(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161346
(43)【公開日】2023-11-07
(54)【発明の名称】サーバ装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0201 20230101AFI20231030BHJP
【FI】
G06Q30/02 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071685
(22)【出願日】2022-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】522166703
【氏名又は名称】エリアマーケット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】230121016
【弁護士】
【氏名又は名称】小笠原 匡隆
(72)【発明者】
【氏名】加藤 智徳
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】商品等の利用を促進するための促進情報の消費者への配信又は配布に応じた消費者の行動に基づいて、効果的に促進情報を消費者に配信又は配布するサーバ装置、方法及びプログラムを提供する。。
【解決手段】通信ネットワークを介して互いに接続する消費者端末装置100と、サーバ装置200と、事業者装置300とを含むシステムにおいて、サーバ装置は、消費者に対して提供され、事業者による商品及び役務の少なくとも一方の提供に関連する消費者の行動を促進する第1の促進情報を生成し、消費者によって受け取られた第1の促進情報に基づいて消費者が行った商品及び役務の少なくとも一方の提供に関連する行動を示す行動情報を受信し、第1の促進情報と行動情報とに基づいて得られた学習済解析モデルにより、事業者又は事業者とは異なる他の事業者による商品及び役務の少なくとも一方の提供に関連する消費者の行動を促進する第2の促進情報を解析する。
【選択図】
図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのプロセッサを含むサーバ装置であって、
前記少なくとも一つのプロセッサは、
消費者に対して提供され、事業者による商品及び役務の少なくとも一方の提供に関連する前記消費者の行動を促進するための第1の促進情報を生成し、
前記消費者によって受け取られた前記第1の促進情報に基づいて前記消費者が行った前記商品及び役務の少なくとも一方の提供に関連する行動を示す行動情報を受信し、
前記第1の促進情報と前記行動情報とに基づいて得られた学習済解析モデルによって、前記事業者又は前記事業者とは異なる他の事業者による商品及び役務の少なくとも一方の提供に関連する前記消費者の行動を促進するための第2の促進情報を解析する、
ための処理を実行するように構成された、
サーバ装置。
【請求項2】
前記第1の促進情報は、前記消費者への告知が掲載されて前記消費者に配信又は配布される告知情報を含む、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記第1の促進情報は、前記消費者に特典を付与するためのクーポンを含む、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記クーポンは、前記消費者が所定のウェブサイトへのアクセス及び前記消費者が所定のアプリケーションプログラムのインストールの少なくとも一方を通じて付与される、請求項3に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記所定のウェブサイトへのアクセス先、又は前記所定のアプリケーションプログラムのダウンロード先は、前記消費者への告知が掲載されて前記消費者に配信又は配布される告知情報に付された記録媒体に記録される、請求項4に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記学習済解析モデルは、前記第1の促進情報が前記消費者に提供することによって得られる結果である前記行動情報に基づいてラベル付けされた前記第1の促進情報を機械学習することによって得られた、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記学習済解析モデルによる解析は、前記第2の促進情報が入力されると、前記第2の促進情報が前記消費者に提供されることによって得られる結果を推測することである、請求項6に記載のサーバ装置。
【請求項8】
前記第1の促進情報は、前記第1の促進情報が提供される位置的な範囲を示す位置情報、前記第1の促進情報が提供される前記消費者の属性を示す属性情報、及び前記第1の促進情報が提供される時間的な範囲を示す時間情報のうちの少なくともいずれに基づいて提供される、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項9】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記行動情報に基づいて前記第1の促進情報の生成に対する対価として前記事業者に請求する額を算出するための処理を実行するように構成された、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項10】
少なくとも一つのプロセッサを含むコンピュータにおいて、前記少なくとも一つのプロセッサが所定の指示命令を実行することによりなされる方法であって、
消費者に対して提供され、事業者による商品及び役務の少なくとも一方の提供に関連する前記消費者の行動を促進するための第1の促進情報を生成する段階と、
前記消費者によって受け取られた前記第1の促進情報に基づいて前記消費者が行った前記商品及び役務の少なくとも一方の提供に関連する行動を示す行動情報を受信する段階と、
前記第1の促進情報と前記行動情報とに基づいて得られた学習済解析モデルによって、前記事業者又は前記事業者とは異なる他の事業者による商品及び役務の少なくとも一方の提供に関連する前記消費者の行動を促進するための第2の促進情報を解析する段階と、
を含む方法。
【請求項11】
コンピュータを、
消費者に対して提供され、事業者による商品及び役務の少なくとも一方の提供に関連する前記消費者の行動を促進するための第1の促進情報を生成し、
前記消費者によって受け取られた前記第1の促進情報に基づいて前記消費者が行った前記商品及び役務の少なくとも一方の提供に関連する行動を示す行動情報を受信し、
前記第1の促進情報と前記行動情報とに基づいて得られた学習済解析モデルによって、前記事業者又は前記事業者とは異なる他の事業者による商品及び役務の少なくとも一方の提供に関連する前記消費者の行動を促進するための第2の促進情報を解析する、
ための処理を実行するように構成されたプロセッサとして機能させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費者に対して提供され、事業者による商品及び役務の少なくとも一方の提供に関連する消費者の行動を促進するための促進情報の配信又は配布のために適したサーバ装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
事業者により提供される商品等の消費者による利用を促進する広告等の促進情報が掲載された広告媒体を、消費者の自宅のポストに投函して配布する広告方法が、現在、広く用いられている。このような広告方法は、ポスティングとも呼ばれる。例えば、特許文献1は、広告媒体に掲載された商品等を利用する可能性が高い消費者の集合にポスティング等を行う方法を開示する。しかしながら、特許文献1に開示された方法では、過去において促進情報を消費者に配信又は配布して得られた効果に基づいて、将来において、さらに効果的に促進情報を消費者に配信又は配布することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態は、上述した背景からなされたものであり、過去の商品等の利用を促進するための促進情報に基づいて、新たな促進情報を解析できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、実施形態に係るサーバ装置は、少なくとも一つのプロセッサを含むサーバ装置であって、前記少なくとも一つのプロセッサは、消費者に対して提供され、事業者による商品及び役務の少なくとも一方の提供に関連する前記消費者の行動を促進するための第1の促進情報を生成し、前記消費者によって受け取られた前記第1の促進情報に基づいて前記消費者が行った前記商品及び役務の少なくとも一方の提供に関連する行動を示す行動情報を受信し、前記第1の促進情報と前記行動情報とに基づいて得られた学習済解析モデルによって、前記事業者又は前記事業者とは異なる他の事業者による商品及び役務の少なくとも一方の提供に関連する前記消費者の行動を促進するための第2の促進情報を解析するための処理を実行するように構成される。
【0006】
また、実施形態に係る方法は、少なくとも一つのプロセッサを含むコンピュータにおいて、少なくとも一つの前記プロセッサが所定の指示命令を実行することによりなされる方法であって、消費者に対して提供され、事業者による商品及び役務の少なくとも一方の提供に関連する前記消費者の行動を促進するための第1の促進情報を生成する段階と、前記消費者によって受け取られた前記第1の促進情報に基づいて前記消費者が行った前記商品及び役務の少なくとも一方の提供に関連する行動を示す行動情報を受信する段階と、前記第1の促進情報と前記行動情報とに基づいて得られた学習済解析モデルによって、前記事業者又は前記事業者とは異なる他の事業者による商品及び役務の少なくとも一方の提供に関連する前記消費者の行動を促進するための第2の促進情報を解析する段階とを含む。
【0007】
また、実施形態に係るプログラムは、コンピュータを、消費者に対して提供され、事業者による商品及び役務の少なくとも一方の提供に関連する前記消費者の行動を促進するための第1の促進情報を生成し、前記消費者によって受け取られた前記第1の促進情報に基づいて前記消費者が行った前記商品及び役務の少なくとも一方の提供に関連する行動を示す行動情報を受信し、前記第1の促進情報と前記行動情報とに基づいて得られた学習済解析モデルによって、前記事業者又は前記事業者とは異なる他の事業者による商品及び役務の少なくとも一方の提供に関連する前記消費者の行動を促進するための第2の促進情報を解析するための処理を実行するように構成されたプロセッサとして機能させる。
【発明の効果】
【0008】
実施形態に係るサーバ装置、方法及びプログラムによれば、過去の商品等の利用を促進するための促進情報に基づいて、新たな促進情報を解析できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係るシステム1の構成を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した消費者端末装置100の構成を例示する図である。
【
図3】
図3は、
図1に示したサーバ装置200及び事業者装置300の構成を例示する図である。
【
図4A】
図4Aは、
図1及び
図3に示したサーバ装置200のメモリ213に記憶される情報を示す第1の図である。
【
図4B】
図4Bは、
図1及び
図3に示したサーバ装置200のメモリ213に記憶される情報を示す第2の図である。
【
図5A】
図5Aは、
図1~
図3に示した消費者端末装置100、消費者端末装置100及びサーバ装置200の間で行われる通信処理を示す第1の通信シーケンス図である。
【
図5B】
図5Bは、
図1~
図3に示した消費者端末装置100、消費者端末装置100及びサーバ装置200の間で行われる通信処理を示す第2の通信シーケンス図である。
【
図5C】
図5Cは、
図1~
図3に示した消費者端末装置100、消費者端末装置100及びサーバ装置200の間で行われる通信処理を示す第3の通信シーケンス図である。
【
図6B】
図6Bは、記録媒体が付された広告媒体を例示する図である。
【
図6D】
図6Dは、消費者端末装置100に表示されて業務アプリケーションプログラムのダウンロードに用いられる画像を例示する図である。
【
図7A】
図7Aは、変形例において、配布業者が、広告媒体の配布とともに、事業者と消費者との間で取引を仲介する場合の通信シーケンス図である。
【
図7B】
図7Bは、
図7Aに示した通信シーケンスに対応するサーバ装置200の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下、図面において実質的に同じ構成要素、処理及び情報には同じ符号及び名称が付される。また、図面において構成要素及びデータの数及び種類は例示的に示され、適宜、増減されたり変更されたりする。また、装置における処理及び装置の間における通信の数及び順番は例示的に示され、適宜、変更される。
【0011】
また、図示の都合上、図面において構成要素等の名称の一部が適宜、省略されることがある。また、図面において、発明の本質的な説明に関係しない構成要素は、適宜、省略されることがある。また、以下の記載において「事業者」及び「消費者」は、一人の自然人だけでなく、複数の自然人、法人、及び団体及び企業等を示しうる。また、m,n,pは1以上の整数であり、p’は0以上の整数である。
【0012】
1.システム1の構成
以下、
図1を参照して、実施形態に係るシステム1の構成を説明する。
図1は、実施形態に係るシステム1の構成を示す図である。
図1に示すように、システム1は、通信ネットワーク14を介して互いに情報及びデータを送受信可能に接続された消費者端末装置100と、サーバ装置200と、事業者装置300とを含む。
【0013】
消費者端末装置100は、消費者(ユーザ)により用いられる。サーバ装置200は、広告業者により用いられる。事業者装置300は、消費者に、商品の販売及び役務の提供の少なくとも一方を行う事業者により用いられる。広告業者は、消費者に、事業者が提供する商品の購買、及び事業者が提供する役務の利用の少なくとも一方を促進する広告等を、消費者に配信又は配布する。
【0014】
なお、以下、「事業者が提供する商品を消費者に販売すること、及び事業者が提供する役務を消費者に利用させることの少なくとも一方」等は、「事業者が業務を行う」等と記載される。また、「消費者が、事業者により提供される商品を購入すること、及び事業者により提供される役務を利用すること又はこれらのいずれかを行うこと」等は「消費者が事業者の業務を利用する」等と記載される
【0015】
システム1は、これらの構成要素により、消費者による事業者の業務の利用を促進する情報を、消費者の消費者端末装置100に通信ネットワーク14を介して配信したり、このような情報を掲載した媒体を消費者に配布したりする。なお、以下、「消費者による事業者の業務の利用を促進する情報」は、「促進情報」と記載される。また、システム1は、事業者の業務を利用した消費者に特典を付与する。この特典は、例えば、消費者が事業者により提供される商品を購入した場合に、商品の代金の一部を消費者に返還する、いわゆるキャッシュバックである。あるいは、この特典は、例えば、消費者が事業者に支払う対価の一部又は全部を割引することである。また、この特典は、例えば、消費者が事業者に、事業者の業務の利用に使用可能な、いわゆるポイントを付与するポイントサービスである。また、例えば、この特典は、消費者が事業者の業務を多く利用すればするほど、利用の単価を安くするボリュームディスカウントである。また、この特典は、事業者から消費者への商品の配送料金の免除である。
【0016】
システム1は、促進情報が実際に消費者に配信又は配布されたことを、事業者及び広告業者の少なくともいずれかが確認できるようにする。また、システム1は、促進情報の消費者への配信又は配布により、どの程度、消費者による事業者の事業の利用が増えたか、つまり、促進情報の配信又は配布の効果を確認できるようにする。また、システム1は、過去において行った促進情報(第1の促進情報)の配信又は配布に応じて消費者が取った行動に基づいて、促進情報の配信先又は配布先となる消費者の属性情報等を機械学習して学習済解析モデルを生成する。さらに、システム1は、この学習済解析モデルに基づいて、最新の促進情報(第2の促進情報)の配信先又は配布先を解析し、最適化することにより、促進情報の配信又は配布を、より効果的に行えるようにする。
【0017】
なお、過去において促進情報の配信先又は配布先となった消費者は、最新の促進情報の配信先又は配布先となる消費者と同じであっても、異なっていてもよい。また、過去において促進情報による利用の促進の対象とされた事業(商品及び役務の少なくとも一方の提供)と、最新に促進情報により利用が促進される事業とは同じであっても異なっていてもよい。
【0018】
なお、「事業者」は、例えば、小売業者、元売業者、仲介業者、交通機関、運送業者、電力会社、水道局、通信業者、航空業者、海運業者、水産会社、農業、水産業、不動産業者、広告業者、及びネットワークサービス業者等、様々な業種に属する。また、これらの事業者の「業務」は、これらの事業者により提供される商品及び役務の全てを含む。また、消費者への業務の利用を促進するための方法は、上述したキャッシュバック、業務の利用に対する対価の割引及びポイントサービスの他に、対価の減額、対価の後払い、利用回数に応じた対価の減額、及び抽選による景品の付与等、消費者にとって利益になることの全てを含む。促進情報の消費者への配信は、音声通信、画像配信、動画配信、ネットワーク配信、有線放送、及び電波放送等、様々な方法でなされる。また、促進情報が掲載された告知媒体の配布は、ポスティング、ポスター、看板、及び光学的表示等、様々な手段を用いて行われる。
【0019】
2.システム1による広告媒体の配布の概要
システム1においては、上述したように、促進情報は、電子的な情報として消費者端末装置100に配信されたり、紙等の様々な媒体に印刷されて配布されたりしうる。ただし、以下、説明の具体化及び明確化のために、促進情報が紙の告知媒体に掲載される場合が具体例とされる。なお、このような告知媒体は、一般に「チラシ」等とも呼ばれる。また、以下、広告業者が、事業者との計画に従って、消費者にポスティングにより消費者に告知媒体を配布する場合が具体例とされる。また、事業者の業務を利用した消費者には特典として、キャッシュバックが行われる場合が具体例とされる。また、以下、「告知媒体」は「広告媒体」と記載される。また、以下、ポスティングにより広告媒体を消費者に配布する「広告業者」は、「配布業者」と記載される。
【0020】
本実施形態の理解を容易にするために、システム1による広告媒体の消費者への配布の概要を説明する。配布業者、事業者又はこれら以外の第三者は、サーバ装置200又は事業者装置300等を用いて、ポータルサイトを運営する。ポータルサイトは、消費者が、事業者の業務を利用しようとして通信ネットワーク14にアクセスしたときに、最初に消費者端末装置100に表示される所定のウェブサイトである。なお、以下、ポータルサイトがサーバ装置200を用いて配布業者により運営される場合を具体例とする。従って、ポータルサイトが受信した情報の全てがサーバ装置200に出力され、ポータルサイトが送信する情報の全てがサーバ装置200から入力される。
【0021】
まず、事業者から配布業者に広告媒体のポスティングによる消費者への配布が依頼され、事業者と配布業者との間で、広告の契約が行われる。この契約は、サーバ装置200及び事業者装置300を用いて行われるか、事業者と配布業者が直接に会って行われるかは問われない。また、この契約において、促進情報を広告媒体により配布することが決められる。また、この契約において、広告媒体の配布対象となる消費者の属性、配布の場所的及び時間的な範囲、及びキャッシュバックを特典とすることが決められる。
【0022】
また、この契約において、配布業者が事業者のキャッシュバックの代行を行うか否かが決められる。配布業者が事業者のキャッシュバックを代行する場合には、キャッシュバックの内容が決められる。キャッシュバックの内容は、例えば、キャッシュバックにより消費者に返還される対価の割合、及びキャッシュバックの代行のために事業者から配布業者に支払われる手数料の額等である。また、この契約において、配布業者が、事業者の商品の消費者への配送を代行すること等が決められる。
【0023】
また、この契約において、広告媒体の配布による効果の実績に基づいて、事業者が配布業者に支払う広告媒体の配布の対価が計算されること等が取り決められる。また、この契約において、配布業者が、過去における広告媒体の配布に応じて消費者が取った行動に基づいて、この契約に基づいて行われる広告媒体の配布先となった消費者の属性、配布先の場所的及び時間的範囲を解析して、これらの最適化を行うか否かが決められる。配布業者による広告媒体の配布先となる消費者の属性等の解析及び最適化は、事業者から配布業者への対価の支払いを伴っても伴わなくてもよい。これらの事項を含む契約が成立すると、事業者は、事業者装置300を用いて、
図4Aを参照して後述する促進情報テーブルに含まれる情報を生成し、サーバ装置200に送信する。
【0024】
配布業者のサーバ装置200は、この契約以前に行われたポスティングにおいて広告媒体の配布先となった消費者の属性、及び位置的及び時間的な範囲を示す情報の全てを記憶している。また、サーバ装置200は、
図4Bを参照して後述するように、この契約以前に行われたポスティングにおいて広告媒体の配布先となった消費者それぞれがポータルサイトにアクセスしたか否か等の効果を示す情報の全てを記憶している。
【0025】
サーバ装置200は、これらの情報を機械学習する。サーバ装置200は、この機械学習の結果として、学習済解析モデルを生成する。この学習済解析モデルは、消費者に最も多くの業務を利用させるために、広告媒体を、どのような属性の消費者に、どのような位置的及び時間的な範囲で配布すればよいかを決めるために用いられる。配布業者と事業者との間で、広告媒体の配布先となる消費者の属性等の最適化を行う契約が結ばれている場合には、サーバ装置200は、事業者により生成された広告媒体の配布先となる消費者の属性、及び広告媒体の配布先の位置的及び時間的範囲等を、生成した学習済解析モデルに基づいて解析する。
【0026】
この解析の結果、サーバ装置200は、広告媒体の配達先として最適な消費者の属性、及び位置的及び時間的な範囲を最適化する。サーバ装置200は、解析され、最適化された広告媒体の配達先となった消費者の属性等を、事業者装置300に送信し、配布業者は、最適化された広告媒体の配布先となる消費者の属性等について、事業者の了承を得る。事業者の了承が得られると、配布業者は、最適化情報が示す位置的及び時間的な範囲において、最適化情報が示す属性を有する消費者に、広告媒体を配布する。
【0027】
なお、このような促進情報は、紙の広告媒体に掲載される。さらに、この広告媒体には、消費者が事業者からキャッシュバックを受けるために必要な情報が記録された二次元コード等の記録媒体が付されうる。この記録媒体に記録される情報は、例えば、キャッシュバックを受けるために消費者がアクセスすべきアクセス先のウェブサイトのURL及び広告媒体を識別する情報を示す。この記録媒体に記録される情報は、サーバ装置200から事業者装置300に送信され、事業者は、この情報が記憶された記録媒体を付した広告媒体を、契約に従った数p以上、制作する。事象者は、さらに、制作した広告媒体を配布業者に引き渡して、広告媒体を配布させる。
【0028】
事業者による消費者へのキャッシュバックは、消費者の行動が所定の条件を満たした場合に行われる。この所定の条件は、例えば、消費者が、事業者の業務を利用することを含む。なお、消費者による事業者の業務の利用は、消費者から事業者への対価の支払いを伴っても伴わなくてもよい。また、この所定の条件は、例えば、消費者端末装置100を用いて広告媒体に付された記録媒体からURL及び広告媒体を識別する情報を読み出して、このURLが示す事業者のウェブサイトにアクセスすることを含む。
【0029】
また、この所定の条件は、例えば、事業者又は配布業者のウェブサイトにアクセスした消費者が、事業者の業務を利用するためのアプリケーションプログラムを消費者端末装置100にダウンロードしてインストールすることを含みうる。この場合には、消費者がこの事業者の業務を利用するためのアプリケーションプログラムのダウンロード先は、事業者又は配布業者のウェブサイトであり、このウェブサイトのURLは、広告媒体に付された記録媒体から読み取られうる。なお、以下、「事業者の業務を利用するためのアプリケーションプログラム」は、「業務アプリケーションプログラム」と記載される。また、このようなアプリケーションプログラムは、一般に「アプリ」と略称されることがある。
【0030】
また、この所定の条件は、例えば、消費者が、消費者端末装置100にインストールした業務アプリケーションプログラムを起動し、事業者のウェブサイトに対して個人情報等を登録することを含みうる。また、この所定の条件は、例えば、消費者が、消費者端末装置100を用いて、所定の情報を事業者のウェブサイトにアップロードすることを含みうる。この所定の情報は、消費者が消費者端末装置100を用いて撮影した領収書の画像等、事業者の業務を利用した証拠を示す情報と、広告媒体等に付された記録媒体から読み取られ、広告媒体を識別する情報とを含みうる。なお、配布業者が事業者に代わって消費者にキャッシュバックを行うことがある。この場合には、消費者は、消費者端末装置100を用いて、配布業者がサーバ装置200を用いて運営するポータルサイトにアクセスすればよい。
【0031】
消費者により、領収書の画像等が、広告媒体を識別する情報とともにアップロードされたということは、この消費者に確実に広告媒体が配布されたことを示す。また、このことは、消費者が、配布された広告媒体に付された記録媒体からURL等及び広告媒体を識別する情報を読み出して、事業者の業務を利用したことを示す。また、配布された広告媒体の数pに対して、どの程度の割合で消費者がポータルサイトにアクセスしたり、事業者からキャッシュバックを受けるかの割合は、配布業者等により統計的又は経験的に推定されたりしうる。
【0032】
契約において決められた広告媒体の数pと、上述した割合とに基づいて、配布業者は、実際に消費者に配布した広告媒体の数p’の実績を、事業者に確実に証明することができる。また、同様に、配布業者は、広告媒体の配布の効果を事業者に証明できる。従って、配布業者は、広告媒体の配布の実績とその効果等とに基づき、また、契約の内容に従って、配布業者は、事業者に請求する広告媒体の配布への対価の額を計算し、事業者に請求し、支払いを受けることができる。
【0033】
さらに、配布業者は、過去における広告の配布に用いた情報、及び過去における広告の配布に対する消費者の反応を示す情報を蓄積できる。このように蓄積した配布に用いた情報を、消費者の反応を示す情報を用いて機械学習することにより、配布業者は、最新の広告の配布に用いる情報を解析し、最適化するための学習済解析モデルを得ることができる。このような学習済解析モデルを用いて、広告媒体を配布しようとする事業者が作成した広告媒体の配布先となる消費者等の情報を解析し、最適化することにより、この事業者に、よりよい広告媒体の配布先となる消費者等の情報を提供でき、事業者の業務の発展に寄与できる。
【0034】
なお、上記においては、促進情報として紙の広告媒体を配布する場合について説明したが、このような促進情報は紙の広告媒体のみには限らない。例えば、広告媒体に付された二次元コードを読み取って所定のポータルサイトにアクセスすることによってクーポン情報を促進情報として配布(配信)することが可能である。この場合、クーポン情報を配信した結果に対する消費者の反応を示す情報を用いて機械学習することにより、配布業者はクーポン情報の配信条件や配信先を最適化するための学習済み解析モデルを得ることができる。このような学習済解析モデルを用いて、クーポン情報を配布しようとする事業者が作成したクーポン情報の配信先となる消費者等の情報を解析し、最適化することにより、この事業者に、よりよい配信先となる消費者等の情報を提供でき、事業者の業務の発展に寄与できる。
【0035】
3.消費者端末装置100の構成
以下、
図2を参照して消費者端末装置100の構成を説明する。
図2は、
図1に示した消費者端末装置100の構成を例示する図である。なお、消費者端末装置100は、
図2に示す構成要素の全てを備える必要はなく、消費者端末装置100の一部の構成要素は省略されうる。また、消費者端末装置100には、
図2に示した以外の他の構成要素が加えられうる。
【0036】
消費者端末装置100は、システム1において他の装置と通信したり、上述したシステム1による広告媒体の配布のために必要な処理を実行したりできる装置である。消費者端末装置100としては、スマートフォン等の無線通信可能な携帯端末装置、タブレット型パーソナルコンピュータ(PC)、ノート型PC及びデスクトップ型PC等が用いられうる。
【0037】
なお、システム1には複数の消費者端末装置100が含まれうるが、これらの全てが同じであったり、同種であったりする必要はなく、システム1は、互いに異なっていたり、異なる種類の消費者端末装置100を含んでよい。この場合には、例えば、ある消費者の消費者端末装置100がスマートフォンで、他の消費者端末装置100はデスクトップ型PCであってよい。
【0038】
図2に示すように、消費者端末装置100は、ディスプレイ111、プロセッサ112、メモリ113、通信インターフェイス(通信IF)114、及び入力インターフェイス(入力IF)116を含む。そして、消費者端末装置100のこれらの構成要素は、バス及び制御ライン(不図示)を介して電気的に接続され、データ及び情報を相互に送受信する。
【0039】
ディスプレイ111は、スピーカ(不図示)を含み、メモリ113から入力される画像を表示し、音声を出力する出力装置として機能する。なお、ディスプレイ111は、消費者端末装置100の外部に配置され、出力インターフェイス(不図示)を介して接続されても、消費者端末装置100と一体に構成されて出力インターフェイスに接続されてもよい。
【0040】
プロセッサ112は、1以上のCPU(マイクロプロセッサ)とその周辺回路とから構成される。あるいは、プロセッサ112は、1以上のCPUと画像処理に特化した1以上のGPU等との組み合わせと、その周辺回路とから構成される。プロセッサ112は、メモリ113に記憶された各種プログラムに基づいて、接続された他の構成要素を制御する制御部として機能する。
【0041】
具体的には、プロセッサ112は、通信ネットワーク14を介した他の装置との通信の処理を実行するためのアプリケーションプログラムをメモリ113から読み出して実行する。また、メモリ113は、上述したシステム1による広告媒体の配布において消費者端末装置100が行う処理を実行するためのアプリケーションプログラムをメモリ113から読み出して実行する。また、プロセッサ112は、上述したようにポータルサイトからダウンロードされた業務アプリケーションプログラムをメモリ113から読み出して実行する。また、プロセッサ112は、OSを実行するためのプログラムをメモリ113から読み出して実行する。
【0042】
メモリ113は、ROM、RAM、不揮発性メモリ(NVM)、及びHDD等から構成され、記憶部として機能する。さらに、メモリ113には、消費者端末装置100に対して着脱可能な記憶媒体やデータベース等が接続されうる。
【0043】
ROMは、書き込まれたデータを電源の供給なしに保持できるが、プロセッサ112からのデータの書き込みが不可能なメモリである。ROMは、本実施形態に係るアプリケーションプログラムやOSを実行するための所定の指示命令をプログラムとして記憶する。
【0044】
RAMは、電源が供給されている間だけデータを保持し、プロセッサ112からのデータの書き込み、及びデータの読み出しが可能なメモリである。不揮発性メモリは、書き込まれたデータの電源の供給なしの保持が可能であり、また、プロセッサ112からのデータの書き込み、及びデータの読み出しが可能なメモリである。
【0045】
RAM及び不揮発性メモリに対しては、ROMに記憶されたプログラムがプロセッサ112により処理されている間に、この処理に必要とされるデータの書き込み及び読み込みが行われうる。また、RAM及び不揮発性メモリには、上述したように、ポータルサイトからダウンロードされた業務アプリケーションプログラム等の実行に応じたデータの書き込み及び読み込みが行われうる。
【0046】
具体的には、メモリ113は、通信ネットワーク14を介した他のノードとの通信の処理を実行するためのアプリケーションプログラムを記憶する。また、メモリ113は、上述したシステム1による広告媒体の配布において消費者端末装置100が行う処理を実行するためのアプリケーションプログラムを記憶する。また、プロセッサ112は、上述したようにポータルサイトからダウンロードされた業務アプリケーションプログラムを記憶する。また、プロセッサ112は、OSを実行するためのプログラムを記憶する。
【0047】
通信インターフェイス114は、通信処理回路115及びアンテナを含む。通信インターフェイス114は、通信処理回路115及びアンテナを介して通信ネットワーク14と消費者端末装置100とを接続し、通信ネットワーク14に接続された他の装置との間で、データの送受信を行う通信部として機能する。
【0048】
具体的には、通信インターフェイス114は、上述したポータルサイトとの間で通信を行い、上述した業務アプリケーションプログラムを受信したり、消費者の情報を登録したりする。また、通信インターフェイス114は、システム1による広告媒体の配布における消費者端末装置100の処理に必要とされる情報及びデータを、他の装置との間で送受信する。
【0049】
通信インターフェイス114の通信処理回路115は、広帯域無線通信方式又は狭帯域無線通信方式により、通信ネットワーク14と消費者端末装置100の間で、アンテナを介して情報を通信するための通信処理を行う。広帯域無線通信方式は、例えばLTE方式である。また、狭帯域無線通信方式は、例えばIEEE802.11及びBluetooth(登録商標)である。なお、通信処理回路115は、無線通信方式の代わりに、又は無線通信方式に加えて、有線通信方式による通信のための処理を行ってもよい。
【0050】
入力インターフェイス116は、タッチパネル117及びカメラ118等の入力デバイスと有線通信又は無線通信によって接続され、ユーザの操作を受け入れて各種情報の入力を受ける入力部として機能する。入力インターフェイス116の例としては、シリアルポート、パラレルポート及びUSB等、様々な規格に準拠したがデバイスが挙げられる。
【0051】
また、入力インターフェイス116が、タッチパネル117等を無線通信方式(例えば、Bluetooth(登録商標))により接続する場合には、入力インターフェイス116が通信インターフェイス114の処理を実行しうる。この場合には、反対に、通信インターフェイス114は、入力インターフェイス116の処理を実行しうる。
【0052】
タッチパネル117は、例えば、ディスプレイ111の画面を被覆するように配置される。タッチパネル117は、ディスプレイ111が表示するアイコン等に対するユーザによるスワイプ操作やタップ操作を検出して、プロセッサ112に出力する。
【0053】
カメラ118は、例えば、タッチパネル117を介して受け入れられた消費者の操作に応じて、消費者端末装置100の外部の物体の画像を撮影する。なお、カメラ118は、システム1において、特に、広告媒体に付された記録媒体の画像を撮影し、URL及び促進識別情報W(
図4A)を識別するために用いられる。
【0054】
なお、消費者端末装置100とタッチパネル117及びカメラ118とは一体に構成されても、別々に構成されてもよい。消費者端末装置100と、タッチパネル117及びカメラ118とが一体に構成されず、別々に構成されるときには、これらの間は無線通信方式又は有線通信方式に従って接続される。
【0055】
4.サーバ装置200及び事業者装置300の構成
以下、
図3を参照して、
図1に示したサーバ装置200及び事業者装置300の構成を説明する。
図3は、
図1に示したサーバ装置200及び事業者装置300の構成を例示する図である。例えば、サーバ装置200は、PCサーバあるいは大型コンピュータである。
【0056】
なお、サーバ装置200と事業者装置300とには本質的な構成の差異はなく、例えば、事業者装置300にサーバ装置200用のアプリケーションプログラムをインストールして実行すれば、事業者装置300はサーバ装置200としての機能を実現する。反対に、サーバ装置200に事業者装置300用のアプリケーションプログラムをインストールして実行すれば、サーバ装置200は事業者装置300としての機能を実現する。
【0057】
図3に示すように、サーバ装置200及び事業者装置300は、
図2に示した消費者端末装置100と同様に、出力インターフェイス211と、プロセッサ212と、メモリ213と、通信インターフェイス214とを含む。そして、サーバ装置200及び事業者装置300のこれらの構成要素は、バス及び制御ライン(不図示)を介して電気的に接続され、データ及び情報を相互に送受信する。
【0058】
なお、サーバ装置200及び事業者装置300は、
図3に示す構成要素の全てを備える必要はなく、一部の構成要素は省略されうる。また、サーバ装置200及び事業者装置300に、
図3に示した以外の他の構成要素、例えば、ディスプレイ111、入力インターフェイス及び入力デバイス等が加えられうる。なお、サーバ装置200及び事業者装置300のメモリ213及びプロセッサ212は、1台のコンピュータにおいて一体に構成されても、複数のコンピュータに渡って分散されて構成されてもよい。
【0059】
出力インターフェイス211は、スピーカ(不図示)及びディスプレイ111等の出力デバイスをサーバ装置200及び事業者装置300に接続する。なお、これらの出力デバイスは、サーバ装置200及び事業者装置300の外部に配置され、出力インターフェイス211を介して接続されても、サーバ装置200及び事業者装置300と一体に構成されて出力インターフェイス211に接続されてもよい。
【0060】
プロセッサ212は、1以上のCPU(マイクロプロセッサ)とその周辺回路とから構成されうる。あるいは、プロセッサ212は、1以上のCPUと画像処理に特化した1以上のGPU等との組み合わせと、その周辺回路とから構成されうる。プロセッサ212は、メモリ213に記憶された各種プログラムに基づいて、接続された他の構成要素を制御する制御部として機能する。
【0061】
具体的には、サーバ装置200及び事業者装置300のプロセッサ212は、通信ネットワーク14を介した他の装置との通信の処理を実行するためのアプリケーションプログラムをメモリ213から読み出して実行する。また、プロセッサ212は、OSを実行するためのプログラムをメモリ213から読み出して実行する。
【0062】
実施形態においては、特に、サーバ装置200のプロセッサ212は、消費者に対して提供され、事業者による商品及び役務の少なくとも一方の提供に関連する消費者の行動を促進するための第1の促進情報を生成する所定の指示命令を含むアプリケーションプログラムをメモリ213から読み出して実行する。また、サーバ装置200のプロセッサ212は、消費者によって受け取られた第1の促進情報に基づいて消費者が行った商品及び役務の少なくとも一方の提供に関連する行動を示す行動情報を受信する所定の指示命令を含むアプリケーションプログラムをメモリ213から読み出して実行する。また、また、サーバ装置200のプロセッサ212は、第1の促進情報と行動情報とに基づいて得られた学習済解析モデルによって、事業者又は事業者とは異なる他の事業者による商品及び役務の少なくとも一方の提供に関連する消費者の行動を促進するための第2の促進情報を解析する所定の指示命令を含むアプリケーションプログラムをメモリ213から読み出して実行する。
【0063】
メモリ213は、ROM、RAM、不揮発性メモリ(NVM)、及びHDD等から構成され、記憶部として機能する。さらに、メモリ213には、消費者端末装置100に対して着脱可能な記憶媒体やデータベース等が接続されうる。
【0064】
ROMは、書き込まれたデータを電源の供給なしに保持できるが、プロセッサ212からのデータの書き込みが不可能なメモリである。ROMは、本実施形態に係るアプリケーションプログラムやOSを実行するための所定の指示命令をプログラムとして記憶する。
【0065】
RAMは、電源が供給されている間だけデータを保持し、プロセッサ212からのデータの書き込み、及びデータの読み出しが可能なメモリである。不揮発性メモリは、書き込まれたデータの電源の供給なしの保持が可能であり、また、プロセッサ212からのデータの書き込み、及びデータの読み出しが可能なメモリである。
【0066】
RAM及び不揮発性メモリに対しては、ROMに記憶されたプログラムがプロセッサ212により処理されている間に、この処理に必要とされるデータの書き込み及び読み込みが行われうる。また、RAM及び不揮発性メモリには、上述したように、ポータルサイトからダウンロードされた業務アプリケーションプログラム等の実行に応じたデータの書き込み及び読み込みが行われうる。
【0067】
具体的には、メモリ213は、通信ネットワーク14を介したサーバ装置200及び事業者装置300と他のノードとの通信の処理を実行するためのアプリケーションプログラムを記憶する。また、メモリ213は、上述したシステム1による広告媒体の配布においてサーバ装置200及び事業者装置300が行う処理を実行するための業務アプリケーションプログラムを記憶する。また、プロセッサ212は、OSを実行するためのプログラムを記憶する。
【0068】
実施形態においては、特に、サーバ装置200のメモリ213は、消費者に対して提供され、事業者による商品及び役務の少なくとも一方の提供に関連する消費者の行動を促進するための第1の促進情報を生成する所定の指示命令を含むアプリケーションプログラムを記憶する。また、サーバ装置200のメモリ213は、消費者によって受け取られた第1の促進情報に基づいて消費者が行った商品及び役務の少なくとも一方の提供に関連する行動を示す行動情報を受信する所定の指示命令を含むアプリケーションプログラムを記憶する。また、また、サーバ装置200のメモリ213は、第1の促進情報と行動情報とに基づいて得られた学習済解析モデルによって、事業者又は事業者とは異なる他の事業者による商品及び役務の少なくとも一方の提供に関連する消費者の行動を促進するための第2の促進情報を解析する所定の指示命令を含むアプリケーションプログラムを記憶する。
【0069】
サーバ装置200及び事業者装置300の通信インターフェイス214は、消費者端末装置100の通信インターフェイス114と同様に、通信処理回路115及びアンテナ(不図示)を含む。通信インターフェイス214は、通信処理回路115及びアンテナを介して通信ネットワーク14とサーバ装置200及び事業者装置300と接続し、通信ネットワーク14に接続された他の装置との間で、データの送受信を行う通信部として機能する。
【0070】
具体的には、サーバ装置200及び事業者装置300の通信インターフェイス214は、上述したポータルサイトとの間で情報を送受信する。また、サーバ装置200及び事業者装置300の通信インターフェイス214は、システム1による広告媒体の配布におけるサーバ装置200及び事業者装置300の処理に必要とされる情報及びデータを、他の装置との間で送受信する。
【0071】
5.サーバ装置200のメモリ213に記憶される情報
以下、
図1及び
図3に示したサーバ装置200のメモリ213に記憶される情報を説明する。
図4Aは、促進情報の管理に用いられる促進情報テーブルを示す図である。
図4Bは、消費者の管理に用いられる消費者テーブルを示す図である。
【0072】
図4Aに示すように、促進情報テーブルは、mの促進情報に関する情報を含む。促進情報テーブルの各行は、促進識別情報W、条件情報A、促進情報B、提供方法情報G、対象情報H、配布先位置情報I、時間情報K、行動集計情報L、効果情報M及び実績情報Nを対応付けて含む。促進情報Bは、告知情報C、事業者属性情報D、告知属性情報E及びクーポン情報Fを対応付けて含む。
【0073】
また、
図4Bに示す消費者テーブルは、n人の消費者に関係する情報を含む。n人の消費者は、最新の広告媒体が配布される消費者を含む。
図4Bに示すように、消費者テーブルの各行は、消費者(ユーザ)識別情報U、属性情報P、及び行動情報Oを対応付けて含む。また、行動情報Oは、アクセス情報R、利用情報S、領収書情報T、及びクーポン使用情報Vを対応付けて含む。
【0074】
なお、促進情報テーブルにおいては、事業者と配布業者との間で広告の契約が行われ、広告が行われるたびに新たな行が生成されてメモリ213に記憶される。新たな契約により広告が行われても、過去に追加された行は、特別の理由がなければ消去されない。従って、促進情報テーブルにおいては、新たに広告が行われるたびに情報が追加され、蓄積される。
【0075】
また、消費者テーブル(
図4B)には、新しい消費者に広告媒体が配布されるたびに、この配布以前にはなかった新しい消費者の行が生成されてメモリ213に記憶される。一方、新たな消費者の行が追加されても、消費者の引っ越し等により情報が無効になった等の削除理由が生じない限り、過去に追加された行は消費者テーブルから削除されない。従って、消費者情報テーブルには、新たな情報が、新たな消費者に広告媒体が配布されるたびに追加され、蓄積される。
【0076】
図4Aに示す促進情報テーブルのmの行それぞれにおいて、促進識別情報Wは、促進情報を一意に識別する。言い換えると、促進識別情報Wは、促進情報テーブルに含まれるmの行それぞれに含まれる情報を一意に識別する。なお、促進識別情報Wは、広告媒体を識別する情報とされうる。
【0077】
条件情報Aは、消費者がいかなる条件を満たした場合に、この消費者に事業者が特典を与えるかを示す。この条件は、例えば、消費者が、広告媒体に付された二次元コード等の記録媒体から、サーバ装置200が運営するポータルサイトのURLを、消費者端末装置100を用いて読み出し、消費者がポータルサイトにアクセスすることを含む。また、この条件は、消費者が、ポータルサイトから、業務アプリケーションプログラムを消費者端末装置100にダウンロードして実行し、消費者の個人情報等を登録することを含む。さらに、この条件は、この登録に応じてポータルサイトから、消費者端末装置100に、促進識別情報Wとともに送信されるクーポンを用いて、事業者の業務を利用することを含む。以下の説明においては、条件情報Aが、この部分の記載に示した条件を全て満たした場合に、事業者が消費者に特典を与える場合を具体例とする。ただし、条件情報Aが示す条件は、事業者の方針等により、適宜、変更され、事業者と配布業者との契約もまた変更されうる。変更された条件情報Aにより促進情報テーブルもまた更新され、メモリ213に記憶される。
【0078】
促進情報テーブルの促進情報Bは、提供方法情報G、対象情報H、配布先位置情報I及び時間情報Kの少なくともいずれかに基づいて、電子的なデータとして消費者の消費者端末装置100に配信される。あるいは、促進情報Bは、紙媒体等に掲載されて消費者の自宅等に配布される。促進情報Bは、消費者による事業者の事業の利用を促進するために用いられる。
【0079】
促進情報Bに含まれる告知情報Cは、上述したように、消費者による事業者の業務の利用の促進のために用いられる広告等を示す。また、事業者属性情報Dは、促進情報Bを利用する事業者、その業種及び規模等の事業者の属性を示す。また、告知属性情報Eは、告知情報Cにより利用が促進される業務、この業務を提供する事業者、及びこの業務の利用者による利用の対価等、告知情報Cの属性を示す。
【0080】
また、クーポン情報Fは、上述したように、事業者から消費者への特典の付与のためにクーポンが用いられるか否か、及びクーポンが用いられる場合のクーポンの内容を示す。クーポンは、例えば、クーポンの画像、及び事業者から消費者にキャッシュバックされる対価の割合を示す情報を含む。さらに、クーポンは、対応する告知情報C、事業者属性情報D及び告知属性情報Eへの参照に用いられる参照情報を含む。サーバ装置200等は、この参照情報を用いて、クーポンに対応する告知情報C、事業者属性情報D及び告知属性情報Eを参照できる。従って、サーバ装置200等は、クーポンを処理することにより、クーポンにより利用が促進される業務、この業務を提供する事業者、業務の対価、及び特典の内容等を示す情報を取得できる。
【0081】
提供方法情報Gは、促進情報Bに含まれる告知情報Cやクーポン情報Fの消費者への提供方法及び条件を示す。例えば、促進情報Bに含まれる告知情報Cが紙媒体への掲載により消費者に提供される情報であれば、提供方法情報Gは、紙媒体の配布の方法及び配布の条件を示す。紙媒体の配布方法は、ポスティング、及び店頭又は街頭における配布等を含む。また、例えば、促進情報Bあるいは、促進情報Bの告知情報Cが電子的な情報であれば、提供方法情報Gは、サーバ装置200等から通信ネットワーク14を介した消費者端末装置100への告知情報Cの配信方法及び配信の条件を示す。電子的な情報の配信方法は、例えば、電子的な情報の配信元のウェブサイトのURL、及び促進識別情報Wが記録された二次元コード等の記録媒体を利用した配信方法を含む。また、電子的な情報の配信方法は、例えば、消費者端末装置100にダウンロードされてインストールされる業務アプリケーションプログラムを利用した配信方法を含む。配布の条件は、例えば、告知情報Cの内容に応じて、この告知情報Cが掲載された紙媒体を配布する位置的及び時間的な範囲が限定されること等を示す。配信の条件もまた、例えば、告知情報Cの内容に応じて、この告知情報Cを配信する位置的及び時間的な範囲が限定されること等を示す。
【0082】
また、促進情報Bに含まれるクーポン情報Fが消費者に配信により提供される情報であれば、提供方法情報Gはその配信方法や条件を示す。クーポン情報Fの配信方法としては、二次元コードに記録されたポータルサイトのURLにアクセスすることによって当該ポータルサイトより配信される方法や、あらかじめ所定のアプリケーションプログラムをインストールして当該アプリケーションプログラムを通じて配信する方法や、あらかじめ消費者に登録されたメールアドレスにクーポン情報を送信する方法や、当該メールアドレスにクーポン情報を取得可能なサイトのURLを記載し当該URLにアクセスさせることで配信する方法などがある。また、クーポン情報Fの配信条件としては、所定のポータルサイト等へのアクセスや、事業者が提供するサービスを他の消費者に紹介することや、事業者が提供するサービスの過去の利用状況(例えば、ポイント数)や、アクセスした曜日、日にち(例えば、誕生日や誕生月など)、時間などがある。なお、特に詳細には記載しないが、クーポン情報Fについても、告知情報Cと同様に、対象情報Hや配布先情報I、時間情報Kによりその配信先をさらに限定してもよい。
【0083】
対象情報Hは、促進情報Bに含まれる告知情報Cの配信先又は配布先として相応しい消費者の属性を示す。なお、この属性は、消費者テーブル(
図4B)に含まれる属性情報Pに対応する。配布先位置情報Iは、告知情報Cの配信先又は配布先となる位置的な範囲を、例えば、都市の中心部、郊外、住宅街及びビル街等の属性、地図上の名称、経度及び緯度等により示す。
【0084】
時間情報Kは、促進情報Bに含まれる告知情報Cを消費者に配信又は配布する時間的な範囲を示す。時間情報Kは、例えば、事業者がスーパーマーケットであり、告知情報Cが、スーパーマーケットの広告媒体に掲載される場合には、時間情報Kは、消費者がスーパーマーケットで購入する品物を選択する曜日及び時間帯を示す。また、例えば、事業者が衣料品の小売業であり、告知情報Cが、バーゲンセールを事業として促進する場合には、時間情報Kは、季節の変わり目の期間等を示す。
【0085】
行動集計情報Lは、サーバ装置200が消費者テーブル(
図4B)に含まれる行動情報Oを集計することにより、広告媒体の配布に応じて消費者が行った行動を示す以下の第1~第4の割合を示す情報の少なくとも一つを含む。例えば、第1の割合は、広告媒体の数pに対して、広告媒体の配布を受けてポータルサイトにアクセスした消費者の数を示す。第1の割合は、広告媒体の配布を受けた消費者がポータルサイトにアクセスしたことを示すアクセス情報Rの総数を、配布された広告媒体の数pで除算することにより計算されうる。第2の割合は、配布された広告媒体の数pに対して、広告媒体の配布を受けて事業者の業務を利用した消費者の数の割合を示す。第2の割合は、広告媒体の配布を受けた消費者が事業者の業務を利用したことを示す利用情報Sの総数を、配布された広告の数pで除算することにより計算されうる。第3の割合は、配布された広告媒体の数pに対して、領収書等の画像をポータルサイトにアップロードした消費者の数の割合を示す。第3の割合は、広告媒体の配布を受けて領収書の画像をポータルサイトにアップロードしたことを示す領収書情報Tの総数を、配布された広告の数pで除算することにより計算されうる。第4の割合は、配布された広告媒体の数pに対して、クーポンを利用して事業者の業務を利用した消費者の数の割合を示す。第4の割合は、広告媒体の配布を受けた消費者がクーポンを使用したことを示すクーポン使用情報Vの総数を、配布された広告の数pで除算することにより計算されうる。
【0086】
効果情報Mは、広告媒体の効果、例えば、配布された広告媒体の数に対して、広告媒体の配布先となった消費者が事業者の業務を利用に対して支払った対価の総額を示す。効果情報Mは、以下の第1及び第2の処理により生成される。第1の処理において、サーバ装置200は、行動情報Oに含まれる領収書情報Tに含まれる領収書等の画像をOCR処理して領収書情報Tそれぞれから消費者が支払った対価を読み取る。第2の処理において、サーバ装置200は、消費者が事業者の業務の利用に対して支払った対価の総額を計算し、配布した広告媒体の数pで除算し、効果情報Mを生成する。
【0087】
実績情報Nは、配布される予定であった広告媒体の数pに対して、実際に消費者に配布された広告媒体の数p’の割合を示す。広告媒体の数pに対して、広告媒体の配布を受けてポータルサイトにアクセスする消費者の割合は、統計的、あるいは配布業者の経験により推定されうる。従って、消費者に実際に配布されたと推定される広告媒体の数p’は、行動情報Oに含まれるアクセス情報Rの総数を、この割合で除算することにより計算されうる。実績情報Nは、消費者に実際に配布されたと推定された広告媒体の数p’を、配布される予定であった広告媒体の数pで除算することにより計算される。実績情報N(=p’/p)が1以下の値である場合には、実績情報Nが1に近ければ近いほど、配布業者は、誠実に広告媒体を消費者に配布した実績を事業者に主張できる。あるいは、実績情報Nが1より大きい値である場合には、配布業者は、広告媒体の配布が予想以上の効果を示した実績を事業者に主張できる。
【0088】
以上説明したように、対象情報H、配布先位置情報I及び時間情報Kは、促進情報Bに含まれる告知情報Cによる事業の利用の促進の対象として相応しい消費者の属性、位置的及び時間的な範囲を示す。ただし、上述したように、広告の契約において、配布業者が配信先又は配布先となる消費者の属性等の最適化を行うことが決められうる。なお、最適化される前の初期的な条件情報A、提供方法情報G、対象情報H、配布先位置情報I及び時間情報Kは、例えば、事業者により事業者装置300を用いて生成作成され、広告媒体の配布が行われる前に、サーバ装置200に送信される。
【0089】
図4Bに示す消費者テーブルのnの行それぞれにおいて、消費者識別情報Uは、促進情報Bに含まれる告知情報Cの配信先又は配布先となりうる消費者を一意に識別する。言い換えると、消費者識別情報Uは、消費者テーブルに含まれるnの行それぞれに含まれる情報を一意に識別する。なお、消費者識別情報Uは、過去において広告媒体の配布の対象となった消費者だけでなく、最新に広告媒体の配布の対象となる消費者をも識別する。
【0090】
属性情報Pは、上述したように、促進情報テーブル(
図4A)に含まれる対象情報Hに対応し、消費者識別情報Uにより識別される消費者の個人情報等の属性を示す。さらに、具体的には、属性情報Pは、この消費者の属性として、氏名、住所、年齢、性別、決済口座、消費者の過去の業務の利用履歴、消費者の趣味、及び嗜好等を示す。サーバ装置200は、例えば、上述したように、消費者端末装置100にダウンロードした業務アプリケーションプログラムを起動し、ポータルサイトに対して消費者に個人情報を登録させる。属性情報Pは、このような登録等により収集された個人情報から生成される。
【0091】
行動情報Oは、消費者識別情報Uにより識別される消費者が、広告媒体の配信又は配布を受けた後の行動を示すアクセス情報R、利用情報S、領収書情報T及びクーポン使用情報Vを含む。さらに、行動情報Oは、アクセス情報R、利用情報S、領収書情報T及びクーポン使用情報V以外に他の情報を含みうる。他の情報は、例えば、消費者が、業務アプリケーションプログラムを消費者端末装置100にダウンロードしてインストールしたか否かを示す。また、さらに他の情報は、例えば、消費者が、消費者端末装置100で業務アプリケーションプログラムを起動し、事業者又は配布業者のウェブサイトに対して個人情報等を登録したか否かを示す。
【0092】
行動情報Oに含まれる情報のうち、アクセス情報Rは、広告媒体の配布を受けた消費者が、所定のウェブサイト、例えば、上述したポータルサイトにアクセスしたか否かを示す。なお、この所定のウェブサイトは、例えば、促進情報Bに含まれる告知情報C(
図4A)の配信又は配布を受けた消費者が、消費者端末装置100を用いて広告媒体に付された記録媒体から読み出した記録媒体情報に含まれるURLにより特定される。利用情報Sは、促進識別情報Wにより識別される告知情報Cにより消費者の利用が促進された事業者の業務を、消費者識別情報Uにより識別される消費者が利用したか否かを示す。領収書情報Tは、この事業者の業務を利用した消費者が、業務の利用に対する対価の支払いに応じて発行された領収書の画像等、この事業者の業務を利用したこと及びその対価の額を証明する情報を示す。または、領収書情報Tは、消費者が、促進識別情報Wとともにサーバ装置200又は事業者装置300にアップロードした画像等の情報を示す。クーポン使用情報Vは、消費者が、告知情報C(
図4A)が掲載された広告媒体に付される等により配信又は配布されたクーポンを使用したか否かを示す。
【0093】
6.通信シーケンス
以下、
図5A~
図5Cを参照して、システム1における消費者端末装置100、サーバ装置200及び事業者装置300の間の通信シーケンスを説明する。
図5A~
図5Cは、
図1~
図3に示した消費者端末装置100、消費者端末装置100及びサーバ装置200の間で行われる通信処理を示す第1~第3の通信シーケンス図である。なお、
図5Aに示された通信シーケンスにおいては、
図1を参照して上述したように、促進情報Bの告知情報Cが掲載され、さらに、記録媒体が付された紙の広告媒体を、ポスティングにより消費者に配布する場合を具体例とする。また、サーバ装置200がウェブサーバとしての機能を有し、サーバ装置200が事業者のポータルサイトを運営し、消費者に提供する場合が具体例とされる。
【0094】
従って、ポータルサイトから消費者端末装置100に送信される情報の全ては、サーバ装置200から出力される。また、ポータルサイトに対して入力された情報の全ては、サーバ装置200に入力される。また、上述したように、事業者による広告媒体の制作、事業者から配布業者への広告媒体の納品、及び配布業者による広告媒体の消費者への配布等は、人手によらねばならない部分を含む。従って、説明の便宜上、
図5A等に示す通信シーケンス及び処理には、消費者端末装置100及びサーバ装置200により行われる処理及び通信の他に、人手による作業が含まれる。
【0095】
図5Aに示すS100において、サーバ装置200を用いる配布業者と、事業者装置300を用いる事業者とは、両者の間で決められた数pの広告媒体のポスティングによる広告媒体の配布の契約を行う。なお、この契約は、上述のように、サーバ装置200、通信ネットワーク14及び事業者装置300を介して行われても、事業者及び配布業者者が直接に会って行われてもよい。この契約において、
図1を参照して説明したような事項が決められる。なお、この説明においては、契約において対象情報H等の最適化を行うことが決められている場合を具体例とする。事業者装置300及びサーバ装置200のプロセッサ212は、この契約を示す契約情報を、メモリ213に記憶する。
【0096】
S102において、事業者は、例えば、メモリ213に着脱可能な記録媒体を用いて、事業者装置300に、紙の広告媒体に掲載される広告を示す告知情報Cを含む促進情報B(
図4A)を入力する。事業者装置300のプロセッサ212は、メモリ213を介して促進情報Bを受信してメモリ213に記憶する。さらに、事業者装置300のプロセッサ212は、メモリ213から促進情報Bを読み出し、通信インターフェイス214を介して、サーバ装置200に、受信した促進情報Bを送信する。
【0097】
S104において、事業者装置300のプロセッサ212は、促進情報テーブルの各行に含まれる促進情報B以外の初期の情報を、通信インターフェイス214を介してサーバ装置200に送信する。つまり、プロセッサ212は、上述したように、初期の条件情報A、促進識別情報W、提供方法情報G、対象情報H、配布先位置情報I及び時間情報Kを、通信インターフェイス214を介してサーバ装置200に送信する。サーバ装置200のプロセッサ212は、通信インターフェイス214を介して、これらの初期の情報を受信する。サーバ装置200のプロセッサ212は、さらに、これらの初期の情報により促進情報テーブルを更新し、メモリ213に記憶する。
【0098】
S106において、サーバ装置200のプロセッサ212は、S214の処理において受信し、メモリ213に記憶した情報に対して、学習済解析モデルに基づく解析を行い、これらの情報を最適化する。学習済解析モデルは、消費者端末装置100のプロセッサ212による促進情報テーブル及び消費者テーブルに含まれる情報の学習により生成される。学習済解析モデルは、蓄積された促進情報テーブル及び消費者テーブルの一部又は全部に含まれる情報に基づいて、プロセッサ212が機械学習することにより生成され、メモリ213に記憶される。学習済解析モデルは、広告媒体の配布及びクーポン情報の配信後に、消費者が最も多くの行動を行ったことを示す行動情報Oが生成されるように、提供方法情報G、対象情報H、配布先位置情報I及び時間情報Kを生成するために用いられる。
【0099】
S108において、サーバ装置200のプロセッサ212は、S104の処理において、広告媒体及びクーポン情報について、最適化された提供方法情報G、対象情報H、配布先位置情報I及び時間情報Kを示す最適化情報を、通信インターフェイス214を介して事業者装置300に送信する。事業者装置300のプロセッサ212は、通信インターフェイス214を介して最適化情報を受信し、ディスプレイ11に表示して事業者に示す。
【0100】
S110において、事業者装置300において表示された最適化情報を事業者が確認し、さらに承認するための操作を事業者装置300の入力インターフェイス(不図示)に対して行う。事業者装置300のプロセッサ212は、この操作を受け入れる。
【0101】
S112において、事業者装置300のプロセッサ212は、S110の処理において受け入れた事業者の操作に従って、事業者が最適化情報の内容を承認したことを示す承認情報を生成する。プロセッサ212は、生成した承認情報を、通信インターフェイス214を介してサーバ装置200に送信する。
【0102】
S114において、事業者装置300のプロセッサ212は、促進情報テーブル(
図4A)に新たな行を追加する。さらに、プロセッサ212は、新たな行に含める情報を生成し、生成した情報により促進情報テーブルを更新してメモリ213に記憶する。
【0103】
S116において、サーバ装置200のプロセッサ212は、広告媒体に付される記録媒体を示す情報、又は記録媒体に記録される情報を、通信インターフェイス214を介して事業者装置300に送信する。この記録媒体は、例えば、消費者端末装置100のプロセッサ112が情報を非接触で読み出し可能なRFID用のタグ、あるいは、上述した二次元コードである。上述したように、これらの記録媒体に記録される記録媒体情報は、上述したポータルサイトのURL、及び広告媒体を識別するために用いられる促進識別情報W(
図4A)を含む。
【0104】
S118において、事業者装置300のプロセッサ212は、記録媒体を示す情報を、通信インターフェイス214を介してサーバ装置200から受信する。事業者装置300のプロセッサ212は、記録媒体を示す情報から上述した二次元コード等の画像を作成する。事業者は、情報が記録された記録媒体を付した広告媒体を、契約において決められた数p以上、制作する。
【0105】
S120において、事業者は、S118の処理において制作した広告媒体を、配布事業者に納品する。
【0106】
S122において、サーバ装置200を用いる配布業者は、S100の処理においてなされた契約に従い、広告媒体を消費者に配布するための処理を行う。より具体的には、サーバ装置200のプロセッサ212は、最適化された促進情報テーブルに含まれる提供方法情報Gに基づいてその広告媒体及びクーポン情報の提供方法や提供条件を確定させる。そして、プロセッサ212は、対象情報H(
図4A)に適合する属性情報Pに対応する消費者識別情報Uを、消費者テーブル(
図4B)から選択する。さらに、プロセッサ212は、選択された消費者識別情報Uに対応する配布先位置情報I及び時間情報Kを選択する。なお、選択された配布先位置情報I及び時間情報Kの数pが過度に多くなった場合には、プロセッサ212は、対応する消費者識別情報Uの数が多い順に、予め決められた数の配布先位置情報I及び時間情報Kを選択する。これらの処理により、広告媒体の配布に必要な、記録媒体の配布先の消費者の名簿等の情報が生成される。
【0107】
S124において、プロセッサ212により確定された提供方法情報Gに基づいて、配達業者の一人以上の配達員それぞれは、S122の処理において作成された広告媒体の配布先の消費者うち、配布を担当する一部又は全部の消費者の自宅等に、ポスティングにより広告媒体を配布する。
【0108】
図5Bに示すS140の処理は、配布業者がサーバ装置200を用いて運用するポータルサイトが受信した情報の全てが、上述したように、サーバ装置200のプロセッサ212に入力され、メモリ213に記憶されることを示す。また、S140の処理は、ポータルサイトが送信する情報の全てが、上述したように、サーバ装置200のプロセッサ212により出力されることを示す。S142~S148の処理は、ポータルサイトに消費者がアクセスしてから、業務アプリケーションプログラムを利用して個人情報を登録し、クーポン情報F(
図4A)が示すクーポンを受け取るまでの処理を示す。従って、S140の処理により、サーバ装置200のプロセッサ212は、S142~S148の処理を、事業者装置300との通信なしに実行できる。
【0109】
S180~S184の処理は、クーポンを利用して事業者の業務を利用した消費者へのキャッシュバックを、サーバ装置200のプロセッサ212が事業者に代わって行う処理を示す。サーバ装置200のプロセッサ212は、消費者端末装置100からアップロードされた領収書の画像を、促進識別情報Wとともにポータルサイトを介して受信する。受信した領収書の画像に対してOCR処理等を行うことにより、プロセッサ212は、領収書の画像から、事業者、業務及び業務の対価を識別できる。プロセッサ212は、消費者端末装置100から画像とともに受信した促進識別情報Wに対応する促進情報Bに含まれる告知属性情報E等を取得する。プロセッサ212は、さらに、取得した告知属性情報E等が示す事業者、業務及び対価と、識別した事業者、業務及び対価とを比較する。
【0110】
サーバ装置200のプロセッサ212は、この比較により、これらの情報が一致するか否かを判断する。これらの情報が一致した場合には、プロセッサ212は、利用者にポータルサイトを介して付与した特典が、ポータルサイトを介して消費者端末装置100に、促進識別情報Wとともに送信したクーポンを利用した消費者に付与されたことを識別できる。従って、プロセッサ212は、クーポンを利用して事業者の業務を利用した消費者への特典の付与を、事業者に代わって行うことができる。つまり、サーバ装置200のプロセッサ212は、S180~S184の処理をもまた、事業者装置300から業務の利用に関する情報を受信することなしに実行できる。
【0111】
S142~S186の処理をさらに詳細に説明する。S142において、記録媒体が付された広告媒体の配布を受けた消費者は、消費者端末装置100に対して、広告媒体に付された記録媒体から記録媒体情報を読み出させる操作を行う。消費者端末装置100のプロセッサ112は、タッチパネル117及び入力インターフェイス116を介して、消費者による操作を受け入れる。プロセッサ112は、受け入れた操作に応じて、カメラ118及び入力インターフェイス116を介して、記録媒体から記録媒体情報を読み出す。プロセッサ112は、記録媒体情報が含むURLを用いて、サーバ装置200により運営される事業者のポータルサイトに、通信インターフェイス114を介してアクセスし、促進識別情報W(
図4A)を送信する。サーバ装置200のプロセッサ212は、ポータルサイトを介して、消費者端末装置100からのアクセスを検出し、促進識別情報Wを受信する。
【0112】
S144において、プロセッサ212は、消費者テーブル(
図4B)の行動情報Oのアクセス情報Rを、このアクセスを検出したことを示す情報により更新し、メモリ213に記憶する。さらに、プロセッサ212は、促進識別情報Wに対応する業務アプリケーションプログラムのダウンロード及びインストールの許諾を消費者に求めるUI画像等を含む情報を、通信インターフェイス214を介して消費者端末装置100に送信する。消費者端末装置100のプロセッサ112は、この情報を、通信インターフェイス114を介して受信する。プロセッサ112は、受信した情報に含まれるUI画像を、ディスプレイ111に表示する。
【0113】
消費者は、ディスプレイ111に表示されたUI画像に対して、業務アプリケーションプログラムのダウンロード及びインストールを許諾する旨の操作を行う。プロセッサ112は、この操作を、タッチパネル117及び入力インターフェイス116を介して受け入れる。プロセッサ112は、この操作を示す情報を、通信インターフェイス114を介して、ポータルサイトに送信する。サーバ装置200のプロセッサ212は、通信インターフェイス214を介して、消費者端末装置100からポータルサイトに送信された情報を受信する。
【0114】
サーバ装置200のプロセッサ212は、通信インターフェイス214を介して、消費者端末装置100に業務アプリケーションプログラムをダウンロードする。消費者端末装置100のプロセッサ112は、通信インターフェイス114を介して、ダウンロードされた業務アプリケーションプログラムを受信する。プロセッサ112は、業務アプリケーションプログラムを実行し、消費者端末装置100にインストールする。
【0115】
S146において、消費者端末装置100のプロセッサ112は、業務アプリケーションプログラムを実行して、広告媒体の配布先の消費者に、属性情報P(
図4B)の入力を促すUI画像を、ディスプレイ111に表示する。消費者が、表示されたUI画像に対して属性情報Pを入力する操作を行うと、プロセッサ112は、タッチパネル117及び入力インターフェイス116を介してこの操作を受け入れる。プロセッサ112は、通信インターフェイス114を介して、消費者により入力された属性情報Pを、ポータルサイトに送信する。
【0116】
サーバ装置200のプロセッサ212は、通信インターフェイス214を介して、消費者端末装置100からポータルサイトに送信された属性情報Pを受信する。プロセッサ212は、受信した属性情報Pにより消費者テーブル(
図4B)を更新してメモリ213に記憶し、属性情報Pの登録を行う。
【0117】
S148において、サーバ装置200のプロセッサ212は、促進情報テーブル(
図4A)を参照し、促進識別情報Wに対応する条件情報Aを読み出す。プロセッサ212は、読み出した条件情報Aが、クーポン情報Fにより示されるクーポンを利用して事業者から消費者に特典が付与されることを示す場合には、促進情報Bからクーポン情報Fを読み出す。さらに、プロセッサ212は、読み出したクーポン情報Fが示すクーポンを、促進識別情報Wとともに、通信インターフェイス214を介して消費者端末装置100に送信する。つまり、この例では、クーポン情報Fの提供方法として、提供方法情報Gによりクーポン情報Fの配信方法として二次元コードを通じてポータルサイトにアクセスすることにより配信される方法が特定されている。
【0118】
さらに、プロセッサ212は、消費者テーブル(
図4B)に含まれ、ポータルサイトにアクセスした消費者に対応する行動情報Oに含まれるアクセス情報Rを、アクセスがあったことを示す情報を用いて更新し、メモリ213に記憶する。消費者端末装置100のプロセッサ112は、通信インターフェイス114を介して、サーバ装置200から、クーポンと促進識別情報Wとを受信する。なお、このクーポンの提供は単なる一例であるにすぎない。例えば、消費者は、配信された広告媒体に付された記録媒体から情報を読み出して事業者の業務を最初に利用した後は、この事業者の業務を、業務アプリケーションプログラムを用いて利用してもよい。
【0119】
S160において、消費者は、消費者端末装置100に対して、S146の処理において受信したクーポンを用いて事業者の業務を利用するための操作を行う。例えば、事業者が、商品を販売する業者である場合には、この操作は、消費者が事業者に、クーポンを用いて商品を注文し、購買するための操作である。消費者端末装置100は、この操作を、タッチパネル117及び入力インターフェイス116を介して受け入れる。プロセッサ112は、この操作を示す情報を、通信インターフェイス114を介して、事業者装置300に送信する。事業者装置300のプロセッサ212は、通信インターフェイス214を介して、この情報を受信する。
【0120】
S162において、事業者装置300と消費者端末装置100との間で、消費者が事業者の業務を利用するための対価の決済が、金融機関(不図示)を介して行われる。例えば、事業者が消費者からの注文に応じて、商品を販売する場合には、この対価の決済により、消費者から事業者に商品の代金の支払いが行われる。
【0121】
S164において、消費者により事業者の業務の利用が実行される。例えば、消費者が事業者に対して商品を注文して購買した場合には、この利用の実行は、事業者から消費者への商品及びその代金の領収書の発送である。なお、上述したように、S160~S186の処理は、事業者装置300からサーバ装置200に情報を送ることなしに実行されうる。一方、S166に点線で示すように、事業者装置300からサーバ装置200に、消費者による事業者の業務の利用の内容を示す情報を送信してもよい。
【0122】
S180において、消費者は、消費者端末装置100に対して、S164の処理において事業者から受けた領収書の画像を、促進識別情報Wとともにポータルサイトにアップロードするための操作を行う。消費者端末装置100のプロセッサ112は、この操作を、タッチパネル117及び入力インターフェイス116を介して受け入れる。プロセッサ112は、受け入れた操作に応じて、カメラ118及び入力インターフェイス116を用いて領収書を撮影する。プロセッサ112は、この撮影により得られた領収書の画像を、促進識別情報Wとともに通信インターフェイス114を介してポータルサイトにアップロードする。サーバ装置200のプロセッサ212は、通信インターフェイス214を介して、ポータルサイトにアップロードされた領収書の画像及び促進識別情報Wを受信する。プロセッサ212は、領収書の画像及び促進識別情報Wを処理して、消費者が事業者に支払った対価を求める。例えば、消費者が事業者の商品を購入し、その代金を支払った場合には、領収書の画像からは、商品の代金が求められる。
【0123】
S182において、サーバ装置200のプロセッサ212は、S180の処理において受信した領収書の画像と、この領収書に対応するクーポンとを、通信インターフェイス214を介して事業者装置300に送信する。事業者装置300のプロセッサ212は、通信インターフェイス214を介して領収書の画像及びクーポンを受信する。プロセッサ212は、領収書の画像を処理して、消費者が事業者に支払った対価を求め、クーポンと対応付けてメモリ213に記憶する。
【0124】
S184において、サーバ装置200は消費者端末装置100との間で、S140の処理において求められた対価のうち、クーポンが示す割合を、金融機関等を介して消費者に返還する処理を行う。つまり、サーバ装置200のプロセッサ212は、事業者装置300を用いる事業者のために、消費者が事業者に支払う対価を減額するためのキャッシュバックを代行する処理を行う。
【0125】
S186において、事業者装置300を用いる事業者と、サーバ装置200を用いる配布業者との間で、S184の処理におけるキャッシュバック代行の決済が行われる。つまり、事業者は、S144の処理において、配布業者が消費者に返還した金額の金銭を、金融機関等を介して配布業者に支払う。
【0126】
なお、S160~S186の一連の処理は、クーポン及び促進識別情報Wを介して対応付けられる。従って、上述したように、サーバ装置200を用いる配布業者及び事業者装置300を用いる事業者は、S186の処理における決済が、いずれのキャッシュバックに関連するかを正確に把握できる。なお、
図5Bには、消費者端末装置100への業務アプリケーションプログラムのダウンロード、及び業務アプリケーションプログラムを用いた個人情報の登録等を条件としてクーポンが消費者端末装置100に送信する場合が示された。しかしながら、消費者端末装置100へのクーポンの送信は、消費者が消費者端末装置100を用いてポータルサイトにアクセスすることだけを条件として行われてもよい。また、条件情報Aが業務アプリケーションプログラムを利用して事業者から消費者に特典が付与されることを示す場合には、業務アプリケーションプログラムを用いて事業者の業務を利用した時点で特典が付与されてよい。
【0127】
図5Cに示すS200において、広告媒体の配布期間が終了する。サーバ装置200のプロセッサ212は、消費者テーブル(
図4B)に含まれ、広告媒体の配布先となった消費者識別情報Uそれぞれに対応する行動情報Oに含まれるアクセス情報R、利用情報S、領収書情報T及びクーポン使用情報Vを処理する。プロセッサ212は、この処理により、促進情報テーブル(
図4A)に含まれる行動集計情報L、効果情報M及び実績情報Nを生成する。
【0128】
プロセッサ212は、生成した行動集計情報L、効果情報M及び実績情報Nにより促進情報テーブル(
図4B)を更新し、メモリ213に記憶する。さらに、プロセッサ212は、これら行動集計情報L、効果情報M及び実績情報Nのうちの少なくとも一つに基づいて、事業者装置300を用いる事業者に対して請求すべき対価の額を計算する。
【0129】
S202において、サーバ装置200のプロセッサ212は、生成した行動集計情報L、効果情報M及び実績情報Nのうち、少なくとも対価の額の計算に用いた一つ以上を、事業者装置300を用いる事業者に送信する。また、プロセッサ212は、S200の処理において計算された額の対価の支払を、事業者装置300を用いる事業者に対して請求する。なお、行動集計情報L、効果情報M及び実績情報Nのうちの一つ以上の事業者への送信、及び事業者に対する広告媒体の配布に対する対価の支払いの請求は、サーバ装置200及び事業者装置300の間で通信ネットワーク14を介して行われる。あるいは、これらは、サーバ装置200を用いる配布業者から事業者への郵送等の手段により行われうる。
【0130】
S204において、サーバ装置200を用いる配布業者と、事業者装置300を用いる事業者との間で、金融機関等を介して、広告媒体の配布に対する対価の決済が行われ、事業者からこの対価が配布業者に支払われる。つまり、配布業者と事業者の間で、広告代金の決済が行われる。
【0131】
S206において、サーバ装置200のプロセッサ212は、
図4Bに示した消費者情報テーブルに新た行を追加する。プロセッサ212は、さらに、S100おいてなされた契約による広告媒体の配布に応じた消費者の行動を示す情報を、新たに追加された行に記憶する。
【0132】
S22において、サーバ装置200のプロセッサ212は、S206の処理において記憶、蓄積された促進情報テーブル及び消費者情報テーブルを用いて機械学習を行う。なお、S22の処理の詳細は、
図5Dを参照して後述される。この機械学習は、ニューラルネットを用いて、教師データあり、又は教師データなしで行われる。この機械学習の目的は、消費者に最も多くの行動を行なわせるために最適な提供方法情報G、対象情報H、配布先位置情報I及び時間情報Kを決めることである。
【0133】
図5Dは、
図5Cに示したS22の処理の詳細を例示する図である。
図5Dに示すS220において、サーバ装置200のプロセッサ212は、促進情報テーブル(
図4A)において、最新に広告媒体に掲載されて配布された告知情報Cに対応する促進識別情報W以外の促進識別情報Wを含む全ての行を参照する。プロセッサ212は、参照した行に含まれる全ての提供方法情報G、対象情報H、配布先位置情報I及び時間情報Kを、学習用情報として取得する。
【0134】
S222において、サーバ装置200のプロセッサ212は、消費者テーブル(
図4B)において、最新に広告媒体の配布先となった全ての消費者の消費者識別情報Uを含む行を参照する。プロセッサ212は、参照した全ての行の行動情報Oに含まれるアクセス情報R、利用情報S、領収書情報T及びクーポン使用情報Vを集計し、評価情報として取得する。なお、広告媒体の数pは、事業者と配布業者との契約のたびに異なる。従って、アクセス情報R、利用情報S、領収書情報T及びクーポン使用情報Vそれぞれは、配布された広告媒体の数pが、学習済解析モデルに影響を及ぼさないようにするために、配布された広告媒体の数pに基づいて、適宜、正規化されてよい。
【0135】
S224において、サーバ装置200のプロセッサ212は、S224の処理により取得された評価情報に基づいて、S222の処理において取得された学習用情報をラベル付けする。プロセッサ212は、このラベル付けの結果として、ラベル情報を生成する。
【0136】
S226において、サーバ装置200のプロセッサ212は、S222の処理において取得され、S224の処理において評価情報によってラベル付けされた学習用情報を用いて機械学習を行う。プロセッサ212は、この機械学習を、例えば、複数段のニューロンを含むニューラルネットワークにより行う。より具体的には、プロセッサ212は、まず、S200の処理において取得した提供方法情報G、対象情報H、配布先位置情報I及び時間情報Kをニューラルネットワークに入力する。さらに、プロセッサ212は、ニューラルネットワークの出力が、S224の処理において取得された評価情報と同じになるように、各ニューロンのパラメータを調整する。これらの処理により、機械学習が実現される。
【0137】
S228において、サーバ装置200のプロセッサ212は、S226の処理において機械学習に用いられたニューラルネットと、各ニューロンのパラメータとを、学習済解析モデルとして取得する。プロセッサ212は、取得した学習済解析モデルを、上述したように、広告媒体の配布のための提供方法情報G、対象情報H、配布先位置情報I及び時間情報Kの解析及び最適化に用いる。なお、ここでは、プロセッサ212によって学習済解析モデルの生成がなされる場合について説明したが、当該生成に係る処理は、他のサーバ装置や他の端末装置のプロセッサによってなされてよい。また、上述したように生成された学習済解析モデルは、他のサーバ装置や他の端末装置のプロセッサにより使用されてよい。
【0138】
図5Cに示すS230において、S22における機械学習によりニューラルネットの複数のレイヤに含まれるノードの間の接続の重み付けが行われる。サーバ装置200のプロセッサ212は、S22の処理における機械学習が終了したニューラルネットを、
図5Aに示したS106の処理における学習済解析モデルとする。なお、サーバ装置200のプロセッサ212は、この学習済解析モデルに基づいて、
図5Aに示したS106の処理を行う。
【0139】
6.サーバ装置200の処理
以下、サーバ装置200の処理を説明する。まず、
図6A~
図6Dを参照して、
図5Aに示したS100~S124の処理に対応するサーバ装置200の処理を説明する。なお、サーバ装置200の処理の説明においては、サーバ装置200のプロセッサ212は、単にプロセッサ212と記載される。
【0140】
図6Aは、
図1及び
図3に示したサーバ装置200の処理を示す第1のフローチャートである。
図6Aに示すS400において、サーバ装置200のプロセッサ212は、通信インターフェイス214を介して、事業者装置300から広告媒体の消費者へ配布の依頼があったか否かを判断する。サーバ装置200は、依頼があった場合(Y)にはS402の処理に進み、依頼がなかった場合(N)にはS400の処理に留まる。
【0141】
S402において、プロセッサ212は、通信インターフェイス214を介して、事業者装置300との間で広告媒体の配布やクーポン情報の配信の契約を行う。プロセッサ212は、この契約の内容を、メモリ213に記憶する。なお、上述したように、S200及びS202の処理は、サーバ装置200及び事業者装置300を介さず、事業者と配布業者との間で行われることがある。
【0142】
S404の処理において、プロセッサ212は、通信インターフェイス214を介して、事業者装置300から促進情報テーブル(
図4A)の一つの行に含まれる促進識別情報W等の全ての初期の情報を受信したか否かを判断する。プロセッサ212は、これらの情報を受信しない場合(N)にはS404の処理に留まり、これらの情報を受信した場合(Y)にはS406の処理に進む。
【0143】
S406において、プロセッサ212は、
図5C及び
図5DのS22の処理において生成された学習済解析モデルに基づいて、S404の処理において受信した提供方法情報G、対象情報H、配布先位置情報I及び時間情報Kを解析し、最適化する。
【0144】
S408において、プロセッサ212は、通信インターフェイス214を介して、事業者装置300に、最適化した提供方法情報G、対象情報H、配布先位置情報I及び時間情報Kを送信する。
【0145】
S410において、プロセッサ212は、通信インターフェイス214を介して、事業者装置300から承認情報を受信したか否かを判断する。プロセッサ212は、承認情報を受信した場合(Y)にはS412の処理に進み、受信しなかった場合にはS410(N)の処理に留まる。
【0146】
S412において、プロセッサ212は、情報が記憶され、広告媒体に付される記録媒体を示す情報を、通信インターフェイス214を介して事業者装置300に送信する。事業者装置300のプロセッサ212は、通信インターフェイス214を介してサーバ装置200から記録媒体を示す情報を受信する。事業者は、この情報に基づいて生成した記録媒体を付した広告媒体を制作し、配布業者に納品する。
【0147】
図6Bは、記録媒体が付された広告媒体を例示する図である。事業者は、例えば、スーパーマーケット等の食料を主に販売する商店である。この場合には、広告媒体は、
図6Bに例示するように、果物、飲料、菓子及び生鮮食品といった様々な食品の広告を含む。さらに、広告媒体には、URL等及び促進識別情報W(
図4A)等の情報が記録された記録媒体が、例えば二次元コードの形式で付される。
【0148】
図6Aに示すS414において、プロセッサ212は、事業者から
図6Bに例示したような広告媒体が納品されか否かを判断する。プロセッサ212は、広告媒体が納品された場合(Y)にはS416の処理に進み、納品されていない場合(N)にはS414の処理に留まる。
【0149】
S416において、プロセッサ212は、配布業者による消費者への広告媒体の配布のための処理、例えば、広告媒体の配布先となる消費者の名簿等の情報を生成する処理を行う。なお、上述したように、広告媒体の消費者への配布は、配布業者によるポスティング等により行われる。
【0150】
S418において、配布業者は、S414の処理において納品された広告媒体を、S416の処理において生成された情報を用いて、ポスティングにより消費者に配布する。
【0151】
次に、
図6Cを参照して、
図5Bに示したS142~S184の処理に対応するサーバ装置200の処理を説明する。
図6Cは、
図1及び
図3に示したサーバ装置200の処理を示す第2のフローチャートである。
【0152】
図6Cに示すS440において、プロセッサ212は、消費者の消費者端末装置100から、ポータルサイトにアクセスするための情報を、通信インターフェイス214を介して受信したか否かを判断する。プロセッサ212は、ポータルサイトにアクセスするための情報を受信した場合(Y)にはS442の処理に進み、アクセスするための情報を受信しなかった場合(N)にはS440の処理に留まる。
【0153】
S442において、プロセッサ212は、通信インターフェイス214及びポータルサイトを介して、消費者端末装置100に、業務アプリケーションプログラムのダウンロード及びインストールのへの消費者の許諾を求めるメッセージを送信する。
【0154】
S444において、サーバ装置200のプロセッサ212は、ポータルサイト及び通信インターフェイス214を介して、消費者端末装置100から、業務アプリケーションプログラムのダウンロード及びインストールを許諾するメッセージを受信したか否かを判断する。プロセッサ212は、許諾のメッセージを受信した場合(Y)にはS446の処理に進み、受信しなかった場合(N)にはS444の処理に留まる。
【0155】
S446において、サーバ装置200のプロセッサ212は、S440の処理においてポータルサイトにアクセスした消費者端末装置100に、通信インターフェイス214及びポータルサイトを介して、業務アプリケーションプログラムをダウンロードする。ダウンロードされた業務アプリケーションプログラムは、消費者端末装置100において起動され、消費者の許諾の下、消費者端末装置100にインストールされる。
【0156】
図6Dは、消費者端末装置100に表示されて業務アプリケーションプログラムのダウンロードに用いられる画像を例示する図である。なお、
図6Dに示す画像において、事業者は「ABC商店」と示されている。また、
図6Dに示す画像は、消費者に業務アプリケーションプログラムのダウンロード等の許諾を求めるために「ABC商店アプリダウンロードページ」と記載された画像と「ダウンロード開始」と記載された操作ボタンとを含む。
【0157】
プロセッサ212は、アクセスがあった場合には、
図6Dに示すような画像を、通信インターフェイス214を介して消費者端末装置100に送信する。さらに、消費者により
図6Cに示した操作ボタンに対する操作が行われたことを示す情報を、通信インターフェイス214を介して消費者端末装置100から受信したか否かを判断する。プロセッサ212は、この情報を受信した場合(Y)には、業務アプリケーションプログラムを、通信インターフェイス214を介して消費者端末装置100にダウンロードしてインストールし、実行させる。
【0158】
図6Cに示すS448において、プロセッサ212は、消費者端末装置100において起動した業務アプリケーションプログラムのUI画像に対して消費者が登録した個人情報を、ポータルサイト及び通信インターフェイス214を介して受信する。プロセッサ212は、受信した個人情報を用いて、消費者テーブル(
図4B)の属性情報Pを更新し、メモリ213に記憶して登録する。
【0159】
S450において、プロセッサ212は、通信インターフェイス214及びポータルサイトを介して、消費者端末装置100に、クーポン情報F(
図4A)が示すクーポンを、促進識別情報Wとともに送信する。
【0160】
S452において、プロセッサ212は、消費者端末装置100から、消費者がアップロードし、事業者の業務を利用したことを示す領収書の画像等を、ポータルサイト及び通信インターフェイス214を介して、促進識別情報Wとともに受信したか否かを判断する。通信インターフェイス214は、領収書の画像を受信した場合(Y)にはS454の処理に進み、受信しなかった場合(N)にはS452の処理に留まる。
【0161】
S454において、プロセッサ212は、通信インターフェイス214を介して、事業者装置300に、領収書の画像等とクーポンとを送信する。
【0162】
S456において、プロセッサ212は、通信インターフェイス214及びポータルサイトを介して、領収書の画像等を送ってきたユーザへの事業者によるキャッシュバックを代行する。
【0163】
S458において、プロセッサ212は、通信インターフェイス214を介して、事業者の事業者装置300にユーザにキャッシュバックした額の金銭、及びキャッシュバック代行の手数料を請求する。プロセッサ212は、この請求に事業者装置300が応えると、通信インターフェイス214を介して、事業者装置300との間で、金融機関等を介して、消費者にキャッシュバックした金銭等の決済のための処理を行う。
【0164】
次に、
図6Eを参照して、
図5Cに示したS200~S206,S22,S230に対応するサーバ装置200の処理を説明する。
図6Eは、
図1及び
図3に示したサーバ装置200の処理を示す第3のフローチャートである。
【0165】
図6Eに示すように、S480において、プロセッサ212は、事業者と配布業者との間の契約において定められた広告媒体の配布期間が終了したか否かを判断する。プロセッサ212は、広告媒体の配布期間が終了した場合(Y)にはS482の処理に進み、終了しない場合(N)にはS480の処理に留まる。
【0166】
S482において、プロセッサ212は、行動集計情報L、効果情報M及び実績情報Nを生成する。
【0167】
S484において、プロセッサ212は、S262の処理において生成した情報のうち、行動集計情報L、効果情報M及び実績情報Nのうちの少なくとも一つに基づいて、配布業者から事業者に請求すべき広告媒体の配布に対する対価の額を計算する。さらに、プロセッサ212は、対価の額の計算に用いた行動集計情報L、効果情報M及び実績情報Nのうちの少なくとも一つを、通信インターフェイス214を介して事業者装置300に送信する。
【0168】
S486において、プロセッサ212は、通信インターフェイス214を介して、S484の処理において計算した額の対価の支払いを事業者装置300に請求する。
【0169】
S488において、プロセッサ212は、S286の処理において請求した対価が支払われたか否かを判断する。プロセッサ212は、対価が支払われた場合(Y)にはS490の処理に進み、支払われなかった場合にはS488の処理に留まる。
【0170】
S490において、プロセッサ212は、通信インターフェイス214を介して事業者装置300との間で決済を行い、S266の処理において請求した対価の支払いを、金融機関等を介して受ける。なお、上述したように、S266及びS268の処理は、サーバ装置200及び事業者装置300を介さず、事業者と配布業者との間で行われることがある。
【0171】
S492において、プロセッサ212は、蓄積された促進情報テーブル及び消費者情報テーブルを用いて、
図5C及び
図5Dに示したS22の処理により機械学習を行う。機械学習により、提供方法情報G、対象情報H、配布先位置情報I及び時間情報Kを解析し、行動情報Oにより示される消費者による行動が最も多くなるように、これらの情報を最適化する学習済解析モデルが生成される。
【0172】
S494において、プロセッサ212は、S492の処理における機械学習が終了したニューラルネットを、学習済解析モデルとする。
【0173】
7.変形例
以下、本開示の変形例を、図面を参照して詳細に説明する。変形例においては、配布業者は、広告媒体の配布の他に、さらに、サーバ装置200を用いて、ポータルサイトを介して事業者と消費者との間の取引を代行する。
図7Aは、変形例において、配布業者が、広告媒体の配布とともに、事業者と消費者との間で取引を仲介する場合の通信シーケンス図である。
【0174】
なお、
図7Aに示す通信シーケンスは、
図5Bに示した通信シーケンスのS160~S164の処理に対応し、
図7Aにおいては、
図5Bに示したS140~S148及びS180~S186の処理は省略されている。また、配布業者が事業者の業務を代行する場合には、事業者と配布業者との間の契約は、配布業者が事業者の業務を代行することと、この代行により事業者が配布業者に手数料を支払うこととを含む。
【0175】
図7Aに示すように、S240及びS242において、消費者は、消費者端末装置100に対して、クーポン情報Fが示すクーポンを用いて事業者の業務を利用するための操作を行う。消費者端末装置100は、この操作を、タッチパネル117及び入力インターフェイス116を介して受け入れる。プロセッサ112は、この操作を示す情報を、通信インターフェイス114を介して、ポータルサイトを介して、促進識別情報Wとともにサーバ装置200に送信する。サーバ装置200のプロセッサ212は、通信インターフェイス214を介して、この情報を受信する。
【0176】
S244及びS246において、サーバ装置200のプロセッサ212は、通信インターフェイス214、ポータルサイトを介して、S180及びS182の処理において受信した情報が示す事業者の業務の利用を受け付けたことを示す情報を送信する。
【0177】
S248及びS250において、サーバ装置200のプロセッサ212と消費者端末装置100のプロセッサ112とは、通信インターフェイス214、ポータルサイトを介して通信を行う。この通信により、S240及びS242の処理において受信した情報が示す事業者の業務の利用の対価を、消費者から配布業者に支払うための決済が、金融機関(不図示)等を介して行われる。
【0178】
S252において、プロセッサ212は、消費者による事業者の業務の利用のための処理を行う。例えば、消費者が事業者の商品を購入する場合には、この処理は、事業者に代わって配布業者がこの商品を消費者に発送するために行われる。なお、この場合には、配布業者が、発送のために事業者の商品を在庫したり、事業者から取り寄せたりするための作業が伴う。
【0179】
S254において、サーバ装置200のプロセッサ212と、事業者装置300のプロセッサ212とは、通信インターフェイス214を介して通信を行う。この通信により、配布業者が代行して消費者に業務を提供して得た対価の事業者への支払いと、事業者から配布業者への手数料の支払いとが、金融機関等を介して行われる。
【0180】
次に、
図7Bを参照して、
図7Aに示した通信シーケンスに対応するサーバ装置200の処理を説明する。
図7Bは、
図7Aに示した通信シーケンスに対応するサーバ装置200の処理を示すフローチャートである。
図7Bに示すS500において、サーバ装置200のプロセッサ212は、事業者の業務の消費者による利用を可能とするための処理を行う。
【0181】
S502において、プロセッサ212は、通信インターフェイス214を介して、消費者端末装置100から、消費者が事業者の業務を利用することを示す情報を受信したか否かを判断する。プロセッサ212は、この情報を受信した場合(Y)には、消費者からの事業者の業務の利用を受け付けたことを示す情報を送信してS504の処理に進み、受信しない場合(N)にはS502の処理に留まる。
【0182】
S504において、プロセッサ212と消費者端末装置100とは、通信インターフェイス214を介して通信を行う。この通信により、プロセッサ212は、通信インターフェイス214、消費者端末装置100を介して、S286の処理において受け付けた事業者の業務の対価を消費者に請求する。プロセッサ212は、この請求に応じて、消費者端末装置100から金融機関等を介して、業務の利用に対する対価の支払いがあったか否かを判断する。プロセッサ212は、対価の支払いがあった場合(Y)にはS506の処理に進み、なかった場合(N)にはS504の処理に留まる。
【0183】
S506において、プロセッサ212は、消費者による事業者の業務の利用を実行するための処理を行う。
【0184】
S508において、プロセッサ212は、サーバ装置200と、通信インターフェイス214を介して通信を行う。この通信により、配布業者が代行して消費者に業務を提供して得た対価の事業者への支払いと、事業者から配布業者への手数料の支払いとが、金融機関(不図示)等を介して行われる。
【0185】
S510において、プロセッサ212は、S508の処理において行われた決済が完了したか否かを判断する。プロセッサ212は、決済が完了した場合(Y)には処理を終了し、完了しない場合にはS510の処理に留まる。
【0186】
なお、以上、消費者が、特典の提供を受けるため等に、事業者の業務を利用するための専用のアプリケーションプログラムを用いる場合を例示したが、特典の提供を受けるため等には、専用のアプリケーションプログラムは必須ではない。従って、消費者は、特典の提供を受けるため等に、ブラウザ等の汎用のアプリケーションプログラムを用いてもよい。また、
図5Aに示したS148~S186の処理を複数の消費者について繰り返すことにより、サーバ装置200により、例えば、事業者が提供する商品等を、これら複数の消費者が共同して購入するためのプラットフォームが実現されうる。
【0187】
このようなプラットフォームにおいては、例えば、消費者が、二次元コードが付された広告媒体の提供を事業者から受ける。さらに、この消費者が、消費者端末装置100を用いて二次元コードを読み取り、促進情報Bに含まれる告知情報Cが入手可能なウェブサイトにアクセスしたり、アプリケーションプログラムを入手したりする。そして、促進情報Bに含まれる告知情報Cに基づいて商品の購入等の行動を消費者が行った場合には、その行動に応じて消費者に特典が提供される。さらに、次回以降の購入において、上述のとおり二次元コードによる促進情報Bの提供だけでなく、ウェブサイトやアプリケーションプログラムにより、促進情報Bに含まれる告知情報Cが、消費者に対して提供される。そして、提供された促進情報Bに含まれる告知情報Cに基づいてさらに商品の購入等の行動を行った場合も、当該消費者に特典が提供される。
【0188】
具体的には、サーバ装置200のプロセッサ212は、所定の間隔で促進情報Bに含まれる告知情報Cの提供対象となる消費者を選択する処理を実行する。プロセッサ212は、メモリ213に記憶された消費者の属性を参照する。プロセッサ212は、例えば事業者の事業者装置300から受信された候補情報に基づいて、該当する属性の消費者を選択する。なお、候補情報には、促進情報Bに含まれる告知情報Cの提供を選択するために消費者の属性及び人数の少なくとも一方が含まれる。プロセッサ212は、受信した候補情報を学習済提供先選択モデルに入力することにより選択を行う。つまり、プロセッサ212は、事業者装置300から受信した候補情報を学習済提供先選択モデルに入力し、当該学習済提供先選択モデルに基づいて、候補情報で決められた人数の消費者を提供先として取得する。
【0189】
ここで、提供先選択モデルは、サーバ装置200のプロセッサ212又は他の装置のプロセッサによって、生成される。具体的には、あらかじめ促進情報Bに含まれる告知情報Cが提供された消費者の属性に関する情報を入手する。そして、当該情報に対して、各消費者が促進情報Bに含まれる告知情報Cに基づいて行動を行ったか否かを示す行動情報に基づいてラベルしたラベル情報を付す。そして、プロセッサは、入手された消費者の属性を入力情報とし、当該ラベル情報を教師データとして機械学習する。これにより学習済提供先生成モデルが生成される。
【0190】
上述のとおり促進情報Bに含まれる告知情報Cの選択がなされると、プロセッサ212は、通信ネットワークを介して、選択された消費者の消費者端末装置100に対して促進情報Bに含まれる告知情報Cを送信する。促進情報Bに含まれる告知情報Cを受信した消費者端末装置100は、業務アプリケーションプログラム等を介して促進情報Bに含まれる告知情報Cを受信した旨の通知をディスプレイ111等に出力する。以降は、
図5のS126等において記載された処理と同様の処理により、対価の額の算出や特典の提供がなされる。
【0191】
以上説明したように、実施形態に係るシステム1によれば、広告媒体にポータルサイトのURL等を記憶した記録媒体を付して消費者に配布する。従って、この記録媒体を用いてポータルサイトにアクセスした消費者の数等に基づいて、広告媒体が事業者と配布業者との間の契約に従って誠実に配布されたこと、及び、広告媒体の配布の効果を、配布業者が事業者に明確に証明できる。従って、配布業者の信頼を高めることができ、また、広告媒体の誠実な配布の実績、及び広告媒体の配布の効果に基づいて、配布業者は事業者に広告媒体の配布の手数料を請求できる。
【0192】
また、消費者は、広告媒体に付された記録媒体から事業者のポータルサイトにアクセスし、ポータルサイトからクーポンを、促進識別情報Wとともに得て、事業者の業務を利用する際に特典を得ることができる。また、事業者は、広告媒体に記録媒体を付して、消費者を自分のポータルサイトに導いて特典を付与することにより、消費者に対して自らの業務の利用を促進することができる。また、配布業者は、事業者による消費者への特典の付与を代行でき、さらに、事業者の業務の一部を代行できるので、事業者からの手数料収入を得る機会をさらに増やすことができる。
【0193】
また、促進情報Bに含まれる告知情報Cを消費者に配信又は配布するたびに、過去において蓄積された促進情報テーブル及び消費者テーブルを用いた機械学習により得られた学習済解析モデルが更新される。従って、配布業者は、常に対象情報H、配布先位置情報I及び時間情報Kを最適化して事業者に提供できる。従って、事業者は、促進情報Bに含まれる告知情報Cを、常に最適な配送先又は配布先に送ることができ、広告による売り上げ増大の効果を最大にすることができる。
【0194】
なお、以上、促進情報Bに含まれる告知情報Cが紙媒体に掲載される広告情報であり、促進情報Bに含まれる告知情報Cが紙媒体に掲載されて消費者に配布される場合が具体例とされた。一方、上述したとおり、促進情報Bに含まれる告知情報Cは、紙等の媒体を介さず、電子的な情報として、通信ネットワーク14を介して消費者が用いる消費者端末装置100に配信されうる。
【0195】
本開示に係る処理及び手順は、実施形態において明示的に説明された装置よってだけでなく、ソフトウェア、ハードウェア又はこれらの組み合わせにより実現されうる。具体的には、本明細書で説明された処理及び手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク、光ストレージ等の媒体に、当該処理に相当するロジックを実装することにより実現されうる。また、本明細書で説明される処理及び手順は、それらの処理及び手順をコンピュータプログラムとして実装されえ、端末装置及びサーバ装置を含む各種のコンピュータにより実行されうる。
【0196】
本明細書中において、単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、及び/又は、モジュールによって実行されると説明された処理及び手順は、複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は、複数のモジュールによって実行されうる。また、本明細書において、単一のメモリ及び記憶装置に格納される旨が説明された各種情報は、単一の装置に含まれる複数のメモリ又は複数の装置に分散して配置された複数のメモリに分散して格納されうる。さらに、本明細書において説明された複数のソフトウェア及びハードウェアは、それらをより少ない構成要素に統合することにより、又は、より多い構成要素に分解することにより実現されうる。
【0197】
本発明の実施形態が説明されたが、この実施形態は、例として提示されたものであり、発明の範囲を限定することを意図されていない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることができ、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更されうる。これら実施形態やその変形は、本発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0198】
1 システム、14 通信ネットワーク、100 消費者端末装置、111 ディスプレイ、112,212 プロセッサ、113,213 メモリ、114,214 通信インターフェイス、115 通信処理回路、116 入力インターフェイス、117 タッチパネル、118 カメラ、200 サーバ装置、211 出力インターフェイス、300 事業者装置