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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161326
(43)【公開日】2023-11-07
(54)【発明の名称】運転支援装置
(51)【国際特許分類】
   B60W 40/06 20120101AFI20231030BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20231030BHJP
   B60W 30/10 20060101ALI20231030BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20231030BHJP
   G06V 20/56 20220101ALI20231030BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20231030BHJP
【FI】
B60W40/06
G08G1/16 C
B60W30/10
B60W60/00
G06V20/56
G06T7/00 650A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071647
(22)【出願日】2022-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 昌也
(72)【発明者】
【氏名】植松 巧
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
5L096
【Fターム(参考)】
3D241BA11
3D241BA49
3D241CD12
3D241CE04
3D241CE05
3D241DA13Z
3D241DA39Z
3D241DB01Z
3D241DB02Z
3D241DB12Z
3D241DC35Z
3D241DC39Z
3D241DC42Z
5H181AA01
5H181CC04
5H181CC24
5H181LL04
5H181LL09
5L096BA04
5L096FA02
(57)【要約】
【課題】退避領域を精度良く検出できる技術を提供する。
【解決手段】カメラ122を有する車両10に搭載される運転支援装置110は、低自由度モデルと高自由度モデルとを使用して、カメラが撮像した周辺画像に基づいて、道路端と、道路端に最も近い区画線と、を認識し、道路端を示す道路端情報と区画線を示す区画線情報とを生成する認識部111と、道路端情報と区画線情報とを用いて、道路端と区画線との間に存在する、車両が退避可能な退避領域を検出する検出部112と、退避領域に車両が退避する場合に、車両の制御を行う制御部113と、を備える。道路端情報は、低自由度モデルを用いて認識された低自由度道路端情報と、高自由度モデルを用いて認識された高自由度道路端情報と、を含む。検出部は、第1条件を満たす場合には、高自由度道路端情報を用い、第1条件を満たさず、かつ、第2条件を満たす場合には、低自由度道路端情報を用いる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ(122)を有する車両(10)に搭載される運転支援装置(110)であって、
形状表現の自由度が低いモデルである低自由度モデルと前記低自由度モデルよりも形状表現の自由度が高いモデルである高自由度モデルとを使用して、前記カメラが前記車両の周辺を撮像した画像である周辺画像に基づいて、前記車両が走行している道路の端であって前記道路の前記車両に最も近い前記端を示す道路端と、前記道路端に最も近い区画線と、を認識し、前記道路端を示す道路端情報と前記区画線を示す区画線情報とを含む周辺情報を生成する認識部(111)と、
前記道路端情報と前記区画線情報とを用いて、前記道路端と前記区画線との間に存在する領域であって、前記車両が退避可能な退避領域を検出する検出部(112)と、
前記退避領域に前記車両が退避する場合に、検出された前記退避領域に応じて前記車両の予め定められた制御を行う制御部(113)と、を備え、
前記退避領域は、前記道路の延伸方向の長さが前記車両の車長以上であり、前記延伸方向に垂直な方向の長さである横幅が前記車両の車幅以上である領域であり、
前記道路端情報は、前記低自由度モデルを用いて認識された前記道路端を表す低自由度道路端情報と、前記高自由度モデルを用いて認識された前記道路端を表す高自由度道路端情報と、を含み、
前記検出部は、
前記低自由度道路端情報の精度が低下したことまたは前記低自由度道路端情報の精度が低下する可能性が高いことを示す第1条件を前記周辺情報が満たす場合には、前記道路端情報として前記高自由度道路端情報を用い、
前記第1条件を満たさず、かつ、前記高自由度道路端情報の精度に関する第2条件を前記周辺情報が満たす場合には、前記道路端情報として前記低自由度道路端情報を用いる、運転支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の運転支援装置であって、
前記車両は、前記車両の速度とヨーレートとを含む自車状況を検出する自車状況センサ(124)を有し、
前記検出部は、前記自車状況と前記区画線情報を用いて、過去に検出した前記退避領域を更新し、
前記制御部は、更新された前記退避領域に応じて前記制御を行う、運転支援装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の運転支援装置であって、
前記認識部は、前記周辺画像において検出された前記道路端を示す点である検出点から、前記低自由度モデルおよび前記高自由度モデルを用いて前記道路端の形状を表す点列を認識することができ、
前記低自由度道路端情報が示す前記道路端の形状の精度が低下したことを示す前記第1条件は、前記低自由度モデルを用いて認識した前記点列と前記点列に対応する前記検出点との距離が予め定められた閾値距離以上であることを含む、運転支援装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の運転支援装置であって、
前記第1条件は、前記周辺画像において非常駐車帯を示す標識が検出されたことを示す情報を前記周辺情報が含むことである、運転支援装置。
【請求項5】
請求項2に記載の運転支援装置であって、
前記検出部は、更に、前記道路端情報を用いて過去に検出した前記退避領域を更新する、運転支援装置。
【請求項6】
請求項2または請求項5に記載の運転支援装置であって、
前記退避領域は、矩形形状であり、
前記検出部は、前記更新において過去に検出した前記退避領域の前記横幅を変更する場合において、前記更新を行う前の過去に検出した前記退避領域から前記横幅が広がる場合、前記更新を行う前の過去に検出した前記退避領域から前記横幅が狭まる場合よりも、前記更新における前記退避領域の変形の程度を小さくする、運転支援装置。
【請求項7】
請求項2または請求項5に記載の運転支援装置であって、
前記検出部は、前記道路端情報として前記高自由度道路端情報を用いている場合、前記道路端情報として前記低自由度道路端情報を用いている場合よりも、前記更新における前記退避領域の変形の程度を小さくする、運転支援装置。
【請求項8】
請求項1または請求項2に記載の運転支援装置であって、
前記検出部は、前記退避領域の前記道路端側の周縁と前記道路端との距離が予め定められた余剰距離以上となるように前記退避領域を設定し、
前記余剰距離は、前記道路端情報として前記高自由度道路端情報を用いる場合、前記道路端情報として前記低自由度道路端情報を用いる場合よりも、大きい、運転支援装置。
【請求項9】
請求項1または請求項2に記載の運転支援装置であって、
前記退避領域は、矩形形状であり、
前記検出部は、前記道路端と前記区画線との距離が前記車幅よりも広い領域であって、前記延伸方向の長さが前記車長よりも長い領域である対象領域から前記退避領域を検出する場合において、前記対象領域のうち前記延伸方向の長さが前記車長以上であり、前記横幅が最も大きい領域を前記退避領域として検出する、運転支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
運転支援装置として、車両を路肩に退避させる技術が知られている。特許文献1には、カメラやレーダが認識した道路の形状を含む道路情報を用いて退避するための退避領域を検出する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-115967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カメラやレーダが認識した道路情報を用いて非常駐車帯などの複雑な形状の道路を認識するために、形状表現の自由度が高いモデルを用いて道路形状を認識する場合がある。この場合、単純な形状の道路の認識において誤検知が増大するおそれがある、という課題を発明者らは見出した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
本開示の一形態によれば、カメラ(122)を有する車両(10)に搭載される運転支援装置(110)が提供される。この車両提供装置は、形状表現の自由度が低いモデルである低自由度モデルと前記低自由度モデルよりも形状表現の自由度が高いモデルである高自由度モデルとを使用して、前記カメラが前記車両の周辺を撮像した画像である周辺画像に基づいて、前記車両が走行している道路の端であって前記道路の前記車両に最も近い前記端を示す道路端と、前記道路端に最も近い区画線と、を認識し、前記道路端を示す道路端情報と前記区画線を示す区画線情報とを含む周辺情報を生成する認識部(111)と、前記道路端情報と前記区画線情報とを用いて、前記道路端と前記区画線との間に存在する領域であって、前記車両が退避可能な退避領域を検出する検出部(112)と、前記退避領域に前記車両が退避する場合に、検出された前記退避領域に応じて前記車両の予め定められた制御を行う制御部(113)と、を備え、前記退避領域は、前記道路の延伸方向の長さが前記車両の車長以上であり、前記延伸方向に垂直な方向の長さである横幅が前記車両の車幅以上である領域であり、前記道路端情報は、前記低自由度モデルを用いて認識された前記道路端を表す低自由度道路端情報と、前記高自由度モデルを用いて認識された前記道路端を表す高自由度道路端情報と、を含み、前記検出部は、前記低自由度道路端情報の精度が低下したことまたは前記低自由度道路端情報の精度が低下する可能性が高いことを示す第1条件を前記周辺情報が満たす場合には、前記道路端情報として前記高自由度道路端情報を用い、前記第1条件を満たさず、かつ、前記高自由度道路端情報の精度に関する第2条件を前記周辺情報が満たす場合には、前記道路端情報として前記低自由度道路端情報を用いる。
【0007】
道路端の形状が複雑である場合、低自由度モデルを用いるよりも高自由度モデルを用いた方が道路端の形状を精度高く認識できる。しかし、道路端の形状が単純な直線形状である場合、高自由度モデルを用いるよりも低自由度モデルを用いた方が道路端の形状を精度高く認識できる。この形態の運転支援装置によれば、低自由度モデルと高自由度モデルとを使い分けることができるため、退避領域を精度良く検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】自動運転システムの構成を示す概要図である。
図2】退避処理の一例を示すフローチャートである。
図3】周辺情報の一例を示す説明図である。
図4】道路端情報決定処理の一例を示すフローチャートである。
図5】退避領域の一例を示す説明図である。
図6】第2実施形態における自動運転システムの構成を示す概要図である。
図7】第2実施形態における退避処理の一例を示すフローチャートである。
図8】退避領域の他の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.第1実施形態:
図1に示すように、車両10は、自動運転制御システム100を備える。本実施形態において、自動運転制御システム100は、車両10の自動運転を実行する。本実施形態において、自動運転制御システム100は、運転支援装置110と、カメラ122と、自動運転制御部210と、駆動力制御ECU(Electronic Control Unit)220と、制動力制御ECU230と、操舵制御ECU240と、を備える。運転支援装置110と、駆動力制御ECU220と、制動力制御ECU230と、操舵制御ECU240とは、車載ネットワーク250を介して接続される。なお、車両10は、自動運転に限らず、運転手によって手動で行われる手動運転によって運転されてもよい。
【0010】
カメラ122は、車両10の周辺を撮像して画像を取得する。カメラ122が撮像した画像は、運転支援装置110に出力される。
【0011】
運転支援装置110は、車両10を退避領域に退避させる装置である。運転支援装置110は、認識部111と検出部112と制御部113を備える。運転支援装置110は、中央処理装置(CPU)や、RAM、ROMにより構成されたマイクロコンピュータ等からなり、予めインストールされたプログラムをマイクロコンピュータが実行することによって、これらの各部の機能を実現する。ただし、これらの各部の機能の一部又は全部をハードウエア回路で実現してもよい。
【0012】
認識部111は、カメラ122が車両10の周辺を撮像した周辺画像に基づいて、周辺情報を生成する。周辺情報は、車両10が走行している道路の端を示す道路端と、道路端側における区画線と、を含む情報である。本実施形態において、道路端は、車両10に最も近い端であり、車両10が走行している車線に対する対向車線と反対側の端である。道路端は、例えば、車道と歩道との境界線や、路側物によって示される。
【0013】
認識部111は、形状表現の自由度が低いモデルである低自由度モデルと低自由度モデルよりも形状表現の自由度が高いモデルである高自由度モデルとを使用して、道路端の形状を認識する。形状表現の自由度が高い程、高次元の多項式で形状が表される。低自由度モデルは、例えば、2次曲線や3次曲線で道路端の形状を認識する。高自由度モデルは、例えば、4次曲線や占有グリッドマッピング(Occupancy Grid Mapping(OGM))で道路端の形状を認識する。
【0014】
本実施形態において、認識部111は、周辺画像において検出された道路端を示す点である検出点から、低自由度モデルや前記高自由度モデルを用いて道路端の形状を表す点列を認識する。
【0015】
認識部111が認識した道路端を示す情報を道路端情報といい、区画線を示す情報を区画線情報という。道路端情報は、低自由度モデルを用いて道路端を認識された低自由度道路端情報と、高自由度モデルを用いて認識された自由度道路端情報と、を含む。
【0016】
検出部112は、認識部111が認識した道路端情報と区画線情報とを用いて、退避領域を検出する。退避領域は、道路端と区画線との間に存在する領域であって、車両10が退避可能な領域である。また、退避領域は、道路の延伸方向の長さである縦幅が車両10の車長以上であり、延伸方向に垂直な方向の長さである横幅が車両10の車幅以上である領域である。ここで、横幅は、道路の延伸方向と重力方向の両方に対して直交する方向の長さともいえる。
【0017】
また、検出部112は、周辺情報が予め定められた第1条件を満たす場合には、道路端情報として高自由度道路端情報を用い、周辺情報が第1条件を満たさず、かつ、第2条件を満たす場合には、道路端情報として低自由度道路端情報を用いる。第1条件は、低自由度道路端情報の精度に関する情報である。第1条件として、例えば、以下のような条件のいずれか1つ以上を採用することが可能である。
【0018】
<条件1>
低自由度道路端情報の精度が低下したこと。
<条件2>
低自由度道路端情報の精度が低下する可能性が高いこと。
【0019】
上記条件1は、例えば、低自由度モデルを用いて認識した点列と点列に対応する検出点との距離が予め定められた閾値距離以上である場合に、成立していると判断される。点列と検出点との距離とは、例えば、車両10が走行している道路の延伸方向に垂直な方向における、点列のうちのある1つの点とそれに対応する検出点との距離でもよく、点列のうちの複数の点とそれらに対応する検出点との距離の平均値でもよい。
【0020】
上記条件2は、例えば、周辺画像において非常駐車帯を示す標識が検出された場合に、成立していると判断される。非常駐車帯は、例えば、故障車・緊急車両・道路管理車両等が、停車することを目的に自動車専用道路の路肩に設置されている領域である。
【0021】
また、上記の条件1、2やその他の条件を適宜組み合わせて第1条件とすることもできる。本実施形態では、検出部112は、上述した条件1および条件2を採用し、これらの条件1または条件2のいずれかが成立したときに第1条件が成立したものと判定される。
【0022】
第2条件は、第1条件と異なる条件である。第2条件は、高自由度道路端情報の精度に関する情報である。第2条件は、高自由度道路端情報の精度が低自由度道路端情報の精度よりも低い可能性がある場合、例えば、低自由度道路端情報が示す道路端の形状が直線である場合に、成立したと判定される。なお、第2条件は、自動運転制御システム100の稼働中に常に満たされる条件でもよい。すなわち、検出部112は、周辺条件が第1条件を満たさない場合、常に道路端情報として低自由度道路端情報を用いてもよい。
【0023】
制御部113は、退避領域に車両10が退避する場合に、検出部112が検出した退避領域に応じて予め定められた車両10の制御を行う。退避領域に車両10が避難する場合は、例えば、車両10の運転手が失神した場合や、車両10のセンサが故障した場合、運転手が退避を要求した場合である。車両10のセンサが故障した場合とは、例えば、レーンキープ等の自動運転時において、自動運転に用いる一部のセンサの異常を検出し、自動運転の継続が困難になった場合である。本実施形態において、制御部113は、予め定められた制御として、車両10を退避領域に退避させる。なお、予め定められた制御とは、常に同一の制御であることではなく、退避領域の位置に応じて定められる制御を意味する。
【0024】
自動運転制御部210は、中央処理装置(CPU)や、RAM、ROMにより構成されたマイクロコンピュータ等からなり、予めインストールされたプログラムをマイクロコンピュータが実行することによって、自動運転機能を実現する。自動運転制御部210は、駆動力制御ECU220および制動力制御ECU230、操舵制御ECU240を制御することで、自動運転機能を実現する。自動運転制御部210は、例えば、駆動力制御ECU220および制動力制御ECU230を制御し、操舵制御ECU240を用いて自動的に車線変更を行う。
【0025】
駆動力制御ECU220は、エンジンなど車両10の駆動力を発生するアクチュエータを制御する電子制御装置である。運転手が手動で運転を行う場合、駆動力制御ECU220は、アクセルペダルの操作量に応じてエンジンや電気モータである動力源を制御する。一方、自動運転を行う場合、駆動力制御ECU220は、制御部113で演算された要求駆動力に応じて動力源を制御する。
【0026】
制動力制御ECU230は、車両10の制動力を発生するブレーキアクチュエータを制御する電子制御装置である。運転手が手動で運転を行う場合、制動力制御ECU230は、ブレーキペダルの操作量に応じてブレーキアクチュエータを制御する。一方、自動運転を行う場合、制動力制御ECU230は、制御部113で演算された要求制動力に応じてブレーキアクチュエータを制御する。
【0027】
操舵制御ECU240は、車両10の操舵トルクを発生するモータを制御する電子制御装置である。運転手が手動で運転を行う場合、操舵制御ECU240は、ステアリングハンドルの操作に応じてモータを制御して、ステアリング操作に対するアシストトルクを発生させる。これにより、運転手が少量の力でステアリングを操作でき、車両10の操舵を実現する。一方、自動運転を行う場合、操舵制御ECU240は、制御部113で演算された要求操舵角に応じてモータを制御することで操舵を行う。
【0028】
図2に示す退避処理は、運転支援装置110が車両10を退避領域に退避させる処理である。この処理は、本実施形態において、車両10を退避させる必要がある場合に行われる処理である。
【0029】
ステップS100において、認識部111は、道路端と区画線とを認識する。より具体的には、道路端情報と区画線情報とを含む周辺情報を生成する。
【0030】
図3に示すように、車両10は、車線Ln1を走行している。認識部111は、車両10に最も近い道路の端である道路端LnEと、道路端LnEに最も近い区画線である区画線LnLとを認識する。より具体的には、認識部111は、低自由度道路端情報が示す道路端LnEの形状(以下、「低自由度道路端情報ELl」ともいう)と、高自由度道路端情報が示す道路端LnEの形状(以下、「高自由度道路端情報ELh」ともいう)と、区画線情報が示す区画線LnLの形状(以下、「区画線情報LL」ともいう)と、を認識する。
【0031】
ステップS110(図2参照)において、検出部112は、ステップS100で認識部111が生成した周辺情報を用いて退避領域を検出する。
【0032】
図4に示す道路端情報決定処理は、検出部112が、ステップS110(図2参照)において退避領域を検出する際に用いる道路端情報を決定する処理である。まず、検出部112は、ステップS200において、周辺情報が第1条件を満たすか否かを判定する。周辺情報が第1条件を満たす場合、検出部112は、ステップS210の処理に進み、道路端情報として高自由度道路端情報を用いることを決定する。一方、周辺情報が第1条件を満たさない場合、検出部112は、ステップS205の処理に進む。
【0033】
検出部112は、ステップS205において、周辺情報が第2条件を満たすか否かを判定する。周辺情報が第2条件を満たす場合、検出部112は、ステップS215の処理に進み、道路端情報として低自由度道路端情報を用いることを決定する。一方、周辺情報が第2条件を満たさない場合、検出部112は、ステップS210の処理に進む。
【0034】
本実施形態において、周辺画像において非常駐車帯を示す標識S1が検出されたため、すなわち、周辺情報が第1条件を満たすため、検出部112は、道路端情報として高自由度道路端情報を用いる。
【0035】
図5に示すように、検出部112は、区画線情報LLと高自由度道路端情報ELhを用いて退避領域A1を検出する。本実施形態において、検出部112は、退避領域A1の道路端LnE側の周縁と高自由度道路端情報ELhとの距離Lmが予め定められた余剰距離以上となるように退避領域A1を検出する。距離Lmは、例えば、車線Ln1の延伸方向に垂直な方向における、退避領域A1の道路端LnE側の周縁と、高自由度道路端情報ELhとの距離のうち最も小さい距離である。距離Lmは、これに限らず、車線Ln1の延伸方向に垂直な方向における、退避領域A1の道路端LnE側の周縁と、高自由度道路端情報ELhとの距離の平均値でもよい。また、検出部112は、退避領域A1の区画線LnL側の周縁と区画線情報LLとが重なるように退避領域A1を検出する。すなわち、退避領域A1の区画線LnL側の周縁と区画線情報LLとの距離が0mとなるように退避領域A1を検出する。
【0036】
本実施形態において、検出部112は、道路端LnEと区画線LnLとの距離Lwが車幅よりも広い領域であって、道路の延伸方向の長さLhが車長よりも長い領域である対象領域TA1から退避領域A1を検出する。図示の便宜上、対象領域TA1を拡張して記載しているが、実際は、対象領域TA1における延伸方向の周縁と、対象領域TA1における延伸方向に垂直な方向の周縁であって車両10に近い周縁は、退避領域A1の周縁と重なっている。検出部112は、対象領域TA1のうち、車両10に最も近い、延伸方向の長さが距離h1であり、延伸方向に垂直な方向の長さである横幅が距離w1である領域を退避領域A1として検出する。距離h1は車長より大きい値であり、距離w1は車幅より大きい値である。
【0037】
ステップS120(図2参照)において、制御部113は、ステップS110で検出した退避領域A1に応じて、車両10の予め定められた制御を行う。
【0038】
道路端LnEの形状が複雑である場合、低自由度モデルを用いるよりも高自由度モデルを用いた方が道路端LnEの形状を精度高く認識できる。しかし、道路端LnEの形状が単純な直線形状である場合、高自由度モデルを用いるよりも低自由度モデルを用いた方が道路端LnEの形状を精度高く認識できる。以上で説明した本実施形態の運転支援装置110によれば、検出部112は、周辺情報が第1条件や第2条件を満たすか否かに応じて低自由度モデルと高自由度モデルとを使い分けることができるため、退避領域A1を精度良く検出することができる。また、検出部112は、カメラ122が撮像した周辺画像に基づいて生成された周辺情報のみを用いて退避領域A1を検出している。そのため、自動運転制御システム100は、カメラ122以外の他のセンサを用いることなく、退避領域A1を検出できる。
【0039】
また、低自由度道路端情報が示す道路端LnEの形状の精度が低下したことを示す第1条件は、低自由度モデルを用いて認識された点列と点列に対応する検出点との距離が予め定められた閾値距離以上であることを含んでいる。そのため、低自由度モデルでは形状を精度高く表現できない道路端LnEであっても、退避領域A1を精度良く検出することができる。
【0040】
また、第1条件は、道路の形状を表す点列を設定する周辺画像において非常駐車帯を示す標識S1が検出されたことを示す情報を周辺情報が含んでいる。そのため、非常駐車帯等の低自由度モデルでは形状を表現できない道路端LnEであっても、退避領域A1を精度良く検出することができる。
【0041】
B.第2実施形態:
図6に示す第2実施形態の自動運転制御システム100Bは、自車状況センサ124を備えている点が、第1実施形態と異なり、他の構成は同一である。図7に示す第2実施形態の退避処理は、退避が完了したか否かに応じて過去に検出した退避領域A1を更新する点が図2に示した第1実施形態の退避処理と異なる。本実施形態において、過去に検出した退避領域は、直前に検出した退避領域のことである。
【0042】
自車状況センサ124(図6参照)は、車両センサとヨーレートセンサとを備える。自車状況センサ124は、車両10の状況として、車両10の速度やヨーレートを検出する。
【0043】
第2実施形態におけるステップS120(図7参照)の処理は、ステップS121、S122、S123の工程を含む。ステップS121において、制御部113は、退避制御を開始する。本実施形態において、制御部113は、車両10を退避領域A1に退避させるよう自動運転制御部210を制御する。
【0044】
ステップS122において、運転支援装置110は、車両10の退避が完了したか否かを判定する。運転支援装置110は、例えば、車両10が退避領域A1に退避したと判断できる場合、車両10の退避が完了したと判定する。車両10の退避が完了した場合、退避処理を終了する。一方、車両10の退避が完了していない場合、検出部112は、ステップS123において退避領域A1を更新し、ステップS122の処理に戻る。つまり、運転支援装置110は、車両10の退避が完了するまで、退避制御を継続して、ステップS122、S123の処理を繰り返す。
【0045】
本実施形態において、検出部112は、ステップS123において、自車状況センサ124が検出した自車状況と区画線情報とを用いて、退避領域A1を更新する。より具体的には、検出部112は、退避領域A1の車線Ln1側の周縁を、区画線情報LLに重なるように固定して、退避領域A1を更新する。すなわち、検出部112は、ステップS110で検出した退避領域A1における横幅と縦幅とを固定して、車線Ln1の延伸方向に垂直な方向における退避領域A1の位置を決定し、車線Ln1の延伸方向における退避領域A1の位置を、自車状況センサ124は検出した自車状況を用いて更新する。区画線情報は、ステップS100において認識された区画線情報でもよく、新たに認識部111が認識した区画線情報でもよい。
【0046】
区画線情報は、車両10の速度やヨーレート等のエゴモーションである自車状況よりも誤差が小さく、安定している。以上で説明した第2実施形態の検出部112によれば、自車状況に加えて、安定性の高い区画線情報を用いて、退避領域A1を更新する。そのため、自車状況のみを用いて更新する場合よりも、精度良く退避領域A1を更新できる。
【0047】
C.第3実施形態:
第3実施形態は、検出部112が、更に道路端情報を用いて退避領域A1を更新する点が第2実施形態と異なる。第3実施形態の自動運転制御システムの構成は、第1実施形態の自動運転制御システムの構成と同一であるため、自動運転制御システムの構成の説明は省略する。
【0048】
検出部112は、ステップS123において、自車状況センサ124が検出した自車状況と区画線情報に加えて道路端情報を用いて、退避領域A1を更新する。より具体的には、検出部112は、ステップS110で検出した退避領域A1における車線Ln1の横幅を更新する。道路端情報は、ステップS100において認識された道路端情報でもよく、新たに認識部111が認識した道路端情報でもよい。
【0049】
以上で説明した第3実施形態の検出部112によれば、道路端情報を用いて退避領域A1を更新する。道路端LnEの認識精度は、車両10が近づくほど高くなる。そのため、より精度良く退避領域を更新できる。
【0050】
D.その他の実施形態:
(D1)上述した実施形態において、運転支援装置110は、車両10が退避する必要がある場合に退避処理を行っている。これに限らず、例えば、運転支援装置110は、車両10が退避する必要があるか否かにかかわらず、車両10の走行中に退避領域A1を検出してもよい。より具体的には、運転支援装置110は、ステップS100、S110(図2参照)の処理を、例えば、500ms毎に繰り返し実行してもよい。
【0051】
(D2)上述した実施形態において、認識部111は、カメラ122が撮像した周辺画像に基づいて周辺情報を認識している。これに加えて、認識部111は、更に、レーザーレーダ、ミリ波レーダ、Lidar(Light Detection and Ranging)、超音波センサ等を用いて取得した車両10の周辺の物体までの距離に基づいて、周辺情報を認識してもよい。
【0052】
(D3)上述した実施形態において、認識部111は、周辺画像において検出された道路端LnEを示す点である検出点から、低自由度モデルや高自由度モデルを用いて道路端LnEの形状を表す点列を認識している。これに限らず、例えば、認識部111は、周辺画像において検出された道路端LnEを示す領域から、低自由度モデルや高自由度モデルを用いて道路端LnEの形状を認識しもよい。
【0053】
(D4)上述した実施形態において、検出部112は、周辺情報を用いて、退避領域A1を検出している。これに加えて、検出部112は、更に、予め記憶された区画線LnLの位置や形状、道路端LnEの位置や形状等の情報を含む地図情報を用いて、退避領域A1を検出してもよい。検出部112は、例えば、GPS(Global Positioning System)などの汎地球航法衛星システム(Global Navigation Satellite System(s)(GNSS))を用いて推定した車両10の走行している位置を含む地図情報と周辺情報とを用いて、退避領域A1を検出する。
【0054】
(D5)上述した実施形態において、制御部113は、予め定められた制御として、自動運転制御システム100が有する通知装置を制御し、車両10の搭乗者に検出部112が検出した退避領域A1の位置を通知してもよい。
【0055】
(D6)上述した実施形態において、余剰距離は0mでもよい。すなわち、検出部112は、退避領域A1の道路端LnE側の周縁が道路端LnEと重なっていてもよい。また、余剰距離は、一定でなくてもよい。例えば、余剰距離は、道路端情報として高自由度道路端情報を用いる場合、道路端情報として低自由度道路端情報を用いる場合よりも、大きくてもよい。
【0056】
(D7)上述した実施形態において、検出部112は、退避領域A1の区画線LnL側の周縁と区画線情報LLとの距離が0mとなるように退避領域A1を検出している。これに限らず、退避領域A1の区画線LnL側の周縁と区画線情報LLとの距離が予め定められた距離以上となるように退避領域A1を検出してもよい。予め定められた距離は、任意に定めることができ、余剰距離と同じ長さでもよい。
【0057】
(D8)上述した実施形態において、退避領域A1は、矩形形状である。これに限らず、退避領域A1は任意の形状でもよい。
【0058】
(D9)上述した実施形態において、検出部112は、対象領域TA1のうち、車両10に最も近い、延伸方向の長さが距離h1であり、延伸方向に垂直な方向の長さである横幅が距離w1である領域を退避領域A1として検出している。これに限らず、例えば、図8に示すように、対象領域TA2のうち延伸方向の長さが車長以上であり、横幅が最も大きい、距離w2である領域を退避領域A2として検出してもよい。
【0059】
(D10)上述した第2実施形態または第3実施形態において、検出部112は、ステップS123(図7参照)における退避領域A1の更新において、退避領域A1の横幅を変更する場合において、更新を行う前の退避領域A1から横幅が広がる場合、更新を行う前の退避領域A1から横幅が狭まる場合よりも、更新における退避領域A1の変形の程度を小さくしてもよい。退避領域A1の横幅を変更する場合とは、例えば、道路端LnEと区画線LnLとの間の距離Lmが予め定められた閾値距離以上増減した場合である。変形の程度は、例えば、単位時間当たりに増減する横幅の長さである。より具体的には、更新を行う前の退避領域A1から横幅が広がる場合は、単位時間当たりに0.1m広げ、更新を行う前の退避領域A1から横幅が狭まる場合には、単位時間当たりに0.3m狭める。単位時間当たりに増減する横幅の長さは、固定でもよく、退避領域の大きさに応じて定められてもよい。また、更新を行う前の退避領域A1から横幅が広がる場合は、単位時間当たりに道路端LnEと区画線LnLとの間の距離Lmの変化量の30%の距離広げ、更新を行う前の退避領域A1から横幅が狭まる場合には、単位時間当たりに道路端LnEと区画線LnLとの間の距離Lmの変化量の80%の距離狭める。
【0060】
(D11)上述した第3実施形態において、検出部112は、道路端情報として高自由度道路端情報を用いている場合、道路端情報として低自由度道路端情報を用いている場合よりも、更新における退避領域A1の変形の程度を小さくする。
【0061】
E.他の形態:
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述した課題を解決するために、あるいは上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜削除することが可能である。
【0062】
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制限部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0063】
<形態1>カメラ(122)を有する車両(10)に搭載される運転支援装置(110)は、形状表現の自由度が低いモデルである低自由度モデルと前記低自由度モデルよりも形状表現の自由度が高いモデルである高自由度モデルとを使用して、前記カメラが前記車両の周辺を撮像した画像である周辺画像に基づいて、前記車両が走行している道路の端であって前記道路の前記車両に最も近い前記端を示す道路端と、前記道路端に最も近い区画線と、を認識し、前記道路端を示す道路端情報と前記区画線を示す区画線情報とを含む周辺情報を生成する認識部(111)と、前記道路端情報と前記区画線情報とを用いて、前記道路端と前記区画線との間に存在する領域であって、前記車両が退避可能な退避領域を検出する検出部(112)と、前記退避領域に前記車両が退避する場合に、検出された前記退避領域に応じて前記車両の予め定められた制御を行う制御部(113)と、を備え、前記退避領域は、前記道路の延伸方向の長さが前記車両の車長以上であり、前記延伸方向に垂直な方向の長さが前記車両の車幅以上である領域であり、前記道路端情報は、前記低自由度モデルを用いて認識された前記道路端を表す低自由度道路端情報と、前記高自由度モデルを用いて認識された前記道路端を表す高自由度道路端情報と、を含み、前記検出部は、前記低自由度道路端情報の精度が低下したことまたは前記低自由度道路端情報の精度が低下したことを示す第1条件を前記周辺情報が満たす場合には、前記道路端情報として前記高自由度道路端情報を用い、前記第1条件を満たさず、かつ、前記高自由度道路端情報の精度に関する第2条件を前記周辺情報が満たす場合には、前記道路端情報として前記低自由度道路端情報を用いる。
【0064】
<形態2>上記形態1の形態の運転支援装置において、前記車両は、前記車両の速度とヨーレートとを含む自車状況を検出する自車状況センサ(124)を有し、前記検出部は、前記自車状況と前記区画線情報を用いて、過去に検出した前記退避領域を更新し、前記制御部は、更新された前記退避領域に応じて前記制御を行ってもよい。
【0065】
<形態3>上記形態1または2の形態の運転支援装置において、前記認識部は、前記周辺画像において検出された前記道路端を示す点である検出点から、前記低自由度モデルおよび前記高自由度モデルを用いて前記道路端の形状を表す点列を認識することができ、前記低自由度道路端情報が示す前記道路端の形状の精度が低下したことを示す前記第1条件は、前記低自由度モデルを用いて認識した前記点列と前記点列に対応する前記検出点との距離が予め定められた閾値距離以上であることを含んでもよい。
【0066】
<形態4>上記形態1から3のいずれか一の形態の運転支援装置において、前記第1条件は、前記周辺画像において非常駐車帯を示す標識が検出されたことを示す情報を前記周辺情報が含んでもよい。
【0067】
<形態5>上記形態2から4のいずれか一の形態の運転支援装置において、前記検出部は、更に、前記道路端情報を用いて過去に検出した前記退避領域を更新してもよい。
【0068】
<形態6>上記形態2から5のいずれか一の形態の運転支援装置において、前記退避領域は、矩形形状であり、前記検出部は、前記更新において過去に検出した前記退避領域の前記横幅を変更する場合において、前記更新を行う前の過去に検出した前記退避領域から前記横幅が広がる場合、前記更新を行う前の過去に検出した前記退避領域から前記横幅が狭まる場合よりも、前記更新における前記退避領域の変形の程度を小さくしてもよい。
【0069】
<形態7>上記形態5または6の形態の運転支援装置において、前記検出部は、前記道路端情報として前記高自由度道路端情報を用いている場合、前記道路端情報として前記低自由度道路端情報を用いている場合よりも、前記更新における前記退避領域の変形の程度を小さくしてもよい。
【0070】
<形態8>上記形態1から7のいずれか一の形態の運転支援装置において、前記検出部は、前記退避領域の前記道路端側の周縁と前記道路端との距離が予め定められた余剰距離以上となるように前記退避領域を設定し、前記余剰距離は、前記道路端情報として前記高自由度道路端情報を用いる場合、前記道路端情報として前記低自由度道路端情報を用いる場合よりも、大きくてもよい。
【0071】
<形態9>上記形態1から8のいずれか一の形態の運転支援装置において、前記退避領域は、矩形形状であり、前記検出部は、前記道路端と前記区画線との距離が前記車幅よりも広い領域であって、前記延伸方向の長さが前記車長よりも長い領域である対象領域から前記退避領域を検出する場合において、前記対象領域のうち前記延伸方向の長さが前記車長以上であり、前記横幅が最も大きい領域を前記退避領域として検出してもよい。
【符号の説明】
【0072】
10…車両、100、100B…自動運転制御システム、110…運転支援装置、111…認識部、112…検出部、113…制御部、122…カメラ、124…自車状況センサ、210…自動運転制御部、220…駆動力制御ECU、230…制動力制御ECU、240…操舵制御ECU、250…車載ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8