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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161272
(43)【公開日】2023-11-07
(54)【発明の名称】展示ケース
(51)【国際特許分類】
   A47F 3/00 20060101AFI20231030BHJP
   E05D 15/10 20060101ALI20231030BHJP
   E05D 13/00 20060101ALI20231030BHJP
   E05F 15/40 20150101ALI20231030BHJP
   A47F 11/02 20060101ALI20231030BHJP
   E05D 15/06 20060101ALN20231030BHJP
【FI】
A47F3/00 F
E05D15/10
E05D13/00 Z
E05F15/40
A47F11/02
E05D15/06 119
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071544
(22)【出願日】2022-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100166958
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 喜代造
(72)【発明者】
【氏名】石橋 勇
【テーマコード(参考)】
2E034
2E052
3B110
【Fターム(参考)】
2E034BA04
2E034GA02
2E034GB01
2E052AA01
2E052EA16
2E052EC01
2E052GC05
2E052GD02
3B110FA03
3B110GA20
(57)【要約】
【課題】展示ケースの使用時に観覧者が扉体に接触した場合でも、扉体の展示スペース側への移動を抑制できる、展示ケースを提供する。
【解決手段】展示ケース10は、透光性を有する固定パネル1と、固定パネル1と隣接配置されて透光性を有する可動パネル2と、固定パネル1及び可動パネル2の背後に設けられる展示スペースSと、を備え、可動パネル2は、固定パネル1の側方に近接して配置される閉状態と、固定パネル1と前後方向に重複して配置される開状態と、の間で変位可能とされ、可動パネル2は、閉状態から展示スペースSの側に移動し、かつ、固定パネル1の側にスライド変位することにより開状態に変位し、可動パネル2が閉状態の際に、可動パネル2が前後方向に移動することを抑制する永電磁ホルダ41と、永電磁ホルダ41による可動パネル2の移動抑制又は移動許容を制御する制御部と、をさらに備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性を有するパネル体と、
前記パネル体と隣接配置されて透光性を有する扉体と、
前記パネル体及び前記扉体の背後に設けられる展示スペースと、
を備え、
前記扉体は、前記パネル体の側方に近接して配置される閉状態と、前記パネル体と前後方向に重複して配置される開状態と、の間で変位可能とされ、
前記扉体は、閉状態から前記展示スペースの側に移動し、かつ、前記パネル体の側にスライド変位することにより開状態に変位し、
前記扉体が閉状態の際に、前記扉体が前後方向に移動することを抑制する移動抑制部と、
前記移動抑制部による前記扉体の移動抑制又は移動許容を制御する制御部と、
をさらに備える、展示ケース。
【請求項2】
前記移動抑制部が、永電磁ホルダ、電磁石、ソレノイド、又はモータを含んで構成される、請求項1に記載の展示ケース。
【請求項3】
前記移動抑制部は、非通電時に前記扉体の移動を抑制するとともに、通電時に前記扉体の移動を許容する、請求項2に記載の展示ケース。
【請求項4】
非通電時における前記移動抑制部による前記扉体の移動抑制を解除する解除手段をさらに備える、請求項3に記載の展示ケース。
【請求項5】
前記扉体の上部及び/又は下部を支持するレール部をさらに備える、請求項1から請求項4の何れか一項に記載の展示ケース。
【請求項6】
前記パネル体が、固定パネル又は他の前記扉体である、請求項1から請求項4の何れか一項に記載の展示ケース。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、扉体をスライドすることにより開閉可能とした展示ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、扉体である戸板を前後方向に移動させた状態で左右方向にスライド変位することにより開閉可能とされた展示ケースが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-59372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の展示ケースのように、扉体をスライドさせて開閉する構成の展示ケースにおいては、扉体を展示ケースの本体側に移動させる場合がある。このような構成の場合、観覧者が扉体に接触することによって扉体が本体側に移動する可能性があった。そこで、本開示は、上記に関する課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1観点に係る展示ケースは、透光性を有するパネル体と、前記パネル体と隣接配置されて透光性を有する扉体と、前記パネル体及び前記扉体の背後に設けられる展示スペースと、を備え、前記扉体は、前記パネル体の側方に近接して配置される閉状態と、前記パネル体と前後方向に重複して配置される開状態と、の間で変位可能とされ、前記扉体は、閉状態から前記展示スペースの側に移動し、かつ、前記パネル体の側にスライド変位することにより開状態に変位し、前記扉体が閉状態の際に、前記扉体が前後方向に移動することを抑制する移動抑制部と、前記移動抑制部による前記扉体の移動抑制又は移動許容を制御する制御部と、をさらに備える。
【0006】
上記第1観点に係る展示ケースによれば、展示ケースの使用時に観覧者が扉体に接触した場合でも、扉体の展示スペース側への移動を抑制できる。
【0007】
本発明の第2観点に係る展示ケースは、第1観点に係る展示ケースであって、前記移動抑制部が、永電磁ホルダ、電磁石、ソレノイド、又はモータを含んで構成される。
【0008】
上記第2観点に係る展示ケースによれば、移動抑制部への電力の供給により扉体の移動抑制又は移動許容を制御できる。
【0009】
本発明の第3観点に係る展示ケースは、第2観点に係る展示ケースであって、前記移動抑制部は、非通電時に前記扉体の移動を抑制するとともに、通電時に前記扉体の移動を許容する。
【0010】
上記第3観点に係る展示ケースによれば、通常時に通電しない構成とできるため、展示ケースにおける消費電力を抑制することができる。
【0011】
本発明の第4観点に係る展示ケースは、第3観点に係る展示ケースであって、非通電時における前記移動抑制部による前記扉体の移動抑制を解除する解除手段をさらに備える。
【0012】
上記第4観点に係る展示ケースによれば、停電等により電力の供給が停止した場合でも扉体を開状態とすることができる。
【0013】
本発明の第5観点に係る展示ケースは、第1観点から第4観点の何れか一に係る展示ケースであって、前記扉体の上部及び/又は下部を支持するレール部をさらに備える。
【0014】
上記第5観点に係る展示ケースによれば、扉体のスライド変位を容易に行うことができる。
【0015】
本発明の第6観点に係る展示ケースは、第1観点から第4観点の何れか一に係る展示ケースであって、前記パネル体が、固定パネル又は他の前記扉体である。
【0016】
上記第6観点に係る展示ケースによれば、パネル体の態様に関わらず、扉体の展示スペース側への移動を抑制できる。
【発明の効果】
【0017】
以上における本発明に係る展示ケースは、以下に示す効果を奏する。
【0018】
第1観点に係る展示ケースによれば、展示ケースの使用時に観覧者が扉体に接触した場合でも、扉体の展示スペース側への移動を抑制できる。
【0019】
第2観点に係る展示ケースによれば、移動抑制部への電力の供給により扉体の移動抑制又は移動許容を制御できる。
【0020】
第3観点に係る展示ケースによれば、消費電力を抑制することができる。
【0021】
第4観点に係る展示ケースによれば、停電等により電力の供給が停止した場合でも扉体を開状態とすることができる。
【0022】
第5観点に係る展示ケースによれば、扉体のスライド変位を容易に行うことができる。
【0023】
第6観点に係る展示ケースによれば、パネル体の態様に関わらず、扉体の展示スペース側への移動を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】一実施形態に係る展示ケースを示す正面図。
図2】可動パネルを開放する際の展示ケースを示す正面図。
図3】(a)及び(b)はそれぞれ、閉状態及び開状態における可動パネルの位置を示した平面図。
図4】可動パネルを閉状態とした際の図1におけるA-A線断面図。
図5】可動パネルを開放する前の図1におけるA-A線断面図。
図6】可動パネルの移動抑制を解除した際の図1におけるA-A線断面図。
図7】可動パネルを閉状態とした際の図1におけるB-B線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では図1から図7を用いて、本発明の一実施形態に係る展示ケース10について説明する。展示ケース10は、例えば美術館又は博物館において、展示物を内部に収容して展示するための装置である。本実施形態においては、図1及び図2における紙面手前側を前方、同じく紙面奥行側を後方として説明する。
【0026】
本実施形態に係る展示ケース10は、図1及び図2に示す如く、パネル体である固定パネル1と、固定パネル1に隣接する扉体である可動パネル2と、が交互に連続して設けられる。固定パネル1及び可動パネル2の後方には展示スペースSが設けられる。
【0027】
図4から図7に示す如く、可動パネル2はスチール製の扉枠21によって透光性を有するガラス板22が保持されて構成される。固定パネル1についても、可動パネル2と同様に透光性を有するガラス板を備えて構成される。これにより、展示ケース10の外部から、観覧者が展示スペースSに収容された展示物を観覧することができる。
【0028】
可動パネル2は、図1及び図3(a)に示す如く、右側に隣接する固定パネル1の側方に近接して配置される閉状態と、図3(b)に示す如く、右側に隣接する固定パネル1と前後方向に重複して配置される開状態と、の間で変位可能とされる。具体的には、可動パネル2を、図4に示す閉状態から図5に示す如く展示スペースSの側である後方に移動させる。そして、図2に示す如く可動パネル2を右側の固定パネル1の側にスライド変位することにより開状態に変位させるのである。
【0029】
図4から図7に示す如く、可動パネル2の下端部において、扉枠21にはローラ23が設けられる。ローラ23が転動することにより、可動パネル2は側方にスライド変位可能とされる。また、可動パネル2の上端部において、扉枠21にはガイドローラ24が設けられる。
【0030】
可動パネル2は、スライダ支持部材11、スライダ12、及び、可動レール13によって支持される。スライダ支持部材11は前後方向に長手方向を向けて配置される。スライダ12はスライダ支持部材11に沿って、前後方向に変位可能に構成される。スライダ12には長手方向を左右方向に向けて可動レール13が固定される。
【0031】
図4及び図5に示す如く、スライダ支持部材11に設けられたスライダ12が前後方向に変位することにより、可動レール13も前後方向に変位する。図3(a)及び(b)に示す如く、固定パネル1の後方には、後方位置における可動レール13と隣接するように固定レール19が設けられる。図3(a)及び(b)に示す如く、後方位置の可動レール13及び固定レール19に沿って、左右方向に可動パネル2がスライド可能とされる。即ち、可動レール13及び固定レール19は、可動パネル2の下部を支持するレール部として機能する。
【0032】
展示ケース10において、スライダ支持部材11、スライダ12、及び、可動レール13の前方には下側フレーム14が固定される。下側フレーム14の上面には照明15が設けられる。下側フレーム14の後面には、可動パネル2が閉状態の際にガラス板22に当接するシール部材16が設けられる。
【0033】
下側フレーム14の前方には、開閉可能とされた下側点検扉17が設けられる。下側点検扉17で下側フレーム14等の各部材を被覆することにより、各部材が観覧者に視認されないようにしている。可動パネル2の後方には展示台18が設けられ、展示台18の上方空間が展示スペースSとして構成される。
【0034】
可動パネル2の上側には、上側フレーム31が固定される。上側フレーム31の下面には左右方向に沿ってガイドレール32が固定され、ガイドレール32には可動パネル2に設けられたガイドローラ24が挿入される。ガイドレール32の内部でガイドローラ24が転動することにより、可動パネル2の左右方向の変位が案内される。
【0035】
図3及び図4に示す如く、ガイドレール32にはガイドローラ24の前後方向への変位を許容する前進経路32aが形成される。可動パネル2が閉状態となる左右位置において、ガイドローラ24は前進経路32aに沿って前後方向に変位可能とされる。換言すれば、ガイドローラ24が前進経路32aの内部で前後に変位することにより、可動パネル2は前後に変位可能とされる。
【0036】
展示ケース10において、上側フレーム31の下面には、可動パネル2の上部の前方に配置される支持フレーム33が固定される。支持フレーム33の後面には、可動パネル2が閉状態の際にガラス板22に当接するシール部材34が設けられる。上側フレーム31の前方には、開閉可能とされた上側点検扉35が設けられる。上側点検扉35で上側フレーム31等の各部材を被覆することにより、各部材が観覧者に視認されないようにしている。
【0037】
本実施形態に係る展示ケース10においては、可動パネル2が閉状態の際に、可動パネル2に対して後方に力を加えることにより、可動レール13及びスライダ12がスライダ支持部材11に沿って後方に変位する。そして、ガイドローラ24が前進経路32aに沿って後方に変位することにより、可動パネル2が後方に移動する。
【0038】
可動パネル2が後方に移動した際には、可動レール13と固定レール19とが前後方向に同位置となり、互いに連結される。そして、可動レール13と固定レール19とに沿って、可動パネル2が左右方向に変位可能とされる。可動パネル2が右側方に変位し、図3(b)に示す如く固定パネル1の背後に位置することにより、可動パネル2は開状態とされる。
【0039】
本実施形態に係る展示ケース10は、可動パネル2が閉状態の際に、可動パネル2が前後方向に移動することを抑制する移動抑制部として永電磁ホルダ41を備えている。永電磁ホルダ41は図1及び図4に示す如く、閉状態の可動パネル2の上部における左右方向中央部と対向する位置に、支持フレーム33に固定される。永電磁ホルダ41は、永久磁石と電磁石とを組み合わせて構成されている。永電磁ホルダ41は、電磁石に通電することにより永久磁石と逆方法の磁界を生じさせ、永久磁石の吸着力を打ち消すことが可能とされる。
【0040】
即ち、永電磁ホルダ41は、非通電時は永久磁石によりスチール製の扉枠21を吸着させ、通電時は扉枠21を吸着しないように構成されている。換言すれば、永電磁ホルダ41は、通電されていない際は扉枠21を吸着することにより可動パネル2の前後方向への移動を抑制し、通電されている際は可動パネル2の前後方向への移動を許容するのである。
【0041】
永電磁ホルダ41への通電/非通電は、図示しない制御部により制御される。この制御部が永電磁ホルダ41への通電/非通電を切替えることにより、永電磁ホルダ41による可動パネル2の移動抑制又は移動許容が制御される。
【0042】
本実施形態に係る展示ケース10は、可動パネル2が閉状態の際に、可動パネル2が前後方向に移動することを補助的に抑制するための二個のマグネットキャッチ43・43を備えている。マグネットキャッチ43・43は図1及び図7に示す如く、閉状態の可動パネル2の上部における左右方向両端部と対向する位置に、支持フレーム33に固定される。本実施形態においては、二個のマグネットキャッチ43・43で、スチール製の扉枠21を吸着することにより、閉状態における可動パネル2の前後方向の移動抑制を補助している。
【0043】
本実施形態に係る展示ケース10は、非通電時における永電磁ホルダ41による可動パネル2の移動抑制を解除する解除手段として、アジャスタ42を備える。アジャスタ42は図1及び図4に示す如く、支持フレーム33において永電磁ホルダ41の近傍に固定される。
【0044】
アジャスタ42は、支持フレーム33に挿通される雄ねじ部である軸部42a、軸部42aの先端に設けられる押圧部42b、軸部42aに螺合されるナット42c、及び、支持フレーム33に固定される固定ナット42dで構成される。
【0045】
展示ケース10の使用者がアジャスタ42を操作する際は、図6に示す如く上側点検扉35を開いた状態で、軸部42aを回転させる。これにより、固定ナット42dから押圧部42bが離間する。扉枠21が押圧部42bに押圧されることにより、非通電時の永電磁ホルダ41に吸着されている扉枠21を永電磁ホルダ41から離間させることができる。即ち、アジャスタ42を操作することにより、非通電時における永電磁ホルダ41による可動パネル2の移動抑制を解除することが可能となる。このように、本実施形態に係る展示ケース10においては、停電等により電力の供給が停止した場合でも、可動パネル2を開状態とすることを可能としている。
【0046】
上記の如く、本実施形態に係る展示ケース10においては、可動パネル2が閉状態の際に、可動パネル2が前後方向に移動することを抑制する移動抑制部である永電磁ホルダ41と、永電磁ホルダ41による可動パネル2の移動抑制又は移動許容を制御する制御部と、を備える。これにより、展示ケース10の使用時に観覧者が可動パネル2に接触した場合でも、可動パネル2の展示スペースSの側への移動を抑制できる。
【0047】
また、本実施形態に係る展示ケース10において、永電磁ホルダ41は、非通電時に可動パネル2の移動を抑制するとともに、通電時に可動パネル2の移動を許容するように構成される。これにより、可動パネル2の移動を抑制する必要がある通常時に通電しない構成とできるため、展示ケース10における消費電力を抑制することができる。
【0048】
また、本実施形態に係る展示ケース10は、非通電時における永電磁ホルダ41による可動パネル2の移動抑制を解除する解除手段としてアジャスタ42を備える。これにより、停電等により電力の供給が停止した場合でも、可動パネル2を前後方向に移動させて開状態とすることができる。
【0049】
また、本実施形態に係る展示ケース10は、可動パネル2の下部を支持するレール部として、可動レール13と固定レール19とを備える。これにより、可動レール13と固定レール19とに沿ってローラ23を転動させることができ、可動パネル2のスライド変位を容易に行うことが可能となる。
【0050】
[変形例]
上記実施形態は、以下の変形例に示すように適宜変形が可能である。なお、各変形例は、矛盾が生じない範囲で他の変形例と組み合わせて適用されてもよい。
【0051】
本実施形態に係る展示ケース10においては、移動抑制部として永電磁ホルダ41を設けているが、移動抑制部としては永電磁ホルダ以外に、電磁石、ソレノイド、又はモータを含んで構成することも可能である。これにより、移動抑制部への電力供給の有無により可動パネル2の移動抑制又は移動許容を制御できる。
【0052】
また、本実施形態に係る展示ケース10においてはパネル体として固定パネル1を採用しているが、固定パネル1に代えて他の可動パネルに可動パネル2を隣接させる構成とすることも可能である。このように、本発明に係る展示ケースは、パネル体の態様に関わらず、可動パネル2の展示スペースSの側への移動を抑制できる。
【0053】
また、本実施形態に係る展示ケース10においては、パネル体である固定パネル1に透光性を有するガラス板を採用しているが、固定パネル1を不透明な板材で構成することも可能である。
【0054】
また、本実施形態に係る展示ケース10においては、可動パネル2の下部を可動レール13及び固定レール19で支持する構成としているが、可動パネル2の上部を支持する構成、又は、可動パネル2の上部及び下部を支持する構成とすることも可能である。
【0055】
また、本実施形態に係る展示ケース10においては、可動パネル2の前後方向への移動、及び、左右方向へのスライド変位を手動で行う構成としているが、これらの可動パネル2の変位を電動制御や油圧制御により行う構成とすることも可能である。
【0056】
また、本発明に係る展示ケースにおいては、通電時に可動パネル2の移動を抑制し、非通電時に可動パネル2の移動を許容するように構成することも可能である。また、本発明に係る展示ケースにおいて、可動パネル2の移動抑制を解除する解除手段を設けない構成とすることも可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 固定パネル(パネル体)
2 可動パネル(扉体)
10 展示ケース 11 スライダ支持部材
12 スライダ 13 可動レール
14 下側フレーム 15 照明
16 シール部材 17 下側点検扉
18 展示台 19 固定レール
21 扉枠 22 ガラス板
23 ローラ 24 ガイドローラ
31 上側フレーム 32 ガイドレール
32a 前進経路 33 支持フレーム
34 シール部材 35 上側点検扉
41 永電磁ホルダ(移動抑制部)
42 アジャスタ(解除手段)
42a 軸部 42b 押圧部
42c ナット 42d 固定ナット
43 マグネットキャッチ
S 展示スペース


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7