(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023016131
(43)【公開日】2023-02-02
(54)【発明の名称】写真作成ゲーム機、画像作成方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G03B 17/53 20210101AFI20230126BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20230126BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20230126BHJP
H04N 23/63 20230101ALI20230126BHJP
G07F 17/26 20060101ALI20230126BHJP
G03B 15/00 20210101ALN20230126BHJP
【FI】
G03B17/53
H04N5/222 500
H04N5/232 290
H04N5/232 930
G07F17/26
G03B15/00 G
G03B15/00 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021120228
(22)【出願日】2021-07-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年4月20日に電子メールにて送信した紹介資料にて公開,令和3年4月20日に電子メールにて送信した販売促進用リーフレットにて公開,令和3年7月5日にウェブサイト(https://www.furyu.jp/news/2021/07/CAOLABO2)にて公開,令和3年7月5日にウェブサイト(https://sp.pictlink.com/sp/machine/136)にて公開
(71)【出願人】
【識別番号】307010096
【氏名又は名称】フリュー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】新庄 香練
(72)【発明者】
【氏名】小野 実夏
(72)【発明者】
【氏名】山本 悠理乃
(72)【発明者】
【氏名】高松 瞳
(72)【発明者】
【氏名】萩原 理予
【テーマコード(参考)】
2H104
5C122
【Fターム(参考)】
2H104AA19
2H104BC48
5C122DA04
5C122DA34
5C122EA42
5C122EA60
5C122EA61
5C122FK23
5C122FK24
5C122FK41
5C122FL03
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】利用者が自分の顔に適したメイクを迷うことなく選択する。
【解決手段】撮影制御部は、複数の利用者を被写体として撮影することで、撮影画像を生し、提示制御部は、選択肢を含む選択画面を利用者毎に提示し、設定部は、利用者毎に選択された選択肢に応じて、撮影画像に写る利用者の顔に反映されるメイク処理であって、利用者に推薦されるおすすめメイク処理を、利用者毎に設定し、表示制御部は、利用者毎に設定されたおすすめメイク処理を利用者毎に選択させるためのおすすめメイク選択領域を表示する。本技術は、写真シール作成装置に適用することができる。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の利用者を被写体として撮影することで、撮影画像を生成する撮影制御部と、
選択肢を含む選択画面を前記利用者毎に提示する提示制御部と、
前記利用者毎に選択された前記選択肢に応じて、前記撮影画像に写る前記利用者の顔に反映されるメイク処理であって、前記利用者に推薦されるおすすめメイク処理を、前記利用者毎に設定する設定部と、
前記利用者毎に設定された前記おすすめメイク処理を前記利用者毎に選択させるためのおすすめメイク選択領域を表示する表示制御部と
を備える写真作成ゲーム機。
【請求項2】
対象利用者の前記おすすめメイク選択領域において選択された前記おすすめメイク処理を、前記撮影画像に写る前記利用者のうちの前記対象利用者の顔に反映させるメイク処理部をさらに備える
請求項1に記載の写真作成ゲーム機。
【請求項3】
前記撮影制御部は、複数の前記利用者を複数回撮影することで、複数の前記撮影画像を生成し、
前記メイク処理部は、前記対象利用者の前記おすすめメイク選択領域における選択に応じて、前記撮影画像毎に、前記おすすめメイク処理を前記対象利用者の顔に反映させる
請求項2に記載の写真作成ゲーム機。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記おすすめメイク選択領域とともに、前記おすすめメイク処理が反映される前記撮影画像を表示する
請求項1乃至3のいずれかに記載の写真作成ゲーム機。
【請求項5】
前記提示制御部は、2以上の前記選択肢を含む前記選択画面を提示し、
前記設定部は、前記利用者に選択された前記選択肢の組み合わせに応じて、前記おすすめメイク処理を設定する
請求項1乃至4のいずれかに記載の写真作成ゲーム機。
【請求項6】
前記選択肢は、メイクについて重視する要素である
請求項1乃至5のいずれかに記載の写真作成ゲーム機。
【請求項7】
写真作成ゲーム機が、
複数の利用者を被写体として撮影することで、撮影画像を生成し、
選択肢を含む選択画面を前記利用者毎に提示し、
前記利用者毎に選択された前記選択肢に応じて、前記撮影画像に写る前記利用者の顔に反映されるメイク処理であって、前記利用者に推薦されるおすすめメイク処理を、前記利用者毎に設定し、
前記利用者毎に設定された前記おすすめメイク処理を前記利用者毎に選択させるためのおすすめメイク選択領域を表示する
画像作成方法。
【請求項8】
コンピュータに、
複数の利用者を被写体として撮影することで、撮影画像を生成し、
選択肢を含む選択画面を前記利用者毎に提示し、
前記利用者毎に選択された前記選択肢に応じて、前記撮影画像に写る前記利用者の顔に反映されるメイク処理であって、前記利用者に推薦されるおすすめメイク処理を、前記利用者毎に設定し、
前記利用者毎に設定された前記おすすめメイク処理を前記利用者毎に選択させるためのおすすめメイク選択領域を表示する
処理を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、写真作成ゲーム機、画像作成方法、およびプログラムに関し、特に、利用者が自分の顔に適したメイクを迷うことなく選択できるようにする写真作成ゲーム機、画像作成方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アミューズメント施設などに設置される写真シール機が知られている。写真シール機は、利用者を撮影し、利用者の操作に応じて撮影画像に対して編集を施す。写真シール機は、編集が施された撮影画像をシール紙に印刷する。
【0003】
近年、特許文献1,2に開示されているように、メイクパレット(メイク選択領域)に様々なメイクに対応するアイコンを表示し、選択されたアイコンに対応するメイクを、撮影画像に写る利用者の顔に対して反映させる写真シール機が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-229013号公報
【特許文献2】特開2018-181044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、メイクパレット(メイク選択領域)には多数のアイコン(メイク)が表示されるため、慣れていない利用者にとっては、どのメイクが自分の顔に適しているのかわからず、メイクの選択に迷うことがあった。
【0006】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、利用者が自分の顔に適したメイクを迷うことなく選択できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技術の写真作成ゲーム機は、複数の利用者を被写体として撮影することで、撮影画像を生成する撮影制御部と、選択肢を含む選択画面を前記利用者毎に提示する提示制御部と、前記利用者毎に選択された前記選択肢に応じて、前記撮影画像に写る前記利用者の顔に反映されるメイク処理であって、前記利用者に推薦されるおすすめメイク処理を、前記利用者毎に設定する設定部と、前記利用者毎に設定された前記おすすめメイク処理を前記利用者毎に選択させるためのおすすめメイク選択領域を表示する表示制御部とを備える写真作成ゲーム機である。
【0008】
本技術の画像作成方法は、写真作成ゲーム機が、複数の利用者を被写体として撮影することで、撮影画像を生成し、選択肢を含む選択画面を前記利用者毎に提示し、前記利用者毎に選択された前記選択肢に応じて、前記撮影画像に写る前記利用者の顔に反映されるメイク処理であって、前記利用者に推薦されるおすすめメイク処理を、前記利用者毎に設定し、前記利用者毎に設定された前記おすすめメイク処理を前記利用者毎に選択させるためのおすすめメイク選択領域を表示する画像作成方法である。
【0009】
本技術のプログラムは、コンピュータに、複数の利用者を被写体として撮影することで、撮影画像を生成し、選択肢を含む選択画面を前記利用者毎に提示し、前記利用者毎に選択された前記選択肢に応じて、前記撮影画像に写る前記利用者の顔に反映されるメイク処理であって、前記利用者に推薦されるおすすめメイク処理を、前記利用者毎に設定し、前記利用者毎に設定された前記おすすめメイク処理を前記利用者毎に選択させるためのおすすめメイク選択領域を表示する処理を実行させるためのプログラムである。
【0010】
本技術においては、複数の利用者を被写体として撮影することで、撮影画像が生成され、選択肢を含む選択画面が前記利用者毎に提示され、前記利用者毎に選択された前記選択肢に応じて、前記撮影画像に写る前記利用者の顔に反映されるメイク処理であって、前記利用者に推薦されるおすすめメイク処理が、前記利用者毎に設定され、前記利用者毎に設定された前記おすすめメイク処理を前記利用者毎に選択させるためのおすすめメイク選択領域が表示される。
【発明の効果】
【0011】
本技術によれば、利用者が自分の顔に適したメイクを迷うことなく選択することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本技術の写真シール作成装置の外観の構成例を示す斜視図である。
【
図2】写真シール作成装置の外観を他の角度からみた斜視図である。
【
図6】編集ユニットの正面の構成例を示す図である。
【
図7】写真シール作成装置の構成例を示すブロック図である。
【
図8】制御部の機能構成例を示すブロック図である。
【
図9】撮影処理部と編集処理部の機能構成例を示すブロック図である。
【
図10】写真シール作成ゲーム提供処理について説明するフローチャートである。
【
図11】撮影処理の流れについて説明するフローチャートである。
【
図16】ツヤ感低減処理の流れについて説明するフローチャートである。
【
図17】ツヤ感増加処理の流れについて説明するフローチャートである。
【
図19】パーソナルカルテの詳細について説明する図である
【
図20】おすすめメイク設定処理の流れについて説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本技術を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
<写真シール作成装置の外観>
図1および
図2は、写真シール作成装置1の外観の構成例を示す斜視図である。
【0015】
写真シール作成装置1は、撮影画像や編集画像を提供する写真作成ゲーム機である。写真シール作成装置1は、画像をシール紙に印刷したり、画像を利用者の携帯端末上で閲覧可能にしたりすることで、利用者に画像を提供する。写真シール作成装置1は、ゲームセンターなどのアミューズメント施設や店舗に設置される。
【0016】
写真シール作成装置1の利用者は、主に女子高生や若い女性である。写真シール作成装置1において、1組あたり主に2人や3人などの複数人の利用者がゲームを楽しむことができる。もちろん、写真シール作成装置1において、1人の利用者がゲームを楽しむこともできる。
【0017】
写真シール作成装置1において、利用者は、自身が被写体となって撮影作業を行う。利用者は、編集作業により、撮影によって得られた撮影画像の中から選択した画像に、手書きの文字やスタンプ画像などの合成用画像を合成させる。これにより、撮影画像が彩り豊かな画像に編集される。利用者は、編集済みの画像である編集画像が印刷されたシール紙を受け取って一連のゲームを終了させる。
【0018】
写真シール作成装置1は、写真作成ゲームを提供する写真作成ゲーム機ということができる。
【0019】
図1に示すように、写真シール作成装置1は、基本的に、撮影ユニット11と編集ユニット12が接した状態で設置されることによって構成される。撮影ユニット11と編集ユニット12は電気的に接続される。
【0020】
撮影ユニット11は、人が中に入ることができる程度の大きさを有する箱形状の筐体を有し、事前選択部20、撮影部21、および背景部22から構成される。事前選択部20は、撮影部21の側面に設置される。事前選択部20の前方の空間が、事前選択処理が行われる事前選択空間となる。また、撮影部21と背景部22は所定の距離だけ離して設置される。撮影部21と背景部22の間に形成される空間が、撮影処理が行われる撮影空間となる。
【0021】
事前選択部20は、事前選択処理として、写真シール作成装置1によって提供されるゲームを紹介するガイダンスを行ったり、撮影空間で行われる撮影処理における各種の設定を行ったりする。事前選択部20には、利用者が代金を投入する硬貨投入返却口や、各種の操作に用いられるタッチパネルモニタなどが設けられる。事前選択部20は、撮影空間の空き状況に応じて、適宜、事前選択空間にいる利用者を撮影空間へと案内する。
【0022】
撮影部21は、利用者を被写体として撮影するための装置である。撮影部21は、撮影空間に入った利用者の正面に位置する。撮影空間に臨む撮影部21の正面には、カメラや、各種の操作に用いられるタッチパネルモニタなどが設けられる。
【0023】
撮影空間において正面を向いている利用者からみて左側の面を左側面、右側の面を右側面とすると、撮影部21の左側面が側面パネル41Aにより構成され、右側面が側面パネル41Bにより構成される。さらに、撮影部21の正面が正面パネル42により構成される。側面パネル41Aには、上述した事前選択部20が設置される。なお、事前選択部20が、側面パネル41Bに設置されるようにしてもよい。
【0024】
背景部22は、背面パネル51、側面パネル52A、および側面パネル52Bから構成される。背面パネル51は、正面を向いている利用者の背面側に位置する板状の部材である。側面パネル52Aは、背面パネル51の左端に取り付けられ、側面パネル41Aより横幅の狭い板状の部材である。側面パネル52Bは、背面パネル51の右端に取り付けられ、側面パネル41Bより横幅の狭い板状の部材である。
【0025】
側面パネル41Aと側面パネル52Aは、ほぼ同一平面に設けられる。側面パネル41Aと側面パネル52Aの上部は、板状の部材である連結部23Aによって連結される。側面パネル41Aと側面パネル52Aの下部は、床面に設けた例えば金属製の部材である連結部23A’によって連結される。側面パネル41Bと側面パネル52Bも同様に、ほぼ同一平面に設けられる。側面パネル41Bと側面パネル52Bの上部は、連結部23Bによって連結される。側面パネル41Bと側面パネル52Bの下部は、連結部23B’によって連結される。
【0026】
側面パネル41A、連結部23A、および側面パネル52Aに囲まれることによって形成される開口が撮影空間の出入り口となる。また、側面パネル41B、連結部23B、および側面パネル52Bに囲まれることによって形成される開口も撮影空間の出入り口となる。
【0027】
撮影空間の上方には、撮影部21の正面、連結部23A、および連結部23Bに囲まれた天井が形成される。その天井の一部に、天井ストロボユニット24が設けられる。天井ストロボユニット24の一端が連結部23Aに固定され、他端が連結部23Bに固定される。
【0028】
天井ストロボユニット24は、撮影に合わせて撮影空間内に向けて光を照射するストロボを内蔵する。天井ストロボユニット24の内部には、ストロボの他に蛍光灯が設けられている。これにより、天井ストロボユニット24は、撮影空間の照明としても機能する。
【0029】
編集ユニット12は、撮影画像に編集を施すための装置である。編集ユニット12は、一方の側面が撮影部21の正面パネル42に接するようにして、撮影ユニット11に連結している。
【0030】
図1に示される編集ユニット12の構成を正面側の構成とすると、編集ユニット12の正面側と背面側のそれぞれに、編集作業で用いられる構成が設けられる。この構成により、2組の利用者が同時に編集作業を行うことができる。
【0031】
編集ユニット12の正面側は、面61と、面61の上方に形成された斜面62から構成される。面61は、床面に対して垂直で、撮影部21の側面パネル41Aとほぼ平行な面である。斜面62には、編集作業に用いられる構成として、タブレット内蔵モニタやタッチペンが設けられる。斜面62の左側には、照明装置64の一端を支持する柱状の支持部63Aが設けられる。斜面62の右側には、照明装置64の他端を支持する柱状の支持部63Bが設けられる。支持部63Aの上面にはカーテンレール26を支持する支持部65が設けられる。
【0032】
編集ユニット12の上方にはカーテンレール26が取り付けられる。カーテンレール26は、3本のレール26A乃至26Cを、組み合わせて構成される。3本のレール26A乃至26Cは、上から見たときの形状がコの字状となるように組み合わせられる。平行に設けられるレール26Aとレール26Bの一端は、連結部23Aと連結部23Bにそれぞれ固定され、レール26Aとレール26Bの他端は、レール26Cの両端にそれぞれ接合される。
【0033】
カーテンレール26には、編集ユニット12の正面前方の空間と背面前方の空間が外から見えないようにカーテンが取り付けられる。そのカーテンにより囲まれる編集ユニット12の正面前方の空間と背面後方の空間が、利用者が編集作業を行う編集空間となる。
【0034】
編集ユニット12の左側面には、印刷済みのシール紙が排出される排出口が設けられる。編集ユニット12の左側面前方の空間が、利用者が印刷済みのシール紙が排出されるのを待つ印刷待ち空間となる。
【0035】
<利用者の移動について>
ここで、写真シール作成ゲームの流れと、それに伴う利用者の移動について説明する。
【0036】
図3は、写真シール作成装置1を上から見た平面図である。
【0037】
利用者は、事前選択部20の前方の空間である事前選択空間A0において硬貨投入口に代金を投入する。次に、利用者は、タッチパネルモニタに表示される画面に従って各種の設定を行う。利用者は、例えば、撮影空間で行われる撮影に関するコースの選択などを事前選択作業として行う。
【0038】
事前選択作業を終えた利用者は、白抜き矢印#1で示すように、側面パネル41Aと側面パネル52Aの間の出入り口G1から、撮影部21と背景部22の間に形成された撮影空間A1に入る。利用者は、撮影部21に設けられたカメラやタッチパネルモニタなど利用して撮影作業を行う。
【0039】
撮影作業を終えた利用者は、白抜き矢印#2で示すように出入り口G1から撮影空間A1を出て編集空間A2-1に移動するか、または、白抜き矢印#3で示すように出入り口G2から撮影空間A1を出て編集空間A2-2に移動する。
【0040】
編集空間A2-1は、編集ユニット12の正面側の編集空間である。一方、編集空間A2-2は、編集ユニット12の背面側の編集空間である。利用者が編集空間A2-1と編集空間A2-2のいずれの空間に移動するのかは、撮影部21のタッチパネルモニタの画面表示などによって案内される。例えば2つの編集空間のうちの空いている方が移動先として案内される。編集空間A2-1または編集空間A2-2に移動した利用者は、編集作業を開始する。編集空間A2-1の利用者と、編集空間A2-2の利用者は同時に編集作業を行うことができる。
【0041】
編集作業が終了した後、編集画像の印刷が開始される。印刷が開始されると、編集空間A2-1での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#4で示すように編集空間A2-1から印刷待ち空間A3に移動する。また、編集空間A2-2での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#5で示すように編集空間A2-2から印刷待ち空間A3に移動する。
【0042】
印刷待ち空間A3に移動した利用者は、印刷が終わるのを待つ。印刷が終了すると、利用者は、編集ユニット12の右側面に設けられた排出口から排出されたシール紙を受け取り、一連の写真シール作成ゲームを終える。
【0043】
次に、各装置の構成について説明する。
【0044】
<事前選択部の構成>
図4は、事前選択部20の構成例を示す図である。
【0045】
事前選択部20の上側にはタッチパネルモニタ71が設けられる。タッチパネルモニタ71は、LCD(Liquid Crystal Display)などのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。タッチパネルモニタ71は、各種のGUI(Graphical User Interface)を表示し、利用者の選択操作を受け付ける機能を備えている。タッチパネルモニタ71には、利用者の人数の選択などに用いられる画面が表示される。
【0046】
タッチパネルモニタ71の下方には、スピーカ72が設けられる。スピーカ72は、事前選択処理の案内音声、BGM、効果音などを出力する。スピーカ72に隣接するようにして、利用者が硬貨を入れる硬貨投入返却口73が設けられる。
【0047】
<撮影部の構成>
図5は、撮影部21の正面の構成例を示す図である。撮影部21は、側面パネル41A、側面パネル41B、および正面パネル42に囲まれるようにして構成される。
【0048】
正面パネル42の中央よりやや上側には、カメラユニット81が設けられる。カメラユニット81の正面には、カメラ91、およびタッチパネルモニタ92が設けられる。
【0049】
カメラ91は、例えば一眼レフカメラであり、レンズが露出するようにカメラユニット81の内部に取り付けられる。カメラ91は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子を有し、撮影空間A1にいる利用者を撮影する。カメラ91は、利用者を被写体として撮影を行う撮影部として機能する。
【0050】
カメラ91により取り込まれた動画像(以下、ライブビュー画像ともいう)は、タッチパネルモニタ92にリアルタイムで表示される。撮影が指示されたときなどの所定のタイミングでカメラ91により取り込まれた静止画像は、撮影画像として保存される。
【0051】
タッチパネルモニタ92は、カメラ91の下方に設けられる。タッチパネルモニタ92は、LCDなどのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。タッチパネルモニタ92は、カメラ91により取り込まれた動画像を表示するライブビューモニタとしての機能と、各種のGUIを表示し利用者の選択操作を受け付ける機能を備えている。
【0052】
カメラユニット81の上方には、曲面の発光面を利用者に向けた上ストロボユニット82が設置される。上ストロボユニット82は、利用者の正面上方から、利用者の顔および上半身に光を照射する。
【0053】
カメラユニット81の下方には、利用者の下半身および足元に光を照射する足元ストロボユニット83が設けられる。
【0054】
上ストロボユニット82および足元ストロボユニット83の内部には、蛍光灯とストロボ発光可能な発光管が設けられる。上ストロボユニット82および足元ストロボユニット83は、撮影空間内を蛍光灯によって常時照らすとともに、撮影タイミングで発光管を発光させ、被写体となる利用者にストロボ光を照射する。
【0055】
足元ストロボユニット83と側面パネル41Aとの間には、箱状部84が設けられる。また、足元ストロボユニット83と側面パネル41Bとの間には、箱状部85が設けられる。箱状部84,85の上面は、写真シール作成装置1の設置面と略水平な面をなし、撮影作業を行う利用者が手荷物などを置くための荷物置き場として用いられる。
【0056】
なお、図示はしないが、正面パネル42の例えば天井付近には、スピーカが設けられる。そのスピーカは、撮影処理の案内音声、BGM、効果音などを出力する。
【0057】
<編集ユニットの構成>
図6は、編集ユニット12の正面側(編集空間A2-1側)の構成例を示す図である。
【0058】
斜面62のほぼ中央には、タブレット内蔵モニタ131が設けられる。タブレット内蔵モニタ131の左側にはタッチペン132Aが設けられる。タブレット内蔵モニタ131の右側にはタッチペン132Bが設けられる。
【0059】
タブレット内蔵モニタ131は、タブレットとディスプレイを積層して構成される。タブレットは、タッチペン132Aとタッチペン132Bを用いた操作入力を可能とする。タブレット内蔵モニタ131には、例えば、編集作業に用いられる編集画面が表示される。2人の利用者が同時に編集作業を行う場合、タッチペン132Aはタブレット内蔵モニタ131に向かって左側にいる利用者により用いられ、タッチペン132Bはタブレット内蔵モニタ131に向かって右側にいる利用者により用いられる。
【0060】
なお、タッチペン132Aを用いた操作とタッチペン132Bを用いた操作は識別される。適宜、タブレット内蔵モニタ131の左側の表示に対してはタッチペン132Aを用いた操作のみが可能とされ、右側の表示に対してはタッチペン132Bを用いた操作のみが可能とされる。以下、適宜、タッチペン132Aとタッチペン132Bを区別する必要がない場合、まとめてタッチペン132という。
【0061】
編集ユニット12の左側面にはシール紙排出口が設けられる。編集ユニット12の内部にはプリンタが設けられている。そのプリンタにより、編集空間A2-1の利用者が写る画像、または、編集空間A2-2の利用者が写る画像が所定のレイアウトでシール紙に印刷され、シール紙排出口から排出される。
【0062】
<写真シール作成装置の内部構成>
図7は、写真シール作成装置1の構成例を示すブロック図である。
図7において、上述した構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0063】
図7に示すように、写真シール作成装置1は、PC(Personal Computer)部301に対して、事前選択部302、撮影部304、編集部305A,305B、および印刷部306が外部入出力インタフェース303を介して接続されることによって構成される。情報処理部であるPC部301は、例えば編集ユニット12の筐体内部に収納される。
【0064】
PC部301を構成するCPU(Central Processing Unit)311、ROM(Read Only Memory)312、RAM(Random Access Memory)313は、バス314により相互に接続される。
【0065】
CPU311は、所定のプログラムを実行し、写真シール作成装置1の全体の動作を制御する。ROM312は、CPU311が実行するプログラムやデータを記憶する。RAM313は、CPU311が処理するデータやプログラムを一時的に記憶する。
【0066】
バス314には、さらに、入出力インタフェース315が接続される。入出力インタフェース315には、記憶部316、通信部317、およびドライブ318が接続される。
【0067】
記憶部316は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体である。記憶部316は、CPU311から供給された各種の設定情報などを記憶する。記憶部316に記憶されている情報はCPU311により適宜読み出される。
【0068】
通信部317は、インターネットなどのネットワークのインタフェースである。通信部317は、CPU311による制御に従って外部の装置と通信を行う。通信部317は、利用者がゲーム中に作成した画像を、例えば写真シール作成装置1の製造メーカが管理する画像管理サーバに送信する。通信部317から送信された画像は、所定の記憶領域が割り当てられて保存され、画像管理サーバにアクセスしてきた携帯端末上で表示されたり、携帯端末にダウンロードされたりする。
【0069】
ドライブ318には、光ディスクや半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア319が適宜装着される。ドライブ318によりリムーバブルメディア319から読み出されたプログラムやデータは、CPU311に供給され、記憶部316に記憶されたり、インストールされたりする。
【0070】
入出力インタフェース315には外部入出力インタフェース303が接続される。PC部301による各部の制御が、外部入出力インタフェース303を介して行われる。
【0071】
事前選択部302は、事前選択空間A0にいる利用者を対象とした事前選択処理を実現する。事前選択部302は、タッチパネルモニタ71、スピーカ72、および硬貨処理部321から構成される。
【0072】
タッチパネルモニタ71は、PC部301による制御に従って各種の選択画面を表示し、選択画面に対する利用者の操作を受け付ける。利用者の操作の内容を表す入力信号はPC部301に供給され、各種の設定が行われる。
【0073】
硬貨処理部321は、硬貨投入返却口73への硬貨の投入を検出する。硬貨処理部321は、所定の金額分の硬貨が投入されたことを検出した場合、ゲームの開始を指示する起動信号をPC部301に出力する。
【0074】
撮影部304は、撮影空間A1にいる利用者を対象とした撮影処理を実現する。撮影部304は、照明装置331、カメラ91、タッチパネルモニタ92、およびスピーカ332から構成される。
【0075】
照明装置331は、撮影空間A1内の各ストロボユニットであり、PC部301から供給される照明制御信号に従って発光する。
【0076】
カメラ91は、PC部301によるシャッタ制御に従って撮影を行い、撮影によって得られた撮影画像(画像データ)をPC部301に出力する。
【0077】
編集部305Aは、編集空間A2-1にいる利用者を対象とした編集処理を実現する。編集部305Aは、タブレット内蔵モニタ131、タッチペン132A,132B、およびスピーカ341から構成される。編集部305Bは、編集空間A2-2にいる利用者を対象とした編集処理を実現し、編集部305Aと同一の構成を有する。なお、以下、編集部305A,305Bを特に区別しない場合には、単に、編集部305という。
【0078】
タブレット内蔵モニタ131は、PC部301による制御に従って編集画面を表示し、編集画面に対する利用者の操作を受け付ける。利用者の操作の内容を表す入力信号はPC部301に供給され、編集対象となる撮影画像が編集される。
【0079】
印刷部306は、プリンタ351を含むように構成される。プリンタ351にはシール紙ユニット352が装着される。
【0080】
プリンタ351は、内蔵するヘッド361を駆動し、PC部301から供給された印刷データに基づいて、シール紙ユニット352に収納されているロール状のシール紙363に画像を印刷する。また、プリンタ351は、画像を印刷したシール紙363をカッター362によって所定のカット位置でカットして、シール紙排出口に排出する。印刷媒体として、写真を印刷可能な、シール紙以外の各種の媒体を用いることが可能である。
【0081】
<制御部の機能構成例>
図8は、写真シール作成装置1の全体の動作を制御する制御部の機能構成例を示すブロック図である。
図8の各機能ブロックは、CPU311により所定のプログラムが実行されることによって実現される。
【0082】
図8に示されるように、制御部400として、事前選択処理部401、撮影処理部402、編集処理部403、印刷処理部404、および送信処理部405が実現される。
【0083】
事前選択処理部401は、事前選択部302の各部を制御することで、事前選択処理を行う。事前選択処理部401は、利用者の選択内容を表す選択情報を、撮影処理部402に供給する。
【0084】
撮影処理部402は、事前選択処理部401からの選択情報に基づいて、撮影部304の各部を制御することで撮影処理を行う。撮影処理部402は、複数回の撮影により得られた複数枚の撮影画像を、編集処理部403に供給する。
【0085】
編集処理部403は、編集部305の各部を制御することで編集処理を行う。編集処理部403は、撮影画像に編集が施された後の編集画像が所定のレイアウトで配置された印刷データを生成し、印刷処理部404に供給する。また、編集処理部403は、編集画像(撮影画像)の中から利用者により選択された画像のデータを、送信処理部405に供給する。
【0086】
印刷処理部404は、印刷部306の各部を制御することで印刷処理を行う。印刷処理部404は、プリンタ351に印刷データを入力することで、編集画像をシール紙363に印刷して、排出口に排出する。
【0087】
送信処理部405は、通信部317を制御することで、利用者により選択された画像を画像管理サーバへ送信する送信処理を行う。
【0088】
<撮影処理部と編集処理部の詳細な構成>
図9を参照して、撮影処理部402と編集処理部403の詳細な構成について説明する。
【0089】
図9に示されるように、撮影処理部402は、撮影制御部421、顔分析部422、
提示制御部423、および画像処理部424を含むように構成される。
【0090】
撮影制御部421は、カメラ91を制御し、利用者を被写体として撮影することで、撮影画像を生成する。多くの場合、利用者は2名であるが、3人以上の複数人数であってもよく、撮影回数も複数回である。生成される複数の撮影画像のうち、所定の1枚は、顔分析部422に供給され、他の撮影画像は全て画像処理部424に供給される。
【0091】
顔分析部422は、撮影制御部421からの撮影画像に基づいて、利用者の顔の特徴を分析する。顔の特徴の分析は、特徴点を検出するとともに、利用者の顔を、あらかじめ設定された特徴量空間上にマッピングすることによって行われる。特徴量空間の各領域には顔タイプが設定されている。利用者の顔を特徴量空間上にマッピングすることにより、利用者の顔タイプが特定される。分析結果は、提示制御部423に供給されることで利用者に提示されるとともに、画像処理部424にも供給される。
【0092】
提示制御部423は、撮影空間A1において利用者に各種の情報を含む画面を提示するタッチパネルモニタ92を制御する。提示制御部423は、表示制御部423aと入力受付部423bを有している。
【0093】
表示制御部423aは、タッチパネルモニタ92における各種の画面の表示を制御する。タッチパネルモニタ92に表示される画面には、選択肢を含む選択画面などが含まれる。具体的には、選択画面として、顔の雰囲気や肌に関する選択肢を含む顔診断画面が表示される。
【0094】
入力受付部423bは、タッチパネルモニタ92に表示された画面に対する利用者の操作入力を受け付ける。例えば、入力受付部423bは、顔診断画面における顔の雰囲気や肌に関する選択肢の、利用者による選択を受け付ける。利用者により選択された選択肢に応じて、その選択肢に対応する顔の雰囲気や肌を表す顔パラメータが、画像処理部424と編集処理部403に供給される。
【0095】
画像処理部424は、顔分析部422からの分析結果と、提示制御部423(入力受付部423b)からの顔パラメータに応じて、撮影制御部421からの撮影画像に写る利用者の顔部分に対して画像処理を施す。画像処理が施された撮影画像は、編集処理部403に供給される。
【0096】
編集処理部403は、設定部431、提示制御部432、および編集制御部433を含むように構成される。
【0097】
設定部431は、撮影処理部402(入力受付部423b)からの顔パラメータに応じて、撮影画像に写る利用者の顔に反映されるメイク処理であって、利用者に推薦されるおすすめメイク処理を、利用者毎に設定する。メイク処理は、撮影画像に写る顔における目、鼻、唇、頬などの顔パーツを対象とした、メイクを模した画像処理であってもよいし、これらの顔パーツに対する、メイクを模した合成画像(メイク画像)の合成処理であってもよい。利用者毎に設定されたメイク処理を表す情報は、提示制御部432に供給される。
【0098】
提示制御部432は、編集空間A2-1,A2-2において利用者に各種の情報を含む画面を提示するタブレット内蔵モニタ131を制御する。提示制御部432は、表示制御部432aと入力受付部432bを有している。
【0099】
表示制御部432aは、タブレット内蔵モニタ131における各種の画面の表示を制御する。タブレット内蔵モニタ131に表示される画面には、編集作業に用いられる編集画面などが含まれる。編集画面には、撮影処理部402からの、画像処理が施された撮影画像が表示されたり、設定部431からの情報に基づいて、利用者毎に設定されたメイク処理を利用者毎に選択させるためのおすすめメイク選択領域が表示されたりする。
【0100】
入力受付部432bは、タブレット内蔵モニタ131に表示された画面に対するタッチペン132を用いた利用者の操作入力を受け付ける。例えば、入力受付部432bは、編集画面における各種の編集ツールの、利用者による選択を受け付ける。また、入力受付部432bは、編集画面のおすすめメイク選択領域におけるおすすめメイク処理の、利用者による選択を受け付ける。利用者により選択された編集ツールやおすすめメイク処理に応じて、その編集ツールやおすすめメイク処理を表す情報が、編集制御部433に供給される。
【0101】
編集制御部433は、提示制御部432(入力受付部432b)からの情報に応じて、撮影画像の編集を行う。例えば、編集制御部433は、利用者により選択された編集ツールを表す情報に応じて、手書きの文字やスタンプ画像などの合成用画像を、編集対象として選択されている撮影画像に合成する。また、編集制御部433は、メイク処理部433aを有している。
【0102】
メイク処理部433aは、利用者により選択されたおすすめメイク処理を表す情報に応じて、当該利用者に選択されたおすすめメイク処理を、編集対象として選択されている撮影画像に写る当該利用者の顔に反映させる。
【0103】
このようにして編集された複数の撮影画像は、所定のレイアウトで配置された印刷データとして印刷処理部404に供給され、複数の撮影画像のうちの利用者により選択された撮影画像のデータは、送信処理部405に供給される。
【0104】
<写真シール作成ゲーム提供処理>
次に、
図10のフローチャートを参照して、写真シール作成装置1が実行する写真シール作成ゲーム提供処理の流れについて説明する。
図10の処理は、例えば、所定の金額分の硬貨が投入されたときに開始される。
【0105】
ステップS1において、事前選択処理部401は、事前選択部302を制御することで、事前選択処理を行う。具体的には、事前選択処理部401は、利用者の人数の選択、写りコースの選択などを利用者に行わせる。いずれの選択も、タッチパネルモニタ71に表示される選択画面を用いて行われる。
【0106】
ステップS2において、撮影処理部402は、撮影部304を制御することで、撮影処理を行う。具体的には、撮影処理部402は、カメラ91に取り込まれた被写体の動画像をタッチパネルモニタ92にライブビュー表示させ、撮影空間A1にいる利用者を被写体として撮影し、撮影画像を生成する。
【0107】
ステップS3において、編集処理部403、印刷処理部404、および送信処理部405は、編集・印刷・送信処理を行う。
【0108】
すなわち、編集処理部403は、編集部305を制御することで、編集処理を行う。具体的には、編集処理部403は、撮影処理により得られた撮影画像に対して利用者に編集作業を行わせることで、編集が施された編集画像を生成する。
【0109】
また、印刷処理部404は、プリンタ351を制御することで、印刷処理を行う(開始する)。具体的には、印刷処理部404は、編集処理により得られた編集画像(印刷データ)をプリンタ351に入力してシール紙に印刷する。印刷が終了すると、プリンタ351は、画像が印刷されたシール紙を、排出口に排出する。
【0110】
一方、送信処理部405は、通信部317を制御することで、送信処理を行う。具体的には、送信処理部405は、編集処理により得られた編集画像と撮影画像の中から利用者に選択された画像を、画像管理サーバへ送信する。
【0111】
編集処理、印刷処理、および送信処理は、互いにそれぞれの一部または全部が、並行して行われてもよい。
【0112】
<撮影処理の流れ>
次に、
図11のフローチャートを参照して、
図10のステップS2における撮影処理の流れについて説明する。ここでは、事前選択処理において利用者の人数として2人が選択され、2人組の利用者が写真シール作成ゲームをプレイしているものとする。
【0113】
ステップS21において、撮影制御部421は、顔分析撮影を行う。顔分析撮影は、顔の特徴の分析に用いられる撮影画像(顔分析用画像)を生成するための撮影とされる。
【0114】
ステップS22において、顔分析部422は、顔分析撮影によって生成された顔分析用画像に基づいて、顔分析用画像に写る利用者の顔の特徴を分析する。
【0115】
具体的には、顔分析部422は、顔分析用画像のうち、利用者それぞれの顔を含む領域を切り出すことによって、利用者それぞれの顔画像を生成する。顔分析部422は、利用者それぞれの顔画像を解析することによって、顔の特徴点を検出する。例えば、輪郭、目、鼻、口などの、顔の特定の部位の特徴点が検出される。
【0116】
そして、顔分析部422は、顔画像における利用者の顔の特徴を数値化する。例えば、顔の輪郭の形状と、目(左目と右目)の間隔とが数値化される。顔分析部422は、顔の特徴を表す数値に基づいて、利用者の顔を特徴量空間上にマッピングする。
【0117】
ステップS23において、提示制御部423の表示制御部423aは、利用者の顔の特徴の分析結果を含む分析結果画面をタッチパネルモニタ92に表示させる。
【0118】
分析結果画面が表示された後、ステップS24において、提示制御部423(表示制御部423a)は、利用者毎に顔診断画面を提示する(タッチパネルモニタ92に表示させる)。
【0119】
次いで、ステップS25において、提示制御部423の入力受付部423bは、利用者毎に、顔診断画面における選択肢の選択を受け付ける。
【0120】
顔診断画面の提示と、顔診断画面における選択肢の選択は、1人の利用者に対して1回ずつ行われる。すなわち、ステップS24,S25の処理は、利用者1人ずつ繰り返して実行される。
【0121】
全ての利用者(ここでは2人の利用者)について、顔診断画面における選択が完了すると、ステップS26において、撮影制御部421は、カメラ91を制御し、通常撮影を行う。通常撮影は、最終的に利用者に提供される撮影画像を生成するための撮影であり、複数回(例えば5回)行われる。
【0122】
ステップS27において、画像処理部424は、利用者それぞれの顔の特徴の分析結果と、顔診断画面において利用者毎に選択された選択肢に対応する顔パラメータに基づいて、撮影画像に写る利用者それぞれの顔部分に対して画像処理を施す。
【0123】
ステップS28において、撮影制御部421は、撮影終了か否かを判定する。撮影終了ではないと判定された場合、ステップS26に戻り、通常撮影が繰り返される。
【0124】
例えば5枚の撮影画像の撮影が行われたことから、撮影終了であると判定された場合、撮影処理は終了する。
【0125】
(撮影処理において表示される画面の例)
ここで、
図12乃至
図15を参照して、撮影処理において表示される分析結果画面と顔診断画面の例について説明する。
【0126】
【0127】
図12に示される分析結果画面510には、分析結果表示領域511L,511Rが、左右に並んで表示されている。分析結果表示領域511Lは、顔分析用画像に写る2人の利用者のうち左側の利用者の顔の特徴の分析結果が表示される領域である。分析結果表示領域511Rは、顔分析用画像に写る2人の利用者のうち右側の利用者の顔の特徴の分析結果が表示される領域である。
【0128】
利用者の顔の特徴の分析結果は、その利用者の顔がマッピングされた特徴量空間に対応して、「カワイイ系」、「赤ちゃん系」、「オシャレ系」、「オトナ系」の4つの系統に分類されて表現される。分析結果表示領域511L,511Rにおいては、4つの系統を表すマップと、分類された系統を表すイラストおよび文言が表示される。
【0129】
図12の例では、顔分析用画像に写る左側の利用者の顔は「カワイイ系」に分類され、その分類を表すマップ、イラスト、および文言が表示され、顔分析用画像に写る右側の利用者の顔は「赤ちゃん系」に分類され、その分類を表すマップ、イラスト、および文言が表示されている。
【0130】
【0131】
顔診断画面は、顔に関する質問に対する回答(選択肢)を利用者に選択させることで、利用者の所望する顔を判断するための選択画面である。顔診断画面において選択された選択肢に応じて、撮影画像に写る利用者の顔部分に対して画像処理が施されたり、利用者に推薦されるおすすめメイク処理が設定されたりする。この例では、3種類の顔診断画面が、利用者毎に表示されるものとする。
【0132】
まず、
図13に示される顔診断画面520は、所望する顔の雰囲気を利用者に選択させるための選択画面である。顔診断画面520には、顔の雰囲気に関する選択肢として、顔の輪郭を選択するための選択ボタン521,522が表示されている。選択ボタン521は、顔の輪郭のうち、左右の頬とあごの部分を小さくすること(「ベビーフェイス」)を選択するためのボタンである。選択ボタン522は、顔の輪郭のうち、左右の頬の部分を小さくすること(「キレイめフェイス」)を選択するためのボタンである。撮影画像に写る当該利用者の顔には、顔診断画面520において選択された選択ボタンに応じた画像処理(顔の輪郭を変形する処理)が施される。
【0133】
図14に示される顔診断画面530は、所望する顔の肌のタイプ(肌質)を利用者に選択させるための選択画面である。顔診断画面530には、顔の肌に関する選択肢として、肌のタイプを選択するための選択ボタン531,532が表示されている。選択ボタン531は、顔の肌として、うるおいのある印象を与える「ツヤ肌」を選択するためのボタンである。選択ボタン532は、顔の肌として、ツヤを抑え滑らかさのある印象を与える「マット肌」を選択するためのボタンである。撮影画像に写る当該利用者の顔には、顔診断画面530において選択された選択ボタンに応じた画像処理(ツヤ感を調整する処理)が施される。
【0134】
図15に示される顔診断画面540は、メイクについて重視する要素(こだわりたいポイント)を利用者に選択させるための選択画面である。顔診断画面540には、メイクについての選択肢として、こだわりたいポイントを選択するための選択ボタン541乃至545が表示されている。選択ボタン541は、透明感にこだわること(「透明感」)を選択するためのボタンである。選択ボタン542は、健康的な雰囲気にこだわること(「ヘルシー」)を選択するためのボタンである。選択ボタン543は、美白にこだわること(「美白」)を選択するためのボタンである。選択ボタン544は、立体感にこだわること(「立体感」)を選択するためのボタンである。選択ボタン545は、上述した4つのポイントには特にこだわらないこと(「おすすめ」)を選択するためのボタンである。
【0135】
利用者は、顔診断画面540において、5つの選択ボタン541乃至545のうちの2つまでを選択することができる。当該利用者に対しては、選択された選択ボタン(こだわりたいポイント)に応じたおすすめメイク処理が設定される。
【0136】
さらに、顔診断画面540には、リセットボタン546と完了ボタン547が設けられている。リセットボタン546は、選択ボタン541乃至545の選択状態を解除するためのボタンである。完了ボタン547は、選択ボタン541乃至545の選択状態を確定し、顔診断画面における選択を完了するためのボタンである。完了ボタン547は、選択ボタン541乃至545のうちの2つが選択された場合に、非アクティブな状態からアクティブな状態に遷移するが、選択ボタン545のみが選択された場合にも、非アクティブな状態からアクティブな状態に遷移する。すなわち、利用者は、選択ボタン545のみを選択した状態でも、顔診断画面における選択を完了することができる。
【0137】
以上のような顔診断画面が、利用者1人ずつに対して提示される。なお、それぞれの顔診断画面において表示される選択肢の数は、上述した例に限られず、2以上であればよい。
【0138】
<ツヤ感を低減する処理>
本実施の形態に係る写真シール作成装置1においては、撮影画像に対してデフォルトで、撮影画像に写る全ての顔にツヤ感を一定程度増加させる処理が施される。このような処理が施された撮影画像は、ツヤ感のある肌質を好まない利用者にとって、望ましくないものとなる。
【0139】
そこで、上述したように、利用者毎に提示される顔診断画面530において、選択ボタン532が選択されたか否かに応じて、撮影画像に写る利用者毎の顔に対して、ツヤ感を低減する処理が施されるようにする。
【0140】
以下、
図16を参照して、撮影処理部402の画像処理部424によって実行されるツヤ感低減処理について説明する。
図16の処理は、利用者毎に提示される顔診断画面530において選択された選択ボタンに対応する顔パラメータに基づいて、複数の撮影画像それぞれに対して実行される。
【0141】
ステップS51において、画像処理部424は、撮影画像に写る顔を含む領域(顔領域)を検出する。
【0142】
ステップS52において、画像処理部424は、撮影画像において検出された顔領域の1つについて、顔診断画面530においてマット肌(選択ボタン532)を選択した利用者の顔か否かを判定する。マット肌を選択した利用者の顔か否かは、例えば顔分析用画像において分析された顔を用いて識別される。
【0143】
ステップS52においてマット肌を選択した利用者の顔であると判定されると、ステップS53に進み、画像処理部424は、撮影画像における当該利用者の顔領域を、画像処理の対象とする処理領域に設定する。
【0144】
ステップS54において、画像処理部424は、処理領域において、明るさを表す画素値が所定値以上の画素を特定する。ここでいう明るさを表す画素値は、輝度であってもよいし、明度であってもよい。所定値は、あらかじめ設定された閾値とされる。
【0145】
ステップS55において、画像処理部424は、処理領域において特定された画素の画素値を低くする明るさ低減処理を施す。
【0146】
例えば、画像処理部424は、処理領域において特定された画素の画素値から、閾値を超えた値(閾値との差分)に対して所定の係数α(0<α<1.0)を乗じた値を減じることで、当該画素の画素値を、閾値に近づけるように小さくする。
【0147】
これにより、処理領域に含まれる顔においてツヤのある箇所の明るさが抑えられる。
【0148】
なお、係数αは、あらかじめ設定された値であってもよいし、例えば季節に応じて変化する値であってもよい。例えば、春や夏などの汗をかきやすい季節においては、ほどよいツヤ感を超えて「テカリ」が顔に現れやすいことから、係数αを大きくすることで、ツヤ感(テカリ)を抑えるようにする。一方、秋や冬などの汗をかきにくい季節においては、係数αを小さくすることで、ツヤ感を抑えすぎないようにする。
【0149】
また、処理領域における所定値以上の画素値の画素に対してだけでなく、処理領域置ける任意の画素に対して、明るさ低減処理が施されるようにしてもよい。
【0150】
さて、ステップS52においてマット肌を選択した利用者の顔でないと判定された場合、ステップS53乃至S55はスキップされる。すなわち、当該利用者は、顔診断画面530においてツヤ肌(選択ボタン531)を選択した利用者であるので、当該利用者の顔領域には、明るさ低減処理は施されない。
【0151】
ステップS56においては、撮影画像において検出された全ての顔領域について処理したか(ステップS52乃至S55を実行したか)否かが判定される。全ての顔領域について処理したと判定されるまで、ステップS52乃至S55は繰り返し実行される。そして、全ての顔領域について処理したと判定されると、当該撮影画像に対するツヤ感低減処理は終了する。
【0152】
以上の処理によれば、利用者は、撮影画像に写る自身の顔にツヤ感低減処理を施すか否かを選択することができるので、ツヤ感のある肌質を好まない利用者であっても、その利用者が所望する肌質を実現することが可能となる。
【0153】
<ツヤ感を増加させる処理>
上述したツヤ感低減処理に加えて、利用者毎に提示される顔診断画面530において、選択ボタン531が選択されたか否かに応じて、撮影画像に写る利用者毎の顔に対して、ツヤ感を増加させる処理が施されるようにしてもよい。
【0154】
以下、
図17を参照して、撮影処理部402の画像処理部424によって実行されるツヤ感増加処理について説明する。
図17の処理もまた、利用者毎に提示される顔診断画面530において選択された選択ボタンに対応する顔パラメータに基づいて、複数の撮影画像それぞれに対して実行される。
【0155】
なお、
図17のフローチャートにおけるステップS71,S76の処理は、
図16のフローチャートにおけるステップS51,S56の処理とそれぞれ同様にして行われるので、その説明は省略する。
【0156】
すなわち、ステップS72において、画像処理部424は、撮影画像において検出された顔領域の1つについて、顔診断画面530においてツヤ肌(選択ボタン531)を選択した利用者の顔か否かを判定する。
【0157】
ステップS72においてツヤ肌を選択した利用者の顔であると判定されると、ステップS73に進み、画像処理部424は、撮影画像における当該利用者の顔領域を、画像処理の対象とする処理領域に設定する。
【0158】
ステップS74において、画像処理部424は、処理領域において、明るさを表す画素値(輝度または明度)が所定値以上の画素を特定する。ここでいう所定値は、処理領域(顔領域)の全画素の画素値の平均値などとされる。
【0159】
ステップS75において、画像処理部424は、処理領域において特定された画素の画素値を高くする明るさ増加処理を施す。
【0160】
例えば、画像処理部424は、処理領域において特定された画素の画素値をあらかじめ定められた目標値β(0<β≦255)まで増加させる。このとき、画素値の最大増加量δ(0≦δ≦255)を超えない範囲で、処理領域において特定された画素の画素値が増加するようにしてもよい。
【0161】
これにより、処理領域に含まれる顔においてツヤのある箇所の明るさをより際立たせることができる。
【0162】
ここでも、処理領域における所定値以上の画素値の画素に対してだけでなく、処理領域置ける任意の画素に対して、明るさ増加処理が施されるようにしてもよい。
【0163】
さて、ステップS72においてツヤ肌を選択した利用者の顔でないと判定された場合、ステップS73乃至S75はスキップされる。すなわち、当該利用者は、顔診断画面530においてマット肌(選択ボタン532)を選択した利用者であるので、当該利用者の顔領域には、明るさ増加処理は施されない。
【0164】
以上の処理によれば、利用者は、撮影画像に写る自身の顔にツヤ感増加処理を施すか否かを選択することができるので、ツヤ感のある肌質を好む利用者も、その利用者が所望する肌質を実現することが可能となる。
【0165】
上述した説明では、処理領域は、顔を含む領域(顔領域)であるものとしたが、これ以外の領域であってもよい。例えば、撮影画像に写る利用者の髪を含む領域を処理領域に設定することで、利用者毎の髪のツヤ感を低減させたり増加させたりすることができる。
【0166】
<人数に応じた選択画面の提示>
以上においては、事前選択処理において利用者の人数として2人が選択された場合の処理について説明した。すなわち、利用者の人数として2人が選択されている場合には、顔に関する選択肢を有する選択画面である顔診断画面が、利用者毎に提示されるものとした。
【0167】
これ以外にも、利用者の人数に基づいて、顔診断画面(選択画面)が、利用者毎に提示されたり、1回のみ提示されたりしてもよい。具体的には、例えば、事前選択処理において利用者の人数として3人以上が選択された場合には、顔診断画面が、利用者毎ではなく、1回のみ提示されるようにしてもよい。
【0168】
この場合、例えば顔診断画面530において利用者に選択された選択肢(選択ボタン531,532)に応じて、撮影画像に写る全ての利用者の顔領域(処理領域)に対して一律に、明るさ低減処理や明るさ増加処理が施されるようにする。
【0169】
なお、利用者の人数は、事前選択処理において利用者に選択されたものであってもよいし、例えば撮影画像において検出された顔領域の数であってもよい。
【0170】
<編集画面の例>
上述したように、利用者毎に提示される顔診断画面540において選択ボタン541乃至545(こだわりたいポイント)のうちの2つが選択されることで、その組み合わせに応じたおすすめメイク処理が、利用者毎に設定されるものとした。
【0171】
おすすめメイク処理は、撮影画像に写る利用者の顔に反映されるメイク処理であって、利用者に推薦されるメイク処理であり、利用者毎に選択されたこだわりたいポイントの組み合わせに応じて、利用者毎に設定される。利用者は、編集画面に表示されるおすすめメイク選択領域において、当該利用者に設定されたおすすめメイク処理を確認し、選択することができる。
【0172】
編集画面は、撮影画像に対する編集作業である落書きの操作を受け付ける画面である。落書きは、5回の撮影により得られた5枚の撮影画像のうち、2人の利用者それぞれにより選択された全ての撮影画像に対して施され得る。
【0173】
【0174】
図18に示される編集画面600には、編集領域611L,611Rがそれぞれ左右に並んで設けられる。編集領域611L,611Rの間には、編集対象の候補となる撮影画像のサムネイルが表示されるサムネイル表示領域612が設けられる。
【0175】
また、編集領域611L,611Rそれぞれの下方には、編集パレット613L,613Rがそれぞれ左右に並んで設けられる。
【0176】
さらに、編集領域611Lの左側と、編集領域611Rの右側には、利用者毎に設定されたおすすめメイク処理を利用者毎に選択させるためのおすすめメイク選択領域を含むパーソナルカルテ620L,620Rがそれぞれ設けられる。
【0177】
編集領域611L、編集パレット613L、およびパーソナルカルテ620Lは、編集領域611R、編集パレット613R、およびパーソナルカルテ620Rとそれぞれ同一の構成を有している。
【0178】
このような構成により、編集画面において、編集対象として選択された撮影画像に対する落書きが2人の利用者個別に受け付けられる。
【0179】
以下において、編集領域611L,611R、編集パレット613L,613R、パーソナルカルテ620L,620Rをそれぞれ区別しない場合には、単に、編集領域611、編集パレット613、パーソナルカルテ620という。
【0180】
編集領域611は、編集対象として選択された撮影画像(編集対象画像)の表示領域である。利用者は、タッチペン132を用いて編集ツールを選択し、編集領域611に表示された撮影画像の編集作業(落書き)を行う。
【0181】
サムネイル表示領域612は、撮影画像を表すサムネイルの表示領域である。利用者は、サムネイル表示領域612に表示されているサムネイルを選択することによって、編集対象とする撮影画像を選択する。
【0182】
編集パレット613は、メイクツール、落書きツール、メッセージツール、ペンツールといった、落書きを行うための各種の編集ツールの選択に用いられるアイコンなどが表示される領域である。編集パレット613に表示される各種の編集ツール(アイコン)は、タブの選択によって切り替えることができる。
図18の例では、編集パレット613L,613Rのいずれにおいても、メイクツールのタブが選択され、メイクツールに含まれる各種のジャンル毎のアイコンが表示されている。
【0183】
パーソナルカルテ620は、顔の特徴の分析により得られた分析結果や、顔診断画面において選択された選択肢が、利用者毎の顔についての診断記録として表示される領域である。上述したように、パーソナルカルテ620には、利用者毎に設定されたおすすめメイク選択領域も表示される。
【0184】
図19は、パーソナルカルテ620の詳細について説明する図である。
【0185】
図19には、編集画面左側のパーソナルカルテ620(620L)が示されている。パーソナルカルテ620には、選択中人物表示領域631、切り替えボタン632、分析結果表示領域633、診断結果表示領域634、およびおすすめメイク選択領域635が設けられる。
【0186】
選択中人物表示領域631は、診断記録の表示の対象となる利用者(以下、対象利用者ともいう)の顔画像が表示される領域である。選択中人物表示領域631に表示される顔画像には、例えば、顔分析用画像から生成された顔画像が用いられる。
【0187】
切り替えボタン632は、選択中人物表示領域631に表示される顔画像(対象利用者)を、他の顔画像(他の利用者)に切り替えるためのボタンである。
【0188】
分析結果表示領域633は、対象利用者の顔の特徴の分析結果が表示される領域である。
図19の例では、対象利用者の顔の特徴が「カワイイ系」に分類されている。
【0189】
診断結果表示領域634は、対象利用者により顔診断画面において選択された選択肢(顔の雰囲気、肌質、こだわりたいポイント)を表すアイコンや文言が表示される領域である。
図19の例では、対象利用者により、顔診断画面520において「キレイめフェイス」が選択され、顔診断画面530において「ツヤ肌」が選択され、顔診断画面540において「透明感」と「美白」が選択されていることが示されている。
【0190】
おすすめメイク選択領域635は、対象利用者に対して設定されたおすすめメイク処理を対象利用者に選択させるための領域である。おすすめメイク選択領域635には、おすすめメイク処理を、編集領域611に表示されている撮影画像(編集対象画像)に写る対象利用者の顔の反映させるためのおすすめメイクボタン641,642,643が設けられる。
【0191】
図19の例では、おすすめメイクボタン641が選択されることで、肌の色を青みよりの肌にするメイク処理が反映され、おすすめメイクボタン642が選択されることで、顔の一部を明るくすることで凹凸を強調するメイク処理が反映される。また、おすすめメイクボタン643が選択されることで、まぶたに沿った領域を所定の色(具体的にはグレー)にすることで目元の立体感を強調するメイク処理が反映される。
【0192】
おすすめメイクボタン641,642,643によって反映されるメイク処理は、編集パレット613において表示されるメイクツールとして選択可能なメイク処理の中から、対象利用者によって顔診断画面540において選択された2つのこだわりたいポイントの組み合わせに応じて設定されたものとされる。
【0193】
すなわち、おすすめメイク処理は、編集パレット613において選択可能なメイク処理の中に含まれるものとされるが、これに限らず、おすすめメイク処理の候補のためのメイク処理が別途用意されていてもよい。
【0194】
ここで、
図20のフローチャートを参照して、利用者毎におすすめメイク処理を設定するおすすめメイク設定処理の流れについて説明する。
図20の処理は、編集処理において、少なくとも編集画面が表示されるタイミングまでに実行されればよい。
【0195】
ステップS111において、編集処理部403の設定部431は、撮影処理部402から供給される利用者毎の顔パラメータを取得する。ここで取得される顔パラメータは、それぞれの利用者により選択されたこだわりたいポイントを表す顔パラメータとされる。
【0196】
ステップS112において、設定部431は、1人の利用者について、取得された顔パラメータ(こだわりたいポイント)の組み合わせに応じて、おすすめメイク処理を設定する。
【0197】
ステップS113において、設定部431は、全ての利用者についておすすめメイク処理を設定したか否かを判定する。全ての利用者についておすすめメイク処理を設定したと判定されるまで、ステップS112は繰り返し実行される。そして、全ての利用者についておすすめメイク処理を設定したと判定されると、ステップS114に進む。
【0198】
ステップS114において、表示制御部432aは、タブレット内蔵モニタ131に表示される編集画面において、利用者毎におすすめメイク選択領域635(パーソナルカルテ620)を表示する。
【0199】
従来の写真シール機においては、メイクパレット(メイク選択領域)には多数のアイコン(メイク)が表示されるため、慣れていない利用者にとっては、どのメイクが自分の顔に適しているのかわからず、メイクの選択に迷うことがあった。
【0200】
これに対して、以上の処理によれば、利用者毎に選択された選択肢に応じたおすすめメイク処理が利用者毎に設定され、おすすめメイク選択領域635において利用者毎に表示されるので、利用者が自分の顔に適したメイクを迷うことなく選択することが可能となる。
【0201】
また、編集画面600の表示中、編集パレット613においては、メイクツール(メイク処理)はタブの選択に応じて表示されることから、常には表示されない。一方、おすすめメイク選択領域635は常に表示されることから、利用者は、自分に合うメイク処理を簡単に知ることができ、悩むことなく短時間でそのメイク処理を撮影画像に写る自分の顔に反映させることができ、これを複数の撮影画像に対して実践することができる。
【0202】
なお、編集パレット613において選択されたメイク処理と、おすすめメイク選択領域635において選択されたおすすめメイク処理が、同じ顔パーツ(目、鼻、唇、頬など)に反映されるメイク処理の場合、後に選択されたメイク処理が、その顔パーツに反映されるものとする。
【0203】
以上においては、おすすめメイク処理は、単に、利用者に選択された顔パラメータ(こだわりたいポイント)の組み合わせに応じて設定されるものとしたが、さらに、こだわりたいポイントが選択された順番に応じて、おすすめメイク処理が設定されてもよい。例えば、1つ目に選択されたこだわりたいポイントと、2つ目に選択されたこだわりたいポイントに異なる重み付けをすることで、おすすめメイク処理が設定されるようにする。
【0204】
また、利用者に選択されたこだわりたいポイントについて、利用者により細かい重み付けをさせるように、こだわりたいポイントの重みレベルを調整するためのレーダーチャートやスケール、マトリクスなどが、顔診断画面540に表示されるようしてもよい。
【0205】
<人数に応じたパーソナルカルテの表示>
以上において、事前選択処理において利用者の人数として2人が選択された場合の処理について説明した。すなわち、利用者の人数として2人が選択されている場合には、おすすめメイク処理を利用者毎に選択させるためのおすすめメイク選択領域635を含むパーソナルカルテ620が、利用者毎に表示されるものとした。
【0206】
これ以外にも、利用者の人数に基づいて、パーソナルカルテ620(おすすめメイク選択領域635)が、利用者毎に表示されたり、利用者によらずに一様に表示されたりしてもよい。例えば、事前選択処理において利用者の人数として3人以上が選択された場合には、顔診断画面540が1回のみ提示されることから、パーソナルカルテ620L,620Rにおいて、同一のおすすめメイクボタン641乃至643が設けられたおすすめメイク選択領域635が表示されるようにしてもよい。
【0207】
ここでも、利用者の人数は、事前選択処理において利用者に選択されたものであってもよいし、例えば撮影画像において検出された顔領域の数であってもよい。
【0208】
<おすすめメイク処理に関する変形例>
以下においては、おすすめメイク処理に関する変形例について説明する。
【0209】
おすすめメイク処理の設定に用いられる選択肢(こだわりたいポイント)は、撮影空間において選択されるものとしたが、事前選択空間において選択されてもよいし、編集空間において選択されてもよい。
【0210】
例えば、こだわりたいポイントが、事前選択空間において選択されるようにした場合、撮影処理における5回の撮影前に、利用者におすすめメイク処理を選択させることで、撮影結果として表示される撮影画像に、おすすめメイク処理を反映させることもできる。
【0211】
また、顔診断画面において選択されたこだわりたいポイントの組み合わせだけでなく、顔の特徴の分析結果と、顔診断画面において選択されたこだわりたいポイントの組み合わせに応じて、おすすめメイク処理が設定されてもよい。
【0212】
例えば、顔の特徴の分析結果として得られる顔の輪郭や左右の目の間隔と、顔診断画面において選択されたこだわりたいポイントの組み合わせによって、異なる形状のアイブロウ、異なるデザインや長さ、量のまつげ、異なるデザインのアイシャドウが、おすすめメイク処理として設定されるようにする。
【0213】
また、利用者が男女2人組のカップルの場合には、それぞれの性別と、顔診断画面において選択されたこだわりたいポイントの組み合わせに応じて、おすすめメイク処理が設定されてもよい。
【0214】
本実施の形態に係る写真シール作成装置1は、撮影処理における通常撮影として、主に利用者の顔および上半身を撮影するためのアップ撮影を行うものとする。しかしながら、これに限らず、撮影処理における通常撮影として、利用者の全身を撮影するための全身撮影が行われるようにしてもよい。
【0215】
この場合、おすすめメイク処理として、全身撮影により得られた撮影画像に適したメイク処理が設定されるようにする。この場合、おすすめメイク選択領域において選択されたおすすめメイク処理に応じた範囲で、全身撮影により得られた撮影画像がトリミングされてもよい。
【0216】
さらに、全身撮影により得られた撮影画像のうちの所定の1枚を骨格分析用画像として、利用者それぞれの骨格が分析されるようにしてもよい。この場合、利用者の骨格の分析結果に基づいて、全身撮影により得られた撮影画像に写る利用者の脚の長さを変えたり、腰の位置を変えるなどの画像処理が施されてもよい。
【0217】
また、骨格の分析に限らず、全身撮影により得られた撮影画像を用いて、人体の全身に対する頭部の比率(頭身)などの人体比率が分析されるようにしてもよい。この場合、利用者の人体比率の分析結果に基づいて、通常撮影時のポーズの見本となるポーズ画像として、利用者に推薦されるおすすめポーズ画像が提示されるようにしてもよい。
【0218】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0219】
この記録媒体は、例えば、
図7に示されるように、装置本体とは別に、写真シール作成装置1の管理者にプログラムを配信するために配布される、そのプログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROMおよびDVDを含む)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア319により構成される。また、これらだけでなく、記録媒体は、装置本体にあらかじめ組み込まれた状態で管理者に配信されるプログラムが記録されているROM312や、記憶部316に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0220】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0221】
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0222】
1 写真シール作成装置, 91 カメラ, 92 タッチパネルモニタ, 131 タブレット内蔵モニタ, 132 タッチペン, 400 制御部, 401 事前選択処理部, 402 撮影処理部, 403 編集処理部, 404 印刷処理部, 405 送信処理部, 421 撮影制御部, 422 顔分析部, 423 提示制御部, 423a 表示制御部, 423b 入力受付部, 424 画像処理部, 431 設定部, 432 提示制御部, 432a 表示制御部, 432b 入力受付部, 433 編集制御部, 433a メイク処理部, 620 パーソナルカルテ, 635 おすすめメイク選択領域