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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161097
(43)【公開日】2023-11-07
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20231030BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 304D
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071250
(22)【出願日】2022-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100150430
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 元
(74)【代理人】
【識別番号】100217191
【弁理士】
【氏名又は名称】林 信吾
(72)【発明者】
【氏名】安藤 康晃
(72)【発明者】
【氏名】山本 和弘
(72)【発明者】
【氏名】浅賀 崇雅
(72)【発明者】
【氏名】相坂 昌範
(72)【発明者】
【氏名】上野 雅博
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088BC22
2C088EB78
2C333AA11
2C333CA29
2C333GA05
(57)【要約】
【課題】遊技者の目線で識別図柄が変動停止した未確定状態であるか否かを容易に識別することが可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】予告演出プレート100には「現代の街並み」の風景画が表示される。この風景画は演出図柄遊技の画像で3列の演出図柄が再変動の組合せで仮停止した場合に表示されるものであり、予告演出プレート100に風景画が表示された場合には3列の演出図柄が再変動し、演出図柄表示器32に「現代の街並み」の通常背景画像が表示される。このため、遊技者は予告演出プレート100の「現代の街並み」の風景画を視認することに応じて演出図柄遊技で3列の演出図柄の組合せが未確定であると容易に認識することが可能となる。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が所定の入球領域に有効に入球した場合に当否を判定する判定手段と、
遊技者から視認可能なものであって、識別図柄を態様が変動している未確定状態から前記判定手段の判定結果に応じた態様で変動停止した確定状態とする図柄遊技の画像が表示される第1の表示器と、
遊技者から視認可能なものであって、前記識別図柄が前記未確定状態にあることを遊技者に示唆する絵柄が表示される第2の表示器を備えたことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
上記遊技機には遊技球が所定の入球領域に有効に入球した場合に当否を判定し、図柄遊技の画像を表示することに応じて当否の判定結果を遊技者に報知する構成のものがある。この図柄遊技の画像は識別図柄を変動している未確状態から変動停止した確定状態とするものであり、遊技者には識別図柄の確定状態での態様に応じて当否の判定結果が報知される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-158689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記遊技機の場合には識別図柄を変動している未確定状態から変動停止した確定状態とする間に変動停止した未確定状態から再び変動している未確定状態とする構成のものがある。この構成の場合には遊技者の目線で識別図柄が未確定状態で変動停止しているか否かを識別し難い問題があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技者の目線で識別図柄が未確定状態で変動停止していることを容易に識別することが可能な遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の遊技機は、遊技球が所定の入球領域に有効に入球した場合に当否を判定する判定手段と、遊技者から視認可能なものであって識別図柄を態様が変動している未確定状態から前記判定手段の判定結果に応じた態様で変動停止した確定状態とする図柄遊技の画像が表示される第1の表示器と、遊技者から視認可能なものであって前記識別図柄が前記未確定状態にあることを遊技者に示唆する絵柄が表示される第2の表示器を備えたところに特徴を有する。
上記手段によれば、識別図柄が未確定状態であることを遊技者に示唆する絵柄が表示される。しかも、絵柄が第1の表示器とは異なる第2の表示器に表示されるので、総じて遊技者の目線で識別図柄が未確定状態で変動停止していることを容易に識別することが可能となる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、遊技者の目線で識別図柄が未確定状態で変動停止していることを容易に識別することが可能な遊技機を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例1を示す図(パチンコ遊技機の外観を示す斜視図)
図2】遊技盤の前面図
図3】電気的構成を示すブロック図
図4】電気的構成を示すブロック図
図5】(a)は乱数カウンタの一覧を示す図、(b)は特図大当り判定テーブルを示す図、(c)は特図変動パターンテーブルを示す図、(d)は特図領域を示す図
図6】主制御回路のメイン処理を示すフローチャート
図7】主制御回路のタイマ割込み処理を示すフローチャート
図8】主制御回路の特図処理を示すフローチャート
図9】スクロール演出の一覧を示す図
図10】スクロール演出の画像を示す図
図11】スクロール演出の画像を示す図(リーチ演出)
図12】スクロール演出の画像を示す図(疑似連演出1)
図13】スクロール演出の画像を示す図(疑似連演出2)
図14】(a)は背景演出の一覧を示す図、(b)はスクロール演出と背景演出の関係を示す図、(c)(d)は通常背景画像を示す図
図15】バトル背景画像を示す図
図16】予告演出機構を説明するための図(aはXa視図、bはXb視図、cはXc線に沿う断面図、dはXb視図)
図17】予告演出の画像を示す図
図18】予告演出の画像を示す図
図19】予告演出の画像を示す図
図20】(a)(d)は予告タイミングを示す図、(b)(c)は予告演出選択テーブルを示す図
図21】サブ制御回路のメイン処理を示すフローチャート
図22】サブ制御回路のタイマ割込み処理を示すフローチャート
図23】サブ制御回路の受信コマンド解析処理を示すフローチャート
図24】(a)はサブ制御回路の図柄遊技演出開始処理を示すフローチャート、(b)は図柄遊技演出停止処理を示すフローチャート
図25】(a)はサブ制御回路の大当り遊技演出開始処理を示すフローチャート、(b)は大当り遊技演出停止処理を示すフローチャート
図26】(a)はサブ制御回路の予告演出処理を示すフローチャート、(b)は予告演出コマンドテーブルを示す図
図27】実施例2を示す図20相当図
図28】実施例3を示す図(aは予告演出の画像を示す図、(b)は予告タイミングを示す図、(c)は予告演出の発生確率を示す図
図29】実施例3を示す図11相当図
図30】実施例4を示す図20相当図(aは予告演出の画像を示す図、b~fは演出図柄遊技の画像を示す図)
図31】実施例4を示す図16相当図
図32】実施例6を示す図2相当図
図33】予告機構を説明するための図(aはXa視図、bはXb線に沿う断面図、cは装飾カバーの開放位置を示す図、dは装飾カバーの半開放位置を示す図)
図34】予告演出の画像を示す図
図35】実施例7を示す図(aは装飾カバーの第1の予告位置を示す図、bは第2の予告位置を示す図)
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施例1]
1.遊技機の構造
図1の外枠1はパチンコホールの台島に設置されるものである。この外枠1は前面および後面が開口する四角筒状をなすものであり、外枠1には本体枠2が装着されている。この本体枠2は額縁状をなすものであり、図2に示すように、本体枠2には遊技盤3が支持されている。
【0010】
外枠1には、図1に示すように、前面枠4が装着されている。この前面枠4は外枠1の前面を前から覆う閉鎖状態および開放する開放状態間で回動可能にされたものであり、前面枠4には透明な窓板5が固定されている。この窓板5は前面枠4の閉鎖状態で遊技盤3に前から隙間を介して対向するものであり、遊技盤3は前面枠4の閉鎖状態で窓板5を通して視認可能にされている。この前面枠4には上皿6および下皿7が上下2段に固定されている。上皿6は遊技球を貯留するものであり、下皿7は上皿6が貯留不能な遊技球を貯留するものである。
【0011】
前面枠4には発射装置(図示せず)が装着されている。この発射装置は遊技球を叩く打球槌および打球槌を操作する発射モータを有するものであり、打球槌には上皿6から遊技球が1個毎に供給される。この発射装置は打球槌が1個の遊技球を叩く毎に打球槌に新たな1個の遊技球を供給するものであり、発射装置には発射ハンドル8が連結されている。この発射ハンドル8は、図1に示すように、前面枠4の右下隅部に前後方向へ指向する軸を中心に回動操作可能に装着されたものであり、打球槌が遊技球を叩く打力は発射ハンドル8の時計回り方向への操作量(回転角度)に応じて調整される。
【0012】
遊技盤3の前面には、図2に示すように、外レール9および内レール10が固定されている。これら外レール9および内レール10間には円弧状の発射通路11が形成されており、打球槌が叩いた遊技球は発射通路11内を下から上へ上昇する。これら外レール9および内レール10は遊技盤3の前面に遊技領域12を区画形成するものである。この遊技領域12は発射通路11の上端の出口に接続された円形状の領域であり、発射通路11内を上昇する遊技球は発射通路11の出口から遊技領域12内に放出される。この遊技領域12内には複数の遊技釘(図示せず)が打込まれており、遊技領域12内に放出された遊技球は複数の遊技釘に衝突しながら遊技領域12内を落下する。
【0013】
遊技領域12内には、図2に示すように、始動口15および大入賞口18が固定されている。始動口15は上面が開口するポケット状をなすものであり、遊技球が上面から入球可能にされている。この始動口15は所定の入球領域に相当する。大入賞口18は前面が開口する横長な箱状をなすものであり、開閉部材19を備えている。この開閉部材19は鉛直な閉鎖状態および水平な開放状態間で下端部の水平な軸を中心に回動可能にされたものであり、大入賞口18の前面の入口は開閉部材19の閉鎖状態で遊技球が入球不能に閉鎖され、開閉部材19の開放状態では遊技球が入球可能に開放される。
【0014】
遊技盤3には、図2に示すように、LED表示器31が固定されており、LED表示器31には当否の判定結果が表示される。遊技盤3には演出図柄表示器32が固定されている。この演出図柄表示器32はカラー液晶画面を有するものであり、液晶画面には演出図柄遊技の画像および大当り遊技演出の画像が表示される。この演出図柄表示器32は第1の表示器に相当する。遊技盤3には装飾枠33が固定されており、装飾枠33には開口部34が形成されている。この装飾枠33は前から見て演出図柄表示器32の液晶画面を取り囲む枠状をなすものであり、演出図柄表示器32の液晶画面は遊技者から前面枠4の窓板5と装飾枠33の開口部34を通して視認可能にされている。
【0015】
2.遊技機の電気的構成
図3の主制御基板50は主制御回路51が搭載されたものである。この主制御回路51はマイクロコンピュータを主体とするものであり、ROMとRAMとCPUを有している。この主制御回路51は特図抽選と特図可変表示と大当り遊技等の遊技利益に関する制御を行うものであり、主制御回路51のROMにはメイン処理用のプログラムとタイマ割り込み処理用のプログラムと特図大当り判定テーブルと特図変動パターンテーブルと大当り遊技パターンテーブル等が格納され、主制御回路51のRAMには特図領域等が設定されている。この主制御回路51は判定手段に相当する。
【0016】
主制御回路51には、図3に示すように、始動口センサ52および大入賞口センサ55が接続されており、始動口センサ52は始動口15に入球した遊技球を検知し、大入賞口センサ55は大入賞口18に入球した遊技球を検知する。これら各センサは遊技球を検知した場合にその検知内容に応じた信号を主制御回路51に出力する。この主制御回路51には大入賞口ソレノイド58が接続されており、大入賞口ソレノイド58は大入賞口18の開閉部材19を操作する。この主制御回路51にはLED表示器31が接続されており、主制御回路51はLED表示器31の表示内容を制御することに応じて特図の可変表示を行う。
【0017】
図3の払出制御基板70はマイクロコンピュータを主体とする払出制御回路71が搭載されたものであり、主制御回路51は始動口センサ52および大入賞口センサ55からのそれぞれの信号を検出した場合に払出制御回路71に払出コマンドを送信する。この払出制御回路71には賞球払出装置72が接続されており、払出制御回路71は主制御回路51からの払出コマンドを検出した場合に賞球払出装置72を駆動することに応じて上皿6に単位個数の遊技球を賞球として払出す。
【0018】
図4のサブ制御基板80はマイクロコンピュータを主体とするサブ制御回路81が搭載されたものであり、主制御回路51はサブ制御回路81に遊技の進行状況に応じたコマンドを送信する。このサブ制御回路81はROMとRAMとCPUとRTCを有するものであり、ROMにはメイン処理用と受信割り込み処理用とタイマ割り込み処理用のプログラムが格納されている。RAMはワークメモリとして機能するものであり、CPUはROMの複数のプログラムを主制御回路51からのコマンドに応じて実行する。このサブ制御回路81は第2の表示手段および制御手段に相当する。
【0019】
図4の画像制御基板90はマイクロコンピュータを主体とする画像制御回路91が搭載されたものであり、サブ制御回路81は主制御回路51からのコマンドに基づいて演出図柄表示器32の表示内容を設定し、画像制御回路91に表示内容の設定結果を送信する。この画像制御回路91はROMとRAMとCPUとCGROMとCGRAMとVDPを備えている。ROMは画像データを指定するための画像制御用のプログラムが格納されたものであり、RAMはワークメモリとして機能するものであり、CPUはROMのプログラムを実行するものである。CGROMは演出図柄表示器32に画像を表示するための画像データが格納されたものであり、VDPはCPUからの指令に応じてCGROMから画像データを読出す。このVDPは画像データの読出し結果をCGRAMに展開し、画像データの展開結果を合成してCGRAMのフレームバッファに描画し、画像の描画結果をRGB信号として演出図柄表示器32に出力するものであり、演出図柄表示器32の液晶画面にはVDPからのRGB信号に応じて画像がカラーで表示される。この画像制御回路91は第1の表示手段に相当する。
【0020】
図4のランプ制御基板100には複数の枠ランプ39と複数の盤面ランプ37が接続されている。複数の枠ランプ39は前面枠4を電飾するものであり、複数の盤面ランプ37は装飾枠33を電飾するものであり、ランプ制御基板100はサブ制御回路81からのコマンドに応じて複数の枠ランプ39と複数の盤面ランプ37を駆動制御する。音制御基板110は複数のスピーカ40を駆動制御することに応じて複数のスピーカ40から音声と楽曲と効果音を出力するものである。
【0021】
3.遊技機能
3-1.特図遊技
3-1-1.特図遊技データの取得
遊技球が始動口15に有効に入球した場合には図5(a)の特別図柄当否判定用乱数の値および変動パターン乱数の値が取得され、特別図柄当否判定用乱数の値の取得結果および変動パターン乱数の値の取得結果が1組の特図1遊技データとしてRAMに格納される。このRAMには、図5(d)に示すように、特図保留領域1~4が設定されており、特図遊技データは取得された順に「特図保留領域4」「特図保留領域3」「特図保留領域2」「特図保留領域1」の順序で格納される。即ち、特図保留領域1~4の全てに特図遊技データが格納されている場合には「特図保留領域4」の特図遊技データが最も古く、「特図保留領域1」の特図遊技データが最も新しい。これら特図保留領域1~4の全てに特図遊技データが格納されている状態を特図保留数が「4」であると称し、特図保留領域2~4の3つに特図遊技データが格納されている状態を特図保留数が「3」であると称し、特図保留領域3~4の2つに特図遊技データが格納されている状態を特図保留数が「2」であると称し、特図保留領域4の1つに特図1遊技データが格納されている状態を特図保留数が「1」であると称し、特図保留領域1~4のいずれにも特図遊技データが格納されていない状態を特図保留数が「0」であると称す。
【0022】
3-1―2.特図抽選
「特図保留領域4」に特図遊技データが格納されている場合には現在が遊技停止状態にあることを条件に特図抽選が行われる。この遊技停止状態は特図遊技と大当り遊技が停止している状態を称するものであり、遊技停止状態で「特図保留領域4」に特図遊技データが格納されている場合には「特図保留領域4」から特別図柄当否判定用乱数の値の格納結果が検出され、図5(b)の特図大当り判定テーブルから特別図柄当否判定用乱数の値の検出結果に応じて「大当り」「外れ」のいずれかの判定結果が取得される。この当否の判定結果が取得された場合には「特図保留領域4」から変動パターン乱数の値の格納結果が検出され、図5(c)の特図変動パターンテーブルから変動パターン乱数の値の検出結果に応じた特図変動パターンおよび特図変動表示時間が選択される。
【0023】
3-1―3.特図変動表示
特図変動パターンおよび特図変動表示時間が選択された場合には特図変動表示が開始される。この特図変動表示はLED表示器31の複数のLEDを所定のパターンで点滅開始させた後に点滅停止させるものであり、複数のLEDは外れと判定されている場合に「外れ」の態様で点滅停止され、大当りと判定されている場合には「大当り」の態様で点滅停止される。この点滅開始から点滅停止までは特図変動表示時間の選択結果に応じた時間で行われる。
【0024】
3-1―4.大当り遊技
LED表示器31の複数の「大当り」の態様で点滅停止された場合には大当り遊技が開始される。この大当り遊技は大入賞口18を開閉することに応じて遊技球が大入賞口18に入球することを許容するものであり、大当り遊技パターンで行われる。この大当り遊技パターンは15回のラウンドのそれぞれで大入賞口18を開放するものであり、各回のラウンドには大入賞口18に遊技球が入球可能な限度時間(30秒)が設定されている。
【0025】
3-1-5.特図先読み
遊技球が始動口15に入球したことに応じて特図遊技データの取得結果が特図保留領域1~4のいずれかに格納された場合には特図遊技データの取得結果に応じて当否の事前判定と変動パターンの事前判定が行われる。これら当否の事前判定および変動パターンの事前判定は上述の手順で行われるものであり、当否の事前判定および変動パターンの事前判定が行われた場合には両事前判定結果が1組の特図先読みデータとしてRAMに格納される。このRAMには、図5(d)に示すように、特図先読み領域1~4が設定されており、「特図保留領域4」の特図遊技データに応じた特図先読みデータは「特図先読み領域4」に格納され、「特図保留領域3」の特図1遊技データに応じた特図先読みデータは「特図先読み領域3」に格納され、「特図保留領域2」の特図遊技データに応じた特図先読みデータは「特図先読み領域2」に格納され、「特図保留領域1」の特図遊技データに応じた特図先読みデータは「特図先読み領域1」に格納される。
【0026】
4.主制御回路51の処理機能
4-1.メイン処理
主制御回路51は電源が投入されることに応じてROMから図6のメイン処理用のプログラムを検出し、S1の電源投入時処理でRAMへのアクセス許可とCPUとSIOとPIOとCTCとRTC等の設定を行う。そして、S2で割込み禁止を設定し、S3で図5(a)の各乱数の値を更新し、S4で割込み許可を設定する。これら各乱数の値は現在値に「1」が加算されるものであり、上限値に加算された場合には「0」に戻して再び加算される。
【0027】
4-2.タイマ割込み処理
主制御回路51はS3で割込み許可を設定すると、S5のタイマ割込み処理の起動を許容する。このタイマ割込み処理は一定周期で実行されるものであり、今回のタイマ割込み処理が終了してから次回のタイマ割込み処理が開始されるまでの待機時間にはS3の乱数更新処理が繰返される。
【0028】
図7は主制御回路51のタイマ割込み処理を示すフローチャートであり、主制御回路51は前回のタイマ割込み処理でRAMの出力バッファにセットしたコマンド等を今回のタイマ割込み処理のS11の出力処理でサブ制御回路81に送信する。そして、S12の乱数更新処理で図5(a)の各乱数の値を更新し、S13のセンサ検出処理で始動口センサ52と大入賞口センサ55からの信号を検出する。
【0029】
主制御回路51はS13のセンサ検出処理を終えると、S14で始動口センサ52からの信号をS13のセンサ検出処理で検出しているか否かを判断する。ここで始動口センサ52からの信号を検出していないと判断した場合にはS16へ移行し、始動口センサ52からの信号を検出していると判断した場合には特図保留数を「4」と比較する。ここで特図保留数が「4」であると判断した場合にはS16へ移行し、特図保留数が「4」未満であると判断した場合にはS15で特図遊技データを取得する。ここで特図遊技データの取得結果を格納順序に従って特図保留領域1~4のいずれかに格納し、出力バッファに特図保留コマンドをセットし、S16へ移行する。この特図保留コマンドは特図保留数をサブ制御回路81に通知するものであり、次回のタイマ割込み処理でサブ制御回路81に送信される。
【0030】
主制御回路51はS16で特図遊技データの取得結果を格納すると、当否の事前判定と変動パターンの事前判定を特図遊技データの取得結果に対して行い、両事前判定結果を特図先読み領域1~4のうち格納順序に応じた1つに特図先読みデータとして格納する。次に特図先読みデータの格納結果を次回のタイマ割込み処理でサブ制御回路81に送信すべくRAMの出力バッファにセットし、S16へ移行する。
【0031】
4-3.特図2処理
図8はS16の特図処理であり、主制御回路51は特図処理でS31の特図抽選処理とS32の特図変動停止処理とS33の大当り遊技開始処理とS34の大当り遊技中処理とS35の大当り遊技停止処理をRAMのポインタPの値の設定結果に応じて択一的に実行する。このポインタPの値は電源投入時に「1」に初期設定されるものである。
【0032】
4-3-1.特図抽選処理
主制御回路51はポインタPの値が「1」に設定されている場合にS31の特図抽選処理へ移行する。このポインタPの値は特図遊技と大当り遊技がいずれも停止した遊技停止状態で「1」に設定されるものであり、主制御回路51はS31の特図抽選処理で「特図保留領域4」に特図遊技データが格納されているか否かを判断する。ここで「特図保留領域4」に特図遊技データが格納されていないと判断した場合には特図抽選処理を終え、「特図保留領域4」に特図遊技データが格納されていると判断した場合には「特図保留領域4」の特図遊技データに基づいて当否の判定と変動パターンの判定を行う。そして、当否の判定結果と変動パターンの判定結果をサブ制御回路81に特図遊技データとして送信すべくRAMの出力バッファにセッし、ポインタPの値に「2」を設定する。
【0033】
主制御回路51はS31でポインタPを設定した場合には特図変動表示を開始し、「特図保留領域1」~「特図保留領域4」を整理する。この処理は「特図保留領域4」から特図遊技データを消去するものであり、「特図保留領域3」に特図遊技データが格納されている場合には当該特図遊技データが「特図保留領域4」にシフトされ、「特図保留領域2」に特図遊技データが格納されている場合には当該特図遊技データが「特図保留領域3」にシフトされ、「特図保留領域1」に特図遊技データが格納されている場合には当該特図遊技データが「特図保留領域2」にシフトされる。この主制御回路51は「特図保留領域1~4」を整理した場合には同様の手順で「特図先読み領域1」~「特図先読み領域4」を整理する。
【0034】
4-3-2.特図変動停止処理
主制御回路51はポインタPの値が「2」に設定されている場合にS32の特図変動停止処理へ移行する。ここでタイマの値を加算し、タイマの値の加算結果を特図変動表示時間の判定結果と比較する。ここでタイマの値の加算結果が特図変動表示時間の判定結果に到達していない場合には特図変動停止処理を終え、タイマの値の加算結果が特図変動表示時間の判定結果に到達している場合には特図変動表示を当否の判定結果に応じた態様で停止し、サブ制御回路81に変動停止コマンドを送信すべく出力バッファにセットする。そして、当否の判定結果が「外れ」である場合にはポインタPの値を「1」に初期設定し、当否の判定結果が「大当り」である場合にはポインタPの値を「3」に設定する。
【0035】
4-3-3.大当り遊技開始処理
主制御回路51はポインタPの値が「3」に設定されている場合にはS33の大当り遊技開始処理へ移行する。ここで大当り遊技を開始し、ポインタPの値に「4」を設定する。
4-3-4.大当り遊技中処理
主制御回路51はポインタPの値に「4」がセットされている場合にはS34の大当り遊技中処理へ移行し、大当り遊技パターンの設定結果で大当り遊技を進行させる。この主制御回路51は大当り遊技でラウンドを開始する毎にラウンド開始コマンドを出力バッファにセットし、サブ制御回路81に送信する。この主制御回路51は大当り遊技でラウンドを停止する毎にラウンド停止コマンドを出力バッファにセットし、サブ制御回路81に送信する。この主制御回路51は大当り遊技を大当り遊技パターンの最後まで進行させた場合には大当り遊技を終え、サブ制御回路81に大当り遊技終了コマンドを送信すべく出力バッファにセットし、ポインタPの値に「5」を設定する。
【0036】
4-3-5.大当り遊技停止処理
主制御回路51はポインタPの値が「5」が設定されている場合にはS35の大当り遊技停止処理へ移行し、ポインタPの値を「1」に初期設定する。
【0037】
5.遊技演出
遊技演出は演出モードに応じた演出内容で行われるものであり、演出モードには「客待ち演出モード」「図柄遊技演出モード」「大当り遊技演出モード」が設定されている。 「客待ち演出モード」は特図遊技と大当り遊技の全ての遊技停止状態で設定される演出モードであり、客待ち演出モード中には演出図柄表示器32に客待ち用の演出画像が表示され、盤面ランプ37および枠ランプ39が客待ち用の演出パターンで点滅し、スピーカ40から客待ち用の楽曲が出力される。
【0038】
5-1.大当り遊技演出モード
大当り遊技演出モードは大当り遊技が開始されることに応じて設定されるものであり、大当り遊技が終了することに応じて解除される。この大当り遊技演出モードでは演出図柄表示器32に大当り遊技演出画像が表示され、盤面ランプ37および枠ランプ39が大当り遊技演出パターンで点滅し、スピーカ40から大当り遊技演出用の楽曲が出力され、大当り遊技が映像と音と光で演出される。
【0039】
5-2.図柄遊技演出モード
図柄遊技演出モードは特図遊技が開始される場合に設定されるものであり、特図遊技の終了後に遊技停止状態が一定時間継続した場合には図柄遊技演出モードが解除されることに応じて客待ち演出モードが設定される。この図柄遊技演出モードでは演出図柄表示器32の液晶画面に演出図柄遊技の画像が表示される。この演出図柄遊技は特図変動表示の開始に時間的に同期して開始されるものであり、特図変動表示の終了に時間的に同期して終了する。この演出図柄遊技の画像はスクロール演出の画像および背景演出の画像から構成されたものであり、スクロール演出の画像および背景演出の画像のそれぞれは特図変動パターンの判定結果に応じて演出内容および表示時間が設定される。この演出図柄遊技の画像は図柄遊技の画像に相当する。
【0040】
5-2―1.スクロール演出
スクロール演出の画像は「1」~「9」の数字からなる演出図柄を左列と中列と右列の横3列にスクロール状態およびスクロール停止状態で順に表示するものであり、各列のスクロール表示は「1」→「2」・・・「9」の昇順で行われた後に「9」から「1」に戻して繰返される。これら各列のスクロール表示は「1」~「9」のうちのいずれか1つで停止されるものであり、3列のスクロール表示の停止状態での組合せには「大当りの組合せ」「外れリーチの組合せ」「完全外れの組合せ」「再変動の組合せ」の4種類が設定されている。これら3列の演出図柄は識別図柄に相当し、3列の演出図柄のスクロール表示は変動状態に相当し、3列の演出図柄のスクロール表示が「大当りの組合せ」「外れリーチの組合せ」「完全外れの組合せで停止した状態は判定手段の判定結果に応じた態様で変動停止した確定状態に相当し、3列の演出図柄のスクロール表示が「再変動の組合せ」で停止した状態は識別図柄が変動停止した未確定状態に相当する。
【0041】
大当りの組合せは3列が相互に同一な組合せであり、主制御回路51が大当り用の特図変動パターン(PO01~PO07)を判定した場合に設定される。外れリーチの組合せは左列および右列が相互に同一で中列が相違する組合せであり、主制御回路51が外れ用の特図変動パターン(PH01~PH07)を判定した場合に設定される。完全外れの組合せは左列および右列が相違する組合せであり、主制御回路51が外れ用の特図変動パターン(PH08)を判定した場合に設定される。再変動の組合せは主制御回路51が疑似連用の特図変動パターン(PO06,PO07,PH06,PH07)を判定した場合に設定されるものである。この再変動の組合せは外れリーチの組合せに属するものであり、「474」等、中列の演出図柄が特定の数字「7」である組合せである。
【0042】
図9はスクロール演出の一覧であり、スクロール演出には「ノーマル演出」「リーチ演出」「疑似連演出1」「疑似連演出2」の4種類が設定されている。ノーマル演出は「3列のスクロール表示の開始」で始められるものであり、「スクロール表示の停止」が「左列」「右列」「中列」の順序に設定されている。このノーマル演出は外れ用の特図変動パターンPH08の判定時に設定されるものであり、図10(a)(b)(c)(d)に示すように、外れ用の特図変動パターンPH08の判定時には3列のスクロール表示が「左列」「右列」「中列」の順序で停止することに応じて「完全外れの組合せ」が完成する。
【0043】
リーチ演出は、図9に示すように、「3列のスクロール表示の開始」で始められるものであり、「中列」に対して「スクロール表示の停止」の前に「スクロール速度の低下」が設定されたものである。このリーチ演出は外れ用の特図変動パターンPH01~PH05および大当り用の特図変動パターンPO01~PO05の判定時に設定されるものであり、図11(a)(b)(c)に示すように、「リーチ演出」では「スクロール表示の停止」が「左列」「右列」の順序で行われた時点で「左列」および「右列」が相互に同一なリーチ状態が発生し、「中列」のスクロール表示がリーチ状態で通常速度から低速度に切換えられる。
【0044】
「中列」のスクロール表示は外れ用の「リーチ演出」では「左列」「右列」と異なる演出図柄で停止されるものである。この外れ用の「リーチ演出」外れ用の特図変動パターンPH01~PH05の判定時に行われるものであり、外れ用の「リーチ演出」では、図11(e)に示すように、最終の「中列」のスクロール表示が停止されることに応じて外れリーチの組合せが完成する。この「中列」のスクロール表示は大当り用の「リーチ演出」では「左列」「右列」と同一の演出図柄で停止されるものである。この大当り用の「リーチ演出」は大当り用の特図変動パターンPO01~PO05の判定時に行われるものであり、大当り用の「リーチ演出」では、図11(d)に示すように、最終の「中列」のスクロール表示が停止することに応じて大当りの組合せが完成する。
【0045】
疑似連演出1は、図9に示すように、「3列のスクロール表示の開始」で始められるものであり、スクロール表示の停止が「左列」「右列」「中列」の順序で行われる。この疑似連演出1は外れ用の特図変動パターンPH06および大当り用の特図変動パターンPO06の判定時に設定されるものであり、当否の判定結果に拘わらず3列の演出図柄の組合せとして「再変動の1回目の仮の組合せ」が設定され、図12(a)(b)(c)(d)に示すように、3列の演出図柄の1回目のスクロール表示が仮停止することに応じて「再変動の1回目の仮の組合せ」が完成する。この3列のスクロール表示の開始から仮停止までを1回目の単位図柄遊技と称する。
【0046】
1回目の単位図柄遊技の終了後には、図9に示すように、「3列のスクロール表示の再開」が行われる。このスクロール表示の再開は「左列」「右列」の順序で停止されるものであり、「右列」のスクロール表示が停止された後には「中列」のスクロール表示が通常速度から低速度に切換えられ、「中列」が低速スクロール状態からスクロール停止状態となる。これら3列の演出図柄は外れ用の特図変動パターンPH06の判定時には「外れリーチの組合せ」に設定されるものであり、外れ用の特図変動パターンPH06の判定時には、図12(e)(f)(g)(h)に示すように、3列の演出図柄の2回目のスクロール表示が停止することに応じて「外れリーチの組合せ」が完成する。これら3列の演出図柄は大当り用の特図変動パターンPO06の判定時には「大当りの組合せ」に設定されるものであり、大当り用の特図変動パターンPO06の判定時には、図11(e)(f)(g)(i)に示すように、3列の演出図柄の2回目のスクロール表示が停止することに応じて「大当りの組合せ」が完成する。この3列のスクロール表示の再開から停止までを2回目の単位図柄遊技と称する。
【0047】
疑似連演出2は、図9に示すように、「3列のスクロール表示の開始」で始められるものであり、スクロール表示の停止が「左列」「右列」「中列」の順序で行われる。この疑似連演出2は外れ用の特図変動パターンPH07および大当り用の特図変動パターンPO07の判定時に設定されるものであり、当否の判定結果に拘わらず3列の演出図柄の組合せとして「再変動の1回目の仮の組合せ」が設定され、図12(a)(b)(c)(d)に示すように、3列の演出図柄の1回目のスクロール表示が仮停止することに応じて「再変動の1回目の仮の組合せ」が完成する。
【0048】
1回目の単位図柄遊技の終了後には、図9に示すように、「3列のスクロール表示の再開」が行われる。このスクロール表示の再開は「左列」「右列」「中列」の順序で停止されるものである。この疑似連演出2では当否の判定結果に拘わらず3列の演出図柄の組合せとして「再変動の2回目の仮の組合せ」が設定され、図13(a)に示すように、3列の演出図柄の2回目のスクロール表示が仮停止することに応じて「再変動の2回目の仮の組合せ」が完成する。
【0049】
2回目の単位図柄遊技の終了後には、図9に示すように、「3列のスクロール表示の再開」が再び行われる。このスクロール表示の再びの再開は「左列」「右列」の順序で停止されるものであり、「右列」のスクロール表示が停止された後には「中列」のスクロール表示が通常速度から低速度に切換えられ、「中列」が低速スクロール状態からスクロール停止状態となる。これら3列の演出図柄は外れ用の特図変動パターンPH07の判定時には「外れリーチの組合せ」に設定されるものであり、外れ用の特図変動パターンPH07の判定時には、図13(a)(b)(c)(d)(e)に示すように、3列の演出図柄の3回目のスクロール表示が停止することに応じて「外れリーチの組合せ」が完成する。これら3列の演出図柄は大当り用の特図変動パターンPO07の判定時には「大当りの組合せ」に設定されるものであり、大当り用の特図変動パターンPO07の判定時には、図13(a)(b)(c)(d)(f)に示すように、3列の演出図柄の3回目のスクロール表示が停止することに応じて「大当りの組合せ」が完成する。この3列のスクロール表示の2回目の再開から「外れリーチの組合せ」または「大当りの組合せ」の完成までを3回目の単位図柄遊技と称する。即ち、疑似連演出2は3回の単位図柄遊技からなるものであり、疑似連演出1は2回の単位図柄遊技からなるものである。
【0050】
5-2―2.背景演出
背景演出はスクロール演出の背景として演出図柄表示器32に表示される画像による演出を称するものであり、背景演出には通常背景画像およびバトル背景画像が設定されている。通常背景画像は静的な景色の画像からなるものであり、図14に示すように、スクロール演出としてノーマル演出が行われる場合と疑似連演出1が行われる場合と疑似連演出2が行われる場合と通常のリーチ演出が行われる場合のそれぞれには3列の演出図柄のスクロール表示の開始から停止に至る全行程が「現代の街並み」の通常背景画像の前に重ねて表示される。この通常のリーチ演出は特図変動パターンPO05およびPH05の判定時に行われるリーチ演出である。
【0051】
バトル背景画像は女性のシルエットの画像を主体とした物語調の動的な画像であり、スクロール演出として特殊なリーチ演出が行われる場合には、図14(b)に示すように、3列の演出図柄のスクロール表示の開始から右列の演出図柄のスクロール表示が停止するまでの前半部が通常背景画像の前に重ねて表示され、右列の演出図柄のスクロール表示が停止してから所定時間が経過する前までの中盤部が「太古の陸地」の通常背景画像の前に重ねて表示され、所定時間が経過した後から中列の演出図柄のスクロール表示が停止するまでの後半部がバトル背景画像の前に重ねて表示される。この特殊なリーチ演出は特図変動パターンPO01~PO04およびPH01~PH04の判定時に行われるリーチ演出である。
【0052】
バトル背景画像には、図14(a)に示すように、バトル背景画像BL1~BL4の4種類が設定されている。これらバトル背景画像BL1~BL4のそれぞれは中列の演出図柄のスクロール速度が低速度に切換えられたリーチ状態で「太古の陸地」の通常背景画像に換えて表示開始されるものであり、バトル背景画像BL1~BL4が表示開始された場合には3列の演出図柄がリーチ状態で消去される。これらバトル背景画像BL1~BL4のそれぞれは女性のシルエットが敵の恐竜と格闘する内容に設定されたものである。
【0053】
バトル背景画像BL1は、図15(a)に示すように、敵が「恐竜1」に設定されたものであり、大当り用の「特図変動パターンPO01」が選択された場合および外れリーチ用の「特図変動パターンPH01」が選択された場合のそれぞれに表示される。バトル背景画像BL2は、図15(b)に示すように、敵が「恐竜2」に設定されたものであり、大当り用の「特図変動パターンPO02」が選択された場合および外れリーチ用の「特図変動パターンPH02」が選択された場合のそれぞれに表示される。バトル背景画像BL3は、図15(c)に示すように、敵が「恐竜3」に設定されたものであり、大当り用の「特図変動パターンPO03」が選択された場合および外れリーチ用の「特図変動パターンPH03」が選択された場合のそれぞれに表示される。バトル背景画像BL4は、図15(d)に示すように、敵が「恐竜4」に設定されたものであり、大当り用の「特図変動パターンPO04」が選択された場合および外れリーチ用の「特図変動パターンPH04」が選択された場合のそれぞれに表示される。これらバトル背景画像BL1~BL4の大当りの信頼度は「バトル背景画像BL4」「バトル背景画像BL3」「バトル背景画像BL2」「バトル背景画像BL1」の順に高く設定されている(図5参照)。
【0054】
バトル背景画像BL1~BL4のそれぞれには勝利の結末および敗北の結末の2種類が設定されている。勝利の結末は、図15(e)に示すように、主人公が勝利したことを示唆するものであり、大当り用の「特図変動パターンPO01~PO04」の選択時に表示される。即ち、大当り用のバトル背景画像BL1~BL4のそれぞれでは主人公が格闘に勝利した後に勝利の結末を経て3列の演出図柄が大当りの組合せで表示される。敗北の結末は、図15(f)に示すように、主人公が敗北したことを示唆するものであり、外れリーチ用の「特図変動パターンPH01~PH04」の選択時に表示される。即ち、外れ用のバトル背景画像L1~BL4のそれぞれでは主人公が格闘に敗北した後に敗北の結末を経て3列の演出図柄が外れリーチの組合せで表示される。
【0055】
5-2-3.保留演出1
保留演出1は図柄遊技演出モードで行われるものであり、特図保留数を遊技者に報知する演出である。この図柄遊技演出モードでは、図11(a)に示すように、演出図柄表示器32の下端部に横長な保留表示領域E1が設定され、保留表示領域E1内に特図保留数に応じた数の雲画像Cを表示することで遊技者に特図保留数が報知される。この雲画像Cは遊技球が始動口15に有効に入球した場合に表示開始されるものであり、演出図柄遊技の画像が表示開始された場合に消去される。
【0056】
5-2-4.保留演出2
保留演出2は図柄遊技演出モードで行われるものであり、当否の判定結果が報知されていない実行中の終了を待つ演出図柄遊技が存在すると遊技者に報知するものである。この図柄遊技演出モードでは、図11(a)に示すように、保留表示領域E1 の上に保留表示領域E2が設定され、保留表示領域E2内に1つの雲画像Cを表示することで当否の判定結果が報知されていない実行中の演出図柄遊技が存在すると遊技者に報知される。この雲画像Cは今回の演出図柄遊技の画像が表示開始されることに応じて保留表示領域E1内から雲画像Cが消去された場合に保留表示領域E2内に表示されるものであり、今回の演出図柄遊技の画像が表示停止した場合に保留表示領域E2内から消去される。この保留表示領域E2内に1つの雲画像Cは識別図柄の非確定の態様で第1の表示器に表示される所定の絵柄に相当する。
【0057】
6.予告演出機能
演出図柄表示器32には、図16に示すように、予告演出プレート100が固定されている。この予告演出プレート100は演出図柄表示器32の液晶画面に前から隙間を介して重ねられた無色透明なものであり、演出図柄表示器32の表示内容は前から予告演出プレート100を介して視認可能にされている。この予告演出プレート100は第2の表示器に相当するものであり、予告演出プレート100の上端面には光源101が対向配置されている。この光源101は色彩を制御することが可能な複数のカラーLEDからなるものであり、上から下に向けて光を投射する。この光源101から投射された光は予告演出プレート100の上端面から予告演出プレート100内に入射され、予告演出プレート100の下端面から出射される。この光源101のオンオフと色彩と輝度はサブ制御回路81が制御するものである。
【0058】
予告演出プレート100の右上隅部には、図16に示すように、演出領域102が設けられており、演出領域102内には反射部に相当する発光部103が設けられている。この発光部103は予告演出プレート100の後面に形成された多数の反射ドット104からなるものであり、光源101から予告演出プレート100内に入射した光の一部は発光部103によって前へ反射される。この発光部103は「現代の街並み」を模したものであり、光源101の点灯状態では演出図柄表示器32の液晶画面の前方に「現代の街並み」の風景画が浮き上がる。この発光部103が投影する風景画は演出図柄遊技での「現代の街並み」の通常背景画像(図14参照)に類似するものであり、遊技者に「現代の街並み」の通常背景画像」を想起させるものである。この発光部103が投影する「現代の街並み」の風景画は絵柄に相当し、演出図柄遊技での「現代の街並み」の通常背景画像は装飾絵柄に相当する。即ち、サブ制御回路81は光源101のオンオフと色彩と輝度を制御することに応じて第2の表示器の絵柄「現在の街並み」の見え方(態様)を制御する制御手段に相当するものである。
【0059】
演出図柄表示器32より前方には、図16に示すように、有色半透明な可動部材105が設けられている。この可動部材105は太陽を模した中空状をなすものであり、透光性を有する本体部106および透光性を有する周囲部107を有している。本体部106は前から見て円形状をなすものであり、周囲部107は前から見て太陽のフレアを模したものであり、本体部106の透光性は周囲部107の透光性に比べて高く設定されている。この可動部材105内には光源108が収納されている。この光源108は色彩を制御することが可能な複数のカラーLEDからなるものであり、光源108の点灯状態では可動部材105が内側から照明されることに応じて遊技者の目線で太陽が輝いている印象となる。これら本体部106および周囲部107は可動部材の発光部に相当する。光源108のオンオフと色彩と輝度はサブ制御回路81が制御するものであり、サブ制御回路81は光源108のオンオフと色彩と輝度を制御することに応じて可動部材105の見え方(態様)を制御する制御手段に相当する。
【0060】
可動部材105は駆動機構(図示せず)を介して演出モータ109に連結されている。この演出モータ109はパルスモータからなるものであり、可動部材105を待機位置および演出位置間で移動操作する。この可動部材105の待機位置は前から見て演出図柄表示器32および予告演出プレート100の双方から外側へ外れた位置に設定されたものであり(b参照)、可動部材105は待機位置で遊技者から視認不能になる。この待機位置は退避位置に相当する。
【0061】
可動部材105の演出位置は前から見て非発光部110の後方に設定されている。この非発光部110は予告演出プレート100の演出領域102のうち発光部103の残余の領域を称するものであり、可動部材105は演出位置で遊技者から予告演出プレート100を通して視認可能となる。この可動部材105の演出位置は発光部103の後方近傍である上方に設定されたものであり、光源101および光源108の双方の点灯状態では太陽が街を照らす画像が演出図柄表示器32の液晶画面の前方に浮かぶこととなる。この演出モータ109はサブ制御回路81が制御するものであり、サブ制御回路81は駆動制御手段に相当する。
【0062】
6-1.予告演出
予告演出には予告演出1~3の3種類が設定されている。予告演出3は、図17に示すように、可動部材105を待機位置から演出位置に移動操作し、光源108を可動部材105の演出位置でオン状態とするものである。この予告演出3は演出図柄遊技で「現代の街並み」の通常背景画像が表示された状態で行われるものであり、遊技者の目線では演出図柄表示器32に表示された「現代の街並み」の前方に太陽が浮ぶ映像となる。
【0063】
予告演出2は、図18に示すように、可動部材105の待機位置で光源101をオン状態とするものである。この予告演出2が開始される場合には演出図柄表示器32の「現代の街並み」の通常背景画像が一時的に絵柄を持たない無地の「キャンパス」の予告背景画像に切換えられ、「キャンパス」の予告背景画像の表示状態で光源101がオンされる。この光源101のオン状態では予告演出プレート100の発光部103が発光し、遊技者の目線では「現代の街並み」の風景画が「キャンパス」の予告背景画像の前に浮かぶ映像となる。
【0064】
予告演出1は、図19に示すように、可動部材105の演出位置で光源101および光源108をオン状態とするものである。この予告演出1が開始される場合には演出図柄表示器32から「現代の街並み」の通常背景画像が一時的に「キャンパス」の予告背景画像に切換えられ、「キャンパス」の予告背景画像の表示状態で可動部材105が待機位置から演出位置に移動操作され、可動部材105の演出位置で光源101および光源108がオンされる。これら光源101および光源108のオン状態では予告演出プレート100の発光部103および可動部材105が発光し、遊技者の目線では太陽で照らされた「現代の街並み」の風景画が「キャンパス」の予告背景画像の前に浮かぶ印象となる。
【0065】
図20(a)は疑似連演出1での予告タイミングであり、予告タイミングには予告タイミングT11~T14の4種類が設定されている。予告タイミングT11は1回目の単位図柄遊技で左列および右列が仮停止したリーチ状態に設定されたものであり、予告演出3のみが実行可能にされている。この予告タイミングT11に対しては、図20(b)に示すように、予告演出3を行うか否かが当否の判定結果に応じた確率で判定される。予告タイミングT12は1回目の単位図柄遊技で3列が再変動の組合せで仮停止した外れリーチ状態に設定されたものである。この予告タイミングT12は予告演出1および予告演出2が実行可能にされたものであり、図20(c)に示すように、予告タイミングT12に対しては予告演出1および予告演出2のいずれを行うかが当否の判定結果に応じた確率で判定される。予告タイミングT13は2回目の単位図柄遊技で右列が停止する前に設定されたものであり、予告タイミングT14は2回目の単位図柄遊技で左列および右列が停止したリーチ状態に設定されたものである。これら予告タイミングT13および予告タイミングT14のそれぞれは予告演出3のみが実行可能にされたものであり、図20(b)に示すように、予告タイミングT13および予告タイミングT14に対しては予告演出3を行うか否かが当否の判定結果に応じた確率で判定される。
【0066】
図20(d)は疑似連演出2での予告タイミングであり、予告タイミングには予告タイミングT21~T26の6種類が設定されている。予告タイミングT21は1回目の単位図柄遊技でのリーチ状態に設定されたものであり、予告タイミングT23は2回目の単位図柄遊技でのリーチ状態に設定されたものである。予告タイミング25は3回目の単位図柄遊技で右列が停止する前に設定されたものであり、予告タイミングT26は3回目の単位図柄遊技でのリーチ状態に設定されたものである。これら予告タイミングT21と予告タイミングT23と予告タイミングT25と予告タイミングT26のそれぞれは予告演出3のみが実行可能にされたものであり、図20(b)に示すように、予告タイミングT21~T26に対しては予告演出3を行うか否かが当否の判定結果に応じた確率で判定される。予告タイミングT22は1回目の単位図柄遊技で3列が再変動の組合せで仮停止した外れリーチ状態に設定されたものであり、予告タイミングT24は2回目の単位図柄遊技で3列が再変動の組合せで仮停止した外れリーチ状態に設定されたものである。これら予告タイミングT22および予告タイミングT24のそれぞれは予告演出1および予告演出2が実行可能にされたものであり、図20(c)に示すように、予告タイミングT22および予告タイミングT24のそれぞれに対しては予告演出1および予告演出2のいずれを行うかが当否の判定結果に応じた確率で判定される。
【0067】
予告演出3は疑似連演出1または疑似連演出2で3列の演出図柄が最終的に大当りの組合せとなることを非確定的に予告するものであり、予告演出3が行われた場合には行われなかった場合に比べて3列の演出図柄が高確率で大当りの組合せとなる。予告演出1および予告演出2は3列の演出図柄が仮停止した再変動する前に表示されるものであり、3列の演出図柄が再変動することを遊技者に確定的に予告するものである。これら予告演出1および予告演出2は3列の演出図柄が最終的に大当りの組合せとなることを非確定的に予告するものでもあり、予告演出1が行われた場合には予告演出2が行われた場合に比べて3列の演出図柄が高確率で大当りの組合せとなる。
【0068】
7.サブ制御回路81の処理機能
7-1.メイン処理
サブ制御回路81は電源が投入されることに応じてROMから図21のメイン処理用のプログラムを検出し、S101でRAMへのアクセス許可を設定し、S102で割込み禁止を設定する。そして、S103の乱数更新処理でRAMの複数の乱数の値を更新し、S104で割込みを許可した後にS102~S104をループする。この割込み許可中にはS105の受信割り込み処理およびS106のタイマ割込み処理の起動を許容する。
【0069】
7-2.受信割込み処理
サブ制御回路81は主制御回路51からのSTB信号がINT端子に入力される毎にS105の受信割込み処理を起動する。この受信割込み処理はS106のタイマ割込み処理に優先して実行されるものであり、サブ制御回路81は主制御回路51が図7のS11の出力処理で送信したコマンド等を受信割込み処理でRAMの受信バッファに格納する。
【0070】
7-3.タイマ割込み処理
サブ制御回路81は一定周期でタイマ割込み信号が入力される毎にS106のタイマ割込み処理を起動する。図22はタイマ割込み処理であり、サブ制御回路81はS111の受信コマンド解析処理で図柄遊技演出開始処理フラグ(S112)と図柄遊技演出停止処理フラグ(S114)と大当り遊技演出開始処理フラグ(S116)と大当り遊技演出停止処理フラグ(S118)のそれぞれをオンオフし、図柄遊技演出開始処理フラグのオン状態ではS113の図柄遊技演出開始処理を実行し、図柄遊技演出停止処理フラグのオン状態ではS115の図柄遊技演出停止処理を実行し、大当り遊技演出開始処理フラグのオン状態ではS117の大当り遊技演出開始処理を実行し、大当り遊技演出停止処理フラグのオン状態ではS119の大当り遊技演出停止処理を実行する。
【0071】
7-3―1.受信コマンド解析処理
図23はS111の受信コマンド解析処理であり、サブ制御回路81はS131で主制御回路51からの変動開始コマンドが受信バッファに格納されているか否かを判断し、変動開始コマンドが格納されていると判断した場合にはS132で図柄遊技演出開始処理フラグをオンする。この図柄遊技演出開始処理フラグのオン状態ではタイマ割込み処理でS112からS113へ移行し、図柄遊技演出開始処理を実行する。
【0072】
サブ制御回路81は図23の受信コマンド解析処理のS133で主制御回路51からの変動停止コマンドが受信バッファに格納されているか否かを判断し、変動停止コマンドが格納されていると判断した場合にはS134で図柄遊技演出停止処理フラグをオンする。この図柄遊技演出停止処理フラグのオン状態ではタイマ割込み処理でS114からS115へ移行し、図柄遊技演出停止処理を実行する。
【0073】
サブ制御回路81は図23の受信コマンド解析処理のS135で主制御回路51からの大当り遊技開始コマンドが受信バッファに格納されているか否かを判断し、大当り遊技開始コマンドが格納されていると判断した場合にはS136で大当り遊技演出開始処理フラグをオンする。この大当り遊技演出開始処理フラグのオン状態ではタイマ割込み処理でS116からS117へ移行し、大当り遊技演出開始処理を実行する。
【0074】
サブ制御回路81は図23の受信コマンド解析処理のS137で主制御回路51からの大当り遊技停止コマンドが受信バッファに格納されているか否かを判断し、大当り遊技停止コマンドが格納されていると判断した場合にはS138で大当り遊技演出停止処理フラグをオンする。この大当り遊技演出停止処理フラグのオン状態ではタイマ割込み処理でS118からS119へ移行し、大当り遊技演出停止処理を実行する。
【0075】
7-3―2.図柄遊技演出開始処理
図24(a)はS113の図柄遊技演出開始処理であり、サブ制御回路81はS141で特図1遊技データの受信結果を受信バッファから検出し、S142で3列の演出図柄の組合せを設定する。この3列の演出図柄は当否の検出結果が大当り用の「PO01~PO07」である場合に「大当りの組合せ」に設定されるものであり、特図変動パターンの検出結果が外れ用の「PH01~PH07」である場合には「外れリーチの組合せ」に設定され、特図変動パターンの検出結果が外れ用の「PH08」である場合には「完全外れの組合せ」に設定される。このサブ制御回路81は特図変動パターンの検出結果が疑似連演出1用の「PO06,PH06」である場合には1種類の「再変動の組合せ」を設定するものであり、特図変動パターンの検出結果が疑似連演出2用の「PO07,PH07」である場合には2種類の「再変動の組合せ」を設定する。このサブ制御回路81は3列の演出図柄の組合せを設定すると、画像制御回路91に組合せの設定結果を送信する。
【0076】
サブ制御回路81はS142で3列の演出図柄の組合せを設定すると、S143で特図変動パターンの検出結果に応じてビデオデータ指定コマンドを設定し、ビデオデータ指定コマンドの設定結果を画像制御回路91に送信する。このビデオデータ指定コマンドは特図変動パターンの検出結果に応じたスクロール演出の画像および背景演出の画像を表示するためのものであり、画像制御回路91はサブ制御回路81からのビデオデータ指定コマンドを受信することに応じてCGROMからビデオデータ指定コマンドに応じたビデオデータを検出し、ビデオデータの検出結果を再生することに応じて演出図柄表示器32に演出図柄遊技の画像を表示開始する。
【0077】
サブ制御回路81はS143でビデオデータ指定コマンドの設定結果を送信すると、S144で特図変動パターンの検出結果を疑似連演出用の「PO06,07」および「PH06,07」と比較する。ここで特図変動パターンの検出結果が疑似連演出用であると判断した場合にはS145の予告演出処理を経てS146で図柄遊技演出開始処理フラグをオフし、特図変動パターンの検出結果が疑似連演出用でないと判断した場合にはS146で図柄遊技演出開始処理フラグをオフする。
【0078】
7-3―3.図柄遊技演出停止処理
図24(b)はS115の図柄遊技演出停止処理であり、サブ制御回路81はS151で画像制御回路91に変動停止コマンドを送信し、S152で図柄遊技演出停止処理フラグをオフする。この画像制御回路91は変動停止コマンドを受信した場合には3列の演出図柄をサブ制御回路81からの組合せの設定結果で確定表示する。
【0079】
7-3―4.大当り遊技演出開始処理
図25(a)はS117の大当り遊技演出開始処理であり、サブ制御回路81はS201で画像制御回路91に大当り遊技演出開始コマンドを送信し、S202で大当り遊技演出開始処理フラグをオフする。この画像制御回路91はサブ制御回路81からの大当り遊技演出開始コマンドを受信した場合には大当り遊技演出開始コマンドの受信結果に応じたビデオデータをCGROMから検出し、ビデオデータの検出結果を再生することに応じて演出図柄表示器32に大当り遊技演出の画像を表示開始する。
【0080】
7-3―5.大当り遊技演出停止処理
図25(b)はS119の大当り遊技演出停止処理であり、サブ制御回路81はS211で画像制御回路91に大当り遊技演出停止コマンドを送信し、S212で大当り遊技演出停止処理フラグをオフする。この画像制御回路91はサブ制御回路81からの大当り遊技停止コマンドを受信した場合には大当り遊技演出の画像を表示停止する。
【0081】
7-3―6.予告演出処理
図26(a)はS145の予告演出処理であり、サブ制御回路81はS221で予告演出の種類を選択する。この処理は特図変動パターンの受信結果が疑似連演出1用である場合には4つの予告タイミングT11~T14のそれぞれに対して行われ、特図変動パターンの受信結果が疑似連演出2用である場合には6つの予告タイミングT21~T26のそれぞれに対して行われるものであり、予告タイミングT11とT13とT14とT21とT23とT25とT26のそれぞれに対しては予告演出3を行うか否かが当否の判定結果に応じた確率で判定され、予告タイミングT12とT22とT24のそれぞれに対しては予告演出1および予告演出2のいずれを行うかが当否の判定結果に応じた確率で判定される。
【0082】
サブ制御回路81はS221で予告演出を選択すると、S222で予告演出の選択結果に応じた予告演出コマンドを図23(b)の予告演出選択テーブルから選択する。この処理は特図変動パターンの受信結果が疑似連演出1用である場合には4つの予告演出の種類の選択結果毎に行われ、特図変動パターンの受信結果が疑似連演出2用である場合には6つの予告演出の種類の選択結果毎に行われるものであり、サブ制御回路81は予告演出の種類の選択結果毎にS223で予告演出コマンドの選択結果を予告タイミングと共に画像制御回路91に送信する。この画像制御回路91は疑似連演出1を表示する場合には4回の予告タイミングのそれぞれで予告演出コマンドに応じた予告演出を行い、疑似連演出2を表示する場合には6回の予告タイミングのそれぞれで予告演出コマンドに応じた予告演出を行う。
【0083】
上記実施例1によれば次の効果を奏する。
演出図柄表示器32の演出図柄遊技の画像で3列の演出図柄が再変動の組合せで変動停止した未確定状態とされた場合(予告タイミングT12,T22,T24)には予告演出プレート100に「現代の街並み」の風景画を設定確率で表示し、3列の演出図柄が仮停止状態から再び変動している未確定状態とされた場合には演出図柄表示器32に予告演出プレート100の風景画を遊技者に示唆する「現代の街並み」の通常背景画像を表示した。このため、遊技者は今回の演出図柄遊技の画像から3列の演出図柄が変動停止した未確定状態にあることを予告演出プレート100の「現代の街並み」の風景画が報知していると認識するので、次回以後の演出図柄遊技の画像では予告演出プレート100に「現代の街並み」の風景画が表示された時点で3列の演出図柄が変動停止した未確定状態にあると認識することが可能になる。しかも、演出図柄表示器32とは異なる予告演出プレート100に「現代の街並み」の風景画を表示した。このため、予告演出プレート100の「現代の街並み」の風景画が遊技者の目線に飛込み易くなるので、遊技者が予告演出プレート100の「現代の街並み」の風景画を見逃し難くなる。
【0084】
予告演出プレート100を演出図柄表示器32の前方に重ね、側面から入射された光を前に向けて反射することで「現代の街並み」の風景画を表示する透明な導光板から構成したので、予告演出プレート100の「現代の街並み」の風景画が演出図柄表示器32の液晶画面の前方に浮かんだ視覚的な趣向性に富んだ演出を発生させることが可能になる。
予告演出プレート100に「現代の街並み」の風景画を表示した。この風景画は演出図柄遊技の画像で3列の演出図柄の組合せが未確定である場合に演出図柄表示器32に通常背景画像として表示されるものである。このため、遊技者は予告演出プレート100の「現代の街並み」の風景画を視認することに応じて演出図柄遊技の画像で3列の演出図柄の組合せが未確定であると容易に認識することが可能となる。
【0085】
可動部材105をその全体である発光部が予告演出プレート100の「現代の街並み」の風景画の後方近傍に位置した演出位置および発光部が演出位置から退避した待機位置間で移動操作した。このため、可動部材105の演出位置では可動部材105から前に向けて光が投射され、予告演出プレート100の「現代の街並み」の風景画が可動部材105からの光によって演出される。このため、予告演出プレート100の「現代の街並み」の風景画の見栄えを変えることができるので、予告演出プレート100の「現代の街並み」の風景画の視覚的な趣向性を高めることが可能となる。
演出図柄表示器32の前方の予告演出プレート100に「現代の街並み」の風景画を表示したので、「現代の街並み」の風景画が演出図柄表示器32の「現代の街並み」の通常背景画像に比べて遊技者の目線に近付く。このため、「現代の街並み」の風景画が遊技者の目線に飛込み易くなるので、遊技者が「現代の街並み」の風景画を視認し易くなる。
3列の演出図柄が未確定状態であることを遊技者に示唆する「現代の街並み」の風景画を表示した。「現代の街並み」の風景画を演出図柄表示器32とは異なる予告演出プレート100に表示したので、総じて遊技者の目線で3列の演出図柄が未確定状態で変動停止していることを容易に識別することが可能となる。
【0086】
[実施例2]
疑似連演出1には、図27(a)に示すように、予告タイミングT14が設定され、疑似連演出2には、図27(e)に示すように、予告タイミングT26が設定されている。予告タイミングT14は2回目の単位図柄遊技の画像で最終の中列のスクロール表示が停止するタイミングに設定されたものであり、予告タイミングT26は3回目の単位図柄遊技の画像で最終の中列のスクロール表示が停止するタイミングに設定されている。これら予告タイミングT14および予告タイミングT26のそれぞれでは、図27(d)に示すように、当否の判定結果に拘わらず予告演出1が100%の確率で実行される。
【0087】
疑似連演出1には、図27(a)に示すように、予告タイミングT12が設定され、疑似連演出2には、図27(e)に示すように、予告タイミングT22および予告タイミングT24が設定されている。予告タイミングT12および予告タイミングT22は1回目の単位図柄遊技の画像で最終の中列のスクロール表示が仮停止した後のタイミングに設定されたものであり、予告タイミングT24は2回目の単位図柄遊技の画像で最終の中列のスクロール表示が仮停止した後のタイミングに設定されている。これら予告タイミングT12~T24のそれぞれでは、図27(c)に示すように、当否の判定結果に拘わらず予告演出2が100%の確率で実行される。
上記実施例2によれば次の効果を奏する。
疑似連演出1では2回目の単位図柄遊技の開始前に「現代の街並み」の風景画を予告演出プレート100に表示し、疑似連演出2では2回目の単位図柄遊技の開始前および3回目の単位図柄遊技の開始前のそれぞれに「現代の街並み」の風景画を予告演出プレート100に表示したので、遊技者が予告演出プレート100の「現代の街並み」の風景画を視認することに応じて3列の演出図柄が再び未確定なスクロール状態となることを容易に認識することが可能となる。しかも、疑似連演出1では2回目の単位図柄遊技の終了時に可動部材105の発光状態で予告演出プレート100に「現代の街並み」の風景画を表示し、疑似連演出2では3回目の単位図柄遊技の終了時に可動部材105の発光状態で予告演出プレート100に「現代の街並み」の風景画を表示したので、3列の演出図柄の組合せが確定したことを遊技者が容易に認識することが可能となる。
【0088】
[実施例3]
予告演出プレート100の演出領域102内には、図28(a)に示すように、発光部111が設けられている。この発光部111は予告演出プレート100の後面に形成された多数の反射ドットからなるものであり、光源101から予告演出プレート100内に入射した光の一部は発光部111によって前へ反射される。この発光部111は女性のシルエットを模したものであり、光源101の点灯状態では演出図柄表示器32の液晶画面の前方に「女性のシルエット」の画像が浮き上がる印象となる。この発光部111が投影する画像はバトル演出画像BL1~BL4での「女性のシルエット(図15参照)」に類似するものであり、遊技者にバトル演出画像BL1~BL4を想起させるものである。これらバトル演出画像BL1~BL4での「女性のシルエット」の絵柄は装飾絵柄およびリーチ絵柄に相当し、予告演出プレート100の発光部111が投射する「女性のシルエット」の画像は絵柄に相当し、発光部111は反射部に相当する。
【0089】
図29は演出図柄遊技の画像でバトル演出画像BL1~BL4が表示される場合のスクロール演出を示すものであり、バトル演出画像BL1~BL4が表示される場合にはリーチ状態で中列の演出図柄のスクロール表示が通常速度から低速度に切換えられた後に仮停止する。この中列の仮停止は左列および右列のそれぞれの演出図柄に比べて「1」だけ小さな数字で行われるものであり、中列の演出図柄が仮停止した状態では3列の演出図柄が所定の再変動の組合せ「(N)(N-1)(N)」となる。この中列の演出図柄は仮停止した後に再びスクロール表示されるものであり、大当りと判定されている場合には左列および右列のそれぞれの演出図柄と同一の数字で停止表示され、外れと判定されている場合には左列および右列のそれぞれの演出図柄と異なる数字で停止表示される。
【0090】
図28(b)は演出図柄遊技の画像でバトル演出画像BL1~BL4が表示される場合の予告タイミングT0を説明するものであり、予告タイミングT0は中列の演出図柄のスクロール表示が仮停止してから再開される前の3列の演出図柄が再変動の組合せで仮停止した状に設定されている。この予告タイミングT0には、図28(c)に示すように、予告演出4のみが設定されている。この予告演出4は光源101を点灯状態とすることに応じて発光部111を発光させるものであり、予告演出4はバトル演出画像BL1が表示される場合に最も高い確率で行われ、バトル演出画像BL2が表示される場合に2番目に高い確率で行われ、バトル演出画像BL3が表示される場合に3番目に高い確率で行われ、バトル演出画像BL4が表示される場合に最も低い確率で行われる。即ち、予告演出4は3列の演出図柄の再変動を遊技者に示唆するものであり、大当りの組合せとなる信頼度を遊技者に示唆するものである。
上記実施例3によれば次の効果を奏する。
3列の演出図柄が変動停止した未確定状態で予告演出プレート100に「女性のシルエット」の画像を表示し、3列の演出図柄のスクロール表示が再開された状態で予告演出プレート100の「女性のシルエット」の画像が示唆する「女性のシルエット」の絵柄をバトル演出画像BL1~BL4で表示した。このため、予告演出プレート100の「女性のシルエット」の画像がリーチ絵柄を示唆するものとして遊技者に印象付けられるので、遊技者が予告演出プレート100の「女性のシルエット」の画像を視認することに応じて大当りに対する大きな期待感を持つようになる。
【0091】
[実施例4]
左列と中列と右列の各列の演出図柄「1」~「9」のそれぞれには、図30に示すように、「太陽」の装飾絵柄Mが添付されている。この装飾絵柄Mは数字の図柄「1」~「9」を視覚的に装飾するものであり、数字の図柄と一体的に演出図柄としてスクロール表示される。
【0092】
予告演出プレート100の演出領域102内には、図30に示すように、発光部120が設けられている。この発光部120は予告演出プレート100の後面に形成された多数の反射ドットからなるものであり、光源101から予告演出プレート100内に入射した光の一部は発光部120によって前へ反射される。この発光部120は「太陽」を模したものであり、光源101の点灯状態では演出図柄表示器32の液晶画面の前方に「太陽」の画像が浮き上がる。この発光部120が投影する「太陽」の画像は絵柄に相当し、発光部120は反射部に相当する。
【0093】
発光部120が投影する「太陽」の画像は装飾絵柄Mに類似するものであり、装飾絵柄Mは発光部120が投影する「太陽」の画像を示唆するものである。この光源101は図27(a)の予告タイミングT12と(b)の予告タイミングT22と(b)の予告タイミングT24のそれぞれでオンされるものであり、予告演出プレート100の「太陽」の画像は3列の演出図柄が再変動することを遊技者に示唆する。
上記実施例4によれば次の効果を奏する。
3列の演出図柄がスクロール停止した未確定状態から再びスクロールした未確定状態とされた場合には未確定のスクロール停止状態で予告演出プレート100に表示されていた「太陽」の画像を示唆する装飾絵柄Mが3列の演出図柄のそれぞれに添付されるので、予告演出プレート100の「太陽」の画像が3列の演出図柄の未確定状態を示唆していることを遊技者に強く印象付けることが可能になる。
【0094】
[実施例5]
予告演出プレート100の演出領域102内には、図31(b)に示すように、反射部に相当する発光部130が設けられている。この発光部130は予告演出プレート100の後面に形成された多数の反射ドットからなるものであり、光源101から予告演出プレート100内に入射した光の一部は発光部130によって前へ反射される。この発光部130は特図保留数を表示する雲画像Cの輪郭形状を模したものであり、光源101の点灯状態では演出図柄表示器32の液晶画面の前方に「雲」の画像が浮き上がる。この発光部130内には非発光部131が形成されている。この非発光部131は発光部130のうち反射ドットが形成されていない領域であり、非発光部131の後方の領域は光源101の点灯状態であっても前から視認可能となる。この非発光部131は円形状をなすものであり、可動部材105の本体部106の輪郭形状を模した形状に設定されている。この非発光部131は透過部に相当する。
【0095】
可動部材105は、図30(c)に示すように、演出位置で透過部を含む発光部130の後方の領域内に位置するものであり、可動部材105のうち高輝度の本体部106の中央部は非発光部131の後方に位置し、可動部材105のうち本体部106の中央部を除いた残余部は発光部130の後方に位置する。この可動部材105の演出位置で発光部130が発光した場合には演出図柄表示器32の液晶画面の前方に「雲が太陽を取り囲む」の画像が浮き上がる。この画像では可動部材105のうち非発光部131の後方に位置する中央部が明るく輝き、残余の部分が雲を通して鈍く輝く。
【0096】
疑似連演出1の予告タイミングT12と疑似連演出2の予告タイミングT22と疑似連演出2の予告タイミングT24(図27参照)では予告演出5が行われる。この予告演出5は可動部材105の待機位置で光源101を点灯状態とすることに応じて発光部130を発光させるものであり、3列の演出図柄が再変動することを遊技者に示唆するものである。疑似連演出1の予告タイミングT14と疑似連演出2の予告タイミングT26(図27参照)では予告演出6が行われる。この予告演出6は可動部材105を待機位置から演出位置に移動操作し、可動部材105の演出位置で光源108を点灯状態とすることに応じて可動部材105を発光させると共に光源101を点灯状態とすることに応じて発光部130を発光させるものであり、3列の演出図柄の組合せが確定したことを遊技者に示唆するものである。
【0097】
上記実施例5によれば次の効果を奏する。
可動部材105を予告演出プレート100の発光部103の後方に位置する演出位置および演出位置から退避した待機位置間で移動操作したので、予告演出6では可動部材105の演出位置で本体部106および周囲部106のそれぞれから予告演出プレート100の発光部130に向けて光が投射され、予告演出プレート100の「雲」の画像が可動部材105からの光によって照明される。このため、「雲」の画像の見栄えが変化するので、「雲」の画像の視覚的な趣向性を高めることが可能となる。
予告演出プレート100の発光部130に透光性の非発光部131を設け、可動部材105の演出位置で本体部106の一部を非発光部131の後方に配置したので、可動部材105の本体部106から非発光部131を通して前に光が投射される。このため、「雲」の画像の見栄えが大きく変化するので、「雲」の画像の視覚的な趣向性を一層高めることが可能となる。
3列の演出図柄の組合せが確定していると遊技者に示唆する場合には可動部材105の演出位置で可動部材105を発光させた状態で予告演出プレート100に「雲」の画像を表示し、3列の演出図柄の組合せが確定していないと遊技者に示唆する場合には可動部材105の非発光状態で予告演出プレート100に「雲」の画像を表示した。このため、遊技者の目線では「雲」の画像が非照明状態で浮き上がった場合には3列の演出図柄が再変動し、「雲」の画像が照明状態で浮き上がった場合には3列の演出図柄の組合せが確定していることとなるので、遊技者に3列の演出図柄の組合せが確定しているか否かを興趣に富んだ内容で報知することが可能となる。
【0098】
上記実施例5においては、光源101のオン状態で可動部材105の本体部106のみを発光させる構成としても良い。この場合には本体部106が発光部に相当する。
上記実施例5においては、疑似連演出1の予告タイミングT12と疑似連演出2の予告タイミングT22と疑似連演出2の予告タイミングT24で可動部材105を待機位置から演出位置に移動操作し、可動部材105の演出位置で光源108および光源101を点灯状態としても良い。この構成の場合には光源108の輝度を疑似連演出1の予告タイミングT14および疑似連演出2の予告タイミングT26での輝度に比べて暗くすることに応じて3列の演出図柄が再変動することを遊技者に示唆することが好ましい。
【0099】
上記実施例5においては、下記[1]~[2]に示すように、サブ制御回路81が光源101および光源108のそれぞれを制御することに応じて予告演出プレート100の「雲」の画像の態様を変化させ、「雲」の画像の態様の違いから3列の演出図柄が再変動するか、あるいは、再変動しないかを遊技者に示唆する構成としても良い。
[1]3列の演出図柄が再変動する予告タイミングでは発光部130を暗く発光させることで3列の演出図柄の組合せが確定していないことを示唆し、3列の演出図柄が再変動しない予告タイミングでは発光部130を明るく発光させることで3列の演出図柄の組合せが確定したことを示唆する。即ち、発光部130の輝度の違いに応じて3列の演出図柄の組合せの確定の有無を示唆する。
[2]3列の演出図柄が再変動する予告タイミングでは発光部130を青白く発光させることで3列の演出図柄の組合せが確定していないことを示唆し、3列の演出図柄が再変動しない予告タイミングでは発光部130を赤く発光させることで3列の演出図柄の組合せが確定したことを示唆する。即ち、発光部130の色彩の違いに応じて3列の演出図柄の組合せの確定の有無を示唆する。
【0100】
[実施例6]
図31の演出部材150は遊技盤3に設けられたものであり、予告位置(実線参照)および待機位置(破線参照)間で上下方向へ移動可能にされている。この演出部材150は予告位置で演出図柄表示器32の液晶画面の前方に重なるものであり、遊技者が視認することが容易になる。この演出部材150は待機位置で装飾枠33の後方に重なるものであり、遊技者が視認することが困難になる。この演出部材150は操作機構151を介して操作モータ152に連結されたものであり、操作モータ152は操作機構151を介して演出部材150を待機位置および予告位置間で移動操作する。この操作モータ152はサブ制御回路81に電気的に接続されたものであり、サブ制御回路81は操作モータ152を駆動制御することに応じて演出部材150を移動制御する。この演出部材150は次のように構成されている。
【0101】
図32の装飾ボックス161は後面および右側面が開口する箱状をなすものであり、前板と上板と下板と左側板を有している。この装飾ボックス161は有色不透明なものであり、前板の右半部が欠損した形状をなしている。この装飾ボックス161は飾り部材に相当する。この装飾ボックス161には装飾プレート162が接合されている。この装飾プレート162は装飾ボックス161の後面を塞ぐ平板状をなすものであり、透光部163および非透光部164を有している。透光部163は有色透明なものであり、装飾ボックス161の前板の欠損部を通して前方に露出している。非透光部164は有色不透明なものであり、装飾プレート162のうち透光部163を除く残余の部分である。この非透光部164のうち透光部163を取り囲む部分は装飾ボックス161の前板の欠損部を通して前方に露出し、残余の部分は装飾プレート162の前板によって前から視認不能に覆われている。この装飾プレート162は発光部材に相当し、透光部163は透過部に相当する。
【0102】
装飾プレート162には、図32に示すように、LED基板165が接合されている。このLED基板165は装飾プレート162に後方から対向するものであり、装飾プレート162およびLED基板165間には両者の間に隙間を形成するための複数のスペーサー166が介在されている。このLED基板165は有色不透明なものであり、LED基板165の前面には複数のカラーLED167が搭載されている。これら複数のカラーLED167の全ては前から見て装飾プレート162の透光部163の後方に配置されたものであり、透光部163を通して光を前へ投射する。これら複数のカラーLED167はサブ制御回路81に接続されたものであり、サブ制御回路81は各カラーLED167の色彩と輝度と色調とオンオフを制御する。これら複数のカラーLED167は投光器172に相当するものである。
【0103】
装飾ボックス161には、図32に示すように、装飾カバー168が装着されている。この装飾カバー168はアーム169を有するものであり、アーム169を装飾ボックス161の前板に軸170を介して連結することに応じて装飾ボックス161と装飾プレート162とLED基板165と複数のカラーLED167に対して回動可能にされている。この装飾カバー168は半透光部175および透光部176を有している。透光部176は有色透明な四角形状をなすものであり、装飾プレート162の透光部163とは異なる色彩に設定されている。半透光部175は装飾カバー168のうち透光部176を除く残余の領域である。この半透光部175は透光部176に比べて光を透過する度合いが低い有色半透明なものであり、装飾プレート162の透光部163および装飾カバー168の透光部176のいずれとも異なる色彩に設定されている。この装飾カバー168は可動部材に相当する。この装飾カバー168は光が投射された状態および光が投射されていない状態間で全体の態様が変化するものであり、その全体が装飾部に相当する。
【0104】
装飾ボックス161内には、図32に示すように、演出モータ171が固定されている。この演出モータ171はパルスモータからなるものであり、装飾ボックス161の前板は演出モータ171を前方から視認不能に覆っている。この演出モータ171は装飾ボックス161内で歯車機構を介して装飾カバー168のアーム169に連結されており、装飾カバー168を軸170を中心に閉鎖位置と半開放位置と開放位置間で回動操作する。この演出モータ171は駆動源に相当する。図32(a)は装飾カバー168を閉鎖位置で示すものである。この閉鎖位置は装飾ボックス161の前板の欠損部を塞ぐ位置であり、装飾カバー168の閉鎖位置では装飾カバー168の全体が装飾プレート162の透光部163および複数のカラーLED167に前から重なり、装飾カバー168および装飾ボックス161の前板間に隙間173が形成される。この閉鎖位置は第1の位置に相当する。
【0105】
図32(c)は装飾カバー168を開放位置で示すものである。この開放位置は装飾カバー168が閉鎖位置から反時計回り方向に回動した位置であり、装飾カバー168の開放位置では装飾カバー168の全体が装飾プレート162の透光部163および複数のカラーLED167の前から退避する。この開放位置は第2の位置に相当する。この装飾カバー168の開放位置では装飾カバー168が装飾ボックス161の前板から遠ざかり、装飾カバー168の閉鎖位置では装飾カバー168が装飾ボックス161の前板に接近する。図32(d)は装飾カバー168を半開放位置で示すものである。この半開放位置は閉鎖位置および開放位置間の中間位置であり、装飾カバー168の半開放位置では装飾カバー168の一部が装飾プレート162の透光部163およびカラーLED167に前から重なる。
【0106】
装飾カバー168の閉鎖位置で複数のカラーLED167が消灯されている状態では、図32(a)に示すように、演出部材150が1つの輪郭形状を有する欠損していない四角箱状となる。この装飾カバー168の閉鎖位置で複数のカラーLED167が点灯した場合には複数のカラーLED167からの光が装飾プレート162の透光部163と装飾カバー168の透光部175と装飾カバー168の半透光部176を通して演出部材150の前方へ出射されるので、遊技者の目線で演出部材150の右半部が複数のカラーLED167の消灯状態とは異なる色彩と輝度と色調の見え方になる。この装飾カバー168の閉鎖位置で複数のカラーLED167を点灯状態とする演出を閉鎖演出と称する。
【0107】
装飾カバー168の開放位置で複数のカラーLED167が点灯している状態では、図32(c)に示すように、複数のカラーLED167からの光が装飾プレート162の透光部163を通して演出部材150の前方へ出射されるので、遊技者の目線で演出部材150の右半部が閉鎖演出とは異なる色彩と輝度と色調の見え方になる。この装飾カバー168の開放位置で複数のカラーLED167を点灯状態とする演出を開放演出と称する。
【0108】
装飾カバー168の半開放位置で複数のカラーLED167が点灯している状態では、図32(d)に示すように、複数のカラーLED167からの光の一部が装飾プレート162の透光部163および装飾カバー168の透光部175を通して演出部材150の前方へ出射され、複数のカラーLED167からの光の残りが装飾プレート162の透光部163のみを通して演出部材150の前方へ出射されるので、遊技者の目線で演出部材150の右半部が閉鎖演出および開放演出のいずれとも異なる色彩と輝度と色調の見え方になる。この装飾カバー168の半開放位置で複数のカラーLED167を点灯状態とする演出を半開放演出と称する。
【0109】
サブ制御回路81は演出図柄遊技中に予告演出11と予告演出12と予告演出13と予告演出14を実行する。これら予告演出11~14のそれぞれは、図33に示すように、演出部材150を3列の演出図柄のリーチ状態で待機位置から予告位置へ下降操作することで開始されるものである。この演出部材150の下降操作は複数のカラーLED167の消灯状態および装飾カバー168の閉鎖位置で行われるものであり、予告演出11~14のそれぞれは演出部材150を3列の演出図柄のリーチ状態で予告位置から待機位置に上昇操作することで停止される。これら予告演出11~14の詳細は下記[1]~[4]の通りである。
【0110】
[1]予告演出14は演出部材150の下降位置で複数のカラーLED167を消灯状態とするものである。この予告演出14は3列の演出図柄が大当りの組合せとなる信頼度が予告演出11~14のうちで最低に設定されている(a→b参照)。
[2]予告演出13は可動部材15の下降位置で複数のカラーLED167を点灯状態とするものである。この予告演出13は装飾カバー168の閉鎖位置で行われるものであり、大当りの信頼度が予告演出11~14のうちで2番目に低く設定されている(a→b参照)。
[3]予告演出12は可動部材15の下降位置で複数のカラーLED167を点灯状態とし、装飾カバー168を閉鎖位置から半開放位置に回動操作するものである。この予告演出12は大当りの信頼度が予告演出11~14のうちで3番目に低く設定されている(a→c参照)。
[4]予告演出11は可動部材15の下降位置で複数のカラーLED167を点灯状態とし、装飾カバー168を閉鎖位置から開放位置に回動操作するものである(a→d参照)。この予告演出11は大当りの信頼度が予告演出11~14のうちで最高に設定されている。
【0111】
上記実施例6によれば次の効果を奏する。
装飾カバー168を装飾プレート162の透光部163に前方から重なる閉鎖位置および透光部163の前方から退避した開放位置に移動操作したので、装飾カバー168の閉鎖位置では複数のLED167からの光が透光部163および装飾カバー168を通して投射され、装飾カバー168の開放位置では複数のLED167からの光が透光部163のみを通して投射される。このため、装飾カバー168が閉鎖位置にある状態および開放位置にある状態間で演出部材150の見栄えが大きく変化するので、予告演出の見栄えに趣向性に富んだ変化を付けることが可能になる。
装飾カバー168の全体を光が透過可能に設定したので、装飾カバー168の閉鎖位置および開放位置間で特に装飾カバー168の見栄えを大きく変化させることが可能になる。
装飾カバー168を光の透過度が互いに異なる半透光部175および透光部176から構成したので、装飾カバー168の閉鎖位置で装飾カバー168の見栄えが向上する。
【0112】
装飾カバー168の閉鎖位置で装飾カバー168を装飾ボックス161の前板に接近させ、装飾カバー168の開放位置で装飾カバー168を装飾ボックス161の前板から遠ざけたので、装飾カバー168の閉鎖位置および開放位置間での装飾カバー168の見栄えを装飾ボックス161によって大きく変化させることが可能になる。
装飾カバー168の閉鎖位置では装飾ボックス161の前板および装飾カバー168間で四角箱状の視覚的な完成形態を生成し、装飾カバー168の開放位置では装飾ボックス161の前板および装飾カバー168間を視覚的な分離形態としたので、装飾カバー168の閉鎖位置および開放位置間での装飾カバー168の見栄えを装飾ボックス161の前板によって一層大きく変化させることが可能になる。
装飾カバー168の閉鎖位置で装飾ボックス161の前板および装飾カバー168間に隙間173を形成した。このため、装飾カバー168の閉鎖位置で装飾ボックス161の前板および装飾カバー168間が完成形態となる上に隙間173から前方へ光が漏れるので、装飾カバー168の閉鎖位置および開放位置間での見栄えを一層大きく変化させることが可能になる。
上記実施例6においては、3列の演出図柄の組合せが確定しているか否かを遊技者に示唆することに予告演出11~14を利用しても良い。この場合には図27の予告タイミングT12とT22とT24のそれぞれでは予告演出13を実行し、予告タイミングT14とT26のそれぞれでは予告演出11を実行することが好ましい。
【0113】
[実施例7]
図34のベースプレート181は装飾枠33の左下隅部に固定されたものであり、演出図柄表示器32の液晶画面の前方に配置されている。このベースプレート181には光を透過することが可能な透光板182が固定されている。この透光板182はベースプレート181の前方に遊技者から視認可能に配置されたものであり、ベースプレート181および透光板182間には隙間が形成されている。この透光板182は可動部材に相当するものであり、第1の透光領域190と第2の透光領域191と第3の透光領域192を有している。これら第1の透光領域190~第3の透光領域192は互いに同一の有色な色彩を有するものであり、第1の透光領域190の透明度は第1の透光領域190~第3の透光領域192うちで最も高く設定され、第2の透光領域191の透明度は2番目に高く設定され、第3の透光領域192の透明度は最も低く設定されている。即ち、透光板182は光を透過する度合いが互いに異なる複数の部分から構成されたものである。
【0114】
ベースプレート181には、図34に示すように、装飾プレート183が装着されている。この装飾プレート183は左右方向へ移動可能にされたものであり、非透光部184および透光部185を有している。非透光部184は有色不透明な「太古の陸地」の風景画が描かれた領域を称するものであり、光が透過不能な領域である。透光部185は装飾プレート183のうち非透光部184を除いた残余の領域であり、有色透明な領域である。この装飾プレート183の後面にはLED基板(図示せず)が接合されている。このLED基板は装飾プレート183と一体的に移動するものであり、LED基板の前面には複数のLED186が搭載されている。これら複数のLED186の全ては透光部185の後方に配置されており、複数のLED186のそれぞれからの光は透光部185を通して前へ出射される。これら複数のLED186は投光器193に相当し、装飾プレート183は発光部材に相当する。
【0115】
装飾プレート183にはパルスモータからなる操作モータ(図示せず)が固定されている。この操作モータは、図34に示すように、前後方向へ指向する水平な回転軸187を有するものであり、回転軸187の前端部にはピニオン188が固定されている。このピニオン188にはラック189が噛合されている。このラック189はベースプレート181の前面に固定されたものであり、装飾プレート183は操作モータが回転することに応じて第1の予告位置および第2の予告位置間で移動操作される。この操作モータは駆動源に相当する。第1の予告位置は、図34(a)に示すように、装飾プレート183の全領域が透光板182から左側へ退避した位置であり、第2の予告位置は、図34(b)に示すように、装飾プレート183の透光部185が透光板182の後に重なる位置である。この装飾プレート183の第2の予告位置では透光板182の全領域が複数のLED186の前に重なり、複数のLED186のそれぞれからの光が装飾プレート183の透光部185および透光板182を通過して前へ出射する。この第2の予告位置は第1の位置に相当し、第1の予告位置は第2の位置に相当する。
【0116】
サブ制御回路81は演出図柄遊技中に予告演出21および予告演出22を実行する。予告演出21は、図34(a)に示すように、装飾プレート183の第1の予告位置で複数のLED186を点灯状態とするものである。この予告演出21では複数のLED186からの光が装飾プレート183の透光部185のみを通して前へ出射され、「太古の陸地」の風景画の右上部が遊技者に青色の空を印象付ける第1の態様となる。予告演出22は、図34(b)に示すように、装飾プレート183の第2の予告位置で複数のLED186を点灯状態とするものである。この予告演出22では複数のLED186からの光が装飾プレート183の透光部185および透光板182を通して前へ出射され、「太古の陸地」の風景画の右上部が遊技者にオレンジ色の空を印象付ける第2の態様となる。この第2の態様では第1の透光領域190を通して多量の光が投射され、第2の透光領域191を通して中量の光が投射され、第3の透光領域192を通して少量の光が投射されるので、グラデーションを有するオレンジ色の空が描かれる。これら予告演出21および22のそれぞれは3列の演出図柄が大当りの組合せとなる信頼度を遊技者に示唆するものであり、予告演出21の信頼度は予告演出22の信頼度に比べて高く設定されている。
【0117】
上記実施例7によれば次の効果を奏する。
透光板182を光の透過度が互いに異なる第1の透光領域190~第3の透光領域192から構成した。このため、透光板182の第2の予告位置で第1の透光領域190~第3の透光領域192のそれぞれから異なる量の光が投射されるので、透光板182の第2の予告位置での見栄えを大きく変化させることが可能になる。
上記実施例7においては、3列の演出図柄の組合せが確定しているか否かを遊技者に示唆することに予告演出21および22を利用しても良い。この場合には図27の予告タイミングT12とT22とT24のそれぞれでは予告演出21を実行し、予告タイミングT14とT26のそれぞれでは予告演出22を実行することが好ましい。
上記実施例7においては、透光板182に色彩が互いに異なる透光性の複数の部分を設け、透光板182の複数の部分を第2の予告位置で装飾プレート183の透光部185の前に重ねても良い。
【0118】
上記実施例1ないし7においては、本発明を1種または2種または3種のパチンコ遊技機に適用しても良い。
本発明は上記実施例1ないし7に限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することが可能である。
【0119】
上記実施例1ないし7には特許請求の範囲に記載された発明に加えて次の参考発明[1-1]~[1-7][2-1]が記載されている。
遊技機には遊技球が所定の入球領域に有効に入球した場合に当否を判定し、図柄遊技の画像を表示することに応じて当否の判定結果を遊技者に報知する構成のものがある。この図柄遊技の画像は識別図柄を変動している未確状態から変動停止した確定状態とするものであり、遊技者には識別図柄の確定状態での態様に応じて当否の判定結果が報知される(特開2016-158689号公報参照)。この遊技機の場合には識別図柄を変動している未確定状態から変動停止した確定状態とする間に変動停止した未確定状態から再び変動している未確定状態とする構成のものがある。この構成の場合には遊技者の目線で識別図柄が未確定状態で変動停止しているか否かを識別し難い問題があった。本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は遊技者の目線で識別図柄が未確定状態で変動停止していることを容易に識別することが可能な遊技機を提供することにある。
【0120】
[参考発明1-1]
遊技球が所定の入球領域に有効に入球した場合に当否を判定する判定手段と、
遊技者から視認可能なものであって、識別図柄を態様が変動している未確定状態から前記判定手段の判定結果に応じた態様で変動停止した確定状態とする図柄遊技の画像が表示される第1の表示器と、
前記第1の表示器に前記図柄遊技の画像を表示するものであって、前記図柄遊技の画像で前記識別図柄を前記未確定状態から前記確定状態とする間に変動停止した未確定状態から再び変動している未確定状態とすることが可能な第1の表示手段と、
遊技者から視認可能なものであって、前記第1の表示器に前記識別図柄が変動停止した未確定状態で表示された場合に絵柄が表示される第2の表示器を備え、
前記第1の表示手段は、
前記第2の表示器に前記絵柄が表示された場合に前記識別図柄を変動停止した未確定状態から再び変動している未確定状態とするものであって、前記識別図柄を再び変動している未確定状態とした場合に前記絵柄を遊技者に示唆する装飾絵柄を前記第1の表示器に表示することを特徴とする遊技機。
上記手段によれば、第1の表示器の図柄遊技の画像で識別図柄が変動停止した未確定状態とされた場合には第2の表示器に絵柄が表示され、識別図柄が変動停止した未確定状態から再び変動している未確定状態とされた場合には第2の表示器の絵柄を示唆する示唆絵柄が第1の表示器に表示される。このため、遊技者は今回の図柄遊技の画像から識別図柄が変動停止した未確定状態にあることを第2の表示器の絵柄が報知していると認識するので、次回以後の図柄遊技の画像では第2の表示器に絵柄が表示された時点で識別図柄が変動停止した未確定状態にあると認識することが可能になる。しかも、第1の表示器とは異なる第2の表示器に絵柄が表示される。このため、第2の表示器の絵柄が遊技者の目線に飛込み易くなるので、遊技者が第2の表示器の絵柄を見逃し難くなる。
【0121】
[参考発明1-2]
前記第1の表示手段は、前記識別図柄を前記装飾絵柄の添付状態で再び変動している未確定状態とすることを特徴とする[参考発明1-1]に記載の遊技機。
上記手段によれば、識別図柄が変動停止した未確定状態から再び変動している未確定状態とされた場合には識別図柄の未確定の変動停止状態で第2の表示器に表示されていた絵柄を示唆する装飾絵柄が識別図柄に添付されるので、第2の表示器の絵柄が識別図柄の未確定状態を示唆していることを遊技者に強く印象付けることが可能になる。
【0122】
[参考発明1-3]
前記第1の表示手段は、前記識別図柄が当りの態様で変動停止した確定状態となることを遊技者に示唆する予告絵柄として前記装飾絵柄を表示することを特徴とする[参考発明1-1]に記載の遊技機。
上記手段によれば、識別図柄が変動停止した未確定状態から再び変動している未確定状態とされた場合には識別図柄の未確定の変動停止状態で第2の表示器に表示されていた絵柄を示唆する装飾絵柄がリーチ絵柄として表示されるので、第2の表示器の絵柄を遊技者にリーチ絵柄を示唆するものとして印象付けることが可能になる。
【0123】
[参考発明1-4]
前記第1の表示器は、
前記識別図柄が変動している未確定状態から変動停止した未確定状態となる1回以上の単位図柄遊技および前記識別図柄が変動している未確定状態から前記判定手段の判定結果に応じた態様で変動停止した確定状態となる1回の単位図柄遊技からなる図柄遊技の画像が表示されるものであり、
前記第2の表示器には、
今回の単位図柄遊技の終了後に次回の単位図柄遊技が開始される場合に今回の単位図柄遊技で前記識別図柄が変動停止した未確定状態となることに応じて前記絵柄が表示され、
前記第1の表示手段は、
次回の単位図柄遊技で前記識別図柄を再び変動している未確定状態とした場合に前記装飾絵柄を表示することを特徴とする[参考発明1-1]に記載の遊技機。
上記手段によれば、今回の単位図柄遊技の終了後に次回の単位図柄遊技が開始される場合には次回の単位図柄遊技の開始前に絵柄が第2の表示器に表示されるので、遊技者が第2の表示器の絵柄を視認することに応じて識別図柄が再び未確定な変動状態となることを容易に認識することが可能となる。
【0124】
[参考発明1-5]
前記第2の表示器は、
前記第1の表示器の前方に設けられたものであって、側面から入射された光を前に向けて反射することで前記絵柄を表示する反射部を備えた透明な導光板からなることを特徴とする[参考発明1-1]に記載の遊技機。
上記手段によれば、第2の表示器の絵柄が第1の表示器の図柄遊技の画像の前方に浮かんだ視覚的な趣向性に富んだ演出を発生させることが可能になる。
【0125】
[参考発明1-6]
光を前に向けて発する発光部を有する可動部材を備え、
前記導光板には、前記反射部内に位置して後から前に向けて投射された光が透過可能な透過部が設けられ、
前記可動部材は、前記発光部が前記反射部の後方および前記透過部の後方に位置した演出位置および当該演出位置から退避した退避位置間で移動操作されることを特徴とする[参考発明1-5]に記載の遊技機。
上記手段によれば、可動部材の演出位置では発光部から前に向けて投射された光が導光板の透過部を透過するので、導光板の絵柄内に残りの部分とは輝度が大きく異なる部分が形成される。このため、導光板の絵柄の見栄えを変えることができるので、絵柄の視覚的な趣向性を高めることが可能となる。
【0126】
[参考発明1-7]
前記図柄遊技の画像で前記識別図柄が前記判定手段の判定結果に応じた態様で変動停止した確定状態にされた場合には、前記可動部材の演出位置で前記発光部が発光した状態で前記第2の表示器に前記絵柄が表示され、
前記図柄遊技の画像で前記識別図柄が変動停止した未確定状態にされた場合には、前記発光部の非発光状態で前記第2の表示器に前記絵柄が表示されることを特徴とする[参考発明1-6]に記載の遊技機。
上記手段によれば、遊技者の目線では図柄遊技の画像の前方に絵柄が浮んだ場合には識別図柄が未確定の変動停止状態にあり、図柄遊技の画像の前方に絵柄が可動部材によって後方から照明された状態で浮んだ場合には識別図柄が確定した変動停止状態にあることとなるので、遊技者に識別図柄が変動停止した未確定状態および確定状態の何れにあるかを興趣に富んだ演出内容で報知することが可能となる。
【0127】
[参考発明2-1]
遊技球が所定の入球領域に有効に入球した場合に当否を判定する判定手段と、
遊技者から視認可能なものであって、識別図柄を態様が変動している未確定状態から前記判定手段の判定結果に応じた態様で変動停止した確定状態とする図柄遊技の画像が表示される第1の表示器と、
遊技者から視認可能なものであって、前記識別図柄が前記未確定状態にあることを遊技者に示唆する絵柄が表示される第2の表示器を備えたことを特徴とする遊技機。
上記手段によれば、識別図柄が未確定状態であることを遊技者に示唆する絵柄が表示される。しかも、絵柄が第1の表示器とは異なる第2の表示器に表示されるので、総じて遊技者の目線で識別図柄が未確定状態で変動停止していることを容易に識別することが可能となる。
【0128】
上記実施例1ないし7には特許請求の範囲に記載された発明に加えて次の参考発明[3-1]~[3-6][4-1]が記載されている。
遊技機には演出器を備えたものがある。この演出器は遊技者から視認容易な位置および視認困難な位置間で移動操作されるものであり、識別図柄が大当りの態様となることを遊技者に示唆する予告演出を行う場合に使用される(特開2016-158689号公報参照)。この遊技機の場合には演出器の内部に光源を収納し、光源をオンオフすることに応じて演出器の見栄えを変化させることが行われている。この従来の遊技機の場合には演出器の輝度が変化する程度で、演出の見栄えに趣向性に富んだ変化を付けることが困難だった。本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、演出の見栄えに趣向性に富んだ変化を付けることが可能な遊技機を提供することにある。
【0129】
参考発明[3-1]
光を投射する投光器と、
前記投光器から投射された光が前に向けて透過する透過部を有する発光部材と、
前記発光部材の前方に設けられ、前記透過部に前方から重なる第1の位置および前記透過部の前方から退避した第2の位置に前記発光部材に対して移動可能な可動部材を備えたことを特徴とする遊技機。
上記手段によれば、可動部材の第1の位置では可動部材が前方から発光部材の透過部に重なり、可動部材の第2の位置では可動部材が発光部材の透過部の前方から退避する。このため、可動部材が第1の位置にある状態および第2の位置にある状態間で可動部材および発光部材の両者の見栄えが変化するので、可動部材および発光部材を用いた演出の見栄えに趣向性に富んだ変化を付けることが可能になる。
【0130】
参考発明[3-2]
前記可動部材には、光が投射された状態および光が投射されていない状態間で態様が変化する部分であって、前記第1の位置で前記透過部に前方から重なる装飾部が設けられていることを特徴とする参考発明[3-1]に記載の遊技機。
上記手段によれば、可動部材の第1の位置では可動部材の装飾部が前方から発光部材の透過部に重なり、可動部材の第2の位置では可動部材の装飾部が発光部材の透過部の前方から退避するので、可動部材の第1の位置および第2の位置間で特に装飾部の見栄えを大きく変化させることが可能になる。
【0131】
参考発明[3-3]
前記装飾部は、光を透過する度合いが互いに異なる複数の部分から構成されていることを特徴とする参考発明[3-2]に記載の遊技機。
上記手段によれば、可動部材の第1の位置で装飾部の複数の部分のそれぞれから異なる量の光が投射されるので、可動部材の第1の位置での見栄えを大きく変化させることが可能になる。
【0132】
参考発明[3-4]
遊技者から視認可能に設けられた飾り部材を備え、
前記可動部材は、前記第1の位置では前記第2の位置に比べて前記飾り部材に接近するものであることを特徴とする参考発明[3-1]ないし[3-3]のいずれかに記載の遊技機。
上記手段によれば、可動部材の第1の位置では可動部材が飾り部材に接近し、可動部材の第2の位置では可動部材が飾り部材から遠ざかるので、可動部材の第1の位置および第2の位置間での見栄えを飾り部材によって大きく変化させることが可能になる。
【0133】
参考発明[3-5]
前記可動部材は、前記第1の位置で前記飾り部材を視覚的な完成形態とするものであることを特徴とする参考発明[3-4]に記載の遊技機。
上記手段によれば、可動部材の第1の位置では飾り部材および可動部材間で視覚的な完成形態が生成され、可動部材の第2の位置では飾り部材および可動部材間が視覚的な分離形態となるので、可動部材の第1の位置および第2の位置間での見栄えを飾り部材によって一層大きく変化させることが可能になる。
【0134】
参考発明[3-6]
前記可動部材の前記第1の位置では、前記飾り部材および前記可動部材間に隙間が形成されることを特徴とする参考発明[3-5]に記載の遊技機。
上記手段によれば、可動部材の第1の位置では飾り部材および可動部材間で視覚的な完成形態が生成され、飾り部材および可動部材間の隙間から前方へ光が漏れるので、可動部材の第1の位置での見栄えを一層大きく変化させることが可能になる。
【0135】
参考発明[4-1]
光が透過可能な透過部を有する発光部材と、
光が投射されることに応じて装飾される装飾部を有する可動部材と、
前記可動部材を前記装飾部が前記透過部に前方から重なる第1の位置および前記透過部の前方から退避した第2の位置に前記発光部材に対して移動操作する駆動源と、
前記可動部材の第1の位置で前記透過部を通して前記装飾部に光を投射する投光器を備えたことを特徴とする遊技機。
上記手段によれば、可動部材の第1の位置では装飾部が前方から発光部材の透過部に重なり、可動部材の第2の位置では装飾部が発光部材の透過部の前方から退避する。このため、可動部材が第1の位置にある状態および第2の位置にある状態間で装飾部の見栄えが変化するので、演出の見栄えに趣向性に富んだ変化を付けることが可能になる。
【符号の説明】
【0136】
15は始動口(入球領域)、32は演出図柄表示器(第1の表示器)、51は主制御回路(判定手段)、81はサブ制御回路(第2の表示手段、制御手段)、91は画像制御回路(第1の表示手段)、100は予告演出プレート(第2の表示器)、103は発光部(反射部)、105は可動部材、106は本体部106(発光部)、107は周囲部(発光部)、111は発光部(反射部)、120は発光部(反射部)、130は発光部(反射部)、131は非発光部(透過部)、161は装飾ボックス(飾り部材)、162は装飾プレート(発光部材)、163は透光部(透過部)、168は装飾カバー(可動部材、装飾部)、171は演出モータ(駆動源)、172は投光器、173は隙間、183は装飾プレート(発光部材)、193は投光器、Mは装飾絵柄である。
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