(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161207
(43)【公開日】2023-11-07
(54)【発明の名称】情報処理システム、管理サーバ、診断装置、管理方法、診断方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
C02F 1/00 20230101AFI20231030BHJP
G06Q 50/06 20120101ALI20231030BHJP
G06Q 10/20 20230101ALI20231030BHJP
【FI】
C02F1/00 S
G06Q50/06
G06Q10/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071417
(22)【出願日】2022-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000004400
【氏名又は名称】オルガノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】阿部 眞弓
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 慶介
(72)【発明者】
【氏名】柴崎 賢治
(72)【発明者】
【氏名】星野 友里
(72)【発明者】
【氏名】日高 真生
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】水処理装置を有効的に使用する。
【解決手段】管理サーバ100が、通信端末300から送信されてきた要求情報に含まれる条件情報が示す条件を満たす処理水質および処理流量と対応付けられた識別情報をデータベース400から読み出し、読み出した識別情報が付与された水処理装置の性能を算出し、読み出した識別情報と要求情報に含まれる期間情報とに基づいて、水処理装置を使用するための基本料金を算出し、読み出した識別情報と算出した性能を示す性能情報と算出した基本料金を示す基本料金情報とを通信端末300へ送信し、診断装置200が、使用後の水処理装置の劣化状態を診断し、診断した劣化状態に基づいて、基本料金に加算する加算料金を算出し、算出した加算料金を示す加算料金情報を通信端末300へ送信し、診断した劣化状態に基づいて、データベース400に記憶された処理水質を更新する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末と、管理サーバと、データベースと、診断装置とを有し、
前記データベースは、水処理装置固有に付与された識別情報と、該水処理装置の処理水質および処理流量とを対応付けて記憶し、
前記管理サーバは、
前記通信端末から送信されてきた要求情報に含まれる条件情報が示す条件を満たす前記処理水質および前記処理流量と対応付けられた前記識別情報を前記データベースから読み出す検索部と、
前記検索部が読み出した識別情報が付与された水処理装置の性能を算出する性能算出部と、
前記検索部が読み出した識別情報と、前記要求情報に含まれる期間情報とに基づいて、前記水処理装置を使用するための基本料金を算出する基本料金算出部と、
前記検索部が読み出した識別情報と、前記性能算出部が算出した性能を示す性能情報と、前記基本料金算出部が算出した基本料金を示す基本料金情報とを前記通信端末へ送信する情報送信部とを有し、
前記診断装置は、
使用後の前記水処理装置の劣化状態を診断する診断部と、
前記診断部が診断した劣化状態に基づいて、前記基本料金に加算する加算料金を算出する加算料金算出部と、
前記加算料金算出部が算出した加算料金を示す加算料金情報を前記通信端末へ送信する送信部と、
前記診断部が診断した劣化状態に基づいて、前記データベースに記憶された前記処理水質を更新する更新部とを有する情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記診断部は、前記水処理装置に対して複数の測定項目を測定し、該測定した測定値それぞれに応じた個別予測寿命のうち、最も短い個別予測寿命を前記劣化状態として診断する情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記加算料金算出部は、前記使用後の水処理装置について、使用前の状態と使用後の状態とを比較し、該比較の結果に基づいて前記加算料金を算出する情報処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記更新部は、前記診断部が診断した劣化状態に基づいた劣化していないレベルと閾値とを比較し、前記レベルが前記閾値を超える場合、当該水処理装置について前記データベースに記憶された前記処理水質を更新し、前記レベルが前記閾値以下である場合、当該水処理装置について前記データベースに記憶された対応付けを削除する情報処理システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記水処理装置は、電気式脱イオン水製造装置である情報処理システム。
【請求項6】
水処理装置固有に付与された識別情報と、該水処理装置の処理水質および処理流量とを対応付けて記憶するデータベースと、
通信端末から送信されてきた要求情報に含まれる条件情報が示す条件を満たす前記処理水質および前記処理流量と対応付けられた前記識別情報を前記データベースから読み出す検索部と、
前記検索部が読み出した識別情報が付与された水処理装置の性能を算出する性能算出部と、
前記検索部が読み出した識別情報と、前記要求情報に含まれる期間情報とに基づいて、前記水処理装置を使用するための基本料金を算出する基本料金算出部と、
前記検索部が読み出した識別情報と、前記性能算出部が算出した性能を示す性能情報と、前記基本料金算出部が算出した基本料金を示す基本料金情報とを前記通信端末へ送信する情報送信部とを有する管理サーバ。
【請求項7】
使用後の水処理装置の劣化状態を診断する診断部と、
前記診断部が診断した劣化状態に基づいて、前記水処理装置を使用するための基本料金に加算する加算料金を算出する加算料金算出部と、
前記加算料金算出部が算出した加算料金を示す加算料金情報を通知する送信部と、
前記診断部が診断した劣化状態に基づいて、水処理装置固有に付与された識別情報と、該水処理装置の処理水質および処理流量とを対応付けて記憶するデータベースに記憶された前記処理水質を更新する更新部とを有する診断装置。
【請求項8】
通信端末から送信されてきた要求情報に含まれる条件情報が示す条件を満たす処理水質および処理流量と対応付けられた水処理装置固有に付与された識別情報を、前記識別情報と該水処理装置の前記処理水質および前記処理流量とを対応付けて記憶するデータベースから読み出す処理と、
前記読み出した識別情報が付与された水処理装置の性能を算出する処理と、
前記読み出した識別情報と、前記要求情報に含まれる期間情報とに基づいて、基本料金を算出する処理と、
前記データベースから読み出した識別情報と、前記算出した性能を示す性能情報と、前記算出した基本料金を示す基本料金情報とを前記通信端末へ送信する処理とを行う管理方法。
【請求項9】
使用後の水処理装置の劣化状態を診断する処理と、
前記診断した劣化状態に基づいて、前記水処理装置を使用するための基本料金に加算する加算料金を算出する処理と、
前記算出した加算料金を示す加算料金情報を通知する処理と、
前記診断した劣化状態に基づいて、前記水処理装置固有に付与された識別情報と、該水処理装置の処理水質および処理流量とを対応付けて記憶するデータベースに記憶された前記処理水質を更新する処理とを行う診断方法。
【請求項10】
コンピュータに、
通信端末から送信されてきた要求情報に含まれる条件情報が示す条件を満たす処理水質および処理流量と対応付けられた水処理装置固有に付与された識別情報を、前記識別情報と該水処理装置の前記処理水質および前記処理流量とを対応付けて記憶するデータベースから読み出す手順と、
前記読み出した識別情報が付与された水処理装置の性能を算出する手順と、
前記読み出した識別情報と、前記要求情報に含まれる期間情報とに基づいて、基本料金を算出する手順と、
前記データベースから読み出した識別情報と、前記算出した性能を示す性能情報と、前記算出した基本料金を示す基本料金情報とを前記通信端末へ送信する手順とを実行させるためのプログラム。
【請求項11】
コンピュータに、
使用後の水処理装置の劣化状態を診断する手順と、
前記診断した劣化状態に基づいて、前記水処理装置を使用するための基本料金に加算する加算料金を算出する手順と、
前記算出した加算料金を示す加算料金情報を通知する手順と、
前記診断した劣化状態に基づいて、前記水処理装置固有に付与された識別情報と、該水処理装置の処理水質および処理流量とを対応付けて記憶するデータベースに記憶された前記処理水質を更新する手順とを実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、管理サーバ、診断装置、管理方法、診断方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に水処理装置は、決められた期間使用された後に他の利用者が利用することなく、廃棄される。また、車両を複数の利用者がシェアして使用するシステムが考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
水処理装置は、使用に従い、劣化していく。これ以上使用できない程度に劣化していない水処理装置は、利用者が使用した後、継続して使用可能であるが、他の利用者が継続使用することなく、廃棄される。水処理装置においても、特許文献1に記載された技術のように複数の利用者が使用できるシステムを構築すれば、有効的に使用することができる。しかしながら、水処理装置は、使用後に継続使用することが考えられていない。そのため、水処理装置を有効的に使用することができないという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、水処理装置を有効的に使用することができる情報処理システム、管理サーバ、診断装置、管理方法、診断方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報処理システムは、
通信端末と、管理サーバと、データベースと、診断装置とを有し、
前記データベースは、水処理装置固有に付与された識別情報と、該水処理装置の処理水質および処理流量とを対応付けて記憶し、
前記管理サーバは、
前記通信端末から送信されてきた要求情報に含まれる条件情報が示す条件を満たす前記処理水質および前記処理流量と対応付けられた前記識別情報を前記データベースから読み出す検索部と、
前記検索部が読み出した識別情報が付与された水処理装置の性能を算出する性能算出部と、
前記検索部が読み出した識別情報と、前記要求情報に含まれる期間情報とに基づいて、前記水処理装置を使用するための基本料金を算出する基本料金算出部と、
前記検索部が読み出した識別情報と、前記性能算出部が算出した性能を示す性能情報と、前記基本料金算出部が算出した基本料金を示す基本料金情報とを前記通信端末へ送信する情報送信部とを有し、
前記診断装置は、
使用後の前記水処理装置の劣化状態を診断する診断部と、
前記診断部が診断した劣化状態に基づいて、前記基本料金に加算する加算料金を算出する加算料金算出部と、
前記加算料金算出部が算出した加算料金を示す加算料金情報を前記通信端末へ送信する送信部と、
前記診断部が診断した劣化状態に基づいて、前記データベースに記憶された前記処理水質を更新する更新部とを有する。
【0007】
また、本発明の管理サーバは、
水処理装置固有に付与された識別情報と、該水処理装置の処理水質および処理流量とを対応付けて記憶するデータベースと、
通信端末から送信されてきた要求情報に含まれる条件情報が示す条件を満たす前記処理水質および前記処理流量と対応付けられた前記識別情報を前記データベースから読み出す検索部と、
前記検索部が読み出した識別情報が付与された水処理装置の性能を算出する性能算出部と、
前記検索部が読み出した識別情報と、前記要求情報に含まれる期間情報とに基づいて、前記水処理装置を使用するための基本料金を算出する基本料金算出部と、
前記検索部が読み出した識別情報と、前記性能算出部が算出した性能を示す性能情報と、前記基本料金算出部が算出した基本料金を示す基本料金情報とを前記通信端末へ送信する情報送信部とを有する。
【0008】
また、本発明の診断装置は、
使用後の水処理装置の劣化状態を診断する診断部と、
前記診断部が診断した劣化状態に基づいて、前記水処理装置を使用するための基本料金に加算する加算料金を算出する加算料金算出部と、
前記加算料金算出部が算出した加算料金を示す加算料金情報を通知する送信部と、
前記診断部が診断した劣化状態に基づいて、水処理装置固有に付与された識別情報と、該水処理装置の処理水質および処理流量とを対応付けて記憶するデータベースに記憶された前記処理水質を更新する更新部とを有する。
【0009】
また、本発明の管理方法は
通信端末から送信されてきた要求情報に含まれる条件情報が示す条件を満たす処理水質および処理流量と対応付けられた水処理装置固有に付与された識別情報を、前記識別情報と該水処理装置の前記処理水質および前記処理流量とを対応付けて記憶するデータベースから読み出す処理と、
前記読み出した識別情報が付与された水処理装置の性能を算出する処理と、
前記読み出した識別情報と、前記要求情報に含まれる期間情報とに基づいて、基本料金を算出する処理と、
前記データベースから読み出した識別情報と、前記算出した性能を示す性能情報と、前記算出した基本料金を示す基本料金情報とを前記通信端末へ送信する処理とを行う。
【0010】
また、本発明の診断方法は
使用後の水処理装置の劣化状態を診断する処理と、
前記診断した劣化状態に基づいて、前記水処理装置を使用するための基本料金に加算する加算料金を算出する処理と、
前記算出した加算料金を示す加算料金情報を通知する処理と、
前記診断した劣化状態に基づいて、前記水処理装置固有に付与された識別情報と、該水処理装置の処理水質および処理流量とを対応付けて記憶するデータベースに記憶された前記処理水質を更新する処理とを行う。
【0011】
また、本発明のプログラムは、
コンピュータに、
通信端末から送信されてきた要求情報に含まれる条件情報が示す条件を満たす処理水質および処理流量と対応付けられた水処理装置固有に付与された識別情報を、前記識別情報と該水処理装置の前記処理水質および前記処理流量とを対応付けて記憶するデータベースから読み出す手順と、
前記読み出した識別情報が付与された水処理装置の性能を算出する手順と、
前記読み出した識別情報と、前記要求情報に含まれる期間情報とに基づいて、基本料金を算出する手順と、
前記データベースから読み出した識別情報と、前記算出した性能を示す性能情報と、前記算出した基本料金を示す基本料金情報とを前記通信端末へ送信する手順とを実行させるためのプログラムである。
【0012】
また、コンピュータに、
使用後の水処理装置の劣化状態を診断する手順と、
前記診断した劣化状態に基づいて、前記水処理装置を使用するための基本料金に加算する加算料金を算出する手順と、
前記算出した加算料金を示す加算料金情報を通知する手順と、
前記診断した劣化状態に基づいて、前記水処理装置固有に付与された識別情報と、該水処理装置の処理水質および処理流量とを対応付けて記憶するデータベースに記憶された前記処理水質を更新する手順とを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明においては、水処理装置を有効的に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の情報処理システムの実施の一形態を示す図である。
【
図2】
図1に示したデータベースに記憶された情報の対応付けの一例を示す図である。
【
図3】
図1に示した管理サーバに具備された構成要素の一例を示す図である。
【
図4】
図1に示した診断装置に具備された構成要素の一例を示す図である。
【
図5】
図4に示した診断部が算出した各測定項目についての個別予測寿命の一例を示す図である。
【
図6】
図4に示した加算料金算出部が算出する加算料金の算出基準の一例を示す図である。
【
図7】
図1に示した情報処理システムにおける管理方法の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図8】
図1に示した情報処理システムにおける診断方法の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図10】
図9に示した形態における水処理装置の貸出方法の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図11A】
図9に示した形態における水処理装置の返却方法の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図11B】
図9に示した形態における水処理装置の返却方法の一例を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の情報処理システムの実施の一形態を示す図である。本形態における情報処理システムは
図1に示すように、管理サーバ100と、診断装置200と、通信端末300と、データベース400とを有する。管理サーバ100と、診断装置200と、通信端末300と、データベース400とは、通信ネットワーク500を介して互いに通信可能に接続されている。通信ネットワーク500は、一般的なインターネットでも良いし、企業内ネットワーク等の特定の場所に閉じられた通信ネットワークであっても良い。また、管理サーバ100と、診断装置200と、通信端末300と、データベース400とは、互いが直接接続されていても良い。
【0017】
通信端末300は、利用者が操作する通信装置である。通信端末300は、例えば、PC(Personal Computer)であっても良いし、スマートフォン等の携帯端末であっても良い。通信端末300には、一般的なキーボードやマウス、タッチパネル等の外部からの操作に基づいて情報を受け付ける入力部と、情報を表示するディスプレイ等の表示部(出力部)とが具備されている。通信端末300には、通信端末300を識別可能な端末識別情報があらかじめ付与されている。通信端末300が管理サーバ100や診断装置200にアクセスする際は、利用者IDやパスワード等の一般的な認証を受けるための情報が入力されて、管理サーバ100や診断装置200との間で認証処理を行っても良い。
【0018】
データベース400は、水処理装置固有に付与された識別情報と、その水処理装置の処理水質および処理流量とを対応付けて記憶する。
図2は、
図1に示したデータベース400に記憶された情報の対応付けの一例を示す図である。
図1に示したデータベース400は
図2に示すように、管理対象となる水処理装置それぞれに付与された識別情報と、その水処理装置が処理した水の水質である処理水質と、その水処理装置が処理可能な処理流量とを対応付けて記憶する。これらの情報は、外部から追加、変更、削除等、更新可能である。なお、データベース400は、管理サーバ100内に設けられていても良い。ここで、本形態において取り扱う水処理装置として、例えば、電気式脱イオン水製造装置が挙げられる。
【0019】
管理サーバ100は、通信端末300から送信されてきた要求情報に基づいて、水処理装置を提供するための処理を行う装置である。
図3は、
図1に示した管理サーバ100に具備された構成要素の一例を示す図である。
図1に示した管理サーバ100は
図3に示すように、検索部110と、性能算出部120と、基本料金算出部130と、情報送信部140とを有する。なお、
図3には、
図1に示した管理サーバ100が具備する構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示した。
【0020】
検索部110は、通信端末300から送信されてきた要求情報に含まれる条件情報が示す条件を満たす処理水質および処理流量と対応付けられた識別情報をデータベース400から検索する。検索部110は、検索できた識別情報と、その識別情報と対応付けられた処理水質および処理流量とをデータベース400から読み出す。通信端末300から送信されてくる要求情報には、端末識別情報や、要求情報を通信端末300に入力した利用者の氏名等の利用者属性情報、提供を要求する水処理装置の条件を示す条件情報が含まれる。条件情報は、提供を要求する水処理装置の仕様の許容範囲(条件)を示す情報である。この仕様範囲には、少なくとも水処理装置の処理水質と処理流量とが含まれる。
【0021】
性能算出部120は、検索部110が読み出した識別情報が付与された水処理装置の性能を算出する。性能算出部120は、管理サーバ100に設けられた記憶部(不図示)や外部に記憶されている水処理装置の仕様情報に基づいて、検索部110が読み出した識別情報が付与された水処理装置の性能を算出する。性能算出部120が算出する水処理装置の具体的な性能については、要求情報で要求されている性能であっても良いし、それ以外の性能を含んでも良いし、特に規定しない。性能算出部120が算出する水処理装置の性能として、例えば、過去に測定された供給水の性状と処理流量と流した電流との相関に基づいて算出された処理水(液体)の予測水質値(比抵抗や導電率等を含む)や、過去の運転データに基づいて算出された水処理装置の予測消費電力値、特定の成分の濃度等が挙げられる。
【0022】
基本料金算出部130は、検索部110が読み出した識別情報と、要求情報に含まれる期間情報とに基づいて、水処理装置を使用するための基本料金を算出する。水処理装置ごとの単位期間当たりの貸出料金はあらかじめ設定されており、基本料金算出部130は、検索部110が読み出した識別情報が付与された水処理装置の単位時間当たりの貸出料金と期間情報と当該水処理装置の処理水質(データベース400に記憶されているもの)とに基づいて、要求情報を送信してきた利用者が当該水処理装置を使用するための基本料金を算出する。基本料金算出部130が算出した基本料金は、識別情報と対応付けられてデータベース400に記憶されても良い。
【0023】
情報送信部140は、検索部110が読み出した識別情報と、性能算出部120が算出した性能を示す性能情報と、基本料金算出部130が算出した基本料金を示す基本料金情報とを通信端末300へ送信する。情報送信部140は、さらに当該識別情報が付与された水処理装置のメーカ名や型番等の当該水処理装置に関する情報を送信しても良い。
【0024】
診断装置200は、使用後の(返却された)水処理装置の劣化状態を診断する。
図4は、
図1に示した診断装置200に具備された構成要素の一例を示す図である。
図1に示した診断装置200は
図4に示すように、診断部210と、加算料金算出部220と、送信部230と、更新部240とを有する。なお、
図4には、
図1に示した診断装置200が具備する構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示した。
【0025】
診断部210は、使用後の水処理装置の劣化状態を診断する。診断部210における診断方法の具体例を以下に挙げる。
【0026】
診断部210は、水処理装置の使用後(返却後)に、複数の測定項目を測定し、それぞれの測定値に基づいて、それぞれの個別予測寿命を算出する。診断部210は、複数の測定項目それぞれについて、測定値と個別予測寿命との対応付けをあらかじめ保持しており、水処理装置の使用後(返却後)に測定した測定値と対応付けられている個別予測寿命を取得しても良い。また、診断部210は、過去に測定した測定値と寿命との関係の実績値を用いて、水処理装置の使用後(返却後)に測定した測定値から個別予測寿命を算出しても良い。この算出方法は、特に規定しない。診断部210は、算出した個別予想寿命のうち最も短い個別予測寿命を予測寿命として予測する。そして、診断部210は、予測した予測寿命を劣化状態として診断する。
【0027】
図5は、
図4に示した診断部210が算出した各測定項目についての個別予測寿命の一例を示す図である。診断部210は、
図5に示すような各測定項目について算出した個別予測寿命のうちの最も短い個別予測寿命を予測寿命として予測する。
図5に示した例では、測定項目「水質」の「10か月」という個別予測寿命が最も短いため、診断部210は「10か月」を、測定対象である水処理装置の予測寿命として予測する。
【0028】
上述した測定項目は、特に規定しない。例えば、
図5に示した通電積算量、通水差圧、電圧および水質ならびに積算負荷量および積算通水量が測定項目として挙げられる。通電積算量は、水処理装置への通電積算量である。酸化物被覆電極は、通電を継続することで触媒の被覆層が剥離していくことが報告されている。触媒層が消費されると電圧上昇を突然引き起こし運転不可となるおそれがある。そこで、診断部210が個別予測寿命を算出するための測定項目として通電積算量を用いる。通水差圧は、水処理装置の通水差圧である。水処理装置への酸化剤の流入、異物の流入などによって水の流れが悪くなり、通水差圧が上昇するケースがある。通水差圧が上昇すると、処理水水質低下や処理水水量の低下を引き起こすおそれがある。内部圧力が高くなることで漏水のリスクも高まる。そこで、診断部210が個別予測寿命を算出するための測定項目として通水差圧を用いる。電圧は、水処理装置に設けられた電極にかかる電圧である。電流によるイオン交換体の破損、電極板(触媒層の剥がれ)、スケール発生(水処理装置への供給水質や運転条件)などを主な原因として電極にかかる電圧が上昇する。電極にかかる電圧が上昇し直流電源の容量を超えると電流値が低下し処理水水質の低下などが発生する。そこで、診断部210が個別予測寿命を算出するための測定項目として電極にかかる電圧を用いる。水質は、水処理装置への供給水の水質である。また、水処理装置を長期間運転することで、多価金属イオン成分等のイオン交換が困難である成分(例えば、硬度成分)が水処理装置の内部に蓄積する。このような成分は、水処理装置で使用されるイオン交換樹脂の選択係数が高いものが多い。この成分が蓄積された量を積算蓄積量とする。積算蓄積量を把握するための指標として、導電率、流量、各種イオン濃度などに基づいて算出される積算負荷量を用いることができる。積算負荷量が多くなると、処理水水質の低下や電圧値の上昇、差圧等に影響を及ぼすおそれがある。そこで、診断部210が個別予測寿命を算出するための測定項目として積算負荷量を用いる。
【0029】
また、診断部210は、水処理装置の使用開始から使用後(返却)までの期間を、水処理装置にあらかじめ設定されている使用可能期間から差し引いた期間(以下、残り使用可能期間と称する)と、上述した最も短い個別予測寿命とのうち、短い方を予測寿命として予測しても良い。この残り使用可能期間は、水処理装置を構成する部材の経年劣化の度合いを示す数値として用いることができる。つまり、残り使用可能期間を用いることで、水処理装置を構成する部材の経年劣化に応じた寿命を考慮することができる。例えば、水処理装置を構成する部材として用いられるプラスチックは、使用に伴い、紫外線などにより劣化し、強度が低下していく。
【0030】
また、診断部210は、水処理装置の使用開始から使用後にかけて当該水処理装置に対して測定された結果に基づいて劣化状態を診断しても良い。この場合、診断部210は、水処理装置の使用中に測定器から随時送信されてきた複数の測定値や、水処理装置の使用中に当該水処理装置に付与されたメモリチップ等の記憶媒体に記憶された複数の測定値に基づいて劣化状態を診断しても良い。このように診断部210は、測定値の時間的変化を用いて劣化状態を診断しても良い。診断部210は、過去の測定値の変化の様子と寿命との関係を用いて、劣化状態を診断しても良い。測定値の変化の様子は、例えば、時間的に隣接する2つの測定値の時間に対する変化の割合(傾き)を用いても良い。
【0031】
加算料金算出部220は、診断部210が診断した劣化状態に基づいて、基本料金に加算する加算料金を算出する。加算料金算出部220は、使用された水処理装置について、使用前の状態と使用後の状態とを比較し、その比較の結果に基づいて加算料金を算出する。ここで、使用前の状態とは、例えば、使用前にデータベース400に記憶されていた処理水質の値であり、使用後の状態とは、診断部210が診断した劣化状態に基づいて算出された処理水質の値である。
【0032】
図6は、
図4に示した加算料金算出部220が算出する加算料金の算出基準の一例を示す図である。
図6に示すように、使用前の判定と、使用後の判定と、加算料金割合とが対応付けて記憶されている。水処理装置の使用前の判定は、水処理装置を使用(貸出)する前の水処理装置の状態をレベルで示したものである。使用後の判定は、水処理装置を使用(返却)した後の水処理装置の状態(どれだけ劣化していないかを示す状態)をレベルで示したものである。このレベルは、水処理装置の状態、例えば、処理水質と複数の閾値とを比較した結果に基づくものである。例えば、水処理装置の状態が閾値Aよりも良好な状態である場合、レベルをAとし、水処理装置の状態が閾値Aよりも悪い状態であり、かつ閾値Aよりも状態が悪いことを示す閾値Bよりも良好である場合、レベルBとし、水処理装置の状態が閾値Bよりも悪い状態である場合、レベルCとしても良い。加算料金割合は、上述した基本料金に対する割合である。加算料金割合が「0」であれば、基本料金に「0」を乗じた金額(つまり、0円)が加算料金として算出される。また、加算料金割合が「0.5」であれば、基本料金に「0.5」を乗じた金額(つまり、基本料金の50%の金額)が加算料金として算出される。また、加算料金割合が「1.0」であれば、基本料金に「1.0」を乗じた金額(つまり、基本料金と同じ金額)が加算料金として算出される。
【0033】
送信部230は、加算料金算出部220が算出した加算料金を示す加算料金情報を通信端末300へ送信(通知)する。送信先の通信端末300は、当該水処理装置を使用していた利用者の通信端末である。
【0034】
更新部240は、診断部210が診断した劣化状態に基づいて、データベース400に記憶された当該水処理装置の識別情報と対応付けられて記憶されている処理水質を更新する。更新部240が更新する処理水質は、診断部210が診断した劣化状態に基づいて更新部240が算出しても良いし、診断部210が診断した劣化状態に基づいて診断部210が算出しても良い。更新部240は、診断部210が診断した劣化状態に基づいた劣化していないレベルと閾値とを比較する。更新部240は、レベルが閾値以上である場合、当該水処理装置の識別情報と対応付けられてデータベース400に記憶されている処理水質を更新する。また、更新部240は、レベルが閾値に満たない場合、当該水処理装置の識別情報と対応付けられてデータベース400に記憶されている対応付けを削除する。この閾値は、水処理装置を再利用できるかどうかを判定するための値であって、あらかじめ設定されている。例えば、上述したような2つの閾値A,Bを用いて、水処置装置の状態のレベルがA,B,Cの3つに分けられている場合、更新部240は、レベルの変化に応じてデータベース400に記憶されているレベルを変化させる。このとき、レベルが最低レベルであるレベルCになると、更新部240は、当該水処理装置の識別情報と対応付けられてデータベース400に記憶されている対応付けを削除する。このようにデータベース400に記憶されているレベルが変化すれば、基本料金算出部130が算出する基本料金も変化する。
【0035】
以下に、
図1に示した情報処理システムにおける管理方法について説明する。
図7は、
図1に示した情報処理システムにおける管理方法の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0036】
まず、通信端末300が、外部からの操作に基づいて、要求情報を受け付けると(ステップS1)、受け付けた要求情報を管理サーバ100へ送信する(ステップS2)。管理サーバ100の検索部110は、通信端末300から送信されてきた要求情報に含まれる条件情報が示す条件を満たす処理水質および処理流量と対応付けられた識別情報をデータベース400から検索する(ステップS3)。すると、性能算出部120は、検索部110が読み出した識別情報が付与された水処理装置の性能を算出する(ステップS4)。具体的な算出方法は、上述した通りである。続いて、基本料金算出部130は、検索部110が読み出した識別情報と、要求情報に含まれる期間情報とに基づいて、水処理装置を使用するための基本料金を算出する(ステップS5)。情報送信部140は、検索部110が読み出した識別情報と、性能算出部120が算出した性能を示す性能情報と、基本料金算出部130が算出した基本料金を示す基本料金情報とを通信端末300へ送信する(ステップS6)。すると、通信端末300は、管理サーバ100から送信されてきた識別情報と性能情報と基本料金情報とを表示する(ステップS7)。
【0037】
以下に、
図1に示した情報処理システムにおける診断方法について説明する。
図8は、
図1に示した情報処理システムにおける診断方法の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0038】
診断装置200の診断部210が、使用後の水処理装置の劣化状態を診断する(ステップS11)。劣化状態の具体的な診断方法は、上述したもので良い。加算料金算出部220は、診断部210が診断した劣化状態に基づいて、基本料金に加算する加算料金を算出する(ステップS12)。続いて、送信部230は、加算料金算出部220が算出した加算料金を示す加算料金情報を通信端末300へ送信する(ステップS13)。すると、通信端末300は、送信部230から送信されてきた加算料金情報を表示する(ステップS14)。
【0039】
また、更新部240は、診断部210が診断した劣化状態に基づいた劣化していないレベルが閾値以上であるかどうかを判定する(ステップS15)。この閾値は、上述した閾値で良い。更新部240は、レベルが閾値以上である場合、当該水処理装置の識別情報と対応付けられてデータベース400に記憶されている処理水質を更新する(ステップS16)。このとき、更新部240は、必要に応じて、当該水処理装置の識別情報と対応付けられてデータベース400に記憶されている基本料金を更新しても良い。一方、更新部240は、レベルが閾値以上ではない場合は、当該水処理装置の識別情報と対応付けられてデータベース400に記憶されている対応付けを削除する(ステップS17)。
(適用例)
【0040】
図9は、本発明を適用した適用例を示す図である。
図9に示した例は、提供事業者10と、メンテナンス事業者20と、利用事業者30とによって構成されている。提供事業者10は、水処理装置を提供する事業者である。提供事業者10は、利用事業者30に対して、水処理装置の貸出を行う。また、提供事業者10は、利用事業者30への水処理装置の貸出および利用事業者30からの水処理装置の返却を管理する。また、提供事業者10は、利用事業者30との契約情報を管理する。本適用例における提供事業者10には、
図1に示した管理サーバ100およびデータベース400が備えられている。メンテナンス事業者20は、水処置装置の診断を行う。本適用例におけるメンテナンス事業者20には、
図1に示した診断装置200が備えられている。利用事業者30は、提供事業者10から水処理装置の提供(貸出)を受け、提供された水処理装置を利用する。利用事業者30における提供事業者10やメンテナンス事業者20との間のやり取りには、
図1に示した通信端末300が用いられる。
【0041】
以下に、
図9に示した形態における水処理装置の貸出方法について説明する。
図10は、
図9に示した形態における水処理装置の貸出方法の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0042】
まず、利用事業者30が通信端末300を用いて、提供事業者10のサイトへアクセスすると(ステップS21)、提供事業者10の管理サーバ100が利用事業者30に対して入力情報を要求する(ステップS22)。ここで、要求される入力情報には、提供事業者10と利用事業者30との間の契約内容(例えば、利用事業者30の社名や契約番号等)を示す契約情報や、利用事業者30が必要とする水処理装置の条件(性能や借りる期間情報等)を示す要求情報が含まれる。
【0043】
利用事業者30において、通信端末300が外部からの操作に基づいて、契約情報および要求情報を入力すると(ステップS23)、入力された契約情報および要求情報が利用事業者30から提供事業者10へ送信される(ステップS24)。提供事業者10に設けられた管理サーバ100の検索部110は、利用事業者30から送信されてきた契約情報が示す契約内容の条件を満たす水処理装置をデータベース400から検索する(ステップS25)。ここで、検索部110は、契約情報に含まれる利用者の識別情報をデータベース400から検索し、検索した利用者の識別情報と対応付けられている契約情報(例えば、通常利用している水処理装置の仕様や貸出期間等)をデータベース400から読み出し、契約情報を満たす処理水質および処理流量と対応付けられた装置の識別情報をデータベース400から検索しても良い。または、検索部110は、利用事業者30から送信されてきた要求情報に含まれる条件情報が示す条件を満たす処理水質および処理流量と対応付けられた利用者の識別情報をデータベース400から検索しても良い。続いて、提供事業者10に設けられた管理サーバ100の性能算出部120は、検索部110が読み出した(識別情報が付与された)水処理装置の性能を算出する(ステップS26)。具体的な算出方法は、上述した通りである。また、基本料金算出部130は、検索部110が読み出した装置の識別情報と、契約情報または要求情報に含まれる期間情報とに基づいて、水処理装置を使用する(貸出する)ための基本料金を算出する(ステップS27)。すると、提供事業者10に設けられた管理サーバ100の情報送信部140は、貸出可能な装置として検索部110が読み出した識別情報と性能算出部120が算出した性能を示す性能情報とを示す仕様情報と、基本料金算出部130が算出した基本料金を示す基本料金情報とを利用事業者30へ送信する(ステップS28)。
【0044】
利用事業者30の通信端末300は、提供事業者10に設けられた管理サーバ100の情報送信部140から送信されたこれらの情報を受信して表示する(ステップS29)。その後、表示された情報に対して当該識別情報が付与された水処理装置の貸し出しを要求するための貸出要求が受け付けられると(ステップS30)、貸出を要求する貸出要求信号が通信端末300から送信される(ステップS31)。すると、提供事業者10は、当該水処理装置の貸出をデータベース400に登録する(ステップS32)。具体的には、例えば、データベース400にて、その水処理装置の使用状況が記憶されており、管理サーバ100がその使用状況が貸出を示すような情報へ変更する。そして、提供事業者10は、当該水処理装置の貸出処理を行う(ステップS33)。
【0045】
以下に、
図9に示した形態における水処理装置の返却方法について説明する。
図11A~11Bは、
図9に示した形態における水処理装置の返却方法の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0046】
利用事業者30から、貸し出された水処理装置が返却されると(ステップS41)、提供事業者10は返却を受け付ける(ステップS42)。具体的には、提供事業者10に設けられた管理サーバ100がデータベース400に登録されている当該水処理装置の使用状況を返却された旨を示す情報へ変更する。返却された水処理装置が提供事業者10からメンテナンス事業者20へ送られると(ステップS43)、メンテナンス事業者20に設けられた診断装置200の診断部210が劣化状態を診断する(ステップS44)。劣化状態の具体的な診断方法は、上述したもので良い。メンテナンス事業者20に設けられた診断装置200の加算料金算出部220は、診断部210が診断した劣化状態に基づいて、基本料金に加算する加算料金を算出する(ステップS45)。続いて、メンテナンス事業者20に設けられた診断装置200の送信部230は、加算料金算出部220が算出した加算料金を示す加算料金情報を利用事業者30へ送信する(ステップS46)。すると、利用事業者30の通信端末300は、送信部230から送信されてきた加算料金情報を表示する(ステップS47)。
【0047】
また、メンテナンス事業者20に設けられた診断装置200の更新部240は、診断部210が診断した劣化状態に基づいた劣化していないレベルが閾値以上であるかどうかを判定する(ステップS48)。この閾値は、上述した閾値で良い。更新部240は、レベルが閾値以上である場合、当該水処理装置の識別情報と対応付けられてデータベース400に記憶されている処理水質の更新を提供事業者10へ要求する(ステップS49)。この要求は、任意の要求情報に含まれて診断装置200から提供事業者10へ送信される。また、この要求には、更新後の処理水質を示す値が含まれる。すると、提供事業者10は、データベース400にて当該水処理装置の識別情報と対応付けられている処理水質を示す情報を更新する(ステップS50)。
【0048】
一方、更新部240は、レベルが閾値以上ではない場合は、データベース400に記憶されている当該水処理装置の対応付けの削除を提供事業者10へ要求する(ステップS51)。この要求は、任意の要求情報に含まれて診断装置200から提供事業者10へ送信される。すると、提供事業者10は、データベース400に記憶されている当該水処理装置の対応付けを削除する(ステップS52)。また、提供事業者10は、当該水処理装置の処分またはこれを構成する部品の交換のための処理を行う(ステップS53)。処分されない水処理装置は再利用されるための処理が行われる。
【0049】
このように、本形態においては、使用されて返却された水処理装置の劣化状態を診断し、診断した結果に基づいて、再利用が可能かどうかを判定する、再利用が可能であると判定された水処理装置の識別情報は、貸し出し用の水処理装置を記憶するデータベースに残しておく。また、データベースに残された水処理装置の処理水質を示す情報を劣化状態に基づいて更新する。こうして、水処理装置を再利用していくため、水処理装置を有効的に使用することができる。
【0050】
以上、各構成要素に各機能(処理)それぞれを分担させて説明したが、この割り当ては上述したものに限定しない。また、構成要素の構成についても、上述した形態はあくまでも例であって、これに限定しない。
【0051】
管理サーバ100および診断装置200のそれぞれが行う処理は、目的に応じてそれぞれ作製された論理回路で行うようにしても良い。また、処理内容を手順として記述したコンピュータプログラム(以下、プログラムと称する)を管理サーバ100および診断装置200のそれぞれにて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを管理サーバ100および診断装置200のそれぞれに読み込ませ、実行するものであっても良い。管理サーバ100および診断装置200のそれぞれにて読取可能な記録媒体とは、光磁気ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、CD(Compact Disc)、Blu-ray(登録商標) Disc、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの移設可能な記録媒体の他、管理サーバ100および診断装置200のそれぞれに内蔵されたROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリやHDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、管理サーバ100および診断装置200のそれぞれに設けられたCPUにて読み込まれ、CPUの制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。ここで、CPUは、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。
【符号の説明】
【0052】
10 提供事業者
20 メンテナンス事業者
30 利用事業者
100 管理サーバ
110 検索部
120 性能算出部
130 基本料金算出部
140 情報送信部
200 診断装置
210 診断部
220 加算料金算出部
230 送信部
240 更新部
300 通信端末
400 データベース
500 通信ネットワーク