(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161311
(43)【公開日】2023-11-07
(54)【発明の名称】直付用装置
(51)【国際特許分類】
F21V 21/04 20060101AFI20231030BHJP
H02G 3/02 20060101ALI20231030BHJP
F21S 8/02 20060101ALI20231030BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20231030BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231030BHJP
【FI】
F21V21/04
H02G3/02
F21S8/02 420
F21V23/00 110
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071622
(22)【出願日】2022-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 志織
(72)【発明者】
【氏名】樋口 暁紀
【テーマコード(参考)】
3K014
5G357
【Fターム(参考)】
3K014AA01
5G357CA10
5G357CB01
5G357CC02
5G357CC03
5G357CC10
5G357CD01
5G357CD06
5G357CE02
5G357CF01
5G357CF02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】被取付設備の落下を防止できる直付用装置を提供する。
【解決手段】直付用装置1は、被取付部に取り付けられる直付用器具10と、直付用器具に取り付けられる被取付設備20と、を備え、直付用器具は、一対の柱部12と、一対の柱部を間にして天板11と対向するように配置され、天板と対向する方向において貫通する底部開口部が形成された底部13と、平面的に見て底部開口部を間にして対向するバネ受け部を有し、一対の柱部と底部とを接続する一対のバネ受け金具と、を有し、被取付設備は、本体と、本体に取り付けられる一対の取付バネと、を有し、一対の取付バネは、本体に取り付けられ、天板側から底部側に延びる第1バネ部と、第1バネ部の先端部から折り返して形成され、バネ受け部に当接する第2バネ部と、第2バネ部の先端から折り返して形成され、柱部のスリットに挿通される第3バネ部223と、を有するものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取付部に取り付けられる直付用器具と、
前記直付用器具に取り付けられる被取付設備と、
を備え、
前記直付用器具は、
前記被取付部に取り付けられる板状の天板と、
板状であり、板厚方向にスリットが形成され、前記天板から一方側へ突出するように設けられた一対の柱部と、
前記一対の柱部を間にして前記天板と対向するように配置され、前記天板と対向する方向において貫通する底部開口部が形成された底部と、
平面的に見て前記底部開口部を間にして対向するバネ受け部を有し、前記一対の柱部と前記底部とを接続する一対のバネ受け金具と、
を有し、
前記被取付設備は、
本体と、
前記本体に取り付けられる一対の取付バネと、
を有し、
前記一対の取付バネは、
前記本体に取り付けられ、前記天板側から前記底部側に延びる第1バネ部と、
前記第1バネ部の先端部から折り返して形成され、前記バネ受け部に当接する第2バネ部と、
前記第2バネ部の先端から折り返して形成され、前記柱部の前記スリットに挿通される第3バネ部と、
を有する直付用装置。
【請求項2】
前記バネ受け部は、
前記天板側の端部に前記天板側に突出する一対のバネストッパが設けられており、
前記第2バネ部は、
前記被取付設備が前記直付用器具に取り付けられた状態において、前記一対のバネストッパの間に配置されており、
前記一対の取付バネは、
前記第2バネ部の幅が、前記第1バネ部との折返し点側から前記第3バネ部側に向かうにしたがって前記一対のバネストッパ間の長さよりも長くなるように形成されている請求項1に記載の直付用装置。
【請求項3】
前記直付用器具は、
前記被取付設備の両側に前記天板、前記一対の柱部および前記底部によって形成された開口部を有する請求項1又は請求項2に記載の直付用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、天井等の被取付部に取り付けられる直付用装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、天井に設けられた開口に取り付けられる取付バネが設けられたセンサ器具を天井等の被取付部に直付けさせる直付け用のアダプタを備えた直付用装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の直付用装置のアダプタは、センサ器具が挿通する器具取付孔が形成されており、センサ器具の取付バネが引っ掛かるばね受け片が設けられた底壁を有するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の直付用装置は、アダプタの底壁のばね受け片に取付バネを引っ掛けてセンサ器具を固定しているので、センサ器具等の被取付設備が振動等によって落下する恐れがある。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するものであり、センサ器具あるいは照明器具等の被取付設備の落下を防止できる直付用装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る直付用装置は、被取付部に取り付けられる直付用器具と、直付用器具に取り付けられる被取付設備と、を備え、直付用器具は、被取付部に取り付けられる板状の天板と、板状であり、板厚方向にスリットが形成され、天板から一方側へ突出するように設けられた一対の柱部と、一対の柱部を間にして天板と対向するように配置され、天板と対向する方向において貫通する底部開口部が形成された底部と、平面的に見て底部開口部を間にして対向するバネ受け部を有し、一対の柱部と底部とを接続する一対のバネ受け金具と、を有し、被取付設備は、本体と、本体に取り付けられる一対の取付バネと、を有し、一対の取付バネは、本体に取り付けられ、天板側から底部側に延びる第1バネ部と、第1バネ部の先端部から折り返して形成され、バネ受け部に当接する第2バネ部と、第2バネ部の先端から折り返して形成され、柱部のスリットに挿通される第3バネ部と、を有するものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示の直付用装置によれば、被取付設備は、本体と、本体に取り付けられる一対の取付バネと、を有する。一対の取付バネは、本体に取り付けられ、天板側から底部側に延びる第1バネ部と、第1バネ部の先端部から折り返して形成され、バネ受け部に当接する第2バネ部とを有するものである。また、一対の取付バネは、第2バネ部の先端から折り返して形成され、柱部のスリットに挿通される第3バネ部を有するものである。直付用装置は、被取付設備が直付用器具から落下しそうになったとしても、第3バネ部が下方向に移動することによって、第3バネ部がスリットから外れずスリットの周縁部に引っ掛かる。そのため、直付用装置は、被取付設備の落下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態に係る直付用装置の上方向側から見た斜視図である。
【
図2】実施の形態に係る直付用装置の下方向側から見た斜視図である。
【
図3】実施の形態に係る直付用装置の上方向側から見た分解斜視図である。
【
図4】実施の形態に係る直付用装置の天板の斜視図である。
【
図5】実施の形態に係る直付用装置の柱部の斜視図である。
【
図6】実施の形態に係る直付用装置の底部及びバネ受け金具の斜視図である。
【
図7】実施の形態に係る直付用装置の被取付設備の上方向側から見た斜視図である。
【
図8】実施の形態に係る直付用装置の取付バネの正面図である。
【
図9】実施の形態に係る直付用装置の取付バネの側面図である。
【
図10】実施の形態に係る直付用装置の正面から見た断面図である。
【
図11】実施の形態に係る直付用装置において被取付設備の取り外しを説明する正面図である。
【
図12】実施の形態に係る直付用装置の落下防止効果を説明する正面図である。
【
図13】実施の形態に係る直付用装置の
図12のB部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態に係る直付用装置について図面等を参照しながら説明する。なお、明細書に示す構成要素の形態は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。また、
図1を含む以下の図面では、各構成部材の相対的な寸法の関係及び形状等が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。また、理解を容易にするために方向を表す用語あるいは向きを適宜用いるが、それらの表記は、説明の便宜上用いる記載であり、装置、器具、あるいは部品等の配置、方向及び向きを限定するものではない。方向あるいは向きを表す用語は、例えば、上、下、右、左、前、後、表または裏等がある。
【0010】
実施の形態.
(全体構成)
図1は、実施の形態に係る直付用装置1の上方向側から見た斜視図である。
図2は、実施の形態に係る直付用装置1の下方向側から見た斜視図である。
図3は、実施の形態に係る直付用装置1の上方向側から見た分解斜視図である。
図1~
図3に示すX軸を奥行方向、Y軸を幅方向、及び、Z軸を上下方向とする。
【0011】
奥行方向(X軸方向)は、例えば、後述する被取付設備20に対して開口部10aの形成方向であり、幅方向(Y軸方向)は、後述する一対の柱部12の向かい合う方向である。また、上下方向(Z軸方向)は、例えば重力方向である。しかしながら、これらの方向は、実施の形態を説明するためのものであり、上述したように実際の方向を限定するものではない。
図1~
図3を用いて直付用装置1の全体構成について説明する。
【0012】
直付用装置1は、例えば、センサ装置あるいは照明装置などであり、天井、ダクト、レール、及び、露出ボックスなどの造営材にねじなどの締結具で取り付けられる装置である。造営材は、後述する直付用器具10が取り付けられる被取付部である。
【0013】
直付用装置1は、天井などに設けられた開口に埋め込まれて取り付けられる被取付設備20と、被取付設備20を上述した造営材に直付けするために用いられる直付用器具10と、が一体になったものである。直付用装置1は、
図1及び
図2に示すように、直付用器具10と、被取付設備20とを有するものである。
【0014】
(直付用器具10)
直付用器具10は、造営材などの被取付部に取り付けられる。直付用器具10には、被取付設備20が取り付けられる。直付用器具10は、被取付設備20を被取付部に固定するために用いられる器具である。
【0015】
直付用器具10は、
図3に示すように、天板11と、一対の柱部12と、底部13と、一対のバネ受け金具14とを有するものである。直付用器具10は、
図1に示すように、奥行方向(X軸方向)において天板11、一対の柱部12および底部13で形成された開口部10aを有する。開口部10aは、奥行方向(X軸方向)において、被取付設備20の両側に形成されている。
【0016】
(天板11)
図4は、実施の形態に係る直付用装置1の天板11の斜視図である。
図4を用いて天板11について説明する。天板11は、直付用装置1の外郭の一部を構成する。天板11は、板状に形成されており、造営材などの被取付部に取り付けられる。天板11は、点頂部111と、天板取付部112とを有する。
【0017】
点頂部111は、板状に形成されている。点頂部111は、例えば、平面視で八角形の板状に形成されているが、点頂部111の形状は、八角形に限定されるものではない。点頂部111は、円形状あるいは八角形以外の多角形状など他の形状に形成されてもよい。
【0018】
点頂部111は、中央に点頂部開口113が形成されている。点頂部開口113は、点頂部111に形成された貫通孔である。点頂部開口113には、外部電源と接続された電線あるいは外部装置と接続された配線などが挿通される。また、点頂部111には、造営材に取り付けられるために用いられるねじなどの締結具が挿通する孔が設けられている(図示は省略)。
【0019】
天板取付部112は、点頂部111の外縁部から下方向側へ突出するように設けられている。天板取付部112は、略矩形状の板片である。天板取付部112には、天板ねじ孔112aが形成されている。天板ねじ孔112aは、天板取付部112を板厚方向に貫通する孔である。
図3に示すように、天板ねじ孔112aには、天板ねじ112bが取り付けられる。天板ねじ112bは、天板11と柱部12とを固定するために用いられる。天板11は、天板ねじ112bを用いて柱部12に取り付けられる。
【0020】
(柱部12)
図5は、実施の形態に係る直付用装置1の柱部12の斜視図である。
図5を用いて柱部12について説明する。柱部12は、
図5に示すように、板状に形成されており、板厚方向に貫通した矩形状のスリット124が形成されている。柱部12は、
図1に示すように、直付用装置1において、天板11の板面に対して、天板11から一方側へ突出するように設けられている。
【0021】
柱部12は、上下方向(Z軸方向)に延びる部材である。柱部12は、天板11と底部13との間に設けられており、天板11と底部13との間を延びるように設けられている。
【0022】
柱部12は、一端側の部分が天板11に取り付けられ、他端側の部分がバネ受け金具14に取り付けられる。換言すれば、柱部12は、上部が天板11に取り付けられ、下部がバネ受け金具14に取り付けられる。また、柱部12は、他端側の部分がバネ受け金具14を介して底部13に取り付けられる。
【0023】
直付用器具10は、少なくとも2つの柱部12を有する。直付用装置1は、直付用器具10に被取付設備20が取り付けられた状態において、一対の柱部12が被取付設備20を介して互いに対向するように設けられている。直付用装置1は、
図1に示すように、一対の柱部12の間に空間が形成されている。直付用装置1は、一対の柱部12の間の空間に被取付設備20が配置される。柱部12は、直付用器具10に被取付設備20が取り付けられた状態において、被取付設備20の側方に位置するように設けられている。
【0024】
一対の柱部12は、直付用装置1の外郭の一部を構成する。直付用装置1は、直付用器具10に被取付設備20が取り付けられた状態において、一対の柱部12の内部に被取付設備20が配置されている。直付用装置1は、径方向において、一対の柱部12が被取付設備20の外側の一部を覆っている。柱部12は、柱部主部121と柱部側部122とを有する。
【0025】
柱部主部121は、矩形の板状に形成されている。なお、柱部主部121の形状は、矩形に限定されるものではなく、例えば、矩形以外の他の多角形状に形成されてもよい。
【0026】
柱部主部121は、下端部に、上下方向(Z軸方向)に長く延びるように位置決め溝123が形成されている。位置決め溝123は、柱部主部121を板厚方向に貫通した孔である。位置決め溝123は、下端部が下方に向かって開口した切り欠き状に形成されている。位置決め溝123には、
図1に示すように後述するバネ受け金具14の位置決め部145が挿入される。
【0027】
柱部主部121は、下端部に主部ねじ孔121aが形成されている。主部ねじ孔121aは、柱部主部121を板厚方向に貫通した孔である。
図3に示すように、主部ねじ孔121aには、主部ねじ121bが取り付けられる。主部ねじ121bは、柱部主部121と、バネ受け金具14との固定に用いられる。柱部主部121は、主部ねじ121bを用いてバネ受け金具14に取り付けられる。また、柱部主部121は、主部ねじ孔121aに主部ねじ121bが取り付けられることで、バネ受け金具14を介して底部13に取り付けられる。
【0028】
柱部主部121には、板厚方向に貫通した矩形状のスリット124が形成されている。スリット124は、上下方向(Z軸方向)において例えば柱部主部121の中央付近に形成されている。なお、スリット124は、中央付近に形成されているものに限定されるものではなく、上下方向(Z軸方向)において、主部ねじ孔121a及び位置決め溝123と、柱部主部121の上端部との間の部分に形成されていればよい。
【0029】
柱部側部122は、柱部主部121の奥行方向(X軸方向)側の端部から幅方向(Y軸方向)側へ突出させるように設けられている。柱部側部122は、柱部主部121と鈍角をなすように突出して設けられている。柱部側部122は、柱部主部121の側縁部に沿って、上下方向(Z軸方向)に延びるように設けられている。
【0030】
1つの柱部12において、柱部側部122は2つ設けられており、一対の柱部側部122は、柱部主部121を介して柱部主部121の両側に設けられている。一対の柱部側部122は、被取付設備20の配置側に向かって板金を曲折して形成されている。
【0031】
柱部側部122は、上端部に側部ねじ孔122aが形成されている。側部ねじ孔122aは、柱部側部122を板厚方向に貫通した孔である。
図3に示すように、側部ねじ孔122aには、天板ねじ112bが取り付けられる。柱部側部122は、側部ねじ孔122aに天板ねじ112bが取り付けられ、天板ねじ112bによって天板取付部112に取り付けられる。柱部12は、側部ねじ孔122a及び天板ねじ孔112aに天板ねじ112bが取り付けられることで、天板11に取り付けられる。
【0032】
(底部13)
図6は、実施の形態に係る直付用装置1の底部13及びバネ受け金具14の斜視図である。
図6を用いて底部13及びバネ受け金具14を説明する。底部13は、直付用装置1の外郭の一部を構成する。底部13は、一対の柱部12を間にして天板11と対向するように配置され、天板11と対向する方向において貫通する底部開口部131が形成されている。
【0033】
底部13は、円板状に形成されている。底部13は、被取付設備20を挿通させる。底部13には、バネ受け金具14が取り付けられている。底部13の中央部分には、上下方向(Z軸方向)に貫通した底部開口部131が形成されている。底部13は、底部開口部131が形成されていることで、上下方向(Z軸方向)に見た場合に円環状に形成されている。底部開口部131には、被取付設備20が挿通される。
【0034】
底部開口部131は、円形状に形成され、幅方向(Y軸方向)において底部開口部131の周縁部で互いに対向する位置に切欠部132が対に設けられている。切欠部132は、底部13の底部開口部131において、内周縁の一部が切り欠かれている部分である。
【0035】
(バネ受け金具14)
直付用器具10は、一対のバネ受け金具14を有している。一対のバネ受け金具14は、平面的に見て底部開口部131を間にして互いに対向するように配置されている。一対のバネ受け金具14は、平面的に見て底部開口部131を間にして対向するバネ受け部142を有し、一対の柱部12と底部13とを接続する。バネ受け金具14は、底部13と柱部12とを接続する部分であり、後述する取付バネ22と係合する部分である。
【0036】
バネ受け金具14は、底部13の上側の面に取り付けられる。バネ受け金具14が取り付けられる底部13の上面側の面は、天板11が配置される側の面であり、天板11と対向する面である。バネ受け金具14は、切欠部132に沿って配置されている。また、バネ受け金具14は、柱部12の内側面に取り付けられる。バネ受け金具14が取り付けられる柱部12の内側面は、一対の柱部12が互いに対向する側の面であり、柱部主部121の内側面である。
【0037】
バネ受け金具14は、バネ受け金具主部141と、バネ受け部142と、バネ受け接続部143とを有する。バネ受け金具14は、1枚の板金を折り曲げて形成されている。なお、バネ受け金具14は、1枚の板金を折り曲げて形成されたものに限定されるものではなく、例えば、複数枚の板金を接続して形成されてもよい。
【0038】
バネ受け金具主部141は、板状に形成されている。バネ受け金具主部141は、バネ受け金具14において、底部13と当接し、底部13に取り付けられる部分である。
図6に示すように、バネ受け金具主部141は、幅方向(Y軸方向)において、一端が底部開口部131の切欠部132の一辺に沿って配置されて底部13の上方向側の面に取り付けられる。バネ受け金具主部141と底部13とは、ねじなどの締結具で取り付けられてもよく、溶着などの方法によって一体に形成されていてもよい。
【0039】
バネ受け部142は、幅方向(Y軸方向)においてバネ受け金具主部141の底部開口部131側の端部から上方向側へ突出するように設けられている。バネ受け部142は、底部13の天板11と対向する面に配置され、底部開口部131を間に対向する。バネ受け部142は、バネ受け金具主部141の底部開口部131側の縁部分から天板11側に向かって立ち上がるように設けられている。バネ受け金具主部141とバネ受け部142とは、板金を曲折して形成されている。一対のバネ受け金具14のバネ受け部142は、上下方向(Z軸方向)に見た場合に、底部開口部131を介して互いに対向するように配置されている。
【0040】
バネ受け部142は、上方向側の端部にバネストッパ144が設けられている。より詳細には、バネ受け部142は、天板11側の端部に天板11側に突出する一対のバネストッパ144が設けられている。バネストッパ144は、上下方向(Z軸方向)においてバネ受け金具主部141の形成側とは反対側の端部に形成されている。バネストッパ144は、バネ受け部142の上方向側の端部において、奥行方向(X軸方向)における両端部から上方向側へ突出するように対に設けられている。
【0041】
バネストッパ144は、バネ受け部142の上方向側の部分に取付バネ22が収まる凹んだ形状である凹形状部144aを形成する。凹形状部144aは、バネ受け部142において、一対のバネストッパ144の間に設けられた切り欠き状の部分である。一対のバネストッパ144は、バネストッパ144が形成する凹形状部144aに配置された取付バネ22が円周方向に移動することを防止するストッパとして機能する。奥行方向(X軸方向)における対に設けられたバネストッパ144の間の長さを長さLとする。長さLと取付バネ22との関係は後述する。
【0042】
バネ受け接続部143は、バネ受け金具主部141のバネ受け部142側と反対側の端部から上方向側へ突出するように設けられている。バネ受け接続部143は、バネ受け金具主部141の底部開口部131側とは反対側の縁部分から天板11側に向かって立ち上がるように設けられている。バネ受け金具主部141とバネ受け接続部143とは、板金を曲折して形成されている。
【0043】
バネ受け接続部143には、接続部ねじ孔143aが形成されている。接続部ねじ孔143aは、バネ受け接続部143を板厚方向に貫通した孔である。接続部ねじ孔143aには、主部ねじ121bが取り付けられる(
図3参照)。バネ受け金具14は、柱部主部121の主部ねじ孔121a及びバネ受け接続部143の接続部ねじ孔143aに主部ねじ121bが取り付けられることによって、柱部主部121に取り付けられる。
【0044】
バネ受け接続部143は、奥行方向(X軸方向)において端部から幅方向(Y軸方向)における外側へ突出するように設けられた位置決め部145を有する。位置決め部145は、バネ受け接続部143の側縁部からバネ受け部142とは反対側に突出する板状の部材である。位置決め部145は、幅方向(Y軸方向)に延びると共に上下方向(Z軸方向)に延びるように形成されている。位置決め部145は、柱部12がバネ受け金具14に取り付けられた場合に柱部主部121の位置決め溝123に収容される。位置決め部145は、位置決め溝123に収容され、位置決め溝123の形成部分と係合する。
【0045】
(被取付設備20)
図7は、実施の形態に係る直付用装置1の被取付設備20の上方向側から見た斜視図である。
図7を用いて、被取付設備20について説明する。被取付設備20は、直付用器具10に取り付けられる器具である。なお、被取付設備20は、直付用器具10を用いない場合には、天井などに設けられた開口に埋め込まれて天井などに取り付けることができる器具である。
【0046】
被取付設備20は、センサを備えたセンサ器具またはLED(Light Emitting Diode)などの光源を備えた照明器具である。ここで、センサとは、赤外線センサ、照度センサ、画像センサ、人感センサなどの照明器具と連携するセンサである。被取付設備20は、本体21と、本体21に取り付けられる一対の取付バネ22とを有するものである。
【0047】
(本体21)
本体21は、縁部211とバネ固定部212とを有する。本体21は、センサまたは光源(図示は省略)などを有している。本体21は、上下方向(Z軸方向)に延びる柱状に形成されており、センサまたは光源などを備えた筐体を形成する。
【0048】
縁部211は、本体21の下方向の端部に設けられている。縁部211は、円板状に形成されている。縁部211の外径は、底部13の底部開口部131の開口径よりも大きい。縁部211は、本体21が底部13の底部開口部131に挿通される場合に底部13に引っ掛かる。縁部211は、本体21が底部13の底部開口部131に挿通される場合に、バネ受け金具14の取付面とは反対側の底部13の下面13a(
図2参照)に当接する。
【0049】
縁部211は、本体21が底部13の底部開口部131に挿通されている場合に、バネ受け金具14の取付面とは反対側から本体21と底部開口部131との間の隙間を覆う。縁部211は、本体21と底部開口部131との間の隙間を覆うように設けられているため、直付用装置1は、直付用装置1の意匠側から本体21と底部開口部131との間の隙間が視認されない。すなわち、縁部211が本体21と底部開口部131との間の隙間を覆うように設けられているため、直付用装置1は、直付用装置1の下方側から本体21と底部開口部131との間の隙間が視認されない。
【0050】
本体21は、一対のバネ固定部212を有している。一対のバネ固定部212は、幅方向(Y軸方向)において本体21の両側に設けられている。バネ固定部212は、本体21の外側に設けられており、本体21の外周壁に設けられている。バネ固定部212は、取付バネ22を本体21に固定する部分である。
【0051】
バネ固定部212は、上下方向(Z軸方向)に延びる枠状に形成されている。バネ固定部212には、上下方向(Z軸方向)に延びるように形成された溝212aが形成されている。後述する第1バネ部221の板状の部分が溝212aに嵌って取付バネ22がバネ固定部212に固定される。
【0052】
バネ固定部212は、本体21の外面から外側に突出した係止部212bを含む。係止部212bは、溝212aに取付バネ22が嵌った状態において、バネ固定部212から取付バネ22が外れないように取付バネ22の端部と当接し、取付バネ22がバネ固定部212から外れる方向への移動を防止する。
【0053】
(取付バネ22)
図8は、実施の形態に係る直付用装置1の取付バネ22の正面図である。
図9は、実施の形態に係る直付用装置1の取付バネ22の側面図である。
図1、
図8及び
図9を用いて取付バネ22について説明する。
【0054】
取付バネ22は、板状の弾性部材である。取付バネ22は、被取付設備20を直付用器具10に取り付けるために用いられる。より詳細には、取付バネ22は、被取付設備20を直付用器具10に吊り下げるために用いられる。取付バネ22は、本体21と柱部12の柱部主部121とを接続するために用いられる。なお、取付バネ22は、直付用器具10を用いない場合には、天井などの造営材と係合し、被取付設備20を天井などに設けられた開口に埋め込まれた状態で取り付けるために用いられる。
【0055】
取付バネ22は、本体21のバネ固定部212に取り付けられる。一対の取付バネ22のそれぞれは、本体21に取り付けられ、天板11側から底部13側に延びる第1バネ部221と、第1バネ部221の先端部から折り返して形成され、バネ受け部142に当接する第2バネ部222とを有する。取付バネ22は、バネ受け部142と第2バネ部222とが当接することで、曲折部224が押圧される。また、一対の取付バネ22のそれぞれは、第2バネ部222の先端から折り返して形成され、柱部12のスリット124に挿通される第3バネ部を有する。
【0056】
換言すれば、一対の取付バネ22のそれぞれは、本体21のバネ固定部212に取り付けられる第1バネ部221と、第1バネ部221において本体21と反対側の端部から折り返されて形成され、バネ受け部142に押圧される第2バネ部222と、を有する。また、一対の取付バネ22のそれぞれは、第2バネ部222において第1バネ部221と反対側の端部から折り返されて形成され、柱部12のスリット124に挿通される第3バネ部223を有する。
【0057】
第1バネ部221は、上下方向(Z軸方向)に延びるように設けられており、本体21のバネ固定部212に取り付けられる部分である。第1バネ部221は、バネ固定部212の溝212aに嵌るように端部が幅広に形成されている。第1バネ部221と、第2バネ部222とは、互いの下端部で折り曲げられている。第1バネ部221と第2バネ部222の間の折り曲げられた部分を曲折部224と称する。取付バネ22は、第1バネ部221の一端側(上端)が本体21に取り付けられており、本体21に取り付けられていない他端側(下端)から折り返されて第2バネ部222が形成されている。
【0058】
第2バネ部222は、第1バネ部221の下方向側の端部から上方向側へ折り返されて、上下方向(Z軸方向)に延びるように形成されている。第2バネ部222の上下方向(Z軸方向)の長さは、第1バネ部221の上下方向(Z軸方向)の長さよりも長い。第2バネ部222は、第1バネ部221の下端部から幅方向(Y軸方向)に延出するように形成されており、第1バネ部221の下端部から上端部に向かうにつれて、第1バネ部221と第2バネ部222との間の空間が大きくなるように形成されている。第1バネ部221及び第2バネ部222は、正面視でV字形状に形成されている。
【0059】
第2バネ部222は、奥行方向(X軸方向)における長さが第1バネ部221側から第3バネ部223側へ向かうにしたがって大きくなっている。第2バネ部222の第1バネ部221側の奥行方向(X軸方向)の長さは、バネストッパ144間の長さLよりも小さい。第2バネ部222の第3バネ部223側の奥行方向(X軸方向)の長さは、バネストッパ144間の長さLよりも大きい。
【0060】
第2バネ部222は、第2バネ部222の下側の部分が上側の部分と比較して相対的に幅が小さく、第2バネ部222の上側に向かうにしたがって第2バネ部222の幅が大きくなるように形成されている。第2バネ上部222aの幅W1は、第2バネ下部222bの幅W2よりも大きい。第2バネ上部222aは、第2バネ部222の上部であり、第2バネ部222の第3バネ部223側の部分である。第2バネ下部222bは、第2バネ部222の下部であり、第2バネ部222の第1バネ部221側の部分である。
【0061】
一対の取付バネ22のそれぞれは、第2バネ部222の幅が、第1バネ部221との折返し点224a側から第3バネ部223側に向かうにしたがって一対のバネストッパ144間の長さLよりも長くなるように形成されている。換言すれば、取付バネ22は、第2バネ部222の奥行方向(X軸方向)の長さが、第1バネ部221との折返し点224a側から第3バネ部223側に向かうにしたがって、対に設けられたバネストッパ144間の長さLよりも長くなるように形成されている。
【0062】
第2バネ部222は、被取付設備20が直付用器具10に取り付けられた状態において、一対のバネストッパ144の間に配置されている。すなわち、第2バネ部222の一部は、被取付設備20が直付用器具10に取り付けられた状態において、凹形状部144aに配置されている。また、第2バネ部222は、被取付設備20が直付用器具10に取り付けられた状態において、幅方向(Y軸方向)において、バネ受け部142に当接する。
【0063】
第3バネ部223は、第2バネ部222の上方向側の端部から下方向側へ折り返されて上下方向(Z軸方向)に延びるように形成されている。第2バネ部222と第3バネ部223とは、L字形状に折り曲げられている。
【0064】
第3バネ部223は、板片であり、第3バネ部223の上下方向(Z軸方向)における長さは、第1バネ部221及び第2バネ部222の上下方向(Z軸方向)の長さよりも短い。第3バネ部223は、第2バネ部222の上端部から幅方向(Y軸方向)に延出するように形成されている。直付用装置1は、取付バネ22の第3バネ部223がスリット124の周縁部に引っ掛かることによって、被取付設備20が直付用器具10に取り付けられる。
【0065】
(被取付設備20が直付用器具10に取り付けられた状態についての説明)
図10は、実施の形態に係る直付用装置1の正面から見た断面図である。被取付設備20が直付用器具10に取り付けられた状態では、被取付設備20の本体21は、直付用器具10の底部13の底部開口部131を挿通した状態であり、本体21の縁部211と底部13の下方向側の下面13aとが当接した状態である。
【0066】
被取付設備20の取付バネ22は、幅方向(Y軸方向)において、第1バネ部221及び第2バネ部222が本体21とバネ受け金具14のバネ受け部142とによって挟み込まれて保持される。
【0067】
取付バネ22において、第1バネ部221と第2バネ部222とでなされる角度を角度θ(
図8及び
図10参照)とする。直付用装置1は、角度θ(
図8及び
図10参照)が、被取付設備20が直付用器具10に取り付けられる前の状態の角度よりも小さくなった状態で、取付バネ22が本体21とバネ受け部142との間に保持されている。取付バネ22は、第1バネ部221と第2バネ部222との間が狭められた状態で、本体21とバネ受け部142との間に配置される。取付バネ22は、第1バネ部221と第2バネ部222との間を拡げようとする復元力によって本体21とバネ受け部142との係合状態が強化される。
【0068】
図10に示すように、被取付設備20が直付用器具10に取り付けられた状態では、取付バネ22の曲折部224は、切欠部132に配置される。直付用装置1は、切欠部132が無い場合、被取付設備20が底部13から外せなくなる可能性がある。直付用装置1は、切欠部132を有することで、被取付設備20の、はめごろしを防止できる。また、直付用装置1は、切欠部132を有することで、被取付設備20の回転を防止できる。
【0069】
図10に示すように、被取付設備20が直付用器具10に取り付けられた状態では、被取付設備20の取付バネ22の第3バネ部223は、柱部主部121のスリット124に挿通されている。第3バネ部223は、スリット124の形成部分に嵌められて係合しており、スリット124の形成部分に保持されている。被取付設備20は、第3バネ部223がスリット124の周縁部に引っ掛かるため、直付用器具10に保持される。
【0070】
第3バネ部223は、作業者が第2バネ部222を第1バネ部221と第2バネ部222との折返し点224aを中心に本体21側へ押し付けるように回転させた場合に、上方向および幅方向に移動して本体21側へ移動し、スリット124から外れる。
【0071】
(直付用器具10から被取付設備20を取り外す方法)
図11は、実施の形態に係る直付用装置1において被取付設備20の取り外しを説明する正面図である。
図11(a)~(c)を用いて、直付用装置1において、直付用器具10から被取付設備20を取り外す方法について説明する。
【0072】
(1)まず、作業者は、
図11(a)に示すように、柱部主部121とバネ受け接続部143とを取り付けている主部ねじ121bを取り外す。(2)次に、作業者は、
図11(b)に示すように、取付バネ22の第2バネ部222を本体21側に押し付ける。(3)このとき、第2バネ部222の第3バネ部223側の端部及び第3バネ部223は、第1バネ部221と第2バネ部222との折返し点224aを支点にして円弧状に移動し、上方向(Z軸方向)及び幅方向(Y軸方向)において本体21側へ移動する。
【0073】
(4)第2バネ部222及び第3バネ部223の移動によって、第3バネ部223は、スリット124から外れて柱部主部121から離れる。(5)第3バネ部223がスリット124から外れて柱部主部121から離れると、
図11(c)に示すように、被取付設備20は、底部13と共に直付用器具10から外れる。(6)作業者が、被取付設備20を直付用器具10から引き出すと、被取付設備20は、底部13の底部開口部131内を通過しながら直付用器具10から外れる。
【0074】
(被取付設備20の落下防止機構)
図12は、実施の形態に係る直付用装置1の落下防止効果を説明する正面図である。
図13は、実施の形態に係る直付用装置1の
図12のB部の拡大図である。
図12及び
図13を用いて、被取付設備20の落下防止機構における取付バネ22とスリット124との関係について説明する。
【0075】
(落下防止パターン その1)
(1)直付用装置1において、振動によって、被取付設備20が底部13の底部開口部131を通過して下方向側へ落下しそうになった場合について検討する。
【0076】
(2)被取付設備20が下方に向かおうとすると、取付バネ22は、バネ受け部142に押圧されて被取付設備20が直付用器具10に取り付けられた状態と比べて角度θ(
図8及び
図10参照)が小さくなるように変形する。取付バネ22の第2バネ部222および第3バネ部223は、第1バネ部221と第2バネ部222との折返し点224aを支点にして円弧状に上方向および幅方向に向かうように本体21側へ移動する。
【0077】
(3)第3バネ部223は、第2バネ部222と共に上方向および本体21側へ移動しようとする。しかし、第3バネ部223は、被取付設備20が落下により下方向側へ向かうように移動しようとするため、スリット124から外れる方向にスリット124を通過せず、スリット124の周縁部に引っ掛かる。
【0078】
(4)被取付設備20は、第3バネ部223がスリット124の周縁部に引っ掛かるため、直付用器具10の柱部主部121に保持され、直付用器具10から外れることなく落下を防止できる。
【0079】
直付用装置1は、振動により横揺れしても、取付バネ22の弾性力によって第3バネ部223がスリット124に強固に引っかかっているため、被取付設備20が落下しない。
【0080】
(落下防止パターン その2)
(1)振動によって、バネ受け金具14のバネ受け接続部143が、柱部主部121から外れて底部13及び被取付設備20が落下しそうになった場合について検討する。
【0081】
(2)第3バネ部223は、被取付設備20が落下により下方向側へ向かうように移動しようとするため、スリット124から外れる方向にスリット124を通過せず、下方向へ移動してスリット124の周縁部に引っ掛かる。被取付設備20は、第3バネ部223がスリット124の周縁部に引っ掛かるため、直付用器具10の柱部主部121に保持され、直付用器具10から外れることなく落下が防止される。
【0082】
(落下防止パターン その3)
(1)直付用装置1において、振動によって、被取付設備20が底部13の底部開口部131を通過して下方向側へ落下しそうになった場合について検討する。
【0083】
(2)取付バネ22は、第2バネ部222の奥行方向(X軸方向)の幅が、第1バネ部221との折返し点224a側から第3バネ部223側に向かうにしたがって対に設けられたバネストッパ144間の長さLよりも長くなるように形成されている。直付用装置1は、被取付設備20が落下しそうになった場合に、第2バネ部222が一対のバネストッパ144の間に挟まって一対のバネストッパ144に保持される。そのため、直付用装置1は、被取付設備20がバネ受け金具14を介して直付用器具10の底部13に保持され、被取付設備20の落下を防止できる。
【0084】
(直付用装置1の作用効果)
直付用装置1の被取付設備20は、本体21と、本体21に取り付けられる一対の取付バネ22と、を有する。一対の取付バネ22は、本体21に取り付けられ、天板11側から底部13側に延びる第1バネ部221と、第1バネ部221の先端部から折り返して形成され、バネ受け部142に当接する第2バネ部222とを有するものである。また、一対の取付バネ22は、第2バネ部222の先端から折り返して形成され、柱部12のスリット124に挿通される第3バネ部223を有するものである。
【0085】
直付用装置1は、被取付設備20が直付用器具10から落下しそうになったとしても、第3バネ部223が下方向に移動することによって、第3バネ部223がスリット124から外れずスリット124の周縁部に引っ掛かる。そのため、直付用装置1は、被取付設備20の落下を防止できる。直付用装置1は、被取付設備20を直付用器具10から取り外す場合には、被取付設備20を直付用器具10から取り外すよりも先に第3バネ部223をスリット124から外すことによって被取付設備20を直付用器具10から取り外すことができる。
【0086】
取付バネ22は、第2バネ部222の奥行方向(X軸方向)の幅が、第1バネ部221との折返し点224a側から第3バネ部223側に向かうにしたがって対に設けられたバネストッパ144間の長さLよりも長くなるように形成されている。直付用装置1は、被取付設備20が落下しそうになった場合に、第2バネ部222が一対のバネストッパ144の間に挟まって一対のバネストッパ144に保持される。そのため、直付用装置1は、被取付設備20がバネ受け金具14を介して直付用器具10の底部13に保持され、被取付設備20の落下を防止できる。
【0087】
直付用器具10は、奥行方向(X軸方向)において天板11、柱部12および底部13により形成された開口部10aを有する。作業者は、開口部10aから取付バネ22を操作できるため、被取付設備20を直付用器具10に取り付けた状態で第2バネ部222を操作でき、第2バネ部222の操作によって、被取付設備20を直付用器具10から取り外すことができる。
【0088】
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【符号の説明】
【0089】
1 直付用装置、10 直付用器具、10a 開口部、11 天板、12 柱部、13 底部、13a 下面、14 バネ受け金具、20 被取付設備、21 本体、22 取付バネ、111 点頂部、112 天板取付部、112a 天板ねじ孔、112b 天板ねじ、113 点頂部開口、121 柱部主部、121a 主部ねじ孔、121b 主部ねじ、122 柱部側部、122a 側部ねじ孔、123 位置決め溝、124 スリット、131 底部開口部、132 切欠部、141 バネ受け金具主部、142 バネ受け部、143 バネ受け接続部、143a 接続部ねじ孔、144 バネストッパ、144a 凹形状部、145 位置決め部、211 縁部、212 バネ固定部、212a 溝、212b 係止部、221 第1バネ部、222 第2バネ部、222a 第2バネ上部、222b 第2バネ下部、223 第3バネ部、224 曲折部、224a 折返し点。