(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161297
(43)【公開日】2023-11-07
(54)【発明の名称】回転式分級機及び流動層燃焼システム
(51)【国際特許分類】
F23C 10/18 20060101AFI20231030BHJP
F23G 5/30 20060101ALI20231030BHJP
B07B 1/22 20060101ALI20231030BHJP
B07B 1/24 20060101ALI20231030BHJP
B07B 1/54 20060101ALI20231030BHJP
【FI】
F23C10/18
F23G5/30 E
B07B1/22 D
B07B1/24
B07B1/54 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071600
(22)【出願日】2022-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】516047175
【氏名又は名称】三菱重工パワーインダストリー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】599046379
【氏名又は名称】中央機工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】那須 龍宗
(72)【発明者】
【氏名】長原 則尚
(72)【発明者】
【氏名】杉崎 信市
【テーマコード(参考)】
3K064
4D021
【Fターム(参考)】
3K064AA18
3K064AB03
3K064AD08
3K064AE16
3K064BA07
3K064BA17
4D021AA15
4D021AB02
4D021CA11
4D021CB03
4D021DA01
4D021DB14
4D021EA10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】流動層燃焼システムで、高い混合撹拌機能を有して分級性能をさらに向上させる。
【解決手段】一態様に係る回転式分級機は、水平方向に沿って延在する回転軸と、回転軸の中心線を中心として回転するように構成された筒状のスクリーンであって、流動媒体を移送するように構成されたスクリーンと、回転軸側又はスクリーン側に支持された内部撹拌板と、を備え、内部撹拌板は、第1帯状板に連結される第2帯状板と、を含み、回転軸の中心線に対して直交する断面において、第1帯状板はスクリーンの径方向に沿って延在し、第2帯状板はスクリーンの径方向に対して直交する方向に沿って延在し、一対の第1長辺の内のスクリーンの径方向の内側に位置する内側第1長辺が第2帯状板と連結されるか、又は、一対の第2長辺の内の回転方向の上流側に位置する上流側第2長辺が第1帯状板と連結される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動層燃焼装置から抜き出された流動媒体に含まれる流動砂と異物とを分級するように構成された回転式分級機であって、
水平方向に沿って延在する回転軸と、
前記回転軸の中心線を中心として回転するように構成された筒状のスクリーンであって、その内部に投入された前記流動媒体を軸方向における一方側に移送するように構成されたスクリーンと、
前記回転軸側又は前記スクリーン側に支持された内部撹拌板と、
を備え、
前記内部撹拌板は、
前記スクリーンの軸方向に沿って延在する一対の第1長辺を有する第1帯状板と、
前記スクリーンの軸方向に沿って延在する一対の第2長辺を有する第2帯状板であって、前記第1帯状板に連結される第2帯状板と、を含み、
前記回転軸の前記中心線に対して直交する断面において、前記第1帯状板は前記スクリーンの径方向に沿って延在し、前記第2帯状板は前記スクリーンの径方向に対して直交する方向に沿って延在し、
前記一対の第1長辺の内の前記スクリーンの径方向の内側に位置する内側第1長辺が前記第2帯状板と連結されるか、又は、
前記一対の第2長辺の内の回転方向の上流側に位置する上流側第2長辺が前記第1帯状板と連結される、
回転式分級機。
【請求項2】
前記一対の第2長辺の内の回転方向の上流側に位置する上流側第2長辺が、前記一対の第1長辺の内の前記スクリーンの径方向の内側に位置する内側第1長辺と連結される、
請求項1に記載の回転式分級機。
【請求項3】
前記回転軸の前記中心線に対して直交する断面において、
前記第1帯状板と前記スクリーンの径方向とのなす角度θ1は、前記回転方向の下流側を正として、-10°≦θ1≦45°の範囲にあり、
前記第2帯状板と前記スクリーンの径方向と直交する方向とのなす角度θ2は、下方側を正として、-45°≦θ2≦20°の範囲にあり、
前記第1帯状板と前記第2帯状板とのなす角度は、60°以上120°以下の範囲内にある、
請求項1又は2に記載の回転式分級機。
【請求項4】
前記回転軸は、軸本体部と、前記軸本体部を囲繞する筒状体で構成されたプロテクタとを含み、
前記プロテクタは、前記スクリーンの軸方向において、前記内部撹拌板が配置される領域と少なくとも一部が重複するように配置される、
請求項1又は2に記載の回転式分級機。
【請求項5】
前記回転軸に支持されるとともに前記スクリーンの径方向に沿って延在する少なくとも一つの連結バーをさらに備え、
前記内部撹拌板は、前記連結バーを介して前記回転軸に支持される、
請求項1又は2に記載の回転式分級機。
【請求項6】
前記内部撹拌板の前記スクリーンの軸方向に沿った長さは、前記スクリーンの軸方向長さより短く構成され、
前記内部撹拌板は、その前記スクリーンの軸方向の中心位置が、前記スクリーンの軸方向の中心位置より前記流動媒体の搬送方向上流側に位置するように配置されている、請求項1又は2に記載の回転式分級機。
【請求項7】
前記回転軸及び前記スクリーンは、同一方向に同一速度で回転するように構成され、
前記スクリーンの内周面に固定され、前記スクリーンの内部で前記流動媒体を前記スクリーンの出口側に送る送り羽根であって、前記スクリーンの周方向で前記内部撹拌板と異なる位置に配置された少なくとも一つの送り羽根を備える、
請求項1又は2に記載の回転式分級機。
【請求項8】
前記スクリーンの外周面に固定され、前記スクリーンの回転方向に沿って延在する少なくとも一つのカムレールと、
前記カムレールに摺接可能に配置され、前記カムレールの形状に沿って前記スクリーンに衝突又は離隔可能な少なくとも一つのハンマと、を備える、
請求項1又は2に記載の回転式分級機。
【請求項9】
前記スクリーンと前記ハンマの衝突箇所となる前記スクリーンの前記外周面に固定された被打撃部材を備える、
請求項8に記載の回転式分級機。
【請求項10】
前記少なくとも1つのカムレールは、前記スクリーンの軸方向の第1軸方向位置に配置された少なくとも1つの第1カムレール、および前記第1軸方向位置とは異なる第2軸方向位置に配置された少なくとも1つの第2カムレールを含み、
前記少なくとも1つのハンマは、前記第1軸方向位置に配置された第1ハンマ、及び前記第2軸方向位置に配置された第2ハンマを含み、
前記第1ハンマ及び前記第2ハンマがそれぞれ異なるタイミングで前記スクリーンを打撃するように、前記少なくとも1つの第1カムレール及び前記少なくとも1つの第2カムレールは配置される、
請求項8に記載の回転式分級機。
【請求項11】
前記少なくとも一つのカムレールは、前記スクリーンの軸方向の第1軸方向位置において、前記スクリーンの周方向の異なる位置に配置された複数のカムレールを含み、
前記少なくとも一つのハンマは、前記複数のカムレールの各々に摺接可能に配置された共有ハンマを含む、
請求項8に記載の回転式分級機。
【請求項12】
前記少なくとも一つのハンマが一端側に設けられたアームと、
前記スクリーンの外側に配置され、前記アームの他端側を回動可能に支持する回動軸と、
を備える、
請求項8に記載の回転式分級機。
【請求項13】
流動層燃焼装置と、
請求項1に記載の回転式分級機と、
前記流動層燃焼装置から前記回転式分級機に前記流動媒体を移送するように構成された移送装置と、
を備える流動層燃焼システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、流動層燃焼装置の炉底部から抜き出された流動媒体に含まれる流動砂と該流動砂に含まれる異物とを分級する回転式分級機及び該回転式分級機を備える流動層燃焼システムに関する。
【背景技術】
【0002】
流動媒体(例えば、流動砂)に空気を供給して流動媒体を流動させ、流動している流動媒体に混入している燃料を燃焼させる流動層燃焼方式の燃焼装置(流動層燃焼装置)が知られている。流動層燃焼装置を都市ごみなどを焼却する焼却炉に適用する場合、都市ごみに含まれるビン、カン、釘、砂利等の不燃物(異物)を流動砂から分離することを目的として、不燃物を含む流動媒体を炉底から取り出すスクリュコンベアが設けられる。スクリュコンベアの搬送方向下流側には円筒状の回転篩(回転式分級機)が設けられ、該回転篩で流動砂と異物とを分離し、流動砂のみ焼却炉に戻される。
【0003】
本出願人は、先に、回転篩に形成される篩目(メッシュ)の形状や、回転篩の内周面に固定され流動媒体を出口側へ送る送り羽根の配置を工夫することで、流動砂と異物との分級性能を向上させる提案をしている(特許文献1)。
特許文献2には、土砂の混合撹拌及び分級を行う回転式分級機であって、土砂の搬送方向上流側に撹拌羽根を備える混合撹拌部が設けられ、該混合撹拌部の下流側に円筒状のふるい面を有し、ふるい面の目詰まりを防止する装置を有する分級部が設けられた回転式分級機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-081118号公報
【特許文献2】特開2009-039646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
回転式分級機において、分級性能を向上させるために、特許文献2に記載の回転式分級機のように、分級前又は分級時に被分級物を混合撹拌し、混合撹拌効果を向上させることが有効である。しかし、特許文献2に記載の回転式分級機は、撹拌羽根の形状が棒状になっているため、土砂の混合撹拌効果が不十分であり、土砂の分級性能に限界がある。
【0006】
本開示は、上述する事情に鑑みてなされたもので、流動層燃焼装置に適用される回転式分級機において、高い混合撹拌機能を付与して分級性能を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本開示に係る回転式分級機の一態様は、流動層燃焼装置から抜き出された流動媒体に含まれる流動砂と異物とを分級するように構成された回転式分級機であって、水平方向に沿って延在する回転軸と、前記回転軸の中心線を中心として回転するように構成された筒状のスクリーンであって、その内部に投入された前記流動媒体を軸方向における一方側に移送するように構成されたスクリーンと、前記回転軸側又は前記スクリーン側に支持された内部撹拌板と、を備え、前記内部撹拌板は、前記スクリーンの軸方向に沿って延在する一対の第1長辺を有する第1帯状板と、前記スクリーンの軸方向に沿って延在する一対の第2長辺を有する第2帯状板であって、前記第1帯状板に連結される第2帯状板と、を含み、前記回転軸の前記中心線に対して直交する断面において、前記第1帯状板は前記スクリーンの径方向に沿って延在し、前記第2帯状板は前記スクリーンの径方向に対して直交する方向に沿って延在し、前記一対の第2長辺の内の回転方向の上流側に位置する上流側第2長辺が、前記一対の第1長辺の内の前記スクリーンの径方向の内側に位置する内側第1長辺と連結される。
【0008】
本開示に係る流動層燃焼システムの一態様は、流動層燃焼装置と、1)乃至10)の何れかに記載の回転式分級機と、前記流動層燃焼装置から前記回転式分級機に前記流動媒体を移送するように構成された移送装置と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る回転式分級機及び流動層燃焼システムによれば、スクリーン内部で流動媒体の攪拌効果を向上できるため、流動砂と異物との分離作用を促進でき、これによって、流動媒体の異物側へのオーバシュートを抑制でき、流動媒体と異物との分級性能を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態に係る流動層燃焼システムの概略構成図である。
【
図2】一実施形態に係る流動層燃焼装置の概略構成図である。
【
図3】一実施形態に係る回転式分級機の一部断裁正面図である。
【
図4】一実施形態に係る回転式分級機の内部撹拌板を示す一部断裁側面図(
図3中のA―A線に沿う断面図)である。
【
図5A】一実施形態に係る回転式分級機の内部撹拌板を示し、回転軸の中心軸線に対して直交する断面を示す側面視模式図である。
【
図5B】一実施形態に係る回転式分級機の内部撹拌板を示し、回転軸の中心軸線に対して直交する断面を示す側面視模式図である。
【
図5C】一実施形態に係る回転式分級機の内部撹拌板を示し、回転軸の中心軸線に対して直交する断面を示す側面視模式図である。
【
図6】一実施形態に係る回転式分級機の一部断裁正面図である。
【
図7】一実施形態に係る回転式分級機の一部断裁側面図(
図6中のB―B線に沿う断面図)である。
【
図8】一実施形態に係る回転式分級機の実施例及び比較例等の実験結果を示す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、これらの実施形態に記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状及びその相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0012】
(流動層燃焼システム)
図1は、一実施形態にかかる流動層燃焼システムの概略構成図である。
図2は、一実施形態における流動層燃焼装置の概略構成図である。
図1に示されるように、一実施形態にかかる流動層燃焼システム1は、流動層燃焼装置2と、移送装置3と、回転式分級機4と、を備える。
【0013】
(流動層燃焼装置)
図2に示されるように、流動層燃焼装置2は、内部に燃焼室210を有する火炉21を備えている。火炉21は、燃焼室210内に貯留された流動媒体FMを流動化させて流動層211を形成し、流動層211内に導入された燃料FUを燃焼させる。流動媒体FMは、火炉21内の燃焼ガス温度以上の高融点を有する細粒体である流動砂S(例えば硅砂などのSiO
2を主成分とする粒子)を含む。
【0014】
火炉21は、鉛直方向に沿って延在する筒状に形成され、側壁22と、側壁22の上端部を覆う天井部23と、側壁22の下端部を覆う炉底部24と、を含む。燃焼室210は、炉底部24の底面上に流動媒体FMが貯留される貯留部212が形成される。
図2に図示される実施形態では、炉底部24には、複数の一次空気供給口242と、中心部に配置された炉底排出口243と、が形成され、これらは貯留部212に連通している。側壁22には、燃焼室210の上方空間に連通する二次空気導入ライン13、排ガス排出ライン15、及び下流側流動砂供給ライン16A、及び燃料導入ライン14が開口している。さらに、複数の一次空気供給口242を介して貯留部212に一次空気(流動化空気)A1を送る一次空気導入ライン12を備える。
【0015】
二次空気導入ライン13から二次空気(燃焼空気)A2が供給され、燃料導入ライン14から、火炉21の外部に設けられて燃料FUを貯留するように構成された燃料貯留装置11(例えばホッパー、
図1参照)から貯留部212に燃料FUが送られる。炉底部24の底面上に貯留された流動媒体FMは、一次空気供給口242から送られる一次空気A1により流動化され、燃焼室210の下部に上述した流動層211を形成する。
【0016】
貯留部212に送られた燃料FUは、流動媒体FMが流動化した流動層211内において燃焼する。また、この燃焼により発生した排ガス中の未燃分や熱分解ガスは、燃焼室210の上方空間で二次空気A2により燃焼する。燃焼により発生した排ガスEは、排ガス排出ライン15から火炉21の外部に排出される。
【0017】
図示される実施形態では、流動層燃焼装置2は、
図2に示されるように、火炉21と、火炉21における燃焼により生じた熱エネルギを回収するように構成された熱交換装置25と、を含み、流動層ボイラを構成する。熱交換装置25により回収された熱エネルギは、発電などに用いられる。なお、他の実施形態では、流動層燃焼装置2は、流動層ボイラ以外の構成(熱交換装置25を含まない構成)にしてもよい。
【0018】
図2に図示される実施形態では、熱交換装置25は、煙道251に設けられた伝熱管252を含み、伝熱管252は、煙道251を流れる排ガスから熱エネルギを回収する。
なお、他の実施形態では、熱交換装置25は、流動層211内に設けられて流動砂Sから熱エネルギを回収する伝熱管や、火炉21の側壁22を構成し、且つ燃焼室210内の排ガスや熱分解ガスから熱エネルギを回収する火炉壁管を含んでいてもよい。
【0019】
上述した流動層燃焼装置2は、様々な燃料(例えば、瀝青炭、褐炭、石油コークス、木質バイオマス、製紙スラッジ、RDF(廃棄物固形燃料)、廃タイヤなど)を燃焼可能であり、かつ高い燃焼効率を有する。上記様々な燃料には、異物Fが含まれることがある。例えば、木質チップや建築廃材などの木質バイオマスを燃料とする場合には、釘や金物、砂利などが異物として含まれることがある。このため、
図2に示されるように、燃料導入ライン14により貯留部212に送られる燃料FUや、貯留部212に貯留される流動媒体FMには、流動砂S以外に異物Fが含まれることがある。
【0020】
貯留部212に貯留される流動媒体FMに含まれる異物Fの割合が増えると、流動層211における燃焼効率の低下や流動層211内に設けられた伝熱管の損傷を招く虞があるため、貯留部212から流動媒体FMを抜き出し、抜き出された流動媒体FMから異物Fを除去した後に、再び貯留部212に戻すことが行われる。
【0021】
図1に図示される実施形態では、流動層燃焼システム1は、火炉21の貯留部212に貯留された流動媒体FM(流動砂S及び異物Fを含む。)を火炉21の外部に抜き出し、抜き出された流動媒体FMから上記回転式分級機4により異物を除去した後に、流動砂供給ライン16から火炉21の内部に還流される。火炉21の外部には、流動砂Sを貯留する流動砂貯留装置171(例えばホッパ)から火炉21の貯留部212に流動砂を送るように構成された流動砂導入ライン17をさらに備える。
【0022】
上述した移送装置3は、流動層燃焼装置2と回転式分級機4との間に設けられ、流動層燃焼装置2から抜き出された流動媒体FMを回転式分級機4に移送するように構成されている。回転式分級機4は、流動層燃焼装置2から抜き出された流動媒体FMに含まれる流動砂Sと異物Fとを分級するように構成されている。
【0023】
図1に図示される実施形態では、回転式分級機4は、その内部に供給された流動媒体FMを流動砂Sと異物Fに分級する筒状のスクリーン5と、スクリーン5を収容するケーシング41と、を備える。ケーシング41には、スクリーン5で分級された流動砂Sをケーシング41の外部に排出するための流動砂排出口42と、スクリーン5により分級された異物Fをケーシング41の外部に排出するための異物排出口43と、が形成されている。流動砂導入ライン17は、流動砂供給ライン16の流動砂Sの流れ方向における回転式分級機4よりも下流側に位置する合流部172で、流動砂供給ライン16と合流している。
【0024】
流動砂供給ライン16は、流動砂排出口42と合流部172とを繋ぐ配管161と、配管161に設けられる弁164(例えば開閉弁)と、を含む。流動砂排出口42から排出された流動砂Sは、配管161内を落下して合流部172に送られる。流動砂導入ライン17は、合流部172よりも上記流れ方向の上流側の位置に、流動砂Sを上記流れ方向の下流側に圧送するための圧送ポンプ173を含む。圧送ポンプ173は、流動砂供給ライン16の合流部172や合流部172よりも下流側に位置している流動砂Sの圧送にも用いられる共有設備となっている。
【0025】
図1に図示される実施形態では、流動層燃焼システム1は、流動砂供給ライン16に設けられる切替装置18と、流動砂供給ライン16から分岐して、流動砂供給ライン16から流動砂Sを抜き出すための流動砂排出ライン19と、をさらに備える。切替装置18及び流動砂排出ライン19の夫々は、合流部172よりも流動砂Sの流れ方向における下流側に設けられる。切替装置18は、流動砂Sの移送先を、流動砂供給ライン16の切替装置18よりも流動砂Sの流れ方向における下流側の流動砂供給ライン16A又は流動砂排出ライン19の何れか一方に切り替え可能に構成されている。
【0026】
切替装置18による流動砂の移送先を下流側流動砂供給ライン16Aに設定すると、圧送ポンプ173により圧送された流動砂Sは、下流側流動砂供給ライン16Aを通って燃焼室210内に送られる。また、切替装置18による流動砂Sの移送先を流動砂排出ライン19に設定すると、圧送ポンプ173により圧送された流動砂Sは、流動砂排出ライン19を通って、流動層燃焼システム1の外部に排出される。
【0027】
また、
図1に図示される実施形態では、流動層燃焼システム1は、流動砂供給ライン16に設けられるバグフィルタ162を含み、バグフィルタ162は、合流部172と切替装置18との間に設けられ、バグフィルタ162を通過する流動砂Sを捕集する。
【0028】
(移送装置)
上述したように、移送装置3は、流動層燃焼装置2と回転式分級機4との間に設けられ、流動層燃焼装置2から抜き出された流動媒体FMを回転式分級機4に移送するように構成されている。
図1に図示される実施形態では、移送装置3は、スクリューコンベア3Aを含む。なお、他の実施形態では、移送装置3は、スクリューコンベア3A以外であってもよい。
【0029】
スクリューコンベア3Aは、少なくとも一つのスクリューシャフト31と、スクリューシャフト31を収容するコンベアケーシング32と、を含む。スクリューシャフト31は、水平方向に沿う中心軸線CSに沿って延在する回転シャフト33と、回転シャフト33の外周に螺旋状に突出して設けられるスクリュー羽根34と、を含む。
【0030】
また、スクリューコンベア3Aは、中心軸線CSを回転中心としてスクリューシャフト31を回転させる駆動源装置35と、駆動源装置35とスクリューシャフト31とに連結されて、駆動源装置35からスクリューシャフト31に回転力を伝達する回転力伝達部材36と、をさらに含む。駆動源装置35として、例えばモータなどが挙げられ、回転力伝達部材36として、例えばカップリングなどが挙げられる。
【0031】
スクリューコンベア3Aは、スクリューシャフト31を回転させることにより、スクリュー羽根34のピッチ間の隙間に流動媒体FM(流動砂S及び異物Fを含む。)を捕捉して、捕捉した流動媒体FMを、中心軸線CSが延在する方向の一方側(
図1中右側)に移送するように構成されている。
【0032】
コンベアケーシング32は、その内部にスクリューシャフト31を収容する内部空間320を画定している。コンベアケーシング32は、内部空間320に流動媒体FMを導入するための流動媒体導入口321と、スクリューシャフト31に移送された流動媒体FMを内部空間320から外部に排出するための流動媒体排出口322と、が形成されている。流動媒体導入口321は、コンベアケーシング32における、中心軸線CSが延在する方向の他方側(
図1中左側)に形成されている。流動媒体排出口322は、コンベアケーシング32の中心軸線CSが延在する方向の上記一方側の端部324(
図3参照)に形成されている。
【0033】
図1に図示される実施形態では、火炉21の炉底排出口243と、コンベアケーシング32の流動媒体導入口321と、を繋ぐ配管163を含む。配管163は、鉛直方向に延在し、火炉21の貯留部212に貯留された流動媒体は、配管163内を落下してコンベアケーシング32の内部空間320に送られる。
【0034】
図3に図示される実施形態では、コンベアケーシング32の上記一方側の端部324は、回転式分級機4の筒状のスクリーン5の内部に挿入されている。コンベアケーシング32の内部空間320に送られた流動媒体FMは、スクリューシャフト31により内部空間320内を移送方向(
図3の矢印b方向)における下流側に移送され、流動媒体排出口322からスクリーン5の内部に供給される。
【0035】
(回転式分級機)
上述したように、回転式分級機4は、流動層燃焼装置2から抜き出された流動媒体FMに含まれる流動砂Sと異物Fとを分級するように構成されている。
回転式分級機4は、
図1に示されるように、上述した筒状のスクリーン5と、上述した流動砂排出口42及び異物排出口43が形成されたケーシング41と、を備える。
【0036】
図3及び
図4は、本開示に係る回転式分級機の一実施形態を一部を断截して示す正面図及び側面図である。
図5A~
図5Cは、幾つかの別な実施形態を示す側面視模式図である。
図4及び
図5A~
図5Cは、回転軸44の中心軸線CAに対して直交する断面を図示している。
【0037】
図3、
図4及び
図5A~
図5Cに示される回転式分級機4は、中心に水平方向に沿って延在する回転軸44と、回転軸44の中心軸線CAを中心として回転するように構成された筒状のスクリーン5と、を備えている。回転軸44及びスクリーン5は
図4に図示された矢印a方向に回転する。スクリーン5は、その内部に投入された流動媒体FMを中心軸線CAに沿う軸方向の一方側(
図3中右側)に向かって軸方向の他方側(
図3中左側)から流動媒体FM〈特に異物F)を移送する。
【0038】
これらの実施形態において、スクリーン5の内部には、回転軸44側又はスクリーン5側に支持された内部撹拌板45を備えている。内部撹拌板45は、その構成部材として第1帯状板451及び第2帯状板452を含んでいる。第1帯状板451は、スクリーン5の軸方向に沿って延在する一対の第1長辺451a及び451bを有する。第2帯状板452は、スクリーン5の軸方向に沿って延在する一対の第2長辺452a及び452bを有する。そして、第1帯状板451と第2帯状板452とは互いに連結され、中心軸線CAと直交する断面(
図4及び
図5A~
図5Cが図示する方向の断面)において、第1帯状板451はスクリーン5の径方向に沿って延在し、第2帯状板452はスクリーン5の径方向に対して直交する方向に沿って延在している。
【0039】
図4に示される実施形態に係る回転式分級機4(4A)において、内部撹拌板45(45a)は、第2帯状板452の一対の第2長辺452a及び452bの内、回転方向aの上流側に位置する上流側第2長辺452aが、第1帯状板451のうち一対の第1長辺451a及び451bの内のスクリーン5の径方向の内側に位置する内側第1長辺451aと連結されている。
図4中、一点鎖線L1はスクリーン5の径方向に延在する直線であり、一点鎖線L2は一点鎖線L1に対して直交する直線である。
【0040】
図5Aに示される実施形態に係る回転式分級機4(4B)において、内部撹拌板45(45b)はスクリーン5の内面に固定されている点で、回転式分級機4(4A)の内部撹拌板45(45a)とは構成が異なる。他方、その他の構成は内部撹拌板45(45a)同一である。例えば、内部撹拌板45(45b)は、
図4に示される内部撹拌板45(45a)と同様に、第2帯状板452の一対の第2長辺452a及び452bの内、回転方向aの上流側に位置する上流側第2長辺452aが、第1帯状板451の一対の第1長辺451a及び451bの内のスクリーン5の径方向の内側に位置する内側第1長辺451aと連結されている。
【0041】
図5B及び
図5Cは、夫々さらに別な実施形態を示し、
図5Bに示される実施形態に係る回転式分級機4(4B’)において、内部撹拌板45(45b’)は、
図5Aに示される回転式分級機4(4B)の内部撹拌板45(45b)と同様に、スクリーン5の内面に固定されているが、第1帯状板451の一対の第1長辺451a及び451bの内のスクリーン5の径方向の内側に位置する内側第1長辺451aが、第2帯状板452と連結されており、内側第1長辺451aが第2帯状板452の上流側第2長辺452aとは連結されていない点で、内部撹拌板45(45b)とは異なる構成を有する。
【0042】
また、
図5Cに示される実施形態に係る回転式分級機4(4B”)において、内部撹拌板45(45b”)は、
図5Aに示される内部撹拌板45(45b)と同様に、スクリーン5の内面に固定されているが、第2帯状板452の一対の第2長辺452a及び452bの内の回転方向の上流側に位置する上流側第2長辺452aが第1帯状板451と連結されており、第1帯状板451の内側第1長辺451aとは連結されていない点で、
図5Aに示される内部撹拌板45(45b)とは構成が異なる。
なお、
図5A及び
図5Bにおいて、内部撹拌板45(45b’、45b”)が回転軸44側に支持される実施形態の場合は、二点鎖線で支持される支持部材に取り付けられて支持される。
【0043】
図3、
図4及び
図5A~
図5Cに示される各実施形態において、流動媒体FM(流動砂S及び異物F)がコンベアケーシング32の一方向側端部324に設けられた流動媒体排出口322からスクリーン5の内部に投入される。内部撹拌板45が回転軸44と共にa方向へ回転すると、スクリーン5内の下部に溜まった流動媒体FMは、第1帯状板451によってすくい上げられ、第1帯状板451と第2帯状板452との間に形成された貯留空間Ssに貯留されたまま、スクリーン5内部の上部空間に持ち上げられる。そして、該上部空間で流動媒体FMは第2帯状板452によって該上部空間に保持され、その後第2帯状板452からずり落ちて下方へ落下する。即ち、第1帯状板451は、スクリーン5内の下部に溜まった流動媒体FMをすくい上げ、かつスクリーン5内の上部空間に向けて持ち上げる機能を有し、第2帯状板452は、該上部空間で流動媒体FMを一定時間保持し、該上部空間の下流側領域で流動媒体FMを落下させる機能を有する。内部撹拌板45が1回転するごとにこのような動作が繰り返されるため、スクリーン5の内部で流動媒体FMは効率良く撹拌される。
【0044】
スクリーン5が矢印a方向に回転することで、流動媒体FMはスクリーン5の送り機構によって異物排出口43側へ移送される。同時に内部撹拌板45の攪拌作用によって、流動砂Sと異物Fとは分離される。スクリーン5の外周面に形成されたふるい面は、流動砂Sより大きくかつ異物Fより小さいふるい目が形成されているため、撹拌された流動媒体FMのうち流動砂Sはスクリーン5のふるい面を通過して流動砂排出口42に排出される。一方、異物Fはスクリーン5のふるい目より大径であるため、スクリーン5の送り作用により異物排出口43側へ送られ、異物排出口43から排出される。このように、内部撹拌板45によって攪拌効果を向上できるため、流動砂Sと異物Fとの分級性能を向上できる。特に、流動砂Sの異物排出口43側へのオーバシュートを抑制できる。
【0045】
一実施形態では、
図4に示すように、スクリーン5の内面には送り羽根51が設けられている。送り羽根51は、スクリーン5の軸方向及び周方向に対して傾斜するように配置された複数の帯状体で構成され、該帯状体の長辺がスクリーン5に固定されている。スクリーン5が回転すると、流動媒体FMが送り羽根51によって異物排出口43へ押されるように構成されている。
【0046】
別な実施形態では、スクリーン5が一方側(異物排出口43側。
図3の紙面右側)へ向かって下方に傾斜するように配置される。これによって、スクリーン5の内部に溜まった流動媒体FMに出口側へ作用する重力が働き、スクリーン5が回転すると、流動媒体FMは出口側へ徐々に移動する。この送り機構は送り羽根51による送り機構と組み合わせてもよい。
【0047】
一実施形態では、
図3に示されるように、回転軸44はスクリューコンベア3Aの回転シャフト33と一体に連結され、回転軸44は、スクリューコンベア3Aの中心軸線CSと回転軸44の中心軸線CAとが1本の直線を形成するように配置される。これによって、スクリューコンベア3Aの駆動源装置35が回転軸44の回転駆動装置を兼用できる。
【0048】
図3に図示された実施形態では、回転軸44の中心軸線CAが延在する方向の一方側(
図3中右側)端部は、軸受46によって回転自在に支持されている。軸受46の内部にパッキン461が内蔵され、回転軸44の一方側端部はパッキン461を介して回転自在に支持される。
【0049】
一実施形態では、
図3及び
図4に示される回転式分級機4(4A)の内部撹拌板45(45a)、及び
図5Aに示される回転式分級機4(4B)の内部撹拌板45(45b)のように、第2帯状板452の一対の第2長辺452a及び452bの内、回転方向aの上流側に位置する上流側第2長辺452aが、第1帯状板451の一対の第1長辺451a及び451bの内のスクリーン5の径方向の内側に位置する内側第1長辺451aと連結されている。
この実施形態によれば、第2帯状板452の上流側第2長辺452aが第1帯状板451の内の内側第1長辺451aに連結されているため、第1帯状板451と第2帯状板452との間で形成される貯留空間Ssを拡大できる。そのため、スクリーン5の上部空間に持ち上げることができる流動媒体FMの量を増加できる。これによって、流動媒体FMの攪拌効果をさらに向上でき、流動砂Sと異物Fとを分離する分級性能の向上に寄与する。
【0050】
図4に図示された実施形態では、第1帯状板451は直線L1と同一方向に延在し、第2帯状板452は直線L2と同一方向に延在している。即ち、第1帯状板451と第2帯状板452とのなす角度は90°であるため、貯留空間Ssの容積をさらに拡大できる。
【0051】
図5A~
図5Cに示される各実施形態においては、内部撹拌板45(45b、45b’、45b’’)はスクリーン5の内面に固定され、スクリーン5と共に回転する。この実施形態では、
図3及び
図4に示す内部撹拌板45(45a)と同様の分級性能を発揮できると共に、内部撹拌板45(45b、45b’、45b’’)がスクリーン5の内面に固定されるため、内部撹拌板45(45a)と比べて、内部撹拌板45の支持機構をコンパクト化できる。
【0052】
図5A~
図5Cに示される各実施形態では、第1帯状板451の一対の第1長辺451a及び451bのうちの外側第1長辺451bがスクリーン5の内面に結合されている。外側第1長辺451bは、スクリーン5の軸方向に沿うように配置されている。
【0053】
一実施形態では、
図5Aに示されるように、回転軸44の中心軸線CAに対して直交する断面において、第1帯状板451とスクリーン5の径方向とのなす角度θ1は、回転方向aの下流側を正として、-10°≦θ1≦45°の範囲にある。同図中、一点鎖線L1はスクリーン5の中心軸線CAを通り、スクリーン5の径方向に向けて配置された直線である。また、第2帯状板452とスクリーン5の径方向(直線L1の方向)と直交する方向とのなす角度θ2は、下方側を正として、-45°≦θ2≦20°の範囲にある。同図中、一点鎖線L2はスクリーン5の径方向(直線L1の方向)と直交する方向に向けて配置された直線である。そして、第1帯状板451と第2帯状板452とのなす角度θは、60°≦θ≦120°の範囲内にあるように構成される。
【0054】
この実施形態によれば、第1帯状板451とスクリーン5の径方向とのなす角度θ1は、回転方向aの下流側を正として、-10°≦θ1≦45°の範囲にあるため、第1帯状板451は、スクリーン5内の下部に溜まった流動媒体FMをすくい上げ、かつスクリーン5内の上部空間に向けて持ち上げる機能を有することができる。なお、好ましくは、10°≦θ1≦45°の範囲とすることで、流動媒体FMのすくい上げ作用をさらに向上できる。また、第2帯状板452は、該上部空間で流動媒体FMを一定時間保持し、該上部空間の下流側領域で流動媒体FMを落下させる機能を有することができる。また、第2帯状板452とスクリーン5の径方向(直線L1の方向)と直交する方向とのなす角度θ2は、下方側を正として、-45°≦θ2≦20°の範囲にあるため、スクリーン5内の頂部空間Stで流動媒体FMを一定時間保持し、頂部空間Stの下流側領域で流動媒体FMを落下させる機能を有することができる。通常、流動媒体FMの安息角は20°~40°であるが、第2帯状板452はθ2≦20°の範囲にあるため、流動媒体(FM)の安息角に対応して、頂部空間Stで流動媒体FMを一定時間保持し、この間流動媒体FMの落下を抑制できる。さらに、第1帯状板451と第2帯状板452とのなす角度θは、60°≦θ≦120°(好ましくは、80°≦θ≦100°)の範囲内にあるため、第1帯状板451と第2帯状板452との間に形成される貯留空間Ssが十分な量の流動媒体FMを貯留できる容積をもつことができる。従って、内部撹拌板45による流動媒体FMの撹拌効果をさらに向上できる。
【0055】
一実施形態では、
図3及び
図4に示されるように、内部撹拌板45は、第1帯状板451及び第2帯状板452のスクリーン5の軸方向他方側(
図3中の左側)において、第1帯状板451及び第2帯状板452の他方側端部に跨って、貯留空間Ssを仕切るように配置された遮蔽板453を備える。遮蔽板453によって、内部撹拌板45によってすくい上げられ貯留空間Ssに貯留された流動媒体FMが、流動媒体FMの移送方向上流側で第1帯状板451及び第2帯状板452の端部から落下するのを防止できる。これによって、流動媒体FMの異物排出口43側への送りを円滑に行うことができる。
【0056】
一実施形態では、
図3及び
図4に示されるように、回転軸44は、軸本体部441と、軸本体部441を囲繞する筒状体で構成されたプロテクタ442を含んで構成される。プロテクタ442は、スクリーン5の軸方向において、内部撹拌板45が配置される領域と少なくとも一部が重複するように配置される。
この実施形態によれば、軸本体部441の周囲にプロテクタ442を備えるため、上方から回転軸44に落下する流動媒体FMによって軸本体部441が摩耗するのを防止できる。
【0057】
図示される実施形態では、
図3に示されるように、プロテクタ442の他方側端部(
図3の紙面左側)と内部撹拌板45の他方側端部とは、スクリーン5の軸方向において、長さxだけプロテクタ442の他方側端部のほうが一方側(
図3の紙面右側)へずれた配置となっている。また、プロテクタ442の一方側端部(
図3の紙面右側)と内部撹拌板45の一方側端部とは、スクリーン5の軸方向において、長さyだけプロテクタ442の一方側端部のほうが一方側(
図3の紙面右側)へずれた配置となっている。長さx及びyは、スクリーン5内の下部に溜まった流動媒体FMが内部撹拌板45によって頂部空間Stまで持ち上げられる間、即ち、内部撹拌板45が半回転する間の流動媒体FMに対する一方側への送り量に相当する。プロテクタ442のスクリーン軸方向長さをこのように設定することで、実際に流動媒体FMが落下する位置にプロテクタ442を配置できるため、軸本体部441の摩耗を効率良く防止できる。
【0058】
図3及び
図4に図示された実施形態では、プロテクタ442は、軸方向と直交する方向に沿う横断面が半円形を有する一対の半筒状体442a及び442bで構成される。一対の半筒状体442a及び442bは、夫々周方向端部に外周面から外側へ突出するボルト結合板442cを有する。該一対の半筒状体442a及び442bが軸本体部441に囲繞されたとき、ボルト結合板442cは互いに対向するように配置される。互いに対向するように配置されたボルト結合板442cをボルト結合することで、一対の半筒状体442a及び442bを軸本体部441に固定できる。このように、プロテクタ442を一対の半筒状体442a及び442bで構成することで、軸本体部441への着脱が容易になる。
【0059】
図3及び
図4に図示された実施形態では、一対の半筒状体442a及び442bは、夫々周方向に沿って延在する補強板442dを有する。補強板442dは、一対の半筒状体442a及び442bの軸方向において、ボルト結合板442cと結合可能な位置に設けられ、半筒状体442a及び442bの外周面から外側へ突出するように配置され、ボルト結合板442cに結合される。補強板442dを設けることで、ボルト結合板442cを補強することができる。
【0060】
一実施形態では、一端が回転軸44に支持されると共に、スクリーン5の径方向に沿って延在する少なくとも一つの連結バー47を備えている。連結バー47の他端は内部撹拌板45に連結され、内部撹拌板45は連結バー47を介して回転軸44に支持される。
この実施形態によれば、内部撹拌板45を連結バー47によって支持するため、内部撹拌板45の支持機構を簡素化かつ低コスト化できる。また、連結バー47によって内部撹拌板45を支持するため、回転軸44によって支持される被回転部の重量を軽減でき、これによって、回転軸44を回転させる駆動装置の動力を低減できる。
【0061】
図3及び
図4に図示される実施形態では、連結バー47は、内部撹拌板45側に配置されるバー片471と、回転軸44側に配置されるバー片472とで構成され、これらバー片は互いに直線状をなすように着脱可能に結合されて連結バー47を構成する。連結バー47が軸方向に分割されたバー片471及び472で分割されているため、回転軸44に対する内部撹拌板45の着脱が容易になる。
【0062】
なお、軸本体部441の周囲にプロテクタ442が設けられる実施形態では、連結バー47の一端はプロテクタ442に連結され、プロテクタ442が設けられていない実施形態では、連結バー47の一端は軸本体部441に連結される。
【0063】
図3に図示された実施形態では、連結バー47は、スクリーン5の軸方向において、内部撹拌板45の中心位置に設けられているが、別な実施形態では、2個の連結バー47が内部撹拌板45の両端部に設けられるようにしてもよい。
【0064】
一実施形態では、
図3に示されるように、スクリーン5の軸方向において、内部撹拌板45の長さは、スクリーン5の軸方向長さより短く構成されている。また、内部撹拌板45の中心位置が、スクリーン5の軸方向中心位置より回転軸44の中心軸線CAが延在する方向の他方側(流動媒体FMの搬送方向上流側。
図3の紙面の左側)に位置するように配置されている。
【0065】
この実施形態によれば、スクリーン軸方向において内部撹拌板45が異物排出口43付近まで延在しないため、内部撹拌板45の攪拌作用によって、流動砂Sが異物排出口43から異物Fと共に排出されるのを抑制できる。
【0066】
一実施形態では、回転軸44とスクリーン5とは、同一方向に同一速度で回転するように構成される。また、
図4に示されるように、スクリーン5の内周面に固定される送り羽根51は、上述のように、スクリーン5の内部で流動媒体FMをスクリーン5の出口側に送る機能を有し、スクリーン周方向で内部撹拌板45と異なる位置に配置される。
【0067】
この実施形態によれば、回転軸44とスクリーン5とは、同一方向に同一速度で回転するように構成されるため、回転軸44を回転させる駆動装置とスクリーン5を回転させる駆動装置とを一つの駆動装置で兼用できる。従って、これらの駆動装置をコンパクト化できる。また、回転軸44とスクリーン5とが同一方向及び同一速度で回転するため、スクリーン5の内周面に送り羽根51が設けられる実施形態において、スクリーン5の周方向において異なる位置に配置された送り羽根51と内部撹拌板45との相対位置は変わらない。従って、内部撹拌板45と送り羽根51とがスクリーン5の軸方向において同じ位置に設けられた場合であっても、回転式分級機4の運転中に送り羽根51と内部撹拌板45とが干渉するおそれはない。
【0068】
図4に示される実施形態では、スクリーン5の周方向において、複数の内部撹拌板45が等間隔で配置され、各内部撹拌板45の間に複数の送り羽根51が配置されている。
【0069】
図3及び
図4に図示された実施形態では、スクリーン5は支持構造物52によって支持されている。支持構造物52は、スクリーン5の周方向に分散して設けられ、スクリーン5の軸方向に沿って延在する複数の枠体521と、複数の枠体521の一方向側端部(
図3の右側に位置する異物排出口43側端部)が連結される環状枠体522と、スクリーン5の周方向に分散して配置される複数のバー523とを含んで構成されている。複数のバー523は、回転軸44と環状枠体522とに連結され、回転軸44から環状枠体522に向かって放射状に配置されている。スクリーン5の外周面が枠体521に固定されている。また、支持構造物52は、スクリーン5の軸方向でスクリューコンベア3Aの流動媒体排出口322の近くに配置される複数のバー524を含む。複数のバー524は、回転軸44と枠体521とに連結され、回転軸44から枠体521に向かって放射状に配置されている。
【0070】
この実施形態では、回転軸44とスクリーン5とは支持構造物52を介して一体に連結されている。そのため、回転軸44、内部撹拌板45及びスクリーン5は、同一方向にかつ同一速度で回転する。また、
図3及び
図4に示される実施形態では、スクリューコンベア3Aの回転シャフト33と回転軸44とは一体に連結されているため、スクリューコンベア3Aの駆動源装置35によって、スクリューコンベア3Aのスクリュー羽根34、回転軸44、内部撹拌板45及びスクリーン5を同時に回転させることができる。そのため、これらの駆動装置及び回転力伝達機構をコンパクト化できる。
【0071】
図示されている実施形態では、
図3に示されるように、スクリューコンベア3Aにおいて、コンベアケーシング32の上記一方側の端部324の外周面に環状の堰板37が設けられる。他方、複数の枠体521の上記他方側端には、該他方側端からスクリーン5の径方向に沿ってコンベアケーシング32に向かって延在する環状の遮蔽板525が設けられている。堰板37と環状遮蔽板525とは互いに接近した位置で対向するように配置されている。
この実施形態によれば、堰板37を備えるため、スクリューコンベア3Aからスクリーン5の内部に投入された流動媒体FMが、コンベアケーシング32の外周面と環状遮蔽板525との間から流動砂排出口42に流出するのを防止できる。
【0072】
図6及び
図7は、さらに別な実施形態に係る回転式分級機の一部を断截して示す正面図及び側面図(
図6中のB-B線に沿う断面図)である。
図6及び
図7に示す実施形態に係る回転式分級機4(4C)は、スクリーン5の内部に、
図3、
図4又は
図5A~
図5Cに示される実施形態が備える内部撹拌板45(45a)又は45(45b、45b’、45b’’)を備えている。
【0073】
回転式分級機4(4C)は、スクリーン5の外側に配置され、スクリーン5を打撃してスクリーン5の目詰まりを防止するための打撃装置48を備えている。打撃装置48は、スクリーン5の外周面に固定される少なくとも一つのカムレール481と、カムレール481に摺接可能に配置される少なくとも一つのハンマ482と、を備えている。カムレール481は、長手方向がスクリーン5の回転方向に沿って延在するように配置され、ハンマ482は、
図7に示されるように、カムレール481の形状に沿ってスクリーン5に衝突又は離隔可能に構成されている。
【0074】
スクリーン5の回転と共にカムレール481が矢印a方向に回転し、ハンマ482と対向する位置まで来ると、ハンマ482がカムレール481の外側面に摺接し、その後スクリーン5の回転方向上流側端でカムレール481から落下し、スクリーン5の外周面に衝突する。ハンマ482がスクリーン5に衝突する衝撃でスクリーン5のふるい目に詰まった流動媒体FMが除去される。また、カムレール481はスクリーン5の外周面に固定されるため、複数のカムレール481を備える実施形態では、個々のカムレール481の配置位置を調整することで、ハンマ482の打撃タイミング及び打撃位置を調整できる。
【0075】
図6及び
図7に示されるように、カムレール481は帯状板で構成され、長手方向がスクリーン5の周方向に沿うように配置される。カムレール481は、スクリーン5の回転方向下流側に配置される傾斜部481aと、スクリーン5の回転方向上流側に配置される平行部481bと、を含んでいる。傾斜部481aは、スクリーン5の外周面に接する接線に対してスクリーン5から離れる方向に傾斜角を有して配置される。平行部481bは、傾斜部481aの上流側端に連結され、スクリーン5の外周面に対してほぼ一定の間隔を有して配置される。
【0076】
ハンマ482は、まず傾斜部481aの外側面に摺接し、その後平行部481bの外側面に摺接した後、平行部481bの上流側端からスクリーン5に落下してスクリーン5を打撃する。
図示される実施形態では、カムレール481をスクリーン5に固定するための支持部材481cが、スクリーン5の外周面と平行部481bとの間に設けられている。また、平行部481bの上流側端部は、スクリーン5に対するハンマ482の打撃力を増すために、平行部481bの他の部位よりスクリーン5の外周面から離れた位置に配置されている。
【0077】
一実施形態では、
図7に示されるように、スクリーン5とハンマ482の衝突箇所となるスクリーン5の外周面に固定された被打撃部材53を備える。これによって、ハンマ482が被打撃部材53に当たり、被打撃部材53がハンマ482からの打撃を受けるため、スクリーン5の耐久性を向上できる。
図7に図示されている実施形態では、被打撃部材53は、スクリーン5の軸方向に沿って延在する板状の補強部材で構成されている。該板状の補強部材は、スクリーン5の事項方向において、少なくともハンマ482が設けられる箇所に設けられる。
【0078】
一実施形態では、スクリーン5の軸方向に沿って複数個のカムレール481がスクリーン5の外周面に配置される。即ち、スクリーン5の軸方向において、第1軸方向位置P1に配置された少なくとも1つの第1カムレール481Aと、第1軸方向位置P1とはスクリーン5の軸方向において異なる第2軸方向位置P2に配置された少なくとも一つの第2カムレール481Bを備える。そして、第1軸方向位置P1に第1ハンマ482Aが設けられ、第2軸方向位置P2に第2ハンマ482Bが設けられる。第1ハンマ482Aは、第1軸方向位置P1に設けられた少なくとも一つの第1カムレール481Aに摺接可能に配置され、第2ハンマ482Bは、第2軸方向位置P2に設けられた少なくとも一つの第2カムレール481Bに摺接可能に配置される。第1ハンマ482Aと第2ハンマ482Bとは、夫々異なるタイミングでスクリーン5を打撃するように構成される。
【0079】
この実施形態によれば、スクリーン5の軸方向位置が異なる位置に配置された第1カムレール481A及び第2カムレール481Bにおいて、第1カムレール481Aに摺接する第1ハンマ482Aと第2カムレール481Bに摺接する第2ハンマ482Bとの打撃タイミングが異なるため、スクリーン5や回転軸44に与える衝撃を分散することができる。
【0080】
一実施形態では、
図7に示されるように、第1軸方向位置P1において、スクリーン5の周方向の異なる位置に複数のカムレール481Aが配置される。そして、第1軸方向位置P1に配置された複数のカムレール481Aの各々に摺接可能に少なくとも一つのハンマ482A(共有ハンマ)が配置される。
【0081】
この実施形態では、第1軸方向位置P1に配置された少なくとも一つのハンマ482Aが、スクリーン5の回転に伴って複数のカムレール481Aに順々に摺接し、各カムレール481Aの上流側端からスクリーン5に落下してスクリーン5に衝撃を与える。
この実施形態によれば、第1軸方向位置P1において、スクリーン5が1回転する間に、1個のハンマ482Aを用いて複数回スクリーン5を打撃できるため、打撃装置48をコンパクト化できる。
【0082】
一実施形態では、
図6及び
図7に示されるように、ハンマ482が一端側に設けられたアーム483を備え、アーム483の他端側は、スクリーン5の外側に配置された回動軸484に回動可能に支持される。ハンマ482は、ハンマ482の自重によりハンマ482が回動する側にスクリーン5の外周面が位置するように配置される。
この実施形態によれば、ハンマ482の自重によりスクリーン5を打撃できるため、ハンマ482を駆動するための装置が不要になる。そのため、打撃装置48をコンパクト化できる。
【0083】
図示される実施形態では、
図7に示されるように、ハンマ482及びアーム483は、スクリーン5の外側であってかつケーシング41の内側空間に配置される。回動軸484はケーシング41の内面に固定された支持部材485に支持される。また、ハンマ482は一定の重量を確保可能な容積及び比重を有する円筒体で構成されている。
【0084】
また、回動軸484とカムレール481との位置関係は、回動軸484がカムレール481とハンマ482との摺接位置より上方に位置する。これによって、ハンマ482がカムレール481のスクリーン回転方向上流側端から外れたとき、ハンマ482の自重によりハンマ482がスクリーン5の外周面を打撃することができる。
【0085】
一実施形態では、ハンマ482によってスクリーン5を打撃する位置と内部撹拌板45が配置される位置とが接近しないように構成することで、打撃によりスクリーン5に発生する衝撃によって内部撹拌板45にすくい上げられた流動媒体FMが落下するのを抑制することができる。
例えば、
図6及び
図7に示される実施形態において、第1軸方向位置P1に複数の内部撹拌板45がスクリーン5の周方向に等間隔で配置され、複数のカムレール481の上流側端(ハンマ482の落下位置)が、複数の内部撹拌板45間の中間位置に配置される。これによって、ハンマ482の打撃によってスクリーン5に発生する衝撃によって内部撹拌板45にすくい上げられた流動媒体FMが落下するのを抑制することができる。
【0086】
(実施例)
図8に図示された表1は、分級性能を高めるための対策を講じていない従来例、何らかの対策を講じた比較例、及び本開示に係る回転式分級機の一実施形態の分級性能を夫々示している。表1において、対策案1は、ワイヤブラシをスクリーン5の外周面に摺接するように配置し、スクリーン5の回転中にスクリーン5のふるい面に詰まった流動媒体FMをワイヤブラシで掻き落すようにしている(比較例1)。対策案2は、
図6及び
図7に示す、打撃装置48のみを備え、内部撹拌板45を備えない場合である(比較例2)。対策案3は、
図3及び
図4に示す回転式分級機4(4A)(内部撹拌板45のみを備え、打撃装置48を備えない。)の場合である(実施形態1)。対策案4は、
図6及び
図7に示す回転式分級機4(4C)のように、内部撹拌板45及び打撃装置48の両方を備えている場合である(実施形態2)。
表1中の分級率は下記の計算式で算出している。
【数1】
【0087】
表1に示す各例の分級性能から、従来例、対策案1及び2より対策案3及び4のほうが優れた分級性能を発揮できることがわかる。
【0088】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
【0089】
1)一態様に係る回転式分級機は、流動層燃焼装置(2)から抜き出された流動媒体(FM)に含まれる流動砂(S)と異物(F)とを分級するように構成された回転式分級機(4)であって、水平方向に沿って延在する回転軸(44)と、前記回転軸(44)の中心線(CA)を中心として回転するように構成された筒状のスクリーンであって、その内部に投入された前記流動媒体(FM)を軸方向における一方側に移送するように構成されたスクリーン(5)と、前記回転軸(44)側又は前記スクリーン(5)側に支持された内部撹拌板(45)と、を備え、前記内部撹拌板(45)は、前記スクリーン(5)の軸方向に沿って延在する一対の第1長辺(451a、451b)を有する第1帯状板(451)と、前記スクリーン(5)の軸方向に沿って延在する一対の第2長辺(452a、452b)を有する第2帯状板であって、前記第1帯状板(451)に連結される第2帯状板(452)と、を含み、前記回転軸(44)の前記中心線(CA)に対して直交する断面において、前記第1帯状板(451)は前記スクリーン(5)の径方向に沿って延在し、前記第2帯状板(452)は前記スクリーン(5)の径方向に対して直交する方向に沿って延在し、前記一対の第1長辺(451a、451b)の内の前記スクリーン(5)の径方向の内側に位置する内側第1長辺(451a)が前記第2帯状板(452)と連結されるか、又は、前記一対の第2長辺(452a、452b)の内の回転方向の上流側に位置する上流側第2長辺(452a)が前記第1帯状板(451)と連結される。
【0090】
このような構成によれば、内部撹拌板(45)は、上記構成を有する第1帯状板(451)及び第2帯状板(452)を含んで構成され、回動軸(44)又はスクリーン(5)と共に回転するため、スクリーン内部の下部に溜まった流動媒体(FM)は、第1帯状板(451)によってすくい上げられ、第1帯状板(451)と第2帯状板(451)との間に形成される貯留空間(Ss)に貯留した状態でスクリーン(5)の上部空間に持ち上げられ、その後下方へ落下する。内部撹拌板(45)が1回転するごとにこのような動作が繰り返されるため、スクリーン(5)の内部で流動媒体(FM)の攪拌効果を向上できる。この攪拌作用によって、流動砂(S)は異物(F)と分離され、スクリーン(5)に形成されたふるい目を通ってスクリーン(5)外へ落下し、流動砂(S)より大径の異物(F)はスクリーン5の内部で異物排出口(43)側へ移動する。これによって、特に、流動砂(S)の異物排出口(43)側へのオーバシュートを抑制でき、流動砂(S)と異物(F)との分級性能を向上できる。
【0091】
2)別な態様に係る回転式分級機は、1)に記載の回転式分級機において、
前記一対の第2長辺(452a、452b)の内の回転方向の上流側に位置する上流側第2長辺(452a)が、前記一対の第1長辺(451a、451b)の内の前記スクリーンの径方向の内側に位置する内側第1長辺(451a)と連結される。
【0092】
このような構成によれば、一対の第2長辺(452a、452b)の内の上流側第2長辺(451a)が一対の第1長辺(451a、451b)の内の内側第1長辺(450a)に連結されているため、第1帯状板(451)と第2帯状板(451)との間の貯留空間(Ss)を拡大できる。そのため、スクリーン(5)の上部空間に持ち上げることができる流動媒体(FM)の量を増加でき、これによって、流動媒体(FM)の攪拌効果をさらに向上できる。
【0093】
3)別な一態様に係る回転式分級機は、1)又は2)に記載の回転式分級機において、前記回転軸(44)の前記中心線(CA)に対して直交する断面において、前記第1帯状板(451)と前記スクリーン(5)の径方向とのなす角度θ1は、前記回転方向(a)の下流側を正として、-10°≦θ1≦45°(好ましくは、10°≦θ1≦45°)の範囲にあり、前記第2帯状板(452)と前記スクリーン(5)の径方向と直交する方向とのなす角度θ2は、下方側を正として、-45°≦θ2≦20°の範囲にあり、前記第1帯状板(451)と前記第2帯状板(452)とのなす角度(θ)は、60°以上120°以下(好ましくは、80°以上100°以下)の範囲内にある。
【0094】
このような構成によれば、第1帯状板(451)及び第2帯状板(452)が夫々上記角度範囲となるように配置され、かつ第1帯状板(451)と第2帯状板(452)とのなす角度(θ)が上記範囲内にあるため、第1帯状板(451)は、スクリーン(5)内部の下部に溜まった流動媒体(FM)をすくい上げる機能を保持でき、かつ第1帯状板(451)と第2帯状板(452)との間の空間(Ss)に十分な量の流動媒体(FM)を貯留できる容積をもつことができる。さらに、第2帯状板(452)は、流動媒体(FM)の安息角に対応して、流動媒体(FM)がスクリーン内部の頂部空間(St)に上昇するまで流動媒体(FM)の落下を抑制できる。
【0095】
4)さらに別な態様に係る回転式分級機は、1)乃至3)の何れかに記載の回転式分級機において、前記回転軸(44)は、軸本体部(441)と、前記軸本体部(441)を囲繞する筒状体で構成されたプロテクタ(442)とを含み、前記プロテクタ(442)は、前記スクリーン(5)の軸方向において、前記内部撹拌板(45)が配置される領域と少なくとも一部が重複するように配置される。
【0096】
このような構成によれば、上記構成のプロテクタ(442)を備えるため、落下する流動媒体(FM)に対してプロテクタ(442)で軸本体部(441)を保護することができるため、軸本体部(441)の摩耗を防止できる。
【0097】
5)さらに別な態様に係る回転式分級機は、1)乃至4)の何れかに記載の回転式分級機において、前記回転軸(44)に支持されるとともに前記スクリーン(5)の径方向に沿って延在する少なくとも一つの連結バー(47)をさらに備え、前記内部撹拌板(45)は、前記連結バー(47)を介して前記回転軸(44)に支持される。
【0098】
このような構成によれば、内部撹拌板(45)を上記連結バー(47)によって支持するため、内部撹拌板(45)の支持機構を簡素化かつ低コスト化できると共に、回転軸(44)によって支持される被回転部の重量を軽減できるため、回転軸(44)を回転させる駆動装置の動力を低減できる。
【0099】
6)さらに別な態様に係る回転式分級機は、1)乃至5)の何れかに記載の回転式分級機において、前記内部撹拌板(45)の前記スクリーン(5)の軸方向に沿った長さは、前記スクリーン(5)の軸方向長さより短く構成され、前記内部撹拌板(45)は、その前記スクリーン(5)の軸方向の中心位置が、前記スクリーン(5)の軸方向の中心位置より前記流動媒体(FM)の搬送方向上流側に位置するように配置されている。
【0100】
このような構成によれば、スクリーン(5)の軸方向において内部撹拌板(45)が異物側出口(43)付近まで延在しないため、内部撹拌板(45)の攪拌作用によって、流動砂(S)が異物排出口(43)から異物(F)と共に排出されるのを抑制できる。
【0101】
7)さらに別な態様に係る回転式分級機は、1)乃至6)の何れかに記載の回転式分級機において、前記回転軸(44)及び前記スクリーン(5)は、同一方向に同一速度で回転するように構成され、前記スクリーン(5)の内周面に固定され、前記スクリーン(5)の内部で流動媒体(FM)を前記スクリーン(5)の出口側に送る送り羽根であって、前記スクリーン(5)の周方向で前記内部撹拌板(45)と異なる位置に配置された少なくとも一つの送り羽根(51)を備える。
【0102】
このような構成によれば、回転軸(44)及びスクリーン(5)は、同一方向に同一速度で回転するように構成されるため、回転軸(44)の駆動装置とスクリーン(5)の駆動装置とを一つの駆動装置で兼用でき、従って、これらの駆動装置をコンパクト化できる。また、回転軸(44)とスクリーン(5)とが同一方向及び同一速度で回転するため、スクリーン(5)の内周面に流動媒体(FM)をスクリーン(5)の入口側から出口側に送るための送り羽根(51)が設けられる実施形態においては、スクリーン(5)の周方向において異なる位置に配置された送り羽根(51)と内部撹拌板(45)との相対位置は変わらない。そのため、内部撹拌板(45)と送り羽根(51)とがスクリーン(5)の軸方向において同じ位置に設けられた場合であっても、回転式分級機(4)の運転中に送り羽根(51)と内部撹拌板(45)とが干渉するおそれはない。
【0103】
8)さらに別な態様に係る回転式分級機は、1)乃至7)の何れかに記載の回転式分級機において、前記スクリーン(5)の外周面に固定され、前記スクリーン(5)の回転方向に沿って延在する少なくとも一つのカムレール(481)と、前記カムレール(481)に摺接可能に配置され、前記カムレール(481)の形状に沿って前記スクリーン(5)に衝突又は離隔可能な少なくとも一つのハンマ(482)と、を備える。
【0104】
このような構成において、ハンマ(482)がスクリーン(5)の回転方向(a)に沿って延在するカムレール(481)に摺接し、カムレール(481)のスクリーン回転方向上流側端部から落下してスクリーン(5)に衝突する。この衝撃力によりスクリーン(5)のふるい目に詰まった流動媒体(FM)又は異物(F)を除去できる。また、カムレール(481)はスクリーン(5)の外周面に固定されるため、複数のカムレール(481)を備える場合に、個々のカムレール(481)の配置位置に応じて、スクリーン(5)に対するハンマ(482)の打撃タイミング及び打撃位置を調整できる。
【0105】
9)さらに別な態様に係る回転式分級機は、8)に記載の回転式分級機において、前記スクリーン(5)と前記ハンマ(482)の衝突箇所となる前記スクリーン(5)の前記外周面に固定された被打撃部材(53)を備える。
【0106】
このような構成によれば、ハンマ(482)の衝突箇所となるスクリーン(5)の外周面に被打撃部材(53)を備えるため、スクリーン(5)がハンマ(482)から受ける打撃に対して、スクリーン(5)の耐久性を向上できる。
【0107】
10)さらに別な態様に係る回転式分級機は、8)又は9)に記載の回転式分級機において、前記少なくとも1つのカムレール(481)は、前記スクリーン(5)の軸方向の第1軸方向位置(P1)に配置された少なくとも1つの第1カムレール(481A)、及び前記第1軸方向位置(P1)とは異なる第2軸方向位置(P2)に配置された少なくとも1つの第2カムレール(481B)を含み、前記少なくとも1つのハンマ(482)は、前記第1軸方向位置(P1)に配置された第1ハンマ(482A)、及び前記第2軸方向位置(P2)に配置された第2ハンマ(482B)を含み、前記第1ハンマ(482A)及び前記第2ハンマ(482B)がそれぞれ異なるタイミングで前記スクリーン(5)を打撃するように、前記少なくとも1つの第1カムレール(481A)及び前記少なくとも1つの第2カムレール(481B)は配置される。
【0108】
このような構成によれば、スクリーン(5)の軸方向位置が互いに異なる位置に配置された第1カムレール(481A)及び第2カムレール(481B)において、第1カムレール(481A)に摺接する第1ハンマ(482A)と第2カムレール(481B)に摺接する第2ハンマ(482B)との打撃タイミングが異なるため、スクリーン(5)や回転軸(44)に与える衝撃を分散させることができる。
【0109】
11)さらに別な態様に係る回転式分級機は、8)乃至10)の何れかに記載の回転式分級機において、前記少なくとも一つのカムレール(481)は、前記スクリーン(5)の軸方向の第1軸方向位置(P1)において、前記スクリーン(5)の周方向の異なる位置に配置された複数のカムレール(481A)を含み、前記少なくとも一つのハンマ(482)は、前記複数のカムレール(481A)の各々に摺接可能に配置された共有ハンマ(482A)を含む。
【0110】
このような構成によれば、上記第1軸方向位置(P1)において、スクリーン(5)の周方向の異なる位置に配置された複数のカムレール(481A)に対して、スクリーン(5)が1回転する間に1個のハンマ(482A)を用いて複数回スクリーン(5)を打撃できるため、打撃装置(48)をコンパクト化できる。
【0111】
12)さらに別な態様に係る回転式分級機は、8)乃至11)の何れかに記載の回転式分級機において、前記少なくとも一つのハンマ(482)が一端側に設けられたアーム(483)と、前記スクリーン(5)の外側に配置され、前記アーム(483)の他端側を回動可能に支持する回動軸(484)と、を備える。
【0112】
このような構成によれば、カムレール(481)の外側面を摺接するハンマ(482)はカムレール(481)のスクリーン回転方向上流側端から自重によりスクリーン(5)のふるい面に落下してスクリーン(5)を打撃する。そのため、ハンマ(482)を駆動するための装置が不要になる。
【0113】
13)一態様に係る流動層燃焼システムは、流動層燃焼装置(2)と、1)乃至12)の何れかに記載の回転式分級機(4)と、前記流動層燃焼装置(2)から前記回転式分級機(4)に前記流動媒体(FM)を移送するように構成された移送装置(3)と、を備える。
【0114】
このような構成によれば、流動層燃焼システム(1)が上記の各構成を有する回転式分級機(4)を備えるため、スクリーン(5)内で流動媒体(FM)の攪拌効果を向上できるため、流動砂(S)と異物(F)との分級性能を向上でき、特に、流動砂(S)の異物(F)側へのオーバシュートを抑制できる。また、スクリーン(5)の外側に少なくとも一組のカムレール(481)及びハンマ(482)を備える実施形態では、ハンマ(482)がスクリーン外周面に衝突する打撃力によって、スクリーン(5)のふるい目に詰まった流動媒体(FM)を除去できるため、流動砂(S)と異物(F)との分級性能をさらに向上できる。
【符号の説明】
【0115】
1 流動層燃焼システム
12 一次空気導入ライン
13 二次空気導入ライン
14 燃料導入ライン
15 排ガス排出ライン
16 流動砂供給ライン
161、163 配管
162 バグフィルタ
164 弁
16A 下流側流動媒体供給ライン
17 流動砂導入ライン
171 流動砂貯留装置
172 合流部
173 圧送ポンプ
18 切替装置
19 流動砂排出ライン
2 流動層燃焼装置
21 火炉
210 燃焼室
211 流動層
212 貯留部
213 上方側燃焼室
22 側壁
23 天井部
24 炉底部
242 一次空気供給口
243 炉底排出口
25 熱交換装置
251 煙道
252 伝熱管
3 移送装置
3A スクリューコンベア
31 スクリューシャフト
32 コンベアケーシング
320 内部空間
321 流動媒体導入口
322 流動媒体排出口
324 端部
33 回転シャフト
34 スクリュー羽根
35 駆動源装置
36 回転力伝達部材
37 堰板
4(4A、4B、4B’、4B”、4C) 回転式分級機
41 ケーシング
42 流動砂排出口
43 異物排出口
44 回転軸
441 軸本体部
442 プロテクタ
442a、442b 半筒状体
442c ボルト結合板
442d 補強板
45(45a、45b、45b’、45b”) 内部撹拌板
451 第1帯状板
451a、451b 第1長辺
452 第2帯状板
452a、452b 第2長辺
453 遮蔽板
46 軸受
461 パッキン
47 連結バー
471、472 バー片
48 打撃装置
481 カムレール
481A 第1カムレール
481B 第2カムレール
481a 傾斜部
481b 平行部
481c 支持部材
482 ハンマ
482A 第1ハンマ
482B 第2ハンマ
483 アーム
484 回動軸
485 支持部材
5 スクリーン
51 送り羽根
52 支持構造物
521 枠体
522 環状枠体
523、524 バー
525 環状遮蔽板
53 被打撃部材
A1 一次空気
A2 二次空気
CS、CA 中心軸線
E 排ガス
F 異物
FM 流動媒体
FU 燃料
P1 第1軸方向位置
P2 第2軸方向位置
S 流動砂
Ss 貯留空間
St 頂部空間
a 回転方向
b 移送方向