IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社湯山製作所の特許一覧

特開2023-161265レセプト管理システム及びレセプト管理プログラム
<>
  • 特開-レセプト管理システム及びレセプト管理プログラム 図1
  • 特開-レセプト管理システム及びレセプト管理プログラム 図2
  • 特開-レセプト管理システム及びレセプト管理プログラム 図3
  • 特開-レセプト管理システム及びレセプト管理プログラム 図4
  • 特開-レセプト管理システム及びレセプト管理プログラム 図5
  • 特開-レセプト管理システム及びレセプト管理プログラム 図6
  • 特開-レセプト管理システム及びレセプト管理プログラム 図7
  • 特開-レセプト管理システム及びレセプト管理プログラム 図8
  • 特開-レセプト管理システム及びレセプト管理プログラム 図9
  • 特開-レセプト管理システム及びレセプト管理プログラム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161265
(43)【公開日】2023-11-07
(54)【発明の名称】レセプト管理システム及びレセプト管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/60 20180101AFI20231030BHJP
【FI】
G16H10/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071533
(22)【出願日】2022-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】592246705
【氏名又は名称】株式会社湯山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 茂
(72)【発明者】
【氏名】井上 博暁
(72)【発明者】
【氏名】北岡 孝也
(72)【発明者】
【氏名】杉本 惠洋
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA21
(57)【要約】
【課題】ユーザーが自ら画面上で複数のレセプト情報を確認してチェックしやすい、レセプト管理システム及びレセプト管理プログラムを提供する。
【解決手段】レセプト管理システム10は、取得処理部111と、表示処理部112と、を備える。前記取得処理部111は、同一の患者について、基準時を含む第1期間における診療情報を含む第1レセプト情報、及び前記第1期間よりも過去の第2期間における診療情報を含む第2レセプト情報を取得する。前記表示処理部112は、前記第1レセプト情報及び前記第2レセプト情報が並べて配置され、かつ前記第1レセプト情報及び前記第2レセプト情報の各々に対応する複数の病名情報を含むレセプト縦覧画面を表示させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の患者について、基準時を含む第1期間における診療情報を含む第1レセプト情報、及び前記第1期間よりも過去の第2期間における診療情報を含む第2レセプト情報を取得する取得処理部と、
前記第1レセプト情報及び前記第2レセプト情報が並べて配置され、かつ前記第1レセプト情報及び前記第2レセプト情報の各々に対応する複数の病名情報を含むレセプト縦覧画面を表示させる表示処理部と、を備える、
レセプト管理システム。
【請求項2】
前記表示処理部は、互いに異なる複数の前記第2期間における複数の前記第2レセプト情報を、前記レセプト縦覧画面に表示させる、
請求項1に記載のレセプト管理システム。
【請求項3】
前記表示処理部は、互いに異なる複数の前記第2期間における複数の前記第2レセプト情報のうち、少なくとも最新の前記第2レセプト情報を前記レセプト縦覧画面に表示させる、
請求項1又は2に記載のレセプト管理システム。
【請求項4】
前記表示処理部は、前記第1レセプト情報及び前記第2レセプト情報に含まれる前記診療情報のうち、ユーザーの操作に応じて設定される選択条件を満たす前記診療情報のみを前記レセプト縦覧画面に表示させる、
請求項1又は2に記載のレセプト管理システム。
【請求項5】
前記表示処理部は、同一の前記病名情報については、前記レセプト縦覧画面において同一行又は同一列に表示させる、
請求項1又は2に記載のレセプト管理システム。
【請求項6】
前記表示処理部は、前記第1レセプト情報及び前記第2レセプト情報に含まれる前記診療情報に対応する算定日を前記レセプト縦覧画面に表示させる、
請求項1又は2に記載のレセプト管理システム。
【請求項7】
前記表示処理部は、前記第1レセプト情報及び前記第2レセプト情報と並べて配置され、前記レセプト縦覧画面における表示態様を切り替えるためのオプション設定が表示されるオプション領域を、前記レセプト縦覧画面に表示させる、
請求項1又は2に記載のレセプト管理システム。
【請求項8】
前記表示処理部は、表示させる画面のサイズを、少なくとも標準サイズと、前記標準サイズに比べて一方向に拡張される拡張サイズと、の間で切替可能であって、
前記レセプト縦覧画面を、前記拡張サイズで表示させる、
請求項1又は2に記載のレセプト管理システム。
【請求項9】
同一の患者について、基準時を含む第1期間における診療情報を含む第1レセプト情報、及び前記第1期間よりも過去の第2期間における診療情報を含む第2レセプト情報を取得する取得ステップと、
前記第1レセプト情報及び前記第2レセプト情報が並べて配置され、かつ前記第1レセプト情報及び前記第2レセプト情報の各々に対応する複数の病名情報を含むレセプト縦覧画面を表示させる表示ステップと、
をコンピューターに実行させるためのレセプト管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レセプト情報を表示させるレセプト管理システム及びレセプト管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術として、複数の医療機関ごとに各被保険者に対してそれぞれ発行される診療報酬明細書を電子化したレセプト情報(データ)をもとに、患者(被保険者)ごとにまとめた縦覧点検データを作成する医療システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。前記関連技術に係るシステムは、前記縦覧点検データをもとに診療内容を点検する機能を有し、点検結果を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-183297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記関連技術に係るシステムでは、複数の前記レセプト情報から作成される前記縦覧点検データの点検結果が表示されるだけであって、複数の前記レセプト情報を一画面に表示する機能を有しない。そのため、ユーザーが自ら画面上で複数の前記レセプト情報を確認してチェックする場合には、前記関連技術に係るシステムは有用でない。
【0005】
本発明の目的は、ユーザーが自ら画面上で複数のレセプト情報を確認してチェックしやすい、レセプト管理システム及びレセプト管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係るレセプト管理システムは、取得処理部と、表示処理部と、を備える。前記取得処理部は、同一の患者について、基準時を含む第1期間における診療情報を含む第1レセプト情報、及び前記第1期間よりも過去の第2期間における診療情報を含む第2レセプト情報を取得する。前記表示処理部は、前記第1レセプト情報及び前記第2レセプト情報が並べて配置され、かつ前記第1レセプト情報及び前記第2レセプト情報の各々に対応する複数の病名情報を含むレセプト縦覧画面を表示させる。
【0007】
本発明の他の局面に係るレセプト管理プログラムは、取得ステップと、表示ステップと、をコンピューターに実行させるためのプログラムである。前記取得ステップでは、同一の患者について、基準時を含む第1期間における診療情報を含む第1レセプト情報、及び前記第1期間よりも過去の第2期間における診療情報を含む第2レセプト情報を取得する。前記表示ステップでは、前記第1レセプト情報及び前記第2レセプト情報が並べて配置され、かつ前記第1レセプト情報及び前記第2レセプト情報の各々に対応する複数の病名情報を含むレセプト縦覧画面を表示させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザーが自ら画面上で複数のレセプト情報を確認してチェックしやすい、レセプト管理システム及びレセプト管理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施形態に係るレセプト管理システムの一例を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係るレセプト管理システムで表示されるレセプト縦覧画面の一例を示す図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係るレセプト管理システムで表示されるレセプト縦覧画面の一部を示す拡大図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係るレセプト管理システムで表示される標準サイズのレセプト業務画面の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係るレセプト管理システムで表示される拡張サイズのレセプト業務画面の一例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係るレセプト管理システムで表示されるレセプト縦覧画面の一部を示す拡大図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係るレセプト管理システムで表示されるレセプト縦覧画面の一例を示す図である。
図8図8は、本発明の実施形態に係るレセプト管理システムで表示されるレセプト縦覧画面の一例を示す図である。
図9図9は、本発明の実施形態に係るレセプト管理システムで表示されるレセプト縦覧画面の一部を示す拡大図である。
図10図10は、本発明の実施形態に係るレセプト管理システムで実行されるレセプト管理方法の手順の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。また、下記の実施形態で説明する構成及び処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることも可能である。
【0011】
[レセプト管理システム10]
図1に示すように、本発明の実施形態に係るレセプト管理システム10は、電子カルテ装置1と、受付端末3と、診察端末2と、プリンター4とを備える。前記電子カルテ装置1、前記受付端末3、前記診察端末2、及び前記プリンター4は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、又はイントラネット等の通信網NT1を介して通信可能である。また、前記電子カルテ装置1には、前記通信網NT1を介して上位システム5が接続される。前記レセプト管理システム10は、前記電子カルテ装置1、前記受付端末3、前記診察端末2、及び前記プリンター4のうちの少なくとも一つについて、複数備えていてもよい。さらに、前記レセプト管理システム10は、例えば、携帯端末等、前記受付端末3及び前記診察端末2以外のクライアント端末を更に備えていてもよい。
【0012】
前記レセプト管理システム10のユーザーは、例えば病院、又は薬局などの医療機関における医師、医療事務員、医療クラーク、看護士、薬剤師、又は施設管理者などの医療従事者(医療スタッフ)である。本実施形態では一例として、前記レセプト管理システム10は、病院で用いられ、当該病院の医師及び医療事務員が前記レセプト管理システム10のユーザーであることとする。ユーザーは、基本的には前記診察端末2又は前記受付端末3を通じて、前記レセプト管理システム10を利用する。つまり、前記電子カルテ装置1は、前記診察端末2又は前記受付端末3に対するユーザーによる操作入力を受け付け可能であって、かつ前記診察端末2又は前記受付端末3に種々の情報を表示させることが可能である。
【0013】
前記レセプト管理システム10は、電子カルテを管理する機能を有している。本開示でいう「電子カルテ」は、患者の疾病情報、診察内容、診断結果、投薬情報、検査結果及び経過等の診療情報を電子的データとして保存した記録(診療記録)を意味する。前記電子カルテは、原則、患者ごとに作成され、複数の患者に対しては前記電子カルテも複数作成される。ここで、前記電子カルテに含まれる患者の種々の診療情報は「カルテ情報」に含まれる。前記カルテ情報は、例えば前記診察端末2に対するユーザー(医師)の操作に応じて、前記電子カルテ装置1により前記電子カルテに新規に記録(記載)される。さらに、前記電子カルテに記録されている前記カルテ情報は、例えば前記診察端末2に対するユーザーの操作に応じて、前記電子カルテ装置1による追記(追加)、削除、変更及び更新等が行われる。前記カルテ情報の新規記録、追記、削除及び更新等、前記電子カルテに含まれる前記カルテ情報に何らかの変更を加えることを、前記カルテ情報の「編集」と呼ぶ。つまり、前記レセプト管理システム10においては、ユーザーの操作に応じて、前記電子カルテの前記カルテ情報を編集することが可能である。
【0014】
また、前記レセプト管理システム10は、前記電子カルテを表示させる機能を有している。本実施形態に係る前記レセプト管理システム10では、前記電子カルテ装置1が、ユーザーによる前記診察端末2又は前記受付端末3の操作に応じて、前記カルテ情報等を含むカルテ画面等の表示画面を前記診察端末2又は前記受付端末3に表示させることが可能である。前記カルテ画面が前記診察端末2又は前記受付端末3に表示されることにより、ユーザーに前記電子カルテが提示され、ユーザーにおいては、前記診察端末2又は前記受付端末3を通じて前記電子カルテを確認することが可能となる。そして、ユーザーは、前記診察端末2又は前記受付端末3に表示される前記カルテ画面上で、前記カルテ情報を編集する操作を行うことにより、前記カルテ情報の編集を行うことができる。なお、前記診察端末2又は前記受付端末3は、前記電子カルテ装置1から送信される表示データに基づいて前記カルテ画面を表示し、又は前記電子カルテ装置1に記憶されている各種のデータを参照して前記カルテ画面を表示する。
【0015】
具体的に、本実施形態では、前記電子カルテ装置1と前記診察端末2又は前記受付端末3とによりサーバークライアントシステムが構成されており、前記電子カルテ装置1が前記診察端末2又は前記受付端末3のユーザー操作に応じて表示及び印刷などの各種の処理を実行する場合について説明する。そのため、本実施形態において、以下に説明する「表示」、「操作」、「選択」、及び「入力」等は、前記診察端末2又は前記受付端末3を用いて行われるものとして説明する。なお、同様の表示及び操作などが前記電子カルテ装置1で行われてもよい。
【0016】
さらに、前記レセプト管理システム10は、レセプトRc1(図1参照)を出力する機能を有している。本開示でいう「レセプト」は、医療機関が健康保険組合に医療費を請求するために、行った処置又は使用した薬剤等を記載した明細書を意味し、診療報酬明細書とも称する。前記レセプトRc1は、原則、一つの医療機関において一人の患者に対して、対象期間(例えば1ヵ月)ごとに作成される。一例として、ある医療機関が一人の患者に対して4月に3回診療(保険治療)を行った場合、当該3回分の診療に係る費用をまとめて前記レセプトRc1が作成される。このようにして作成される前記レセプトRc1は、通常は、翌月に提出されるので、4月分の前記レセプトRc1であれば5月に提出される。本実施形態に係る前記レセプト管理システム10では、前記電子カルテ装置1が、前記カルテ情報に従ってレセプト情報を生成し、ユーザーによる前記診察端末2又は前記受付端末3の操作に応じて、前記レセプトRc1を発行させることが可能である。具体的に、前記電子カルテ装置1は、例えば、前記レセプト情報を含む印刷データを生成し、当該印刷データを前記プリンター4に出力し前記レセプトRc1を印刷(発行)させることが可能である。
【0017】
また、前記レセプト管理システム10は、会計情報の登録及び更新などの会計処理を実行可能なレセプト電算処理システムの機能を有している。本実施形態に係る前記レセプト管理システム10では、前記電子カルテ装置1が、例えば、ユーザーによる前記受付端末3の操作に応じて、前記カルテ情報に従って前記会計情報の登録及び更新などの前記会計処理を実行する。
【0018】
前記上位システム5は、前記レセプト管理システム10とは別の医療関連システムであって、前記レセプト管理システム10と通信により連携可能であればよく、前記レセプト管理システム10に対して「上位」の関係にあることは必須でない。前記上位システム5は、例えば患者データ、薬品の患者への処方又は投与に関する処方データ、及び患者について行われた各種の検査の検査結果に関する検査データなどの入力を受け付け可能である。前記患者データには、例えば患者ID又は患者名(氏名)などのように個々の患者を識別するための患者識別情報、並びに、患者の年齢、性別、既往歴、処方薬履歴、飲酒有無、喫煙有無、家族情報、及び患者の身長、体重、体表面積等の身体情報など、患者に関する種々の情報が含まれる。
【0019】
前記上位システム5は、前記患者データ、前記処方データ及び前記検査データなどを、ユーザー操作に応じて前記電子カルテ装置1に入力し、又は予め設定された締め処理時刻などの所定タイミングで自動的に前記電子カルテ装置1に入力する。ただし、前記患者データ、前記処方データ及び前記検査データなどは、前記上位システム5から前記電子カルテ装置1に入力されることに限らず、前記電子カルテ装置1で作成されてもよい。また、前記電子カルテ装置1が前記上位システム5から前記患者データ、前記処方データ及び前記検査データなどを能動的に読み出す構成であってもよい。前記上位システム5は複数設けられてもよく、さらに、複数の前記上位システム5は異なる種類のシステムを含んでもよい。なお、前記患者データ、前記処方データ及び前記検査データの少なくとも一つは、前記診察端末2、前記受付端末3又は前記電子カルテ装置1に対するユーザーの操作により、前記レセプト管理システム10に直接的に入力されてもよい。
【0020】
ところで、関連技術として、レセプトRc1(診療報酬明細書)を電子化したレセプト情報をもとに、患者ごとにまとめた縦覧点検データを作成するシステムが考えられる。前記関連技術に係るシステムは、前記縦覧点検データをもとに診療内容を点検する機能を有し、点検結果を表示する。前記関連技術に係るシステムでは、複数の前記レセプト情報から作成される前記縦覧点検データの点検結果が表示されるだけであって、複数の前記レセプト情報を一画面に表示する機能を有しない。そのため、ユーザーが自ら画面上で複数の前記レセプト情報を確認してチェックする場合には、前記関連技術に係るシステムは有用でない。
【0021】
このような事情に鑑みて、本実施形態に係る前記レセプト管理システム10は、ユーザーが自ら画面上で複数のレセプト情報を確認してチェックしやすくするための構成を採用する。具体的には、図1に示すように、前記レセプト管理システム10は、取得処理部111と、表示処理部112と、を備える。前記取得処理部111は、同一の患者について、基準時を含む第1期間における診療情報を含む第1レセプト情報D1(図2参照)、及び前記第1期間よりも過去の第2期間における診療情報を含む第2レセプト情報D2(図2参照)を取得する。前記表示処理部112は、レセプト縦覧画面P1(図2参照)を表示させる。前記レセプト縦覧画面P1は、前記第1レセプト情報D1及び前記第2レセプト情報D2が並べて配置され、かつ前記第1レセプト情報D1及び前記第2レセプト情報D2の各々に対応する複数の病名情報D3を含む。
【0022】
このような前記レセプト管理システム10によれば、同一の患者について、互いに異なる期間における複数のレセプト情報(前記第1レセプト情報D1及び前記第2レセプト情報D2)を、前記レセプト縦覧画面P1に並べて表示することが可能である。しかも、前記レセプト縦覧画面P1には、前記第1レセプト情報D1及び前記第2レセプト情報D2の各々に対応する複数の前記病名情報D3が含まれる。そのため、ユーザーにおいては、前記レセプト縦覧画面P1上で、前記患者について、前記レセプト情報と併せて、前記病名情報D3の変遷を確認可能となる。したがって、ユーザーが自ら画面上で複数の前記レセプト情報を確認してチェックしやすい前記レセプト管理システム10及び前記レセプト管理プログラムを提供することができる。前記取得処理部111及び前記表示処理部112の機能の詳細については、「[レセプト管理方法]」以降で説明する。
【0023】
[診察端末2]
前記診察端末2は、制御部21、記憶部22、通信I/F23、表示部24、操作部25、及びドライブ装置26などを備えるパーソナルコンピュータである。前記診察端末2は、前記レセプト管理システム10が使用される医療機関(本実施形態では病院)に配置され、ユーザーによって操作される操作端末である。例えば、前記診察端末2は、前記医療機関の診察室等に配置され、診察に際して、前記医療機関の医師によって使用される。なお、前記診察端末2は、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末、又はラップトップコンピュータなどの携帯(可搬)型の情報処理装置であってもよい。
【0024】
前記制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びEEPROM(登録商標)などの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは揮発性の記憶部、前記EEPROMは不揮発性の記憶部である。前記RAM及び前記EEPROMは、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、前記制御部21は、前記CPUを用いて、前記ROM、前記EEPROM、又は前記記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムに従って各種の処理を実行する。
【0025】
前記記憶部22は、前記制御部21によって実行される各種の制御プログラム及び各種のデータが記憶されるハードディスク又はSSD(Solid State Drive)等の不揮発性の記憶部である。具体的に、前記記憶部22には、オペレーティングシステム(OS)及びブラウザソフトなどのアプリケーションプログラムが記憶されるプログラム記憶部が含まれる。前記ブラウザソフトは、前記通信網NT1を介して前記電子カルテ装置1にアクセスすることにより前記表示部24に各種の操作画面などを表示させると共に、前記操作部25を用いた前記操作画面に対する入力操作を前記電子カルテ装置1に伝達するためのアプリケーションソフトウェアである。例えば、前記制御部21は、前記ブラウザソフトにより表示される操作画面の所定位置に、前記電子カルテ装置1に対応するURL(Universal Resource Locator)などのアドレス情報が入力された場合に、該アドレス情報に基づいて前記電子カルテ装置1にアクセスする。
【0026】
前記通信I/F23は、前記通信網NT1を介して前記電子カルテ装置1、及び前記プリンター4などの外部機器との間で、予め定められた通信プロトコルに従って無線又は有線でデータ通信を実行するネットワークカード等を有する通信インターフェースである。
【0027】
前記表示部24は、前記制御部21からの制御指示に従って各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどの装置である。例えば、前記制御部21は、前記ブラウザソフトに従って各種の処理を実行することにより、前記電子カルテ装置1から受信する表示用データに基づいて、当該表示用データに基づく各種の情報を前記表示部24に表示させる。
【0028】
前記操作部25は、前記診察端末2に各種の情報を入力するためにユーザーによって操作される装置である。具体的に、前記操作部25は、前記表示部24に表示される各種の操作画面における入力操作を受け付けるキーボード及びポインティングデバイス(マウス等)を含む。また、前記操作部25は、前記表示部24に表示される各種の操作画面に対するタッチ操作を受け付けるタッチパネル、又は音声認識により各種情報の入力を受け付ける音声入力装置を含んでもよい。そして、前記制御部21は、前記ブラウザソフトに従って各種の処理を実行することにより、前記操作部25に対するユーザー操作を受け付け、当該ユーザー操作の内容を前記電子カルテ装置1に入力する。
【0029】
前記ドライブ装置26は、前記OS又は前記ブラウザソフトなどが記録されたコンピューター読み取り可能な記録媒体261から前記OS又は前記ブラウザソフトなどを読み取る装置である。前記ドライブ装置26は、前記診察端末2に一体化されていてもよいし、前記診察端末2に対して取り外し可能に接続されることで前記診察端末2に外付けされてもよい。前記記録媒体261は、CD、DVD、BD、又はUSBメモリーなどであり、前記ドライブ装置26は、CDドライブ、DVDドライブ、BDドライブ、又はUSBポートなどである。前記診察端末2では、前記制御部21により、前記ドライブ装置26を用いて前記記録媒体261から読み取られた前記OS又は前記ブラウザソフトなどが前記記憶部22の前記プログラム記憶部にインストールされる。
【0030】
具体的に、前記電子カルテ装置1は、例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)などのWebページ記述言語によって記述されたデータを前記診察端末2に送信することにより、前記診察端末2の前記表示部24に各種の画面を表示させる。また、前記診察端末2の前記制御部21は、前記操作部25に対する操作入力に応じて前記電子カルテ装置1に操作信号を送信する。
【0031】
[受付端末3]
前記受付端末3は、制御部31、記憶部32、通信I/F33、表示部34、操作部35、及びドライブ装置36などを備えるパーソナルコンピュータである。前記受付端末3は、前記レセプト管理システム10が使用される医療機関(本実施形態では病院)に配置され、ユーザーによって操作される操作端末である。例えば、前記受付端末3は、前記医療機関の受付窓口等に配置され、前記会計処理を含む窓口業務に際して、前記医療機関の医療事務員によって使用される。
【0032】
前記受付端末3のハードウェアとしての構成自体は前記診察端末2と同様であって、前記制御部31、前記記憶部32、前記通信I/F33、前記表示部34、前記操作部35、及び前記ドライブ装置36は、それぞれ前記診察端末2の前記制御部21、前記記憶部22、前記通信I/F23、前記表示部24、前記操作部25、及び前記ドライブ装置26に相当する。そのため、ここでは前記受付端末3の構成についての詳しい説明は省略する。なお、前記ドライブ装置36は、コンピューター読み取り可能な記録媒体361から前記OS又は前記ブラウザソフトなどを読み取る。
【0033】
[プリンター4]
前記プリンター4は、前記電子カルテ装置1、前記診察端末2又は前記受付端末3から前記通信網NT1を介して入力される印刷データに含まれる情報を紙などのシートに記録する印刷処理を実行可能なカラープリンター又はモノクロプリンターなどの画像形成装置である。本実施形態においては、一例として、前記プリンター4は、前記医療機関(病院)の受付窓口に配置されている。前記プリンター4では、例えば、前記レセプト情報を含む前記印刷データにより、前記レセプトRc1が印刷される。また、前記プリンター4は、例えば、前記カルテ情報に従って前記電子カルテ装置1が生成する処方箋情報を含む印刷データにより、処方箋等の印刷(発行)にも用いられる。
【0034】
[電子カルテ装置1]
前記電子カルテ装置1は、図1に示すように、制御部11、記憶部12、通信I/F13、表示部14、操作部15、及びドライブ装置16などを備えるコンピューターである。なお、前記電子カルテ装置1は、前記レセプト管理システム10が使用される病院又は薬局等の医療機関の外部に設けられてもよく、サーバー(又はクラウドコンピューティング)等で実現されてもよい。また、前記電子カルテ装置1は、スマートフォン、タブレット端末、又はラップトップコンピュータなどの情報処理装置であってもよい。
【0035】
前記制御部11は、前記制御部21と同様の構成であって、CPU、ROM、RAM、及びEEPROMなどの制御機器を有し、前記CPUを用いて、前記ROM、前記EEPROM、又は前記記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムに従って各種の処理を実行する。
【0036】
前記記憶部12は、前記制御部11によって実行される各種の制御プログラム及び各種のデータが記憶されるハードディスク又はSSD等の不揮発性の記憶部である。また、前記記憶部12には、プログラム記憶部121、マスター記憶部122、及び情報記憶部123が含まれる。
【0037】
前記プログラム記憶部121は、後述のレセプト管理方法に係る各種処理を前記制御部11に実行させるためのレセプト管理プログラムなどが記憶される記憶領域である。なお、前記プログラム記憶部121には、オペレーティングシステム(OS)などのプログラムも記憶される。
【0038】
前記マスター記憶部122は、例えば、病名マスター、患者マスター、及び医薬品マスターなどの各種のマスター情報が記憶される記憶領域である。前記病名マスター、前記患者マスター、及び前記医薬品マスターなどは、前記電子カルテ装置1の初期設定時又はメンテナンス時などにおいて、前記電子カルテ装置1、前記診察端末2又は前記受付端末3のユーザー操作に応じて適宜編集されて前記マスター記憶部122に記憶される。
【0039】
前記情報記憶部123には、XML情報及びカルテデータベースなどの、前記電子カルテを構成する種々の情報が記憶される。前記XML情報は、前記電子カルテの前記カルテ情報をXML(Extensible Markup Language)を用いて記述したデータである。前記XML情報は、例えば前記診察端末2又は前記受付端末3を用いた医師等のユーザーの操作に応じて作成され、随時更新される。前記カルテデータベースは、前記電子カルテの前記カルテ情報等を蓄積して長期的に保存するためのデータベースである。例えば、診察の終了時などにおいて前記診察端末2又は前記受付端末3を用いた医師等のユーザーにより前記カルテ情報等の保存操作が行われると、前記XML情報に含まれる前記カルテ情報等が前記カルテデータベースに保存される。
【0040】
より詳細には、前記情報記憶部123は、少なくとも前記第1レセプト情報D1、前記第2レセプト情報D2、及び前記病名情報D3を記憶(格納)する。前記第1レセプト情報D1、前記第2レセプト情報D2、及び前記病名情報D3は、患者ID又は患者名(氏名)などのように個々の患者を識別するための患者識別情報ごとに記憶される。
【0041】
前記第1レセプト情報D1は、ある患者についての、前記基準時を含む前記第1期間における前記診療情報を含む情報であり、前記レセプトRc1(診療報酬明細書)を構成する情報である。前記第2レセプト情報D2は、ある患者についての、前記第2期間における前記診療情報を含む情報であり、前記レセプトRc1(診療報酬明細書)を構成する情報である。ここで、前記第2期間は、前記第1期間よりも過去の期間である。
【0042】
本実施形態では一例として、前記基準時が現在(現時点)であって、前記第1期間及び前記第2期間の各々は、前記レセプトRc1の作成対象となる前記対象期間に相当する。本実施形態では前記対象期間が「1ヵ月」であるため、前記第1期間は現在を含む今月(当月)であって、前記第2期間は先月以前のいずれかの月である。そのため、一例として、現在が「2022年(令和4年)1月22日」であれば、前記第1レセプト情報D1は「2022年1月」分の前記レセプトRc1を構成する情報であって、前記第2期間は「2021年12月」以前のいずれかの月分の前記レセプトRc1を構成する情報である。言い換えれば、同一患者について、今月(又は編集月)の前記レセプトRc1を前記第1レセプト情報D1が構成し、過去月の前記レセプトRc1を前記第2レセプト情報D2が構成する。
【0043】
前記病名情報D3は、患者が罹患している傷病を特定する「病名」に関する情報を含んでいる。ここで、傷病は病気(疾病)だけでなく骨折等の怪我を含んでいるため、前記病名情報D3は、厳密には「傷病名」に関する情報ということができる。前記病名情報D3は、例えば、前記患者識別情報(例えば患者ID)と、病名(傷病名)と、開始日と、転帰と、転帰日と、を含み、これらが互いに対応付けられたデータである。「開始日」の項目は、病名にて表される傷病の開始日を意味し、基本的には、医師等が患者を診療して傷病を特定した日付である。「転帰」の項目は、病名にて表される傷病の転帰、つまり傷病の治療における症状の経過又は結果等を意味し、例えば「繰越」、「治癒」、「死亡」及び「中止」等を含む。「転帰」が「繰越」であれば、当該傷病が治癒しておらず継続していることを意味する。「転帰日」の項目は、病名にて表される傷病の転帰があった日を意味し、基本的には、医師等が患者を診療して傷病の転帰を記録した日付である。
【0044】
なお、前記マスター情報、前記XML情報、及び前記カルテデータベースの少なくとも一つは、前記電子カルテ装置1とは別の記憶装置に記憶されてもよい。例えば、前記マスター情報、前記XML情報、及び前記カルテデータベースの少なくとも一つは、前記レセプト管理システム10外の外部サーバー(又はクラウドコンピューティング)等に記憶されてもよい。そして、前記制御部11がインターネット等を介して前記外部サーバー等にアクセス可能であってもよい。
【0045】
前記通信I/F13は、前記通信I/F23と同様の構成であって、前記通信網NT1を介して前記診察端末2、前記受付端末3、及び前記プリンター4などの外部機器との間でデータ通信を実行する。前記通信I/F13は、前記上位システム5との間でもデータ通信を行う。
【0046】
前記表示部14は、前記制御部11からの制御指示に従って各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどの装置である。前記操作部15は、前記操作部25と同様の構成であって、前記電子カルテ装置1に各種の情報を入力するためにユーザーによって操作される装置である。そして、前記制御部11は、前記操作部15に対するユーザー操作を受け付け、当該ユーザー操作の内容に応じて処理を実行する。
【0047】
前記ドライブ装置16は、前記ドライブ装置26と同様の構成であって、前記レセプト管理プログラムが記録されたコンピューター読み取り可能な記録媒体161から前記レセプト管理プログラムを読み取る装置である。そして、前記電子カルテ装置1では、前記制御部11により、前記ドライブ装置16を用いて前記記録媒体161から読み取られた前記レセプト管理プログラムが前記記憶部12の前記プログラム記憶部121にインストールされる。なお、前記レセプト管理プログラムは、前記記憶部12に予め記憶されていてもよいし、前記電子カルテ装置1が前記通信網NT1を介して外部装置から受信してもよい。
【0048】
ところで、前記電子カルテ装置1の前記制御部11は、図1に示すように、前記取得処理部111、前記表示処理部112、レセプト処理部113、チェック処理部114、出力処理部115、及び設定処理部116を含む。具体的に、前記制御部11は、前記レセプト管理プログラムに従って後述のレセプト管理方法に係る各種の処理を実行することにより、前記取得処理部111、前記表示処理部112、前記レセプト処理部113、前記チェック処理部114、前記出力処理部115、及び前記設定処理部116などの各種の処理部として機能する。すなわち、本実施形態では、前記電子カルテ装置1が前記レセプト管理システム10の主要機能を具現化する。言い換えれば、本実施形態に係る前記レセプト管理システム10は、前記電子カルテ装置1さえ備えていればよく、前記診察端末2、前記受付端末3、及び前記プリンター4などは、構成要素に含まなくてもよい。なお、前記制御部11は、複数のプロセッサーを備え、当該複数のプロセッサーのいずれかが前記各種の処理部として機能してもよい。また、前記各種の処理部の一部又は全部が電子回路で構成されていてもよい。
【0049】
また、前記電子カルテ装置1の機能の一部又は全部が、前記診察端末2又は前記受付端末3に設けられることも他の実施形態として考えられる。例えば、前記診察端末2又は前記受付端末3に、前記レセプト管理プログラムの一部又は全部がインストールされており、前記診察端末2の前記制御部21又は前記受付端末3の前記制御部31が、前記電子カルテ装置1から必要な情報を適宜取得して、後述のレセプト管理方法に係る各種の処理を実行することも考えられる。この場合、前記診察端末2又は前記受付端末3が前記レセプト管理システム10の主要機能を具現化する。さらに、前記レセプト管理システム10において、前記電子カルテ装置1と、前記診察端末2又は前記受付端末3と、が協働して後述のレセプト管理方法に係る各種の処理を実行することも考えられる。
【0050】
前記取得処理部111は、同一の患者について、前記第1レセプト情報D1、及び前記第2レセプト情報D2を取得する取得処理(取得ステップ)を行う。本実施形態では一例として、同一患者について、今月(又は編集月)の前記レセプトRc1を構成する情報が前記第1レセプト情報D1であって、過去月の前記レセプトRc1を構成する情報が前記第2レセプト情報D2である。さらに、前記取得処理部111は、前記病名情報D3を取得する。具体的に、前記取得処理部111は、前記情報記憶部123から、同一の患者について、前記第1レセプト情報D1、前記第2レセプト情報D2、及び前記病名情報D3を読み出すことによって取得可能である。ただし、前記取得処理部111は、前記第1レセプト情報D1、前記第2レセプト情報D2、及び前記病名情報D3の少なくとも一つを、前記診察端末2又は前記受付端末3から取得してもよい。
【0051】
前記表示処理部112は、前記レセプト縦覧画面P1等の表示画面を表示させる表示処理(表示ステップ)を行う。本実施形態では、前記レセプト縦覧画面P1は、例えば前記診察端末2の前記表示部24に表示されるので、前記表示処理部112は、前記診察端末2にデータを送信することで前記レセプト縦覧画面P1を表示させる。具体的に、前記表示処理部112は、例えば前記取得処理部111で取得される前記第1レセプト情報D1、前記第2レセプト情報D2及び前記病名情報D3に基づいて、前記レセプト縦覧画面P1を生成し、当該レセプト縦覧画面P1を前記診察端末2に出力することにより、前記レセプト縦覧画面P1を表示させる。前記受付端末3の前記表示部34に前記レセプト縦覧画面P1を表示させる場合、前記表示処理部112は、前記受付端末3にデータを送信することで前記レセプト縦覧画面P1を表示させる。前記表示処理部112は、例えばレセプト業務画面P2(図4参照)などの前記レセプト縦覧画面P1以外の表示画面も、前記診察端末2の前記表示部24等に表示させることが可能である。
【0052】
前記レセプト処理部113は、医師等のユーザーの操作に応じて、前記レセプトRc1(診療報酬明細書)を構成する前記レセプト情報を編集するレセプト編集処理(カルテ編集ステップ)を行う。本実施形態では、前記レセプト情報として前記第1レセプト情報D1と前記第2レセプト情報D2とがあるところ、前記レセプト処理部113で編集される前記レセプト情報は、前記第1レセプト情報D1のみである。つまり、前記レセプト処理部113は、今月(又は編集月)の前記レセプトRc1を構成する前記第1レセプト情報D1を編集し、過去月の前記レセプトRc1を構成する前記第2レセプト情報D2については編集しない。前記レセプト処理部113が行う前記第1レセプト情報D1の編集には、前記第1レセプト情報D1の新規記録、追記、削除及び更新等、前記第1レセプト情報D1に変更を加える種々の処理が含まれる。本実施形態では、前記第1レセプト情報D1の編集のためのユーザー操作は、前記レセプト縦覧画面P1等において行われる。具体的に、前記表示処理部112が、例えば前記診察端末2に前記レセプト縦覧画面P1を表示させた状態で、前記診察端末2に対してユーザーが行う操作に応じて、前記レセプト処理部113が前記第1レセプト情報D1の編集を行う。
【0053】
ただし、前記第1レセプト情報D1の編集のための操作を行うユーザーは、前記レセプト情報の編集権限を有するユーザーに限られている。そのため、前記レセプト情報について前記編集権限を有さないユーザーが操作を行ったところで、前記レセプト処理部113は、前記第1レセプト情報D1の編集を行わない。
【0054】
本実施形態では、前記第1レセプト情報D1を編集する方法として、複数の方法が用意されている。例えば、前記レセプト縦覧画面P1の所望領域をマウス又はタッチパネル等で選択後、キーボードから文字列を入力することによって、前記第1レセプト情報D1を記載(新規記録又は追記)することができる。また、前記レセプト縦覧画面P1に表示されているキーパッドをマウス、テンキー又はタッチパネル等で操作することによって、前記第1レセプト情報D1を記載することもできる。さらに、前記レセプト処理部113は、前記上位システム5若しくはその他のシステムなどから取得する情報に基づいて、前記第1レセプト情報D1を自動的に編集してもよい。
【0055】
ここで、前記レセプト処理部113は、基本的に、前記第1レセプト情報D1の全体をまとめて編集するのではなく、前記第1レセプト情報D1の一部について編集を行う。つまり、前記第1レセプト情報D1は複数の情報を含んでおり、これら複数の情報のうちの一部の情報が、編集中情報として、前記レセプト処理部113での編集の対象となる。本実施形態では、例えばセンテンス(文)、行、文節、単語、段落、項目、又は領域などを編集単位として、当該編集単位について前記編集中情報が設定される。
【0056】
前記レセプト処理部113は、前記編集中情報が編集された後、当該編集中情報を編集したユーザー(前記編集権限を有するユーザー)による確定操作に応じて、当該編集中情報を含む前記第1レセプト情報D1を前記情報記憶部123に記憶することで当該編集中情報を「編集完了」として、当該第1レセプト情報D1を確定する。前記確定操作としては、例えば前記レセプト縦覧画面P1を閉じる操作、改行操作、及び編集個所を選択した状態でのエンター操作などがある。一例として、ユーザーが、前記診察端末2に表示される前記レセプト縦覧画面P1上で、キーボードから文字列又は文章を入力することによって前記第1レセプト情報D1を編集した上で、前記レセプト縦覧画面P1を閉じる(ウィンドウを閉じる)操作を行うことにより、編集された前記第1レセプト情報D1が確定する。さらに、予め設定された時刻が到来した時、予め設定された時間間隔が経過した時にも、前記第1レセプト情報D1を前記情報記憶部123に記憶して、前記第1レセプト情報D1が確定する。
【0057】
前記チェック処理部114は、前記レセプト情報をチェックする電算チェック処理(電算チェックステップ)を行う。本実施形態では、前記レセプト情報として前記第1レセプト情報D1と前記第2レセプト情報D2とがあるところ、前記チェック処理部114でチェックされる前記レセプト情報は、前記第1レセプト情報D1のみである。つまり、前記チェック処理部114は、今月(又は編集月)の前記レセプトRc1を構成する前記第1レセプト情報D1をチェックし、過去月の前記レセプトRc1を構成する前記第2レセプト情報D2についてはチェックしない。具体的に、前記チェック処理部114は、例えば前記レセプト縦覧画面P1を表示中の前記診察端末2がユーザーによる電算チェック操作を受け付けると、当該レセプト縦覧画面P1中の前記第1レセプト情報D1の電算チェックを実行する。
【0058】
前記出力処理部115は、前記レセプトRc1等の、前記電子カルテに関連する種々の情報を出力する出力処理(出力ステップ)を行う。具体的に、前記出力処理部115は、例えば前記レセプト業務画面P2を表示中の前記診察端末2がユーザーによる印刷操作を受け付けると、当該レセプト業務画面P2に対応する前記レセプトRc1を前記プリンター4に印刷させる。
【0059】
前記出力処理に係る「出力」の態様は、印刷に限らず、例えば、メモリー(前記記憶部12)への書き込み、表示、音声出力、データ出力、他システム(他装置)への送信、データベースへの書き込み、及び前記記憶部12以外のメモリーへの書き込み等を含んでもよい。例えば、前記出力処理部115は、前記レセプト情報を前記情報記憶部123に書き込むだけでもよく、前記レセプトRc1を前記プリンター4に印刷させることは必須ではない。また、前記出力処理部115は、前記レセプト管理システム10以外の装置(前記上位システム5を含む)に、前記レセプト情報を出力してもよい。
【0060】
前記設定処理部116は、前記レセプト管理システム10の動作設定に係る設定処理(設定ステップ)を行う。前記設定処理部116が行う前記動作設定には、前記プリンター4による印刷動作に係る設定、及び前記レセプト管理システム10の種々の機能の有効/無効の設定等が含まれる。本実施形態では、前記動作設定のためのユーザー操作は、前記診察端末2等に表示される動作設定画面上で行われる。具体的に、前記表示処理部112が、例えば前記診察端末2に前記動作設定画面を表示させた状態で、前記診察端末2に対してユーザーが行う操作に応じて、前記設定処理部116が前記動作設定に係る設定を行う。ただし、前記動作設定のための操作を行うユーザーは、前記動作設定の設定権限を有するユーザーに限られている。そのため、前記動作設定の前記設定権限を有さないユーザーが操作を行ったところで、前記設定処理部116は、当該動作設定に係る設定を行わない。
【0061】
[レセプト管理方法]
以下、前記電子カルテ装置1の前記制御部11によって実行される前記レセプト管理方法の一例について説明する。前記制御部11は、前記レセプト管理プログラムを実行させるための予め設定された特定の開始操作が前記診察端末2又は前記受付端末3に対して行われた場合に、前記レセプト管理方法に係る各種の処理を実行する。また、前記レセプト管理方法は、当該レセプト管理方法の実行中であっても前記診察端末2又は前記受付端末3に対する特定の終了操作に応じて終了することがある。なお、本発明は、前記電子カルテ装置1のようなコンピューターによって前記レセプト管理方法の一部又は全部の処理を実行する、方法(レセプト管理方法)の発明として捉えてもよい。
【0062】
ここで、前記開始操作は、前記電子カルテ装置1に対する前記診察端末2又は前記受付端末3の接続(アプリケーションソフトウェアの起動)、並びにユーザーID及びパスワードの入力を伴うログインなどを含む。一方、前記終了操作は、前記レセプト縦覧画面P1等の前記表示画面を閉じる操作、ログアウト、及び前記電子カルテ装置1と前記診察端末2又は前記受付端末3との間の接続切断などを含む。
【0063】
また、前記電子カルテ装置1の前記制御部11は、基本的に、前記診察端末2の前記表示部24又は前記受付端末3の前記表示部34に表示される画面(前記レセプト縦覧画面P1等)を用いて、前記レセプト管理方法を実行する。本開示でいう「画面」は、前記表示部24又は前記表示部34等に表示される映像(画像)を意味し、図像、図形、写真、テキスト、及び動画などを含む。前記表示部24又は前記表示部34に表示される主な画面としては、図2等に示す前記レセプト縦覧画面P1の他に、前記レセプト業務画面P2(図4参照)、前記動作設定画面、及びホーム画面などがある。本実施形態では一例として、前記電子カルテ装置1の前記制御部11は、ユーザー操作に応じて、前記ホーム画面から前記レセプト業務画面P2などへ遷移可能に構成される。
【0064】
すなわち、前記開始操作により、まず前記診察端末2の前記表示部24又は前記受付端末3の前記表示部34には、前記ホーム画面が表示される。そして、前記ホーム画面において、特定の操作がされると、前記ホーム画面から前記レセプト業務画面P2に遷移する。前記表示部24(又は前記表示部34)に表示される各種の操作画面(前記レセプト縦覧画面P1及び前記レセプト業務画面P2を含む)では、前記操作部25(又は前記操作部35)がユーザーの操作が受け付ける。
【0065】
以下では一例として、前記診察端末2は、前記操作部25に含まれるマウス及びキーボードにて、前記表示部24に表示される前記レセプト縦覧画面P1等の前記表示画面上での入力操作を受け付けることとする。つまり、例えば前記レセプト処理部113に、前記第1レセプト情報D1を編集する前記レセプト編集処理を実行させる際においても、ユーザーは、前記操作部25に含まれるマウス及びキーボードを操作することで、前記第1レセプト情報D1を編集する操作(ユーザー操作)を行う。同様に、前記受付端末3は、前記操作部35に含まれるマウス及びキーボードにて、前記表示部34に表示される前記レセプト縦覧画面P1等の前記表示画面上での入力操作を受け付けることとする。なお、前記レセプト縦覧画面P1等の前記表示画面中の各種の操作ボタンは、前記表示画面に含まれるオブジェクトであって、当該操作ボタンは、当該操作ボタンを選択するような前記操作部25(又は前記操作部35)の操作によって操作される。例えば、ユーザーは、前記操作部25に含まれるマウスを操作し、前記レセプト縦覧画面P1中の任意の前記操作ボタンにカーソルを合わせてクリックするなどの操作を前記操作部25で行うことで、当該操作ボタンを操作できる。
【0066】
[レセプト縦覧画面P1]
ここではまず、前記診察端末2の前記表示部24に表示される前記レセプト縦覧画面P1について、図2及び図3を参照して説明する。また、図2などの前記表示部24(又は前記表示部34)に表示される画面を示す図面において、領域を表す一点鎖線、引出線及び参照符号は、説明のために付しているに過ぎず、実際に前記表示部24(又は前記表示部34)に表示される訳ではない。なお、以下では一例として、「2022年(令和4年)1月22日」の時点(前記基準時)で表示される前記レセプト縦覧画面P1を想定しており、前記第1期間は「2022年1月」であって、前記第2期間は「2021年3月」、「2021年4月」及び「2021年10月」であることと仮定する。
【0067】
前記レセプト縦覧画面P1は、図2に示すように、第1レセプト領域A1、第2レセプト領域A2、患者情報領域A3、付箋領域A4、カレンダー領域A5、及びオプション領域A6などを含んでいる。
【0068】
前記患者情報領域A3は、患者ID及び患者名などの前記患者識別情報を含む、患者の基本情報が表示される領域である。前記付箋領域A4は、付箋オブジェクトを貼り付けるための領域である。前記付箋オブジェクトは、前記レセプトRc1をプレビュー表示するレセプトプレビュー画面にも貼り付け可能であって、前記レセプト縦覧画面P1の前記付箋オブジェクトと前記レセプトプレビュー画面の前記付箋オブジェクトとは同期(連動)する。前記カレンダー領域A5は、日付及び曜日を表形式で表すカレンダー(七曜表)が表示される領域である。図2の例では、前記カレンダー領域A5には、前記レセプト情報の編集月である「令和4年1月」のカレンダーが表示されている。前記カレンダーにおいて、該当保険種別(保険レセプトの場合は保険)での診療があった日付(診療日)の日付は、例えば着色等により強調表示される。前記オプション領域A6は、前記レセプト縦覧画面P1における表示態様を設定するためのオプション設定が表示される領域である。
【0069】
前記第1レセプト領域A1は、前記第1レセプト情報D1、つまり編集月(ここでは「2022年1月」)の前記レセプトRc1を構成する情報が表示される領域である。前記第2レセプト領域A2は、前記第2レセプト情報D2、つまり過去月(ここでは「2021年3月」、「2021年4月」及び「2021年10月」)の前記レセプトRc1を構成する情報が表示される領域である。前記第1レセプト領域A1及び前記第2レセプト領域A2にそれぞれ表示される前記第1レセプト情報D1及び前記第2レセプト情報D2は、いずれも前記患者情報領域A3に表示されている患者についての前記レセプト情報である。
【0070】
前記第1レセプト領域A1と前記第2レセプト領域A2とは、前記レセプト縦覧画面P1において横方向(左右方向)に並べて配置されている。これにより、ユーザーにおいては、前記レセプト縦覧画面P1にて編集月の前記レセプトRc1と過去月の前記レセプトRc1とを一画面内で一覧することができ、例えば、過去月の前記レセプトRc1(前記第2レセプト情報D2)を参考にして編集月の前記レセプトRc1(前記第1レセプト情報D1)を編集することが可能となる。本実施形態では一例として、前記第1レセプト領域A1が右側、前記第2レセプト領域A2が左側に配置されているが、当該配置は逆であってもよいし、前記第1レセプト領域A1と前記第2レセプト領域A2とは縦方向(上下方向)に並べて配置されてもよい。
【0071】
さらに、前記第2レセプト領域A2には、複数(ここでは3つ)の前記第2レセプト情報D2が表示される。図2の例では、前記第2期間である「2021年3月」、「2021年4月」及び「2021年10月」の各月の前記第2レセプト情報D2が、前記第2レセプト領域A2に並べて表示されている。すなわち、前記表示処理部112は、互いに異なる複数の前記第2期間における複数の前記第2レセプト情報D2を、前記レセプト縦覧画面P1に表示させる。以下、これら複数の前記第2レセプト情報D2を区別する場合、それぞれ「2021年3月」の前記第2レセプト情報D2を「D21」とし、「2021年4月」の前記第2レセプト情報D2を「D22」とし、「2021年10月」の前記第2レセプト情報D2を「D23」とする。
【0072】
このように、複数の前記第2レセプト情報D21,D22,D23が前記レセプト縦覧画面P1に表示されることで、ユーザーにおいては、前記レセプト縦覧画面P1にて編集月の前記レセプトRc1と複数の過去月の前記レセプトRc1とを一画面内で一覧することができ、例えば、複数の過去月の前記レセプトRc1を参考にして編集月の前記レセプトRc1を編集することが可能となる。
【0073】
本実施形態では一例として、前記第2レセプト領域A2において、前記第2レセプト情報D21が左端に位置し、前記第2レセプト情報D23が右端に位置するように、複数の前記第2レセプト情報D21,D22,D23が横方向(左右方向)に並べて配置される。要するに、複数の前記第2レセプト情報D21,D22,D23は、前記第2レセプト領域A2の右側、つまり前記第1レセプト領域A1に近い側ほど、時系列的に新しい前記第2レセプト情報D2となるように、並べて配置される。ただし、複数の前記第2レセプト情報D21,D22,D23の当該配置は逆であってもよいし、複数の前記第2レセプト情報D21,D22,D23は縦方向(上下方向)に並べて配置されてもよい。
【0074】
本実施形態では、前記第2レセプト領域A2に表示される前記第2レセプト情報D2は、前記第1レセプト領域A1に表示される前記第1レセプト情報D1と同一患者についての前記レセプト情報のうち、少なくとも直近となる過去月の前記第2レセプト情報D2を含む。つまり、複数の前記第2レセプト情報D21,D22,D23のうち最も新しい「2021年10月」の前記第2レセプト情報D23が、当該患者の直近の診療月の前記レセプト情報となる。また、「2021年4月」の前記第2レセプト情報D22は、当該患者について前記第2レセプト情報D23の更に一つ前の診療月の前記レセプト情報であって、「2021年3月」の前記第2レセプト情報D21は、当該患者について前記第2レセプト情報D22の更に一つ前の診療月の前記レセプト情報である。
【0075】
要するに、前記表示処理部112は、互いに異なる複数の前記第2期間における複数の前記第2レセプト情報D21,D22,D23のうち、少なくとも最新の前記第2レセプト情報D23を前記レセプト縦覧画面P1に表示させる。これにより、ユーザーにおいては、前記レセプト縦覧画面P1にて編集月の前記レセプトRc1と直近(最新)の過去月の前記レセプトRc1とを一画面内で一覧することができ、例えば、直近の過去月の前記レセプトRc1を参考にして編集月の前記レセプトRc1を編集することが可能となる。
【0076】
また、前記レセプト縦覧画面P1の下部には、複数の操作ボタンK1~K8が表示されている。前記制御部11は、これら複数の前記操作ボタンK1~K8の操作に従って、各種の制御を行う。
【0077】
前記操作ボタンK1,K2は、前記第1レセプト領域A1及び前記第2レセプト領域A2に表示される前記レセプト情報を切り替えるためのボタンである。前記操作ボタンK1が操作されると、前記第1レセプト領域A1に表示される前記レセプトRc1(前記第1レセプト情報D1)が前記レセプト業務画面P2上での「次」の前記レセプトRc1に切り替わる。前記操作ボタンK2が操作されると、前記第1レセプト領域A1に表示される前記レセプトRc1(前記第1レセプト情報D1)が前記レセプト業務画面P2上での「前」の前記レセプトRc1に切り替わる。
【0078】
前記操作ボタンK3は、前記病名情報D3を管理する病名管理画面を表示するためのボタンである。前記操作ボタンK4は、頭書編集を行う頭書編集画面を表示するためのボタンである。前記操作ボタンK5は、症状詳記を編集するための傷病詳記画面を表示するためのボタンである。
【0079】
前記操作ボタンK6は、前記第1レセプト領域A1に表示される前記レセプトRc1(前記第1レセプト情報D1)についての前記電算チェックを実行するためのボタンである。つまり、前記操作ボタンK6が操作されると、前記制御部11の前記チェック処理部114は、前記レセプト情報をチェックする電算チェック処理を行う。この場合、前記表示処理部112は、前記電算チェック処理の結果を示すチェック結果画面を表示させる。
【0080】
前記操作ボタンK7は、前記第1レセプト領域A1に表示される前記レセプトRc1(前記第1レセプト情報D1)をプレビュー表示する前記レセプトプレビュー画面を表示させるためのボタンである。つまり、前記操作ボタンK7が操作されると、前記制御部11の前記表示処理部112は、前記レセプトプレビュー画面を表示させる。
【0081】
前記操作ボタンK8は、前記レセプト縦覧画面P1を閉じるためのボタンである。つまり、前記操作ボタンK8が操作されると、前記制御部11の前記表示処理部112は、前記レセプト縦覧画面P1の表示を終了する。
【0082】
また、前記第1レセプト領域A1及び前記第2レセプト領域A2には、前記第1レセプト情報D1及び前記第2レセプト情報D2の各々に対応付けて複数の前記病名情報D3が表示される。本実施形態では一例として、前記病名情報D3がそれぞれ対応する前記第1レセプト情報D1又は前記第2レセプト情報D2の上方となるように、前記病名情報D3と対応する前記第1レセプト情報D1又は前記第2レセプト情報D2とは、前記レセプト縦覧画面P1の縦方向(上下方向)に並べて配置されている。ただし、当該配置は逆(つまり前記病名情報D3がそれぞれ対応する前記第1レセプト情報D1又は前記第2レセプト情報D2の下方)であってもよいし、前記病名情報D3と対応する前記第1レセプト情報D1又は前記第2レセプト情報D2とは横方向(左右方向)に並べて配置されてもよい。
【0083】
このように、前記表示処理部112は、前記第1レセプト情報D1及び前記第2レセプト情報D2が並べて配置され、かつ前記第1レセプト情報D1及び前記第2レセプト情報D2の各々に対応する複数の前記病名情報D3を含む前記レセプト縦覧画面P1を表示させる。したがって、ユーザーにおいては、前記レセプト縦覧画面P1上で、同一患者について、前記レセプト情報と併せて、前記病名情報D3の変遷を確認可能となる。
【0084】
本実施形態では特に、互いに異なる複数の前記第2期間における複数の前記第2レセプト情報D21,D22,D23が、前記レセプト縦覧画面P1の前記第2レセプト領域A2に表示されるので、これら複数の前記第2レセプト情報D21,D22,D23にそれぞれ対応する複数の前記病名情報D3が表示される。すなわち、前記第1レセプト領域A1には、前記第1期間(「2022年1月」)における前記第1レセプト情報D1と前記病名情報D3とが表示され、前記第2レセプト領域A2には、複数の前記第2期間(「2021年3月」、「2021年4月」及び「2021年10月」)の各々における前記第2レセプト情報D21,D22,D23と前記病名情報D3とが表示される。したがって、図2の例では、計4つの前記病名情報D3が前記レセプト縦覧画面P1に表示されている。
【0085】
図3は、前記第1レセプト領域A1及び前記第2レセプト領域A2の表示内容について、より詳細に示している。なお、以下に参照する図3は、前記レセプト縦覧画面P1における前記第1レセプト領域A1と、前記第2レセプト領域A2のうちの最新の過去月(「2021年10月」)の前記第2レセプト情報D23に対応する部位と、を取り出した図面であって、それ以外の図示を適宜省略する。
【0086】
すなわち、図3に示すように、前記第1レセプト情報D1及び前記第2レセプト情報D2はいずれも、例えば、区分、名称、数量、単位、点数(診療報酬点数)、回数、及び合計点数などの項目を含んでいる。前記合計点数は、前記第1レセプト情報D1又は前記第2レセプト情報D2における前記点数(診療報酬点数)の合計であって、前記第1レセプト情報D1及び前記第2レセプト情報D2の最下段に表示されている。前記第1レセプト情報D1及び前記第2レセプト情報D2はいずれも、これら複数の項目が表形式に整理されて構成される。
【0087】
ここで、前記レセプト縦覧画面P1においては、前記第1レセプト情報D1及び前記第2レセプト情報D2のうち前記第1レセプト情報D1についてのみ編集可能である。具体的に、ユーザーは、前記第1レセプト情報D1の「名称」欄から編集する診療行為を、例えばダブルクリック又は右クリック等の操作によって選択する。これにより、コメント編集画面が表示され、前記コメント編集画面上で、レセプトコメントの編集が可能になる。前記レセプトコメントの編集方法としては、自由記載形式のフリーコメントと選択入力形式の選択コメントとの2種類があり、ユーザーは、前記フリーコメント又は前記選択コメントを任意に選択した上で、前記レセプトコメントの編集を行う。前記フリーコメントで編集された前記レセプトコメントと、前記選択コメントで編集された前記レセプトコメントとは、例えば背景色等の表示態様によって区別される。
【0088】
つまり、前記レセプト処理部113は、ユーザーの操作に従って、前記第1レセプト情報D1の新規記録、追記、削除及び更新等、前記第1レセプト情報D1に変更を加える種々の前記レセプト編集処理を実行する。さらに、前記第2レセプト領域A2に表示される前記第2レセプト情報D2の少なくとも一部の項目を、複写操作又はドラッグアンドドロップ操作等で前記第1レセプト領域A1に表示される前記第1レセプト情報D1に複写することにより、前記第2レセプト情報D2と同じ前記診療情報(前記レセプトコメントを含む)を前記第1レセプト情報D1に記載することも可能である。
【0089】
さらに、前記レセプト縦覧画面P1においては、前記第1レセプト情報D1及び前記第2レセプト情報D2のうち前記第1レセプト情報D1についてのみ、診療括りごとに区切られた態様で表示される。具体的に、前記第1レセプト情報D1は、前記診療括りごとに、点線によって区切られている。
【0090】
また、図3に示すように、前記病名情報D3はいずれも、例えば、特疾(特定疾患)、種別(保険種別)、管理番号(#)、主/副(主病名/副病名の別)、病名、病名コメント、補足コメント、開始日、転帰、及び転帰日などの項目を含んでいる。「病名」は該当月、つまり前記第1レセプト情報D1に対応する前記病名情報D3であれば前記第1期間、前記第2レセプト情報D2に対応する前記病名情報D3であれば前記第2期間に、有効であった同一保険種別の病名のみ表示する。ここで、管理番号によって同一の病名か否かが区別されるのであって、管理番号が同一の場合のみ同一の病名として扱われる。例えば、「病名」の項目がいずれも「切創」であっても、1度「切創」と診断され転帰(治癒)した後で、再び「切創」と診断されるような場合には、1度目の切創と2度目の切創とは、別の病名として別の管理番号が付与される。つまり、「転帰」が「繰越」であって継続している病名についてのみ、同一の管理番号が付与されて同一の病名として扱われる。前記病名情報D3はいずれも、これら複数の項目が表形式に整理されて構成される。
【0091】
ここで、前記レセプト縦覧画面P1においては、前記病名情報D3のうちの前記転帰についてのみ編集可能であって、前記病名(傷病名)等は編集不可である。具体的に、ユーザーは、前記病名情報D3の編集する「病名」を、例えばダブルクリック又は右クリック等の操作によって選択する。これにより、転帰メニュー画面が表示され、前記転帰メニュー画面上で、前記転帰の編集が可能になる。前記転帰の編集方法は、前記転帰の事由(治癒、死亡、及び中止等)の選択と、前記転帰日の選択と、を含む。なお、前記病名情報D3のうちの前記転帰以外の編集は、前記操作ボタンK3を選択操作することで表示される前記病名管理画面にて行うことが可能である。
【0092】
なお、前記第1レセプト領域A1及び前記第2レセプト領域A2に表示される、前記第1レセプト情報D1、前記第2レセプト情報D2及び前記病名情報D3は、スライドバーK9(図3及び図9参照)を含み、前記スライドバーK9の操作により、横方向(左右方向)又は縦方向(上下方向)のスクロール表示が可能である。
【0093】
[レセプト業務画面P2]
次に、前記診察端末2の前記表示部24に表示される前記レセプト業務画面P2について、図4及び図5を参照して説明する。
【0094】
前記制御部11の前記表示処理部112は、前記診察端末2の前記表示部24に、例えば図4に示すような前記レセプト業務画面P2を表示させる。前記レセプト業務画面P2は、前記医療機関における複数の患者についての前記レセプトRc1の一覧を含む画面である。前記レセプト業務画面P2において、当該医療機関で管理されている複数の前記レセプトRc1の一覧が表示され、例えば「提出年月」等で絞り込みが可能である。
【0095】
前記レセプト業務画面P2は、縦覧チェックボタンK10を含んでいる。前記縦覧チェックボタンK10は、前記レセプト縦覧画面P1を呼び出すためのボタンである。前記縦覧チェックボタンK10が操作されると、前記診察端末2の前記表示部24に表示される画面が、前記レセプト業務画面P2から前記レセプト縦覧画面P1に切り替わる。つまり、前記表示処理部112は、前記縦覧チェックボタンK10が操作されると、前記レセプト縦覧画面P1を表示させる処理を実行する。
【0096】
ここで、図4に示す前記レセプト業務画面P2は、その画面サイズ(形状)が前記レセプト縦覧画面P1とは異なる。前記レセプト縦覧画面P1の画面サイズを「拡張サイズ」とするならば、図4に示す前記レセプト業務画面P2の形状は「標準サイズ」である。前記拡張サイズは、前記標準サイズに比べて横方向(左右方向)の寸法が拡大された画面サイズ、いわゆるワイド画面サイズであって、前記標準サイズとは縦横比が異なる。したがって、図4の前記レセプト業務画面P2において前記縦覧チェックボタンK10が操作されると、前記診察端末2の前記表示部24に表示される画面が、前記レセプト業務画面P2から前記レセプト縦覧画面P1に切り替わることで、画面サイズが横方向に拡大される。
【0097】
本実施形態では、前記表示処理部112は、前記レセプト業務画面P2の形状を、図4に示す前記標準サイズから、図5に示す前記拡張サイズへと変更させることが可能である。具体的に、ユーザーが、前記操作部25に含まれるマウスを操作し、前記レセプト業務画面P2の例えば右側のエッジE1にカーソルを合わせ、前記エッジE1を右方へドラッグするように操作することで、前記レセプト業務画面P2は横方向(右方向)へと拡大される。ただし、この例に限らず、前記レセプト業務画面P2の例えば左側のエッジにカーソルを合わせ、当該エッジを左方へドラッグするように操作することで、前記レセプト業務画面P2が横方向へ拡大されてもよい。
【0098】
図5に示すように、前記レセプト業務画面P2が前記拡張サイズに拡大されることにより、前記レセプト業務画面P2の表示範囲が広がって、前記レセプト業務画面P2の視認性及び操作性が向上する。
【0099】
そして、図5に示すような、前記拡張サイズの前記レセプト業務画面P2において前記縦覧チェックボタンK10が操作されると、前記診察端末2の前記表示部24に表示される画面が、前記レセプト業務画面P2から前記レセプト縦覧画面P1に切り替わっても、画面サイズは維持されることになる。
【0100】
要するに、前記表示処理部112は、表示させる画面のサイズを、少なくとも前記標準サイズと、前記標準サイズに比べて一方向に拡張される前記拡張サイズと、の間で切替可能である。前記表示処理部112は、前記レセプト縦覧画面P1を、前記拡張サイズで表示させる。したがって、前記レセプト縦覧画面P1のように、比較的情報量の多い画面が、前記拡張サイズで表示されるので、前記レセプト縦覧画面P1の表示範囲が広がって、前記レセプト縦覧画面P1の視認性及び操作性が向上する。
【0101】
ただし、前記診察端末2の前記表示部24が、例えばスクエアモニタである等、そもそも前記拡張サイズの表示画面に対応していない場合には、前記拡張サイズの前記レセプト業務画面P2を表示させることはできない。
【0102】
[レセプト縦覧画面P1の表示態様の切替処理]
次に、前記レセプト縦覧画面P1における前記オプション領域A6にて設定可能な種々の表示態様の切替処理について、図6図9を参照して説明する。なお、以下に参照する図6は、前記レセプト縦覧画面P1における前記オプション領域A6のみを取り出した図面であって、それ以外の図示を適宜省略する。また、以下に参照する図9は、前記レセプト縦覧画面P1における前記第1レセプト領域A1と、前記第2レセプト領域A2のうちの最新の過去月(「2021年10月」)の前記第2レセプト情報D23に対応する部位と、を取り出した図面であって、それ以外の図示を適宜省略する。
【0103】
まず、前記レセプト縦覧画面P1は、前記第1レセプト情報D1及び前記第2レセプト情報D2と並べて配置され、前記レセプト縦覧画面P1における表示態様を切り替えるためのオプション設定が表示される前記オプション領域A6を含んでいる。つまり、前記表示処理部112は、前記レセプト縦覧画面P1における前記第1レセプト情報D1及び前記第2レセプト情報D2などの表示態様を切り替えるための前記オプション領域A6を、前記レセプト縦覧画面P1に表示させる。したがって、ユーザーにおいては、前記第1レセプト情報D1及び前記第2レセプト情報D2と共に前記レセプト縦覧画面P1に表示される前記オプション設定にて、前記第1レセプト情報D1及び前記第2レセプト情報D2などの表示態様を切り替えることができ、表示態様を切り替えやすくなる。
【0104】
本実施形態では、図6に示すように、前記レセプト縦覧画面P1の表示態様を設定するための前記オプション設定として、第1設定項目C1、第2設定項目C2、第3設定項目C3、及び第4設定項目C4を、前記オプション領域A6に含んでいる。さらに、前記オプション領域A6には、操作ボタンK11が含まれている。
【0105】
前記第1設定項目C1は、前記レセプト縦覧画面P1に表示する前記レセプト情報(前記第1レセプト情報D1及び前記第2レセプト情報D2)の診療区分を絞り込むための項目である。つまり、前記第1設定項目C1においては、初診、再診、医学管理、在宅、内服、及び頓服などの種々の前記診療区分から、任意の前記診療区分が選択することで、当該選択された前記診療区分に絞り込んで、前記レセプト情報を表示させることができる。ここで、前記第1設定項目C1で図6のように「すべて」が選択されている場合、全ての前記診療項目が表示対象となり、特定の前記診療項目による絞り込みはなされない。一例として、前記第1設定項目C1で、前記診療区分として「14:在宅」が選択された状態で、前記操作ボタンK11が操作されると、前記レセプト縦覧画面P1においては、図7に示すように、前記診療区分が「14:在宅」である前記診療情報についてのみ、前記レセプト情報(前記第1レセプト情報D1及び前記第2レセプト情報D2)が表示される。この場合、前記診療情報が上詰めで表示されることで、閲覧性が向上する。
【0106】
このように、前記表示処理部112は、前記第1レセプト情報D1及び前記第2レセプト情報D2に含まれる前記診療情報のうち、ユーザーの操作に応じて設定される選択条件を満たす前記診療情報のみを前記レセプト縦覧画面P1に表示させる。これにより、前記レセプト縦覧画面P1にユーザーが所望する情報のみを表示させることができ、前記レセプト縦覧画面P1の視認性及び操作性が向上する。本実施形態では、前記診療区分を前記選択条件の一例としているが、前記選択条件は前記診療区分に限らず、例えば算定日などであってもよい。
【0107】
また、前記第2設定項目C2は、「同じ病名の表示位置を合わせる」位置合わせ機能の有効/無効を設定する項目である。つまり、前記第2設定項目C2のチェックボックスにチェックが付いているか否かにより、当該位置合わせ機能の有効/無効が切り替えられる。図7に示すように、前記第2設定項目C2にチェックが付いた状態で、前記操作ボタンK11が操作されると、前記位置合わせ機能が有効になり、前記病名情報D3のうち同一の病名に関しては、同じ行に表示される。すなわち、図7の例では、前記第2レセプト情報D21に対応する前記病名情報D3の前記管理番号(#)は「1」であって、残り3つの前記病名情報D3の前記管理番号(#)は「2」である。そのため、前記第2レセプト情報D21に対応する前記病名情報D3のみが1行目に表示され、残り3つの前記病名情報D3は表示位置を揃えるように2行目に表示されている。一方、前記第2設定項目C2のチェックが外れた状態で、前記操作ボタンK11が操作されると、前記位置合わせ機能が無効になり、全ての前記病名情報D3が上詰め(つまり1行目)で表示される。
【0108】
このように、前記表示処理部112は、同一の前記病名情報D3については、前記レセプト縦覧画面P1において同一行又は同一列に表示させる。したがって、ユーザーにおいては、前記レセプト縦覧画面P1上で、前記患者について、前記レセプト情報と併せて、前記病名情報D3の変遷をより確認しやすくなる。
【0109】
また、前記第3設定項目C3は、「院外処方の薬剤表示」を行う仮レセプト機能の有効/無効を設定する項目である。つまり、前記第3設定項目C3のチェックボックスにチェックが付いているか否かにより、当該仮レセプト機能の有効/無効が切り替えられる。図8に示すように、前記第3設定項目C3にチェックが付いた状態で、前記操作ボタンK11が操作されると、前記仮レセプト機能が有効になり、前記院外処方の薬剤についても、前記レセプト情報に含めて表示する。すなわち、図8の例では、前記第2レセプト情報D23に、前記院外処方の薬剤として「薬品A錠剤25mg」及び「薬品Bカプセル40mg」が追加されている。この場合、前記レセプト縦覧画面P1の上部の帯などに「仮レセプト表示中」などの表記がされることにより、前記院外処方の薬剤が表示されていることをユーザーに知らせることが好ましい。一方、前記第3設定項目C3のチェックが外れた状態で、前記操作ボタンK11が操作されると、前記仮レセプト機能が無効になり、前記院外処方の薬剤の情報が非表示になる。
【0110】
また、前記第4設定項目C4は、「算定日を表示する」算定日表示機能の有効/無効を設定する項目である。つまり、前記第4設定項目C4のチェックボックスにチェックが付いているか否かにより、当該算定日表示機能の有効/無効が切り替えられる。前記第4設定項目C4にチェックが付いた状態で、前記操作ボタンK11が操作されると、前記算定日表示機能が有効になり、図9に示すように、前記診療情報に対応付けて前記点数(診療報酬点数)の算定日が表示される。すなわち、図9の例では、例えば前記第1レセプト情報D1の「再診料」に関しては、「1月4日」、「1月18日」、「1月21日」の3日が前記算定日として追加されている。一方、前記第4設定項目C4のチェックが外れた状態で、前記操作ボタンK11が操作されると、前記算定日表示機能が無効になり、前記算定日の情報が非表示になる。
【0111】
このように、前記表示処理部112は、前記第1レセプト情報D1及び前記第2レセプト情報D2に含まれる前記診療情報に対応する前記算定日を前記レセプト縦覧画面P1に表示させる。したがって、ユーザーにおいては、前記レセプト縦覧画面P1上で、算定日についても確認することができ、前記レセプト情報をより確認しやすくなる。
【0112】
[動作設定]
前記レセプト縦覧画面P1の表示に関する前記レセプト管理システム10の機能の有効/無効は、前記制御部11の前記設定処理部116が行う前記動作設定に係る前記設定処理によって切替可能である。
【0113】
具体的に、前記動作設定のためのユーザー操作は、前記診察端末2又は前記受付端末3に表示される前記動作設定画面上で行われる。前記動作設定画面は、縦覧チェック機能の有効/無効を設定する項目を含んでいる。そして、前記動作設定画面にて前記縦覧チェック機能が有効に設定されていれば、前記レセプト業務画面P2には前記縦覧チェックボタンK10がアクティブ表示され、前記縦覧チェックボタンK10が操作されると、前記レセプト縦覧画面P1が表示される。一方、前記動作設定画面にて前記縦覧チェック機能が無効に設定されていれば、前記レセプト業務画面P2には前記縦覧チェックボタンK10が表示されず、前記レセプト縦覧画面P1は表示不可となる。
【0114】
また、前記動作設定画面にて前記縦覧チェック機能が有効に設定されている場合でも、前記診察端末2の前記表示部24が、例えばスクエアモニタである等、そもそも前記拡張サイズの表示画面に対応していない場合には、前記拡張サイズの前記レセプト縦覧画面P1を表示させることはできない。そのため、前記診察端末2の前記表示部24が前記拡張サイズの表示画面に対応していない場合には、前記動作設定画面での前記縦覧チェック機能の有効/無効にかかわらず、前記レセプト業務画面P2には前記縦覧チェックボタンK10が表示されず、前記レセプト縦覧画面P1は表示不可とすることが好ましい。
【0115】
[フローチャート]
図10を参照しつつ、前記レセプト管理方法のうち特に前記レセプト縦覧画面P1の表示に係る前記制御部11の処理の手順の一例について説明する。
【0116】
<ステップS1>
ステップS1において、前記制御部11は、前記レセプト業務画面P2が表示させているか否かを判断する。前記制御部11の前記表示処理部112は、前記ホーム画面において前記レセプト業務画面P2に切り替えるユーザー操作がされ、前記レセプト業務画面P2を表示させると、前記レセプト業務画面P2を表示中と判断し(S1:Yes)、処理をステップS2に移行する。一方、前記ホーム画面において前記レセプト業務画面P2に切り替えるユーザー操作がされなければ、前記制御部11は、前記レセプト業務画面P2を表示中でないと判断し(S1:No)、前記ステップS1を繰り返し実行する。
【0117】
<ステップS2>
前記ステップS2において、前記制御部11は、前記縦覧チェック機能の有効/無効を判断する。前記制御部11は、前記動作設定において前記縦覧チェック機能が有効に設定されており、かつ例えば前記診察端末2の前記表示部24が前記拡張サイズの表示画面に対応している場合には、前記縦覧チェック機能が有効であると判断し(S2:Yes)、処理をステップS3に移行する。一方、前記動作設定において前記縦覧チェック機能が無効に設定されているか、又は例えば前記診察端末2の前記表示部24が前記拡張サイズの表示画面に対応していなければ、前記縦覧チェック機能が無効であると判断し(S2:No)、処理を前記ステップS2に戻す。
【0118】
<ステップS3>
前記ステップS3においては、前記制御部11の前記表示処理部112は、例えば前記診察端末2の前記表示部24に表示させている前記レセプト業務画面P2に、前記縦覧チェックボタンK10を表示させる。その後、前記制御部11は、処理をステップS4に移行する。
【0119】
<ステップS4>
前記ステップS4において、前記制御部11は、縦覧チェック操作の有無を判断する。前記制御部11は、前記レセプト業務画面P2において前記縦覧チェックボタンK10の操作がされると、前記縦覧チェック操作があったと判断し(S4:Yes)、処理をステップS5に移行する。一方、前記レセプト業務画面P2において前記縦覧チェックボタンK10の操作がされなければ、前記制御部11は、前記縦覧チェック操作がないと判断し(S4:No)、処理を前記ステップS3に戻す。
【0120】
<ステップS5>
前記ステップS5においては、前記制御部11の前記取得処理部111が、前記第1レセプト情報D1及び前記第2レセプト情報D2を取得する取得処理(取得ステップ)を実行する。その後、前記制御部11は、処理をステップS6に移行する。
【0121】
<ステップS6>
前記ステップS6においては、前記制御部11の前記表示処理部112が、前記レセプト縦覧画面P1を、例えば前記診察端末2の前記表示部24に表示させる表示処理(表示ステップ)を実行する。前記レセプト縦覧画面P1は、前記第1レセプト情報D1及び前記第2レセプト情報D2が並べて配置され、かつ前記第1レセプト情報D1及び前記第2レセプト情報D2の各々に対応する複数の前記病名情報D3を含む。その後、前記制御部11は、処理をステップS7に移行する。
【0122】
<ステップS7>
前記ステップS7において、前記制御部11は、前記レセプト縦覧画面P1の表示を終了させる要求の有無を判断する。前記制御部11は、前記レセプト縦覧画面P1を閉じるユーザー操作がされると、前記レセプト縦覧画面P1の表示を終了させる要求があったと判断し(S7:Yes)、一連の処理を終了する。一方、前記レセプト縦覧画面P1を閉じるユーザー操作がされなければ、前記制御部11は、前記レセプト縦覧画面P1の表示を終了させる要求がないと判断し(S7:No)、処理を前記ステップS5に戻す。
【0123】
なお、上記のフローチャートは一例に過ぎず、処理が適宜追加又は省略されてもよいし、処理の順番が適宜入れ替わってもよい。
【0124】
[その他の機能]
その他の機能として、例えば、前記表示処理部112が前記レセプト縦覧画面P1を表示させる際に、前記チェック処理部114が適応症チェックを実行してもよい。この場合、前記適応症チェックによりエラーと判断された診療行為又は薬品については、前記レセプト縦覧画面P1において文字色等で強調表示することが好ましい。この機能については、上記動作設定において、有効/無効が切替可能であることが好ましい。
【0125】
また、前記第1レセプト領域A1に表示される前記レセプトRc1(前記第1レセプト情報D1)が前記レセプト業務画面P2上での「次」又は「前」の前記レセプトRc1に切り替わる際に、前記チェック処理部114が前記電算チェック処理を実行してもよい。この機能については、上記動作設定において、有効/無効が切替可能であることが好ましい。
【0126】
[変形例]
前記レセプト管理システム10に含まれる複数の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。反対に、上記実施形態において、複数の筐体に分散している複数の構成要素(前記制御部11及び前記表示部24など)が、1つの筐体に集約して設けられていてもよい。
【0127】
また、前記レセプト縦覧画面P1等の表示画面が前記診察端末2の前記表示部24又は前記受付端末3の前記表示部34に表示されることは必須ではなく、例えば前記電子カルテ装置1の前記表示部14に前記レセプト縦覧画面P1等が表示されてもよい。さらに、前記レセプト縦覧画面P1等の表示画面は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどの前記表示部24に限らず、例えばプロジェクターなどの表示装置によって投影表示されてもよい。
【0128】
また、前記動作設定に係る設定は、前記医療機関ごとに限らず、例えば、患者ごと、診療科ごと、担当医師ごと、又は担当薬剤師ごと等で行われてもよい。
【0129】
また、前記表示処理部112が、互いに異なる複数の前記第2期間における複数の前記第2レセプト情報D2を、前記レセプト縦覧画面P1に表示させることは必須ではない。前記表示処理部112は、例えば、1つの前記第2期間における1つの前記第2レセプト情報D2を、前記レセプト縦覧画面P1に表示させてもよいし、2つ又は4つ以上の前記第2レセプト情報D2を、前記レセプト縦覧画面P1に表示させてもよい。
【0130】
また、前記表示処理部112が、互いに異なる複数の前記第2期間における複数の前記第2レセプト情報D2のうち、少なくとも最新の前記第2レセプト情報D2を前記レセプト縦覧画面P1に表示させることは必須ではない。例えば、前記表示処理部112が、互いに異なる複数の前記第2期間における複数の前記第2レセプト情報D2のうち、最新(直近)の前記第2レセプト情報D2を前記レセプト縦覧画面P1に表示させず、他の前記第2レセプト情報D2を前記レセプト縦覧画面P1に表示させてもよい。
【0131】
また、前記表示処理部112が、前記第1レセプト情報D1及び前記第2レセプト情報D2に含まれる前記診療情報のうち、ユーザーの操作に応じて設定される選択条件を満たす前記診療情報のみを前記レセプト縦覧画面P1に表示させることは必須ではない。つまり、前記表示処理部112は、前記第1レセプト情報D1及び前記第2レセプト情報D2に含まれる前記診療情報の全てを、前記レセプト縦覧画面P1に表示させてもよい。
【0132】
また、前記表示処理部112が、同一の前記病名情報D3については、前記レセプト縦覧画面P1において同一行又は同一列に表示させることは必須ではなく、前記位置合わせ機能は備わらなくてもよい。
【0133】
また、前記表示処理部112が、前記第1レセプト情報D1及び前記第2レセプト情報D2に含まれる前記診療情報に対応する算定日を前記レセプト縦覧画面P1に表示させることは必須ではなく、前記算定日表示は備わらなくてもよい。
【0134】
また、前記表示処理部112が、表示させる画面のサイズを、少なくとも前記標準サイズと、前記標準サイズに比べて一方向に拡張される前記拡張サイズと、の間で切替可能であることは必須ではない。そのため、前記表示処理部112が、前記レセプト縦覧画面P1を、前記拡張サイズで表示させることも必須ではない。
【0135】
〔発明の付記〕
以下、上述の実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0136】
<付記1>
同一の患者について、基準時 を含む第1期間 における診療情報を含む第1レセプト情報、及び前記第1期間よりも過去の第2期間 における診療情報を含む第2レセプト情報を取得する取得処理部と、
前記第1レセプト情報及び前記第2レセプト情報が並べて配置され、かつ前記第1レセプト情報及び前記第2レセプト情報の各々に対応する複数の病名情報を含むレセプト縦覧画面を表示させる表示処理部と、を備える、
レセプト管理システム。
【0137】
<付記2>
前記表示処理部は、互いに異なる複数の前記第2期間における複数の前記第2レセプト情報を、前記レセプト縦覧画面に表示させる、
付記1に記載のレセプト管理システム。
【0138】
<付記3>
前記表示処理部は、互いに異なる複数の前記第2期間における複数の前記第2レセプト情報のうち、少なくとも最新の前記第2レセプト情報を前記レセプト縦覧画面に表示させる、
付記1又は2に記載のレセプト管理システム。
【0139】
<付記4>
前記表示処理部は、前記第1レセプト情報及び前記第2レセプト情報に含まれる前記診療情報のうち、ユーザーの操作に応じて設定される選択条件を満たす前記診療情報のみを前記レセプト縦覧画面に表示させる、
付記1~3のいずれかに記載のレセプト管理システム。
【0140】
<付記5>
前記表示処理部は、同一の前記病名情報については、前記レセプト縦覧画面において同一行又は同一列に表示させる、
付記1~4のいずれかに記載のレセプト管理システム。
【0141】
<付記6>
前記表示処理部は、前記第1レセプト情報及び前記第2レセプト情報に含まれる前記診療情報に対応する算定日を前記レセプト縦覧画面に表示させる、
付記1~5のいずれかに記載のレセプト管理システム。
【0142】
<付記7>
前記表示処理部は、前記第1レセプト情報及び前記第2レセプト情報と並べて配置され、前記レセプト縦覧画面における表示態様を切り替えるためのオプション設定が表示されるオプション領域を、前記レセプト縦覧画面に表示させる、
付記1~6のいずれかに記載のレセプト管理システム。
【0143】
<付記8>
前記表示処理部は、表示させる画面のサイズを、少なくとも標準サイズと、前記標準サイズに比べて一方向に拡張される拡張サイズと、の間で切替可能であって、
前記レセプト縦覧画面を、前記拡張サイズで表示させる、
付記1~7のいずれかに記載のレセプト管理システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10