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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161103
(43)【公開日】2023-11-07
(54)【発明の名称】多色固形化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/29 20060101AFI20231030BHJP
   A61Q 1/12 20060101ALI20231030BHJP
   A61Q 1/08 20060101ALI20231030BHJP
【FI】
A61K8/29
A61Q1/12
A61Q1/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071256
(22)【出願日】2022-04-25
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.プルロニック
(71)【出願人】
【識別番号】000113470
【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯田 昌枝
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 紗弥香
(72)【発明者】
【氏名】栗田 健矢
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA122
4C083AB172
4C083AB212
4C083AB232
4C083AB241
4C083AB242
4C083AC012
4C083AC122
4C083AC352
4C083AC402
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC482
4C083AC792
4C083AC852
4C083AC912
4C083AD072
4C083AD092
4C083AD392
4C083AD662
4C083CC01
4C083CC11
4C083CC12
4C083DD21
4C083DD30
4C083DD41
4C083EE06
(57)【要約】
【課題】本発明は、ツヤ感がありつつ透明感のある自然な仕上がりを叶えるオイルゲル剤型の多色固形化粧料を提供する。
【解決手段】複数の着色固形組成物が、規則性を有し又はアトランダムに配置されてなる、多色固形化粧料であって、前記複数の着色固形組成物は、白色と、進出色を少なくとも1色と、後退色を少なくとも1色とを含み、着色組成物の占める化粧料表面の各色の総面積が最小の色のものに対する最大の色のものの比が1.5以下である、オイルゲル剤型の多色固形化粧料。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の着色固形組成物が、規則性を有し又はアトランダムに配置されてなる、多色固形化粧料であって、
前記複数の着色固形組成物は、白色と、進出色を少なくとも1色と、後退色を少なくとも1色とを含み、
着色組成物の占める化粧料表面の各色の総面積が最小の色のものに対する最大の色のものの比が1.5以下である、オイルゲル剤型の多色固形化粧料。
【請求項2】
前記白色の着色固形組成物における顔料酸化チタンの含有量が、前記白色の着色固形組成物全量に対し1~20質量%である、請求項1に記載の多色固形化粧料。
【請求項3】
前記進出色は、マンセルの表色系における赤色、赤黄色、及び黄色に分類される色から選択され、前記後退色は、マンセルの表色系における緑色、青緑色、及び青色に分類される色から選択される、請求項1に記載の多色固形化粧料。
【請求項4】
前記複数の着色固形組成物のG’’を経温で測定したときに以下の条件(a)~(d)を満たす、請求項1に記載の多色固形化粧料。
(a)いずれの着色固形組成物も、70℃~80℃の全範囲におけるG’’が2.0~60
(b)70℃~80℃の全範囲において、温度が1℃上昇した時のG’’の変化量(ΔG’’/Δt、Δt=1℃)の複数の着色固形組成物の平均が-0.80~-15
(c)いずれの着色固形組成物も、81℃~130℃の全範囲におけるG’’が0.10~8.0
(d)81℃~130℃の全範囲において、温度が1℃上昇した時G’’の変化量(ΔG’’/Δt、Δt=1℃)の複数の着色固形組成物の平均が-0.00~-0.50
【請求項5】
多色固形化粧料の厚みを5等分に分割した層の第1層及び第5層の各天面を、湿式ウレタン撥水処理材質により荷重2.9Nで擦り取る試験において、第1層で擦り取った化粧料の色度と第5層で擦り取った化粧料の色度との色度差ΔEが2.0以下である、請求項1に記載の多色固形化粧料。
【請求項6】
前記複数の着色固形組成物が、10色未満からなる、請求項1に記載の多色固形化粧料。
【請求項7】
肌に塗布した際に、肌色を呈するファンデーション又はコンシーラーである、請求項1に記載の多色固形化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多色固形化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
ベースメークアップは、肌を美しく見せるためになされる化粧である。ベースメークアップ化粧料としては、ファンデーションの乗りを良くするための化粧下地や、肌色を整えるファンデーションや、シミやクマ等を目立たなくするコンシーラー等がある。また、ベースメークアップ化粧料は、肌色など単一の色の組成物のものが一般的である。
【0003】
近年、ファンデーション等の化粧料自体の外観を魅力的なものとするため、多色充填により固形化粧料を形成することが行われている(特許文献1等)。これらの多色固形化粧料は、通常、肌への塗布時に複数色の組成物を混ぜて用いられる。ここで混合される複数色の組成物が進出色と後退色との組み合わせを含んで構成される多色固形化粧料を用いると、肌に良好な奥行き感を付与できることも報告されている(特許文献2、3)。
また、多色固形化粧料の使用始めから終わりまで所望の多色効果を得られるように、各色の着色組成物の平面方向の配置が、垂直方向の上方と下方とで同じように維持される多色固形化粧料も開示されている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-178878号公報
【特許文献2】特開2019-064988号公報
【特許文献3】特開2020-007242号公報
【特許文献4】特開2020-186210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年は欠点をカバーしながらも、自然な仕上がりであり、かつツヤも感じられるメークアップが好まれる傾向にある。しかしながら、従来の多色固形化粧料では塗布後の肌のツヤ感に必ずしも満足がいくものではなかった。特に、オイルゲル剤型ではテカリが生じやすく、好ましいツヤ感が得られにくかった。
かかる状況に鑑みて本発明は、ツヤ感がありつつ透明感のある自然な仕上がりを叶えるオイルゲル剤型の多色固形化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究したところ、オイル剤型の多色固形化粧料においてこれを構成する複数の着色組成物が、進出色、後退色及び白色を含み、かつ化粧料表面における各着色組成物の面積が同程度であると上記課題を解決できることに想到し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]複数の着色固形組成物が、規則性を有し又はアトランダムに配置されてなる、多色固形化粧料であって、
前記複数の着色固形組成物は、白色と、進出色を少なくとも1色と、後退色を少なくとも1色とを含み、
着色組成物の占める化粧料表面の各色の総面積が最小の色のものに対する最大の色のものの比が1.5以下である、オイルゲル剤型の多色固形化粧料。
[2]前記白色の着色固形組成物における顔料酸化チタンの含有量が、前記白色の着色固形組成物全量に対し1~20質量%である、[1]に記載の多色固形化粧料。
[3]前記進出色は、マンセルの表色系における赤色、赤黄色、及び黄色に分類される色から選択され、前記後退色は、マンセルの表色系における緑色、青緑色、及び青色に分類される色から選択される、[1]又は[2]に記載の多色固形化粧料。
[4]前記複数の着色固形組成物のG’’を経温で測定したときに以下の条件(a)~(d)を満たす、[1]~[3]のいずれかに記載の多色固形化粧料。
(a)いずれの着色固形組成物も、70℃~80℃の全範囲におけるG’’が2.0~60
(b)70℃~80℃の全範囲において、温度が1℃上昇した時のG’’の変化量(ΔG’’/Δt、Δt=1℃)の複数の着色固形組成物の平均が-0.80~-15
(c)いずれの着色固形組成物も、81℃~130℃の全範囲におけるG’’が0.10~8.0
(d)81℃~130℃の全範囲において、温度が1℃上昇した時G’’の変化量(ΔG’’/Δt、Δt=1℃)の複数の着色固形組成物の平均が-0.00~-0.50
[5]多色固形化粧料の厚みを5等分に分割した層の第1層及び第5層の各天面を、湿式ウレタン撥水処理材質により荷重2.9Nで擦り取る試験において、第1層で擦り取った化粧料の色度と第5層で擦り取った化粧料の色度との色度差ΔEが2.0以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の多色固形化粧料。
[6]前記複数の着色固形組成物が、10色未満からなる、[1]~[5]のいずれかに記載の多色固形化粧料。
[7]肌に塗布した際に、肌色を呈するファンデーション又はコンシーラーである、[1]~[6]のいずれかに記載の多色固形化粧料。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、ツヤ感がありつつ透明感があり自然な仕上がりを叶える、オイルゲル剤型の多色固形化粧料が提供される。また、好ましい態様では、使用するにつれても得られる色味のバランスが維持されるため、前記のツヤ感、透明感、自然な仕上がりの効果も維持される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】赤・黄・緑・白の4色で調製した化粧料を真上から撮った写真である。
図2】赤・黄・緑の3色で調製した化粧料を真上から撮った写真である。
図3】実施例3と比較例2をそれぞれ塗布した肌における超高輝度領域の存在率を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の具体的な実施形態について説明する。
本発明の多色固形化粧料は、複数の着色組成物が、規則性を有し又はアトランダムに配置され、多色固形化粧料を形成する。本明細書において、複数の着色組成物の配置方向は、媒体を介して、又は直接的に、肌に塗布する方向であり、通常容器の開口面と平行な水平方向である。具体的には、ケーキタイプの化粧料であれば、化粧料をパフ上に転写するためパフを摺動する平面方向に、スティックタイプの化粧料であれば、肌に塗布する塗布平面方向に、複数の着色組成物が配置される。
なお、ここで「固形」とは、室温(25℃)において流動性がないことをいう。
【0011】
多色固形化粧料は3色以上の着色組成物からなる限り特段限定されず、3色であってよく、4色であってよく、5色以上であってよい。場合によっては10以上の色を用いてもよいが、化粧料の各着色組成物の色数が多すぎても少なすぎても奥行き感が失われ、単一色で平面的であると認識され得ることから、10色未満であることが好ましい。
この理由としては、肌の色は一定ではなく、場所によって明度、色相がばらついているところ、化粧料においても異なる色の集合体で、適度に色を分散させて肌色を表現したことで、良好な奥行き感が得られると考えられる。
また、本発明の多色固形化粧料は、肌に塗布した際に、好ましくは肌色を呈する。
【0012】
多色固形化粧料は複数の着色組成物で色ごとに区分される態様をとるが、ここで配置される複数の着色組成物の数(区画数、スポット数)は、着色組成物の色の数以上あれば特に限定されず、上限は好ましくは100以下である。
それぞれの着色固形組成物の大きさ(区画の面積)は特段限定されないが、最小面積の着色固形組成物に対する最大面積の着色固形組成物の各総面積の比が1.5以下であり、1.4以下であってよく、1.3以下であってよく、1.25以下であってよく、それぞれの着色固形組成物の大きさが略同一であることが好ましい。このように各色の面積が略同一であることにより、肌に塗布した際に自然な肌色が呈され、かつ好ましいツヤ感と透明感が発揮される。各色の面積にばらつきが大きいと、塗布後の肌が不自然な仕上がりとなってしまう。特に、白色の着色固形組成物の面積が小さすぎる場合は、ツヤ感と透明感が損なわれてしまう。
また、最小の着色固形組成物の面積は、良好な奥行きの観点から0.04cm以上であってよく、0.25cm以上であってよく、また3cm以下であってよく、1.5cm以下であってよい。
【0013】
なお、本明細書において化粧料や組成物の「面積」は、容器等に充填された化粧料や組成物のうち容器から露出している面(表面)の面積を指す。通常は、パフを摺動させる面、あるいは肌に直接塗布するときはその塗布面が「表面」に相当する。
【0014】
本発明の多色固形化粧料は、パフを摺動させる平面における、あるいは肌に直接塗布するときはその塗布平面における、着色組成物の数を複数有し、単一色とはならない。これにより、化粧膜において色が偏在し、それにより欠点がカバーされつつ自然な仕上がりと奥行き感を呈する。なお、色の偏在とは、化粧料を塗布したときの、複数の着色組成物にそれぞれ含まれる顔料の含有面積比率(一定面積中に顔料が占める割合)のばらつきが大きいことをいう。
また、化粧膜に偏在する色に後述のごとく白色が存在することにより、肌上に超高輝度領域を含む色のグラデーションが多く形成され、良好なツヤ感と透明感とが付与される。
通常は、肌の欠点をカバーしようとすると化粧膜の存在を感じさせる不自然な仕上がりになりやすいが、本発明の多色固形化粧料は、ツヤ感と透明感のある自然な仕上がりとカバー力とを両立させることができる。
【0015】
本発明の多色固形化粧料は、複数の着色組成物に白色と、進出色を少なくとも1色と、後退色を少なくとも1色とを含む。
【0016】
進出色とは、背景になる色から浮き出して近くになるように見える色の総称であり、通常マンセルの表色系における、赤紫、赤色、赤黄色、黄色、黄緑に分類される色から選択される。一般に、明度が高く、彩度も高い色である。具体的には、赤色、橙色、黄色などがその代表色としてあげられる。
後退色とは、背景になる色から奥に引っ込んで見える色の総称であり、通常マンセルの表色系における、緑色、青緑色、青色、青紫色、紫色に分類される色から選択される。一般に明度が低く、彩度も低い色である。具体的には、緑色、青緑色、青色、青紫色、紫色などがその代表色としてあげられる。
【0017】
前記白色の着色固形組成物は、白色を呈し、L*値が好ましくは90以上、より好ましくは95以上、さらに好ましくは98以上を示す。通常は有色顔料を実質的に含まない。
実質的に含まないとは、組成物全体の好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは0.001質量%以下をいう。
【0018】
本発明の多色固形化粧料において、白色の着色固形組成物の占める表面の面積は、化粧料の表面全体に対して15~40%であり、より好ましくは20~35%であり、さらに好ましくは25~30%である。
このような範囲とすることで、多色を混合した際に白色の含有量(偏在量)が適切なものとなり、化粧料を塗布した肌に良好なツヤ感と透明感を付与することができる。
【0019】
白色の着色固形組成物における顔料酸化チタンの含有量は、前記白色の着色固形組成物全量に対し好ましくは1~20質量%、より好ましくは5~20質量%、さらに好ましくは10~15質量%である。
このような範囲とすることで、化粧料を塗布した肌に自然な仕上がりを付与することができる。白色着色固形組成物中の顔料酸化チタンの含有量が多すぎると、化粧料を塗布した際に全体の明度が上がりすぎて適度な肌色を呈しにくい場合がある。また、白色着色固形組成物中の顔料酸化チタンの含有量を多くしながら明度を下げようとすると、他の顔料(赤色、黄色など)を増やす必要が生じ、化粧料を塗布した際に色ムラが生じる場合がある。
【0020】
多色固形化粧料が肌上で肌色を呈するためには黒色粉体を含むことが好ましいが、赤色、赤黄色、及び/又は黄色を含む着色組成物に黒色粉体を配合すると、外観がくすむ傾向にある。そのため、進出色を含む着色組成物には、黒色粉体を実質的に配合しないことが好ましい。なお「実質的に配合しない」とは、進出色を含む着色組成物が有する鮮やかさがくすむ程度に配合しないことを意図しており、例えば着色組成物全量中に黒色粉体が0.8質量%以下であってよく、0.5質量%以下であってよく、0.3質量%以下であってよく、0.1質量%以下であってよく、0.05質量%以下であってよく、0.01質量%以下であってよい。
【0021】
一方で、後退色を含む着色組成物に黒色粉体を配合しても、外観の華やかさは失われにくい。そのため、後退色を含む着色組成物に黒色粉体を配合することは好ましい。この場合、青色、青緑色、及び/又は緑色を含む着色組成物に配合する黒色粉体の含有量は、着色組成物全量に対し通常0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上であり、また通常2.0質量%以下、好ましくは1.5質量%以下である。
黒色粉体の例としては、黒酸化鉄、カーボンブラック、チタンブラック等があげられる。
【0022】
本発明の多色固形化粧料における複数の着色固形組成物は、そのG’’(損失弾性率)を経温で測定したときに以下の条件(a)~(d)を満たすことが好ましい。
(a)いずれの着色固形組成物も、70℃~80℃(「第一の温度領域」、「第一領域」とも記す)の全範囲におけるG’’が、2.0~60の数値範囲内にある。
(b)70℃~80℃の全範囲において、温度が1℃上昇した時のG’’の変化量(ΔG’’/Δt、Δt=1℃)の複数の着色固形組成物の平均が-0.80~-15の数値
範囲内にある。
(c)いずれの着色固形組成物も、81℃~130℃(「第二の温度領域」、「第二領域」とも記す)の全範囲におけるG’’が、0.10~8.0の数値範囲内にある。
(d)81℃~130℃の全範囲において、温度が1℃上昇した時G’’の変化量(ΔG’’/Δt、Δt=1℃)の複数の着色固形組成物の平均が-0.00~-0.50の
数値範囲内にある。
【0023】
なお、前記条件(b)(d)でいう温度が1℃上昇した時のG’’の変化量(ΔG’’
/Δt、Δt=1℃)は、G’’の経温変化グラフの傾きである。また、複数の着色固形
組成物の平均とは、複数の着色固形組成物の同温度での変化量(傾き)について算出した平均である。
【0024】
本発明においてG’’は、レオメーターAR-G2(TA Instruments社
製)を用いて測定した値である。
【0025】
このように複数の着色組成物の、第一及び第二の各温度領域において所定の粘弾特性を満たすこと、具体的には第一領域におけるG’’の経温変化が比較的大きく、第二領域におけるG’’の経温変化が比較的小さいことにより、多色固形化粧料を構成する各色の着色組成物の平面方向の配置が、垂直方向の上方と下方とで同じように維持された構造を形成することができる。また、各色の着色組成物の平面方向の充填が均一に進行するため、各色の面積が略同一になるように充填しやすくなる。
より具体的には特開2020-186211号公報の開示を参照することができるが、複数の着色組成物のG’’が上記条件(a)~(d)を満たすと、複数色の着色組成物により形成される多色固形化粧料において平面方向の配置が均等に整いやすくなる。また、多色固形化粧料の垂直方向の上方と下方とでも、外観と同じ配置が維持されやすくなる。すなわち、各着色組成物の境界が乱れることなく、また意図した配置が垂直方向の上方と下方とで維持されるため、化粧用の使用が進んでもツヤ感、透明感及び自然な仕上がりの効果を続けて得ることができる。
複数の着色組成物のG’’が上記範囲を満たさないと、平面方向の配置の外観が均等に整っていても垂直方向の上方と下方とで平面方向の配置が異なったり、平面方向の配置の外観が不均等になったりする場合がある。
【0026】
本発明の多色固形化粧料は、これを構成する各色の着色組成物の平面方向の配置が、垂直方向の上方と下方とで同じように維持されていることが好ましい。それにより、多色固形化粧料の使用が進み、化粧料の残量が少なくなっても、当初と同じ所望の塗布色を維持し続け、提供することが可能となる。
【0027】
「当初と同じ所望の塗布色が維持」されていることは、化粧料の使用初期と使用が進んだ頃とで、塗布具や肌に転写される化粧料の色味の差が小さいことにより確認することができる。より具体的には、多色固形化粧料をその厚みを5等分にした層に分割し、最上層(第1層)と最下層(第5層)の各層の天面を、湿式ウレタン撥水処理材質の、52×44×8.5mmサイズの化粧用パフにより、荷重2.9Nで多色固形化粧料表面を擦り取る試験により、確認することができる。なお、ここで「厚み」は化粧料の垂直方向の長さであり、「層」は水平方向に分割された化粧料をいう。
本発明の多色固形化粧料は、前記試験において、第1層で擦り取った化粧料の色度と、第5層で擦り取った化粧料の色度との色度差ΔEが、好ましくは2.0以下であり、より好ましくは1.5以下であり、さらに好ましくは1.0以下である。色度差ΔEとは、任意の2色をLab値で表現した時の色の差を数値で表す指標であり、次式で算出することができる。
ΔEab=〔(ΔL)+(Δa)+(Δb)1/2
各層で摺り取って測色する回数は10回以上であることが好ましく、15回以上であることがより好ましく、色度差の算出の際し各層の色度の平均を用いることが好ましい。
【0028】
なお、湿式ウレタン撥水処理材質で、52×44×8.5mmサイズの化粧用パフは市場においてポピュラーに用いられている化粧用パフであり、化粧料を擦り取る際の荷重2.9Nは、通常女性がパフにより化粧料を擦り取る際に掛けられる荷重を想定したものである。
また化粧料の色度差は、例えば、化粧料の擦り取りに使用したパフを用いて、擦り取っ
た化粧料をアクリル製白板上に塗布し、該アクリル製白板上の化粧膜を、分光色彩計(日本電色製SD5000、D65光源)により測色することで、測定できる。
なお、複数の着色組成物のG’’が上記条件(a)~(d)を満たすと、多色固形化粧料において当初と同じ所望の塗布色が維持されることについての実証は、特開2020-186211号公報の開示を参照されたい。
【0029】
本発明の多色固形化粧料は、前記複数の着色組成物を金皿等の容器に充填することにより製造することができる。
充填時の温度条件は、好ましくは70~130℃であり、より好ましくは80~100℃、さらに好ましくは85~95℃である。通常は、充填後に室温まで冷却して、固形化粧料を得る。
本発明の多色固形化粧料を製造する際に、前記複数の着色組成物の容器への充填は、同時に行われることが好ましい。ここで同時とは、容器への充填し始めと充填し終わりが同じタイミングとなることをいう。より好ましくは、複数の着色組成物の充填速度が同程度である。
【0030】
複数の着色組成物の配置面方向における形状は特段限定されず、丸型、矩形型、多角形型、不定形、マーブル形状など、いずれであってもよい。マーブル形状に配置される箇所を少なくとも一部に又は全体に有することが、意匠性の観点から好ましい。また、これらが規則的に配置されていてもアトランダムに配置されていてもよい。パフにより擦り取る化粧料の色度を一定に保つ観点からは、略同形状の複数の着色組成物が規則的に配置されていてもよく、例えば略同幅の渦巻のマーブル模様(図1)や市松模様等の配置が挙げられる。
【0031】
本発明の多色固形化粧料の形状は、ケーキタイプである場合には、コンパクトに収納することを考慮すると、通常丸型又は略矩形であるが、これに限られるものではない。ここで略矩形とは、矩形の形状に近い形状であるが、4つの角が丸みを帯びているものを含むことを意味する。なお、丸型とすることで、固形化粧料を最後まで均一に使いきれるというメリットが存在する。また、ケーキの厚みも特段限定されず、通常0.1cm以上であってよく、0.2cm以上であってよく、また通常2.5cm以下であってよく、好ましくは1.0cm以下程度であってよい。
一方で、スティックタイプの場合には、通常スティック状であり、その長さ、径は、適宜設定される。
【0032】
本発明の多色固形化粧料は、オイルゲル剤型である。
また、本発明の多色固形化粧料の態様としては、ファンデーション、コンシーラー、チークカラー、アイカラー等が挙げられ、特に限定されないが、ファンデーションやコンシーラーがより好ましい。コンシーラーは、ファンデーションに先んじて塗布するものであってもよいし、ファンデーションの後に塗布するものであってもよいが、後塗りとするとツヤ感、透明感、奥行き感を付与する効果がより向上したり、化粧被膜のヨレが抑制されたりするので好ましい(特開2020-007242号公報)。
【0033】
以下、本発明の多色固形化粧料に用いる原料について、説明する。
1)粉体
本発明の多色固形化粧料に使用し得る粉体は、水、油脂、界面活性剤、アルコール類、シリコーン類などの化粧料原料には溶解しない、有機或いは無機の固形物の総称を意味する。
粉体の具体例としては、カオリン、タルク、マイカ、セリサイト、チタンマイカ、積層樹脂小片(グリッター)、ホウケイ酸Ca/Al、チタンセリサイト、二酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、群青、紺青、赤色102号、赤色226号、黄色4号等の色素顔料、ア
ルミニウムレーキ、シリカ、アルミナ、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、メチルシロキサン網状重合体、架橋型メチルポリシロキサン樹脂、アクリル酸アルキル樹脂類、ナイロン、シルク、セルロース或いはこれらの複合材料などが例示できる。
粉体の形状は、球状、不定形、多孔質状、中空状、繊維状、板状或いは塊状であってもよい。更に、その表面は、シリコーン被覆処理、金属石けん被覆処理、アシルアミノ酸塩被覆処理など、通常知られている表面処理が為されていてもよい。
【0034】
粉体は、各着色組成物において、1種のみ配合してもよく、2種以上を組み合わせて配合してもよい。
本発明の多色固形化粧料において粉体は、多色固形化粧料中、及び/又は着色組成物中通常30質量%以上であり、40質量%以上であることが好ましい。また、通常70質量%以下であり、60質量%以下であることが好ましい。
【0035】
2)油性成分
本発明の多色固形化粧料は、通常は油性成分を含む。
油性成分の具体例としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン等の動植物油;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン等の炭化水素油;オレイン酸、イソステアリン酸等の液状脂肪酸;イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の液状高級アルコール;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ-2-エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン、エチルヘキサン酸セチル、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット、グリセリルトリイソステアレート、グリセリルトリイソオクタネート等の合成エステル油;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油;が挙げられる。但し、後述する特定の界面活性剤群に属するものは、油性成分として取り扱わないものとする。
【0036】
油性成分は、1種のみ配合してもよく、2種以上を組み合わせて配合してもよい。
油性成分の含有量としては、多色固形化粧料中通常30質量%以上であり、40質量%以上であることが好ましい。また、通常70質量%以下であり、60質量%以下であることが好ましい。
【0037】
また、油性成分として固形脂及び/又は半固形脂を含有することが好ましく、その含有量は組成物全体の3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。また、組成物全体の10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましい。
ここで、固形脂には半固形脂も含まれる。なお、固形とは25℃で流動性がないものをいい、半固形とは1気圧、20℃で応力の存在しない環境では殆ど変形しないが、若干の応力(10~100g/cm程度)がかかると変形するものをいう。また、融点が50℃以上のものがより好ましい。
固形脂及び/又は半固形脂としては、植物由来のものとして、カルナウバロウ、モクロウ、キャンデリラロウ、コメヌカロウ、シアバター、アフリカマンゴバター等が挙げられ、動物由来のものとして、ミツロウ、シェラックロウ、イボタロウ等が挙げられ、石油由
来のものとして、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の精製ワックスが挙げられ、鉱物由来のものとしてオゾケライト、セレシン、モンタンワックス等の精製ワックスが挙げられる。
【0038】
さらに、オイルゲル剤型を安定に形成するために、前述の固形脂や半固形脂に加えて又は替えて、油性ゲル化剤を含有することも好ましい。
ここで油性ゲル化剤とは、油剤等の油性成分と相溶性のあるゲル化剤をいい、特に限定されないが、12-ヒドロキシステアリン酸、パルミチン酸デキストリン、(パルミチン酸/オクタン酸)デキストリン、ジブチルラウロイルグルタミド、ジメチコンクロスポリマー等を例示できる。
油性ゲル化剤の含有量は、組成物全体の0.5質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましい。また、組成物全体の10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、6質量%以下がさらに好ましい。
好ましい態様では、固形脂、半固形脂及び油性ゲル化剤からなる群から選択されるいずれかを化粧料全量に対し3~15質量%含有する。
【0039】
3)その他成分
本発明の多色固形化粧料には、通常固形化粧料に使用される成分を広く配合することが可能である。
【0040】
例えば、有効成分としては、美白成分、抗炎症成分、植物エキス等が挙げられる。
また、界面活性剤としては、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類;
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類;
ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、イミダゾリン系両性界面活性剤(2-ココイル-2-イミダゾリニウムヒドロキサイド-1-カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類;
ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等) 、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコ
ール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE-ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE-グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2-オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2-デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類;等が挙げられる。
【0041】
多価アルコールとしては、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2-ペンタンジオール、2,4-ヘキシレングリコール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール等が挙げられる。
【0042】
増粘剤としては、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸,キチン、キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等が挙げられる。
【0043】
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、4-メトキシ-4'-t-ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類
、等が挙げられる。
【実施例0044】
以下、実施例により、本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲が例示された実施例のみに限定されることはない。
【0045】
<多色固形化粧料の調製>
表1に示す処方にしたがって、4色の着色組成物からなる多色固形化粧料を作製した。
まず、Aを105~110℃に加温して撹拌混合し、85~90℃に調整した後、Bを加えて撹拌混合して、各色の着色組成物を調製した。
充填前の各色の着色組成物のG’’を、レオメーターAR-G2(TA Instru
ments社製)を用いて、以下の条件で測定し、前述の条件(a)~(d)を満たすことを確認した。
プログラム:温度スイープ
振動応力:30Pa
測定温度:20℃~150℃
ギャップ:1000μm
4色の着色組成物を、85℃条件下で、直径5cmの円形の金皿に同時に流し込み、図1に示す写真のように4色に区分された多色固形のファンデーションを得た。なお、化粧料表面における4色の各着色組成物の面積が最小の色のものに対する最大の色のものの比を、化粧料を真上から撮影したデジタル写真から計測した各色のピクセル数から算出した。また、比較例2として白色を含まない3色の着色組成物からなる多色固形化粧料を同様に、図2に示す写真のように調製した。
【0046】
<官能評価>
各化粧料を、その表面を一周させて拭ったパフに取り、肌に塗布したときに「自然な肌色を呈するか」、「ツヤ感があるか」、「透明感があるか」、及び「カバー力があるか」、について、熟練の評価者が4段階(◎:きわめて良い、○:良い、△:ふつう、×:悪い)で評価した。
結果を表2に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
実施例3と比較例2とを比べると、複数の着色固形物に白色が存在することによりツヤ感・透明感が優れより自然な仕上がりになることが認められる。
比較例1と実施例1~4の結果から、各着色組成物の面積が最小の色のものに対する最大の色のものの比を1.5以下とすることにより、ツヤ感と自然な透明感のある仕上がりが良好なものとなることが分かる。
【0050】
<超高輝度領域の測定>
実施例3と比較例2の各化粧料を被験者の顔面に塗布し、皮膚計測機器VISIA-Evolution(Canfield Scientific Inc.)を用いて、標準光の撮影モードで被験者の顔の正面の写真を撮影した。被験者はグレーのケープを着用し、目を閉じた状態で、画像補正用カラーチャート(CASMATCH)と共に撮影した。得られた写真において、目の下かつ小鼻の横の位置の500×500ピクセルの領域を切り出し、該領域中の各画素の輝度を250階調で測定した。該領域中に含まれる超高輝度領域(230~250階調)の画素数の割合を、超高輝度領域存在率として算出した。
結果を図3に示す。白色を含まない多色固形化粧料の比較例2よりも、複数の着色固形物に白色を含む多色固形化粧料の実施例3の方が、超高輝度領域存在率が高く、透明感のあるツヤ感を演出できることが認められた。
図1
図2
図3