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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161473
(43)【公開日】2023-11-07
(54)【発明の名称】検査方法及び検査装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/14 20060101AFI20231030BHJP
   A61B 3/10 20060101ALI20231030BHJP
   G16H 50/00 20180101ALI20231030BHJP
【FI】
A61B3/14
A61B3/10
G16H50/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071896
(22)【出願日】2022-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 広之
(72)【発明者】
【氏名】吉田 雅貴
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 汐理
【テーマコード(参考)】
4C316
5L099
【Fターム(参考)】
4C316AA02
4C316AA03
4C316FC12
4C316FC15
5L099AA03
(57)【要約】
【課題】検査を実際に実施することなく、目に関する検査の結果を予測することを図る。
【解決手段】検査方法は、推論用被検体の目を描出している推論用画像を示す推論用画像データを学習済みの機械学習プログラムに入力し、機械学習プログラムに推論用被検体の目の状態を推定させ、機械学習プログラムに前記推論用被検体の目の状態を示す推論用データを出力させ、推論用データに基づいた推論用被検体の目の状態に関する判定結果を示すデータを推論用被検体に認識可能に出力する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
推論用被検体の目を描出している推論用画像を示す推論用画像データを取得し、
学習用被検体の目を描出している学習用画像を示す学習用画像データを問題とし、前記学習用被検体の目の状態を示す学習用状態データを答えとする教師データを使用して学習した機械学習プログラムに前記推論用画像データを入力し、前記機械学習プログラムに前記推論用被検体の目の状態を推定させ、前記機械学習プログラムに前記推論用被検体の目の状態を示す推論用データを出力させる、
検査方法であって、
前記推論用データに基づいた前記推論用被検体の目の状態に関する判定結果を示すデータを前記推論用被検体に認識可能に出力する、
検査方法。
【請求項2】
前記判定結果を示すデータを前記推論用被検体に認識可能に出力した後に、点眼液選びのために前記推論用被検体に実施してもらうアンケートの項目及び選択可能な回答を示すデータを出力し、
前記アンケートの回答を示すデータを受付け、
前記判定結果に有用な点眼液の絞り込み条件に前記アンケートの結果を使用して選択された前記判定結果に有用な点眼液の選択結果を示すデータを出力する、
請求項1に記載の検査方法。
【請求項3】
前記推論用被検体の目の状態に関する判定結果を示すデータは、推論用被検体の「角膜の状態」、「涙液の水層の状態」、「涙液の油層の状態」及び「ムチン層の状態」のうち2つ以上を含む、
請求項1又は請求項2に記載の検査方法。
【請求項4】
前記推論用被検体の目の状態に関する判定結果を示すデータは、推論用画像データから読み取ることが可能な推論用被検体の「角膜の状態」、「涙液の水層の状態」、「涙液の油層の状態」及び「ムチン層の状態」のうち少なくともいずれか一つに基づいて判定された目の疲労の度合いを含む、
請求項1又は請求項2に記載の検査方法。
【請求項5】
前記アンケートの項目は、「気になる症状」と「さし心地(清涼感)」と「使用シーン」と「特徴」とのうち少なくともいずれか一つを含む、
請求項2に記載の検査方法。
【請求項6】
前記アンケートの項目「気になる症状」における選択可能な回答は、「年齢による疲れ目」、「酷使(PCやスマホなど)」、「乾きによる疲れ目」、「目のかすみ」、「ドライアイ」、「かゆみ」、「充血」、及び「コンタクトによる不快感」のうち一つ以上を含む、
請求項5に記載の検査方法。
【請求項7】
推論用被検体の目を描出している推論用画像を示す推論用画像データを取得するデータ取得部と、
学習用被検体の目を描出している学習用画像を示す学習用画像データを問題とし、前記学習用被検体の目の状態を示す学習用状態データを答えとする教師データを使用して学習した機械学習プログラムに前記推論用画像データを入力し、前記機械学習プログラムに前記推論用被検体の目の状態を推定させ、前記機械学習プログラムに前記推論用被検体の目の状態を示す推論用データを出力させる推定部と、
データ出力部と、
を備え、
前記データ出力部は、前記推論用データに基づいた前記推論用被検体の目の状態に関する判定結果を示すデータを前記推論用被検体に認識可能に出力する、
検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査方法及び検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、特に先進国において、パーソナルコンピュータ(略称:PC)、スマートフォン(略称:スマホ)、タブレット等、ディスプレイが搭載されている電子機器が広く普及しているため、目の不調を自覚する人が急激に増加している。更に、インターネットを介したオンラインサービスの増加、テレワークを推進する企業の増加等により、目の不調を自覚する人の数が更に増加していくと予想される。
【0003】
このような生活習慣により比較的頻繁に引き起こされる目の不調の一例として、目の疲れと、角結膜上皮障害、ムチン障害、涙液層の不安定化及びマイボーム線機能不全の少なくとも一つを伴うドライアイとが挙げられる。これらの有無や程度を認識するためには、試薬、医療機器等を使用した検査が必要である。このような検査の一例として、例えば、特許文献1に開示されている眼科診断支援装置を使用した検査が挙げられる。
【0004】
この眼科診断支援装置は、症例データ格納部と、機械学習部と、患者データ取得部と、対比判定部と、結果表示部とを備える。症例データ格納部は、眼科診断画像データと診断結果との組み合わせからなる複数の症例基礎画像データを格納する。機械学習部は、特徴画像要素を抽出するとともに症例基礎画像データを分類する。患者データ取得部は、患者の患者眼科診断画像データを取得する。対比判定部は、患者眼科診断画像データと症例基礎画像データとを対比し、データ同士の類似性判定を実行する。結果表示部は、類似性判定の結果を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-36835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した眼科診断支援装置は、医療機関で使用される検査機器を使用して眼科診断データを取得する必要があるため、目の疲れの有無や程度、目の不調を自覚している人のドライアイの有無や程度を簡易に検査することができない。
【0007】
そこで、本発明は、検査を実際に実施することなく、目に関する検査の結果を予測することができる検査方法及び検査装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、推論用被検体の目を描出している推論用画像を示す推論用画像データを取得し、学習用被検体の目を描出している学習用画像を示す学習用画像データを問題とし、前記学習用被検体の目の状態を示す学習用状態データを答えとする教師データを使用して学習した機械学習プログラムに前記推論用画像データを入力し、前記機械学習プログラムに前記推論用被検体の目の状態を推定させ、前記機械学習プログラムに前記推論用被検体の目の状態を示す推論用データを出力させる、検査方法であって、前記推論用データに基づいた前記推論用被検体の目の状態に関する判定結果を示すデータを前記推論用被検体に認識可能に出力する、検査方法である。
【0009】
本発明の一態様は、上述した検査方法であって、前記判定結果を示すデータを前記推論用被検体に認識可能に出力した後に、点眼液選びのために前記推論用被検体に実施してもらうアンケートの項目及び選択可能な回答を示すデータを出力し、前記アンケートの回答を示すデータを受付け、前記判定結果に有用な点眼液の絞り込み条件に前記アンケートの結果を使用して選択された前記判定結果に有用な点眼液の選択結果を示すデータを出力する。
【0010】
本発明の一態様は、上述した検査方法であって、前記推論用被検体の目の状態に関する判定結果を示すデータは、推論用被検体の「角膜の状態」、「涙液の水層の状態」、「涙液の油層の状態」及び「ムチン層の状態」のうち2つ以上を含む。
【0011】
本発明の一態様は、上述した検査方法であって、前記推論用被検体の目の状態に関する判定結果を示すデータは、推論用画像データから読み取ることが可能な推論用被検体の「角膜の状態」、「涙液の水層の状態」、「涙液の油層の状態」及び「ムチン層の状態」のうち少なくともいずれか一つに基づいて判定された目の疲労の度合いを含む。
【0012】
本発明の一態様は、上述した検査方法であって、前記アンケートの項目は、「気になる症状」と「さし心地(清涼感)」と「使用シーン」と「特徴」とのうち少なくともいずれか一つを含む。
【0013】
本発明の一態様は、上述した検査方法であって、前記アンケートの項目「気になる症状」における選択可能な回答は、「年齢による疲れ目」、「酷使(PCやスマホなど)」、「乾きによる疲れ目」、「目のかすみ」、「ドライアイ」、「かゆみ」、「充血」、及び「コンタクトによる不快感」のうち一つ以上を含む。
【0014】
本発明の一態様は、推論用被検体の目を描出している推論用画像を示す推論用画像データを取得するデータ取得部と、学習用被検体の目を描出している学習用画像を示す学習用画像データを問題とし、前記学習用被検体の目の状態を示す学習用状態データを答えとする教師データを使用して学習した機械学習プログラムに前記推論用画像データを入力し、前記機械学習プログラムに前記推論用被検体の目の状態を推定させ、前記機械学習プログラムに前記推論用被検体の目の状態を示す推論用データを出力させる推定部と、データ出力部と、を備え、前記データ出力部は、前記推論用データに基づいた前記推論用被検体の目の状態に関する判定結果を示すデータを前記推論用被検体に認識可能に出力する、検査装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、検査を実際に実施することなく、目に関する検査の結果を予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係る機械学習実行装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2】実施形態に係る機械学習実行装置のソフトウェア構成の一例を示す図である。
図3】実施形態に係る機械学習実行プログラムにより実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図4】実施形態に係る検査装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5】実施形態に係る検査装置の外観の一例を示す図である。
図6】実施形態に係る検査装置のソフトウェア構成の一例を示す図である。
図7】実施形態に係る検査装置により表示される画像の一例を示す図である。
図8】実施形態に係る検査装置により表示される画像の一例を示す図である。
図9】実施形態に係る検査装置により表示される画像の一例を示す図である。
図10】実施形態に係る検査装置により表示される画像の一例を示す図である。
図11】実施形態に係る検査装置により表示される画像の一例を示す図である。
図12】実施形態に係る検査装置により表示される画像の一例を示す図である。
図13】実施形態に係る検査装置により表示される画像の一例を示す図である。
図14】実施形態に係る検査装置により表示される画像の一例を示す図である。
図15図8に示した目の画像の代わりに表示される目の画像の一例を示す図である。
図16図8に示した目の画像の代わりに表示される目の画像の一例を示す図である。
図17図8に示した目の画像の代わりに表示される目の画像の一例を示す図である。
図18図8に示した目の画像の代わりに表示される目の画像の一例を示す図である。
図19】実施形態に係る検査プログラムにより実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1から図19を参照しながら実施形態に係る検査方法及び検査装置の具体例について説明する。
【0018】
まず、図1から図3を参照しながら実施形態に係る機械学習実行方法及び機械学習実行装置の具体例について説明する。図1は、実施形態に係る機械学習実行装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図1に示した機械学習実行装置10は、後述する機械学習装置700の学習フェーズにおいて機械学習装置700に機械学習を実行させる装置である。また、図1に示すように、機械学習実行装置10は、プロセッサ11と、主記憶装置12と、通信インターフェース13と、補助記憶装置14と、入出力装置15と、バス16とを備える。
【0019】
プロセッサ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、後述する機械学習実行プログラム100を読み出して実行し、機械学習実行プログラム100が有する各機能を実現させる。また、プロセッサ11は、機械学習実行プログラム100以外のプログラムを読み出して実行し、機械学習実行プログラム100が有する各機能を実現させる上で必要な機能を実現させてもよい。
【0020】
主記憶装置12は、例えば、RAM(Random Access Memory)であり、プロセッサ11により読み出されて実行される機械学習実行プログラム100その他プログラムを予め記憶している。
【0021】
通信インターフェース13は、図1に示したネットワークNWを介して、機械学習装置700その他の機器と通信を実行するためのインターフェース回路である。また、ネットワークNWは、例えば、LAN(Local Area Network)、イントラネットである。
【0022】
補助記憶装置14は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)、ソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)、フラッシュメモリ(Flash Memory)、ROM(Read Only Memory)である。
【0023】
入出力装置15は、例えば、入出力ポート(Input/Output Port)である。入出力装置15は、例えば、図1に示したキーボード811、マウス812、ディスプレイ910が接続される。キーボード811及びマウス812は、例えば、機械学習実行装置10を操作するために必要なデータを入力する作業に使用される。ディスプレイ910は、例えば、機械学習実行装置10のグラフィカルユーザインターフェース(GUI:Graphical User Interface)を表示する。
【0024】
バス16は、プロセッサ11、主記憶装置12、通信インターフェース13、補助記憶装置14及び入出力装置15を互いにデータの送受信が可能なように接続している。
【0025】
図2は、実施形態に係る機械学習実行装置のソフトウェア構成の一例を示す図である。機械学習実行装置10は、プロセッサ11を使用して機械学習実行プログラム100を読み出して実行し、図2に示した教師データ取得機能101及び機械学習実行機能102を実現させる。
【0026】
教師データ取得機能101は、学習用被検体の目を描出している学習用画像を示す学習用画像データを問題とし、学習用被検体の目の状態を示す学習用状態データを答えとする教師データを取得する。
【0027】
学習用被検体の目の状態は、例えば、学習用被検体の目についてドライアイの症状に関する検査、角膜上皮障害に関する検査、ムチン障害に関する検査、学習用被検体の目の涙液層破壊時間を調べる検査又は涙液油層の厚みを調べる検査が実施された際におけるこれらの検査の結果に反映される。
【0028】
学習用画像データは、教師データの問題の少なくとも一部を構成しており、学習用被検体の目を描出している学習用画像を示すデータである。学習用画像は、例えば、後述する検査装置に接続されているカメラ、スマートフォンに搭載されているカメラ等を使用して撮影される。
【0029】
また、教師データは、学習用被検体の目の状態を改善する施策を示す学習用施策データを答えの一部として更に含んでいてもよい。
【0030】
機械学習実行機能102は、機械学習装置700に実装されている機械学習プログラム750に教師データを入力し、機械学習プログラム750を学習させる。例えば、機械学習実行機能102は、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)を含んでいる機械学習プログラム750をバックプロパゲーション(Backpropagation)により学習させる。
【0031】
次に、図3を参照しながら実施形態に係る機械学習実行プログラム100が実行する処理の一例を説明する。図3は、実施形態に係る機械学習実行プログラムにより実行される処理の一例を示すフローチャートである。機械学習実行プログラム100は、図3に示した処理を少なくとも一回実行する。
【0032】
ステップS11において、教師データ取得機能101は、学習用被検体の目を描出している学習用画像を示す学習用画像データを問題とし、学習用被検体の目の状態を示す学習用状態データを答えとする教師データを取得する。
【0033】
ステップS12において、機械学習実行機能102は、教師データを機械学習プログラム750に入力し、機械学習プログラム750を学習させる。
【0034】
次に、図4から図19を参照しながら実施形態に係る検査プログラム、検査装置及び検査方法の具体例について説明する。
【0035】
図4は、実施形態に係る検査装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図4に示した検査装置20は、機械学習実行プログラム100により学習済みの機械学習装置700の推論フェーズにおいて機械学習装置700を使用して推論用被検体の目の状態を推定させる装置である。また、図4に示すように、検査装置20は、プロセッサ21と、主記憶装置22と、通信インターフェース23と、補助記憶装置24と、タッチパネルディスプレイ25と、バス26とを備える。タッチパネルディスプレイ25は、データ出力部及びデータ受付部に対応する。
【0036】
プロセッサ21は、例えば、CPUであり、後述する検査プログラム200を読み出して実行し、検査プログラム200が有する各機能を実現させる。また、プロセッサ21は、検査プログラム200以外のプログラムを読み出して実行し、検査プログラム200が有する各機能を実現させる上で必要な機能を実現させてもよい。
【0037】
主記憶装置22は、例えば、RAMであり、プロセッサ21により読み出されて実行される検査プログラム200その他プログラムを予め記憶している。
【0038】
通信インターフェース23は、図4に示したネットワークNWを介して、機械学習装置700その他の機器と通信を実行するためのインターフェース回路である。また、ネットワークNWは、例えば、LAN、イントラネットである。
【0039】
補助記憶装置24は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、フラッシュメモリ、ROMである。
【0040】
タッチパネルディスプレイ25は、例えば、入出力ポートである。タッチパネルディスプレイ25は、例えば、検査装置20のグラフィカルユーザインターフェース、後述する推論用データにより示される内容を表示する。
【0041】
バス26は、プロセッサ21、主記憶装置22、通信インターフェース23、補助記憶装置24及びタッチパネルディスプレイ25を互いにデータの送受信が可能なように接続している。
【0042】
図5は、実施形態に係る検査装置の外観の一例を示す図である。図5に示すように、検査装置20は、台座Bの上部に取り付けられた支柱Pにより支持されている。また、検査装置20、台座B及び支柱Pは、例えば、ドラッグストア等に設置される。
【0043】
図6は、実施形態に係る検査装置のソフトウェア構成の一例を示す図である。検査装置20は、プロセッサ21を使用して検査プログラム200を読み出して実行し、図6に示したデータ取得機能201及び推定機能202を実現させる。
【0044】
データ取得機能201は、推論用画像データを取得する。推論用画像データは、推論用被検体の目を描出している推論用画像を示すデータである。推論用画像は、例えば、検査装置20に接続されているカメラ、スマートフォンに搭載されているカメラを使用して撮影される。検査装置20がドラッグストア等の店頭に設置される場合、店頭で適切な撮影条件になるようにカメラの配置や照明の具合などを設定することができる。
【0045】
推定機能202は、機械学習実行機能102により学習済みの機械学習プログラム750に推論用画像データを入力し、機械学習プログラム750に推論用被検体の目の状態を推定させる。
【0046】
そして、推定機能202は、機械学習プログラム750に推論用被検体の目の状態を示す推論用データを出力させる。この場合、推論用データは、例えば、推論用被検体の目の状態を表す数値等をタッチパネルディスプレイ25に表示するために使用される。また、推論用データは、例えば、推論用画像データから読み取ることが可能な推論用被検体の目の角膜、涙液等の状態に基づいて判定された当該目の疲労の度合いを示していてもよい。
【0047】
また、推定機能202は、機械学習プログラム750に推論用被検体の目の状態を改善する施策を示す推論用データを出力させてもよい。
【0048】
図7は、実施形態に係る検査装置により表示される画像の一例を示す図である。図7に示した画像A7は、推論用被検体が検査装置20に接続されているカメラの前に立った状態で当該推論用被検体の顔が認識された後に、当該カメラにより撮影された当該推論用被検体の顔の画像である。画像A7に描出されている二つの長方形は、それぞれ当該推論用被検体の左目及び右目を示している。また、画像A7は、推論用画像の一例である。
なお、検査装置20とカメラ(例えば、カメラやカメラを搭載したスマートフォンなど)とは、近距離無線通信により接続されてもよい。これにより、推論用被検体は、カメラやスマートフォンなどを検査装置20に通信ケーブルで接続する必要がなく、検査装置20に非接触で撮影を行うことができる。
また、検査装置20は撮影時に目を収める枠(例えば図7中の二つの長方形)を撮影画面上に表示し、推論用被検体が撮影時に目をその枠の中に収まるように撮影してもよい。また、検査装置20は、その撮影画面の明るさなどから照明の状態が適切であるか否かを判定し、適切であると判定した場合は撮影することができる一方、適切ではないと判定した場合は照明が適切ではないことを示す警告メッセージを撮影画面上に表示してもよい。
【0049】
図8は、実施形態に係る検査装置により表示される画像の一例を示す図である。図8に示した画像A8は、推論用画像の一例である画像A7を示す推論用画像データに基づいて推定された推論用被検体の目の状態を推定した結果を示す画像である。画像A8は、図8に示すように、推論用被検体の角膜の状態を示すスコア及び当該スコアが低めであることを示す「低め」というアイコンを含んでいる。また、画像A8は、図8に示すように、角膜に傷が付いている部分を示す図形を推論用被検体の目の画像に重ね合わせた画像A81を含んでいる。
【0050】
図9は、実施形態に係る検査装置により表示される画像の一例を示す図である。図9に示した画像A9は、推論用画像の一例である画像A7を示す推論用画像データに基づいて推定された推論用被検体の目の状態を推定した結果を示す画像である。画像A9は、推論用被検体の角膜の状態に関するスコア、涙液の水層に関するスコア、涙液の油層に関するスコア及びムチン層に関するスコアを示すレーダーチャートを示している。なお、画像A9は、図9に示したレーダーチャートの代わりに、これら四つのスコアを示す数値、アイコン等を示していてもよい。また、画像A9は、推論用被検体の目の疲労の度合いを五段階表示で示している。画像A9は、画像A8の代わりにタッチパネルディスプレイ25に表示されてもよい。推論用被検体の目の疲労の度合いを示す画像A9は、推論用被検体の目の状態に関する判定結果を示すデータの一例であって、推論用画像データから読み取ることが可能な推論用被検体の「角膜の状態」、「涙液の水層の状態」、「涙液の油層の状態」及び「ムチン層の状態」のうち少なくともいずれか一つに基づいて判定された目の疲労の度合いを含むデータである。例えば、検査装置20は、推論用被検体の角膜と涙液とのうち少なくともいずれか一つの状態の解析結果から目の疲労の度合いを判定し、当該判定結果を表示することができる。
【0051】
図9に例示されるように画像A9が推論用被検体の角膜の状態に関するスコア、涙液の水層に関するスコア、涙液の油層に関するスコア及びムチン層に関するスコアを例えばレーダーチャートや数値、アイコン等で示すことによって、推論用被検体に推論用被検体の角膜の状態、涙液の水層の状態、涙液の油層の状態及びムチン層の状態をわかりやすく通知することができる。検査装置20が推論用被検体に判定結果として、推論用被検体の角膜の状態の判定結果のみの画像を提示する場合と、推論用被検体の角膜の状態、涙液の水層の状態、涙液の油層の状態及びムチン層の状態の画像を提示する場合とに分けて、複数の推論用被検体に対して、検査装置20を評価するアンケートを実施した。このアンケートの結果、検査装置20が推論用被検体に提示する判定結果の信頼性のアンケート項目について、推論用被検体の角膜の状態の判定結果のみの画像を提示する場合に比べて、推論用被検体の角膜の状態、涙液の水層の状態、涙液の油層の状態及びムチン層の状態の画像を提示する場合は、「信頼性が高い」と回答した推論用被検体の割合が顕著に多かった。具体的には、推論用被検体の角膜の状態の判定結果のみの画像を提示する場合に「信頼性が高い」と回答した推論用被検体の割合が27.3%であるのに対して、推論用被検体の角膜の状態、涙液の水層の状態、涙液の油層の状態及びムチン層の状態の画像を提示する場合に「信頼性が高い」と回答した推論用被検体の割合が54.5%である。
【0052】
図9に例示されるように画像A9が推論用被検体の目の疲労の度合いの判定の結果を例えば五段階表示で示すことによって、推論用被検体に推論用被検体の目の疲労の度合いをわかりやすく通知することができる。画像A9が推論用被検体の目の疲労の度合いの判定の結果を五段階表示で示す場合と、画像A9が推論用被検体の目の疲労の度合いの判定の結果を表示しない場合とに分けて、複数の推論用被検体に対して、検査装置20を評価するアンケートを実施した。このアンケートの結果、検査装置20が推論用被検体に提示する判定結果の分かりやすさのアンケート項目について、画像A9が推論用被検体の目の疲労の度合いの判定の結果を表示しない場合に比べて、画像A9が推論用被検体の目の疲労の度合いの判定の結果を五段階表示で示す場合は、「わかりやすい」と回答した推論用被検体の割合が顕著に多かった。具体的には、画像A9が推論用被検体の目の疲労の度合いの判定の結果を表示しない場合に「わかりやすい」と回答した推論用被検体の割合が36.4%であるのに対して、画像A9が推論用被検体の目の疲労の度合いの判定の結果を五段階表示で示す場合に「わかりやすい」と回答した推論用被検体の割合が63.6%である。
【0053】
図10は、実施形態に係る検査装置により表示される画像の一例を示す図である。図10に示した画像A11は、画像A8又は画像A9に示されている推論用被検体の目の状態を引き起こした原因として推定された結果を示している。画像A11は、例えば、タッチパネルディスプレイ25に画像A8又は画像A9が表示された後に、タッチパネルディスプレイ25に表示される。
【0054】
図11は、実施形態に係る検査装置により表示される画像の一例を示す図である。図11に示した画像A13は、画像A11に示されている原因への対処法の一例を示している。画像A13は、タッチパネルディスプレイ25に画像A11が表示された後に、タッチパネルディスプレイ25に表示される。
【0055】
図12は、実施形態に係る検査装置により表示される画像の一例を示す図である。図12に示した画像A31は、アンケートによる目薬選びサポートを開始することを推論用被検体に促すための画像の一例である。画像A31は、図12に示すように、アンケートによる目薬選びサポートを開始するための「START」というアイコンを含んでいる。画像A31は、タッチパネルディスプレイ25に画像A13が表示された後に、タッチパネルディスプレイ25に表示される。推論用被検体がタッチパネルディスプレイ25に表示された画像A31に含まれる「START」アイコンを選択すると、図13に示される画像A32がタッチパネルディスプレイ25に表示される。
【0056】
図13は、実施形態に係る検査装置により表示される画像の一例を示す図である。図13に示した画像A32は、目薬選びサポートのためのアンケートの一例を示している。画像A32は、図13に示すように、目薬選びサポートのためのアンケートの複数の項目と、アンケートの回答による目薬(点眼液)の絞り込みを開始するための「この条件で絞り込む」というアイコンとを含んでいる。
【0057】
画像A32は、アンケートの項目として、「気になる症状」と、「さし心地(清涼感)」と、「使用シーン」と、「特徴」とを含んでいる。また、画像A32は、項目「気になる症状」における複数選択可能な回答として「年齢による疲れ目」、「酷使(PCやスマホなど)」、「乾きによる疲れ目」、「目のかすみ」、「ドライアイ」、「かゆみ」、「充血」、及び「コンタクトによる不快感」を含んでいる。また、画像A32は、項目「さし心地(清涼感)」における選択可能な回答として「指定しない」、「清涼感なし」、「マイルドな清涼感」、及び「強い清涼感」を含んでいる。また、画像A32は、項目「使用シーン」における選択可能な回答として「指定しない」、「裸眼時に使用したい」、「ハードコンタクトレンズ装着時に使用したい」、及び「ソフトコンタクトレンズ装着時に使用したい」を含んでいる。また、画像A32は、項目「特徴」における複数選択可能な回答として「防腐剤無添加」及び「ビタミンA配合」を含んでいる。
【0058】
推論用被検体がタッチパネルディスプレイ25に表示された画像A32に含まれるアンケートの各項目の回答を選択した後に「この条件で絞り込む」アイコンを選択すると、図14に示される画像A14がタッチパネルディスプレイ25に表示される。
【0059】
図14は、実施形態に係る検査装置により表示される画像の一例を示す図である。図14に示した画像A14は、画像A11に示されている推論用被検体の目の状態を引き起こした原因として推定された結果に対して有用な点眼液として、推論用被検体がタッチパネルディスプレイ25に表示された画像A32に含まれるアンケートの各項目で選択した回答を点眼液の絞り込み条件に使用して選択された点眼液の選択結果を示している。
【0060】
上述したように、本実施形態によれば、画像A8(図8参照)、画像A9(図9参照)、画像A11(図10参照)、及び画像A13(図11参照)に示される推論用被検体の目の状態に関する判定結果がタッチパネルディスプレイ25に表示された後に、画像A31(図12参照)及び画像A32(図13参照)をタッチパネルディスプレイ25に表示してアンケートによる目薬選びサポートを開始し、画像A32によるアンケート結果を当該判定結果に有用な点眼液の絞り込み条件に使用して選択された点眼液の一例を示す画像A14をタッチパネルディスプレイ25に表示する。このように、推論用被検体の目の状態に関する判定結果を推論用被検体に提示した後に、推論用被検体に対してアンケートによる目薬選びサポートを開始し、そのアンケート結果を当該判定結果に有用な点眼液の絞り込み条件に使用して選択された点眼液の一例を推論用被検体に提示することによって、推論用被検体における点眼液の使用意向や検査装置20に対する満足度などを向上させる効果が得られることが、次に示す検査装置20を評価するアンケートの結果から分かった。
【0061】
推論用被検体に推論用被検体の目の状態に関する判定結果の画像A9、画像A11及び画像A13のみを提示する場合(比較ケース)と、推論用被検体に推論用被検体の目の状態に関する判定結果の画像A9、画像A11及び画像A13を提示した後に画像A31及び画像A32による目薬選びのためのアンケートを推論用被検体に実施してから画像A14によりアンケート結果に基づいた推奨点眼液の一例を推論用被検体に提示する場合(本実施形態ケース)とに分けて、複数の推論用被検体に対して、検査装置20を評価するアンケートを実施した。このアンケートの結果、推論用被検体における点眼液の使用意向や検査装置20に対する満足度のアンケート項目について、比較ケースに比べて本実施形態ケースの方がよい結果の割合が顕著に多かった。具体的には、「検査装置の使用前後の角膜修復目薬の使用意向の変化」の項目について、比較ケースは「使いたくなった」と回答した推論用被検体の割合が36.4%であるのに対して、本実施形態ケースは「使いたくなった」と回答した推論用被検体の割合が63.6%である。また、「検査装置への満足度」の項目について、比較ケースは「高い」と回答した推論用被検体の割合が45.5%であるのに対して、本実施形態ケースは「高い」と回答した推論用被検体の割合が72.7%である。
【0062】
なお、画像A32は、アンケートの項目として、「気になる症状」と「さし心地(清涼感)」と「使用シーン」と「特徴」とのうち少なくともいずれか一つを含むものであってもよい。また、画像A32は、項目「気になる症状」における選択可能な回答として「年齢による疲れ目」、「酷使(PCやスマホなど)」、「乾きによる疲れ目」、「目のかすみ」、「ドライアイ」、「かゆみ」、「充血」、及び「コンタクトによる不快感」のうち一つ以上を含むものであってもよい。また、画像A32は、項目「さし心地(清涼感)」における選択可能な回答として「指定しない」、「清涼感なし」、「マイルドな清涼感」、及び「強い清涼感」のうち一つ以上を含むものであってもよい。また、画像A32は、項目「使用シーン」における選択可能な回答として「指定しない」、「裸眼時に使用したい」、「ハードコンタクトレンズ装着時に使用したい」、及び「ソフトコンタクトレンズ装着時に使用したい」のうち一つ以上を含むものであってもよい。また、画像A32は、項目「特徴」における選択可能な回答として「防腐剤無添加」及び「ビタミンA配合」のうち一つ以上を含むものであってもよい。
【0063】
図15から図18は、図8に示した目の画像の代わりに表示される目の画像の一例を示す図である。推定機能202は、推論用画像に描出されている推論用被検体の目のうち所定の条件を満たす領域の表示の態様と、所定の条件を満たさない領域の表示の態様とが異なる画像を示す推論用データを出力させる。ここで言う所定の条件は、涙液の水層が減少している可能性が所定の閾値を超えているという条件と、涙液の油層が減少している可能性が所定の閾値を超えているという条件と、角膜及び結膜の少なくとも一方に傷が付いている可能性が所定の閾値を超えているという条件との少なくとも一つである。
【0064】
例えば、推定機能202は、図15に示すように、涙液の水層が減少している可能性がある領域を示す斜線ハッチングを推論用画像に重ねて表示してもよい。この斜線ハッチングは、涙液の水層が減少している程度に応じて異なる濃さを有していてもよい。
【0065】
或いは、推定機能202は、図16に示すように、涙液の油層が減少している可能性がある領域を示す縦線ハッチングを推論用画像に重ねて表示してもよい。この縦線ハッチングは、涙液の油層が減少している程度に応じて異なる濃さを有していてもよい。
【0066】
或いは、推定機能202は、図17に示すように、角膜及び結膜に傷が付いている可能性がある領域を示すドットハッチングを推論用画像に重ねて表示してもよい。このドットハッチングは、傷の程度に応じて異なる濃さを有していてもよい。
【0067】
或いは、推定機能202は、図18に示すように、上述した斜線ハッチング、縦線ハッチング及びドットハッチングを推論用画像に重ねて表示してもよい。
【0068】
次に、図19を参照しながら実施形態に係る検査プログラム200が実行する処理の一例を説明する。図19は、実施形態に係る検査プログラムにより実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【0069】
ステップS21において、データ取得機能201は、推論用被検体の目を描出している推論用画像を示す推論用画像データを取得する。
【0070】
ステップS22において、推定機能202は、機械学習プログラム750に推論用画像データを入力し、機械学習プログラム750に推論用被検体の目の状態を推定させ、機械学習プログラム750に推論用被検体の目の状態を示す推論用データを出力させる。
【0071】
以上、実施形態に係る機械学習実行方法、検査方法、機械学習実行装置及び検査装置について説明した。
【0072】
機械学習実行プログラム100は、教師データ取得機能101と、機械学習実行機能102とを備える。
【0073】
教師データ取得機能101は、学習用被検体の目を描出している学習用画像を示す学習用画像データを問題とし、学習用被検体の目の状態を示す学習用状態データを答えとする教師データを取得する。
【0074】
機械学習実行機能102は、教師データを機械学習プログラム750に入力し、機械学習プログラム750を学習させる。
【0075】
これにより、機械学習実行プログラム100は、学習用画像データに基づいて目の状態を予測する機械学習プログラム750を生成することができる。
【0076】
検査プログラム200は、データ取得機能201と、推定機能202とを備える。
【0077】
データ取得機能201は、推論用画像データを取得する。推論用画像データは、推論用被検体の目を描出している画像を示すデータである。
【0078】
推定機能202は、機械学習実行プログラム100により学習済みの機械学習プログラム750に推論用画像データを入力し、推論用被検体の目の状態を推定させる。そして、推定機能202は、機械学習プログラム750に推論用被検体の目の状態を示す推論用データを出力させる。
【0079】
これにより、検査プログラム200は、検査を実際に実施することなく、目に関する検査の結果を予測することができる。
【0080】
また、検査プログラム200は、推論用画像に描出されている推論用被検体の目のうち所定の条件を満たす領域の表示の態様と、所定の条件を満たさない領域の表示の態様とが異なる画像を示す推論用データを出力させる。これにより、検査プログラム200は、所定の条件を満たす領域及び所定の条件を満たさない領域各々を更に視認し易い態様で提示することができる。
【0081】
また、検査プログラム200は、推論用被検体の目の状態を改善する施策を示す推論用データを推論用データに基づいて出力させる。これにより、検査プログラム200は、推論用被検体に目の状態を改善する施策を通知することができる。
【0082】
なお、機械学習実行プログラム100が有する機能の少なくとも一部は、回路部(circuitry)を含むハードウェアにより実現されてもよい。同様に、検査プログラム200が有する機能の少なくとも一部は、回路部を含むハードウェアにより実現されてもよい。また、このようなハードウェアは,例えば、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)である。
【0083】
また、機械学習実行プログラム100が有する機能の少なくとも一部は、ソフトウェアとハードウェアの協働により実現されてもよい。同様に、検査プログラム200が有する機能の少なくとも一部は、ソフトウェアとハードウェアの協働により実現されてもよい。また、これらのハードウェアは、一つに統合されていてもよいし、複数に分かれていてもよい。
【0084】
また、実施形態では、機械学習実行装置10と、機械学習装置700と、検査装置20とが互いに独立した装置である場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。これらの装置は、一つの装置として実現されていてもよい。
【0085】
また、検査装置20は、上述した態様以外の態様で実施されてもよい。例えば、検査装置20は、学習用タブレット、ゲーム機、スマートフォン、コンピュータ等であってもよい。この場合、検査装置20は、学習をする者、ゲームをする者、スマートフォンを使用する者、コンピュータを使用する者の目に関する検査の結果を予測することができる。例えば、スマートフォンのアプリケーションプログラムとして検査プログラム200をスマートフォンにインストールし、スマートフォンにインストールされた検査プログラム200が実行されることによって検査装置20の機能が実現されるようにしてもよい。また、前記アプリケーションプログラムはスマートフォンへのインストールが不要なウェブアプリケーションでもよい。これらにより、個人でもスマートフォンを使用して検査装置20の機能を利用することができる。
【0086】
また、検査装置20は、医療機器、医療器具等の特殊な機器、器具等を必要としないため、推論用被検体が通院する労力を省き、遠隔診療等を実現させることができる。例えば、検査装置20は、スマートフォンである場合、推論用被検体が通院する労力を省きつつ、推論用被検体の目に関する検査の結果を予測することができる。或いは、検査装置20は、スマートフォンである場合、推論用被検体が通院する労力を省きつつ、推論用被検体の目に関する検査の結果を予測し推論用被検体に当該治療の効果を実感させたり、コンタクトレンズ等を処方したりすることを可能にすることができる。また、当該治療の効果としては、例えば、角膜又は結膜の傷の減少、涙液の水層又は油層による目の潤いが挙げられる。さらに、推論用被検体は、犬、猫等の動物であってもよい。
【0087】
なお、上述した検査プログラム、検査装置及び検査方法は、推論用被検体の目にドライアイ点眼薬が点眼される前後で使用されてもよい。上述した検査プログラム、検査装置及び検査方法は、このようなタイミングで使用されることにより、推論用被検体が抱えるドライアイの症状に対して当該ドライアイ点眼薬が有している有効性を検証する手段ともなり得る。
【符号の説明】
【0088】
10…機械学習実行装置、100…機械学習実行プログラム、101…教師データ取得機能、102…機械学習実行機能、20…検査装置、200…検査プログラム、201…データ取得機能、202…推定機能
図1
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