(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161404
(43)【公開日】2023-11-07
(54)【発明の名称】点灯装置及び非常用照明器具
(51)【国際特許分類】
H05B 45/345 20200101AFI20231030BHJP
H05B 45/54 20200101ALI20231030BHJP
【FI】
H05B45/345
H05B45/54
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071776
(22)【出願日】2022-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石塚 哲也
(72)【発明者】
【氏名】山下 浩司
(72)【発明者】
【氏名】劉 宗威
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA03
3K273BA27
3K273BA31
3K273CA02
3K273CA03
3K273CA12
3K273DA02
3K273DA08
3K273EA06
3K273EA07
3K273EA22
3K273EA24
3K273EA25
3K273EA35
3K273EA38
3K273FA07
3K273FA11
3K273FA12
3K273FA13
3K273FA14
3K273FA27
3K273FA30
3K273GA03
3K273GA06
3K273GA14
3K273GA18
3K273GA28
3K273GA29
(57)【要約】
【課題】光源に流れる電流の目標値に対する誤差を低減すること。
【解決手段】光源2には第1抵抗R1の第1端が接続され、第1抵抗R1の第2端と基準電位GNDとの間に第2抵抗R2が接続される。第1電流検出部6は、第1抵抗R1の両端間の差電圧ΔV1が入力されて、第1検出信号S1を出力する。第1制御部8は、第1検出信号S1に基づいて、第1電源から供給される電力で光源2を点灯させる第1点灯回路部3の出力を定電流制御する。第2電流検出部7は、第1抵抗R1及び第2抵抗R2の接続点PT1の電圧V2が入力されて、第2検出信号S2を出力する。第2制御部9は、第2検出信号S2に基づいて、第2電源から供給される電力で光源2を点灯させる第2点灯回路部4の出力を定電流制御する。第1電源P1及び第2電源P2の一方は常用電源、他方は非常用電源である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電源から供給される電力で光源を点灯させる第1点灯回路部と、
第2電源から供給される電力で前記光源を点灯させる第2点灯回路部と、
前記光源に第1端が接続された第1抵抗と、
前記第1抵抗の第2端と基準電位との間に接続された第2抵抗と、
前記第1抵抗の両端間の差電圧が入力されて、前記光源に流れる電流の大きさを示す第1検出信号を出力する第1電流検出部と、
前記第1検出信号に基づいて、前記第1点灯回路部から前記光源に流れる電流が第1目標値となるように定電流制御を行う第1制御部と、
前記基準電位に対する、前記第1抵抗及び前記第2抵抗の接続点の電圧が入力されて、前記光源に流れる電流の大きさを示す第2検出信号を出力する第2電流検出部と、
前記第2検出信号に基づいて、前記第2点灯回路部から前記光源に流れる電流が第2目標値となるように定電流制御を行う第2制御部と、を備え、
前記第1電源及び前記第2電源の一方は常用電源であり、
前記第1電源及び前記第2電源の他方は、前記常用電源の非常時に給電するための非常用電源である、
点灯装置。
【請求項2】
第1電源から供給される電力で光源を点灯させる第1点灯回路部と、
第2電源から供給される電力で前記光源を点灯させる第2点灯回路部と、
前記光源に第1端が接続された第1抵抗と、
前記第1抵抗の第2端と基準電位との間に接続された第2抵抗と、
前記第1抵抗の両端間の差電圧が入力されて、前記光源に流れる電流の大きさを示す第1検出信号を出力する第1電流検出部と、
前記第1検出信号に基づいて、前記第1点灯回路部から前記光源に流れる電流が第1目標値となるように定電流制御を行う第1制御部と、
前記第2抵抗の両端間の差電圧が入力されて、前記光源に流れる電流の大きさを示す第2検出信号を出力する第2電流検出部と、
前記第2検出信号に基づいて、前記第2点灯回路部から前記光源に流れる電流が第2目標値となるように定電流制御を行う第2制御部と、を備え、
前記第1電源及び前記第2電源の一方は常用電源であり、
前記第1電源及び前記第2電源の他方は、前記常用電源の非常時に給電するための非常用電源である、
点灯装置。
【請求項3】
前記第1抵抗と並列に接続されたスイッチ素子を更に備え、
前記スイッチ素子は、前記第1点灯回路部が前記光源を点灯させる第1状態ではオフになり、前記第2点灯回路部が前記光源を点灯させる第2状態ではオンになる、
請求項1又は2に記載の点灯装置。
【請求項4】
前記第2抵抗と並列に接続されたスイッチ素子を更に備え、
前記スイッチ素子は、前記第1点灯回路部が前記光源を点灯させる第1状態ではオンになり、前記第2点灯回路部が前記光源を点灯させる第2状態ではオフになる、
請求項1又は2に記載の点灯装置。
【請求項5】
前記第1抵抗と並列に接続された第1スイッチ素子と、前記第2抵抗と並列に接続された第2スイッチ素子と、を更に備え、
前記第1スイッチ素子は、前記第1点灯回路部が前記光源を点灯させる第1状態ではオフになり、前記第2点灯回路部が前記光源を点灯させる第2状態ではオンになり、
前記第2スイッチ素子は前記第1状態ではオンになり、前記第2状態ではオフになる、
請求項1又は2に記載の点灯装置。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の点灯装置と、
前記光源と、
前記非常用電源と、
前記点灯装置、前記光源、及び前記非常用電源を収容する器体と、
を備える、
非常用照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、点灯装置及び非常用照明器具に関し、より詳細には、複数の電源から給電されて光源を点灯させる点灯装置、及び当該点灯装置を備える非常用照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として、特許文献1記載の発光装置を例示する。特許文献1記載の発光装置(以下、従来例と言う。)は、誘導灯装置に用いられる。誘導灯装置の筐体は点灯装置を内蔵する。点灯装置は、商用電源などの交流電源の通電時に、交流電源から電力の供給を受け、光源回路に供給する直流電力を生成する常用の点灯回路を備える。また、点灯装置は、停電などの非常時に、蓄電池から電力の供給を受けて、光源回路に供給する直流電力を生成する非常用の点灯回路を備える。常用の点灯回路及び非常用の点灯回路は、光源に流れる電流を検出する電流検出回路からのフィードバック信号に基づいて、生成する直流電力の電流値を調整している。
【0003】
非常用の点灯回路が光源に流す電流の目標電流値は、常用の点灯回路が光源に流す電流の目標電流値よりも小さくなっている。そのため、非常用の点灯回路が光源を点灯させる非常点灯時と、常用の点灯回路が光源を点灯させる通常点灯時とで、電流検出回路が出力するフィードバック信号が同程度の大きさとなるように、電流検出回路は構成されている。従来例では、電流検出回路は、光源と直列に接続された2つの抵抗と、2つの抵抗の一方に並列に接続されたスイッチング素子と、を有している。通常点灯時はスイッチング素子をオン、非常点灯時はスイッチング素子をオフにする。非常点灯時はスイッチング素子をオフにすることで、フィードバック信号を常用点灯時と同程度の大きさにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の点灯装置では、電流検出回路のフィードバック信号を通常点灯時と非常点灯時とで切り替えるためにスイッチング素子を備えているので、スイッチング素子及びスイッチング素子の制御回路が必要になり、回路の規模が大きくなっていた。また、通常点灯時はスイッチング素子をオンにしているが、スイッチング素子のオン抵抗のばらつきや温度特性によって、電流検出回路が出力するフィードバック信号の変動が大きくなり、光源に流れる電流の目標電流値に対する誤差が増加する可能性があった。
【0006】
本開示の目的は、光源に流れる電流の目標値に対する誤差を低減可能な点灯装置及び非常用照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様の点灯装置は、第1点灯回路部と、第2点灯回路部と、第1抵抗と、第2抵抗と、第1電流検出部と、第1制御部と、第2電流検出部と、第2制御部と、を備える。前記第1点灯回路部は、第1電源から供給される電力で光源を点灯させる。前記第2点灯回路部は、第2電源から供給される電力で前記光源を点灯させる。前記第1抵抗は前記光源に第1端が接続される。前記第2抵抗は、前記第1抵抗の第2端と基準電位との間に接続される。前記第1電流検出部は、前記第1抵抗の両端間の差電圧が入力されて、前記光源に流れる電流の大きさを示す第1検出信号を出力する。前記第1制御部は、前記第1検出信号に基づいて、前記第1点灯回路部から前記光源に流れる電流が第1目標値となるように定電流制御を行う。前記第2電流検出部は、前記基準電位に対する、前記第1抵抗及び前記第2抵抗の接続点の電圧が入力されて、前記光源に流れる電流の大きさを示す第2検出信号を出力する。前記第2制御部は、前記第2検出信号に基づいて、前記第2点灯回路部から前記光源に流れる電流が第2目標値となるように定電流制御を行う。前記第1電源及び前記第2電源の一方は常用電源である。前記第1電源及び前記第2電源の他方は、前記常用電源の非常時に給電するための非常用電源である。
【0008】
また、本開示の一態様の点灯装置は、第1点灯回路部と、第2点灯回路部と、第1抵抗と、第2抵抗と、第1電流検出部と、第1制御部と、第2電流検出部と、第2制御部と、を備える。前記第1点灯回路部は、第1電源から供給される電力で光源を点灯させる。前記第2点灯回路部は、第2電源から供給される電力で前記光源を点灯させる。前記第1抵抗は前記光源に第1端が接続される。前記第2抵抗は、前記第1抵抗の第2端と基準電位との間に接続される。前記第1電流検出部は、前記第1抵抗の両端間の差電圧が入力されて、前記光源に流れる電流の大きさを示す第1検出信号を出力する。前記第1制御部は、前記第1検出信号に基づいて、前記第1点灯回路部から前記光源に流れる電流が第1目標値となるように定電流制御を行う。前記第2電流検出部は、前記第2抵抗の両端間の差電圧が入力されて、前記光源に流れる電流の大きさを示す第2検出信号を出力する。前記第2制御部は、前記第2検出信号に基づいて、前記第2点灯回路部から前記光源に流れる電流が第2目標値となるように定電流制御を行う。前記第1電源及び前記第2電源の一方は常用電源である。前記第1電源及び前記第2電源の他方は、前記常用電源の非常時に給電するための非常用電源である。
【0009】
本開示の一態様の非常用照明器具は、前記点灯装置と、前記光源と、前記非常用電源と、器体と、を備える。前記器体は、前記点灯装置、前記光源、及び前記非常用電源を収容する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、光源に流れる電流の目標値に対する誤差を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態1に係る非常用照明器具の外観斜視図である。
【
図2】
図2は、同上の非常用照明器具の分解斜視図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施形態1に係る点灯装置の回路図である。
【
図4】
図4は、同上の変形例1に係る点灯装置の回路図である。
【
図5】
図5は、同上の変形例2に係る点灯装置の回路図である。
【
図6】
図6は、同上の変形例3に係る点灯装置の回路図である。
【
図7】
図7は、本開示の実施形態2に係る点灯装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の実施形態に係る点灯装置1及び非常用照明器具A1について図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例に過ぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0013】
(実施形態1)
(1)概要
図3は、実施形態1に係る点灯装置1の概略的な回路図である。
【0014】
実施形態に係る点灯装置1は、第1点灯回路部3と、第2点灯回路部4と、第1抵抗R1と、第2抵抗R2と、第1電流検出部6と、第2電流検出部7と、第1制御部8と、第2制御部9と、を備える。
【0015】
第1点灯回路部3は、第1電源P1から供給される電力で光源2を点灯させる。
【0016】
第2点灯回路部4は、第2電源P2から供給される電力で光源2を点灯させる。
【0017】
第1抵抗R1の第1端は光源2に接続されている。第1抵抗R1の第2端と基準電位GNDとの間には第2抵抗R2が接続されている。
【0018】
第1電流検出部6は、第1抵抗R1の両端間の差電圧ΔV1が入力されて、光源2に流れる電流の大きさを示す第1検出信号S1を出力する。
【0019】
第1制御部8は、第1検出信号S1に基づいて、第1点灯回路部3から光源2に流れる電流I1が第1目標値となるように定電流制御を行う。
【0020】
第2電流検出部7は、基準電位GNDに対する、第1抵抗R1及び第2抵抗R2の接続点PT1の電圧V2が入力されて、光源2に流れる電流の大きさを示す第2検出信号S2を出力する。
【0021】
第2制御部9は、第2検出信号S2に基づいて、第2点灯回路部4から光源2に流れる電流I2が第2目標値となるように定電流制御を行う。
【0022】
第1電源P1及び第2電源P2の一方は常用電源であり、第1電源P1及び第2電源P2の他方は、常用電源の非常時に給電するための非常用電源である。
【0023】
本実施形態の点灯装置1では、第1電流検出部6が、第1抵抗R1の両端間の差電圧ΔV1を検出し、第2電流検出部7が、第1抵抗R1及び第2抵抗R2の接続点PT1の電圧V2を検出している。したがって、第1点灯回路部3が光源2に供給する電流I1の目標値(第1目標値)に応じて第1抵抗R1の抵抗値を設定し、第2点灯回路部4が光源2に供給する電流I2の目標値(第2目標値)に応じて第2抵抗R2の抵抗値を設定することで、従来例のように検出抵抗の抵抗値を変化させるためのスイッチング素子が不要になる。また、光源2に流れる電流は第1抵抗R1及び第2抵抗R2の直列回路に流れるため、従来例のようにスイッチング素子のオン抵抗によって電流値が変動する可能性を低減でき、光源2に流れる電流の目標値(第1目標値及び第2目標値)に対する誤差を低減できるという利点がある。また、従来例に比べてスイッチング素子及びその制御回路が不要になるので、点灯装置1の回路構成を簡略化でき、小型化を図ることができるという利点もある。
【0024】
ところで、実施形態1の点灯装置1は、非常用照明器具A1(
図1及び
図2参照)に用いられる。実施形態1では、第1電源P1は、例えばAC100V/200V、50Hz/60Hzの商用交流電源のような常用電源である。第2電源P2は、常用電源である第1電源P1の停電時等の非常時において、光源2に給電するための非常用電源である。非常用電源は、例えば1又は複数の蓄電池を有する蓄電部を備えている。
【0025】
第1電源P1である常用電源が停電していないときは、第1点灯回路部3が、第1電源P1から供給される電力で光源2を点灯させる。つまり、第1点灯回路部3は、常用電源から供給される電力で光源2を点灯させる常用点灯回路である。
【0026】
第1電源である常用電源が停電しているときは、第2点灯回路部4が、第2電源P2である非常用電源から供給される電力で光源2を点灯させる。つまり、第2点灯回路部4は、非常用電源から供給される電力で光源2を点灯させる非常用点灯回路である。
【0027】
実施形態1に係る非常用照明器具A1は、実施形態1に係る点灯装置1と、光源2と、非常用電源(第2電源P2)と、器体A10(
図1及び
図2参照)と、を備える。器体A10は、点灯装置1と、光源2と、非常用電源とを収容する。
【0028】
実施形態1に係る非常用照明器具A1は、実施形態1に係る点灯装置1を備えているので、光源2に流れる電流の目標値に対する誤差を低減できるという利点がある。
【0029】
(2)実施形態に係る非常用照明器具の詳細
実施形態1に係る非常用照明器具A1(以下、非常用照明器具A1と略す。)について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する非常用照明器具A1は、事務所及び店舗などの建物の避難口又は避難口への通路に設置される避難口誘導灯である。ただし、実施形態に係る非常用照明器具A1は、避難口誘導灯に限定されず、例えば、建物内の階段室に設置される階段通路誘導灯、あるいは、室内の天井などに設置される非常灯などであっても構わない。なお、以下の説明においては、特に断りのない限り、
図1に矢印で示す上下、前後及び左右の各方向を、非常用照明器具A1の上下、前後及び左右の各方向と定義する。
【0030】
非常用照明器具A1は、実施形態に係る点灯装置1(以下、点灯装置1と略す。)、器体A10、光源ユニットA11、表示ブロックA12、第2電源P2(非常用電源)である電池ユニットBU1などを備えている(
図1及び
図2参照)。
【0031】
器体A10は、合成樹脂材料により、前面に開口部を有する四角形の箱状に形成されている(
図2参照)。器体A10は、点灯装置1、電池ユニットBU1、端子台90、取付板91などを収容している。
【0032】
取付板91は、金属材料によって板状に形成されている(
図2参照)。取付板91は、器体A10の内底面にねじ止めされる。点灯装置1と端子台90は、取付板91にねじ止めされて器体A10内に収容される。また、点灯装置1と端子台90は電気的に接続されている。端子台90は、器体A10の底面に設けられている電源穴96(
図2参照)から引き込まれる電源線と電気的に接続される。つまり、点灯装置1は、端子台90と電源線を通じて、常用電源(例えば商用交流電源)である第1電源P1と電気的に接続される。
【0033】
電池ユニットBU1は、1又は複数の蓄電池を有する蓄電部と、この蓄電部を収容するケースとを備える。ここにおいて、蓄電部を備える電池ユニットBU1により非常用電源である第2電源P2が実現される。電池ユニットBU1は、取付板91に対して着脱可能に取り付けられる。なお、電池ユニットBU1は、取付板91に取り付けられた状態で点灯装置1と電気的に接続される。
【0034】
表示ブロックA12は、表示パネル92と、導光板93と、保持体94と、を有する(
図2参照)。
【0035】
表示パネル92は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料によって四角形の平板状に形成されている。ただし、表示パネル92は、石英ガラスなどの合成樹脂以外の透光性を有する材料で形成されても構わない。表示パネル92の前面(表示面920)には、避難誘導のためのピクトグラム921が表示されている(
図1参照)。
【0036】
導光板93は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料によって四角形の平板状に形成されている。導光板93は、その前面を表示パネル92の後面と対向させるように表示パネル92の後方に配置される(
図2参照)。導光板93の上面(入射面930)に、光源ユニットA11から放射される光が入射される。入射面930から入射する光は、導光板93内を導光されて導光板93の前面から出射される。そして、導光板93の出射面から出射する光によって表示パネル92が照らされる。
【0037】
保持体94は、透光性を有しない合成樹脂材料により、前面と上面が開放された四角形の箱状(枠状)に形成されている。保持体94は、導光板93の前方に表示パネル92を配置するようにして表示パネル92と導光板93を保持している(
図2参照)。
【0038】
表示ブロックA12は、器体A10の開口部のうち、光源ユニットA11が取り付けられる上部を除いた残りの部分を覆うように器体A10に取り付けられる(
図1参照)。
【0039】
光源ユニットA11は、光源2(
図3参照)と、光源2から放射される光を導光する導光体と、光源2及び導光体を収容する筐体95と、を有している(
図2参照)。
【0040】
筐体95は、下面と後面が開放された長尺の箱状に形成されている。光源2であるLED21は、基板に実装されて筐体95の長手方向の一端部(右端部)に収容される。導光体は、長尺の角柱状に形成されている。導光体は、長手方向の一端面(右端面)をLED21に対向させ、かつ、長手方向に沿った側面(下面)を筐体95の下面の開口部分に向けた状態で筐体95に収容される。なお、LED21が実装された基板の一部(以下、突片97と呼ぶ。)が筐体95の後面から突出している(
図2参照)。
【0041】
光源ユニットA11は、器体A10の前面上部に嵌め込むようにして器体A10に取り付けられる。このとき、器体A10の右上隅に設置されているコネクタ98に突片97が差込接続されることにより、光源ユニットA11(光源2)と点灯装置1がコネクタ98及び電線(不図示)を介して電気的に接続される。
【0042】
また、光源ユニットA11が器体A10に取り付けられた状態において、導光板93の入射面930と光源ユニットA11の出射口が上下方向に対向する。したがって、光源ユニットA11の出射口から出射する光のほぼ全部が、導光板93の入射面930から導光板93に入射する。導光板93に入射した光は、導光板93内を進行しながら保持体94の後面で全反射されて導光板93の出射面から前方へ出射して表示パネル92を照らすことができる。
【0043】
(3)実施形態に係る点灯装置の詳細
次に、
図3の回路図を参照して点灯装置1を詳細に説明する。
【0044】
点灯装置1は、上述のように、第1点灯回路部3と、第2点灯回路部4と、第1抵抗R1と、第2抵抗R2と、第1電流検出部6と、第2電流検出部7と、第1制御部8と、第2制御部9と、を備える。また、点灯装置1は、停電検出部10を更に備える。
【0045】
光源2は、例えば直列に接続された複数のLEDを備える。なお、光源2が備えるLEDの数は1つでもよい。また、光源2は有機EL等で構成されてもよい。
【0046】
第1電源P1は、常用電源であり、例えば商用交流電源である。
【0047】
第2電源P2は、第1電源P1の停電等の非常時に給電するための電源であり、例えば1又は複数の蓄電池を有する蓄電部により実現されている。第1電源P1の停電等の非常時には、第2点灯回路部4、第2電流検出部7、及び第2制御部9は、非常用電源である第2電源P2から供給される電力で動作する。なお、点灯装置1は、常用電源である第1電源P1から供給される電力で第2電源P2を充電する充電回路を更に備えてもよい。
【0048】
第1点灯回路部3は、第1電源P1から供給される電力で光源2を点灯させる。第1点灯回路部3は、商用交流電源である第1電源P1から入力される交流電圧を整流する整流回路、整流回路の出力電圧を平滑する平滑回路、平滑回路の出力電圧の電圧値を変換する第1電圧変換回路、等を備える。第1電圧変換回路は、例えばトランスとスイッチング素子とを用いたフライバックコンバータである。なお、第1電圧変換回路は、フライバックコンバータに限定されず、フォワードコンバータ等でもよい。
【0049】
第2点灯回路部4は、第2電源P2から供給される電力で光源2を点灯させる。第2点灯回路部4は、第2電源P2から入力される直流電圧の電圧値を変換する第2電圧変換回路等を備える。第2電圧変換回路は、例えばトランスとスイッチング素子とを用いたフライバックコンバータである。なお、第2電圧変換回路は、フライバックコンバータに限定されず、フォワードコンバータ等でもよい。
【0050】
第1点灯回路部3の出力端子間、及び、第2点灯回路部4の出力端子間には、それぞれ、光源2と第1抵抗R1と第2抵抗R2との直列回路が接続されている。光源2は1又は複数のLED21を有する。第1点灯回路部3の高電位側の出力端子はダイオードを介して光源2の第1端に接続されている。また、第2点灯回路部4の高電位側の出力端子は光源2の第1端に接続されている。光源2の第2端には第1抵抗R1の第1端が接続されている。第1抵抗R1の第2端と、基準電位GNDとの間には第2抵抗R2が接続されている。以下の説明において、光源2と直列に接続された、第1抵抗R1と第2抵抗R2との直列回路を電流検出用抵抗モジュール5と言う場合もある。なお、第1抵抗R1は1つの抵抗器で構成されているが、第1抵抗R1は、直列又は並列に接続された複数の抵抗器で構成されていてもよい。同様に、第2抵抗R2は1つの抵抗器で構成されているが、第2抵抗R2は直列又は並列に接続された複数の抵抗器で構成されてもよい。
【0051】
停電検出部10は、第1点灯回路部3の出力電圧と、所定の基準電圧との高低を比較することによって、第1電源P1が停電しているか否かを検出し、停電の有無を示す停電検出信号S3を第1制御部8及び第2制御部9に出力する。なお、停電検出部10は、第1電源P1から入力される電圧の有無を直接検出してもよく、例えば第1電源P1からの入力電圧と基準電圧との高低を比較することによって、第1電源P1が停電しているか否かを検出してもよい。
【0052】
第1電流検出部6は、例えばオペアンプ等を用いて構成される差動増幅回路である。第1電流検出部6には、第1抵抗R1の両端の差電圧ΔV1が入力される。第1電流検出部6は、差電圧ΔV1を増幅した第1検出信号S1を第1制御部8に出力する。
【0053】
第1制御部8は、第1電源P1が停電していない場合、第1検出信号S1に基づいて、第1点灯回路部3から光源2に流れる電流I1の電流値が第1目標値に一致するように、第1点灯回路部3が備えるスイッチング素子のスイッチング動作を制御する。
【0054】
第2電流検出部7は、例えばオペアンプを用いた増幅回路を備える。第2電流検出部7には、第1抵抗R1と第2抵抗R2の接続点PT1の電圧V2、つまり基準電位GNDに対する接続点PT1の電圧V2が入力される。第2電流検出部7は、電圧V2を増幅した第2検出信号S2を第2制御部9に出力する。
【0055】
第2制御部9は、第1電源P1が停電している場合、第2検出信号S2に基づいて、第2点灯回路部4から光源2に流れる電流I2の電流値が第2目標値に一致するように、第2点灯回路部4が備えるスイッチング素子のスイッチング動作を制御する。
【0056】
ここで、常用電源である第1電源P1が停電していない場合(通常時)に第1点灯回路部3が光源2に流す電流I1の第1目標値に比べて、第1電源P1が停電している場合(非常時)に第2点灯回路部4が光源2に流す電流I2の第2目標値は小さい値に設定される。第1電源P1が停電している場合は周囲が暗くなっていると想定されるので、光源2の明るさを通常時と同じ明るさにすると、光源2の光が眩しくなりすぎるためである。
【0057】
通常時に光源2を点灯させる第1点灯回路部3を制御する第1制御部8は、第1抵抗R1の両端間の差電圧ΔV1に基づいて、光源2に流れる電流を制御するため、通常時において光源2に流れる電流を検出する検出抵抗の抵抗値は第1抵抗R1の抵抗値となる。したがって、第1抵抗R1の抵抗値は、通常時に光源2に流す電流の目標値である第1目標値に応じた値に設定すればよい。
【0058】
一方、非常時に光源2を点灯させる第2点灯回路部4を制御する第2制御部9は、第1抵抗R1と第2抵抗R2の接続点PT1の電圧V2に基づいて、光源2に流れる電流を制御するため、非常時において光源2に流れる電流を検出する検出抵抗の抵抗値は第2抵抗R2の抵抗値となる。したがって、第2抵抗R2の抵抗値は、非常時に光源2に流す電流の目標値である第2目標値に応じた値に設定すればよい。なお、第2目標値は第1目標値に比べて小さいため、第1抵抗R1に比べて第2抵抗R2の抵抗値は大きい値に設定されている。
【0059】
このように、本実施形態では、第1抵抗R1及び第2抵抗R2の抵抗値を、それぞれ、第1目標値、第2目標値に対応した値に設定できるので、従来例のように検出抵抗の抵抗値を切り替えるスイッチング素子が不要になる。従来例では、検出抵抗の一部と並列に接続されたスイッチング素子をオン又はオフにすることで、検出抵抗の抵抗値を切り替えている。そのため、スイッチング素子がオンの場合には、スイッチング素子のオン抵抗によって光源2に流れる電流の検出結果に誤差が生じ、それによって光源2に流す電流の目標電流に対する誤差が増加する可能性がある。本実施形態の点灯装置1では、従来例に比べて検出抵抗の抵抗値を切り替えるためのスイッチング素子を無くすことができるので、スイッチング素子のオン抵抗に起因して発生する、光源2に流れる電流と目標電流との誤差を無くすことができ、光源2に流れる電流と目標電流(第1目標値及び第2目標値)との誤差を低減することができる。また、従来例に比べて、検出抵抗の抵抗値を切り替えるスイッチング素子及びその制御回路が不要であるから、点灯装置1の回路構成を簡素化でき、点灯装置1の小型化を図ることができる。
【0060】
(4)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0061】
以下、上記の実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0062】
(4-1)変形例1
図4に変形例1の点灯装置1の回路図を示す。
【0063】
変形例1の点灯装置1は、第1抵抗R1と並列に接続されたスイッチ素子SW1と、第3制御部11とを備える点で上記実施形態と相違する。なお、スイッチ素子SW1及び第3制御部11以外の構成は上記実施形態の点灯装置1と同様であるので、共通の構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0064】
スイッチ素子SW1は、例えばNチャネル型の電界効果トランジスタである。スイッチ素子SW1は、第1点灯回路部3が光源2を点灯させる第1状態ではオフになり、第2点灯回路部4が光源2を点灯させる第2状態ではオンになる。詳細には、第3制御部11が、停電検出部10の停電検出信号S3に基づいて、スイッチ素子SW1をオン又はオフに制御する。第3制御部11は、第1点灯回路部3が光源2を点灯させる第1状態(通常時)ではスイッチ素子SW1をオフに制御し、第2点灯回路部4が光源2を点灯させる第2状態(非常時)ではスイッチ素子SW1をオンに制御する。なお、第3制御部11は、第1電源P1又は第2電源P2から供給される電力で動作する。
【0065】
停電検出部10が常用電源である第1電源P1の停電を検出していない場合、第1点灯回路部3が第1電源P1から供給される電力で光源2を点灯し、第2点灯回路部4は動作を停止する。詳細には、停電検出部10が第1電源P1の停電を検出していない場合、第1制御部8が、第1点灯回路部3を動作させて、第1点灯回路部3により光源2を点灯させ、第2制御部9は、第2点灯回路部4の動作を停止させる。また、第3制御部11は、スイッチ素子SW1をオフに制御する。スイッチ素子SW1がオフになると、光源2に流れる電流は、第1抵抗R1と第2抵抗R2とに流れ、第1抵抗R1の両端間の差電圧ΔV1が第1電流検出部6に入力される。第1電流検出部6は、差電圧ΔV1に基づく第1検出信号S1を第1制御部8に出力し、第1制御部8が、第1検出信号S1に基づいて出力電流が第1目標値に一致するように第1点灯回路部3の定電流制御を行う。
【0066】
停電検出部10が常用電源である第1電源P1の停電を検出している場合、第1点灯回路部3は第1電源P1の停電により動作を停止し、第2点灯回路部4が第2電源P2から供給される電力で光源2を点灯する。詳細には、停電検出部10が第1電源P1の停電を検出している場合、第2制御部9が、第2点灯回路部4を動作させ、第2点灯回路部4が第2電源P2から供給される電力で光源2を点灯する。また、第3制御部11は、スイッチ素子SW1をオンに制御する。スイッチ素子SW1がオンになると、光源2に流れる電流は、スイッチ素子SW1と第2抵抗R2とに流れ、第1抵抗R1と第2抵抗R2との接続点の電圧V2が第2電流検出部7に入力される。第2電流検出部7は、電圧V2に基づく第2検出信号S2を第2制御部9に出力し、第2制御部9が、第2検出信号S2に基づいて出力電流が第2目標値に一致するように第2点灯回路部4の定電流制御を行う。この場合、光源2に流れる電流は、第1抵抗R1に流れず、第1抵抗R1に比べてオン抵抗が小さいスイッチ素子SW1に流れるため、第1抵抗R1と第2抵抗R2とに電流が流れる場合に比べて電力損失を低減でき、第2電源P2の消耗を抑制できる。
【0067】
(4-2)変形例2
図5に変形例2の点灯装置1の回路図を示す。
【0068】
変形例2の点灯装置1は、第2抵抗R2と並列に接続されたスイッチ素子SW2と、第3制御部11とを備える点で上記実施形態と相違する。なお、スイッチ素子SW2及び第3制御部11以外の構成は上記実施形態の点灯装置1と同様であるので、共通の構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0069】
スイッチ素子SW2は、例えばNチャネル型の電界効果トランジスタである。スイッチ素子SW2は、第1点灯回路部3が光源2を点灯させる第1状態ではオンになり、第2点灯回路部4が光源2を点灯させる第2状態ではオフになる。詳細には、第3制御部11が、停電検出部10の停電検出信号S3に基づいて、スイッチ素子SW2をオン又はオフに制御する。第3制御部11は、第1点灯回路部3が光源2を点灯させる第1状態(通常時)ではスイッチ素子SW2をオンに制御し、第2点灯回路部4が光源2を点灯させる第2状態(非常時)ではスイッチ素子SW2をオフに制御する。なお、第3制御部11は、第1電源P1又は第2電源P2から供給される電力で動作する。
【0070】
停電検出部10が常用電源である第1電源P1の停電を検出していない場合、第1点灯回路部3が第1電源P1から供給される電力で光源2を点灯し、第2点灯回路部4は動作を停止する。詳細には、停電検出部10が第1電源P1の停電を検出していない場合、第1制御部8が、第1点灯回路部3を動作させて、第1点灯回路部3により光源2を点灯させ、第2制御部9は、第2点灯回路部4の動作を停止させる。また、第3制御部11は、スイッチ素子SW2をオンに制御する。スイッチ素子SW2がオンになると、光源2に流れる電流は、第1抵抗R1とスイッチ素子SW2とに流れ、第1抵抗R1の両端間の差電圧ΔV1が第1電流検出部6に入力される。第1電流検出部6は、差電圧ΔV1に基づく第1検出信号S1を第1制御部8に出力し、第1制御部8が、第1検出信号S1に基づいて出力電流が第1目標値に一致するように第1点灯回路部3の定電流制御を行う。この場合、光源2に流れる電流は、第2抵抗R2には流れず、第2抵抗R2に比べてオン抵抗が小さいスイッチ素子SW2に流れるため、第1抵抗R1と第2抵抗R2とに電流が流れる場合に比べて電力損失を低減できる。
【0071】
また、停電検出部10が常用電源である第1電源P1の停電を検出している場合、第1点灯回路部3は第1電源P1の停電により動作を停止し、第2点灯回路部4が第2電源P2から供給される電力で光源2を点灯する。詳細には、停電検出部10が第1電源の停電を検出している場合、第2制御部9が、第2点灯回路部4を動作させ、第2点灯回路部4が第2電源P2から供給される電力で光源2を点灯する。また、第3制御部11はスイッチ素子SW2をオフに制御する。スイッチ素子SW2がオフになると、光源2に流れる電流は、第1抵抗R1と第2抵抗R2とに流れ、第1抵抗R1と第2抵抗R2との接続点PT1の電圧V2が第2電流検出部7に入力される。第2電流検出部7は、電圧V2に基づく第2検出信号S2を第2制御部9に出力し、第2制御部9が、第2検出信号S2に基づいて出力電流が第2目標値に一致するように第2点灯回路部4の定電流制御を行う。
【0072】
(4-3)変形例3
図6に変形例3の点灯装置1の回路図を示す。
【0073】
変形例3の点灯装置1は、第1抵抗R1と並列に接続された第1スイッチ素子SW1と、第2抵抗R2と並列に接続された第2スイッチ素子SW2と、第3制御部11と、を備える点で上記実施形態と相違する。なお、第1スイッチ素子SW1、第2スイッチ素子SW2、及び第3制御部11以外の構成は上記実施形態の点灯装置1と同様であるので、共通の構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0074】
第1スイッチ素子SW1及び第2スイッチ素子SW2は、例えばNチャネル型の電界効果トランジスタである。第1スイッチ素子SW1及び第2スイッチ素子SW2は第3制御部11によってオン又はオフに制御される。詳細には、第3制御部11が、停電検出部10の停電検出信号S3に基づいて、第1スイッチ素子SW1及び第2スイッチ素子SW2をオン又はオフに制御する。第3制御部11は、第1点灯回路部3が光源2を点灯させる第1状態(通常時)では、第1スイッチ素子SW1をオフに制御し、第2スイッチ素子SW2をオンに制御する。第3制御部11は、第2点灯回路部4が光源2を点灯させる第2状態(非常時)では第1スイッチ素子SW1をオンに制御し、第2スイッチ素子SW2をオフに制御する。なお、第3制御部11は、第1電源P1又は第2電源P2から供給される電力で動作する。
【0075】
停電検出部10が常用電源である第1電源P1の停電を検出していない場合、第1点灯回路部3が第1電源P1から供給される電力で光源2を点灯し、第2点灯回路部4は動作を停止する。詳細には、停電検出部10が第1電源P1の停電を検出していない場合、第1制御部8が、第1点灯回路部3を動作させて、第1点灯回路部3により光源2を点灯させ、第2制御部9は、第2点灯回路部4の動作を停止させる。また、第3制御部11は、第1スイッチ素子SW1をオフに制御し、第2スイッチ素子SW2をオンに制御する。第1スイッチ素子SW1がオフ、第2スイッチ素子SW2がオンになると、光源2に流れる電流は、第1抵抗R1と第2スイッチ素子SW2とに流れ、第1抵抗R1の両端間の差電圧ΔV1が第1電流検出部6に入力される。第1電流検出部6は、差電圧ΔV1に基づく第1検出信号S1を第1制御部8に出力し、第1制御部8が、第1検出信号S1に基づいて出力電流が第1目標値に一致するように第1点灯回路部3の定電流制御を行う。この場合、第2抵抗R2に比べてオン抵抗が小さい第2スイッチ素子SW2に電流が流れ、第1抵抗R1に比べて高抵抗の第2抵抗R2には流れないため、第1抵抗R1と第2抵抗R2とに電流が流れる場合に比べて電力損失を低減できる。
【0076】
停電検出部10が常用電源である第1電源P1の停電を検出している場合、第1点灯回路部3は第1電源P1の停電により動作を停止し、第2点灯回路部4が第2電源P2から供給される電力で光源2を点灯する。詳細には、停電検出部10が第1電源P1の停電を検出している場合、第2制御部9が、第2点灯回路部4を動作させ、第2点灯回路部4が第2電源P2から供給される電力で光源2を点灯する。また、第3制御部11が、第1スイッチ素子SW1をオンに制御し、第2スイッチ素子SW2をオフに制御する。第1スイッチ素子SW1がオン、第2スイッチ素子SW2がオフになると、光源2に流れる電流は、第1スイッチ素子SW1と第2抵抗R2とに流れ、第1抵抗R1と第2抵抗R2との接続点PT1の電圧V2が第2電流検出部7に入力される。第2電流検出部7は、電圧V2に基づく第2検出信号S2を第2制御部9に出力し、第2制御部9が、第2検出信号S2に基づいて出力電流が第2目標値に一致するように第2点灯回路部4の定電流制御を行う。この場合、光源2に流れる電流は第1抵抗R1に流れず、第1抵抗R1に比べてオン抵抗が小さい第1スイッチ素子SW1に電流が流れるため、第1抵抗R1と第2抵抗R2とに電流が流れる場合に比べて電力損失を低減でき、第2電源P2の消耗を抑制できる。
【0077】
(4-4)変形例4
上記実施形態では、第1電源P1が常用電源、第2電源P2が非常用電源であったが、変形例4の点灯装置1では、第2電源P2が常用電源、第1電源P1が非常用電源である。
【0078】
常用電源である第2電源P2が停電していない場合、第2点灯回路部4が、常用電源である第2電源P2から供給される電力で光源2を点灯させる。このとき、第2電流検出部7には、ローサイドの第2抵抗R2の電圧V2が入力され、電圧V2に基づく第2検出信号S2を第2制御部9に出力し、第2制御部9は、第2検出信号S2に基づいて第2点灯回路部4の定電流制御を行う。
【0079】
常用電源である第2電源P2が停電している場合、第1点灯回路部3が、非常用電源である第1電源P1から供給される電力で光源2を点灯させる。このとき、第1電流検出部6には、第1抵抗R1の両端間の差電圧ΔV1が入力され、差電圧ΔV1に基づく第1検出信号S1を第1制御部8に出力し、第1制御部8は、第1検出信号S1に基づいて第1点灯回路部3の定電流制御を行う。
【0080】
なお、常用電源である第2電源P2の停電等の非常時には、第1点灯回路部3、第1電流検出部6、及び第1制御部8は、非常用電源である第1電源P1から供給される電力で動作する。
【0081】
(4-5)その他の変形例
上記実施形態において、光源2は、例えばLED21であるが、有機EL等でもよい。
【0082】
上記実施形態の非常用照明器具A1は誘導灯であるが、非常灯でもよい。上記実施形態では、第1点灯回路部3と第2点灯回路部4とは同じ光源2を点灯させているが、第1点灯回路部3が点灯させる光源と、第2点灯回路部4が点灯させる光源とは互いに異なる別の光源でもよい。
【0083】
(実施形態2)
図7に実施形態2に係る点灯装置1の回路図を示す。
【0084】
実施形態2の点灯装置1では、第2電流検出部7に第2抵抗R2の両端間の差電圧ΔV2が入力されて、第2電流検出部7が、光源2に流れる電流の大きさを示す第2検出信号S2を出力する点で実施形態1と相違する。なお、第2電流検出部7以外の構成は実施形態1の点灯装置1と同様であるので、共通の構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0085】
第2電流検出部7は、例えばオペアンプ等を用いて構成される差動増幅回路である。第2電流検出部7には、第2抵抗R2の両端の差電圧ΔV2が入力される。第2電流検出部7は、差電圧ΔV2を増幅した第2検出信号S2を第2制御部9に出力する。
【0086】
第2電流検出部7は、第2抵抗R2の両端間の差電圧ΔV2を検出しているので、第1抵抗R1と第2抵抗R2の接続点PT1の電圧V2を検出する場合に比べて、光源2に流れる電流を精度よく検出できる。第2制御部9は、第2電流検出部7の第2検出信号S2に基づいて第2点灯回路部4から光源2に流れる電流の定電流制御を行うので、光源2に流れる電流をより高精度に制御することができる。
【0087】
なお、実施形態2で説明した構成は、実施形態1で説明した構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて適用である。つまり、実施形態1の変形例1~4においても、第2電流検出部7が、第2抵抗R2の両端間の差電圧ΔV2を検出するように構成されていてもよく、光源2に流れる電流を精度よく検出することができる。
【0088】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様の点灯装置(1)は、第1点灯回路部(3)と、第2点灯回路部(4)と、第1抵抗(R1)と、第2抵抗(R2)と、第1電流検出部(6)と、第1制御部(8)と、第2電流検出部(7)と、第2制御部(9)と、を備える。第1点灯回路部(3)は、第1電源(P1)から供給される電力で光源(2)を点灯させる。第2点灯回路部(4)は、第2電源(P2)から供給される電力で光源(2)を点灯させる。第1抵抗(R1)は光源(2)に第1端が接続される。第2抵抗(R2)は、第1抵抗(R1)の第2端と基準電位(GND)との間に接続される。第1電流検出部(6)は、第1抵抗(R1)の両端間の差電圧(ΔV1)が入力されて、光源(2)に流れる電流の大きさを示す第1検出信号(S1)を出力する。第1制御部(8)は、第1検出信号(S1)に基づいて、第1点灯回路部(3)から光源(2)に流れる電流が第1目標値となるように定電流制御を行う。第2電流検出部(7)は、基準電位(GND)に対する、第1抵抗(R1)及び第2抵抗(R2)の接続点(PT1)の電圧(V2)が入力されて、光源(2)に流れる電流の大きさを示す第2検出信号(S2)を出力する。第2制御部(9)は、第2検出信号(S2)に基づいて、第2点灯回路部(4)から光源(2)に流れる電流が第2目標値となるように定電流制御を行う。第1電源(P1)及び第2電源(P2)の一方は常用電源である。第1電源(P1)及び第2電源(P2)の他方は、常用電源の非常時に給電するための非常用電源である。
【0089】
この態様によれば、光源(2)に流れる電流の目標値に対する誤差を低減することができる。
【0090】
第2の態様の点灯装置(1)では、第1点灯回路部(3)と、第2点灯回路部(4)と、第1抵抗(R1)と、第2抵抗(R2)と、第1電流検出部(6)と、第1制御部(8)と、第2電流検出部(7)と、第2制御部(9)と、を備える。第1点灯回路部(3)は、第1電源(P1)から供給される電力で光源(2)を点灯させる。第2点灯回路部(4)は、第2電源(P2)から供給される電力で光源(2)を点灯させる。第1抵抗(R1)は光源(2)に第1端が接続される。第2抵抗(R2)は、第1抵抗(R1)の第2端と基準電位(GND)との間に接続される。第1電流検出部(6)は、第1抵抗(R1)の両端間の差電圧(ΔV1)が入力されて、光源(2)に流れる電流の大きさを示す第1検出信号(S1)を出力する。第1制御部(8)は、第1検出信号(S1)に基づいて、第1点灯回路部(3)から光源(2)に流れる電流が第1目標値となるように定電流制御を行う。第2電流検出部(7)は、第2抵抗(R2)の両端間の差電圧(ΔV2)が入力されて、光源(2)に流れる電流の大きさを示す第2検出信号(S2)を出力する。第2制御部(9)は、第2検出信号(S2)に基づいて、第2点灯回路部(4)から光源(2)に流れる電流が第2目標値となるように定電流制御を行う。第1電源(P1)及び第2電源(P2)の一方は常用電源である。第1電源(P1)及び第2電源(P2)の他方は、常用電源の非常時に給電するための非常用電源である。
【0091】
この態様によれば、光源(2)に流れる電流の目標値に対する誤差を低減することができる。
【0092】
第3の態様の点灯装置(1)は、第1又は第2の態様において、第1抵抗(R1)と並列に接続されたスイッチ素子(SW1)を更に備える。スイッチ素子(SW1)は、第1点灯回路部(3)が光源(2)を点灯させる第1状態ではオフになり、第2点灯回路部(4)が光源(2)を点灯させる第2状態ではオンになる。
【0093】
この態様によれば、第2状態では、スイッチ素子(SW1)と第2抵抗(R2)とに電流が流れるので、第1抵抗(R1)と第2抵抗(R2)とに電流が流れる場合に比べて、電力損失を低減することができる。
【0094】
第4の態様の点灯装置(1)は、第1又は第2の態様において、第2抵抗(R2)と並列に接続されたスイッチ素子(SW2)を更に備える。スイッチ素子(SW2)は、第1点灯回路部(3)が光源(2)を点灯させる第1状態ではオンになり、第2点灯回路部(4)が光源(2)を点灯させる第2状態ではオフになる。
【0095】
この態様によれば、第1状態では、第1抵抗(R1)とスイッチ素子(SW2)とに電流が流れるので、第1抵抗(R1)と第2抵抗(R2)とに電流が流れる場合に比べて、電力損失を低減することができる。
【0096】
第5の態様の点灯装置(1)は、第1又は第2の態様において、第1抵抗(R1)と並列に接続された第1スイッチ素子(SW1)と、第2抵抗(R2)と並列に接続された第2スイッチ素子(SW2)と、を更に備える。第1スイッチ素子(SW1)は、第1点灯回路部(3)が光源(2)を点灯させる第1状態ではオフになり、第2点灯回路部(4)が光源(2)を点灯させる第2状態ではオンになる。第2スイッチ素子(SW2)は、第1状態ではオンになり、第2状態ではオフになる。
【0097】
この態様によれば、第1状態では、第1抵抗(R1)とスイッチ素子(SW2)とに電流が流れるので、第1抵抗(R1)と第2抵抗(R2)とに電流が流れる場合に比べて、電力損失を低減することができる。また、第2状態では、スイッチ素子(SW1)と第2抵抗(R2)とに電流が流れるので、第1抵抗(R1)と第2抵抗(R2)とに電流が流れる場合に比べて、電力損失を低減することができる。
【0098】
第6の態様の非常用照明器具(A1)は、第1~第5のいずれかの態様の点灯装置(1)と、光源(2)と、非常用電源と、器体(A10)と、を備える。器体(A10)は、点灯装置(1)、光源(2)、及び非常用電源を収容する。
【0099】
この態様によれば、小型化を図ることが可能な点灯装置(1)を備えることで、非常用照明器具(A1)の小型化を図ることができる。
【0100】
第3~第5の態様に係る構成については、第1又は第2の態様に係る点灯装置(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0101】
1 点灯装置
2 光源
3 第1点灯回路部
4 第2点灯回路部
6 第1電流検出部
7 第2電流検出部
8 第1制御部
9 第2制御部
A1 非常用照明器具
A10 器体
GND 基準電位
P1 第1電源
P2 第2電源
PT1 接続点
R1 第1抵抗
R2 第2抵抗
S1 第1検出信号
S2 第2検出信号
SW1 スイッチ素子(第1スイッチ素子)
SW2 スイッチ素子(第2スイッチ素子)
V2 電圧
ΔV1 第1抵抗の両端間の差電圧
ΔV2 第2抵抗の両端間の差電圧