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特開2023-161356トランザクション管理装置、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161356
(43)【公開日】2023-11-07
(54)【発明の名称】トランザクション管理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/10 20120101AFI20231030BHJP
   G06Q 30/00 20230101ALI20231030BHJP
【FI】
G06Q20/10 300
G06Q30/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071698
(22)【出願日】2022-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】504103984
【氏名又は名称】ウイングアーク1st株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】名護屋 豊
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049BB11
5L055AA32
(57)【要約】
【課題】トランザクションデータとは別に必要なデータを送信元と送信先との間で交換可能にするトランザクション管理装置を提供すること。
【解決手段】サービス提供会社WAは、企業間で交換される文書を中継するサービスを提供する。発注側企業HKは、文書Bを受注側企業JKに送信する際に、その文書Bとは別の送信させるデータを指定することができる(シーケンスS1)。そのようなデータが指定された場合、受注側企業JKは、文書Bの他に、指定されたデータを入力データDIとして送信させる(シーケンスS2~S6)。送信された文書B、及び入力データDIは記憶装置KSに保存され、発注側企業HKの要求により(シーケンスS7)、発注側企業HKに送信される(シーケンスS8)。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のトランザクションを管理するトランザクション管理装置であって、
前記所定のトランザクションについて、文書を受信する側である受信側端末から、前記文書を送信する側である送信側端末において入力を要求する所定のデータの指定を受け付けるデータ指定受付手段と、
前記送信側端末から前記所定のトランザクションの要求を受け付けたことに応じて、前記所定のデータを含むデータの入力画面を前記送信側端末に送信するデータ入力画面送信手段と、
前記送信側端末からの前記入力画面上で入力された前記所定のデータの入力確認を行うデータ入力確認手段と、
を備えるトランザクション管理装置。
【請求項2】
前記所定のデータのうち前記データ入力確認手段により入力確認ができなかったデータの入力を求めるための要求を前記送信側端末に送信するデータ入力要求手段、
をさらに備える請求項1に記載のトランザクション管理装置。
【請求項3】
前記所定のデータに関連する文書情報を前記送信側端末に送信する関連文書送信手段、
をさらに備える請求項1、または2に記載のトランザクション管理装置。
【請求項4】
前記データ指定受付手段は、入力を要求する所定のデータについて送信側端末のユーザにより異なる指定を受け付け、
前記データ入力画面送信手段は、前記送信側端末のユーザに応じて異なる所定のデータを含むデータの入力画面を前記送信側端末に送信する、
請求項1に記載のトランザクション管理装置。
【請求項5】
所定のトランザクションを管理するトランザクション管理装置として用いられる情報処理装置に、
前記所定のトランザクションについて、文書を受信する側である受信側端末から、前記文書を送信する側である送信側端末において入力を要求する所定のデータの指定を受け付け、
前記送信側端末から前記所定のトランザクションの要求を受け付けたことに応じて、前記所定のデータを含むデータの入力画面を前記送信側端末に送信し、
前記送信側端末からの前記入力画面上で入力された前記所定のデータの入力確認を行う、
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランザクション管理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ソフトウェアが異なるデータフォーマットでデータを交換することができるシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。このシステムでは、送信元の端末(コンピュータ)が送信したトランザクションデータから、標準化されたデータトランザクションを生成し、標準化されたトランザクションデータを送信先の端末(コンピュータ)に送信させることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2004-538547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなシステムでは、送信元の端末と送信先の端末との間でトランザクションデータ、例えば文書等を交換させることができる。しかし、送信側にとっては、送信元からのトランザクションデータとは別に必要なデータが存在することも考えられる。このことから、そのような必要なデータをトランザクションデータとは別に送信元から送信させるようにすることも考えられる。
【0005】
本発明は、トランザクションデータとは別に必要なデータを送信元と送信先との間で交換可能にするトランザクション管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様のトランザクション管理装置は、所定のトランザクションを管理するトランザクション管理装置であって、前記所定のトランザクションについて、文書を受信する側である受信側端末から、前記文書を送信する側である送信側端末において入力を要求する所定のデータの指定を受け付けるデータ指定受付手段と、前記送信側端末から前記所定のトランザクションの要求を受け付けたことに応じて、前記所定のデータを含むデータの入力画面を前記送信側端末に送信するデータ入力画面送信手段と、前記送信側端末からの前記入力画面上で入力された前記所定のデータの入力確認を行うデータ入力確認手段と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、トランザクションデータとは別に必要なデータを送信元と送信先との間で交換可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の適用により提供されるサービスの概要の一例を説明する図である。
図2】電子帳簿保存法が適用される文書の例を示す図である。
図3】本発明のトランザクション管理装置の一実施形態に係るAPサーバが接続されたネットワーク環境の一例を説明する図である。
図4】本発明のトランザクション管理装置の一実施形態に係るAPサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5】本発明のトランザクション管理装置の一実施形態に係るAPサーバ上に実現される機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図6】入力データの入力方法の例、及びその入力データの表示方法の例を説明する図である。
図7】本発明のトランザクション管理装置の一実施形態に係るAPサーバ上に実現される手段を説明する図である。
図8】企業間における文書交換を可能にするシステムの構築例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について、図を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、あくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。本発明の技術的範囲には、様々な変形例も含まれる。
【0010】
図1は、本発明の適用により提供されるサービスの概要の一例を説明する図である。
このサービス(以降「本サービス」と表記)は、サービス提供会社WAにより、顧客を対象に提供されるものである。顧客としては、主に事業者が想定されている。本サービスには、事業者間での文書交換を中継するものが含まれており、その中継を通して、各事業者の文書交換における負担を軽減可能な環境を提供する。交換の対象となる文書が、トランザクションデータであり、その文書交換のためのトランザクションが所定のトランザクションである。
【0011】
図1では、各種データの中継をサービス提供会社WA自身が行うように示している。しかし、その中継は、別の会社、或いはクラウドサービス等に行わせるようにしても良い。事業者として、商品を受注する側の企業である受注側企業JK、及び商品を発注する側の企業である発注側企業HKの2つを示している。これに合わせ、以降「企業」は、特に断らない限り、事業者を指す意味で用いる。
【0012】
受注側、発注側の表現は、受注側企業JKが販売する商品に着目したものである。実際には、例えば受注側企業JKは、別の商品を購入する発注側企業であることも多い。ここでは、混乱を避けるために、具体的な事業者としては、この2つの企業JK、HKのみを想定することとする。なお、事業者は、他の団体、或いは法人等であっても良く、個人であっても良い。このこともあり、事業者は特に限定されるものではない。同様に、2つの企業JK、HK間での文書交換は、商品を購入する以外の取り引き等のために行われるものであっても良い。
【0013】
送信側(受注側企業JK)にとっては、送信される文書に必要なデータが全て存在するのが普通である。しかし、受信側(発注側企業HK)では、新たに項目を追加する等により、必要なデータが発生する場合があり得る。また、文書を管理するうえで必要な管理用のデータが定められているような場合もあり得る。その場合、受信側は、文書中に管理用のデータが存在しているのであれば、その管理用のデータを抽出しなければならない。文書中に管理用のデータが全て存在していなければ、別の文書等で必要な管理用データを確認するか、或いは送信側に問い合わせをしなければならない。このようなことから、受信側にとっては、面倒な手間が発生し、作業効率を低下させることになる。
【0014】
経済社会のデジタル化を踏まえ、令和3年度の税制改正において、「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律の改正等が行われ、令和4年1月1日に施行された。この法律の改正により、電子帳簿の検索要件とされる記載項目は、取引年月日、取引金額、及び取引先の3項目となった。この法律は以降「電子帳簿保存法」と表記する。
【0015】
企業間で交換される、電子帳簿保存法が適用される文書(書類)には上記3項目が存在するのが普通である。文書の受信側にとっては、この3項目のデータは必要であり、検索を容易、且つ高精度に行えるようにするためには、この3項目のデータは文書とは別に扱うことが望ましい。これは、例え文書から3項目のデータを自動的に抽出するようにしたとしても、3項目のデータを確実に抽出できるとは限らないからである。つまり、3項目のデータのうちの一つ以上を抽出できない可能性が考えられるからである。これは、抽出すべき文書を確実に抽出できるとは限らないことを意味する。
【0016】
このようなことから、文書の受信側にとっては、電子帳簿保存法に基づき文書を保存する場合、送信される文書とは別に、3項目のデータが必要となる。本サービスでは、このような3項目のデータを文書とは別に送信できる環境を提供する。それにより、文書の受信側にとってのより高い利便性を実現させ、より高い作業効率を受信側がより容易に実現できるように支援する。
【0017】
なお、この3項目のデータは、電子帳簿保存法が適用される文書を想定した場合に、受信側が必要とする可能性が考えられるデータの例であり、受信側が必要とするデータは、3項目のデータに限定されない。3項目のデータを例に挙げたのは、電子帳簿保存法の施行により、企業等では3項目のデータへの対応が求められるからである。本サービスは、その対応のための一つの選択肢となり得る。
【0018】
図2は、電子帳簿保存法が適用される文書の例を示す図である。
この文書の例は、請求書である。この請求書では、図2に示すように、取引年月日は請求日、取引金額が合計額、取引先が企業名、及び住所でそれぞれ示されている。
【0019】
このように、3項目の項目名は、文書の種類、文書交換を行う何れかの企業の要望等によって異なるのが普通である。そのため、文書に関わらず、3項目のデータを自動的に抽出できるようにすることは困難である。抽出精度も比較的に低くなるのが実情である。なお、電子帳簿保存法が適用される文書は、請求書に限定されるものではなく、様々な種類がある。必要なデータが発生する可能性が考えられる文書も様々である。
【0020】
受信側である発注側企業HKにとって文書の他に必要とするデータを、送信側である受注側企業JKが特定するのは困難である。このことから、本サービスでは、発注側企業HKに、送信される文書の他に必要なデータを指定させる(シーケンスS1)。この指定結果は、サービス提供会社WAが用意した記憶装置KSに保存される。指定されたデータが、所定のデータである。
【0021】
受注側企業JKは、発注側企業HKに送信すべき文書を作成し、作成した文書をサービス提供会社WAに受け付けさせるための文書送信要求を送信する(シーケンスS2)。この送信要求により、サービス提供会社WAは、発注側企業HKが指定したデータの入力のための画面であるデータ入力画面を受注側企業JKに送信する(シーケンスS3)。
【0022】
このデータ入力画面には、発注側企業HKが指定したデータに応じて、データ入力用の入力ボックス、ラジオボタン等が配置されている(図6参照)。それにより、受注側企業JK(の従業員)は、サービス提供会社WAから送信されたデータ入力画面上で入力すべきデータを入力し、入力したデータの送信を指示する。この結果、入力されたデータは、受注側企業JKからサービス提供会社WAに送信される(シーケンスS4)。
【0023】
サービス提供会社WAは、受注側企業JKから受信されたデータが適切か否か確認し、確認結果を受注側企業JKに送信する(シーケンスS5)。このデータの確認により、例えば入力すべきデータが全て存在するか否か、入力されたデータの全てで内容が適切か否か、等が判定される。それにより、入力すべきデータが全て存在し、且つデータの全ての内容が適切であった場合に、データは適切と判定される。それ以外の場合、データは不適切と判定される。
【0024】
データは適切と判定された場合、確認結果の送信により、受注側企業JKは、文書の送信が可能になる。適切と判定されたデータは記憶装置KSに保存される。図1中に示す入力データDIは、適切と判定されて記憶装置KSに保存されるデータである。以降、入力データDIは、受注側企業JKがデータ入力画面上で入力した全てのデータを指す意味で用いる。
【0025】
一方、入力データDIは不適切と判定された場合、例えば確認結果としてデータ入力画面が再度、送信され、適切な入力データDIの入力が促される。このため、受注側企業JKにとっては、結果として、適切な入力データDIの入力を確実、且つ迅速に行えることができる。これは、文書交換におけるトランザクションのよりスムーズな進行を実現させるうえで有効である。図1に示す例では、入力データDIは適切と判定されたことにより、確認結果の送信後、受注側企業JKは文書を送信させている(シーケンスS6)。
【0026】
サービス提供会社WAに送信された文書は、記憶装置KSに保存される。図1に示す文書Bは、企業間の交換のために記憶装置KSに保存される文書である。以降、文書Bは、企業間で交換される文書を指す意味で用いる。
【0027】
発注側企業HK宛に送信された文書Bは、発注側企業HKが確認可能となっている。発注側企業HKは、自身宛の文書Bを指定して閲覧(ダウンロードを含む)することができる。文書送信要求は、その閲覧のために送信される要求である。シーケンスS6で送信された文書Bの閲覧のための文書送信要求を発注側企業HKがサービス提供会社WAに送信させた場合(シーケンスS7)、サービス提供会社WAは、その文書Bを入力データDIとともに、発注側企業HKに送信する(シーケンスS8)。
【0028】
このように、文書Bの受信側である発注側企業HKは、必要なデータを指定することにより、指定されたデータを入力データDIとして、文書Bとともに受信することができる。入力データDIは文書Bとは分けて送信されるため、発注側企業HKにとっては扱いが容易である。入力データDIを望む形に加工するような操作が基本的に不要となるからである。結果、発注側企業HKにとっては、必要なデータを入力データDIとして確実に取得できることから、入力データDIを取得するための手間を最小限に抑えられることになる。それにより、より高い作業効率も実現されることとなる。特に多くの受注側企業JKと取り引きを行う発注側企業HKでは、作業効率の向上によって必要な人的資源を低減でき、各受注側企業JKとの間に生じるトランザクションもスムーズに実行されるようになる。
【0029】
以降は、図3図8を参照しつつ、図1に概要を例示する本サービスを提供するための具体的な方法について詳細に説明する。
図3は、本発明のトランザクション管理装置の一実施形態に係るAP(APplication)サーバが接続されたネットワーク環境の一例を説明する図である。
【0030】
APサーバ1は、本サービスの提供のために、サービス提供会社WA内に設置された情報処理装置である。APサーバ1以外に、Webサーバ、及びDB(Data Base)サーバ等も設置されるのが普通であるが、ここでは説明上、便宜的に、サービス提供会社WAは本サービス提供用の1台のAPサーバ1のみを設置したものと想定する。
【0031】
APサーバ1は、ネットワークNと接続されている。このネットワークNは、例えばインターネットを含む複数のネットワークの集合体である。インターネット以外のネットワークとしては、携帯電話網、LAN(Local Area Network)等を挙げることができる。
【0032】
このネットワークNには、図3に示すように、受注側企業JKの従業員が使用する送信側端末5が1台以上、接続させることができる。同様に、発注側企業HKの従業員が使用する受信側端末6も1台以上、接続させることができる。それにより、APサーバ1は、ネットワークNを介した送信側端末5、及び6とのそれぞれの通信により、本サービスを提供する。このことから、文書Bは電子データであり、本サービスは、Web-EDI(Electronic Data Interchange)により文書交換を実現させるものとなっている。
【0033】
送信側端末5、受信側端末6は、受注側企業JKと発注側企業HKとの間で行われる文書交換に着目しての表現である。多くの場合、受注側企業JKと発注側企業HKとの間で交換される文書は、送信側端末5から送信される。なお、上記のように、APサーバ1は、サービス提供会社WAに設置されないものであっても良い。
【0034】
図4は、本発明のトランザクション管理装置の一実施形態に係るAPサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。次に図4を参照し、APサーバ1のハードウェア構成例について具体的に説明する。なお、この構成例は一例であり、APサーバ1のハードウェア構成はこれに限定されない。
【0035】
APサーバ1は、図4に示すように、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、及びドライブ20と、を備えている。
【0036】
CPU11は、例えばROM12に記録されているプログラム、或いは/及び記憶部18からRAM13にロードされたプログラムを実行し、各種の処理を実現させる。記憶部18からRAM13にロードされるプログラムには、例えばOS(Operating System)、及びそのOS上で動作する各種アプリケーション・プログラムが含まれる。各種アプリケーション・プログラムには、本サービスの提供用に開発されたものが1つ以上、含まれる。
【0037】
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。そのデータには、CPU11が実行する各種プログラムも含まれる。各種プログラムは、RAM13に読み出されてCPU11に実行される。
【0038】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19、及びドライブ21が接続されている。
【0039】
出力部16は、例えば液晶等のディスプレイを含む構成である。出力部16は、CPU11の制御により、各種画像、或いは各種画面を表示する。出力部16は、APサーバ1に搭載されたものであっても良いが、必要に応じて接続されるものであっても良い。それにより、出力部16は、必須の構成要素ではない。
【0040】
入力部17は、例えばキーボード等の各種ハードウェア釦等を含む構成のものである。その構成には、マウス等のポインティングデバイスが1つ以上、含まれていても良い。操作者(主にシステム管理者)は、入力部17を介して各種情報を入力することができる。この入力部17も、APサーバ1に搭載されたものであっても良いが、必要に応じて接続されるものであっても良い。それにより、入力部17も、必須の構成要素ではない。
【0041】
記憶部18は、例えばハードディスク装置、或いはSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置である。データ量の大きいデータは、この記憶部18に記憶される。
通信部19は、ネットワークNを介した他の情報処理装置との間の通信を可能にする。図3に示す送信側端末5、及び受信側端末6は何れも、他の情報処理装置である。
【0042】
送信側端末5、及び受信側端末6はともに、認証された、つまりログインした従業員が使用する端末である。以降、ログインした従業員が使用しているが、送信側端末5、及び受信側端末6の何れか特定できない端末は「ログイン端末」、ログインしていない従業員が使用する端末は「未ログイン端末」とそれぞれ表記する。「端末」は、特に断らない限り、それらのうちの何れかに特定できない端末を指す意味で用いる。
【0043】
ドライブ20は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリカード等のリムーバブルメディア25が着脱可能な装置である。ドライブ20は、例えば装着されたリムーバブルメディア25からの情報の読み取り、及びリムーバブルメディア25への情報の書き込みが可能である。それにより、リムーバブルメディア25に記録されたプログラムは、ドライブ20を介して、記憶部18に記憶させることができる。また、ドライブ20に装着されたリムーバブルメディア25は、記憶部18に記憶されている各種データのコピー先、或いは移動先として用いることができる。
【0044】
本サービス用に開発されたアプリケーション・プログラムは、リムーバブルメディア25に記録させて配布しても良い。ネットワークN等を介して配布可能にしても良い。このことから、アプリケーション・プログラムを記録した記録媒体としては、ネットワークNに直接的、或いは間接的に接続された情報処理装置に搭載、若しくは装着されたものか、或いは外部のアクセス可能な装置に搭載、若しくは装着されたものであっても良い。
【0045】
APサーバ1が備えるハードウェア資源は、アプリケーション・プログラムを含む各種プログラムによって制御される。その結果、APサーバ1は、受注側企業JK、及び発注側企業HKの各従業員(ユーザ)に対して、本サービスを提供することができる。
【0046】
図5は、本発明のトランザクション管理装置の一実施形態に係るAPサーバ上に実現される機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。次に図5を参照しつつ、APサーバ1上に実現される機能的構成の例について詳細に説明する。
【0047】
APサーバ1のCPU11上には、機能的構成として、図5に示すように、顧客登録部111、認証部112、顧客別指定データ設定部113、文書受付部114、文書管理部115、指定データ要求部116、指定データ処理部117、要求処理部118、及び画面生成部119が実現される。そのCPU11は、通信部19を介して、送信側端末5、及び受信側端末6との間でデータの送受信を行う。
【0048】
これらは、本サービスの提供用に開発されたアプリケーション・プログラムを含む各種プログラムをCPU11が実行することにより実現される。その結果として、記憶部18には、顧客情報格納部181、データ指定情報格納部182、文書管理情報格納部183、文書格納部184、及び入力データ格納部185が情報格納用に確保される。これにより、記憶部18は、図1に示す記憶装置KSに対応する。
【0049】
本サービスは、顧客として登録した企業に対して提供される。顧客登録部111は、顧客に関する情報である顧客情報の登録、及び削除を含む編集に対応する。記憶部18に確保された顧客情報格納部181は、顧客情報の保存用の領域である。
【0050】
顧客情報には、例えば顧客ID(IDetifier)、企業ID、企業名、居所、メールアドレス、及びパスワード等の各種項目の情報が含まれる。ここでは、顧客であることを確認する認証は、例えば顧客ID、及びパスワードを用いて行うものと想定する。
【0051】
認証部112は、認証要求に対応する。この認証要求は、送信側端末5、及び受信側端末6のそれぞれから送信される要求であり、顧客ID、及びパスワードが含まれる。それにより、認証部112は、認証要求に含まれる顧客ID、及びパスワードの組を含む顧客情報が顧客情報格納部181に格納されているか否かを確認することにより、認証を行う。この認証用の画面、顧客情報の登録、或いは編集用の画面は何れも、画面生成部119により生成され、対象となる端末に送信される。画面の送信要求を含む各種要求は、要求処理部118により処理され、画面生成部119は、要求処理部118によって指示された画面を生成する。
【0052】
未ログイン端末では、ログイン端末よりも送信可能な画面が制限される。この制限により、未ログイン端末を使用する従業員は、本サービスを利用できなくなっている。
顧客別指定データ設定部113は、顧客別、文書の種類別に、その顧客が文書Bとともに受信する入力データDIの設定を可能にする。この設定により、データ指定情報が生成され、記憶部18に確保されたデータ指定情報格納部182に格納される。
【0053】
指定データ情報は、文書Bと対応付けて送信を要求する入力データDIを自動的に指定させるための情報である。そのために、指定データ情報には、例えば文書Bを受信する企業の顧客ID、文書Bの種別、その文書Bで要求する各データのデータ項目等の各種項目の情報が含まれる。それにより、顧客IDが割り当てられた企業宛に送信される文書Bのうちで、データ指定情報が適用される文書Bには、データ指定情報により特定される各データ項目のデータが自動的に送信側の企業、つまり受注側企業JKに要求される。
【0054】
文書受付部114は、企業間で交換する文書Bを受け付ける。文書受付部114により受け付けられる文書Bは、例えば画面生成部119により生成され送信される画面上で選択されたものである。その画面上では、送信させる文書Bの選択の他に、例えばその文書Bの送信先、文書Bの種別、等の指定も可能になっている。これらの指定結果は、例えば送信指示により、文書送信要求としてAPサーバ1に送信される。それにより、APサーバ1側では、文書送信要求により、選択された文書Bに入力データDIの入力を要求すべきか否かを判定することができる。
【0055】
なお、送信先となる企業は、文書Bの内容を認識させ、自動的に特定させるようにしても良い。これは、送信先の情報が文書Bには存在するからである。文書Bの種別等も、タイトル等から自動的に特定させるようにしても良い。
【0056】
通信部19で受信され、CPU11に直接、或いは間接的に通信部19から出力された文書送信要求は、例えば文書受付部114に渡され、更に文書受付部114から指定データ要求部116に渡される。
【0057】
指定データ要求部116は、データ指定情報で指定される入力データDIの入力を受注側企業JKに求めるための機能である。指定データ要求部116は、文書送信要求中の指定結果を用いて、データ指定情報格納部182に格納されているデータ指定情報を参照し、送信先として指定された企業の顧客ID、指定された文書Bの種別が一致するデータ指定情報を抽出する。この結果、データ指定情報が抽出された場合、そのデータ指定情報中の全てのデータ項目を画面生成部119に渡し、入力データDIの入力用のデータ入力画面を送信させる。データ入力画面は、CPU11から通信部19に直接、或いは間接的に出力され、通信部19を介して送信側端末5に送信される。
【0058】
データ指定情報の抽出結果は、文書受付部114に渡される。文書受付部114は、データ指定情報が抽出された場合、次に送信側端末5から要求が送信されるのを待つ。一方、データ指定情報が抽出されなかった場合、文書受付部114は、例えば選択された文書Bの送信を実際に行うか否かを確認するための画面を画面生成部119に送信させる。それにより、送信側端末5の従業員が、その画面上のボタン等を操作して、文書Bの送信を指示した場合、選択された文書Bが送信側端末5からAPサーバ1に送信される。
【0059】
送信された文書Bは、CPU11内で文書受付部114に渡される。文書受付部114は、渡された文書Bを、文書送信要求中の指定結果とともに文書管理部115に渡す。
文書管理部115は、文書Bを文書格納部184に格納する。また、文書管理部115は、文書格納部184に格納させた文書Bを管理するための文書管理情報を生成し、生成した文書管理情報を記憶部18の文書管理情報格納部183に格納させる。
【0060】
文書管理情報は、例えば文書Bを送信させた企業の顧客ID、その文書Bの送信先となる企業の顧客ID、文書Bの種別、文書Bに割り当てた識別用のID(以降「文書ID」)、文書Bの保存場所(例えばURL:Uniform Resource Locator)、入力データDIの有無、入力データDIの保存場所、及び受付日時等の各種項目の情報を含む。それにより、文書管理情報を参照することにより、企業間の入力データDIを含む文書Bの交換が可能となっている。なお、送信先となる企業、文書Bの種別等は、文書Bの内容を認識させ、自動的に特定させるようにしても良い。これは、それらを表す文字列、或いは記号等が文書Bには存在するからである。このことから、文書Bの送信の後、データ入力画面を送信させて、入力データDIの入力を求めるようにしても良い。このこともあり、文書Bと入力データDIの送信タイミングの関係は、特に限定されない。
【0061】
データ入力画面上で入力された入力データDIは、例えばその画面上に配置された「送信」ボタンへの操作により、APサーバ1に送信される。この入力データDIをAPサーバ1に処理させる要求は以降「入力データ送信要求」と表記する。入力データDIは、入力データ送信要求に格納される形でAPサーバ1に送信される。送信先の企業の顧客ID、文書Bの種別等も格納されている。
【0062】
入力データ送信要求は、CPU11内では、例えば文書受付部114に渡され、更に文書受付部114から指定データ処理部117に渡される。
指定データ処理部117は、入力データ送信要求中の顧客ID、及び文書Bの種別を用いて、対応するデータ指定情報をデータ指定情報格納部182から抽出する。次に、指定データ処理部117は、抽出したデータ指定情報中の各データ項目の情報を参照して、入力データDIが適切か否か確認する入力確認を行う。この確認結果は、例えば指定データ要求部116、及び文書受付部114に渡される。
【0063】
指定データ処理部117は、上記のように、入力データDIに足りないデータが存在するか、或いは内容が不適切なデータが1つ以上、存在する場合、入力データDIは不適切と判定する。その判定結果が渡された指定データ要求部116は、例えば判定結果に応じたメッセージを配置させたデータ入力画面を画面生成部119に送信させる。それにより、メッセージを通して、データが入力されていない項目、或いは内容が不適切な項目等の存在について送信側端末5を使用する従業員に通知する。内容が不適切な項目としては、例えば年月日を入力する項目では、あり得ない年月日、年月日として入力されるはずのないキャラクタ等が入力されている場合、内容が不適切と判定される。
【0064】
上記のような通知により、従業員は、入力した入力データDIが不適切なだけでなく、入力されていない項目、或いは内容が不適切な項目等を知ることができる。そのため、従業員にとっては、入力すべき入力データDIの入力を確実に、且つより迅速に行えるように支援されることとなる。
【0065】
一方、入力データDIが適切であると指定データ処理部117が確認できた場合、文書受付部114は、例えば選択された文書Bを送信させるか否かを最終的に指示させるための画面を画面生成部119に送信させる。それにより、送信側端末5を使用する従業員が、その画面上で送信を指示することにより、選択された文書Bが送信側端末5からAPサーバ1に送信される。
【0066】
APサーバ1に送信された文書Bは、CPU11内で文書受付部114に渡される。文書受付部114は、渡された文書Bを、既に受信されている文書送信要求とともに文書管理部115に渡す。それにより、文書管理部115は、渡された文書Bを文書格納部184に格納するとともに、上記文書管理情報を生成して、生成した文書管理情報を文書管理情報格納部183に格納する。この結果、受信された文書Bは、送信先である発注側企業HKに送信するのが可能な状態になる。
【0067】
文書管理部115は、指定データ処理部117に対し、文書Bを格納したことを通知する。この通知により、指定データ処理部117は、適切であることが確認済みの入力データDIに、例えば文書IDを追加し、入力データ格納部185に格納する。この文書IDの追加により、入力データDIと文書Bとの間の対応関係が特定可能になる。
【0068】
要求処理部118は、上記した以外の各種要求に対応する。この要求処理部118により、受信側端末6、及び送信側端末5はともに、文書Bを受信することができる。各種ページ(画面)の送信要求は、基本的に要求処理部118によって処理される。ページは、画面生成部119により送信される。
【0069】
要求処理部118は、文書Bを送信させる場合、入力データ格納部185に格納されている入力データDIを参照し、その文書Bに割り当てられた文書IDが追加されている入力データDIがあるか否か確認する。その確認により、文書Bに割り当てられた文書IDが追加されている入力データDIを確認した場合、要求処理部118は、例えば文書Bの閲覧用の画面に加え、入力データDIの閲覧用の画面の生成を画面生成部119に指示する。それにより、2つの画面がログイン端末に送信され、送信された2つの画面は、例えば重ねられた形で表示される。
【0070】
図6は、入力データの入力方法の例、及びその入力データの表示方法の例を説明する図である。
図6に示す例では、文書Bは請求書である。A社は、その請求書の送信元であり、B社は、その請求書の送信先である。B社は、請求書を文書Bとして受信する、つまり受け取る場合、文書Bの必須入力データを決定し、そのデータを表す情報をAPサーバ1に登録させる(シーケンスS11)。必須入力データは、例えば電子帳簿の検索要件とされる3項目のデータである。この3項目のデータが指定されることにより、A社では、請求書を文書Bとして送信する場合、その3項目のデータ入力が要求される。その3項目のデータ入力の要求のために、データ入力画面が送信される。
【0071】
図6に示す例では、このデータ入力画面はポップアップであり、3項目のデータの入力用に、それぞれ項目名が表記された3つの入力ボックスが配置されている。他に、送信を指示するための「OK」ボタン、入力のキャンセルを指示するための「キャンセル」ボタンがデータ入力画面には配置されている。
【0072】
「キャンセル」ボタンが操作された場合、送信済みの文書送信要求が無効とされる。「OK」ボタンが操作された場合、3項目にそれぞれ入力されたデータが入力データDIとしてAPサーバ1に送信されることになる。送信済みの文書送信要求との対応関係を特定できるように、入力データDIは、例えば対応する文書送信要求を表す識別情報を含む要求としてAPサーバ1に送信される。それにより、APサーバ1は、入力された入力データDIが適切か否かの確認を行い、その確認結果に応じた処理を行う。
【0073】
上記のように、適切な入力データDIが入力された場合、A社は、請求書を文書Bとして送信することが可能となる。それにより、A社が文書Bの送信を指示することにより、文書BがAPサーバ1に送信され、APサーバ1を介してB社に文書B、及び入力データDIが送信される(シーケンスS12)。
【0074】
図6に示す例では、文書B、及び入力データDIは、それぞれ別の画面で表示されている。それぞれ別の画面に表示させることにより、B社側では、文書B、及び入力データDIを明確に区別することができる。そのため、B社側では、入力データDIの内容が文書Bの内容と矛盾しているか否かを容易に確認することができる。
【0075】
上記のように、入力データDIの入力の要求は、文書Bの送信後に行うようにしても良い。つまり、文書Bの交換のためにトランザクションは、文書Bの受信で終了させるのではなく、その受信以降も含まれるものとして、トランザクションを管理させるようにしても良い。ここで、文書Bの送信後に入力データDIの入力の要求を行えるようにする場合の変形例について説明する。
【0076】
その場合、文書Bの送信先であるB社には、自社宛に送信された文書Bのうちの任意の文書Bを選択し、入力データDIを指定しての入力の要求を可能にさせるのが望ましい。これは、入力データDIの入力を要求すべき文書B、及び必要となる入力データDIを予め特定することは非常に困難だからである。
【0077】
入力データDIが受信される文書Bであっても、他に必要なデータが生じることもあり得る。このため、入力データDIの入力を要求する対象となる文書Bは、送信時に入力データDIを入力させる文書Bであっても良い。送信時に入力データDIを入力させた文書Bでは、その入力データDIとは異なるデータが指定されることになる。これは、同じ入力データDIの入力をB社が更に要求するようなことは考えられないからである。
このような入力データDIの入力を要求できるようにした場合、発注側企業HK側の従業員により異なる要望にも対応することができる。それにより、発注側企業HKにとっては、更に利便性が向上することになり、より高い作業効率もより容易に実現できるようになる。
【0078】
入力データDIの入力を要求する場合、対応付ける文書Bを特定可能にする必要がある。このことから、入力データDIの入力の要求は、受信済みの文書Bのうちから閲覧を望む文書Bを選択可能な画面(例えばリスト画面)、或いは文書Bが表示される画面で可能にすることが考えられる。そのような画面上に、入力データDIの入力の要求を可能にするボタン等を配置させることが考えられる。入力データDIを指定させる画面は、そのボタン等への操作により、表示させるようにすることが考えられる。そのようにして、指定された入力データDIの入力をA社に要求可能にしても良い。つまり、指定された入力データDIを示す情報、及び文書ID等を含む要求(以降「データ入力要求」と表記)をB社からAPサーバ1に送信させても良い。文書Bの特定は、その保存場所(URL)等でも行うことができる。
【0079】
このようにして送信されるデータ入力要求は、顧客別指定データ設定部113に処理させることが考えられる。この場合、顧客別指定データ設定部113には、データ入力要求に含まれる文書IDが格納された文書管理情報を文書管理情報格納部183から抽出させる。その後、顧客別指定データ設定部113には、抽出された文書管理情報中の送信元の企業の顧客ID、文書Bの保存場所、等の情報を指定データ要求部116に渡し、データ入力画面の送信を指示させれば良い。
【0080】
データ入力画面を送信させるタイミングは、特に限定されないが、データ入力画面は、A社でログインさせているログイン端末に送信しなければならない。このことから、ログイン端末に、B社から入力データDIの入力が要求されるメッセージ等とともに、データ入力画面の送信を指示可能なボタン等を配置したポップアップを送信させても良い。送信済みの文書Bがリスト表示される画面上で、入力データDIの入力を行う文書Bを従業員が選択できるようにしても良い。
【0081】
A社には、入力データDIの入力が要求された文書Bが保存されている。そのため、送信時に入力データDIを入力する場合、A社側は、文書Bを必要に応じて表示させることができる。しかし、送信済みの文書Bに対する入力データDIの入力が単に要求された場合、A社側では、対応する文書Bを特定するのが困難である。このことから、データ入力画面上には、入力を要求する入力データDIに対応する、或いは関連する文書Bの表示を指示するためのボタン等を配置させるのが望ましい。そのために、ボタン等への操作により、文書IDとともに、その文書IDに対応する文書Bの閲覧のための要求(以降「入力対象文書要求」と表記)をAPサーバ1に送信させれば良い。
【0082】
APサーバ1に送信された入力対象文書要求は、例えば要求処理部118に処理させれば良い。その場合、要求処理部118は、入力対象文書要求に含まれる文書IDが割り当てられた文書Bを文書格納部184から読み出させ、読み出された文書Bを画面生成部119に渡し、渡した文書Bの表示用の画面を生成させれば良い。それにより、A社側では、文書Bを参照しつつ、入力データDIを入力することができる。例え送信済みの文書Bであっても、適切な入力データDIを迅速に入力できることから、入力データDIの入力による作業効率の低下も抑えられることとなる。APサーバ1側にとっては、より効率的なトランザクション管理を実施できることになる。
【0083】
入力データDIの入力以降は、文書Bの送信時に入力データDIを入力する場合と基本的に同じである。しかし、指定データ処理部117が入力データDIを適切と確認した時点で、入力データDIが入力データ格納部185に文書ID等とともに格納される。また、例えば文書管理情報中の入力データDIの保存場所が必要に応じて追加され、入力データDIの有無が必要に応じて更新される。それにより、送信済みの文書Bで要求された入力データDIをB社は確認可能になる。新たに得られた入力データDIは、文書Bとは別の画面でB社に送信させれば良い。
【0084】
文書Bの送信後に、入力データDIの入力を要求する場合、実際に入力データDIが入力されるか否かは受注側企業JKに依存する。入力データDIの入力を条件に、文書Bの送信を可能にする場合とは異なり、入力データDIの入力を受注側企業JKがし忘れる恐れがある。このことから、未入力の入力データDIの存在は、繰り返し通知することが望ましい。例えば入力データDIの入力期限を発注側企業HKに指定可能にし、入力期限までの残り時間に応じて、入力データDIの入力を求めるメッセージ、或いはポップアップ等を表示させるようにしても良い。そのようなメッセージ、或いはポップアップを残り時間に応じて複数回、表示させることにより、受注側企業JK側での入力データDIの入力はより確実に行わせることができる。メッセージ、或いはポップアップの表示タイミングの決定は、例えば指定データ要求部116に行わせることが考えられる。メッセージ、或いはポップアップの表示自体は、画面生成部119に行わせれば良い。
【0085】
図7は、本発明のトランザクション管理装置の一実施形態に係るAPサーバ上に実現される手段を説明する図である。
このAPサーバ1上には、図7に示すように、データ指定受付手段201、データ入力画面送信手段202、データ入力確認手段203、データ入力要求手段204、及び関連文書送信手段205が実現される。18は、記憶部であり、この記憶部18は、文書B、及び入力データDIの保存に用いられる。
【0086】
図5に例を示す機能構成では、データ指定受付手段201は、顧客別指定データ設定部113が相当する。データ入力画面送信手段202は、指定データ要求部116、及び画面生成部119が相当する。データ入力確認手段203は、指定データ処理部117が相当する。データ入力要求手段204は、指定データ要求部116、及び画面生成部119が相当する。関連文書送信手段205は、要求処理部118、及び画像生成部が相当する。文書B、及び入力データDIの受信側端末6への送信を実現させる手段も、要求処理部118、及び画像生成部が相当する。
【0087】
図8は、企業間における文書交換を可能にするシステムの構築例を説明する図である。
ここでのシステムとは、一つ以上のアプリケーション・プログラムによって実現される機能である。その全ては、サービス提供会社WAが用意した何れかの情報処理装置上に実現されている。そのシステムとしては、図8に示すように、システム310~340が存在し、それらが互いに連携可能となっている。A社~D社は全て、顧客として登録された企業である。
【0088】
システム310は、顧客のインターフェースとなるシステムである。各種文書の送付に対応する。文書の送付としては、書面にしての郵送、FAXによる送信、及びメールに添付させての送信等が可能である。顧客は、そのうちから望ましい送付方法を選択することができる。このような文書の送付のために、文書を受け付けることが可能である。
【0089】
また、このシステム310は、企業で物理的に構築されたERP(Enterprise Resource Planning)のためのシステム、或いは業務システムとのデータ連携に対応可能である。そのため、関連データの更新は、これらのシステムとのデータ連携により自動的に行わせても良い。それにより、関連データの送信先は、ログイン端末でなくとも良く、ログイン端末、及び企業で構築されたシステム(を構成する1台の情報処理装置)等であっても良い。
【0090】
システム320は、企業(事業者)間の文書の交換を可能にする。システム310で企業から受け付けられた文書は、システム320により、送信すべき別の企業に送信させることができる。それにより、企業間の文書交換には、システム310、及び320が必須となっている。
【0091】
システム330は、ネットワークNを用いたEDI、或いは文書配信システムとの連携
のための各種機能を提供する。ここでの機能としては、文書のレイアウトの変換、文字コードの変換、データコードの変換等を挙げることができる。このような機能の利用を可能とするために、システム320とシステム330との間には、システム340を介在させている。このシステム340は、システム320とシステム330との間の文書、及び各種コマンド等を中継する。
【0092】
これらのシステム310~340は、1台のAPサーバ1に搭載させることが可能である。しかし、そのうちの少なくとも一つを異なる情報処理装置に搭載させ、複数台の情報処理装置を連携させるようにしても良い。比較的に負荷の重いシステムをより多くの情報処理装置に搭載させるようにしても良い。このようなことからも、図5に示す機能構成は一例であり、搭載させるシステム、システム間の連携のさせ方等により、機能構成は様々に変化する。
【0093】
なお、本実施形態では、入力データDIとされるデータは項目で指定させるようにしているが、項目ではなく、別の文書を指定可能とさせても良い。文書Bの処理に有用な文書、文書Bの内容を検討するうえで必要な文書等を別の文書として指定可能とさせても良い。このようなこともあり、入力データDIとされるデータ、及びその指定方法等も特に限定されない。
【0094】
また、入力データDIの入力は、複数回に分けて行えるようにしても良い。これは、入力データDIのうち、直ちに入力するのが困難なデータが存在する可能性も考えられるからである。そのような困難なデータが存在する場合、入力データDIのうちで入力可能なデータのみを入力させ、文書Bを送信できるようにしても良い。残っているデータは、送信済みの文書Bで入力データDIの入力を要求する場合と同様に、或いは受注側企業JK側で自発的に入力させるようにすれば良い。
【0095】
本実施形態では、発注側企業HK宛に送信される文書Bを対象に、入力データDIの入力を要求するか否か判定するようにしているが、文書Bを送信させる受注側企業JK別に、入力データDIの指定を可能にさせても良い。そのようにした場合には、受注側企業JKに応じて、望ましい入力データDIを発注側企業HKは取得できるようになる。
【符号の説明】
【0096】
1 APサーバ、5 送信側端末、6 受信側端末、11 CPU、18 記憶部、19 通信部、111 顧客登録部、112 認証部、113 顧客別指定データ設定部、114 文書受付部、115 文書管理部、116 指定データ要求部、117 指定データ処理部、118 要求処理部、119 画面生成部、181 顧客情報格納部、182 データ指定情報格納部、183 文書管理情報格納部、184 文書格納部、185 入力データ格納部、B 文書、DI 入力データ、HK 発注側企業、JK 受注側企業、KS 記憶装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8