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特開2023-161387運転評価装置、運転評価システムおよび運転評価方法
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  • 特開-運転評価装置、運転評価システムおよび運転評価方法 図1
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  • 特開-運転評価装置、運転評価システムおよび運転評価方法 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161387
(43)【公開日】2023-11-07
(54)【発明の名称】運転評価装置、運転評価システムおよび運転評価方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20231030BHJP
【FI】
G08G1/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071746
(22)【出願日】2022-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】國兼 範昭
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC04
5H181FF03
5H181FF04
5H181FF10
5H181LL20
5H181MB02
5H181MB12
(57)【要約】
【課題】運転者の運転に対するモチベーション向上を図ること。
【解決手段】実施形態に係る運転評価装置は、運転者による車両の運転を評価する運転評価装置であって、車両の運転に関する運転情報から優良運転の継続時間を算出し、算出した継続時間に応じた加点評価を行う制御部を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者による車両の運転を評価する運転評価装置であって、
前記車両の運転に関する運転情報から優良運転の継続時間を算出し、
前記算出した前記継続時間に応じた加点評価を行う制御部
を備える、運転評価装置。
【請求項2】
前記制御部は、
運転評価において、減点対象となるイベントの非発生時間を前記優良運転の継続時間として算出する、
請求項1に記載の運転評価装置。
【請求項3】
前記制御部は、
ワントリップにおける前記継続時間の最大値に応じて、前記加点評価を行う、
請求項1または2に記載の運転評価装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記継続時間の平均値に応じた加点評価を行う、
請求項1または2に記載の運転評価装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記継続時間に応じた得点を付与することで、前記運転者に対し前記加点評価に対する調整を行う、
請求項1または2に記載の運転評価装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記加点評価を行った場合に、前記運転者に対して評価結果を通知する、
請求項1または2に記載の運転評価装置。
【請求項7】
前記制御部は、
現在の前記継続時間から前記加点評価を得られるまでに必要となる時間を、前記運転者に対し通知する、
請求項1または2に記載の運転評価装置。
【請求項8】
請求項1または2に記載の運転評価装置と、
前記車両の運転に関する運転情報を前記運転評価装置に対し送信する車載装置と
を含む、運転評価システム。
【請求項9】
運転者による車両の運転を評価する運転評価方法であって、
前記車両の運転に関する運転情報から優良運転の継続時間を算出し、
前記算出した前記継続時間に応じた加点評価を行う、
運転評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転評価装置、運転評価システムおよび運転評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の運転者による運転を評価する運転評価装置がある。かかる運転評価装置では、たとえば、一時停止無視などの違反挙動を検出した場合に、減点方式で評価を行う技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-39888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、一旦減点されると、後から挽回することができないので、運転者の運転に対するモチベーション向上を図るうえで改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、運転者の運転に対するモチベーション向上を図ることができる運転評価装置、運転評価システムおよび運転評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る運転評価装置は、運転者による車両の運転を評価する運転評価装置であって、前記車両の運転に関する運転情報から優良運転の継続時間を算出し、算出した前記継続時間に応じた加点評価を行う制御部を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、運転者の運転に対するモチベーション向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、運転評価システムの概要を示す図である。
図2図2は、運転評価方法の概要を示す図である。
図3図3は、車載装置のブロック図である。
図4図4は、運転評価装置のブロック図である。
図5図5は、加算ルールデータベースの一例を示す図である。
図6図6は、運転評価装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する運転評価装置、運転評価システムおよび運転評価方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0010】
まず、図1および図2を用いて、実施形態に係る運転評価装置、運転評価システムおよび評価結果生成方法の概要について説明する。図1は、運転評価システムの概要を示す図である。図2は、運転評価方法の概要を示す図である。
【0011】
図1に示すように、実施形態に係る運転評価システムSは、例えば運転者の安全運転、エコ運転、運転技能などといった運転に関して各種評価を行うシステムである。また、たとえば、運転評価システムSは、タクシー、トラック等の配送車両を提供する配送業者に導入される。
【0012】
図1に示すように、実施形態に係る運転評価システムSは、運転評価装置10と、車載装置50とを備える。車載装置50は、例えば、通信機能を備えたドライブレコーダである。
【0013】
車載装置50は、車両Cの周囲を撮像した画像情報を記憶したり、かかる画像情報を運転評価装置10へ送信したりする。なお、車載装置50は、たとえば、車両Cの内部(たとえば、運転席)を撮像し、画像情報を運転評価装置10へ送信するようにしてもよい。
【0014】
また、車載装置50は、車両Cの運転に関する運転情報を取得し、運転評価装置10へ送信する。運転情報は、例えば、車両Cに設けられた各種センサによって検出された情報である。例えば、走行情報には、上記の画像情報に加え、車両Cの位置情報や、車速情報、加速度情報、ステアリング情報等が含まれる。
【0015】
運転評価装置10は、各車載装置50から取得した運転情報に基づき、各車両Cの運転を評価する。なお、例えば、運転評価装置10は、インターネットや携帯電話回線網等のネットワークを介したクラウドサービスを提供するクラウドサーバとして構成される。
【0016】
また、図1に示すように、運転評価装置10は、運転者端末100や管理者端末200とのネットワークを介して接続される。運転者端末100は、各車両Cの運転者が所有する端末であり、図1に示す例では、スマートフォンである。
【0017】
管理者端末200は、各車両Cの運行状況等を管理する管理者が所有する端末であり、図1に示す例では、ノート型PC(Personal Computer)である。たとえば、管理者端末200は、運転評価装置10から通知される情報を表示することで、各運転者に対する評価結果等を管理者へ通知する。
【0018】
ここで、図1を用いて、実施形態に係る情報処理の概要について説明する。たとえば、運転評価装置10は、車載装置50から所定周期で運転情報を取得し(ステップS1)、取得した運転情報に基づいて運転者の運転評価を評価項目毎に行う(ステップS2)。
【0019】
ここで、従来技術では、減点方式によって運転評価が行われていた。そのため、運転者は、一旦、減点されると、後から挽回することができないので、運転者の運転に対するモチベーション向上を図るうえで改善の余地があった。
【0020】
また、このような運転者のモチベーションの低下は、安全運転への意識低下する恐れがある。そのため、実施形態に係る運転評価システムSでは、運転者の運転に対するモチベーション向上を図るべく、運転者が優良運転を行った場合に、有利な評価を行う評価制度を導入することで、運転者は一旦減点されたとしても、その後、優良運転を行うことで、挽回することが可能となる。
【0021】
ここで、有利な評価を受けることで得られる運転者のメリットとしては保険料の割引やクーポンの受領、SNSグループ内での安全運転ランクの向上等が考えられる。これに関わらず評価が向上することで運転者がうれしさを感じられるようにすることで有利な評価を得ようとするモチベーション、すなわち安全運転の啓発となる。
【0022】
具体的には、図2に示すように、運転評価装置10は、運転情報に基づき、優良運転の継続時間T1~T3を算出する(ステップS11)。図2に示す例において、優良運転とは、模範的な運転であり、たとえば、運転者が違反を行っていないときの運転である。なお、ここでの違反とは、たとえば、道路交通法に反する事象であってもよく、運転評価において減点対象となる事象であってもよい。
【0023】
また、継続時間は、減点対象となるイベント(違反)の非発生時間である。図2に示すように、継続時間は、車両CのACC電源ONからACC電源OFFまでのワントリップとした場合に、ACC電源ONから最初に違反が発生するまでの期間(T1)、あるいは、違反が発生してから次の違反が発生するまでの期間(T2)、ACC電源ONまたは最後に違反が発生してからACC電源OFF(T3)になるまでの期間である。
【0024】
すなわち、違反の発生回数が少ないほど、継続時間が長くなることになる。そして、運転評価装置10は、優良運転の継続時間T1~T3に応じて、運転者に対して有利な評価を行う。
【0025】
図2に示す例において、運転評価装置10は、運転者に対し優良運転の継続時間T1~T3に応じて、これまでの評価結果に対し得点を加算する(ステップS12)。図2に示す例では、継続時間T1~T3に基づき、評価項目1の評価結果を「65点」~「71点」へ「6点」加算した場合を示す。
【0026】
このように、運転評価システムSでは、このような評価制度を導入することで、運転者は一旦減点されたとしても挽回することができるので、運転者の運転に対するモチベーション向上を図ることができる。
【0027】
その後、図1に示すように、運転評価装置10は、運転評価の評価毎に評価結果に関する評価情報を管理者端末200へ通知する(ステップS3)。たとえば、評価情報は、現在の評価結果に関する情報、車両Cの現在地、走行ルートなどといった管理者がリアルタイムで必要な各種情報が含まれる。
【0028】
たとえば、運転評価装置10では、これらステップS1~S3の処理を周期的に行う。つづいて、たとえば、運転評価装置10は、所定のタイミングで通知情報を生成し(ステップS4)、生成した通知情報を運転者端末100へ配信する(ステップS5)。
【0029】
これにより、運転者は、かかる通知情報によって、評価結果を確認することができるので、自身の評価結果の詳細、および、自身にフィードバックすべき情報を容易に取得することができる。
【0030】
次に、図3を用いて、車載装置50の構成例について説明する。図3は、車載装置50のブロック図である。図3に示すように、車載装置50は、通信部51と、撮像部52と、制御部53と、記憶部54とを備える。また、車載装置50は、センサ群61および表示部62に接続される。
【0031】
センサ群61は、たとえば、車両Cの走行状態を検出する各種センサを含む。かかる各種センサは、車速センサ、ブレーキセンサ、舵角センサ、加速度センサ、位置センサ、障害物検出センサ等が含まれる。
【0032】
表示部62は、車両Cに搭載されたタッチパネルディスプレイである。たとえば、表示部62は、車載装置50から入力される映像を表示する。なお、表示部62は、スピーカを有し、車載装置50から入力される音声を出力するようにしてもよい。
【0033】
通信部51は、たとえば、例えばNIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部51は、所定の通信ネットワークに双方向通信可能に接続され、運転評価装置10等との間で情報の送受信を行う。
【0034】
撮像部52は、各種撮像素子を備え、車両Cの周囲を撮像する。なお、車載装置50は、車内(たとえば、ドライバ)を撮像する撮像部52を有する構成としてもよい。
【0035】
制御部53は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。コンピュータのCPUは、たとえば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって機能する。
【0036】
制御部53は、撮像部52およびセンサ群61から入力される各種情報を記憶部54へ格納する。制御部53は、たとえば、所定の周期で運転情報を運転評価装置10へ通信部51を介して送信する。
【0037】
ここでの運転情報は、画像情報、車両Cの位置情報、車速情報、加速度情報、ステアリング情報等が含まれる。また、たとえば、制御部53は、運転評価装置10から送信される要求情報に基づき、指定された期間の画像情報を記憶部54から抽出したうえで、運転評価装置10へ送信する。
【0038】
すなわち、車載装置50は、簡易的な運転情報を運転評価装置10へ予め送信しておき、運転評価装置10側で詳細な解析が必要と判定された場合に、当該解析が必要となる期間の画像情報(映像)を運転評価装置10へ送信する。これにより、すべての映像を運転評価装置10へアップロードする場合に比べて、通信量を削減することができる。
【0039】
また、制御部53は、たとえば、優良運転の継続時間に基づき、評価結果に加点が行われる場合に、運転評価装置10からの指示に基づき、表示部62を介して運転者に通知する。
【0040】
この場合、運転者は、自身の運転が優良運転であること、ならびに、当該優良運転に基づく加点が行われることをリアルタイムで認識することができる。そのため、運転者のモチベーション向上を図ることができる。
【0041】
また、制御部53は、たとえば、運転評価装置10による指示に基づき、優良運転の継続時間が加点対象となる継続時間まで所定時間(たとえば、10分)を切った場合に、通知を行うようにしてもよい。すなわち、運転者に対し、加点される次の継続時間までの目安や目標を提示することによっても、運転者のモチベーション向上を図ることができる。
【0042】
記憶部54は、たとえば、不揮発性メモリやデータフラッシュ、ハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部であり、撮像部52およびセンサ群61から入力される各種運転情報を記憶する。
【0043】
つづいて、図4を用いて運転評価装置10の構成例について説明する。図4に示すように、実施形態に係る運転評価装置10は、通信部20と、記憶部30と、制御部40とを備える。
【0044】
通信部20は、たとえば、例えばNIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部20は、所定の通信ネットワークに双方向通信可能に接続され、車載装置50等との間で情報の送受信を行う。
【0045】
記憶部30は、たとえば、不揮発性メモリやデータフラッシュ、ハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部である。図4に示すように、記憶部30は、運転情報データベース31と、評価結果データベース32と、加算ルールデータベース33とを有する。
【0046】
運転情報データベース31は、各車載装置50から取得した運転情報を格納するデータベースである。評価結果データベース32は、各車両Cの運転者による運転の評価結果を格納するデータベースである。
【0047】
加算ルールデータベース33は、優良運転の継続時間に伴う加算のルールに関する情報を格納するデータベースである。図5は、加算ルールデータベース33の一例を示す図である。図5に示すように、加算ルールデータベース33は、たとえば、「加算係数」、「対象種別」、「加算対象」、「上限」などといった項目の情報を互いに対応付けて記憶する。
【0048】
「加算係数」は、優良運転の継続時間に基づき、加点する際の係数を示す。「対象種別」は、加算対象となる優良運転の継続時間の種別を示す。図5の例において、「対象種別」に「最大値」および「平均値」が含まれる場合を示す。
【0049】
「最大値」は、ワントリップにおける優良運転の継続時間の最大値を示し、「平均値」は、ワントリップにおける優良運転の継続時間の平均値を示す。なお、平均値については、ワントリップ単位である必要はなく、1週間単位や1カ月単位などの任意の期間を設定するようにしてもよい。「加算対象」は、優良運転の継続時間によって得点を加算する評価項目を示す。「上限」は、優良運転の継続時間によって加算する得点の上限値を示す。
【0050】
図5の1行目の例では、「加算係数α1」×「優良運転の継続時間の最大値」した値(≦上限M1)を「項目1」に加算することを示す。
【0051】
図4の説明に戻り、制御部40について説明する。制御部40は、取得部41と、設定部42と、評価部43と、生成部44とを備え、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0052】
コンピュータのCPUは、たとえば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部40の取得部41、設定部42、評価部43および生成部44として機能する。
【0053】
取得部41は、各車載装置50から各車両Cの運転情報を取得し、取得した運転情報を運転情報データベース31へ格納する。
【0054】
設定部42は、優良運転に関するタイマを設定する。たとえば、設定部42は、車両CのIG-ONにおいてタイマを起動させ、後述する評価部43によって減点対象となるイベントが検出されるまで時間(すなわち、優良運転の継続時間)を計測する。
【0055】
たとえば、設定部42は、減点対象となるイベントが検出されてから次の減点対象となるイベントが検出まで、あるいは、IG-OFFになるまでの時間を計測する。そして、設定部42は、計測結果となる優良運転の継続時間を評価部43へ通知する。
【0056】
評価部43は、各車両Cの運転者による運転を評価する。たとえば、評価部43は、各車両Cの運転情報を解析し、評価項目毎に運転を評価する。ここで、評価項目は、速度超過、一時停止等の道路交通法に基づく項目、左右確認、わき見運転等の運転者の運転時の注意に関する項目、運転者の特性(たとえば、運転時の性格など)に関する項目、エコ運転に関する項目などが挙げられる。
【0057】
たとえば、評価部43は、車速情報、加速度情報、ステアリング情報や各種画像情報に基づき、これらの評価項目について評価を行う。この際、たとえば、評価部43は、車両Cの位置情報、車速情報、加速度情報、ステアリング情報に対する解析結果に基づき、さらに詳細な解析が必要となる場合に、車載装置50から詳細情報を取得したうえで、評価を行う。
【0058】
評価部43は、一時停止無視、わき見運転等の減点対象となるイベントを検出した場合に減点を行い、優良運転の継続時間に応じて加点を行う。すなわち、このようなルールにおいて、運転者は、減点対象となるイベントが検出されなければ、優良運転の継続時間が長くなるので、より有利な評価を受けることになる。
【0059】
これにより、運転者は、たとえば、不注意等によって減点対象となるイベントが検出されたとしても、その後の優良運転によって、評価結果に関する巻き返しを図ることができる。したがって、運転者の運転に対するモチベーションを保つことに寄与することができる。
【0060】
生成部44は、運転者端末100、管理者端末200へ通知すべき通知情報を生成する。生成部44は、通知情報として評価結果を示すコンテンツを生成する。たとえば、生成部44が生成するコンテンツには、たとえば、各評価項目の得点を示すレーダチャート、評価結果に対するコメント、評価に影響を与えたイベントの映像等が含まれる。
【0061】
たとえば、生成部44は、優良運転の継続時間に基づく加点内容が分かるようなコンテンツを生成する。すなわち、生成部44は、優良運転の継続時間および当該継続時間によって付与された得点を運転者に対して通知する。
【0062】
これにより、運転者は、優良運転の継続時間に基づいて加点されたことを認識することができるので、優良運転に対する更なるモチベーションの向上が期待される。
【0063】
また、たとえば、生成部44は、社内あるいは部署内のランキングを生成し、ランキング結果をコンテンツに含めるようにしてもよい。この場合、運転者は、自身のみならず他者を含めたランキングによって相対的な評価結果を認識することができる。この場合、運転者が他者とランキングによって競うことによって、運転者の運転に対するモチベーションを保つことに寄与することができる。
【0064】
次に、図6を用いて、実施形態に係る運転評価装置10が実行する処理手順について説明する。図6は、実施形態に係る運転評価装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【0065】
図6に示すように、まず、運転評価装置10は、車両情報を取得し(ステップS101)、運転を評価する(ステップS102)。つづいて、運転評価装置10は、優良運転の継続時間を算出し(ステップS103)、当該継続時間に応じた得点を評価項目に加算する(ステップS104)。そして、運転評価装置10は、処理を終了する。
【0066】
上述したように、実施形態に係る運転評価装置10は、運転者による車両Cの運転情報から優良運転の継続時間を算出し、算出した継続時間に応じて運転者に対し有利な評価を行う制御部40を備える。したがって、実施形態に係る運転評価装置10によれば、運転者の運転に対するモチベーション向上を図ることができる。
【0067】
ところで、上述した実施形態では、運転評価装置10が各車載装置50から運転情報を集約するサーバ、あるいは、クラウドシステムである場合について説明したが、これに限定されるものではない。運転評価装置10の一部あるいはすべての機能を車載装置50に設けることにしてもよい。すなわち、運転評価装置10は、車載装置50であってもよい。
【0068】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0069】
10 運転評価装置
20 通信部
30 記憶部
31 運転情報データベース
32 評価結果データベース
33 加算ルールデータベース
40 制御部
41 取得部
42 設定部
43 評価部
44 生成部
50 車載装置
100 運転者端末
200 管理者端末
C 車両
S 運転評価システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6