(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161065
(43)【公開日】2023-11-06
(54)【発明の名称】液体加熱容器
(51)【国際特許分類】
A47J 27/21 20060101AFI20231027BHJP
【FI】
A47J27/21 101Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004363
(22)【出願日】2023-01-16
(31)【優先権主張番号】202221041323.1
(32)【優先日】2022-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】518198750
【氏名又は名称】ゼジアン シャオシン スーポア ドメスティック エレクトリカル アプライアンス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェンミン メイ
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA34
4B055BA03
4B055BA04
4B055CA26
4B055CA73
4B055CB07
4B055CB17
4B055CC28
(57)【要約】 (修正有)
【課題】通気通路内で容易に凝縮して凝縮水を形成せず、過度に長い通路内での蒸気凝縮によって引き起こされる飲料水の衛生を確保した液体加熱容器を提供する。
【解決手段】液体加熱容器は、容器本体、蓋組立体、及び圧力開放通路制御組立体を含む。容器本体は、その上部に開口部を備え、蓋組立体は、開口部を覆い、内部に、蒸気圧力開放に使用される蒸気圧力開放チャンバを備える。圧力開放通路制御組立体は、蒸気圧力開放チャンバの内部に配置され、2つの通気通路423が内部に形成される通路シェルと、各通気通路423の内部にそれぞれ配置される可動シーリング部材60とを備える。各通気通路423は、通気通路423の底壁に配置され、通気通路423を容器本体の内側チャンバと連通させる蒸気入口421と、通気通路423の頂壁に配置され、通気通路423を蒸気圧力開放チャンバと連通させる蒸気出口とを含む。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体加熱容器であって、
その頂部に開口部を有する容器本体(10)と、
前記開口部を覆い、内部に蒸気圧力開放に使用される蒸気圧力開放チャンバが設けられた蓋組立体(20)と、
内部に前記蒸気圧力開放チャンバが設けられ、2つの通気通路(423)が内部に形成され、可動シーリング部材(60)が各通気通路(423)の内部にそれぞれ配置された通路シェル(40)を備える圧力開放通路制御組立体であって、各通気通路(423)は、前記通気通路(423)の底壁に配置され、前記通気通路(423)を前記容器本体(10)の内部チャンバと連通させている蒸気入口(421)と、前記通気通路(423)の頂壁に配置され、前記通気通路(423)を前記蒸気圧力開放チャンバと連通させている蒸気出口(411)と、を備え、前記蒸気出口(411)および前記蒸気入口(421)は、互いに連通し、前記通気通路(423)の延在方向の同じ端部において位置し、互いに相対的に近接する、圧力開放通路制御組立体と、を備え、
前記液体加熱容器が転倒状態のとき、より低い位置に位置する前記通気通路(423)の前記可動シーリング部材(60)は、より低い位置に位置する前記通気通路(423)を閉鎖可能である一方、より高い位置に位置する前記通気通路(423)の前記可動シーリング部材(60)は、より高い位置に位置する前記通気通路(423)を開放可能であることを特徴とする液体加熱容器。
【請求項2】
互いに対向して配置された注水開口部(11)およびハンドル部(50)をさらに備え、前記2つの通気通路(423)の第1の端部は、前記ハンドル部(50)の方へ延在し、互いに接続しており、前記2つの通気通路(423)の第2の端部は、それぞれ異なる方向へ延在し、互いに離れており、前記2つの通気通路(423)は、前記注水開口部(11)と前記ハンドル部(50)とを接続する線に対して対称に配置され、前記蒸気出口(411)および前記蒸気入口(421)は、対になって配置され、前記各通気通路(423)の前記第2の端部において位置することを特徴とする請求項1に記載の液体加熱容器。
【請求項3】
各通気通路(423)は、仕切り壁(424)をさらに備え、前記仕切り壁(424)は、前記通気通路(423)の長さ方向に延在し、平行であって互いに連通している第1の通路溝(4231)と第2の通路溝(4232)とに分割しており、前記蒸気入口(421)は、前記第2の通路溝(4232)の底壁に配置され、前記蒸気出口(411)は、前記第1の通路溝(4231)の頂壁に位置することを特徴とする請求項2に記載の液体加熱容器。
【請求項4】
前記可動シーリング部材(60)は、前記第1の通路溝(4231)に配置され、前記第1の通路溝(4231)の前記第1の端部と前記第2の端部との間を回ることが可能であるボールであり、前記ボールは、前記ボールが前記第1の通路溝(4231)の前記第2の端部へ回るとき、前記蒸気出口(411)をブロックすることが可能であり、前記蒸気出口(411)および前記蒸気入口(421)は、前記ボールが前記第1の通路溝(4231)の前記第1の端部へ回るとき、連通していることを特徴とする請求項3に記載の液体加熱容器。
【請求項5】
前記液体加熱容器の高さ方向において、前記第1の通路溝(4231)の前記第1の端部における底壁は、前記第1の通路溝(4231)の前記第2の端部における底壁の高さよりも小さい高さを有し、前記仕切り壁(424)は、前記第1の通路溝(4231)の高さよりも小さい高さを有し、前記2つの通気通路(423)の前記第1の端部は、互いに連通していることを特徴とする請求項4に記載の液体加熱容器。
【請求項6】
前記通路シェル(40)は、
前記蒸気出口(411)が貫通して配置された上部プレート(41)と、
前記上部プレート(41)よりも下方に配置され、前記上部プレート(41)と囲んで前記通路シェル(40)を形成する下部プレート(42)であって、前記蒸気入口(421)は前記下部プレート(42)を貫通して配置され、前記2つの通気通路(423)は互いに接続してL形状を形成する、下部プレート(42)と
を備えることを特徴とする請求項5に記載の液体加熱容器。
【請求項7】
前記仕切り壁(424)は、前記下部プレート(42)の上面において形成され、前記仕切り壁(424)の上端部は、前記上部プレート(41)の下面から予め設定された距離があり、および/または、前記仕切り壁(424)は、前記上部プレート(41)の下面において形成され、前記仕切り壁(424)の下端部は、前記下部プレート(42)の上面から予め設定された距離があり、前記第1の通路溝(4231)は、前記通気通路(423)の前記第1の端部において開口部を有し、前記ボールは、前記予め設定された距離よりも大きいまたは等しい直径であって、前記第1の通路溝(4231)の前記開口部の幅よりも大きい直径を有し、および/または、
前記仕切り壁(424)には、前記第1の通路溝と前記第2の通路溝とを連通させる貫通孔が設けられ、前記貫通孔は、前記蒸気入口(421)に近接するように配置され、前記ボールは、前記貫通孔の直径よりも大きいまたは等しい直径であって、前記第1の通路溝(4231)の前記開口部の幅よりも大きい直径を有することを特徴とする請求項6に記載の液体加熱容器。
【請求項8】
前記蓋組立体(20)は、前記蒸気圧力開放チャンバを囲む天蓋(22)および底蓋(21)を備え、前記底蓋(21)には、前記容器本体(10)の前記内部チャンバと前記蒸気圧力開放チャンバとを連通させる蒸気連通開口部(211)が設けられ、前記蒸気連通開口部(211)は、前記蒸気入口(421)と接続されていることを特徴とする請求項1に記載の液体加熱容器。
【請求項9】
前記蓋組立体(20)の底壁は、前記容器本体(10)の前記内部チャンバと前記蒸気圧力開放チャンバとを連通させる通気柱(212)をさらに備え、前記下部プレート(42)には、前記ハンドル部(50)に近接する位置に位置する通気柱接続開口部(422)が設けられ、前記通気柱(212)は、前記通気柱接続開口部(422)を貫通しており、前記通気通路(423)へ向かって延在し、前記液体加熱容器は、前記通気柱(212)の位置に対応する場所において前記上部プレート(41)に移動可能に取り付けられる圧力開放弁(70)をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の液体加熱容器。
【請求項10】
前記蓋組立体(20)には、蒸気排出開口部(221)がさらに設けられ、前記液体加熱容器は、前記ハンドル部(50)内に配置された蒸気排出通路をさらに備え、前記蒸気排出開口部(221)は、前記蒸気圧力開放チャンバと前記蒸気排出通路の上端とを連通し、前記蒸気排出通路の下端は、前記液体加熱容器の底へ延在することを特徴とする請求項3に記載の液体加熱容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、家電製品、特に液体加熱容器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
転倒対策された(anti-toppling)液体加熱容器は、液体を加熱するときに大量の蒸気を生成し、ケトル本体内の圧力を急激に増加させる。使用中は、ケトル内の圧力を開放するために、特定の蒸気出口を設ける必要がある。転倒時には、液体が大量に流出するのを防ぐだけでなく、爆発の危険を防ぐために蒸気を適時排出する必要がある。
【0003】
したがって、上述の危険を防止するために、公開番号CN112823723Aの出願は、排気ライン3を開示する。
図1に示されるように、排気ライン3は、入口パイプ31、接続パイプ32、シーリングパイプ33、及び排気パイプ34を含み、接続パイプ32の一端は、入口パイプ31に接続され、入口パイプ31と連通しており、シーリングパイプ33は、第1のシーリングパイプセクション331及び互いに接続され、連通している第2のシーリングパイプセクション332を含み、接続パイプ32の他端は、第1のシーリングパイプセクション331に接続され、連通しており、第2のシーリングパイプセクション332の他端は、排気パイプ34に接続され、連通しており、転倒シーリング部材は、第2のシーリングパイプセクション332に設けられ、重力の影響を受けて第2のシーリングパイプセクション332内を移動し、排気パイプ34を遮断することができる。容器を加熱に使用すると、排気ライン3を介して蒸気を排出することができる。容器が転倒すると、転倒したときにケトル本体内の液体が流出するのを防ぐために入口端部311がケトル本体内の液体のレベルの下に位置する排気ライン3を閉じ、転倒したときに揚荷を確実にするために入口端部311がケトル本体内の液体のレベルの上に位置する排気ライン3を開くことができる。
【0004】
しかしながら、このような液体加熱容器の蒸気出口は、入口パイプ31の入口端部311に接続され、排気ライン3全体は、その排気パイプ34の出口端341を介して空気を排出する。蒸気の流路は、排気ラインの延在方向に沿っており、比較的長い。したがって、排気ライン3内の蒸気凝縮によって形成される凝縮水は避けられない。長期間使用すると、排気ラインに凝縮水が溜まり、飲料水の衛生上の問題が発生しやすくなる。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本出願の目的は、蒸気が圧力開放通路制御組立体の通気通路内に比較的短い流路を有し、通気通路内で容易に凝縮して凝縮水を形成しない、過度に長い通路内での蒸気凝縮によって引き起こされる飲料水の衛生上の問題を解決するための液体加熱容器を提供することである。
【0006】
本出願の第1の態様によれば、容器本体、蓋組立体、及び圧力開放通路制御組立体を含む液体加熱容器が提供される。容器本体は、その頂部に開口部を備え、蓋組立体は、当該開口部を覆い、内部に蒸気圧力開放に使用される蒸気圧力開放チャンバを備え、圧力開放通路制御組立体は、蒸気圧力開放チャンバ内に配置され、内部に2つの通気通路が形成され、各通気通路内にそれぞれ配置された可動シーリング部材(mobile sealing member)を含み、各通気通路は、通気通路の底壁に配置され、容器本体の内側チャンバと連通する蒸気入口と、通気通路の頂壁に配置され、蒸気圧力開放チャンバと連通する蒸気出口とを含み、蒸気出口および蒸気入口は、互いに連通し、通気通路の延在方向に、かつ互いに相対的に近接して配置される。液体加熱容器が転倒状態にあるとき、より低い位置(lower position)に位置する通気通路内の可動シーリング部材は、より低い位置に位置する通気通路を閉じることができ、より高い位置(higher position)に位置する通気通路内の可動シーリング部材は、より高い位置に位置する通気通路を開くことができる。
【0007】
本出願に記載の液体加熱容器により、圧力開放通路制御組立体は、内部に2つの通気通路が形成され、各通気通路内にそれぞれ配置された可動シーリング部材を含む通路シェル(passage shell)であって、各通気通路は、通気通路の底壁に配置され、容器本体の内側チャンバと連通する蒸気入口と、通気通路の頂壁に配置され、蒸気圧力開放チャンバと連通する蒸気出口とを備え、蒸気出口及び蒸気入口は互いに連通し、通気通路の延在方向において同じ端部に位置し、かつ互いに相対的に近接しており、使用時に、容器本体の内側チャンバ内の蒸気は、蒸気入口を介して通気通路に入り、蒸気出口を介して急速に排出され、圧力開放通路制御組立体内に比較的短い流路を有し、圧力開放通路制御組立体から急速に排出され、したがって、蒸気が通気通路内で凝縮水を形成することが困難であり、したがって、長すぎる既存の通路内の蒸気によって容易に形成される凝縮水によって引き起こされる飲料水の衛生問題を解決する。
【0008】
具体的には、液体加熱容器は、互いに対向して配置された注水開口部およびハンドル部をさらに備え、2つの通気通路の第1の端部は、ハンドル部に向かって延在し、互いに接続され、2つの通気通路の第2の端部は、それぞれ異なる方向に向かって、互いに離れて延在し、2つの通気通路は、注水開口部とハンドル部とを結ぶ線に対して対称的に配置され、蒸気出口と蒸気入口は、対になって配置され、それぞれの通気通路の第2の端部に位置する。
【0009】
これらの実施形態では、2つの通気通路が、注水開口部とハンドル部とを接続するラインに対して対称的に配置されているという事実のおかげで、各通気通路は、それぞれの可動シーリング部材の移動に位置上の利点を提供するために、接続ラインに沿って蒸気圧力開放チャンバの両端を可能な限り覆うことができる。このように、転倒の方向に関わらず、重力の影響を受けて、より低い位置に位置する通気通路内の可動シーリング部材は、通気通路を遮断する位置に来るが、より高い位置に位置する通気通路内の可動シーリング部材は、通気通路を開く位置に来るため、トッピング防止状態で液体加熱容器のニーズを満たす。
【0010】
いくつかの実施形態では、各通気通路は、通気通路の長さ方向に延在し、その幅方向に通気通路を、平行で互いに連通する第1の通路溝及び第2の通路溝に分割する仕切り壁をさらに備え、蒸気入口は、第2の通路溝の底壁に配置され、蒸気出口は、第1の通路溝の頂壁に位置する。
【0011】
これらの実施形態では、隔壁が、長さ方向の通気通路を第1の通路溝及び第2の通路溝に分割して連通し、互いに接続し、蒸気出口及び蒸気入口がそれぞれ対応する位置に配置され、蒸気出口及び蒸気入口が異なる溝にオフセット方式で配置されているという事実のおかげで、可動シーリング部材の位置を配置するための利点を提供する。
【0012】
いくつかの実施形態では、可動シーリング部材は、第1の通路溝に配置されたボールであり、第1の通路溝の第1の端部と第2の端部との間で転がることができる。ボールが第1の通路溝の第2の端に転がると、蒸気出口を遮断することができる。ボールが第1の通路溝の第1の端部に転がるとき、蒸気出口および蒸気入口は連通している。
【0013】
これらの実施形態では、ボールは、単純な構造を有し、実現及び製造が容易である可動シーリング部材として使用される。第1の通路溝にボールを配置することにより、ボールが第2の通路溝に配置される溶液と比較して、ボールが蒸気出口の下に位置するため、蒸気が排出されるとき、蒸気は下から蒸気出口をブロックするためにボールを押すことができるので、通気通路をブロックする効果がより良好であることを確認する。
いくつかの実施形態では、液体加熱容器の高さ方向において、第1の通路溝の第1の端部の底壁は、第1の通路溝の第2の端部の底壁よりも小さい高さを有し、仕切り壁は、第1の通路溝よりも小さい高さを有し、2つの通路の第1の端部は、互いに接続され、連通している。
【0014】
具体的には、第1の通路溝の第1の端部には開口部が設けられ、2つの通気通路の第1の通路溝は、開口部を介して互いに接続され、ストッパーは、通信の場所に設けられる。
【0015】
これらの実施形態では、液体加熱容器の高さ方向において、第1の通路溝の第1の端部における底壁の高さが、第1の通路溝の第2の端部における底壁の高さよりも低いことがさらに提供されることにより、容器が通常使用されている場合、第1の端部と第2の端部との間に高さの差があるため、ボールは、その自重の影響下で第1の通路溝の第1の端部に位置し、容器本体の内側チャンバ内の蒸気が蒸気入口を介して通気通路を通過し、蒸気出口を介して蓋組立体の蒸気圧力開放チャンバに排出され、通常の通気及び圧力開放機能を達成することができる。2つの通気通路内の第1の通路溝が互いに連通していることを提供することにより、容器が転倒状態にあるとき、より高い位置に位置する通気通路内の凝縮水または流出水は、重力の影響を受けて、より低い位置に位置する通気通路の第1の通路溝に流れ、仕切り壁を介して対応する第2の通路溝に流れ、蒸気入口を介して容器本体の内側チャンバに戻り、これは、通気通路内に長時間留まる蒸気によって引き起こされる飲料水の衛生上の問題を防止する。また、圧力開放通路制御組立体の全体的な流出水量を低減し、流出性能試験の要件を満たしている。ストッパーを設けることにより、可動シーリング部材の位置を制限することができ、ブロッキング機能が無効になるのを防ぐ。
【0016】
いくつかの実施形態では、通路シェルは、上部プレートおよび下部プレートを含む。蒸気出口は上部プレートを通って配置され、下部プレートは上部プレートの下に配置され、上部プレートと囲まれて通路シェルを形成し、蒸気入口は下部プレートを通って配置され、2つの通気通路は互いに接続されてL形状を形成する。
【0017】
これらの実施形態では、上部プレートと下部プレートとが組み合わされ、それらの間に通路シェルを形成するために共に囲まれることを提供することにより、構造は単純であり、特定の形態を有する通路シェルは、共に囲まれた上部プレートと下部プレートによって形成され得る。管状通路と比較して、蒸気圧力開放チャンバの内部空間を十分に利用し、適切なサイズの液体加熱容器を形成するために、蒸気圧力開放チャンバのサイズに応じてカスタマイズされた設計を行うことができる。また、ケトル本体内外の圧力差の影響で、蒸気が下から上に向かって飛散する。蒸気出口は、上部プレートを通る蒸気出口及び下部プレート42を通る蒸気入口421を配置し、蒸気出口及び蒸気入口が互いに連通し、かつ互いに相対的に近接していることを提供することによって、蒸気出口及び蒸気入口は、蒸気排出を容易にする方向に配置され、これは、蒸気の排出をより良好に促進し、したがって、通気通路の内部を通過する過剰な長さによる凝縮水の形成を防止する。
【0018】
いくつかの実施形態では、仕切り壁は、下部プレートの上面に形成され、仕切り壁の上端は、上部プレートの下面から予め設定された距離にあり、及び/または仕切り壁は、上部プレートの下面に形成され、仕切り壁の下端は、下部プレートの上面から予め設定された距離にあり、第1の通路溝は、通気通路の第1の端部に開口部を有し、ボールの直径は、予め設定された距離以上であり、第1の通路溝の開口部の幅よりも大きい。
【0019】
これらの実施形態では、仕切り壁の上端が上部プレートの下部表面から予め設定された距離にあること、または仕切り壁の下端が下部プレートの上部表面から予め設定された距離にあることを提供することによって、蒸気は、通気通路内の第1の通路溝及び第2の通路溝を通過することができる。ボールの直径が、予め設定された距離以上であり、第1の通路溝の開口部の幅よりも大きいことを提供することによって、ボールは、第1の通路溝の第1の端部から離脱せず、ブロック機能を無効にし、第1の通路溝から第2の通路溝に移動せず、ブロック機能を弱める。
【0020】
いくつかの実施形態では、仕切り壁には、第1の通路溝及び第2の通路溝を連通させる貫通穴が設けられ、貫通穴は、蒸気入口に近接するように配置され、ボールの直径は、貫通穴の直径よりも大きく、第1の通路溝の開口部の幅よりも大きい。
【0021】
これらの実施形態では、仕切り壁に貫通孔を設けることによって、蒸気は、通気通路内の第1の通路溝および第2の通路溝を通過することができる。ボールの直径が貫通孔の直径よりも大きく、第1の通路溝の開口部の幅よりも大きいことを提供することによって、ボールは、第1の通路溝の第1の端部から離脱してしまい、ブロック機能を無効にし、第1の通路溝から第2の通路溝に移動してしまい、ブロック機能を弱めることになる。
【0022】
いくつかの実施形態では、蓋組立体は、天蓋と、蒸気圧力開放チャンバを囲む底蓋とを備え、底蓋の底壁には、容器本体の内側チャンバと蒸気圧力開放チャンバとを連通させる蒸気連通開口部が設けられ、蒸気連通開口部は蒸気入口に接続される。
【0023】
これらの実施形態では、蓋組立体の底蓋の底壁に、容器本体の内側チャンバと蒸気圧力開放チャンバとを連通させる蒸気連通開口部を提供することにより、圧力開放通路制御組立体の底部壁における蒸気入口との接続の実現が促進される。
【0024】
いくつかの実施形態では、蓋組立体の底壁は、容器本体の内部チャンバと蒸気圧力開放チャンバを連通させる通気柱(venting column)をさらに含み、下部プレートは、ハンドル部に近い位置に位置する通気柱接続開口部を備え、通気柱は、通気柱接続開口部を通過し、通気通路に向かって延在し、液体加熱容器は、通気柱の位置に対応する位置で上部プレート上に移動可能に取り付けられた圧力開放弁をさらに含む。
【0025】
これらの実施形態では、ボールが通気通路を遮断しないときに、容器本体内の空気圧が通常では排出され得るように、通気柱の位置に対応する位置で上部プレート上に圧力開放弁を移動可能に取り付けることによって、圧力開放弁は、補助通気開口部の上端を遮断して、そこから液体が流出するのを防止する。両方の通気路が遮断されると、容器本体内の空気圧が適時に排出されず、その結果増加し続けるため、圧力開放弁は、空気圧の影響下で補助通気開口部の上端から離れて通常の通気を確保し、その後、内部と外部の空気圧のバランスの影響下で、自重の影響下で補助通気開口部の上端を再び遮断する。
【0026】
いくつかの実施形態では、蓋組立体は、蒸気排出開口部をさらに備え、液体加熱容器は、ハンドル部の内側に配置された蒸気排出通路をさらに備え、蒸気排出開口部は、蒸気圧力開放チャンバと蒸気排出通路の上端とを連通して配置し、蒸気排出通路の下端は、液体加熱容器の底部まで延在する。
【0027】
これらの実施形態では、蓋組立体にさらに蒸気排出開口部を提供することにより、蒸気圧力開放チャンバに入る蒸気は、蒸気排出開口部及び蒸気排出通路を介して液体加熱容器の底部に入り、次いで、液体加熱容器から排出されることができ、蒸気の流路全体が使用者と容易に直接接触しないため、使用中に使用者を熱傷するリスクを低減することができる。
【0028】
本出願による液体加熱容器では、容器本体の内側チャンバ内の蒸気が蒸気入口を介して通気通路に入り、蒸気出口を介して急速に排出されることができるという事実により、蒸気は圧力開放通路制御組立体内の比較的短い流路を有し、そこから急速に排出されることができるため、蒸気が通気通路内に凝縮水を容易に形成しないため、蒸気によってその中に容易に形成される凝縮水によって引き起こされる既存の過度に長い通路における飲料水の衛生上の問題を解決する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本発明の上記及び他の目的及び特徴は、添付の図面に関連して以下の実施形態の説明からより明らかになるであろう。
【
図1】従来技術における排気ラインの概略構造図である。
【
図2】本発明の実施形態に従って提供される液体加熱容器の概略構造図である。
【
図3】本発明の実施形態に従って提供される、逆さまに配置された蓋組立体の概略構造図である。
【
図4】本発明の実施形態に従って提供される、天蓋が取り外された蓋組立体の概略構造図である。
【
図5】本発明の実施形態に従って提供される液体加熱容器が転倒した状態であるときの概略構造図である。
【
図6】上部プレートを取り外した
図5に示す液体加熱容器の概略構造図である。
【
図7】本発明の実施形態に従って提供される、注水状態の液体加熱容器の概略構造図である。
【
図8】本発明の実施形態に従って提供される圧力開放通路制御組立体の概略構造図である。
【
図10】本発明の実施形態に従って提供される、下から見たときの下部プレートの概略構造図である。
【
図11】本発明の実施形態に従って提供される、上から見たときの下部プレートの概略構造図である。
【
図12】本発明の実施形態に従って提供される液体加熱容器の部分分解概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本出願の実施形態で説明される「上部」及び「下部」などの位置または方向を示す用語は、添付の図面に示される角度から説明を構成し、本出願の実施形態に対する限定として解釈されるべきではないことに留意されたい。さらに、文脈上では、ある要素が他の要素に直接接続されていると言及されている場合、一方の要素が他方の要素に直接接続されていることが明示されていない限り、他方の要素に直接接続されているか、間接的に接続されているかのいずれかであることにも留意すべきである。
【0031】
「第1の」及び「第2の」のような用語は、説明のためにのみ使用され、相対的な重要性を示す、または暗示する、または示される技術的特徴の数を暗示するものとして理解されるべきではない。したがって、「第1の」または「第2の」として定義される特徴は、その特徴のうちの1つ以上を明示的にまたは暗黙的に含むことができる。本開示の説明において、別段の定めのない限り、「複数の/複数の」とは、2つ以上を意味する。
【0032】
本出願の具体的な実施形態を詳細に説明する。いくつかの実施形態が示され、説明されているが、当業者は、それらが本出願の原理および精神から逸脱することなく修正および改善され得ることを理解すべきであり、その範囲は特許請求の範囲およびその等価物によって定義される。
【0033】
本出願による液体加熱容器は、添付の図面を参照して以下に詳細に説明される。
【0034】
本出願は、液体加熱容器を提供する。
図2~
図6及び
図8~
図11に示されるように、液体加熱容器は、容器本体10、蓋組立体20、及び圧力開放通路制御組立体を含む。容器本体10は、その上部に開口部を備え、蓋組立体20は、開口部を覆い、内部に、蒸気圧力開放に使用される蒸気圧力開放チャンバを備える。圧力開放通路制御組立体は、蒸気圧力開放チャンバの内部に配置され、2つの通気通路423が内部に形成される通路シェル40と、各通気通路423の内部にそれぞれ配置される可動シーリング部材60とを備える。各通気通路423は、通気通路423の底壁に配置され、通気通路423を容器本体10の内側チャンバと連通させる蒸気入口421と、通気通路423の頂壁に配置され、通気通路423を蒸気圧力開放チャンバと連通させる蒸気出口411とを含み、蒸気出口411と蒸気入口421は、互いに連通され、通気通路423の延在方向において同じ端部に配置され、互いに相対的に近接している。液体加熱容器が転倒状態にあるとき、より低い位置に位置する通気通路423内の可動シーリング部材60は、より低い位置に位置する通気通路423を閉じることができ、より高い位置に位置する通気通路423内の可動シーリング部材60は、より高い位置に位置する通気通路423を開くことができる。
【0035】
本出願による液体加熱容器では、通路シェルは、内部に2つの通気通路を備え、各通気通路423は、通気通路423の底壁に配置され、容器本体10の内側チャンバと連通して通気通路423を配置する蒸気入口421と、通気通路423の頂壁に配置され、蒸気圧力開放チャンバと連通して通気通路423を配置する蒸気出口411とを含み、蒸気出口411と蒸気入口421は、互いに連通しており、通気通路423の延在方向の同じ端部に位置し、互いに相対的に近接している。容器が使用されているとき、容器本体10の内側チャンバ内の蒸気は、蒸気入口421を介して通気通路に入り、蒸気出口411を介して急速に排出され、圧力開放通路制御組立体内の比較的短い流路を有し、それから急速に排出され、したがって、蒸気が通気通路内で凝縮水を形成することを困難にし、したがって、蒸気が長すぎる既存の通路内で凝縮水を容易に形成することに起因する飲料水の衛生上の問題を解決する。
【0036】
本出願による液体加熱容器では、通常の使用中に、圧力開放通路制御組立体内の通気通路は、通常の通気及び圧力開放を行うことができる。容器が転倒した場合、流出量試験の要件を満たすように、容器本体10内の液体のレベル未満に位置する通気通路を閉鎖し、容器本体10内の液体のレベル未満に位置する通気通路を開放して、容器本体10内の圧力を開放し、過剰な空気圧による爆発などの危険な状況を防止する必要がある。
【0037】
いくつかの実施形態では、液体加熱容器は、互いに反対側に配置された注水開口部11およびハンドル部50をさらに備え、2つの通気通路423の第1の端部は、それぞれハンドル部50に向かって延在し、互いに接続され、2つの通気通路423の第2の端部は、それぞれ異なる方向に向かって延在し、互いに離れ、2つの通気通路423は、注水開口部11およびハンドル部50を接続する線に対して対称的に配置され、蒸気出口411および蒸気入口421は、対に配置され、それぞれの通気通路423の第2の端部に位置する。
【0038】
図5及び
図6はそれぞれ、液体加熱容器が転倒状態にある例を示す。
図4および
図5に示されるように、
図5および
図6に示されるように、液体加熱容器は、注水開口部11およびハンドル部50をさらに含み、通気通路は、第1の通気通路Aおよび第2の通気通路Bを含み、第1の通気通路Aの第1の端部および第2の通気通路Bの第1の端部は、互いに接続され、第1の通気通路Aの第2の端部および第2の通気通路Bの第2の端部は、それぞれ異なる方向に延在する。第1の通気通路A及び第2の通気通路Bは、注水開口部11とハンドル部50とを結ぶ線に対して対称的に配置される。第1の通気通路Aの第1の端部と第2の通気通路Bの第1の端部との間の接合部は、ハンドル部50に向けられる。蒸気出口411及び蒸気入口421は、対になって配置され、第1の通気通路Aの第2の端部及び第2の通気通路Bの第2の端部に位置する。
【0039】
これらの実施形態では、第1の通気通路Aおよび第2の通気通路Bを、注水開口部11およびハンドル部50を接続するラインに対して対称的に配置することによって、各通気通路は、それぞれの可動シーリング部材60の移動に位置上の利点を提供するために、接続線に沿って蒸気圧力開放チャンバの両端を可能な限り覆うことができる。このように、転倒の方向に関わらず、重力の影響を受けて、より低い位置に位置する通気通路内の可動シーリング部材60は、通気通路を遮断する位置に来るが、より高い位置に位置する通気通路内の可動シーリング部材60は、通気通路を開く位置に来るため、トッピング防止状態で液体加熱容器のニーズを満たす。
【0040】
本出願によれば、通気通路423は、一方では、可動シーリング部材60のためのガイドチャンバとして機能し、他方では、蒸気が蒸気入口421を介して通路シェルに入るための一時的な遷移領域として機能する。本出願は、蒸気出口411及び蒸気入口421が位置において互いに対応し、可動シーリング部材60が蒸気出口411及び蒸気入口421のいずれか1つから離脱できず、蒸気出口411及び蒸気入口421のいずれか1つを遮断することができるようなサイズであることを提供することができる。
【0041】
好ましい実施形態では、
図8から
図11に示すように、各通気通路423は、仕切り壁424をさらに備える。仕切り壁424は、通気通路423の長さ方向に延在し、長さ方向に通気通路423を、幅方向に平行で、互いに連通している第1の通路溝4231及び第2の通路溝4232に分割し、蒸気入口421は、第2の通路溝4232の底壁に配置され、蒸気出口411は、第1の通路溝4231の頂壁に位置する。
【0042】
これらの実施形態では、仕切り壁424は、長さ方向に通気通路423を互いに連通する第1の通路溝4231及び第2の通路溝4232に分割し、蒸気出口411及び蒸気入口421はそれぞれ、それらの対応する位置に配置され、異なる溝にオフセット方式で配置されるため、可動シーリング部材60の位置を配置するための利点が提供される(以下に詳細に説明する)。
【0043】
本出願によれば、可動シーリング部材60は、第1の通路溝4231及び第2の通路溝4232の少なくとも1つに配置されたボールである。ボールが第2の通路溝4232に配置されている場合、ボールが蒸気入口421の上に位置するように、ボールが蒸気入口421をブロックする場合、容器本体10の内側チャンバ内の空気圧が高すぎる場合、ボールは空気圧によって押されると前後に移動し、ボールのシール効果に影響を及ぼし得る。したがって、本出願の好ましい実施形態では、蒸気出口411は、第1の通路溝4231の上に配置される。ボールが第1の通路溝4231に配置されている場合、第1の通路溝4231は、ボールの誘導チャンバとして機能し、第1の通路溝4231の第1の端部と第2の端部との間で転がることができる。ボールが第1の通路溝4231の第2の端部に転がるとき、それらは蒸気出口411をブロックすることができる。ボールが第1の通路溝4231の第1の端部に転がるとき、蒸気出口411および蒸気入口421は連通しており、したがって、蒸気は、流路内のボールによって遮られず、円滑に流れることができる。加えて、ボールが第2の通路溝4232内に配置されている溶液と比較して、ボールが第1の通路溝4231内に配置されているとき、ボールが蒸気出口411の下に位置しているので、それらは、外部への排出中に蒸気によって蒸気出口411の下から遮断され、通気通路を遮断する効果を向上させることができる。
【0044】
図9に示すように、液体加熱容器の高さ方向において、第1の通路溝4231の第1の端部における底壁の高さは、第1の通路溝4231の第2の端部における底壁の高さよりも小さく、仕切り壁424の高さは、第1の通路溝4231の高さよりも小さく、2つの通路423の第1の端部は、接続され、互いに連通している。具体的には、第1の通路溝4231の第1の端部には開口部が設けられ、2つの通気通路423の第1の通路溝4231は、開口部を介して互いに連通しており、連通位置にはストッパーが設けられている。
【0045】
これらの実施形態では、液体加熱容器の高さ方向において、第1の通路溝4231の第1の端部の底壁の高さが、第1の通路溝4231の第2の端部の底壁の高さよりも小さいことがさらに提供される。通常の使用では、第1の端部と第2の端部との間に高さの差があるため、ボールは、それ自体の重力の影響を受けて第1の通路溝4231の第1の端部に位置し、容器本体の内側チャンバ内の蒸気が、蒸気入口421を介して通気通路423を通過し、蒸気出口411を介して蓋組立体20の蒸気圧力開放チャンバに排出され、通常の通気及び圧力開放機能を達成することができる。2つの通気通路の第1の通路溝4231を互いに連通させることによって、容器が転倒オーバー状態にあるとき、より高い位置に位置する通気通路内の凝縮水または溢流水は、重力の影響を受けて、より低い位置に位置する通気通路の第1の通路溝4231に流れ、仕切り壁424を介して対応する第2の通路溝4232に流れ、その後、蒸気入口421を介して容器本体10の内側チャンバに戻る。これにより、通気通路に長時間蒸気が残ることによる飲料水の衛生上の問題を防ぐ。さらに、オーバーフロー性能試験の要件を満たす圧力開放通路制御組立体の全体的なオーバーフロー水量を削減する。ストッパーを設けることで、ブロック機能の故障を避けるためにボールの位置を制限することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、通路シェル40は、上部プレート41および下部プレート42を含む。蒸気出口411は、上部プレート41を通って配置される。下部プレート42は、下に配置され、上部プレート41に接続され、上部プレート41と共に囲まれて通路シェル40を形成し、蒸気入口421は、下部プレート42を通って配置される。
【0047】
これらの実施形態では、上部プレート41および下部プレート42を一緒に組み合わせて囲み、通路シェル40を形成することによって、構造は単純であり、特定の形態を有する通路シェル40は、一緒に囲まれた上部プレート41および下部プレート42によって形成され得る。本出願の通路シェル40は、管状通路と比較して、蒸気圧力開放チャンバの内部空間を十分に利用し、適切なサイズの液体加熱容器を形成するように、蒸気圧力開放チャンバのサイズに応じてカスタマイズされた設計を行うことができる。また、ケトル本体内外の圧力差の影響で、蒸気が下から上に向かって飛散する。蒸気出口411は、上部プレート41を通る蒸気出口411及び下部プレート42を通る蒸気入口421を配置し、蒸気出口411及び蒸気入口421が互いに連通し、かつ互いに相対的に近接していることを提供することによって、蒸気出口411及び蒸気入口421は、蒸気排出を容易にする方向に配置され、これは、蒸気の排出をより良好に促進し、したがって、通気通路の内部を通過した過剰な長さによる凝縮水の形成を防止する。
【0048】
本出願によれば、上部プレート41及び下部プレート42は、互いに係合する。例えば、限定されないが、上部プレート41は、スナップフィットマターで下部プレート42を覆う。上部プレート41が下部プレート42に接続された後、第1の通路溝4231及び第2の通路溝4232が依然として連通して接続されるために、空気が第1の通路溝4231と第2の通路溝4232との間を通過し、通気通路内の空気の流れを確保することができるように、仕切り壁424に通路を設けることができる。スルーホールの形態は、空気が通常通り抜けることを可能にし、ボールが位置から第2の通路溝4232内に移動することを防止する限り、任意の方法で構成することができる。仕切り壁424が、上部プレート41の下部表面または下部プレート42の下部壁と接触していないこともまた提供され得る。第1の通路溝4231及び第2の通路溝4232がどのように連通し、接続されるかは、本出願によって限定されない。当業者は、本出願の教示に基づいて、別の適切な通信方法、例えば、限定されないが、仕切り壁をメッシュ構造で構成することを選択することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、仕切り壁424は、下部プレート42の上面に形成され、仕切り壁424の上端は、上部プレート41の下面から予め設定された距離にあり、及び/または仕切り壁424は、上部プレート41の下面に形成され、仕切り壁424の下端は、下部プレート42の上面から予め設定された距離にあり、第1の通路溝4231は、通気通路423の第1の端部に開口部を有し、ボールの直径は、予め設定された距離以上であり、第1の通路溝4231の開口部の幅よりも大きい。
【0050】
これらの実施形態では、仕切り壁424の上端が上部プレート41の下部表面から予め設定された距離にあること、及び/または仕切り壁424の下部端が下部プレート42の上部表面から予め設定された距離にあることを提供することによって、蒸気は、第1の通路溝4231及び第2の通路溝4232を通過することができる。ボールの直径が予め設定された距離よりも大きく、かつ第1の通路溝4231の第1の端部の開口部の幅よりも大きいことを提供することによって、ボールは、第1の通路溝4231から外れてしまい、ブロック機能を無効にし、第1の通路溝4231から第2の通路溝4232に移動してしまい、ブロック機能を弱めることになる。
【0051】
いくつかの他の実施形態では、仕切り壁424は、第1の通路溝4231及び第2の通路溝4232を連通させるスルーホールを備え、スルーホールは、蒸気入口421に近接するように配置され、ボールの直径は、スルーホールの直径よりも大きく、第1の通路溝4231の開口部の幅よりも大きい。
【0052】
これらの実施形態では、仕切り壁424に貫通孔を設けることによって、蒸気は、第1の通路溝4231及び第2の通路溝4232を通過することができる。ボールの直径が貫通穴の直径よりも大きく、第1の通路溝4231の第1の端部の開口部の幅よりも大きいことを提供することによって、ボールは、第1の通路溝4231の第1の端部から離脱せず、ブロック機能を無効にし、第1の通路溝4231から第2の通路溝4232に移動せず、ブロック機能を弱める。
【0053】
いくつかの他の実施形態では、通気通路内の空気の流れをさらに改善するために、上記の2つの実施形態を組み合わせることができる。具体的には、仕切り壁424の上端は、上面41の下面から予め設定された距離にあり、及び/または仕切り壁424の下端は、下面42の上面から予め設定された距離にあり、仕切り壁424には、スルーホールが設けられていることが提供される。
【0054】
また、トッピング防止用液体加熱容器の性能を試験する場合、タイトリング防止用液体加熱容器が転倒した状態のときの流出水の量が性能試験の結果に影響する。本出願によれば、蒸気入口421は、第2の通路溝4232の対応する下部プレート42の底壁に配置され、蒸気出口411は、第1の通路溝4231の上に位置し、可動シーリング部材60は、第1の通路溝4231および第2の通路溝4232のうちの少なくとも1つに配置され、したがって、蒸気入口421を介して入る蒸気は、仕切り壁424を迂回することによって、蒸気出口411を介して蒸気圧力開放チャンバに排出され得る。ボールが端から端まで接続された排気ラインに配置されている従来技術的な解決策と比較して、一方で、ボールは、蒸気出口411を遮断しないときに蒸気入口421を介して空気が入るのを防ぎ、通気通路423の空気のスムーズな入り口を確保し、一方で、別個にボールのためのガイドチャンバを提供することによって、ブロックが必要なときに、ボールは、応答速度に影響を与える他の部分からの干渉なしに応答して蒸気出口411の位置に急速に移動することができ、したがって、容器本体10の内側チャンバ内の液体が蒸気出口411から最初に排出されるのを防ぎ、そうでなければ、流出水量テストの失敗につながる。
【0055】
いくつかの実施形態では、蓋組立体20は、蒸気圧力開放チャンバを形成するために囲む天蓋22及び底蓋21を含み、底蓋21の底壁には、容器本体10の内側チャンバと蒸気圧力開放チャンバとを連通させる蒸気連通開口部211が設けられ、蒸気連通開口部211は、蒸気入口421に接続されている。蒸気連通開口部211は、蓋組立体20の底壁に貫通孔として形成することができる。この場合、蒸気連通開口部211及び蒸気入口421は、追加的に設けられたチューブを接続する手段によって接続される必要がある。蒸気連通開口部211はまた、中空接続柱であってもよく、その一端は、蓋組立体の底壁を通過し、その他端は、蓋組立体の底面に対して上方に突出し、蒸気圧力開放チャンバに向かって延在する。
【0056】
図3は、本出願の一実施形態における蓋組立体20の構造の例を示す。
図12は、本出願の一実施形態の蓋組立体の部分的に分解された概略構造図を示す。
図3および
図12に示されるように、蓋組立体20は、互いに係合する天蓋22および底蓋21を含み、蒸気連通開口部211は、底蓋21に形成される中空接続柱である。
【0057】
これらの実施形態では、蓋組立体20の底壁に、容器本体10の内側チャンバと蒸気圧力開放チャンバとを連通させる蒸気連通開口部211を提供することによって、圧力開放通路制御組立体の底壁における蒸気入口421との接続が容易になる。
【0058】
本出願による液体加熱容器において、
図7に示されるように、水が流出しているとき、ボールは、圧力開放通路制御組立体の各通路が遮断状態になるように、重力の影響を受けて対応する蒸気出口411を遮断する。注水時の安全性を確保するため、通常蒸気を排出できる排出口を追加設ける必要がある。
【0059】
いくつかの実施形態では、
図6、
図10、及び
図12に示されるように、蓋組立体20の底壁は、容器本体10の内部チャンバと蒸気圧力開放チャンバとを連通させる通気柱212をさらに備え、下部プレート42は、ハンドル部50に近い位置に位置する通気柱接続開口部422を備え、通気柱212は、通気柱接続開口部422を通過し、通気通路に向かって延在する。液体加熱容器は、通気柱212の位置に対応する位置で上部プレート41上に移動可能に取り付けられた圧力開放弁70をさらに備える。具体的には、
図9及び
図12に示されるように、上部プレート41は、圧力開放弁接続開口部71を備え、圧力開放弁70は、圧力開放弁接続開口部71に弾性的に圧縮され、外力の影響を受けて容器の高さ方向に移動することができる弾性ゴムリングである。
【0060】
これらの実施形態では、ボールが通気通路を遮断しない場合、容器本体10内の空気圧が通常開放され得るため、圧力開放弁70は、通気柱212の位置に対応する位置で上部プレート41上に圧力開放弁70を移動可能に取り付けることによって、そこから液体が流出するのを防ぐ。両方の通気通路が遮断されると、容器本体10内の空気圧が適時に開放されず、結果として増加し続けるため、圧力開放弁は、空気圧の影響下で通気柱212の上端から離れて正常な通気を確保し、次いで、内部空気圧と外部空気圧との間のバランスの影響下で、自重の影響下で通気柱212の上端を再び遮断する。
【0061】
いくつかの実施形態では、蓋組立体20は、蒸気排出開口部221をさらに備え、液体加熱容器は、ハンドル部50に配置された蒸気排出通路(図面には図示されていない)をさらに備え、蒸気排出開口部221は、蓋組立体20の蒸気圧力開放チャンバ及び蒸気排出通路の上端と連通し、蒸気排出通路の下端は、液体加熱容器の底部まで延在する。好ましい実施形態では、ハンドル部50の上端は、蓋組立体20内の蒸気排出開口部221に接続され、ハンドル部50の下端は、液体加熱容器の容器本体10の底部の基部80に接続される。蒸気排出通路の下端は、液体加熱容器の基部80内に延在する(それらの接続関係は図面には図示されていない)。
【0062】
本出願による液体加熱容器において、蓋組立体20にさらに蒸気排出開口部221を提供することにより、蒸気圧力開放チャンバに入る蒸気は、蒸気排出開口部221を介して液体加熱容器の底部に入り、液体加熱容器から排出される前に蒸気排出通路を通過することができ、蒸気の流路全体が使用者と容易に直接接触しないため、使用中に使用者を熱傷するリスクを低減することができる。
【0063】
本出願の液体加熱容器では、構造的な理由により、それが転倒すると、ハンドル部50の重量が液体加熱容器の重心の不均衡を引き起こすため、それが転倒し、ハンドル部50が下向きになって転がり、最後にハンドル部50を支持点とする状態になる。一般に、
図6に示す方向、または
図6に示すミラーリング方向に転倒することができる。
通常の使用では、2つの可動シーリング部材は、それぞれ、第1の通気通路Aの第1の端部及び第2の通気通路Bの第1の端部に位置する。転倒状態にあるとき、各可動シーリング部材は、それが位置する通気通路の最も低い位置まで転がる。
【0064】
図6は、液体加熱容器の転倒状態の例を示す。
図6に示す例では、容器本体10の内側チャンバが正常な量の液体を含有する場合、液体加熱容器が転倒すると、より低い位置に位置する通気通路A内の可動シーリング部材60がブロック位置に転がり、通気通路Aの蒸気出口411をブロックする。この瞬間、通気通路Aの蒸気入口421は、一般的に液体のレベル未満である。可動シーリング部材60が閉塞位置にあるため、この瞬間、通気通路Aは密閉状態にあり、容器本体10の内側チャンバ内の液体は通気通路Aを介して流出しない。同時に、通気通路Bの可動シーリング部材60は閉塞位置にないため、通気通路Bは連通状態にあり、Bの蒸気入口421は、容器本体10の内側チャンバ内の液体のレベルよりも高い最高位置にある。液体加熱容器の内部に蒸気圧力があるとき、蒸気は、その蒸気入口421を介して通気通路Bに入り、その蒸気出口411から排出され、圧力開放および通気がタイムリーに実行されるようにすることができる。加えて、容器本体10の内側チャンバ内の空気圧が開放された後、内側チャンバ内の液体は、その蒸気入口421を介して通気通路Bに入り、通気通路内の第2の通路溝4232を介して第1の通路溝4231に入り得る。A及びBの2つの第1の通路溝4231が互いに連通しているとき、次いで、液体は、通気通路A内の第1の通路溝4231に入り、仕切り壁424を介して対応する第2の通路溝4232に流れ込んだ後、Aの蒸気入口421を介して容器本体10の内側チャンバに戻るように流れてもよい。したがって、本出願による圧力開放通路制御組立体では、通気通路Bが開放状態にあるときに、容器本体10内の空気圧を開放することができるだけでなく、容器本体10の内側チャンバ内の液体が流出しないようにすることができる。
【0065】
要するに、本出願による液体加熱容器において、容器本体10の内部チャンバ内の蒸気は、蒸気入口421を介して通気通路に入り、蒸気出口411から急速に排出されることができる。したがって、蒸気は、圧力開放通路制御組立体内の比較的短い流路を有し、そこから急速に排出することができるため、蒸気が通気通路内に凝縮水を容易に形成しないため、蒸気によってその中に容易に形成される凝縮水によって引き起こされる既存の過度に長い通路における飲料水の衛生上の問題を解決する。
【0066】
本出願の実施形態は上記で詳細に説明されてきたが、当業者は、本出願の精神及び範囲から逸脱することなく、本出願の実施形態に対して様々な修正及び変形を行うことができる。そのような修正及び変形は、当業者に見られるように、特許請求の範囲によって定義される本出願の実施形態の精神及び範囲内に依然として含まれることを理解されたい。
【符号の説明】
【0067】
10 容器本体
11 注水開口部
20 蓋組立体
21 底蓋
211 蒸気連通開口部
212 通気柱
22 天蓋
221 蒸気排出開口部、
40 通路シェル
41 上部プレート
411 蒸気出口
42 下部プレート
421 蒸気入口
422 通気柱接続開口部
423 通気通路
4231 第1の通路溝
4232 第2の通路溝
424 仕切り壁
50 ハンドル部
60 可動シーリング部材
70 圧力開放弁
71 圧力開放弁接続開口部
80 基部