(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161325
(43)【公開日】2023-11-07
(54)【発明の名称】露光量決定装置、露光量決定方法、露光量決定プログラム、及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
H04N 23/71 20230101AFI20231030BHJP
G03B 15/03 20210101ALI20231030BHJP
G03B 15/05 20210101ALI20231030BHJP
G03B 7/091 20210101ALI20231030BHJP
【FI】
H04N5/235 100
G03B15/03 V
G03B15/05
G03B7/091
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071644
(22)【出願日】2022-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180275
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 倫太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161861
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 裕介
(72)【発明者】
【氏名】古川 貴仁
【テーマコード(参考)】
2H002
2H053
5C122
【Fターム(参考)】
2H002AB04
2H002CD11
2H053AA01
2H053BA71
2H053CA41
5C122EA12
5C122EA42
5C122EA52
5C122FF01
5C122FG05
5C122GA34
5C122HA75
5C122HA88
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】環境に応じて照度値を補正することで、光源位置の変化による、撮影対象物と撮影装置との照度差の関係を吸収し、適切な輝度の画像を得ることができるようにする。
【解決手段】本発明は、撮像装置に設定する露光量を決定する露光量決定装置であって、撮像装置の撮像に係る照度を取得する照度取得部と、照度取得部からの照度値を、撮影環境に応じて補正する照度補正部と、照度補正部により補正された補正照度値に基づいて、撮像装置に設定する露光量を導出する露光量導出部とを備えることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置に設定する露光量を決定する露光量決定装置であって、
前記撮像装置の撮像に係る照度を取得する照度取得部と、
前記照度取得部からの照度値を、撮影環境に応じて補正する照度補正部と、
前記照度補正部により補正された補正照度値に基づいて、前記撮像装置に設定する露光量を導出する露光量導出部と
を備えることを特徴とする露光量決定装置。
【請求項2】
前記照度補正部が、照度の大きさに応じて複数の撮像環境を決め、前記複数の撮影環境のそれぞれの照度対応関係を用いて、前記照度値を前記補正照度値に変換することを特徴とする請求項1に記載の露光量決定装置。
【請求項3】
前記複数の撮像環境のそれぞれは、光源の移動により照度が変化する環境であることを特徴とする請求項2に記載の露光量決定装置。
【請求項4】
前記複数の撮像環境のそれぞれは、前記照度値に対する1又は複数の閾値を用いて区別しており、
前記照度補正部が、前記照度取得部からの前記照度値と、前記1又は複数の閾値との比較により対応する前記撮像環境を特定し、特定した前記撮像環境の前記照度対応関係を用いて、前記照度値を補正する
ことを特徴とする請求項2に記載の露光量決定装置。
【請求項5】
前記照度取得部が、照度センサーであり、前記照度センサーが、撮影対象物から前記撮像装置への方向の光の照度を取得するものであることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の露光量決定装置。
【請求項6】
撮像装置に設定する露光量を決定する露光量決定方法であって、
照度取得部が、前記撮像装置の撮像に係る照度を取得し、
照度補正部が、前記照度取得部からの照度値を、撮影環境に応じて補正し、
露光量導出部が、前記照度補正部により補正された補正照度値に基づいて、前記撮像装置に設定する露光量を導出する
ことを特徴とする露光量決定方法。
【請求項7】
撮像装置に設定する露光量を決定する露光量決定プログラムであって、
コンピュータを、
前記撮像装置の撮像に係る照度を取得する照度取得部と、
前記照度取得部からの照度値を、撮影環境に応じて補正する照度補正部と、
前記照度補正部により補正された補正照度値に基づいて、前記撮像装置に設定する露光量を導出する露光量導出部と
して機能させることを特徴とする露光量決定プログラム。
【請求項8】
撮影対象物を撮像する撮像装置において、
撮像に係る露光量を決定する、請求項1に記載の露光量決定装置を備えることを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光量決定装置、露光量決定方法、露光量決定プログラム及び撮像装置に関し、例えば、光源の位置が変化する環境で、被写体(「撮影対象物」とも呼ぶ。)を撮影する撮像装置に適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、適切な輝度の画像を撮像装置が取得するため、明るい環境で撮影する場合には露光量を小さくし、暗い環境で撮影する場合には露光量を大きくすることが行なわれる。
【0003】
特許文献1には、撮影環境の照度(明るさ)に応じて、絞り、シャッタ速度、アンプゲインを連動させて露出(露光)を制御することが記載されている。
【0004】
例えば、特許文献1の記載技術は、ステップS1で補助照明の最大光量制限量、最小光量制限量を設定する。ステップS2で現在の露出値が暗い場合には、ステップS3で目標露出値と現在の露出値の差分に、照明光量制御係数αを乗じた補正量だけ被写体の照度を明るくするよう露出制御を行う。ステップS4で必要光量が最大光量よりも小さい場合には、必要光量を露出制御後の照明光量として使用し、最大光量を超える照明光量が必要となった場合には、ステップS5で所望の明るさになるように露出補正を行う。ステップS2で現在の露出値が目標露出値よりも明るく、ステップS6において必要光量が最小光量よりも大きい場合には、ステップS7で必要光量を露出制御後の照明光量として使用し、最小光量を下回る照明光量が必要となった場合には、ステップS8で補助照明をオフにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、画像の撮影に際して、適切な輝度の画像を得るためには、撮影対象物表面の明るさに応じて露光量を変化させる必要がある。そのため、目的の撮影の直前に露出量算出用の画像を撮影し、当該画像の輝度を算出することで、より適切な露光量を求めることが可能である。
【0007】
しかしながら、上述した従来技術は、撮影を複数回実行し、画像解析も実施する必要があることから、消費電力が大きくなるという問題がある。
【0008】
また、照度センサー等を用いて照度を取得し、その照度に応じた露光量を導出して単一の撮影を行なうことで、消費電力を抑えることも可能である。しかし、カメラ(撮像装置)、照度センサー、光源、被写体の位置関係により、画像の明るさが大きく変化してしまうことがある。つまり、単純に照度センサーの出力値に応じて露光量を変化させるのみでは、適切な輝度の画像を取得できないことがある。
【0009】
例えば、
図6(A)は順光で撮影する場合を示しており、
図6(B)は逆光で撮影する場合を示している。
【0010】
撮像装置1は照度センサーを有し、照度センサーは撮影時の照度値を測定する。また、上述したように、一般的に、撮影時の画像照度と露光量とは反比例の関係にあり、照度値が高いときには露光量を小さくなるように調整し、逆に照度値が低いときには露光量が大きくなるように調整して、適切な輝度の画像を得るようにしている。
【0011】
図6(A)のように順光での撮影の場合、撮像装置のレンズ面に対して、撮影対象物の被撮影面の方が明るくなる。他方、
図6(B)のように逆光で撮影する場合、撮像装置のレンズ面に対して、撮影対象物の被撮影面の方が暗くなってしまう。そのため、従来のように、照度センサーが測定した照度値をそのまま用いて得た露光量で撮影しても、暗い画像となってしまう。
【0012】
このように、撮影装置と撮影対象物の照度差が発生し、単に照度値の反比例として露光量を決定して撮影を行なうと、適切な輝度の画像を得ることができない場合がある。
【0013】
そこで、本発明は、上述した課題に鑑み、環境に応じて照度値を補正することで、光源位置の変化による、撮影対象物と撮影装置との照度差の関係を吸収し、適切な輝度の画像を得ることができる露光量決定装置、露光量決定方法、露光量決定プログラム及び撮像装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
かかる課題を解決するために、第1の本発明は、撮像装置に設定する露光量を決定する露光量決定装置であって、撮像装置の撮像に係る照度を取得する照度取得部と、照度取得部からの照度値を、撮影環境に応じて補正する照度補正部と、照度補正部により補正された補正照度値に基づいて、撮像装置に設定する露光量を導出する露光量導出部とを備えることを特徴とする。
【0015】
第2の本発明は、撮像装置に設定する露光量を決定する露光量決定方法であって、照度取得部が、撮像装置の撮像に係る照度を取得し、照度補正部が、照度取得部からの照度値を、撮影環境に応じて補正し、露光量導出部が、照度補正部により補正された補正照度値に基づいて、撮像装置に設定する露光量を導出することを特徴とする。
【0016】
第3の本発明は、撮像装置に設定する露光量を決定する露光量決定プログラムであって、コンピュータを、撮像装置の撮像に係る照度を取得する照度取得部と、照度取得部からの照度値を、撮影環境に応じて補正する照度補正部と、照度補正部により補正された補正照度値に基づいて、撮像装置に設定する露光量を導出する露光量導出部として機能させることを特徴とする。
【0017】
第4の本発明は、撮影対象物を撮像する撮像装置において、撮像に係る露光量を決定する、第1の本発明の露光量決定装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、環境に応じて照度値を補正することで、光源位置の変化による、撮影対象物と撮影装置との照度差の関係を吸収し、適切な輝度の画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態に係る撮像装置の内部構成を示す内部構成図である。
【
図2】実施形態に係る画像管理システムの全体構成を示す全体構成図である。
【
図3】実施形態に係る撮像装置における全体的な動作を示すフローチャートである。
【
図4】実施形態に係る露光量決定装置における露光量決定処理の動作を示すフローチャートである。
【
図5】実施形態に係る照度補正関数の一例を説明する説明図である。
【
図6】順光又は逆光の場合に照度をそのまま利用しても適切な露光量が得られないことを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(A)実施形態
以下、本発明に係る露光量決定装置、露光量決定方法、露光量決定プログラム及び撮像装置の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
(A-1)実施形態の構成
(A-1-1)全体構成の一例
図2は、実施形態に係る画像管理システムの全体構成を示す全体構成図である。なお、
図2に例示する画像管理システムの構成は、実施形態を説明するための一例であり、
図2に示すものに限定されない。
【0022】
図2に例示する画像管理システム10は、ネットワークNTを通じて、複数の撮像装置1(1-1~1-N;Nは整数)、管理サーバ2を有する。
【0023】
例えば、太陽などのように位置が時刻変化する光源4を有する環境(例えば屋外等)で、固定された各撮像装置1は撮影対象物を撮影する。つまり、光源4が移動することにより、固定されている各撮像装置1と光源4との位置関係が変化する環境で、各撮像装置1は撮影する。
【0024】
「撮影対象物」は、例えば屋外などのように、開けた場所に存在するものとする。「光源4」は、その位置が時刻変化するものであれば、太陽に限らず広く適用できる。光源4の数は、1個であってもよいし、又は例えば太陽と照明装置等のように複数であってもよい。複数の光源4が存在する場合、全ての光源4の位置が変化する必要はなく、複数の光源4のうち少なくとも1個の光源4の位置が変化すればよい。
【0025】
撮像装置1は、常時又は定期的に撮影対象物を撮影する。撮影時間(又は撮影時刻)は特に限定されないが、この実施形態では、光源4の位置が時刻変化することによって、撮像装置1に当たる光源4からの光量が異なる複数の時間帯で、撮像装置1が撮影対象物を撮影する場合を想定する。
【0026】
また、撮像装置1は、撮影した画像を含む情報(例えばパケット)を、ネットワークNTを介して管理サーバ2に送信する。なお、撮像装置1による画像送信は、撮像装置1が撮影対象物を撮影するたびに、画像を含む情報を管理サーバ2に送信する。又例えば、1日に1回だけ管理サーバ2に送信する等のように、撮像装置1は、事前に決められた送信時刻になると、それまで保持していた複数の撮影画像を含む情報を、管理サーバ2に送信するようにしてもよい。つまり、撮像装置1は、撮影のたびに画像を管理サーバ2に送信してもよいし、又はバッチ処理で画像を管理サーバ2に送信してもよい。
【0027】
管理サーバ2は、制御部21、記憶部22、通信部23、データベース部24を有する。管理サーバ2は、複数の撮像装置1のそれぞれから、画像を含む情報を取得し、撮像装置1毎(又は撮影対象物毎)に画像を記憶して管理する。
【0028】
管理サーバ2は、各撮像装置1の撮影に係る各種設定パラメータ、撮影時間(又は撮影時刻)、送信時刻などを撮像装置1毎に設定するできるようにしてもよい。例えば、管理サーバ2は、撮像装置1が置かれている環境に応じた照度補正関数を、対応する撮像装置1に送信して設定させるようにしてもよい。
【0029】
上述したように、画像管理システム10は、例えば屋外に存在している監視対象を撮影対象物として、複数の撮像装置1のそれぞれが撮影し、各撮像装置1が、撮影画像を管理サーバ2に送信して管理させるような監視システムに適用する場合を例示する。
【0030】
しかし、上述した監視システムに限らず、時刻経過に応じて位置が変化する光源4を含む環境下で、撮像装置1が被写体を撮影するのであれば、画像管理システム10は様々なシステムに適用できる。また、画像管理システム10は、様々なサービスに利用される。
【0031】
撮像装置1は管理サーバ2に画像を送信して記憶させる場合を例示するが、撮像装置1が撮影した画像を記憶媒体に記憶するようにしてもよい。この場合、撮像装置1がネットワークNTに接続していなくてもよい。撮像装置1は、撮影対象物を撮影できるのであれば、例えば、汎用なカメラ、ネットワークカメラ、監視カメラ、スマートフォン等に搭載のカメラなど様々な形態のものを広く適用できる。
【0032】
管理サーバ2は、例えば、クラウドサーバ等としてもよく、管理サーバ2の各種機能のそれぞれが分散配置されてもよい。
【0033】
(A-1-2)撮像装置の詳細な説明
図1は、実施形態に係る撮像装置1の内部構成を示す内部構成図である。
図1において、撮像装置1は、露光量決定装置11、撮像部12、画像信号処理部13、画像出力部14を有する。
【0034】
撮像部12は、例えばカメラ等の撮像装置を適用することができ、撮像素子、レンズ、絞り、シャッターなどを有する。撮像部12は、露光量決定装置11により決定された露光量の値を用いて撮影対象物の画像を撮像し、その画像データを画像信号処理部13に出力する。なお、撮像部12の絞りは省略されていてもよい。
【0035】
画像信号処理部13は、撮像部12の撮像素子から出力される信号を取得し、撮像素子からの信号に基づいて、所定の信号処理を行なう。画像信号処理部13は、所望の画像データ形式のデータに変換して出力する。なお、変換先の画像データ形式は、一般的に使用されている手段を使用してもよい。また、画像信号処理部13は、画像データの形式変換などの処理を実行せず、撮像部12からの信号をそのまま画像出力部14に出力してもよい。この場合、出力データは、撮像部12から出力された信号の内容の生データとなる。
【0036】
画像出力部14は、画像信号処理部13から出力された画像データを、外部に出力する。例えば、画像出力部14は、ネットワークNTの通信プロトコルに従って、画像データを含むパケットを形成して送信する通信部とする。
【0037】
なお、ネットワークNTに接続していない状態で撮像装置1を利用する場合、画像出力部14は、液晶画面などの表示装置に画像データを出力するものとしてもよい。また、画像出力部14は、SDカードなどの記憶媒体に出力するものでもよい。
【0038】
図1において、露光量決定装置11は、露光量決定方法設定部111、露光量決定部112、照度取得部113、照度補正関数設定部114、補正照度導出部115を有する。
【0039】
露光量決定装置11は、CPU、ROM、RAM、EEPROM等を有する回路装置で実現できる。ROMには、CPUにより読み出し可能な露光量決定プログラムが記憶されている。露光量決定プログラムは、CPU(コンピュータ)を、露光量決定方法設定部111、露光量決定部112、照度取得部113、照度補正関数設定部114、補正照度導出部115として機能させるものである。CPUが、ROMに格納される露光量決定プログラムを実行することでより、露光量決定装置11の機能が実現される。
【0040】
従来、撮像部が撮像した複数の画像(画像フレーム)のそれぞれの信号を解析して信号処理を行い、画像輝度から画像の明るさを判断して露光量の値を導出しているのが一般的である。しかし、画像信号処理が必要となるので、処理負荷が大きくなってしまい、消費電力も大きくなるという課題がある。また、処理時間もかかってしまう。
【0041】
また撮像装置1が画像を撮像する際、上述したように画像照度の値と露光量とは反比例の関係にあるので、この関係を利用し、照度センサー等で測定した照度値から露光量を求めることで、消費電力を抑えて、適切な輝度の画像を撮像装置1は得ることができる。しかし、太陽等のように光源4が移動する場合、位置関係が変化することで、順光又は逆光等で撮像装置1は撮影することになり、画像輝度(画像の明るさ)が大きく変化することがある。その場合、上述の反比例の関係を利用しても、照度値から適切な露出量を得ることができず、適切な輝度の画像を得られないことがある。
【0042】
そこで、この実施形態の露光量決定装置11は、撮影環境に応じて照度値を変換する照度補正関数を用いて、照度取得部113が取得した照度値を変換し、その変換後の補正照度値を用いて露光量の値を導出する。
【0043】
これにより、信号処理ではなく、照度センサーなどの照度取得部113が測定した照度値から露光量を求めることができるので、処理負荷を軽減でき、消費電電力も削減できる。さらに、処理時間も短縮できる。
【0044】
さらに、撮影環境に応じた照度補正関数を用いて照度値を補正するため、光源4の位置が移動する撮影環境であっても、その環境に応じた露光量を求めることができる。その結果、適切な輝度の画像を得ることができる。
【0045】
露光量決定方法設定部111は、露光量決定部112が採用する露光量決定方法を設定する。例えば、撮像部12が行なっている通常の露光量決定方法と、照度センサー等の照度取得部113により測定された照度値を補正した補正値(補正照度値)を用いた露光量決定方法などのように、複数の露光量決定方法が事前に設定されており、露光量決定方法設定部111は、複数の露光量決定方法のうちいずれかのものを露光量決定部112に設定する。
【0046】
「撮像部12における通常の露光量決定方法」は、撮像部12に搭載されている既存の露光量決定方法を意図する。つまり、照度値の補正を行なわない方法である。したがって、ここでの詳細な説明は省略する。
【0047】
「補正照度値を用いた露光量決定方法」は、照度補正関数を用いて補正した補正照度値を用いて露光量を導出する方法であり、動作の項で詳細に説明する。
【0048】
露光量決定部112は、露光量決定方法設定部111により設定された露光量決定方法で露光量の値を決定し、決定した露光量の値を撮像部12に設定する。なお、上述した「通常の露光量決定方法」で露光量の導出をさせる動作モードを「通常モード」と呼び、「補正照度値を用いた露光量決定方法」で露光量の導出をさせる動作モードを「補正照度適用モード」と呼ぶ。
【0049】
照度取得部113は、撮像装置1の照度値を取得し、取得した照度値を、補正照度導出部115に与える。照度取得部113は、照度センサーを用いることができる。
【0050】
照度取得部113としての照度センサーは、撮像部12のレンズ面の照度を測定するものである。例えば、照度センサーは、撮像部12が取り込む光の明るさ、すなわち撮影対象物から、撮像部12のレンズ面への方向に差し込む光の照度を測定する。
【0051】
照度補正関数設定部114は、照度を補正するため、撮影環境に応じて定義した照度対応関係を、補正照度導出部115に設定する。
【0052】
ここで、照度対応関係は、照度の大きさに応じて複数の撮像環境(例えば、夜間、昼間順光、昼間逆光等)を決め、撮影環境毎に照度の変換関係を定義したものである。この実施形態では、照度対応関係の一例として、照度補正関数を挙げるが、この照度補正関数に限定されない。
【0053】
補正照度導出部115は、設定された照度対応関係としての照度補正関数を用いて、照度取得部113からの照度の値を補正して補正照度値を導出する。補正照度導出部115は、補正照度の値を、露光量決定部112に与える。
【0054】
(A-2)実施形態の動作
次に、実施形態に係る撮像装置1における動作を、図面を参照しながら説明する。
【0055】
(A-2-1)全体動作
図3は、実施形態に係る撮像装置1における全体的な動作を示すフローチャートである。
【0056】
撮像装置1において、露光量決定装置11が、撮像部12に適用する露光量の値を導出し(ステップS101)、その露光量の値を撮像部12に与える。この露光量の導出処理の詳細は後述する。
【0057】
撮像部12は、露光量決定装置11からの露光量の値を用いて、撮影対象物を撮影し、撮像素子からの画像生データを画像信号処理部13に出力する(ステップS102)。
【0058】
画像信号処理部13は、画像生データを出力画像データに変換して、画像出力部14に与える(ステップS103)。
【0059】
ここで、画像生データは、一般的に用いられているビットマップやJPEGといったファイルフォーマットとは異なり、撮像素子が出力した生のデータである。出力画像データは、任意の画像形式に準じた内容の画像データである。出力画像データの画像形式は、一般的に知られている画像形式を使用してよい。なお、ステップS103を実行せずに次のステップに移ってもよい。この場合、画像信号処理部は、撮像部から出力された画像生データを出力画像データとしてそのまま出力する。
【0060】
画像出力部14は、画像信号処理部13からの出力画像データを外部に出力する(ステップS104)。
【0061】
(A-2-2)露光量決定処理
図4は、実施形態に係る露光量決定装置11における露光量決定処理の動作を示すフローチャートである。
【0062】
露光量決定方法設定部111は、露光量決定方法を取得し、露光量決定方法を露光量決定部112に与える(ステップS201)。
【0063】
例えば、露光量決定方法設定部111は、撮像部12における通常の露光量決定方法と、補正照度値を用いた露光量決定方法とのいずれかを、露光量決定部112に設定することができる。
【0064】
露光量決定方法の設定切替については、様々な方法を、露光量決定装置11は採ることができる。例えば、撮像装置1を野外での監視カメラとして利用する場合には、補正照度値を用いた露光量決定方法を設定し、それ以外の場合には通常の露光量決定方法を設定するなどの方法がある。このように、撮像装置1の用途や、野外又は屋内等の撮影環境等に応じて露光量決定方法を切り替得るようにしてもよい。また、ユーザの人手によって、又は管理サーバ2からの制御指示によって、露光量決定方法は切替可能とする。
【0065】
露光量決定部112は、露光量決定方法設定部111によって設定された露光量決定方法が補正照度適用モードであるか(又は通常モードであるか)否かを判定する(ステップS202)。
【0066】
そして、露光量決定方法が通常の露光量決定方法であれば、補正照度適用モードでない(すなわち通常モード)と、露光量決定部112は判定し(ステップS202/No)、撮像部12の通常の露光量決定方法で露光量を露光量決定部112は決定する(ステップS203)。そして、決定した露光量を用いて撮影させるために、露光量決定部112は、決定した露光量を撮像部12に出力する(ステップS208)。
【0067】
また、露光量決定方法が補正照度値を用いた露光量決定方法であれば、補正照度適用モードであると、露光量決定部112は判定する(ステップS202/Yes)。このとき、例えば、露光量決定部112は、補正照度導出部115に対して照度の補正処理を要求して、ステップS204の処理に移行する。
【0068】
露光量決定装置11では、照度補正関数設定部114が、照度補正に用いる照度補正関数を、補正照度導出部115に設定する(ステップS204)。
【0069】
例えば、照度補正関数設定部114には、照度補正関数が事前に設定されており、その照度補正関数を補正照度導出部115に照度補正関数設定部114が設定する。又光源4の位置変化に応じて、光源4によって照られる明るさ(照度)の特性が異なることもあるので、例えば、季節毎、月毎等の照度補正関数を事前に設定しておき、現在の季節、月等に応じた照度補正関数を、照度補正関数設定部114が選択して補正照度導出部115に設定するようにしてもよい。つまり、1又は複数の照度補正関数を照度補正関数設定部114に設定しておき、撮影時の状況や環境にあった照度補正関数を、照度補正関数設定部114が選択して設定してもよい。
【0070】
次に、照度取得部113は、光源4によって照られている撮像装置1付近の照度を測定して取得する(ステップS205)。照度取得部113は、測定した照度値を補正するため、補正照度導出部115に照度値を与える。
【0071】
そして、補正照度導出部115は、設定された補正照度関数を用いて、照度取得部113からの照度値を変換して補正照度値を導出し(ステップS206)、補正照度導出部115は、補正照度値を露光量決定部112に与える。
【0072】
露光量決定部112は、補正照度導出部115からの補正照度値を用いて露出量を決定する(ステップS207)。そして、決定した露光量を用いて撮影させるために、露光量決定部112は、決定した露光量を撮像部12に出力する(ステップS208)。
【0073】
(A-2-3)補正照度関数の一例
ここで、補正照度関数について一例を挙げて説明する。
【0074】
図5は、実施形態に係る照度補正関数の一例を説明する説明図である。
図5において、横軸は、照度取得部113が測定した測定照度[lx]を示しており、縦軸は、補正後の補正照度[lx]を示している。
【0075】
図5の例では、照度補正関数f
n(x)は、(1)~(4)式で表わすものとする。
【0076】
fn(x)=an・x+bn (n=0,1,2)…(1)
b0=c1(1-a0) (0<x≦c1のとき、n=0)…(2)
b1=c1(1-a1) (c1<x≦c2のとき、n=1)…(3)
b2=c1(1-a1)+c2(a1-a2)=b1+c2(a1-a2) (c2<xのとき、n=2)…(4)
【0077】
(1)~(4)式において、cmは明暗閾値である(mは整数)。明暗閾値は、撮影環境の明るさを判別するための閾値である。なお、c0は、撮影するために必要とするカメラの最低被写体照度を示している。
【0078】
この例では、2個の閾値c1,c2を設定する。例えば、c1は、夜間等のように光源4からの光量が極めて少なくて暗い環境(極暗所)と、極暗所よりも光量が多い環境とを区分するものである。また例えば、c2は、昼間順光と昼間逆光等のように極めて照度が高い環境を区分するものである。
【0079】
この例では、明暗閾値を設定することにより、例えば、測定照度がc1未満のときには「夜間」、測定照度がc1以上c2未満のときには「昼間順光」、測定照度がc2以上のときには「昼間逆光」などのように、光源4の明るさを判別することができるだけでなく、光源4と撮像装置1搭載の照度センサ(照度取得部113)との位置関係に応じて変化する明るさも判別できる。
【0080】
又例えば、c1,c2を設けて、「夜間」、「昼間順光」、「昼間逆光」等のように3つの撮影環境を区別し、撮影環境のそれぞれにおいて、測定照度値ctを変換させる照度補正関数の特性を、撮影環境毎に、定義することができる。以下に例示する。
【0081】
例えば、(1)~(4)式において、a0,a1,a2は、照度係数であり、傾きを決定するパラメータである。この例では、照度補正関数fn(x)=x(すなわち、an=1)をデフォルトとしている。
【0082】
照度取得部113による測定照度値がc1のとき、デフォルトの照度補正関数を用いて測定照度値を変換すると、変換後の補正照度値がc1になるようにしている。
【0083】
[0<ct≦c1(夜間)の場合]
例えば、測定照度値ctが0<ct≦c1の範囲に存在している場合、「夜間」等のように光源4により照らされる明るさが低い環境で、撮像装置1が撮影するときである。
【0084】
この場合、画像輝度をより高くして、より明るい画像を得たいとき、
図5に例示するa
0>1の照度補正関数を、補正照度導出部115は選択する。
【0085】
a0>1の照度補正関数と、デフォルト(a0=1)の照度補正関数f0(x)とは共に点(c1,c1)を通るが、a0>1の照度補正関数の傾きは、デフォルトの照度補正関数f0(x)の傾きよりも大きい。
【0086】
したがって、a0>1の照度補正関数を用いて測定照度値ctを変換すると、変換後の補正照度値は、測定照度値ctよりも小さい値となる。また、画像照度と露光量とは反比例の関係にあるので、測定照度値ctを用いて求めた露光量の値よりも、補正照度値を用いて露光量の値の方が大きくなる。したがって、露光量の値を大きくして撮像部12は撮影できるので、より輝度が高い画像(より明るい画像)を得ることができる。なお、a0の値は、a0>1であれば、適宜決定することができる。
【0087】
逆に、測定照度値c
tが0<c
t≦c
1の範囲に存在している場合に、より輝度が小さくより暗い画像を得たいとき、
図5に例示するa
0<1の照度補正関数を、補正照度導出部115は選択する。
【0088】
a0<1の照度補正関数と、デフォルトの照度補正関数f0(x)とは共に点(c1,c1)を通り、a0<1の照度補正関数の傾きは、デフォルトの照度補正関数f0(x)の傾きよりも小さい。
【0089】
したがって、a0<1の照度補正関数を用いて測定照度値ctを変換すると、変換後の補正照度値は、測定照度値ctよりも大きい値となる。そのため、測定照度値ctを用いて求めた露光量よりも、測定照度値ctより大きい値の補正照度値を用いて露光量の方が小さくなる。したがって、露光量の値を小さくして撮像部12は撮影できるので、より輝度が小さい画像(より暗い画像)を得ることができる。なお、a0の値はa0<1であれば適宜決定することができる。ただしa0≠0とする。
【0090】
なお、画像を明るくするか又は暗くするかの判定方法について、様々な既存技術を適用できるが、その一例を説明する。例えば、画像信号処理部13が、撮像部12からの画像信号に基づいて、画像輝度を解析して、画像を明るくするか又は暗くするかを判断する方法を用いることができる。
【0091】
つまり、例えば、画像信号処理部13が、画像の明るさ(輝度)を判断するための閾値と撮像部12が撮影した画像輝度とを比較して、画像の明るさを画像信号処理部13が判定する。そして、画像信号処理部13の判定結果を補正照度導出部115が取得し、判定結果に基づいて、an>1の関数を用いるか、又はan<1の関数を用いるかを、補正照度導出部115が決定するようにしてもよい。
【0092】
この判断方法は、「昼間順光」、「昼間逆光」の他の領域の場合にも同様に用いることができる。
【0093】
[c1<ct≦c2(昼間順光)の場合]
例えば、測定照度値ctがc1<ct≦c2の範囲に存在している場合、「昼間順光」のように、光源4により明るい環境で、撮像装置1が撮影するときである。
【0094】
この場合、画像輝度をより高くして、より明るい画像を得たいとき、
図5に例示するa
1<1の照度補正関数を、補正照度導出部115は選択する。
【0095】
a1<1の照度補正関数と、デフォルトの照度補正関数f1(x)とは共に点(c1,c1)を通るが、a1<1の照度補正関数の傾きは、デフォルト(a1=1)の照度補正関数f1(x)の傾きよりも小さい。
【0096】
したがって、a1<1の照度補正関数を用いて測定照度値ctを変換すると、変換後の補正照度値は、測定照度値ctよりも小さい値となる。したがって、測定照度値ctを用いて求めた露光量の値よりも、測定照度値ctより小さい値の補正照度値を用いて露光量の値の方が大きくなる。したがって、露光量を大きくした状態で、撮像部12が撮影できるので、画像輝度をより高くして、より明るい画像を得ることができる。
【0097】
逆に、測定照度値c
tがc
1<c
t≦c
2の範囲に存在している場合に、画像輝度をより小さくして、より暗い画像を得たいとき、
図5に例示するa
1>1の照度補正関数を、補正照度導出部115は選択する。
【0098】
a1>1の照度補正関数と、デフォルトの照度補正関数f1(x)とは共に点(c1,c1)を通るが、a1>1の照度補正関数の傾きは、デフォルトの照度補正関数f1(x)の傾きよりも大きくしている。
【0099】
したがって、a1>1の照度補正関数を用いて測定照度値ctを変換すると、変換後の補正照度値は、測定照度値ctよりも大きい値となる。したがって、測定照度値ctを用いて求めた露光量の値よりも、測定照度値ctより大きい値の補正照度値を用いて露光量の値の方が小さくなる。そのため、露光量を小さくした状態で、撮像部12は撮影できるので、画像輝度をより小さくして、より暗い画像を得ることができる。
[c2<ct(昼間逆光)の場合]
測定照度値ctがc2<ctの範囲に存在している場合、すなわち撮影環境が「昼間逆光」などのように、光源4から強い光が撮像装置1のレンズに照らされている状態で、撮像装置1が撮影するときである。この場合の照度補正関数を関数f2(x)としている。
【0100】
「昼間順光(c1<ct≦c2)」の関数f1(x)と、「昼間逆光(c2<ct)」の関数f2(x)とは連続性を持たせているので、x=c2のとき、両者は同じ点を通るものとする。つまり、x=c2のとき、f1(c2)=f2(c2)である。
【0101】
また、この例の場合、「昼間順光(c1<ct≦c2)」の関数f1(x)は、a1<1のときと、a1>1のときの2種類の関数を用意した。
【0102】
そのため、「昼間逆光(c2<ct)」では、「昼間順光」でa1<1のときの関数f1(x)に関連する関数f21(x)と、「昼前順光」でa1>1のときの関数f1(x)に関連する関数f22(x)とを設定している。
【0103】
関数f21(x)は、a1<1のときの関数f1(x)に連続している。例えば「昼間順光」の際に、a1<1のときの関数f1(x)を用いて、測定照度値を補正した後、引き続き、関数f21(x)を用いるようにしてもよい。
【0104】
関数f21(x)を用いる場合に、画像輝度をより高くしたいときには、a2<1の関数を、補正照度導出部115は選択する。
【0105】
この場合、a2<1の関数の傾きは、a2=1の関数f21(x)の傾きよりも極めて小さくしている。これは、逆光にあるときに、露光量を大きく変化させないようにするためである。つまり、関数f21(x)のa2<1の関数の傾きを極めて小さくしているので、補正照度値は、測定照度値に対して差分が極めて小さい値となり、露光量の変化も小さくなる。
【0106】
また、関数f21(x)を用いる場合に、画像輝度を低くしたいときには、a2>1の関数を、補正照度導出部115は選択する。この場合、a2>1の関数の傾きは、a2=1の関数f21(x)の傾きよりも大きい。そのため、補正照度値は、測定照度値ctより大きい値になり、露光量を小さくできる。つまり、露光量を小さくできるので、逆光で光源4から入る撮像部12の光の量と、撮影対象物に反射して撮像部12に入る光の量との照度差を吸収できるので、より適切な画像を得ることができる。
【0107】
他方、関数f22(x)は、a1>1のときの関数f1(x)に連続している。例えば、「昼間順光」の際に、a1>1のときの関数f1(x)を用いて、測定照度値を補正した後、引き続き、関数f22(x)を用いるようにしてもよい。
【0108】
関数f22(x)を用いる場合、画像輝度をより高くしたいときには、a2<1の関数を、補正照度導出部115は選択する。
【0109】
この場合、a2<1の関数の傾きは、a2=1の関数f22(x)の傾きよりも小さくしている。したがって、補正照度値は、測定照度値よりも小さい値となり、露光量を大きくする。
【0110】
なお、関数f22(x)のa2<1の関数の傾きを、関数f21(x)のa2<1の関数と同様に、極めて小さくして、露光量の変化を小さくするようにしてもよい。
【0111】
また、関数f22(x)を用いる場合に、画像輝度を低くしたいときには、a2>1の関数を、補正照度導出部115は選択する。この場合、a2>1の関数の傾きは、a2=1の関数f22(x)の傾きよりも大きい。そのため、補正照度値は、測定照度値ctより大きい値になり、露光量を小さくできる。つまり、逆光の場合に、露光量を小さくできるので、より適切な画像を得ることができる。
【0112】
[照度補正関数の変形例]
図5に例示する照度補正関数は、一例であり、撮影環境に応じて適宜決定することができる。
【0113】
図5に例示する照度補正関数では、2個の明暗閾値(c1,c2)を設定する場合を例示したが、明暗閾値の設定数は、1個又は3個以上であってもよく、撮像装置1と、照度取得部113と、光源4との位置関係の変化に応じて適宜設定することができる。例えば、光源4として太陽の位置変化は、南半球又は北半球、季節等によって異なり、測定照度値にも影響が及ぶ。そのため、撮像装置1の環境に応じた照度補正関数を設定することで、その環境に応じて照度値を補正できる。
【0114】
図5に例示した照度補正関数は、測定照度が取り得る各領域で、線形関数(一次関数)で表したものであるが、非線形関数であってもよい。
【0115】
(A-3)実施形態の効果
以上のように、この実施形態によれば、露光量を決定するために複数枚の画像撮影、及び処理負荷が高い画像解析を必要とせず、照度センサーなどの照度取得部が測定した照度値に基づいて露光量を求めることができるので消費電力を抑えることができる。
【0116】
さらに、この実施形態によれば、環境に応じて照度値を補正して露光量を得ることで、光源位置の変化による、撮影対象物と撮像装置との照度差の関係を吸収し、適切な輝度の画像を得ることができる。
【0117】
(B)他の実施形態
上述した実施形態においても種々の変形例を言及したが、本発明は、以下の変形実施形態も適用できる。
【0118】
(B-1)上述した実施形態では、撮像装置1は、画像管理システム10の構成要素とする場合を前提として説明したが、撮像装置1がシステムから独立して単体の装置で利用されるものであってもよい。その場合、画像を記憶する記憶装置を撮像装置1が搭載することで実現できる。
【符号の説明】
【0119】
10…画像管理システム、1…撮像装置、2…管理サーバ、NT…ネットワーク、4…光源、5…被写体、11…露光量決定装置、12…撮像部、13…画像信号処理部、14…画像出力部、21…制御部、22…記憶部、23…通信部、24…データベース部、111…露光量決定方法設定部、112…露光量決定部、113…照度取得部、114…照度補正関数設定部、115…補正照度導出部。