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特開2023-161267業務支援システム及び業務支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161267
(43)【公開日】2023-11-07
(54)【発明の名称】業務支援システム及び業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/60 20180101AFI20231030BHJP
【FI】
G16H10/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071535
(22)【出願日】2022-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】592246705
【氏名又は名称】株式会社湯山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 茂
(72)【発明者】
【氏名】井上 博暁
(72)【発明者】
【氏名】北岡 孝也
(72)【発明者】
【氏名】杉本 惠洋
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA23
(57)【要約】
【課題】ユーザーによる診療情報のチェックに掛かる負担を軽減可能な、業務支援システム及び業務支援プログラムを提供する。
【解決手段】業務支援システム10は、編集処理部113と、提案処理部114と、を備える。前記編集処理部113は、ユーザーの操作に応じて、患者に対応する診療情報を編集する。前記提案処理部114は、前記診療情報において不足していると当該診療情報に基づいて判定される項目を、提案項目として提案する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーの操作に応じて、患者に対応する診療情報を編集する編集処理部と、
前記診療情報において不足していると当該診療情報に基づいて判定される項目を、提案項目として提案する提案処理部と、を備える、
業務支援システム。
【請求項2】
前記提案処理部は、前記診療情報の編集を終了する操作があると、前記提案項目の提案を開始する、
請求項1に記載の業務支援システム。
【請求項3】
前記提案項目は、診療行為と、医薬品と、医療材料と、病名とのうちの少なくとも1つに関する項目を含む、
請求項1又は2に記載の業務支援システム。
【請求項4】
前記提案処理部は、前記提案項目を、それぞれ確度に対応付けて複数提案する、
請求項1又は2に記載の業務支援システム。
【請求項5】
前記提案処理部は、機械学習によって生成される学習済みモデルを使用して、前記診療情報に基づいて前記提案項目の提案を行う、
請求項1又は2に記載の業務支援システム。
【請求項6】
前記提案項目に対するユーザーの反応に基づいて、前記学習済みモデルの再学習を行う学習処理部を更に備える、
請求項5に記載の業務支援システム。
【請求項7】
前記学習済みモデルは、複数の診療科において共通で使用される第1モデルと、複数の前記診療科の各々に特化した第2モデルと、を含み、
前記提案処理部は、前記提案項目の提案に使用する前記学習済みモデルを、前記第1モデルと前記第2モデルとで切替可能である、
請求項5に記載の業務支援システム。
【請求項8】
ユーザーの操作に応じて、患者に対応する診療情報を編集する編集ステップと、
前記診療情報において不足していると当該診療情報に基づいて判定される項目を、提案項目として提案する提案ステップと、
をコンピューターに実行させるための業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の診療情報の編集に用いられる業務支援システム及び業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術として、患者データを含むカルテ情報を記憶したデータベースを有するサーバー装置と、このサーバー装置に通信回線を介して接続された状態において前記サーバー装置との間でデータを送受信可能な端末装置とからなるシステム(電子カルテ装置)が知られている(例えば、特許文献1参照)。前記関連技術に係る前記システムでは、前記端末装置は、患者データを含むカルテ情報を記憶できる領域を備える記憶装置と、過去、現在、未来の日付を選択して入力する日付入力部と、診療情報を入力する入力部と、これらの動作を制御する制御部と、を備えている。前記制御部は、前記日付入力部からの日付と現在日時(日付)とを比較し、前記日付入力部の日付が未来の日付の場合、未来の日に予定される診療情報をカルテ下書情報として前記記憶装置に格納する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-172975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記関連技術に係る前記システムでは、例えば、前記診療情報を入力する際に、ユーザーによるオーダー漏れ又は病名の付け忘れがあった場合、そのことにユーザーが気付かなければ不正確な前記診療情報が登録されることになる。そのため、ユーザーによる前記診療情報のチェックに掛かる負担が大きくなる可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、ユーザーによる診療情報のチェックに掛かる負担を軽減可能な、業務支援システム及び業務支援プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係る業務支援システムは、編集処理部と、提案処理部と、を備える。前記編集処理部は、ユーザーの操作に応じて、患者に対応する診療情報を編集する。前記提案処理部は、前記診療情報において不足していると当該診療情報に基づいて判定される項目を、提案項目として提案する。
【0007】
本発明の他の局面に係る業務支援プログラムは、編集ステップと、提案ステップと、をコンピューターに実行させるためのプログラムである。前記編集ステップでは、ユーザーの操作に応じて、患者に対応する診療情報を編集する。前記提案ステップでは、前記診療情報において不足していると当該診療情報に基づいて判定される項目を、提案項目として提案する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザーによる診療情報のチェックに掛かる負担を軽減可能な、業務支援システム及び業務支援プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施形態に係る業務支援システムの一例を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る業務支援システムの提案処理部及び学習処理部の動作の一例を示す概念図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る業務支援システムで表示されるカルテ画面の一例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る業務支援システムで表示される終了処理画面の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る業務支援システムで表示される提案画面の一例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る業務支援システムで提案処理部が行う、学習済みモデルを用いた提案項目の推定処理の一例を概念的に示す説明図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る業務支援システムで実行される業務支援方法の手順の一例を説明するフローチャートである。
図8図8は、本発明の実施形態に係る業務支援システムで表示されるレセプト縦覧画面の一例を示す図である。
図9図9は、本発明の実施形態に係る業務支援システムで表示される公費分点画面の一例を示す図である。
図10図10は、本発明の実施形態に係る業務支援システムで表示される一括請求画面の一例を示す図である。
図11図11は、本発明の実施形態に係る業務支援システムで表示される一括請求画面の要部の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。また、下記の実施形態で説明する構成及び処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることも可能である。
【0011】
[業務支援システム10]
図1に示すように、本発明の実施形態に係る業務支援システム10は、電子カルテ装置1と、受付端末3と、診察端末2と、プリンター4とを備える。前記電子カルテ装置1、前記受付端末3、前記診察端末2、及び前記プリンター4は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、又はイントラネット等の通信網NT1を介して通信可能である。また、前記電子カルテ装置1には、前記通信網NT1を介して上位システム5が接続される。前記業務支援システム10は、前記電子カルテ装置1、前記受付端末3、前記診察端末2、及び前記プリンター4のうちの少なくとも一つについて、複数備えていてもよい。さらに、前記業務支援システム10は、例えば、携帯端末等、前記受付端末3及び前記診察端末2以外のクライアント端末を更に備えていてもよい。
【0012】
前記業務支援システム10のユーザーは、例えば病院、又は薬局などの医療機関における医師、医療事務員、医療クラーク、看護士、薬剤師、又は施設管理者などの医療従事者(医療スタッフ)である。本実施形態では一例として、前記業務支援システム10は、病院で用いられ、当該病院の医師及び医療事務員が前記業務支援システム10のユーザーであることとする。ユーザーは、基本的には前記診察端末2又は前記受付端末3を通じて、前記業務支援システム10を利用する。つまり、前記電子カルテ装置1は、前記診察端末2又は前記受付端末3に対するユーザーによる操作入力を受け付け可能であって、かつ前記診察端末2又は前記受付端末3に種々の情報を表示させることが可能である。
【0013】
前記業務支援システム10は、電子カルテを管理する機能を有している。本開示でいう「電子カルテ」は、患者の疾病情報、診察内容、診断結果、投薬情報、検査結果及び経過等の診療情報を電子的データとして保存した記録(診療記録)を意味する。前記電子カルテは、原則、患者ごとに作成され、複数の患者に対しては前記電子カルテも複数作成される。ここで、前記電子カルテに含まれる患者の種々の診療情報は「カルテ情報」に含まれる。前記カルテ情報は、例えば前記診察端末2に対するユーザー(医師)の操作に応じて、前記電子カルテ装置1により前記電子カルテに新規に記録(記載)される。さらに、前記電子カルテに記録されている前記カルテ情報は、例えば前記診察端末2に対するユーザーの操作に応じて、前記電子カルテ装置1による追記(追加)、削除、変更及び更新等が行われる。前記カルテ情報の新規記録、追記、削除及び更新等、前記電子カルテに含まれる前記カルテ情報に何らかの変更を加えることを、前記カルテ情報の「編集」と呼ぶ。つまり、前記業務支援システム10においては、ユーザーの操作に応じて、前記電子カルテの前記カルテ情報を編集することが可能である。
【0014】
また、前記業務支援システム10は、前記電子カルテを表示させる機能を有している。本実施形態に係る前記業務支援システム10では、前記電子カルテ装置1が、ユーザーによる前記診察端末2又は前記受付端末3の操作に応じて、前記カルテ情報等を含むカルテ画面P1(図3参照)等の表示画面を前記診察端末2又は前記受付端末3に表示させることが可能である。前記カルテ画面P1が前記診察端末2又は前記受付端末3に表示されることにより、ユーザーに前記電子カルテが提示され、ユーザーにおいては、前記診察端末2又は前記受付端末3を通じて前記電子カルテを確認することが可能となる。そして、ユーザーは、前記診察端末2又は前記受付端末3に表示される前記カルテ画面P1上で、前記カルテ情報を編集する操作を行うことにより、前記カルテ情報の編集を行うことができる。なお、前記診察端末2又は前記受付端末3は、前記電子カルテ装置1から送信される表示データに基づいて前記カルテ画面P1を表示し、又は前記電子カルテ装置1に記憶されている各種のデータを参照して前記カルテ画面P1を表示する。
【0015】
具体的に、本実施形態では、前記電子カルテ装置1と前記診察端末2又は前記受付端末3とによりサーバークライアントシステムが構成されており、前記電子カルテ装置1が前記診察端末2又は前記受付端末3のユーザー操作に応じて表示及び印刷などの各種の処理を実行する場合について説明する。そのため、本実施形態において、以下に説明する「表示」、「操作」、「選択」、及び「入力」等は、前記診察端末2又は前記受付端末3を用いて行われるものとして説明する。なお、同様の表示及び操作などが前記電子カルテ装置1で行われてもよい。
【0016】
さらに、前記業務支援システム10は、レセプトRc1(図1参照)を出力する機能を有している。本開示でいう「レセプト」は、医療機関が健康保険組合に医療費を請求するために、行った処置又は使用した薬剤等を記載した明細書を意味し、診療報酬明細書とも称する。前記レセプトRc1は、前記カルテ情報と同様に、患者の種々の診療情報を含む。前記レセプトRc1は、原則、一つの医療機関において一人の患者に対して、対象期間(例えば1ヵ月)ごとに作成される。一例として、ある医療機関が一人の患者に対して4月に3回診療(保険治療)を行った場合、当該3回分の診療に係る費用をまとめて前記レセプトRc1が作成される。このようにして作成される前記レセプトRc1は、通常は、翌月に提出されるので、4月分の前記レセプトRc1であれば5月に提出される。本実施形態に係る前記業務支援システム10では、前記電子カルテ装置1が、前記カルテ情報に従ってレセプト情報を生成し、ユーザーによる前記診察端末2又は前記受付端末3の操作に応じて、前記レセプトRc1を発行させることが可能である。具体的に、前記電子カルテ装置1は、例えば、前記レセプト情報を含む印刷データを生成し、当該印刷データを前記プリンター4に出力し前記レセプトRc1を印刷(発行)させることが可能である。
【0017】
また、前記業務支援システム10は、会計情報の登録及び更新などの会計処理を実行可能なレセプト電算処理システムの機能を有している。本実施形態に係る前記業務支援システム10では、前記電子カルテ装置1が、例えば、ユーザーによる前記受付端末3の操作に応じて、前記カルテ情報に従って前記会計情報の登録及び更新などの前記会計処理を実行する。前記会計情報は、前記カルテ情報と同様に、患者の種々の診療情報を含む。
【0018】
前記上位システム5は、前記業務支援システム10とは別の医療関連システムであって、前記業務支援システム10と通信により連携可能であればよく、前記業務支援システム10に対して「上位」の関係にあることは必須でない。前記上位システム5は、例えば患者データ、薬品の患者への処方又は投与に関する処方データ、及び患者について行われた各種の検査の検査結果に関する検査データなどの入力を受け付け可能である。前記患者データには、例えば患者ID又は患者名(氏名)などのように個々の患者を識別するための患者識別情報、並びに、患者の年齢、性別、既往歴、処方薬履歴、飲酒有無、喫煙有無、家族情報、及び患者の身長、体重、体表面積等の身体情報など、患者に関する種々の情報が含まれる。
【0019】
前記上位システム5は、前記患者データ、前記処方データ及び前記検査データなどを、ユーザー操作に応じて前記電子カルテ装置1に入力し、又は予め設定された締め処理時刻などの所定タイミングで自動的に前記電子カルテ装置1に入力する。ただし、前記患者データ、前記処方データ及び前記検査データなどは、前記上位システム5から前記電子カルテ装置1に入力されることに限らず、前記電子カルテ装置1で作成されてもよい。また、前記電子カルテ装置1が前記上位システム5から前記患者データ、前記処方データ及び前記検査データなどを能動的に読み出す構成であってもよい。前記上位システム5は複数設けられてもよく、さらに、複数の前記上位システム5は異なる種類のシステムを含んでもよい。なお、前記患者データ、前記処方データ及び前記検査データの少なくとも一つは、前記診察端末2、前記受付端末3又は前記電子カルテ装置1に対するユーザーの操作により、前記業務支援システム10に直接的に入力されてもよい。
【0020】
ところで、前記業務支援システム10においては、基本的に、前記診療情報をユーザーが入力するので、例えば、前記カルテ情報、前記レセプトRc1、又は前記会計情報などの前記診療情報を入力する際に、ユーザーによるオーダー漏れ又は病名の付け忘れが生じ得る。前記オーダー漏れ又は前記病名の付け忘れが生じた状態で、そのことにユーザーが気付かなければ、不正確な前記診療情報が登録されることになる。このような事態を回避するには、ユーザーによる前記診療情報のチェックに掛かる負担が大きくなる可能性がある。
【0021】
このような事情に鑑みて、本実施形態に係る前記業務支援システム10は、ユーザーによる前記診療情報のチェックに掛かる負担を軽減可能とするための構成を採用する。具体的には、図1に示すように、前記業務支援システム10は、編集処理部113と、提案処理部114と、を備える。前記編集処理部113は、ユーザーの操作に応じて、患者に対応する前記診療情報D1(図2参照)を編集する。前記提案処理部114は、前記診療情報D1において不足していると当該診療情報D1に基づいて判定される項目を、提案項目D2(図2参照)として提案する。
【0022】
このような前記業務支援システム10によれば、ユーザーによるオーダー漏れ又は病名の付け忘れが生じると、当該オーダー又は当該病名が前記提案項目D2として提案されることで、オーダー漏れ又は病名の付け忘れへの対処が可能となる。すなわち、オーダー漏れ又は病名の付け忘れが生じても、前記提案項目D2の提案によってユーザーに気付きを与えることができるので、そのまま不正確な前記診療情報D1が登録されることを回避しやすくなる。したがって、ユーザーによる前記診療情報のチェックに掛かる負担を軽減可能な前記業務支援システム10及び前記業務支援プログラムを提供することができる。前記編集処理部113、及び前記提案処理部114の機能の詳細については、「[業務支援方法]」以降で説明する。
【0023】
[診察端末2]
前記診察端末2は、制御部21、記憶部22、通信I/F23、表示部24、操作部25、及びドライブ装置26などを備えるパーソナルコンピュータである。前記診察端末2は、前記業務支援システム10が使用される医療機関(本実施形態では病院)に配置され、ユーザーによって操作される操作端末である。例えば、前記診察端末2は、前記医療機関の診察室等に配置され、診察に際して、前記医療機関の医師によって使用される。なお、前記診察端末2は、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末、又はラップトップコンピュータなどの携帯(可搬)型の情報処理装置であってもよい。
【0024】
前記制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びEEPROM(登録商標)などの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは揮発性の記憶部、前記EEPROMは不揮発性の記憶部である。前記RAM及び前記EEPROMは、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、前記制御部21は、前記CPUを用いて、前記ROM、前記EEPROM、又は前記記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムに従って各種の処理を実行する。
【0025】
前記記憶部22は、前記制御部21によって実行される各種の制御プログラム及び各種のデータが記憶されるハードディスク又はSSD(Solid State Drive)等の不揮発性の記憶部である。具体的に、前記記憶部22には、オペレーティングシステム(OS)及びブラウザソフトなどのアプリケーションプログラムが記憶されるプログラム記憶部が含まれる。前記ブラウザソフトは、前記通信網NT1を介して前記電子カルテ装置1にアクセスすることにより前記表示部24に各種の操作画面などを表示させると共に、前記操作部25を用いた前記操作画面に対する入力操作を前記電子カルテ装置1に伝達するためのアプリケーションソフトウェアである。例えば、前記制御部21は、前記ブラウザソフトにより表示される操作画面の所定位置に、前記電子カルテ装置1に対応するURL(Universal Resource Locator)などのアドレス情報が入力された場合に、該アドレス情報に基づいて前記電子カルテ装置1にアクセスする。
【0026】
前記通信I/F23は、前記通信網NT1を介して前記電子カルテ装置1、及び前記プリンター4などの外部機器との間で、予め定められた通信プロトコルに従って無線又は有線でデータ通信を実行するネットワークカード等を有する通信インターフェースである。
【0027】
前記表示部24は、前記制御部21からの制御指示に従って各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどの装置である。例えば、前記制御部21は、前記ブラウザソフトに従って各種の処理を実行することにより、前記電子カルテ装置1から受信する表示用データに基づいて、当該表示用データに基づく各種の情報を前記表示部24に表示させる。
【0028】
前記操作部25は、前記診察端末2に各種の情報を入力するためにユーザーによって操作される装置である。具体的に、前記操作部25は、前記表示部24に表示される各種の操作画面における入力操作を受け付けるキーボード及びポインティングデバイス(マウス等)を含む。また、前記操作部25は、前記表示部24に表示される各種の操作画面に対するタッチ操作を受け付けるタッチパネル、又は音声認識により各種情報の入力を受け付ける音声入力装置を含んでもよい。そして、前記制御部21は、前記ブラウザソフトに従って各種の処理を実行することにより、前記操作部25に対するユーザー操作を受け付け、当該ユーザー操作の内容を前記電子カルテ装置1に入力する。
【0029】
前記ドライブ装置26は、前記OS又は前記ブラウザソフトなどが記録されたコンピューター読み取り可能な記録媒体261から前記OS又は前記ブラウザソフトなどを読み取る装置である。前記ドライブ装置26は、前記診察端末2に一体化されていてもよいし、前記診察端末2に対して取り外し可能に接続されることで前記診察端末2に外付けされてもよい。前記記録媒体261は、CD、DVD、BD、又はUSBメモリーなどであり、前記ドライブ装置26は、CDドライブ、DVDドライブ、BDドライブ、又はUSBポートなどである。前記診察端末2では、前記制御部21により、前記ドライブ装置26を用いて前記記録媒体261から読み取られた前記OS又は前記ブラウザソフトなどが前記記憶部22の前記プログラム記憶部にインストールされる。
【0030】
具体的に、前記電子カルテ装置1は、例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)などのWebページ記述言語によって記述されたデータを前記診察端末2に送信することにより、前記診察端末2の前記表示部24に各種の画面を表示させる。また、前記診察端末2の前記制御部21は、前記操作部25に対する操作入力に応じて前記電子カルテ装置1に操作信号を送信する。
【0031】
[受付端末3]
前記受付端末3は、制御部31、記憶部32、通信I/F33、表示部34、操作部35、及びドライブ装置36などを備えるパーソナルコンピュータである。前記受付端末3は、前記業務支援システム10が使用される医療機関(本実施形態では病院)に配置され、ユーザーによって操作される操作端末である。例えば、前記受付端末3は、前記医療機関の受付窓口等に配置され、前記会計処理を含む窓口業務に際して、前記医療機関の医療事務員によって使用される。
【0032】
前記受付端末3のハードウェアとしての構成自体は前記診察端末2と同様であって、前記制御部31、前記記憶部32、前記通信I/F33、前記表示部34、前記操作部35、及び前記ドライブ装置36は、それぞれ前記診察端末2の前記制御部21、前記記憶部22、前記通信I/F23、前記表示部24、前記操作部25、及び前記ドライブ装置26に相当する。そのため、ここでは前記受付端末3の構成についての詳しい説明は省略する。なお、前記ドライブ装置36は、コンピューター読み取り可能な記録媒体361から前記OS又は前記ブラウザソフトなどを読み取る。
【0033】
[プリンター4]
前記プリンター4は、前記電子カルテ装置1、前記診察端末2又は前記受付端末3から前記通信網NT1を介して入力される印刷データに含まれる情報を紙などのシートに記録する印刷処理を実行可能なカラープリンター又はモノクロプリンターなどの画像形成装置である。本実施形態においては、一例として、前記プリンター4は、前記医療機関(病院)の受付窓口に配置されている。前記プリンター4では、例えば、前記レセプト情報を含む前記印刷データにより、前記レセプトRc1が印刷される。また、前記プリンター4は、例えば、前記カルテ情報に従って前記電子カルテ装置1が生成する処方箋情報を含む印刷データにより、処方箋等の印刷(発行)にも用いられる。
【0034】
[電子カルテ装置1]
前記電子カルテ装置1は、図1に示すように、制御部11、記憶部12、通信I/F13、表示部14、操作部15、及びドライブ装置16などを備えるコンピューターである。なお、前記電子カルテ装置1は、前記業務支援システム10が使用される病院又は薬局等の医療機関の外部に設けられてもよく、サーバー(又はクラウドコンピューティング)等で実現されてもよい。また、前記電子カルテ装置1は、スマートフォン、タブレット端末、又はラップトップコンピュータなどの情報処理装置であってもよい。
【0035】
前記制御部11は、前記制御部21と同様の構成であって、CPU、ROM、RAM、及びEEPROMなどの制御機器を有し、前記CPUを用いて、前記ROM、前記EEPROM、又は前記記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムに従って各種の処理を実行する。
【0036】
前記記憶部12は、前記制御部11によって実行される各種の制御プログラム及び各種のデータが記憶されるハードディスク又はSSD等の不揮発性の記憶部である。また、前記記憶部12には、プログラム記憶部121、マスター記憶部122、及び情報記憶部123が含まれる。
【0037】
前記プログラム記憶部121は、後述の業務支援方法に係る各種処理を前記制御部11に実行させるための業務支援プログラムなどが記憶される記憶領域である。なお、前記プログラム記憶部121には、オペレーティングシステム(OS)などのプログラムも記憶される。
【0038】
前記マスター記憶部122は、例えば、病名マスター、患者マスター、及び医薬品マスターなどの各種のマスター情報が記憶される記憶領域である。前記病名マスター、前記患者マスター、及び前記医薬品マスターなどは、前記電子カルテ装置1の初期設定時又はメンテナンス時などにおいて、前記電子カルテ装置1、前記診察端末2又は前記受付端末3のユーザー操作に応じて適宜編集されて前記マスター記憶部122に記憶される。
【0039】
前記情報記憶部123には、XML情報及びカルテデータベースなどの、前記電子カルテを構成する種々の情報が記憶される。前記XML情報は、前記電子カルテの前記カルテ情報をXML(Extensible Markup Language)を用いて記述したデータである。前記XML情報は、例えば前記診察端末2又は前記受付端末3を用いた医師等のユーザーの操作に応じて作成され、随時更新される。前記カルテデータベースは、前記電子カルテの前記カルテ情報等を蓄積して長期的に保存するためのデータベースである。例えば、診察の終了時などにおいて前記診察端末2又は前記受付端末3を用いた医師等のユーザーにより前記カルテ情報等の保存操作が行われると、前記XML情報に含まれる前記カルテ情報等が前記カルテデータベースに保存される。
【0040】
なお、前記マスター情報、前記XML情報、及び前記カルテデータベースの少なくとも一つは、前記電子カルテ装置1とは別の記憶装置に記憶されてもよい。例えば、前記マスター情報、前記XML情報、及び前記カルテデータベースの少なくとも一つは、前記業務支援システム10外の外部サーバー(又はクラウドコンピューティング)等に記憶されてもよい。そして、前記制御部11がインターネット等を介して前記外部サーバー等にアクセス可能であってもよい。
【0041】
前記通信I/F13は、前記通信I/F23と同様の構成であって、前記通信網NT1を介して前記診察端末2、前記受付端末3、及び前記プリンター4などの外部機器との間でデータ通信を実行する。前記通信I/F13は、前記上位システム5との間でもデータ通信を行う。
【0042】
前記表示部14は、前記制御部11からの制御指示に従って各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどの装置である。前記操作部15は、前記操作部25と同様の構成であって、前記電子カルテ装置1に各種の情報を入力するためにユーザーによって操作される装置である。そして、前記制御部11は、前記操作部15に対するユーザー操作を受け付け、当該ユーザー操作の内容に応じて処理を実行する。
【0043】
前記ドライブ装置16は、前記ドライブ装置26と同様の構成であって、前記業務支援プログラムが記録されたコンピューター読み取り可能な記録媒体161から前記業務支援プログラムを読み取る装置である。そして、前記電子カルテ装置1では、前記制御部11により、前記ドライブ装置16を用いて前記記録媒体161から読み取られた前記業務支援プログラムが前記記憶部12の前記プログラム記憶部121にインストールされる。なお、前記業務支援プログラムは、前記記憶部12に予め記憶されていてもよいし、前記電子カルテ装置1が前記通信網NT1を介して外部装置から受信してもよい。
【0044】
ところで、前記電子カルテ装置1の前記制御部11は、図1に示すように、入力処理部111、表示処理部112、前記編集処理部113、前記提案処理部114、出力処理部115、設定処理部116、及び学習処理部117を含む。具体的に、前記制御部11は、前記業務支援プログラムに従って後述の業務支援方法に係る各種の処理を実行することにより、前記入力処理部111、前記表示処理部112、前記編集処理部113、前記提案処理部114、前記出力処理部115、前記設定処理部116、及び前記学習処理部117などの各種の処理部として機能する。すなわち、本実施形態では、前記電子カルテ装置1が前記業務支援システム10の主要機能を具現化する。言い換えれば、本実施形態に係る前記業務支援システム10は、前記電子カルテ装置1さえ備えていればよく、前記診察端末2、前記受付端末3、及び前記プリンター4などは、構成要素に含まなくてもよい。なお、前記制御部11は、複数のプロセッサーを備え、当該複数のプロセッサーのいずれかが前記各種の処理部として機能してもよい。また、前記各種の処理部の一部又は全部が電子回路で構成されていてもよい。
【0045】
また、前記電子カルテ装置1の機能の一部又は全部が、前記診察端末2又は前記受付端末3に設けられることも他の実施形態として考えられる。例えば、前記診察端末2又は前記受付端末3に、前記業務支援プログラムの一部又は全部がインストールされており、前記診察端末2の前記制御部21又は前記受付端末3の前記制御部31が、前記電子カルテ装置1から必要な情報を適宜取得して、後述の業務支援方法に係る各種の処理を実行することも考えられる。この場合、前記診察端末2又は前記受付端末3が前記業務支援システム10の主要機能を具現化する。さらに、前記業務支援システム10において、前記電子カルテ装置1と、前記診察端末2又は前記受付端末3と、が協働して後述の業務支援方法に係る各種の処理を実行することも考えられる。
【0046】
前記入力処理部111は、前記診察端末2又は前記受付端末3における入力操作に応じて、診療に関連する情報を入力情報として入力する入力処理(入力ステップ)を行う。前記診察端末2又は前記受付端末3では、患者に関する情報(患者ID、氏名等)、疾病情報、診察内容、診断結果、投薬情報、検査結果及び経過等の診療情報等の種々の情報が入力される。そして、これら情報が、前記入力情報として前記診察端末2又は前記受付端末3から前記電子カルテ装置1に送信されて、前記入力処理部111により前記電子カルテ装置1に入力される。
【0047】
前記表示処理部112は、前記カルテ画面P1等の表示画面を表示させる表示処理(表示ステップ)を行う。本実施形態では、前記カルテ画面P1は、例えば前記診察端末2の前記表示部24に表示されるので、前記表示処理部112は、前記診察端末2にデータを送信することで前記カルテ画面P1を表示させる。具体的に、前記表示処理部112は、例えば前記記憶部12に記憶されている前記電子カルテに基づいて、前記カルテ画面P1を生成し、当該カルテ画面P1を前記診察端末2に出力することにより、前記カルテ画面P1を表示させる。ここで、前記カルテ画面P1の生成に用いられる前記電子カルテには、前記カルテ情報が含まれる。前記受付端末3の前記表示部34に前記カルテ画面P1を表示させる場合、前記表示処理部112は、前記受付端末3にデータを送信することで前記カルテ画面P1を表示させる。
【0048】
前記編集処理部113は、医師等のユーザーの操作に応じて、患者に対応する前記診療情報D1を編集する編集処理(編集ステップ)を行う。本実施形態では、前記診療情報D1は、前記電子カルテを構成する前記カルテ情報、前記レセプトRc1を構成する前記レセプト情報、及び前記会計情報などに含まれている。つまり、前記編集処理部113は、前記カルテ情報、前記レセプト情報、及び前記会計情報などの前記診療情報D1を編集する。
【0049】
前記編集処理部113での編集対象となる前記診療情報D1は、「診療行為」、「医薬品」、「医療材料」、及び「病名」に関する項目を含む。前記診療行為に関する項目は、診察(診察内容、診断結果など)、治療、検査(検査内容、検査結果など)、及びリハビリテーションなどに関する項目を含む。前記医薬品に関する項目は、薬品の患者への処方又は投与に関する処方データなどを含む。前記医療材料に関する項目は、例えばカプセル型内視鏡などの特定保険医療材料、医療機器(特定機器)に関する項目を含む。前記病名に関する項目は、患者が罹患している傷病を特定する傷病名、開始日、転帰、及び転帰日などを含む。「傷病名」は、病気(疾病)だけでなく骨折等の怪我を特定する情報であって、傷病コードなどを含んでもよい。「開始日」の項目は、病名にて表される傷病の開始日を意味し、基本的には、医師等が患者を診療して傷病を特定した日付である。「転帰」の項目は、病名にて表される傷病の転帰、つまり傷病の治療における症状の経過又は結果等を意味し、例えば「繰越」、「治癒」、「死亡」及び「中止」等を含む。「転帰日」の項目は、病名にて表される傷病の転帰があった日を意味し、基本的には、医師等が患者を診療して傷病の転帰を記録した日付である。
【0050】
前記編集処理部113が行う前記診療情報D1の編集には、前記診療情報D1の新規記録、追記、削除及び更新等、前記カルテ情報、前記レセプト情報、及び前記会計情報などに含まれる前記診療情報D1に変更を加える種々の処理が含まれる。本実施形態では、例えば、前記カルテ情報に含まれる前記診療情報D1の編集のためのユーザー操作は、前記カルテ画面P1上で行われる。具体的に、前記表示処理部112が、例えば前記診察端末2に前記カルテ画面P1を表示させた状態で、前記診察端末2に対してユーザーが行う操作に応じて、前記編集処理部113が前記カルテ情報に含まれる前記診療情報D1の編集を行う。同様に、前記レセプト情報に含まれる前記診療情報D1の編集のためのユーザー操作は、レセプト縦覧画面P2(図8参照)上で行われる。具体的に、前記表示処理部112が、例えば前記診察端末2に前記レセプト縦覧画面P2を表示させた状態で、前記診察端末2に対してユーザーが行う操作に応じて、前記編集処理部113が前記レセプト情報に含まれる前記診療情報D1の編集を行う。
【0051】
ただし、例えば前記カルテ情報に含まれる前記診療情報D1の編集のための操作を行うユーザーは、前記電子カルテの編集権限を有するユーザーに限られている。そのため、前記電子カルテについて前記編集権限を有さないユーザーが操作を行ったところで、前記編集処理部113は、当該カルテ情報の前記診療情報D1の編集を行わない。同様に、前記レセプト情報に含まれる前記診療情報D1の編集のための操作を行うユーザーは、前記レセプトRc1の編集権限を有するユーザーに限られている。
【0052】
本実施形態では、前記診療情報D1を編集する方法として、複数の方法が用意されている。例えば、前記カルテ画面P1の所望領域をマウス又はタッチパネル等で選択後、キーボードから文字列を入力することによって、前記カルテ情報の前記診療情報D1を記載(新規記録又は追記)することができる。また、前記カルテ画面P1に表示されているキーパッドK4(図3参照)をマウス、テンキー又はタッチパネル等で操作することによって、前記カルテ情報の前記診療情報D1を記載することもできる。また、任意のカルテ情報を予めセット情報として登録しておき、当該セット情報をマウス、テンキー又はタッチパネルで選択することによって、前記診療情報D1を記載することもできる。また、前記セット情報を示すアイコンを前記カルテ画面P1の所望領域にドラッグアンドドロップ等により移動させることによって、前記診療情報D1を記載することもできる。さらに、前記編集処理部113は、前記上位システム5若しくはその他のシステムなどから取得する情報に基づいて、前記診療情報D1を自動的に編集してもよい。
【0053】
ここで、前記編集処理部113は、基本的に、前記診療情報D1の全体をまとめて編集するのではなく、前記診療情報D1の一部について編集を行う。つまり、前記診療情報D1は複数の情報を含んでおり、これら複数の情報のうちの一部の情報が、編集中情報として、前記編集処理部113での編集の対象となる。本実施形態では、例えばセンテンス(文)、行、文節、単語、段落、項目、又は領域などを編集単位として、当該編集単位について前記編集中情報が設定される。
【0054】
前記編集処理部113は、前記編集中情報が編集された後、当該編集中情報を編集したユーザー(前記編集権限を有するユーザー)による確定操作に応じて、当該編集中情報を含む前記診療情報D1を前記情報記憶部123に記憶することで当該編集中情報を「編集完了」として、当該診療情報D1を確定する。前記確定操作としては、例えば前記カルテ画面P1を閉じる操作、改行操作、及び編集個所を選択した状態でのエンター操作などがある。一例として、ユーザーが、前記診察端末2に表示される前記カルテ画面P1上で、キーボードから文字列又は文章を入力することによって前記診療情報D1を編集した上で、前記カルテ画面P1を閉じる(ウィンドウを閉じる)操作を行うことにより、編集された前記診療情報D1が確定する。さらに、予め設定された時刻が到来した時、予め設定された時間間隔が経過した時にも、前記診療情報D1を前記情報記憶部123に記憶して、前記診療情報D1が確定する。
【0055】
前記提案処理部114は、前記診療情報D1において不足していると当該診療情報D1に基づいて判定される項目を、前記提案項目D2として提案する提案処理(提案ステップ)を行う。つまり、前記提案処理部114は、前記診療情報D1において不足している項目の判定を、当該診療情報D1に基づいて行う。言い換えれば、例えば、前記マスター情報に含まれている病名と医薬品との組み合わせに基づいて、前記診療情報D1中の前記医薬品と前記病名との組み合わせが正しいかどうかをチェックする適応症チェックとは異なり、前記提案処理部114は、前記診療情報D1自体に基づいて、当該診療情報D1に不足している項目を判定する。そして、不足していると判定される項目があれば、前記提案処理部114は、当該項目を前記提案項目D2として提案する。そのため、例えば前記カルテ情報に含まれる前記診療情報D1において、ユーザーによるオーダー漏れ又は病名の付け忘れ等があれば、当該オーダー漏れ又は付け忘れた病名等が、前記提案項目D2として提案されることになる。
【0056】
一方、ユーザーによるオーダー漏れ又は病名の付け忘れ等がなく、判定の結果、前記診療情報D1において不足していると判定される項目が無い場合、前記提案処理部114は、前記提案項目D2の提案を行わない。すなわち、前記診療情報D1において項目の不足がなければ、前記診療情報D1の項目が足りている、つまり前記提案項目D2は存在しないと判定されるため、前記提案処理部114は、前記提案項目D2の提案を行わない。ただし、これに限らず、前記提案処理部114は、例えば確度が低い前記提案項目D2など、何かしらの前記提案項目D2を提案することを必須の構成としてもよい。
【0057】
本開示でいう「提案」は、ユーザーに対して提示することを意味し、前記提案処理部114は、前記提案項目D2があれば、当該提案項目D2を何かしらの態様にてユーザーに提示する。提案の態様は、例えば、表示、印刷、メモリー(前記記憶部12)への書き込み、音声出力、データ出力、他システム(他装置)への送信、データベースへの書き込み、及び前記記憶部12以外のメモリーへの書き込み等を含む。本実施形態では、前記提案処理部114は、前記提案項目D2を、前記診察端末2の前記表示部24又は前記受付端末3の前記表示部34等に表示させることをもって、前記提案項目D2の提示を行う。ただし、例えば、前記提案処理部114は、前記提案項目D2を前記情報記憶部123に書き込むだけでもよく、前記提案項目D2を表示させることは必須ではない。また、前記提案処理部114は、前記業務支援システム10以外の装置(前記上位システム5を含む)に、前記提案項目D2を出力してもよい。
【0058】
本実施形態では、図2に示すように、前記提案処理部114は、機械学習によって生成される学習済みモデルM1を使用して、前記診療情報D1に基づいて前記提案項目D2の提案を行う。要するに、前記提案処理部114は、適宜の学習方法により機械学習されて生成される前記学習済みモデルM1を推定器として用いて、前記診療情報D1から前記提案項目D2の推定を行う。つまり、前記学習済みモデルM1は、前記診療情報D1において不足していると推定される項目の有無を判定し、不足していると推定される項目があれば、当該項目を前記提案項目D2として出力する。前記提案処理部114は、このようにして前記学習済みモデルM1から出力される前記提案項目D2を、ユーザーに対して提案する。
【0059】
前記学習済みモデルM1は、多数の患者についての前記カルテ情報、前記レセプト情報、及び前記会計情報等から抽出される相当数の前記診療情報D1を、学習用データセットとして訓練(機械学習)され、生成されている。前記学習済みモデルM1の生成に用いられる前記診療情報D1(前記学習用データセット)については、例えば、医療機関、診療科、又はユーザー(医師)などの学習単位が設定され、当該学習単位ごとに生成されてもよい。これにより、前記学習済みモデルM1についても、医療機関、診療科、又はユーザー(医師)などの前記学習単位ごとに生成することが可能になる。一例として、前記学習済みモデルM1を使用して前記提案項目D2の提案を行う前記医療機関を前記学習単位とする場合、当該医療機関に特化した前記学習済みモデルM1を生成できる。また、例えば「内科」のような特定の診療科を前記学習単位とする場合、当該診療科に特化した前記学習済みモデルM1を生成できる。前記学習済みモデルM1を用いた前記提案項目D2の推定処理について詳しくは、「提案処理」の欄で説明する。
【0060】
なお、前記学習済みモデルM1は、前記電子カルテ装置1の前記記憶部12に記憶(格納)されてもよいし、前記電子カルテ装置1とは別の記憶装置に記憶されてもよい。例えば、前記学習済みモデルM1は、前記業務支援システム10外の外部サーバー(又はクラウドコンピューティング)等に記憶されてもよい。そして、前記制御部11(前記提案処理部114)がインターネット等を介して前記外部サーバー等にアクセス可能であってもよい。
【0061】
前記出力処理部115は、前記レセプトRc1等の、前記電子カルテに関連する種々の情報を出力する出力処理(出力ステップ)を行う。具体的に、前記出力処理部115は、例えば前記カルテ画面P1を表示中の前記診察端末2がユーザーによる印刷操作を受け付けると、当該カルテ画面P1に対応する前記処方箋を前記プリンター4に印刷させる。
【0062】
前記出力処理に係る「出力」の態様は、印刷に限らず、例えば、メモリー(前記記憶部12)への書き込み、表示、音声出力、データ出力、他システム(他装置)への送信、データベースへの書き込み、及び前記記憶部12以外のメモリーへの書き込み等を含んでもよい。例えば、前記出力処理部115は、前記カルテ情報に従って前記レセプト情報を生成し、当該レセプト情報を前記情報記憶部123に書き込むだけでもよく、前記レセプトRc1を前記プリンター4に印刷させることは必須ではない。また、前記出力処理部115は、前記業務支援システム10以外の装置(前記上位システム5を含む)に、前記レセプト情報を出力してもよい。
【0063】
前記設定処理部116は、前記業務支援システム10の動作設定に係る設定処理(設定ステップ)を行う。前記設定処理部116が行う前記動作設定には、前記プリンター4による印刷動作に係る設定、及び前記業務支援システム10の種々の機能の有効/無効の設定等が含まれる。本実施形態では、前記動作設定のためのユーザー操作は、前記診察端末2等に表示される動作設定画面上で行われる。具体的に、前記表示処理部112が、例えば前記診察端末2に前記動作設定画面を表示させた状態で、前記診察端末2に対してユーザーが行う操作に応じて、前記設定処理部116が前記動作設定に係る設定を行う。ただし、前記動作設定のための操作を行うユーザーは、前記動作設定の設定権限を有するユーザーに限られている。そのため、前記動作設定の前記設定権限を有さないユーザーが操作を行ったところで、前記設定処理部116は、当該動作設定に係る設定を行わない。
【0064】
前記学習処理部117は、前記提案項目D2に対するユーザーの反応に基づいて、前記学習済みモデルM1の再学習を行う再学習処理(再学習ステップ)を実行する。つまり、前記学習処理部117は、機械学習によって生成される前記学習済みモデルM1に対して、機械学習による再学習を行うことで、前記学習済みモデルM1の推定器としての精度向上を実現する。これにより、前記提案処理部114は、ユーザーの反応(リアクション)を反映することで推定精度を向上させた前記学習済みモデルM1を、前記提案項目D2の提案に用いることができる。したがって、ユーザーの反応に応じた前記提案項目D2の提案が可能となり、より適切な前記提案項目D2の提案が可能となる。
【0065】
具体的に、前記学習処理部117は、図2に示すように、複数の評価情報D3を含む学習用データセットを用いて、随時、前記学習済みモデルM1の再学習を行う。前記評価情報D3は、前記提案処理部114により提案される前記提案項目D2への応答として、ユーザーの操作によって入力される情報である。本実施形態では一例として、後述する提案画面P3(図5参照)上のアクションボタンK11,K12(図5参照)の操作によって、前記評価情報D3が入力される。
【0066】
[業務支援方法]
以下、前記電子カルテ装置1の前記制御部11によって実行される前記業務支援方法の一例について説明する。前記制御部11は、前記業務支援プログラムを実行させるための予め設定された特定の開始操作が前記診察端末2又は前記受付端末3に対して行われた場合に、前記業務支援方法に係る各種の処理を実行する。また、前記業務支援方法は、当該業務支援方法の実行中であっても前記診察端末2又は前記受付端末3に対する特定の終了操作に応じて終了することがある。なお、本発明は、前記電子カルテ装置1のようなコンピューターによって前記業務支援方法の一部又は全部の処理を実行する、方法(業務支援方法)の発明として捉えてもよい。
【0067】
ここで、前記開始操作は、前記電子カルテ装置1に対する前記診察端末2又は前記受付端末3の接続(アプリケーションソフトウェアの起動)、並びにユーザーID及びパスワードの入力を伴うログインなどを含む。一方、前記終了操作は、前記カルテ画面P1等の前記表示画面を閉じる操作、ログアウト、及び前記電子カルテ装置1と前記診察端末2又は前記受付端末3との間の接続切断などを含む。
【0068】
また、前記電子カルテ装置1の前記制御部11は、基本的に、前記診察端末2の前記表示部24又は前記受付端末3の前記表示部34に表示される画面(前記カルテ画面P1等)を用いて、前記業務支援方法を実行する。本開示でいう「画面」は、前記表示部24又は前記表示部34等に表示される映像(画像)を意味し、図像、図形、写真、テキスト、及び動画などを含む。前記表示部24又は前記表示部34に表示される主な画面としては、図3等に示す前記カルテ画面P1の他に、前記レセプト縦覧画面P2(図8参照)、前記提案画面P3(図5参照)、前記動作設定画面、及びホーム画面などがある。本実施形態では一例として、前記電子カルテ装置1の前記制御部11は、ユーザー操作に応じて、前記ホーム画面から前記カルテ画面P1などへ遷移可能に構成される。
【0069】
すなわち、前記開始操作により、まず前記診察端末2の前記表示部24又は前記受付端末3の前記表示部34には、前記ホーム画面が表示される。そして、前記ホーム画面において、特定の操作がされると、前記ホーム画面から前記カルテ画面P1に遷移する。前記表示部24(又は前記表示部34)に表示される各種の操作画面(前記カルテ画面P1及び前記レセプト縦覧画面P2を含む)では、前記操作部25(又は前記操作部35)がユーザーの操作が受け付ける。
【0070】
以下では一例として、前記診察端末2は、前記操作部25に含まれるマウス及びキーボードにて、前記表示部24に表示される前記カルテ画面P1等の前記表示画面上での入力操作を受け付けることとする。つまり、例えば前記編集処理部113に、前記カルテ情報における前記診療情報D1を編集する前記編集処理を実行させる際においても、ユーザーは、前記操作部25に含まれるマウス及びキーボードを操作することで、前記診療情報D1を編集する操作(ユーザー操作)を行う。同様に、前記受付端末3は、前記操作部35に含まれるマウス及びキーボードにて、前記表示部34に表示される前記カルテ画面P1等の前記表示画面上での入力操作を受け付けることとする。なお、前記カルテ画面P1等の前記表示画面中の各種の操作ボタンは、前記表示画面に含まれるオブジェクトであって、当該操作ボタンは、当該操作ボタンを選択するような前記操作部25(又は前記操作部35)の操作によって操作される。例えば、ユーザーは、前記操作部25に含まれるマウスを操作し、前記カルテ画面P1中の任意の前記操作ボタンにカーソルを合わせてクリックするなどの操作を前記操作部25で行うことで、当該操作ボタンを操作できる。
【0071】
[カルテ画面P1]
ここではまず、前記診察端末2の前記表示部24に表示される前記カルテ画面P1について、図3及び図4を参照して説明する。
【0072】
図3は、前記カルテ画面P1の一例を示す図である。図3に示すように、前記カルテ画面P1には、前記過去カルテ領域A1、前記現在カルテ領域A2、患者情報領域A3、キーパッド領域A4、ショートカット領域A5、及びカレンダー領域A6などが含まれている。また、図3などの前記表示部24(又は前記表示部34)に表示される画面を示す図面において、領域を表す一点鎖線、引出線及び参照符号は、説明のために付しているに過ぎず、実際に前記表示部24(又は前記表示部34)に表示される訳ではない。
【0073】
前記過去カルテ領域A1は、基本的には、過去(前回又はそれ以前)の投薬情報などの前記診療情報D1、つまり過去カルテK2が表示される領域である。前記現在カルテ領域A2は、基本的には、現在入力中の投薬情報(今回処方)などの前記診療情報D1、つまり現在カルテK1が表示される領域である。前記過去カルテ領域A1と前記現在カルテ領域A2とは、前記カルテ画面P1において横方向(左右方向)に並べて配置されている。これにより、ユーザーにおいては、前記カルテ画面P1にて前記現在カルテK1と前記過去カルテK2とを一画面内で一覧することができ、例えば、前記過去カルテK2を参考にして前記現在カルテK1を編集することが可能となる。本実施形態では一例として、前記過去カルテ領域A1が左側、前記現在カルテ領域A2が右側に配置されているが、当該配置は逆であってもよいし、前記過去カルテ領域A1と前記現在カルテ領域A2とは縦方向(上下方向)に並べて配置されてもよい。
【0074】
前記患者情報領域A3は、患者の基本情報が表示される領域である。前記キーパッド領域A4は、前記電子カルテ(前記カルテ情報)の編集に用いられる前記キーパッドK4が表示される領域である。前記ショートカット領域A5は、前記電子カルテ(前記カルテ情報)の編集に用いられるショートカットキー等が表示される領域である。前記カレンダー領域A6は、日付及び曜日を表形式で表すカレンダー(七曜表)が表示される領域である。図3の例では、前記カレンダー領域A6には、横方向(左右方向)に並べて複数(ここでは3つ)のカレンダーが表示されている。
【0075】
前記電子カルテにおいては、前記カルテ画面P1の前記過去カルテ領域A1又は前記現在カルテ領域A2のように、1回の診察に関する前記診療情報として、「S」、「O」、「A」、「P」及び「指導」の各項目に分類されて各種の前記カルテ情報が記録される。「S」は主観情報(Subjective Information)であって、患者が主観的に感じている症状などに関する情報である。「O」は客観情報(Objective Information)であって、医師の診療所見及び検査所見などに関する情報である。「A」は評価情報(Assessment Information)であって、医師の評価及び判断などに関する情報である。「P」は計画情報(Plan Information)であって、投薬及び治療計画などに関する情報である。「指導」は指導情報であって、患者への教育及び指導などに関する情報である。なお、図3などにおいては便宜上、前記過去カルテK2を空白としているが、前記過去カルテK2について「S」、「O」、「A」、「P」及び「指導」の各項目が記載されていると、当該記載内容が前記カルテ画面P1の前記過去カルテK2に表示される。
【0076】
診察が開始されると、前記カルテ画面P1の前記現在カルテ領域A2に表示されている前記現在カルテK1に、前記診察端末2を用いた医師等のユーザー操作に応じて、一又は複数の前記カルテ情報が順次に記載される。ここで、前記現在カルテ領域A2に表示されている現在の診察を「今回」とした場合に、前記過去カルテ領域A1に表示されている前記過去カルテK2の前記診療情報は、同一患者についての前回(つまり今回の1つ前)、前々回(つまり今回の2つ前)、又はそれ以前(つまり今回の3つ以上前)のように、過去の任意の回の診察に係る情報である。前記過去カルテ領域A1に、いつの診察に係る前記過去カルテK2を表示させるかは、前記診察端末2を用いた医師等のユーザー操作により任意に選択される。
【0077】
前記業務支援システム10では、前記カルテ情報の前記診療情報D1を編集する方法として、例えば、前記現在カルテ領域A2に表示されている前記現在カルテK1の所望領域(所望項目)をマウス又はタッチパネル等で選択後、キーボードから文字列を入力することによって、前記電子カルテに前記診療情報D1が記載可能となる。また、前記キーパッド領域A4に表示されている前記キーパッドK4をマウス、テンキー又はタッチパネル等で操作することでも、前記診療情報D1を記載可能である。さらに、前記過去カルテ領域A1に表示される前記過去カルテK2の少なくとも一部の項目を、複写操作又はドラッグアンドドロップ操作等で前記現在カルテ領域A2に表示される前記現在カルテK1に複写することにより、前記過去カルテK2と同じ前記診療情報D1を前記現在カルテK1の前記カルテ情報に記載することも可能である。
【0078】
ただし、前記過去カルテ領域A1に表示されている前記過去カルテK2については、編集不可に構成されている。つまり、前記カルテ画面P1においては、前記過去カルテK2は、あくまで参照用の情報として表示されているのであって、前記過去カルテK2の内容(前記診療情報D1)を編集することはできない。
【0079】
ここで、前記電子カルテは患者ごとに記録されているので、いずれの患者についての前記電子カルテを表示させるかは、前記診察端末2に対するユーザーの操作によって指定される。具体的に、前記表示処理部112は、前記診察端末2において、患者リストから対象となる患者を選択するための操作が行われると、その選択された患者に対応する前記カルテ画面P1を表示する。当該カルテ画面P1においては、選択された患者についての過去の前記診療情報D1及び今回の前記診療情報D1などが、前記過去カルテ領域A1及び前記現在カルテ領域A2に表示される。
【0080】
なお、前記カルテ画面P1は、例えば、スライドバーを含み、前記スライドバーの操作により、縦方向(上下方向)又は横方向(左右方向)のスクロール表示が可能に構成されていてもよい。これにより、前記電子カルテに含まれる多くの情報(前記カルテ情報)を、前記カルテ画面P1を通してユーザーに提示することが可能となる。
【0081】
ところで、図3に示す前記カルテ画面P1においては、前記キーパッド領域A4に表示される前記キーパッドK4が、「4 終了」と表記されたキーK41を含んでいる。そして、前記編集処理部113は、前記診療情報D1が前記編集中情報として編集された後、例えば前記キーK41が操作されることをもって、前記確定操作がなされたこととして、当該編集中情報を含む前記診療情報D1を確定する。このとき、前記表示処理部112は、図4に示すように、終了処理画面P4を前記診察端末2の前記表示部24に表示させる。
【0082】
本実施形態では一例として、前記終了処理画面P4は、図4に示すように、前記カルテ画面P1に重ねてポップアップ表示される。前記終了処理画面P4は、前記カルテ画面P1の表示を終了するに際して必要な終了処理を行うための画面であって、当該カルテ画面P1に係る患者について、次回の診療の予約に関する事項(予約日、予約時間、診療科、医師、及び予約区分など)の入力を受け付ける。さらに、前記終了処理画面P4には、OKボタンK5及びキャンセルボタンK6が含まれている。前記終了処理画面P4において前記OKボタンK5が操作されると、前記表示処理部112は、前記カルテ画面P1及び前記終了処理画面P4の表示を終了する。前記終了処理画面P4において前記キャンセルボタンK6が操作されると、前記表示処理部112は、前記終了処理画面P4の表示を終了し、前記カルテ画面P1の表示へと戻る。
【0083】
[提案処理]
次に、前記提案処理部114が前記提案項目D2を提案する提案処理について、図5及び図6を参照して説明する。ここでは、前記カルテ画面P1上で編集される前記カルテ情報の前記診療情報D1に関して、前記提案項目D2が提案される場合を例として説明する。
【0084】
前記提案処理部114は、図5に示すように、前記提案画面P3を、前記診察端末2の前記表示部24又は前記受付端末3の前記表示部34等に表示させることをもって、前記提案項目D2の提示を行う。ここで、前記提案処理部114は、前記診療情報D1の編集を終了する操作があると、前記提案項目D2の提案を開始する。これにより、前記診療情報D1の編集が終了した時点で、当該診療情報D1において不足していると判定される前記提案項目D2が自動的に提案されるので、適切なタイミングで前記提案項目D2の提案が可能となる。
【0085】
具体的に、前記カルテ画面P1の前記キーK41(図3参照)の操作が、前記カルテ情報に含まれる前記診療情報D1の編集を終了する操作であるので、前記キーK41が操作されることをトリガーにして、前記提案処理部114は、前記提案項目D2を提案するための前記提案画面P3の表示を開始する。前記提案画面P3は、例えば図4に示すような前記終了処理画面P4に重ねてポップアップ表示される。
【0086】
図5に例示する前記提案画面P3は、第1欄C1、第2欄C2、第3欄C3、及び第4欄C4を含んでおり、前記第2欄C2に、前記提案項目D2が表示される。これにより、前記カルテ情報に含まれる前記診療情報D1において、例えばオーダー漏れ又は病名の付け忘れ等があれば、当該オーダー漏れ又は付け忘れた病名等が、前記提案項目D2として前記提案画面P3上に表示され、ユーザーに対して視覚的に前記提案項目D2の提案がなされる。
【0087】
ここで、前記提案項目D2は、前記診療行為と、前記医薬品と、前記医療材料と、前記病名とのうちの少なくとも1つに関する項目を含む。すなわち、本実施形態では、前記編集処理部113での編集対象となる前記診療情報D1が前記診療行為、前記医薬品、前記医療材料、及び前記病名に関する項目を含むところ、前記提案項目D2については、前記診療行為、前記医薬品、前記医療材料、及び前記病名に関する項目のうちの少なくとも1つを含む。これにより、前記診療行為、前記医薬品、若しくは前記医療材料についてのオーダー漏れ、又は前記病名の付け忘れがあれば、当該オーダー漏れ又は付け忘れた病名を、前記提案項目D2としてユーザーに提案することが可能となる。
【0088】
具体的に、図5においては、前記第2欄C2に、「aaa症」、「bbb症」、「ccc症」…といった「病名」が、それぞれ前記提案項目D2として表示されている。つまり、図5の例では、前記診療情報D1に基づいて、前記診療情報D1において前記病名に関する項目が不足していると判定された結果、当該病名が前記提案項目D2として提案されている。しかも、本実施形態では、前記提案処理部114は、複数の前記提案項目D2を提案する。これにより、ユーザーにおいては、複数の前記提案項目D2の中から、採用する前記提案項目D2を選択することが可能である。
【0089】
また、前記第1欄C1には優先順位が表示されている。前記優先順位は、複数の前記提案項目D2のそれぞれに対応付けられており、前記提案項目D2の各々の優先度合い(推薦度合い)を表している。ここでは、前記優先順位の数字が小さいほど前記提案項目D2の優先度合いが高いことを意味する。そして、優先度合いが最も高い前記提案項目D2が最上段に位置し、下段に向けて前記優先順位の数字が徐々に大きくなるように、前記提案項目D2が並べて表示されている。
【0090】
前記第3欄C3には確度が表示されている。前記確度は、複数の前記提案項目D2のそれぞれに対応付けられており、前記提案項目D2の各々の確かさの度合い(確からしさ)を表している。ここでは、前記確度は「0」よりも大きく「1」以下の範囲で求められており、前記確度の数字が大きいほど前記提案項目D2の確からしさが高いことを意味する。そして、最も確からしい前記提案項目D2が最上段に位置し、下段に向けて前記確度の数字が徐々に小さくなるように、前記提案項目D2が並べて表示されている。本実施形態では、前記優先順位は前記確度に応じて求められており、前記確度の数字が大きいほど前記優先順位の数字は小さくなる。
【0091】
このように、本実施形態では、前記提案処理部114は、前記提案項目D2を、それぞれ前記確度に対応付けて複数提案する。したがって、ユーザーにおいては、前記確度を参考にして、複数の前記提案項目D2の中から、いずれの前記提案項目D2を選択するべきか判断しやすくなる。
【0092】
また、前記第4欄C4には前記アクションボタンK11,K12が表示されている。前記アクションボタンK11,K12は、複数の前記提案項目D2のそれぞれに対応付けられており、前記提案項目D2の各々についてのユーザーの評価を受け付けるボタンである。ユーザーは、前記提案項目D2を高評価する際に「Good」と表記されている前記アクションボタンK11を選択操作し、前記提案項目D2を低評価する際に「Bad」と表記されている前記アクションボタンK12を選択操作する。そして、前記提案項目D2と、これに対応する前記アクションボタンK11,K12の操作履歴(ログ)と、が対応付けられて前記評価情報D3を構成する。
【0093】
つまり、前記制御部11は、前記アクションボタンK11,K12の操作履歴(ログ)を集計し、複数の前記評価情報D3を生成する。このようにして生成される複数の前記評価情報D3は、前記学習処理部117での前記学習済みモデルM1の再学習に使用される。ここで、前記アクションボタンK11,K12の操作履歴に関しては、例えば、診療科、又はユーザー(医師)などの集計単位が設定されており、当該集計単位ごとに前記操作履歴が集計されてもよい。これにより、前記集計単位ごとに前記評価情報D3が生成され、前記学習済みモデルM1の再学習も前記集計単位ごとに行うことが可能になる。なお、前記アクションボタンK11,K12の操作は任意であって、ユーザーは、前記アクションボタンK11,K12のいずれも操作しなくてもよい。
【0094】
また、前記提案画面P3は、スライドバーK13、及び第5欄C5を含み、前記スライドバーK13の操作により、縦方向(上下方向)のスクロール表示が可能に構成されている。これにより、多くの前記提案項目D2を、前記提案画面P3を通してユーザーに提示することが可能となる。前記第5欄C5には、例えば「以下のオーダーをお忘れではないでしょうか?確認中のレセプトとオーダー内容が類似したレセプトを紹介します。」のように、前記提案項目D2の採用検討をユーザーに促すためのメッセージが表示される。
【0095】
また、図5の例では、前記提案画面P3は、設定ボタンK14、更新ボタンK15、及び閉じるボタンK16を更に含んでいる。
【0096】
前記設定ボタンK14は、前記提案項目D2の提案に関する前記動作設定を行うためのボタンである。前記設定ボタンK14が操作されると、前記動作設定画面が表示され、当該動作設定画面において、前記提案項目D2の提案に関する前記動作設定のためのユーザー操作を受け付ける。前記提案項目D2の提案に関する前記動作設定で設定される事項として、例えば、提案する前記提案項目D2の最大個数、提案する前記提案項目D2の前記確度の最小値、及び前記学習済みモデルM1の指定などがある。一例として、提案する前記提案項目D2の最大個数が「5」に設定されていると、前記提案画面P3に表示される前記提案項目D2は最大で5つまでとなる。提案する前記提案項目D2の前記確度の最小値が「0.6」に設定されていると、前記提案画面P3に表示される前記提案項目D2は、前記確度が「0.6」以上の前記提案項目D2に限定される。
【0097】
さらに、前記学習済みモデルM1の指定においては、ユーザーは、前記提案項目D2の提案に使用される前記学習済みモデルM1を指定(選択)することが可能である。すなわち、本実施形態では、複数の前記学習済みモデルM1が用意されており、ユーザーにおいては、これら複数の前記学習済みモデルM1の中から、前記提案項目D2の提案に使用される前記学習済みモデルM1を任意に指定可能である。
【0098】
より詳細には、例えば、医療機関、診療科、又はユーザー(医師)などの前記学習単位ごとに前記学習済みモデルM1が生成されることで、複数の前記学習済みモデルM1が生成されている。本実施形態では、少なくとも前記学習単位を設定せずに生成された前記学習済みモデルM1(「第1モデル」という)と、例えば「内科」のような特定の診療科を前記学習単位として生成された前記学習済みモデルM1(「第2モデル」という)と、が用意されている。そして、前記学習済みモデルM1に前記第1モデルが指定されることで、特定の診療科に偏らない前記提案項目D2の提案が可能となる。一方、前記学習済みモデルM1に前記第2モデルが指定されることで、特定の診療科に特化した前記提案項目D2の提案が可能となる。
【0099】
要するに、前記学習済みモデルM1は、複数の前記診療科において共通で使用される前記第1モデルと、複数の前記診療科の各々に特化した前記第2モデルと、を含む。前記提案処理部114は、前記提案項目D2の提案に使用する前記学習済みモデルM1を、前記第1モデルと前記第2モデルとで切替可能である。したがって、前記第1モデルが指定されることで、前記診療情報D1の蓄積が不十分な分野(診療科)においても前記提案項目D2の提案が可能となり、様々な分野の症状を抱えた患者に対しても適切な提案を行いやすくなる。また、前記第2モデルが指定されることで、特定の分野(診療科)に特化してより適切な前記提案項目D2の提案が可能となり、的外れな提案を低減できる。
【0100】
さらに、本実施形態では、例えば前記学習済みモデルM1を使用して前記提案項目D2の提案を行う前記医療機関を前記学習単位として生成された前記学習済みモデルM1(「第3モデル」という)が更に用意されている。そして、前記学習済みモデルM1に前記第3モデルが指定されることで、当該医療機関に特化してより適切な前記提案項目D2の提案が可能となり、的外れな提案を低減できる。一方、前記第1モデルが指定されることで、ユーザーに対して新たな気付きを与えやすくなる。
【0101】
前記更新ボタンK15は、前記アクションボタンK11,K12の操作、及び前記提案項目D2の提案に関する前記動作設定を反映するためのボタンである。例えば、前記アクションボタンK11,K12の操作があった場合、前記更新ボタンK15が操作されると、前記提案処理部114は、前記アクションボタンK11,K12の操作を反映して前記提案項目D2の再提案を行う。一例として、ある前記提案項目D2について前記アクションボタンK12が操作されている場合には、当該提案項目D2の前記確度が低下する傾向となる。ただし、前記アクションボタンK11,K12の操作が反映されることで、前記提案項目D2の前記確度が常に変化する訳ではなく、当該確度が変化しないこともある。同様に、前記提案項目D2の提案に関する前記動作設定の変更があった場合、前記更新ボタンK15が操作されると、前記提案処理部114は、変更後の前記動作設定に従って前記提案項目D2の再提案を行う。
【0102】
前記閉じるボタンK16は、前記提案画面P3を閉じるためのボタンである。つまり、前記閉じるボタンK16が操作されると、前記制御部11は、前記提案画面P3の表示を終了する。前記提案画面P3の表示が終了すると、図4のような前記終了処理画面P4の表示に戻る。そのため、前記提案項目D2を採用して前記診療情報D1に追加する場合には、ユーザーは、前記終了処理画面P4において前記キャンセルボタンK6を操作し、前記カルテ画面P1に戻す。一方、前記提案項目D2を採用しない(前記診療情報D1に追加しない)場合には、ユーザーは、前記終了処理画面P4において前記OKボタンK5を操作し、前記カルテ画面P1及び前記終了処理画面P4の表示を終了させる。
【0103】
図6は、前記提案処理部114が行う、前記学習済みモデルM1を用いた前記提案項目D2の推定処理の一例を概念的に示す説明図である。本実施形態では、前記提案処理部114は、前記提案項目D2の推定(判定)を行うための手法として、協調フィルタリング(Collaborative Filtering)を利用する。つまり、前記提案処理部114は、患者同士の類似性を、アソシエーション分析(相関分析)で解析し、ある患者の前記診療情報D1についての前記提案項目D2の推定を、別の患者の前記診療情報D1に基づいて行う。
【0104】
要するに、前記提案処理部114は、図6に示すように、前記学習済みモデルM1を用いて、まず複数(実際には多数)の患者Y1,Y2,Y3が含まれる患者群の中から、患者X1に類似する患者を検索する。このとき、患者同士の類似度は、例えば、患者の前記診療情報D1に基づいて特定される。あるいは、当該診療情報D1に加えて又は代えて、患者の年齢、性別、既往歴、処方薬履歴、飲酒有無、喫煙有無、家族情報、及び患者の身長、体重、体表面積等の身体情報など、患者に関する種々の情報を用いて、前記患者同士の類似度が特定されてもよい。図6の例では、前記患者X1に類似する患者(類似患者)として前記患者Y1が特定され、一方、前記患者Y2,Y3は、前記患者X1との類似度の低さから前記患者X1の非類似患者として特定されている。
【0105】
そして、前記提案処理部114は、図6に示すように、前記患者X1の前記診療情報D1について、類似する前記患者Y1の前記診療情報D1と比較したときに、不足していると推定される項目を前記提案項目D2として特定する。図6の例では、傷病コード「AAAA」、診療行為「BBBB」である前記診療情報D1に着目すると、前記患者Y1の当該診療情報D1の医薬品「DDDD」が、前記患者X1の当該診療情報D1の医薬品には含まれていない。この場合、前記提案処理部114は、前記医薬品「DDDD」を、前記提案項目D2として、前記患者X1の前記診療情報D1に追加するよう提案する。なお、より類似度の高い患者の前記診療情報D1から前記提案項目D2が推定される場合には、前記提案項目D2の前記確度はより高くなる。
【0106】
[動作設定]
前記提案処理に関する前記業務支援システム10の機能の有効/無効は、前記制御部11の前記設定処理部116が行う前記動作設定に係る前記設定処理によって切替可能である。
【0107】
具体的に、前記動作設定のためのユーザー操作は、前記診察端末2又は前記受付端末3に表示される前記動作設定画面上で行われる。前記動作設定画面は、前記提案項目D2の提案機能の有効/無効を設定する項目を含んでいる。そして、前記動作設定画面にて前記提案機能が有効に設定されていれば、前記提案処理部114による前記提案項目D2の提案が可能になる。一方、前記動作設定画面にて前記提案機能が無効に設定されていれば、前記提案処理部114による前記提案項目D2の提案がされなくなる。
【0108】
また、前記動作設定画面は、前記提案項目D2の提案を行うタイミング(提案タイミング)を設定する項目を含んでいる。そして、前記診療情報D1の編集の終了時点が前記提案タイミングに設定されていると、前記診療情報D1の編集を終了する前記キーK41の操作があると、前記提案処理部114は前記提案項目D2の提案を開始する。また、前記カルテ画面P1における点検操作ボタンの操作時点が前記提案タイミングに設定されていると、前記カルテ画面P1において前記点検操作ボタンの操作があると、前記提案処理部114は前記提案項目D2の提案を開始する。
[フローチャート]
図7を参照しつつ、前記業務支援方法のうち特に前記提案処理に係る前記制御部11の処理の手順の一例について説明する。
【0109】
<ステップS1>
ステップS1において、前記制御部11の前記提案処理部114は、前記提案処理を開始するか否かを判断する。例えば、前記診療情報D1の編集を終了する操作(前記カルテ画面P1の前記キーK41の操作)があるか、又は前記点検操作ボタンの操作があると、前記提案処理部114は、前記提案処理を開始すると判断し(S1:Yes)、処理をステップS2に移行する。一方、前記診療情報D1の編集を終了する操作も前記点検操作ボタンの操作もなければ、前記提案処理部114は、前記提案処理を開始しないと判断し(S1:No)、前記ステップS1を繰り返し実行する。
【0110】
<ステップS2>
前記ステップS2においては、前記制御部11の前記提案処理部114は、前記学習済みモデルM1を使用して、前記診療情報D1において不足していると推定される項目を前記提案項目D2として特定する。その後、前記制御部11は、処理をステップS3に移行する。
【0111】
<ステップS3>
前記ステップS3において、前記制御部11の前記提案処理部114は、前記提案項目D2の有無を判断する。前記診療情報D1において不足していると推定される項目があれば、前記提案処理部114は、前記提案項目D2があると判断し(S3:Yes)、処理をステップS4に移行する。一方、前記診療情報D1において不足していると推定される項目がなければ、前記提案処理部114は、前記提案項目D2が無いと判断し(S3:No)、一連の処理を終了する。
【0112】
<ステップS4>
前記ステップS4においては、前記制御部11の前記提案処理部114は、前記提案項目D2の提案を行う。このとき、前記提案処理部114は、前記提案画面P3を表示させ、前記提案画面P3上に前記提案項目D2を表示させることにより、ユーザーに対して前記提案項目D2を提案する。その後、前記制御部11は、処理をステップS5に移行する。
【0113】
<ステップS5>
前記ステップS5において、前記制御部11の前記学習処理部117は、前記提案項目D2に対するユーザーによる評価の有無を判断する。前記提案画面P3上の前記アクションボタンK11,K12の操作があれば、前記学習処理部117は、前記提案項目D2に対する評価があると判断し(S5:Yes)、処理をステップS6に移行する。一方、前記提案画面P3上の前記アクションボタンK11,K12の操作がなければ、前記学習処理部117は、前記提案項目D2に対する評価が無いと判断し(S5:No)、一連の処理を終了する。
【0114】
<ステップS6>
前記ステップS6においては、前記制御部11の前記学習処理部117は、前記学習済みモデルM1の再学習を行う。このとき、前記学習処理部117は、前記アクションボタンK11,K12の操作履歴(ログ)を含む前記評価情報D3に基づいて、前記学習済みモデルM1の再学習を実行し、一連の処理を終了する。
【0115】
なお、上記のフローチャートは一例に過ぎず、処理が適宜追加又は省略されてもよいし、処理の順番が適宜入れ替わってもよい。
【0116】
[その他の機能]
その他の機能として、前記提案処理部114は、例えば、前記レセプト情報に含まれる前記診療情報D1に関して、前記提案項目D2を提案することが可能である。具体的に、例えば図8に示すような前記レセプト縦覧画面P2において、特定の操作がされると、前記提案処理部114は、前記提案項目D2を提案する提案処理を実行する。前記レセプト縦覧画面P2は、同一の患者について、互いに異なる期間における複数の前記レセプト情報を並べて表示する画面である。
【0117】
前記レセプト縦覧画面P2は、図8に示すように、編集月(ここでは「2022年1月」)の前記レセプトRc1を構成する前記診療情報D1が表示される第1レセプト領域A11と、過去月(ここでは「2021年3月」、「2021年4月」及び「2021年10月」)の前記レセプトRc1を構成する前記診療情報D1が表示される第2レセプト領域A12と、を含む。さらに、前記レセプト縦覧画面P2は、電算チェックボタンK7と、閉じるボタンK8と、を含んでいる。
【0118】
前記電算チェックボタンK7は、前記第1レセプト領域A11に表示される前記レセプトRc1についての電算チェックを実行するためのボタンである。前記電算チェックボタンK7が操作されると、前記制御部11の前記提案処理部114は、前記レセプト情報に含まれる前記診療情報D1について提案処理を実行し、前記提案項目D2があれば、前記提案画面P3を表示させる。
【0119】
前記閉じるボタンK8は、前記レセプト縦覧画面P2を閉じるためのボタンである。つまり、前記閉じるボタンK8が操作されると、前記制御部11の前記表示処理部112は、前記レセプト縦覧画面P2の表示を終了する。この場合においても、前記制御部11の前記提案処理部114は、前記レセプト情報に含まれる前記診療情報D1について提案処理を実行し、前記提案項目D2があれば、前記提案画面P3を表示させる。
【0120】
また、前記会計情報に含まれる前記診療情報D1についても同様に、前記提案処理部114は、前記提案項目D2を提案することが可能である。例えば、前記会計情報を含む会計画面において、特定の操作(前記会計画面の表示を終了する操作など)がされると、前記提案処理部114は、前記提案項目D2を提案する提案処理を実行する。
【0121】
また、前記提案項目D2を選択することにより、当該提案項目D2が前記診療情報D1に反映されてもよい。これにより、ユーザーにおいては、前記提案項目D2を承認する意思をもって前記提案項目D2を選択するだけで、当該提案項目D2を反映するように前記診療情報D1が自動的に修正される。
【0122】
[在宅医療向け機能]
次に、前記業務支援システム10が有する在宅医療(在宅診療)向けの機能について説明する。本開示でいう「在宅医療」は、住宅、又は、特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)、有料老人ホーム、グループホーム、若しくはサービス付き高齢者住宅などの施設に医師等が赴いて診療を行うことを意味する。前記在宅医療には、計画的に医師が訪問する訪問診療が含まれる。
【0123】
前記在宅医療においては、前記医療機関は、外来診療のように患者負担額を診療の都度請求するのではなく、例えば1ヵ月等の特定期間の診療に係る患者負担額をまとめて請求する。さらに、例えば特別養護老人ホームのように複数の患者がいる前記施設での前記在宅医療においては、前記複数の患者に対してまとめて診療が行われる場合があり、このような場合、前記医療機関は、前記複数の患者への請求を前記施設単位でまとめて行うことがある。
【0124】
このような前記在宅医療に向けて、本実施形態に係る前記業務支援システム10は、以下に説明するように、前記カルテ画面P1に関する機能と、前記会計処理等を含む窓口業務に関する機能と、を有している。
【0125】
まず、前記カルテ画面P1に関する前記在宅医療向けの機能として、前記業務支援システム10は、公費分点(公費分点数)の指示機能を有している。例えば、同一の患者であっても精神疾患と難病とでは、処方される医薬品が異なり、使用できる公費も異なるため、公費分点が必要になる。そして、一般的な外来診療であれば、診療ごとに個別の前記会計画面で公費分点が行われるが、前記特定期間の診療(及び/又は前記複数の患者)の請求をまとめて行う前記在宅医療においては、診療ごとに個別の前記会計画面が表示されない場合がある。そこで、本実施形態では、前記編集処理部113は、前記診療情報D1を含む前記カルテ情報を編集可能な前記カルテ画面P1上において、ユーザーの操作に応じて、前記公費分点数を編集可能である。したがって、前記在宅医療においては、態々、個別の前記会計画面を表示しなくとも、前記公費分点数の編集が可能となり、前記業務支援システム10の利便性が向上する。
【0126】
具体的に、前記カルテ画面P1において、例えば前記キーパッドK4に含まれる公費分点キーが操作されると、前記公費分点を編集(指示)するための操作がされたこととして、前記表示処理部112は、図9に示すように、公費分点画面P6を前記診察端末2の前記表示部24に表示させる。本実施形態では一例として、前記公費分点画面P6は、前記カルテ画面P1に重ねてポップアップ表示される。前記公費分点画面P6は、前記医薬品に対して前記公費分点を指定するための画面である。図9の例では、前記公費分点画面P6は、公費分点領域A61を含んでいる。前記公費分点領域A61には、一例として精神疾患に係る公費「21」欄と、難病法に係る公費「54」欄と、が設けられており、前記医薬品について、適用される公費に関して「適用」との表示がされている。
【0127】
さらに、前記公費分点画面P6には、OKボタンK61及びキャンセルボタンK62が含まれている。前記公費分点画面P6において前記OKボタンK61が操作されると、前記公費分点画面P6で指示されている前記公費分点を採用した上で、前記表示処理部112は、前記公費分点画面P6の表示を終了する。前記公費分点画面P6において前記キャンセルボタンK62が操作されると、前記公費分点画面P6で指示されている前記公費分点をキャンセルした上で、前記表示処理部112は、前記公費分点画面P6の表示を終了する。
【0128】
ここで、前記公費分点画面P6での公費の適用状況は、前記会計画面の分点情報と共通である。また、登録後に公費を削除した場合、当該公費については前記カルテ画面P1に表示させず、前記会計画面にも情報反映させない。一方、登録後に公費を追加した場合、当該公費については、前記カルテ画面P1に表示させるが、未適用の状態にし、前記会計画面に情報反映させる。そして、前記カルテ画面P1において、前記処方箋の印刷が支持された場合、前記公費分点の指示が行われていると、前記出力処理部115は、当該処方箋を、公費の適用状況に応じて2枚に分けて発行(印刷)する。
【0129】
また、前記カルテ画面P1において編集された前記公費分点に係る情報は、初回算定時、及び前記電子カルテの再読時に、前記会計画面に反映される。一方、保険情報再算定時には、前記会計画面においては、前記カルテ画面P1において編集された前記公費分点に係る情報を参照しない。また、前記会計画面から前記カルテ画面P1に対しては、前記公費分点に係る情報は反映されない。
【0130】
なお、前記カルテ画面P1での前記公費分点の指示機能は、前記設定処理部116が行う前記動作設定に係る前記設定処理において有効/無効を切替可能である。
【0131】
また、前記窓口業務に関する前記在宅医療に向けの機能として、前記業務支援システム10は、集計グループ単位で、複数の会計情報を一括りにして一括出力する一括出力機能を有している。
【0132】
前記集計グループは、ユーザーの操作に応じて指定されるグループであって、前記特定期間、特別養護老人ホームのような一つの前記施設にいる複数の患者からなる患者グループ、又はこれらの組み合わせを意味する。要するに、前記特定期間(例えば1ヵ月)を前記集計グループとする場合、前記一括出力機能によれば、当該集計グループ(前記特定期間)単位で、複数の前記会計情報が一括りにして一括出力される。同様に、特別養護老人ホームのような一つの前記施設にいる複数の患者からなる前記患者グループを前記集計グループとする場合、前記一括出力機能によれば、当該集計グループ(前記患者グループ)単位で、複数の前記会計情報が一括りにして一括出力される。
【0133】
本実施形態に係る前記業務支援システム10では、前記入力処理部111は、患者の前記診療情報D1に対応する会計情報を取得する。前記出力処理部115は、ユーザーの操作に応じて指定される前記集計グループ単位で、複数の前記会計情報を一括りにして前記一括出力可能である。したがって、前記在宅医療においては、複数の前記会計情報を個別に出力する場合に比べて、前記会計情報の出力に係るユーザーの手間が軽減される。
【0134】
ここで、前記集計グループは、1以上の診療日を含む前記特定期間と、複数の患者を含む前記患者グループとの少なくとも一方により規定される。これにより、前記在宅医療においては、前記特定期又は前記患者グループに含まれる複数の前記会計情報を個別に出力する場合に比べて、前記会計情報の出力に係るユーザーの手間が軽減される。
【0135】
具体的に、前記表示処理部112は、前記窓口業務を行う前記受付端末3の前記表示部34に、図10に示すような、一括請求画面P5を表示させる。前記一括請求画面P5には、検索条件領域A51、及びリスト表示領域A52などが含まれている。また、前記一括請求画面P5は、一括請求ボタンK51、一括カルテ再読ボタンK52、一括精算ボタンK53、検索ボタンK54、給管帳一括会計読込ボタンK55、各種印刷ボタンK56、及びカルテボタンK57等の操作ボタンを含んでいる。
【0136】
前記一括請求画面P5は、患者登録画面等において「一括請求」にチェックが付されている患者区分を登録している患者を対象に、前記リスト表示領域A52に一覧表示する画面である。前記検索条件領域A51は、患者ID、氏名、患者区分、及び診察月等の検索条件を入力するための領域である。前記リスト表示領域A52は、前記検索条件での検索結果の一覧が表示される領域である。前記診察月は、前記集計グループである前記特定期間を指定する。前記検索条件領域A51に、例えば前記検索条件として前記診察月(図10の例では「令和3年12月」)が入力された状態で、前記検索ボタンK54が操作されると、前記リスト表示領域A52に前記検索結果の一覧が表示される。
【0137】
前記一括請求画面P5において、前記一括請求ボタンK51が操作されると、前記業務支援システム10は、例えば前記診療月などの前記集計グループ単位で、まとめて前記会計処理を実行する。これにより、前記業務支援システム10は、前記診療月などの前記集計グループ単位で、まとめて請求書等の発行が可能となる。
【0138】
前記リスト表示領域A52は、図11に示すように、選択欄C51、患者ID欄C52、(患者)氏名欄C53、グループ名称欄C54、患者区分名称欄C55、請求点数欄C56、請求金額欄C57、日付欄C58、領収済金額欄C59、今回請求額欄C60、及び給管帳取込日欄C61などを含んでいる。なお、以下に参照する図11は、前記一括請求画面P5における前記リスト表示領域A52(スライドバーを除く)に対応する部位を取り出した図面であって、それ以外の図示を適宜省略する。前記リスト表示領域A52内の表示は、スライドバーK58によってスクロール可能である。具体的に、図11に示すように、前記スライドバーK58が操作されることによって、前記リスト表示領域A52における前記氏名欄C53よりも右側部分がスクロール可能である。図11では、上段がスクロール前、下段がスクロール後を示している。
【0139】
前記請求点数欄C56には、当月の請求点数が表示される。ただし、個別精算(会計画面で精算)を行った日付の点数は、前記請求点数欄C56には計上しない。前記請求金額欄C57には、当月の総請求金額が表示される。ただし、個別精算を行った日付であっても、点検で差額が発生していた場合はその金額も集計対象とする。前記領収済金額欄C59には、既に領収している金額が表示される。前記今回請求額欄C60には、今回の一括精算により領収予定の金額が表示される。ただし、個別精算(会計画面で精算)を行った領収金額は表示されない。
【0140】
ここで、前記請求金額欄C57、前記領収済金額欄C59及び前記今回請求額欄C60のそれぞれには、前記会計情報が含まれる。そして、前記会計情報は、医療保険に係る第1情報と、介護保険に係る第2情報と、前記第1情報及び前記第2情報の合算である第3情報と、を含む。つまり、例えば前記請求金額欄C57には、当月の請求金額のうち、前記医療保険に係る金額(保険)と、前記介護保険に係る金額(介護)と、これらの合計金額(合計)と、が含まれる。なお、前記業務支援システム10と給管帳との連携が行われない場合、前記介護保険に係る金額(介護)については、ユーザーが手動で入力する。
【0141】
前記一括カルテ再読ボタンK52は、一括でカルテの再読処理を行うための操作ボタンである。前記一括カルテ再読ボタンK52が操作されると、前記選択欄C51にチェックが入っている患者のうち、各日付でカルテ再読が必要な患者に対して一括でカルテ再読処理が行われる。当該カルテ再読処理の完了後は、前記一括請求画面P5が更新される。前記一括精算ボタンK53は、一括精算処理を行うための操作ボタンである。前記一括精算ボタンK53が操作されると、前記選択欄C51にチェックが入っている患者を対象に一括精算処理が行われる。このとき、元のデータ構成は変更せず、介護請求情報も精算対象に加える。そして、前記一括精算処理では、領収書(兼請求書)及び明細書(一括明細書)が印刷される。前記一括精算処理の完了後は、前記一括請求画面P5が更新される。
【0142】
前記給管帳一括会計読込ボタンK55は、給管帳連携機能が有効である前記受付端末3でのみ表示される。前記給管帳一括会計読込ボタンK55が操作されると、前記業務支援システム10は、前記選択欄C51にチェックが入っている患者を対象に、前記給管帳から介護請求金額の情報を取り込み、情報管理する。前記給管帳一括会計読込処理の完了後は、前記一括請求画面P5が更新される。
【0143】
前記各種印刷ボタンK56は、一括請求書兼領収書、一括明細書、及び施設別請求書などを印刷するための操作ボタンである。前記各種印刷ボタンK56が操作されると、印刷画面が表示され、前記印刷画面上で種々の設定がされた上で、前記選択欄C51にチェックが入っている患者を対象に、前記一括請求書兼領収書、前記一括明細書、及び前記施設別請求書などが印刷される。前記一括請求書兼領収書は、前記一括精算時に印刷した領収書の再印刷用の書面、前記一括明細書は、前記一括精算時に印刷した明細書の再印刷用の書面、前記施設別請求書は、前記施設単位の請求書である。
【0144】
前記カルテボタンK57は、前記カルテ画面P1を表示させるための操作ボタンである。前記カルテボタンK57が操作されると、前記選択欄C51で選択されている患者のカルテ(該当月の最新日付のカルテ)が表示される。
【0145】
ここで、前記日付欄C58は、「1」,「2」…「31」の日付ごとにセルが設けられており、各セルに、前記個別精算を表す「個」の文字、又は前記一括精算を表す「1」,「2」等の数字が表示される。前記一括精算を表す数字は、該当日の受付数を表す。つまり、診療(受付)を行っていない日付のセルは、空白表示であるのに対して、診療(受付)が行われた日付のセルには、何らかの文字又は数字が表示される。図11の例では、氏名「aaa」の患者は、「1日」に前記外来診療を受けたため、「1日」のセルに前記個別請求を表す「個」が表示され、「3日」及び「28日」は前記在宅医療を受けたため、「3日」及び「28日」のセルに前記一括請求を表す「1」が表示される。
【0146】
このように、本実施形態では、前記出力処理部115は、一の患者の複数日分の前記会計情報について、前記一括出力の対象とされる一括情報と、前記一括出力の対象でない個別情報と、で区別できる態様で出力する。そのため、ユーザーにおいては、例えば前記一括請求画面P5上で、前記一括請求(前記一括出力)の対象と、前記個別請求の対象と、を容易に区別できる。特に前記一括請求画面P5では、日付ごとに前記一括請求の対象と、前記個別請求の対象と、が区別されるので、ユーザーにおいては、いつから前記在宅医療に切り替わっているかを容易に把握できる。
【0147】
また、前記窓口業務における前記一括出力機能は、前記設定処理部116が行う前記動作設定に係る前記設定処理において有効/無効を切替可能である。すなわち、前記出力処理部115は、前記会計情報の出力態様として、一の前記会計情報を個別に出力する個別出力(前記個別請求)と、前記一括出力(前記一括請求)と、を切替可能である。
【0148】
なお、上述した前記カルテ画面P1に関する機能、及び前記窓口業務に関する機能は、前記在宅医療だけではなく、その他の診療態様に向けて用いられてもよい。
【0149】
[変形例]
前記業務支援システム10に含まれる複数の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。反対に、上記実施形態において、複数の筐体に分散している複数の構成要素(前記制御部11及び前記表示部24など)が、1つの筐体に集約して設けられていてもよい。
【0150】
また、前記カルテ画面P1等の表示画面が前記診察端末2の前記表示部24又は前記受付端末3の前記表示部34に表示されることは必須ではなく、例えば前記電子カルテ装置1の前記表示部14に前記カルテ画面P1等が表示されてもよい。さらに、前記カルテ画面P1等の表示画面は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどの前記表示部24に限らず、例えばプロジェクターなどの表示装置によって投影表示されてもよい。
【0151】
また、前記動作設定に係る設定は、前記医療機関ごとに限らず、例えば、患者ごと、診療科ごと、担当医師ごと、又は担当薬剤師ごと等で行われてもよい。
【0152】
また、前記提案処理部114が、前記診療情報D1の編集を終了する操作があると、前記提案項目D2の提案を開始することは必須ではない。前記提案処理部114は、例えば、前記カルテ画面P1における前記点検操作ボタンなどが操作された場合にのみ、前記提案項目D2の提案を開始してもよい。
【0153】
また、前記提案項目D2が、前記診療行為と、前記医薬品と、前記医療材料と、前記病名とのうちの少なくとも1つに関する項目を含むことは必須ではない。
【0154】
また、前記提案処理部114が、前記提案項目D2を、それぞれ前記確度に対応付けて複数提案することは必須ではない。つまり、前記確度に関しては、ユーザーに対して提案(提示)されなくてもよい。さらに、前記提案処理部114は、前記提案項目D2を1つのみ提案してもよい。
【0155】
前記提案処理部114が、機械学習によって生成される前記学習済みモデルM1を使用して、前記提案項目D2の提案を行うことは必須ではない。つまり、前記提案処理部114は、前記学習済みモデルM1を用いることなく、前記提案項目D2の提案を実行してもよい。さらに、前記提案項目D2に対するユーザーの反応に基づいて、前記学習済みモデルM1の再学習を行う前記学習処理部117は必須ではなく、適宜省略可能である。さらに、前記学習済みモデルM1が、複数の診療科において共通で使用される前記第1モデルと、複数の前記診療科の各々に特化した前記第2モデルと、を含むことは必須ではない。また、前記提案処理部114が、前記提案項目D2の提案に使用する前記学習済みモデルM1を、前記第1モデルと前記第2モデルとで切替可能であることは必須ではない。
【0156】
〔発明の付記〕
以下、上述の実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0157】
<付記1>
ユーザーの操作に応じて、患者に対応する診療情報を編集する編集処理部と、
前記診療情報において不足していると当該診療情報に基づいて判定される項目を、提案項目として提案する提案処理部と、を備える、
業務支援システム。
【0158】
<付記2>
前記提案処理部は、前記診療情報の編集を終了する操作があると、前記提案項目の提案を開始する、
付記1に記載の業務支援システム。
【0159】
<付記3>
前記提案項目は、診療行為と、医薬品と、医療材料と、病名とのうちの少なくとも1つに関する項目を含む、
付記1又は2に記載の業務支援システム。
【0160】
<付記4>
前記提案処理部は、前記提案項目を、それぞれ確度に対応付けて複数提案する、
付記1~3のいずれかに記載の業務支援システム。
【0161】
<付記5>
前記提案処理部は、機械学習によって生成される学習済みモデルを使用して、前記診療情報に基づいて前記提案項目の提案を行う、
付記1~4のいずれかに記載の業務支援システム。
【0162】
<付記6>
前記提案項目に対するユーザーの反応に基づいて、前記学習済みモデルの再学習を行う学習処理部を更に備える、
付記5に記載の業務支援システム。
【0163】
<付記7>
前記学習済みモデルは、複数の診療科において共通で使用される第1モデルと、複数の前記診療科の各々に特化した第2モデルと、を含み、
前記提案処理部は、前記提案項目の提案に使用する前記学習済みモデルを、前記第1モデルと前記第2モデルとで切替可能である、
付記5又は6に記載の業務支援システム。
図1
図2
図3
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図5
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図9
図10
図11