が複数であり、複数のミリ波アンテナユニット210が隣接して配置されるか又はアレイを採用する方式で配置されてミリ波アンテナアレイ201を構成し、アンテナ利得を向上させて大きな放射パスロスを補償することができ、且つビーム走査の効果を達成して広い空間をカバーして無線通信を減少させ、好適なユーザ無線体験を達成することができる。
【0070】
第3の接続セグメント133の形状設置方式も様々であり、第3の接続セグメント133の形状は直線状であってもよく、すなわち第3の接続セグメント133は同一方向に沿って延在する。又は、第3の接続セグメント133は折れ線状であってもよく、すなわち第3の接続セグメント133は折り曲げ経路に沿って延在する。又は、第3の接続セグメント133は円弧状を呈してもよい。又は、第3の接続セグメント133は直線状、折れ線状及び弧状のうちの少なくとも二つの組み合わせで形成される。
【0071】
選択可能的に、ミリ波アンテナアレイ201におけるミリ波アンテナユニット210の数が複数である場合、第1の接続端110から第2の接続端120までの方向で、第1の接続セグメント131は複数のミリ波アンテナユニット210のうちの最初のアンテナユニットに接続され、又は第2の接続セグメント132は複数のミリ波アンテナユニット210の最終アンテナユニットに接続されている。
【0072】
例えば、図5及び図6に示すように、ミリ波アンテナアレイ201は四つのミリ波アンテナユニット210を含み、且つその配列方向(第2の方向Y)に沿って順に第1のアンテナユニット、第2のアンテナユニット、第3のアンテナユニット及び第4のアンテナユニットである。第1の接続端110から第2の接続端120までの延在経路において、第1のアンテナユニットは四つのミリ波アンテナユニット210のうちの第1の接続端110に近い側に位置し、第4のアンテナユニットは四つのミリ波アンテナユニット210のうちの第2の接続端120に近い側に位置する。第1のアンテナユニットは最初のアンテナユニットであり、第1の接続セグメント131は第1のアンテナユニットと第1の接続端110との間に接続されている。第4のアンテナユニットは最終アンテナユニットであり、第2の接続セグメント132は第4のアンテナユニットと第2の接続端120との間に接続されている。
【0073】
選択可能的に、各第1のアンテナユニットと第2のアンテナユニット、第2のアンテナユニットと第3のアンテナユニット、第3のアンテナユニットと第4のアンテナユニットとの間にいずれも第3の接続セグメント133が接続されている。
【0074】
いくつかの選択可能的な実施例において、図7に示すように、アンテナ200はさらに非ミリ波帯無線信号を送受信するための非ミリ波アンテナ202を含み、非ミリ波アンテナ202はコイル本体130に接続されている。本願の実施例において、コイル本体130にミリ波アンテナユニット210及び非ミリ波アンテナ202が接続され、表示パネルの発光効果をさらに改善することができる。そして、アンテナ200及び回路構造100がタッチ層300に設置される場合、切断点の数をさらに減少させ、タッチ効果を改善することができる。
【0075】
選択可能的に、少なくとも一つのミリ波アンテナユニット210は非ミリ波アンテナ202の一部に多重化される。
【0076】
少なくとも一つのミリ波アンテナユニット210は非ミリ波アンテナ202の一部に多重化される。一つのミリ波アンテナユニット210は非ミリ波アンテナ202の一部に多重化される。又は少なくとも二つの隣接するミリ波アンテナユニット210は第3の接続セグメント133により非ミリ波アンテナ202の一部に接続され且つ多重化される。少なくとも二つの隣接するミリ波アンテナユニット210が第3の接続セグメント133により接続されかつ非ミリ波アンテナ202の一部に多重化されることは、少なくとも二つの隣接するミリ波アンテナユニット210が第3の接続セグメント133により接続されて非ミリ波アンテナ202の機能を有し、且つ非ミリ波の無線信号を送受信するために用いられることを指す。
【0077】
選択可能的に、非ミリ波アンテナ202は第1の部分2021及び第2の部分2022を含み、第1の部分2021は放射部であり、第2の部分2022は給電部であり、一つのミリ波アンテナユニット210は第1の部分2021の一部に多重化されてもよく、例えば一つのミリ波アンテナユニット210とコイル本体130の一部は互いに接続されかつ第1の部分2021の一部に多重化される。又は二つ以上のミリ波アンテナユニット210は互いに接続されて第1の部分2021に多重化され、且つ第1の部分2021は第2の部分2022と接続される。
【0078】
少なくとも一つのミリ波アンテナユニット210が非ミリ波アンテナ202の少なくとも一部を多重化する場合、前記少なくとも一つのミリ波アンテナユニット210は非ミリ波アンテナ202の給電部に接続されてもよく、すなわち前記少なくとも一つのミリ波アンテナユニット210は非ミリ波アンテナ202の第2の部分2022に接続されてもよい。例えば前記少なくとも一つのミリ波アンテナユニット210はコイル本体130の一部により非ミリ波アンテナ202の第2の部分2022に接続されてもよい。前記少なくとも一つのミリ波アンテナユニット210を非ミリ波アンテナ202の無線周波数集積回路に接続することで、非ミリ波アンテナ202の機能を実現する。
【0079】
少なくとも二つの隣接するミリ波アンテナユニット210が第3の接続セグメント133により非ミリ波アンテナ202の少なくとも一部を接続し且つ多重化する場合、前記少なくとも二つの隣接するミリ波アンテナユニット210は互いに直列又は並列接続されて非ミリ波アンテナ202の少なくとも一部に多重化される。
【0080】
これらの選択可能的な実施例において、非ミリ波アンテナ202、ミリ波アンテナユニット210及び回路構造100の少なくとも一部が多重化され、複数種のアンテナが占める面積をさらに簡略化し、且つ複数種のアンテナの配置パターンを簡略化することができるため、格子状金属配線の数を減少させることにより表示パネルの表示性能及びタッチ性能をよりよく確保することができる。
【0081】
選択可能的に、図7に示すように、コイル本体130に遮断部140が設置され、遮断部140は回路構造100が送受信した無線信号電流を通過させるが、非ミリ波アンテナ202が送受信した非ミリ波帯電流及びミリ波アンテナユニット210が送受信したミリ波帯電流を大きく遮断するために用いられる。したがって遮断部140を設置することにより、非ミリ波帯電流を遮断することができ、非ミリ波アンテナ202の性能をよりよく設計し保障することができる。
【0082】
例えば、回路構造100がNFCコイルである場合、遮断部140はNFC周波数帯の無線信号電流を通過させるために用いられる。回路構造100がWPCである場合、遮断部140はWPC周波数帯の無線信号電流を通過させるために用いられる。
【0083】
遮断部140の設置方式は様々であり、例えば少なくとも一部のコイル本体130の幅を変更し、すなわちコイル本体130の太さを変更して遮断部140を設置することにより、非ミリ波帯電流を遮断するという目的を達成することができる。ユーザは実際に使用中の非ミリ波アンテナ202により送受信された非ミリ波帯無線信号及び回路構造100が送受信した無線信号の周波数帯に基づいて、遮断部140の位置、幅、長さ、形状、膜層位置及び数量を設定することにより、非ミリ波帯電流を遮断し、非ミリ波帯目標動作周波数の設計を達成する。
【0084】
選択可能的に、図7に示すように、遮断部140の設置位置をより明らかに示すために、遮断部140の幅をコイル本体130自体の幅より大きく設定する。
【0085】
いくつかの好ましい実施例において、図8及び図9に示すように、遮断部140の幅はコイル本体130自体の幅より大きくなくてもよい。
【0086】
遮断部140の設置位置は様々であり、遮断部140は第1の線分131、第2の線分132及び第3の線分133のうちのいずれかに設置されてもよい。例えば遮断部140が図7に示す第1のサブセグメント132aに設置される場合、第1のサブセグメント132aと第1の接続端110との間のミリ波アンテナアレイ201のミリ波アンテナユニット210は非ミリ波アンテナ202に多重化され、非ミリ波アンテナ202の給電部(すなわち第2の部分2022)は第1のサブセグメント132aと第1の接続端110との間に設置される。このように、非ミリ波アンテナ202の電流は遮断部140に向かって流れることができ、又は非ミリ波アンテナ202の電流は第1の接続端110に向かって流れることができ、さらに二重周波数帯の非ミリ波アンテナ202を形成する。
【0087】
別の好ましい実施例において、さらにコイル本体130に二つ以上の遮断部140を設置することができる。例えば、図10に示すように、コイル本体130に二つの遮断部140が設置される。そのうち一つの遮断部140は第1のサブセグメント132aに位置し、他の遮断部140は第2の部分2022と第1の接続端110との間の第1の接続セグメント131に位置する。非ミリ波アンテナ202の電流は第1のサブセグメント132aに位置する遮断部140に向かって流れることができ、又は非ミリ波アンテナ202の電流は第1の接続セグメント131に位置する遮断部140に向かって流れることができ、さらに二重周波数帯の非ミリ波アンテナ202を形成する。そして、遮断部140の位置を合理的に設定することにより、非ミリ波アンテナ202の周波数帯を制御することができ、非ミリ波アンテナ202が送受信する無線信号周波数帯をより正確に制御するという目的を達成する。
【0088】
いくつかの好ましい実施例において、遮断部140はさらに第3の接続セグメント133に設置されてもよい。例えば、図11に示すように、図11におけるミリ波アンテナアレイ201の二つ以上のミリ波アンテナユニット210は非ミリ波アンテナ202に多重化され、遮断部140は非ミリ波アンテナアレイ201に多重化された複数のアンテナユニット210と他のミリ波アンテナユニット210との間に設置されてもよい。
【0089】
選択可能的に、図11において、例えば遮断部140はそれぞれ第1の遮断部140a、第2の遮断部140b及び第3の遮断部140cであり、非ミリ波アンテナ202の第2の部分2022から流出した電流は第1の遮断部140aに流れることができ、又は非ミリ波アンテナ202の第2の部分2022から流出した電流は第2の遮断部140bに流れることができる。
【0090】
選択可能的に、図11における非ミリ波アンテナ202は複数の目標周波数帯をカバーする非ミリ波アンテナ202であり、すなわち第2の部分200から第1の遮断部140a及び第2の遮断部140bへ流れる電流はいずれも非ミリ波アンテナ202周波数帯内の電流である。
【0091】
或いは、図11における非ミリ波アンテナ202は単一の目標周波数帯をカバーする非ミリ波アンテナ202である。例えば非ミリ波アンテナ202の第2の部分2022から流出した電流が第2の遮断部140bに流れる場合、該電流は非ミリ波アンテナ202の目標周波数帯内の電流であり、第2の部分2022から第1の遮断部140aまでの間の導線経路を合理的に設計することにより非ミリ波アンテナ202の目標周波数帯の性能に有益な影響を与えることができる。
【0092】
選択可能的に、ミリ波アンテナアレイ201における複数のミリ波アンテナユニット210は二つの非ミリ波アンテナ202に多重化されてもよく、遮断部140は異なる非ミリ波アンテナアレイ201に多重化された複数のミリ波アンテナユニット210の間に設置されてもよい。例えば、図11におけるミリ波アンテナアレイ201は4つのミリ波アンテナユニット210を含み、そのうち二つの隣接するミリ波アンテナユニット210が非ミリ波アンテナ202に多重化されると、遮断部140は4つのミリ波アンテナユニット210の中間部位に設置されてもよい。
【0093】
他の実施例において、図12に示すように、少なくとも一つのミリ波アンテナユニット210が非ミリ波アンテナ202の第1の部分2021の一部に多重化される場合、ミリ波アンテナアレイ201における遮断部140は三つのミリ波アンテナユニット210と他の一つのミリ波アンテナユニット210との間に設置されてもよい。
【0094】
他の実施例において、図13に示すように、ミリ波アンテナユニット210の数量が5つである場合、遮断部140は二つのミリ波アンテナユニット210と他の三つのミリ波アンテナユニット210との間に設置されてもよく、又は遮断部140は一つのミリ波アンテナユニット210と他の四つのミリ波アンテナユニット210との間に設置されてもよい。
【0095】
選択可能的に、遮断部140が非ミリ波帯電流を遮断することができる場合、遮断部140はミリ波帯電流を遮断することもできる。
【0096】
選択可能的に、遮断部140の線幅はコイル本体130より小さくてもよく、又は遮断部140の線幅はコイル本体130の線幅よりも大きくてもよい。
【0097】
選択可能的に、ミリ波アンテナアレイ201の数量が二つ以上である場合、そのうちの一つのミリ波アンテナアレイ201の少なくとも一つのミリ波アンテナユニット210を非ミリ波アンテナ202の一部に多重化することができる。或いは、図14に示すように、二つ以上のミリ波アンテナアレイ201において、各ミリ波アンテナアレイ201の少なくとも一つのミリ波アンテナユニット210は非ミリ波アンテナ202の一部に多重化されることで、非ミリ波アンテナ202の個数を増加させる。
【0098】
回路構造100及びアンテナ200の設置位置は様々であり、図1図14に示すように、いくつかの選択可能的な実施例において、表示パネルはタッチ層300をさらに備え、タッチ層300は格子状金属配線を含み、回路構造100及びアンテナ200はいずれもタッチ層300に位置する。
【0099】
これらの選択可能的な実施例において、回路構造100及びアンテナ200をタッチ層300に設置することにより、回路構造100及びアンテナ200は格子状金属配線を多重化することができ、新たな構成層を追加する必要がなく、表示パネルの全体の厚さを薄くすることができる。また、少なくとも一つの回路構造100とアンテナ200が互いに接続されている場合、格子状金属配線の切断点を減少させることができ、タッチ層300のタッチ効果と表示パネルの光学効果をよりよく確保する。
【0100】
選択可能的に、アンテナ200がタッチ層300に位置する場合、図5及び図6に示すように、ミリ波アンテナユニット210は第1の方向Xに沿って延在する複数本の第1の導線211と第2の方向Yに沿って延在する複数本の第2の導線212を含み、第1の方向Xと第2の方向Yは交差する。例えば、第1の方向Xと第2の方向Yは互いに垂直であり、又は第1の方向Xと第2の方向Yとのなす角度は30度、45度、60度などであり、第1の方向Xと第2の方向Yが交差していればよい。
【0101】
これらの選択可能的な実施例において、ミリ波アンテナユニット210は交差する第1の導線211及び第2の導線212を含み、すなわちミリ波アンテナユニット210は格子状を呈し、ミリ波アンテナユニット210内のミリ波導線の分布面積を増大させ、さらにミリ波アンテナユニット210のインピーダンスを減少させることができ、ミリ波アンテナユニット210のエネルギー損失とインピーダンス不整合によるエネルギー反射を低減することができるので、ミリ波アンテナユニット210はミリ波帯無線信号をよりよく送受信することができる。また、ミリ波アンテナユニット210はさらに格子状金属配線における金属導線を第1の導線211及び第2の導線212として直接利用することができ、ミリ波アンテナユニット210の製造をさらに簡略化することができる。
【0102】
ミリ波アンテナユニット210は交差する第1の導線211及び第2の導線212を含み、すなわちミリ波導線は交差する第1の導線211及び第2の導線212を含む。
【0103】
選択可能的に、タッチ層300は、複数の、第1の導線211と平行な第1のタッチ線と第2の導線212に平行な第2のタッチ線と交差して形成されてもよい。
【0104】
他の実施例において、図15に示すように、表示パネルはアンテナ層をさらに含み、回路構造100及びアンテナ200はアンテナ層に位置する。これらの選択可能的な実施例において、表示パネルに非格子状のアンテナ層を増設することにより、アンテナ200と回路構造100のインピーダンスを低減することができ、アンテナ200と回路構造100のエネルギー損失とインピーダンス不整合によるエネルギー反射を低減し、アンテナ200と回路構造100の性能を向上させる。選択可能的に、エッチングの方式を選択してアンテナ層における回路構造100及びアンテナ200を製造することができる。他の実施例において、アンテナ層は独立して設置され且つ表示パネルに貼り付けられる。さらに他の実施形態を選択してアンテナ層における回路構造100及びアンテナ200を製造することができる。
【0105】
回路構造100及びアンテナ200がアンテナ層に設置される場合、ミリ波アンテナユニット210はブロック状にすることで、ミリ波アンテナユニット210内の導電材料の分布面積を増大させ、且つミリ波アンテナユニット210のインピーダンスとインピーダンス不整合によるエネルギー反射を減少させるので、ミリ波アンテナユニット210はより良い性能でミリ波無線信号の送受信を行うことができる。
【0106】
ミリ波アンテナユニット210がブロック状である場合、ミリ波アンテナユニット210は正方形、菱形、円形などの形状であってもよい。
【0107】
選択可能的に、表示パネル内にアンテナ層を増設することにより回路構造100及びアンテナ200を配置する場合、且つ表示パネル自体がタッチ層300を有する場合、アンテナ層をタッチ層300の表示パネルカバープレートに向かう側に配置し、又はアンテナ層をタッチ層300の表示パネルカバープレートから離れた側に配置することができる。
【0108】
いくつかの選択可能的な実施例において、図16に示すように、コイル本体130は複数のコイルを含み、ミリ波アンテナユニット210は少なくとも一つのコイルに接続されている。複数のコイルは、互いに直列、並列、または、結合して接続されていてもよい。複数のコイルは、互いに交差または離間して設けられていてもよい。
【0109】
ミリ波アンテナユニット210の数量が一つである場合、ミリ波アンテナユニット210はそのうちの一つのコイルに接続されてもよい。ミリ波アンテナユニット210の数量が複数である場合、異なるミリ波アンテナユニット210は異なるコイルに接続されてもよく、又は異なるミリ波アンテナユニット210は同一のコイルに接続されてもよい。
【0110】
選択可能的に、複数のコイルは内側コイル101aと内側コイル101aを囲って無線通信構造の中心から離れる側の外側コイル101bを含み、内側コイル101aと外側コイル101bはいずれも第1の接続端110と第2の接続端120との間に接続されている。すなわち、外側コイル101bは、無線通信構造の縁により近接して設けられている。
【0111】
コイル本体130が内側コイル101a及び外側コイル101bを含む場合、ミリ波アンテナユニット210は内側コイル101a及び/又は外側コイル101bに接続されてもよい。
【0112】
例えば、図16に示すように、ミリ波アンテナユニット210は外側コイル101bに接続されている。無線通信構造が表示パネルに用いられる場合、ミリ波アンテナユニット210は表示パネルの縁部により近接して設置され、ミリ波アンテナユニット210による表示パネルの表示効果への影響を低減することができる。そしてアンテナ200がタッチ層300に設置される時、ユーザのタッチ表示パネルのエッジ周波数が少なく、ミリ波アンテナアレイユニット210が表示パネルのエッジに近接して設置されるため、それがタッチ効果に与える影響を低減することができる。
【0113】
又は、一部のミリ波アンテナアレイ201は内側コイル101aに直列接続され、他の一部のミリ波アンテナアレイ201は外側コイル101bに直列接続されている。
【0114】
別の実施例において、図17及び図18に示すように、アンテナ200はミリ波アンテナユニット210に接続されたミリ波給電部220をさらに含み、ミリ波アンテナユニット210は内側コイル101aに接続されている。ミリ波アンテナユニット210は、内側コイル101a、外側コイル101bと同層に設けられていてもよい。ミリ波給電部220の少なくとも一部は、外側コイル101bと異なる層に設けられている。ミリ波アンテナユニット210が内側コイル101aに接続されている場合、ミリ波給電部220と外側コイル101bには交差があり、ミリ波給電部220の少なくとも一部が外側コイル101bと異なる層に設置されることでミリ波給電部220と外側コイル101bが互いに絶縁することを保証することができる。
【0115】
選択可能的に、ミリ波給電部220は第1の伝導部221、第2の伝導部222及び第1の伝導部221と第2の伝導部222との間に接続されたブリッジ223を含み、第1の伝導部221、第2の伝導部222及び外側コイル101bは同層に設置され、ブリッジ223及び外側コイル101bは異なる層に跨って設置され、ミリ波給電部220と外側コイル101bが互いに絶縁することを保証する。
【0116】
別の実施例において、ミリ波給電部220の全体は外側コイル101bと異なる層に設置されてもよい。
【0117】
好ましくは、回路構造100及びアンテナ200がタッチ層300に設置される場合、タッチ層300は同層に設置された第1のタッチ電極及び第2のタッチ電極を含み、隣接する第1のタッチ電極の接続部分が第1のタッチ電極と同層に設置される場合、隣接する第2のタッチ電極はブリッジを介して互いに接続する必要があり、ブリッジは第2のタッチ電極と異なる層に設置される。選択可能的に、ブリッジ223はタッチ層300のブリッジと同層に設置することができるので、表示パネルの層数をさらに減少させ、表示パネルをより薄型化する。
【0118】
選択可能的に、図16及び図17に示すように、内側コイル101aと外側コイル101bは互いに離間して互いに並列に設置され、内側コイル101aと外側コイル101bは互いに独立して設置され、内側コイル101aと外側コイル101bはいずれも第1の接続端110と第2の接続端120との間に接続されている。
【0119】
選択可能的に、図19に示すように、コイル本体130は互いに直列接続され且つ螺旋状に設置される。
【0120】
内側コイル101aと外側コイル101bは螺旋状コイルの内側コイル部分と外側コイル部分であってもよく、すなわち内側コイル101aと外側コイル101bは互いに直列に設置される。
【0121】
内側コイル101a及び外側コイル101bが螺旋状コイルである場合、第1の給電端110及び第2の給電端120の少なくとも一つはコイルの一部と重なり、第1の接続端110及び第2の接続端120の少なくとも一つはコイル本体130の一部と異なる層に設置されてもよい。
【0122】
図19及び図20に示すように、本願の実施例は第1の接続端110とコイル本体130の一部が重なってそれと異なる層に設置されることを例として挙げて説明する。コイル本体130が複数周に設置される場合、第1の接続端110の延在経路において、第1の接続端110は複数周のコイル本体130と重なって設置されてもよい。図19に示すように、第1の接続端110はコイル本体130と重なるように設置される。
【0123】
選択可能的に、図20に示すように、第1の接続端110は本体130の両側に位置する第1のセグメント111と第2のセグメント112、及び第1のセグメント111及び第2のセグメント112を接続する橋架部113を含み、橋架部113及び本体130は異なる層に設置され、且つ橋架部113と本体130との間に絶縁層が設置される。
【0124】
選択可能的に、回路構造100がタッチ層300に設置される場合、橋架部113はタッチ電極に接続されているブリッジと同層に設置することができる。
【0125】
選択可能的に、図21に示すように、複数のコイルは第1のコイル101e及び第2のコイル101fを含み、第1のコイル101e及び第2のコイル101fはいずれも第1の接続端110と第2の接続端120との間に接続されている。第1のコイル101eの一部は第2のコイル101fの無線通信構造の中心から遠い側に位置し、第2のコイル101fの一部は第1のコイル101eの無線通信構造の中心から遠い側に位置する。ミリ波アンテナユニット210は、第1のコイル101e及び/又は第2のコイル101fに接続されてもよい。
【0126】
図21に示すように、第1のコイル101eの頂部は第2のコイル101fの頂部内に位置し、第1のコイル101eの側部は第2のコイル101fの側部の外部に位置する。このように第1のコイル101eと第2のコイル101fの長さをよりよく近接させるか又は同じにすることにより、同一周波数帯内の電流を第1のコイル101e及び第2のコイル101fに流させる。
【0127】
いくつかの選択可能的な実施例において、図22に示すように、複数のコイルは結合式コイル101c及び直接給電直接給電式コイル101dを含み、直接給電式コイル101dは第1の接続端110と第2の接続端120との間に接続され、結合式コイル101cは直接給電式コイル101dの横側に離間して設置される。結合式コイル101cは直接給電式コイル101dに結合して接続され、すなわち結合式コイル101cは他のコイル(直接給電式コイル101dを含む)と直接接続関係を生成せず、結合式コイル101cは直接給電式コイル101dと結合して信号を生成するためである。
【0128】
コイル本体130が結合式コイル101c及び直接給電式コイル101dを含む場合、ミリ波アンテナユニット210は結合式コイル101c及び/又は直接給電式コイル101dに接続されてもよい。例えば、図22に示すように、結合式コイル101cは直接給電式コイル101dの無線通信構造の中心から離れる側に位置し、ミリ波アンテナユニット210は結合式コイル101cに接続されている。
【0129】
これらの選択可能的な実施例において、無線通信構造が表示パネルに用いられる場合、結合式コイル101cは直接給電式コイル101dの表示パネルのエッジに近い側に位置し、ミリ波アンテナユニット210は結合式コイル101cに接続され、ミリ波アンテナユニット210を表示パネルの縁部にさらに近接して設置する。例えばミリ波アンテナユニット210がタッチ層300に設置される場合、ミリ波アンテナユニット210によるタッチ層300のタッチ効果への影響を低減することができる。また、ミリ波アンテナユニット210は表示パネルの縁部に近接して設置されて、表示パネルの中心に近接して設置されず、さらにミリ波アンテナユニット210による表示パネルの表示効果への影響を低減することができる。
【0130】
他の選択可能的な実施例において、図23に示すように、直接給電式コイル101dは結合式コイル101cの無線通信構造の中心から離れる側に位置し、ミリ波アンテナユニット210は直接給電式コイル101dに接続されている。無線通信構造が表示パネルに用いられる場合、ミリ波アンテナユニット210は表示パネルの縁部にさらに近接して設置される。
【0131】
また、本願の実施例は結合式コイル101cを設置することにより、回路構造100が無線信号を送受信する性能を向上させることができる。例えば回路構造100がNFCコイルである場合、結合式コイル101cはNFCコイルがNFC周波数帯の無線信号を送受信する性能を強化することができる。
【0132】
いくつかの選択可能的な実施例において、図24に示すように、表示パネルは第1の領域Mと第1の領域Mを取り囲むように設置された第2の領域Nを含み、回路構造100は第2の領域Nに位置する。第2の領域Nは第1の領域Mを取り囲むため、第2の領域Nは表示パネルの縁部にさらに近接して設置され、回路構造100は第2の領域Nに位置し、回路構造100及びアンテナ200の、表示パネルの表示効果への影響を改善することができ、且つ回路構造100及びアンテナ200がタッチ層300に設置される場合、回路構造100及びアンテナ200のタッチ効果への影響を低減することができる。選択可能的に、アンテナ200は第2の領域Nに位置してもよく、又は前記アンテナ200は一部が第1の領域Mに設置されてもよい。
【0133】
第2の領域Nの設置方式は複数種あり、例えば第2の領域Nは表示領域を含むことができ、及び/又は、第2の領域Nは非表示領域を含むことができる。第2の領域Nが非表示領域を含む場合、回路構造100は非表示領域に位置し、回路構造100の表示効果及びタッチ効果への影響をよりよく低減することができる。
【0134】
回路構造100の第1の領域M内での設置方式は様々であり、例えば、図24に示すように、回路構造100は第2の領域N内に第1の領域Mを取り囲んで設置され、回路構造100の延在する長さを長くすることができ、回路構造100のコイル本体130の延在する長さを長くすることにより、目標周波数帯を設計し、周波数帯の無線性能を強化する。
【0135】
選択可能的に、図24に示すように、第1の接続端110と第2の接続端120は互いに近接して設置され、コイル本体130は第1の接続端110により第1の領域Mを囲んで延在した後に第2の接続端120に接続されている。第1の接続端110と第2の接続端120との間の距離が小さく、一方で第1の接続端110と信号を伝送するためのターミナルと第2の接続端120と信号を伝送するためのターミナルを集積して設置しやすく、他方ではコイル本体130の延在する長さを延長して目標周波数帯の設計を実現することができ、周波数帯の無線性能を強化する。
【0136】
いくつかの実施例において、図25に示すように、コイル本体130は折り曲げ経路に沿って延在成形され、同一のコイル本体130は無線通信構造のエッジに近接する方向に重なる第1の延在部130a及び第2の延在部130bを含む。これらの選択可能的に実施例において、コイル本体130は折り曲げ経路に沿って延在し、且つコイル本体130の一部は無線通信構造の縁部に近接する方向に重なって設置され、コイル本体130の延在する長さを増加させることができ、目標周波数帯の設計を実現でき、コイル本体130の無線性能を向上させる。
【0137】
選択可能的に、ミリ波アンテナユニット210は第2の延在部130bに接続されている。無線通信構造が表示パネルに用いられる場合、第2の延在部130bは第1の延在部130aに対してさらに表示パネルの縁部に近く、ミリ波アンテナアレイ201が第2の延在部130bに直列接続されている場合、ミリ波アンテナアレイ201はさらに表示パネルのエッジに近く、ミリ波アンテナアレイ201の、表示パネルのタッチ効果及び表示効果への影響を低減することができる。
【0138】
選択可能的に、図26に示すように、コイル本体130が内側コイル101a及び外側コイル101bを含む場合、第1の延在部130a及び第2の延在部130bはさらに内側コイル101aに設置されてもよく、コイル本体130の延在する長さを増加させることができ、それにより目標周波数帯の設計を実現し、コイル本体130の信号無線性能を向上させる。
【0139】
選択可能的に、図26に示すように、コイル本体130の少なくとも一部は折り曲げ経路に沿って延在成形され、例えばコイル本体130の少なくとも一部は蛇行経路に沿って連続的に折り曲げ延在成形されることで、コイル本体130の延在する長さを増加させることができ、目標周波数帯の設計を実現し、コイル本体130の信号無線性能を向上させる。
【0140】
いくつかの選択可能的な実施例において、図27に示すように、コイル本体130の少なくとも一部は相互に接続された第1のセグメント130c及び第2のセグメントを含み、すなわちコイル本体130の少なくとも一部は二本の導線で設置され、コイル本体130のインピーダンスを低減することができ、エネルギー損失とインピーダンス不整合によるエネルギー反射を低減するので、コイル本体130の無線性能を向上させる。
【0141】
選択可能的に、ミリ波アンテナユニット210と第1のセグメント130c、第2のセグメントがずれて設置され、すなわちミリ波アンテナアレイ201はコイル本体130の二本の導線部分以外の部分に接続され、ミリ波アンテナアレイ201とコイル本体130との間の接続方式を簡略化することができる。
【0142】
上記のいずれかの実施例において、ミリ波アンテナユニット210は単偏波ミリ波アンテナユニットであってもよい。或いは、図28に示すように、ミリ波アンテナユニット210は二重偏波ミリ波アンテナユニットである。
【0143】
上記のいずれかの実施例において、コイル本体130の異なる部位は同じ層に位置して設置されてもよく、すなわち第1の接続セグメント131、第2の接続セグメント132及び第3の接続セグメント133は同じ層に位置して設置されてもよい。
【0144】
或いは、コイル本体130の異なる部位は異なる層に位置して設けられてもよい。例えば、第1の接続セグメント131、第2の接続セグメント132、及び第3の接続セグメント133の少なくとも両方は、異なる膜層に位置する。第1の接続セグメント131、第2の接続セグメント132及び第3の接続セグメント133の少なくとも一つの異なる部位は同じ層に位置することができる。或いは第1の接続セグメント131、第2の接続セグメント132及び第3の接続セグメント133のうちの少なくとも一つの異なる部位は異なる層に位置することができ、例えば第1の接続セグメント131の異なる部位は異なる層に位置することができ、第2の接続セグメント132の異なる部位は異なる層に位置することができ、及び/又は、第3の接続セグメント133の異なる部位は異なる層に位置することができる。
【0145】
図29に示すように、図29は第27の実施例における図5のA-Aでの部分断面図である。選択可能的に、第2の接続セグメント132とミリ波アンテナユニット210は同じ層に設置されてもよく、第3の接続セグメント133と第2の接続セグメント132は異なる層に設置される。
【0146】
図30図36に示すように、本願の実施例はさらに無線通信装置を提供し、上記任意の第1の態様の表示パネルを含む。本願の実施例が提供する無線通信装置は上記いずれかの実施例の表示パネルを含むため、本願の実施例が提供する無線通信装置は上記第1の態様のいずれかの実施例の表示パネルを有する有益な効果を有し、ここで説明を省略する。
【0147】
本願の実施例における無線通信装置は携帯電話、無線ウェアラブル装置、パーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant、PDAと略称する)、タブレットコンピュータ、電子ブック、テレビ、ドアアクセスコントローラ、スマート固定電話、コンソールなどの表示機能を有する装置を含むが、それらに限定されない。
【0148】
いくつかの選択可能的な実施例において、図30に示すように、無線通信装置は第1の回路基板400及び第2の回路基板500をさらに含む。第1の回路基板400に第1の伝送線が設置され、第1の伝送線が少なくとも一つのコイル本体130の第1の接続端110及び/又は第2の接続端120に接続する。第2の回路基板500に第2の伝送線が設置され、第1の伝送線がミリ波アンテナユニット210に連通する。
【0149】
選択可能的に、図30に示すように、アンテナ200は少なくとも二つのミリ波アンテナユニット210を含み、二つ以上のミリ波アンテナユニット210はミリ波アンテナアレイ201を構成し、ミリ波アンテナアレイ201の数は複数であり、複数のミリ波アンテナアレイ201はそれぞれ互いに独立した回路基板が対応して設置される。複数のミリ波アンテナアレイ201にそれぞれ対応して設置された回路基板は第2の回路基板500であってもよく、ミリ波アンテナアレイ201は、付近の対応する第2の回路基板500との間で信号伝送を行うことができる。
【0150】
第1の回路基板400と第2の回路基板500の設置方式は様々であり、例えば、第1の回路基板400と第2の回路基板500は互いに別体に設置することができる。
【0151】
いくつかの代替的な実施例において、図30に示すように、第1の回路基板400と第2の回路基板500は一体に設置され、無線通信装置の構成を簡略化することができる。
【0152】
選択可能的に、無線通信装置は第1の集積回路をさらに含み、第1の集積回路は第1の伝送線により第1の接続端110及び/又は第2の接続端120に接続する。第1の集積回路の設置位置は様々であり、第1の集積回路は第1の回路基板400に設置されてもよく、又は第1の集積回路は無線通信装置のPCB(Printed Circuit Board、プリント回路基板)に直接設置されてもよい。
【0153】
選択可能的に、無線通信装置は第2の集積回路510をさらに含み、第2の集積回路510は第2の伝送線によりミリ波アンテナユニット210に接続する。第2の集積回路510の設置位置は様々であり、第2の集積回路510は第2の回路基板500に設置されてもよく、又は第2の集積回路510は無線通信装置のPCBに直接設置されてもよい。
【0154】
本願の実施例は第1の集積回路が無線通信装置のPCBに設置され、第2の集積回路510が第2の回路基板500に設置される例を挙げて説明する。
【0155】
回路構造100がNFCコイルである場合、第1の集積回路はNFC無線周波数集積回路である。第2の集積回路510がミリ波アンテナユニット210に接続する場合、第2の集積回路510はミリ波無線周波数集積回路である。ミリ波無線周波数回路のフィルタリングと周波数選択性のため、NFC周波数帯の電流と他の非ミリ波帯の電流はミリ波無線周波数回路の大きな遮断を受けるため、NFC周波数帯の信号と他の非ミリ波帯の信号はミリ波無線周波数回路の性能に明らかな影響を与えないため、ミリ波無線周波数回路の性能は良い保障を得ることができる。
【0156】
選択可能的に、ミリ波アンテナアレイ201の数が複数である場合、第2の回路基板500及び第2の集積回路510の個数は複数であり、各第2の集積回路510はそれぞれ各第2の回路基板500上の第2の伝送線により各ミリ波アンテナアレイ201と互いに接続する。複数の第2の回路基板500は互いに別体に設置されてもよく、第1の回路基板400はいずれかの第2の回路基板500と一体に設置されてもよい。又は複数の第2の回路基板500は一体に設置されてもよく、すなわち第1の回路基板400は複数の第2の回路基板500と一体に設置され、無線通信装置の構成をさらに簡略化することができる。
【0157】
いくつかの選択可能的な実施例において、無線通信装置は第1の接続座420及び第2の接続座520をさらに含み、第1の接続座420は第1の回路基板400に設置されかつ第1の回路基板400上の第1の伝送線に接続し、第1の集積回路を第1の接続座420によりコイル本体130と相互に接続させるために用いられる。第2の接続座520は第2の回路基板500に設置されかつ第2の回路基板500上の第2の集積回路510に接続し、第2の集積回路510と無線通信装置のPCBとの間に信号伝送を行うために用いられる。
【0158】
即ち、第1の集積回路が無線通信装置のPCBに設置され、第2の集積回路510が第2の回路基板500に設置される場合、第1の接続座420はコイル本体130と第1の集積回路との接続を実現するために用いられ、第2の接続座520は第2の集積回路510と無線通信装置PCBとの間の接続を実現するために用いられる。
【0159】
第1の接続座420と第2の接続座520の設置方式は様々であり、例えば、第1の回路基板400と第2の回路基板500が別体で設置される場合、第1の接続座420と第2の接続座520は別体に設置される。
【0160】
いくつかの選択可能的な実施例において、図30に示すように、第1の回路基板400と第2の回路基板500が一体に設置される場合、第1の接続座420と第2の接続座520が一体に設置され、無線通信装置の構成をさらに簡略化することができる。
【0161】
いくつかの選択可能的な実施例において、図31に示すように、アンテナ200は非ミリ波アンテナ202をさらに含む。例えば、少なくとも一つのミリ波アンテナユニット210は非ミリ波アンテナ202の一部に多重化される。無線通信装置は第3の回路基板600をさらに含み、第3の回路基板600に第3の伝送線が設置され、第3の伝送線が非ミリ波アンテナ202に接続する。
【0162】
第3の回路基板600、第2の回路基板500及び第1の回路基板400のうちの少なくとも両方は一体に設けられることで、無線通信装置の構成を簡略化する。ミリ波アンテナアレイ201が複数ある場合、第2の回路基板500は複数あり、第3の回路基板600、第1の回路基板400のうちの少なくとも一つは少なくとも一つの第2の回路基板500と一体成形して設置することができる。
【0163】
選択可能的に、無線通信装置は第3の接続座620をさらに含み、第3の接続座620は第3の回路基板600に設置されかつ第3の伝送線に接続する。選択可能的に、第3の回路基板600は第3の集積回路610をさらに含み、第3の接続座620は第3の集積回路610に接続し且つ第3の集積回路610を無線通信装置のPCBに接続させるために用いられる。
【0164】
第3の集積回路610は非ミリ波アンテナ202に接続するので、第3の集積回路610は非ミリ波無線周波数集積回路である。非ミリ波無線周波数集積回路とNFC無線周波数集積回路はいずれもフィルタリングと周波数選択性を有するため、他の非ミリ波帯の信号はNFC無線周波数集積回路に明らかな影響を与えず、又はNFC信号は他の非ミリ波帯の無線周波数集積回路に明らかな影響を与えない。従って、NFC又は他の非ミリ波帯無線周波数集積回路の性能は良い保障を得ることができる。
【0165】
同じ理由で、第3の集積回路610は非ミリ波無線周波数集積回路であり、第2の集積回路510はミリ波無線周波数集積回路であり、第1の集積回路410は非NFC無線周波数集積回路であり、NFC無線周波数回路のフィルタリングと周波数選択性のため、ミリ波帯と非ミリ波帯の信号はNFCの無線周波数集積回路性能に明らかな影響を与えない。
【0166】
無線通信装置は第1の接続座420、第2の接続座520及び第3の接続座620の三つの種類の異なるタイプの接続座を含む場合、第1の接続座420、第2の接続座520及び第3の接続座620のうちの少なくとも両方が一体的に設置されることで、無線通信装置の構成を簡略化する。ミリ波アンテナアレイ201が複数ある場合、第2の接続座520は複数あり、第3の接続座620、第1の接続座420は少なくとも一つの第2の接続座520と一体成形して設置することができる。
【0167】
選択可能的に、図31に示すように、第1の回路基板400、そのうちの一つの第2の回路基板500及び第3の回路基板600が一体に設置され、且つ第1の接続座420、そのうちの一つの第2の接続座520及び第3の接続座620が一体的に設置され、無線通信装置の構成を可能な限り簡略化する。
【0168】
図32に示すように、本願の実施例が提供する無線通信装置は表示パネルを含み、表示パネルに回路構造100及びアンテナ200が設置され、アンテナ200はミリ波アンテナユニット210及び非ミリ波アンテナ202を含み、ミリ波アンテナユニット210及び非ミリ波アンテナ202はいずれも回路構造100に接続されている。ミリ波アンテナユニット210とミリ波給電部220とは、互いに接続されている。複数のミリ波アンテナユニット210は、ミリ波アンテナアレイ201を組み合わせて構成される。非ミリ波アンテナ202は第1の部分2021及び第2の部分2022を含み、第1の部分2021の少なくとも一部は少なくとも一つのミリ波アンテナユニット210により多重化されて形成され、第2の部分2022は非ミリ波アンテナアレイ202の給電部である。
【0169】
図33図34に示すように、無線通信装置は第1の回路基板400、第2の回路基板500及び第3の回路基板600をさらに含み、第1の回路基板400に第1の接続座420が設置され、第1の接続座420は回路構造100と相互に接続するために用いられる。第2の回路基板500に第2の集積回路510及び第2の接続座520が設置され、第3の回路基板600に第3の集積回路610及び第3の接続座620が設置される。本願の実施例は第2の回路基板500と第3の回路基板600との一体成形、及び第2の接続座520と第3の接続座620との一体成形を例に挙げて説明する。
【0170】
他の実施例において、図34に示すように、第1の回路基板400、第2の回路基板500及び第3の回路基板600は一体成形されてもよく、第1の接続座420、第2の接続座520及び第3の接続座620は一体成形されてもよい。
【0171】
図35及び図36に示すように、無線通信装置は基板700をさらに含み、回路構造100及びアンテナ200がタッチ層300に設置され、且つタッチ層300が基板700に設置される。図35に示すように、第2の回路基板500及び第3の回路基板600は無線通信装置の非表示領域に設置されてもよい。或いは、図36に示すように、第2の回路基板500及び第3の回路基板600はフレキシブル回路基板であり、第2の集積回路510及び第3の集積回路610はチップオンフィルム(Chip On Film、COF)プロセスを利用して第2の回路基板500及び第3の回路基板600にバインドすることができ、第2の回路基板500及び第3の回路基板600は無線通信装置の非表示側に折り曲げられる。
【0172】
別の選択可能的な実施例において、第1の回路基板400はフレキシブル回路基板であって無線通信装置の非表示側に折り曲げられてもよい。
【0173】
第1の回路基板400、第2の回路基板500及び第3の回路基板600が一体成形される場合、第2の集積回路510及び第3の集積回路610は共通にCOFプロセスを利用して同一な回路基板にバインドすることができる。
【0174】
上記のいずれかの実施例において、回路構造100、ミリ波アンテナアレイ201及び非ミリ波アンテナ202はいずれも無線通信に用いられ、無線通信はいずれも対応する周波数帯を有する。回路構造100は結合部及び給電部を含むことができ、非ミリ波アンテナ202は放射部及び給電部を含む。例えば、コイル本体130は、回路構造100の結合部である。第1の接続端110及び第2の接続端120は、回路構造100の給電部である。回路構造100は、近距離無線通信であってもよい。
【0175】
選択可能的に、ミリ波アンテナアレイ201と非ミリ波アンテナ202の伝送周波数が異なる。例えば、現在の一般的な移動無線通信ミリ波帯の周波数は24.25GHzより高く、すなわちミリ波アンテナアレイ201は送受信周波数が24.25GHz無線信号より高いアンテナアレイを指す。
【0176】
例えば、現在の一般的な移動無線通信の非ミリ波帯の周波数は410MHzより高く7.125GHzより低く、すなわち非ミリ波アンテナ202は送受信周波数が410MHzより高く7.125GHz無線信号より低いアンテナを指す。コイル本体130は結合式で無線信号を伝送し、コイル本体130が無線信号と結合する周波数は410MHzより低くてもよい。
【0177】
上記のいずれかの実施例において、選択可能的に、ミリ波アンテナアレイ201と非ミリ波アンテナ202は移動無線通信のアンテナである。すなわち、ミリ波アンテナアレイ201および非ミリ波アンテナ202は、いずれも移動無線通信に用いられる。
【0178】
移動無線通信における非ミリ波アンテナの通信周波数帯410MHz~7.125GHz、本明細書における非ミリ波アンテナ202は一般的にはこの移動無線通信の非ミリ波帯のアンテナ(5G及びその前の世代のセルラーアンテナ、WLANアンテナ、ブルートゥースアンテナ、GNSSアンテナ等を含む)を指す。
【0179】
回路構造100は例えばNFCコイルであり、NFCコイルの通信周波数帯は例えば13.56MHzである。又は回路構造100は例えばWPCコイルであり、一般的なWPCコイル通信周波数帯は例えば100kHz以上である。NFCコイルとWPCコイルは非移動無線通信に応用される結合コイル(現在のNFCコイルとWPCコイルが通信相手装置と一定の空間位置合わせを行う必要がある)である。
【0180】
選択可能的に、回路構造100は、放送周波数変調(Frequency Modulation、FM)コイルをさらに含み、一般的なFMの周波数帯は87MHz~108MHzであり、FMコイルは非移動通信の遠距離無線アプリケーションである。
【0181】
好ましい実施例を参照して本願を説明したが、本願の範囲から逸脱することなく、それに様々な改良を行うことができかつ等価物でその中の部材を取り替えることができる。特に、構成衝突が存在しない限り、各実施例に言及された各技術的特徴はいずれも任意の方式で組み合わせることができる。本願は本明細書に開示された特定の実施例に限定されるものではなく、請求の範囲内に属する全ての技術案を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図20
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図30
図31
図32
図33
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図35
図36
図37
【手続補正書】
【提出日】2023-01-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の接続端、第2の接続端、及び少なくとも一部が前記第1の接続端と前記第2の接続端との間に接続されている、結合方式により非ミリ波帯の無線信号を送受信するコイル本体を有し、非ミリ波帯の無線信号を送受信するために用いられる回路構造と、
ミリ波帯無線信号を送受信するための、少なくとも一つが前記コイル本体に接続されているミリ波アンテナユニットを有するアンテナと、
を備え
前記アンテナは、少なくとも二つのミリ波アンテナユニットを備え、
二つ以上の前記ミリ波アンテナユニットはミリ波アンテナアレイを構成し、
前記ミリ波アンテナアレイにおける二つ以上の前記ミリ波アンテナユニットは、前記第1の接続端と前記ミリ波アンテナアレイとの間に接続されている第1の接続セグメントと、前記ミリ波アンテナアレイと前記第2の接続端との間に接続されている第2の接続セグメントと、前記ミリ波アンテナアレイにおける隣接する二つの前記ミリ波アンテナユニットの間に接続されている第3の接続セグメントとを有する前記コイル本体に接続されていて、
前記アンテナは、非ミリ波帯無線信号を送受信するための、前記コイル本体に接続されている非ミリ波アンテナをさらに有する
ことを特徴とする無線通信構造。
【請求項2】
前記ミリ波アンテナアレイの数は複数であり、
前記第1の接続セグメントは、一つの前記ミリ波アンテナアレイと前記第1の接続端との間に接続され、
前記第2の接続セグメントは、二つの前記ミリ波アンテナアレイの間に接続されている第1のサブセグメントと、その他の一つの前記ミリ波アンテナアレイと前記第2の接続端との間に接続されている第2のサブセグメントとを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信構造。
【請求項3】
前記ミリ波アンテナユニットはミリ波導線を有し、
前記第1の接続セグメント、前記第2の接続セグメント、前記第3の接続セグメントの三つの少なくとも一つの線幅は前記ミリ波導線の線幅以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信構造。
【請求項4】
少なくとも一つの前記ミリ波アンテナユニットは前記非ミリ波アンテナの一部として多重化される、
ことを特徴とする請求項に記載の無線通信構造。
【請求項5】
前記コイル本体に、さらに、前記回路構造により送受信される信号電流を通過させ、且つ前記非ミリ波アンテナにより送受信される非ミリ波帯無線信号電流を遮断するための遮断部が設置されている、
ことを特徴とする請求項に記載の無線通信構造。
【請求項6】
前記遮断部は少なくとも二つ設置され、
少なくとも二つの前記遮断部は前記コイル本体に間隔を置いて分布している、
ことを特徴とする請求項に記載の無線通信構造。
【請求項7】
前記コイル本体は複数のコイルを含み、
前記ミリ波アンテナユニットは少なくとも一つの前記コイルに接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信構造。
【請求項8】
複数の前記コイルは、内側コイル及び外側コイルを有し、
前記内側コイル及び外側コイルは、いずれも前記第1の接続端と前記第2の接続端との間に接続され、
前記外側コイルは、前記内側コイルの前記無線通信構造の中心から離れている側に位置し、
前記ミリ波アンテナユニットは前記外側コイルに接続される、或いは、前記ミリ波アンテナユニットは前記内側コイルに接続され、
前記アンテナは前記ミリ波アンテナユニットに接続されているミリ波給電部をさらに有し、前記ミリ波給電部の少なくとも一部は前記外側コイルと異なる層に設置されている、
ことを特徴とする請求項に記載の無線通信構造。
【請求項9】
複数の前記コイルは互いに直列接続され且つ螺旋状に設置されている、
ことを特徴とする請求項に記載の無線通信構造。
【請求項10】
複数の前記コイルは第1のコイルと第2のコイルを有し、
前記第1のコイルと前記第2のコイルはいずれも前記第1の接続端と前記第2の接続端との間に接続され、
前記第1のコイルの一部は、前記第2のコイルの前記無線通信構造の中心から離れている側に位置し、かつ前記第2のコイルの一部は、前記第1のコイルの前記無線通信構造の中心から離れている側に位置し、
前記ミリ波アンテナユニットは前記第1のコイル又は前記第2のコイルに接続されている、
ことを特徴とする請求項に記載の無線通信構造。
【請求項11】
複数の前記コイルは、前記第1の接続端と前記第2の接続端との間に接続されている直接給電式コイルと、前記直接給電式コイルの隣に間隔を置いて結合的に設置されている結合式コイルとを有し、
前記ミリ波アンテナアレイは前記結合式コイル又は前記直接給電式コイルに接続されている、
ことを特徴とする請求項に記載の無線通信構造。
【請求項12】
前記回路構造は、NFC(Near Field Communication)コイル、無線充電(Wireless Power Charging、WPC)コイル、LTE(Long Term Evolution)コイル、GNSS(Global Navigation Satellite System)コイル、WLAN(Wireless local Area Network)コイル、BT(Bluetooth)コイル及び周波数変調(Frequency Modulation、FM)コイル等のうちの少なくとも一つを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信構造。
【請求項13】
請求項に記載の無線通信構造を含み、
格子状の金属配線を有するタッチ層をさらに有し、
前記回路構造と前記アンテナはいずれも前記タッチ層に位置する、
ことを特徴とする表示パネル。
【請求項14】
前記表示パネルは、表示領域である第1の領域と、表示領域及び/又は非表示領域を有し且つ前記第1の領域を囲んで設置されている第2の領域とを備え、
前記回路構造は第2の領域に位置し、
前記コイル本体は前記第2の領域内に前記第1の領域を囲んで設置されている、
ことを特徴とする請求項13に記載の表示パネル。
【請求項15】
請求項13に記載の表示パネルを有し、
前記アンテナは少なくとも二つのミリ波アンテナユニットを備え、
二つ以上の前記ミリ波アンテナユニットはミリ波アンテナアレイを構成し、
前記ミリ波アンテナアレイの数は複数であり、
複数の前記ミリ波アンテナアレイには、互いに独立した回路基板がそれぞれ対応して設置されている、
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項16】
第1の回路基板と前記第1の回路基板に設けられている第1の伝送線とをさらに有し、前記第1の伝送線は前記回路構造の前記第1の接続端及び/又は前記第2の接続端と連通し、
第2の回路基板と前記第2の回路基板に設けられている第2の伝送線とをさらに有し、前記第2の伝送線は前記ミリ波アンテナユニットと連通し、
前記第1の回路基板と前記第2の回路基板とは一体に設けられている、
ことを特徴とする請求項15に記載の無線通信装置。
【請求項17】
前記第1の回路基板に第1の接続座がさらに設置され、前記第1の伝送線は前記第1の接続座に接続され、
前記第2の回路基板に第2の接続座がさらに設置され、前記第2の伝送線は前記第2の接続座に接続され、
前記第1の接続座と前記第2の接続座とは一体に設けられている、
ことを特徴とする請求項16に記載の無線通信装置。
【請求項18】
前記アンテナは、非ミリ波帯無線信号を送受信するための非ミリ波アンテナをさらに有し、
前記無線通信装置は、第3の回路基板と、前記第3の回路基板に設けられ、前記非ミリ波アンテナと連通している第3の伝送線とをさらに有し、
前記第1の回路基板、前記第2の回路基板及び前記第3の回路基板は一体に設けられ、
前記第3の回路基板に第3の接続座がさらに設置され、前記第3の伝送線は前記第3の接続座に接続され、前記第1の接続座、前記第2の接続座及び前記第3の接続座の三者は一体に設けられている、
ことを特徴とする請求項17に記載の無線通信装置。