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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161329
(43)【公開日】2023-11-07
(54)【発明の名称】焼結用パレット
(51)【国際特許分類】
   F27B 21/08 20060101AFI20231030BHJP
   C22B 1/20 20060101ALI20231030BHJP
   C22B 1/16 20060101ALI20231030BHJP
   C22C 19/03 20060101ALN20231030BHJP
   B23K 35/30 20060101ALN20231030BHJP
【FI】
F27B21/08 A
F27B21/08 Z
C22B1/20 Z
C22B1/16 Z
C22C19/03 G
B23K35/30 340L
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071653
(22)【出願日】2022-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長田 淳治
(72)【発明者】
【氏名】松村 伸一
(72)【発明者】
【氏名】大田 晃久
【テーマコード(参考)】
4K001
【Fターム(参考)】
4K001CA49
4K001GA10
(57)【要約】
【課題】焼結用パレットの支持梁に対するスタンドの位置ずれを抑制することを目的とする。
【解決手段】焼結用パレット50は、焼結鉱の原料Rが積載されるグレート60を有し、原料Rを搬送しながら焼結させる焼結用パレット50であって、搬送方向に間隔を空けて配置され、グレート60を支持する複数の支持梁54と、隣り合う支持梁54の係合部56Pが上下方向に直接係合可能とされ、当該係合部56Pを保持する被係合部82を両端部に有し、隣り合う支持梁54に架け渡されるとともに、グレート60よりも上方へ突出するスタンド80と、を備え、係合部56Pには、硬化肉盛溶接部58が設けられる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼結鉱の原料が積載されるグレートを有し、前記原料を搬送しながら焼結させる焼結用パレットであって、
搬送方向に間隔を空けて配置され、前記グレートを支持する複数の支持梁と、
隣り合う前記支持梁の係合部が上下方向に直接係合可能とされ、該係合部を保持する被係合部を両端部に有し、隣り合う前記支持梁に架け渡されるとともに、前記グレートよりも上方へ突出するスタンドと、
を備え、
前記係合部には、摩耗対策部が設けられる、
焼結用パレット。
【請求項2】
前記摩耗対策部は、前記係合部の母材よりも耐摩耗性を有する耐摩耗性部とされる、
請求項1に記載の焼結用パレット。
【請求項3】
前記耐摩耗性部は、硬化肉盛溶接部とされる、
請求項2に記載の焼結用パレット。
【請求項4】
前記硬化肉盛溶接部は、前記係合部の母材の表面に形成された凹部に設けられる、
請求項3に記載の焼結用パレット。
【請求項5】
前記硬化肉盛溶接部の常温ビッカース硬さHvは、前記係合部の前記母材の常温ビッカース硬さHvよりも20以上大きい、
請求項3又は請求項4に記載の焼結用パレット。
【請求項6】
前記耐摩耗性部は、前記係合部の表層に設けられ、該母材の母材に硬質粒子を分散させた複合層とされる、
請求項2に記載の焼結用パレット。
【請求項7】
前記摩耗対策部は、前記係合部の母材の表面から上下方向に突出する肉盛溶接部とされる、
請求項1に記載の焼結用パレット。
【請求項8】
前記肉盛溶接部における前記支持梁の長手方向の端部には、前記支持梁の側面視にて、前記係合部の前記母材の表面に対して傾斜する傾斜面が設けられる、
請求項7に記載の焼結用パレット。
【請求項9】
前記肉盛溶接部の厚みは、前記係合部と前記被係合部との上下方向の隙間が4mm以下になるよう設定される、
請求項7又は請求項8に記載の焼結用パレット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼結用パレットに関する。
【背景技術】
【0002】
高炉の原料としての焼結鉱を製造する焼結機がある(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
焼結機は、焼結鉱の原料を搬送する焼結用パレットと、焼結用パレットに積載された原料の上層に点火する点火炉と、焼結用パレットの下から下方へ空気を吸引し、原料を上層から下層へ向けて焼結させてシンターケーキを形成する吸引装置とを備えている。
【0004】
また、焼結機は、焼結用パレットから排鉱されたシンターケーキを案内するクラッシングガイドと、クラッシングガイドによって案内されたシンターケーキを破砕し、焼結鉱を形成するクラッシャーとを備えている。
【0005】
ここで、焼結用パレットは、スタンドが設けられている。スタンドは、原料が積載される焼結用パレットのグレートから上方へ突出し、原料の上層に形成されるシンターケーキの上部を下から支持する。これにより、原料の下層の通気性が確保されるため、原料の下層の燃焼及び焼結が促進される。このスタンドは、焼結用パレットからシンターケーキが排鉱される際に、クラッシングガイドに形成されたスリットを通過する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平4-168234号公報
【特許文献2】特開2011-179754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、スタンドは、例えば、焼結用パレットの搬送方向に間隔を空けて配置された複数の支持梁(フレーム)に架け渡され、これらの支持梁の係合部に、上下方向に係合可能に取り付けられる。
【0008】
しかしながら、支持梁の係合部が摩耗すると、例えば、支持梁に対してスタンドが傾き、又は支持梁に対するスタンドの傾きが大きくなり、支持梁に対してスタンドが位置ずれする可能性がある。そして、支持梁に対してスタンドが位置ずれすると、スタンドがクラッシングガイドのスリットを通過せず、クラッシングガイドに干渉する可能性がある。
【0009】
本発明は、上記の事実を考慮し、焼結用パレットの支持梁に対するスタンドの位置ずれを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の焼結用パレットは、焼結鉱の原料が積載されるグレートを有し、前記原料を搬送しながら焼結させる焼結用パレットであって、搬送方向に間隔を空けて配置され、前記グレートを支持する複数の支持梁と、隣り合う前記支持梁の係合部が上下方向に直接係合可能とされ、該係合部を保持する被係合部を両端部に有し、隣り合う前記支持梁に架け渡されるとともに、前記グレートよりも上方へ突出するスタンドと、を備え、前記係合部には、摩耗対策部が設けられる。
【0011】
請求項1に係る焼結用パレットによれば、焼結用パレットは、焼結鉱の原料が積載されるグレートを有し、原料を搬送しながら焼結させる。この焼結用パレットは、複数の支持梁と、スタンドとを有する。複数の支持梁は、焼結用パレットの搬送方向に間隔を空けて配置され、グレートを支持する。
【0012】
スタンドは、隣り合う支持梁に架け渡されるとともに、グレートよりも上方へ突出する。このスタンドは、隣り合う支持梁の係合部が上下方向に直接係合可能とされ、当該係合部を保持する被係合部を両端部に有する。
【0013】
ここで、支持梁の係合部には、摩耗対策部が設けられる。この摩耗対策部によって、例えば、係合部の摩耗によるスタンドの傾き等の位置ずれが抑制される。したがって、スタンドがクラッシングガイドに干渉することが抑制される。
【0014】
請求項2に記載の焼結用パレットは、請求項1に記載の焼結用パレットにおいて、前記摩耗対策部は、前記係合部の母材よりも耐摩耗性を有する耐摩耗性部とされる。
【0015】
請求項2に係る焼結用パレットによれば、摩耗対策部は、係合部の母材よりも耐摩耗性を有する耐摩耗性部とされる。この耐摩耗性部によって、係合部の摩耗が抑制される。したがって、支持梁に対するスタンドの位置ずれが抑制される。
【0016】
請求項3に記載の焼結用パレットは、請求項2に記載の焼結用パレットにおいて、前記耐摩耗性部は、硬化肉盛溶接部とされる。
【0017】
請求項3に係る焼結用パレットによれば、耐摩耗性部は、硬化肉盛溶接部とされる。この硬化肉盛溶接部によって、係合部の摩耗が抑制される。したがって、支持梁に対するスタンドの位置ずれが抑制される。
【0018】
請求項4に記載の焼結用パレットは、請求項3に記載の焼結用パレットにおいて、前記硬化肉盛溶接部は、前記係合部の母材の表面に形成された凹部に設けられる。
【0019】
請求項4に係る焼結用パレットによれば、硬化肉盛溶接部は、係合部の母材の表面に形成された凹部に設けられる。凹部は、係合部の母材の表面の摩耗によって形成され、又は支持梁の製造時に、係合部の母材の表面に予め形成される。この凹部に硬化肉盛溶接部を設けることにより、係合部と被係合部との間の上下方向の隙間を狭くせずに、係合部の摩耗を抑制することができる。したがって、例えば、支持梁にスタンドを容易に取り付けることができる。
【0020】
請求項5に記載の焼結用パレットは、請求項3又は請求項4に記載の焼結用パレットにおいて、前記硬化肉盛溶接部の常温ビッカース硬さHvは、前記係合部の前記母材の常温ビッカース硬さHvよりも20以上大きい。
【0021】
請求項5に係る焼結用パレットによれば、硬化肉盛溶接部の常温ビッカース硬さHvは、係合部の前記母材の常温ビッカース硬さHvよりも20以上大きい。これにより、係合部の摩耗がより確実に抑制される。したがって、支持梁に対するスタンドの位置ずれが抑制される。
【0022】
請求項6に記載の焼結用パレットは、請求項2に記載の焼結用パレットにおいて、前記耐摩耗性部は、前記係合部の表層に設けられ、該係合部の母材に硬質粒子を分散させた複合層とされる。
【0023】
請求項6に係る焼結用パレットによれば、耐摩耗性部は、係合部の表層に設けられる複合層とされる。複合層は、係合部の表層の母材に硬質粒子を分散させることにより形成される。この耐摩耗性部によって、係合部の摩耗が抑制される。したがって、支持梁に対するスタンドの位置ずれが抑制される。
【0024】
また、係合部の表層に複合層を設けることにより、係合部と被係合部との間の上下方向の隙間を狭くせずに、係合部の摩耗を抑制することができる。したがって、例えば、支持梁にスタンドを容易に取り付けることができる。
【0025】
請求項7に記載の焼結用パレットは、請求項1に記載の焼結用パレットにおいて、前記摩耗対策部は、前記係合部の母材の表面から上下方向に突出する肉盛溶接部とされる。
【0026】
請求項7に係る焼結用パレットによれば、摩耗対策部は、係合部の母材の表面から上下方向に突出する肉盛溶接部とされる。この肉盛溶接部によって、係合部と被係合部との間の上下方向の隙間が所定値よりも狭くなる。つまり、肉盛溶接部によって摩耗代が確保される。したがって、支持梁に対するスタンドの位置ずれが抑制される。
【0027】
請求項8に記載の焼結用パレットは、請求項7に記載の焼結用パレットにおいて、前記肉盛溶接部における前記支持梁の長手方向の端部には、前記支持梁の側面視にて、前記係合部の前記母材の表面に対して傾斜する傾斜面が設けられる。
【0028】
請求項8に係る焼結用パレットによれば、肉盛溶接部における支持梁の長手方向の端部には、傾斜面が設けられる。傾斜面は、支持梁の側面視にて、係合部の母材の表面に対して傾斜する。
【0029】
これにより、例えば、支持梁の長手方向に沿ってスタンドをスライドさせ、当該スタンドの被係合部に、肉盛溶接部が設けられた係合部を挿入する際に、被係合部が肉盛溶接部の傾斜面に沿ってスライドする。そのため、スタンドの被係合部に、肉盛溶接部が設けられた係合部を挿入し易くなる。したがって、支持梁にスタンドを容易に取り付けることができる。
【0030】
請求項9に記載の焼結用パレットは、請求項7又は請求項8に記載の焼結用パレットにおいて、前記肉盛溶接部の厚みは、前記係合部と前記被係合部との上下方向の隙間が4mm以下になるよう設定される。
【0031】
請求項9に係る焼結用パレットによれば、肉盛溶接部の厚みは、係合部と被係合部との上下方向の隙間が4mm以下になるよう設定される。これにより、本発明では、係合部と被係合部との上下方向の隙間が4mmを超える場合と比較して、支持梁に対するスタンドの位置ずれを効果的、かつ、長期的に抑制することができる。
【発明の効果】
【0032】
以上説明したように、本発明によれば、焼結用パレットの支持梁に対するスタンドの位置ずれを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】第一実施形態に係る焼結用パレットを備える焼結機を示す側面図である。
図2図1に示されるクラッシングガイドをクラッシャー側から見た背面図である。
図3図1に示される焼結用パレットを示す斜視図である。
図4図3に示される焼結用パレットを示す平面図である。
図5図4の5-5線断面図である。
図6図6の6-6線断面図である。
図7図6の7-7線断面図である。
図8】第二実施形態に係る焼結用パレットの支持梁及びスタンドを示す図5に対応する断面図である。
図9図8の9-9線断面図である。
図10図9の10-10線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
(第一実施形態)
先ず、第一実施形態について説明する。
【0035】
(焼結機)
図1には、本実施形態に係る焼結用パレット50を備えるドワイトロイド式の焼結機10が示されている。焼結機10は、高炉の原料としての焼結鉱を製造する。この焼結機10は、一対のスプロケット12,14と、無端状レール16と、複数の焼結用パレット50と、床敷ホッパ22と、原料装入ホッパ24と、点火炉30と、吸引装置32と、クラッシングガイド42と、クラッシャー46とを備えている。
【0036】
一対のスプロケット12,14は、水平方向に間隔を空けて配置されている。この一対のスプロケット12,14には、無端状レール16が掛け渡されている。無端状レール16は、一対のスプロケット12,14の上側に配置される往路部16Aと、一対のスプロケット12,14の下側に配置される復路部16Bと有している。
【0037】
無端状レール16には、直列に連結された複数の焼結用パレット50が走行可能に設置されている。そして、一対のスプロケット12,14が所定方向に回転することにより、複数の焼結用パレット50が無端状レール16に沿って走行(周回)する。
【0038】
一方のスプロケット12側は、焼結用パレット50に焼結鉱の原料Rを供給する給鉱部20とされている。給鉱部20には、床敷ホッパ22及び原料装入ホッパ24が設けられている。床敷ホッパ22は、一方のスプロケット12の上方に設けられている。この床敷ホッパ22から、各焼結用パレット50上に焼床鉱が供給され、当該焼結用パレット50上に図示しない床敷層が形成される。
【0039】
床敷ホッパ22の下流側には、原料装入ホッパ24が設けられている。この原料装入ホッパ24から、各焼結用パレット50の床敷層上に原料Rが供給される。原料装入ホッパ24の下流側には、点火炉30が設けられている。この点火炉30によって、焼結用パレット50上に層状に積載された原料Rの上層に点火される。
【0040】
無端状レール16の往路部16Aの下方には、吸引装置32が設けられている。吸引装置32は、往路部16Aに沿って、かつ、点火炉30から他方のスプロケット14に亘って設けられており、焼結用パレット50の下から下方へ空気を吸引する。
【0041】
これにより、上層に点火された原料R内に空気が供給されるため、上層から下層へ向けて原料Rの燃焼が促進される。この結果、各焼結用パレット50上の原料Rが焼結し、シンターケーキSが形成される。シンターケーキSは、直列に連結された複数の焼結用パレット50に亘って形成される。
【0042】
他方のスプロケット14側は、焼結用パレット50上の原料Rを焼結させたシンターケーキSを排鉱させる排鉱部40とされている。この排鉱部40では、焼結用パレット50が他方のスプロケット14の外周に沿って降下する。この際、隣り合う焼結用パレット50の間隔が広くなり、これらの焼結用パレット50に亘るシンターケーキSが分断される。
【0043】
その後、焼結用パレット50上のシンターケーキSの端部が、他方のスプロケット14の斜め下方に配置されたクラッシングガイド42の上部に干渉する。これにより、焼結用パレット50からシンターケーキSが剥ぎ取られ、当該シンターケーキSがクラッシングガイド42上に落下する。
【0044】
クラッシングガイド42上に落下したシンターケーキSは、クラッシングガイド42の傾斜部に沿って落下し、クラッシャー46へ案内される。クラッシャー46へ案内されたシンターケーキSは、クラッシャー46によって粉砕される。これにより、焼結鉱が形成される。
【0045】
ここで、焼結用パレット50には、後述する複数のスタンド80が設けられている。複数のスタンド80は、シンターケーキSに埋設されている。そのため、図2に示されるように、クラッシングガイド42の上部には、複数のスタンド80がそれぞれ通過する複数のスリット44が形成されている。
【0046】
(焼結用パレット)
次に、焼結用パレットの構成について詳説する。
【0047】
図3及び図4に示されるように、焼結用パレット(焼結用パレット台車)50は、基台52と、グレート60と、一対のサイドウォール70と、複数のスタンド80を備えている。
【0048】
なお、各図に適宜示される矢印Xは、焼結用パレット50の搬送方向を示している。また、矢印Yは、焼結用パレット50の横幅方向を示し、矢印Zは、焼結用パレット50の上下方向(高さ方向)を示している。
【0049】
図4に示されるように、基台52は、平面視にて矩形状に形成されている。この基台52は、複数の支持梁(フレーム)54を有している。複数(本実施形態では、4本)の支持梁54は、鋳鋼等によって形成されている。
【0050】
複数の支持梁54は、焼結用パレット50の横幅方向(矢印Y方向)に沿って配置されるとともに、焼結用パレット50の搬送方向(矢印X方向)に間隔を空けて配置されている。また、隣り合う支持梁54は、図示しないリブによって連結されている。これらの支持梁54によって、グレート60が支持されている。
【0051】
グレート60は、床状に配列された複数のグレートバー62を有している。複数のグレートバー62は、鋳鋼等によって棒状に形成されており、焼結用パレット50の搬送方向に沿って配置されている。これらのグレートバー62は、隣り合う支持梁54の上端部に架け渡されるとともに、支持梁54の長手方向(矢印Y方向)に配列されている。
【0052】
グレート60の上面は、原料Rが層状に積載される積載面60Aとされている。また、支持梁54の長手方向に隣り合うグレートバー62の間には、隙間が形成されている。これらの隙間を介して、原料R内の空気が吸引装置32(図1参照)に吸引される。
【0053】
一対のサイドウォール70は、鋳鋼等によって板状に形成されており、焼結用パレット50の搬送方向に沿って配置されている。この一対のサイドウォール70は、基台52の横幅方向の両側に設けられており、複数の支持梁54の端部に連結されている。
【0054】
図3に示されるように、一対のサイドウォール70は、焼結用パレット50の横幅方向に互いに対向するとともに、グレート60の積載面60Aよりも上方へ延出している。この一対のサイドウォール70によって、グレート60の積載面60A上に積載された原料Rの落下が抑制されている。
【0055】
一対のサイドウォール70の外側には、複数の車輪72が設けられている。複数の車輪72は、無端状レール16(図1参照)上を走行可能に構成されている。
【0056】
複数のスタンド80は、耐熱鋳鋼等によって板状に形成されており、焼結用パレット50の搬送方向の中央部及び後部に設けられている。また、複数のスタンド80は、焼結用パレット50の横幅方向に間隔を空けて配置されている。
【0057】
図4に示されるように、各スタンド80は、焼結用パレット50の搬送方向に沿って配置されており、隣り合う支持梁54の上端部に架け渡されている。また、スタンド80は、焼結用パレット50の搬送方向に複数(本実施形態では、2つ)配列されている。
【0058】
なお、スタンド80の配置や数は、適宜変更可能である。
【0059】
図5に示されるように、各スタンド80は、本体部80Aと、本体部80Aの下部に一体に設けられた取付部80Bとを有している。本体部80Aは、厚み方向から見て、例えば、矩形状に形成されている。
【0060】
図3に示されるように、本体部80Aは、グレート60の積載面60Aよりも上方へ突出し、積載面60Aに積載される原料Rに埋設される。また、本体部80Aは、一対のサイドウォール70よりも低くされている。この本体部80Aの上端部によって、原料Rの焼結時に、原料Rの上層に形成されたシンターケーキSの上部が支持される。
【0061】
これにより、シンターケーキSの上部の重量(自重)によって、その下の原料Rの下層が圧密されることが抑制される。この結果、原料Rの下層の通気性が確保されるため、当該下層の燃焼効率が高められる。
【0062】
図5に示されるように、取付部80Bは、隣り合う支持梁54の上端部に取り付けられている。具体的には、隣り合う支持梁54の上端部は、断面T字形状に形成されている。この隣り合う支持梁54の上端部には、互いに相手側へ向けて突出する突出部56が設けられている。
【0063】
つまり、焼結用パレット50の搬送方向の前側の支持梁54の上端部には、焼結用パレット50の搬送方向の後側へ突出する突出部56が設けられている。一方、焼結用パレット50の搬送方向の後側の支持梁54の上端部には、焼結用パレット50の搬送方向の前側へ突出する突出部56が設けられている。
【0064】
図6に示されるように、突出部56は、支持梁54の上端部に、当該支持梁54の長手方向(矢印Y方向)に沿って設けられている。なお、図6では、グレートバー62(グレート60)の図示が省略されている。
【0065】
図5に示されるように、取付部80Bには、一対の被係合部82が設けられている。一対の被係合部82は、取付部80Bにおける焼結用パレット50の搬送方向(矢印X方向)の前端部及び後端部に形成されている。被係合部82は、スタンド80を厚み方向から見て、互いに反対側が開口された凹状部とされている。
【0066】
つまり、取付部80Bの前端部に形成された被係合部82は、焼結用パレット50の搬送方向の前側が開口された凹状部とされている。一方、取付部80Bの後端部に形成された被係合部82は、焼結用パレット50の搬送方向の後側が開口された凹状部とされている。
【0067】
一対の被係合部82には、隣り合う支持梁54の突出部56が、上下方向に係合可能に挿入されている。なお、図6に示されるように、支持梁54の長手方向に延びる突出部56のうち、被係合部82に挿入され、当該被係合部82と上下方向に係合(接触)する部位を係合部56Pという。
【0068】
図7に示されるように、被係合部82における上側の内壁面は、係合部56Pの上面56Uが上下方向に直接係合される上側被係合面82Uとされている。また、係合部56Pにおける下側の内壁面は、係合部56Pの下面56Lが上下方向に直接係合される下側被係合面82Lとされている。
【0069】
スタンド80を厚み方向から見て、下側被係合面82Lは、上側被係合面82Uよりも短くされている。これらの上側被係合面82Uと下側被係合面82Lとの間で、係合部56Pが保持されている。
【0070】
係合部56Pの上面56Uに被係合部82の上側被係合面82Uが係合(載置)した状態で、係合部56Pの下面56Lと下側被係合面82Lとの間には、隙間(遊び)Gが形成される。この被係合部82に係合部56Pを挿入することにより、スタンド80の取付部80Bが、隣り合う支持梁54に上下方向に相対変位可能に取り付けられている。
【0071】
なお、本実施形態では、支持梁54の係合部56Pが、スタンド80の被係合部82に上下方向に直接係合される。ここでいう「直接係合」とは、例えば、係合部56Pと被係合部82との間にインシュレーションピースが介在しないことを意味する。インシュレーションピースは、スタンド80から支持梁54への熱伝達を抑制する鋼材である。
【0072】
ここで、隣り合う支持梁54にスタンド80を取り付ける際には、隣り合う支持梁54の長手方向の一端側において、各々の突出部56を、スタンド80の一対の被係合部82に挿入する。この状態で、隣り合う支持梁54の突出部56に沿ってスタンド80をスライドさせる。これにより、隣り合う支持梁54の突出部56の所定部(係合部56P)に、スタンド80の取付部80Bが着脱可能(交換可能)に取り付けられる。
【0073】
なお、隣り合う支持梁54の突出部56には、スタンド80だけでなく、グレートバー62も取り付けられる。そのため、スタンド80の厚み方向(矢印Y方向)の両側には、グレートバー62が配置されている。なお、グレートバー62には、スタンド80と同様に被係合部が設けられている。
【0074】
(硬化肉盛溶接部)
支持梁54の突出部56における係合部56Pには、硬化肉盛溶接部58が設けられている。硬化肉盛溶接部58は、係合部56Pの母材Mよりも耐摩耗性を有している。なお、硬化肉盛溶接部58は、耐摩耗性部及び摩耗対策部の一例である。
【0075】
硬化肉盛溶接部58は、例えば、プラズマ粉体肉盛溶接法によって、ニッケル基合金粉末を係合部56Pの母材Mに肉盛溶接することにより形成される。この硬化肉盛溶接部58によって、係合部56Pの上面56Uが形成されている。
【0076】
硬化肉盛溶接部58の常温ビッカース硬さHvは、例えば、200以上とされており、係合部56Pの母材Mの常温ビッカース硬さHv(例えば、180)よりも大きくされている。この硬化肉盛溶接部58の常温ビッカース硬さHvは、係合部56Pの母材Mの常温ビッカース硬さHvよりも20以上大きいことが好ましく、50以上大きいことがより好ましい。
【0077】
なお、硬化肉盛溶接部58及び係合部56Pの母材Mの常温ビッカース硬さHvは、JIS Z 2244-1 ビッカース硬さ試験 第一部 試験方法に基づいて測定する。また、常温ビッカース硬さHvの温度範囲は、10~35[℃]である。
【0078】
硬化肉盛溶接部58は、係合部56Pの母材Mの上面に形成された凹部59を埋めるように設けられている。そのため、本実施形態では、係合部56Pの上面56Uは、突出部56における他の部位(以下、「一般部」という)の上面と略面一とされている。
【0079】
なお、係合部56Pの上面56Uは、突出部56の一般部の上面と略面一に限らず、突出部56の一般部の上面よりも上方へ突出されても良い。また、本実施形態では、一例として、硬化肉盛溶接部58が、係合部56Pの母材Mの先端面を覆っている。
【0080】
凹部59は、例えば、係合部56Pの母材Mの上面が摩耗することにより形成され、又は支持梁54の製造時(鋳造時)に、係合部56Pの母材Mの上面に予め形成される。
【0081】
(作用)
次に、第一実施形態の作用について説明する。
【0082】
図7に示されるように、スタンド80の取付部80Bには、一対の被係合部82が設けられている。一対の被係合部82には、隣り合う支持梁54の係合部56Pが、上下方向に係合可能に挿入されている。これにより、隣り合う支持梁54に、スタンド80の取付部80Bが取り付けられている。
【0083】
ここで、係合部56Pの上面56Uに被係合部82の上側被係合面82Uが係合した状態で、係合部56Pの下面56Lと下側被係合面82Lとの間には、隙間Gが形成される。この隙間Gによって、原料Rの焼結時における係合部56P及び被係合部82の熱膨張が吸収される。したがって、係合部56P等の破損が抑制される。
【0084】
一方、係合部56Pと被係合部82との間に隙間Gが存在すると、係合部56Pと被係合部82とが相対移動し、係合部56Pが摩耗する可能性がある。特に、本実施形態では、焼結用パレット50上に形成されたシンターケーキSをクラッシングガイド42(図1参照)上へ排鉱する際に、シンターケーキSの端部にクラッシングガイド42の上端部が干渉する。この干渉に伴って、係合部56Pに対して被係合部82が衝突するため、係合部56Pが摩耗し易くなる。
【0085】
係合部56Pが摩耗し、係合部56Pと被係合部82との間の上下方向の隙間Gが所定値以上になると、支持梁54に対してスタンド80が傾き、又は支持梁54に対するスタンド80の傾きが大きくなり、支持梁54に対してスタンド80の位置ずれする可能性がある。そして、支持梁54に対してスタンド80が位置ずれすると、スタンド80がクラッシングガイド42のスリット44(図2参照)を通過せず、クラッシングガイド42に干渉する可能性がある。
【0086】
これに対して本実施形態では、支持梁54の係合部56Pに、硬化肉盛溶接部58が設けられている。硬化肉盛溶接部58は、係合部56Pの母材Mよりも耐摩耗性を有している。これにより、係合部56Pの摩耗が抑制されるため、支持梁54に対するスタンド80の傾き等の位置ずれが抑制される。したがって、スタンド80がクラッシングガイド42のスリット44を通過せずに、クラッシングガイド42に干渉することが抑制される。
【0087】
また、係合部56Pの摩耗が進むと、係合部56Pが被係合部82から抜け出し、支持梁54からスタンド80が脱落する可能性がある。これに対して本実施形態では、硬化肉盛溶接部58によって、係合部56Pの摩耗を抑制することにより、スタンド80の脱落も抑制される。
【0088】
さらに、硬化肉盛溶接部58の常温ビッカース硬さHvは、係合部56Pの母材Mの常温ビッカース硬さHvよりも20以上大きい。これにより、係合部56Pの摩耗をより確実に抑制することができる。
【0089】
さらに、硬化肉盛溶接部58は、係合部56Pの母材Mの上面に形成された凹部59を埋めるように設けられている。これにより、係合部56Pと被係合部82との間の上下方向の隙間Gを狭くせずに、係合部56Pの摩耗を抑制することができる。そのため、硬化肉盛溶接部58が設けられた係合部56Pを被係合部82に挿入し易くなる。したがって、支持梁54の係合部56Pに、スタンド80の取付部80Bを容易に取り付けることができる。
【0090】
(第一実施形態の変形例)
上記実施形態では、係合部56Pの母材Mの上面に硬化肉盛溶接部58が設けられている。しかし、硬化肉盛溶接部58は、係合部56Pの母材Mの上面及び下面の少なくとも一方に設けることができる。
【0091】
また、上記第一実施形態では、硬化肉盛溶接部58が、係合部56Pの母材Mの表面上の凹部59に設けられている。しかし、硬化肉盛溶接部58は、凹部59に限らず、例えば、係合部56Pの肉厚を増すように、摩耗してない係合部56Pの母材Mの表面に設けられても良い。
【0092】
また、上記第一実施形態では、耐摩耗性部が、硬化肉盛溶接部58とされている。しかし、耐摩耗性部は、硬化肉盛溶接部58に限らない。耐摩耗性部は、例えば、係合部56Pの表層に設けられた複合層とされても良い。この複合層は、例えば、係合部56Pの表層の母材Mに硬質粒子を分散させることにより形成される。
【0093】
硬質粒子の素材としては、例えば、酸化物、炭化物、及び窒化物等が用いられる。具体的には、アルミナ(Al)、マグネシア(MgO)、ジルコニア(ZrO)、炭化珪素、又は窒化珪素等が用いられる。これらの素材は、原料Rと反応し難く、適度な硬さ(常温ビッカース硬さHvが800~4000、より好ましくは900~4000)を有するためである。
【0094】
このように係合部56Pの表層に複合層を設けることにより、係合部56Pの摩耗が抑制される。したがって、上記第一実施形態と同様に、支持梁54に対するスタンドの位置ずれが抑制される。
【0095】
また、係合部56Pの表層に複合層を設けることにより、係合部56Pと被係合部82との間の上下方向の隙間Gを狭くせずに、係合部56Pの摩耗を抑制することができる。したがって、例えば、支持梁54の係合部56Pにスタンド80の取付部80Bを容易に取り付けることができる。
【0096】
(第二実施形態)
次に、第二実施形態について説明する。なお、第二実施形態において、第一実施形態と同じ構成の部材等には、同符号を付して説明を適宜省略する。
【0097】
図8及び図9には、第二実施形態に係る支持梁54の突出部56における係合部56Pが示されている。図9に示されるように、第二実施形態では、係合部56Pの母材Mの上面56Uに肉盛溶接部90が設けられている。肉盛溶接部90は、係合部56Pの母材Mの上面56Uから上方へ突起状に突出している。
【0098】
なお、肉盛溶接部90は、摩耗対策部の一例である。
【0099】
肉盛溶接部90は、例えば、係合部56Pの母材Mの上面56Uに、鋳鉄用アーク溶接で肉盛溶接することにより形成されている。また、肉盛溶接部90の耐摩耗性は、係合部56Pの母材Mと同様とされている。つまり、肉盛溶接部90の常温ビッカース硬さHvは、係合部56Pの母材Mの常温ビッカース硬さHv(例えば、180)と同様とされている。
【0100】
なお、以下に、肉盛溶接部90の溶接金属の化学成分[質量%]の一例を示す。
C : 0.9
Si: 0.4
Mn: 0.6
P : 0.01以下
S : 0.01以下
Ni:55.0
残部:Fe及び不純物
なお、不純物とは、製造時に鉱石及びスクラップ等の原料から混入したり、製造工程の種々の要因によって混入したりする成分であって、溶接金属に意図的に含有させたものではない成分を指す。
【0101】
肉盛溶接部90の厚みtは、例えば、係合部56Pと被係合部82との上下方向の隙間Gが4[mm]以下となるように設定することが好ましい。また、肉盛溶接部90の厚みtは、前述したように、原料Rの焼結時における係合部56P及び被係合部82の熱膨張を吸収するために、隙間Gが2[mm]以上となるように設定することが望ましい。
【0102】
なお、肉盛溶接部90の厚みtは、適宜変更可能である。
【0103】
図10に示されるように、肉盛溶接部90は、頂面90A及び一対の傾斜面90Bを有している。頂面90Aは、平坦面とされている。一対の傾斜面90Bは、肉盛溶接部90における支持梁54の長手方向の両端部に形成されている。
【0104】
各傾斜面90Bは、支持梁54の側面視にて、係合部56Pの母材Mの上面56Uに対して傾斜し、当該上面56Uと肉盛溶接部90の頂面90Aとを接続している。
【0105】
(作用)
次に、第二実施形態の作用について説明する。
【0106】
図9に示されるように、支持梁54の係合部56Pには、肉盛溶接部90が設けられている。肉盛溶接部90は、係合部56Pの母材Mの上面56Uから上方へ突起状に突出している。この肉盛溶接部90によって、係合部56Pと被係合部82との間の上下方向の隙間Gが所定値よりも狭くなる。つまり、肉盛溶接部90によって摩耗代が確保される。したがって、支持梁54に対するスタンド80の倒れ等の位置ずれが抑制される。
【0107】
また、肉盛溶接部90における支持梁54の長手方向の両端部には、傾斜面90Bが設けられている。各傾斜面90Bは、支持梁54の側面視にて、支持梁54の母材Mの上面56Uに対して傾斜している。
【0108】
これにより、例えば、支持梁54の突出部56に沿ってスタンド80をスライドさせ、当該スタンド80の被係合部82に、肉盛溶接部90が設けられた係合部56Pを挿入する際に、被係合部82が傾斜面90Bに沿ってスライドする。
【0109】
そのため、スタンド80の被係合部82に、肉盛溶接部90が設けられた係合部56Pを挿入し易くなる。したがって、支持梁54の係合部56Pにスタンド80の取付部80Bを容易に取り付けることができる。
【0110】
また、肉盛溶接部90の厚みtは、係合部56Pと被係合部82との上下方向の隙間Gが4[mm]以下になるよう設定されている。これにより、本実施形態では、係合部56Pと被係合部82との上下方向の隙間Gが4[mm]を超える場合と比較して、支持梁54に対するスタンド80の位置ずれを効果的、かつ、長期的に抑制することができる。
【0111】
(第二実施形態の変形例)
上記第二実施形態では、肉盛溶接部90における支持梁54の長手方向の両端部に、傾斜面90Bがそれぞれ設けられている。しかし、傾斜面90Bは、肉盛溶接部90における支持梁54の長手方向の両端部の少なくとも一方に設けることができる。また、傾斜面90Bは、必要に応じて設ければ良く、省略可能である。
【0112】
また、上記第二実施形態では、肉盛溶接部90が、係合部56Pの母材Mの上面56Uに設けられている。しかし、肉盛溶接部90は、係合部56Pの母材Mの上面56U及び下面56Lの少なくとも一方に設けることができる。
【0113】
また、上記第二実施形態では、肉盛溶接部90の常温ビッカース硬さHvが、係合部56Pの母材Mの常温ビッカース硬さHvと同様とされている。しかし、例えば、肉盛溶接部90を上記第一実施形態のように硬化肉盛溶接部とし、その常温ビッカース硬さHvを係合部56Pの母材Mの常温ビッカース硬さHvよりも大きくしても良い。
【0114】
この場合、肉盛溶接部90の常温ビッカース硬さHvは、上記第一実施形態と同様に、係合部56Pの母材Mの常温ビッカース硬さHvよりも20以上大きくすることが好ましい。また、硬化肉盛溶接部の厚みは、上記第二実施形態と同様に、例えば、硬化肉盛溶接部が設けられた係合部56Pと被係合部82との上下方向の隙間が4[mm]以下となるように設定することが好ましい。
【0115】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0116】
50 焼結用パレット
54 支持梁
56P 係合部
58 硬化肉盛溶接部(摩耗対策部、耐摩耗性部)
59 凹部
60 グレート
80 スタンド
82 被係合部
90 肉盛溶接部(摩耗対策部)
90B 傾斜面
G 隙間(係合部と被係合部との間の上下方向の隙間)
M 母材
R 焼結鉱の原料
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10