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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161486
(43)【公開日】2023-11-07
(54)【発明の名称】ドラム式洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/50 20200101AFI20231030BHJP
【FI】
D06F33/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071913
(22)【出願日】2022-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】小西 良
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA01
3B167AA02
3B167AA05
3B167AB23
3B167AB30
3B167AB32
3B167AE01
3B167AE02
3B167AE04
3B167AE05
3B167BA56
3B167BA82
3B167HA11
3B167HA32
3B167HA34
3B167JA41
3B167KA18
3B167KA52
3B167KA71
3B167LA08
3B167LA09
3B167LA24
3B167LA38
3B167LB11
3B167LC02
3B167LC09
3B167LC11
3B167LC19
3B167LC20
3B167LD03
(57)【要約】
【課題】衣類等の対象物に付着したほこりを十分に除去可能なドラム式洗濯機を提供する。
【解決手段】ドラム式洗濯乾燥機は、外槽と循環路との間で空気を循環させる送風ファンと、循環路内を流れる空気に含まれるほこりを捕獲する第1フィルタと、循環路を流れた空気が、その流速を高められてドラム23の内周面に向けて吹き出す吹出ノズル160と、ドラム23内に収容された対象物からほこりを除去して第1フィルタで回収するほこり除去運転を実行する制御部と、を備える。制御部は、ほこり除去運転において、ドラム23を、当該ドラム23内で衣類がタンブリングする回転数で回転させるとともに、送風ファンを動作させる第1ほこり叩き出し運転と、ドラム23を、その内周面に衣類が張り付く回転数で回転させるとともに、送風ファンを動作させるほこり吹き飛ばし運転と、を実行する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に配置された外槽と、
前記外槽内に配置され、前面に開口部を有するドラムと、
前記ドラムを回転させる駆動モータと、
前記外槽に接続された循環路と、
前記外槽と前記循環路との間で空気を循環させる送風ファンと、
前記循環路内を流れる空気に含まれるほこりを捕獲するフィルタと、
前記開口部から前記ドラムの内部に臨み、前記循環路を流れた空気が、その流速を高められて前記ドラムの内周面に向けて吹き出す吹出部と、
前記駆動モータおよび前記送風ファンを制御して、前記ドラム内に収容された対象物からほこりを除去して前記フィルタで回収するほこり除去運転を実行する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記ほこり除去運転において、
前記駆動モータにより前記ドラムを、当該ドラム内で対象物がタンブリングする回転数で回転させるとともに、前記送風ファンを動作させる第1運転と、
前記駆動モータにより前記ドラムを、その内周面に対象物が張り付く回転数で回転させるとともに、前記送風ファンを動作させる第2運転と、を実行する、
ことを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項2】
請求項1に記載のドラム式洗濯機において、
前記制御部は、前記第2運転において、第1回転数での回転と当該第1回転数よりも低い第2回転数での回転とを繰り返すように前記送風ファンを動作させる、
ことを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項3】
請求項1に記載のドラム式洗濯機において、
前記制御部は、前記ほこり除去運転において、前記駆動モータにより前記ドラムを、当該ドラムの頂部付近まで対象物が持ち上がるように揺動させるともに、前記送風ファンを動作させる第3運転を実行する、
ことを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項4】
請求項3に記載のドラム式洗濯機において、
前記制御部は、前記第1運転の後に、前記第2運転と前記第3運転とを規定回数繰り返す、
ことを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項5】
請求項4に記載のドラム式洗濯機において、
前記制御部は、前記第1運転と、前記第2運転と前記第3運転の前記規定回数の繰り返しと、からなるサイクルを、所定の運転終了条件が成立するまで繰り返す、
ことを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか一項に記載のドラム式洗濯機において、
前記フィルタは、微粒子を捕獲可能な構成を有し、
前記微粒子には、花粉、PM2.5、黄砂、アレルゲンおよびカビのうち、少なくとも1つが含まれる、
ことを特徴とするドラム式洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドラム式洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
花粉除去コースを設け、当該花粉除去コースが選択された場合に、回転ドラムに収容された衣類に直接風を吹きつける手段を設けたドラム式の洗濯乾燥機が、以下の特許文献1に記載されている。
【0003】
この洗濯乾燥機では、風を吹きつける手段が、送風手段と、吹き出し口に設けたノズルとで構成され、当該ノズルが、回転ドラムの前側に、当該ノズルから出る風が回転ドラムの背面に向かうよう配置される。花粉除去コース運転中は、回転ドラムが左右回転し、リフタにより衣類がノズルの付近まで持ち上がった状態で、衣類に高速の風があたり、花粉が除去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-72505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の洗濯乾燥機では、リフタにより持ち上がった状態の衣類は、吹きつけられた風により動きやすい。このため、風が衣類の表面に強く当たりにくく、表面に付着した花粉を十分に吹き飛ばせない虞がある。
【0006】
上記の洗濯乾燥機において、花粉のみならず、PM2.5や黄砂、アレルゲン、カビなどの微粒子、その他のほこりなど、衣類から広くほこりを除去するほこり除去コースを採用することができる。このような場合も、上記と同様、衣類の表面に付着したほこりを十分に吹き飛ばせない虞が生じ得る。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、衣類に付着したほこりを十分に除去可能なドラム式洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の主たる態様に係るドラム式洗濯機は、筐体内に配置された外槽と、前記外槽内に配置され、前面に開口部を有するドラムと、前記ドラムを回転させる駆動モータと、前記外槽に接続された循環路と、前記外槽と前記循環路との間で空気を循環させる送風ファンと、前記循環路内を流れる空気に含まれるほこりを捕獲するフィルタと、前記開口部から前記ドラムの内部に臨み、前記循環路を流れた空気が、その流速を高められて前記ドラムの内周面に向けて吹き出す吹出部と、前記駆動モータおよび前記送風ファンを制御して、前記ドラム内に収容された対象物からほこりを除去して前記フィルタで回収するほこり除去運転を実行する制御部と、を備える。ここで、前記制御部は、前記ほこり除去運転において、前記駆動モータにより前記ドラムを、当該ドラム内で対象物がタンブリングする回転数で回転させるとともに、前記送風ファンを動作させる第1運転と、前記駆動モータにより前記ドラムを、その内周面に対象物が張り付く回転数で回転させるとともに、前記送風ファンを動作させる第2運転と、を実行する。
【0009】
本態様に係るドラム式洗濯機によれば、第1運転では、ドラム内で衣類等の対象物がタンブリングし、落下時にドラムの底部に叩きつけられるので、対象物に付着した剥がれやすいほこりを、対象物から除去できる。さらに、第2運転では、対象物がドラムの内周面に張り付くことにより固定された状態で対象物の表面に吹出部からの空気が吹き付けられるので、対象物が動いて風の勢いが弱められることが生じにくく、対象物の表面に付着したほこりを、良く吹き飛して除去できる。これにより、ほこり除去運転において、対象物からほこりを十分に除去することが可能となる。
【0010】
本態様に係るドラム式洗濯機において、前記制御部は、前記第2運転において、第1回転数での回転と当該第1回転数よりも低い第2回転数での回転とを繰り返すように前記送風ファンを動作させるような構成とされ得る。
【0011】
上記の構成によれば、送風ファンが第1回転数で回転する期間では、対象物の表面に空気を強く吹き付けて、当該表面に付着したほこりを良く吹き飛ばし除去できる。一方、送風ファンが第2回転数で回転する期間では、ドラム内で広く舞ったほこりを鎮静化させて、ドラムから円滑に外槽内に排出できる。これにより、第2運転において、吹出部からの空気の吹き付けにより対象物から除去したほこりを、十分にフィルタで回収することが可能となる。
【0012】
本態様に係るドラム式洗濯機において、前記制御部は、前記ほこり除去運転において、前記駆動モータにより前記ドラムを、当該ドラムの頂部付近まで対象物が持ち上がるように揺動させるともに、前記送風ファンを動作させる第3運転を実行するような構成とされ得る。
【0013】
上記の構成によれば、第3運転では、ドラムの揺動により、対象物がドラムの頂上付近まで持ち上げられては落とされる動作が繰り返され、対象物が第1運転よりも強くドラムの底部に叩きつけられるので、対象物の内部に入り込んでいるほこりを除去できる。これにより、ほこり除去運転において、より一層、対象物からほこりを除去することが可能となる。
【0014】
上記の構成とされた場合、さらに、前記制御部は、前記第1運転の後に、前記第2運転と前記第3運転とを規定回数繰り返すような構成とされ得る。
【0015】
このような構成とされれば、対象物の表面に付着したほこりと対象物の内部に入り込んだほこりを、より一層除去することが可能となる。
【0016】
上記の構成とされた場合、さらに、前記制御部は、前記第1運転と、前記第2運転と前記第3運転の前記規定回数の繰り返しと、からなるサイクルを、所定の運転終了条件が成立するまで繰り返すような構成とされ得る。
【0017】
このような構成とされれば、より一層、対象物からほこりを除去することが可能となる。
【0018】
本態様に係るドラム式洗濯機において、前記フィルタは、微粒子を捕獲可能な構成を有し得る。この場合、前記微粒子には、花粉、PM2.5、黄砂、アレルゲンおよびカビのうち、少なくとも1つが含まれる。
【0019】
上記の構成によれば、対象物から除去された花粉、PM2.5、黄砂、アレルゲン、カビなどの微粒子をフィルタにより回収でき、衣類から微粒子を除去可能なほこり除去運転を実現できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、衣類に付着したほこりを十分に除去可能なドラム式洗濯機を提供できる。
【0021】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明によりさらに明らかとなろう。ただし、以下の実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、実施の形態に係る、ドラム式洗濯乾燥機の構成を示す側面断面図である。
図2図2(a)および(b)は、それぞれ、実施の形態に係る、吹出ノズルの正面図および側面図である。
図3図3は、実施の形態に係る、ドラム式洗濯乾燥機の構成を示すブロック図である。
図4図4は、実施の形態に係る、ほこり除去運転で実行される制御部の制御動作を示すフローチャートである。
図5図5(a)、(b)および(c)は、それぞれ、実施の形態に係る、第1ほこり叩き出し運転、ほこり吹き飛ばし運転および第2ほこり叩き出し運転について説明するための図である。
図6図6(a)および(b)は、変更例1に係る、吹出ノズルの正面図および側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明のドラム式洗濯機の一実施形態であるドラム式洗濯乾燥機について、図面を参照して説明する。
【0024】
図1は、ドラム式洗濯乾燥機1の構成を示す側面断面図である。
【0025】
ドラム式洗濯乾燥機1は、方形状の筐体10を備える。筐体10の前面には、洗濯物が投入される円形の投入口11が形成される。投入口11は、開閉自在なドア12により覆われる。
【0026】
筐体10内には、外槽20が配置される。外槽20は、複数のダンパー21とスプリング22とにより弾性的に支持される。外槽20内には、ドラム23が回転自在に配置される。ドラム23は、水平軸周りに回転する。ドラム23は、前面に円形の開口部23aを有する。外槽20は、ドラム23の開口部23aの前方に円形の開口部20aを有する。
【0027】
外槽20の開口部20aの周縁部と筐体10の投入口11の周縁部が、弾性材料からなる環状のパッキン24により連結される。閉じられたドア12の周面がパッキン24に接触し、投入口11とドア12との間が水封される。
【0028】
ドラム23の内周面には、多数の脱水孔23bが形成される。また、ドラム23の内周面には、周方向に等しい間隔で、ほぼ三角柱形状を有する3つのバッフル25が設けられる。
【0029】
外槽20の後方には、ドラム23を回転させるためのトルクを発生させる駆動モータ30が配置される。駆動モータ30は、たとえば、アウターロータ型のDCブラシレスモータである。駆動モータ30は、洗い工程、すすぎ工程および乾燥工程時には、ドラム23内の洗濯物に加わる遠心力が重力より小さく、洗濯物がタンブリングする回転数でドラム23を回転させる。一方、駆動モータ30は、脱水工程時には、ドラム23内の洗濯物に加わる遠心力が重力よりはるかに大きく、洗濯物がドラム23の内周面に張り付く回転数でドラム23を回転させる。
【0030】
外槽20の底部には、排水口部20bが形成される。排水口部20bには、当該排水口部20bを開閉する排水バルブ41が設けられる。排水バルブ41は、たとえば、バルブと、バルブを開閉させるトルクモータとを含む。排水バルブ41は、排水ホース42に接続される。排水バルブ41と排水ホース42は、外槽20内から排水を行う排水部40を構成する。排水バルブ41が開放されると、外槽20内に溜められた水が排水口部20bおよび排水ホース42を通じて機外に排出される。排水ホース42の途中には、リント等の異物を捕獲する排水フィルタ43が配置される。
【0031】
筐体10内の上部には、給水装置50が配置される。給水装置50は、給水バルブ51と、給水ホース52とを含む。給水ホース52は、一端が給水バルブ51に接続され、他端が外槽20の後面に設けられた注水口20cに接続される。給水バルブ51が開放されると、水道栓からの水道水が給水ホース52を流れて注水口20cから外槽20内に供給される。
【0032】
なお、給水ホース53が、洗剤容器が収容された洗剤ボックスに接続されてもよい。この場合、洗剤ボックスに接続され、洗剤容器を経由した水が流れる注水パイプが、外槽20の前部上部に接続されてもよい。
【0033】
筐体10内の上部には、ドラム23内の洗濯物を乾燥させるための乾燥装置100が配置される。乾燥装置100は、循環路110と、送風ファン120と、冷却器131と、加熱器132と、第1フィルタ140と、第2フィルタ150と、吹出ノズル160とを備える。
【0034】
循環路110は、空気が流れる風路であり、外槽20に接続される。循環路110は、第1ダクト111と、ファンケーシング112と、第2ダクト113と、第1接続ホース114と、第2接続ホース115とを含む。第1ダクト111は、一端が外槽20の背面に設けられた排気口20dに接続され、他端が第1接続ホース114を介してファンケーシング112の吸込口に接続される。第2ダクト113は、一端が第2接続ホース115を介してファンケーシング112の吐出口に接続され、他端が外槽20の開口部20aの近傍に設けられた給気口20eに接続される。
【0035】
送風ファン120は、たとえば、遠心ファンであり、ファンケーシング112内に配置されたファン121と、ファン121を回転駆動するためのファンモータ122とを含む。送風ファン120は、外槽20と循環路110との間で空気を循環させる。排気口20dを通じて外槽20内から排出された空気は、第1ダクト111、ファンケーシング112、第2ダクト113の順に循環路110内を流れ、給気口20eを通じて外槽20内に戻る。
【0036】
冷却器131および加熱器132は、それぞれ、第2ダクト113内の上流側および下流側に配置される。冷却器131および加熱器132は、それぞれ、ヒートポンプ装置に含まれるエバポレータおよびコンデンサにより構成される。ヒートポンプ装置には、エバポレータおよびコンデンサとともに冷熱回路を構成するコンプレッサ、膨張弁等が含まれる。
【0037】
冷却器131の内部には、低温の冷媒が流れる。冷却器131は、第2ダクト113内、即ち循環路110内を流れる空気を、低温の冷媒との間の熱交換により冷却して、空気の除湿を行う。
【0038】
加熱器132の内部には、高温の冷媒が流れる。加熱器132は、第2ダクト113内、即ち循環路110内を流れる除湿後の空気を、高温の冷媒との間の熱交換により加熱する。
【0039】
第1フィルタ140および第2フィルタ150は、それぞれ、第1ダクト111内の下流側および上流側に、空気の流路を塞ぐように配置される。第1フィルタ140は、本発明のフィルタに相当する。
【0040】
第1フィルタ140は、HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)、ULPAフィルタ(Ultra LowPenetration Air Filter)等の集塵フィルタであり、微粒子を捕獲可能な構成を有する。微粒子には、花粉、PM2.5、黄砂、アレルゲンおよびカビのうち、少なくとも1つが含まれる。
【0041】
第2フィルタ150は、樹脂または金属のメッシュを有するフィルタであり、第1フィルタ140の上流においてプレフィルタとして機能し、リント等の比較的大きなほこりを捕獲する。
【0042】
外槽20内において、吹出ノズル160が給気口20eに接続される。吹出ノズル160は、開口部23aからドラム23の内部に臨む。循環路110を流れた空気が、その流速が高められて、吹出ノズル160からドラム23の内周面に向けて吹き出す。吹出ノズル160は、本発明の吹出部に相当する。
【0043】
図2(a)および(b)は、それぞれ、吹出ノズル160の正面図および側面図である。
【0044】
吹出ノズル160は、前後方向に扁平であり、その上端の流入口161から下方向に延びた後に屈曲し、その先端の吹出口162に向かって斜め方向に延びる。また、吹出ノズル160は、流入口161から吹出口162に向かって左右方向に先細りとなる形状を有し、その内部の流路が流入口161から吹出口162に向かって絞られている。これにより、循環路110から吹出ノズル160に導入された空気は、その流速が高められつつ吹出口162へと向かい、吹出口162から高い流速で吹き出す。
【0045】
図1に示すように、吹出ノズル160の吹出口162は、ドラム23の底部の内周面に向いており、吹出口162から吹き出した空気は、ドラム23の底部の内周面へ向かう。
【0046】
図3は、ドラム式洗濯乾燥機1の構成を示すブロック図である。
【0047】
ドラム式洗濯乾燥機1は、上述した構成に加え、制御部201と、記憶部202と、操作部203と、表示部204と、水位検出部205と、モータ駆動部206と、給水駆動部207と、排水駆動部208と、ファン駆動部209と、コンプレッサ駆動部210とを備える。
【0048】
操作部203は、機器に対する電源の投入および遮断を行う電源ボタンと、運転を開始させるためのスタートボタンと、洗濯運転、洗濯乾燥運転等の運転に係る複数のコースの中から任意のコースを選択するためのコース選択ボタンとを含む。操作部203は、ユーザに操作されたボタンに応じた入力信号を制御部201に出力する。
【0049】
表示部204は、LED等の発光素子や液晶パネル等のディスプレイを含み、制御部201からの制御信号に従って、選択されたコースの表示、洗濯運転の進行状況の表示、異常の報知などを行う。
【0050】
水位検出部205は、外槽20内の水位を検出し、水位に応じた水位信号を制御部201に出力する。
【0051】
モータ駆動部206は、制御部201からの制御信号に従って、駆動モータ30を駆動する。モータ駆動部206は、駆動モータ30の回転数を検出する回転センサ、インバータ回路等を含み、制御部201により設定された回転数で駆動モータ30が回転するよう、駆動電力を調整する。
【0052】
給水駆動部207は、制御部201からの制御信号に従って、給水バルブ51を駆動する。排水駆動部208は、制御部201からの制御信号に従って、排水バルブ41を駆動する。
【0053】
ファン駆動部209は、制御部201からの制御信号に従って、送風ファン120のファンモータ122を駆動する。コンプレッサ駆動部210は、制御部201からの制御信号に従って、コンプレッサ133を駆動し、冷却器131および加熱器132を動作させる。
【0054】
記憶部202は、EEPROM、RAM等を含む。記憶部202には、各種コースの運転を実行するためのプログラムが記憶される。また、記憶部202には、これらプログラムの実行に用いられる各種パラメータや各種制御フラグが記憶される。
【0055】
制御部201は、CPU等を含み、操作部203、水位検出部205等からの各信号に基づいて、記憶部202に記憶されたプログラムに従い、表示部204、モータ駆動部206、給水駆動部207、排水駆動部208、ファン駆動部209、コンプレッサ駆動部210等を制御する。
【0056】
さて、ドラム式洗濯乾燥機1では、ユーザによる操作部203の操作に基づき、各種運転コースの洗濯乾燥運転、洗濯運転または乾燥運転が行われる。洗濯乾燥運転では、洗い工程、中間脱水工程、すすぎ工程、最終脱水工程および乾燥工程が順番に行われる。洗濯運転では、洗い工程から最終脱水工程までが行われ、乾燥工程が行われない。乾燥運転では、乾燥工程のみが行われる。運転コースによっては、すすぎ工程と中間脱水工程とが2回以上行われる場合がある。
【0057】
洗い工程では、ドラム23内に収容された洗濯物の負荷量に応じた洗い水位まで、外槽20内に洗剤を含む水が溜められ、その水の中に浸された洗濯物が、ドラム23の正回転および逆回転が繰り返されることによりタンブリングされる。洗濯物の内部まで洗剤を含む水が浸透し、洗剤の力とタンブリングによる機械力とにより洗濯物の表面や内部に付着した汚れが落とされる。
【0058】
すすぎ工程では、外槽20内に所定のすすぎ水位までの水が溜められた状態でドラム23が正回転および逆回転し、洗濯物がタンブリングされる。これにより、洗濯物に含まれた洗剤が水とともに排出され、洗濯物がすすがれる。
【0059】
中間脱水工程および最終脱水工程では、駆動モータ30が一方向に高速回転し、ドラム23が、ドラム23内の洗濯物に作用する遠心力が重力よりはるかに大きくなる回転数で一方向に回転する。遠心力の作用により、洗濯物が、ドラム23の内周面に押し付けられ、脱水される。最終脱水工程では、中間脱水工程での回転数よりも高い回転数でドラム23が回転する。
【0060】
洗濯物から出たリント等のほこりは、空気とともに循環路110に取り込まれる。ほこりは、空気が乾燥フィルタ142を通過する際に第1フィルタ140および第2フィルタ150で捕獲される。これにより、第1フィルタ140および第2フィルタ150より下流側にほこりが流れにくくなり、下流にある冷却器131および加熱器132にほこりが付着しにくくなる。なお、洗濯物から水分を奪った空気は、加熱器132で加熱される前に冷却器131との熱交換によって除湿される。
【0061】
ドラム式洗濯乾燥機1では、制御部201による駆動モータ30および送風ファン120の制御の下、ほこり除去運転を実行することができる。ほこり除去運転の対象物としては、上着、コートなどの衣類の他、ぬいぐるみなどの洗濯できにくい物がある。ほこり除去運転では、ドラム23内に収容された対象物からほこりが除去され、除去されたほこりが第1フィルタ140および第2フィルタ150により回収される。対象物に付着しているほこりには、花粉、PM2.5、黄砂、アレルゲン、カビなどの微粒子が含まれる。
【0062】
図4は、ほこり除去運転で実行される制御部201の制御動作を示すフローチャートである。図5(a)、(b)および(c)は、それぞれ、第1ほこり叩き出し運転、ほこり吹き飛ばし運転および第2ほこり叩き出し運転について説明するための図である。
【0063】
ユーザは、ほこり除去運転を行うほこり除去コースを、操作部203のコース選択ボタンにより選択することができる。ユーザは、ドラム23内に対象物、たとえば、衣類を投入した後、ほこり除去コースを選択し、操作部203のスタートボタンを押す。これにより、ほこり除去運転が開始される。
【0064】
図4を参照して、ほこり除去運転が開始されると、まず、制御部201は、第1ほこり叩き出し運転を実行する(S1)。第1ほこり叩き出し運転は、本発明の第1運転に相当する。
【0065】
第1ほこり叩き出し運転では、制御部201は、駆動モータ30を動作させてドラム23を第1ドラム回転数で一方向に回転させるとともに、送風ファン120を第1ファン回転数で回転させる。第1ドラム回転数は、ドラム23内の対象物、即ち衣類に作用する遠心力が重力より小さくなる回転数であり、たとえば、ドラム23の内径が約520mmであるとき、35rpmに設定することができる。第1ファン回転数は、たとえば、5000rpmに設定できる。このとき、たとえば、循環路110内を流れる空気の風量が2.0m/minとなる。
【0066】
図5(a)に示すように、第1ドラム回転数でのドラム23の回転により、ドラム23内で衣類がタンブリングし、落下時にドラム23の底部に叩きつけられる。叩きつけられた衝撃により、衣類の表面に弱く付着した剥がれやすいほこりが、衣類から除去される。
【0067】
また、吹出ノズル160から、空気がドラム23の底部の内周面に向かって吹き出す(図5(a)の白抜き矢印参照)。タンブリング中、一部の衣類が、吹出ノズル160から吹き出した空気、即ち風に当たる。風の衝撃により、衣類からほこりが除去される。
【0068】
衣類から除去されたほこりは、空気中に浮遊し、空気とともにドラム23の内周面の脱水孔23bから外槽20内に排出され、排気口20dから循環路110内に導入される。循環路110内に導入されたほこりは、第1フィルタ140および第2フィルタ150により回収される。この際、リント等の大きなほこりが第2フィルタ150に捕獲され、花粉等の微粒子が第2フィルタ150を通過して第1フィルタ140に捕獲される。
【0069】
第1ほこり叩き出し運転は、所定時間、たとえば、5分~10分間、実行される。なお、第1ほこり叩き出し運転の途中で、1回ないし複数回、ドラム23の回転方向を切り替えるようにしてもよい。
【0070】
第1ほこり叩き出し運転が終了すると、次に、制御部201は、ほこり吹き飛ばし運転を実行する(S2)。ほこり吹き飛ばし運転は、本発明の第2運転に相当する。
【0071】
ほこり吹き飛ばし運転では、制御部201は、駆動モータ30を動作させてドラム23を第2ドラム回転数で一方向に回転させる。さらに、制御部201は、第1ファン回転数での回転と当該第1ファン回転数よりも低い第2ファン回転数での回転とを繰り返すように送風ファン120を動作させる。なお、第1ファン回転数は、本発明の第1回転数に相当し、第2ファン回転数は、本発明の第2回転数に相当する。
【0072】
第2ドラム回転数は、ドラム23内の対象物、即ち衣類に作用する遠心力が重力より大きくなる回転数であり、たとえば、ドラム23の内径が約520mmであるとき、100rpmに設定することができる。第2ファン回転数は、たとえば、1200rpmに設定できる。このとき、たとえば、循環路110内を流れる空気の風量が0.5m/minとなる。送風ファン120の第1ファン回転数による回転期間および第2ファン回転数による回転期間は、たとえば、30秒~1分間に設定できる。
【0073】
図5(b)に示すように、第2ドラム回転数でのドラム23の回転により、ドラム23の内周面に衣類が張り付く。これにより、衣類がドラム23の内周面に固定された状態となる。
【0074】
送風ファン120が第1ファン回転数で回転している間、吹出ノズル160から、空気、即ち風がドラム23の底部の内周面に向けて強く吹き出す(図5(b)の白抜き実線矢印参照)。ドラム23の内周面に張り付いた衣類が、順次、ドラム23の底部に移動してきたときに、その表面に風が吹き付けられる。このとき、衣類は、ドラム23の内周面に固定された状態にあるため、衣類に風が当たったときに、衣類が動いて風の勢いが弱められてしまう、ということが生じにくい。よって、吹き付けられた風の勢いにより、衣類の表面に比較的強く付着したほこりが吹き飛ばされる。これにより、衣類の表面に付着したほこりが良く除去される。
【0075】
送風ファン120が第2ファン回転数で回転している間、吹出ノズル160から風が弱く吹き出す(図5(b)の白抜破線矢印参照)。吹き出した風は、ドラム23の内周面に張り付いた衣類にほぼ吹き付けられず、衣類の表面からほこりがほとんど吹き飛ばない。
【0076】
送風ファン120が第1ファン回転数で回転している期間では、衣類から吹き飛ばされたほこりがドラム23内で広く舞いやすく、広く舞ったほこりは、ドラム23の内周面の脱水孔23bから空気とともに排出されにくい。一方、送風ファン120が第2ファン回転数で回転している期間では、ドラム23内に広く舞っていたほこりが沈静化する。これにより、ほこりは、ドラム23の脱水孔23bから空気とともに円滑に排出される。
【0077】
このように、送風ファン120が第1ファン回転数で回転する期間と第2ファン回転数で回転する期間とが繰り返されることにより、衣類の表面に付着したほこりを良く除去し、除去したほこりを円滑にドラム23内から外槽20内へ排出できる。
【0078】
外槽20内に排出されたほこりは、第1ほこり叩き出し運転と同様、空気に乗って循環路110内に導入され、第1フィルタ140および第2フィルタ150により回収される。
【0079】
ほこり吹き飛ばし運転は、所定時間、たとえば、5分~10分間、実行される。なお、ほこり吹き飛ばし運転の途中で、1回ないし複数回、ドラム23の回転方向を切り替えるようにしてもよい。
【0080】
ほこり吹き飛ばし運転が終了すると、次に、制御部201は、第2ほこり叩き出し運転を実行する(S3)。第2ほこり叩き出し運転は、本発明の第3運転に相当する。
【0081】
第2ほこり叩き出し運転では、制御部201は、駆動モータ30を動作させ、ドラム23を、当該ドラム23の頂部付近まで衣類が持ち上がるように左右方向に揺動させる。即ち、制御部201は、ドラム23を、その内周面に衣類が張り付くような加速度でほぼ180度回動させて停止させる動作を、左右方向に繰り返す。さらに、制御部201は、ほこり吹き飛ばし運転と同様、第1ファン回転数での回転と第2ファン回転数での回転とを繰り返すように送風ファン120を動作させる。
【0082】
図5(c)に示すように、ドラム23の揺動により、衣類がドラム23の頂上付近まで持ち上げられては落とされる動作が繰り返される。落下する衣類は、第1ほこり叩き出し運転よりも強くドラム23の底部に叩きつけられ、強い衝撃により、衣類の内部に入り込んでいるほこりが叩き出される。
【0083】
送風ファン120が第1ファン回転数で回転している間、吹出ノズル160から、風がドラム23の底部の内周面に向けて強く吹き出す(図5(c)の白抜き実線矢印参照)。また、送風ファン120が第2ファン回転数で回転している間、吹出ノズル160から風が弱く吹き出す(図5(c)の白抜破線矢印参照)。送風ファン120が第1ファン回転数で回転する期間では、落下した衣類の一部が、吹き付けられた風に当たり、衣類からほこりが吹き飛ばされる。送風ファン120が第2ファン回転数で回転する期間では、衣類から除去されたほこりが、円滑にドラム23内から外槽20内へ排出される。
【0084】
外槽20内に排出されたほこりは、空気とともに循環路110内に導入され、第1フィルタ140および第2フィルタ150により回収される。
【0085】
第2ほこり叩き出し運転は、所定時間、たとえば、5分~10分間、実行される。
【0086】
第2ほこり叩き出し運転が終了すると、次に、制御部201は、ほこり吹き飛ばし運転と第2ほこり叩き出し運転とが、規定回数繰り返されたか否かを判定する(S4)。規定回数は、たとえば、2回~5回に設定できる。制御部201は、規定回数に到達していなければ(S4:NO)、ほこり吹き飛ばし運転と第2ほこり叩き出し運転とを繰り返す(S2、S3)。
【0087】
ほこり吹き飛ばし運転と第2ほこり叩き出し運転とが、規定回数繰り返されると(S4:YES)、制御部201は、運転終了条件が成立したか否かを判定する(S5)。
【0088】
運転終了条件は、たとえば、第1ほこり叩き出し運転と、ほこり吹き飛ばし運転と第2ほこり叩き出し運転の規定回数の繰り返しと、からなるサイクルが、所定回数だけ実行されたこと、あるいは、ほこり除去運転の開始から所定時間が経過したこと、とすることができる。
【0089】
また、本実施の形態において、循環路110の第2フィルタ150の上流に、ほこり量を検出するためのほこりセンサを配置できる。この場合、運転終了条件を、ほこり量が所定量以下となったこと、とすることができる。ほこりセンサとして、たとえば、一対の発光素子と受光素子とを備える光センサを用いることができる。
【0090】
制御部201は、運転終了条件が成立していなければ(S5:NO)、第1ほこり叩き出し運転と、ほこり吹き飛ばし運転と第2ほこり叩き出し運転の規定回数の繰り返しと、からなるサイクルを、再度、実行する(S1~S4)。そして、制御部201は、運転終了条件が成立すると(S5:YES)、ほこり除去運転を終了する。
【0091】
<実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、ほこり除去運転において、第1ほこり叩き出し運転とほこり吹き飛ばし運転とが実行される。第1ほこり叩き出し運転では、ドラム23内で衣類等の対象物がタンブリングし、落下時にドラム23の底部に叩きつけられるので、対象物に付着した剥がれやすいほこりを、対象物から除去できる。さらに、ほこり吹き飛ばし運転では、対象物がドラム23の内周面に張り付くことにより固定された状態で対象物の表面に吹出ノズル160からの空気が吹き付けられるので、対象物が動いて空気の勢いが弱められることが生じにくく、対象物の表面に付着したほこりを、良く吹き飛して除去できる。これにより、ほこり除去運転において、対象物からほこりを十分に除去することが可能となる。
【0092】
さらに、本実施の形態によれば、ほこり吹き飛ばし運転において、第1ファン回転数での回転と当該第1ファン回転数よりも低い第2ファン回転数での回転とを繰り返すように送風ファン120が動作する。送風ファン120が第1ファン回転数で回転する期間では、対象物の表面に空気を強く吹き付けて、当該表面に付着したほこりを良く吹き飛ばし除去できる。一方、送風ファン120が第2ファン回転数で回転する期間では、ドラム23内で広く舞ったほこりを鎮静化させて、ドラム23の脱水孔23bから円滑に外槽20内に排出できる。これにより、ほこり吹き飛ばし運転において、吹出ノズル160からの空気の吹き付けにより対象物から除去したほこりを、十分に第1フィルタ140および第2フィルタ150で回収することが可能となる。
【0093】
さらに、本実施の形態によれば、ほこり除去運転において、第2ほこり叩き出し運転が実行される。第2ほこり叩き出し運転では、ドラム23の揺動により、対象物がドラム23の頂上付近まで持ち上げられては落とされる動作が繰り返され、対象物が第1ほこり叩き出し運転よりも強くドラム23の底部に叩きつけられるので、対象物の内部に入り込んでいるほこりを除去できる。これにより、ほこり除去運転において、より一層、対象物からほこりを除去することが可能となる。
【0094】
さらに、本実施の形態によれば、ほこり除去運転において、ほこり吹き飛ばし運転と第2ほこり叩き出し運転とが、規定回数繰り返されるので、対象物の表面に付着したほこりと対象物の内部に入り込んだほこりを、より一層除去することが可能となる。
【0095】
さらに、本実施の形態によれば、ほこり除去運転において、第1ほこり叩き出し運転と、ほこり吹き飛ばし運転と第2ほこり叩き出し運転の規定回数の繰り返しと、からなるサイクルが、運転終了条件が成立するまで繰り返されるので、より一層、対象物からほこりを除去することが可能となる。
【0096】
さらに、本実施の形態によれば、第1フィルタ140が、花粉、PM2.5、黄砂、アレルゲン、カビなどの微粒子を捕獲可能な構成を有しているので、対象物から除去された微粒子を第1フィルタ140により回収できる。
【0097】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態等によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
【0098】
<変更例1>
図6(a)および(b)は、変更例1に係る、吹出ノズル170の正面図および側面図である。
【0099】
上記実施の形態の吹出ノズル160に替えて、本変更例の吹出ノズル170を用いることができる。
【0100】
吹出ノズル170には、その先端に、斜め下方向を向く前後方向に細長い吹出面170aが形成される。吹出面170aには、長手方向に並ぶように、複数の吹出口172が設けられる。吹出ノズル170は、流入口171から吹出口172に向かって、前後方向には先太りとなるが左右方向には先細りとなる形状を有し、その内部の流路が、全体として、流入口171から吹出口172に向かって絞られている。これにより、循環路110から吹出ノズル170に導入された空気は、その流速が高められつつ複数の吹出口172へと向かい、複数の吹出口172からドラム23の底部の内周面に向かって高い流速で吹き出す。
【0101】
本変更例の吹出ノズル170では、ほこり吹き飛ばし運転において、ドラム23の内周面に張り付いて左右方向に回転する衣類等の対象物に対して、前後方向に直線状に空気を吹き付けることができる。これにより、衣類の表面の広い面積に空気が吹き付けられるので、ほこりの除去効果が高まり得る。
【0102】
<その他の変更例>
上記実施の形態では、ほこり除去運転において、ほこり吹き飛ばし運転と第2ほこり叩き出し運転とが、規定回数繰り返される。しかしながら、ほこり除去運転において、ほこり吹き飛ばし運転と第2ほこり叩き出し運転とが1回だけ実行されるようにしてもよい。
【0103】
さらに、上記実施の形態では、ほこり除去運転において、第1ほこり叩き出し運転と、ほこり吹き飛ばし運転と第2ほこり叩き出し運転の規定回数の繰り返しと、からなるサイクルが、運転終了条件が成立するまで繰り返される。しかしながら、ほこり除去運転において、第1ほこり叩き出し運転と、ほこり吹き飛ばし運転と第2ほこり叩き出し運転の規定回数の繰り返しと、からなるサイクルが、1回だけ実行されるようにしてもよい。さらには、ほこり吹き飛ばし運転と第2ほこり叩き出し運転とが繰り返されず、第1ほこり叩き出し運転と、ほこり吹き飛ばし運転と、第2ほこり叩き出し運転とが、1回ずつ実行されるようにしてもよい。
【0104】
さらに、上記実施の形態では、ほこり除去運転に、第2ほこり叩き出し運転が含まれる。しかしながら、ほこり除去運転に、第2ほこり叩き出し運転が含まれないようにしてもよい。
【0105】
さらに、上記実施の形態では、乾燥機能を有するドラム式洗濯機である、ドラム式洗濯乾燥機1が例示された。しかしながら、本発明は、乾燥機能を有しないドラム式洗濯機にも適用できる。この場合、ドラム式洗濯乾燥機1と異なり、たとえば、循環路110内に冷却器131および加熱器132が配置されない。
【0106】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0107】
10 筐体
20 外槽
23 ドラム
30 駆動モータ
110 循環路
120 送風ファン
140 第1フィルタ(フィルタ)
160 吹出ノズル(吹出部)
201 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6