(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161494
(43)【公開日】2023-11-07
(54)【発明の名称】画像表示装置
(51)【国際特許分類】
G02B 30/56 20200101AFI20231030BHJP
【FI】
G02B30/56
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071930
(22)【出願日】2022-04-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】000004592
【氏名又は名称】日本カーバイド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100143764
【弁理士】
【氏名又は名称】森村 靖男
(72)【発明者】
【氏名】佐名川 正年
【テーマコード(参考)】
2H199
【Fターム(参考)】
2H199BA32
2H199BB10
2H199BB12
2H199BB15
2H199BB20
2H199BB52
(57)【要約】
【課題】 空中像及びディスプレイの画像を互いに近づけてそれぞれを同時に視認させ易くし得る画像表示装置を提供する。
【解決手段】 画像表示装置10は、第1ディスプレイ30と、ビームスプリッター40と、再帰反射部材60と、第2ディスプレイ70とを備え、ビームスプリッター40は再帰反射部材60によって再帰反射された第1光の一部を透過し、第2ディスプレイ70は再帰反射部材60によって再帰反射されてビームスプリッター40を透過する第1光の少なくとも一部を透過し、第2ディスプレイ70を透過する当該第1光の進行方向前側の面から第2光を出射する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1画像を構成する第1光を出射する第1ディスプレイと、
前記第1ディスプレイから出射された前記第1光の一部を反射するビームスプリッターと、
前記ビームスプリッターで反射された前記第1光を再帰反射する再帰反射部材と、
第2画像を構成する第2光を出射し、前記第1光を透過する光透過性の第2ディスプレイと、
を備え、
前記ビームスプリッターは、前記再帰反射部材によって再帰反射された前記第1光の一部を透過し、
前記第2ディスプレイは、前記再帰反射部材によって再帰反射されて前記ビームスプリッターを透過する前記第1光の少なくとも一部を透過し、前記第2ディスプレイを透過する当該第1光の進行方向前側の面から前記第2光を出射する
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
第1画像を構成する第1光を出射する第1ディスプレイと、
前記第1ディスプレイから出射された前記第1光の一部を透過するビームスプリッターと、
前記ビームスプリッターを透過した前記第1光を再帰反射する再帰反射部材と、
第2画像を構成する第2光を出射し、前記第1光を透過する光透過性の第2ディスプレイと、
を備え、
前記ビームスプリッターは、前記再帰反射部材によって再帰反射された前記第1光の一部を前記第2ディスプレイに向けて反射し、
前記第2ディスプレイは、前記再帰反射部材によって再帰反射されて前記ビームスプリッターで反射される前記第1光の少なくとも一部を透過し、前記第2ディスプレイを透過する当該第1光の進行方向前側の面から前記第2光を出射する
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項3】
前記第1ディスプレイから出射する前記第1光の光度は、前記第2ディスプレイから出射する前記第2光の光度よりも高い
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記第1ディスプレイから出射する前記第1光の光度は、前記第2ディスプレイから出射する前記第2光の光度の2倍以上20倍以下である
ことを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記第2ディスプレイを透過した前記第1光の結像位置と前記第2ディスプレイとの間における物体の有無を検出する検出センサをさらに備える
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記第2ディスプレイを透過した前記第1光によって構成される前記第1画像を正面視する場合、前記第2ディスプレイは、前記第1画像の射影領域の外側の少なくとも一部から前記第2光を出射する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記ビームスプリッターは、前記第2ディスプレイと前記再帰反射部材との間に設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記ビームスプリッターは、前記第2ディスプレイ上に配置される
ことを特徴とする請求項7に記載の画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、ディスプレイからの画像を空中に結像して空中像を表示する画像表示装置が普及し始めている。下記特許文献1には、病院向けの受付精算機に設けられる画像表示装置が開示されている。受付精算機は、利用者である患者が受診する診療科を選択して受付処理を行ったり、受診料の精算のために受診額を確認して精算金額に当たる現金を投入して精算処理を行う装置である。このような受付精算機は、受付処理や精算処理のために必要な各種の情報を示す画像を表示する情報提示用のディスプレイを備えている。受付精算機における画像表示装置は、空中像として「受付」及び「精算」のボタンを表示する。画像表示装置は、情報提示用のディスプレイから離れて当該ディスプレイの側方に設けられているため、空中像としてのボタンは情報提示用のディスプレイの画像から離れて当該画像の側方に表示される。また、画像表示装置は、反射光距離センサを備えており、当該センサによって患者が手を「受付」及び「精算」のボタンにかざす動作を検出する。このような受付精算機では、患者は、情報提示用のディスプレイの画像を確認した後、空中像としてのボタンに手をかざして、受付処理や精算処理を行うこととしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の画像表示装置では、空中像は情報提示用のディスプレイの画像から離れて当該画像の側方に表示されるが、空中像及び当該画像を互いに近づけてそれぞれを同時に視認させ易くさせたいとの要望がある。
【0005】
そこで本発明は、空中像及びディスプレイの画像を互いに近づけてそれぞれを同時に視認させ易くし得る画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的の達成のため、本発明の画像表示装置は、第1画像を構成する第1光を出射する第1ディスプレイと、前記第1ディスプレイから出射された前記第1光の一部を反射するビームスプリッターと、前記ビームスプリッターで反射された前記第1光を再帰反射する再帰反射部材と、第2画像を構成する第2光を出射し、前記第1光を透過する光透過性の第2ディスプレイと、を備え、前記ビームスプリッターは、前記再帰反射部材によって再帰反射された前記第1光の一部を透過し、前記第2ディスプレイは、前記再帰反射部材によって再帰反射されて前記ビームスプリッターを透過する前記第1光の少なくとも一部を透過し、前記第2ディスプレイを透過する当該第1光の進行方向前側の面から前記第2光を出射することを特徴とするものである。
【0007】
この画像表示装置では、第1光は第1ディスプレイから広がりながらビームスプリッターに向かって進行し、第1光の一部はビームスプリッターによって再帰反射部材に向かって反射される。再帰反射部材に進行する第1光は再帰反射部材によって再帰反射され、再帰反射された第1光の一部はビームスプリッターを透過する。このような第1光は再帰反射によって収束しながら第2ディスプレイに向かって進行し、進行する第1光の少なくとも一部は第2ディスプレイを透過し、空中の所定位置に第1画像が結像され、空中像が表示される。この空中像は、ビームスプリッターにおける反射面を含む面を基準として、第1ディスプレイに表示される第1画像と概ね面対称の形状の像であり、第1ディスプレイに表示される第1画像と概ね面対称の位置に位置する。第2ディスプレイは、第2画像を構成する第2光を、第2ディスプレイを透過する第1光の進行方向前側の面から出射する。このように、第2ディスプレイからは第1光及び第2光が出射する。従って、この画像表示装置によれば、第1光が第2ディスプレイを透過せずに第2ディスプレイの側方を通過して空中像が第2ディスプレイの第2画像から離れて第2画像の側方に表示される場合に比べて、空中像及び第2ディスプレイの第2画像を互いに近づけてそれぞれを同時に視認させ易くし得る。
【0008】
或いは、本発明の画像表示装置は、第1画像を構成する第1光を出射する第1ディスプレイと、前記第1ディスプレイから出射された前記第1光の一部を透過するビームスプリッターと、前記ビームスプリッターを透過した前記第1光を再帰反射する再帰反射部材と、第2画像を構成する第2光を出射し、前記第1光を透過する光透過性の第2ディスプレイと、を備え、前記ビームスプリッターは、前記再帰反射部材によって再帰反射された前記第1光の一部を前記第2ディスプレイに向けて反射し、前記第2ディスプレイは、前記再帰反射部材によって再帰反射されて前記ビームスプリッターで反射される前記第1光の少なくとも一部を透過し、前記第2ディスプレイを透過する当該第1光の進行方向前側の面から前記第2光を出射することを特徴とするものである。
【0009】
この画像表示装置では、第1光は第1ディスプレイから広がりながらビームスプリッターに向かって進行し、第1光の一部はビームスプリッターを透過して再帰反射部材に進行する。再帰反射部材に進行する第1光は、再帰反射部材によって再帰反射され、再帰反射によって収束しながらビームスプリッターに進行する。そして第1光の一部はビームスプリッターによって第2ディスプレイに向かって反射され、反射する第1光の少なくとも一部は第2ディスプレイを透過し、空中の所定位置に第1画像が結像され、空中像が表示される。この空中像は、ビームスプリッターにおける反射面を含む面を基準として、第1ディスプレイに表示される第1画像と概ね面対称の形状の像であり、第1ディスプレイに表示される第1画像と概ね面対称の位置に位置する。第2ディスプレイは、第2画像を構成する第2光を、第2ディスプレイを透過する第1光の進行方向前側の面から出射する。このように、第2ディスプレイからは第1光及び第2光が出射する。従って、この画像表示装置によれば、第1光が第2ディスプレイを透過せずに第2ディスプレイの側方を通過して空中像が第2ディスプレイの第2画像から離れて第2画像の側方に表示される場合に比べて、空中像及び第2ディスプレイの第2画像を互いに近づけてそれぞれを同時に視認させ易くし得る。
【0010】
また、前記第1ディスプレイから出射する前記第1光の光度は、前記第2ディスプレイから出射する前記第2光の光度よりも高くてもよい。
【0011】
この構成によれば、第1ディスプレイから出射する第1光の光度が第2ディスプレイから出射する第2光の光度以下である場合に比べて、空中像が第2画像よりも暗くなることが抑制され得、空中像が見難くなることが抑制され得る。
【0012】
また、前記第1ディスプレイから出射する前記第1光の光度は、前記第2ディスプレイから出射する前記第2光の光度の2倍以上20倍以下であってもよい。
【0013】
また、前記第2ディスプレイを透過した前記第1光の結像位置と前記第2ディスプレイとの間における物体の有無を検出する検出センサをさらに備えてもよい。
【0014】
例えば物体が手や手の指である場合、検出センサは、結像位置と第2ディスプレイとの間に入った手や指を検出する。これにより、第2ディスプレイを透過した第1光の第1画像をあたかもボタンとして利用し得、検出センサによってボタンの押し下げ操作を検出し得る。
【0015】
また、前記第2ディスプレイを正面視する場合、前記第2ディスプレイは、前記第2ディスプレイのうちの前記第1画像の射影領域の外側の少なくとも一部から前記第2光を出射する。
【0016】
この画像表示装置では、画像表示装置10の利用者が第2ディスプレイを正面視することが多い。第2ディスプレイを正面視する際に、第2光が第1画像の射影領域から出射すると、第2光が空中像に重なり、第2画像の内容や色等によっては空中像が見難くなることがある。この構成によれば、第2光が第1画像の射影領域から出射する場合に比べて、第2光が空中像に重なることが抑制され得、空中像が第2光によって見難くなることが抑制され得る。
【0017】
また、ビームスプリッターが第1ディスプレイから出射された第1光の一部を反射する場合、前記ビームスプリッターは、前記第2ディスプレイと前記再帰反射部材との間に設けられてもよい。
【0018】
また、ビームスプリッターが第1ディスプレイから出射された第1光の一部を反射する場合、前記ビームスプリッターは、前記第2ディスプレイ上に配置されてもよい。
【発明の効果】
【0019】
以上のように本発明によれば、空中像及びディスプレイの画像を互いに近づけてそれぞれを同時に視認させ易くし得る画像表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第1実施形態における画像表示装置の断面を概略的に示す図である。
【
図2】第1実施形態の変形例における画像表示装置の断面を概略的に示す図である。
【
図3】本発明の第2実施形態における画像表示装置の断面を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る画像表示装置の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができる。また、本発明は、以下に例示する実施形態における構成要素を適宜組み合わせてもよい。なお、以下で参照する図面では、理解を容易にするために、各部材の寸法を変えて示す場合がある。また、図面では、見易さのため、同様の構成要素については一部にのみ参照符号が付され、一部参照符号が省略される場合がある。
【0022】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の画像表示装置の断面を概略的に示す図である。画像表示装置10は、例えば、看板、病院向けの受付精算機や現金自動支払機等におけるタッチパネルとして用いられる。画像表示装置10は、筐体20と、第1ディスプレイ30と、ビームスプリッター40と、λ/4波長板50と、再帰反射部材60と、第2ディスプレイ70と、検出センサ80とを備える。
【0023】
本実施形態の筐体20は前方に開口を有する箱状に構成され、当該開口を塞ぐように板状の第2ディスプレイ70が筐体20に固定される。こうして筐体20及び第2ディスプレイ70によって囲まれる内部空間が形成され、当該内部空間には第1ディスプレイ30とビームスプリッター40とλ/4波長板50と再帰反射部材60とが収容される。検出センサ80は、当該内部空間の外側に配置されて筐体20に固定される。
【0024】
第1ディスプレイ30は、第1画像F1を構成する第1光をビームスプリッター40に向けて出射する表示面30Sを含む。
図1では、第1画像F1を仮想的に破線で示している。第1画像F1は、静止画でも動画でもよい。本実施形態の第1光は、当該光の進行方向に対して垂直な面内での当該光の軌跡が概ね直線となる第1直線偏光L1aとされる。第1ディスプレイ30は、例えば、液晶ディスプレイであり、第1台座板21に固定され、第1台座板21は筐体20の上壁と側壁とに筋交い状に固定される。このような第1ディスプレイ30は、第1直線偏光L1aがビームスプリッター40の第1ディスプレイ30側の面に斜めに入射するように配置される。
【0025】
ビームスプリッター40は、板状部材である。本実施形態のビームスプリッター40は、第2ディスプレイ70と再帰反射部材60との間に設けられる。具体的には、ビームスプリッター40は、第2ディスプレイ70のうちの再帰反射部材60側の裏面上に配置される。ビームスプリッター40は、第1ディスプレイ30からの第1光の一部を反射する。本実施形態の第1光は第1直線偏光L1aとされるため、ビームスプリッター40は第1ディスプレイ30からの第1直線偏光L1aの一部を反射する。また、ビームスプリッター40は、偏光方向が第1直線偏光L1aの偏光方向と異なり概ね垂直な第2直線偏光L1cを透過する。このようなビームスプリッター40は、第2ディスプレイ70のうちの再帰反射部材60側の裏面に配置される吸収型偏光板41と、吸収型偏光板41に配置される反射型偏光板43とを含む。吸収型偏光板41は、例えば、ヨウ素で染色したポリビニルアルコールから成るフィルムと、当該フィルムの両面または片面に積層されたトリアセチルセルロースから成る保護フィルムとからなる。反射型偏光板43は、例えば、3M社製の商品名DBEF、APFに代表される多層積層体やワイヤグリッド偏光板から構成される。反射型偏光板43の偏光軸は、吸収型偏光板41の偏光軸と概ね平行であり、第1直線偏光L1aの偏光方向に沿っている。反射型偏光板43は、第1直線偏光L1aの一部をλ/4波長板50に向けて反射し、第2直線偏光L1cを透過する。吸収型偏光板41は、第2直線偏光L1cを透過する。
【0026】
λ/4波長板50は、板状部材であり、ビームスプリッター40と再帰反射部材60との間に配置される。本実施形態のλ/4波長板50は、再帰反射部材60のうちのビームスプリッター40側の表面に固定されて一体化されている。λ/4波長板50は、ビームスプリッター40で反射された第1直線偏光L1aを透過し、当該第1直線偏光L1aを光の進行方向に対して垂直な面内での当該光の軌跡が概ね円となる円偏光L1bに変換する。なお、円偏光L1bは、光の進行方向に対して垂直な面内での当該光の軌跡が概ね楕円となる楕円偏光であっても良い。本実施形態のλ/4波長板50は、第1直線偏光L1aがビームスプリッター40側の面に概ね垂直に入射するように配置されるのが好ましい。
【0027】
再帰反射部材60は、板状部材であり、第2台座板23に固定され、第2台座板23は筐体20の下壁と側壁とに筋交い状に固定される。このような再帰反射部材60は、ビームスプリッター40側からの光が再帰反射部材60に垂直に入射するように配置される。再帰反射部材60は、再帰反射部材60に入射する光を当該光の入射方向とは逆方向に反射する。このような再帰反射部材60としては、例えば、コーナーキューブタイプや球状タイプの再帰反射部材が挙げられる。再帰反射部材60には上記したようにλ/4波長板50が配置されるため、再帰反射部材60は、ビームスプリッター40からλ/4波長板50を経由して再帰反射部材60に進行した光をλ/4波長板50を経由してビームスプリッター40に向けて再帰反射する。本実施形態の再帰反射部材60は、λ/4波長板50で変換された円偏光L1bを再帰反射する。詳細については後述するが、再帰反射された円偏光L1bは、再びλ/4波長板50を透過し、その際に第2直線偏光L1cに変換され、ビームスプリッター40に進行する。そして、ビームスプリッター40は再帰反射部材60によって再帰反射された第1光である第2直線偏光L1cの一部を透過し、ビームスプリッター40を透過した第1光である第2直線偏光L1cの少なくとも一部は第2ディスプレイ70に進行する。
【0028】
第2ディスプレイ70は、第2画像を構成する第2光L2を出射する。第2画像は、静止画でも動画でもよい。本実施形態の第2ディスプレイ70は、例えばガラスから成る第1透明基板、第1透明電極、OLED素子からなるOLED層、第2透明電極、及び第1透明基板と同じ構成の第2透明基板等を備えるOLEDパネルである。第1透明電極は第1透明基板の面方向において間隔をあけて透明基板に複数設けられており、OLED層は複数の第1透明電極上にそれぞれ個別に配置され、第2透明電極はOLED層上にそれぞれ個別に配置される。第2透明基板は第2透明電極に配置され、第2透明基板のうちの第2透明電極とは反対側にはビームスプリッター40が配置される。このように第2ディスプレイ70上にはビームスプリッター40が配置され、第2ディスプレイ70はビームスプリッター40を基準として再帰反射部材60側と反対側に配置される。第2ディスプレイ70は、第1ディスプレイ30よりも大きい。
【0029】
第2ディスプレイ70では、第1透明電極と第2透明電極との間に電圧を印加することでOLED層から第2光L2が出射される。第2光L2は、第1透明電極及び第2透明電極のそれぞれを透過し、第2ディスプレイ70の両面から出射される。つまり、第2ディスプレイ70は、第2ディスプレイ70の前方の空中側及び筐体20の内部空間側に向かって第2光L2を出射する。
図1では、図示の明瞭化のために、筐体20の内部空間に向かって出射する第2光L2の図示を省略している。
【0030】
また、第2ディスプレイ70は、再帰反射部材60によって再帰反射されてビームスプリッター40を透過する第1光である第2直線偏光L1cの少なくとも一部を透過する光透過性のディスプレイでもある。第2ディスプレイ70を透過した第2直線偏光L1cは、第2ディスプレイ70の前方の空中に進行する。そして、空中の所定位置に第1画像F1が結像され、空中像としての第1画像F2が表示される。なお、
図1では、空中像としての第1画像F2を仮想的に破線で示している。上記したように第2ディスプレイ70は、第2ディスプレイ70の前方の空中側に第2光L2を出射しており、当該第2光L2に対して、第2ディスプレイ70を透過する第2直線偏光L1cの進行方向前側の表面から第2光L2を出射する。また、第2ディスプレイ70を正面視する場合、第2ディスプレイ70は、第2ディスプレイ70のうちの第1画像F2の射影領域ARの外側の少なくとも一部から第2光L2を出射し、第2ディスプレイ70のうちの射影領域ARからは第2光L2を出射しない。このように出射する第2光L2によって構成される第2画像は、空中像としての第1画像F2に対する背景画像として表示される。
【0031】
第2ディスプレイ70から出射する第2光L2の光度と第1ディスプレイ30から出射する第1光の光度とを互いに比較すると、第1光の光度は、第2光L2の光度よりも高くされる。例えば、第1光の光度は、第2光L2の光度の2倍以上20倍以下であることが好ましく、第2光L2の光度の5倍以上10倍以下であることがより好ましい。
【0032】
検出センサ80は、第2ディスプレイ70を正面視する場合に第2ディスプレイ70よりも外側に配置されており、
図1では第2ディスプレイ70よりも下方に配置されている例を示している。
【0033】
検出センサ80は、第2ディスプレイ70を透過した第1光の結像によって表示される第1画像F2のうちの第2ディスプレイ70から最も離れた部位を含む第2ディスプレイ70に平行な領域と第2ディスプレイ70との間の領域における検出対象である物体の有無を検出する。つまり、検出センサ80は、第2ディスプレイ70を透過した第1光の結像位置と第2ディスプレイ70との間の領域における物体の有無を検出する。本実施形態の検出センサ80は、複数の反射光距離センサを含む。それぞれの反射光距離センサは、発光素子及び受光素子を含み、発光素子及び受光素子の光軸方向に位置する物体までの距離を検出することができる距離センサである。発光素子は例えば赤外線発光素子である。
図1では、それぞれの発光素子から出射される光において、第1画像F2のうちの第2ディスプレイ70から最も離れた部位を含む第2ディスプレイ70に平行な領域と第2ディスプレイ70とのそれぞれに最も近い光を矢印で示している。本実施形態では、
図1にて光を示す2つの矢印の間においても光が出射されているが、図示の明瞭化のために2つの矢印の間における光を示す矢印の図示を省略している。複数の反射光距離センサは、第2ディスプレイ70に垂直な方向に沿って並んで配置される。
【0034】
次に、本実施形態の画像表示装置10による画像の結像について説明する。
【0035】
第1直線偏光L1aは第1ディスプレイ30からビームスプリッター40に向かって広がりながら進行し、第1直線偏光L1aの一部はビームスプリッター40の反射型偏光板43によってλ/4波長板50に向かって反射される。なお、
図1では、図示の明瞭化のために、第1直線偏光L1aの広がりの図示を省略している。反射された第1直線偏光L1aは、λ/4波長板50を透過して、円偏光L1bに変換される。この円偏光L1bは、例えば光の進行方向に対して垂直な面内での軌跡が当該光の進行方向側から見て時計回りに円を描く軌跡である右円偏光である。
【0036】
右円偏光である円偏光L1bは、再帰反射部材60で再帰反射され、再帰反射によって収束しながら進行する。なお、
図1では、図示の明瞭化のために、円偏光L1bの収束の図示を省略している。円偏光L1bは、再帰反射によって、光の進行方向に対して垂直な面内での軌跡が当該光の進行方向側から見て反時計回りに円を描く軌跡である左円偏光となる。この左円偏光である円偏光L1bは、λ/4波長板50を透過して、第2直線偏光L1cに変換される。第2直線偏光L1cの一部は、ビームスプリッター40の反射型偏光板43及び吸収型偏光板41を透過する。ビームスプリッター40を透過した第2直線偏光L1cの少なくとも一部は、第2ディスプレイ70も透過する。第2ディスプレイ70を透過した第2直線偏光L1cは、第2ディスプレイ70の前方の空中に進行する。そして、空中の所定位置に第1画像F1が結像され、空中像としての第1画像F2が表示される。この空中像は、ビームスプリッター40の反射型偏光板43における反射面を含む面を基準として、第1ディスプレイ30に表示される第1画像F1と概ね面対称の形状の像であり、第1ディスプレイ30に表示される第1画像F1と概ね面対称の位置に位置する。この空中像は、後述するようにボタンとして利用される。
【0037】
また、第2ディスプレイ70から出射される第2光L2の一部は、第2ディスプレイ70を透過する第1光である第2直線偏光L1cの進行方向の前側の前面から出射する。
【0038】
第2ディスプレイ70を正面視する場合、第2ディスプレイ70は、第2ディスプレイ70のうちの第1画像F2の射影領域ARの外側の少なくとも一部から第2光L2を出射し、射影領域ARからは第2光L2を出射しない。この画像表示装置10では、画像表示装置10の利用者が第2ディスプレイ70を正面視することが多い。第2ディスプレイ70を正面視する際に、第2光L2が第1画像F2の射影領域ARから出射すると、第2光L2が空中像としての第1画像F2に重なり、第2画像の内容や色等によっては空中像が見難くなることがある。この構成によれば、第2光L2が第1画像F2の射影領域ARから出射する場合に比べて、第2光L2が空中像に重なることが抑制され得、空中像が第2光L2によって見難くなることが抑制され得る。
【0039】
ところで、図示による説明は省略するが、第2ディスプレイ70から出射される第2光L2の他の一部は、OLED層から第2透明電極及び第2透明基板を透過して、筐体20の内部空間に向けて進行する。この第2光L2のうちの第1直線偏光は、吸収型偏光板41によって吸収される。これに対して、第2光L2のうちの第2直線偏光は、吸収型偏光板41を透過する。この第2直線偏光は、反射型偏光板43をさらに透過し、λ/4波長板50に進行する。第2直線偏光は、λ/4波長板50を透過して、円偏光に変換される。この円偏光は、例えば右円偏光である。この右円偏光である円偏光は、再帰反射部材60で再帰反射され、左円偏光となる。この左円偏光である円偏光は、λ/4波長板50を透過して、第1直線偏光に変換される。第1直線偏光は、反射型偏光板43によって反射されて、第2ディスプレイ70から空中への出射を抑制される。
【0040】
検出センサ80は、第1画像F2のうちの第2ディスプレイ70から最も離れた部位を含む第2ディスプレイ70に平行な領域と第2ディスプレイ70との間の領域で光を入出射する。そして、検出センサ80は、上記した平行な領域と第2ディスプレイ70との間の領域に物体が存在するときの検出センサ80と物体までの距離情報を取得することができる。このため、物体が画像表示装置10の利用者の手や手の指である場合、検出センサ80は、上記した平行な領域と第2ディスプレイ70との間の領域に位置する手や指を検出し、手や指までの距離情報を取得する。これにより、第2ディスプレイ70を透過した第1光の第1画像F2をあたかもボタンとして利用し得、検出センサ80によってボタンの押し下げ操作を検出し得る。
【0041】
以上説明したように、本実施形態の画像表示装置10では、ビームスプリッター40は、再帰反射部材60によって再帰反射された第1光の一部を透過する。また、第2ディスプレイ70は、再帰反射部材60によって再帰反射されてビームスプリッター40を透過する第1光の少なくとも一部を透過し、第2ディスプレイ70を透過する当該第1光の進行方向前側の面から第2光L2を出射する。
【0042】
この画像表示装置10では、第1光は第1ディスプレイ30から広がりながらビームスプリッター40に向かって進行し、第1光の一部はビームスプリッター40によって再帰反射部材60に向かって反射される。再帰反射部材60に進行する第1光は再帰反射部材60によって再帰反射され、再帰反射された第1光の一部はビームスプリッター40を透過する。このような第1光は再帰反射によって収束しながら第2ディスプレイ70に向かって進行し、進行する第1光の少なくとも一部は第2ディスプレイ70を透過し、空中の所定位置に第1画像F1が結像され、第1画像F2として空中像が表示される。この空中像は、ビームスプリッター40における反射面を含む面を基準として、第1ディスプレイ30に表示される第1画像と概ね面対称の形状の像であり、第1ディスプレイ30に表示される第1画像と概ね面対称の位置に位置する。第2ディスプレイ70は、第2画像を構成する第2光L2を、第2ディスプレイ70を透過する第1光の進行方向前側の面から出射する。このように、第2ディスプレイ70からは第1光及び第2光L2が出射する。従って、この画像表示装置10によれば、第1光が第2ディスプレイ70を透過せずに第2ディスプレイ70の側方を通過して空中像が第2ディスプレイ70の第2画像から離れて第2画像の側方に表示される場合に比べて、空中像及び第2ディスプレイ70の第2画像を互いに近づけてそれぞれを同時に視認させ易くし得る。
【0043】
また、この画像表示装置10では、第1ディスプレイ30から出射する第1光の光度は、第2ディスプレイ70から出射する第2光L2の光度よりも高い。この構成によれば、第1ディスプレイ30から出射する第1光の光度が第2ディスプレイ70から出射する第2光L2の光度以下である場合に比べて、空中像が第2画像よりも暗くなることが抑制され得、空中像が見難くなることが抑制され得る。なお、第1ディスプレイ30から出射する第1光の光度は、第2ディスプレイ70から出射する第2光L2の光度よりも高くなくてもよい。また、第1ディスプレイ30から出射する第1光の光度は、第2ディスプレイ70から出射する第2光L2の光度の2倍以上20倍以下であるが、これに限定される必要はない。
【0044】
次に、本実施形態の変形例について説明する。
図2は、本変形例の画像表示装置10の断面を概略的に示す図である。本変形例の画像表示装置10では、画像表示装置10の各構成部材の配置が第1実施形態とは異なり、異なる点について以下に説明する。
【0045】
本変形例では、第1ディスプレイ30は概ね水平方向に延在している筐体20の底壁に固定され、λ/4波長板50が取り付けられる再帰反射部材60は概ね鉛直方向に延在している筐体20の側壁に固定されている。
【0046】
ビームスプリッター40は、第1ディスプレイ30の表示面30Sよりも上方側に配置され、表示面30Sに対して傾斜している。ビームスプリッター40における表示面30S側とは反対側の外面と表示面30Sとのなす角度θ1及び当該外面と筐体20の上壁とのなす角度θ2は、概ね45度とされている。外面は表示面30Sに対して傾斜していればよく、角度θ1,θ2は特に限定されるものではない。筐体20の底壁には支持部21Aが、筐体20の上壁には支持部23Aがそれぞれ一体に設けられている。支持部21Aにはビームスプリッター40における筐体20の底壁側の端部が、支持部23Aにはビームスプリッター40における筐体20の上壁側の端部がそれぞれ固定されている。
【0047】
本変形例の第2ディスプレイ70は、ビームスプリッター40から離れており、ビームスプリッター40を基準として再帰反射部材60側と反対側に配置される。
【0048】
また、本変形例の検出センサ80は、第1実施形態とは異なり、静電容量近接型のセンサである。静電容量近接型のセンサとして、例えば、表面型静電容量方式のセンサや投影型静電容量方式のセンサが挙げられる。表面型静電容量方式のセンサは、ガラスから成る透明基板と透明基板上に配置される透明電極膜と透明電極膜を覆う透明の保護カバーとを含む。投影型静電容量方式のセンサは、透明基板と透明基板上に配置される複数の透明電極層が特定のパターンで並ぶ電極パターン層と電極パターン層を覆う透明の保護カバーとを含む。検出センサ80は、導電体である利用者の手や手の指のなどの物体が第1実施形態で説明したように第2ディスプレイ70を透過した第1光の結像位置と第2ディスプレイ70との間の領域に位置する場合、物体と透明電極膜や透明電極パターン層との間の静電容量の変化に基づいて物体を検出する。検出センサ80は、第2ディスプレイ70の裏面上に配置される。また、検出センサ80は、射影領域AR全体に重なるが、射影領域ARの少なくとも一部に重なっていてもよい。なお、検出センサ80は、第2ディスプレイ70の裏面全体に渡って配置され、射影領域ARの外側にも位置していてもよい。
【0049】
本変形例の第1光及び第2光L2は、第1実施形態と同様に進行するため、説明を省略する。このような構成の画像表示装置10であっても、第1実施形態の画像表示装置10と同様の効果を得られる。
【0050】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について
図3を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
【0051】
図3は、本実施形態の画像表示装置10の断面を概略的に示す図である。本実施形態の画像表示装置10では、画像表示装置10の各構成部材の配置が第1実施形態とは異なり、異なる点について以下に説明する。本実施形態では、第1ディスプレイ30と、λ/4波長板50が取り付けられる再帰反射部材60とはビームスプリッター40を挟んで互いに反対側に配置され、ビームスプリッター40は第2ディスプレイ70から離れて配置されている。また、第1ディスプレイ30と、ビームスプリッター40と、λ/4波長板50と、再帰反射部材60とは、筐体20の内部空間に配置されていない。また、ビームスプリッター40の構成が後述するように異なる。
【0052】
本実施形態の第1ディスプレイ30が出射する第1光は、第2直線偏光L1cとされる。本実施形態では、第1ディスプレイ30は、概ね水平方向に延在する板状の第1台座板21に固定される。第1台座板21には、支持部21Aが第1台座板21と一体に設けられている。ビームスプリッター40は、第1台座板21及び第1ディスプレイ30よりも上方側に配置され、第1ディスプレイ30の表示面30Sに対して傾斜している。ビームスプリッター40における第1台座板21側の端部が支持部21Aに固定される。
【0053】
ビームスプリッター40を基準として第1ディスプレイ30側と反対側には、ビームスプリッター40に対して傾斜する板状の第2台座板23が配置される。第2台座板23は、ビームスプリッター40よりも上方側に配置され、概ね水平方向に延在している。再帰反射部材60は、第2台座板23に固定される。第2台座板23には、支持部23Aが第2台座板23と一体に設けられており、ビームスプリッター40における第2台座板23側の端部が支持部23Aに固定される。
【0054】
このようにして再帰反射部材60が取り付けられる第2台座板23は、ビームスプリッター40によって支持され、このビームスプリッター40は第1台座板21によっても支持されている。このため、本実施形態のビームスプリッター40は第2台座板23を支持し得る強度を有している。
【0055】
また、本実施形態のビームスプリッター40は、第1実施形態のように吸収型偏光板41を含まず、反射型偏光板43を含む。本実施形態の反射型偏光板43は、第1ディスプレイ30から出射される第2直線偏光L1cを透過し、第1直線偏光L1aを第1ディスプレイ30側と反対側の外面で反射する。
【0056】
第1ディスプレイ30の表示面30Sは再帰反射部材60と対向し、ビームスプリッター40における再帰反射部材60側の外面と表示面30Sとのなす角度θ1及び再帰反射部材60の表面と当該外面とのなす角度θ2は、概ね45度とされている。なお、第1ディスプレイ30の表示面30Sは、再帰反射部材60に対して傾斜していても良い。また、外面は表示面30Sに対して傾斜していればよく、角度θ1,θ2は特に限定されるものではない。
【0057】
また、本実施形態では、第1台座板21と第2台座板23とは所定の間隔をあけて離間しており、ビームスプリッター40を基準として第1ディスプレイ30側における第1台座板21と第2台座板23との間には開口25が形成されている。一方、ビームスプリッター40を基準として再帰反射部材60側における第1台座板21と第2台座板23との間には開口が形成され、当該開口は第2ディスプレイ70によって覆われている。
【0058】
本実施形態の画像表示装置10では、第2直線偏光L1cは第1ディスプレイ30からビームスプリッター40に向かって広がりながら進行する。なお、
図3では、図示の明瞭化のために、第2直線偏光L1cの広がりの図示を省略し、第1画像F1を仮想的に破線で示している。第2直線偏光L1cの一部は、ビームスプリッター40及びλ/4波長板50を透過し、λ/4波長板50を透過する際に右円偏光である円偏光L1bに変換される。この右円偏光である円偏光L1bは、再帰反射部材60で再帰反射され、再帰反射によって収束しながら進行し、再帰反射によって左円偏光となる。なお、
図3では、図示の明瞭化のために、円偏光L1bの収束の図示を省略している。左円偏光である円偏光L1bは、λ/4波長板50を透過して第1直線偏光L1aに変換される。第1直線偏光L1aはビームスプリッター40に進行し、ビームスプリッター40に進行した第1直線偏光L1aの一部はビームスプリッター40の反射型偏光板43によって反射される。ビームスプリッター40で反射された第1直線偏光L1aの少なくとも一部は、第2ディスプレイ70を透過して第2ディスプレイ70の前方の空中に進行する。そして、空中の所定位置に第1画像F1が結像され、空中像としての第1画像F2が表示される。なお、
図3では、空中像としての第1画像F2を仮想的に破線で示している。
【0059】
第2ディスプレイ70から出射される第2光L2の一部は、第1実施形態と同様に、第2ディスプレイ70を透過する第1光である第1直線偏光L1aの進行方向の前側の前面から出射する。本実施形態においても、第2ディスプレイ70を透過した第1光である第1直線偏光L1aによって構成される第1画像F2を正面視する場合、第2ディスプレイ70は、第2ディスプレイ70のうちの第1画像F2の射影領域ARの外側から第2光L2を出射する。また、本実施形態においても、第2ディスプレイ70は、第1画像F2の射影領域ARから第2光L2を出射しない。
【0060】
また、図示による説明は省略するが、第2ディスプレイ70から出射される第2光L2の他の一部は、第2ディスプレイ70からビームスプリッター40に向かって進行する。この第2光L2のうちの第1直線偏光は反射型偏光板43によって反射されて、λ/4波長板50に進行する。第1直線偏光は、λ/4波長板50を透過して、例えば右円偏光である円偏光に変換される。この右円偏光である円偏光は、再帰反射部材60で再帰反射され、左円偏光となる。この左円偏光である円偏光は、λ/4波長板50を透過して、第2直線偏光に変換される。第2直線偏光は、ビームスプリッター40を透過して第1ディスプレイ30に進行し、第2ディスプレイ70から空中への出射を抑制される。第2ディスプレイ70からビームスプリッター40に向かって進行する第2光L2のうちの第2直線偏光は、ビームスプリッター40の反射型偏光板43を透過して、開口25を通過し、第2ディスプレイ70から空中への出射を抑制される。
【0061】
以上説明したように、本実施形態の画像表示装置10では、ビームスプリッター40は、再帰反射部材60によって再帰反射された第1光の一部を第2ディスプレイに向けて反射する。また、第2ディスプレイ70は、再帰反射部材60によって再帰反射されてビームスプリッター40で反射された第1光の少なくとも一部を透過し、第2ディスプレイ70を透過する当該第1光の進行方向前側の面から第2光L2を出射する。このような構成の画像表示装置10であっても、第1実施形態の画像表示装置10と同様の効果が得られる。つまり、この画像表示装置10によれば、第1光が第2ディスプレイ70を透過せずに第2ディスプレイ70の側方を通過して空中像が第2ディスプレイ70の第2画像から離れて第2画像の側方に表示される場合に比べて、空中像及び第2ディスプレイ70の第2画像を互いに近づけてそれぞれを同時に視認させ易くし得る。
【0062】
以上、本発明について、上記実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0063】
第1実施形態及び変形例では、筐体20は、内部空間に第1ディスプレイ30とビームスプリッター40とλ/4波長板50と再帰反射部材60とを収容できるものであればよい。筐体20の開口は、筐体20の前方に設けられている必要はない。また、筐体20の開口をビームスプリッター40が塞いでもよい。
【0064】
第1実施形態及び変形例では、ビームスプリッター40において、吸収型偏光板41が設けられておらず、第2ディスプレイ70からビームスプリッター40に向かって出射される第2光L2のうちの第1直線偏光は反射型偏光板43によって反射されてもよい。
【0065】
第1実施形態及び変形例では、吸収型偏光板41と反射型偏光板43とは互いに離れて配置されてもよく、吸収型偏光板41は第2ディスプレイ70と反射型偏光板43との間に配置されていればよい。
【0066】
第1実施形態では、ビームスプリッター40は、第2ディスプレイ70の裏面から離れて配置されていてもよい。或いは、ビームスプリッター40は、例えば、第2ディスプレイ70のうちの再帰反射部材60とは反対側の表面に配置されてもよい。或いは、ビームスプリッター40は、第1光の進行方向における第2ディスプレイ70の前方に配置され、第2ディスプレイ70よりも再帰反射部材60から離れて配置されてもよい。
【0067】
第1実施形態の変形例の検出センサ80は、第2ディスプレイ70の表面上に配置されてもよいし、第2ディスプレイ70の表面側また裏面側のどちらに配置される場合あっても第2ディスプレイ70から離れて設けられてもよい。変形例の検出センサ80は、第1実施形態や第2実施形態の画像表示装置10において、反射光距離センサを含む検出センサ80の代わりに設けられてもよい。或いは、変形例の画像表示装置10において、変形例の検出センサ80の代わりに、第1実施形態の反射光距離センサを含む検出センサ80が設けられてもよい。
【0068】
第2実施形態では、反射型偏光板43のうちの第1ディスプレイ30側の面に吸収型偏光板が設けられてもよい。この場合、例えば、第1ディスプレイ30が第1直線偏光L1aと第2直線偏光L1cとを含む第1光を出射すると、第2直線偏光L1cは吸収型偏光板及び反射型偏光板43を透過するが、第1直線偏光L1aは吸収型偏光板に吸収される。このため、空中像のコントラストが高くなり得る。
【0069】
また、第2実施形態では、吸収型偏光板が第2ディスプレイ70の裏面や第2ディスプレイ70の裏面側において裏面から離れて設けられてもよい。この場合、この吸収型偏光板は、ビームスプリッター40で反射された第1直線偏光L1aを透過し、第1直線偏光L1a以外の光を吸収する。
【0070】
例えば、ビームスプリッター40は、ハーフミラーであってもよい。この場合、第1光は第1直線偏光L1aでなくてもよく例えば全方向に偏光する光でもよく、第1光がこのような光であるならばλ/4波長板50は設けられていなくてもよい。
【0071】
λ/4波長板50は、ビームスプリッター40と再帰反射部材60との間に配置されていればよい。
【0072】
第1ディスプレイ30は第1直線偏光L1aと第2直線偏光L1cとを含む第1光を出射してもよい。なお、第1実施形態では、第2直線偏光L1cは、ビームスプリッター40及び第2ディスプレイ70を透過するが、第1画像F2を構成しないため、無駄となることがある。このため、第1ディスプレイ30は、第1実施形態のように第1直線偏光L1aを出射することが好ましい。また、第2実施形態では、第1直線偏光L1aは、ビームスプリッター40の反射型偏光板43によって第2ディスプレイ70とは反対側の開口25に向かって反射され、第1画像F2を構成しないため、無駄となることがある。このため、第1ディスプレイ30は、第2実施形態のように第2直線偏光L1cを出射することが好ましい。また、第1,2実施形態では、第1ディスプレイ30にλ/2波長板が配置されれば、第1ディスプレイ30は円偏光の第1光を出射してもよい。
【0073】
第2ディスプレイ70では、第2透明電極の代わりに反射電極が設けられてもよい。反射電極は、OLED層からの第2光L2を第1透明電極側に反射する。このように、第2ディスプレイ70では、第2光L2が第2ディスプレイ70からビームスプリッター40側に向かって出射されなくてもよい。この場合、ビームスプリッター40側からの第1光の少なくとも一部は、互いに隣り合う第1透明電極の隙間、互いに隣り合うOLED層の隙間、及び互いに隣り合う反射電極の隙間を通過する。これら隙間を通過した第1光は、第1透明基板を透過して第2ディスプレイ70の前方の空中に進行する。また、第2ディスプレイ70は、上記したように第1光が透過する光透過性のディスプレイであれば、その構成は特に限定されない。また、第2ディスプレイ70は、バックライトが透過する透過領域を有する反射型の液晶ディスプレイであってもよい。この場合、空中像は、第1光が透過領域を透過することで、形成される。このような第2ディスプレイ70としては、例えば、シャープ社製のアドバンストTFT(Thin Film Transistor Liquid Crystal)液晶を用いるディスプレイが挙げられる。
【0074】
第1ディスプレイ30は表示面30Sの少なくとも一部から第1光を出射し、第1画像F1は第1ディスプレイ30の前面の少なくとも一部に表示されていればよい。第2ディスプレイ70は、射影領域ARから第2光L2を出射しないとしたが、射影領域ARの少なくも一部から第2光L2をさらに出射してもよい。従って、第2ディスプレイ70は第2ディスプレイ70の前面の少なくとも一部から第2光L2を出射し、第2画像は第2ディスプレイ70の前面の少なくとも一部に表示されていればよい。射影領域ARから出射する第2光L2は、単一色であることが好ましい。射影領域ARから出射する第2光L2の光度は、射影領域ARの外側から出射する第2光L2の光度よりも高くてもよいし、当該光度以下であってもよい。第2ディスプレイ70を透過した第1光によって構成される第1画像F2の輝度は、第2画像の輝度よりも高いことが好ましいが、第2画像の輝度以下であってもよい。つまり、第1画像F2は、人間の視覚的に第2画像より明るいことが好ましいが、人間の視覚的に第2画像と同じ明るさであっても、人間の視覚的に第2画像より暗くてもよい。
【0075】
検出センサ80は、設けられていなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明によれば、空中像及びディスプレイの画像を互いに近づけてそれぞれを同時に視認させ易くし得る画像表示装置を提供し、看板等に利用可能である。
【符号の説明】
【0077】
10・・・画像表示装置
30・・・第1ディスプレイ
40・・・ビームスプリッター
50・・・λ/4波長板
60・・・再帰反射部材
70・・・第2ディスプレイ
【手続補正書】
【提出日】2023-07-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1画像を構成する第1光を出射する第1ディスプレイと、
前記第1ディスプレイから出射された前記第1光の一部を反射するビームスプリッターと、
前記ビームスプリッターで反射された前記第1光を再帰反射する再帰反射部材と、
第2画像を構成する第2光を出射し、前記第1光を透過する光透過性の第2ディスプレイと、
を備え、
前記ビームスプリッターは、前記再帰反射部材によって再帰反射された前記第1光の一部を透過し、
前記第2ディスプレイは、前記再帰反射部材によって再帰反射されて前記ビームスプリッターを透過する前記第1光の少なくとも一部を透過し、前記第2ディスプレイを透過する当該第1光の進行方向前側の面から前記第2光を出射し、
ビームスプリッターは、前記第2ディスプレイのうちの前記再帰反射部材側の面上に配置される
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
第1画像を構成する第1直線偏光を含む第1光を出射する第1ディスプレイと、
前記第1ディスプレイから出射された前記第1直線偏光を反射するビームスプリッターと、
前記ビームスプリッターで反射された前記第1直線偏光を透過して円偏光に変換する1/4波長板と、
前記1/4波長板を透過し前記円偏光に変換された当該円偏光を再帰反射する再帰反射部材と、
第2画像を構成する第2光を出射し、前記第1直線偏光の偏光方向と異なる第2直線偏光を透過する光透過性の第2ディスプレイと、
を備え、
前記1/4波長板は、前記再帰反射部材で反射された前記円偏光を透過して前記第2直線偏光に変換し、
前記ビームスプリッターは、前記1/4波長板を透過し前記第2直線偏光に変換された当該第2直線偏光を透過し、
前記第2ディスプレイは、前記ビームスプリッターを透過した前記第2直線偏光を透過し、前記第2ディスプレイを透過する当該第2直線偏光の進行方向前側の面から前記第2光を出射し、
前記ビームスプリッターは、前記第2直線偏光を透過し前記第1直線偏光を反射する反射型偏光板と、前記反射型偏光板と前記第2ディスプレイとの間に配置され、前記第2直線偏光を透過し前記第1直線偏光を吸収する吸収型偏光板とを含む
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項3】
第1画像を構成する第2直線偏光を含む第1光を出射する第1ディスプレイと、
前記第1ディスプレイから出射された前記第2直線偏光を透過するビームスプリッターと、
前記ビームスプリッターを透過した前記第2直線偏光を透過して円偏光に変換する1/4波長板と、
前記1/4波長板を透過し前記円偏光に変換された当該円偏光を再帰反射する再帰反射部材と、
第2画像を構成する第2光を出射し、前記第2直線偏光の偏光方向と異なる第1直線偏光を透過する光透過性の第2ディスプレイと、
を備え、
前記1/4波長板は、前記再帰反射部材で反射された前記円偏光を透過して前記第1直線偏光に変換し、
前記ビームスプリッターは、前記第2直線偏光を透過し前記第1直線偏光を反射する反射型偏光板と、前記反射型偏光板のうち前記第1ディスプレイ側の面上に配置され、前記第2直線偏光を透過し前記第1直線偏光を吸収する吸収型偏光板を含み、
前記反射型偏光板は、前記1/4波長板を透過して前記第1直線偏光に変換された当該第1直線偏光を、前記第2ディスプレイに向けて反射し、
前記第2ディスプレイは、前記反射型偏光板で反射された前記第1直線偏光を透過し、前記第2ディスプレイを透過する当該第1直線偏光の進行方向前側の面から前記第2光を出射する
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項4】
第1画像を構成する第2直線偏光を含む第1光を出射する第1ディスプレイと、
前記第1ディスプレイから出射された前記第2直線偏光を透過するビームスプリッターと、
前記ビームスプリッターを透過した前記第2直線偏光を透過して円偏光に変換する1/4波長板と、
前記1/4波長板を透過し前記円偏光に変換された当該円偏光を再帰反射する再帰反射部材と、
前記第2直線偏光を透過し当該第2直線偏光の偏光方向と異なる第1直線偏光を吸収する吸収型偏光板と、
第2画像を構成する第2光を出射し、前記第1直線偏光を透過する光透過性の第2ディスプレイと、
を備え、
前記1/4波長板は、前記再帰反射部材で反射された前記円偏光を透過して前記第1直線偏光に変換し、
前記ビームスプリッターは、前記第2直線偏光を透過し前記第1直線偏光を反射する反射型偏光板からなり、
前記反射型偏光板は、前記1/4波長板を透過して前記第1直線偏光に変換された当該第1直線偏光を、前記第2ディスプレイに向けて反射し、
前記吸収型偏光板は、前記第2ディスプレイのうちの前記反射型偏光板側の面上または当該面から離れて配置され、前記反射型偏光板で反射された前記第1直線偏光を透過し、
前記第2ディスプレイは、前記吸収型偏光板を透過した前記第1直線偏光を透過し、前記第2ディスプレイを透過する当該第1直線偏光の進行方向前側の面から前記第2光を出射する
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項5】
前記第1ディスプレイから出射する前記第1光の光度は、前記第2ディスプレイから出射する前記第2光の光度よりも高い
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記第1ディスプレイから出射する前記第1光の光度は、前記第2ディスプレイから出射する前記第2光の光度の2倍以上20倍以下である
ことを特徴とする請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記第2ディスプレイを透過した前記第1光の結像位置と前記第2ディスプレイとの間における物体の有無を検出する検出センサをさらに備える
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記第2ディスプレイを透過した前記第1光によって構成される前記第1画像を正面視する場合、前記第2ディスプレイは、前記第1画像の射影領域の外側の少なくとも一部から前記第2光を出射する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1画像を構成する第1光を出射する第1ディスプレイと、
前記第1ディスプレイから出射された前記第1光の一部を反射するビームスプリッターと、
前記ビームスプリッターで反射された前記第1光を再帰反射する再帰反射部材と、
第2画像を構成する第2光を出射し、前記第1光を透過する光透過性の第2ディスプレイと、
を備え、
前記ビームスプリッターは、前記再帰反射部材によって再帰反射された前記第1光の一部を透過し、
前記第2ディスプレイは、前記再帰反射部材によって再帰反射されて前記ビームスプリッターを透過する前記第1光の少なくとも一部を透過し、前記第2ディスプレイを透過する当該第1光の進行方向前側の面から前記第2光を出射し、
ビームスプリッターは、前記第2ディスプレイのうちの前記再帰反射部材側の面上に配置される
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
第1画像を構成する第1直線偏光を含む第1光を出射する第1ディスプレイと、
前記第1ディスプレイから出射された前記第1直線偏光を反射するビームスプリッターと、
前記ビームスプリッターで反射された前記第1直線偏光を透過して円偏光に変換する1/4波長板と、
前記1/4波長板を透過し前記円偏光に変換された当該円偏光を再帰反射する再帰反射部材と、
第2画像を構成する第2光を出射し、前記第1直線偏光の偏光方向と異なる第2直線偏光を透過する光透過性の第2ディスプレイと、
を備え、
前記1/4波長板は、前記再帰反射部材で反射された前記円偏光を透過して前記第2直線偏光に変換し、
前記ビームスプリッターは、前記1/4波長板を透過し前記第2直線偏光に変換された当該第2直線偏光を透過し、
前記第2ディスプレイは、前記ビームスプリッターを透過した前記第2直線偏光を透過し、前記第2ディスプレイを透過する当該第2直線偏光の進行方向前側の面から前記第2光を出射し、
前記ビームスプリッターは、前記第2直線偏光を透過し前記第1直線偏光を反射する反射型偏光板と、前記反射型偏光板と前記第2ディスプレイとの間に配置され、前記第2直線偏光を透過し前記第1直線偏光を吸収する吸収型偏光板とを含む
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項3】
第1画像を構成する第2直線偏光を含む第1光を出射する第1ディスプレイと、
前記第1ディスプレイから出射された前記第2直線偏光を透過するビームスプリッターと、
前記ビームスプリッターを透過した前記第2直線偏光を透過して円偏光に変換する1/4波長板と、
前記1/4波長板を透過し前記円偏光に変換された当該円偏光を再帰反射する再帰反射部材と、
第2画像を構成する第2光を出射し、前記第2直線偏光の偏光方向と異なる第1直線偏光を透過する光透過性の第2ディスプレイと、
を備え、
前記1/4波長板は、前記再帰反射部材で反射された前記円偏光を透過して前記第1直線偏光に変換し、
前記ビームスプリッターは、前記第2直線偏光を透過し前記第1直線偏光を反射する反射型偏光板と、前記反射型偏光板のうち前記第1ディスプレイ側の面上に配置され、前記第2直線偏光を透過し前記第1直線偏光を吸収する吸収型偏光板を含み、
前記反射型偏光板は、前記1/4波長板を透過して前記第1直線偏光に変換された当該第1直線偏光を、前記第2ディスプレイに向けて反射し、
前記第2ディスプレイは、前記反射型偏光板で反射された前記第1直線偏光を透過し、前記第2ディスプレイを透過する当該第1直線偏光の進行方向前側の面から前記第2光を出射する
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項4】
第1画像を構成する第2直線偏光を含む第1光を出射する第1ディスプレイと、
前記第1ディスプレイから出射された前記第2直線偏光を透過するビームスプリッターと、
前記ビームスプリッターを透過した前記第2直線偏光を透過して円偏光に変換する1/4波長板と、
前記1/4波長板を透過し前記円偏光に変換された当該円偏光を再帰反射する再帰反射部材と、
前記第2直線偏光の偏光方向と異なる第1直線偏光を透過し前記第1直線偏光以外の光を吸収する吸収型偏光板と、
第2画像を構成する第2光を出射し、前記第1直線偏光を透過する光透過性の第2ディスプレイと、
を備え、
前記1/4波長板は、前記再帰反射部材で反射された前記円偏光を透過して前記第1直線偏光に変換し、
前記ビームスプリッターは、前記第2直線偏光を透過し前記第1直線偏光を反射する反射型偏光板からなり、
前記反射型偏光板は、前記1/4波長板を透過して前記第1直線偏光に変換された当該第1直線偏光を、前記第2ディスプレイに向けて反射し、
前記吸収型偏光板は、前記第2ディスプレイのうちの前記反射型偏光板側の面上または当該面から離れて配置され、前記反射型偏光板で反射された前記第1直線偏光を透過し、
前記第2ディスプレイは、前記吸収型偏光板を透過した前記第1直線偏光を透過し、前記第2ディスプレイを透過する当該第1直線偏光の進行方向前側の面から前記第2光を出射する
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項5】
前記第1ディスプレイから出射する前記第1光の光度は、前記第2ディスプレイから出射する前記第2光の光度よりも高い
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記第1ディスプレイから出射する前記第1光の光度は、前記第2ディスプレイから出射する前記第2光の光度の2倍以上20倍以下である
ことを特徴とする請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記第2ディスプレイを透過した前記第1光の結像位置と前記第2ディスプレイとの間における物体の有無を検出する検出センサをさらに備える
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記第2ディスプレイを透過した前記第1光によって構成される前記第1画像を正面視する場合、前記第2ディスプレイは、前記第1画像の射影領域の外側の少なくとも一部から前記第2光を出射する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像表示装置。