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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161345
(43)【公開日】2023-11-07
(54)【発明の名称】工具ホルダー
(51)【国際特許分類】
   B25H 3/00 20060101AFI20231030BHJP
【FI】
B25H3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071684
(22)【出願日】2022-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】518378776
【氏名又は名称】株式会社スタジオ
(71)【出願人】
【識別番号】399068395
【氏名又は名称】株式会社三共コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100121496
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 重雄
(72)【発明者】
【氏名】大友 学
【テーマコード(参考)】
3C012
【Fターム(参考)】
3C012BG01
(57)【要約】
【課題】板状スプリングを使用しない場合でも工具が簡単に脱落しないように掛止して、工具を使用した作業の効率を向上させる。
【解決手段】作業員に取付けられるベース部11と、ベース部11の工具掛止側面11a側から上方向に向かって突出して掛止金具2の掛止用開口部2c1に挿入され、掛止金具2を掛止する掛止用突片12とを有し、掛止用突片12はベース部11の工具掛止側面11aから立設した幅狭部12aと、その幅狭部12aの先端に設けられた幅広部12bとを備え、幅狭部12aの横幅h1は、ホルダー掛止片の掛止用開口部の横幅以下である一方、幅広部12bの横幅h2は、ホルダー掛止片の掛止用開口部の横幅より大きく、かつ、ホルダー掛止片の掛止用開口部の縦幅以下にしている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具に固定された掛止具のホルダー掛止片が着脱可能に掛止される工具用ホルダーであって、
作業員に取付けられるベース部と、
前記ベース部における工具を掛止する工具掛止側面で上方向に向かって突出して前記ホルダー掛止片に形成された掛止用開口部に通されて前記工具を掛止する掛止用突片とを有し、
前記掛止用突片は、前記ベース部の工具掛止側面から立設した幅狭部と、その幅狭部の先端に設けられた幅広部とを備えており、
前記幅狭部の横幅は、前記ホルダー掛止片の掛止用開口部の横幅以下である一方、前記幅広部の横幅は、前記ホルダー掛止片の掛止用開口部の横幅より大きく、かつ、その掛止用開口部の縦幅以下であることを特徴とする工具用ホルダー。
【請求項2】
請求項1記載の工具用ホルダーにおいて、
さらに、
前記ベース部の工具掛止側面における前記掛止用突片よりも下方であって前記掛止用突片の中心から下ろした中心線よりも左側または右側の一方側から起立して反対側となる他方側に向かって延びて先端部を開放端とする第1ガード片と、
前記ベース部の工具掛止側面における前記掛止用突片よりも下方であって前記中心線に対し前記第1ガード片の反対側となる他方側から起立して一方側に向かって延びてその先端部を開放端とする第2ガード片と、
を有することを特徴とする工具用ホルダー。
【請求項3】
請求項2記載の工具用ホルダーにおいて、
前記第1ガード片は、
前記ベース部の工具掛止側面に対し前記ホルダー掛止片の厚さの少なくとも2倍以上の高さ起立する第1ガード片起立部と、
前記第1ガード片起立部の上端から他方側に向かって少なくとも前記ホルダー掛止片の横幅以上延びて、その先端部を開放端とする第1ガード片掛止部とを備え、
前記第2ガード片は、
前記ベース部の工具掛止側面から一方側に向かって斜めに延び、その先端部は開放端であって、かつ、前記ベース部の工具掛止側面に対し前記ホルダー掛止片の厚さ以上の高さを有し、
前記第1ガード片の第1ガード片起立部と前記第2ガード片の先端部との間は、少なくとも前記ホルダー掛止片の横幅以上、離間していることを特徴とする工具用ホルダー。
【請求項4】
請求項3記載の工具用ホルダーにおいて、
前記第2ガード片は、前記第1ガード片の第1ガード片掛止部と前記ベース部の工具掛止側面との間に設けられ、前記第1ガード片の第1ガード片掛止部と前記第2ガード片の先端部との間には、少なくとも前記ホルダー掛止片の厚さ以上、離間していることを特徴とする工具用ホルダー。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか一の請求項に記載の工具用ホルダーにおいて、
前記掛止具は金属製であって、
前記ベース部の工具掛止側面における前記掛止用突片よりも下方には、磁力で前記掛止具のホルダー掛止片を吸着する磁石部が設けられていることを特徴とする工具用ホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設現場等において使用されるインパクトドライバー等の携帯用の各種工具に取付けた掛止金具を用いて、作業員のベルト等に装着したホルダーに着脱自在に掛止する工具用ホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
工具ホルダーとして、工具を取り付ける工具取り付け用の掛止金具と、作業者のベルトに固定するホルダー本体で構成したものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この工具ホルダーでは、掛止金具に縦長の掛止用開口部を囲む枠体を設ける一方、ホルダー本体には、掛止金具が着脱可能なように、掛止金具の掛止用開口部より、横幅が狭く、先端がホルダー本体に固定されたケース部の表面部に向かって付勢された板状スプリングを設けると共に、該ケース部の少なくとも上面および一方の側面が開放され、掛止金具の枠体が、板状スプリングの先端が挿入されるようケース部の上部にガイドを形成して、保持した工具が縦(上下)方向に揺動する場合も、板状スプリングによって掛止金具をロックして抜け落ち難く構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-7226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の特許文献1の発明では、ホルダー本体に設けた板状スプリング下端部が工具側に取付けられた掛止金具の縦長の掛止用開口部に通すことによってロックして掛止金具を抜け止めするため、ホルダー本体から工具を取り外す場合、板状スプリングの弾力に対抗してロックを解除する必要があり、工具を取外し難く、工具を使用しての作業の効率が却って悪化するという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、板状スプリングを使用しない場合でも工具が簡単に脱落しないように掛止して、工具を使用した作業の効率を向上させることができる工具ホルダーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明の工具ホルダーは、工具に固定された掛止具のホルダー掛止片が着脱可能に掛止される工具用ホルダーであって、作業員に取付けられるベース部と、前記ベース部における工具を掛止する工具掛止側面で上方向に向かって突出して前記ホルダー掛止片に形成された掛止用開口部に通されて前記工具を掛止する掛止用突片とを有し、前記掛止用突片は、前記ベース部の工具掛止側面から立設した幅狭部と、その幅狭部の先端に設けられた幅広部とを備えており、前記幅狭部の横幅は、前記ホルダー掛止片の掛止用開口部の横幅以下である一方、前記幅広部の横幅は、前記ホルダー掛止片の掛止用開口部の横幅より大きく、かつ、その掛止用開口部の縦幅以下であることを特徴とする。
また、本発明に係る工具用ホルダーでは、さらに、前記ベース部の工具掛止側面における前記掛止用突片よりも下方であって前記掛止用突片の中心から下ろした中心線よりも左側または右側の一方側から起立して反対側となる他方側に向かって延びて先端部を開放端とする第1ガード片と、前記ベース部の工具掛止側面における前記掛止用突片よりも下方であって前記中心線に対し前記第1ガード片の反対側となる他方側から起立して一方側に向かって延びてその先端部を開放端とする第2ガード片と、を有することも特徴とする。
また、本発明に係る工具用ホルダーでは、前記第1ガード片は、前記ベース部の工具掛止側面に対し前記ホルダー掛止片の厚さの少なくとも2倍以上の高さ起立する第1ガード片起立部と、前記第1ガード片起立部の上端から他方側に向かって少なくとも前記ホルダー掛止片の横幅以上延びて、その先端部を開放端とする第1ガード片掛止部とを備え、前記第2ガード片は、前記ベース部の工具掛止側面から一方側に向かって斜めに延び、その先端部は開放端であって、かつ、前記ベース部の工具掛止側面に対し前記ホルダー掛止片の厚さ以上の高さを有し、前記第1ガード片の第1ガード片起立部と前記第2ガード片の先端部との間は、少なくとも前記ホルダー掛止片の横幅以上、離間していることも特徴とする。
また、本発明に係る工具用ホルダーでは、前記第2ガード片は、前記第1ガード片の第1ガード片掛止部と前記ベース部の工具掛止側面との間に設けられ、前記第1ガード片の第1ガード片掛止部と前記第2ガード片の先端部との間には、少なくとも前記ホルダー掛止片の厚さ以上、離間していることも特徴とする。
また、本発明に係る工具用ホルダーでは、前記掛止具は金属製であって、前記ベース部の工具掛止側面における前記掛止用突片よりも下方には、磁力で前記掛止具のホルダー掛止片を吸着する磁石部が設けられていることも特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る工具ホルダーでは、ベース部に掛止用突片を有し、その掛止用突片はベース部の工具掛止側面から立設した幅狭部と、その幅狭部の先端に設けられた幅広部とを備え、幅狭部の横幅は、ホルダー掛止片の掛止用開口部の横幅以下である一方、幅広部の横幅は、ホルダー掛止片の掛止用開口部の横幅より大きく、かつ、その掛止用開口部の縦幅以下にしている。
そのため、掛止金具を横向きにしてホルダー掛止片の掛止用開口部に通した後、掛止金具を縦向きにすることにより、掛止用突片の幅広部がホルダー掛止片の掛止用開口部に掛止され、工具に固定した掛止金具を工具用ホルダーの掛止用突片に簡単に掛止することができるので、板状スプリングを使用しない場合でも工具が簡単に脱落しないように掛止できると共に、これと逆に操作することによって容易に取り外すことができ、工具を使用した作業の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る実施形態の工具ホルダーを作業員のベルトに取付けた状態を示す図である。
図2】(a),(b)それぞれ、本発明に係る実施形態の工具ホルダーに掛止する掛止金具を取り付けた工具の背面図、工具に取付けた掛止金具を使用して作業員のベルトに取付けた本発明に係る実施形態の工具ホルダーに工具を掛止した状態を示す正面図である。
図3】(a),(b)それぞれ、本発明に係る実施形態の工具ホルダーに掛止する掛止金具の斜視図、正面図である。
図4】本発明に係る実施形態の工具ホルダーの斜視図である。
図5】(a),(b)それぞれ、本発明に係る実施形態の工具ホルダーの平面図、正面図である。
図6】(a)~(c)それぞれ、本発明に係る実施形態の工具ホルダーの左側面図、右側面図、図5(b)における中心線CLで切断した際の断面図である。
図7】(a),(b)それぞれ、本発明に係る実施形態の工具ホルダーの背面図、底面図である。
図8】本発明に係る実施形態の工具ホルダーに掛止金具を掛止する手順を工具ホルダーおよび掛止金具のみで示す図であって、工具ホルダーに掛止金具を掛止する直前の状態を示す図である。
図9】本発明に係る実施形態の工具ホルダーに掛止金具を掛止する手順を工具ホルダーおよび掛止金具のみで示す図であって、掛止金具の掛止用開口部に工具ホルダーの掛止用突片を挿入した状態を示す斜視図である。
図10】本発明に係る実施形態の工具ホルダーに掛止金具を掛止する手順を工具ホルダーおよび掛止金具のみで示す図であって、掛止金具の掛止用開口部に工具ホルダーの掛止用突片を挿入後、掛止金具を30度前後回転させた状態を示す斜視図である。
図11】(a),(b)それぞれ、本発明に係る実施形態の工具ホルダーに掛止金具を掛止する手順を工具ホルダーおよび掛止金具のみで示す図であって、掛止金具の掛止用開口部に工具ホルダーの掛止用突片を挿入後、掛止金具を90度近く回転させ、ホルダー掛止片を磁石部に吸着させた掛止状態を示す斜視図、およびその状態の右側面図である。
図12】(a),(b)それぞれ、本発明に係る実施形態の工具ホルダーに掛止した掛止金具を取り外す手順を工具ホルダーおよび掛止金具のみで示す図であって、磁石部に吸着された掛止金具のホルダー掛止片を引いて磁石部から離脱させた状態を示す斜視図、およびその状態の右側面図である。
図13】本発明に係る実施形態の工具ホルダーに掛止した掛止金具を取り外す手順を工具ホルダーおよび掛止金具のみで示す図であって、掛止金具を引いて磁石部から離脱させた後、30度前後反時計回りに回転させた状態を示す斜視図である。
図14】本発明に係る実施形態の工具ホルダーに掛止した掛止金具を取り外す手順を工具ホルダーおよび掛止金具のみで示す図であって、掛止金具を引いて磁石部から離脱させた後、90度前後反時計回りに回転させた状態を示す斜視図である。
図15】本発明に係る実施形態の工具ホルダーに掛止した掛止金具を取り外す手順を工具ホルダーおよび掛止金具のみで示す図であって、磁石部から離脱させた掛止金具を90度前後回転させた後、上方へ移動させて工具ホルダーから掛止金具を取り外した状態を示す斜視図である。
図16】(a),(b)それぞれ、本発明に係る実施形態の工具ホルダーの第1ガード片に掛止金具を仮掛した状態を示す斜視図、およびその状態の右側面図である。
図17】(a),(b)それぞれ、本発明に係る実施形態の工具ホルダーの第1ガード片にコンベックスの掛止金具を仮掛した状態を示す斜視図、およびその状態の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る工具ホルダーの実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、下記に説明する実施形態はその寸法等も含めあくまで本発明の一例であり、本発明は下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で適宜変更可能である。
【0010】
本発明に係る実施形態の工具ホルダー1は、例えば、図1に示すように作業員のベルト4等に取付けて、図2(a)に示すようにインパクトドライバー等の工具3に取り付けられた掛止金具2を、図2(b)に示すように掛止するための工具ホルダーである。尚、以下の説明では、本発明に係る実施形態の工具ホルダー1の構成を説明する前に、工具3に取り付けられる掛止金具2の構成から先に説明するものとする。また、本実施形態では、工具3の一例としてインパクトドライバーを例に説明する。
【0011】
<掛止金具2の構成>
掛止金具2は、図2(a)等に示すように工具3の背面側(作業員側)に取り付け、図1図2(b)に示すように作業員のベルト4等に取付けた本発明に係る実施形態の工具ホルダー1に掛止する金具で、特許文献1(特開2022-7226号公報)のもの等とほぼ同じ形状に構成されている。
【0012】
つまり、掛止金具2は、図2(a)及び図3(a),(b)に示すように、両側方及び下方が開放されたクリップ状の金具で、中継部2aの頂部から折れ曲がって工具固定片2bとホルダー掛止片2cとで側面視、ほぼ逆U字形状に形成されている。
【0013】
中継部2aは、工具3と工具ホルダー1とが掛止時に揺動しないようにR形状に曲げているが、装着する工具3及び工具差し、腰袋など装着の場合は、中継部2aを、R形状でなく、直角などの角度をつけた形状に曲げる場合もある。
【0014】
工具固定片2b側には、工具3に固定するネジ等を挿通するため横方向に長い長穴2b1が設けられ、ホルダー掛止片2cには、中心部分に縦型楕円形もしくは長方形などの縦長の掛止用開口部2c1を設けている。
【0015】
ここで、図3(c)に示すように、掛止用開口部2c1の横幅をH1とし、縦幅をH2(>H1)とする。
【0016】
尚、本実施形態では、掛止金具2は長穴2b1を介して工具3に取り付ける場合を例示したが、本発明では、工具固定片2bを省略して、他の工具、工具差しなどに直接に上端の折り返し曲りを有する掛止用開口部2c1を備えた金具を固定する構造であっても良い。また、工具3に取り付ける掛止金具2は、掛止用開口部2c1を設けたホルダー掛止片2cを有するものであれば、市販のもの、または予めインパクトドライバー等の工具3に取付けられていたものでも良いし、別途、単品で購入したり、あるいは本発明に係る実施形態の工具ホルダー1の付属品として同封されていたものを工具3に取付けても何でも良い。
【0017】
<本発明に係る実施形態の工具ホルダー1の構成>
上述したように本発明に係る実施形態の工具ホルダー1は、図1に示すように作業員のベルト4等に取付けて使用するもので、図4図7等に示すように作業員のベルト4等に取付けられるベース部11と、ベース部11に設けた掛止用突片12、第1ガード片13、第2ガード片14、および磁石部15等で構成される。
【0018】
(ベース部11)
ベース部11は、金属製の1枚の鋼板を所定形状にカットおよび折り曲げ加工等して形成したもので、工具掛止側面11a及び作業員側面11bを備えており、作業員のベルト4等が工具掛止側面11a側から作業員側面11b側を通って再度、工具掛止側面11a側を抜けるように一対のベルト通し部11c,11cを設けている。尚、ベルト通し部11c,11cにベルト4を通し易く構成するため、ベース部11は、工具掛止側面11a側に向かって凸状態となるように一対のベルト通し部11c,11cそれぞれの部分で斜めに折り曲げた一対の側方傾斜片11d,11dを設けている共に、ベース部11上部に上方傾斜片11eも設けている。
【0019】
また、ベース部11は、軽量化するため、適宜、任意形状の一対の第1肉削ぎ孔11f,11f、第2肉削ぎ孔11g、一対の第3肉削ぎ孔11h,11h、第4肉削ぎ孔11i等も設けている。
【0020】
(掛止用突片12)
掛止用突片12は、ベース部11の中央で下方を幅狭く、上方を幅広く切込みを入れた後、工具掛止側面11a側に斜めに切り起こして幅狭部12aおよび幅広部12bを備えて形成されており、掛止金具2のホルダー掛止片2cに形成された掛止用開口部2c1に挿入されて掛止金具2を掛止する部分である。
【0021】
ここで、図5(a)に示すように掛止用突片12の幅狭部12aは後述するようにホルダー掛止片2cの掛止用開口部2c1に挿入されるため、幅狭部12aの横幅h1は、掛止金具2のホルダー掛止片2cの掛止用開口部2c1の横幅H1(図3(b)参照。)以下、つまりh1≦H1の関係とする。
【0022】
また、掛止用突片12の幅広部12bは後述するように横向きのホルダー掛止片2cの掛止用開口部2c1に通された後、縦向きとなった際に容易に掛止金具2が工具ホルダー1から容易に脱落しないよう、幅広部12bの横幅h2は、掛止金具2のホルダー掛止片2cの掛止用開口部2c1の横幅H1(図3(b)参照。)より大きく、かつ、掛止用開口部2c1の縦幅H2以下、つまり、H1<h2≦H2の関係となる。尚、h1も加えると、h1≦H1<h2≦H2の関係となる。
【0023】
(第1ガード片13)
第1ガード片13は、図5(a),(b)等に示すようにベース部11の工具掛止側面11aにおける掛止用突片12の下方であって掛止用突片12の中心から下ろした中心線CLよりも左側のベルト通し部11c側の工具掛止側面11aから立ち上がり、掛止金具2のホルダー掛止片2cに掛止された掛止金具2のホルダー掛止片2cを中心線CLの左側で対向してガードする第1ガード片起立部13aと、第1ガード片起立部13aの上端部から約90度折曲げられ、ベース部11の工具掛止側面11aに対向しながら中心線CLを横切って反対側である図上右側まで延び、先端部を開放端とする第1ガード片掛止部13bとを有する。
【0024】
第1ガード片起立部13aは、掛止金具2のホルダー掛止片2cに掛止用開口部2c1が掛止用突片12に掛止された際に、第1ガード片起立部13aとベース部11の工具掛止側面11aとの間を通したり、さらには第1ガード片起立部13a自身に掛止金具2を仮掛けさせるため、少なくともベース部11の工具掛止側面11aから掛止金具2のホルダー掛止片2cの厚さの2倍に第2ガード片14の先端部の厚さを加算した値以上、工具掛止側面11aから立ち上げて構成されている。
【0025】
第1ガード片掛止部13bは、第1ガード片起立部13aの上端部からほぼ90度折り曲げられ、ベース部11の工具掛止側面11aに対向しながら工具掛止側面11aと平行に中心線CLを横切って反対側である図上右側のベルト通し部11c側まで延びて形成されており、その先端部は、掛止金具2のホルダー掛止片2cが掛止し易いようにさらに30度斜め方向に延びるように曲げた傾斜片13cを設けている。
【0026】
(第2ガード片14)
第2ガード片14は、ベース部11の工具掛止側面11aにおける掛止用突片12の下方であって掛止用突片12の中心から下ろした中心線CLよりも第1ガード片13の立ち上がり箇所とは反対側、つまりベース部11の図上右側である第1ガード片13の傾斜片13c側から矩形に切り起こして、反対側に向かって図5(a),(b)や図7(b)等に示すように掛止用突片12上部の幅広部12bの手前まで斜めに延び、その先端部を開放端とするように構成している。
【0027】
また、第2ガード片14は、ベース部11の掛止用突片12に掛止された掛止金具2のホルダー掛止片2cを中心線CLの他方側で対向してガードするため、ベース部11の工具掛止側面11aからの先端部の高さが少なくとも掛止金具2のホルダー掛止片2cの厚さと、磁石部15の厚さ以上となるまで斜めに延びて構成されている。尚、本実施形態では、第2ガード片14の先端部は、掛止金具2のホルダー掛止片2cの厚さと磁石部15の厚さの合計と同じか僅かに大きい高さまで延びており、掛止金具2のホルダー掛止片2cの図上右側端部が第2ガード片14と工具掛止側面11aとの間に挟持されると、掛止金具2のホルダー掛止片2cは掛止用突片12下方の磁石部15に吸着される。
【0028】
また、第2ガード片14は、図5(a)や図7(b)等に示すように斜めに直線的に延びることによって掛止金具2のホルダー掛止片2cが揺れる等してそのホルダー掛止片2cが第2ガード片14と工具掛止側面11aとの間に移動した際に、ベース部11の工具掛止側面11aとの間の楔効果によって掛止金具2を確実に掛止することができる。
【0029】
(磁石部15)
磁石部15は、第1ガード片13と対向するようにベース部11の工具掛止側面11aであって掛止用突片12の下方に設けられており、掛止金具2のホルダー掛止片2cをその裏側から磁力で掛止金具2のホルダー掛止片2cを吸着して掛止金具2のホルダー掛止片2cを固定する。
【0030】
<本発明に係る実施形態の工具ホルダー1の使用方法等>
次に、以上のように構成された本発明に係る実施形態の工具ホルダー1の使用方法について、図面を参照して説明する。尚、図8図16では、本発明に係る実施形態の工具ホルダー1と、掛止金具2のみを図示して、掛止金具2の掛止動作および取外し動作を説明するものとする。
【0031】
(1)準備(工具ホルダー1を作業員の腰に取付け、工具3に掛止金具2を取付ける。)
工具ホルダー1を作業員の腰に取付ける場合は、まず、作業員は、図1等に示すように工具ホルダー1のベース部11の一対のベルト通し部11c,11cにベルト4を順次通し、そのベルト4を着衣の上から作業員の腰回りに巻いて工具ホルダー1を作業員の腰に取付ける。
【0032】
その一方、インパクドドライバー等の工具3には、図2(a)に示すように掛止金具2をビスやネジ5等によって取り付けて固定しておき、工具3に固定した掛止金具2を作業員の腰回りに設置した工具ホルダー1に掛止して図2(b)に示すように工具ホルダー1を作業員の腰に取付ける。
【0033】
(2)工具3に固定された掛止金具2を工具ホルダー1に安定した状態で掛止(本掛止)する手順
作業員が腰回りに巻き着けたベルト4を工具ホルダー1の一対のベルト通し部11c,11cに通して工具ホルダー1を作業員の腰に取付けると、続いて作業員は掛止金具2が取り付けられた工具3を掴んで作業を行い、工具3を使用しない場合は、工具3に固定した掛止金具2を、作業員の腰回りにベルト4で固定した工具ホルダー1に装着する。
【0034】
(2-1)本実施形態の工具ホルダー1に安定した状態で掛止する場合
その際、今まで使用していた工具3をしばらく使用せず、本実施形態の工具ホルダー1に安定した状態で掛止する場合は、図8に示すように掛止金具2を横向きにして工具ホルダー1の掛止用突片12に向かって下ろす。
【0035】
その際、上述したようにH1<h2≦H2の関係であるため、ホルダー掛止片2cの掛止用開口部2c1は縦向き(上下向き)では掛止用突片12の幅広部12bに通すことができないが、図8に示すようにホルダー掛止片2cの掛止用開口部2c1を横向きにすると、図9に示すように掛止用突片12の幅広部12bにホルダー掛止片2cの掛止用開口部2c1を通すことができる。
【0036】
図9に示すように掛止金具2のホルダー掛止片2cの掛止用開口部2c1に工具ホルダー1の掛止用突片12を通すことができると、図10に示すように掛止金具2を図上、時計回りに回転させる。
【0037】
すると、ホルダー掛止片2cが第2ガード片14と第1ガード片13の第1ガード片起立部13aとの間に挿入され、さらに時計回りに回転させて90度回転すると、図11(a),(b)に示すように掛止金具2の連結部2aの下面が工具ホルダー1の掛止用突片12上部の幅広部12aに近接ないしは当接して工具ホルダー1に工具3が掛止され、掛止金具2のホルダー掛止片2cの下部は磁石部15に吸着される。
【0038】
そのため、ホルダー掛止片2cの掛止用開口部2c1に掛止用突片12の幅広部12bに通した後、掛止金具2を回転させて縦向きにすると、掛止用突片12の幅広部12bの横幅h2は、ホルダー掛止片2cの掛止用開口部2c1の横幅H2より大きいため、工具3に固定した掛止金具2を縦向き状態では工具用ホルダー1の掛止用突片12から取り外し不可な状態で掛止することができるので、板状スプリングを使用しない場合でも工具が簡単に脱落しないように掛止でき、作業効率を向上させることができる。
【0039】
また、この掛止金具2を90度回転させてその下部が磁石部15に吸着された状態では、ホルダー掛止片2cの下部の図上右側は、第2ガード片14に対向してガードされる一方、掛止金具2のホルダー掛止片2cの下部の図上左側には第1ガード片13の第1ガード片起立部13aに対向してガードされるので、第2ガード片14と第1ガード片13の第1ガード片起立部13aとによって左右両側がガードされることになる。
【0040】
そのため、工具3の掛止金具2を作業員の腰回りにベルト4で固定した工具ホルダー1に装着した状態で作業員が移動したり作業をしても、工具ホルダー1の掛止用突片12の幅広部12bによる掛止とその下方の磁石部15によって上下方向のズレ等を防止すると共に、第2ガード片14と第1ガード片13の第1ガード片起立部13aとによって掛止金具2の横方向(左右方向)のズレ等をガードするので、工具3が工具ホルダー1から脱落することを確実に防止することができる。
【0041】
尚、図11(a),(b)に示す状態は、掛止金具2のホルダー掛止片2cが工具ホルダー1のベース部11の工具掛止側面11aに設けた磁石部15に吸着され、掛止金具2の連結部2aの下面が工具ホルダー1の掛止用突片12上部の幅広部12aから浮いている状態である。
【0042】
特に、本実施形態では、第2ガード片14の先端部は、掛止金具2のホルダー掛止片2cの厚さと磁石部15の厚さの合計と同じか僅かに大きい高さまで延びているため、掛止金具2のホルダー掛止片2cの図上右側端部が第2ガード片14と工具掛止側面11aとの間に挟持されると、掛止金具2のホルダー掛止片2cは掛止用突片12下方の磁石部15に吸着されるため、この点でも工具3が工具ホルダー1から脱落することを確実に防止することができる。
【0043】
また、第2ガード片14は、図5(a)や図7(b)等に示すように斜めに直線的に延びているため、ベース部11の工具掛止側面11aとの間の楔効果によって掛止金具2を確実に掛止して、工具3が工具ホルダー1から脱落することをより確実に防止することができる。
【0044】
(2-2)本実施形態の工具ホルダー1に安定した状態で掛止した工具3を取り外す場合
(2-1)に示すようにして実施形態の工具ホルダー1に安定した状態で工具3を掛止した後、取り外す場合は、掛止金具2のホルダー掛止片2cは、工具ホルダー1の掛止用突片12下方の磁石部15によって吸着されていると共に、第2ガード片14と第1ガード片13の第1ガード片起立部13aとによって掛止金具2の横方向(左右方向)のズレ等もガードされているため、作業員は、図12(a),(b)に示すように掛止金具2のホルダー掛止片2cを作業員の体から離れるよう矢印方向に引張り、掛止金具2のホルダー掛止片2cを工具ホルダー1の掛止用突片12下方の磁石部15から離脱させると共に、第2ガード片14からも離脱させる。
【0045】
次に、掛止金具2のホルダー掛止片2cを工具ホルダー1の第1ガード片13の外側に移動させるため、図13に示すように掛止金具2のホルダー掛止片2cを反時計回りに回転させて、図14に示すように掛止金具2をほぼ水平状態にすると、掛止金具2のホルダー掛止片2cを工具ホルダー1の第1ガード片13の上方に移動して工具ホルダー1の第1ガード片13の外側に移動させ、図15に示すように掛止金具2を上方へ持ち上げることによって掛止金具2のホルダー掛止片2cの掛止用開口部2c1を工具ホルダー1の掛止用突片12から取り外す。
【0046】
以上の動作で、本実施形態の工具ホルダー1に安定した状態で掛止した工具3を取り外すことができる。
【0047】
(3)工具3に固定された掛止金具2を工具ホルダー1に仮掛する手順
上述の(2)で説明した「工具3に固定された掛止金具2を工具ホルダー1に安定した状態で掛止(本掛止)する手順」により掛止する場合、工具3に固定された掛止金具2は工具ホルダー1の掛止用突片12とその下方の磁石部15によって上下方向のズレ等を防止すると共に、第2ガード片14と第1ガード片13の第1ガード片起立部13aとによって掛止金具2の横方向(左右方向)のズレ等もガードするので、工具3を長時間使用しない場合には安定した状態で掛止されるため良いが、同じ場所で頻繁に工具3を使用する場合、掛止金具2のホルダー掛止片2cの掛止用開口部2c1に工具ホルダー1の掛止用突片12を挿脱したり、工具3に固定された掛止金具2を工具ホルダー1に掛止したり、取り外す度に工具3に固定された掛止金具2は回転させる必要があり、手間や時間を要していた。
【0048】
そのため、同じ場所で頻繁に工具3を使用する場合は、(2)で説明した「工具3に固定された掛止金具2を工具ホルダー1に安定した状態で掛止(本掛止)する手順」による本掛止ではなく、工具3に固定された掛止金具2を工具ホルダー1に仮掛を行う。
【0049】
工具ホルダー1への仮掛けは、工具3に固定された掛止金具2の掛止用開口部2c1に工具ホルダー1の掛止用突片12を挿入するのではなく、図16(a),(b)に示すように掛止金具2のホルダー掛止片2cを工具ホルダー1の第1ガード片13の第1ガード片掛止部13bに掛止する動作だけである。
【0050】
工具3に固定された掛止金具2の掛止用開口部2c1に工具ホルダー1の掛止用突片12を挿入させないため、工具3に固定された掛止金具2を回転させずに上下方向に下ろす簡単な動作で済み手間や時間がかからないものの、掛止金具2のホルダー掛止片2cは工具ホルダー1の第1ガード片13に仮掛するため下方への脱落は確実に防止できる共に、磁石部15によって上下方向のズレ等を防止すると共に、第2ガード片14と第1ガード片13の第1ガード片起立部13aとによって掛止金具2の横方向(左右方向)のズレ等を防止するので、工具3が工具ホルダー1から脱落することを確実に防止することができる。
【0051】
(4)工具3に取付けた掛止金具2ではなく、コンベックス等の他の工具5の掛止金具2’を工具ホルダー1に仮掛する手順
また、コンベックス等の他の工具2には、作業員のベルト4等に掛止するホルダー掛止片2c’を有する金属製の掛止金具2’が取り付けられているので、図17(a),(b)に示すように、掛止金具2のホルダー掛止片2cと同様に、掛止金具2’のホルダー掛止片2c’を工具ホルダー1の第1ガード片13に仮掛することによってコンベックス等の他の工具5でも下方への脱落は確実に防止できる共に、磁石部15によって上下方向のズレ等を防止すると共に、第2ガード片14と第1ガード片13の第1ガード片起立部13aとによって掛止金具2’の横方向(左右方向)のズレ等を防止するので、コンベックス等の他の工具5も工具ホルダー1から脱落することを極力防止した状態で掛止することができる。
【0052】
<本発明に係る実施形態の工具ホルダー1のまとめ>
以上説明したように、本発明に係る実施形態の工具ホルダー1は、作業員のベルト4に取付けられるベース部11と、ベース部11における工具3を掛止する工具掛止側面11aで上方向に向かって突出する掛止用突片12とを有し、掛止用突片12はベース部11の工具掛止側面11aから立設した幅狭部12aと、その幅狭部12aの先端に設けられた幅広部12bとを備え、幅狭部12aの横幅h1(図5(a)参照。)は、ホルダー掛止片2cの掛止用開口部2c1の横幅H1(図3(b)参照。)以下である一方、幅広部12bの横幅h2(図5(a)参照。)は、ホルダー掛止片2cの掛止用開口部2c1の横幅H2(図3(b)参照。)より大きく、かつ、その掛止用開口部2c1の縦幅H2以下にしている。
【0053】
そのため、掛止金具2を横向きにしてホルダー掛止片2cの掛止用開口部2c1に掛止用突片12の幅広部12bに通した後、掛止金具2を縦向きにすることにより、掛止用突片12の幅広部12bがホルダー掛止片2cの掛止用開口部2c1に掛止され、工具3に固定した掛止金具2を工具用ホルダー1の掛止用突片12に簡単に掛止することができるので、板状スプリングを使用しない場合でも工具が簡単に脱落しないように掛止できると共に、これと逆に操作することによって容易に取り外すことができ、作業効率を向上させることができる。
【0054】
また、本発明に係る実施形態の工具用ホルダー1では、さらに、ベース部11の工具掛止側面11aにおける掛止用突片12よりも下方であって掛止用突片12の中心から下ろした中心線CLよりも一方側である図上左側から起立して反対側となる図上右側に向かって延びて先端部を開放端とし、掛止用突片12に通されたホルダー掛止片2cの少なくとも一方側に対向する第1ガード片13と、ベース部11の工具掛止側面11aにおける掛止用突片12よりも下方であって中心線CLに対し第1ガード片13の反対側となる他方側から起立して一方側に向かって延びてその先端部を開放端とし、掛止用突片12に通されたホルダー掛止片2cの少なくとも他方側に対向する第2ガード片14とを有する。
【0055】
そのため、工具3に取付けられた掛止金具2の掛止用開口部2c1を工具ホルダーの掛止用突片12に掛止すると、掛止金具2のホルダー掛止片2cは第1ガード片13の第1ガード片起立部13aと第2ガード片14とによって左右両側がガードされ、工具ホルダーの掛止用突片12に掛止された掛止金具2の揺れの範囲を抑制することができるので、板状スプリングを使用しない場合でも工具3が容易に脱落することを防止できる。
【0056】
また、本発明に係る実施形態の工具用ホルダー1では、第1ガード片13は、ベース部11の工具掛止側面11aに対しホルダー掛止片2cの厚さの少なくとも2倍以上の高さ起立する第1ガード片起立部13aと、第1ガード片起立部13aの上端から他方側に向かって少なくともホルダー掛止片2cの横幅以上延びて、その先端部を開放端とする第1ガード片掛止部13bとを備え、第2ガード片14は、ベース部11の工具掛止側面11aから一方側に向かって斜めに延び、その先端部は開放端であって、かつ、ベース部11の工具掛止側面11aに対しホルダー掛止片2cの厚さと磁石部15の厚さとの合計以上の高さを有し、第1ガード片13の第1ガード片起立部13aと第2ガード片14の先端部との間は、少なくともホルダー掛止片2cの横幅以上、離間させている。
【0057】
そのため、工具3に取付けられた掛止金具2の掛止用開口部2c1を工具ホルダーの掛止用突片12に掛止した後、ベース部11の工具掛止側面11aにて面内方向に回転させることによって掛止金具2のホルダー掛止片2cを第1ガード片13の第1ガード片起立部13aと第2ガード片14とによって左右両側をガードすることができるので、板状スプリングを使用しない場合でも工具が簡単に脱落しないように掛止できると共に、これと逆に操作することによって容易に取り外すことができ、作業効率を向上させることができる。
【0058】
また、第1ガード片13の第1ガード片掛止部13bに掛止金具2のホルダー掛止片2cを引掛けることによって工具を仮掛けすることもできるので、工具を使用した作業の効率を向上させることができると共に、第1ガード片13の第1ガード片掛止部13bにはコンベックス5等に設けられた掛止金具2’も仮掛けすることができるので、コンベックス5等を使用した作業の効率を向上させることができると共に、使い勝手を向上させることができる。
【0059】
特に、第2ガード片14はベース部11の工具掛止側面11aから斜めに延びて構成されているため、掛止金具2のホルダー掛止片2cの下部が通された際にベース部11の工具掛止側面11aとの間の楔効果によって掛止金具2をより確実に掛止することができる。
【0060】
また、本発明に係る実施形態の工具用ホルダー1では、第2ガード片14は、第1ガード片13の第1ガード片掛止部13bとベース部11の工具掛止側面11aとの間に設け、第1ガード片13の第1ガード片掛止部13bと第2ガード片14の先端部との間には、少なくともホルダー掛止片2cの厚さ以上、離間させている。
【0061】
そのため、ベース部11の上下方向の長さを短くすることができるので、ベース部11の重量も軽量化することが可能となり、この点でも作業性を向上させることができる。
【0062】
また、本発明に係る実施形態の工具用ホルダー1では、掛止具は金属製の掛止金具12であって、ベース部11の工具掛止側面11aにおける掛止用突片12よりも下方には、磁力で掛止具のホルダー掛止片2cを吸着する磁石部15を設けている。
【0063】
そのため、具2に取付けられた掛止金具2の掛止用開口部2c1を工具ホルダーの掛止用突片12に掛止した際に、第2ガード片14とベース部11の工具掛止側面11aとの間に掛止金具2のホルダー掛止片2cが挿入され、第1ガード片13の第1ガード片13とベース部11の工具掛止側面11aとの間で掛止金具2のホルダー掛止片2cの下部の左右両側をガードするだけでなく、掛止金具2のホルダー掛止片2cを磁力で吸着するので、掛止金具2をより確実に掛止することができる。
【0064】
尚、上記実施形態の工具ホルダー1の説明では、ベース部11に第1ガード片13や第2ガード片14、磁石部15を設けて説明したが、本発明ではこれに限らず、磁石部15を省略して掛止用突片12と第1ガード片13と第2ガード片14で掛止金具2のホルダー掛止片2cを掛止するように構成しても良いし、第1ガード片13および第2ガード片14を省略して掛止用突片12と磁石部15で掛止金具2のホルダー掛止片2cを掛止するように構成したり、さらには第1ガード片13、第2ガード片14および磁石部15を省略して掛止用突片12のみで掛止金具2のホルダー掛止片2cを掛止するように構成したり、第2ガード片14を省略して掛止用突片12と第1ガード片13と磁石部15で構成しても勿論良い。
【0065】
また、上記実施形態の工具ホルダー1の説明では、第1ガード片13と第2ガード片14とが間は開けるものの重なるように設けて説明したが、本発明ではこれに限らず、第1ガード片13と第2ガード片14とを重ねずに上下方向にズラして設けても良いし、第2ガード片14を第1ガード片13と同様に第2ガード片起立部と第2ガード片掛止部とで構成しても良いし、さらには第1ガード片13を第2ガード片14のように斜めに直線状に延ばして構成しても勿論良い。
【符号の説明】
【0066】
1 工具ホルダー
11 ベース部
11a 工具掛止側面
11b 作業員側面
11c,11c ベルト通し部
12 掛止用突片
13 第1ガード片
13a 第1ガード片起立部
13b 第1ガード片掛止部
14 第2ガード片
15 磁石部
2 掛止金具
2a 中継部
2b 工具固定片
2b1 長穴
2c ホルダー掛止片
2c1 掛止用開口部
3 工具
4 ベルト
5 コンベックス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17