(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161350
(43)【公開日】2023-11-07
(54)【発明の名称】光学積層体の製造方法
(51)【国際特許分類】
G02B 5/30 20060101AFI20231030BHJP
B29C 63/02 20060101ALI20231030BHJP
B29C 65/48 20060101ALI20231030BHJP
C09J 7/30 20180101ALI20231030BHJP
C09J 5/00 20060101ALI20231030BHJP
C09J 201/00 20060101ALI20231030BHJP
B32B 27/36 20060101ALI20231030BHJP
【FI】
G02B5/30
B29C63/02
B29C65/48
C09J7/30
C09J5/00
C09J201/00
B32B27/36 102
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071692
(22)【出願日】2022-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】姜 太艶
(72)【発明者】
【氏名】三島 茂揮
(72)【発明者】
【氏名】亀田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】後藤 浩之
【テーマコード(参考)】
2H149
4F100
4F211
4J004
4J040
【Fターム(参考)】
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4J040PA32
(57)【要約】
【課題】樹脂フィルムと配向液晶層との層間の接着性に優れる光学積層体を提供する。
【解決手段】樹脂フィルム(10)および配向液晶層(20)の少なくとも一方に、紫外線硬化型の接着剤を塗布し、一対のニップロールで狭持してロールラミネートにより貼り合わせ、紫外線を照射して接着剤を硬化することにより、樹脂フィルムと配向液晶層とが接着剤層(50)を介して貼り合わせられた光学積層体(100)が得られる。ロールラミネート時の温度Tと、ロールラミネート後紫外線を照射するまでの時間τが、43≦T×τ
1/2≦85を満たすことが好ましい。温度Tの単位は℃であり、時間τの単位は秒である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂フィルムと配向液晶層とが接着剤層を介して貼り合わせられた光学積層体を製造する方法であって、
樹脂フィルムおよび配向液晶層の少なくとも一方に、紫外線硬化型の接着剤を塗布する工程;
前記樹脂フィルムと前記配向液晶層とを、一対のニップロールで狭持してロールラミネートにより貼り合わせる工程;および
紫外線を照射して前記接着剤を硬化する工程を有し、
前記ロールラミネート時の温度Tと、前記ロールラミネート後紫外線を照射するまでの時間τが、
43≦T×τ1/2≦85
を満たす(ただし、温度Tの単位は℃であり、時間τの単位は秒である)、
光学積層体の製造方法。
【請求項2】
前記配向液晶層が、支持基材上に密着積層されている、請求項1に記載の光学積層体の製造方法。
【請求項3】
前記配向液晶層がホメオトロピック配向液晶層である、請求項1または2に記載の光学積層体の製造方法。
【請求項4】
前記樹脂フィルムが、ポリカーボネート系樹脂フィルムである、請求項1または2に記載の光学積層体の製造方法。
【請求項5】
前記接着剤層の厚みが、0.6~2μmである、請求項1または2に記載の光学積層体の製造方法。
【請求項6】
前記温度Tが、23~31℃である、請求項1または2に記載の光学積層体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂フィルムと光学層とが接着剤を介して貼り合わせられた光学積層体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置の光学補償、有機EL表示装置の外光反射防止等の機能を有する光学フィルムとして、接着剤層を介して複数の光学層を貼り合わせた積層体が用いられている。例えば、特許文献1は、1/4波長板とポジティブCプレートを、接着剤層を介して貼り合わせた積層位相差板を開示している。特許文献2は、樹脂フィルムからなる1/4波長板と、ホメオトロピック配向液晶層からなるポジティブCプレートを、UV硬化型の接着剤層を介して貼り合わせた積層位相差板を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-175994号公報
【特許文献2】特開2008-191630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
接着剤は、粘着剤(感圧接着剤)に比べて小さな厚みで高い接着力を実現し得るため、積層フィルムの薄型化に有利である。しかし、樹脂フィルムと液晶層のように異なる材料間を接着剤を介して貼り合わせる場合は、必ずしも十分な接着力が得られず、層間剥離を生じる場合がある。
【0005】
上記に課題に鑑み、本発明は、樹脂フィルムと配向液晶層とが接着剤層を介して貼り合わせられ、層間の密着性に光学積層体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
樹脂フィルムおよび配向液晶層の少なくとも一方に、紫外線硬化型の接着剤を塗布し、樹脂フィルムと配向液晶層とを、一対のニップロールで狭持してロールラミネートにより貼り合わせ、紫外線を照射して接着剤を硬化することにより、樹脂フィルムと配向液晶層とが接着剤層を介して貼り合わせられた光学積層体が製造される。
【0007】
配向液晶層は、フィルム基材等の支持基材上に密着積層されていてもよい。接着剤層の厚みは、0.6~2μmであってもよい。
【0008】
一実施形態において、配向液晶層はホメオトロピック配向液晶層である。一実施形態において樹脂フィルムはポリカーボネート系樹脂フィルムである。
【0009】
樹脂フィルムと配向液晶層との貼り合わせにおいて、ロールラミネート時の温度T(℃)と、ロールラミネート後紫外線を照射するまでの時間τ(秒)が、43≦T×τ1/2≦85を満たすことが好ましい。温度Tは、23~31℃であってもよい。
【発明の効果】
【0010】
樹脂フィルムと配向液晶層との接着性に光学層との層間の接着性に優れる光学積層体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態にかかる光学積層体の断面図である。
【
図2】支持基板上に配向液晶層が密着積層された積層体の断面図である。
【
図3】光学積層体の製造プロセスを示す模式図である。
【
図4】一実施形態にかかる光学積層体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明一実施形態にかかる光学積層体の断面図である。光学積層体100は、樹脂フィルム10と光学層20とを備え、樹脂フィルム10と光学層20は、接着剤層50を介して貼り合わせられている。接着剤層50は、紫外線硬化型接着剤の硬化物であり、樹脂フィルム10および光学層20の少なくとも一方に紫外線硬化型の接着剤を塗布し、ニップロールで挟持してラミネートした後、紫外線照射により接着剤を硬化することにより、接着剤層50が形成される。
【0013】
[樹脂フィルム]
樹脂フィルム10の厚みは特に限定されず、例えば、1~1000μm程度であり、5~300μm、または10~200μmであってもよい。
【0014】
樹脂フィルム10は、好ましくは光学異方性を有する。樹脂フィルム10は、nx>ny≧nzまたはnx>nz>nyの屈折率異方性を有していてもよい。nxは面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyは面内の進相軸方向の屈折率であり、nzは厚み方向の屈折率である。
【0015】
樹脂フィルム10は、NZ=(nx-nz)/(nx-ny)で表されるNZ係数が、0.1~5.0であってもよい。樹脂フィルムのNZ係数は、好ましくは0.9~3.0であり、2.5以下、2.0以下、1.5以下、1.3以下または1.1以下であってもよい。
【0016】
一実施形態において、樹脂フィルム10はλ/4板として機能し得る。λ/4板として機能する樹脂フィルムの正面レターデーションReは80nm~200nmであり、100nm~170nmが好ましく、110nm~160nmがより好ましく、120nm~150nmであってもよい。正面レターデーションReは、Re=(nx-ny)×dで表される。dは厚みであり、nxおよびnyは前述の通りである。本明細書において、特に断りがない場合、屈折率およびレターデーションは、波長550nmにおける値である。
【0017】
樹脂フィルム10は、延伸により光学異方性を付与した延伸フィルムであってもよい。樹脂フィルムの延伸には、任意の適切な延伸方法、延伸条件(例えば、延伸温度、延伸倍率、延伸方向)が採用され得る。延伸方法としては、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸等が挙げられる。例えば、未延伸フィルムを自由端一軸延伸することにより、nx>ny≒nzの光学異方性を有し、NZ≒1である延伸フィルムが得られる。未延伸フィルムを、固定端一軸延伸または二軸延伸すると、nx>ny>nzの光学異方性を有し、NZ>1である延伸フィルムが得られる。
【0018】
一実施形態において、樹脂フィルム10は、長波長ほど大きなレターデーションを有する(いわゆる「逆波長分散」)光学異方性フィルムである。樹脂フィルム10のレターデーションが逆波長分散である場合、波長550nmにおける正面レターデーションRe(550)と波長450nmにおける正面レターデーションRe(450)の比Re(450)/Re(550)は、0.8以上1未満であり得る。Re(450)/Re(550)は、0.95以下または0.90以下であってもよい。
【0019】
樹脂フィルム10の樹脂材料は特に限定されない。樹脂フィルムの材料としては、セルロース系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、セルロース系樹脂、シクロオレフィン系樹脂フィルム、(メタ)アクリル系樹脂、またはポリカーボネート系樹脂が好ましい。中でも、接着剤層50を介して光学層20と積層した際の接着性の観点から、ポリカーボネート系樹脂が好ましい。
【0020】
ポリカーボネートは、ジヒドロキシ化合物(ジオール)とホスゲンのエステル化、またはジヒドロキシ化合物と炭酸ジフェニルのエステル交換反応により得られるポリマーである。ジヒドロキシ化合物としては、ビスフェノールに代表される芳香族ジオール、脂肪族ジオール、オキシアルキレングリコール類、脂環式ジオール、環状エーテル構造を有するジオールが挙げられる。
【0021】
一実施形態において、樹脂フィルム10を構成するポリカーボネートは、ジヒドロキシ成分として、フルオレン骨格を有するジヒドロキシ化合物を含む。フルオレン骨格を有するポリカーボネートは、延伸フィルムとした際に、逆波長分散特性を示す場合がある。フルオレン骨格を有するジヒドロキシ化合物の具体例としては、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-エチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-n-プロピルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-n-ブチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-sec-ブチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-tert-ブチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-イソブチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-tert-ブチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3,5-ジメチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-tert-ブチル-6-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロポキシ)フェニル)フルオレン等が挙げられる。
【0022】
フルオレン骨格を有するポリカーボネートは、ジヒドロキシ成分として、フルオレン骨格を有さないジヒドロキシ化合物を含んでいてもよい。フルオレン骨格を有さないジヒドロキシ化合物の例としては、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)に代表されるビスフェノール類;エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のオキシアルキレングリコール;シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、デカリンジメタノール、2,3-ノルボルナンジメタノール、アダマンタンジメタノール、シクロヘキサンジオール、デカリンジオール、ノルボルナンジオール、アダマンタンジオール等の脂環式ジオール;イソソルビド、イソマンニド、イソイデット、スピログリコール、ジオキサングリコール等の環状エーテル構造を有するジオール、等が挙げられる。
【0023】
フルオレン骨格を有するポリカーボネートの詳細は、例えば、特許5204200号、特開2012-67300号公報、特許第3325560号、WO2014/061677号等に記載されており、これらの記載を参照できる。
【0024】
[配向液晶層]
配向液晶層20は、液晶材料の配向状態が固定化された固化層または硬化層である。配向液晶層の厚みは、例えば、0.5μm~10μm程度であり、5μm以下または3μm以下であってもよい。「固化層」とは、軟化、溶融または溶液状態の液晶材料が冷却されて固まった状態のものをいう。また、「硬化層」とは、液晶材料が熱、触媒、光および/または放射線により架橋されて、不溶不融または難溶難融の安定した状態となったものをいう。なお、硬化層は、液晶材料の固化層を経由して硬化層となったものも包含する。
【0025】
例えば、支持基板25上に、液晶化合物を含む液晶性組成物を塗布し、液晶化合物を所定方向に配向させた後、配向状態を固定することにより、
図2に示すように、支持基材25上に配向液晶層20が密着積層された積層体29が得られる。硬化層である配向液晶層20の形成においては、重合性の液晶化合物を含む液晶性組成物を塗布し、配向させた後、硬化することにより配向状態が固定される。
【0026】
支持基材25としては、フィルム基材が好ましい。支持基材の材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ノルボルネン系ポリマー等の環状ポリオレフィン;ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー;アクリル系ポリマー;スチレン系ポリマー;ポリカーボネート;ポリアミド;ポリイミド等が挙げられる。
【0027】
支持基材25は、液晶化合物を所定方向に配向させるための配向能を有していてもよい。例えば、支持基材25として延伸フィルムを用いることにより、その延伸方向に沿って液晶化合物をホモジニアス配向させることが可能である。また、支持基材は配向膜を備えていてもよく、支持基材がラビング処理されていてもよい。支持基材の厚みは特に限定されず、例えば1~500μm程度である。
【0028】
液晶材料の配向状態としては、水平配向(ホモジニアス配向)、垂直配向(ホメオトロピック配向)、斜め配向(チルト配向)、コレステリック配向等が挙げられる。一実施形態において、配向液晶層20は、ホメオトロピック配向液晶層である。液晶材料がホメオトロピック配向している配向液晶層は、nz>nx≒nyの屈折率異方性を有するポジティブCプレートとして機能し、画像表示装置を斜め方向から視認した際の視認性向上や反射防止特性向上に寄与し得る。
【0029】
ホメオトロピック配向液晶層のRth=(nx-nz)×dで定義される厚み方向レターデーションRthは、-20nm~-200nmが好ましく、-40nm~-180nmがより好ましく、-40nm~-160nmがさらに好ましい。ホメオトロピック配向液晶層の厚み方向レターデーションがこの範囲であれば、1/4波長板としての樹脂フィルム10と積層して光学積層体(積層位相差板)を構成することにより、斜め方向から視認した際の視認性向上や反射防止特性を向上できる。ホメオトロピック配向液晶層の詳細は、例えば、特開2008-216782号公報を参照できる。
【0030】
[接着剤]
樹脂フィルム10と配向液晶層20とを貼り合わせる接着剤層50は、紫外線硬化型接着剤の硬化により形成される。紫外線硬化型接着剤は、紫外線の照射により、ラジカル重合、カチオン重合またはアニオン重合可能な接着剤である。中でも、低エネルギーで硬化可能であることから、紫外線照射によりラジカル重合が開始する光ラジカル重合性接着剤が好ましい。
【0031】
光ラジカル重合性接着剤の硬化成分としては、(メタ)アクリロイル基を有する化合物や、(メタ)アクリルアミド基を有する化合物が挙げられる。(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、C1-20鎖状アルキル(メタ)アクリレート、脂環式アルキル(メタ)アクリレート、多環式アルキル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。(メタ)アクリルアミド基を有する化合物としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
【0032】
光ラジカル重合性接着剤は、架橋成分として、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,9-ノナンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマルアクリレート、ジオキサングリコールジアクリレート、EO変性ジグリセリンテトラアクリレート等の多官能モノマーを含んでいてもよい。
【0033】
光ラジカル重合性接着剤は、好ましくは、複素環を有する硬化成分を含む。複素環を有する硬化成分としては、例えば、アクリロイルモルホリン、γ-ブチロラクトンアクリレート、不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステル修飾ε-カプロラクトン、N-メチルピロリドンが挙げられる。中でも、不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステル修飾ε-カプロラクトンおよびアクリロイルモルホリンが好ましい。複素環を有する硬化成分は、硬化成分(後述のオリゴマー成分が存在する場合には硬化成分とオリゴマー成分との合計)100重量部に対して、好ましくは50重量部以上、より好ましくは60重量部以上、さらに好ましくは70重量部~95重量部の割合で接着剤に含有され得る。アクリロイルモルホリンは、硬化成分(オリゴマー成分が存在する場合には硬化成分とオリゴマー成分との合計)100重量部に対して、好ましくは5重量部~60重量部、より好ましくは10重量部~50重量部の割合で接着剤に含有され得る。
【0034】
光ラジカル重合性接着剤は、上記の硬化成分に加えてオリゴマーをさらに含有してもよい。オリゴマーを含むことにより、硬化前の接着剤の粘度を調整し、操作性を高めることができる。また、オリゴマーを含むことにより、接着剤の硬化収縮が低減する場合がある。オリゴマーの重量平均分子量は、例えば、500~15000程度であり、1000~10000が好ましく、1500~5000がより好ましい。
【0035】
接着剤に含まれるオリゴマーの例としては、上記のモノマーおよびその硬化物との相溶性に優れることから、(メタ)アクリル系オリゴマーが好ましい。(メタ)アクリル系オリゴマーを構成する(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、C1-20鎖状アルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート等のアラルキル(メタ)アクリレート;2-イソボルニル(メタ)アクリレート、2-ノルボルニルメチル(メタ)アクリレート、5-ノルボルネン-2-イル-メチル(メタ)アクリレート、3-メチル-2-ノルボルニルメチル(メタ)アクリレート等の多環式(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3-ジヒドロキシプロピルメチル-ブチル(メタ)メタクリレート等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、2-メトキシメトキシエチル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ基またはフェノキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,2-トリフルオロエチルエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート等のハロゲン含有(メタ)アクリル酸エステル類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
【0036】
接着剤がオリゴマーを含有する場合、オリゴマーの含有量は、接着剤の固形分(硬化後の接着剤において固体として残存する成分)全量100重量部に対して、3~30重量部が好ましく、5~20重量部がより好ましい。
【0037】
光ラジカル重合性接着剤等の光硬化型接着剤は、光重合開始剤を含むことが好ましい。光ラジカル発生剤の含有量は、モノマー100重量部に対して、通常0.1~10重量部程度、好ましくは、0.5~3重量部である。
【0038】
接着剤は、必要に応じて適宜の添加剤を含んでいてもよい。添加剤の例としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等のカップリング剤、エチレンオキシド等の接着促進剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、染料、加工助剤、イオントラップ剤、酸化防止剤、粘着付与剤、充填剤、可塑剤、レベリング剤、発泡抑制剤、帯電防止剤、耐熱安定剤、耐加水分解安定剤等が挙げられる。
【0039】
[光学積層体の作製]
図3は、樹脂フィルム10と配向液晶層20を、接着剤を介して貼り合わせて、光学積層体を作製するプロセスを示す模式図である。
【0040】
光学積層体の製造工程では、まず、樹脂フィルム10および配向液晶層20を準備する。配向液晶層20は、
図2に示すように、支持基材25上に配向液晶層20が密着積層された積層体29として提供されてもよい。また、樹脂フィルム10の一方の面(配向液晶層との貼り合わせ面と反対側の面)には、表面保護フィルムや他の光学フィルム等が貼り合わせられていてもよい。
【0041】
樹脂フィルム10および配向液晶層20は、ロール状の巻回体1,2として提供され、巻き出しロール91,92にセットされる。巻き出しロール91から樹脂フィルム10を巻き出し、ガイドロール61,71によって構成される搬送経路上を搬送しながら、コーティング部51で樹脂フィルム10上に接着剤層を塗布する。同時に、巻き出しロール92から配向液晶層20(または支持基材25上に配向液晶層が密着積層された積層体29)を巻き出し、ガイドロール62,72によって構成される搬送経路上を搬送しながら、コーティング部52で配向液晶層20上に接着剤層を塗布する。接着剤の塗布方法としては、ダイコート、グラビアコート、リバースコート、バーコート、ファウンテンコート等の適宜の方法を適用できる。
【0042】
ここでは、樹脂フィルム10および配向液晶層20の両方に接着剤を塗布する例を示しているが、樹脂フィルム10および配向液晶層20のいずれか一方のみに接着剤を塗布してもよい。
【0043】
接着剤を塗布後の樹脂フィルム10および配向液晶層20を搬送しながら、一対のニップロール71,72間で挟持してロールラミネートする。その後、硬化部60において、紫外線を照射して、接着剤を硬化させることにより、樹脂フィルム10と配向液晶層20とが接着剤層50を介して貼り合わせられた光学積層体100が得られる。接着剤層50の厚みは、好ましくは0.6~2μmである。
【0044】
支持基板25上に配向液晶層20が密着積層された積層体と樹脂フィルム10とを貼り合わせる場合は、
図4に示すように、樹脂フィルム10と配向液晶層20とが接着剤層50を介して貼り合わせられ、配向液晶層20上に支持基材25が積層された積層体109が得られる。この積層体から、支持基材25を剥離除去することにより、
図1に示す光学積層体100が得られる。配向液晶層の表面から支持基材25を剥離せずに、積層体109をそのまま光学積層体として使用してもよい。
【0045】
硬化部60において紫外線を照射する光源としては、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、LED、ブラックライト、ケミカルランプ等が挙げられる。紫外線の照射強度は、例えば100~1000mW/cm2程度である。紫外線の照射量(積算光量)は、例えば200~2000mJ/cm2であり、400~1500mJ/cm2が好ましい。
【0046】
本発明においては、ニップロール71,72でロールラミネートする際の温度T(℃)と、ニップロール71,72でラミネートしてから、硬化部60で紫外線を照射するまでの時間τ(秒)が、所定の関係を満たすことにより、樹脂フィルム10と配向液晶層20との接着性に優れる光学積層体を形成できる。ロールラミネート時の温度Tと、ロールラミネート後紫外線を照射するまでの時間τは、下記の関係を満たすことが好ましい。
43≦T×τ1/2≦85
【0047】
T×τ1/2の値は、45~80がより好ましく、48~75がさらに好ましく、50~72、52~70または54~65であってもよい。
【0048】
ロールラミネート時の温度Tは、23~31℃が好ましい。温度Tは、ニップロール71,72が配置されている空間の雰囲気温度であり、ニップロール71,72でロールラミネートした後、硬化部60で紫外線を照射するまでの間の温度は一定であることが好ましい。なお、硬化部60では紫外線照射により温度が上昇するため、硬化部60の温度は上記の範囲外であってもよい。
【0049】
ロールラミネート後紫外線を照射するまでの時間τは、2~10秒が好ましく、2.5~8秒、または2.8~6.5秒であってもよい。時間τは、ニップロール71,72から硬化部60までの距離、およびフィルムの搬送速度により調整できる、ニップロールから硬化部(紫外線照射)までの距離は、例えば、0.1~3m程度であり、0.3~2.5m、または0.5~2mであってもよい。
【0050】
温度Tおよび時間τを制御することにより、樹脂フィルム10と配向液晶層20との接着力が大きくなる推定要因の1つとして、樹脂フィルム10と接着剤層50との界面、および/または配向液晶層20と接着剤層50との界面に、相溶層が形成されていることが挙げられる。
【0051】
接着剤の硬化成分は液体であり、樹脂フィルム10に対して溶媒として作用して、樹脂フィルムの表層の樹脂を溶解または膨潤させる。樹脂フィルムの樹脂成分の接着剤への浸透、および接着剤の樹脂フィルムへの浸透が生じることにより、樹脂フィルム10と接着剤層50との界面に、相溶層が形成され得る。また、配向液晶層20の液晶材料と接着剤とが相互に浸透すれば、配向液晶層20と接着剤層50との界面に、相溶層が形成され得る。このような相溶層が形成されると、界面での接着力が向上すると考えられる。
【0052】
貼り合わせ温度Tが高く、貼り合わせから硬化までの時間τが長いほど、相溶層の形成が進み、接着力が向上すると考えられる。一方、相溶層の形成が過度に進行すると、接着剤層50において相溶層を形成していない領域(接着剤と樹脂フィルムまたは配向液晶層が相溶しておらず、接着剤の硬化物が単独で存在する部分)の厚みが小さくなり、接着剤によるアンカー効果が失われるために、接着力が低下すると考えられる。上記の様に、T×τ1/2が所定範囲となるように温度Tおよび時間τを制御すれば、界面に適度の相溶層が形成されるため、接着力に優れる光学積層体が得られると考えられる。
【0053】
樹脂フィルム10上に接着剤を塗布した後、ロールラミネートおよび紫外線照射を実施する場合、樹脂フィルムへの接着剤の浸透量を制御する観点から、樹脂フィルムに接着剤を塗布後、紫外線を照射するまでの時間は、5~60秒が好ましく、8~40秒がより好ましく、10~30秒、または13~25秒であってもよい。
【0054】
光学積層体10において、樹脂フィルム10と配向液晶層20の接着強度は、1N/25mm以上が好ましく、2N/25mm以上がより好ましく、3N/25mm以上、4N/25mm以上、5N/25mm以上または6N/25mm以上であってもよい。接着力は、温度23℃、引張速度1000mm/分での90°ピール強度である。ピール試験において、接着剤層50と樹脂フィルム10との界面で剥離が生じる場合は、接着剤層50と樹脂フィルム10との界面での剥離時のピール強度が、樹脂フィルム10と配向液晶層20の接着強度に相当する。
【0055】
樹脂フィルム10と配向液晶層20の接着強度が大きいことにより、界面での剥離が生じ難く、光学積層体と他のフィルムとの貼り合わせや画像表示装置への組み込み等におけるプロセスを安定化できるとともに、画像表示装置の使用時における界面での剥離等の不具合を抑制できる。また、樹脂フィルム10と配向液晶層20の接着強度が大きければ、
図4に示す積層体109から支持基板25を剥離除去する際に、樹脂フィルム10と配向液晶層20との界面での剥離を生じることなく、支持基板25を安定的に剥離除去できる。
【0056】
[光学積層体の用途]
樹脂フィルム10と配向液晶層20とが接着剤層50を介して積層された光学積層体は、例えば、画像表示装置の光学フィルムとして使用できる。光学積層体は、そのまま画像表示用部材として使用してもよく、他の光学層等と積層してもよい。
【0057】
他の光学層としては、偏光子、偏光子保護フィルム、位相差フィルム、粘着剤層等が挙げられる。例えば、λ/4板として機能する樹脂フィルム10とホメオトロピック配向液晶層20とが積層された積層体を、偏光子と貼り合わせることにより、円偏光板が得られる。円偏光板は、例えば、有機EL表示装置において、金属電極等により反射した外光が視認されることを防止するための外光反射防止フィルムとして使用される。
【実施例0058】
以下に、延伸ポリカーボネートフィルムとホメオトロピック配向液晶層とを接着剤層を介して貼り合わせる製造例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
【0059】
[製造例1:ポリカーボネートフィルムの作製]
特許5204200号の実施例1に記載の方法に準じて、イソソルビド由来の構成単位(37.1モル%)、9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン由来の構成単位(47.4モル%)および1,4-シクロヘキサンジメタノール由来の構成単位(15.5モル%)を含むポリカーボネート系樹脂を作製し、フィルム化および延伸を行い、厚み50μmの延伸フィルムを得た。
【0060】
[製造例2:ホメオトロピック配向液晶層の作製]
下記の化学式(n=0.35であり、便宜上ブロックポリマー体で示している)の重量平均分子量5000の側鎖型液晶ポリマー:20重量部、ネマチック液晶相を示す重合性液晶化合物(BASF製「Paliocolor LC242」):80重量部、および光重合開始剤(IGM Resins製「Omnirad907」):5重量部を、シクロペンタノン400重量部に溶解して液晶性組成物を調製した。
【0061】
【0062】
二軸延伸ノルボルネン系フィルム(日本ゼオン製「ゼオノアフィルム」、厚み:52μm、正面レターデーション:50nm)の表面に、上記の液晶性組成物を乾燥後の厚みが1μmとなるようにバーコーターにより塗布し、80℃で2分間加熱して液晶を配向させた室温に冷却した後、窒素雰囲気下で700mJ/cm2の紫外線を照射して、液晶モノマーを光硬化させ、フィルム基材上にホメオトロピック配向液晶層が形成された積層体を得た。
【0063】
[製造例3:接着剤層形成用組成物の調製]
不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステル修飾ε-カプロラクトン(ダイセル製「プラクセル FA1DDM」)50重量部、アクリロイルモルホリン(興人製「ACMO」)25重量部、ポリプロピレングルコール(n=3)ジアクリレート(東亞合成製「アロニックス M-220」)10重量部、重量平均分子量2900のエポキシ基含有アクリル系オリゴマー(東亞合成製「ARFON UG-4100」)15重量部、ならびに、光重合開始剤として、「OMNIRAD 907」(IGM Resins製)2重量部および「KAYACURE DETX-S」(日本化薬製)2重量部を混合して、紫外線硬化型の接着剤組成物を調製した。
【0064】
[ポリカーボネートフィルムとホメオトロピック配向液晶層の貼合]
製造例1のポリカーボネートフィルムおよび製造例2の積層体を、ロール搬送しながら、ポリカーボネートフィルムの表面および積層体の液晶層の表面のそれぞれにコロナ処理を行った後、製造例3の接着剤組成物を塗布した。その後、両者を一対のニップロールで狭持して貼り合わせ、フュージョンUVシステムズ製のUV硬化装置(Vバルブ)により、700mJ/cm2の紫外線を照射して、接着剤を硬化した。
【0065】
貼り合わせに際しては、ニップロールおよびその周辺の雰囲気温度Tを、表1に示す様に、23~31℃の範囲で調整した。また、フィルムの搬送速度を変更することにより、貼り合わせ(ロールラミネート)から紫外線照射までの時間τを、表1に示す様に、1.9~9.5秒の範囲で調整した。
【0066】
[評価]
ポリカーボネートフィルムと液晶層とを接着剤層により貼り合わせた積層体から、配向液晶層の支持基材としてのノルボルネン系フィルムを剥離して、液晶層を露出させた。ポリカーボネートフィルム側の面にポリイミドテープを貼着して補強し、幅25mmの短冊状に切り出して、剥離力測定用試料を作製した。変角度ピール試験機を用い、引張速度:1000mm/分:引張方向:90°の条件で、ポリカーボネートフィルムと接着剤層との界面のピール強度を測定した。ピール強度が2N/25mm以上であったものを〇、1N/25mm以上、2N/25mm未満であったものを△、1N/25mm未満であったものを×とした。
【0067】
上記の積層体の製造におけるラミネート温度Tおよびラミネートから紫外線照射迄の時間τと、ピール強度の評価結果を、表1に一覧で示す。表1において、上段はピール強度の評価結果、下段はラミネート温度Tと、ラミネートから紫外線照射までの時間τの平方根との積:T×τ1/2の値である。
【0068】
【0069】
表1に示すように、貼合時の温度Tおよび貼合から紫外線照射までの時間τを調整し、T×τ1/2を所定範囲内とすることにより、接着性に優れる光学積層体が得られることが分かる。