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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161255
(43)【公開日】2023-11-07
(54)【発明の名称】包装袋の厚さ測定装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/02 20060101AFI20231030BHJP
   B65B 35/44 20060101ALI20231030BHJP
   B65B 57/00 20060101ALI20231030BHJP
   B65B 35/24 20060101ALN20231030BHJP
【FI】
B65B57/02 F
B65B35/44
B65B57/00 H
B65B35/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071514
(22)【出願日】2022-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000148162
【氏名又は名称】株式会社川島製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】山本 博久
【テーマコード(参考)】
3E054
【Fターム(参考)】
3E054AA20
3E054DD01
3E054EA03
3E054FA02
3E054GA01
3E054GB04
3E054GB10
3E054GC09
(57)【要約】
【課題】連包袋の袋体の厚さを精度良く検出しつつ厚さ検出の効率化を図る上で有利な包装袋の厚さ測定装置を提供する。
【解決手段】厚さ測定用搬送路24Aの包装袋の搬送方向Fに間隔をおいた箇所に2つの厚さ検出部44A、44Bを設置し、2つの厚さ検出部44A、44Bのうち搬送方向Fにおいて上流側に位置する厚さ検出部44Aの上流側の厚さ測定用搬送路24Aの箇所に設けた光検出部46の検出結果と包装袋の搬送方向Fに沿った長さAと搬送速度Vとに基づいて各厚さ検出部による各包装袋の検出動作のタイミングを決定するようにした。包装袋が複数の袋体12が接続されてなる連包袋10であった場合には、2つの厚さ検出部44A、44Bを用いて複数の袋体12の厚さを同時にあるいはほぼ同時に検出することができ、1つの連包袋10に要する厚さ検出動作に要する時間を確保する上で有利となる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品が収容された包装袋の厚さ測定装置であって、
予め設定された搬送速度で前記包装袋を搬送する厚さ測定用搬送路と、
前記厚さ測定用搬送路の前記包装袋の搬送方向に間隔をおいた箇所に設置され前記厚さ測定用搬送路上で搬送される前記包装袋の厚さを検出する2つの厚さ検出部と、
前記2つの厚さ検出部のうち前記搬送方向において上流側に位置する前記厚さ検出部の上流側の前記厚さ測定用搬送路の箇所に設けられ、前記包装袋に対して検出光を照射すると共に前記包装袋を透過あるいは反射する前記検出光の強度を検出する光検出部と、
前記光検出部の検出結果と前記包装袋の前記搬送方向に沿った長さと前記搬送速度とに基づいて前記各厚さ検出部による前記各包装袋の検出動作のタイミングを決定する検出制御部と、
を備えることを特徴とする包装袋の厚さ測定装置。
【請求項2】
前記厚さ検出部は、
前記厚さ測定用搬送路上において前記包装袋の厚さ方向に昇降し前記包装袋の上面を押圧可能に形成された押圧体と、
前記押圧体を昇降させる昇降部と、
前記検出制御部によって決定された前記タイミングに基づいて前記昇降部を制御し前記押圧体を前記包装袋の上面に押圧した際の前記押圧体による前記包装袋への押圧力を制御する押圧制御部と、
前記押圧体の昇降量に基づいて前記包装袋の厚さを算出する厚さ算出部と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の包装袋の厚さ測定装置。
【請求項3】
前記押圧体は、前記包装袋の上面を押圧しつつ前記搬送速度と同一の速度で前記搬送方向に移動する押圧用コンベアベルトで構成され、
前記押圧体の昇降は、上下方向で前記搬送方向と直交する方向に直線往復移動することでなされる、
ことを特徴とする請求項2記載の包装袋の厚さ測定装置。
【請求項4】
前記昇降部は、前記押圧体を昇降させる電動モータを備え、
前記押圧制御部による前記押圧力の制御は、前記電動モータを制御し前記押圧体を前記包装袋の上面に押圧した際の前記電動モータのトルク負荷に基づいてなされ、
前記厚さ算出部による前記包装袋の厚さの算出は、前記電動モータの回転量に基づいてなされる、
ことを特徴とする請求項2記載の包装袋の厚さ測定装置。
【請求項5】
前記包装袋は、製品が収容された複数の袋体がミシン目を有するシール部を介して接続されて構成された連包袋であり、前記複数の袋体が接続されて並べられた方向に前記厚さ測定用搬送路で搬送され、
前記厚さ検出部による前記包装袋の厚さの検出は前記袋体の厚さを検出することでなされ、
前記検出制御部による前記袋体の検出動作のタイミングの決定は、前記光検出部の検出結果に基づいて、前記搬送方向における前記連包袋の先端と、前記ミシン目とを検出すると共に、この検出結果と前記袋体の前記搬送方向に沿った長さと前記搬送速度とに基づいてなされる、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の包装袋の厚さ測定装置。
【請求項6】
前記連包袋は、不透明な包装フィルムで形成されている、
ことを特徴とする請求項5記載の包装袋の厚さ測定装置。
【請求項7】
前記搬送方向の先頭から並べられた前記複数の袋体に1から順番に番号を付した場合、
前記2つの厚さ検出部の一方は、奇数番目に位置する前記袋体の厚さ検出を行い、
前記2つの厚さ検出部の他方は、偶数番目に位置する前記袋体の厚さ検出を行う、
ことを特徴とする請求項5記載の包装袋の厚さ測定装置。
【請求項8】
前記2つの厚さ検出部は、前記連包袋を構成する前記複数の袋体の全てに対してそれぞれ厚さ検出を行なう、
ことを特徴とする請求項5記載の包装袋の厚さ測定装置。
【請求項9】
前記包装袋は、製品が収容された単一の袋体からなる単包袋であり、
前記包装袋の厚さの検出は前記2つの厚さ検出部の少なくとも一方により前記単包袋の厚さを検出することでなされ、
前記検出制御部による前記単包袋の検出動作のタイミングの決定は、前記光検出部の検出結果に基づいて、前記搬送方向における前記単包袋の先端を検出すると共に、この検出結果と前記単包袋の前記搬送方向に沿った長さと前記搬送速度とに基づいてなされる、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の包装袋の厚さ測定装置。
【請求項10】
前記包装袋は、製品が収容された単一の袋体からなる単包袋であり、
前記包装袋の厚さの検出は前記2つの厚さ検出部により前記単包袋の厚さをそれぞれ検出することでなされ、
前記検出制御部による前記単包袋の検出動作のタイミングの決定は、前記光検出部の検出結果に基づいて、前記搬送方向における前記単包袋の先端を検出すると共に、この検出結果と前記単包袋の前記搬送方向に沿った長さと前記搬送速度とに基づいてなされる、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の包装袋の厚さ測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋の厚さ測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
製袋充填包装機械によって製品が充填された包装袋は、製袋充填包装機械から搬送路上に排出され、搬送路上に配置された厚さ測定装置によってその厚さが検出され、厚さが合格範囲を満たすものを合格品とし、満たさないものを不良品として排除する。
このような厚さ測定装置として、搬送路の上方に、サーボモータの回転駆動力によって昇降される押圧部材を設け、押圧部材を下降させて包装袋の上面を押圧させた状態で検出されたサーボモータの回転量に基づいて包装袋の厚さを検出するものが知られている(特許文献1参照)。この厚さ測定装置では測定対象となる包装袋が単一の袋体からなる単包袋となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-68915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、包装袋として、上述した単包袋の他に、製品が収容された複数の袋体がシール部を介して接続されて構成された連包袋が使用されており、このような連包袋においても各袋体の厚さをそれぞれ検出する必要があり、連包袋の各袋体の厚さを上述した厚さ測定装置によって検出することが考えられる。
ところで、単包袋や連包袋は、製袋充填包装機械から搬送コンベヤ上に一定の時間間隔(例えば数秒)で排出される。
単包袋の場合は、単包袋毎に1回の厚さ検出動作を行えばよいのに対し、連包袋の場合は、連包袋を構成する複数の袋体毎に厚さ検出動作を行なう必要がある。
したがって、連包袋の場合は、単包袋の場合に比較して、1回の厚さ検出動作に確保できる時間が短くなりがちとなることから各袋体の厚さ検出の精度を確保する上で不利となる。
そこで、連包袋の場合は、単包袋に比較して搬送路の搬送速度を遅くして、1回の厚さ検出動作に要する時間を長くして厚さ検出の精度を確保せざるを得ず、厚さ検出の効率化を図る上で改善の余地がある。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであり、本発明の目的は、連包袋の袋体の厚さを精度良く検出しつつ厚さ検出の効率化を図る上で有利な包装袋の厚さ測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するため、本発明の一実施の形態は、製品が収容された包装袋の厚さ測定装置であって、予め設定された搬送速度で前記包装袋を搬送する厚さ測定用搬送路と、前記厚さ測定用搬送路の前記包装袋の搬送方向に間隔をおいた箇所に設置され前記厚さ測定用搬送路上で搬送される前記包装袋の厚さを検出する2つの厚さ検出部と、前記2つの厚さ検出部のうち前記搬送方向において上流側に位置する前記厚さ検出部の上流側の前記厚さ測定用搬送路の箇所に設けられ、前記包装袋に対して検出光を照射すると共に前記包装袋を透過あるいは反射する前記検出光の強度を検出する光検出部と、前記光検出部の検出結果と前記包装袋の前記搬送方向に沿った長さと前記搬送速度とに基づいて前記各厚さ検出部による前記各包装袋の検出動作のタイミングを決定する検出制御部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施の形態によれば、包装袋が複数の袋体が接続されてなる連包袋であった場合には、2つの厚さ検出部を用いて複数の袋体の厚さを同時にあるいはほぼ同時に検出することができ、1つの連包袋に要する厚さ検出動作に要する時間を確保する上で有利となる。
そのため、連包袋の袋体の厚さを精度良く検出しつつ厚さ検出の効率化を図る上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態に係る包装袋の厚さ測定装置の構成を示す側面図である。
図2】実施の形態に係る包装袋の厚さ測定装置の動作状態を示す側面図である。
図3】実施の形態に係る包装袋の厚さ測定装置の平面図である。
図4】実施の形態に係る包装袋の厚さ測定装置の押圧体および昇降部の構成を示す斜視図である。
図5】実施の形態に係る包装袋の厚さ測定装置の全体構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、包装袋について説明する。
包装袋は、製品を収容するものであり、単包袋と連包袋との2種類がある。
単包袋は、製品が収容された単一の袋体からなるものであり、長さと、長さと直交する幅と、長さおよび幅と直交する厚さとを有しており、長さ方向の両端がシール部によってシールされている。
単包袋は、例えば、不透明な包装フィルムで形成されており、このような包装フィルムとして、スナック菓子などの製品の酸化を防止するため遮光性のあるアルミ蒸着フィルムが用いられている。
【0009】
図2図3に示すように、連包袋10は、製品が収容された複数の袋体12がシール部14を介して接続されたものである。
連包袋10も単包袋と同様に、不透明な包装フィルム、例えば、遮光性のあるアルミ蒸着フィルムで形成されている。
連包袋10は、複数の袋体12が連接された方向の長さを有し、袋体12とシール部14は連包袋10の長さ方向に沿った長さを有し、袋体12の長さ方向の両端にシール部14が位置している。
シール部14の長さ方向の中間部に袋体12の破断を可能としたミシン目16が設けられ、ミシン目16はシール部14の長さ方向と直交する方向に延在している。
連包袋10の長さ方向において隣り合うミシン目16の寸法、言い換えると、各袋体12の長さは同一である。
本実施の形態では、連包袋10は、4つの袋体12が3つのシール部14を介して接続されて構成され、連包袋10の長さ方向の両端にはシール部14が位置している。
連包袋10の長さ方向の一端のシール部14に、販売店などにおいて連包袋10を吊り下げるための孔18Aが形成されたヘッダ部18が設けられており、このような連包袋10をヘッダ付き連包袋という。
したがって、連包袋10の長さ方向の一端にヘッダ部18が位置し、長さ方向の他端にシール部14が位置している。
なお、本発明は、ヘッダ部18が設けられていない連包袋にも無論適用可能である。
【0010】
単包袋および連包袋10の袋体12に収容される製品は、例えば、ポテトチップスなどのスナック菓子であるが、収容される製品の種類は限定されるものではない。また、不図示の製袋充填包装機によって製品と共に空気が袋体12に収容されることによって袋体12をある程度膨らませた状態としている。これは、空気によって袋体12の厚さを確保することで輸送時の衝撃を緩和し、製品の保護を図るためである。
【0011】
単包袋および連包袋10は、前述したように製袋充填包装機によって製品が空気と共に袋体12に収容されて製造されたのち、不図示の排出コンベヤ上に排出され、排出コンベヤから、図2に示すように第1搬送路22によって本発明の包装袋の厚さ測定装置20(以下単に厚さ測定装置20という)に搬送される。
なお、例えば、第1搬送路22には、製品が収容された単包袋あるいは連包袋10の重量を検出する公知のウェイトチェッカが設けられ、ウェイトチェッカによって測定された単包袋あるいは連包袋10の重量が所定の合格範囲内にあるか否かが判定され、単包袋あるいは連包袋10の重量が合格範囲内でなければ不良品となり、不図示の不良排除部によって排除される。
【0012】
次に、本実施の形態に係る厚さ測定装置20について説明する。
図1図2に示すように、本実施の形態の厚さ測定装置20は、包装袋を搬送する搬送路上に配置され、搬送路はベルトコンベヤの上面で構成されている。
本実施の形態では、搬送路は、上流側から下流側に向かって直列に並べられた第1搬送路22、第2搬送路24、第3搬送路26を含んで構成されている。
これら3つの搬送路22、24、26は、包装袋を予め設定された搬送速度で包装袋の長さ方向に搬送するものであり、単包袋については単包袋の長さ方向に搬送し、連包袋10については複数の袋体12が接続された方向に搬送する。
なお、連包袋10は、搬送方向の上流端に、連包袋10の長さ方向の一端のヘッダ部18が位置し、搬送方向の下流端に(すなわち搬送方向の先端に)、連包袋10の長さ方向の他端のシール部14が位置するように搬送されることが多い。
第1搬送路22を構成するベルトコンベヤのベルトは不図示の第1搬送路用モータによって駆動され、第2搬送路24を構成するベルトコンベヤのベルトは、第2搬送路用モータ2402によって駆動され、第3搬送路26を構成するベルトコンベヤのベルトは第3搬送路用モータ2602によって駆動される。
【0013】
第1搬送路用モータの回転速度の制御、すなわち、第1搬送路22の搬送速度の制御は、不図示の制御装置によってなされる。
図5に示すように、第2搬送路用モータ2402、第3搬送路用モータ2602の回転速度の制御、すなわち、第2搬送路24、第3搬送路26の搬送速度の制御は、後述する全体制御装置28から周波数指令が各インバータ2404、2604に与えられ、各インバータ2404、2604を介して各モータ2402、2602が制御されることでなされる。
第1搬送路22、第2搬送路24、第3搬送路26の搬送速度は同一であってもよく、あるいは、第1搬送路22の搬送速度よりも第2搬送路24、第3搬送路26の搬送速度を高速としてもよい。
ただし、第1搬送路22の搬送速度よりも第2搬送路24の搬送速度を低速とすると、連包袋10を構成する各袋体12が第2搬送路24上でシール部14を境目にして折れ曲がるといったジャムと呼ばれる現象が発生しやすくなり、第2搬送路24上で袋体12の厚さを検出する際の妨げとなる。そのため、第2搬送路24の搬送速度は第1搬送路22の搬送速度と同一か、それ以上とすることが好ましい。
また、図1に示すように、第3搬送路26の側方には、厚さ測定装置20によって検出された厚さが不良と判定された包装袋に圧縮空気を噴射して第3搬送路26上から排除する噴射ノズル30が配置されている。
【0014】
また、本実施の形態では、図5に示すように、厚さ測定装置20、第1搬送路22、第2搬送路24、第3搬送路26、噴射ノズル30の制御を司る全体制御装置28が設けられている。
全体制御装置28は、コンピュータやPLC(Programmable Logic Controller)によって構成され、コンピュータやPLCが制御プログラムを実行することによって、後述する第1押圧制御部32、第1厚さ算出部34、第2押圧制御部36、第2厚さ算出部38、検出制御部40、判別部42が実現されている。
【0015】
図1に示すように、厚さ測定装置20は、第2搬送路24と、第2搬送路24に配置された第1厚さ検出部44Aおよび第2厚さ検出部44Bと、光検出部46とを含んで構成されている。
第2搬送路24は、第1搬送路22から搬送された包装袋を第3搬送路26に搬送するものであり、第2搬送路24は、予め設定された搬送速度で包装袋を搬送する厚さ測定用搬送路24Aを構成している。
第1搬送路22の下流端と第2搬送路24の上流端との間には隙間Sが形成される。
【0016】
第1厚さ検出部44Aおよび第2厚さ検出部44Bは、第2搬送路24の包装袋の搬送方向Fに間隔をおいた箇所に設置され、第1厚さ検出部44Aは、第2厚さ検出部44Bよりも搬送方向Fの上流側に配置されている。
第1厚さ検出部44Aおよび第2厚さ検出部44Bは、第2搬送路24上を搬送される包装袋の厚さ、すなわち、単包袋を構成する単一の袋体の厚さ、および、連包袋10を構成する複数の袋体12の厚さをそれぞれ検出するものである。
第1厚さ検出部44Aおよび第2厚さ検出部44Bの構成は同一であるため、以下では、第1厚さ検出部44Aについて詳細に説明し、第2厚さ検出部44Bについては簡単に説明する。
【0017】
図1図4に示すように、第1厚さ検出部44Aは、第1押圧体48Aと、第1昇降部50Aとを含んで構成されている。
第1押圧体48Aは、第2搬送路24上において包装袋の厚さ方向に昇降し包装袋の上面を押圧可能に形成されている。
図4に示すように、第1押圧体48Aは、押圧用コンベヤベルト4802のベルトで構成されている。
すなわち、昇降用フレーム52により駆動ローラ54と従動ローラ56とが回転可能に支持され、それら駆動ローラ54と従動ローラ56とにわたり押圧用コンベヤベルト4802が架け渡され、駆動ローラ54が回転駆動されることにより押圧用コンベヤベルト4802が走行される。
本実施の形態では、駆動ローラ54の下部と従動ローラ56の下部とに架け渡された押圧用コンベヤベルト4802の部分が、上方から第2搬送路24上に搬送される包装袋の上面を押圧する第1押圧体48Aを構成している。
また、後述するように、第1押圧体48Aの長さ方向の中央で、包装袋を構成する袋体の上面の搬送方向Fにおける長さ方向の中央を押圧した際に、包装袋(袋体)の厚さが最も精度良く検出できるように図られている。
なお、包装袋が連包袋である場合、包装袋の搬送方向Fに沿った第1押圧体48Aの長さは、連包袋10を構成する各袋体12の長さよりも大きな寸法であって、かつ、第1押圧体48Aの長さ方向の中央が袋体12の長さ方向の中央と合致した状態で、第1押圧体48Aが2つの袋体12に跨って押圧しないように寸法で図られている。
例えば、第1押圧体48Aの長さは1つの袋体12の長さの1.2倍~1.3倍程度の寸法とされている。
また、包装袋が単包袋である場合、第1押圧体48Aの長さは、単包袋の全長分の寸法以下の寸法でよく、単包袋の長さ方向の中央部分を押圧して厚さを安定して検出できる寸法であればよい。
【0018】
図1図4に示すように、本実施の形態では、駆動ローラ54の下部と従動ローラ56の下部とに架け渡された押圧用コンベヤベルト4802の部分の上面に押さえプレート58が配置されている。
すなわち、第1押圧体48Aで包装袋の上面を押圧したときに、押圧用コンベヤベルト4802の部分が部分的に上方に撓むことを押さえプレート58によって抑制し、これにより第1押圧体48Aが包装袋の上面を押圧した状態での第1押圧体48Aの包装袋の厚さ方向における位置を安定させ、包装袋の厚さを精度良く検出できるように図られている。
また、押さえプレート58は、第1押圧体48Aに接触した際に第1押圧体48Aの走行を妨げないように摩擦係数が少ない材料で形成することが好ましい。
なお、押さえプレート58の代わりに押圧用コンベヤベルト4802の部分の上面に複数のフリーローラを設け、それらフリーローラによって第1押圧体48Aの上方への撓みを抑制するようにしてもよい。
【0019】
昇降用フレーム52で支持された駆動ローラ54の駆動軸の端部に、ベルトプーリ機構60を介してコンベヤ用駆動モータ62の動力が伝達され、コンベヤ用駆動モータ62により駆動ローラ54が回転され、第1押圧体48Aを構成する押圧用コンベヤベルト4802の部分が、第2搬送路24上を搬送される包装袋と同一の速度、同一の向きに走行される。
なお、コンベヤ用駆動モータ62の回転速度の制御、すなわち、押圧用コンベヤベルト4802の走行速度の制御は、後述する全体制御装置28から周波数指令がインバータ63に与えられ、インバータ63を介してコンベヤ用駆動モータ62が制御されることでなされる。
【0020】
ベルトプーリ機構60は、第1ベルトプーリ機構60A、第2ベルトプーリ機構60B、第3ベルトプーリ機構60Cを含んで構成されている。
第1ベルトプーリ機構60Aは、コンベヤ用駆動モータ62の駆動プーリ6202と、この駆動プーリ6202の上方に配置された2つの第1従動プーリ6002と、それら駆動プーリ6202、第1従動プーリ6002に掛装された第1ベルト6004とで構成され、2つの第1従動プーリ6002は取り付け板6006により回転可能に支持されている。
【0021】
第2ベルトプーリ機構60Bは、2つの第1従動プーリ6002のうちの一方の第1従動プーリ6002と同軸上で一体に回転する第2従動プーリ6010と、第2従動プーリ6010の上方に配置された第3従動プーリ6012と、第2従動プーリ6010と第3従動プーリ6012の支軸を同軸上で回転可能に支持する第2リンク6014と、それら第2従動プーリ6010と第3従動プーリ6012に架け渡された第2ベルト6016とを含んで構成されている。
第1従動プーリ6002と第2従動プーリ6010の支軸は取り付け板6006と第2リンク6014で回転可能に支持されている。
【0022】
第3ベルトプーリ機構60Cは、第3従動プーリ6012と同軸上で一体に回転する第4従動プーリ6020と、駆動ローラ54の駆動軸の端部に取着された第5従動プーリ6022と、第4従動プーリ6020と第5従動プーリ6022を回転可能に支持する第3リンク6024と、それら第4従動プーリ6020と第5従動プーリ6022に架け渡された第3ベルト6026とを含んで構成されている。
第3従動プーリ6012と第4従動プーリ6020の支軸は同軸上で第2リンク6014と第3リンク6024で回転可能に支持されている。
【0023】
第1昇降部50Aは、第1押圧体48Aを昇降させるものであり、第1昇降部50Aによる第1押圧体48Aの昇降は、包装袋の搬送方向Fと直交する方向である上下方向で直線往復移動することでなされる。
第1昇降部50Aは、昇降用フレーム52と、2本のスライド軸64と、ベルトプーリ機構66と、第1昇降用サーボモータ68Aとを含んで構成されている。
2本のスライド軸64は、第2搬送路24の側方で包装袋の搬送方向Fに間隔をおいて配置され、上下方向に延在し、昇降用フレーム52は2本のスライド軸64により上下に移動可能に支持されている。
ベルトプーリ機構66は、第2搬送路24の下方に配置された第1昇降用サーボモータ68Aの出力軸に設けられた駆動プーリ6602と、駆動プーリ6602の上方に配置された従動プーリ6604と、それら駆動プーリ6602と従動プーリ6604に架け渡された昇降用ベルト6606とで構成されている。
昇降用ベルト6606の一部はブラケット6608を介して昇降用フレーム52に連結され、第1昇降用サーボモータ68Aが正逆回転することにより、昇降用ベルト6606を介して昇降用フレーム52が昇降し、これにより、第1押圧体48Aが第2搬送路24上において包装袋の厚さ方向に昇降し包装袋の上面を押圧できるように構成されている。
【0024】
図1に示すように、第2厚さ検出部44Bは、第2押圧体48Bと、第2昇降部50Bとを含んで構成されている。
第2押圧体48Bの構成は、第1押圧体48Aと同様であり、押圧用コンベヤベルト4802のベルトで構成されている。
第2昇降部50Bの構成は、第1昇降部50Aと同様であり、昇降用フレーム52と、2本のスライド軸64と、ベルトプーリ機構66と、第2昇降用サーボモータ68Bとを含んで構成されている。
なお、図4に示すように、第2昇降部50Bの第2ベルトプーリ機構60Bは、2つの第1従動プーリ6002のうちの他方の第1従動プーリ6002と同軸上で一体に回転する第2従動プーリ6010を含んで構成されている。
また、第1厚さ検出部44Aと同様に、昇降用フレーム52で支持された駆動ローラ54の駆動軸の端部に、ベルトプーリ機構60を介してコンベヤ用駆動モータ62の動力が伝達され、コンベヤ用駆動モータ62により駆動ローラ54が回転され、第2押圧体48Bを構成する押圧用コンベヤベルト4802の部分が、第2搬送路24上を搬送される包装袋と同一の速度、同一の向きに走行され、ベルトプーリ機構60は、第1ベルトプーリ機構60A、第2ベルトプーリ機構60B、第3ベルトプーリ機構60Cを含んで構成されている。
【0025】
図5に示すように、第1厚さ検出部44Aは、さらに第1押圧制御部32と、第1厚さ算出部34とを含んで構成されている。
第1押圧制御部32は、後述する検出制御部40によって決定されたタイミングに基づいて第1昇降部50Aを制御し、第1押圧体48Aを包装袋の上面に押圧した際の第1押圧体48Aによる包装袋への押圧力を制御するものである。
第1押圧制御部32による押圧力の制御は、第1昇降用サーボモータ68Aを制御し第1押圧体48Aを包装袋の上面に押圧した際の第1昇降用サーボモータ68Aのトルク負荷に基づいてなされる。
詳細に説明すると、全体制御装置28はサーボアンプ69Aを介して第1昇降用サーボモータ68Aに接続され、第1押圧制御部32は、回転方向および回転量を含む動作指令をサーボアンプ69Aに与えることにより第1昇降用サーボモータ68Aの回転を制御すると共に、サーボアンプ69Aを介して第1昇降用サーボモータ68Aからトルク負荷を含むフィードバック信号を受け付けることにより、押圧力の制御を行なう。
また、上記押圧力は予め任意に設定された一定の値となるように制御され、これにより包装袋の厚さの検出条件を一定に維持するように図られている。
【0026】
また、第1押圧体48Aは、包装袋の上面よりも所定距離上方に離間した待機位置と、包装袋の上面を押圧する押圧位置との間で昇降される。
待機位置が包装袋の上面に近いほど、第1押圧体48Aの昇降に要する時間の短縮化を図る上で有利となり、厚さ検出の効率化を図る上で有利となる。
【0027】
第1厚さ算出部34は、第1押圧体48Aの昇降量に基づいて包装袋の厚さを算出するものであり、第1厚さ算出部34による包装袋の厚さの算出は、第1昇降用サーボモータ68Aの回転量に基づいてなされる。
詳細に説明すると、第1厚さ算出部34は、サーボアンプ69Aを介して第1昇降用サーボモータ68Aから実際の回転量を含むフィードバック信号を受け付け、第1昇降用サーボモータ68Aの回転量に基づいて第1押圧体48Aの昇降量を算出し、包装袋の厚さを算出する。
【0028】
第2厚さ検出部44Bは、第1厚さ検出部44Aと同様に、第2昇降用サーボモータ68Bを制御して第2押圧体48Bによる包装体への押圧力を制御する第2押圧制御部36と、第2昇降用サーボモータ68Bの回転量に基づいて第2押圧体48Bの昇降量を算出することで包装体の厚さを算出する第2厚さ算出部38とを含んで構成されている。
【0029】
なお、本実施の形態では、第1押圧体48A(押圧用コンベヤベルト4802)および第2押圧体48B(押圧用コンベヤベルト4802)を駆動するコンベヤ用駆動モータ62を第2搬送路用モータ2402と別に設けた場合について説明したが、コンベヤ用駆動モータ62と第2搬送路用モータ2402とを単一のモータで兼用してもよい。
また、本実施の形態では、第1昇降部50Aおよび第2昇降部50Bをサーボモータ68A、68Bとベルトプーリ機構66を組み合わせて構成した場合について説明したが、第1昇降部50Aおよび第2昇降部50Bは第1押圧体48Aおよび第2押圧体48Bを昇降させることができればよく、リニアアクチュエータなど従来公知の様々なアクチュエータを用いて構成してもよい。そして、第1厚さ検出部44Aおよび第2厚さ検出部44Bは、それらアクチュエータを利用して、第1押圧体48Aおよび第2押圧体48Bによる押圧力の制御、第1押圧体48Aおよび第2押圧体48Bの昇降量の算出を行なうことができればよい。
【0030】
図1に示すように、光検出部46は、第1、第2厚さ検出部44A、44Bのうち搬送方向Fにおいて上流側に位置する第1厚さ検出部44Aの上流側に設けられ、包装袋に対して検出光を照射すると共に包装袋を透過あるいは反射する検出光の強度を検出するものである。
本実施の形態では、光検出部46は、第1搬送路22と第2搬送路24の隙間Sを上下方向から挟むように配置された発光部4602と受光部4604とを含む透過型光電センサで構成されている。
発光部4602は、包装袋10に向かって検出光Lを照射するものであり、受光部4604は、包装袋10を透過した検出光Lを検出するものである。
なお、発光部4602から照射される検出光Lの形状や数は限定されるものではないが、連包袋10のミシン目16を確実に検出できるように、例えば、ミシン目16の長さ方向に沿って複数の検出光(光ビーム)Lが照射されることが好ましい。
したがって、光検出部46として複数の光軸を持つエリアセンサなどの従来公知の様々な透過型光電センサを用いることができる。
【0031】
なお、図5において、符号70は全体制御装置28に接続された設定表示器を示し、この設定表示器70は、厚さ測定装置20で検出された包装袋(袋体)の厚さの検出値を含む各種データを表示し、あるいは、厚さの合格範囲を規定する上限値および下限値の設定を手動操作によって行なうものである。
【0032】
次に、包装袋が連包袋10である場合の光検出部46の動作を説明する。
連包袋10のうちミシン目16の箇所は検出光Lが透過する一方、連包袋10のうちミシン目16以外の部分は、不透明な包装フィルムで形成されているため検出光Lは透過しない。
したがって、光検出部46によって検出される検出光Lの強度は、連包袋10が存在しない場合に最大値となり、連包袋10のミシン目16以外の部分で最小値となり、ミシン目16の部分で中間値となる。
そのため、検出光Lの強度は、連包袋10の搬送方向Fの先端部分で最大値から最小値に変化し、また、ミシン目16の前後において最小値から中間値に、中間値から最小値に変化することから、検出光Lの強度に基づいて、連包袋10の搬送方向Fの先端とミシン目16とを検出することが可能となる。
なお、連包袋10が透明な包装フィルムで形成されていても、検出光Lの透過量は、包装フィルムが存在しない場合に比較して、包装フィルムの部分で低下するため、上記と同様の原理でミシン目16を検出することができる。
また、連包袋10の場合、袋体12の間のシール部14が撓むなどして検出光Lに対するミシン目16の位置関係がばらつくことで、検出光Lがミシン目16を透過しにくくなる場合があり、そのような場合には、ミシン目16の検出結果が正確に行えないことも考えられる。
この場合、2つ以上の光検出部46を搬送路の幅方向に間隔をおいて配置しておき、複数の光検出部46による検出結果のうち、1つでもミシン目16が検出されたならば、ミシン目16を検出したものと判断するようにしてもよい。
【0033】
また、光検出部46として、検出光Lを照射する発光部4602と、連包袋10を反射した検出光Lを検出する受光部4604とを備える反射型光電センサで構成してもよい。
この場合は、連包袋10のうちミシン目16以外の部分は、一定の割合で検出光Lが反射される一方、ミシン目16の箇所は検出光Lの一部がミシン目16を透過するため、反射される検出光Lの強度が低下する。
したがって、光検出部46によって検出される検出光Lの強度は、連包袋10が存在しない場合に最小値となり、連包袋10のミシン目16以外の部分で最大値となり、ミシン目16の部分で中間値となる。
そのため、検出光Lの強度は、連包袋10の搬送方向Fの先端部分で最小値から最大値に変化し、また、ミシン目16の前後において最大値から中間値に、中間値から最大値に変化することから、検出光Lの強度に基づいて、連包袋10の搬送方向Fの先端、ミシン目16を検出することが可能となる。
しかしながら、光検出部46として反射型光電センサを用いた場合、連包袋10で反射される検出光Lの強度は連包袋10の表面の状態によって影響を受けやすいことから、連包袋10で反射される検出光Lの強度とミシン目16で反射される検出光Lの強度とを判別する処理が多少複雑となることが考えられる。
そのため、本実施の形態のように光検出部46として透過型光電センサを用いると、光検出部46による搬送方向Fにおける連包袋10の先端と、ミシン目16との検出を簡素な構成で実現する上でより有利となる。
【0034】
次に、包装袋が単包袋である場合の光検出部46の動作を説明する。
単包袋の箇所は不透明な包装フィルムで形成されているため検出光Lは透過しない。
したがって、光検出部46によって検出される検出光Lの強度は、単包袋が存在しない場合に最大値となり、単包袋の部分で最小値となる。
そのため、検出光Lの強度は、単包袋の搬送方向Fの先端部分で最大値から最小値に変化することから、検出光Lの強度に基づいて、単包袋の搬送方向Fの先端を検出することが可能となる。
なお、単包袋が透明な包装フィルムで形成されていても、検出光Lの透過量は、包装フィルムが存在しない場合に比較して、包装フィルムの部分で低下するため、上記と同様の原理で単包袋の搬送方向Fの先端部分を検出することができる。
【0035】
検出制御部40は、光検出部46の検出結果と包装袋の搬送方向Fに沿った長さと搬送速度とに基づいて各厚さ検出部44A、44Bによる各包装袋の検出動作のタイミングを決定するものである。
検出制御部40の動作は、包装袋の種類、すなわち、連包袋10と単包袋とで異なる。また、連包体10を構成する袋体12に対して1回の厚さ検出を行なうか、2回の厚さ検出を行なうかで異なる。また、単包体を構成する袋体に対して1回の厚さ検出を行なうか、2回の厚さ検出を行なうかで異なる。
検出制御部40の動作の詳細については後述する。
【0036】
判別部42は、第1厚さ検出部44Aおよび第2厚さ検出部44Bで検出された包装袋(袋体)の厚さが所定の上限値および下限値で規定される合格範囲内あるか否かを判定し、包装袋の厚さが合格範囲内でなければ、包装袋を不良品と判定し、噴射ノズル30に動作信号を与えることにより噴射ノズル30から圧縮空気を噴射させ、第3搬送路26上を搬送される不良品とされた包装袋を排除するものである。
【0037】
(連包袋10の厚さ検出)
まず、包装袋が連包袋10である場合について説明する。
検出制御部40は、検出光Lの強度に基づいて、搬送方向Fにおける連包袋10の先端と、ミシン目16とを検出すると共に、この検出結果と、袋体12の長さA(図3参照)と、第2搬送路24の搬送速度Vとに基づいて第1、第2厚さ検出部44A、44Bによる各袋体12の検出動作のタイミングを決定する。
より詳細には、図2図3に示すように、上記検出結果と、袋体12の長さA(cm)と、第2搬送路24の搬送速度V(cm/秒)と、第2搬送路24の搬送方向Fに沿った検出光Lと第1押圧体48Aの長さ方向の中央との距離B1(cm)とに基づいて第1厚さ検出部44Aによる各袋体12の検出動作のタイミングを決定する。
また、上記検出結果と、袋体12の長さA(cm)と、第2搬送路24の搬送速度V(cm/秒)と、第2搬送路24の搬送方向Fに沿った検出光Lと第2押圧体48Bの長さ方向の中央との距離B2(cm)とに基づいて第2厚さ検出部44Bによる各袋体12の検出動作のタイミングを決定する。
【0038】
ここで、各袋体12の厚さを1回ずつ検出する場合について説明する。
搬送方向Fの先頭から並べられた複数の袋体12に1から順番に番号を付した場合、すなわち、本実施の形態では、袋体(1)、袋体(2)、袋体(3)、袋体(4)と順番に番号を付した場合、2つの厚さ検出部の一方(例えば第2厚さ検出部44B)は、奇数番目に位置する袋体(1)、袋体(3)の厚さ検出を行い、2つの厚さ検出部の他方(例えば第1厚さ検出部44A)は、偶数番目に位置する袋体(2)、袋体(4)の厚さ検出を行うように、検出制御部40は第1、第2厚さ検出部44A、44Bの検出動作のタイミングを決定する。
この場合、第1、第2厚さ検出部44A、44Bによって同時あるいはほぼ同時に2つの袋体12の厚さをそれぞれ検出できるため、単一の厚さ検出部によって順番に4つの袋体12の厚さを検出する場合に比較して、1回の袋体12の厚さ検出動作に要する時間を確保しつつ、より短時間で4つの袋体12の厚さを検出することができ、袋体12の厚さを精度良く検出しつつ厚さ検出の効率化を図る上で有利となる。
なお、上記とは逆に、2つの厚さ検出部の一方(第1厚さ検出部44A)が、奇数番目に位置する袋体(1)、袋体(3)の厚さ検出を行い、2つの厚さ検出部の他方(第2厚さ検出部44B)が、偶数番目に位置する袋体(2)、袋体(4)の厚さ検出を行うように、検出制御部40は第1、第2厚さ検出部44A、44Bの検出動作のタイミングを決定してもよい。
【0039】
次に、第1、第2厚さ検出部44A、44Bによって連包袋10を構成する複数の袋体12の全てに対してそれぞれ厚さ検出を行なう場合、言い換えると、袋体12毎に2回の厚さ検出を行なう場合について説明する。
上述の場合と同様に、袋体(1)、袋体(2)、袋体(3)、袋体(4)と順番に番号を付した場合、第1厚さ検出部44Aによって袋体(1)の厚さ検出が行われたのち、第2厚さ検出部44Bによって袋体(1)の厚さ検出が行われるように、検出制御部40は第1、第2厚さ検出部44A、44Bの検出動作のタイミングを決定する。
同様に、袋体(2)、袋体(3)、袋体(4)についても第1、第2厚さ検出部44A、44Bによってそれぞれ厚さ検出が行われるように、検出制御部40は第1、第2厚さ検出部44A、44Bの検出動作のタイミングを決定する。
この場合、各袋体12について2回の厚さ検出が行われるため、仮に袋体12のシール部14にシール不良があった場合、1回目の厚さ検出で厚さが合格範囲にあっても2回目の厚さ検出でシール不良の部分から空気が抜けて厚さが合格範囲を下回ることになり、袋体12の不良を確実に検出する上で有利となる。
すなわち、検出された2回の厚さのうち、2回の厚さが何れも合格範囲内であれば、連包袋10の厚さは合格と判定され、1回でも厚さが合格範囲を下回ったならば連包袋10の厚さは不合格と判定される。
なお、1回目の厚さ検出時における第1押圧体48Aの押圧力を、2回目の厚さ検出時における第2押圧体48Bの押圧力より大きな値に設定してもよく、その場合は、シール不良を確実に検出する上でより有利となる。
【0040】
(単包袋の厚さ検出)
次に、包装袋が単包袋であり、1つの単包袋に対して第1厚さ検出部44Aを使用し、第2厚さ検出部44Bを使用せずに1回の厚さ検出を行なう場合について説明する。
図2図3を流用して説明すると、検出制御部40は、検出光Lの強度に基づいて、搬送方向Fにおける単包袋の先端を検出すると共に、この検出結果と、単包袋の長さAと、第2搬送路24の搬送速度Vとに基づいて第1厚さ検出部44Aによる単包袋の検出動作のタイミングを決定する。
より詳細には、上記検出結果と、単包袋を構成する袋体の長さA(cm)と、第2搬送路24の搬送速度V(cm/秒)と、第2搬送路24の搬送方向Fに沿った検出光Lと第1押圧体48Aの長さ方向の中央との距離B1(cm)とに基づいて第1厚さ検出部44Aによる袋体の検出動作のタイミングを決定する。
なお、上記とは逆に、1つの単包袋に対して第2厚さ検出部44Bを使用し、第1厚さ検出部44Aを使用せずに1回の厚さ検出を行なうようにしてもよい。
この場合は、上記検出結果と、袋体12の長さA(cm)と、第2搬送路24の搬送速度V(cm/秒)と、第2搬送路24の搬送方向Fに沿った検出光Lと第2押圧体48Bの長さ方向の中央との距離B2(cm)とに基づいて第2厚さ検出部44Bによる袋体の検出動作のタイミングを決定する。
【0041】
なお、包装袋が単包袋であり、1つの単包袋に対して第1厚さ検出部44Aおよび第2厚さ検出部44Bの双方を使用して2回の厚さ検出を行なう場合は、検出制御部40は、検出光Lの強度に基づいて、搬送方向Fにおける単包袋の先端を検出すると共に、この検出結果と、単包袋の長さAと、第2搬送路24の搬送速度Vと、上記距離B1(cm)に基づいて第1厚さ検出部44Aによる単包袋の検出動作のタイミングを決定し、また、この検出結果と、単包袋の長さAと、第2搬送路24の搬送速度Vと、上記距離B2(cm)に基づいて第2厚さ検出部44Bによる単包袋の検出動作のタイミングを決定すればよい。
この場合は、各単包袋について2回の厚さ検出が行われるため、仮に単包袋のシール部14にシール不良があった場合、1回目の厚さ検出で厚さが合格範囲にあっても2回目の厚さ検出でシール不良の部分から空気が抜けて厚さが合格範囲を下回ることになり、単包袋の不良を確実に検出する上で有利となる。
すなわち、検出された2回の厚さのうち、2回の厚さが何れも合格範囲内であれば、単包袋の厚さは合格と判定され、1回でも厚さが合格範囲を下回ったならば単包袋の厚さは不合格と判定される。
また、連包袋10の場合と同様に、1回目の厚さ検出時における第1押圧体48Aの押圧力を、2回目の厚さ検出時における第2押圧体48Bの押圧力より大きな値に設定してもよく、その場合は、シール不良を確実に検出する上でより有利となる。
【0042】
また、単包袋の長さが、搬送方向Fにおける第1押圧体48Aの前端から第2押圧体48Bの後端までの長さよりも大きい寸法で形成されている場合には、第1厚さ検出部44Aおよび第2厚さ検出部44Bを同時に動作させて単包袋の厚さを検出し、検出された厚さの平均値を単包袋の厚さとして算出するようにしてもよい。この場合、第1押圧体48Aおよび第2押圧体48Bによる押圧力が同一となるように設定しておく。
この場合、検出制御部40は、検出光Lの強度に基づいて、搬送方向Fにおける単包袋の先端を検出すると共に、この検出結果と、単包袋の長さAと、第2搬送路24の搬送速度Vと、上記距離B1、B2とに基づいて、搬送方向Fにおいて第1押圧体48Aおよび第2押圧体48Bの中間位置が、単包袋の長さの中央と合致したときに、第1厚さ検出部44A、第2厚さ検出部44Bが同時に動作するようにそれらの検出動作のタイミングを決定すればよい。
【0043】
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態によれば、厚さ測定用搬送路24Aの包装袋の搬送方向Fに間隔をおいた箇所に2つの厚さ検出部44A、44Bを設置し、2つの厚さ検出部44A、44Bのうち搬送方向Fにおいて上流側に位置する厚さ検出部44Aの上流側の厚さ測定用搬送路24Aの箇所に設けた光検出部46の検出結果と包装袋の搬送方向Fに沿った長さAと搬送速度Vとに基づいて各厚さ検出部による各包装袋の検出動作のタイミングを決定するようにした。
したがって、包装袋が複数の袋体12が接続されてなる連包袋10であった場合には、2つの厚さ検出部44A、44Bを用いて複数の袋体12の厚さを同時に、あるいは、ほぼ同時に検出することができ、1つの連包袋10の厚さ検出動作に要する時間を確保する上で有利となる。
そのため、連包袋10の袋体12の厚さを精度良く検出しつつ厚さ検出の効率化を図る上で有利となる。
また、包装袋が単包体であった場合には、2つの厚さ検出部44A、44Bのいずれか一方を用いて厚さを検出することができるため、1台の厚さ測定装置20によって連包袋10および単包袋のいずれの包装袋に対しても厚さの検出を行なうことができるため、設備コストの低減および使い勝手の向上を図る上で有利となる。
【0044】
また、本実施の形態では、厚さ検出部44A(44B)は、包装袋の上面を押圧する押圧体を昇降させる昇降部50A(50B)と、検出制御部40によって決定されたタイミングに基づいて昇降部50A(50B)を制御し押圧体48A(48B)を包装袋の上面に押圧した際の押圧体48A(48B)による包装袋への押圧力を制御する押圧制御部32(36)と、押圧体48A(48B)の昇降量に基づいて包装袋の厚さを算出する厚さ算出部34(38)とを備える。
したがって、押圧体48A(48B)によって包装袋を押圧しつつ包装袋の厚さを検出することができるため、厚さ検出部44A(44B)の構成の簡素化を図る上で有利となる。
【0045】
また、本実施の形態では、押圧体48A(48B)は、包装袋の上面を押圧しつつ搬送速度と同一の速度で搬送方向Fに移動する押圧用コンベアベルト4802で構成され、押圧体48A(48B)の昇降は、上下方向で搬送方向Fと直交する方向に直線往復移動することでなされるようした。
したがって、厚さ検出時に押圧体48A(48B)と包装袋との間に生じる摩擦を押圧用コンベアベルト4802によって軽減する上で有利となり、包装袋の厚さの検出を安定して行なう上で有利となる。また、押圧用コンベアベルト4802が上下方向で搬送方向Fと直交する方向に直線往復移動するため、押圧用コンベアベルト4802が包装袋の上面を押圧した際に、包装袋の搬送速度の変化を抑制する上で有利となり、包装袋の厚さの検出を安定して行なう上で有利となる。
【0046】
また、本実施の形態では、昇降部50A(50B)は、押圧体48A(48B)を昇降させる昇降用サーボモータ68A(68B)を備え、押圧制御部32(36)による押圧力の制御は、昇降用サーボモータ68A(68B)を制御し押圧体48A(48B)を包装袋の上面に押圧した際の昇降用サーボモータ68A(68B)のトルク負荷に基づいてなされ、厚さ算出部34(38)による包装袋の厚さの算出は、昇降用サーボモータ68A(68B)の回転量に基づいてなされるようにした。
したがって、押圧体48A(48B)38から包装袋に加わる押圧力を適切に設定することで包装袋の厚さの検出条件を一定に維持できるため、包装袋の厚さを精度良く検出する上で有利となる。
【0047】
また、連包袋の搬送方向の先頭を検出し、搬送速度と各袋体の長さとに基づいて、袋体の厚さを検出する検出タイミングを決定するようにしてもよい。
しかしながら、第2搬送路24上を搬送される連包袋10が何らかの原因によって、シール部14を境にして折れ曲がるジャムと呼ばれる現象が発生すると、折れ曲がりが生じていない場合に比較して、搬送方向における連包袋の先端に対する各袋体の位置関係が一定とならず、ばらついてしまう。
そのため、上記のように連包袋の搬送方向の先頭のみを検出し、上記搬送速度と各袋体の長さとに基づいて、袋体の厚さを検出する検出タイミングを決定したのでは、各袋体に対する検出タイミングが最適とならず、袋体の中央から外れた箇所の厚さを検出してしまい、厚さの検出精度が低下するおそれがある。
これに対して、本実施の形態では、検出制御部40による袋体12の検出動作のタイミングの決定は、光検出部46の検出結果に基づいて、搬送方向Fにおける連包袋10の先端と、ミシン目16とを検出すると共に、この検出結果と袋体12の搬送方向Fに沿った長さと搬送速度とに基づいてなされるようにした。
したがって、上述したように連包袋にジャムが生じたとしても、厚さ検出部44A(44B)によって各袋体12の長さ方向の中央における厚さを検出することができるため、連包袋10の袋体12の厚さを精度良く検出する上で有利となる。
【0048】
また、本実施の形態では、連包袋10が不透明な包装フィルムで形成されているので、連包袋10が透明な包装フィルムで形成されている場合に比較して、光検出部46として光透過型センサを用いた場合に、検出光Lがミシン目16を透過する一方、ミシン目16以外の連包袋10の部分によって検出光Lが透過されないため、光検出部46による搬送方向Fにおける連包袋10の先端と、ミシン目16との検出をより確実に行なう上で有利となる。
【0049】
また、本実施の形態では、包装袋が連包袋10であって、搬送方向Fの先頭から並べられた複数の袋体12に1から順番に番号を付した場合、2つの厚さ検出部44A、44Bの一方は、奇数番目に位置する袋体12の厚さ検出を行い、2つの厚さ検出部44A、44Bの他方は、偶数番目に位置する袋体12の厚さ検出を行うようにした。
したがって、2つの厚さ検出部44A、44Bによって同時あるいはほぼ同時に袋体12の厚さを検出できるため、1つの袋体12の厚さ検出動作に要する時間を確保しつつ、より短時間で複数の袋体12の厚さを検出することができ、袋体12の厚さを精度良く検出しつつ厚さ検出の効率化を図る上で有利となる。
【0050】
また、本実施の形態では、包装袋が連包袋10であって、2つの厚さ検出部44A、44Bは、連包袋10を構成する複数の袋体12の全てに対してそれぞれ厚さ検出を行なうようにしたので、各袋体12について2回ずつ厚さ検出を行なうことができ、各袋体12のシール不良を検出する上で有利となる。
また、各袋体12について2回ずつ厚さ検出を行なうことができるため、例えば、1回でも厚さが合格範囲を逸脱した場合には、連包袋10を不合格として判別できる。
そのため、搬送速度を高速とし、1回当たりの厚さ検出動作に要する時間が短縮化された場合であっても連包袋10の厚さに基づく合否判定を確実に行なう上で有利となる。
【0051】
また、本実施の形態では、包装袋は、製品が収容された単一の袋体からなる単包袋であり、2つの厚さ検出部44A、44Bの少なくとも一方によって、単包袋に対して厚さ検出を行なうと共に、検出制御部40による単包袋の検出動作のタイミングの決定は、光検出部46の検出結果に基づいて、搬送方向Fにおける単包袋の先端を検出すると共に、この検出結果と単包袋の搬送方向Fに沿った長さと搬送速度とに基づいてなされるようにした。
したがって、単包袋の厚さについても連包袋10の袋体12の厚さと同様に安定して正確に検出する上で有利となる。
【0052】
また、本実施の形態では、包装袋は、製品が収容された単一の袋体からなる単包袋であり、2つの厚さ検出部44A、44Bは、単包袋に対してそれぞれ厚さ検出を行なうようにしたので、単包袋について2回ずつ厚さ検出を行なうことができ、単包袋のシール不良を検出する上で有利となる。
また、単包袋について2回ずつ厚さ検出を行なうことができるため、例えば、1回でも厚さが合格範囲を逸脱した場合には、単包袋を不合格として判別できる。
そのため、第2搬送路24(厚さ測定用搬送路24A)による単包袋の搬送速度を高速とし、1回当たりの厚さ検出動作に要する時間が短縮化された場合であっても単包袋の厚さに基づく合否判定を確実に行なう上で有利となる。
【0053】
なお、本実施の形態では、2つの厚さ検出部44A、44Bを設けた場合について説明したが、3つ以上の厚さ検出部を設けてもよい。
その場合、厚さ検出部の数が増えるほど、連包袋10の各袋体12の厚さをより短時間で検出することができるため、連包袋10の袋体12の厚さ検出の効率化を図る上でより有利となる。
【符号の説明】
【0054】
10 連包袋
12 袋体
14 シール部
16 ミシン目
18 ヘッダ部
18A 孔
20 厚さ測定装置
22 第1搬送路
24 第2搬送路
24A 厚さ測定用搬送路
26 第3搬送路
2402 第2搬送路用モータ
2404 インバータ
2602 第3搬送路用モータ
2604 インバータ
28 全体制御装置
30 噴射ノズル
32 第1押圧制御部
34 第1厚さ算出部
36 第2押圧制御部
38 第2厚さ算出部
40 検出制御部
42 判別部
44A 第1厚さ検出部
44B 第2厚さ検出部
46 光検出部
4602 発光部
4604 受光部
48A 第1押圧体
48B 第2押圧体
4802 押圧用コンベアベルト
50A 第1昇降部
50B 第2昇降部
52 昇降用フレーム
54 駆動ローラ
56 従動ローラ
58 押さえプレート
60 ベルトプーリ機構
60A 第1ベルトプーリ機構
6002 第1従動プーリ
6004 第1ベルト
6006 取り付け板
60B 第2ベルトプーリ機構
6010 第2従動プーリ
6012 第3従動プーリ
6014 第2リンク
6016 第2ベルト
60C 第3ベルトプーリ機構
6020 第4従動プーリ
6022 第5従動プーリ
6024 第3リンク
6026 第3ベルト
62 コンベヤ用駆動モータ
6202 駆動プーリ
63 インバータ
64 スライド軸
66 ベルトプーリ機構
6602 駆動プーリ
6604 従動プーリ
6606 昇降用ベルト
6608 ブラケット
68A 第1昇降用サーボモータ
68B 第2昇降用サーボモータ
69A、69B サーボアンプ
70 設定表示器
L 検出光
S 隙間
図1
図2
図3
図4
図5